JP2014074862A - 画像形成装置、画像形成方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

画像形成装置、画像形成方法、プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】記録媒体上の多次色画像の測色結果に基づいて作像条件を適切に補正し、出力画像の濃度安定性を向上させることが可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】入力画像情報に基づいて、1つ以上の一次色画像で構成される画像を記録媒体上に形成する作像手段と、前記画像のうち、複数の領域を測色する測色手段と、測色された前記複数の領域ごとに、前記画像を構成する前記一次色画像の濃度を推定する濃度推定手段と、前記入力画像情報に基づく前記一次色画像の濃度と前記濃度推定手段により推定された濃度との比較から、前記複数の領域ごとに前記一次色画像の濃度レベルを判定する濃度レベル判定手段と、前記濃度レベルに基づいて、前記作像手段の作像条件を補正する作像条件補正手段と、を有する画像形成装置。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置、画像形成方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置では、連続プリント動作を実施すると、現像装置内に収容される現像剤に含まれるトナーの帯電量が大きく変化することによって画像濃度ムラを引き起こす場合がある。
具体的には、現像装置内に収容されているトナーとキャリアからなる二成分の現像剤は、トナー像の形成により消費されるトナーの補給を適宜受けることで、一定濃度の画像を出力する様に現像剤中のトナー濃度が一定の範囲内で制御されている。現像装置内に補給されたトナーは、現像剤中のキャリア粒子と混合撹拌されることで徐々に帯電するが、補給直後は十分に帯電していない状態にある。
このため、画像面積率が高い画像を連続プリントする場合等、消費されるトナー量に応じて多量のトナーが短時間の間に補給されると、現像剤中のトナーの単位重量あたりの帯電量(Q/M)が比較的小さくなる。帯電量(Q/M)が低下することで、潜像担持体上に所定の電位で形成されている静電潜像に付着するトナー粒子の量が増加し、画像濃度が高くなる。
一方、画像面積率が低い画像を連続プリントする場合等、現像装置内のトナー消費が少なく、少量のトナーしか補給されない状態が長く続くと、現像剤中のトナーの多くが現像装置内で長期に渡って撹拌されながら滞留する状態となる。この様な状態では、現像剤中のトナーの帯電量(Q/M)が比較的大きくなり、潜像担持体上に所定の電位で形成されている静電潜像に付着するトナー粒子の量が減少し、画像濃度が低下する。
以上の様な濃度変動により、ページ間における画像濃度ムラが生じる場合がある。
そこで、現像部内のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、像担持体に作成された基準画像の濃度検出値に基づいてトナー濃度制御レベルを補正する補正モードとを有し、補正したトナー濃度補正レベルとトナー濃度検出手段の出力との差に基づいて、トナー補給制御を適正に行う画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この様な画像形成装置によれば、トナー付着量を安定化することで出力画像の濃度安定化を図ることができる。しかし、特許文献1に係る画像形成装置では、基準画像を作成するためにトナーが消費され、結果的に印刷一枚あたりの単価が上昇する可能性がある。また、基準画像作成時にはユーザから入力された画像を印刷できないため、トナー濃度制御レベルの補正を頻繁に行うと生産性が低下する可能性がある。
そこで、基準画像を作成せずに出力画像の濃度安定化を図る制御として、記録媒体上に形成された画像を測色し、測色結果に基づいて作像条件を補正する画像形成制御装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この様な画像形成制御装置によれば、記録媒体上に形成された画像の測色結果に基づいて作像条件を補正するため、トナー濃度制御のために基準画像を形成する必要がない。従って、作像条件の補正を行うために生産性が低下するのを回避し、画像濃度が安定した画像を形成することが可能になる。
カラー画像形成装置によって表現される色は、一次色と多次色とに大別される。一次色は、一種類のトナーによって表現される色である。例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)という四種類のトナーを用いる構成では、Y,M,C,Kトナーのうち、何れか1つだけで表現される色が一次色である。これに対し多次色は、二種類以上のトナーにより表現される色である。
また、カラー画像形成装置の多くは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)等の一次色を混色することで多次色を表現するため、制御上は一次色の作像条件を調整することで各色の画像濃度を調節することになる。しかしながら、記録媒体上に形成される画像の多くは一次色ではなく多次色であり、記録媒体上に形成された多次色の画像から一次色の画像濃度を直接知ることは困難である。
このため、記録媒体上に形成された画像の測色結果に基づいて作像条件の補正制御を行うカラー画像形成装置では、記録媒体上に形成された多次色トナー像の測色結果と、目標となる多次色(以下、目標色と呼ぶ)の色情報とを比較し、記録媒体上に形成される画像の色が目標色に近付く様に、各色の一次色トナー像の作像条件の制御が行われている。
