JP2017215460A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 中間転写体から記録材に二次転写されるトナー量を検知することが要望される。【解決手段】 記録材に二次転写された画像を定着する定着手段と、前記画像形成手段に複数色のトナーからなる検知用画像を形成させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、記録材に定着された前記検知用画像を検知した結果に基づき、前記中間転写体から前記記録材に二次転写されるトナー量に関する情報を求める。【選択図】 図5

Description

本発明は、電子写真方式を用いたプリンタ、複写機等の画像形成装置に関する。
従来、複写機やレーザープリンタなどの電子写真方式の画像形成装置として、中間転写体方式が知られている。このような画像形成装置では、帯電工程と露光工程、現像工程により感光体上に形成されたトナー像を一次転写することで中間転写体上に複数色分重ね合わせる。次に二次転写部材と、中間転写体とから形成される二次転写位置(二次転写ニップ)において、二次転写部材に二次転写バイアスを印加することで、中間転写体上のトナー像を記録材上に二次転写する。そして、トナー像が二次転写された記録材を定着器により加熱、加圧することにより、記録材にトナー像を定着させる。
このような画像形成装置において、例えば特許文献1には、二次転写バイアスを印加した二次転写部材を流れる転写電流を検知し、その検知結果を二次転写バイアスにフィードバックすることで、安定して二次転写を行うことが開示されている。
特開2000−330401
しかしながら、二次転写バイアスを調整しても、例えば記録材の種類や、画像形成装置の環境や、トナーの耐久具合等の条件に応じて、二次転写効率が変化してしまうことがある。図11(a)は、中間転写体上にトナーBの上にトナーAを重ね合わせたトナー像が形成されている。図11(b)は、トナー像を普通紙へ二次転写した後の様子を示している。中間転写体上に形成されたトナー像はすべて記録材上に転写されている。図11(c)は、ラフ紙への二次転写後の様子を示している。ラフ紙に二次転写を行う場合は二次転写効率が低下してしまい、図11(b)と同じように二次転写バイアスを印加したとしても、二次転写後に中間転写体上にトナーBの一部が残ってしまっている。この状況下では、二次転写バイアスにより形成される電界が作用する範囲は変わらないため、中間転写体上のトナー量がある一定の量を超えると、中間転写体上から記録材上に二次転写されるトナーは増えることはなく変わらない。したがって、中間転写体上のトナー量を増やしても、中間転写体上に残るトナーが増えることになる。よって、中間転写体から記録材に二次転写されるトナー量を検知することが要望される。
本出願に係る発明は、以上の状況を鑑みてなされたものであり、中間転写体から記録材に二次転写されるトナー量を検知することを目的とする。
上記目的を達成するために、感光体にトナーにより現像された画像を形成する画像形成手段と、前記感光体に形成された画像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体に一次転写された画像を記録材に二次転写する二次転写手段と、記録材に二次転写された画像を定着する定着手段と、前記画像形成手段に複数色のトナーからなる検知用画像を形成させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、記録材に定着された前記検知用画像を検知した結果に基づき、前記中間転写体から前記記録材に二次転写されるトナー量に関する情報を求めることを特徴とする。
本発明の構成によれば、中間転写体から記録材に二次転写されるトナー量を検知することができる。
画像形成装置の概略構成図。 濃度センサの概略構成図。 カラーセンサの概略構成図。 検知用画像を示す図。 トナー載り量調整制御のフローチャート。 検知用画像を示す図。 ΔEの変化量を示す図。 Yの上層の色の印字率の合計とYの印字率の関係を示す図。 検知用画像を示す図。 Yの上層の色の印字率の合計とYの印字率の関係を示す図。 普通紙とラフ紙での二次転写の様子を示す図。
[実施例1]
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
(第1の実施形態)
[画像形成装置]
図1は、本実施形態における画像形成装置500の概略構成図である。画像形成装置500は、スタンドアローンまたはネットワーク経由でホストコンピュータ503と接続されている。ホストコンピュータ503内のアプリケーションソフトウェア等により作成された画像データは、プリンタドライバ201を通して印字情報として出力され、画像処理部501に送られる。この印字情報としては、文字やグラフィックス、イメージ等の描画命令から構成されているPDL(Page Description Language)と呼ばれるプリンタ記述言語が用いられる。
