以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1、図2に示すように、蓋付き容器1は、上方に開口する略箱状の容器本体2と、容器本体2の開口部を開放する開位置と、容器本体2の開口部を閉鎖する閉位置との間を変位可能な一対の蓋部材3とを備えている。本実施形態の容器本体2、及び、蓋部材3は、それぞれポリプロピレンにより構成されている。
図7等に示すように、容器本体2は、略矩形板状の底壁構成部4と、底壁構成部4の相対する一対の長辺部からそれぞれ上方に延びる長辺側側壁部5と、底壁構成部4の相対する一対の短辺部からそれぞれ上方に延びる短辺側側壁部6と、長辺側側壁部5及び短辺側側壁部6の上辺部に沿って設けられた四角枠状の上枠7とを備えている。
また、図1、図3、図4に示すように、本実施形態の容器本体2は折畳み可能に構成されている。すなわち、長辺側側壁部5は、底壁構成部4の長辺部に対して回動可能に連結される下壁部8と、上枠7の長辺部に対して回動可能に連結される上壁部9とを備え、下壁部8の上辺部と上壁部9の下辺部とが回動可能に連結されている。本実施形態では、上壁部9と下壁部8との連結部を容器本体2の内側に押し込むように押圧することで、上壁部9の外面と下壁部8の外面とを合わせるようにして長辺側側壁部5を折畳み可能になっている。以下、上壁部9及び下壁部8が上下に延びた長辺側側壁部5の姿勢を長辺側側壁部5の起立姿勢と称し、上壁部9及び下壁部8が折り畳まれた長辺側側壁部5の姿勢を長辺側側壁部5の折畳み姿勢と称する。
短辺側側壁部6は、上枠7の短辺部に対して回動可能に連結されている。本実施形態では、短辺側側壁部6を容器本体2の内側に押圧することで、短辺側側壁部6を略水平に延在するまで回動可能になっている。また、短辺側側壁部6の横幅は、一対の長辺側側壁部5間の距離とほぼ同じであり、容器本体2の組立状態では短辺側側壁部6が一対の長辺側側壁部5の間に位置している。さらに、短辺側側壁部6の上枠7に対する回動軸は、長辺側側壁部5の上枠7に対する回動軸よりも上方に位置している。
このため、図4に示すように、組立状態にある容器本体2は、先ず、一対の短辺側側壁部6を容器本体2の内側に押圧して略水平に延在するまで回動させて(跳ね上げて)から、一対の長辺側側壁部5を折り曲げることで、底壁構成部4の上方に長辺側側壁部5及び短辺側側壁部6が折畳まれた(折重ねられた)折畳み状態とすることができるようになっている。以下、上枠7から下方に延びた短辺側側壁部6の姿勢を短辺側側壁部6の起立姿勢と称し、上枠7から内側方に向けて略水平に延在する短辺側側壁部6の姿勢を短辺側側壁部6の跳ね上げ姿勢と称する。
図3、図7に示すように、上枠7は、一対の長辺側側壁部5にそれぞれ連結される一対の長辺側枠構成部11と、一対の短辺側側壁部6にそれぞれ連結される一対の短辺側枠構成部12とを備え、上枠7の外寸は、底壁構成部4の外寸とほぼ等しくなっている。また、容器本体2の折畳み状態では、折畳まれた長辺側側壁部5と、その上方に重なる短辺側側壁部6とが上枠7の内周側に収容されるとともに、底壁構成部4と上枠7とが上下に直接当接するように構成されている。
尚、本実施形態では、長辺側側壁部5が第1側壁部、及び、折り曲げ側側壁部に相当し、短辺側側壁部6が第2側壁部、及び、跳ね上げ側側壁部に相当する。また、長辺側側壁部5と、長辺側枠構成部11とによって第1側壁構成部が構成され、短辺側側壁部6と、短辺側枠構成部12とによって第2側壁構成部が構成されている。さらに、短辺側枠構成部12によって第2枠構成部が構成され、長辺側枠構成部11によって第1枠構成部が構成されている。
図15、図16に示すように、底壁構成部4は、略矩形板状の底壁部14と、底壁部14から下方に突出し、底壁部14を支持する支持リブ15とを備えている。支持リブ15は、底壁部14の外周縁から下方に突出する枠リブ16と、枠リブ16の内周側において格子状に設けられる格子リブ17とを備えている。尚、本実施形態では、底壁部14のうち支持リブ15よりも外周側の部位は、強度の向上を図るべく、下方に開口する断面略コ字状に構成されるとともに、その内側に補強リブが設けられている。
図9、図10等に示すように、蓋部材3は、略矩形板状の蓋本体21と、蓋本体21の一方の長辺部に対応して、蓋本体21の表面(蓋部材3が閉位置にある場合の上面;以下、単に「蓋部材3の上面」とも称する)から突出する軸構成部22とを備え、軸構成部22には、蓋本体21の長手方向に延在する軸部23が設けられている。
これに対し、図7、図8に示すように、上枠7の各長辺側枠構成部11の上辺部には、上方に突出する複数の長辺側位置決め凸部25と、長辺側位置決め凸部25に設けられた軸受部26とが設けられ、各長辺側枠構成部11の軸受部26に対して、各蓋部材3の軸部23がそれぞれ回動可能に連結されている。図1等に示すように、本実施形態における一対の蓋部材3は互いに同様の形状をなしており、向い合せにしてそれぞれ長辺側枠構成部11に取付けられている。さらに、蓋部材3の先端縁は、平面視で直線状に構成されており、蓋部材3の回動軸から先端縁までの距離は、蓋部材3の横幅方向(蓋本体21の長手方向)におけるいずれの部位においても基本的に一定となっている(両端部に関してはR加工されている)。尚、開位置にある蓋部材3は、長辺側側壁部5の外面側に並設されて略鉛直に延びるようになっている。
