JP2017222949A - 修飾セルロース繊維及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】小さな修飾率であっても分散性が高く、樹脂との複合化に有用な修飾セルロース繊維及びその製造方法並びにこの修飾セルロース繊維を含む樹脂組成物を提供する。【解決手段】溶媒中、セルロース繊維をラジカル発生剤の存在下で加熱処理し、式(1)で表されるフェノール性フルオレン化合物と反応させ、セルロース繊維に対して前記フルオレン化合物が結合した修飾セルロース繊維を得る。(式中、環Zはアレーン環;nは1以上の整数;R1及びR2は置換基;pは0又は1以上の整数;kは0〜4の整数を示す)【選択図】なし

Description

本発明は、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物で修飾され、樹脂の複合材料として有用な修飾セルロース繊維及びその製造方法、並びにこの修飾セルロース繊維を含む樹脂組成物に関する。
植物由来の繊維であるセルロースは、環境負荷が小さく、かつ持続型資源であるとともに、高弾性率、高強度、低線膨張係数などの優れた特性を有する。そのため、幅広い用途、例えば、紙、フィルムやシートなどの材料、樹脂の複合材料(例えば、樹脂の補強剤)などとして利用されている。特に、微細化したセルロース繊維(ナノファイバーなど)は、樹脂の補強剤として有用であり、セルロース原料(例えば、木材、パルプなど)からセルロースナノ繊維を製造する試みがなされている。
セルロースナノ繊維(例えば、ナノファイバー)を製造する方法には、一般的に、セルロース(例えば、パルプなど)を叩解処理する方法、ホモジナイズ処理する方法などの機械的解繊方法が利用されている。しかし、これらの解繊方法はセルロースナノ繊維にダメージを与え、弾性率や低線膨張特性の低下を招くおそれがある。
一方、機械的解繊方法を必要としないセルロース繊維の製造方法も開示されている。例えば、特開2011−225847号公報(特許文献1)には、セルロース含有成分(リグニンやヘミセルロースなどの非結晶成分を含むセルロース含有成分)と9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物(単にフルオレン化合物という場合がある)とを混合し、リグニンやヘミセルロースなどの非結晶成分を選択的に可溶化又は抽出し、損傷の少ない結晶性セルロース(又はセルロースファイバー)を製造することが記載されている。この文献の実施例では、米松と9,9−ビス[4−(2―ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BPEF)とをオートクレーブ内で高温で加熱混合し、溶媒(ジオキサンと水との混合液)でBPEFを除去した後、濾残物を水に再分散してペイントシェーカーで分散処理し、水分散液の形態でセルロースファイバーを得ている。
しかし、非結晶成分を可溶化又は抽出して除去し、乾燥したセルロースファイバーをそのまま樹脂に添加しても、セルロースファイバーが凝集しているため、均一に分散できない。そのため、非結晶成分を可溶化又は抽出して得られたセルロースファイバーを、ペイントシェーカーなどの分散機により分散処理する必要がある。さらに、前記セルロースナノ繊維には、フルオレン化合物が結合していないため、マトリックス樹脂との複合化に利用すると、フルオレン化合物がマトリックス成分に移行し、複合体の特性を低下させるおそれがある。
特開2016−79370号公報(特許文献2)には、セルロースナノファイバーと、カルボキシル基及び/又はエポキシ基を有するフルオレン化合物とを有機溶媒中で反応させ、フルオレン化合物が0.01〜25重量%の割合でセルロースに結合した修飾セルロース(粉体状の形態の修飾セルロース)を得ることが記載されている。この文献の実施例では、セルロースナノ繊維水分散液の水をジメチルアセトアミドで溶媒置換し、エポキシ基を有するフルオレン化合物と反応させ、修飾率が8.9重量%又は16重量%の修飾セルロースナノ繊維を調製している。
しかし、この文献2の方法では、セルロースのヒドロキシル基とフルオレン化合物のエポキシ基との反応を利用しているため、反応部位が特定され、セルロースナノ繊維を活性化しつつフルオレン化合物で修飾できないためか、修飾セルロースナノ繊維の分散安定性が未だ十分でない。
特開2009−67817号公報(特許文献3)には、重合開始剤を用い、水系でセルロース繊維に重合性化合物をグラフト修飾することが記載され、グラフト化率が5〜1000%であることも記載されている。特開2013−234283号公報(特許文献4)には、セルロースファイバーの水分散液中で、水溶性ラジカル発生剤及び分散剤の存在下、重合性単量体を前記セルロースファイバーにグラフト重合し、精製することにより、グラフトポリマー修飾セルロースファイバーを製造することが記載されている。この文献には、重合性単量体とセルロースファイバーとの質量割合が99.9/0.1〜50/50であることも記載され、実施例では、セルロースファイバーに対する重合体のグラフト化率が54〜134質量%の修飾セルロース繊維が得られたことも記載されている。
しかし、これらの文献3及び4の方法では、修飾セルロース繊維の分散媒が水性溶媒であるため、液状マトリックス材料に含浸又は混合する方法、水分を除去した後、樹脂と溶融混練する方法などの複雑な方法で、樹脂と複合化する必要があり、直接的に複合化することが困難である。また、重合性単量体の単独重合体が生成するため、修飾セルロース繊維を工業的に有利に製造することが困難である。さらに、文献3の実施例では、メチルメタクリレート又はスチレンのグラフト化率が高い程、繊維強化複合材料が高い物性を発現する傾向を示していることから、10%以下の修飾率(グラフト化率)のセルロースファイバーでは、十分な効果が発現しないと考えられる。文献4の方法では、多量のグラフト重合体で修飾する必要があるだけでなく、修飾セルロースファイバー中のセルロースファイバーの含有量が低いため、樹脂との複合化において、セルロースファイバーの含有量を高めることが困難である。さらに、グラフトした重合体の含有量が多いため、相溶又は分散可能な樹脂の種類や溶媒の種類が制約される。
特開2011−225847号公報(特許請求の範囲、[0027]「0072」[0090][0098]、実施例) 特開2016−79370号公報(特許請求の範囲、実施例) 特開2009−67817号公報(特許請求の範囲、[0044]、実施例) 特開2013−234283号公報(特許請求の範囲、[0015][0016]、実施例)
