JP6546003B2 - レーダシステム及びレーダ信号処理方法 - Google Patents

レーダシステム及びレーダ信号処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6546003B2
JP6546003B2 JP2015105559A JP2015105559A JP6546003B2 JP 6546003 B2 JP6546003 B2 JP 6546003B2 JP 2015105559 A JP2015105559 A JP 2015105559A JP 2015105559 A JP2015105559 A JP 2015105559A JP 6546003 B2 JP6546003 B2 JP 6546003B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sub
reception
transmission
target
range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015105559A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016217976A (ja
Inventor
晋一 竹谷
晋一 竹谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2015105559A priority Critical patent/JP6546003B2/ja
Publication of JP2016217976A publication Critical patent/JP2016217976A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6546003B2 publication Critical patent/JP6546003B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本実施形態は、レーダシステム及びレーダ信号処理方法に関する。
複数の送信レーダ装置及び複数の受信レーダ装置により目標の位置を検出する従来のMIMO(Multiple Input Multiple Output)レ−ダシステム(例えば引用文献1参照)では、送信出力を増大させる、1素子あたりの送信出力を低減する等の目的で、送信サブアレイの開口を大きくする場合がある。ところが、送信サブアレイの開口を大きくすると、MIMOによる仮想送受信アレイにより送受信ビームを同時に形成できる範囲が送信サブアレイビームの範囲に限定されるという問題があった。
また、従来のMIMOレーダシステムでは、送信アンテナ素子(またはサブアレイ)を受信アンテナ素子から離隔して配置し、SIMO(Single Input Multiple Output)に切り替えて運用する場合がある。しかしながら、SIMOに切り替えた際に送信グレーティングローブが発生してしまい、SIMOビームで運用すると誤検出が発生する場合があった。これは、送信と受信を離隔したマルチスタティック運用の場合も同様である。さらに、マルチスタティック運用の場合には、離隔距離が大きいと、目標付近の観測点に対して、焦点が合わず、システム利得が低下する問題があった。
MIMO処理、JIAN LI、PETER STOICA、‘MIMO RADAR SIGNAL PROCESSING’、WILEY、pp.1-5 (2009) 符号コード(M系列)発生方式、M.I.Skolnik、‘Introduction to radar systems’、McGRAW-HILL、pp.429-430 (1980) 位相モノパルス(位相比較モノパルス)方式、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.262-264 (1996) アンテナパターン成形、電子情報通信学会、アンテナ工学ハンドブック第2版、オーム社、pp.416-418 (2008) グレーティングローブ条件、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.123 (1996) 位相によるパターン成形、Robert C.Voges、‘Phase Optimization of Antenna Array Gain with Constrained Amplitude Excitation’、IEEE Trans. Antennas & Propagation、AP-20, No.4, pp.432-436 (1972)
以上述べたように、従来のMIMOレ−ダシステムでは、送信サブアレイの開口を大きくすると、MIMOによる仮想送受信アレイにより送受信ビームを同時に形成できる範囲が送信サブアレイビームの範囲に限定されてしまう。また、送信アンテナ素子(またはサブアレイ)を離隔して配置する場合には、SIMOに切り替えた際に送信グレーティングローブが発生し、SIMOビームで運用すると、誤検出が発生する場合があった。これは、送信と受信を離隔したマルチスタティック運用の場合も同様である。さらに、マルチスタティック運用の場合には、離隔距離が大きいと、目標付近の観測点に対して、焦点が合わず、システム利得が低下する問題もあった。