図5、図6に示すように、本実施形態では、一対の長辺側枠構成部11間の距離は、蓋部材3の回動軸からの遠心方向における幅よりも長く構成されるとともに、蓋部材3の回動軸からの遠心方向における幅を2倍にした長さよりも短く構成されている。また、図7に示すように、一対の長辺側枠構成部11は対称形状となっており、軸受部26の高さ位置や構造が同一となっている。このため、一対の蓋部材3の両方を閉位置とした場合には、一対の蓋部材3のうちのどちらを先に閉位置とした場合であっても、図1、図5、図13、図14等に示すように、一対の蓋部材3のうち各蓋部材3の回動軸からの遠心方向における先端縁(以下、単に「先端縁」と称する)側同士が上下に重なるよう構成されている。
また、図2、図6、図11、図12等に示すように、上枠7の短辺側枠構成部12の上辺部には、閉位置にある蓋部材3の側辺部を収容するとともに、閉位置にある蓋部材3の下面側を支持可能な短辺側収容部27が設けられている。さらに、図6に示すように、蓋本体21の横幅は、一対の短辺側枠構成部12の内面間の距離よりも長く、かつ、一対の短辺側枠構成部12の外面間の距離よりも短く構成されており、閉位置にある蓋部材3は、一方の短辺側枠構成部12の短辺側収容部27から他方の短辺側枠構成部12の短辺側収容部27にかけて延在するようになっている。
また、一対の蓋部材3を閉位置とした場合、図11等に示すように、一対の蓋部材3のうち下側に位置する蓋部材3の下面側が短辺側収容部27に支持され、図13等に示すように、上側に位置する蓋部材3の下面側が下側の蓋部材3に支持されることとなる。さらに、下側に位置する蓋部材3は、上側に位置する蓋部材3が取付けられている長辺側枠構成部11側に向けて下方傾斜して延在し、上側に位置する蓋部材3は、略水平方向に延在するようになっている。
より具体的に説明すると、図8、図12に示すように、短辺側収容部27には、閉位置とされた一対の蓋部材3同士が重なる範囲よりも軸部23側(長辺側枠構成部11側)、すなわち、閉位置とされた一対の蓋部材3同士が重ならない範囲(図13参照)において、一対の蓋部材3のうち下側に位置する蓋部材3の下面側を支持する支持部としての傾斜部28が設けられている。当該傾斜部28は短辺側枠構成部12の横幅方向中央部側に向けて下方傾斜する面によって構成されており、閉位置とされた一対の蓋部材3のうち下側の蓋部材3の下面側が傾斜部28に当接して支持されることで、当該蓋部材3が斜めに延在するように構成されている。
また、短辺側収容部27には、閉位置とされた一対の蓋部材3同士が重なる範囲(図13参照)を含む範囲において、水平方向に延びる平坦部29が設けられている。平坦部29は、傾斜部28よりも低い位置に設けられている。そして、閉位置にある下側の蓋部材3は、自身の基端部側(後述する傾斜対応部43)が傾斜部28に支持されるとともに、その先端縁側(後述する先端リブ42)は、平坦部29に当接又は近接するように構成されている。尚、傾斜部28と平坦部29との間は、傾斜部28よりも急角度な連結面30によって連結されている。また、本実施形態では、短辺側収容部27のうち、平坦部29に対応する部位であって、傾斜部28よりも下方の部位(特に、傾斜部28を下方へ延長させた仮想線よりも下方の部位)が中央凹部に相当する。
さらに、短辺側収容部27には、短辺側枠構成部12のうち上枠7の外周側の縁部から上方に突出し、閉位置とされた蓋部材3の蓋本体21の側辺部と対向して当接又は近接する短辺側保護部31が設けられている。尚、図7等に示すように、本実施形態では、長辺側枠構成部11にも、閉位置にある蓋部材3の蓋本体21の軸部23側の軸部側辺部を収容する長辺側収容部32が設けられるとともに、当該軸部側辺部と対向して当接又は近接する長辺側保護部33が設けられている。
加えて、図6、図8、図12に示すように、平坦部29には、短辺側保護部31から上枠7の内周側に離間した位置において、短辺側保護部31と平行して延び、連結面30と平坦部29との間を連結する落ち込み防止手段としての落ち込み防止リブ34が設けられている。尚、図13、図14に示すように、平坦部29は、閉位置とされた一対の蓋部材3同士が重なる範囲よりも広い範囲に設けられ、落ち込み防止リブ34は、平坦部29のうち閉位置とされた一対の蓋部材3同士が重ならない範囲に設けられている。さらに、図12に示すように、落ち込み防止リブ34は、隣接する傾斜部28の延長線上よりも上方に突出することがないように構成されている。
これに対し、図10等に示すように、蓋部材3の蓋本体21の裏面(蓋部材3が閉位置にある場合の下面;以下、単に「蓋部材3の下面」とも称する)側には、蓋本体21の各側辺部に沿って延びる側辺リブ41と、蓋本体21の先端縁に沿って延びる先端リブ42とが設けられている。各側辺リブ41は、傾斜部28に対応する傾斜対応部43と、平坦部29に対応する平坦対応部44とを備えている。傾斜対応部43は、蓋本体21からの突出長がほぼ一定であるのに対し、平坦対応部44は、傾斜対応部43側の突出長が大きく、蓋部材3の先端縁側の突出長が小さくなるように徐変して設けられている。尚、平坦対応部44の蓋部材3の先端縁側の突出長は、傾斜対応部43の突出長と同程度となっている。
