JP2017216053A - 蓄電素子 - Google Patents

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紀仁 藤ノ木
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暁彦 相良
晴比古 土生田
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晴比古 土生田
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Abstract

【課題】2以上の単電池が電気的に直列にスタックされた構成を有する積層型の蓄電素子であって、充電状態での性能保持特性に優れる蓄電素子を提供する。
【解決手段】本開示の蓄電素子は、負極層と正極層とを含む積層体である単電池8を2以上備える。蓄電素子が備える2以上の単電池のうち少なくとも2つの単電池8が電気的に直列にスタックされており、当該スタックされた単電池8,9,10の間に、厚さ方向のイオンバリア性および導電性を有する導電性イオンバリア層7が配置されている。
【選択図】図1

Description

本開示は、蓄電素子に関し、特に、固体薄膜により構成される蓄電素子に関する。
近年、パソコンおよび携帯電話といった情報機器および通信機器の普及に伴い、これらの電子機器の電源となる蓄電素子の開発が重要視されている。また、車両分野においても、例えば電気自動車またはハイブリッド自動車の電源の開発が進められている。従来、これらの電源として、エネルギー密度が高く、高出力かつ高容量を達成できるリチウムイオン電池が広く普及している。現在普及しているリチウムイオン電池では、可燃性の有機溶媒を含む電解液が電解質として使用される。このため、その使用に際して、短絡時の電池の温度上昇を抑える安全装置が電池本体以外に必要とされたり、短絡防止のための構造および材料の面からのさらなる改良が要求されている。
これに対して、固体電解質材料から構成される層(固体電解質層)を電解質に用いることにより全固体化を達成した全固体型リチウムイオン電池の開発が進められている。全固体型リチウムイオン電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を含まないことから、液漏れおよび発火の危険性が少なく、例えば、使用に際して電池に付属させる安全装置の簡略化を図ることができる。また、製造コストが低く、安全性および信頼性が高い。全固体リチウムイオン電池は、例えば、電極活物質を含む電極層と、固体電解質層とを積層し、焼成して製造できる(特許文献1を参照)。
全固体型電池の別の一形態として、特許文献2には、絶縁性物質と金属酸化物半導体の微粒子とから構成される充電層、およびp形半導体層(または対向酸化物層)が一対の電極により挟持された構成を有する二次電池が開示されている。特許文献2の全固体型電池は、塗布製膜により充電層を形成できることから、大型化が比較的容易である点、および製造コストが低い点で優れている。
2以上の全固体型電池の単電池、すなわち単電池を構成する積層膜、を電気的に直列にスタックする(積み重ねる)ことにより、例えば、単電池に比べて高い電圧を供給できる。また、例えば、一つの基板上にこのようなスタック(積み重ね)を構築することで、基板の単位面積あたりの電池のエネルギー容量を高めることができ、この結果、電池の重量あたりのエネルギー容量密度、および/または体積あたりのエネルギー密度を高めることができる。特許文献3には、2以上の全固体型リチウムイオン単電池が単独の基板上に電気的に直列にスタックされた構造が開示されている(図8を参照)。図8に示すように、特許文献3の電池では、正極活物質101、固体電解質102、および負極活物質103からなる単一のセル110が基板104およびその上の電極膜105上にスタックされるとともに、セル110と同一の構成を有する別の単一のセル120がセル110上にスタックされている。セル110,120は、双方のセルの間に配置された共通電極膜106により、電気的に直列に接続されている。最上層の単電池であるセル120上には電極膜107が形成されている。電極膜105には正極端子108が、電極膜107には負極端子109がそれぞれ設けられている。
特開2007‐5279号公報 国際公開第2012/046325号 特開2002‐42863号公報
本開示は、2以上の単電池が電気的に直列にスタックされた構成を有する積層型(スタック型)の蓄電素子であって、充電状態での性能保持特性に優れる蓄電素子を提供する。
本開示の蓄電素子は、負極層と正極層とを含む積層体である単電池を2以上備える。前記2以上の単電池のうち少なくとも2つの単電池が電気的に直列にスタックされており、前記スタックされた単電池の間に、厚さ方向のイオンバリア性および導電性を有する導電性イオンバリア層が配置されている。
本開示の蓄電素子は、積層型の蓄電素子であって、充電状態での性能保持特性に優れる。
図1は、本開示の実施形態1の蓄電素子を模式的に示す断面図である。 図2は、本開示の実施形態1の蓄電素子を製造する工程の一例を示す図である。 図3は、本開示の実施形態2の蓄電素子を模式的に示す図である。 図4は、本開示の実施形態2の蓄電素子を製造する工程の一例を示す図である。 図5は、本開示の実施形態3の蓄電素子を模式的に示す図である。 図6は、本開示の実施形態3の蓄電素子を製造する工程の一例を示す図である。 図7Aは、図5に示す蓄電素子を製造する工程の一例を模式的に示す断面図である。 図7Bは、図5に示す蓄電素子を製造する、図7Aに示す工程に続く工程の一例を模式的に示す断面図である。 図7Cは、図5に示す蓄電素子を製造する、図7Bに示す工程に続く工程の一例を模式的に示す断面図である。 図7Dは、図5に示す蓄電素子を製造する、図7Cに示す工程に続く工程の一例を模式的に示す断面図である。 図8は、単電池がスタックされた従来の蓄電素子の一例を模式的に示す断面図である。
本明細書における「蓄電素子」は、充電により電荷を蓄積でき、放電により蓄積された電荷を放出できる素子を意味し、その充放電特性(例えば、充放電時間に対する素子の正負極層間の電圧の変化の特性)は問わない。より具体的に、蓄電素子は、二次電池およびキャパシタ、ならびにこれらの中間的な充放電特性を示す素子を含む。
(本開示の一態様に到った経緯)
2以上の単電池が電気的に直列にスタックされた構成を有する従来の積層型の蓄電素子において、充電状態で保持した場合に、例えば素子の起電力および/または容量が低下する現象がしばしば見られた。本発明者らが検討した結果、このような充電状態における素子の性能保持特性の低下は、単電池間に配置された電極層の厚さが小さい場合に発生しやすいこと、および特性低下が発生する理由は明確ではないが、単電池間でのイオンの拡散、より具体的に単電池の伝導イオン種の拡散が影響していることが判明した。