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、送信と受信が同一開口の場合でも、マルチスタティックの場合でも、MIMOとSIMOを切り替えた場合にも、送信グレーティングローブの発生を抑圧して目標を確実に検出することができ、さらに、マルチスタティック運用の場合に離隔距離が大きい場合でも、目標付近の観測点に対して焦点を合わせて高いシステム利得で観測することのできるレーダシステム及びレーダ信号処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本実施形態に係るレーダシステムは、送信装置と受信装置と信号処理装置を備える。送信装置は、アンテナ開口面をN(N≧2)個の送信サブアレイに分割してN個の送信サブアレイ成形ビームを形成し、前記N個の送信サブアレイから互いに異なるN通りの変調信号をもつ連続波またはパルスの送信信号を送信する。受信装置は、アンテナ開口面をM(M≧2)個の受信サブアレイに分割してM個の受信サブアレイ成形ビームを形成し、前記M個の受信サブアレイ成形ビームの受信信号を前記N通りの変調信号に基づいて復調し、前記M個の受信サブアレイそれぞれの出力としてN×M個の出力を取得する。信号処理装置は、前記受信装置で得られるN×M個の出力に、目標の捜索範囲となる観測範囲を規定するAZ及びEL角度の範囲をNb(Nb≧2)本のビームで覆うためのNb種類の送受信DBF(Digital Beam Forming)ビーム形成用のウェイトを乗算してMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式の合成ビームを形成し、当該合成ビームから目標の位置を観測する。前記送信装置は、前記N個の送信サブアレイのそれぞれに供給する送信信号の少なくとも位相を制御して、前記N個の送信サブアレイの成形ビームをそれぞれ前記観測範囲の分割単位毎に割り当てられた範囲に指向させて、前記観測範囲の全体を覆うように送信ビームを形成する送信ビーム制御手段を備え、前記受信装置は、前記M個の受信サブアレイのそれぞれから出力される受信信号の少なくとも位相を制御して、前記M個の受信サブアレイ成形ビームをそれぞれ前記観測範囲の分割単位毎に割り当てられた範囲に指向させて、前記観測範囲の全体を覆うように受信ビームを形成する受信ビーム制御手段を備える。
第1の実施形態に係るレーダシステムの構成を示すブロック図。 図1に示すレーダシステムにおいて、送信レーダの構成を示すブロック図。 図1に示すレーダシステムにおいて、受信レーダの構成を示すブロック図。 図1に示すレーダシステムにおいて、送受信素子それぞれの位置ベクトルと観測ベクトルを例示する図。 図1に示すレーダシステムにおいて、送受信素子それぞれの位置ベクトルと観測ベクトルを例示する図。 図1に示すレーダシステムにおいて、送信サブアレイ、受信サブアレイそれぞれのパターンと送受信仮想アレイによる送受信ペンシルビームのパターンを示す図。 図1に示すレーダシステムにおいて、チャープ帯域をN分割し、送信サブアレイ出力を周波数変調してN本の送信成形ビームを形成する処理を説明するための図。 図1に示すレーダシステムにおいて、観測範囲の理想パターンと実パターンを比較して示す図。 図1に示すレーダシステムにおいて、送信開口をサブアレイに分割し、送信素子をアンテナ面に離隔するように配置して所定の観測範囲に成形ビームを形成する場合の構成を示す図。 図10に示したアンテナ構成において、アンテナ面に離隔した送信素子を用いて送信サブアレイビームを形成する様子を示す図。 図10に示したアンテナ構成において、ペンシルビームを形成した場合にグレーティングローブが発生する様子を示す図。 図1に示すレーダシステムにおいて、送信開口をサブアレイに分割し、送信素子をアンテナ面に離散するように配置して所定の観測範囲に成形ビームを形成する場合の構成を示す図。 図12に示したアンテナ構成において、アンテナ面に離隔した送信素子を用いて送信サブアレイビームを形成する様子を示す図。 図12に示したアンテナ構成において、ペンシルビームを形成した場合でもグレーティングローブが発生しない様子を示す図。 第2の実施形態に係るレーダシステムの構成を示すブロック図。 第3の実施形態に係るレーダシステムの構成を示すブロック図。 図16に示すレーダシステムにおいて、送受信仮想アレイによって送受信ペンシルビームが形成される様子を示す図。 図16に示すレーダシステムにおいて、送受信素子それぞれの位置ベクトルと観測ベクトルを例示する図。 第4の実施形態に係るレーダシステムの構成を示すブロック図。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各実施形態の説明において、同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)(MIMO成形ビーム)
