JP2017226262A - 路面勾配推定装置及び路面勾配推定方法 - Google Patents

路面勾配推定装置及び路面勾配推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】路面の一時的な変化による推定誤差を低減して、路面勾配を高精度に推定する路面勾配推定装置及び路面勾配推定方法を提供する。【解決手段】路面勾配推定装置30は、車速センサ26と、加速度センサ27と、路面勾配演算部31とを備え、路面勾配演算部31が、路面勾配を推定する推定部32と、入力されたその値に対して可変自在の時定数tcを有するローパスフィルタでフィルタ処理を施して出力するフィルタ部34と、推定した推定値θzの変化量Δθxに応じて、時定数tcを変更する変更部35と、を備えて構成される。【選択図】図3

Description

本発明は、路面勾配推定装置及び路面勾配推定方法に関し、より詳細には、路面勾配を高精度に推定する路面勾配推定装置及び路面勾配推定方法に関する。
車速及び加速度に基づいて車両が走行している路面の路面勾配を推定する際に、車速及び加速度の少なくとも一方にフィルタ処理を施して、路面勾配の推定誤差を低減する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置は、車両の運転状態に応じて、詳しくは、変速時、路面勾配の変化が小さい時には、遮断周波数を定常時よりも低く(フィルタ処理の時定数を大きく)している。
特開2012−101791号公報
一方で、上記の装置では、路面勾配の変化が小さいほど、遮断周波数を低く(フィルタ処理の時定数を大きく)し、路面勾配の変化が大きいほど、遮断周波数を高く(フィルタ処理の時定数を小さく)している。それ故、路面表面に段差や凹凸、障害物などがあり、路面が一時的に上下方向に変化する場合は、路面勾配の推定誤差が大きくなる。
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、路面の一時的な変化による推定誤差を低減して、路面勾配を高精度に推定する路面勾配推定装置及び路面勾配推定方法を提供することである。
上記の目的を達成する本発明の路面勾配推定装置は、車両の車速を取得する車速取得手段と、その車両の前後方向の加速度を取得する加速度取得手段と、前記車速取得手段により取得した車速及び前記加速度取得手段により取得した加速度が入力されて、入力されたそれらの車速及び加速度に基づいてその車両が走行している路面勾配を推定して出力する推定手段と、前記推定手段へ入力される値及び前記推定手段から出力された値のどちらか一方が入力されて、入力されたその値に対して可変自在の時定数を有するローパスフィルタでフィルタ処理を施して出力するフィルタ手段と、前記推定手段により推定した推定値の変化量に応じて、前記フィルタ手段の前記時定数を変更する変更手段と、を備えることを特徴とするものである。
上記の目的を達成する本発明の路面勾配推定方法は、車両の車速及びその車両の前後方向の加速度成分を取得し、取得したそれらの車速及び加速度成分に基づいてその車両が走行している路面勾配を推定する路面勾配推定方法において、取得した車速及び加速度成分、又は推定した路面勾配の推定値のどちらか一方に対して可変自在の時定数を有するローパスフィルタでフィルタ処理を施す際に、前記推定値の変化量を算出し、算出したその変化量に応じて、前記時定数を変更することを特徴とする方法である。
本発明によれば、推定した路面勾配の推定値の変化量に応じて、フィルタ処理のローパスフィルタの時定数を変更するので、路面の段差や凹凸、障害物などに起因した車両の姿
勢変化を一時的な姿勢変化として捉えてフィルタ処理によりノイズとして除去できる。これにより、路面状況が一時的に変化してもこの変化を除去できるので、路面勾配の推定誤差の低減には有利になり、路面勾配を高精度に推定することができる。
本発明の路面勾配推定装置の第一実施形態を例示する説明図である。 図1の制御装置を例示するブロック図である。 図2の路面勾配演算部を例示するブロック図である。 推定値の差分と規定値との関係を例示する関係図である。 本発明の路面勾配推定方法の第一実施形態を例示するフロー図である。 本発明の路面勾配推定装置の第二実施形態の路面勾配演算部を例示するブロック図である。 車速と高時定数との関係を例示する関係図である。 車速と低時定数との関係を例示する関係図である。 本発明の路面勾配推定装置の第三実施形態の路面勾配演算部を例示するブロック図である。 本発明の路面勾配推定装置の第四実施形態の路面勾配演算部を例示するブロック図である。