積層型の蓄電素子における隣り合う単電池を隔てる電極層に着目すると、当該電極層を挟んで一方の単電池の負極層と他方の単電池の正極層とが隣接している。充電時の正極層では活物質が酸化され、負極層では活物質が還元される。これと同時に、単電池内において、正電荷を有する伝導イオン(例えばリチウムイオン、プロトン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオンなど)が正極層から負極層へと移動し、伝導イオン自体が酸化還元されてその電荷量が変化したり、酸化還元により電荷量が変化する活物質の周囲のイオン濃度を増減して電荷中性を維持したりする役割を担う。このため充電状態では、単電池内における負極層と正極層との間の伝導イオンの活量(濃度)は大きく異なる。ここで、単電池の負極層と正極層との間には伝導イオンを容易に拡散させる電解質層が配置されているが、充電状態では両電極層の間に電位差があるため、外部への放電あるいは素子内部の放電(自己放電)がない限り両電極層における伝導イオン濃度は維持される。これに対して、電気的に直列に接続された隣り合う単電池における一方の単電池の負極層と他方の単電池の正極層との間には電位差が存在しないため、充電状態における両電極層の伝導イオン濃度の差は、これらを隔てる電極層の内部に伝導イオンが拡散する駆動力として働く。この結果、特に単電池間に配置された電極層が薄い場合に、一方の単電池の負極層から他方の単電池の正極層に向けて伝導イオン種が拡散することで正極層の活物質の還元および負極層の活物質の酸化が引き起こされ、両電極層が放電時の状態に近づく結果となる。スタックされた単電池群の最も外側に位置する負極層および正極層は上記拡散の影響を受けないが、その他の負極層および正極層が放電状態に近づくと、不均質な自己放電が発生することにより蓄電素子全体としての起電力が低下する。また、素子の放電時に、拡散の影響を受けなかった負極層および正極層が放電状態となる前の段階で、拡散の影響を受けた負極層および正極層が過放電状態となるため、素子全体としての容量(放電容量)が低下する。さらに、単電池間の充放電状態が不均一となることから、通常の終了電圧による素子の充放電管理を実施したとしても部分的に過充電または過放電の領域が素子内部に発生し、ガス発生を伴うこともある副反応の進行によって素子の劣化が生じうる。素子の劣化は、充放電サイクルの繰り返しにより進行する。
単電池間の伝導イオン種の拡散は、単電池間に配置された電極層の厚さを十分に大きくすることで緩和される可能性がある。しかし、電極層の厚さを過剰に大きくすることは、蓄電素子の重量および体積の増加を抑制し、素子としてのエネルギー容量密度の低下を抑制するために、避けることが望まれる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、電気的に直列にスタックされた単電池の間に、厚さ方向のイオンバリア性および導電性を有する導電性イオンバリア層を配置することにより、これらの課題を解決できることを見出した。本開示の蓄電素子は、2以上の単電池が電気的に直列にスタックされた構成を有する積層型の蓄電素子であって、充電状態での高い性能保持性、例えば、起電力保持特性および/または容量保持特性、を有している。このため本開示の蓄電素子は、例えば、エネルギー容量密度および/またはエネルギー利用効率が高く、起電力の高い電源として利用できる。より具体的に本開示の蓄電素子は、例えば充電状態で長期間保管した場合においても、起電力、ならびにエネルギー容量密度および/またはエネルギー利用効率の低下が抑制された電源として利用できる。
(開示の態様)
本開示の第1態様の蓄電素子は、負極層と正極層とを含む積層体である単電池を2以上備え、前記2以上の単電池のうち少なくとも2つの単電池が、電気的に直列にスタックされており、前記スタックされた単電池の間に、厚さ方向のイオンバリア性および導電性を有する導電性イオンバリア層が配置されている蓄電素子である。
第1態様によれば、上記素子構造を有していることにより、隣接する2つの単電池の間における伝導イオン種の拡散を抑制できるため、充電状態での素子の性能保持特性を向上できる。このため、例えば、従来の積層型蓄電素子に比べて、充電状態で保管する際の電圧低下を抑制できる。また例えば、素子内部の充放電状態をより均一にできるため、通常の放電終了電圧による放電管理に従った場合にも素子内部での部分的な過放電を抑制でき、充放電サイクルの繰り返しによる素子の性能劣化を抑制できる。
本開示の第2態様では、第1態様の蓄電素子において、充放電時に単電池の前記負極層と前記正極層との間でプロトンが移動する。この蓄電素子では、伝導イオン種がプロトンである。
本開示の第3態様では、第1態様の蓄電素子において、充放電時に単電池の前記負極層と前記正極層との間でリチウムイオンが移動する。この蓄電素子では、伝導イオン種がリチウムイオンである。
本開示の第4態様では、第1から第3のいずれかの態様の蓄電素子において、前記導電性イオンバリア層が、Ti−Al−N、Ti−N、Ta−N、Ta−Al−N、およびTa−Si−Nから選ばれる少なくとも1種を含む。
第4態様によれば、特定の材料を含む前記導電性イオンバリア層により、スタックされた単電池間の伝導イオン種の拡散をより抑制できる。これにより、例えば、導電性イオンバリア層の厚さを小さくしたり、蓄電素子としての充電状態での性能保持特性をより向上できる。
本開示の第5態様では、第1から第4のいずれかの態様の蓄電素子において、前記導電性イオンバリア層が5nm以上500nm以下の厚さを有する。
第5態様によれば、例えば、スタックされた単電池間の伝導イオン種の拡散を抑制しながら、前記導電性イオンバリア層の導入に伴う素子全体の体積および重量の増加を抑制できる。すなわち、体積あたりのエネルギー容量密度および重量あたりのエネルギー容量密度の低下を抑制しながら、蓄電素子としての充電状態での性能保持特性を向上できる。
本開示の第6態様では、第1から第5のいずれかの態様の蓄電素子が、前記導電性イオンバリア層の端部と、当該導電性イオンバリア層を挟持する、前記スタックされた一方の前記単電池の前記負極層の端部および他方の前記単電池の前記正極層の端部と、をともに覆う、イオンバリア性および絶縁性を有する絶縁性イオンバリア部をさらに備える。
第6態様によれば、前記絶縁性イオンバリア部によって、前記単電池の端部における、隣接する2つの単電池の間の伝導イオン種の拡散をさらに抑制でき、例えば、充電状態での素子の性能保持特性をさらに向上できる。この効果は、形成サイズ(面積)が小さい単電池がスタックされた蓄電素子において、より顕著となる。このような素子では、単電池の端部の特性が素子全体の特性に及ぼす影響が大きくなるためである。
本開示の第7態様では、第6態様の蓄電素子において、前記絶縁性イオンバリア部が、Si−N、Si−O−N、Al−O、およびAl−O−Nから選ばれる少なくとも1種を含む。Si−Nは窒化シリコン、Si−O−Nは酸化窒化シリコン、Al−Oは酸化アルミニウム、Al−O−Nは酸化窒化アルミニウムである。
