JP2017220801A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】互いに異なる2軸のアレイデジタル信号を用いて自由度の高い種々のビームを形成可能とする。
【解決手段】実施形態に係るアンテナ装置は、アレイアンテナと信号処理装置とを備える。アレイアンテナは、A軸にNa素子(Na段)、A軸とは異なるB軸にNb素子(Nb列)を配列してなる。信号処理装置は、前記A軸の各々の段の素子出力について移相器Pam(m=1〜Nb)により位相を制御してアナログ合成し、前記B軸の各々の列の素子出力について前記A軸と同じか異なる移相器Pbn(n=1〜Na)により位相を制御してアナログ合成し、前記A軸の位置次元に配列したNa素子受信アレイの出力(Xan、n=1〜Na)と前記B軸の一次元に配列したNb素子受信アレイの出力(Xbm、m=1〜Nb)をそれぞれ周波数変換及びAD変換してアレイデジタル信号に変換した後、各々の軸でビーム形成を含む信号処理を行ってA軸とB軸の統合処理を行う。
【選択図】図2

Description

本実施形態は、受信装置やレーダ装置に用いるアンテナ装置に関する。
従来の受信装置やレーダ装置に用いるアンテナ装置には、RF(Radio Frequency)帯のアナログ合成器を用いたアレイアンテナ装置がよく用いられる。ところが、このアレイアンテナ装置では、アナログ合成器や移相器の量子化誤差により、高指向精度や低サイドロ−ブ(SL:SideLobe)を実現するのに限界があった。
これに対して、アナログ回路をデジタル回路で実現するDBF(Digital Beam Forming)方式のアンテナ装置がある。特に、レーダ装置では、アンテナ装置におけるDBFにより、送信ビーム及び受信ビームをそれぞれペンシルビームにして、目標の捜索及び追跡を行っている。DBF方式では、量子化の自由度が大きいため、アナログ方式に比して高指向精度、低サイドローブを実現できる。しかしながら、全素子信号をデジタル変換するために多数のAD(Analog to Digital)変換器や大容量のデータ転送が必要となり、HW(Hardware)規模が大きく、コスト大となる問題があった。
この対策のために、AZ面かEL面のいずれか一方をDBF化した1次元DBFのアンテナ装置があるが、いずれか一方の軸がアナログ回路であるため、ビーム品質が低下するという課題がある。また、アンテナ素子群をサブアレイに分割し、各々のサブアレイはアナログ合成とし、サブアレイ同士はDBFとするサブアレイDBFもあるが、この場合もDBFの自由度が低く、高品質なビームを形成することができない。特に、角度高分解能処理やSLC(Sidelobe Canceller)等の不要波抑圧処理を適用する際に、1次元DBFやサブアレイDBFでは、DBFによる自由度を最大限に生かすことができない。これらは、受信アンテナや送受信を行うレーダ装置でも同様である。
DBF(Digital Beam Forming)、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.289-291(1996) テーラー分布、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.134-135(1996) 測角方式(モノパルス)、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.260-264(1996) マルチビーム、電子情報通信学会編、アンテナ工学ハンドブック第2版、Ohmsha、pp.419-424(2008) 位相によるパターン成形、Robert C. Voges, ‘Phase Optimization of Antenna Array Gain with Constrained Amplitude Excitation’, IEEE Trans. Antennas & Propagation, AP-20, No.4, pp.432-436(1972) MUSIC/ESPRIT、菊間、アダプティブアンテナ技術、Ohmsha、pp.137-164(2003) エレメントスペースとビームスペース、電子情報通信学会編、アンテナ工学ハンドブック第2版、Ohmsha、pp.458(2008) SLC(SideLobe Canceller)とSLB(SideLobe Blanker)、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.295-296(1996) MSN方式、菊間、"アレーアンテナによる適応信号処理"、科学技術出版、pp.67-86(1999) 直接解方式(SMI方式等)、菊間、"アレーアンテナによる適応信号処理"、科学技術出版、pp.35-37, 98-99(1999) パルス圧縮、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.275-280(1996) CFAR処理、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.87-89(1996) SAR方式(大開口アレイ合成、スポットライトSAR)、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp. 280-283(1996) KR積アレイ、Wing-Kin Ma,"DOA Estimation of Quasi-Stationary Signals With Less Sensors Than Sources and Unkown Spatial Noise Covariance: A Khatri-Rao Subspace Approach", IEEE Trans. Signal Process., vol.58, no.4, pp.2168-2180, April(2010)