従って、本発明の目的は、小さな修飾率であっても有機媒体(樹脂など)に対する分散性が高く、樹脂との複合化に有用な修飾セルロース繊維及びその製造方法並びにこの修飾セルロース繊維を含む樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、重合性単量体の単独重合体が生成することがなく、少量の添加で樹脂と有効に複合化可能な修飾セルロース繊維及びその製造方法、並びにこの修飾セルロース繊維を含む樹脂組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、結晶性が高く、樹脂を有効に補強可能な修飾セルロース繊維及びその製造方法並びにこの修飾セルロース繊維を含む樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ラジカル活性剤の存在下でセルロース繊維を活性化処理し、フェノール性ヒドロキシル基を有するフルオレン化合物(9,9−ビスヒドロキシアリールフルオレン骨格を有する化合物)と混合すると、セルロース繊維の活性ラジカルがフェノール性ヒドロキシル基の水素原子を引き抜いてカップリングするためか、セルロースナノ繊維に前記フルオレン化合物が結合した修飾セルロースナノ繊維が得られること、この修飾セルロースナノ繊維は、前記フルオレン化合物の結合割合(修飾量)が少量であっても、有機媒体(樹脂など)に対する親和性及び分散性が高く、樹脂と有効に複合化できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の修飾セルロース繊維は、溶媒中、ラジカルで活性化処理されたセルロース繊維と下記式(1)で表される9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物(以下、単にフェノール性フルオレン化合物という場合がある)とを反応させることにより得られる。換言すれば、ラジカル発生剤の存在下でセルロース繊維を加熱処理(又は活性化処理)し、活性化したセルロース繊維と前記フルオレン化合物とを反応させてカップリングさせることにより修飾セルロース繊維を得ることができる。
(式中、環Zはアレーン環;nは1以上の整数;R及びRは置換基;pは0又は1以上の整数;kは0〜4の整数を示す)
式(1)において、環Zは単環式アレーン環、多環式アレーン環又は環集合アレーン環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環又はビフェニル環)であってもよく、nはそれぞれ独立して1〜3の整数(例えば、1又は2)であってもよい。
はアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)又はアルコキシ基、pは0〜3の整数(例えば、0〜2の整数)、Rはシアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)、kは0〜3の整数(例えば、0又は1)であってもよい。
セルロース繊維に対して結合した式(1)で表される化合物の割合は、修飾セルロース繊維の総量に対して、0.01〜20重量%程度であってもよい。また、前記修飾セルロース繊維はナノファイバーであってもよく、例えば、平均繊維径5〜500nm程度のナノファイバーであってもよい。さらに、修飾セルロース繊維の結晶化度は、60%以上(例えば、75〜90%程度)であってもよい。なお、修飾セルロース繊維は樹脂の補強材として利用することもできる。
本発明は、前記修飾セルロース繊維を含む樹脂組成物も包含する。
本発明は、溶媒(例えば、有機溶媒)中、セルロース繊維をラジカル発生剤の存在下で加熱処理(又は活性化処理)し、前記式(1)で表される化合物と反応させ(又は加熱下で混合又は撹拌し)、前記修飾セルロース繊維を製造する方法も包含する。セルロース繊維(例えば、ナノセルロースファイバー)は、例えば、木材パルプ及びコットンリンターパルプから選択された少なくとも1種のパルプに由来してもよく、結晶性セルロース繊維(例えば、I型結晶構造を有するセルロース繊維)であってもよい。
本発明の修飾セルロース繊維は、セルロース繊維に対して前記フルオレン化合物がグラフト結合しているため、小さな修飾率であっても種々の有機媒体(樹脂など)に対して高い親和性又は混和性を有しており、樹脂に対して高い分散性を示し、高い補強性を有する。そのため、樹脂との複合化に有用である。また、重合性単量体の単独重合体が生成することがなく、少量の添加で有効に樹脂と複合化でき、樹脂の特性を損なうことがない。さらに、セルロース繊維の分解を抑制できるとともに、結晶性も維持できるため、高分子量かつ結晶性の高い修飾セルロース繊維を得ることができる。このような修飾セルロース繊維は、高強度、高弾性率、低線膨張特性などの優れた特性を有し、かつ樹脂に簡便に分散できるため、樹脂の複合材料(例えば、補強材)として有用である。
図1は、実施例1及び比較例1で得られた修飾セルロースナノファイバーの分散性を示す写真である。
本発明の修飾セルロース繊維は、セルロース繊維と、このセルロース繊維に対して結合した9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物とを含んでいる。
[セルロース繊維]
セルロースとしては、リグニン、ヘミセルロースなどの非セルロース成分の含有量が少ないパルプ、例えば、植物由来のセルロース原料{例えば、木材[例えば、針葉樹(マツ、モミ、トウヒ、ツガ、スギなど)、広葉樹(ブナ、カバ、ポプラ、カエデなど)など]、草本類[麻類(麻、亜麻、マニラ麻、ラミーなど)、ワラ、バガス、ミツマタなど]、種子毛繊維(コットンリンター、ボンバックス綿、カポックなど)、竹、サトウキビなど}、動物由来のセルロース原料(ホヤセルロースなど)、バクテリア由来のセルロース原料(ナタデココに含まれるセルロースなど)などから製造されたパルプなどが例示できる。これらのセルロースは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのセルロースのうち、木材パルプ(例えば、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなど)、種子毛繊維由来のパルプ(例えば、コットンリンターパルプ)由来のセルロースなどが好ましい。なお、パルプは、パルプ材を機械的に処理した機械パルプであってもよいが、非セルロース成分の含有量が少ないことからパルプ材を化学的に処理した化学パルプが好ましい。また、セルロースは、前記例示のパルプ(例えば、化学パルプ)などを微細化(ミクロフィブリル化)したセルロース繊維、特に、セルロースナノファイバーであるのが好ましい。
セルロース繊維と非セルロース成分との総量に対するセルロースの割合(含有量)は、例えば、70重量%以上(例えば、75〜100重量%)、好ましくは80重量%以上(例えば、85〜100重量%)、さらに好ましくは90重量%以上(例えば、95〜100重量%)程度であってもよい。