第7態様によれば、特定の材料を含む前記絶縁性イオンバリア部により、単電池の周縁領域における隣接する単電池間の伝導イオン種の拡散をより抑制できる。これにより、例えば、蓄電素子としての充電状態での性能保持特性をより向上できる。
本開示の第8態様では、第6または第7の態様の蓄電素子において、前記絶縁性イオンバリア部が、前記単電池の端部において当該単電池を構成する層の間に層状に進入した層状部を含み、前記絶縁性イオンバリア部の前記層状部の厚さが7nm以上800nm以下である。
第8態様によれば、例えば、単電池の周縁領域における隣接する単電池間の伝導イオン種の拡散をより確実に抑制しながら、前記絶縁性イオンバリア部の配置によって形成される当該周縁領域における段差の程度を抑制できる。段差の程度が抑制されると、例えば、多層の積層膜を形成する場合にも、周縁領域における膜質変化といった素子製造プロセス上の影響を抑制できる。
本開示の第9態様では、第1から第8のいずれかの態様の蓄電素子が、前記導電性イオンバリア層と、当該導電性イオンバリア層を挟持する、前記スタックされた一方の前記単電池の前記負極層および/または他方の前記単電池の前記正極層との間に、前記導電性イオンバリア層よりも比抵抗が小さい導電層をさらに備える。
第9態様によれば、例えば、前記導電層の配置によって、前記電極層と前記導電性イオンバリア層との接触領域における面方向の抵抗成分が低減され、前記電極層の電位をより均一に保つことができる。これにより、単電池の内部における電流密度がより均一となり、面方向の充電深度がより一定となるため、部分的な過充電および/または過放電を抑制できる。また例えば、前記導電層の配置によって、前記導電性イオンバリア層と、これに隣接する前記正極層(および/または前記負極層)との間の接触抵抗が低減され、蓄電素子の内部抵抗を低く抑制できる。蓄電素子の内部抵抗の抑制により、例えば、放電時の起電力低下および充電時の電圧上昇が抑制され、急速充放電特性が良好でパワー密度の良好な蓄電素子を構築できる。
本開示の第10態様では、第1から第9のいずれかの態様の蓄電素子において、前記単電池が、前記負極層と前記正極層との間に配置された固体電解質層をさらに含む。
第10態様によれば、例えば、全固体型蓄電素子を構築できる。また例えば、固体電解質層によって、充電状態における前記単電池内の前記負極層と前記正極層との間の電子の流れ(電子リーク)を抑制でき、電子リークに起因する自己放電を抑制できる。
本開示の第11態様では、第2および第4から第10のいずれかの態様の蓄電素子において、前記負極層が絶縁体と半導体との混合体から構成され、前記正極層が金属酸化物から構成される。
第11態様によれば、例えば、単純な構成を有しながら不燃性であって液漏れなどのおそれがない、安全な全固体の蓄電素子を構築できる。
以下、本開示の蓄電素子の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本開示の蓄電素子は、以下に具体的に示す実施形態に限定されない。
(実施形態1)
<蓄電素子の構成>
図1は、実施形態1の蓄電素子の構成を模式的に示す断面図である。図1に示される蓄電素子51は、負極層(または正極層)である第1の電極層3と、正極層(または負極層)である第2の電極層5とを含む積層体(単電池あるいは単電池積層膜)を2以上備えている。より具体的に蓄電素子51は、第1の単電池8、第2の単電池9および第nの単電池10(nは3以上の自然数)のn個の単電池を備える。
第1の電極層3が負極層として機能する場合、第2の電極層5は正極層として機能する。第1の電極層3が正極層として機能する場合、第2の電極層5は負極層として機能する。
単電池8,9,10は、それぞれ、第1の電極層3および第2の電極層5以外に、第1の導電層2、電解質層4および第2の導電層6をさらに備える。電解質層4は、第1の電極層3と第2の電極層5との間に配置されている。第1および第2の導電層2,6は、それぞれ、単電池の一方の最外層および他方の最外層として、第1の電極層3および第2の電極層5と接して配置されている。本開示の蓄電素子では、当該素子を構成する各層の間に、必要に応じてさらなる中間層を配置しうる。
n個の単電池8,9,10は、電気的に直列にスタックされている。より具体的に、単電池8,9,10は、隣り合う単電池が電気的に直列接続された状態でスタックされている。すなわち、各単電池は、同一方向に起電力を生じる向きにスタックされており、隣り合う一対の単電池のうち、一方の単電池の負極層と他方の単電池の正極層とが電気的に接続されている。図1では、素子1の上下方向に単電池がスタックされている。n=3のとき、単電池9および10は隣り合う関係にあり、互いに接している。n≧4のとき、単電池9と単電池10との間には、(n−3)個の単電池が配置される。単電池8,9,10およびそのスタック体は、基板1上に設けられている。
このようにスタックされた単電池の間に、導電性イオンバリア層7が配置されている。導電性イオンバリア層7は、隣り合う単電池の各最外層と接している。より具体的に、単電池8,9の間に配置された導電性イオンバリア層7は、一方の単電池8の第2の導電層6および他方の単電池9の第1の導電層2の間に、これら導電層2,6と接して配置されている。また、導電性イオンバリア層7は、隣り合う単電池の各電極層と電気的に接続されている。より具体的に、単電池8,9の間に配置された導電性イオンバリア層7は、一方の単電池8の第2の電極層5および他方の単電池9の第1の電極層3と電気的に接続されている。導電性イオンバリア層7は、隣り合う単電池間の電子の流れ(電流)を確保する。
単電池のスタック数が2の場合、蓄電素子には1の導電性イオンバリア層7が配置される。単電池のスタック数nが3以上の場合、蓄電素子にはn−1の導電性イオンバリア層7が配置されうる。
図1にはスタック数nが3以上の場合が示されているが、nが2の場合の蓄電素子の構造も図1に準ずる。
本開示の蓄電素子が備えうる基板1は、絶縁性であっても導電性であってもよい。絶縁性の基板1は、例えば、絶縁性材料から構成される。導電性の基板1は、例えば、導電性材料から構成される。基板1は、絶縁性材料および導電性材料の複合体である絶縁性または導電性の基板であってもよいし、導電の方向(電子伝導の方向)に異方性を有する基板であってもよい。基板1が絶縁性である場合、基板1の表側(単電池群がスタックされている表面)に下部電極端子を設けてもよい。基板1が導電性である場合、基板1の表側ではなく、または基板1の表側に加えて、基板1の裏側(上記表面とは反対側の表面)および/または側面に下部電極端子を設けてもよい。基板1は、その上に無機物の層、より具体的には単電池の各積層膜を形成する際に、それ自体の材質および/または特性が変化しないことが好ましい。基板1を構成する材料の例は、ガラス、プラスチック、シリコンおよび金属である。基板1の形状の例は、シート、フィルムおよび箔、ならびにこれらの積層体である。より具体的な基板1の例は、ガラス基板、高分子フィルム、シリコン基板、金属板および金属箔である。基板1として市販の基板を使用してもよいし、公知の方法により製造した基板1を使用してもよい。