以上述べたように、従来の受信装置やレーダ装置に用いられるアンテナ装置及び信号処理装置では、自由度が不足し、ビームの指向精度を向上させ、サイドローブを低減することが困難であった。また、角度高分解能や不要波抑圧を行う際に自由度が不足し、AZ軸及びEL軸で所定の性能を発揮することが困難な場合があった。
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、互いに異なる2軸のアレイデジタル信号を用いて自由度の高い種々のビームを形成することができ、コストパフォーマンスの高いアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本実施形態に係るアンテナ装置は、アレイアンテナと信号処理装置とを備える。アレイアンテナは、第1の軸(A軸)にNa素子(Na段)、前記第1の軸とは異なる第2の軸(B軸)にNb素子(Nb列)を配列してなる。信号処理装置は、前記A軸の各々の段の素子出力について移相器Pam(m=1〜Nb)により位相を制御してアナログ合成し、前記B軸の各々の列の素子出力について前記A軸と同じか異なる移相器Pbn(n=1〜Na)により位相を制御してアナログ合成し、前記A軸の一次元に配列したNa素子受信アレイの出力(Xan、n=1〜Na)と前記B軸の一次元に配列したNb素子受信アレイの出力(Xbm、m=1〜Nb)をそれぞれ周波数変換及びAD変換してアレイデジタル信号に変換した後、各々の軸でビーム形成を含む信号処理を行ってA軸とB軸の統合処理を行う。
第1の実施形態に係るアンテナ装置のアレイアンテナの構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係るアンテナ装置の信号処理装置の構成を示すブロック図。 図2に示す信号処理装置を説明するための観測座標系を示す図。 第2の実施形態に係るアンテナ装置の信号処理装置の構成を示すブロック図。 第2の実施形態のモノパルスビームのAZ軸におけるビーム形成を説明するための図。 第2の実施形態のモノパルスビームのEL軸におけるビーム形成を説明するための図。 第2の実施形態において、ΣA(Σa)、ΔEL(Δa)、ΣB(Σb)、ΔAZ(Δb)のビーム形成の様子を示す図。 第3の実施形態に係るアンテナ装置の信号処理装置の構成を示すブロック図。 第3の実施形態において、ビーム指向方向の補正を説明するための図。 第3の実施形態において、ヌル劣化の補正を説明するための図。 第3の実施形態において、ΣとΔビームの特性と誤差電圧との関係を示す図。 第4の実施形態に係るアンテナ装置の信号処理装置の構成を示すブロック図。 第4の実施形態において、マルチビームを形成する様子を示す図。 第4の実施形態において、捜索空間内に形成される受信ビームの走査を説明するための図。 第4の実施形態において、捜索空間内に精測マルチビームを形成する様子を示す図。 第5の実施形態に係るアンテナ装置のアレイアンテナの構成を示すブロック図。 第5の実施形態において、捜索空間内でのA軸アレイとB軸アレイのビーム走査を様子を示す図。 第5の実施形態において、捜索空間内に形成される受信ビームの走査を説明するための図。 第6の実施形態に係るアンテナ装置の信号処理装置の構成を示すブロック図。 第7の実施形態に係るアンテナ装置において、エレメントスペース型による信号処理装置の構成示すブロック図。 第7の実施形態に係るアンテナ装置において、ビームスペース型による信号処理装置の構成示すブロック図。 第7の実施形態において、統合処理器の具体的な構成を示すブロック図。 第7の実施形態において、不要波方向に対してヌルを形成するSLC処理を説明するための図。 第7の実施形態において、補助ビームを用いて不要波方向に対してヌルを形成する様子を示す図。 第7の実施形態に用いられるSLC回路の具体的な構成を示すブロック図。 第8の実施形態に係るアンテナ装置の信号処理装置の構成を示すブロック図。 第8の実施形態において、A軸、B軸で交互にサンプルを取得する様子を示す図。 第9の実施形態に係るアンテナ装置の信号処理装置の構成を示すブロック図。 第9の実施形態において、ダイバーシティ処理を説明するための図。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各実施形態の説明において、同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)(直交2軸アレイによる信号処理)
図1乃至図3を参照して、第1の実施形態について説明する。本実施形態では、異なる2軸のリニアアレイを用いた受信による方式について述べる。
図1は第1の実施形態に係るアンテナ装置に用いられるアレイアンテナの構成を示すブロック図、図2は第1の実施形態において、図1に示したアレイアンテナの出力から目標を検出するための信号処理装置の構成を示すブロック図である。