しかしながら、この様に多次色画像を形成する一次色トナー像の作像条件を補正する場合には、補正対象となる一次色の作像条件が複数あるため、記録媒体上に形成される多次色画像を高精度に目標色に近づける補正を行うことは容易ではない。多次色同士を比較する場合、一方の一次色と他方の一次色との濃度の比較を単純に行うことができないためである。
従って、記録媒体上に形成される画像の色を目標色に近づけるためには、ある目標色に対する測色結果が出力された時に、各一次色の作像条件をどの様に補正すれば良いか、という情報の膨大な数の組み合わせを予め入力しておく必要がある。しかし、この様な膨大な情報の組み合わせを用意するためには予め数多くの実験を行っておく必要があり、情報の組み合わせの数に応じて印刷コストの上昇を招くこととなる。
また、上記した情報の組み合わせをテーブル又はモデルとして与えることが出来たとしても、予め入力されている情報を装置や環境に合わせて適宜校正しなければ、記録媒体上に形成される画像を高精度に目標色に近付けることは困難である。この様な情報の校正を行うためには、一般的に多くのパッチ画像を出力するためトナーが大量に消費されると共に、多大な時間を要するという問題がある。
さらに、潜像担持体としての感光体ドラムの偏芯等に起因して、記録媒体上に形成される画像においてページ内濃度変動が生じる場合がある。ページ内濃度変動が生じると、同一ページ内に形成されている同一色であっても、ページ内の位置によって測色結果が異なってしまう。従って、測色結果の変動が現像装置内の現像剤の状態等の作像条件に起因して生じたものか、感光体ドラムの偏芯等に起因して生じたものなのかを判断できなくなるため、作像条件の補正を適切に行うことが困難になる場合がある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、記録媒体上の多次色画像の測色結果に基づいて作像条件を適切に補正し、出力画像の濃度安定性を向上させることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の画像形成装置によれば、入力画像情報に基づいて、入力画像情報に基づいて、1つ以上の一次色画像で構成される画像を記録媒体上に形成する作像手段と、前記画像のうち、複数の領域を測色する測色手段と、測色された前記複数の領域ごとに、前記画像を構成する前記一次色画像の濃度を推定する濃度推定手段と、前記入力画像情報に基づく前記一次色画像の濃度と前記濃度推定手段により推定された濃度との比較から、前記複数の領域ごとに前記一次色画像の濃度レベルを判定する濃度レベル判定手段と、前記濃度レベルに基づいて、前記作像手段の作像条件を補正する作像条件補正手段と、を有する。
本発明の実施形態によれば、記録媒体上の多次色画像の測色結果に基づいて作像条件を適切に補正し、出力画像の濃度安定性を向上させることが可能な画像形成装置を提供できる。
実施形態に係る画像形成装置を例示する概略構成図である。 実施形態に係る画像形成装置のプリンタ部の筐体内の要部を拡大して例示する拡大構成図である。 実施形態に係る画像形成装置のプリンタ部における互いに隣り合う2つの画像形成ユニットを例示する拡大構成図である。 実施形態に係る画像形成装置の画像形成ユニットの現像装置を例示する分解上面図である。 実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を例示する図である。 実施形態に係る画像形成装置の機能構成を例示する図である。 実施形態に係る画像形成装置で実行される色安定化処理のフローチャートを例示する図である。 実施形態に係る画像形成装置における色分解処理のフローチャートを例示する図である。 実施形態に係る画像形成装置における色分解処理について説明する図(1)である。 実施形態に係る画像形成装置における色分解処理について説明する図(2)である。 実施形態に係る画像形成装置における色分解処理について説明する図(3)である。 実施形態に係る画像形成装置における色分解処理について説明する図(4)である。 実施形態に係る画像形成装置における色分解処理について説明する図(5)である。 実施形態に係る画像形成装置における色分解処理について説明する図(6)である。 実施形態に係る画像形成装置における評価フローチャートを例示する図である。 実施形態に係る画像形成装置の評価に用いる評価チャート及び制御チャートを例示する図である。 実施形態に係る画像形成装置における画像濃度評価結果を例示する図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
<画像形成装置について>
以下、図面に基づいて本実施形態に係る画像形成装置600の全体構成及び各部の構成を、記録媒体としての記録紙P上に画像を形成する画像形成プロセスと共に説明する。
[全体構成]
まず、本実施形態に係る画像形成装置600の構成について説明する。図1は、実施形態に係る画像形成装置600を例示する概略構成図である。
画像形成装置600は、画像形成を行うプリンタ部100、プリンタ部100に対して記録紙Pを供給する給紙装置200、プリンタ部100の上に搭載されたスキャナ300、このスキャナ300の上に搭載された原稿自動搬送装置(以下、ADFという)400を有する。
プリンタ部100は、その筐体外に、記録紙Pを手差し給紙する手差しトレイ6、プリンタ部100の筐体から排出された画像形成済みの記録紙Pをスタックするための排紙トレイ7等を具備する。
画像形成装置600において、原稿のコピーを取る場合には、まず、ADF400の原稿台30に綴じられていない原稿の束をセットする。綴じられている原稿の場合には、それをADF400にセットする代わりに、スキャナ300のコンタクトガラス31上にセットする。この際、ADF400を開いてコンタクトガラス31を露出させ、その上に原稿を置いた後、ADF400を閉じて原稿を押さえる。