以下、図1乃至図14を参照して、第1の実施形態に係るレーダシステムについて説明する。
図1は第1の実施形態に係るレーダシステムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すレーダシステムは、アンテナ装置100と信号処理装置200とを備える。
アンテナ装置100は、アンテナ開口面をN(N≧2)分割したN個のサブアレイ11〜1Nを備える。ここで、サブアレイ11を代表して内部構成を説明する。
サブアレイ11において、送信系統では、信号処理装置200の変調信号生成器21で生成されるサブアレイ毎に異なるM系列(非特許文献2参照)等の変調信号を入力して変調器111で連続波信号またはパルス信号による送信信号を位相変調する。この位相変調された送信信号を周波数変換器112でローカル信号発生器113からのローカル信号と混合してRF信号に変換し、電力分配器114でL系統に分配する。i(iは1〜L)番目の系統では、分配されたRF信号を送信移相器115iにより位相制御器11Dからの制御信号に基づいて位相制御してビーム形成し、送信増幅器116iにより増幅して、サーキュレータ117iを経由してアンテナ素子118iから送出する。
受信系統では、第iの系統において、目標によって反射された信号をアンテナ素子118iで受信し、サーキュレータ117iを経由して受信増幅器119iで低雑音増幅して周波数変換器11Aに入力する。この周波数変換器11Aは、L系統それぞれの受信信号を入力し、ローカル信号発生器113からのローカル信号と混合してベースバンドに周波数変換する。このようにベースバンドに変換された各系統の受信信号をAD変換器11Bでデジタル信号に変換し、サブアレイDBF処理器11Cによりサブアレイ11における受信ビームの合成信号を得て、信号処理装置200に送る。
信号処理装置200では、上記サブアレイ11〜1Nで得られた受信ビームの合成信号をそれぞれ復調器221〜22Nに入力し、変調信号生成器21よりサブアレイ毎に付与されたN通りの符号等を参照信号として復調器221〜22Nの各々で復調し、N×Nの送受信信号を得る。これらの送受信信号をMIMOビーム形成器23により合成して、MIMOビーム出力を得る。
尚、上記実施形態のアンテナ装置100では、各サブアレイを送受共用として構成する場合を説明したが、サブアレイを送信用と受信用に分けて構成するようにしてもよい。送信用サブアレイ(以下、送信サブアレイ)の個数と受信用サブアレイ(以下、受信サブアレイ)の個数は同数であってもよいが、互いに異なる個数であってもよい。ここで、図2はアンテナ開口面をN(N≧2)分割したN個の送信サブアレイ11(T)〜1N(T)を有する送信レーダ装置の構成を示しており、図3はアンテナ開口面をM(M≧2)分割したM個の受信サブアレイ11(R)〜1M(R)を有する受信レーダ装置の構成を示している。図2及び図3において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。マルチスタティック運用の場合には、送信機能と受信機能が分離することになり、図2に示す送信レーダ装置と図3に示す受信レーダ装置を離隔して設置し、互いに同期をとって信号処理を行う。
次に、図4乃至図14を参照して、N個の送信サブアレイとM個の受信サブアレイを備え、N×Mの仮想送受信アレイを形成可能なレーダシステムにおいて、信号処理装置200におけるMIMOの処理について説明する(非特許文献1参照)。
まず、送信サブアレイと受信サブアレイを共用または併設した場合の座標系を図4に示し、送信サブアレイと受信サブアレイが離隔した場合の座標系を図5に示す。図4において、送信素子位置ベクトルは(x1n,y1n,z1n)で表され、受信素子位置ベクトルは(x2m,y2m,z2m)で表され、観測ベクトルKは(cosEL*cosAZ, cosEL*sinAZ, sinEL)で表される。また、図5において、送信レーダ装置RDR1のアンテナ素子位置ベクトルは(x1n,y1n,z1n)で表され、受信レーダ装置RDR2のアンテナ素子位置ベクトルは(x2m,y2m,z2m)で表され、観測ベクトルKは(cosEL*cosAZ, cosEL*sinAZ, sinEL)で表される。
また、アンテナ装置100において、送信アンテナの送信サブアレイによる送信パターンと、受信アンテナの受信サブアレイによる受信パターンと、MIMO送受信仮想アレイによる送受信ペンシルビームパターンを形成する様子を図6に示す。ここでは、送信変調信号を複数のチャープ帯域に分割して送信する手法の場合について述べるが、M系列等の他の変調方式でもよい。