画像処理部501は、画像生成部101、色変換部102、イメージバッファ103、検知用画像生成部104とから構成されている。画像処理部501に送られた印字情報は、画像生成部101で解析しラスタライズ処理することでレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の各色のビットマップ画像データの印字情報へと展開される。色変換部102は、R、G、Bのビットマップ画像データをエンジン部502で使用しているイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各トナー(色材)に合わせたY、M、C、Bkの各ビットマップ画像データに色変換する。そして、イメージバッファ103へ格納する。そして、画像形成の所定のタイミングでエンジン部502に送られる。画像データの色変換手段としては、カラーテーブルと呼ばれるR、G、B画像データとY、M、C、Bk画像データとの対応関係を定めたデータ変換用テーブルを色変換部102内に用意する。検知用画像生成部104は、後述する濃度センサ38やカラーセンサ24で検知される検知用画像を生成する。
次に、エンジン部502を説明する。制御部33は、画像処理部501と通信が可能であり、画像処理部501からの指示によりエンジン部502の動作を制御する。制御部33には、CPU34、CPU34が制御を行うためのプログラムや各種データが格納されている読み出し専用のメモリのROM35、データ処理のための作業領域になる読み書き可能なメモリのRAM36等が備えられている。CPU34にはさらに、ユーザが様々な設定や指示を行ったり、ユーザに情報を報知したりするためのオペレーションパネル37が接続されている。
画像形成装置500は、中間転写体方式のタンデム型フルカラー画像形成装置であり、Y、M、C、Bkの各色のトナー像をそれぞれ形成する画像形成部SY、SM、SC、SBkが配置されている。画像形成部SY、SM、SC、SBkの下方には、二次転写対向ローラ13、テンションローラ19、ローラ30に掛け渡された中間転写ベルト14が配置されている。各画像形成部SY、SM、SC、SBkは、ドラムユニット10Y、10M、10C、10Bkと現像ユニット8Y、8M、8C、8Bkとからなる一体型のプロセスカートリッジを備えている。ドラムユニット10Y、10M、10C、10Bkは、OPC(有機光半導体)感光層を有する感光ドラム1Y、1M、1C、1Bkと、弾性ブレードからなるクリーニング部材9Y、9M、9C、9Bkと、帯電ローラ2Y、2M、2C、2Bkとを含む。現像ユニット8Y、8M、8C、8Bkは、現像ローラ5Y、5M、5C、5Bkと、負極性に帯電する非磁性一成分のトナー3Y、3M、3C、3Bkと、トナー塗布ローラ6Y、6M、6C、6Bkと、トナー塗布ブレード7Y、7M、7C、7Bkとを含む。
各画像形成部SY、SM、SC、SBkは、レーザ光を多面鏡によって走査させるスキャナユニットから構成される露光装置11Y、11M、11C、11Bkを備えている。これら露光装置11Y、11M、11C、11Bkは、画像データに基づいて変調された走査ビーム12Y、12M、12C、12Bkを感光ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に照射して、静電潜像を形成する。本実施例では画像データは、各色それぞれ8ビットデータ、すなわち00H〜FFH(Hは16進法表示を意味する)の256レベルで表される。画像データFFHがベタ画像を表わし、画像データが小さくなるにつれて画像濃度は低くなり、00Hで非画像(ベタ白画像)となる。
中間転写ベルト14の内側には、中間転写ベルト14を下方から感光体としての感光ドラム1Y、1M、1C、1Bkに押圧する一次転写ローラ4Y、4M、4C、4Bkが配置されている。一次転写ローラ4Y、4M、4C、4Bは、不図示の電源から定電圧制御された正極性の一次転写バイアスが印加されることで、感光ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に形成されたトナー像を中間転写ベルト14上に一次転写する。二次転写ローラ20は、中間転写ベルト14上に一次転写されたトナー像を記録材Pに二次転写するものである。二次転写ローラ20には不図示の電源から定電流制御された正極性の二次転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト14を支える二次転写対向ローラ13は駆動ローラを兼ねており、中間転写ベルト14を矢印R14の方向に駆動搬送する。さらに、二次転写ローラ20と二次転写ニップを形成している。ローラ30は補助ローラであり、二次転写ニップの近傍において、中間転写ベルト14の表面が記録材Pと所定の角度を保つことで記録材Pと中間転写ベルト14上のトナー像との間の異常放電を防ぐためのものである。ローラ19はテンションローラで中間転写ベルト14を所定のテンションで張架するためのものである。二次転写対向ローラ13の下流には、二次転写ニップにおいて記録材Pに転写されないで中間転写ベルト14上に残った二次転写残留トナーをクリーニングするための弾性ブレードからなる中間転写ベルトクリーニング部材22が配置される。