また、蓋部材3の下面側には、平坦部29に対応する部位において、先端リブ42以外にも、一対の側辺リブ41間を直線状に連結するようにして延びる複数の横リブ45が設けられている。当該複数の横リブ45、及び、先端リブ42の蓋本体21からの突出長についても、各横リブ45、及び、先端リブ42に連結される平坦対応部44の突出長に応じて、蓋部材3の先端縁側に設けられるもの程、突出長が小さくなるように(先端リブ42の突出長が最も小さくなるように)構成されている。
尚、蓋部材3の下面側には、側辺リブ41と平行して延びる縦リブ46や、傾斜対応部43と縦リブ46との間を連結する補助リブ47が設けられ、補助リブ47に関しては、傾斜対応部43と同じ突出長となっている。
そして、一対の蓋部材3が閉位置とされた場合には、下側の蓋部材3の傾斜対応部43、及び、補助リブ47が、傾斜部28に当接して支持されるとともに、下側の蓋部材3の平坦対応部44、先端リブ42、及び、横リブ45が、平坦部29に当接して支持される(図11、図13参照)。また、図13等に示すように、上側の蓋部材3のうち少なくとも先端リブ42(本例では、先端リブ42、横リブ45、及び、平坦対応部44)が、下側の蓋部材3の上面に当接して支持される。さらに、図11に示すように、下側の蓋部材3の平坦対応部44が、落ち込み防止リブ34の上枠7の外周側の面と対向して略当接する。これにより、落ち込み防止リブ34によって、側辺リブ41(平坦対応部44)の容器本体2の開口部側への相対変位が規制されることとなる。
また、図10に示すように、蓋部材3の下面側には、先端リブ42の蓋部材3からの突出方向先端部から突出する第1係合部51が設けられている。第1係合部51は、蓋部材3の横幅方向中央部に対して対称位置に一対で設けられている。
これに対し、図9、図13に示すように、蓋部材3の上面側には、一対の蓋部材3を閉位置とした場合に、上側の蓋部材3の第1係合部51が挿入される凹状の第1被係合部52が設けられている。第1被係合部52の内側に形成される面のうち蓋部材3の遠心方向側の面である係合面は、蓋部材3の遠心方向に対してほぼ直交する方向に延びるとともに、蓋部材3には、当該係合面を延長させるようにして、蓋部材3の上面から突出する係合補助凸部53が設けられている。これにより、第1被係合部52を設けることによって蓋部材3の下面側に形成される凸部の突出長が大きくなってしまうことを抑制しつつ、第1被係合部52の係合面(かかり代)を比較的大きく確保することができ、係合状態の安定化等を図ることができる。
さらに、図9等に示すように、蓋部材3の上面側には、第1被係合部52よりも蓋部材3の先端縁側の部位において、蓋部材3の遠心方向において互いに所定距離を隔てて設けられた一対の突部によって構成される第2被係合部54が設けられている。
これに対し、図10、図14に示すように、蓋部材3の下面側には、一対の蓋部材3を閉位置とした場合に、下側の蓋部材3の第2被係合部54に挿入される第2係合部55が設けられている。本実施形態では、所定の横リブ45の一部によって、第2係合部55が構成されている。尚、本実施形態では、各蓋部材3において、上面側に設けられた第2被係合部54を構成する一対の突部の間に、下面側に設けられた第2係合部55(横リブ45)が位置するように構成されている。
本実施形態では、一対の蓋部材3を閉位置とした場合に、一対の蓋部材3のうちどちら側を下側としても、上記のように、上側の蓋部材3の第1係合部51と、下側の蓋部材3の第1被係合部52とが係合し、上側の蓋部材3の第2係合部55と、下側の蓋部材3の第2被係合部54とが係合するようになっている。これにより、蓋部材3同士の相対変位が抑制されることとなる。
加えて、図6、図8、図12等に示すように、短辺側収容部27の各傾斜部28のうち平坦部29側の部位から上方に突出する短辺側位置決め凸部57が設けられている。短辺側位置決め凸部57は、短辺側保護部31や平坦部29との間に傾斜部28を残すようにして短辺側保護部31や平坦部29から離間して設けられるとともに、短辺側位置決め凸部57のうち上枠7の内周側の面が、短辺側枠構成部12の内面と面一となっている。さらに、短辺側位置決め凸部57は、短辺側保護部31よりも上方にまで突出しており、その上面は、長辺側位置決め凸部25の上面と同じ高さ位置となっている。
これに対し、図9等に示すように、蓋部材3の蓋本体21には、蓋部材3を閉位置とした場合に、蓋本体21への短辺側位置決め凸部57の挿通を許容する位置決め孔部58が設けられている。閉位置とされた一対の蓋部材3は、上側及び下側のどちら側になっても、蓋部材3の位置決め孔部58に対し、短辺側位置決め凸部57が挿通されるようになっている(図1参照)。
