JP2017225697A5 - - Google Patents

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血圧計
この発明は血圧計に関し、より詳しくは、流体系の故障の有無を判定できる血圧計に関する。
従来、例えば特許文献1(特開平7−178065号公報)には、血圧計本体と、この血圧計本体にチューブを介して接続される圧迫帯(カフ)とを備えた血圧計であって、圧迫帯(カフ)に代えて一定容量の空気タンクが取り付けられた状態で、加圧および減圧を行い、排気弁の故障や空気漏れといった異常の検出を行うものが開示されている。
また、特許文献2(特開2011−200290号公報)には、血圧計本体と、この血圧計本体にチューブを介して接続されるカフとを備えた血圧計であって、カフが上腕等に巻き付けられた状態で、血圧測定のためにカフの加圧および減圧を行い、累積して記憶されている総印加圧力と予め設定されている耐久限度に応じた印加圧力の閾値とを比較して、総印加圧力が閾値を超えている場合、使用が耐久限度に達したと判定するものが開示されている。
特開平7−178065号公報 特開2011−200290号公報
しかしながら、特許文献1の血圧計では、異常の検出のために、空気タンクのような特別の治具を用いなければならず、ユーザにとって操作が煩わしいという問題がある。また、ユーザは、空気タンク(治具)を保管しておく必要があり、紛失のおそれもある。
また、特許文献2の血圧計では、血圧測定のためのカフの加圧および減圧の過程で判定を行っている。このため、使用量(測定回数)の判定はできるが、上腕等に対するカフの巻き付け状態(きつく巻かれているか、緩く巻かれているか)の影響を受けるため、昇圧速度異常、排気速度異常などの故障を判定するのが困難である。
そこで、この発明の課題は、ユーザが特別の治具を用いることなく簡単な操作を行うのみで、流体系の故障の有無を判定できる血圧計を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の血圧計は、
被測定部位に巻き付けられるべきカフと、
血圧測定のための要素として、ポンプ、弁、圧力センサ、および、これらのポンプ、弁、圧力センサを互いに流体流通可能に接続する内部配管を含むユニットと、
上記カフと上記ユニット内の上記内部配管とを互いに流体流通可能に接続する連絡配管と、
を備えて、血圧測定を行う血圧計において、
上記カフに、このカフの中心を空にして、このカフのみを筒状に巻く空巻きが行われるとき、このカフの筒の周りの寸法を定める目安となるマークが設けられ、
上記カフが上記マークに合わせて筒状に空巻きされて上記カフの容量が規制された状態で、上記ポンプ、上記弁、上記圧力センサ、上記内部配管、上記連絡配管、および、上記カフを含む流体系の故障の有無を判定する自己故障診断部を備えたことを特徴とする。
本明細書で、カフが筒状に「空巻き」されるとは、被測定部位に巻き付けられるのではなく、中心が空で、カフのみが筒状に巻かれることを意味する。
この発明の血圧計では、上記ユニットの内部に搭載された上記ポンプから上記内部配管、上記連絡配管を通して上記カフ内へ流体が送り込まれ、または、上記カフから上記連絡配管、上記内部配管、上記弁を通して流体が排出される。これにより、上記カフ内の圧力が加圧又は減圧される。また、被測定部位の動脈で発生する動脈容積の変動が上記カフの圧力(カフ圧)を介して、上記連絡配管、上記内部配管を通して、上記圧力センサ(上記ユニットに搭載されている)によって検出される。この検出された圧力に基づいて、例えば公知のオシロメトリック法により血圧値が求められる。さらに、この血圧計では、上記カフに、このカフの中心を空にして、このカフのみを筒状に巻く空巻きが行われるとき、このカフの筒の周りの寸法を定める目安となるマークが設けられている。そして、上記カフが上記マークに合わせて筒状に空巻きされて上記カフの容量が規制された状態で、自己故障診断部は、上記ポンプ、上記弁、上記圧力センサ、上記内部配管、上記連絡配管、および、上記カフを含む流体系の故障の有無を判定する。したがって、ユーザ(典型的には、医師または看護師などの医療従事者を指す。被験者、保守サービスマンなどであっても良い。)が特別の治具を用いることなく簡単な操作(主に、上記カフを空巻きする操作)を行うのみで、流体系の故障の有無を判定できる。しかも、上記マークに合わせて空巻きされることによって上記カフの周長(筒の周りの寸法)が一定になるので、カフの容量が再現性良く規制される。この結果、上記自己故障診断部による故障の有無の判定精度が高まる。
一実施形態の血圧計では、
上記カフの上記規制された容量を含む上記流体系の規制された容量に応じて、少なくとも、昇圧速度、漏気量、排気速度を含む複数の測定項目について、それぞれ上限値または下限値が予め設定されており、
上記自己故障診断部は、少なくとも、上記昇圧速度、漏気量、排気速度を含む複数の測定項目について、それぞれ上記流体系の上記規制された容量に応じて上記予め設定されている上限値または下限値との比較を行って、良否を判定することを特徴とする。
この一実施形態の血圧計では、上記自己故障診断部は、少なくとも、上記昇圧速度、漏気量、排気速度を含む複数の測定項目について、それぞれ上記流体系の上記規制された容量に応じて上記予め設定されている上限値または下限値との比較を行って、良否を判定する。したがって、上記複数の測定項目について、それぞれ適切に良否を判定できる。
