JP2012210362A - 肢部圧迫装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カフ部の装着不備を精度よく検出する。
【解決手段】 肢部圧迫装置であって、カフ部に送気することで前記カフ部を加圧する加圧手段と、前記カフ部の排気を行う排気手段と、前記加圧手段と前記排気手段とを制御することで、肢部の圧迫と解放を、予め定められたサイクル数、繰り返す制御手段と、を備え、前記制御手段は、更に、接続された前記カフ部のサイズに応じたタイマ値を設定する設定手段と、前記加圧手段が加圧する際の加圧時間が、該設定したタイマ値を過ぎても、所定の圧力値に到達しない場合に、前記カフ部の装着状態に不備があると判断する判断手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 肢部圧迫装置であって、カフ部に送気することで前記カフ部を加圧する加圧手段と、前記カフ部の排気を行う排気手段と、前記加圧手段と前記排気手段とを制御することで、肢部の圧迫と解放を、予め定められたサイクル数、繰り返す制御手段と、を備え、前記制御手段は、更に、接続された前記カフ部のサイズに応じたタイマ値を設定する設定手段と、前記加圧手段が加圧する際の加圧時間が、該設定したタイマ値を過ぎても、所定の圧力値に到達しない場合に、前記カフ部の装着状態に不備があると判断する判断手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、上肢及び/または下肢へのカフによる圧迫と解放を制御することで、患者の上肢及び/または下肢の虚血状態(圧迫状態)または潅流状態(解放状態)を制御する肢部圧迫装置に関するものである。
虚血性疾患の治療において、心筋虚血による心筋細胞への影響を軽減させることは不可欠な課題である。早期の再潅流は心筋を保護するために重要であり、一般的には、血栓溶解剤を用いた処置等が行われる。また、最近では、アンギオによる血管造影を行い、虚血部位を観察しながらカテーテルを用いて再潅流を行うPTCAによる処置も行われている。
早期の再潅流を実現するためのこれらの処置による効果は絶大であるが、一方で、心筋に対するダメージも大きい。具体的には、再潅流による心筋細胞への障害や炎症が発生することで、虚血障害部位が拡大してしまうといった問題(再潅流シンドローム)があり、治療上の大きな課題となっている。
この原因は、心筋細胞が産生する活性酸素にあり、再潅流に際しては、この産生を抑えることが重要となってくる。
これに対して、再潅流を行う前に、虚血発生部位から離れた部位、例えば、上腕部や下肢部の圧迫と解放を繰り返し、虚血状態と再潅流状態とを交互に遷移させることで、虚血発生部位である心筋に対して害を与える活性酸素の発生を抑制する遠隔部短時間反復虚血法が提案されている。
遠隔部短時間反復虚血法によれば、反復刺激により細胞内媒介物質が細胞内変異、または細胞間変異を起こし、活性酸素の発生に寄与する酵素であるキナーゼの誘導が抑えられる。また、心筋細胞のATPの代謝を抑え、心筋細胞内のミトコンドリアの機能を調整することで細胞活性が抑えられ、これにより、活性酸素の産生を抑えることができる。
そして、このような再潅流シンドロームを抑制するための遠隔部短時間反復虚血法を実現する装置として、従来より、肢部圧迫装置が提案されている。具体的には、下記特許文献1において、虚血時間や潅流時間、虚血圧力等を任意に設定可能な肢部圧迫装置が提案されている。そして、同文献において提案されている肢部圧迫装置によれば、患者の状態に応じて、適切な虚血時間や潅流時間、虚血圧力を設定することが可能となる。
一方で、上述のような肢部圧迫装置を用いて肢部の圧迫と解放を繰り返すことで、患者の肢部の虚血状態と潅流状態とを制御するためには、肢部に対して、カフ部が適切に装着されていることが前提となる。カフ部が適切に装着されていなければ、肢部圧迫装置を適切に動作させ、圧迫と解放を適切に制御したとしても、患者の肢部が実際に虚血状態にならない場合があるからである。