その後、ユーザが不図示のスタートスイッチを押すとコピー動作がスタートし、ADF400に原稿をセットした場合には、原稿がコンタクトガラス31の左側に設けられた自動読取部401に自動で搬送され、自動読取部401を通過した原稿は原稿排紙トレイ30aへと搬送される。
コピー動作がスタートすると、コンタクトガラス31上に原稿がセットされている場合には、スキャナ300が第一走行体33を駆動し、第一走行体33上の光源から照射される光をコンタクトガラス31上の原稿面で反射させる。ADF400に原稿がセットされている場合には、スキャナ300は第一走行体33を自動読取部401の下方で停止させた状態で、第一走行体33上の光源から照射される光を自動読取部401を通過する原稿の原稿面で反射させる。
スキャナ300は、原稿面からの反射光を第二走行体34のミラーで反射し、結像レンズ35を通じて読取センサ36に導光し、原稿の画像情報を読み取る。スキャナ300が読み取った原稿の画像情報は、プリンタ部100に送られる。
プリンタ部100は、スキャナ300によって得られた画像情報に基づいて、画像を記録紙Pにプリントする。画像形成装置600のプリンタ部100は、スキャナ300による原稿読み取りで得られた画像情報の他、パーソナルコンピュータ等の外部装置から送られてきた画像情報に基づいて画像を記録紙P上に形成することも可能である。
給紙装置200は、記録紙Pを収納する複数の給紙カセット44、これらの給紙カセット44に収納された記録紙Pを一枚ずつ送り出す給紙ローラ42、分離ローラ45、送り出された記録紙Pを給紙路46に沿って搬送する搬送ローラ47等を有する。給紙路46は、プリンタ部100の搬送路48に接続されている。
ユーザによって不図示のスタートスイッチが押されるか、外部装置から画像情報が送られると、給紙装置200では、ユーザが選択した記録紙Pを収容する給紙カセット44に配置された給紙ローラ42が回転し、給紙カセット44の1つから記録紙Pが送り出される。送り出された記録紙Pは、分離ローラ45で分離されて給紙路46に供給され、搬送ローラ47によりプリンタ部100内の搬送路48まで搬送される。
[プリンタ部]
図2は、プリンタ部100の筐体内の要部を拡大して例示する拡大構成図である。
プリンタ部100には、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10の基材としては、例えばベルト伸びによる位置ずれを抑制することが可能であり、機械的強度に非常に優れた材料であるPI(ポリイミド)等を用いることができる。中間転写ベルト10の基材中には、温湿度環境に依存せず常に安定した転写性能が得られる様に、抵抗調整剤として例えばカーボンが分散されている。また、コストダウンを図るため、例えばカーボンを分散しないPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を中間転写ベルト10の基材の材料として採用することも可能である。
中間転写ベルト10は、内周側に配設された第一支持ローラ14、第二支持ローラ15、第三支持ローラ16等の複数の張架部材により、側方から見た形状が上部の一辺が略水平な三角形の形状となる姿勢で張架されている。以下、三角形の上部の略水平な一辺を形成する張架面を水平張架面という。中間転写ベルト10は、三つの支持ローラ(14、15、16)のうちの少なくとも1つが回転駆動することにより、図1及び図2中の時計回り方向(図中の矢印A方向)に従動して回転する。
中間転写ベルト10の上方には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブ
ラック(K)のトナー像をそれぞれ個別に形成するための四つの画像形成ユニット18(Y,C,M,K)が中間転写ベルト10の水平張架面に沿って並設されている。画像形成ユニット18(Y,C,M,K)のさらに上方には、図1に示す様に、潜像書込ユニット21が配設されている。
潜像書込ユニット21は、スキャナ300による原稿読み取りで得られた画像情報、又は、外部装置から送られてくる画像情報等を書込制御部で受信する。そして、受信した画像情報に基づいて、Y,C,M,K用の不図示の半導体レーザーをそれぞれ駆動してY,C,M,K用の書込光を生成する。そして、画像形成ユニット18(Y,C,M,K)の感光体20(Y,C,M,K)を書込光により光走査して、感光体20(Y,C,M,K)の表面に静電潜像を形成する。なお、書込光の光源は、レーザー半導体に限られるものではなく、例えばLED等を採用しても良い。
[画像形成ユニット]
図3は、4つの画像形成ユニット18(Y,C,M,K)のうち、互いに隣り合う2つの画像形成ユニット18を例示する拡大構成図である。なお、図3では、Y,C,M,Kの符号を省略して示している。
図3に示す様に、画像形成ユニット18は、ドラム状の感光体20の周囲に、帯電装置60、現像装置61、感光体クリーニング装置63、除電装置64等を有する。
帯電装置60は、図3中の反時計回り方向に回転駆動される感光体20の表面をトナーの帯電極性と同極性に一様に帯電させる。本実施形態に係る画像形成ユニット18では、感光体20に対して非接触で近接させた帯電ローラに対して帯電バイアスを印加して、感光体20と帯電ローラとの間に放電を生じさせることで、感光体20を一様帯電させる。この様な帯電ローラ方式に代えて、例えば非接触のスコロトロンチャージャー等を採用した非接触帯電方式を採用しても良い。
[現像装置]
図4は、作像手段の一例としての現像装置61のケーシングの上部を取り除いた状態を例示する上面図である。以下、図3及び図4に基づいて現像装置61の構成ついて説明する。
現像装置61は、磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する現像剤を用いて感光体20の静電潜像をトナー像として顕像化する。現像装置61は、図3に示す様に、攪拌部66、現像部67を有する。