そして、一対の蓋部材3を閉位置として、蓋付き容器1同士を上下に積み重ねた(段積みした)場合には、上側の蓋付き容器1の底壁部14のうち支持リブ15よりも外周側の部位が、下側の蓋付き容器1の長辺側位置決め凸部25、及び、短辺側位置決め凸部57の上面に当接して支持されるとともに、上側の蓋付き容器1の支持リブ15の外周面が、下側の蓋付き容器1の長辺側位置決め凸部25、及び、短辺側位置決め凸部57の側面と対向して当接又は近接配置される。これにより、段積みされた蓋付き容器1同士の水平方向における位置ずれが防止されるようになっている。また、蓋付き容器1の段積み状態において、基本的に、上側の蓋付き容器1の支持リブ15は、下側の蓋付き容器1の蓋部材3と接触しないように構成されている。尚、本実施形態では、蓋部材3を開位置とした状態であっても、蓋付き容器1を段積みすることが可能である。
さらに、図15、図16に示すように、容器本体2を折畳み状態とした場合には、基本的に、折り畳まれた側壁部5、6(跳ね上げ姿勢とされた短辺側側壁部6)と、閉位置とされた蓋部材3とが接触しないように構成され、跳ね上げ姿勢とされた短辺側側壁部6によって蓋部材3が上方に持ち上げられることのないように構成されている。すなわち、図15に示すように、閉位置とされた下側の蓋部材3のうち最も下方に突出する部位は、蓋部材3の先端縁から下方に突出する一対の第1係合部51であるが、当該第1係合部51は、跳ね上げ姿勢とされた一対の短辺側側壁部6のうち上側の短辺側側壁部6(下端部側に向けて若干上方傾斜する姿勢とされている)と接触しないように(当該短辺側側壁部6の下端部を避けるようにして)配置されている。このため、容器本体2が折畳み状態とされた蓋付き容器1を段積みすることも可能である。
また、図1、図7等に示すように、各短辺側側壁部6には、上辺部近傍、かつ、短辺側側壁部6の横幅方向中央部を含む部位において、容器本体2が組立状態にある蓋付き容器1を運搬する際に指先を掛けることのできる持ち手孔61が設けられている。容器本体2の組立状態において、持ち手孔61の上縁部は、上枠7の下辺部よりも上方に位置している。このため、上枠7の短辺側枠構成部12の下辺部には、持ち手孔61を外方に露出させる持ち手用切欠き部62が設けられている。
さらに、図3等に示すように、短辺側枠構成部12の外面側には、持ち手用切欠き部62の上方位置において、折畳み状態にある容器本体2の上枠7を上方に持ち上げて容器本体2を組立てる際に指先を掛けることのできる指入れ凹部63が設けられている。尚、本実施形態では、指入れ凹部63、及び、持ち手用切欠き部62が指掛け部を構成する。
また、図1、図6、図8等に示すように、短辺側保護部31には、短辺側位置決め凸部57と対向する部位において、短辺側保護部31の短辺側収容部27からの突出長を短くすることで形成された露出用凹部64が設けられている。
これに対し、図1、図6、図9等に示すように、蓋部材3には、蓋部材3の側辺部のうち位置決め孔部58に対応する部位から側方に突出する指掛凸部65が設けられている。蓋部材3が閉位置とされた場合には、蓋部材3の指掛凸部65が、上枠7の露出用凹部64に挿入されるようになっている。すなわち、指掛凸部65は、露出用凹部64を介して、上枠7の外周側に露出するように構成されており、本実施形態では、露出用凹部64に挿入された指掛凸部65の先端部と、短辺側保護部31の外面とがほぼ面一となっている。特に、閉位置とされた一対の蓋部材3のうち上側の蓋部材3の指掛凸部65は、露出用凹部64の下縁部から上方に離間することとなる。このため、閉位置にある蓋部材3のうち上側の蓋部材3を開位置側に変位させる場合には、上側の蓋部材3の指掛凸部65に指先を掛けて持ち上げることができ、当該上側の蓋部材3を開位置側に変位させる作業性の向上が図られる。
また、図1、図3等に示すように、各短辺側枠構成部12の外面側に設けられた指入れ凹部63は、各短辺側枠構成部12の上面側に設けられた一対の短辺側位置決め凸部57の間の部位に対応して設けられている。つまり、短辺側枠構成部12のうち、短辺側枠構成部12の長手方向において、持ち手用切欠き部62、及び、指入れ凹部63の両方が設けられている部位に対応しては、当該短辺側枠構成部12の上面側において、(露出用凹部64の形成されていない)短辺側保護部31が設けられるようになっている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、短辺側収容部27には、閉位置とされた蓋部材3の側辺部と対向して当接又は近接する短辺側保護部31が設けられており、閉位置にある蓋部材3の側辺部のうち少なくとも蓋部材3の先端縁側の端部を含む部位については、短辺側保護部31によって上枠7の外周側が覆われるようになっている。このため、閉位置にある蓋部材3の側辺部に対して作業者や別の部材が意図することなく引っ掛かり、蓋部材3が損傷してしまったり、蓋部材3が開位置側に変位してしまったりするといった事態を抑制することができる。特に、蓋部材3の側辺部のなかでも、引っ掛けた場合に蓋部材3が比較的持ち上がり易く、さらには、比較的変形や損傷し易い部位でもある蓋部材3の先端縁側の端部が短辺側保護部31によって覆われることから、上記作用効果がより確実かつ効果的に奏されることとなる。