図1において、10はNa×Nb個のアンテナ素子1011〜10NaNbを縦方向・横方向に配列したアレイアンテナで、各アンテナ素子1011〜10NaNbの出力は、それぞれ受信増幅器1111〜11NaNbで低雑音増幅された後、受信移相器1211〜12NaNbによりビーム走査のための所定の位相が与えられる。受信移相器1211〜12NaNbの出力は2分岐され、一方の分岐出力は縦方向の軸(A軸)のアレイ出力を合成する受信合成器131〜13Nbでアナログ合成され、他方の分岐出力は横方向の軸(B軸)のアレイ出力を合成する受信合成器141〜14Naでアナログ合成され、それぞれ図2に示す信号処理装置20に送られる。
ここで、本実施形態では、受信移相器1211〜12NaNbをA軸とB軸に共用しているが、アンテナ素子1011〜10NaNbの出力をそれぞれ2分岐してA軸用とB軸用に、独立に受信移相器を設定してもよい。この場合は、A軸とB軸で独立した受信ビームを形成することができ、また、受信合成用の給電回路の経路長差等を独立に制御することができる。
図2において、アレイアンテナ10のA軸アレイ出力の合成信号Nachについては、AD(Analog digital)変換器21aによって周波数変換後にデジタル信号に変換し、ビーム形成器22aによってDBF(Digital beam Forming:デジタルビーム形成)処理を施してビーム出力を取得し、信号処理器23aにより所定の信号処理を施してA軸における目標の検出を行う。信号処理としては、例えばパルス圧縮、FFT,CFAR処理等がある。同様に、受信アンテナ装置10のB軸アレイ出力の合成信号Nbchについては、AD(Analog digital)変換器21bによって周波数変換後にデジタル信号に変換し、ビーム形成器22bによってDBF(Digital beam Forming:デジタルビーム形成)処理を施してビーム出力を取得し、信号処理器23bにより所定の信号処理を施してB軸における目標の検出を行う。信号処理器23a, 23b で得られたA軸とB軸の信号処理結果を用いて、統合処理器24で目標検出処理を行う。統合処理としては、例えば、A軸とB軸の検出結果のうち、いずれか一方の検出があるときに目標検出とする1/2検出処理や、両者の検出があるときに目標検出とする2/2検出処理等がある。
上記構成による信号処理装置20において、まず、ビーム形成の部分までを定式化する。観測方向(AZ,EL)を含めた2軸の入力信号は、図3に示す座標系において、それぞれXa(AZ,EL),Xb(AZ,EL)と表すと、次式に示すようになる。なお、位相中心は、A軸とB軸で一致する。
Figure 2017220801
Figure 2017220801
Figure 2017220801
以上より、仮想平面アレイの位相中心に入力される信号Xin として、2軸の信号Xa(AZ,EL),Xb(AZ,EL)は次式となる。
Figure 2017220801
受信ビーム出力は、ビーム形成器22a, 22b において、(4)式の要素にサイドローブ低減用のウェイトとして、サイドローブ低減用のテーラーウェイト(非特許文献2)等を乗算し、ビーム指向方向制御用の複素ウェイトを乗算した後、DBF(Digital Beam Forming、非特許文献1)による加算を行い、次式となる。
Figure 2017220801
ビーム指向方向制御用のウェイトWapnm, Wbpnmは次式で表現できる。
Figure 2017220801
Figure 2017220801
すなわち、上記ビーム出力Yaは、AZ面はアナログ合成で、EL面は自由度の高いDBFである。また、上記ビーム出力Ybは、EL面はアナログ合成で、AZ面は自由度の高いDBFである。このように、本実施形態では、アナログ合成とDBFを組み合わせた2軸(A軸とB軸)のビーム形成を組み合わせることで、2次元のフルDBF相当の機能性能を発揮することに特徴がある。
以上のように、第1の実施形態に係るアンテナ装置は、第1の軸(A軸)にNa素子(Na段)、前記第1の軸とは異なる第2の軸(B軸)にNb素子(Nb列)を配列してなるNa×Nb素子のアレイアンテナ10と、前記A軸の各々の段の素子出力について移相器Pam(m=1〜Nb)により位相を制御してアナログ合成し、前記B軸の各々の列の素子出力について前記A軸と同じか異なる移相器Pbn(n=1〜Na)により位相を制御してアナログ合成し、前記A軸の位置次元に配列したNa素子受信アレイの出力(Xan、n=1〜Na)と前記B軸の一次元に配列したNb素子受信アレイの出力(Xbm、m=1〜Nb)をそれぞれ周波数変換及びAD変換してアレイデジタル信号に変換した後、各々の軸でビーム形成を含む信号処理を行ってA軸とB軸の統合処理をする信号処理装置20とを具備する。この構成によれば、異なる2軸(A軸とB軸)のアナログ合成後のSN(信号対雑音電力比)の高いアレイデジタル信号を用いて、2軸のDBF(Digital Beam Forming)による自由度の高い任意のビームを形成することができる。
(第2の実施形態)(高品質モノパルスビーム形成)
図4乃至図7を参照して、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、異なる2軸のリニアアレイを用いた受信による方式について述べる。
図4は第2の実施形態に係るアンテナ装置の信号処理装置20の構成を示すブロック図である。但し、図4において、図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