セルロース繊維の平均繊維径は、マイクロメーターサイズ(例えば、1〜20μm)であってもよいが、樹脂の補強性の観点から、ナノメーターサイズ、例えば、2〜1000nm(例えば、4〜700nm)、好ましくは5〜500nm(例えば、7〜250nm)、さらに好ましくは10〜100nm程度であってもよく、10〜80nm(例えば、20〜70nm、特に25〜50nm)程度であってもよい。
セルロース繊維の平均繊維長は、例えば、0.01〜500μm(例えば、0.05〜400μm)程度の範囲から選択でき、通常、0.1〜300μm(例えば、0.1〜200μm)、好ましくは0.2〜100μm(例えば、0.3〜80μm)、さらに好ましくは0.5〜30μm(例えば、0.5〜10μm)程度であってもよい。
さらに、セルロース繊維の平均繊維径に対する平均繊維長の割合(アスペクト比)は、例えば、5以上(例えば、5〜10000程度)、好ましくは10以上(例えば、10〜5000程度)、さらに好ましくは20以上(例えば、20〜3000程度)、特に50以上(例えば、50〜2000程度)であってもよく、100以上(例えば、100〜1000程度)、さらには200以上(例えば、200〜800程度)であってもよい。アスペクト比が小さすぎると、樹脂の補強効果が低下し、アスペクト比が大きすぎても、繊維が分解(又は損傷)しやすくなる虞がある。
セルロース繊維は、結晶性の高いセルロース繊維であってもよく、セルロース繊維の結晶化度は、例えば、40〜100%(例えば、50〜100%)、好ましくは60〜95%、さらに好ましくは70〜90%(例えば、75〜90%)程度であってもよく、通常、結晶化度が60%以上であってもよい。本発明の製造方法では、セルロース繊維の結晶性を維持できることから、結晶化度の高いセルロースを使用すれば、高結晶性の修飾セルロース繊維を得ることができる。そのため、結晶性セルロースを好適に使用してもよい。なお、セルロース繊維の結晶構造としては、例えば、I型、II型、III型、IV型などが例示でき、低線膨張特性及び弾性率などが高いI型結晶構造が好ましい。
(フェノール性フルオレン化合物)
前記フェノール性フルオレン化合物は、9,9−ビスアリール骨格を有し、下記式(1)で表される。
(式中、環Zはアレーン環;nは1以上の整数;R及びRは置換基;pは0又は1以上の整数;kは0〜4の整数を示す)
前記式(1)において、環Zで表されるアレーン環として、ベンゼン環などの単環式アレーン環、多環式アレーン環などが挙げられ、多環式アレーン環には、縮合多環式アレーン環(縮合多環式炭化水素環)、環集合アレーン環(環集合芳香族炭化水素環)などが含まれる。
縮合多環式アレーン環としては、例えば、縮合二環式アレーン(例えば、ナフタレンなどの縮合二環式C10−16アレーン)環、縮合三環式アレーン(例えば、アントラセン、フェナントレンなど)環などの縮合二乃至四環式アレーン環などが挙げられる。好ましい縮合多環式アレーン環としては、ナフタレン環、アントラセン環などが挙げられ、特に、ナフタレン環が好ましい。なお、2つの環Zは同一の又は異なる環であってもよい。
環集合アレーン環としては、ビアレーン環、例えば、ビフェニル環、ビナフチル環、フェニルナフタレン環(1−フェニルナフタレン環、2−フェニルナフタレン環など)などのビC6−12アレーン環、テルアレーン環、例えば、テルフェニレン環などのテルC6−12アレーン環などが例示できる。好ましい環集合アレーン環としては、ビC6−10アレーン環、特にビフェニル環などが挙げられる。
環Zに対するヒドロキシル基の置換数nは、それぞれ独立して1以上の整数(例えば、1〜4の整数)、好ましくは1〜3の整数、さらに好ましくは1又は2の整数、特に1であってもよい。なお、置換数nは、それぞれの環Zにおいて、同一又は異なっていてもよい。
なお、ヒドロキシル基(フェノール性ヒドロキシル基)は、環Zの適当な位置に置換でき、例えば、環Zがベンゼン環である場合には、フェニル基の2−,3−,4−位(特に、3−位及び/又は4−位)に置換している場合が多く、環Zがナフタレン環である場合には、ナフチル基の5〜8−位である場合が多く、例えば、フルオレンの9−位に対してナフタレン環の1−位又は2−位が置換し(1−ナフチル又は2−ナフチルの関係で置換し)、この置換位置に対して、1,5−位、2,6−位などの関係(特にnが1である場合、2,6−位の関係)でヒドロキシル基が置換している場合が多い。また、nが2以上である場合、置換位置は、特に限定されない。また、環集合アレーン環Zにおいて、ヒドロキシル基の置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレンの9−位に結合したアレーン環及び/又はこのアレーン環に隣接するアレーン環に置換していてもよい。例えば、ビフェニル環Zの3−位又は4−位がフルオレンの9−位に結合していてもよく、ビフェニル環Zの4−位がフルオレンの9−位に結合しているとき、ヒドロキシル基の置換位置は、2−,3−,2’−,3’−,4’−位のいずれであってもよく、通常、2−,3’−,4’−位、好ましくは2−,4’−位(特に、2−位)に置換していてもよい。
前記式(1)において、置換基Rとしては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基、さらに好ましくは直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロへキシル基などのC5−10シクロアルキル基など)、アリール基[フェニル基、アルキルフェニル基(メチルフェニル(トリル)基、ジメチルフェニル(キシリル)基など)、ビフェニル基、ナフチル基などのC6−12アリール基]、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルコキシ基など)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロへキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基など)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1−10アルキルチオ基など)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロへキシルチオ基などのC5−10シクロアルキルチオ基など)、アリールチオ基(例えば、チオフェノキシ基などのC6−10アリールチオ基など)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基など)、アシル基(例えば、アセチル基などのC1−6アシル基など)、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシ−カルボニル基など)、ニトロ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基(例えば、ジメチルアミノ基などのジC1−4アルキルアミノ基など)、ジアルキルカルボニルアミノ基(例えば、ジアセチルアミノ基などのジC1−4アルキル−カルボニルアミノ基など)などが例示できる。