定着装置21は、定着ローラ21aと加圧ローラ21bとから構成され、記録材P上に形成されたトナー像を加熱、加圧することで定着を行う。排紙ローラ対32は、定着された記録材Pを排紙トレー31に排出する。フラッパ23は、排紙ローラ対32で反転された記録材Pを両面搬送ローラ対29に導く。両面搬送ローラ対26、27、28によって両面搬送路25の中を搬送された記録材Pは、再びレジストローラ18に搬送される。
[画像形成動作]
次に、画像形成装置500における画像形成動作を説明する。画像形成がスタートすると、初期動作として感光ドラム1Y、1M、1C、1Bkや中間転写ベルト14等は所定のプロセススピードで矢印方向に回転を始める。感光ドラム1Y、1M、1C、1Bkは所定の帯電バイアスが印加された帯電ローラ2Y、2M、2C、2Bkによって一様に帯電される。続いて、露光装置11Y、11M、11C、11Bkからの走査ビーム12Y、12M、12C、12Bkによって画像信号に基づく静電潜像が形成される。この時の各色の静電潜像は、後に4色が中間転写ベルト14上で重ね合わされてフルカラー画像となるように、各色所定のタイミングで形成される。
露光された感光ドラム1Y、1M、1C、1Bkがさらに回転すると、感光ドラム1Y、1M、1C、1Bk上の静電潜像は現像バイアスが印加された現像ローラ5Y、5M、5C、5Bkによってそれぞれ可視化(現像)される。そして、感光ドラム1Y、1M、1C、1Bk上には、Y、M、C、Bkのトナー像がそれぞれ形成される。感光ドラム1Y上のトナー像がさらに回転すると、一次転写バイアスが印加された一次転写ローラ4Yによってトナー像は中間転写ベルト14上に一次転写される。そして、中間転写ベルト14が搬送されることに同期して、M、C、Bkのトナー像が一次転写ローラ4M、4C、4Bkによって中間転写ベルト14上へ順次一次転写され、中間転写ベルト14上には4色のトナー像が形成される。
給紙カセット15に積載されている記録材Pは、半月状の給紙ローラ16により給紙され、分離ローラ17によって1枚に分離されて、レジストローラ18まで搬送されて、一旦停止される。一旦停止された記録材Pは、中間転写ベルト14上に一次転写されたトナー像が二次転写ニップに到達するタイミングに同期してレジストローラ18によって二次転写ニップに供給される。そして、二次転写ローラ20に二次転写バイアスが印加されることによって、中間転写ベルト14上のトナー像が記録材P上に二次転写される。トナー像が二次転写された記録材Pは、中間転写ベルト14から分離されて定着装置21に送られる。定着ローラ21aと加圧ローラ21bとに加熱、加圧され、記録材Pの表面にトナー像が定着される。
一次転写において、中間転写ベルト14に転写されないで感光ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に残った転写残留トナーは、クリーニング部材9Y、9M、9C、9Bkによって除去され、廃トナー容器に回収される。二次転写において記録材Pに転写されないで中間転写ベルト14上に残った転写残留トナーは、中間転写ベルトクリーニング部材22によって除去され不図示の廃トナー容器に回収される。
記録材Pへの画像形成が片面(一面目)である場合、定着装置21で定着された記録材Pは排紙ローラ対32によって排紙トレー31に排出され画像形成は終了する。一方、記録材Pへの画像形成が両面である場合、記録材Pの後端が排紙ローラ対32を抜ける前に排紙ローラ対32を逆回転させる。さらに、不図示の駆動手段によってフラッパ23を動かして、記録材Pを両面搬送ローラ対29へ導くように、逆方向に搬送(スイッチバック)させる。これにより、先に記録材Pにトナー像を定着した面の裏面(二面目)にもトナー像を形成可能になる。記録材Pは両面搬送ローラ対26、27、28によって両面搬送路25の中を搬送され、再びレジストローラ18へと搬送され、所定のタイミングで二次転写ニップへ搬送される。そして、タイミングを合わせて中間転写ベルト14上に形成されている裏面用のトナー像が記録材Pの裏面に二次転写される。再び記録材Pは定着装置21に搬送されて記録材Pの裏面にトナー像が定着される。そして、排紙ローラ対32によって排紙トレー31上に排出され両面の画像形成は終了する。
[濃度センサ]