上記周波数分割型において、送信時には、例えば図7(a)に示す全帯域チャープのM系列変調信号を生成して図7(b)に示すN個のチャープ帯域#1〜#Nに周波数分割し、これによって得たN個のチャープ帯域#1〜#NのRF信号をそれぞれ図7(c)に示すN個の送信サブアレイに供給し、送出させる。受信時には、受信サブアレイ毎(サブアレイ数M)で受信した信号を周波数変換した後、AD変換し、N通りのM系列で復調して図7(d)に示すN×Mの仮想送受信アレイによる信号を得る。これを以下に定式化する。送信アンテナと受信アンテナの複素ウェイトをそれぞれA,Bと表すと次式となる。
Figure 0006546003
Figure 0006546003
これより、各要素は次式となる。
Figure 0006546003
次に、各送受信素子信号を行列の要素で表現すると、次式となる。
Figure 0006546003
送受信ビーム出力は、(1)式の要素にサイドローブ低減用のウェイトと、サイドローブ低減用のウェイトを乗算後加算となり、次式となる。
Figure 0006546003
以上の関係を踏まえて、送信側では、送信レーダから見て所定の観測範囲をAZa1〜AZa2,ELa1〜ELa2に分割し、分割単位毎に、送信サブアレイ内のアンテナ素子の位相を(1)式のビーム方向(AZa0,ELa0)に制御して送信する。この際、図7に示すように送信開口を分割し、図8に示すように分割単位毎に、所望の送信アンテナパターンをもとに、実パターンを成形する。このために、送信において、出力の振幅と位相を制御できる場合は、振幅及び位相のパターン成形手法(非特許文献4参照)を用いる。位相のみの場合は、例えば開口面で2次位相等を設定して、ビーム幅の広がったスポイルビームを形成することにより実現できる。また、位相のみの制御によって任意のパターン形状を得るには、非特許文献6による方法等もある。
一方、受信側では、受信サブアレイ内のアンテナ素子の位相を(1)式により制御して、受信レーダから見て送信レーダが送信した範囲にビーム(AZb0,ELb0)を指向させて受信する。次に、サブアレイで送受信した信号をそのまま用いて、ビーム形成器23により、サブアレイが送受信した空間内で、(1)式のAZap、ELap、AZbp、ELbp(p=1〜P:Pはサブアレイ内に形成するビーム番号)を順次制御して、複素ウェイトとして設定し、(5)式の演算により送受信ビームを形成する。これにより、サブアレイが指向したビーム方向を覆うことができ、さらに、サブアレイビームの指向方向を変えて送受信することにより、観測範囲全体を覆って捜索することができる。
以上のMIMOによるビ−ム形成手法により、観測範囲全体をペンシルビームで順次捜索する場合に比べて、サブアレイで形成できる幅の広いビームを用いて捜索することができる。また、サブアレイビームの範囲内はビーム形成器23でデジタル信号により形成(DBF:Digital Beam Forming)することができるため、捜索時間を短縮化できる効果が得られる。
以上のように、第1の実施形態に係るレーダシステムでは、送信装置において、アンテナ開口面をN個のサブアレイに分割して、所定の範囲を覆う送信サブアレイ成形ビームを形成するために各送信サブアレイで送信移相器の移相量を設定し、送信サブアレイ毎に異なる変調信号をもつ連続波またはパルス信号を送信する。また、受信装置において、アンテナ開口面をM個のサブアレイに分割し、所定の範囲を覆うための受信サブアレイ成形ビームを形成するために各受信サブアレイで受信移相器の移相量を設定し、受信サブアレイ毎に、送信のM通りの変調信号に対応した復調信号により復調し、各々の受信サブアレイの出力としてN×M個の出力を得る。そして、上記受信装置において、受信サブアレイのN×M個の出力に対して、所定のAZ及びEL角度の範囲をNb(Nb≧1)本のビームで覆うためのNb種類の送受信DBFビーム形成用のウェイトを乗算し、各ビームの合成ビームを用いて目標位置を観測する。
尚、上記の説明では、Σビームについて述べたが、位相モノパルス測角(非特許文献3参照)等の演算をする場合には、測角用のΔビーム等も同様の手法で形成するとよい。また、MIMOにより変復調した送受信素子の信号を用いることで、サブアレイが覆う範囲内において、一度送受信した信号を用いて送受信ビームによるペンシルビームを任意に形成することができる。さらに、サブアレイ素子の移相器の移相量を制御することで、サブアレイが覆う範囲を広げることができる。これによって、パルスまたは連続波のレーダにより広範囲の目標観測を行うことができる。
(第2の実施形態)(MIMO/SIMO切り替え)
第1の実施形態では、MIMOによるビーム形成において、送信サブアレイの位相に中心をグレーティングローブが発生しない間隔でサブアレイを構成する手法について述べた。第2の実施形態では、第1の実施形態の構成を利用して、MIMOとSIMOを切り替える方式について述べる。
まず、第1の実施形態のMIMOビーム形成手法は、捜索や追跡の観測範囲が広い場合に有効である。これに対して、捜索や追跡の観測範囲が比較的狭い範囲に限定された場合には、処理負荷が軽い等の理由で、送信も受信もペンシルビ−ムが望ましい場合があるが、このためにはMIMO動作をSIMO動作に切り替える必要がある。