以下に、本発明の路面勾配推定装置及び路面勾配推定方法の実施形態について説明する。以下では、推定する路面勾配は、道路の縦断勾配であり、登坂路の路面勾配を正とし、降坂路の路面勾配を負とする。
図1〜図3に例示する第一実施形態の路面勾配推定装置30は、車両10に搭載されて、その車両10が走行している路面勾配を推定する装置である。
図1に例示するように、路面勾配推定装置30が搭載される車両10は、シャーシ11の前方側に運転部として運転室(キャブ)12が配置され、シャーシ11の後方側にボディ13が配置されている。
シャーシ11には、エンジン14、クラッチ15、変速機16、プロペラシャフト17、ディファレンシャルギア18が設置されている。エンジン14の回転動力は、クラッチ15を介して変速機16に伝達される。変速機16で変速された回転動力は、プロペラシャフト17を通じてディファレンシャルギア18に伝達され、後輪である一対の駆動輪19にそれぞれ駆動力として分配される。
制御装置20は、エンジン14、クラッチ15、変速機16、及び各種センサに一点鎖線で示す信号線を介して電気的に接続されている。各種センサとして、運転室12には、アクセルペダル21の踏み込み量からアクセル開度を検出するアクセル開度センサ22、シフトレバー23のポジションを検出するポジションセンサ24が設置されている。シャーシ11には、エンジン14の図示しないクランクシャフトの回転数を検出するエンジン回転数センサ25、車速センサ26、及び、加速度センサ27が設置されている。
制御装置20は、各種情報処理を行うCPU、その各種情報処理を行うために用いられるプログラムや情報処理結果を読み書き可能な内部記憶装置、及び各種インターフェースなどから構成されるハードウェアである。
図2に例示するように、制御装置20は、エンジン14、クラッチ15、及び変速機16を制御する制御部28と、車両10の車重を演算する車重演算部29と、車両10が走行している路面勾配を演算する路面勾配演算部31とを各機能要素として有している。この実施形態で、各機能要素は、プログラムとして内部記憶装置に記憶されているが、各機能要素が個別のハードウェアで構成されてもよい。
本発明の路面勾配推定装置30は、路面勾配演算部31、車速センサ26、及び加速度センサ27から構成されており、それらのセンサの検出値が入力され、各検出値に基づいて演算した結果を出力値θxとして出力する。路面勾配演算部31は、それらのセンサを利用して、車速取得手段、加速度取得手段、推定手段、フィルタ手段、及び変更手段として機能する。
車速センサ26は、車速取得手段として機能する装置であり、この実施形態では、プロペラシャフト17の回転速度に比例したパルス信号を読み取り、制御装置20の車速演算処理により車速vxとして取得するセンサである。車速センサ26が回転速度に比例したパルス信号に基づいて車速vxを取得することから、取得された車速vxは、負ではなくゼロ以上の値になる。車速センサ26としては、変速機16の図示しないアウトプットシャフト、駆動輪19、従動輪などの回転速度から車速vxを取得するセンサを用いてもよい。なお、駆動輪19、従動輪などの回転速度から車速vxを取得するセンサを用いる場合には、左右一対の車輪のそれぞれの回転速度を取得して、その平均値を車速vxとするとよい。車輪の回転速度から車速vxを取得する車速センサ26は、発進時や加速時のプロペラシャフト17の回転速度変動に影響されないため、プロペラシャフト17の回転速度変動が大きい場合に用いるとよい。
加速度センサ27は、加速度取得手段として機能する装置であり、この実施形態では、車両10の前後方向での速度変化に伴う加速度成分と車両10の姿勢変化に伴う重力加速度成分とによって動作して、それらを合成した路面に平行な加速度成分、すなわち車両10の前後方向の加速度Gxを取得するセンサである。加速度センサ27としては、機械的変位測定方式、光学的方式、半導体方式などが例示できる。
図3に例示するように、この実施形態で、路面勾配演算部31は、各機能要素として、推定部32、フィルタ部34、及び変更部35を有している。路面勾配演算部31の各機能要素は、プログラムとして内部記憶装置に記憶されているが、各機能要素が個別のハードウェアで構成されてもよい。