攪拌部66は、互いに平行配設された2本の搬送スクリュ68を有する。2本の搬送スクリュ68は、仕切り壁69によってそれぞれ個別に仕切られた仕切り空間に設けられている。仕切り壁69は、搬送スクリュ68の長手方向の両端部に切り欠きを有している。この切り欠きにより、二本の搬送スクリュ68をそれぞれ個別に収容している二つの仕切り空間は、スクリュ長手方向の両端部でそれぞれ連通している。
2つの仕切り空間のうち、後述する現像部67に隣接する仕切り空間は、現像部67内の現像スリーブ65に現像剤を供給するための供給室である。また、他方の仕切り空間は、搬送スクリュ68の長手方向の一端側で供給室から受け取った現像剤を、他端側まで搬送して供給室に返送する返送室である。
供給室内の搬送スクリュ68と、返送室内の搬送スクリュ68とは、互いに回転駆動に伴って正反対の方向に現像剤を搬送するようになっており、スクリュ長手方向の端部付近まで搬送した現像剤を前述の切り欠きに通して他方の室内に送り込む。現像装置61内の現像剤は、図4中に示す矢印B方向に、供給室と返送室との間で循環搬送される。なお、図3に示す様に、攪拌部66における供給室の底には、現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ71が取り付けられている。
また、図4に示す様に、供給室における搬送方向下流側端部と返送室における搬送方向上流側端部とを連通する切り欠きの上方には、トナー補給口61aが形成されている。
現像部67には、回転駆動可能な非磁性の筒状部材からなる現像スリーブ65が設けられている。現像スリーブ65の内部には、周方向に並ぶ複数の磁極を有するマグネットローラが、現像スリーブ65に連れ回らないように固定して配設されている。上記した攪拌部66の供給室内では、トナー濃度センサ71が、搬送スクリュ68の回転駆動に伴って図4に示す矢印B方向に搬送される現像剤のトナー濃度を検知する。
搬送スクリュ68によって搬送される現像剤の一部が、現像スリーブ65内に固定配置されているマグネットローラの磁極が発する磁力によって、現像スリーブ65に汲み上げられる。現像スリーブ65の表面上に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ65の回転に伴って、現像スリーブ65と感光体20とが対向する現像領域に向かって搬送される。このとき、現像スリーブ65の表面上の現像剤は、現像領域に到達する前に、ドクターブレード73によって現像スリーブ65の表面上における層厚が規制される。
現像領域に現像剤が到達すると、トナーの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加される現像スリーブ65と、感光体20の静電潜像との間の電位差である現像ポテンシャルの作用により、トナー粒子が磁性キャリアから離脱して静電潜像に転移する。現像ポテンシャルにより磁性キャリアから離脱するトナー粒子により、感光体20上の静電潜像がトナー像として現像される。
現像領域で感光体20に転移しなかったトナー粒子を含む現像剤は、現像スリーブ65の回転に伴って現像領域を通過し、マグネットローラの反発磁極の位置まで搬送された時に、現像スリーブ65表面から離脱して攪拌部66の供給室内に戻される。
供給室内では、静電潜像にトナーを供給した現像剤が戻されるのに伴って現像剤中のトナー濃度が低下すると、トナー濃度センサ71によりトナー濃度の低下が検知され、トナー補給口61aから適量のトナーが補給される。この様なトナー濃度センサ71の検知結果に基づくトナー補給制御は1枚通紙毎に実行される。
[一次転写]
図1及び図2に示す様に、中間転写ベルト10の内周側には、4つの感光体20との間でそれぞれ中間転写ベルト10を挟み込む4つの一次転写ローラ62が配設されている。それぞれの一次転写ローラ62が中間転写ベルト10をそれぞれの感光体20に向けて押圧することで、ベルト表面と感光体20とが当接する一次転写ニップが形成されている。
各一次転写ローラ62には、トナーの帯電極性とは逆極性の一次転写バイアスが印加される。これにより、一次転写ニップ内では、トナーが感光体20側から一次転写ローラ62側に向かう一次転写電界が形成され、感光体20の表面上のトナー像が中間転写ベルト10表面に一次転写される。感光体20上のトナー像を中間転写ベルト10表面に一次転写させる一次転写手段としては、例えば転写ブラシや、非接触のコロナチャージャ等を採用しても良い。
一次転写ニップを通過した後の感光体20の表面には、中間転写ベルト10に一次転写されなかった転写残トナーが付着している。感光体20表面の転写残トナーは、感光体クリーニング装置63によって感光体20の表面から除去される。感光体クリーニング装置63は、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を片持ち支持しており、その自由端を感光体20の表面に突き当てることで、表面上の転写残トナーを掻き取る。また、感光体20に接触しながら回転する導電性のファーブラシ76も、感光体20の表面上の転写残トナーを除去している。クリーニングブレード75及びファーブラシ76によって感光体20上から除去されたトナーは、感光体クリーニング装置63の内部に収容される。
感光体クリーニング装置63によって転写残トナーが除去された感光体20の表面は、除電装置64の光照射によって除電される。これにより、感光体20の表面電位が初期化される。その後、帯電装置60によってトナーの帯電極性と同じ極性に一様帯電された後、その表面電位が電位センサ320によって検知される。
本実施形態における感光体20は、直径60[mm]のドラム状部材であり、282[mm/sec]の線速で図中反時計回り方向に回転駆動される。また、本実施形態における現像スリーブ65は、直径25[mm]の筒状部材であり、564[mm/sec]の線速で回転駆動される。