また、短辺側保護部31が設けられることにより、閉位置とされた蓋部材3と、容器本体2との間に隙間が形成されるといった事態を抑制することができ、埃等の侵入を抑制することができる。さらに、短辺側保護部31によって、蓋部材3の横幅方向(回動軸線方向)における位置ずれを防止することができる。加えて、互いに重なるようにして閉位置とされた一対の蓋部材3が短辺側保護部31によって蓋付き容器1の外周側から覆われることから、意匠性の向上を図ることができる。
また、本実施形態の容器本体2は折り畳み式のものであって、上枠7の長辺側枠構成部11に対して蓋部材3が回動可能に取付けられている。さらに、短辺側収容部27が設けられた短辺側枠構成部12には、短辺側枠構成部12の横幅方向中央部を含む部位において、下辺部に持ち手用切欠き部62が設けられ、外面側に指入れ凹部63が設けられている。つまり、短辺側枠構成部12の横幅方向中央部は、上下の幅が短く構成される割に、比較的高い強度を求められる部位となっている。加えて、短辺側枠構成部12については、長辺側枠構成部11のように、蓋部材3(軸構成部22及び軸部23)を取付けることで強度の向上を期待することもできない。
この点、本実施形態では、短辺側枠構成部12の横幅方向において少なくとも指入れ凹部63が設けられた範囲に対し、短辺側収容部27から上方に突出する短辺側保護部31が設けられている。このため、短辺側枠構成部12のうち指入れ凹部63の上方部位の強度を効果的に向上させることができる。従って、指入れ凹部63や持ち手用切欠き部62に指を掛けて蓋付き容器1を持ち上げる場合等において、短辺側枠構成部12の変形等を防止することができ、持ち運びや段積みによる保管等を安定して行うことができる。
また、本実施形態によれば、開位置にある一対の蓋部材3をどちらから閉位置に変位させても、容器本体2の開口部を確実に閉鎖することができる。従って、両方の蓋部材3を同時に閉位置へと変位させなければ容器本体2を閉鎖することができないといった構成に比べ、容器本体2の開口部を閉鎖する際の作業性の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、閉位置にある一対の蓋部材3のうち上側の蓋部材3だけを開位置へと変位させ、下側の蓋部材3を閉位置のままとすることができる。従って、容器本体2の開口部を一部だけ開放すれば済むような機会において、両方の蓋部材3を開位置へと変位させなくても済み、利便性の向上等を図ることができる。
また、一対の蓋部材3を閉位置とした状態において、一対の蓋部材3の先端縁側の部位が上下に重なる構成となっているものの、閉位置とされた一対の蓋部材3の各側辺部が、各短辺側収容部27に収容され、基本的に、一対の蓋部材3の各側辺部の長手方向全体が短辺側保護部31によって蓋付き容器1の外周側から覆われるようになっている。このため、当該上側の蓋部材3が、容器本体2から上方に突出してしまうといった事態を回避することができる。従って、上側の蓋部材3が容器本体2から上方に突出することで、蓋部材3がその他の部材等に接触して損傷するリスクが増大したり、蓋付き容器1を段積みすることができなくなったりする等の不具合を払拭することができる。
加えて、一対の蓋部材3のうち下側の蓋部材3を下方傾斜するようにして延在させることにより、上側の蓋部材3を略水平方向に延在させることができる。これにより、閉位置とされた一対の蓋部材3のうち上下に重なる先端縁側の部位の厚みを極端に薄くしなくても、閉位置とされた蓋部材3が容器本体2から上方に大きく突出してしまう、或いは、短辺側保護部31の突出長(短辺側収容部27の深さ)が大きくなり、短辺側収容部27(短辺側保護部31)の強度が低下する等の事態を回避しつつ、一対の蓋部材3の先端縁側同士を上下に重ね、一対の蓋部材3の各側辺部を短辺側収容部27に収容することができる。従って、蓋部材3の形状の自由度等を向上させるとともに、蓋部材3の先端縁側の部位の厚みを確保する(先端リブ42、横リブ45、縦リブ46、及び、側辺リブ41を設け、先端縁側の部位の強度を確保できる形状とする)ことができ、蓋部材3の先端縁側の厚みが薄く構成されること等に起因して当該部位が変形・損傷し易くなってしまうといった事態を防止することができる。
さらに、上側の蓋部材3が先端縁側に向けて上方傾斜するような構成に比べ、上側の蓋部材3が振動等に起因して不用意に開位置側に変位してしまうといった事態を抑制することができる。加えて、閉位置にある蓋部材3の側辺部と、短辺側保護部31とを極力広い範囲で対向させることができ、短辺側保護部31の内面へその他の部材が引っ掛かることを抑制するとともに、短辺側保護部31の外面にその他の部材が接触した場合には、蓋部材3によって短辺側保護部31の内側への変形等を抑制することができる。
また、一対の蓋部材3を閉位置とした場合に、一対の蓋部材3の先端縁側同士が上下に重なる構成により、蓋部材3同士の間に隙間が形成されることを抑制したり、蓋部材3同士を係合させたり、下側の蓋部材3によって上側の蓋部材3の先端縁側を支持したりすることができる。さらに、閉位置とされた一対の蓋部材3のうち、下側の蓋部材3の下面側が、短辺側収容部27によって支持されるため、閉位置とされた蓋部材3が、さらに容器本体2の内側に入り込むようにして(下方に)変位してしまうといった事態を防止することができる。加えて、例えば、閉位置にある蓋部材3の下面側を支持する短辺側収容部27が設けられていない(例えば、閉位置にある蓋部材3を軸部23の周辺のみで支持する)構成に比べ、閉位置にある蓋部材3の安定化や、蓋部材3を軸支するための構成の耐久性の向上等を図ることができる。