一実施形態の血圧計では、上記カフは、上記被測定部位に接すべき内布とこの内布に対向する外布との間に上記連絡配管と連通する流体袋を内包し、さらに、上記外布と上記流体袋との間に、自然状態で上記カフの形状を上記被測定部位を取り巻くべき筒状に維持するとともに、上記空巻きされた状態で芯となるカーラを有することを特徴とする。
流体袋を「内包」するとは、流体袋の実体部分、すなわち流体室を内包していることを意味する。
また、「内布」および「外布」は、布だけではなく、一層あるいは複数層の樹脂からなっていても良い。一般に、被測定部位を圧迫するために、内布は伸縮性が大きく、外布は実質的に非伸縮性(または内布に比して伸縮性が小さく)に設定される。
「カーラ」とは、自然状態では上記被測定部位を取り巻くべき略筒状に湾曲した形状を有し、被測定部位に対するカフの着脱の便宜のために適度な可撓性を有する部材を指す。
この一実施形態の血圧計では、上記カーラによって、自然状態では、上記カフの形状が上記被測定部位を取り巻くべき筒状に維持される。したがって、ユーザにとって、上記カフを被測定部位に着脱する操作が容易になる。また、上記自己故障診断部によって上記流体系の故障の有無を判定するために、ユーザが上記カフを空巻きする際に、上記カーラが芯となる(自然状態から曲率が大きくなるように撓まされて、反発力を生ずる)ので、上記カフが容易に固く空巻きされ得る。
一実施形態の血圧計では、上記カフに、上記マークとして、このカフの長手方向に関して目盛が設けられていることを特徴とする。
カフの「長手方向」とは、上記カフが上記被測定部位に巻き付けられるとき、上記被測定部位の周方向に対応する方向を指す。
この一実施形態の血圧計では、上記カフに、上記マークとして、このカフの長手方向に関して目盛が設けられている。したがって、ユーザが上記カフを筒状に空巻きする際に、上記目盛のうち特定の位置に合わせて空巻きすれば、上記カフの周長(筒の周りの寸法)が一定になり、この周長に応じて上記カフの容量が一定量に再現性良く規制される。この結果、上記自己故障診断部による故障の有無の判定精度が高まる。
一実施形態の血圧計では、操作入力に応じて、上記血圧測定を行うモードとは別に、上記自己故障診断部を動作させるための測定性能診断モードを設定する制御部を備えたことを特徴とする。
この一実施形態の血圧計では、操作入力に応じて、制御部が、上記血圧測定を行うモードとは別に、上記自己故障診断部を動作させるための測定性能診断モードを設定する。したがって、ユーザは、操作入力を行ってこの血圧計を測定性能診断モードに設定することによって、上記自己故障診断部に上記流体系の故障の有無を判定させることができる。
一実施形態の血圧計では、上記複数の測定項目について、それぞれ良否の判定結果を出力する第1出力部を備えたことを特徴とする。
この一実施形態の血圧計では、第1出力部が、上記複数の測定項目について、それぞれ良否の判定結果を出力する。したがって、ユーザは、上記複数の測定項目について、それぞれ良否の判定結果を知ることができる。
一実施形態の血圧計では、
上記カフは複数設けられ、
上記ユニットは、各カフに対応して上記血圧測定のための要素を含み、
上記各カフと上記ユニット内の対応する上記内部配管とが互いに上記連絡配管によって接続され、
上記自己故障診断部は、上記各カフに対応した流体系毎に故障の有無を判定することを特徴とする。
この一実施形態の血圧計では、上記カフは複数設けられ、上記ユニットは、各カフに対応して上記血圧測定のための要素を含み、上記各カフと上記ユニット内の対応する上記内部配管とが互いに上記連絡配管によって接続されている。したがって、この血圧計は、例えば四肢の血圧脈波測定などに適用され得る。さらに、この血圧計では、上記自己故障診断部は、上記各カフに対応した流体系毎に故障の有無を判定する。したがって、上記複数のカフのうち、いずれのカフに対応した流体系に故障が生じているか否かを判定できる。
なお、複数のカフのそれぞれに対応して、上記ユニットは互いに別体に構成されていてもよい。また、複数のカフに対して1台のユニットが設けられ、その1台のユニットに上記複数のカフにそれぞれ対応する上記血圧測定のための要素が搭載されていてもよい。
一実施形態の血圧計では、上記各カフに対応した流体系毎に故障の有無の判定結果を出力する第2出力部を備えたことを特徴とする。
この一実施形態の血圧計では、第2出力部は、上記各カフに対応した流体系毎に故障の有無の判定結果を出力する。したがって、ユーザは、上記各カフに対応した流体系毎に、故障の有無の判定結果を知ることができる。
以上より明らかなように、この発明の血圧計によれば、ユーザが特別の治具を用いることなく簡単な操作を行うのみで、流体系の故障の有無を判定できる。
この発明の血圧計の一実施形態としての血圧脈波測定装置が収納ワゴンに収納された状態を示す斜視図である。 上記血圧脈波測定装置が使用される態様を示す斜視図である。 上記血圧脈波測定装置の制御系のブロック構成を示す図である。 上記血圧脈波測定装置による血圧脈波測定処理のフローを示す図である。 上記血圧脈波測定装置の圧力センサによって検出される脈波波形を示す図である。 上記血圧脈波測定装置のカフを展開状態で示す図である。 図6におけるVII-VII線矢視断面を模式的に示す図である。 上記血圧脈波測定装置によるモード設定および測定性能診断処理のフローを示す図である。 上記血圧脈波測定装置による各流体系についての測定性能診断処理のフローを詳細に示す図である。 上記血圧脈波測定装置のカフが筒状に空巻きされた状態を示す斜視図である。 上記血圧脈波測定装置のカフが筒状に空巻きされた状態を示す断面図である。 上記血圧脈波測定装置において測定性能診断の対象となる流体系を示す図である。 昇圧速度の良否判定の仕方を模式的に説明する図である。 漏気量の良否判定の仕方を模式的に説明する図である。 排気速度の良否判定の仕方を模式的に説明する図である。 測定性能診断モードの開始時にメインユニットの表示画面に表示されるメッセージを示す図である。 メインユニットの表示画面に表示された測定性能診断の結果を例示する図である。 プリントアウトされた測定性能診断の結果を例示する図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(装置の全体構成)