画像形成部SBkの下流側に、中間転写ベルト14を介してテンションローラ19に対向するように濃度センサ38が配置されている。濃度センサ38は、中間転写ベルト14上に形成される検知用画像Tの濃度を検知する。濃度センサ38はテンションローラ19に対して位置決めされているので、テンションローラ19に対して所定の位置と距離の関係が保たれる。
濃度センサ38は、図2に示すように、LEDなどの発光素子381、フォトダイオード、CdSなどの受光素子382と383、及びホルダー384によって構成されている。受光素子382は、中間転写ベルト14の表面で、照射光と同じ角度で反射される正反射光を検知する位置に設けられている。一方、受光素子383は、中間転写ベルト14の表面、又は中間転写ベルト14上の検知用画像Tの表面からの乱反射光を検知する位置に設けられている。濃度センサ38は、中間転写ベルト14上に形成された検知用画像Tに対し、発光素子381からの光を照射し、そこからの反射光を受光素子382と383とで受光し、受光した反射光の光量に応じた信号を出力する。CPU34は濃度センサ38の出力から中間転写ベルト14上に形成されたトナー像の濃度を算出する。
濃度センサ38は通常、中間転写ベルト14上のY、M、C、Bk単色のトナー像の濃度制御に用いられる。すなわち、各色のトナーで複数の画像データの検知用画像をそれぞれ形成し、これらのトナー像を濃度センサ38で検知して、画像データと濃度との関係を求める。この関係を基に、イメージバッファ103から入力された画像データと、露光装置11Y、11M、11C、11Bkに出力する画像データとの対応関係を表すRAM36内のルックアップテーブル(LUT)と呼ばれるデータ変換用テーブルを調整する。この調整により所定の画像データの時に中間転写ベルト上には所定の濃度のトナー像が形成される。
[カラーセンサ]
測色手段としてのカラーセンサ24は、両面搬送路に沿って配置され、排紙ローラ対32によってスイッチバックした後の記録材Pに定着された検知用画像を検知して色情報を取得する。なお、図1におけるカラーセンサ24は記録材Pの中央部を検知するように配置されている。しかし、これに限られるものではなく、カラーセンサ24は中央部以外を検知するように配置されてもよいし、1つだけでなく複数個が配置されてもよい。
図3は、分光方式の測色器であるカラーセンサ24の概略構成図である。カラーセンサ24は、可視光全体にわたる発光波長分布を有する白色光源241、集光レンズ242、スリット243、回折格子244、複数の受光素子からなるラインセンサ245を有する。また、カラーセンサの制御や演算を行うCPU2410が備えられている。また、CPU2410が制御を行うためのプログラムや演算に必要な各種データが書き込まれている読み出し専用のメモリのROM2411、データ処理のための作業領域になる読み書き可能なメモリのRAM2412等が備えられている。
白色光源241から発せられた光246は、開口247を通過し記録材Pの上に形成された検知用画像248に約45°の角度で入射し、検知用画像の光吸収特性に応じた散乱光249となる。散乱光249の一部は、集光レンズ242によってスリット243に送られ、回折格子244に入射し、分光される。分光された分散光は、ラインセンサ245に入射し、入射光量に応じた信号が各受光素子から出力されCPU2410に取り込まれる。CPU2410は、取り込まれた各受光素子からの出力に対し所定の演算を行い、10nm間隔で380nmから730nmの範囲の分光反射率を算出する。CPU2410は、この分光反射率に対しさらに演算を行い、CIE(国際照明委員会)で定められているXYZ(CIE/XYZ)やL*a*b*(CIE/L*a*b*)等の色度値を算出することも可能である。カラーセンサ24はエンジン部502のCPU34と通信可能であり、CPU34はカラーセンサ24で算出された色度値L*a*b*を受信可能である。
カラーセンサ24は通常、画像形成装置500によって記録材上に形成される画像の色味合わせに用いられる。すなわち、記録材上に図4に示すような様々な色の検知用画像(パッチ)を形成し定着した後、カラーセンサ24で各パッチの色度値L*a*b*を取得し、各パッチを形成した時の画像データとの対応付けを行う。この対応付けの結果を基に色変換部102内のカラーテーブルを変更することで、所望の色味の画像を形成することが可能となる。
[トナー載り量調整制御]