電極層は、導電性を有するだけではなく、単電池が機能する物質、例えば単電池としての電気化学反応に寄与する活物質を含む層である。
単電池は、充放電時に第1の電極層3と第2の電極層5との間でプロトンが移動する、すなわち、伝導イオン種がプロトンである単電池でありうる。
伝導イオン種がプロトンである場合、単電池の負極層を構成する材料の例は、絶縁体と半導体との混合体である。半導体は、例えば酸化物半導体であり、その具体的な例はTiO2、SnO2、Nb25およびWO2である。絶縁体は、例えば酸化物絶縁体であり、その具体的な例はSiO2およびAl23である。
伝導イオン種がプロトンである場合、単電池の正極層を構成する材料の例は、還元剤として電子を与える際の標準電極電位が水素標準電極電位に対して−0.1V以上である酸化物および水酸化物である。より具体的な例は、酸化ニッケル(II)(NiO)、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)および銅アルミ酸化物(CuAlO2)、ならびにこれらを主体とする材料である。同様に、酸化剤として電子を受け取る際の標準電極電位が水素標準電極電位に対して−0.1V以上である材料を使用することもできる。当該材料は、例えば、酸化ニッケル(III)(Ni23)およびオキソ水酸化ニッケル(NiOOH)、ならびにこれらを主体とする材料である。
伝導イオン種がプロトンである場合、電解質層4は、例えば酸化物絶縁体から構成される。酸化物絶縁体の具体的な例は、SiO2およびAl23である。なお、このような電解質層4は、固体電解質材料から構成される層、すなわち固体電解質層である。
プロトンが伝導イオン種である単電池では、単電池を構成する少なくとも一部の膜、特に第1および第2の電極層3,5ならびに電解質層4から選ばれる少なくとも1つの膜に、伝導イオン種であるプロトンが含まれている。これらの膜におけるプロトンの含有形態は限定されず、例えば結晶水、膜を構成する粒子の界面に吸着した水分子、水酸化物イオン、ヒドロキシル基の形態である。プロトンの由来は、膜の原料でありうるし、膜、単電池および/または蓄電素子の製造工程における添加でありうる。
単電池は、充放電時に第1の電極層3と第2の電極層5との間でリチウムイオンが移動する、すなわち、伝導イオン種がリチウムイオンである単電池でありうる。
伝導イオン種がリチウムイオンである場合、単電池の負極層を構成する材料の例は、、Li金属;LiSn、LiSi、LiGeといったLiを含む合金および化合物;である。負極層を構成する材料として、Liを含む酸化物、例えばLiTiO、LiSnOおよびLiSiO、ならびにこれらを含む酸化物材料を用いることもできる。
伝導イオン種がリチウムイオンである場合、単電池の正極層を構成する材料の例は、Liを含む酸化物、例えばLiCoO、LiMnO、LiNiOおよびLiFeO、ならびにこれらを1種または2種以上含む酸化物材料である。正極層を構成する材料として、LiFePO、LiNiPO、LiMnPOおよびLiNiCoAlOなどの酸化物、ならびにこれらにリン、窒素、ボロン、アルミニウム、シリコンなどをさらに含む複合材料を用いることもできる。
伝導イオン種がリチウムイオンである場合、電解質層4を構成する材料の例は、LiPON、LiSiPO、LiLaTiO、LiLaZrOおよびLiAlTiPO、ならびにこれらを1種または2種以上含む酸化物材料である。なお、このような材料から構成される電解質層4は、固体電解質層である。
上述した、電極層および電解質層を構成する化合物における各元素の構成比は、あくまでも、当該化合物においてとりうる構成比の代表的な一例である。また、現実の構成比は必ずしも一定ではなく、例えば単電池および蓄電素子の充放電状態によって変化する。
負極層および正極層の厚さは、例えば500nm以上5000nm以下であり、負極層と正極層とで同一であっても、異なっていてもよい。電解質層4の厚さは、例えば100nm以上1000nm以下である。
単電池の各積層膜の構成において電解質層4は必須ではなく、単電池が動作する限り電解質層4を省略できる。例えば、負極層を構成する材料としてNbOxおよびSiO2の混合物を選択し、正極層を構成する材料としてNiOを選択した場合、電解質層4なしに単電池が充放電動作する。これは、正極層と負極層との界面、当該界面の近傍の正極層領域、および当該界面の近傍の負極層領域から選ばれる少なくとも1つが、界面反応によって電子伝導性が低い状態(電子的に高抵抗の状態)となることで、実質的にイオン伝導のみが許容される領域が形成されることに基づく。この領域は、実質的な電解質層と捉えることもできる。
導電性イオンバリア層7は、その厚さ方向にイオンバリア性および導電性を有する層である。イオンバリア性とはイオンの移動を阻害する特性である。導電性イオンバリア層7は、少なくとも負極層および正極層のいずれよりもイオン伝導性が低い。また、単電池が電解質層を備える場合、導電性イオンバリア層7は電解質層よりもイオン伝導性が低い。導電性イオンバリア層7とは別に導電層を設ける場合、導電性イオンバリア層7は導電層よりもイオン伝導性が低い。導電性イオンバリア層7は、例えば、イオンバリア性を有する導電性材料から構成される。
導電性イオンバリア層7を構成する材料の例、およびとりうる厚さについては上述のとおりである。
導電性イオンバリア層7が単電池の正極層および/または負極層と直接接する場合、例えば図1の蓄電素子51において第1の導電層2および/または第2の導電層6が省略されている場合、導電性イオンバリア層7は、その構成によっては、直接接する電極層の集電体および/または電極としても機能しうる。この場合、導電性イオンバリア層7は、例えば、接する負極層および/または正極層との間で電子を授受して当該負極層および/または正極層の電位をより均一に、とりわけ面方向に均一に保ち、またその電位を、これら電極層と電気的に接続された導電体などの電位とより一致させる機能を有する。導電性イオンバリア層7の双方の表面(主面)が、当該導電性イオンバリア層7を挟持する単電池の正極層および負極層と直接接する場合、当該導電性イオンバリア層7は双方の電極層の集電体層および電極として共有され、両者の電位をより同一に保持する機能を有しうる。
本開示の蓄電素子は、導電性イオンバリア層7と、導電性イオンバリア層7を挟持するとともに当該層7と電気的に接続された負極層および/または正極層との間に、導電性イオンバリア層7よりも比抵抗が小さい導電体層をさらに備えうる。図1に示す蓄電素子51は、導電体層として第1および第2の導電層2,6を備えている。