このため、肢部圧迫装置を用いて遠隔部短時間反復虚血法を実行するにあたっては、装置自体が適切に動作しているか否かを監視するだけでなく、患者の肢部が実際に虚血状態となるような装着状態になっているか否かの監視まで行う必要がある。肢部圧迫装置の場合、血圧測定装置のような測定装置と異なり、測定結果が出力されないため、カフ部の装着不備等をユーザが早期に認識することは困難だからである。このため、肢部圧迫装置においては、カフ部の装着不備を精度よく検出できる構成となっていることが望ましい。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、患者に対して遠隔部短時間反復虚血法による処置を施す肢部圧迫装置において、カフ部の装着不備を精度よく検出できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る肢部圧迫装置は以下のような構成を備える。即ち、
肢部に巻かれるカフ部が着脱可能に接続され、当該カフ部への送気及び当該カフ部からの排気を制御することで、肢部の圧迫と解放を、予め定められたサイクル数、繰り返す肢部圧迫装置であって、
前記カフ部に送気することで前記カフ部を加圧する加圧手段と、
前記カフ部の排気を行う排気手段と、
前記加圧手段と前記排気手段とを制御することで、前記肢部の圧迫と解放を、予め定められたサイクル数、繰り返す制御手段と、を備え、
前記制御手段は、更に、
接続された前記カフ部のサイズに応じたタイマ値を設定する設定手段と、
前記加圧手段が加圧する際の加圧時間が、該設定したタイマ値を過ぎても、予め設定された圧力値に到達しない場合に、前記カフ部の装着状態に不備があると判断する判断手段とを備えることを特徴とする。
肢部に巻かれるカフ部が着脱可能に接続され、当該カフ部への送気及び当該カフ部からの排気を制御することで、肢部の圧迫と解放を、予め定められたサイクル数、繰り返す肢部圧迫装置であって、
前記カフ部に送気することで前記カフ部を加圧する加圧手段と、
前記カフ部の排気を行う排気手段と、
前記加圧手段と前記排気手段とを制御することで、前記肢部の圧迫と解放を、予め定められたサイクル数、繰り返す制御手段と、を備え、
前記制御手段は、更に、
接続された前記カフ部のサイズに応じたタイマ値を設定する設定手段と、
前記加圧手段が加圧する際の加圧時間が、該設定したタイマ値を過ぎても、予め設定された圧力値に到達しない場合に、前記カフ部の装着状態に不備があると判断する判断手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、患者に対して遠隔部短時間反復虚血法による処置を施す肢部圧迫装置において、カフ部の装着状態を監視することが可能となる。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
1.肢部圧迫装置の外観構成
はじめに、本発明の一実施形態に係る肢部圧迫装置100の外観構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る肢部圧迫装置100の外観構成を示す図である。
1.肢部圧迫装置の外観構成
はじめに、本発明の一実施形態に係る肢部圧迫装置100の外観構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る肢部圧迫装置100の外観構成を示す図である。
図1において、101はハウジングであり、上部側面には、右下肢部、左下肢部、右上腕部、左上腕部にそれぞれ巻き回される不図示のカフ部が取り付けられたカフチューブ111〜114が接続されるコネクタ部が配されている。
102は遠隔部短時間反復虚血処理の開始及び停止を指示するためのスイッチであり、1回の押圧により処理が開始され、再度の押圧により処理が停止するよう構成されている。
103は表示部であり、遠隔部短時間反復虚血処理を実行するための各種設定値や、実行中の状態等が表示される。なお、表示部103に表示される表示画面の詳細は後述する。
108は設定値入力部であり、虚血時間の設定値を増減させるための虚血時間設定スイッチ104、105と、虚血圧力の設定値を増減させるための虚血圧力設定スイッチ106、107とを備える。
2.表示画面の構成
次に、表示部103に表示される表示画面について説明する。図2は、表示部103に表示される表示画面の一例を示す図である。図2において、201は設定された虚血時間を表示する表示領域であり、202は設定された虚血圧力を表示する表示領域である。
次に、表示部103に表示される表示画面について説明する。図2は、表示部103に表示される表示画面の一例を示す図である。図2において、201は設定された虚血時間を表示する表示領域であり、202は設定された虚血圧力を表示する表示領域である。