本実施形態の現像装置61内において、現像領域に供給される現像剤中トナーの帯電量は、およそ−10〜−30[μC/g]の範囲である。また、感光体20の感光層の厚みは30[μm]であり、潜像書込ユニット21の光学系のビームスポット径は50×60[μm]であり、その光量は約0.47[mW]である。
感光体20の表面は帯電装置60によって例えば−700[V]に一様に帯電され、潜像書込ユニット21によってレーザーが照射された静電潜像部分の電位は−120[V]となる。現像スリーブ65に印加される現像バイアスは−470[V]であり、これにより、感光体20の静電潜像上のトナーには−350[V]の現像ポテンシャルが作用する。
以上で説明した構成を有する画像形成ユニット18において、感光体20は回転駆動するのに伴って、まず帯電装置60によって一様に帯電された後、潜像書込ユニット21による光走査を受けて静電潜像を担持する。その光走査は、スキャナ300により読み取った画像情報、あるいは外部装置から送られてくる画像情報に基づいて行われる。
感光体20(Y,C,M,K)上には、現像装置61によって現像されてY,C,M,Kトナー像が形成される。感光体20上に形成されたY,C,M,Kトナー像は、Y,C,M,K用の一次転写ニップで中間転写ベルト10上に重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト10上には、各色トナー像が重なり合った4色重ね合わせトナー像が形成される。
一次転写後に感光体20の表面に残留した転写残トナーは、上記した様に、感光体クリーニング装置63により除去され、感光体20の表面は除電装置64により除電された後、次の画像形成に供される。
[二次転写]
図1及び図2に示す様に、中間転写ベルト10の外周側には二次転写ローラ24が配設されており、内周側の第三支持ローラ16との間で中間転写ベルト10を挟み込んでいる。第三支持ローラ16が中間転写ベルト10を二次転写ローラ24に向けて押圧することで、ベルト表面と二次転写ローラ24とが当接する二次転写ニップが形成されている。
上記した給紙装置200から送り出された記録紙Pは、プリンタ部100の搬送路48内に進入した後、レジストローラ対49に突き当たった位置で停止する。レジストローラ対49は、搬送路48内で受け取った記録紙Pを、中間転写ベルト10上の4色重ね合わせトナー像の転写タイミングに合わせて二次転写ニップに到達する様に記録紙Pを送り出す。
二次転写ニップに送り込まれた記録紙P上には、二次転写バイアスが印加された二次転写ローラ24と第三支持ローラ16との間に形成される二次転写電界の作用により、中間転写ベルト10上の4色重ね合わせトナー像が記録紙P上に二次転写される。記録紙P上に二次転写された4色重ね合わせトナー像は、記録紙Pの白色と相まってフルカラートナー像になる。
記録紙Pは、トナー像が転写された後、定着装置25まで搬送され、定着装置25の加熱ローラ26と加圧ローラ27との間の定着ニップにおいて加熱及び加圧されることで、フルカラートナー像の定着処理が施される。定着装置25を通過した記録紙Pの搬送方向は、不図示の切替爪により、図1に示す用紙反転装置93に向かう方向と、排紙ローラ対56に向かう方向とで切り替えられる。記録紙Pが用紙反転装置93に送り込まれた場合には、表裏反転された後、再びレジストローラ対49に送られて、もう一方の面にもフルカラー画像が形成される。また、記録紙Pが排紙ローラ対56に送り込まれた場合には、機外の排紙トレイ7上にスタックされる。
中間転写ベルト10上の四色重ね合わせトナー像を記録紙Pに二次転写する二次転写手段としては、二次転写ローラ24の他に、例えば転写チャージャ等を採用しても良い。なお、本実施形態の二次転写ローラ24には、二次転写ローラ24に付着したトナーをクリーニングするローラクリーニング部91が当接している。
中間転写ベルト10が張架される第二支持ローラ15の対向位置には、中間転写ベルト10にベルトクリーニング装置17が当接している。ベルトクリーニング装置17は、二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト10に付着している転写残トナーのクリーニングを行う。
プリンタ部100には、手差しトレイ6から搬送路48へ合流する手差し給紙路41が設けられている。この手差し給紙路41の上流側には、手差しトレイ6にセットされた記録紙Pを一枚ずつ給紙するための手差し給紙ローラ601及び手差し分離ローラ602が設けられている。
また、図1及び図2に示す様に、中間転写ベルト10の外周側には、光学センサユニット310が、第一支持ローラ14に対向して中間転写ベルト10から離間した位置に設けられている。
画像形成装置600では、中間転写ベルト10上に形成されるY,C,M,K各色のトナーパッチ像から、光学センサユニット310の出力に基づいて各トナーパッチ像における単位面積当たりのトナー付着量を求めることができる。画像形成装置600は、求められたトナー付着量に基づいて、作像条件等を調節することによりトナー付着量を安定化させ、フルカラー画像の色調を安定化させることができる。
[ライン分光計]
図1に示す様に、排紙トレイ7の上方には、測色手段の一例としてのライン分光計900が配設されている。画像形成装置600は、ライン分光計900により、排紙トレイ7上に排出された記録紙Pに形成された画像の色を測色することができる。
ライン分光計900は、記録紙P上の画像を測色し、分光反射率分布を検出するものである。そして、最小サイズの記録紙Pが通過し得る領域における主走査方向(記録紙Pの搬送方向に直交する方向)の一端を0[mm]としたときに、主走査方向における0[mm]から210[mm]までの間の範囲で、10[mm]毎に22箇所で分光反射率分布を検出可能な構成となっている。