第1および第2の導電層2,6を構成する材料の例は、比抵抗が導電性イオンバリア層7の比抵抗よりも小さい材料であり、より具体的な例は金属である。この金属は、例えば、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、金(Au)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、鉄(Fe)、およびモリブデン(Mo)から選ばれる少なくとも1種の金属、ならびにこれらを組み合わせた合金である。
第1および第2の導電層2,6は、導電性イオンバリア層7の比抵抗よりも小さい比抵抗を有する層である限り、透明な層でありうる。透明な導電層2,6は、例えば、インジウム−スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、Al含有ZnOなどから構成される透明導電膜である。透明導電膜を構成する材料は、これらの材料に限定されない。
蓄電素子51として望む性能が得られる限り、2以上の層の積層体である導電層2,6でありうる。積層体は、例えば、金属導電膜および/または透明導電膜の積層体である。
蓄電素子51を構成する要素は、好ましくは固体材料から構成される。蓄電素子の構成要素は、例えば図1に示される、第1の導電層2、第2の導電層6、第1の電極層3、電解質層4、第2の電極層5および導電性イオンバリア層7である。蓄電素子が、これらの要素に加えてさらに別の構成要素を含む場合、当該別の構成要素も好ましくは固体材料から構成される。この場合、単電池は全固体型単電池であり、蓄電素子51は、全固体型蓄電素子である。また、この場合、液漏れによる周辺機器の損傷および/または周囲環境の汚染が引き起こされるおそれがなく、蓄電素子の安全性が向上する。本明細書における固体材料とは、固体の金属および金属酸化物、ゲル化または固形化した高分子材料など、蓄電素子の作動温度領域において液体のような流動性を持つことなく固形物として扱える材料を意味する。
以下、蓄電素子51の充放電動作について説明する。以下の説明では、蓄電素子51の一例として、第1の電極層3が負極層として機能し、第2の電極層5が正極層として機能する。
蓄電素子51の最下部(基板1側)に位置する第1の単電池8の第1の導電層2を電気的に接地し、最上部に位置する第nの単電池10の第2の導電層6に外部電源から正の電圧を印加すると、外部電源から第nの単電池10の第2の導電層6に向かって充電電流が流れ、直列接続された全ての単電池の内部にエネルギーが蓄えられる。これにより、単電池および蓄電素子51は充電状態となり、この状態は、外部電源からの上記電圧の印加を解除しても維持される。一方、負荷を第1の単電池8の第1の導電層2および第nの単電池10の第2の導電層6に接続すると、単電池10の第2の導電層6から負荷を経由して単電池8の第1の導電層2に向かって放電電流が流れ、単電池の内部に蓄積されたエネルギーが放出される。この状態が単電池および蓄電素子からのエネルギーの出力状態であり、放電状態である。これらの現象は繰り返し実施でき、すなわち蓄電素子51は充放電素子として機能する。
<蓄電素子の製造方法>
図2を参照して、図1に示される蓄電素子51の製造方法の一例を説明する。図2は、蓄電素子51の製造工程の一例を説明する工程図である。
[工程A−1]
初回の製膜(第1の単電池8の作製)において、基板1上に第1の導電層2を形成する。基板1が導電性であって第1の導電層2を兼ねうる場合、初回の第1の導電層2の形成を省略できる。また、2回目以降の製膜(第2の単電池9および第nの単電池10の作製)において、導電性イオンバリア層7が集電体および/または電極を兼ねうる場合、2回目以降の任意の回における第1の導電層2の形成を省略できる。次に、第1の電極層3を形成する。次に、第1の電極層3上に電解質層4を形成する。第1の電極層3および第2の電極層5の構成によっては電解質層4の形成を省略しうることは、上述のとおりである。
[工程C−1]
第1の電極層3または電解質層4上に第2の電極層5を形成する。次に、第2の電極層5上に第2の導電層6を形成する。導電性イオンバリア層7が集電体および/または電極を兼ねうる場合、第2の導電層6の形成を省略できる。
[工程D]
第2の電極層5または第2の導電層6上に導電性イオンバリア層7を形成する。
その後、[工程A−1]、[工程C−1]および[工程D]を、得たい蓄電素子における単電池のスタック数nに対してn−2回繰り返し、さらに[工程A−1]および[工程C−1]を実施する。以上の工程によって、スタックされたn個の単電池を備える蓄電素子51を作製できる。必要に応じて、さらに[工程D]を実施したり、蓄電素子の最上部への電極層の形成を実施したり、単電池および/または蓄電素子の周縁部および/または最上部への保護層の形成を実施したりしてもよい。これらにより、例えば、外部雰囲気の影響による蓄電素子の性能低下をより抑制できる。
本開示の蓄電素子の製造方法は、工程D、すなわち導電性イオンバリア層7を形成する工程を含むことが特徴的である。
各層の形成には、公知の薄膜形成手法を採用できる。薄膜形成手法は、例えば、化学堆積法および物理堆積法である。物理堆積法の具体的な例は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、パルスレーザをターゲットに照射して堆積を行うPLD法である。化学堆積法は、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDなどの化学気相蒸着法(CVD法);電界メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキなどの湿式メッキ法といった液相成膜法;ゾルゲル法;MOD法;スプレイ熱分解法;微粒子分散液を用いたドクターブレイド法、スピンコート法、インクジェット法、スクリーンプリンティング法などの印刷技術;である。好ましい方法は、スパッタリング法、真空蒸着法、PLD法、CVD法である。薄膜形成手法は、これらの例に限定されない。
(実施形態2)
実施形態2では、実施形態1の変形例を説明する。
<蓄電素子の構成>
図3に、実施形態2の蓄電素子の構成が模式的に示される。具体的に、図3の(b)に当該素子52の断面が模式的に示されている。一方、図3の(a)には、素子52をその上面(基板1とは反対側の面)から見たときの特定の層の形成領域が示されている。図3では、(a)に示された形成領域と、(b)に示された当該領域に対応する特定の層との間を、その対応関係を分かり易くするために破線により繋いでいる。(a)は、(b)に示された蓄電素子52の上面を現していない。
(b)から明らかであるように、蓄電素子52は、3つの単電池8が電気的に直列にスタックされた構造を有する。単電池8を含めて、単電池および蓄電素子を構成する各層の参照符号は、実施の形態1の蓄電素子51と同一である。また、好ましい例を含め、各層の具体的な構成は、実施の形態1に上述したとおりである。蓄電素子52は、実施の形態1の蓄電素子51と同様、スタックされた単電池8の間に、厚さ方向のイオンバリア性および導電性を有する導電性イオンバリア層7を備える。