本実施形態では、図2に示したビーム形成器22a,22bに代わってモノパルスビーム形成器25a,25bを用い、AD変換器21a,21bから出力されるアレイデジタル信号から高品質なモノパルスビームを形成し、信号処理器26a,26bによりモノパルスビーム出力から目標を検出する処理を行って総合処理器24が行う。
A軸のモノパルスビーム形成器25aは、Na段のアナログ合成出力を用いて、図5(a),図6(b)にそれぞれ示すように、開口2分割した信号の和と差により、A軸の和ビーム(Σa)と差ビーム(Δa)のモノパルスビ−ムをDBFにより形成する。一方、B軸のモノパルスビーム形成器25bは、Nb列のアナログ合成出力を用いて、図6(a),図5(b)にそれぞれ示すように、開口2分割の和と差により、AZ軸の和ビーム(Σb)と差ビーム(Δb)のモノパルスビ−ムをDBFにより形成する。
この場合、図7(a)のΣA(Σa)、図7(b)のΔEL(Δa)、図7(c)のΣB(Σb)、図7(d)のΔAZ(Δb)に示すように、アナログ合成ビームに比べてDBFの方が、指向精度が高精度で、サイドローブ(SL)が低い高品質ビームを形成することができる。このため、アンテナ開口面全体を使ったビームとしては、SLの低いΣビームとして、EL面重視の場合はΣa、AZ面重視の場合はΣbを選定する。また、ΔAZはΔb、ΔELはΔaを選定する。
Σ、ΔAZ、ΔELビームはそれぞれ同時に処理することが測角精度を確保する上で望ましい。また、ΣとΔEL及びΣとΔAZの各々のビーム出力を同時に取得することができれば、例えばAD変換器が2chの場合、時分割によりΣとΔEL、ΣとΔAZを観測して、各々で位相モノパルス測角(非特許文献3)することは可能である。
以上のように、第2の実施形態に係るアンテナ装置は、信号処理装置20において、A軸とB軸のアレイデジタル信号を用いて、和ビーム(Σ)、差ビーム(ΔAZ、ΔEL)のモノパルスビームを形成する。この構成によれば、異なる2軸(A軸とB軸)のアナログ合成後のSN(信号対雑音電力比)の高いアレイデジタル信号を用いて、2軸のDBF(Digital Beam Forming)による測角精度の高い任意のモノパルスビームを形成することができる。
(第3の実施形態)(再形成ビーム)
図8乃至図11を参照して、第3の実施形態について説明する。
図8は第3の実施形態に係るアンテナ装置の信号処理装置20の構成を示すブロック図である。但し、図8において、図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
本実施形態では、図8に示すように、ビーム形成器22a,22bをそれぞれデータ保存部22a1,22b1とビーム形成部22a2,22b2で構成する。すなわち、ビーム形成器22a,22bでは、データ保存部22a1,22b1でそれぞれA軸のアレイデジタル信号とB軸のアレイデジタル信号を保存しつつビーム形成部22a2,22b2で形成したビームのアレイデジタル信号について信号処理器23a,23bで所定の信号処理を施して目標方向を検出し、データ保存部22a1,22b1に保存したアレイデジタル信号を用いて検出した目標方向にビームを再形成する。
例えば、図9(a)に示すようにビーム指向方向がオフボアサイトであるとき、図10(a)に示すように差ビームのヌルが劣化している。そこで、モノパルスビーム形成時の和ビームΣと差ビームΔが図11(a)に示すように得られ、図11(b)に示す誤差電圧εと目標角度の関係からビーム指向角度を補正して図9(b)に示すようにボアサイトに修正する。これにより、図10(b)に示すように、差ビームのヌルディプスを補正することができる。
すなわち、図9(a)に示すように一度形成したビームについて、図11に示すように、次式の誤差電圧εを用いて、誤差電圧と角度のテーブルを引用したモノパルス測角(非特許文献3)を行う。
Figure 2017220801
この測角値によりオフボアサイト方向に目標がある場合には、目標がボアサイト方向になるように、(6)及び(7)式により、ビーム指向方向を変えて、データ保存部22a1,22b1に保存していたアレイデジタル信号を用いてビームを再形成する。
さらに、図10に示すように、図9の処理をする際に所定のスレショルドを超えて検出したレンジ−ドップラセルと同一のアレイデジタル信号(XanとXbm)を抽出し、開口分割した各々で次式によりビーム形成する。
Figure 2017220801
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これらを用いて、次式により、開口分割ビーム信号を補正する。
Figure 2017220801
Figure 2017220801
Figure 2017220801
Figure 2017220801
これにより、図10に示すように、開口分割信号が同じになるように振幅を補正し、Δビームのヌルディプスを深くし、図11に示す誤差電圧εの傾斜を大きくすることができ、これによって測角精度を向上させることができる。なお、本手法は、主にヌルディプスを深くするのが目的であり、Σa及びΣbについては、(11)〜(14)の補正をしない再形成ビ−ムを用いてもよい。
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置は、信号処理装置20において、A軸とB軸のアレイデジタル信号を保存し、各々の軸でビーム形成を含む信号処理を行って目標方向を検出し、検出した目標方向に保存したアレイデジタル信号を用いてビームを再形成する。この構成によれば、異なる2軸(A軸とB軸)のアナログ合成後のSN(信号対雑音電力比)の高いアレイデジタル信号をメモリし、目標方向に指向したビームを用いて、常に目標方向に指向するビームを再形成でき、SN向上や指向精度を向上できる。