これらの置換基Rのうち、代表的には、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アシル基、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基などが挙げられる。好ましい置換基Rとしては、アルコキシ基、アルキル基など、特にメチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基が挙げられる。なお、置換基Rがアリール基であるとき、置換基Rは、環Zとともに、前記環集合アレーン環を形成してもよい。置換基Rの種類は、同一の又は異なる環Zにおいて、同一又は異なっていてもよい。
置換数pの数は、環Zの種類などに応じて適宜選択でき、例えば、0〜8程度の整数であってもよく、0〜4の整数、好ましくは0〜3(例えば、0〜2)の整数、特に0又は1であってもよい。特に、pが1である場合、環Zがベンゼン環、ナフタレン環又はビフェニル環、置換基Rがメチル基であってもよい。
置換基Rとして、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシ−カルボニル基など)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−6アルキル基)、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基)などが挙げられる。
これらの置換基Rのうち、代表的には、アルキル基、カルボキシ基又はC1−2アルコキシ−カルボニル基、シアノ基、ハロゲン原子など、特にメチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基が好ましい。置換数kは0〜4(例えば、0〜3)の整数、好ましくは0〜2の整数(例えば、0又は1)、特に0である。なお、置換数kは、互いに同一又は異なっていてもよく、kが2以上である場合、置換基Rの種類は互いに同一又は異なっていてもよく、フルオレン環の2つのベンゼン環に置換する置換基Rの種類は同一又は異なっていてもよい。また、置換基Rの置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレン環の2−位乃至7−位(2−位、3−位及び/又は7−位など)であってもよい。
前記式(1)において、nが1である化合物としては、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類{例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス(5−ヒドロキシ−1−ナフチル)フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC6−12アリール)フルオレン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−フェニル−3−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C6−12アリール−ヒドロキシC6−12アリール)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−メチル−3−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C1−4アルキル−ヒドロキシC6−12アリール)フルオレンなどが例示できる。
前記式(1)において、nが2以上である化合物としては、9,9−ビス[(ポリ)ヒドロキシアリール]フルオレン類{9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシC6−12アリール)フルオレンなど}などが例示できる。
なお、式(1)で表される9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物(フェノール性フルオレン化合物)は、市販品を使用してもよく、慣用の方法(例えば、9−フルオレノン類と、ヒドロキシ基含有アレーン環化合物(例えば、フェノール類、ナフトール類など)とを酸触媒の存在下で反応させる方法など)で合成してもよい。
なお、前記フルオレン化合物は、様々な樹脂と相溶するため、セルロース繊維[例えば、セルロースナノファイバー(CNF)]の疎水化修飾剤として有用である。
(修飾セルロース繊維)
修飾セルロース繊維(又は変性セルロース繊維、セルロース繊維誘導体)において、前記式(1)で表されるフェノール性フルオレン化合物がセルロース繊維に対して結合している。なお、この結合には、ラジカルによりセルロース繊維の水素原子がランダムに引き抜かれる引き抜き反応(又はセルロース繊維にラジカルを形成する反応)に加え、式(1)で表されるフェノール性フルオレン化合物のランダムな反応が関与するため、セルロース繊維に対する式(1)で表されるフェノール性フルオレン化合物の結合部位及び修飾セルロース繊維の構造を特定することは現在の分析技術をもってしても困難である。そのため、修飾セルロース繊維は、後述の方法(ラジカル発生剤で処理されたセルロース繊維と、式(1)で表されるフルオレン化合物との反応)で得られた生成物であってもよい。
修飾セルロース繊維は、セルロース繊維に結合(又は修飾)した前記フルオレン化合物の割合が比較的少なくても、有機媒体に対して高い親和性を示す。セルロース繊維に結合した前記フルオレン化合物の割合(以下、修飾率という)は、修飾セルロース繊維の総量に対して、0.01〜20重量%程度の範囲から選択でき、例えば、0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%(例えば、0.3〜7重量%)、さらに好ましくは0.5〜5重量%(例えば、0.7〜3重量%)程度であってもよい。修飾率が大きすぎると、低線膨張係数などの特性が低下する虞があり、逆に小さすぎると、樹脂に対する分散性(又は混和性)が低下する虞がある。
修飾セルロース繊維と非セルロース成分との総量に対する修飾セルロース繊維の割合(含有量)は前記セルロース繊維と同様の割合(例えば、90重量%以上)であってもよい。修飾セルロース繊維の含有量が小さすぎると、樹脂の補強性が低下する虞がある。