素子52の具体的な一例は、以下のとおりである。基板1はステンレス基板である。電気的に直列にスタックされた3つの単電池8は、プロトンを伝導イオン種とする薄膜電池である。第1の導電層2はタングステン層である。第1の電極層3は、TiO2とSiO2との混合材料から構成される負極層である。電解質層4はSiO2層である。第2の電極層5はNiOOHから構成される正極層である。第2の導電層6はタングステン層である。導電性イオンバリア層7はAlTiN層である。この各層の具体的な構成および組み合わせは、実施形態1,3の蓄電素子にも適用できる。
以下、実施形態1の蓄電素子51との相違点を主として説明し、素子51と素子52との間で共通する部分の説明は省略する。
蓄電素子52では、単電池8において、基板1と接する面および導電性イオンバリア層7と接する面を除く全ての表面が絶縁性イオンバリア部21により覆われている。素子52のこの状態を別の側面から見ると、素子52は、導電性イオンバリア層7の端部と、導電性イオンバリア層7を挟持する一方の単電池の第1の電極層3(および第1の導電層2)の端部ならびに他方の単電池の第2の電極層5(および第2の導電層6)の端部とをともに覆う、絶縁性イオンバリア部21をさらに備えている。
これにより、単電池および素子52の端部において、互いに近接する正極層と負極層との間のイオン拡散経路をより確実に遮断できる。そして、例えば、充電状態における当該端部での局所的な活物質の酸化還元の進行を抑制できる。単電池を作製する際に、単電池を構成する各層の端部(周縁部)の構造が中央部の構造よりも乱れやすい傾向にあるし、また、単電池および素子の設計上、各層の端部の厚さを中央部よりも薄くすることがある。すなわち、導電性イオンバリア層7を配置した場合においても当該端部において伝導イオン種の拡散が生じやすい。さらに、そもそも、単電池積層膜を蓄電素子として使用するためには、その端部の処理、より具体的には当該端部への何らかの部材の配置が必要となる。当該部材として絶縁性イオンバリア部21を配置することによって、これらの事情に基づく伝導イオン種の拡散をより抑制できる。
絶縁性イオンバリア部21は、導電性イオンバリア層7の端部と、導電性イオンバリア層7を挟持する一方の単電池の第1の電極層3(および第1の導電層2)ならびに他方の単電池の第2の電極層5(および第2の導電層6)の端部とをともに覆えばよく、その形状は限定されない。
図3の素子52では、絶縁性イオンバリア部21が、単電池の端部において当該単電池を構成する層の間に層状に進入した層状部23を含む。素子52の層状部23は、電解質層4と第2の電極層5との間に挿入されている。これにより、電解質層4の端部表面を介する、当該電解質層4を挟持する第1の電極層3と第2の電極層5との間の漏洩電流を抑制できる。また同時に、絶縁性イオンバリア部21と導電性イオンバリア層7との接触領域が拡大し、両者の接合が確実なものとなる。すなわち、絶縁性イオンバリア部21と導電性イオンバリア層7との接合部の界面および隙間を介する、導電性イオンバリア層7の端部を迂回した伝導イオン種の拡散を抑制できる。
層状部23は、他の層間に挿入されていてもよい。絶縁性イオンバリア部21が層状部23を含む場合、層状部23の厚さは7nm以上800nm以下が好ましい。別の側面から見ると、素子52が備える単電池の端部において、電解質層4の端部と第2の電極層5の端部との間に絶縁性イオンバリア部21(23)が形成されている。この絶縁性イオンバリア部21(23)は電解質層4の全面を覆っておらず、素子52の中央部には絶縁性イオンバリア部21(23)が形成されていない領域、すなわち絶縁性イオンバリア部21(23)の開口部が形成されている。この結果、素子52の端部では、電解質層4と第2の電極層5とは隣接せず、両者は絶縁性イオンバリア部21によって隔てられている。一方、絶縁性イオンバリア部21の開口部において、電解質層4と第2の電極層5とは互いに接している。
図3の(a)に示されるように、蓄電素子52の導電性イオンバリア部7の形成領域31は、第2の電極層5の形成領域32の全体を覆っている。第2の電極層5の形成領域32は、絶縁性イオンバリア部21の開口部の領域33の全体を覆っている。絶縁性イオンバリア部21の形成領域30は、電解質層4の形成領域34の全体を覆っている。この構成により、単電池および素子52の端部において、近接する上下の電解質層4を迂回して生じるイオン拡散経路をより確実に遮断でき、充電状態にある素子52の端部における局所的な活物質の酸化還元反応の進行をさらに効果的に抑制できる。
図3に示す例では、電解質層4の形成領域34は導電性イオンバリア層7の形成領域31と同一の形状を有する。この場合、後述のように素子52の製造工程を簡素化でき、素子52の製造コストを低減できる。
図3に示す例では、絶縁性イオンバリア部21の形成領域30の形状が基板1の上面の形状と同一であるが、両者は必ずしも同一である必要はなく、基板1の上面の一部に絶縁性イオンバリア部21の形成領域30が設定されていてもよい。
絶縁性イオンバリア部21は、例えば、イオンバリア性を有する絶縁性材料により構成される。イオンバリア性を有する絶縁性材料は、例えば、Si−N(窒化シリコン)、Si−O−N(酸化窒化シリコン)、Al−O(酸化アルミニウム)、およびAl−O−N(酸化窒化アルミニウム)から選ばれる少なくとも1種である。
以上のように、実施形態2の蓄電素子52では、素子52の端部における局所的な伝導イオン種の拡散を抑制できるため、充電状態での性能保持特性をより向上できる。
図3に示す例では、素子52の最上部の単電池の上に、さらに導電性イオンバリア層7および導電層22が形成されている。導電層22は、素子52の最外層(基板1とは反対側の最外層)に位置する。この構成により、素子52の最上部の単電池から上部電極への伝導イオン種の拡散と、上部電極表面における外気との反応、すなわち上部電極を介した外気の影響とを抑制でき、素子の性能の変化および/または劣化をさらに抑制できる。
<蓄電素子の製造方法>
図4を参照して、図3に示される蓄電素子52の製造方法の一例を説明する。図4は、蓄電素子52の製造工程の一例を説明する工程図である。
[工程A−1]
実施形態1の説明において上述した工程A−1と同じである。
[工程B]
第1の電極層3および/または電解質層4の上に、絶縁性イオンバリア部21を形成する。絶縁性イオンバリア部21には、開口部を設ける。
[工程C−1]
実施形態1の説明において上述した工程C−1と同じである。ただし、工程C−1で形成する第2の電極層5の端部(周縁部)は、工程Bで形成した絶縁性イオンバリア部21の上に形成されうる。工程C−1で形成した第2の電極層5は、絶縁性イオンバリア部21の開口部において、電解質層4と接する。
[工程D]
実施形態1の説明において上述した工程Dと同じである。
[工程E]
導電性イオンバリア層7上に、最上部の導電体層22を形成する。