この際に、図9に示すように、送信開口をNチャンネルの送信サブアレイに分割して所定の観測範囲に送信成形ビームを形成し、受信開口をMチャンネルの受信サブアレイに分割して観測範囲に受信成形ビームを形成する場合に、送信サブアレイが受信サブアレイから離隔していると、図10に示すように、MIMO動作において、グレーティングローブのない送受信ペンシルビームを形成することができる。
上記構成において、MIMO動作をSIMO動作に切り替えたとする。この場合、MIMO動作では図10に示すようにグレーティングローブのない送受信ペンシルビームを形成できるが、SIMO動作では、送信サブアレイが離隔しているため、図11に示すようにグレーティングローブが発生してしまう。これを避けるためには、図12に示すように、送信を全体開口として、MIMO動作の場合には、図13に示すように、送信サブアレイの位相中心がグレーティングローブが発生しないような離隔になるようにサブアレイを選定し、パターン成形により送信ビームを形成する(図7、図8)。このように、送信アレイとして全体開口を使うことにより、グレーティングローブの発生を抑圧するだけでなく、送信出力の増大や1素子あたりの送信出力が低くて済むという長所もある。
尚、グレーティングローブが発生しない条件としては、次式となる(非特許文献5参照)。
Figure 0006546003
次にSIMO動作の場合には、図14に示すように、アンテナ面全体にある送信素子による全体開口を用いて送信ペンシルビームを形成し、受信も全体開口を使って受信ペンシルビームを形成する。このようにすれば、グレーティングローブのない、送受信ペンシルビームを形成することができる。
図15に第2の実施形態に係るレーダシステムの構成を示す。但し、図15において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
第2の実施形態の構成では、第1の実施形態の構成と比べて、MIMO/SIMOの切替器241〜24Nを追加している。この切替器241〜24Nにより、例えば広角範囲の捜索や追跡の場合にはMIMOビーム形成器23によるビーム形成を行い、比較的限定された範囲の捜索や追跡の場合にはSIMOビーム形成器25によるビーム形成を行うように、観測範囲に基づく所定の切り替えテーブルに従って切り替える運用とする。
すなわち、第2の実施形態に係るレーダシステムでは、第1の実施形態のMIMO方式により目標を捜索し、目標検出方向に対して、送信/受信装置または、離隔した位置にある送信レーダ装置と受信レーダ装置をSIMO方式による運用に切り替えて目標を観測し追跡する。
このように、捜索においてはMIMOによる送受信DBFビームを用いて目標方向を限定し、その範囲にSIMOによる送受信ビームを形成して捜索または追跡することにより、MIMOのままではレンジまたは角度分解能の劣化が生じる場合に、SIMOによる観測に切り替えてレンジまたは角度分解能が劣化しない送受信ビ−ムで観測することができる。
(第3の実施形態)(観測位置焦点方式)
本実施形態は、送信装置と受信装置が離隔している場合の、MIMOビームの形成手法である。図16に第3の実施形態に係るレーダシステムの構成を示す。但し、図16において、図15と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。また、送信装置側の構成についても省略する。
第3の実施形態では、MIMOビーム形成器231〜23Mにおいて送受信ビームを形成する際に、目標捜索範囲の位置に対して位相焦点が合うウェイトをウェイト演算器26で演算し、そのウェイト演算結果を対応するMIMOビーム形成器231〜23Mに送って送受信DBFビームを形成する。
すなわち、離隔距離Lが大きい場合には、観測位置により、送信〜受信の位相を変える必要がある。位相は、図17に示すように、観測点方向に対して、送信波面と受信波面を揃える必要がある。これを一般的な3次元座標で表現すると次式となり、図18に示すようなベクトル表示となる。
Figure 0006546003
この送信+受信の位相Φtrをウェイト演算器26により算出し、仮想送受信アレイの位相として設定する。この設定位相は、観測点に対して送受信ビームを向ける位相であり、観測範囲が幅を持つ場合には、その観測範囲をメッシュに分割し、各々のメッシュ方向に設定する。これにより、広い観測範囲を送受信のペンシルビームにより観測することができる。
(第4の実施形態)(観測位置の焦点補正方式)
第3の実施形態では、観測点に対して利得の高い送受信ペンシルビームを形成する手法について述べた。この場合、送信アンテナの開口面位置、向きの情報にずれがある場合には、送信波面(位相)がずれて利得が低下する可能性がある。第4の実施形態ではこの対策のための手法について述べる。図19は本実施形態に係るレーダシステムの構成を示すブロック図である。但し、図19において、図15及び図16と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