推定部32は、車速センサ26により取得した車速vx及び加速度センサ27により取得した加速度Gxが入力され、車両10が走行している路面勾配の推定値θzを出力する機能要素である。推定部32は、微分ブロック32a、加算ブロック32b、除算ブロック32c、及び逆正弦関数ブロック32dを有している。道路勾配が小さいと考えられる場合、sinθ≒θとなることから、逆正弦関数ブロック32dは用いなくてもよい。
フィルタ部34は、可変自在の時定数tcを有して、推定部32から出力された推定値θzが入力され、その推定値θzにフィルタ処理を施した出力値θxを出力する機能要素である。時定数tcは、後述する変更部35から出力される。
この実施形態で、フィルタ部34は、一次遅れのローパスフィルタであり、推定値θzに対して時定数tcにより規定される遮断周波数fc(=1/(2π×Tc))よりも低い低周波数成分を殆んど減衰させずに透過させる一方で、その遮断周波数fcよりも高い高周波数成分を逓減させるフィルタ処理を施して出力する可変ローパスフィルタである。可変ローパスフィルタは、下記の数式(1)で示される伝達関数で表される。ここで、Kは通過域の利得とし、Sはラプラス変換の変数とする。下記の数式(1)で示した伝達関数を離散化し、離散時間伝達関数を使用する。なお、ローパスフィルタは1次のみだけで
なく、高次ローパスフィルタを適用することもある。
Figure 2017226262
変更部35は、推定部32で推定された推定値θzと、この推定値θzを推定する直前に推定された値である前回値θ(x−1)とが入力され、推定値θzの変化量に応じた時定数tcをフィルタ部34に出力する機能要素である。
この実施形態で、変更部35は、加算ブロック35a、絶対値ブロック35b、スイッチブロック35c、データブロック35d、及びディレイブロック35eを有しており、それらの機能により、時定数tcを変更する。具体的に、変更部35は、推定値θz及び前回値θ(x−1)の差分から求まる変化量Δθxの絶対値が予め設定した閾値Δθaを超えた場合は、時定数tcを下限値t0よりも大きい規定値tsにする。一方で、変更部35は、変化量Δθxが閾値Δθa以下になった場合は、時定数tcを下限値t0にする。
閾値Δθaは、車両10の走行している路面の一時的な上下方向の変化によるその車両10の姿勢変化を特定できる値に設定されている。路面の一時的な上下方向の変化としては、路面の表面から車両10に入力される変化であり、道路の縦断勾配以外の変化を例示できる。このような変化としては、例えば、路面表面に段差や凹凸、障害物などがある場合の変化が例示できる。
下限値t0は、センサ自体の精度や感度による誤差などの車両10の姿勢変化に伴わないノイズのみを除去可能な時定数である。
規定値tsは、下限値t0よりも大きい値に設定された時定数である。この実施形態で、規定値tsは、変化量Δθxに応じて設定されており、路面表面に段差や凹凸、障害物などの影響により推定値θzの変化が大きくなっても、その変化をノイズとして除去可能な時定数である。規定値tsとしては、例えば、変化量Δθxを閾値Δθa以下にする時定数を用いてもよい。
図4に例示するように、規定値tsは、変化量Δθxが閾値Δθaを超えた場合は、変化量Δθxに対して正の関係にあり、変化量Δθxが大きくなる程、大きくなる。この図4に例示するマップデータは予め実験や試験により求めておき、データブロック35dに記憶させておく。規定値tsは、マップデータでなく、定数値とすることも可能である。
次に、本発明の路面勾配推定方法について、図5のフロー図を参照しながら、路面勾配演算部31の各機能として説明する。以下の路面勾配推定方法は、車両10の制御装置20が通電すると開始されて、一定周期(サンプリング時間)ごとに繰り返し行われてリアルタイムに路面勾配を推定する。そして、制御装置20が停電すると終了する。
スタートすると、車速センサ26は車速vxを、加速度センサ27は加速度Gxを取得する(S110)。次いで、路面勾配演算部31は、推定部32の機能により、車両10が走行している路面勾配の推定値θzを推定する(S120)。具体的に、推定部32では、微分ブロック32aにより入力された車速vxを時間微分した微分値vx’を出力す
る。次いで、加算ブロック32bにより加速度Gxから微分値vx’を減算した値を車両10の前後方向に掛かる重力加速度成分(Gx−vx’)として出力する。次いで、除算ブロック32cにより車両10の前後方向に掛かる重力加速度成分(Gx−vx’)を重力加速度gで除算した値を出力する。次いで、逆正弦関数ブロック32dにより、入力された値に逆正弦関数(sin−1)を用いて推定値θzを推定する。道路勾配が小さい場合、sinθ≒θとなることから、逆正弦関数ブロック32dは用いなくてもよい。