蓄電素子52がスタックされたn個の単電池を備える場合、[工程A−1]、[工程B]、[工程C−1]および[工程D]をn回繰り返した後、[工程E]を実施する。図3に示す例ではn=3である。
実施形態2の蓄電素子52の端部(単電池の端部)は絶縁性イオンバリア部21によって保護されている。必要に応じて、単電池の周囲および/または上部に、追加の保護層をさらに形成してもよい。これにより、外部雰囲気の影響による素子の性能の変化および/または劣化をさらに抑制できる。
[工程D]における絶縁性イオンバリア部21の形成には、公知の薄膜形成手法を採用できる。薄膜形成手法は、例えば、化学堆積法および物理堆積法である。物理堆積法の具体的な例は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、パルスレーザをターゲットに照射して堆積を行うPLD法である。化学堆積法は、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDなどの化学気相蒸着法(CVD法)である。好ましい方法は、スパッタリング法およびCVD法である。絶縁性イオンバリア部21の形成手法は、これらの例に限定されない。
絶縁性イオンバリア部21の開口部は、絶縁性イオンバリア部21が形成される領域を限定して形成できる。あるいは、下地となる層の全面に絶縁性イオンバリア部を形成した後、フォトリソグラフィーおよびドライエッチングといった微細加工の手法を用いて中央部の絶縁性イオンバリア部を除去することで開口部を形成してもよい。後者の方法では、高精度の開口部パターンの形成が可能である。前者の方法は、工程が簡便で実施コストが低く、下地となる層へのダメージが少ない。この観点から、前者の方法が好ましい。具体的な前者の方法の一例では、シャドウマスクおよび/またはマスキングテープなどのマスクを用いて下地となる層の一部を被覆することで、絶縁性イオンバリア部21の形成領域を単電池の端部に限定する。絶縁性イオンバリア部21の形成後に被覆を除去することによって、被覆の形状に対応した形状を有する開口部が形成される。
[工程A−1]、[工程B]、[工程C−1]および[工程E]における各層の形成においても、同様の手法により、形成する各層の形状を定めることができる(各層をパターン形成できる)。各層の製膜方法としてインクジェット法、スクリーンプリンティング法といった印刷技術を採用した場合、直接、各層をパターン形成することも可能である。
図3に示す例では、各工程で形成される第1の導電層2、第1の電極層3、電解質層4、および導電性イオンバリア層7の形状(形成領域)は互いに同一である。この場合、例えばシャドウマスクおよび/またはマスキングテープなどのマスクを用いて下地となる層の一部を被覆するとき、同一のマスクを用いた各層の連続した形成が可能となる。これにより、より低い製造コストおよび短期間による蓄電素子の形成が可能となる。
同様に図3に示す例では、第2の電極層5および第2の導電層6の形状(形成領域)が互いに同一であり、このとき、例えば同一のマスクを用いた各層の連続した形成が可能となり、より低い製造コストおよび短期間による蓄電素子の形成が可能となる。
(実施形態3)
実施形態3では、実施形態2の変形例を説明する。
<蓄電素子の構成>
図5に、実施形態3の蓄電素子の構成が模式的に示される。具体的に、図5の(b)に当該素子53の断面が模式的に示されている。一方、図5の(a)には、素子53をその上面(基板1とは反対側の面)から見たときの特定の層の形成領域が示されている。図5では、(a)に示された形成領域と、(b)に示された当該領域に対応する特定の層との間を、その対応関係を分かり易くするために破線により繋いでいる。(a)は、(b)に示された蓄電素子53の上面を現していない。
(b)から明らかであるように、蓄電素子53は、3つの単電池8,9,10が電気的に直列にスタックされた構造を有する。単電池および蓄電素子を構成する各層の参照符号は、実施の形態2の蓄電素子52と同一である。また、好ましい例を含め、各層の具体的な構成は、実施の形態1,2に上述したとおりである。蓄電素子53は、実施の形態1の蓄電素子51と同様、スタックされた単電池8の間に、厚さ方向のイオンバリア性および導電性を有する導電性イオンバリア層7を備える。また、蓄電素子53は、実施の形態2の蓄電素子52と同様、素子の最上部(基板1とは反対側の最外層)に導電層22を備える。
素子53の具体的な一例は、以下のとおりである。基板1はステンレス基板である。電気的に直列にスタックされた3つの単電池8,9,10は、リチウムイオンを伝導イオン種とする薄膜電池である。第1の導電層2は白金層である。第1の電極層3は、LiNiPOから構成される正極層である。電解質層4はLiPON層である。第2の電極層5はLiから構成される負極層である。導電性イオンバリア層7はAlTiN層である。この各層の具体的な構成および組み合わせは、実施形態1,3の蓄電素子にも適用できる。
以下、実施形態2の蓄電素子52との相違点を主として説明し、素子52と素子53との間で共通する部分の説明は省略する。
蓄電素子53においても、蓄電素子52と同様に、単電池8,9,10において、基板1と接する面および導電性イオンバリア層7と接する面を除く全ての表面が絶縁性イオンバリア部21により覆われている。
実施形態2の素子52では、電解質層4の形成領域34が導電性イオンバリア層7の形成領域31と同一であったが、実施形態3の素子53では、図5に示されるように、電解質層4の形成領域34は、導電性イオンバリア層7の形成領域31よりも大きくその全体を覆っている。これにより、導電性イオンバリア層7の端部(周縁部)が電解質層4によって完全に被覆されるため、単電池および素子の端部において、局所的な膜質変化および/または界面伝導の影響による第1および第2の電極層間の電子絶縁性の低下が想定される場合においても、このような電子絶縁性の低下を抑制でき、当該低下に起因して生じうる自己放電および/または素子の性能の低下を抑制できる。
素子53では、第2の電極層5上に、第2の導電層6を配置することなく、直接、導電性イオンバリア層7が形成されている。特に第2の電極層5が金属から構成されるなどにより低抵抗である場合に、第2の導電層6の省略によって素子の作製工程がより簡素化され、素子の製造コストを低減できる。
<蓄電素子の製造方法>
図6を参照して、図5に示される蓄電素子53の製造方法の一例を説明する。図6は、蓄電素子53の製造工程の一例を説明する工程図である。
[工程A−2−1]
初回の製膜(第1の単電池8の作製)において、基板1上に第1の導電層2を形成する。基板1が導電性であって第1の導電層2を兼ねうる場合、初回の第1の導電層2の形成を省略できる。また、2回目以降の製膜(第2の単電池9および第nの単電池10の作製)において、導電性イオンバリア層7が集電体および/または電極を兼ねうる場合、2回目以降の任意の回の第1の導電層2の形成を省略できる。次に、第1の電極層3を形成する。
[工程A−2−2]
第1の電極層3上に、電解質層4を形成する。
[工程B]