本実施形態では、観測位置のキャリブレーション信号をウェイト演算器26に送り、各サブアレイで形成されるビームの位相ずれを補正する。すなわち、送信アンテナの開口面位置、向きの情報に誤差があり、送信波面に誤差が生じる場合には、(7)式の位相ベクトルΦtr(M×N次元)を中心に、±ΔΦ(p)(p=1〜P)の範囲で変化させた位相ベクトルを順次設定し、ビーム出力振幅またはSN(信号対雑音電力)が最大となる位相ベクトルを抽出して設定する。
その他、本実施形態は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
100…アンテナ装置、11〜1N…サブアレイ、111…変調器、112…周波数変換器、113…ローカル信号発生器、114…電力分配器、115i…送信移相器、116i…送信増幅器、117i…サーキュレータ、118i…アンテナ素子、119i…受信増幅器、11A…周波数変換器、11B…AD変換器、11C…サブアレイDBF処理器、200…信号処理装置、21…変調信号生成器、221〜22N(M)…復調器、23…MIMOビーム形成器、241〜24N(M)…MIMO/SIMO切替器、25…MIMOビーム形成器、26…ウェイト演算器。

Claims (8)

  1. アンテナ開口面をN(N≧2)個の送信サブアレイに分割してN個の送信サブアレイ成形ビームを形成し、前記N個の送信サブアレイから互いに異なるN通りの変調信号をもつ連続波またはパルスの送信信号を送信する送信装置と、
    アンテナ開口面をM(M≧2)個の受信サブアレイに分割してM個の受信サブアレイ成形ビームを形成し、前記M個の受信サブアレイ成形ビームの受信信号を前記送信装置の前記N通りの変調信号に基づいて復調し、前記M個の受信サブアレイそれぞれの出力としてN×M個の出力を得る受信装置と、
    前記受信装置で得られるN×M個の出力に、目標の捜索範囲となる観測範囲を規定するAZ及びEL角度の範囲をNb(Nb≧1)本のビームで覆うためのNb種類の送受信DBF(Digital Beam Forming)ビーム形成用のウェイトを乗算してMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式の合成ビームを形成し、当該合成ビームから目標の位置を観測する信号処理装置と
    を具備し、
    前記送信装置は、前記N個の送信サブアレイのそれぞれに供給する送信信号の少なくとも位相を制御して、前記N個の送信サブアレイ成形ビームをそれぞれ前記観測範囲の分割単位毎に割り当てられた範囲に指向させて、前記観測範囲の全体を覆うように送信ビームを形成する送信ビーム制御手段を備え、
    前記受信装置は、前記M個の受信サブアレイのそれぞれから出力される受信信号の少なくとも位相を制御して、前記M個の受信サブアレイ成形ビームをそれぞれ前記観測範囲の分割単位毎に割り当てられた範囲に指向させて、前記観測範囲の全体を覆うように受信ビームを形成する受信ビーム制御手段を備えるレーダシステム。
  2. 前記信号処理装置は、前記MIMO方式の合成ビームにより目標を捜索し、前記捜索により目標が検出された場合に、前記N個の送信サブアレイ成形ビームを前記検出された目標の方向に向けてSIMO(Single Input Multiple Output)方式により前記目標を観測する請求項1記載のレーダシステム。
  3. 前記信号処理装置は、前記目標の捜索範囲を分割した各位置に対して位相焦点が合うように前記送受信DBFビームを形成する請求項1記載のレーダシステム。
  4. 前記信号処理装置は、前記目標の捜索範囲を分割した各位置に対して位相焦点が合うように前記送受信DBFビームを形成し、さらに送受信波面を複数通り設定して、目標が最大振幅または最大SNをもつ送受信波面を選択する請求項1記載のレーダシステム。
  5. アンテナ開口面をN(N≧2)個の送信サブアレイに分割してN個の送信サブアレイ成形ビームを形成し、前記N個の送信サブアレイから互いに異なるN通りの変調信号をもつ連続波またはパルスの送信信号を送信し、前記N個の送信サブアレイのそれぞれに供給する送信信号の位相を制御して、前記N個の送信サブアレイ成形ビームをそれぞれ目標の捜索範囲となる観測範囲の分割単位毎に割り当てられた範囲に指向させて、前記観測範囲の全体を覆うように送信ビームを形成し、
    アンテナ開口面をM(M≧2)個の受信サブアレイに分割してM個の受信サブアレイ成形ビームを形成し、前記M個の受信サブアレイ成形ビームの受信信号を前記N通りの変調信号に基づいて復調し、前記M個の受信サブアレイそれぞれの出力としてN×M個の出力を取得し、前記M個の受信サブアレイのそれぞれから出力される受信信号の少なくとも位相を制御して、前記M個の受信サブアレイ成形ビームをそれぞれ前記観測範囲の分割単位毎に割り当てられた範囲に指向させて、前記観測範囲の全体を覆うように受信ビームを形成し、