また、ライン分光計900が検出する分光反射率分布は、波長400[nm]から700[nm]までの範囲について、10[nm]毎の31個の波長域についての反射率である。
さらに、ライン分光計900は、副走査方向(記録紙Pの搬送方向)について10[mm]毎に区切って検出するものであり、分光反射率分布を検出する主走査方向の22箇所では、10[mm]×10[mm]の正方形の領域の測色を行う。そして、検出される分光反射率分布は、この正方形の領域の測色値の平均値となる。
ライン分光計900の設置位置は、記録紙P上に定着された画像を測色可能であれば、本実施の形態で例示する位置に限るものではなく、例えば記録紙Pの搬送経路において定着装置25の直後に設けても良い。
画像形成装置600は、ライン分光計900の測色結果に基づいて、例えば現像装置61に収容されている現像剤のトナー濃度を制御することで、記録紙P上に形成する画像濃度を安定に保つことが可能である。
画像形成装置600は、以上で説明した構成で記録紙P上にフルカラー画像を形成するタンデム型のカラー複合機であるが、異なる構成のカラー複合機若しくはモノクロ複合機、さらにはプリンタ、FAX等の画像形成装置であっても良い。また、電子写真方式に限らず、インクジェット方式等の他の方式による画像形成装置であっても良い。
<画像形成装置のハードウェア構成>
次に、実施形態に係る画像形成装置600のハードウェア構成について、図5に基づいて説明する。
画像形成装置600は、プリンタ部100、給紙装置200、スキャナ300、ADF400、メイン制御部500、ネットワークI/F部700、記録媒体I/F部800を有し、それぞれがバスBにより相互に接続されている。
メイン制御部500は、CPU501、RAM502、ROM503等を有する。ROM503には、各種のプログラムやプログラムによって利用されるデータ等が記憶されている。RAM502は、プログラムをロードするための記憶領域や、ロードされたプログラムのワーク領域等として用いられる。CPU501は、RAM502にロードされたプログラムを処理することにより、各種の機能を実現する。
ネットワークI/F部700は、LAN等のネットワーク(有線又は無線の別は問わない)に接続するためのハードウェアである。記録媒体I/F部800は、記録媒体801とのインタフェースである。画像形成装置600は、記録媒体I/F部800を介して記録媒体801の読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体801には、フレキシブルディスク、CD、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(SD Memory card)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory)等がある。
<画像形成装置の機能構成>
図6は、実施形態に係る画像形成装置600の機能構成を例示する図である。
図6に示す様に、画像形成装置600のメイン制御部500は、濃度推定部510、濃度レベル判定部520、作像条件補正部530を有する。メイン制御部500の各種機能は、例えばCPU501がRAM502にロードされたプログラムを処理することにより実現される。
濃度推定部510は、ライン分光計900が記録紙Pに形成された画像の複数点で計測した分光反射率分布から、各分光反射率分布が計測された位置の画像を構成するY,C,M,Kの一次色画像の濃度を推定する。濃度推定部510による一次色画像の濃度を推定する方法については後述する。
濃度レベル判定部520は、スコア付与部521、重み付け部522、スコア積算部523、レベル判定部524を有し、濃度推定部510により推定された画像濃度の濃度レベルを判定する。
スコア付与部521は、濃度推定部510により推定された画像濃度を、例えば目標画像濃度と比較し、推定された画像濃度にスコアを付与する。
重み付け部522は、スコア付与部521により付与されたスコアに、画像濃度又はライン分光計900が測定した画像を構成する一次色の数等に基づいて重み付けを行う。
スコア積算部523は、スコア付与部521により付与され、重み付け部522により重み付けされたスコアを、プリンタ部100が画像を形成するY,C,M,K一次色ごとに積算する。
レベル判定部524は、スコア積算部523により積算されたスコアに基づいて、Y,C,M,Kの一次色ごとの濃度レベルを判定する。
作像条件補正部530は、濃度レベル判定部520により判定されたY,C,M,Kの一次色ごとの濃度レベル判定結果に基づいて、プリンタ部100における作像条件の制御パラメータを補正する。補正する制御パラメータとしては、現像装置61内のトナー濃度の制御目標値、現像バイアス、潜像書込ユニット21が感光体20表面に照射する書込光の強度等がある。
<色安定化処理>
次に、実施形態に係る画像形成装置600において、記録紙Pに形成する画像の色を安定化させるために行われる色安定化処理について説明する。
図7は、画像形成装置600において実行される色安定化処理のフローチャートの一例であり、各ステップについて以下で説明する。
(ステップS1:作像用画像情報変換処理)
まずステップS1にて、メイン制御部500が、入力画像情報として、外部装置から送られる画像情報、あるいはスキャナ300で読み取られた画像情報を取得する。入力画像情報は、画像を構成するマトリクス状に並ぶ複数の画素についてそれぞれR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の単色成分の明度を表した画素値を有するものである。メイン制御部500は、この入力画像情報を、Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(黒)の単色成分の明度を表した画素値を有する作像用画像情報に変換する。