修飾セルロース繊維の平均粒子径(平均長径と平均短径との平均径)は、例えば、3nm〜100μm(例えば、3nm〜30μm)程度の範囲から選択でき、通常、5nm〜10μm(例えば、7nm〜7μm)、好ましくは10nm〜5μm(例えば、20nm〜3μm)、さらに好ましくは30nm〜2μm(例えば、50nm〜1μm)程度であってもよい。平均粒子径が大きすぎると、樹脂に対する分散性が低下し、逆に小さすぎると取り扱い性が低下する虞がある。なお、平均粒子径は、乾式篩法、レーザー回折法などを利用して測定できる。
修飾セルロース繊維の製造工程においてセルロース繊維の分解を抑制できるため、修飾セルロース繊維の平均繊維径、平均繊維長及びアスペクト比の値は、前記セルロース繊維の各特性に対応しており、前記セルロース繊維の平均繊維径、平均繊維長及びアスペクト比の数値をそのまま参照できる。例えば、修飾セルロース繊維の平均繊維径は、マイクロメーターサイズ(例えば、1〜10μm)であってもよいが、ナノメーターサイズの修飾セルロース繊維(セルロースナノファイバー)が好ましい。なお、修飾セルロース繊維の平均繊維径は、前記セルロース繊維と同様の範囲(例えば、5〜500nm)であってもよい。また、修飾セルロース繊維は、前記セルロース繊維と同様の範囲の平均繊維長(例えば、0.1〜200μm)及びアスペクト比(例えば、20〜3000)であってもよい。アスペクト比が所定の範囲内にあると、樹脂の補強効果を向上できる。
なお、修飾セルロース繊維は、前記フルオレン化合物の修飾により疎水性が向上するためか、水分含有量が少ない。すなわち、飽和吸水率は8重量%以下(例えば、5重量%以下)であってもよく、水分含有量は、温度25℃、湿度60%の条件下、1昼夜放置したとき、0〜7重量%(例えば、0〜5重量%)、好ましくは5重量%以下(例えば、0.1〜5重量%)、さらに好ましく3重量%程度以下であってもよい。なお、水分含有量は、近赤外線分析計などを用いて測定できる。
さらに、修飾セルロース繊維の特性(例えば、低線膨張特性、強度、耐熱性など)を樹脂に有効に発現させるためには、結晶性の高い修飾セルロース繊維が好ましい。前記のように、本発明の修飾セルロース繊維はセルロース繊維の結晶性を維持できるため、修飾セルロース繊維の結晶化度は前記セルロース繊維の数値をそのまま参照できる。例えば、修飾セルロース繊維の結晶化度は、40〜95%(例えば、50〜90%)、好ましくは60〜95%(例えば、65〜90%)、さらに好ましくは70〜90%(例えば、75〜85%)程度であってもよく、通常、結晶化度が60%以上(例えば、75〜90%程度)であってもよい。結晶化度が小さすぎると、低線膨張特性や強度などの特性を低下させる虞がある。なお、結晶化度は、実施例に記載の方法で測定できる。
(製造方法)
本発明の製造方法では、溶媒(代表的には有機溶媒)中、セルロース繊維をラジカル発生剤の存在下で加熱処理し、前記式(1)で表される化合物と反応させることにより、前記修飾セルロース繊維を調製できる。すなわち、溶媒中、ラジカルで活性化されたセルロース繊維と、前記式(1)で表されるフェノール性フルオレン化合物とを反応させることにより、所定の修飾セルロース繊維を調製できる。なお、反応機構は明確ではないが、ラジカル発生剤でセルロース繊維を処理することにより、生成したラジカルがセルロース繊維に捕捉され又は水素引き抜き反応によりラジカルが形成され、このラジカルが前記式(1)で表されるフルオレン化合物のフェノール性ヒドロキシル基(又はフルオレン化合物の適所)の水素原子を引き抜いてカップリング反応を生じさせ、セルロース繊維に前記式(1)で表されるフルオレン化合物が結合するものと推測される。なお、ラジカル発生剤とセルロース繊維と前記式(1)で表されるフルオレン化合物とを一括して反応系に添加して反応させても、修飾反応は殆ど生じない場合が多い。その理由は、明確ではないが、フェノール性ヒドロキシル基の水素原子の引き抜き反応が生じやすいため、ラジカルが、セルロースのヒドロキシル基の水素原子の引き抜き反応よりも、フェノール性ヒドロキシル基の水素原子の引き抜き反応に優先的に消費されてしまうためと推察される。
セルロース繊維の割合は、フェノール性フルオレン化合物100重量部に対して、0.1〜500重量部(例えば、1〜300重量部)程度の範囲から選択でき、例えば、5〜200重量部(例えば、10〜150重量部)、好ましくは5〜100重量部(例えば、10〜50重量部)程度であってもよい。
ラジカル発生剤としては、慣用の重合開始剤、例えば、アゾ系ラジカル重合開始剤(例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロパンアミド]などのアゾニトリル化合物、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物など)、有機又は無機過酸化物[ジアルキルパーオキサイド類(例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイドなど)、ジアシルパーオキサイド類(例えば、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーキサイドなど)、過酸(又は過酸エステル)類(例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、過酢酸t−ブチルなど)ケトンパーオキサイド類、パーオキシカーボネート類、パーオキシケタール類など]などが例示できる。これらの重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
なお、好ましい重合開始剤(ラジカル発生剤)は、半減期の長い重合開始剤であってもよい。
ラジカル発生剤の使用量は、例えば、セルロース繊維100重量部に対して、1〜1000重量部(例えば、5〜800重量部)、好ましくは10〜750重量部(例えば、50〜700重量部)、さらに好ましくは100〜600重量部程度であってもよい。また、フェノール性フルオレン化合物100重量部に対して、ラジカル発生剤の使用量は、0.1〜750重量部(例えば、1〜600重量部)、好ましくは5〜500重量部(例えば、10〜400重量部)程度であってもよく、5〜100重量部(例えば、20〜80重量部)程度であってもよい。
反応は有機溶媒の非存在下で行ってもよいが、通常、有機溶媒の存在下で行われる。この有機溶媒はセルロース繊維に含浸していてもよいが、セルロース繊維を有機溶媒に分散させた分散系で反応させる場合が多い。セルロース繊維を有機溶媒に分散させた分散系で、セルロース繊維(特に、ナノファイバー)と前記フェノール性フルオレン化合物とを反応させると、均一に反応させることができる。このような方法で得られた修飾セルロース繊維は、取り扱い性及び樹脂に対する分散性が高く、樹脂の補強効果に優れている。