また、短辺側収容部27には、一対の蓋部材3のうち下側の蓋部材3の下面側を支持する傾斜部28が設けられている。このため、下側の蓋部材3をより安定して支持することができ、ひいては、下側の蓋部材3に支持される上側の蓋部材3をより安定して支持することができる。さらに、下側の蓋部材3が上側の蓋部材3によって下方に押圧されて撓んでしまう等といった事態を抑制することができる。特に、本実施形態の傾斜部28は、短辺側収容部27のうち、閉位置とされた一対の蓋部材3同士が重なる範囲よりも長辺側枠構成部11側(軸受部26側)において設けられているため、下側の蓋部材3が上側の蓋部材3によって下方に押圧された場合に、軸構成部22及び軸受部26等の保護を図ることができる。加えて、短辺側収容部27に傾斜部28が設けられることにより、その周辺部の剛性を高めることができる。
また、閉位置にある蓋部材3の両側辺部がそれぞれ短辺側収容部27に収容されることで、下側の蓋部材3の下面の両側部をそれぞれ短辺側収容部27によって支持することができる。さらに、上側の蓋部材3については、先端縁の両端部を含む部位が、下側の蓋部材3のうち、短辺側収容部27によって安定して支持されている両側部において支持されることとなる。従って、閉位置にある一対の蓋部材3をより安定して支持することができ、閉位置にある蓋部材3の傾き、変形等をより確実に抑制することができる。また、閉位置にある蓋部材3の変形が防止されることで、蓋部材3同士の間や、蓋部材3と容器本体2との間に隙間が形成されることを抑制することができる。加えて、本実施形態では、蓋部材3の先端縁が直線状に延び、一対の蓋部材3が閉位置とされた場合に、先端リブ42において、下側の蓋部材3の上面に当接することから、蓋部材3間の隙間を極力なくすことができる。
また、短辺側収容部27には、閉位置とされた一対の蓋部材3のうち、下側の蓋部材3の先端縁に略当接する平坦部29が設けられ、当該平坦部29は、少なくとも閉位置とされた一対の蓋部材3同士が重なる範囲を含む範囲において、水平方向に延びている。このため、閉位置とされた場合に先端縁側同士が重なる一対の蓋部材3をどちらから先に閉位置としても(下側となる蓋部材3が入れ替わったとしても)、先に閉位置とされて下側に位置する蓋部材3の斜めの姿勢での収容を許容し、容器本体2の開口部を同様に閉鎖することができる(一方の蓋部材3を支持するための傾斜部28が、他方の蓋部材3の斜めの姿勢での収容を阻害してしまうといった事態を回避することができる)といった作用効果が確実に奏される。
さらに、平坦部29において落ち込み防止リブ34が設けられ、蓋部材3が閉位置とされた場合に、蓋部材3の側辺リブ41の平坦対応部44が、落ち込み防止リブ34のうち上枠7の外周側の面と対向して当接又は近接するようになっている。このため、落ち込み防止リブ34、及び、平坦対応部44によって、閉位置にある蓋部材3の側辺部が容器本体2の内周側に変位することを防止することができ、閉位置にある蓋部材3の側辺部が容器本体2の開口部に落ち込むようにして変位してしまうといった事態を防止することができる。従って、閉位置にある蓋部材3の下方への変位や変形を防止することができる。特に、平坦部29は、閉位置にある蓋部材3の先端縁側の部位に対応しているため、比較的位置ずれを起こし易い蓋部材3の先端縁側において、より効果的に蓋部材3の位置決めを行うことができる。
また、落ち込み防止リブ34は、短辺側収容部27の高さの範囲内に収まるよう構成されている(隣接する傾斜部28の延長線上よりも上方に突出することがないように構成されている)。このため、落ち込み防止リブ34が蓋部材3の上面(短辺側収容部27の上縁部である短辺側保護部31の上辺部)よりも上方に突出することを回避することができ、落ち込み防止リブ34の強度を必要以上に高めなくても、当該落ち込み防止リブ34の損傷を抑制することができるとともに、蓋付き容器1を段積みする場合に、落ち込み防止リブ34が上側の蓋付き容器1の邪魔になることを抑制することができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、閉位置とされた一対の蓋部材3のうち下側の蓋部材3を斜めに延在させる姿勢で支持する構成として、短辺側収容部27のうち閉位置とされた一対の蓋部材3同士が重ならない範囲において傾斜部28が設けられているが、例えば、傾斜部28の代わりに、蓋部材3を支持するリブや突起等を設けることとしてもよい。
尚、傾斜部28を省略し、閉位置とされた一対の蓋部材3のうち下側の蓋部材3は、蓋部材3の先端縁側の部位でのみ短辺側収容部27に当接して支持されるように構成してもよい。但し、蓋部材3のうち、閉位置とされた場合に他方の蓋部材3と重なる部位よりも軸部23側の部位についても、短辺側収容部27によって支持される(当接する、或いは、若干撓む等することで当接する)ように構成することで、蓋部材3の変形等を抑制するとともに、軸構成部22及び軸受部26の耐久性を向上させることができる。