(第4の実施形態)(受信用マルチビーム)
図12乃至図15を参照して、第4の実施形態について説明する。
図12は第4の実施形態に係るアンテナ装置の信号処理装置20の構成を示すブロック図である。但し、図12において、図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
本実施形態では、図12に示すように、ビーム形成器22a,22bに代わってマルチビーム形成器26a,26bを用い、AD変換器21a,21bから出力されるアレイデジタル信号から受信用マルチビームを形成することを特徴とする。このために、移相器は、所定の方向θB(θAZ、θEL)にビーム指向するように設定し、A軸において、EL面にDBFによりマルチビ−ムを形成し、同様にB軸において、AZ面にマルチビームを形成する。すると、図13に示すように、所定の方向θBを通るマルチビーム(十字型またはT字型)を形成することができる。例えば、A軸アレイを用いた場合には、図13のZ軸を軸とする円錐状にマルチビームが形成される。また、B軸アレイを用いた場合には、Y軸を軸とする円錐状にマルチビームが形成される。
この手法を用いれば、例えば、図14に示すように、所定の捜索空間ΩをA軸に沿った縦バーによるAZ面走査とB軸に沿った横バーによるEL面走査を同時に行うことで、捜索空間Ωの中の任意の領域を2回観測することになり、1バーによる走査の場合よりもデータレートを2倍にすることができる。
また、角度精度が低くてよい粗測角モードの場合には、DBFによるビーム幅を広げて、さらにデータレートを向上させて捜索速度を速くし、図15に示すように、目標を含む限定捜索空間Ω′の範囲を、角度精度の高い精測角モードにより、ビーム幅を狭くして、高精度に測角する手法にも対応することができる。
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置は、信号処理装置20において、A軸とB軸のアレイデジタル信号を用いてA軸にNBa本、B軸にNBb本の受信用マルチビームを形成することで、異なる2軸(A軸とB軸)のアナログ合成後のSN(信号対雑音電力比)の高いアレイデジタル信号を用いて、2軸のDBFによる自由度の高い任意のマルチビームを形成することができる。
(第5の実施形態)(レーダ用マルチビーム)
図16乃至図18を参照して、第5の実施形態について説明する。
第4の実施形態では、受信のみのアンテナ装置の場合について述べたが、第5の実施形態ではレーダ装置のように送信系統を付加したアンテナ装置の場合について述べる。
図16は第5の実施形態に係るアンテナ装置のアレイアンテナの構成を示すブロック図である。但し、図16において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
図16において、151〜15Nbはそれぞれ送信信号をNa系統に分配する送信分配器であり、分配出力は対応する系統の送信移相器1611〜16NaNbによりビーム指向方向に応じた位相制御が施され、送信増幅器1711〜17NaNbにより電力増幅され、サーキュレータ1811〜18NaNbを介してアンテナ素子1011〜10NaNbに送られ、空間に送出される。アンテナ素子1011〜10NaNbは送受信共用であり、それぞれの素子出力はサーキュレータ1811〜18NaNbを介して受信増幅器1111〜11NaNbに送られ、以下、第1の実施形態と同様に処理される。
本実施形態のビ−ム形成手法としては、図17(a)、(b)それぞれのA軸アレイ(EL-DBF)の出力、B軸アレイ(AZ-DBF)の出力に示されるように、A軸とB軸の各々について、送信ビームを所定の捜索空間Ωに形成し、その範囲内に受信マルチビームを形成することにより、同時に広角範囲を観測することができる。
また、図18に示すように、送信移相器1611〜16NaNbにより、送信ビームを所定の捜索空間Ωに形成する場合に広範囲にビーム成形(非特許文献5)した場合には、受信移相器1211〜12NaNbにより、所定の方向に指向した受信ビームを中心に、十字型またはT字型の受信マルチビームを形成することで、高データレートで観測することができる。
以上のように本実施形態に係るアンテナ装置は、送信信号をアレイアンテナの各素子に送って所定の方向に送信ビームを形成し、信号処理装置20において、A軸とB軸のアレイデジタル信号を用いて、送信ビームの方向にA軸にNBa本、B軸にNBb本のマルチビームを形成する。この構成によれば、送信ビームとともに、異なる2軸(A軸とB軸)のアナログ合成後のSN(信号対雑音電力比)の高いアレイデジタル信号を用いて、2軸のDBFによる自由度の高い任意の受信マルチビームを形成することができ、多目標に同時に対処するレーダを構築することができる。
(第6の実施形態)(角度高分解能/高精度)
図19を参照して、第6の実施形態について説明する。本実施形態では、異なる2軸のリニアアレイを用いた受信方式において、角度高分解能化手法を適用した場合について述べる。
図19は第6の実施形態に係るアンテナ装置の信号処理装置20の構成を示すブロック図である。但し、図19において、図2、図12と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