図1は、本発明の血圧計の一実施形態としての血圧脈波測定装置100が収納ワゴン300に収納された状態を示している。この血圧脈波測定装置100は、メインユニット101と、アンクルユニット102と、4つのカフ24ar,24al,24br,24blとを含んでいる。収納ワゴン300は、キャスター付きの脚301と、この脚301に立設された支柱302と、支柱302の先端に取り付けられた載置台303と、支柱302の途中に取り付けられ、上方に向かって開口した収納ボックス304とを含んでいる。載置台303には、メインユニット101が載置されている。収納ボックス304には、アンクルユニット102と、右足首(右下肢)、左足首(左下肢)用のカフ24ar,24alが収容されている。右上腕(右上肢)、左上腕(左上肢)用のカフ24br,24blは、メインユニット101の後部に設けられたフック101e,101f(図2中に示す)に引っ掛けられて保持されている。
アンクルユニット102と、右足首(右下肢)、左足首(左上肢)用のカフ24ar,24alとは、カフ加圧用の空気を通すための連絡配管22ar,22alによって流体流通可能に接続されている。同様に、メインユニット101と右上腕(右上肢)、左上腕(左上肢)用のカフ24br,24blとは、カフ加圧用の空気を通すための連絡配管22br,22blによって流体流通可能に接続されている。また、メインユニット101は、アンクルユニット102に対して、接続ケーブル23によって電力供給および通信可能に接続されている。
図2は、血圧脈波測定装置100が使用される態様を示している。被験者200はベッド310上に仰向けに横たわっている。アンクルユニット102は、収納ボックス304から取り出され、被験者200の右足首と左足首との間のベッド310上に載置されている。
カフ24ar,24al,24br,24blは、それぞれ被験者200の肢部に装着される。この例では、それぞれ、右足首(右下肢)、左足首(左下肢)、右上腕(右上肢)、左上腕(左上肢)を周方向に沿って一方向(肢部の長手方向に沿って見た断面視で渦巻き状)に取り巻くように装着される。
例えば、図6は、カフ24brを展開状態で、内布401に向かって見たところを示している。また、図7は、図6におけるVII-VII線矢視断面を模式的に示している。図7によって良く分かるように、カフ24brは、このカフの長手方向Xに関して一端(このカフが肢部に装着されたとき内周端となる端部)411eから略半分の領域に延在する内布401と、この内布401に対向して一端411eから他端(このカフが肢部に装着されたとき外周端となる端部)411fまで延在する外布403とを備えている。内布401と外布403との間に、内布401に沿って長手方向Xに延在する流体袋21brが内包されている。また、外布403と流体袋21brとの間に、流体袋21brに沿って長手方向Xに延在するカーラ402が設けられている。さらに、外布403のうち長手方向Xに関して内布401を越えた領域(図7における略右半分の領域)の内側(裏側)には、補強布404が対向して設けられている。図6、図7中では、対向する布同士の周縁の溶着箇所411m、内部の溶着箇所411n,411o,411p,411qにそれぞれ斜線を付して表している。
図7中に示す内布401は、被測定部位としての肢部を圧迫するために伸縮性が大きく編まれた布からなっている。外布403と補強布404は、内布401に比して伸縮性が極めて小さく(実質的に非伸縮性に)編まれた布からなっている。外布403の外面403aには、後述する面ファスナ(フック)405と係合するように細かなループ(図示せず)が設けられている。
流体袋21brは、伸縮可能な材料からなる2枚のシート408A,408Bを互いに対向させ、それらのシート408A,408Bの周縁412m同士を溶着して袋状に構成されている(図7中に、溶着箇所に斜線を付して表している。)。流体袋21brに対して、流体としての空気を供給または排気するために、連絡配管22brが一体に接続されて連通している。
カーラ402は、自然状態では肢部を取り巻くべき略筒状に湾曲した形状を有する。このカーラ402は、肢部に対するカフの着脱の便宜のために適度な可撓性を有するプラスチック材料からなっている。したがって、ユーザにとって、カフ24brを肢部に着脱する操作が容易になる。
補強布404のうち長手方向Xに関して外周端411f近傍の領域には、面ファスナ405が、溶着によって取り付けられている(図7中に、面ファスナ405の周縁の溶着箇所415mに斜線を付して表している。)。この面ファスナ405は、図示しないフック状の起毛を有し、外布403の外面403aに着脱可能に固定され得る。