(b)さらに、例えば、短辺側収容部27のうち、上記実施形態の平坦部29に対応する部位に対し、一対の傾斜部28の延長線上に延び、蓋部材3の先端縁側の下面側を支持する先端側支持部を設けるとともに、各傾斜部28(基端側支持部)と、各先端側支持部との間に、当該各傾斜部28、及び、各先端側支持部で支持する蓋部材3とは異なる他方の蓋部材3を下側として容器本体2の開口部を閉鎖する場合の前記他方の蓋部材3の斜めの姿勢での収容を許容する凹部(中央凹部)を設けることとしてもよい。尚、先端側支持部についても、面で構成するのではなく、リブや突起等によって構成することとしてもよい。
また、上記実施形態では、蓋部材3は軸部23側から先端縁側に向けて厚み(各種リブの蓋本体21からの突出長)が次第に小さくなるように構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、例えば、厚みをほぼ一定にするように構成してもよい。この場合、蓋部材3の先端部側については、蓋部材3の先端縁のみで平坦部29に当接することとなる。
さらに、平坦部29に対し、閉位置にある下側の蓋部材3の平坦対応部44、先端リブ42、及び、横リブ45が当接して支持されるように構成されているが、これらのうち一部のみが当接するように構成してもよいし、蓋部材3が傾斜部28で支持される場合には、下側の蓋部材3が若干撓む等した場合に当接し得るように構成したり、全く当接しないように構成したりしてもよい。
加えて、上記実施形態の落ち込み防止リブ34は、平坦部29に対応して設けられ、隣接する傾斜部28の延長線上よりも上方に突出することがないように構成されているが、特に、そのような構成に限定されるものではない。例えば、傾斜部28に対応して設けることも可能である。但し、落ち込み防止リブ34が蓋部材3の上面から上方に突出することに起因して、当該落ち込み防止リブ34が損傷し易くなる等の事態を回避するべく、落ち込み防止リブ34は、短辺側収容部27の高さの範囲内に収まるよう構成することが望ましい。尚、落ち込み防止リブ34を省略することも可能である。
(c)上記実施形態において、蓋本体21の遠心方向における幅は一定でなくてもよく、例えば、図17〜図19に示すように、蓋部材3の先端縁の中央部を含む範囲に対して円弧状の切欠き部71を設けることとしてもよい。この場合、閉位置にある上側の蓋部材3の切欠き部71を介して蓋部材3の先端縁に指先を掛け易くなり、閉位置にある上側の蓋部材3を開位置側に変位させる際の作業性の向上等を図ることができる。さらに、図17の蓋部材3についても、先端縁の両側部はそれぞれ短辺側収容部27に収容されるとともに、側辺リブ41や先端リブ42等において短辺側収容部27により確実に支持されることから、閉位置とされた蓋部材3に対し、下向きの力が作用した場合に、蓋部材3が傾いてしまう等の不具合を防止することができる。
尚、蓋部材3の先端縁をその他の凹凸形状に構成してもよい。例えば、波形状としてもよいし、蓋部材3の先端縁のうち蓋部材3の横幅方向中間位置において平面視半円形状や平面視台形状の張出し部を設け、先端縁のうち蓋部材3の両側部側の部位よりも中央部側の部位が蓋部材3の遠心方向において突出するように構成してもよい。但し、閉位置にある蓋部材3は、一方の短辺側枠構成部12の短辺側収容部27から他方の短辺側枠構成部12の短辺側収容部27にかけて延在し、蓋部材3の下面の両側部が短辺側収容部27に支持されるように構成することが望ましい。さらには、蓋部材3の回動軸から先端縁までの距離は、蓋部材3が閉位置とされた場合に短辺側収容部27に収容されることとなる蓋部材3の両端部において最も大きく構成されていることが望ましい。この場合、一対の蓋部材3が閉位置とされた状態において、下側の蓋部材3の下面の両側部がそれぞれ短辺側収容部27によって支持され、上側の蓋部材3については、先端縁の両端部を含む部位が、下側の蓋部材3のうち、短辺側収容部27によって安定して支持されている両側部において支持されることから、閉位置にある上下一対の蓋部材3を安定して支持することができる。
また、図17〜図19に示す蓋付き容器1の蓋部材3は、切欠き部71の両側部に隣接して第1係合部51が設けられるように構成されている。この場合、例えば、閉位置にある上側の蓋部材3に対して上方から力が加えられた場合に、当該上側の蓋部材3の第1係合部51が、下側の蓋部材3の第1被係合部52との係合を強める方向に相対変位することとなる。従って、蓋付き容器1を段積みした場合等において、蓋部材3同士の係合をより強固にすることができ、蓋部材3の変形等をより確実に防止することができる。
(d)上記実施形態において、指掛凸部65、及び、露出用凹部64を省略することも可能である。この場合、短辺側保護部31によって蓋部材3の側辺部の全域を覆うことができ、閉位置にある蓋部材3の不用意な浮き上がりを防止し、蓋部材3の側辺部の保護を図るといった作用効果がより確実に奏される。この場合、上記(c)の切欠き部71(図17〜図19参照)を設けたり、蓋部材3の上面側において、指先で摘まんで蓋部材3を持ち上げることのできるような摘まみ部を設けたりすることで、閉位置にある上側の蓋部材3を開位置側に変位させ難くなるといった不具合を解消することができる。