また、203は虚血中であることを示す表示領域であり、虚血中に点灯する。204は潅流中であることを示す表示領域であり、潅流中に点灯する。205は残時間表示領域であり、虚血中であれば、虚血状態が完了するまでの残時間を表示し、潅流中であれば、潅流状態が完了するまでの残時間を表示する。
206は残サイクル数を表示する残サイクル数表示領域である。なお、本実施形態に係る肢部圧迫装置は、虚血・潅流を1サイクルとした場合、4サイクル分動作した後に、自動的に停止するよう構成されているものとする。
207は現在のカフ圧力値を表示するカフ圧力表示領域である。なお、カフ部は、右下肢部用、左下肢部用、右上腕部用、左上腕部用の4種類が接続されるが、いずれのカフ部のカフ圧力値を表示するかは、任意に設定可能であるとする。
208は警報表示領域であり、肢部圧迫装置100が何らかの異常を検出した場合に点滅し、ユーザに異常が発生したことを報知する。なお、肢部圧迫装置100において検出された異常には、カフ部の装着状態の不備の検出が含まれるものとする。
3.肢部圧迫装置の使用態様
次に、肢部圧迫装置100の使用態様について説明する。図3は、肢部圧迫装置100を用いて、患者に対して、遠隔部短時間反復虚血法による処置を施す様子を示した図である。
次に、肢部圧迫装置100の使用態様について説明する。図3は、肢部圧迫装置100を用いて、患者に対して、遠隔部短時間反復虚血法による処置を施す様子を示した図である。
図3に示すように、カフチューブ111の先端には左下肢部用のカフ部302が取り付けられており、図3の例では、左足大腿部に巻き回されている。また、カフチューブ112の先端には右下肢部用のカフ部301が取り付けられており、図3の例では、右足大腿部に巻き回されている。
同様に、カフチューブ113の先端には、左上腕部用のカフ部303が取り付けられており、患者の左上腕部に巻き回されている。また、カフチューブ114の先端には右上腕部用のカフ部304が取り付けられており、患者の右上腕部に巻き回されている。
このように、本実施形態に係る肢部圧迫装置100では、患者の四肢をカフ部301〜304を用いて空気圧で圧迫できるように構成されている。
4.肢部圧迫装置の機能構成
次に、肢部圧迫装置100の機能構成について説明する。図4は、肢部圧迫装置100の機能構成を示す図である。図4に示すように、肢部圧迫装置100は、圧力制御ユニット400〜430と制御部440と操作部108と表示部103とを備える。なお、制御部440は、マイクロコンピュータなどのCPUとCPUにより実行される装置全体の制御プログラムや各種データを記憶するROMとワークエリアとして測定データや各種データを一時的に記憶するRAMなどを備えているものとする。
次に、肢部圧迫装置100の機能構成について説明する。図4は、肢部圧迫装置100の機能構成を示す図である。図4に示すように、肢部圧迫装置100は、圧力制御ユニット400〜430と制御部440と操作部108と表示部103とを備える。なお、制御部440は、マイクロコンピュータなどのCPUとCPUにより実行される装置全体の制御プログラムや各種データを記憶するROMとワークエリアとして測定データや各種データを一時的に記憶するRAMなどを備えているものとする。
圧力制御ユニット400〜430は、圧力制御対象であるカフ部(301〜304)の数に対応した数だけ設けられており、各処理フローにおいて処理・判断を行う制御部440からの指示に基づいて、各カフ部ごとに別々に圧力制御できるよう構成されている。なお、各圧力制御ユニット400〜430は同様の構成を有することから、以下では、カフ部301の圧力制御を行う圧力制御ユニット400について説明する。
圧力制御ユニット400において、401はコネクタ部であり、カフ部301が先端に取り付けられたカフチューブ111の後端のコネクタが着脱可能に接続される。408はカフ検出部であり、カフチューブ111のコネクタが接続された場合にこれを検知し、制御部440に送信する。
なお、コネクタ部401には、カフチューブ111を圧力制御ユニット400に接続するための接続機能及びカフチューブ111の接続の有無を判定する機能のほかに、カフ部301のサイズの情報を取得する機能が配されている。なお、カフ部301のサイズの情報を取得するためには、例えば、以下のような構成が考えられる。