次いで、路面勾配演算部31は、変更部35の機能により、推定した推定値θzと、この推定値θzを推定する直前に推定された値である前回値θ(x−1)との変化量Δθxの絶対値を算出する(S130)。具体的に、このステップでは、ディレイブロック35eにより前回値θ(x−1)を算出し、加算ブロック35aと絶対値ブロック35bとにより変化量Δθxの絶対値を算出する。このステップで、前回値θ(x−1)としてフィルタ処理された値を用いることで、フィルタ処理により推定誤差が低減された値を基準に路面勾配の変化を特定できる。これにより、路面の一時的な上下方向の変化による車両10の姿勢変化の特定には有利になる。なお、変化量Δθxは、一定周期(サンプリング時間)あたりの変化量として算出してもよい。
次いで、路面勾配演算部31は、変更部35の機能により、変化量Δθxの絶対値が閾値Δθaを超えたか否かを判定する(S140)。次いで、路面勾配演算部31は、変更部35の機能により、変化量Δθxが閾値Δθaを超えたと判定した場合は、時定数tcを規定値tsに変更する(S150)。一方、変化量Δθxが閾値Δθa以下と判定した場合は、時定数tcを下限値t0に変更する(S160)。
具体的に、変更部35では、スイッチブロック35cにより、変化量Δθxの絶対値と閾値Δθaとを比較する。変化量Δθxが閾値Δθaを超えた場合は、データブロック35dにより入力された変化量Δθxに応じた規定値tsを時定数tcとしてフィルタ部34に出力する。一方、変化量Δθxが閾値Δθaを超えていない場合は、下限値t0を時定数tcとして出力する。
次いで、路面勾配演算部31は、フィルタ部34により、推定値θzに対して、入力された時定数tcで決まる遮断周波数fcより低い周波数成分を殆んど減衰させずに透過させる一方で、その遮断周波数fcよりも高い高周波数成分を逓減させるフィルタ処理を施す(S170)。そして、出力値θxを出力して(S180)、スタートへリターンする。
このとき、フィルタ部34は、変化量Δθxが閾値Δθaを超えた場合に、つまり路面勾配の一時的な変化が大きい場合に、時定数tcとして規定値tsが設定されて、遮断周波数fcが低くなる。一方で、フィルタ部34は、変化量Δθxが閾値Δθa以下の場合に、つまり路面勾配の一時的な変化が小さい場合に、時定数tcとして下限値t0が設定されて、遮断周波数fcが高くなる。
以上のように、推定した路面勾配の推定値θzの変化量Δθxに基づいて、この変化量Δθx応じた値にフィルタ処理の時定数tcを変更するので、路面の段差や凹凸、障害物などに起因した車両10の姿勢変化を一時的な姿勢変化として捉えてフィルタ処理によりノイズとして除去できる。これにより、路面状況が一時的に変化してもこの変化を除去できるので、路面勾配の推定誤差の低減には有利になり、路面勾配を高精度に推定することができる。
また、この実施形態では、推定値θzと前回値θ(x−1)との変化量Δθxが閾値Δθaを超えるような路面勾配の変化が生じた場合は、フィルタ処理の時定数tcを大きくして遮断周波数fcを低くする。つまり、フィルタ処理による遮断をしない周波数範囲を狭くする。それ故、路面表面に段差や凹凸、障害物などに起因する車両10の姿勢変化を一時的な変化として捉えてフィルタ処理によりノイズとして除去できる。これにより、路面が一時的に変化することに起因する路面勾配の推定誤差の低減には有利になる。
フィルタ処理によるノイズ除去効果と応答性とはトレードオフの関係にある。つまり、常時、推定値θzの一時的な変化をフィルタ処理によりノイズとして除去しようとすると、路面勾配の推定の応答性が悪化するおそれがある。
一方、この実施形態では、変化量Δθxが閾値Δθaを超える場合以外では、時定数tcを小さくして遮断周波数fcを高くするので、フィルタ処理による出力遅延を抑制できる。これにより、路面の一時的な変化が生じた場合は、その変化をノイズとして除去するとともに、その変化が生じない場合は、時定数tcを小さくして、路面勾配の推定の応答性を確保することができる。
この実施形態では、変化量Δθxが閾値Δθa以下の場合に、時定数tcを車両10の姿勢変化に伴わないノイズのみを除去可能な下限値t0に設定するので、フィルタ処理による出力遅延を最小にできる。これにより、路面勾配の推定の応答性の確保には有利になる。なお、必要な応答性を十分に確保できるように下限値t0の値を決めておく。