また、外布403の外面403aには、長手方向Xに関する目盛409が設けられている。目盛409は、この例では、長手方向Xに関して5mm間隔で付されたマーク(特定の色を有する)からなっている。この目盛409は、カフ24brの装着時(および後述の空巻き時)に、カフ24brの筒の周りの寸法(周長)を定める目安となる。
カフ24brの周縁は、全周にわたって、縁カバー406によって覆われている。縁カバー406は、カフ24brの周縁の表裏にまたがって縫製によって取り付けられている。さらに、外周端411fには、位置合わせマーク407が、この外周端411fの表裏にまたがって縫製によって取り付けられている。図6、図7中では、縫製箇所を2点鎖線で表している。この位置合わせマーク407の色は、目盛409のマークの色と同じに設定されている。
他のカフ24ar,24al,24blも、カフ24brと同様に構成されている。
なお、以下の説明では、カフ24ar,24al,24br,24blは、特に区別する必要がない限り、これらを総称して、「カフ24」と呼ぶ。
(制御系のブロック構成)
図3は、血圧脈波測定装置100の制御系のブロック構成を示している。アンクルユニット102は、2つの検出ユニット20ar,20alを含む。メインユニット101は、情報処理ユニット1と、2つの検出ユニット20br,20blとを含む。
検出ユニット20ar,20al,20br,20blは、それぞれ、被験者200の肢部の脈波を検出するために必要なハードウェアを含む。検出ユニット20ar,20al,20br,20blの構成は全て同様であってよいので、特に区別する必要がない限り、これらを総称して、「検出ユニット20」と呼ぶ。
情報処理ユニット1は、制御部2と、出力部4と、操作部6と、記憶装置8とを含む。
制御部2は、血圧脈波測定装置100全体の制御を行う装置であり、代表的に、CPU(Central Processing Unit)10と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)14とを含むコンピュータで構成される。
CPU10は、演算処理部に相当し、ROM12に予め格納されているプログラムを読出して、RAM14をワークメモリとして使用しながら、当該プログラムを実行する。
また、制御部2には、出力部4、操作部6および記憶装置8が接続されている。出力部4は、測定された脈波や脈波解析結果などを出力する。出力部4は、LED(Light Emitting Diode)またはLCD(Liquid Crystal Display)などで構成される表示デバイスであってもよいし、プリンタ(ドライバ)であってもよい。この例では、図1、図2中に示すように、メインユニット101の上面に、出力部4としてLCDの表示画面40が設けられている。
図3中に示す操作部6は、ユーザからの指示を受付ける。この例では、図1、図2中に示すように、メインユニット101の上面に、操作部6として操作スイッチ60が設けられている。ユーザは操作スイッチ60によって電源オン、オフ、血圧測定開始、モード設定、測定性能診断開始などの指示を入力することができる。
図3中に示す記憶装置8は、各種データやプログラムを保持する。制御部2のCPU10は、記憶装置8に記録されたデータやプログラムの読み出しや書き込みを行う。記憶装置8は、たとえば、ハードディスク、不揮発性メモリ(たとえば、フラッシュメモリ)、あるいは、着脱可能な外部記録媒体などにより構成されてよい。
次に、各検出ユニット20の構成について具体的に説明する。
検出ユニット20brは、被験者200の右上腕に装着されたカフ24brの内圧(以下、「カフ圧」という。)の調整および検出を行うことで、右上腕における脈波を検出する。このカフ圧は、より正確には、流体袋21brの内圧を意味している。
検出ユニット20brは、血圧測定のための要素として、圧力センサ28brと、調整弁26brと、圧力ポンプ25brと、これらの圧力センサ28br、調整弁26br、圧力ポンプ25brを互いに流体流通可能に接続する内部配管27br,27br′と、A/D(Analog to Digital)変換部29brとを含む。内部配管27brは、配管コネクタ31brを介して、連絡配管22brと流体流通可能に接続されている。
圧力センサ28brは、カフ24brから連絡配管22br、内部配管27brを介して伝達される圧力変動を検出するための検出部位であり、一例として、単結晶シリコンなどからなる半導体チップに所定間隔に配列された複数のセンサエレメントを含む。圧力センサ28brによって検出された圧力変動信号は、A/D変換部29brによってデジタル信号に変換されて、脈波信号pbr(t)として制御部2に入力される。
調整弁26brは、圧力ポンプ25brとカフ24brとの間に介挿され、測定時にカフ24brの加圧に用いられる圧力を所定の範囲に維持する。圧力ポンプ25brは、制御部2からの検出指令に応じて作動し、カフ24brを加圧するためにカフ24br内の流体袋21brに空気を供給する。
この加圧によって、カフ24brは被測定部位に押圧され、右上腕の脈波に応じた圧力変化がそれぞれ連絡配管22brを介して検出ユニット20brへ伝達される。検出ユニット20brは、この伝達される圧力変化を検出することで、右上腕の脈波を検出する。
検出ユニット20blも同様に、血圧測定のための要素として、圧力センサ28blと、調整弁26blと、圧力ポンプ25blと、これらの圧力センサ28bl、調整弁26bl、圧力ポンプ25blを互いに流体流通可能に接続する内部配管27bl、27bl′と、A/D変換部29blとを含む。内部配管27blは、配管コネクタ31blを介して、連絡配管22blと流体流通可能に接続されている。