なお、セルロース繊維(特に、ミクロフィブリル化した繊維、平均繊維径がナノメータサイズのナノ繊維)を乾燥すると、繊維が絡み合って再分散できなくなる場合がある。そのため、通常、セルロース繊維は水含浸又は水分散液として市販されている場合が多い。このような水分散液では、水分散液の水を有機溶媒に置換する慣用の溶媒置換法、例えば、セルロース繊維の水分散液に水溶性溶媒を添加混合し、セルロース繊維を分離し(又は溶媒を除去し)た後、さらに有機溶媒を添加混合する操作を繰り返す方法などにより、セルロース繊維が有機溶媒に分散した分散液を調製できる。なお、沸点が水よりも高い水溶性有機溶剤を用いる場合、水を蒸留(共沸蒸留を含む)により除去し、溶媒置換することもできる。
水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのC1−4アルカノールなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどの(ポリ)オキシエチレングリコールジC1−4アルキルエーテルなど)、ケトン類(アセトンなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アルカンジオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのC2−4アルカンジオール)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ)、カルビトール類(エチルカルビトールなど)、カーボネート類(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなど)などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
なお、水溶性有機溶媒を用いて溶媒置換したセルロース繊維含有分散液において、水溶性有機溶媒は、上記と同様にして、非水溶性有機溶媒に溶媒置換することもできる。非水溶性有機溶媒としては、例えば、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのジアルキルエーテル)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、ケトン類(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、ニトリル類(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、セロソルブアセテート類、カルビトールアセテート類、炭化水素類(ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、トルエンなどの芳香族炭化水素類)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレンなど)などが例示できる。これらの非水溶性有機溶媒も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
分散液中のセルロース繊維の固形分濃度は、例えば、0.01〜30重量%(例えば、0.1〜20重量%)、好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは3〜12重量%(例えば、5〜10重量%)程度であってもよい。固形分濃度が低すぎると、反応効率が低下する虞がある。
反応は、減圧下で行ってもよいが、通常、加圧下又は常圧下で行う場合が多い。反応温度は、溶媒の沸点などにより適宜選択でき、例えば、50〜200℃(例えば、70〜170℃)、好ましくは80〜150℃(例えば、100〜130℃)程度であってもよい。なお、反応は溶媒の還流下で行ってもよい。また、反応時間は、特に限定されず、例えば、10分〜48時間(例えば、30分〜24時間)程度である。さらに、反応は、空気中又は不活性ガス(窒素、アルゴンなどの希ガスなど)雰囲気下、攪拌しながら行うことができる。
なお、反応は、反応系を撹拌しながら行ってもよく、セルロース繊維に機械的剪断力を作用させ、セルロース繊維を微細化しながら行って修飾セルロース繊維を得てもよい。さらに、反応終了後に解繊して修飾セルロース繊維を微細化してもよい。なお、微細化工程では、セルロース繊維をナノファイバーに微細化しつつ反応させてもよく、反応により生成した修飾セルロース繊維をナノファイバーに微細化してもよい。
反応により生成した修飾セルロース繊維は、慣用の方法(例えば、遠心分離、濾過、濃縮、抽出など)により分離精製してもよい。例えば、少なくとも前記フェノール性フルオレン化合物を溶解可能な溶媒を反応混合物に添加し、上記遠心分離、濾過、抽出などの分離法(慣用の方法)で未反応フェノール性フルオレン化合物を除去し、分離精製してもよい。なお、上記分離操作は複数回(例えば、2〜5回程度)行うことができる。さらに、分離精製した修飾セルロース繊維を加熱下又は減圧下或いは常圧下で乾燥することにより、粉末状の形態を有する修飾セルロース繊維を得てもよい。
なお、未反応フェノール性フルオレン化合物を上記分離方法などにより繰り返し除去して精製した修飾セルロース繊維を、ラマン分析などの方法により分析すると、セルロース繊維に由来するピークとフルオレン化合物に由来するピークとが存在し、セルロース繊維にフェノール性フルオレン化合物が結合していることが確認できる。
このようにして得られた修飾セルロース繊維は、未修飾のセルロース繊維に比べて、有機溶媒に対する分散安定性が高い。そのため、修飾セルロース繊維が有機溶媒に分散した分散液は、コーティング剤、塗料などへ容易に添加でき、塗膜の特性を向上できる。
[樹脂組成物]
本発明の修飾セルロース繊維は、樹脂との親和性又は混和性に優れているため樹脂の複合材料(例えば、補強材)として利用できる。
樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、非晶質ポリオレフィンなど)、ビニル系樹脂(ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル−スチレン樹脂などのスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニルなど)、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリエステル樹脂[ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレート、ポリアリレート、液晶ポリエステル、脂肪族ポリエステル(ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペートなど)など]、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロンMXDなど)、ポリフェニレンエーテル樹脂(変性ポリフェニレンエーテルなど)、ポリスルホン樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリフェニレンスルフィド樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂(ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミドなど)、ポリエーテルケトン樹脂(ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなど)、熱可塑性エラストマー、フッ素樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、アミノ樹脂(尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂など)、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。さらに、樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール、セルロースエーテルなどの水溶性樹脂、アクリル系樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、スチレン系樹脂エマルジョンなどの水分散性樹脂などであってもよい。
環境負荷低減などの観点からは、バイオマス由来の脂肪族ポリエステル系樹脂、例えば、ポリ乳酸などを使用してもよい。なお、ポリ乳酸は、耐熱性が低いなどの制約があるが、本発明の修飾セルロース繊維は、ポリ乳酸との混和性も良く、耐熱性などの欠点を補うことができる。
修飾セルロース繊維の割合は、樹脂100重量部に対して、例えば、0.1〜50重量部(例えば、0.5〜40重量部)、好ましくは1〜30重量部(例えば、3〜20重量部)、さらに好ましくは5〜15重量部(例えば、7〜12重量部)程度であってもよい。修飾セルロース繊維の割合が小さすぎると、樹脂に対する補強性が低下する虞があり、逆に大きすぎると、混和性や成形性が低下する虞がある。
樹脂組成物は、慣用の方法、例えば、溶融混練法などで調製できる。本発明の修飾セルロース繊維は、分散液の形態で使用しなくても(乾燥状態であっても)樹脂と混和できるため、機械的に溶融混練(又は混合)する方法を好適に使用できる。なお、溶融混練において、修飾セルロース繊維は溶融することなく繊維状の形態で溶融した樹脂と混合される。
溶融混練は、慣用の方法、例えば、ミキシングローラ、ニーダ、バンバリーミキサー、押出機(一軸又は二軸押出機など)などにより行うことができる。溶融混練の温度は、樹脂の溶融特性に応じて適宜選択でき、通常、分解開始温度よりも低く、溶融開始温度よりも高い温度が選択される。例えば、100〜300℃、好ましくは130〜260℃(例えば、150〜250℃)、さらに好ましくは170〜230℃程度であってもよい。
なお、樹脂組成物は、樹脂と修飾セルロース繊維とを所定の割合で直接的に溶融混練してもよく、修飾セルロース繊維を含むマスターバッチと樹脂とを溶融混練して修飾セルロース繊維の含有量を調整してもよい。
マスターバッチは、樹脂と修飾セルロース繊維とを高い修飾セルロース繊維濃度で溶融混練して調製してもよく、溶媒を用いて調製してもよい。溶媒は、樹脂の種類に応じて選択でき、樹脂を可溶な溶媒であってもよい。このような溶媒は、前記例示の水溶性有機溶媒、非水溶性有機溶媒であってもよく、水溶性樹脂又は水分散性樹脂を用いる場合には、溶媒は水であってもよい。有機溶媒を用いてマスターバッチを調製する場合、樹脂と、この樹脂を可溶な溶媒と、修飾セルロース繊維とを含む混合液を調製し、必要により分散混合機(超音波分散機、ディスパーなど)により分散混合し、溶媒を除去してもよい。なお、樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液と、修飾セルロース繊維とを混合してもよい。より具体的には、溶媒中(特に有機溶媒中)に分散した修飾セルロース繊維の分散液と、樹脂と、樹脂を可溶な溶媒との均一な混合物から溶媒を除去することによりマスターバッチを調製してもよい。なお、マスターバッチは、ペレット状、粉粒状などであってもよい。
マスターバッチにおいて、修飾セルロース繊維の割合は、樹脂100重量部に対して、例えば、1〜70重量部(例えば、5〜65重量部)、好ましくは10〜60重量部、さらに好ましくは20〜50重量部(例えば、30〜45重量部)程度であってもよい。
また、前記樹脂組成物は、慣用の成形法(例えば、圧縮成形、射出成形、押出成形など)により成形できる。特に、射出成形、押出成形法を利用すると、成形品の生産性を向上できる。
なお、前記樹脂組成物は、種々の添加剤、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、帯電防止剤、難燃剤(リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤など)、難燃助剤、耐衝撃改良剤、流動性改良剤、補強材(充填剤など)、核剤、着色剤、滑剤、可塑剤、離型剤、色相改良剤、分散剤、抗菌剤、防腐剤などを含有していてもよい。また、樹脂が熱硬化性樹脂である場合、樹脂組成物は、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物(複合材料)は、修飾セルロース繊維で補強でき、高強度、高弾性率、高耐熱性、低線膨張特性などの特性を有する。さらに、ナノメーターサイズの修飾セルロース繊維(例えば、セルロースナノファイバー)を用いると、可視光の波長領域の光散乱性が低く、前記樹脂組成物は、透明性にも優れている。例えば、ナノメーターサイズの修飾セルロース繊維を10重量%の割合で含み、厚み30μmのフィルムとしたとき、全光線透過率は、例えば、30%以上(例えば、40〜99%)、好ましくは50%以上(例えば、60〜98%)、さらに好ましくは60%以上(例えば、70〜95%)程度であってもよく、60〜90%(例えば、70〜85%)程度であってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1で調製した修飾セルロースナノファイバーの9,9−ビス[4−ヒドロキシフェニル]フルオレン(以下、BPFという)修飾率(BPF修飾率)、形状、及び結晶化度は、以下のようにして測定又は評価した。
(セルロースに結合したフルオレン化合物の割合(修飾率))