例えば、カフチューブ111のコネクタに配された不揮発性メモリに記録されたカフ部301のサイズを読み取る構成や、3接点のコネクタのオープン、ショート、または1線をコモンとする4接点を用いたオープン、ショートなどにより、接続されたカフ部301のサイズを識別する構成、などである。
あるいは、カフチューブ111のコネクタに配された、カフ部301のサイズに対応する数値の抵抗器と接続される抵抗器接続端子を介して、接続されたカフ部301のサイズを識別する構成が挙げられる。かかる構成によれば、制御部440では、抵抗器接続端子に所定電流(例えば、100μA)を流した場合に得られる値(例えば、電圧置)に基づいて、接続の有無の判定と接続されたカフ部301のサイズの識別とを行うことができる。また、2端子により構成可能であるため、コネクタ部401の小型化が可能であるうえ、多品種のカフ部に対応することができる。
402は圧力変換器であり、空気配管を介してコネクタ部401に接続されている。圧力変換器402では、カフ部301内の空気圧を検出し、電気信号に変換する。403は圧力検出部であり、圧力変換器402より出力された電気信号を増幅し、カフ圧力信号として制御部440に送信する。
404は排気弁であり、空気配管を介してコネクタ部401に接続されている。排気弁404は、虚血状態(圧迫状態)から潅流状態(解放状態)へと遷移させる場合に、カフ部301内の空気を急速排気するために用いられる。
405は弁駆動部であり、制御部440からの指示に基づいて、排気弁404の開閉を制御する。
406はポンプであり、空気配管を介してコネクタ部401に接続されており、カフ部301内のカフ袋に送気する。407はポンプ駆動部であり、制御部440からの指示に基づいて、ポンプ406の駆動/停止を制御する。
制御部440には、後述する遠隔部短時間反復虚血処理を実行するためのプログラムが格納されており、操作部108からの指示や圧力検出部403からの出力に基づいて、弁駆動部405、ポンプ駆動部407、表示部103等を制御する。
5.遠隔部短時間反復虚血処理の流れ
次に、肢部圧迫装置100の制御部440において実行される遠隔部短時間反復虚血処理の流れについて説明する。図5は、肢部圧迫装置100の制御部440において実行される遠隔部短時間反復虚血処理の流れを示すフローチャートである。
次に、肢部圧迫装置100の制御部440において実行される遠隔部短時間反復虚血処理の流れについて説明する。図5は、肢部圧迫装置100の制御部440において実行される遠隔部短時間反復虚血処理の流れを示すフローチャートである。
カフ部301〜304がコネクタ部を介して肢部圧迫装置100に接続され、肢部圧迫装置100の電源がONされると、図5に示すフローチャートが実行される。
コネクタ部401にカフ部301側のコネクタが接続された状態では、該カフ部301側のコネクタ内に設けられた抵抗器とカフ検出部408とが接触しているため、ステップS501では、制御部440が、該カフ部301側のコネクタ内に設けられた抵抗器の抵抗値を検出する。
ステップS502では、ステップS501において検出された抵抗値が、所定値(例えば、100±10Ω)であるか否かを判定する。ステップS502において、所定値(例えば、100±10Ω)であると判定された場合には、ステップS505に進む。
ステップS505では、コネクタ部401に接続されたカフ部301のサイズがSサイズであると判断し、加圧時の加圧時間の判定基準となる規定値を“レベル1”に設定する。一方、ステップS502において、抵抗値が所定値(例えば、100±10Ω)でないと判定された場合には、ステップS503に進む。
ステップS503では、ステップS501において検出された抵抗値が、所定値(例えば、1K±100Ω)であるか否かを判定する。ステップS503において、所定値(例えば、1K±100Ω)であると判定された場合には、ステップS506に進む。
ステップS506では、コネクタ部401に接続されたカフ部301のサイズがMサイズであると判断し、加圧時の加圧時間の判定基準となる規定値を“レベル2”に設定する。一方、ステップS503において、抵抗値が所定値(例えば、1K±100Ω)でないと判定された場合には、ステップS504に進む。