また、検出ユニット20arは、血圧測定のための要素として、圧力センサ28arと、調整弁26arと、圧力ポンプ25arと、これらの圧力センサ28ar、調整弁26ar、圧力ポンプ25arを互いに流体流通可能に接続する内部配管27ar,27ar′と、A/D変換部29arとを含む。内部配管27arは、配管コネクタ31arを介して、連絡配管22arと流体流通可能に接続されている。
検出ユニット20alも同様に、血圧測定のための要素として、圧力センサ28alと、調整弁26alと、圧力ポンプ25alと、これらの圧力センサ28al、調整弁26al、圧力ポンプ25alを互いに流体流通可能に接続する内部配管27al,27al′と、A/D変換部29alとを含む。内部配管27alは、配管コネクタ31alを介して、連絡配管22alと流体流通可能に接続されている。
検出ユニット20bl,20ar,20al内の各部の機能は、検出ユニット20brと同様であるので、詳細な説明は繰返さない。また、検出ユニット20内の各部についても、特に区別する必要がない限り、“ar”,“br”などの記号は省略して説明する。例えば、内部配管については、特に区別する必要がない限り、「内部配管27,27′」のように表す。
(血圧脈波測定)
この血圧脈波測定装置100は、制御部2(特にCPU10)による制御によって、図4の処理フローに示すように、公知のオシロメトリック法による血圧値測定を行う。また、脈波検出を行って、脈波伝播速度として上腕−足首間脈波伝播速度baPWV(brachial-ankle Pulse Wave Velocity)を求めるとともに、下肢上肢血圧比として足関節上腕血圧比ABI(Ankle Brachial Index)を求める。知られているように、上腕−足首間脈波伝播速度baPWVは血管の硬さを示す指標であり、また、足関節上腕血圧比ABIは血管の詰まりを示す指標である。
具体的には、測定を開始すると、CPU10は、図4のステップS1に示すように、各検出ユニット20内の圧力ポンプ25を駆動して、内部配管27,27′、連絡配管22を通してカフ24内の流体袋21へ空気を送り込んで、各カフ24の昇圧を開始する。そして、ステップS2に示すように、圧力センサ28でカフ圧を監視しながら、カフ圧を所定の圧力(被験者200の最高血圧より高い圧力)まで加圧して圧力ポンプ25を停止する(カフ昇圧完了)。次に、ステップS3に示すように、調整弁26を制御して、流体袋21から連絡配管22、内部配管27,27′、調整弁26を通して空気を排出する。これにより、各カフ24の降圧を開始し、カフ圧を徐々に減圧してゆく。この減圧過程において、被測定部位の動脈で発生する動脈容積の変動を各カフ24(流体袋21)を介して、連絡配管22、内部配管27,27′を通して、圧力センサ28で脈波信号として検出する。そして、ステップS4に示すように、この脈波信号の振幅に基づいて、公知のオシロメトリック法による所定のアルゴリズムを適用して最高血圧(収縮期血圧:Systolic Blood Pressure)と最低血圧(拡張期血圧:Diastolic Blood Pressure)とを算出する(血圧測定)。これとともに、CPU10が下肢上肢血圧比取得部として働いて、被験者200の左半身、右半身について、それぞれ足関節上腕血圧比ABI=(足関節収縮期血圧)/(上腕収縮期血圧)を算出する。また、この例では、脈拍(単位;拍/分)も算出する。なお、血圧の算出は、減圧過程に限らず、加圧過程において行われてもよい。
次に、ステップS5に示すように、調整弁26を閉鎖して、カフ圧を規定圧(例えば50mmHg程度)に保持する。この状態で、ステップS6に示すように、CPU10が脈波伝播速度取得部として働いて、圧力センサ28によって脈波を測定する。このとき、例えば図5に示すような脈波波形が得られる。この例では、被験者200の右上腕の波形の立ち上がりに対する左足関節の波形の立ち上がりの遅れがΔTlになっている。また、被験者200の右上腕の波形の立ち上がりに対する右足関節の波形の立ち上がりの遅れがΔTrになっている。この遅れΔTl、ΔTrに基づいて、被験者200の右上腕−左足関節間、右上腕−右足関節間について、それぞれ上腕−足首間脈波伝播速度baPWVを次式により算出する。
baPWV=(La−Lb)/ΔT
ここで、Laは大動脈起始部から足関節までの距離を表し、また、Lbは大動脈起始部から上腕までの距離を表している。ΔTは、ΔTlまたはΔTrを表している(簡単のため、“l”,“r”の記号を省略している)。
測定が完了すると、図4のステップS7に示すように、調整弁26を全開してカフ圧を開放する。そして、ステップS8に示すように、CPU10が表示処理部として働いて、メインユニット101の上面に設けられた表示画面40(図2参照)に測定結果を表示する。また、CPU10は、図3中の記憶装置8に、今回の測定結果と、累積された通算の測定回数(これを符号Nで表す。)とを記憶させる。
(モード設定および測定性能診断処理)
図8は、この血圧脈波測定装置100の制御部2(特にCPU10)によるモード設定および測定性能診断処理のフローを示している。
ユーザが操作部6によってモード設定の指示を入力すると、図8のステップS11に示すように、制御部2は、メインユニット101の表示画面40に、例えば「測定性能診断を行いますか?」というような、測定性能診断モードに入るか否かをユーザに問う表示を行う。ここで、測定性能診断モードに入らないことをユーザが選択した場合(図8のステップS11でNO)は、ステップS16に進んで、制御部2は、例えば血圧測定を行うモードに入って既述の血圧脈波測定処理(図4のフロー)を実行する。