本実施形態では、図2に示したビーム形成器22a,22b、信号処理器23a,23bに代わってマルチビーム形成器26a,26b、角度分解能処理器27a,27bを用い、マルチビーム形成器26a,26bによってAD変換器21a,21bから出力されるアレイデジタル信号からマルチビームを形成し、角度分解能処理器27a,27bによってEL軸及びAZ軸の角度高分解能処理を適用して、角度軸について、高分解能化/高精度な出力を得ることを特徴とする。
すなわち、A軸は、Na段のアナログ合成出力を用いて、EL軸のNa段分のデジタル出力を得る。また、B軸はNb列のアナログ合成出力を用いて、AZ軸のNb列分のデジタル出力を得る。これらの信号を用いて、EL軸及びAZ軸のエレメントスペース型(非特許文献7)の角度高分解能処理(MUSIC/ESPRIT(非特許文献6)等)を適用することにより、角度軸について、高分解能化/高精度な出力を得ることができる。
また、A軸のNa段分のアレイデジタル信号を用いて、DBFによりNBa(NBa≦Na)本のマルチビームを形成することができ、また、B軸もNb列分のアレイデジタル信号を用いて、DBFによりNBb(NBb≦Nb)本のマルチビームを形成することができる。これらのビーム信号を用いて、EL軸及びAZ軸のビームスペース型(非特許文献7)の角度高分解能処理(MUSIC/ESPRIT(非特許文献7)等)を適用して、角度軸について高分解能/高精度な出力を得ることができる。
統合処理においては、AZ軸とEL軸の結果を統合して出力する。例えば、距離情報がある場合は、距離と角度よより、3次元の位置を出力する。
以上のように本実施形態に係るアンテナ装置は、信号処理装置20において、A軸とB軸のアレイデジタル信号を用いてエレメントスペースによる高角度分解能/精度の処理を行うか、または、A軸にNBa本、B軸にNBb本の受信用マルチビームを形成してビームスペースによる高角度分解能/精度の処理を行う。この構成によれば、異なる2軸(A軸とB軸)のアナログ合成後のSN(信号対雑音電力比)の高いアレイデジタル信号を用いて、2軸のDBFによる高角度分解能/精度の処理を実行することができる。
(第7の実施形態)(不要波抑圧ビーム)
図20乃至図25を参照して、第7の実施形態について説明する。本実施形態では、アレイデジタル信号を用いて不要波を抑圧する手法について述べる。不要波抑圧手法としては、例えばSLC処理(非特許文献8)がある。
図20はエレメントスペース型による信号処理装置20の実施例であり、AD変換器21a,21bの出力についてそれぞれ不要波抑圧処理器28a,28bでSLC等によって不要波を抑圧し、統合処理器24に送る。本実施例では、A軸の系統は、Na段のアナログ合成出力を用いて、EL軸のNa段分のアレイデジタル出力を得て、B軸の系統はNb列のアナログ合成出力を用いて、AZ軸のNb列分のアレイデジタル出力を得る。これらの信号を用いて、EL軸及びAZ軸のエレメントスペース型の不要波抑圧処理を適用して、不要波を抑圧する。例えば、A軸では、ΣとΔELビームに適用し、B軸ではΔAZビームに適用することで、不要波を抑圧したモノパルスビーム(Σ、ΔAZ、ΔEL)を出力することができる。
図21はビームスペース型による信号処理装置20の実施例であり、AD変換器21a,21bの出力からマルチビーム形成器26a,26bでマルチビームを形成し、各ビーム出力から不要波抑圧処理器28a,28bでSLC等によって不要波を抑圧し、統合処理器24に送る。本実施例では、A軸のNa段分のアレイデジタル信号を用いて、DBFによりNBa(NBa≦Na)本のマルチビームを形成でき、また、B軸もNb列分のアレイデジタル信号を用いて、DBFによりNBb(NBb≦Nb)本のマルチビームを形成することができる。これらのビーム信号を用いて、EL軸及びAZ軸のビームスペース型の不要波抑圧処理を適用して、不要波を抑圧することができる。例えば、A軸では、ΣとΔELビームに適用し、B軸はΔAZビームに適用することで、不要波を抑圧したモノパルスビーム(Σ、ΔAZ、ΔEL)を出力することができる。
上記統合処理器24は、具体的には図22に示すように、A軸系統の不要波抑圧出力Σa,Δaについて、パルス圧縮部241AによってA軸のレンジ方向にパルス圧縮し、FFT242Aによって周波数領域の信号に変換し、CFAR処理部243Aによって複数の極値を持つレンジセルから閾値以上の極値を持つレンジセルを検出してそのレンジ圧縮信号を出力する。同様に、B軸系統の不要波抑圧出力Σb,Δbについて、パルス圧縮部241BによってB軸のレンジ方向にパルス圧縮し、FFT242Bによって周波数領域の信号に変換し、CFAR処理部243Bによって複数の極値を持つレンジセルから閾値以上の極値を持つレンジセルを検出してそのレンジ圧縮信号を出力する。そして、検出処理部244によってA軸、B軸それぞれの検出信号から目標を検出し、測角部245によって各軸のFFT出力Δa,Δbに基づいて目標方向を測角する。
ここで、上記ビームスペース型の場合は、目標方向に向けたビーム以外で、不要波信号電力が所定のスレショルドレベルを超えるNBa(Na≧NBa≧1、)本及びNBb(Nb≧NBb≧1)本のビームを選定し、それを補助チャンネルとして、A軸及びB軸の各々で図24に示すように不要波方向に対してヌルを形成するSLC処理(非特許文献8)を適用すればよい。マルチビームの中の所定の方向を向いているビームを主チャンネル(主ビーム)として、不要波信号電力が所定のスレショルドレベルを超えるチャンネルを補助チャンネル(補助ビーム)として動作させると、図23に示すように、不要波方向にヌルを形成することができる。図25にSLC処理回路の具体的な構成を示す。このSLC処理回路は、補助チャンネルの信号AUX1〜AUXNaで得られる不要波成分をウェイト制御して主チャンネルの信号Σから減算処理することで不要波を抑圧する。このSLC処理のウェイト制御としては、MSN方式(非特許文献9)、SMI方式(非特許文献10)等、種々の方式が適用できる。このSLC処理の他に、クラッタやパルス状の不要波に対して、受信をブランキングすることにより抑圧するSLB(非特許文献8)も適用することができる。