    前記N×M個の出力に、前記観測範囲を規定するAZ及びEL角度の範囲をNb(Nb≧2)本のビームで覆うためのNb種類の送受信DBF(Digital Beam Forming)ビーム形成用のウェイトを乗算してMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式の合成ビームを形成し、当該合成ビームから目標の位置を観測するレーダ信号処理方法。
  6. 前記MIMO方式の合成ビームにより目標を捜索し、前記捜索により目標が検出された場合に、前記N個の送信サブアレイ成形ビームを前記検出された目標の方向に向けてSIMO(Single Input Multiple Output)方式により前記目標を観測する請求項5記載のレーダ信号処理方法。
  7. 前記目標の捜索範囲を分割した各位置に対して位相焦点が合うように前記送受信DBFビームを形成する請求項5記載のレーダ信号処理方法。
  8. 前記目標の捜索範囲を分割した各位置に対して位相焦点が合うように前記送受信DBFビームを形成し、さらに送受信波面を複数通り設定して、目標が最大振幅または最大SNをもつ送受信波面を選択する請求項5記載のレーダ信号処理方法。
JP2015105559A 2015-05-25 2015-05-25 レーダシステム及びレーダ信号処理方法 Active JP6546003B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015105559A JP6546003B2 (ja) 2015-05-25 2015-05-25 レーダシステム及びレーダ信号処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015105559A JP6546003B2 (ja) 2015-05-25 2015-05-25 レーダシステム及びレーダ信号処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016217976A JP2016217976A (ja) 2016-12-22
JP6546003B2 true JP6546003B2 (ja) 2019-07-17

Family

ID=57580988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015105559A Active JP6546003B2 (ja) 2015-05-25 2015-05-25 レーダシステム及びレーダ信号処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6546003B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6479602B2 (ja) * 2015-08-06 2019-03-06 株式会社東芝 レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法
JP7023566B2 (ja) * 2017-10-06 2022-02-22 日本無線株式会社 アレーアンテナ装置
KR102186652B1 (ko) * 2018-01-11 2020-12-04 국방과학연구소 레이더 송수신 장치 및 방법
US10564277B2 (en) 2018-01-30 2020-02-18 Oculii Corp. Systems and methods for interpolated virtual aperature radar tracking
JP7197594B2 (ja) 2018-01-30 2022-12-27 オクリー コーポレイション 仮想開口レーダ追跡のためのシステムおよび方法
JP6852007B2 (ja) * 2018-03-14 2021-03-31 株式会社東芝 レーダシステム及びそのレーダ信号処理方法
WO2020115785A1 (ja) * 2018-12-03 2020-06-11 三菱電機株式会社 レーダ装置及び信号処理方法
CN109581354B (zh) * 2018-12-05 2022-11-08 电子科技大学 同时多波束共址mimo雷达多目标跟踪资源管理方法
CN113777574A (zh) * 2021-08-30 2021-12-10 深圳市道通智能汽车有限公司 稀疏阵列解栅瓣方法、装置及相关设备
US11561299B1 (en) 2022-06-03 2023-01-24 Oculii Corp. System and method for multi-waveform radar tracking
CN117706541B (zh) * 2024-02-06 2024-04-16 四川省华盾防务科技股份有限公司 相控阵多目标跟踪方法、装置、设备及存储介质

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8289203B2 (en) * 2009-06-26 2012-10-16 Src, Inc. Radar architecture