一方、ユーザが操作部6によって「測定性能診断モードに入る」旨の指示を入力した場合(図8のステップS11でYES)、図8のステップS12に示すように、制御部2は、メインユニット101の表示画面40に、カフ24の空巻きを促すメッセージを出力する。例えば、図15中に例示するように、「全てのカフを周長の一番小さい目盛位置に空巻きしてから、測定ボタンを押してください。」と表示する。ここで、「空巻き」とは、カフ24を被測定部位に巻き付けるのではなく、中心を空にして、カフ24のみを筒状に巻くことを意味する。
このメッセージを見たユーザは、例えば図10A(斜視図)、図10B(断面図)に示すように、全てのカフ24(この例ではカフ24brを示す。)を空巻きして、それぞれ外周端411fの位置合わせマーク407を目盛409のうち周長(カフ24の筒の周りの寸法)が一番小さくなる位置に合わせる。このとき、目盛409のおかげで、カフ24の周長が一定になり、この周長に応じてカフ24内の流体袋21の容量が一定量に再現性良く規制される。また、カーラ402が芯となる(自然状態から曲率が大きくなるように撓まされて、反発力を生ずる)ので、カフ24が容易に固く筒状に空巻きされる。これらの結果、後述する故障の有無の判定精度が高まる。
続いて、ユーザが操作部6によって測定性能診断開始の指示を入力すると(図8のステップS13でYES)、図8のステップS14に進んで、制御部2が自己故障診断部として働いて、測定性能診断処理を実行する。
ここで、図11は、測定性能診断の対象となる、各カフ24ar,24al,24br,24blに対応した流体系30ar,30al,30br,30blを斜線を付して示している。カフ24arに対応した流体系30arは、圧力ポンプ25ar、調整弁26ar、圧力センサ28ar、内部配管27ar,27ar′、連絡配管22ar、および、流体袋21arを含む。カフ24alに対応した流体系30alは、圧力ポンプ25al、調整弁26al、圧力センサ28al、内部配管27al,27al′、連絡配管22al、および、流体袋21alを含む。カフ24brに対応した流体系30brは、圧力ポンプ25br、調整弁26br、圧力センサ28br、内部配管27br,27br′、連絡配管22br、および、流体袋21brを含む。カフ24blに対応した流体系30blは、圧力ポンプ25bl、調整弁26bl、圧力センサ28bl、内部配管27bl,27bl′、連絡配管22bl、および、流体袋21blを含む。この例では、各流体系30ar,30al,30br,30blの容量は、それぞれ対応するカフ内の流体袋21ar,21al,21br,21blの規制された容量を含んで、約300ccになっている(なお、連絡配管22ar,22al,22br,22blの長さの相違による容量差を無視するものとする。)。
この例では、制御部2は、これらの流体系30ar,30al,30br,30blについて、同じフローで並行して測定性能診断処理を実行する。これにより、複数のカフ24ar,24al,24br,24blのうち、いずれのカフに対応した流体系30ar,30al,30br,30blに故障が生じているか否かを判定する。
以下の説明では、流体系30ar,30al,30br,30blは、特に区別する必要がない限り、これらを総称して、「流体系30」と呼ぶ。
図9は、制御部2による、各流体系30についての測定性能診断処理(図8のステップS14)のフローを詳細に示している。
まず、図9のステップS21で、制御部2は、昇圧速度の良否を判定する。具体的には、図12に示すように、調整弁26を大気に対して閉じた状態で圧力ポンプ25を一定の駆動電圧で動作させて、流体系30の圧力Pxを0mmHgから基準圧P1(この例ではP1=285mmHgとする。)まで昇圧する。そして、流体系30の圧力Pxが基準圧P1に達するのに要した時間txを測定して、このときの昇圧速度PRx(=P1/tx)を算出する。この算出された昇圧速度PRxが下限値α1以上であれば、「良」と判定する。一方、算出された昇圧速度PRxが下限値α1未満であれば、「否」と判定する。この例では、流体系30の規制された容量(約300cc)に応じて、予め、昇圧速度PRxのための下限値はα1=4.8mmHg/sに設定されている。これにより、昇圧速度の良否を適切に判定できる。
続いて、図9のステップS22で、制御部2は、漏気量の良否を判定する。具体的には、図13に示すように、昇圧速度の良否判定のために基準圧P1に達した後、流体系30を時刻t1から時刻t2までの一定期間Δt(=t2−t1)だけ閉じた状態に保つ。この例では、Δtは60s(秒)に設定されている。そして、時刻t1での流体系30の圧力Px1と、時刻t2での流体系30の圧力Px2とを測定して、圧力差ΔPx(=Px1−Px2)を算出する。この算出された圧力差ΔPxが上限値α2以下であれば、「良」と判定する。一方、算出された圧力差ΔPxが上限値α2を超えていれば、「否」と判定する。この例では、流体系30の規制された容量(約300cc)に応じて、予め、漏気量のための上限値はα2=6.0mmHg/60sに設定されている。これにより、漏気量の良否を適切に判定できる。