ステップS504では、ステップS501において検出された抵抗値が、所定値(例えば、10K±1KΩ)であるか否かを判定する。ステップS504において、所定値(例えば、10K±1KΩ)であると判定された場合には、ステップS507に進む。
ステップS507では、コネクタ部401に接続されたカフ部301のサイズがLサイズであると判断し、加圧時の加圧時間の判定基準となる規定値を“レベル3”に設定する。一方、ステップS504において、抵抗値が所定値(例えば、10K±1KΩ)でないと判定された場合には、ステップS514に進む。ステップS514では、カフ部301が未接続であると判断し、警報表示領域208を点滅させた後、処理を終了する。
なお、ステップS505〜S507において設定される規定値は、カフ部のサイズと対応付けて、制御部440内のメモリに予め記憶されており、制御部440では、判定したカフ部301のサイズに対して、当該対応関係をもとに規定値を読み出し、これにより、上記加圧時間の判定基準を設定する(なお、カフ部のサイズが大きいほど、規定値により特定される加圧時間が長くなるように設定されるものとする)。
図5に戻る。ステップS508において、ユーザによりスイッチ102が押圧されたことを検知すると、ステップS509では初期設定を行う。具体的には、初期圧力としてゼロを設定するとともに、各種タイマ(加圧時間を計測するタイマ、虚血時間または潅流時間を計測するためのタイマ)をリセットする。
更に、ステップS510では、圧力検出部403より出力されたカフ圧力値の受信を開始し、表示部103のカフ圧力表示領域207に表示する。
ステップS511では、弁駆動部405に対して、排気弁404の全閉を指示する。ステップS512では、ポンプ駆動部407に対してポンプ406の駆動を指示する。ステップS512においてポンプ406の駆動が開始されると、ステップS513では、加圧タイマをスタートさせ、図6のステップS521に進む。
ステップS521では、加圧タイマのタイマ値が規定値により特定される加圧時間以上となったか否かを判定する。なお、この時の規定値には、ステップS505〜S507において設定された規定値が用いられるものとする。
このように、カフ部301のサイズに応じて、加圧時の加圧時間を特定するための規定値を変更し、カフ部301のサイズに応じた加圧時間と対比させる構成とすることで、カフ部の加圧に時間がかかった場合でも、カフ部301のサイズが大きいことに起因するのか、カフ部301の装着状態に不備があることに起因するのかを識別することが可能となる。つまり、カフ部301の装着状態の不備を精度よく検出することが可能となる。
ステップS521において加圧タイマのタイマ値が規定値により特定される加圧時間以上になっていないと判定された場合には、ステップS525に進み、圧力検出部403より出力されるカフ圧力値が、予め設定されている虚血圧力値以上になっているか否かを判定する。
ステップS525において、カフ圧力値が、予め設定されている虚血圧力値以上になっていないと判定された場合には、ステップS521に戻り、加圧タイマのタイマ値が規定値により特定される加圧時間以上になったか否かを判定する。ステップS521において、加圧タイマのタイマ値が規定値以上になったと判定された場合には、ステップS522に進み、ポンプ406の駆動を停止させるよう、ポンプ駆動部407に指示する。また、ステップS523に進み、排気弁404を全開させるよう、弁駆動部405に指示する。更に、ステップS524では、警報表示領域208を点滅させる。
一方、カフ部301のサイズに応じた加圧時間内に、設定された虚血圧力値に到達した場合には、ステップS526に進み、ポンプ406の動作を停止させるよう、ポンプ駆動部407に指示する。
ステップS527では、虚血時間を計測するためのタイマをスタートさせるとともに、表示部103の表示領域203を点灯させ、虚血中であることをユーザに報知する。ステップS528では、当該タイマのタイマ値に基づいて、表示部103の残時間表示領域205に虚血状態が完了するまでの残時間を表示する。なお、残時間は、設定された虚血時間から、虚血時間を計測するためのタイマのタイマ値を差し引くことで算出する。
ステップS529では、虚血時間を計測するためのタイマのタイマ値が、予め設定されている虚血時間以上となったか否かを判定する。ステップS529において、虚血時間を計測するためのタイマのタイマ値が、設定された虚血時間以上になっていないと判定された場合には、ステップS528に戻る。