次にメイン制御部500は、一方ではステップS2の作像処理及びステップS3の転写処理を印刷処理として実行し、他方ではステップS4の測色領域決定処理として、ライン分光計900で測色を行う記録紙P上の画像領域を決定する処理を並行して行う。
(ステップS2:作像処理)
ステップS2における作像処理は、作像用画像情報に基づいて、4つの画像形成ユニット18(Y,C,M,K)のそれぞれの感光体20(Y,C,M,K)上に一次色のトナー像を作像する。次に、一次色トナー像を中間転写ベルト10上で重ねることで多次色トナー像を作像する。
(ステップS3:転写処理)
また、ステップS3における転写処理は、中間転写ベルト10上に形成された多次色トナー像を二次転写ニップで記録紙P上への転写を行う。その後、記録紙Pは、定着装置25で多次色トナー像が定着されて排紙トレイ7に向かって搬送される。
(ステップS4:測色領域決定処理)
ステップS4における測色領域決定処理は、作像用画像情報における画像領域のうち、どの領域を測色領域にするのかを決定する。
なお、測色を実行する領域は、記録紙P上に形成された画像の一部に限らず、画像領域全体を幾つかの測色領域に分け、画像領域全体に対して測色を行っても良い。また、測色領域としては、領域内における色合いの変化が出来るだけ少ない(色の平坦度が高い)領域であることが、精度の良い測色を行うために好ましい。従って、メイン制御部500は、作像用画像情報に基づいて、色の平坦度が高く、測色に適した領域を探索して測色領域を決定している。
測色領域の探索は、次の様に行う。まず、作像用画像情報によって表される画素マトリクスの所定位置にある画素を注目画素とし、注目画素を中心とする所定サイズの領域を部分領域として抽出する。例えば、初回の抽出においては、画素マトリクスにおける左上から51列目で且つ51行目の画素を注目画素とし、この注目画素を中心とする101画素×101画素の矩形領域(約4[mm]角の領域)を部分領域として抽出する。そして、抽出した部分領域における各画素の画素値(Y,C,M,K)を参照しながら、その部分領域全体としての色合いの平坦さを示す平坦度を算出する。
平坦度としては、様々な算出法によって求められたものを用いることが可能であり、第一例として、Y,C,M,Kについてそれぞれ、各画素の分散を求め、その分散の和に負の符号をつけたものを部分領域内の平坦度として求めることができる。
また、第二例として、分散共分散行列の行列式を用いて平坦度を求めることができる。具体的には、Y,C,M,Kについてそれぞれ、部分領域内の各画素における分散と共分散を求め、分散を対角成分に、共分散を非対角成分に配置した4×4の分散共分散行列を構築し、その行列式の値に負の符号を付けたものを平坦度として求める。分散共分散行列の行列式を用いることで、YCMK空間での分布の広がりを評価することができる。
さらに、第三例として、色の周波数特性を利用して平坦度を求めることができる。具体的には、部分領域内の各画素値を用いてフーリエ変換を行い、特定周波数のフーリエ係数の絶対値の二乗の和に負の符号を付けて平坦度とすることができる。特定周波数については複数の周波数を用いることができる。特定周波数のフーリエ係数の絶対値の二乗の和を用いることで、中間調処理の影響を排した平坦度を算出することができる。
平坦度は、上記した第一例〜第三例に限られるものではなく、公知の平坦度算出技術を用いることが可能である。
抽出した部分領域の平坦度を求めた後は、全ての部分領域を抽出したか否か(画像の全領域について部分領域の抽出が完了したか否か)、を判断する。そして、まだ抽出していない部分領域があると判断した場合には、注目画素の位置を右方向に1画素分だけずらして、左上から52列目、51行目の画素を注目画素とし、注目画素を中心とする101画素×101画素の矩形領域を部分領域として抽出する。そして、同様にして、抽出した部分領域の色の平坦度を算出する。以降、3、4、5・・・n個目の部分領域の抽出の際に、それぞれ注目画素の位置を右方向に1画素分だけずらしていく。そして、注目画素の列方向の位置をマトリクスの右端から左に向けて51番目の位置までずらした後は、注目画素の列方向の位置をマトリクスの左端から右に向けて51番目の位置まで戻すと共に、行方向の位置を1画素分だけ下方向にずらす。その後、注目画素の位置を1画素分ずつ右にずらす処理を繰り返す。以上の様にして、注目画素の位置をラスタ走査のように順次ずらしながら、画像の全領域を網羅する。
画像の全領域について部分領域を抽出する方法としては、上記した様に注目画素を1画素分ずつずらす方法に限らず、抽出した部分領域同士の縁部を互いに重ねないように各部分領域を抽出しても良い。例えば、51列目、51行目の注目画素を中心とする101画素×101画素の大きさの部分領域を抽出した後には、152列目、51行目の注目画素を中心とする101画素×101画素の大きさの部分領域を抽出するのである。
メイン制御部500では、画像の全領域からの部分領域の抽出や平坦度の算出を行うと、全ての部分領域の中から平坦度が最も高い領域を特定し、その平坦度について、予め定められた所定の基準平坦度とを比較する。算出した平坦度が基準平坦度よりも高い場合には、その部分領域を測色に適した測色領域として決定する。一方、特定された部分領域の平坦度が所定の基準平坦度よりも低い場合には、出力される画像には測色に適した測色領域が無いと判断する。
画像情報に基づいて測色に適した測色領域が見つからない場合には、中間転写ベルト10上に形成された各色のトナーパッチ像を光学センサユニット310が読み取った値から求められる各色の単位面積当たりのトナー付着量に基づき、作像条件を調節する。従って、測色領域が見つからず安定化処理を実行できない場合であっても、記録紙Pに形成する画像の色調に大きな乱れが発生するのを回避できる。