次に、図9のステップS23で、制御部2は、排気速度の良否を判定する。具体的には、調整弁26を開いて流体系30内の空気を一旦排気した後、調整弁26を大気に対して閉じた状態で圧力ポンプ25を一定の駆動電圧で動作させて、流体系30の圧力Pxを基準圧P3(この例ではP3=285mmHgとする。)を超える圧力まで昇圧する。この後、図14に示すように、時刻tx3で調整弁26を大気に対して一定の開度で開いて、流体系30の圧力Pxを基準圧P3から下方の基準圧P4(この例ではP4=40mmHgとする。)まで低下させる。そして、流体系30の圧力Pxが基準圧P4に達した時刻tx4を測定して、排気速度PSx(=(P3−P4)/(tx4−tx3))を算出する。この算出された排気速度PSxが下限値α3以上かつ上限値α4以下であれば、「良」と判定する。一方、算出された排気速度PSxが下限値α3未満または上限値α4超であれば、「否」と判定する。この例では、流体系30の規制された容量(約300cc)に応じて、予め、排気速度PSxのための下限値はα3=3.5mmHg/s、上限値はα4=6.0mmHg/sに設定されている。これにより、排気速度の良否を適切に判定できる。
次に、図9のステップS24で、制御部2は、累積された通算の測定回数が上限回数を超えたか否かを判定する。具体的には、制御部2が、図3中の記憶装置8に記憶されている累積された通算の測定回数Nを読み出して、予め定められた上限回数ULと比較する。そして、累積された通算の測定回数Nが上限回数UL以下であれば、「良」と判定する。一方、累積された通算の測定回数Nが上限回数ULを超えていれば、「否」と判定する。この例では、予め、上限回数ULは60000回に設定されている。
図9のステップS21〜S24までの処理に要する時間は、この例ではトータルで約4分間である。
各測定項目について、測定された数値(測定値)と判定結果との対応関係は、次の表1のように表される。なお、漏気量、昇圧速度、排気速度の測定値の有効数字は、この例では2桁になっている。
(表1)
Figure 2017225697
制御部2は、このようにして図9のステップS21〜S24までの測定性能診断処理を、複数の流体系30ar,30al,30br,30blについてそれぞれ並行して実行する。これにより、複数のカフ24のうち、いずれのカフ24に対応した流体系30に故障が生じているか否か、また、複数の測定項目のうち、いずれの測定項目について故障が生じているか否かを判定できる。したがって、ユーザが特別の治具を用いることなく簡単な操作(主に、カフ24を空巻きする操作)を行うのみで、流体系30の様々な故障の有無を判定できる。
各流体系30についての測定性能診断が完了すると、図8のステップS15に示すように、制御部2が出力部4を第1出力部および第2出力部として動作させて、測定性能診断の結果を出力する。
図16は、出力部4によってメインユニット101の表示画面40に表示された測定性能診断の結果を例示している。この例では、最上段に「メンテナンスメニュー >測定性能診断」という標題が表示されている。その下方に診断結果が表形式で表示されている。この診断結果の表では、表頭の「右上腕」、「左上腕」、「右足首」、「左足首」という表示は、それぞれ診断対象の流体系30br,30bl,30ar,30alに対応している。表側の「漏気量」、「昇圧速度」、「排気速度」、「測定回数」という表示は、4つの測定項目に対応している。表体の「○」、「×」は、それぞれ対応する流体系30毎の、対応する測定項目についての判定結果の良否(すなわち、故障の有無)を表している。
この図16の例によれば、ユーザは、「右上腕」に対応する流体系30brについて、漏気量の判定結果が「否」、昇圧速度の判定結果が「良」、排気速度の判定結果が「良」、測定回数の判定結果が「良」であることを、知ることができる。また、「左上腕」に対応する流体系30blについては、漏気量、昇圧速度、排気速度、測定回数の判定結果がいずれも「良」であることを、知ることができる。同様に、「右足首」に対応する流体系30ar、「左足首」に対応する流体系30alについても、漏気量、昇圧速度、排気速度、測定回数の判定結果がいずれも「良」であることを、知ることができる。このように、ユーザは、各カフ24に対応した流体系30毎に、また、各測定項目毎に、故障の有無の判定結果を知ることができる。
図17は、出力部4としての図示しないプリンタによってプリントアウトされた測定性能診断の結果を例示している。このプリントアウトでは、枠71外(上部)で左端に、「測定性能診断」という標題が表示され、また、右端に出力の年月日と時刻(この例では「2016/02/23 17:25」)が表示されている。枠71内の上部には、「診断結果」が表形式で表示されている。その下方には、「総合結果」が文章で表示されている。
この図17の「診断結果」の表の見方は、図16の表示画面40における診断結果の見方と同じに設定されている。これにより、ユーザは、各カフ24に対応した流体系30毎に、また、各測定項目毎に、故障の有無の判定結果を知ることができる。さらに、この「診断結果」の表では、表体の「○」、「×」の直下に、測定された漏気量、昇圧速度、排気速度、測定回数を表す数値が、それぞれ併せて示されている。したがって、ユーザは、それぞれの判定の根拠も知ることができる。