また、上記実施形態では、短辺側保護部31は、基本的に、短辺側枠構成部12の全域に設けられているが、蓋部材3の側辺部のうち少なくとも蓋部材3の先端縁側の端部を含む部位を覆うように構成されていればよい。但し、短辺側保護部31を極力広範囲に設けることにより、蓋部材3の側辺部への不用意な接触を抑制することができるとともに、閉位置とされた一対の蓋部材3(特に、上側の蓋部材3)と、上枠7との間に隙間が形成されるといった事態を抑制することができ、埃等の侵入を防止する等の作用効果が奏される。
例えば、上記実施形態のように、閉位置とされた一対の蓋部材3のうち、各蓋部材3の回動軸からの遠心方向における先端縁側同士が上下に重なるように構成されている場合、閉位置とされた蓋部材3の側辺部のうち、少なくとも一対の蓋部材3同士が重なる範囲を含む部位(蓋部材3の先端縁側の端部を含む)と対向して当接又は近接するように短辺側保護部31を設けることとしてもよい。
この場合、閉位置とされた一対の蓋部材3のうち下側の蓋部材3よりも比較的開き易い上側に位置する蓋部材3が、開位置側に変位したりするといった事態を抑制することができる。特に、蓋部材3の側辺部のなかでも、引っ掛けた場合に上側に位置する蓋部材3が比較的持ち上がり易く、さらには、比較的変形や損傷し易い部位でもある上側に位置する蓋部材3の先端縁側の部位に対応して短辺側保護部31が設けられていることから、蓋部材3に対して別の部材が引っ掛かり難くし、蓋部材3の浮き上がりや先端縁側の損傷を抑制するといった作用効果がより確実かつ効果的に奏される。
(e)上記実施形態では、容器本体2が折畳み可能な構成となっているが、例えば、底壁構成部と、底壁構成部の各側辺部から上方に延びる側壁部とを備えて、これらが一体的に形成される折畳み不可能な容器本体2を採用することも可能である。当該構成を採用する場合、側壁部(長辺側側壁部、及び、短辺側側壁部)によって、側壁構成部(第1側壁構成部、及び、第2側壁構成部)が構成される。さらに、上記実施形態では、蓋付き容器1同士を段積みすることができるように構成されているが、段積みすることのできない蓋付き容器1に適用することも可能である。
また、上記実施形態では、蓋部材3が長辺側枠構成部11に取付けられているが、短辺側枠構成部12に取付けられるように構成してもよい。さらに、上記実施形態では、蓋部材3が長辺側枠構成部11の上辺部に対応して取付けられているが、長辺側枠構成部11(第1側壁構成部)の上辺部よりも下方位置に対応して蓋部材3が取付けられるように構成してもよい。加えて、上記実施形態では、一対の蓋部材3は同形状のものであったが、異なる形状のものを組合わせてもよく、例えば、遠心方向における幅が異なる一対の蓋部材3を備える蓋付き容器に適用することも可能である。
さらに、上枠7(に設けられた本体側軸支部)に対して回動可能に連結される本体側軸着部と、蓋部材3(に設けられた蓋側軸支部)に対して回動可能に連結される蓋側軸着部とを具備するヒンジパーツを介して、蓋部材3が容器本体2に連結され、蓋部材3が容器本体2に対して2つの中心軸線においてそれぞれ回転可能に構成された蓋付き容器に適用することも可能である。
(f)上記実施形態では、閉位置とされた一対の蓋部材3のうち下側の蓋部材3が先端縁側に向けて下方傾斜する姿勢とされているが、閉位置とされた一対の蓋部材3の両側部がそれぞれ短辺側収容部27に収容される(上枠7(短辺側保護部31等)よりも上方に突出しない)ように構成されていれば、下側の蓋部材3が略水平方向に延びるように構成してもよい。但し、下側の蓋部材3が先端縁側に向けて下方傾斜することで、上側の蓋部材3の上方への突出量を抑制することができ、当該上側の蓋部材3の側辺部を短辺側収容部27に収容させるべく、短辺側保護部31の突出長を長くする(ひいては、短辺側保護部31の先端側が変形・損傷等し易くなる)といった事態を回避することができる。また、上側の蓋部材3は、略水平方向に延びることが望ましく、例えば、上側の蓋部材3が先端縁側に向けて下方傾斜するような構成に比べ、閉状態にある蓋付き容器1の容積が低減してしまう等といった事態を回避することができる。さらに、上側の蓋部材3が先端縁側に向けて上方傾斜するような構成に比べ、短辺側保護部31の突出長の増大や、閉位置にある上側の蓋部材3のばたつきを抑制しつつ、閉位置にある蓋部材3の側辺部と、短辺側保護部31とを極力広範囲で対向させ、短辺側保護部31のうち閉位置にある蓋部材3よりも上方に突出する部位を低減させることができ、閉位置にある蓋部材3によって短辺側保護部31の保護を図ることができる。
また、上記実施形態では、閉位置にある一対の蓋部材3の先端縁側の部位同士が上下に重なるように構成されているが、一対の蓋部材3が上下に重ならない(例えば、閉位置とされた一対の蓋部材が同じ高さ位置で略水平に延びる)蓋付き容器1に適用することも可能である。
(g)容器本体2、及び、蓋部材3はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。