フルオレン化合物の修飾率の定量はFT−Raman分析により行った。酢酸セルロース((株)ダイセル製)と既定量の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下、BPFという)とをテトラヒドロフラン(THF)に溶解して成膜し、ラマン顕微鏡(堀場JOBIN YVON社製、「XploRA」)を使用してラマン分析を行った。芳香族環(1604cm−1)とセルロースの環内CH(1375cm−1)との吸収バンドの強度比(I1604/I1375)と、BPFの濃度に基づき、検量線を作成した。すべてのサンプルは3回測定し、その結果を平均した。
(溶媒分散性)
既定量のセルロース繊維をテトラヒドロフランに分散して0.2重量%のセルロース繊維分散液を調製した後、室温で放置し、沈降時間に基づいて分散性を評価した。
実施例1
(1)セルロース含有溶媒分散系の調製
セルロース繊維の水分散液「セリッシュ」(ダイセルファインケム(株)製、「KY110N」、セルロース:水(重量比)=15/85)100g(固形分15g)をトリエチレングリコールジメチルエーテル(以下、TEGDME)500gに分散して遠心分離した後、沈降した固形分をさらにTEGDME 500gに分散してする操作を3回繰り返し、溶媒としての水をTEGDMEに置換した分散液(セルロース繊維の濃度20重量%)を得た。
(2)フェノール性フルオレン化合物との反応
得られた分散液5gに、所定量のTEGDME及びラジカル開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を混合し、セルロース繊維1gに対して、TEGDME 27.5g、ラジカル活性剤2.0gの混合液を調製し、この混合液をアルゴン雰囲気下、100℃に昇温して反応を開始し、6時間撹拌した。なお、反応開始から10分後に、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル(株)製、BPFという)5.0gとTEGDME 15gを含む溶液を3分間に亘り滴下した。反応終了後、濾過し、テトラヒドロフランで3回洗浄し、未反応のBPF及びラジカル開始剤を除去し、修飾セルロース繊維(ナノファイバー)を得た。
BPF修飾率を求めたところ、修飾率は3.9mmol/100g(1.4重量%)であった。なお、修飾セルロース繊維の形状をFE−SEM(日本電子(株)製、「JSM−6700F」、測定条件:20mA、60秒)を用いて観察したところ、修飾セルロースナノファイバー(CNF)の繊維径(又は直径)は、10〜550nm程度であり、SEM写真の画像からランダムに50個の繊維を選択し、加算平均して平均繊維径を算出したところ、平均繊維径は33nmであった。
さらに、テトラヒドロフランへの分散性(沈降時間)を評価した結果、図1に示すように、24時間以上経過しても修飾セルロース繊維(ナノファイバー)は殆ど沈降せず、上澄みは僅かであった。
比較例1
ラジカル開始剤を用いることなく、実施例1と同様の割合でセルロース繊維とTEGDMEとBPFを含む混合液を調製し、実施例1と同様にして加熱下で撹拌した。そして、実施例1と同様にして、セルロース繊維を分離したところ、セルロース繊維はフェノール性フルオレン化合物で全く修飾されていなかった。さらに、テトラヒドロフランへの分散性(沈降時間)を評価した結果、図1に示すように、24時間以上経過すると、セルロース繊維の大部分が沈降し、上澄みが生成した。
本発明の修飾セルロース繊維は、樹脂に対する分散性に優れるため、幅広い用途、樹脂の補強材、添加剤、フィルムやシートの材料などに利用できる。また、樹脂組成物(複合材料)は、低線膨張特性、高強度、高弾性率などの優れた特性に加え、高い耐熱変形性を備えるため、例えば、種々の樹脂成形品、液晶ディスプレイ基板や太陽電池基板、自動車用パネルなどの種々の材料として有用である。
さらに、修飾セルロース繊維は、光学用樹脂(又はアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、環状オレフィン系樹脂、セルロースジアセテート、セルローストリアセテートなどのセルロースアシレート系樹脂などの透明性樹脂)に添加して配向させても透明性が高く、光学フィルム又は光学シート、例えば、偏光フィルム(及び偏光板保護フィルム)、位相差フィルム(例えば、逆波長分散特性を有する位相差フィルム)、配向膜(配向フィルム)、視野角拡大(補償)フィルム、拡散板(フィルム)などとして利用することもできる。

Claims (10)

  1. 溶媒中、ラジカルで活性化処理されたセルロース繊維と下記式(1)で表される9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する化合物とを反応させて得られる修飾セルロース繊維。
    (式中、環Zはアレーン環;nは1以上の整数;R及びRは置換基;pは0又は1以上の整数;kは0〜4の整数を示す)
  2. 式(1)において、環Zが単環式アレーン環、多環式アレーン環又は環集合アレーン環であり、nがそれぞれ独立して1〜3の整数、Rがアルキル基又はアルコキシ基、pが0〜3の整数、Rがシアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基、kが0〜3の整数である請求項1記載の修飾セルロース繊維。
  3. 式(1)において、環Zがベンゼン環、ナフタレン環又はビフェニル環であり、nが1又は2、RがC1−4アルキル基、pが0〜2の整数、RがC1−4アルキル基、kが0又は1である請求項1又は2記載の修飾セルロース繊維。
  4. セルロース繊維に対して結合した式(1)で表される化合物の割合が、修飾セルロース繊維の総量に対して、0.01〜20重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の修飾セルロース繊維。
  5. ナノファイバーである請求項1〜4のいずれかに記載の修飾セルロース繊維。
  6. 平均繊維径が5〜500nmである請求項1〜5のいずれかに記載の修飾セルロース繊維。
  7. 樹脂の補強材である請求項1〜6のいずれかに記載の修飾セルロース繊維。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の修飾セルロース繊維を含む樹脂組成物。
  9. 溶媒中、セルロース繊維をラジカル発生剤の存在下で加熱処理し、請求項1に記載の式(1)で表される化合物と反応させ、請求項1〜6のいずれかに記載の修飾セルロース繊維を製造する方法。
  10. セルロース繊維が、木材パルプ及びコットンリンターパルプから選択された少なくとも1種のパルプに由来するナノセルロースファイバーを含む請求項9記載の製造方法。
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