この図17の「診断結果」の例では、「右上腕」に対応する流体系30brについて、排気速度の判定結果が「否」になっている。流体系30brのそれ以外の測定項目、および、それ以外の流体系30bl,30ar,30alについては、問題が無い。これに応じて、図17中の「総合結果」欄には、「<右上腕> 測定性能の低下がみられます。カフを巻き直して測定ボタンを押し、診断を再実施してください。同じ結果が繰り返し表示される場合は、保守サービスを受けてください。」というメッセージが表示されている。それ以外の「左上腕」、「右足首」、「左足首」に対応する流体系30bl,30ar,30alについては、それぞれ「測定性能に問題はありません。」というメッセージが表示されている。これらのメッセージを見たユーザは、この装置の測定性能の現状に対して、どのように対処すべきかを具体的に知ることができる。例えば、これらのメッセージを見たユーザが医療従事者である場合は、保守サービスマンを呼ぶなどの対処を迅速にとることができる。
上述の実施形態では、カフ24ar,24al,24br,24blが、専ら、右足首、左足首、右上腕、左上腕に装着される例について説明した。しかしながら、これに限られるものではない。カフ24ar,24al,24br,24blが装着される被測定部位は、手首や指尖部などであってもよい。
また、測定性能診断の対象となるカフ24およびカフ24に対応した流体系30の数は、4つに限られるものではなく、例えば1つのみ、2つのみ、またはそれ以外の数であっても良い。
また、この発明は、カフと血圧測定のための要素を搭載した本体とが短円筒状の連絡配管を介して一体に構成された、いわゆる一体型血圧計にも適用され得る。
以上の実施形態は例示であり、この発明の範囲から離れることなく様々な変形が可能である。上述した複数の実施の形態は、それぞれ単独で成立し得るものであるが、実施の形態同士の組みあわせも可能である。また、異なる実施の形態の中の種々の特徴も、それぞれ単独で成立し得るものであるが、異なる実施の形態の中の特徴同士の組みあわせも可能である。
2 制御部
21,21ar,21al,21br,21bl 流体袋
22,22ar,22al,22br,22bl 連絡配管
24,24ar,24al,24br,24bl カフ
25,25ar,25al,25br,25bl 圧力ポンプ
26,26ar,26al,26br,26bl 調整弁
27,27ar,27al,27br,27bl,27′,27ar′,27al′,27br′,27bl′ 内部配管
30,30br,30bl,30ar,30al 流体系
40 表示画面
100 血圧脈波測定装置
401 内布
402 カーラ
403 外布
409 目盛

Claims (8)

  1. 被測定部位に巻き付けられるべきカフと、
    血圧測定のための要素として、ポンプ、弁、圧力センサ、および、これらのポンプ、弁、圧力センサを互いに流体流通可能に接続する内部配管を含むユニットと、
    上記カフと上記ユニット内の上記内部配管とを互いに流体流通可能に接続する連絡配管と、
    を備えて、血圧測定を行う血圧計において、
    上記カフに、このカフの中心を空にして、このカフのみを筒状に巻く空巻きが行われるとき、このカフの筒の周りの寸法を定める目安となるマークが設けられ、
    上記カフが上記マークに合わせて筒状に空巻きされて上記カフの容量が規制された状態で、上記ポンプ、上記弁、上記圧力センサ、上記内部配管、上記連絡配管、および、上記カフを含む流体系の故障の有無を判定する自己故障診断部を備えたことを特徴とする血圧計。
  2. 請求項1に記載の血圧計において、
    上記カフの上記規制された容量を含む上記流体系の規制された容量に応じて、少なくとも、昇圧速度、漏気量、排気速度を含む複数の測定項目について、それぞれ上限値または下限値が予め設定されており、
    上記自己故障診断部は、少なくとも、上記昇圧速度、漏気量、排気速度を含む複数の測定項目について、それぞれ上記流体系の上記規制された容量に応じて上記予め設定されている上限値または下限値との比較を行って、良否を判定することを特徴とする血圧計。
  3. 請求項1または2に記載の血圧計において、
    上記カフは、上記被測定部位に接すべき内布とこの内布に対向する外布との間に上記連絡配管と連通する流体袋を内包し、さらに、上記外布と上記流体袋との間に、自然状態で上記カフの形状を上記被測定部位を取り巻くべき筒状に維持するとともに、上記空巻きされた状態で芯となるカーラを有することを特徴とする血圧計。
  4. 請求項1から3までのいずれか一つに記載の血圧計において、
    上記カフに、上記マークとして、このカフの長手方向に関して目盛が設けられていることを特徴とする血圧計。
  5. 請求項1から4までのいずれか一つに記載の血圧計において、
    操作入力に応じて、上記血圧測定を行うモードとは別に、上記自己故障診断部を動作させるための測定性能診断モードを設定する制御部を備えたことを特徴とする血圧計。
  6. 請求項2に記載の血圧計において、
    上記複数の測定項目について、それぞれ良否の判定結果を出力する第1出力部を備えたことを特徴とする血圧計。
  7. 請求項1から6までのいずれか一つに記載の血圧計において、
    上記カフは複数設けられ、
    上記ユニットは、各カフに対応して上記血圧測定のための要素を含み、
    上記各カフと上記ユニット内の対応する上記内部配管とが互いに上記連絡配管によって接続され、
    上記自己故障診断部は、上記各カフに対応した流体系毎に故障の有無を判定することを特徴とする血圧計。
  8. 請求項7に記載の血圧計において、
    上記各カフに対応した流体系毎に故障の有無の判定結果を出力する第2出力部を備えたことを特徴とする血圧計。
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