一方、ステップS529において、虚血時間を計測するためのタイマのタイマ値が、設定された虚血時間以上になったと判定された場合には、表示領域203を消灯した後、ステップS530に進み、排気弁404が全開となるよう、弁駆動部405に指示し、図7のステップS541に進む。
ステップS541では、圧力検出部403より出力されるカフ圧力値が、15mmHg以下となったか否かを判定する。ステップS541において、カフ圧力値が、15mmHg以下になっていないと判定された場合には、15mmHg以下となるまで待機する。
一方、ステップS541において、カフ圧力値が、15mmHg以下になったと判定された場合には、ステップS542に進み、潅流時間を計測するためのタイマをスタートさせるとともに、表示領域204を点灯させ、ユーザに対して潅流中であることを報知する。
更に、ステップS543では、当該タイマのタイマ値に基づいて、表示部103の残時間表示領域205に潅流状態が完了するまでの残時間を表示する。なお、残時間は、予め設定されている潅流時間から、潅流時間を計測するためのタイマのタイマ値を差し引くことで算出する。
ステップS544では、潅流時間を計測するためのタイマのタイマ値が、予め設定されている潅流時間以上となったか否かを判定する。ステップS544において、潅流時間を計測するためのタイマのタイマ値が、予め設定されている潅流時間以上になっていないと判定された場合には、ステップS543に戻る。
一方、ステップS544において、潅流時間を計測するためのタイマのタイマ値が、予め設定されている潅流時間以上になったと判定された場合には、表示領域204を消灯した後、ステップS545に進み、サイクル数をインクリメントする(なお、サイクル数のカウント値には、初期値としてゼロが入力されているものとする)。更にステップS546に進み、表示部103の残サイクル数表示領域206に残サイクル数を表示する。なお、残サイクル数は予め定められたサイクル数(4)から、カウントされた現在のサイクル数を差し引くことで算出される。
ステップS547では、カウントされたサイクル数が、予め定められたサイクル数(4)より大きいか否かを判定し、4未満であると判定された場合には、ステップS511に戻る。一方、4以上であると判定された場合には、遠隔部短時間反復虚血処理を終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る肢部圧迫装置100では、接続されたカフ部のサイズを判断し、当該サイズに対応した規定値を、加圧時の判定基準として設定する構成とした。
これにより、カフ部の加圧に時間がかかった場合に、カフ部のサイズに起因するのか、カフ部の装着状態に起因するのかを識別することが可能となり、カフ部の装着状態の不備を精度よく検出することが可能となった。
[その他の実施形態]
上記第1の実施形態では、右下肢部用、左下肢部用、右上腕部用、左上腕部用の4つのカフ部を用意し、それぞれ共通の虚血圧力値のもと、独立に圧力制御する構成としたが、本発明はこれに限定されない。
上記第1の実施形態では、右下肢部用、左下肢部用、右上腕部用、左上腕部用の4つのカフ部を用意し、それぞれ共通の虚血圧力値のもと、独立に圧力制御する構成としたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、カフ部は4つ以上であっても、4つ未満であってもよい。また、それぞれ別々に虚血圧力値を設定できるように構成してもよいし、また、いくつかのカフ部をまとめて圧力制御するように構成してもよい。
また、上記第1の実施形態では、カフ部の装着状態の不備を検出した場合に、警報表示領域を点滅させる構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、装着状態の不備が検出されたカフ部を明示したうえで、警報表示領域を点滅させるように構成してもよい。
また、上記第1の実施形態では、カフ部の装着状態の不備を検出した場合に、遠隔部短時間反復虚血処理を終了させる構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、複数接続されたカフ部のうち、装着状態の不備が検出されたカフ部についてのみ、遠隔部短時間反復虚血処理を終了させ、他のカフ部(装着状態の不備が検出されなかったカフ部)についての遠隔部短時間反復虚血処理は、継続させるように構成してもよい。