この実施形態では、フィルタ部34を推定部33から出力された推定値θzに対してフィルタ処理を施して出力する構成にしたので、別のパラメータに基づいた制限や補正を掛けた後の値にフィルタ処理を施すことが可能になる。これにより、車速vxや加速度Gxにフィルタ処理を施す場合に比して、フィルタ処理による出力遅延の低減には有利になる。
この実施形態では、フィルタ部34を推定部32から外部に出力するまでの間に介在させて、入力された推定値θzにフィルタ処理を施して出力するので、その推定値θzに対してリアルタイムにフィルタ処理を施すことができる。これにより、車速vxや加速度Gxにフィルタ処理を施す場合に比して、路面勾配の変化に応じてフィルタ処理を施して、ノイズを除去するには有利になり、路面勾配の推定誤差を低減できる。また、フィルタ部34を推定部32から外部に出力するまでの間に介在させることで、車速vxや加速度Gxのそれぞれにフィルタ処理を施す場合に比して、路面勾配の推定に必要なブロック数も少なくて済む。
この実施形態では、推定値θzの変化量Δθxとして、推定値θzと前回値θ(x−1)との差分を用いた例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、変化量Δθxとしては、一定周期(サンプリング時間)あたりの推定値θzの変化量や、所定の走行距離における推定値θzの変化量を用いてもよい。
図6〜図8に例示する第二実施形態の路面勾配推定装置30は、第一実施形態に対して変更部35が異なっている。図6に例示するように、この実施形態で、変更部35は、第一実施形態の加算ブロック35a、絶対値ブロック35b、及びスイッチブロック35cと、データブロック35f、35gとを有している。
データブロック35fは、車速vxが入力されて、その車速vxに応じた高時定数thを出力する機能要素である。データブロック35gは、車速vxが入力されて、その車速vxに応じた低時定数tlを出力する機能要素である。高時定数thは、同一の車速vxにおける低時定数tlよりも大きい値に設定されている。
図7に例示するように、高時定数thは、一定値になるまでは、車速vxに対して負の関係にあり、車速vxが速くなる程、小さくなる。図8に例示するように、低時定数tlは、下限値t0になるまでは、車速vxに対して負の関係にあり、車速vxが速くなる程、小さくなる。これらのマップデータは予め実験や試験により求めておき、データブロック35f、35gのそれぞれに記憶させておく。なお、高時定数th及び低時定数tlは車速センサ26が車速vxを検出できない場合は、車速vxがゼロと見なされて算出される。
このように、この実施形態では、車速vxに応じて時定数tcを可変にするので、路面勾配の変化速度に応じて、トレードオフの関係にあるノイズ除去効果と応答性とを最適化できる。これにより、車速vxが速くノイズが少ない場合は、時定数tcを小さくして路面勾配の推定の応答性を高めることができる。一方で、車速vxが遅く応答性が遅くてもよい場合は、時定数tcを大きくしてノイズ除去効果を高めることができる。
図9に例示する第三実施形態の路面勾配推定装置30は、第二実施形態に対して、第一実施形態におけるデータブロック35dが追加されている。また、変更部35は、データブロック35dから出力された規定値tsとデータブロック35fから出力された高時定数thとを加算する加算ブロック35hを有している。
この実施形態の規定値tsは、第一実施形態に比して、高時定数thと低時定数tlとの差分の平均値の分だけ小さく設定されている。つまり、この実施形態で、規定値tsは、高時定数thの補正値として機能する。
このように、この実施形態では、変化量Δθxが閾値Δθaを超えた場合は、時定数tcを変化量Δθxに応じた規定値tsと、その時の車速vxに応じた高時定数thとを加算した値に設定するので、推定値θzの変化量Δθxに加えて車速vxに応じた路面の変化をフィルタ処理によりノイズとして除去できる。これにより、現実的でない出力値θxの出力回避には有利になり、路面勾配の推定誤差を低減できる。
図10に例示する第四実施形態の路面勾配推定装置30は、既述した実施形態に対して、フィルタ部34の配置位置が異なっており、二つの推定部32A、32Bを有している。
この実施形態のフィルタ部34は、車速センサ26と推定部32Bとの間、加速度センサ27と推定部32Bとの間にそれぞれ介在している。フィルタ部34は、車速vx及び加速度Gxのそれぞれが入力されて、それらの車速vx及び加速度Gxにフィルタ処理を施して推定部32Bに出力する。