JP5631763B2 (ja) * 2010-08-23 2014-11-26 株式会社東芝 Mimoレーダシステム、送信装置、受信装置及びmimoレーダ信号処理方法
JP6130116B2 (ja) * 2012-09-20 2017-05-17 日本無線株式会社 受信アレーアンテナ装置
JP6279212B2 (ja) * 2013-02-07 2018-02-14 日本無線株式会社 Mimoレーダシステム、及び信号処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016217976A (ja) 2016-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6546003B2 (ja) レーダシステム及びレーダ信号処理方法
US7737879B2 (en) Split aperture array for increased short range target coverage
JP6883592B2 (ja) 偏波フェーズドアレイレーダシステム及びその動作方法
US8730095B1 (en) Super-angular and range-resolution with phased array antenna and multifrequency dither
JP6430215B2 (ja) レーダシステム及びそのレーダ信号処理方法
US20230161024A1 (en) Imaging radar system having a receiving array for determining the angle of objects in two dimensions by means of a spread arrangement of the receiving antennas in one dimension
RU2658671C2 (ru) Бистатическая радиолокационная станция
US11802958B2 (en) Hybrid multiple-input multiple-output (MIMO) radar system
JP6453614B2 (ja) Dbfレーダ装置及びそのレーダ信号処理方法
JP2018513372A (ja) 最大尤度追跡及びフェンス探索のための逐次マルチビームレーダ
US20210149038A1 (en) Radar device
JP6744157B2 (ja) 電波誘導装置と電波誘導方法
US4121209A (en) Two-axis motion compensation for AMTI
US20240039173A1 (en) Multiple input multiple steered output (mimso) radar
US6531980B1 (en) Radar antenna system
US6906665B1 (en) Cluster beam-forming system and method
JP6833344B2 (ja) アンテナ装置
US20210119348A1 (en) Array antenna apparatus using spatial power spectrum combining and method of controlling the same
JP2017146156A (ja) レーダ装置
JP5619061B2 (ja) レ−ダ装置
KR102577806B1 (ko) 빔 조향 전파고도계 및 컨벡스 최적화를 이용한 빔 조향 방법
JP2023015790A (ja) レーダ装置および信号処理装置
Lin et al. A crossed switching scheme applied to a TDM FMCW MIMO radar
JP2621532B2 (ja) レーダ装置
RU2713159C1 (ru) Способ формирования круговой зоны электронного сканирования цилиндрической фазированной антенной решетки с увеличенным темпом обзора

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170911

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20170911

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190521

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190620

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6546003

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150