100:肢部圧迫装置、101:ハウジング、102:開始/停止スイッチ、103:表示部、104・105:虚血時間設定スイッチ、106・107:虚血圧力設定スイッチ、108:操作部、111〜114:カフチューブ、201:虚血時間を表示する表示領域、202:虚血圧力を表示する表示領域、203:虚血中であることを示す表示領域、204:潅流中であることを示す表示領域、205:残時間表示領域、206:サイクル数表示領域、207:カフ圧力表示領域、208:警報表示領域、301:右下肢部用カフ部、302:左下肢部用カフ部、303:右上腕用カフ部、304:左上腕用カフ部
Claims (5)
- 肢部に巻かれるカフ部が着脱可能に接続され、当該カフ部への送気及び当該カフ部からの排気を制御することで、肢部の圧迫と解放を、予め定められたサイクル数、繰り返す肢部圧迫装置であって、
前記カフ部に送気することで前記カフ部を加圧する加圧手段と、
前記カフ部の排気を行う排気手段と、
前記加圧手段と前記排気手段とを制御することで、前記肢部の圧迫と解放を、予め定められたサイクル数、繰り返す制御手段と、を備え、
前記制御手段は、更に、
接続された前記カフ部のサイズに応じたタイマ値を設定する設定手段と、
前記加圧手段が加圧する際の加圧時間が、該設定したタイマ値を過ぎても、予め設定された圧力値に到達しない場合に、前記カフ部の装着状態に不備があると判断する判断手段と
を備えることを特徴とする肢部圧迫装置。 - 前記制御手段は、
前記カフ部側のコネクタ内に配された、該カフ部のサイズに応じた抵抗器の抵抗値を検出することにより、該カフ部が接続されたことを識別するとともに、該カフ部のサイズを識別する識別手段と、
前記カフ部のサイズと前記タイマ値との対応関係を記憶する記憶手段と、を備え、
前記設定手段は、
前記識別手段において、前記カフ部が接続されたことを識別した場合に、更に、前記カフ部のサイズを識別し、該識別したサイズに対応するタイマ値を前記記憶手段より読み出すことにより、前記カフ部のサイズに応じたタイマ値を設定することを特徴とする請求項1に記載の肢部圧迫装置。 - 前記制御手段は、
前記判断手段において、前記カフ部の装着状態に不備があると判断された場合に、前記加圧手段による加圧を停止させ、前記排気手段による排気を行うよう制御するとともに、前記カフ部の装着状態に不備があることを報知することを特徴とする請求項2に記載の肢部圧迫装置。 - 前記設定手段は、
前記カフ部が複数接続された場合において、カフ部ごとに異なるタイマ値を設定可能であることを特徴とする請求項3に記載の肢部圧迫装置。 - 前記制御手段は、
前記カフ部が複数接続された場合においては、前記判断手段が、装着状態に不備があると判断したカフ部についてのみ、前記加圧手段による加圧を停止させ、前記排気手段による排気を行うよう制御するとともに、装着状態に不備があることを報知することを特徴とする請求項3に記載の肢部圧迫装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011078019A JP2012210362A (ja) | 2011-03-31 | 2011-03-31 | 肢部圧迫装置 |
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JP2011078019A JP2012210362A (ja) | 2011-03-31 | 2011-03-31 | 肢部圧迫装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016158943A (ja) * | 2015-03-03 | 2016-09-05 | フクダ電子株式会社 | 脈波信号計測装置およびその制御方法 |
WO2017221627A1 (ja) * | 2016-06-23 | 2017-12-28 | オムロンヘルスケア株式会社 | 血圧計 |
-
2011
- 2011-03-31 JP JP2011078019A patent/JP2012210362A/ja not_active Withdrawn
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