推定部32Aは、既述した実施形態と同様に、推定値θzを変更部35に出力する。推定部32Bは、フィルタ部34から出力値θxを出力するまでの間に介在しており、フィルタ処理された車速vx(VLPF)と加速度Gx(VLPF)とが入力されて、出力値θxを出力する。この出力値θxは、フィルタ処理された車速vx(VLPF)と加速度Gx(VLPF)とによりフィルタ処理された推定値θzと見做せる。
この実施形態のように、二つの推定部32A、32Bが必要になるが、取得した車速vx及び加速度Gxにフィルタ処理を施してもよい。なお、車速vxをフィルタ処理するフィルタ部34を推定部32Bの微分ブロック32aと加算ブロック32bとの間に介在させて、車速vxの代わりに、車速vxを時間微分した微分値vx’のノイズを除去してもよい。
既述した実施形態では、車両10がトラックなどの大型車両を例に説明したが、本発明の路面勾配推定装置30は、バス、普通車両、牽引車(トラクタ)にも適用でき、車両10の種類には限定されない。
また、既述した実施形態では、路面勾配推定装置30が、路面勾配演算部31、車速センサ26、及び加速度センサ27から構成された例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、路面勾配推定装置30が車速取得手段、加速度取得手段、推定手段、及び出力手段として機能する一つのセンサと、フィルタ手段及び変更手段として機能するハードウェアとから構成されていてもよい。
また、既述した実施形態では、フィルタ部34として、一次伝達関数ブロックを用いたが、本発明はこれに限定されない。フィルタ部34としては、例えば、定数倍ブロックと、加算ブロックと、積分ブロックとから構成し、1回積分の結果をフィードバック加算するものを用いてもよい。また、フィルタ部34としては、高次伝達関数ブロックを用いてもよい。
10 車両
26 車速センサ
27 加速度センサ
30 路面勾配推定装置
31 路面勾配演算部
32 推定部
34 フィルタ部
35 変更部
vx 車速
Gx 加速度
θz 推定値
Δθx 変化量

Claims (7)

  1. 車両の車速を取得する車速取得手段と、
    その車両の前後方向の加速度を取得する加速度取得手段と、
    前記車速取得手段により取得した車速及び前記加速度取得手段により取得した加速度が入力されて、入力されたそれらの車速及び加速度に基づいてその車両が走行している路面勾配を推定して出力する推定手段と、
    前記推定手段へ入力される値及び前記推定手段から出力された値のどちらか一方が入力されて、入力されたその値に対して可変自在の時定数を有するローパスフィルタでフィルタ処理を施して出力するフィルタ手段と、
    前記推定手段により推定した推定値の変化量に応じて、前記フィルタ手段の前記時定数を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする路面勾配推定装置。
  2. 前記変化量が前記推定値とこの推定値の直前に推定した値である前回値との差分であり、その変化量が予め設定した閾値を超えた場合は、前記変更手段により、前記時定数を大きくする構成にした請求項1に記載の路面勾配推定装置。
  3. 前記変化量が前記閾値以下になった場合は、前記変更手段により、前記時定数を小さくする構成にした請求項2に記載の路面勾配推定装置。
  4. 前記閾値が、前記車両の走行している路面の一時的な上下方向の変化によるその車両の姿勢変化であることを特定できる値である請求項2又は3に記載の路面勾配推定装置。
  5. 前記変化量の値に応じて、前記変更手段により、前記変化量が大きくなるにつれて前記時定数を大きくする構成にした請求項1〜4のいずれか1項に記載の路面勾配推定装置。
  6. 前記変更手段に前記車速取得手段により取得した車速が入力されて、
    前記車速の値に応じて、前記変更手段により、前記車速が大きくなるにつれて前記時定数を小さくする構成にした請求項1〜5のいずれか1項に記載の路面勾配推定装置。
  7. 車両の車速及びその車両の前後方向の加速度成分を取得し、取得したそれらの車速及び加速度成分に基づいてその車両が走行している路面勾配を推定する路面勾配推定方法において、
    取得した車速及び加速度成分、又は推定した路面勾配の推定値のどちらか一方に対して可変自在の時定数を有するローパスフィルタでフィルタ処理を施す際に、
    前記推定値の変化量を算出し、
    算出したその変化量に応じて、前記時定数を変更することを特徴とする路面勾配推定方法。
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