本実施形態では、上記不要波抑圧処理(28a,28b)をA軸とB軸で独立に行い、さらに図22に示す統合処理器24で以下の処理を行う。すなわち、統合処理器24では、不要波抑圧後のA軸出力とB軸出力を用いて、例えば、パルス圧縮(非特許文献11)やドップラ処理をするレーダの場合は、パルス圧縮(241A,241B)及びFFT(242A,242B)の処理に続いてCFAR(非特許文献12)処理(243A,243B)により、レンジ−ドップラ軸で検出セルを抽出して、検出A及び検出Bの出力を得る。次に検出処理部244で、レンジ−ドップラセル毎に、検出Aと検出Bの結果を用いて、両者の検出があるセルを2/2抽出する。この検出セルについて、測角部245で、Σ、Δa(ΔEL)、Δb(ΔAZ)のセルを抽出しモノパルス測角して、AZ軸とEL軸の測角値を出力する。レンジについては、検出処理部244において、抽出セルのレンジにより出力することができる。
以上のように本実施形態に係るアンテナ装置は、信号処理装置20において、A軸とB軸のアレイデジタル信号を用いて、A軸にNBa本、B軸にNBb本の受信用マルチビームを形成して、ビームスペースによる不要波抑圧処理を行う。この構成によれば、異なる2軸(A軸とB軸)のアナログ合成後のSN(信号対雑音電力比)の高いアレイデジタル信号を用いて、2軸のDBFによる不要波抑圧処理を実行することができる。
(第8の実施形態)(広帯域ビーム)
図26乃至図27を参照して、第8の実施形態について説明する。レンジ分解能を向上するために周波数帯域が広い場合には、A軸とB軸の信号をAD変換器でサンプリングする際の速度が高くなり、ハードウェア(HW)規模が大きくなる。本実施形態では、この対策について述べる。
図26は第8の実施形態に係る信号処理装置20の構成を示すブロック図である。図26において、図2、図19と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
図26において、AD変換器21a,21bの出力についてそれぞれマルチビーム形成器26a,26bでマルチビームを形成し、SAR/ISAR(Synthetic Aperture Radar/Inverse Aperture Radar:合成開口レーダ/逆合成開口レーダ)処理器29に送る。
ここで、SAR/ISAR(非特許文献13)では、レンジ分解能を向上するために周波数帯域が広い。この場合には、A軸とB軸の信号をAD変換器21a,21bでサンプリングする際の速度が高くなり、ハードウェア(HW)規模が大きくなる。そこで、本実施形態では、A軸とB軸の周波数帯域Bmの信号を、図27に示すように、A軸とB軸の各々でアナログ合成後の信号を、Bm/2のサンプリング速度で交互にサンプル(TaとTb)して得た帯域Bm/2のデジタル信号により、A軸とB軸で各々DBFにより、Na本とMb本のビ−ム形成後、同一ビーム方向のビームについて、TaとTbの時刻のデータ(それぞれ帯域Bm/2)を交互にサンプル合成して、帯域Bmのサンプルレートの信号を得る。これにより、SAR/ISAR処理によって所定の画像を得る際に、ADサンプルレートを半分にすることができ、HW規模の軽減を図ることができる。
以上のように本実施形態に係るアンテナ装置は、信号処理装置20において、A軸とB軸のアレイデジタル信号を交互にサンプリングして広帯域信号処理を行う。この構成によれば、異なる2軸(A軸とB軸)のアナログ合成後のSN(信号対雑音電力比)の高いアレイデジタル信号を交互にサンプルしたものを統合することで、サンプリングレートを高め、SAR/ISAR(合成開口レーダ/逆合成開口レーダ)等の広帯域信号を処理できる。
(第9の実施形態)(ダイバーシティ)
本実施形態では、A軸とB軸のビーム出力を用いてダイバーシティ効果を得る手法について述べる。
図28は第9の実施形態に係る信号処理装置20の構成を示すブロック図である。図28において、図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
図28において、ビーム形成器22a,22bはAD変換器21a,21bから出力されるアレイデジタル信号から同一方向にビームを形成し、それぞれのビーム出力をダイバーシティ処理器210に送る。このダイバーシティ処理器210は、環境に応じて、A軸出力、B軸出力のいずれか一方を選定するダイバーシティ効果を用いて、不要波を抑圧する。
すなわち、A軸は、Na段のアナログ合成出力を用いて、EL軸のNa段分のデジタル出力を得て、B軸は、Nb列のアナログ合成出力を用いて、AZ軸のNb列分のデジタル出力を得る。これらの信号を用いて、DBF処理することにより、A軸及びB軸で同一の指向方向をもつビームを形成できる。