図5のフローチャートを用いて、本実施形態におけるトナー載り量調整制御について説明する。トナー載り量調整制御を行うのは、画像形成装置の条件においては、二次転写を行う際に二次転写バイアスを調整しても、中間転写体上に形成されたトナー像が記録材上にすべて二次転写されないことがあるためである。例えば、記録材Pのうち、ボンド紙のようなラフ紙と呼ばれる紙では、表面の凹凸が大きいため、二次転写位置において紙表面の凹部ではトナー面との間にエアギャップが生じ、転写電界が均一にトナーにかからない。その結果、中間転写ベルト14上のトナーが記録材表面に移る割合(二次転写効率)がラフ紙では、記録材Pの表面が平滑な普通紙に比べて低下してしまう。また、環境によっても高湿環境下ではトナーのトリボが下がるため二次転写効率が低下する。さらに、寿命末期のトナーではトリボが下がったり、流動性が低下したりすることにより、二次転写効率が低下する。この二次転写効率の低下の影響が顕著に表れるのが中間転写ベルト14上に二次色以上のトナー像が形成された時である。図11(c)のように二次転写後に中間転写ベルト14上に残留トナーが発生してしまう。このような残留トナーを抑制するために、トナー載り量調整制御を行う。
S51において、CPU34はトナー載り量調整制御を開始する。開始する条件は、例えば給紙カセット15にラフ紙を積載したとユーザから指示があったことや、給紙カセット15内の記録材Pの種類を検知する不図示の紙種検知センサが記録材Pの種類がラフ紙であると検知したこと等である。調整対象は、複数色のトナー像を形成した際に、中間転写ベルト14上で最下層に形成される可能性があるトナーに対して行う。よって、中間転写ベルト14上に画像形成する順番が1色目から3色目のトナー像となる。すなわち、本実施形態においてはY、M、Cのトナーとなる。
なお、上述したラフ紙は、記録材Pの種類の一例であり、他の紙種に応じてトナー載り量調整制御を行ってもよい。また、記録材Pの種類はトナー載り量調整制御を行うトリガとなる条件の一例であり、先にも述べたように、画像形成装置の環境や、トナーの消耗状態によって、トナー載り量調整制御を行うか否かを判断してもよい。また、トナー載り量調整制御の前に、濃度センサ38を用いた濃度制御が実施されておりY、M、C、Bkの各トナーは所定の画像データに対して所定のトナー載り量で中間転写ベルト14上に形成されるように調整されていることが望ましい。濃度制御を実施しなくてもすでに調整がされている場合は、濃度制御は省略することも可能である。
S52において、CPU34は図6に示すようなトナー載り量調整制御に用いるための検知用画像を記録材P上に形成させる。パッチPY1〜PY7はYが、パッチPM1〜PM7はMが、パッチPC1〜PC7はCがそれぞれ中間転写ベルト14上で最下層になっている、少なくとも2色以上のトナーからなる検知用画像である。PY1〜PY7の各色の印字率(画像データ)は以下の表のようになる。なお、以下では印字率として説明を行うが、印字率は形成する画像のトナー量(トナー量に関する情報)ともいえる。つまり、複数色の総印字率は、複数色のトナーの総量ともいえる。
これらの画像データは、Yの印字率が最も大きい時(100%、画像データでFFH)に、その上層に最もトナーが載る時の印字率の組合せを基に、予め行った検討結果から設定したものである。本実施形態では、一例としてY:100%、M:50%、C:50%、Bk:50%で、トナーの総量としての総印字率が250%の時が、Yの印字率が100%の時に最もYの上層にトナーが載る組合せである。同様にして、PM1〜PM7の各色の印字率(画像データ)は以下の表のようになる。
上述したYが最下層となる場合と同様に、Mの印字率が最も大きい時(100%)に、その上層に最もトナーが載る時の組合せを基に、予め行った検討結果から設定したものである。本実施形態では、一例としてM:100%、C80%、Bk:70%で、総印字率250%の時が、Mの印字率が100%の時に最もMの上層にトナーが載る組合せである。同様にして、PC1〜PC7の各色の印字率(画像データ)は、以下の表のようになる。
Cの印字率が最も大きい時(100%)に、その上層に最もトナーが載る時の組合せを基に、予め行った検討結果から設定したものである。しかし、Cが最下層となる場合は、上層に載るのはBkだけである。よって、本実施形態では、一例としてC:100%、Bk:100%で、総印字率200%の時が、Cの印字率が100%の時に最もCの上層にトナーが載る組合せである。なお、ここでは一例として上記のような印字率の組合せを説明したが、印字率の組合せは画像形成装置に応じて適宜設定可能である。
S53において、CPU34は記録材P上に形成されたパッチPY1〜PY7、PM1〜PM7、PC1〜PC7を、カラーセンサ24で読み取らせる。そして、読み取った結果から、各パッチに対して色度値L*a*b*を求める。
S54において、CPU34はPY1〜PY7の色度値に対して、PY1の時のL*a*b*を基準に、PY1〜PY7との色度差ΔEを計算する。二つの色度値L1*a1*b1*とL2*a2*b2*とがある場合、色度差ΔEは以下の式(1)により求めることができる。