実施形態2の説明において上述した工程Bと同じである。
[工程C−2]
絶縁性イオンバリア層21上に、第2の電極層5を形成する。ただし、工程C−2で形成する第2の電極層5の端部(周縁部)は、工程Bで形成した絶縁性イオンバリア部21の上に形成されうる。工程C−2で形成した第2の電極層5は、絶縁性イオンバリア部21の開口部において、電解質層4と接する。
[工程D]
実施形態1,2の説明において上述した工程Bと同じである。
[工程E]
実施形態2の説明において上述した工程Eと同じである。
蓄電素子53が、スタックされたn個の単電池を備える場合、[工程A−2−1]、[工程A−2−2]、[工程B]、[工程C−2]および[工程D]をn回繰り返した後、[工程E]を実施する。図5に示す例ではn=3である。
以下、n=3の場合における、より具体的な蓄電素子53の製造の一例について、図7A〜図7Dを参照する。
図7Aの(a)には、第1の単電池8の作製における[工程A−2−1]が完了した状態が示される。
図7Aの(b)には、第1の単電池8の作製における[工程A−2−2]が完了し、さらに開口部を設ける前の絶縁性イオンバリア部21を形成した状態が示される。
図7Aの(c)には、第1の単電池8の作製における[工程B]が完了した状態が示される。
図7Aの(d)には、第1の単電池8の作製における[工程C−2]が完了した状態が示される。
図7Bの(e)には、第1の単電池8の作製後、[工程D]、および第2の単電池9の作製における[工程A−2−1]が完了した状態が示される。
図7Bの(f)には、第2の単電池9の作製における[工程A−2−2]および[工程B]が完了した状態が示される。
図7Bの(g)には、第2の単電池9の作製における[工程C−2]が完了した状態が示される。
図7Cの(h)には、第2の単電池9の作製後、[工程D]、および第3の単電池10の作製における[工程A−2−1]が完了した状態が示される。
図7Cの(i)には、第3の単電池10の作製における[工程A−2−2]および[工程B]が完了した状態が示される。
図7Cの(j)には、第3の単電池10の作製における[工程C−2]が完了した状態が示される。
図7Dの(k)には、第3の単電池10の作製後、[工程D]および[工程E]を完了した状態が示される。このようにして、3層の単電池8,9,10を備える蓄電素子53を作製できる。
実施形態3においても、必要に応じて、単電池の周囲および/または上部に、追加の保護層をさらに形成してもよい。これにより、外部雰囲気の影響による素子の性能の変化および/または劣化をさらに抑制できる。
本開示が適用される蓄電素子の形状は、矩形である場合を実施形態2,3に例示したが、矩形に限定されるものではなく、円形、楕円形、六角形といった他の形状であってもよい。さらに、実施形態に例示した蓄電素子をさらにスタックした構成、あるいは折り畳んだ形状など、使用する形状および用途に応じた様々な形状を選定できる。より具体的な例は、円筒型、角型、ボタン型、コイン型、扁平型などの所望の形状である。本開示の蓄電素子は、これら例示の形状に限定されない。
本開示の蓄電素子は、上述した各実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形、変更が可能である。例えば、発明を実施するための形態に記載した実施形態に示された技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するため、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本開示の蓄電素子は、従来の蓄電素子と同様の用途に使用できる。具体的な用途は限定されない。
51,52,53 蓄電素子
1 基板
2 第1の導電層
3 第1の電極層
4 電解質層
5 第2の電極層
6 第2の導電層
7 導電性イオンバリア層
8 第1の単電池
9 第2の単電池
10 第nの単電池
21 絶縁性イオンバリア部
22 (蓄電素子の)最上部の導電層
23 (絶縁性イオンバリア部21)の層状部
30 絶縁性イオンバリア部の形成領域(外縁)
31 導電性イオンバリア層の形成領域(外縁)
32 正極層(または負極層)の形成領域(外縁)
33 絶縁性イオンバリア部の開口部の領域
34 電解質層の形成領域(外縁)

Claims (11)

  1. 負極層と正極層とを含む積層体である単電池を2以上備え、
    前記2以上の単電池のうち少なくとも2つの単電池が、電気的に直列にスタックされており、
    前記スタックされた単電池の間に、厚さ方向のイオンバリア性および導電性を有する導電性イオンバリア層が配置されている蓄電素子。
  2. 充放電時に、前記単電池の前記負極層と前記正極層との間でプロトンが移動する、請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 充放電時に、前記単電池の前記負極層と前記正極層との間でリチウムイオンが移動する、請求項1に記載の蓄電素子。
  4. 前記導電性イオンバリア層が、Ti−Al−N、Ti−N、Ta−N、Ta−Al−N、およびTa−Si−Nから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の蓄電素子。
  5. 前記導電性イオンバリア層が5nm以上500nm以下の厚さを有する、請求項1に記載の蓄電素子。
  6. 前記導電性イオンバリア層の端部と、当該導電性イオンバリア層を挟持する、前記スタックされた一方の前記単電池の前記負極層および他方の前記単電池の前記正極層の端部と、をともに覆う、イオンバリア性および絶縁性を有する絶縁性イオンバリア部をさらに備える、請求項1に記載の蓄電素子。
  7. 前記絶縁性イオンバリア部が、Si−N、Si−O−N、Al−O、およびAl−O−Nから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項6に記載の蓄電素子。
  8. 前記絶縁性イオンバリア部が、前記単電池の端部において当該単電池を構成する層の間に層状に進入した層状部を含み、
    前記絶縁性イオンバリア部の前記層状部の厚さが7nm以上800nm以下である、請求項6に記載の蓄電素子。
  9. 前記導電性イオンバリア層と、
    当該導電性イオンバリア層を挟持する、前記スタックされた一方の前記単電池の前記負極層および/または他方の前記単電池の前記正極層との間に、
    前記導電性イオンバリア層よりも比抵抗が小さい導電層をさらに備える、請求項1に記載の蓄電素子。
  10. 前記単電池が、前記負極層と前記正極層との間に配置された固体電解質層をさらに含む、請求項1に記載の蓄電素子。
  11. 前記負極層が、絶縁体と半導体との混合体から構成され、
    前記正極層が金属酸化物から構成される、請求項2に記載の蓄電素子。
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