このA軸(EL面DBF)とB軸(AZ面DBF)のビームは、A軸はEL面DBFであるため、EL面のサイドローブ(SL)が低く、B軸はAZ面DBFであるため、AZ面のSLが低く、クラッタや不要波の受信信号が異なっている。このため、環境に応じて、A軸出力かB軸出力のいずれか一方を選定することによるダイバーシティ効果を用いて、不要波を抑圧することが期待することできる。例えば、強クラッタ環境下ではA軸ビーム出力を優先し、クラッタ以外の不要波環境下ではB軸ビーム出力を優先する等の方法とする。この様子を図29に示す。図29において、(a)はA軸アレイ(EL-DBF)出力、(b)はB軸アレイ(AZ-DBF)出力、(c)はA軸アレイ出力とB軸アレイ出力によるダイバーシティ処理結果を示している。
以上のように本実施形態に係るアンテナ装置は、信号処理装置20において、A軸とB軸のアレイデジタル信号を用いて乗算による仮想アレイによりダイバーシティ効果を取得する。この構成によれば、異なる2軸(A軸とB軸)のアナログ合成後のSN(信号対雑音電力比)の高いアレイデジタル信号を用いて、2系統のビーム形成後、各々のダーバーシティ効果を得ることで、クラッタ抑圧性能等の不要波抑圧性能を向上することができる。
(他の実施形態)
その他、A軸とB軸の各々のアレイデジタル信号を用いて、KR積アレイ(非特許文献14)の手法により、A軸またはB軸において、仮想的に大開口のアレイを構成することで、角度高分解能処理を行うことができる。
なお、上記実施形態では、主にレーダ装置を例にして説明したが、パッシブ型のように送信系統を持たない受信装置のアンテナ装置に適用することも可能である。また、上記実施形態はそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10…アレイアンテナ、1011〜10NaNb…アンテナ素子、1111〜11NaNb…受信増幅器、1211〜12NaNb…受信移相器、131〜13Nb…受信合成器、141〜14Na…受信合成器、151〜15Nb…送信分配器、1611〜16NaNb…送信移相器、1711〜17NaNb…送信増幅器、1811〜18NaNb…サーキュレータ、
20…信号処理装置、21a,21b…AD変換器、22a,22b…ビーム形成器、22a1,22b1…データ保存部、22a2,22b2…ビーム形成部、23a,23b…信号処理器、24…統合処理器、241A,241B…パルス圧縮。242A,242B…FFT、243A,243B…CFAR処理、244…検出処理部、245…測角部、25a,25b…モノパルスビーム形成器、26a,26b…マルチビーム形成器、27a,27b…角度分解能処理器、28a,28b…不要波抑圧処理器、29…SAR/ISAR処理器、210…ダイバーシティ処理器。

Claims (9)

  1. 第1の軸(A軸)にNa素子(Na段)、前記第1の軸とは異なる第2の軸(B軸)にNb素子(Nb列)を配列してなるNa×Nb素子のアレイアンテナと、
    前記A軸の各々の段の素子出力について移相器Pam(m=1〜Nb)により位相を制御してアナログ合成し、前記B軸の各々の列の素子出力について前記A軸と同じか異なる移相器Pbn(n=1〜Na)により位相を制御してアナログ合成し、前記A軸の一次元に配列したNa素子受信アレイの出力(Xan、n=1〜Na)と前記B軸の一次元に配列したNb素子受信アレイの出力(Xbm、m=1〜Nb)をそれぞれ周波数変換及びAD変換してアレイデジタル信号に変換した後、各々の軸でビーム形成を含む信号処理を行ってA軸とB軸の統合処理をする信号処理装置と
    を具備するアンテナ装置。
  2. 前記信号処理装置は、前記A軸とB軸のアレイデジタル信号を用いて、和ビーム(Σ)、差ビーム(ΔAZ、ΔEL)のモノパルスビームを形成する請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記信号処理装置は、前記A軸とB軸のアレイデジタル信号を保存し、前記各々の軸でビーム形成を含む信号処理を行って目標方向を検出し、検出した目標方向に保存したアレイデジタル信号を用いてビームを再形成する請求項1記載のアンテナ装置。
  4. 前記信号処理装置は、前記A軸とB軸のアレイデジタル信号を用いて、前記A軸にNBa本、前記B軸にNBb本の受信用マルチビームを形成する請求項1記載のアンテナ装置。
  5. 送信信号を前記アレイアンテナの各素子に送って所定の方向に送信ビームを形成する送信手段を備え、
    前記信号処理装置は、前記A軸とB軸のアレイデジタル信号を用いて、前記送信ビームの方向に前記A軸にNBa本、前記B軸にNBb本のマルチビームを形成する請求項1記載のアンテナ装置。
  6. 前記信号処理装置は、前記A軸とB軸のアレイデジタル信号を用いてエレメントスペースによる高角度分解能/精度の処理を行うか、または、前記A軸にNBa本、前記B軸にNBb本の受信用マルチビームを形成してビームスペースによる高角度分解能/精度の処理を行う請求項1記載のアンテナ装置。
  7. 前記信号処理装置は、前記A軸とB軸のアレイデジタル信号を用いて、前記A軸にNBa本、前記B軸にNBb本の受信用マルチビームを形成して、ビームスペースによる不要波抑圧処理を行う請求項1記載のアンテナ装置。
  8. 前記信号処理装置は、前記A軸とB軸のアレイデジタル信号を交互にサンプリングして広帯域信号処理を行う請求項1記載のアンテナ装置。
  9. 前記信号処理装置は、前記A軸とB軸のアレイデジタル信号を用いて乗算による仮想アレイによりダイバーシティ効果を取得する請求項1記載のアンテナ装置。
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