図7は、検知用画像PY1〜PY7を普通紙とラフ紙にそれぞれ形成した場合の色度差ΔEを示したグラフである。横軸はYの印字率、縦軸は色度差ΔEである。図7(a)は普通紙の場合、図7(b)はラフ紙の場合を示している。図7(a)のように、普通紙の場合はYの印字率の増加に伴ってΔEも増加する傾向となっている。一方、図7(b)のように、ラフ紙の場合はYの印字率の増加に伴って、最初のうちはΔEは増加する。しかし、ある印字率まで増加すると(ここでは印字率約70%)、ΔEの増加がほぼ止まり、頭打ちとなる。これはPY1〜PY7のように、Yの上に150%のトナーが乗っている場合、最下層のYのトナーが記録材Pに二次転写されるのは70%までであることを示している。つまり、Yを70%以上にしても、70%を超えたトナーは中間転写ベルト14上の残留トナーとなり、70%以上に印字率を増加させればさせるほど、残留トナーが増えてしまうことになる。よって、Yの印字率が70%以上の画像を形成する場合には、Yの印字率を70%にした方が、二次転写される画像も変わらず、且つ中間転写ベルト14上に残留する残留トナーを少なくすることができる。
S55において、CPU34はS54で得られたYの印字率に対するΔEから、ΔEの増加が頭打ちになるか否かを判断する。頭打ちにならない場合は、S58に移る。頭打ちになる場合は、ΔEの増加が頭打ちになるYの印字率を求める。なお、ΔEの増加が頭打ちになることの判断としては、ΔEの変化量が所定値以下(ここでは一例として2以下)になった時とする。しかし、変化量はこれに限られるものではなく、検知したい精度に応じて、適宜設定することが可能である。
ΔEの増加が頭打ちになった時の総印字率は、上記の例ではY:70%、M:50%、C:50%、Bk:50%の計220%となる。よって、この総印字率が、Yが最下層にある時に、中間転写ベルト14上にできるだけ残留トナーを発生させないようにする各色の印字率の関係となる。なお、このYの70%における各色の印字率の関係を基に、Yの各印字率における各色の印字率の関係を求めることができる。図8は、Yの上層の色の印字率の合計に対して適したYの印字率を示した図である。例えば、先のようにYの上層の色の印字率の合計が150%である場合は、Yの印字率は70%が適していることがわかる。また、同様にYの上層の色の印字率の合計が120%である場合は、Yの印字率は100%が適していることがわかる。
S56において、CPU34は図8のような関係を利用して、Yが最下層になる色の組み合わせにおいて、Yの載り量を調整するように画像形成条件の変更としてカラーテーブルの変更を行う。例えば、Yの上層の色の印字率の合計が200%でYの印字率が40%の組み合わせの色を形成するとする。図8からYの上層の色の印字率の合計が200%の場合は、Yの印字率は20%とするのが良いとわかるため、Yの印字率を40%から20%に変更する。
S57において、CPU34はYと同様にM、Cについてもトナー載り量調整制御を行う必要があるかどうかを判断する。行う必要がある場合は、S54に戻り、Yと同様にM、Cについても、上層の色の印字率の合計に対して適した印字率を求める。なお、M、Cについても、Yと同様に印字率を求めることができるため、ここでは説明の便宜上、M、Cの説明については省略する。ただし、Cに対してはCの上層のトナーはBkだけであるため、中間転写ベルト14上の残留トナーが増えないことが予め確認できていれば、PC1〜PC7のパッチを形成する本制御をスキップすることも可能である。S57において行う必要がない場合は、S58において、CPU34はトナー載り量調整制御を終了する。
なお、カラーテーブルは記録材Pの種類に応じて設けておき、記録材Pの種類に応じて切り替えられるようにしておくのが好ましい。また、記録材Pの種類だけでなく、画像形成装置の環境条件や、トナーの耐久条件に応じて、トナー載り量調整制御を実行し、夫々のカラーテーブルを設けることも可能である。また、トナー載り量調整制御は、カラーセンサ24を用いた出力画像の色味合わせとは独立に行うことができる。よって、トナー載り量調整制御のタイミングとしては、色味合わせの後に行ってもよいし、色味合わせの先に行ってもよい。
このように、カラーセンサ24を用いて、色度差ΔEの変化を検知することで、中間転写ベルト14上から記録材Pに二次転写されるトナー量を検知することができる。さらに、この検知結果に基づき、最下層となるトナーの印字率を調整することで、二次転写後に中間転写ベルト14上に残留する残留トナーを抑制することができる。これにより、画質を低下させることなく消費するトナーを減らすことができる。さらに、中間転写ベルトをクリーニングするクリーニング部材に到達するトナー量も減らすことができるため、クリーニング部材への負担も減らすことができる。
(第2の実施形態)
本実施形態においては、最下層のトナーの印字率に応じて、総印字率が異なる場合について説明する。なお、画像形成装置等の先の第1の実施形態と同様の構成については、本実施形態においては説明を省略する。
本実施形態においては、図9に示すように、検知用画像として、PY1〜PY7に加えてPY8〜PY14を、PM1〜PM7に加えてPM8〜PM14を形成する。以下の説明においては、先の第1の実施形態と同様に説明の便宜上、最下層のトナーがYの場合について説明するが、最下層のトナーがMの場合についても同様である。PY8〜PY14の各色の印字率を以下の表に示す。
これらは、Y:50%、M:40%、C:65%、Bk:95%で総印字率が250%となる組み合わせを基にしており、先の第1の実施形態におけるPY1〜PY7を設定した組み合わせと同じ総印字率である。すなわち、Yの印字率が50%の時に最もトナーが乗る組み合わせを基にして設定したものである。記録材P上に形成されたPY1〜PY7とPY8〜PY14をカラーセンサ24で読み取った後、それぞれΔEを算出し、ΔEの増加が頭打ちになる時のYの印字率をそれぞれ求める。
例えば、PY1〜PY7ではYの印字率が70%、PY8〜PY14ではYの印字率が40%で頭打ちになったとする。図10は、PY1〜PY7、及びPY8〜PY14に基づく、Yの上層の色の印字率の合計に対して適したYの印字率を示した図である。Yの上層の色の印字率の合計が150%の時、Yの印字率は70%となり、4色の総印字率は220%となる。これを基に、Yの上層の色の印字率の合計が150%以下の時は、総印字率が220%となるように、Yの印字率を求める。
同様に、Yの上層の色の印字率の合計が200%の時、Yの印字率は40%となり、4色の総印字率は240%なる。これを基に、Yの上層の色の印字率の合計が200%以上の時は、総印字率が240%となるように、Yの印字率を求める。さらに、この二つのグラフから間の印字率に対応する部分を線形補完して求める。すると、例えばYの上層の色の印字率の合計が170%の時にはYの印字率は58%とすると求めることができる。
このように、第1の実施形態では、総印字率を一律220%としていたが、本実施形態のように、最下層のトナーの印字率が低い場合と高い場合とで総印字率を変更する。このようにすることで、トナーや記録材Pの特性応じて、さらに詳細に最下層のトナーの印字率を調整することができ、色味の変動を抑えつつトナーの載り量を適正化することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態においては、トナー残量に応じて、トナー載り量調整制御を行う方法について、説明する。なお、画像形成装置等の先の第1の実施形態と同様の構成については、本実施形態においては説明を省略する。
本実施形態においては、現像ユニット内のトナー残量が所定量以下(寿命末期)となったと判断したタイミングで、第1の実施形態と同様のトナー載り量調整制御を行う。トナー残量の検知方法としては、トナー塗布ローラ近傍のトナー残量を光学的に検知したり、これまで画像形成に使ってきた各色の画像データの累積値(ピクセルカウント)から判断したりすることができる。
トナー載り量調整制御を行うことで、中間転写ベルト14上に残留する残留トナーを減らすことができるため、寿命末期というトナー残量が少ない状況において、トナーの消費を抑えることができる。さらに、ΔEの頭打ちになる印字率が所定の値よりも小さくなった場合(例えば60%)は、トナーの消耗が進んで画質を保つことができなくなっていると判断することもできる。このような場合には、現像ユニットの寿命に到達したと判断して、ユーザに報知して交換を促すこともできる。このように、ΔEの頭打ちになる印字率で画質も判断することができるため、トナーの消耗が進んで適切な画像を形成できなくなることも抑制できる。
(変形例)
先の第1〜第3の実施形態において説明した構成は一例であり、例えば下記のように変形することも可能である。画像形成装置500はタンデム型であると説明したが、これに限られるものではなく、例えばロータリ型であってもよい。また、カラーセンサ24は分光式であると説明したが、これに限られるものではなく、例えばRGBフィルタ式であってもよい。また、トナー載り量調整制御で形成した検知用画像の印字率の組合せは一例であり、総印字率の中において、上記で説明した以外の印字率の組合せに変更することも可能である。また、カラーセンサ24は両面搬送路に配置されていると説明したが、これに限られるものではなく、例えば定着後の記録材P上に形成された検知用画像を検知できる位置であれば、画像形成装置内のいずれに配置されていてもよい。さらには、画像形成装置内に配置されていなくてもよく、例えばコンピュータを介して接続された外付けのカラーセンサでもよい。また、カラーセンサの代わりに複写機の原稿読取部で検知用画像を読み取ってもよい。
1Y、1M、1C、1Bk 感光ドラム
2Y、2M、2C、2Bk 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3Bk トナー
4Y、4M、4C、4Bk 一次転写ローラ
5Y、5M、5C、5Bk 現像ローラ
11Y、11M、11C、11Bk 露光装置
14 中間転写ベルト
20 二次転写ローラ
21 定着装置
24 カラーセンサ
34 CPU

Claims (14)

  1. 感光体にトナーにより現像された画像を形成する画像形成手段と、
    前記感光体に形成された画像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、
    前記中間転写体に一次転写された画像を記録材に二次転写する二次転写手段と、
    記録材に二次転写された画像を定着する定着手段と、
    前記画像形成手段に複数色のトナーからなる検知用画像を形成させる制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、記録材に定着された前記検知用画像を検知した結果に基づき、前記中間転写体から前記記録材に二次転写されるトナー量に関する情報を求めることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記検知用画像を検知した結果から、前記検知用画像の色度差を求めることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記色度差の変化量が所定値以下となるか否かにより、前記中間転写体から前記記録材に二次転写されるトナー量に関する情報を求めることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記トナー量に関する情報に基づき、前記画像形成手段により画像を形成させる際の画像形成条件を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記複数色のトナーのうち前記中間転写体に一次転写された状態で最下層となる色のトナー量を制御するために、前記画像形成条件の制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記複数色のトナーのうち前記中間転写体に一次転写された状態で最下層となる色のトナー量を、前記最下層の上層に形成される色のトナー量の合計に応じて求めることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記画像形成手段に画像を形成させるための画像データにおける前記最下層となる色のトナー量を、前記検知用画像の検知結果から求めた前記最下層となる色のトナー量に応じて変更することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記トナーにより画像を現像する現像手段を備え、
    前記制御手段は、前記トナー量に関する情報に基づき、前記現像手段の寿命を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  9. 前記検知用画像は、夫々異なるトナー量で、少なくとも2色以上の色のトナーにより形成された複数のパッチを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御手段は、複数色のトナー量の総量が第1の総量である場合の最下層となる色の第1のトナー量より、複数のトナー量の総量が前記第1の総量より多い第2の総量である場合の最下層となる色の第2のトナー量の方が少なくなるように、最下層となる色のトナー量を調整することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御手段は、記録材の種類、又は画像形成装置の環境、又はトナーの耐久に応じて、前記トナー量に関する情報を求めることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  12. 記録材に定着された前記検知用画像を測色する測色手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  13. 前記測色手段は、前記検知用画像に向けて光を照射する照射手段と、前記検知用画像から反射された反射光を分光する分光手段と、前記分光された光を受光する受光手段と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記画像形成手段により一面目に画像が形成された記録材の二面目に画像を形成するために、記録材を再び前記画像形成手段に搬送するための両面搬送路を備え、
    前記測色手段は、前記両面搬送路を搬送される記録材に形成された前記検知用画像を測色するように配置されることを特徴とする請求項12又は13に記載の画像形成装置。
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