(ステップS5:測色処理)
印刷処理(S2及びS3)と測色領域決定処理(S4)とが実行された後、ステップS5にて、測色処理が実行される。測色処理では、ライン分光計900が、下方を通過する記録紙P上に形成されている多次色トナー像の全画像領域のうち、測色領域決定処理(S4)で決定された測色領域に対応する領域の測色を実行し、分光反射率分布を取得する。
(ステップS6:色分解処理)
次にステップS6にて、メイン制御部500が、測色結果から求められる多次色の色情報に基づいて、多次色のトナー像を構成するそれぞれの一次色の色情報を推定する色分解処理を行う。色分解処理については後述する。
(ステップS7:補正処理)
最後にステップS7にて、メイン制御部500が、色分解処理の結果に基づいて、プリンタ部100の制御パラメータに対する補正量を決定し、補正処理を実行する。補正する制御パラメータとしては、例えば潜像書込ユニット21のレーザー強度、帯電装置60の帯電印加電圧、及び現像装置61の現像バイアス、現像装置61内に収納されている現像剤のトナー濃度等がある。
<色分解処理>
次に、上記した色安定化処理において行われる色分解処理について説明する。
色分解処理では、ライン分光計900により計測された記録紙P上の画像の複数の測色領域における多次色画像の分光反射率分布に基づいて、各測色領域の画像を構成する各一次色の画像濃度を推定する。上記した色安定化処理における作像条件の補正は、色分解処理により推定された各一次色の画像濃度推定結果に基づいて行われる。
図8に、画像形成装置600において実行される色安定化処理のフローチャートの一例を示し、各ステップについて以下で説明する。
(ステップS11:濃度推定)
まずステップS11にて、メイン制御部500の濃度推定部510が、ライン分光計900により計測された複数の測色領域の分光反射率分布に基づいて、各測色領域の画像を構成する一次色の画像濃度として、網点率(単位面積当たりのドット面積率)を推定する。
以下では、画像形成装置600に入力される入力画像情報に基づいて作成される作像用画像情報における画像の網点率を「制御網点率」、記録紙P上に形成された画像の網点率を「出力網点率」という。
濃度推定部510は、ライン分光計900により計測された複数の測色領域における多次色トナー像の分光特性分布に基づいて、各測色領域の画像を構成する一次色の出力網点率の推定を行う。
濃度推定部510が推定した出力網点率を「推定網点率」といい、濃度推定部510が推定網点率を求める方法について以下で説明する。
まず、画像を形成する各一次色(本実施形態ではC,M,Y,Kの4色)の網点率をそれぞれkc、km、ky、kk、反射光の波長をλ[nm]、各一次色の各網点率における分光反射率分布をそれぞれcyan(kc,λ)、magenta(km,λ)、yellow(ky,λ)、black(kk,λ)とする。
分光反射率分布は、白色光を照射した時に反射光の波長毎に異なる反射率の分布を示すものである。ただし、記録紙Pの分光反射率分布をwhite(λ)としたとき、全ての波長λについてwhite(λ)=1となる正規化を全波長(λ=400[nm]〜700[nm])で施している。
例えば、magenta(0.5、λ)は、km=0.5であり、白色の記録紙P上に形成された網点率が50[%]のマゼンタの一次色のトナー像の分光反射率分布を示している。本実施形態では、λ=400[nm]から700[nm]までの10[nm]毎に反射率を求めており、magenta(0.5,λ)と表記する場合には、網点率50[%]の一次色のトナー像に対して白色光を照射した時の、λ=400[nm]の反射光の反射率、λ=410[nm]の反射光の反射率、λ=420[nm]の反射光の反射率・・・、λ=700[nm]の反射光の反射率、という様に、31個の波長についての反射率を示し、31行1列の行列(31×1行列)で表される。
また、多次色のトナー像の分光反射率分布を「MixedColor(λ)」とする。
本実施形態に係る色分解処理における濃度推定では、以下の式(1)に示す様に、多次色のトナー像の分光反射率分布を、この多次色のトナー像を構成する各一次色のトナー像の分光反射率分布の積として表現する色分解モデルを用いる。
式(1)における「MixedColor(λ)」、「cyan(kc,λ)」、「magenta(km,λ)」、「yellow(ky,λ)」及び「black(kk,λ)」は、それぞれ31×1行列で示すことができる。従って、式(1)は、以下の式(2)の様に表現できる。式(2)中のλ400〜λ700は、λ=400[nm]〜700[nm]の反射光の反射率を表している。
式(1)及び式(2)で示される関係が成り立つ場合は、これらの式の左辺と右辺との偏差を示す以下の式(3)で表されるJが「0」となる。
式(3)の両辺を二乗すると、以下に示す式(4)の様に表すことができる。
ライン分光計900が記録紙Pに出力された多次色トナー像を測色して取得するのは、「MixedColor(λ)」で示される分光反射率分布である。また、多次色トナー像を形成する各一次色トナー像の出力網点率は、作像条件が急に変化しない限り、制御網点率に近い値となる。制御網点率は作像時に設定されており、この制御網点率に近い値で、式(3)及び式(4)で表される偏差「J」の値が「0」に近い値になる各一次色の出力網点率を推定することで、測色領域の多次色トナー像を構成する各一次色のトナー像の推定網点率を求めることができる。
濃度推定部510は、以下で説明する一次色のデータテーブルを用いて出力網点率の推定を行う。
濃度推定部510が出力網点率を推定するアルゴリズムでは、事前情報として制御網点率近傍の網点率における各一次色の分光反射率分布cyan(kc,λ)、magenta(km,λ)、yellow(ky,λ)、black(kk,λ)が必要となる。ただし、任意の網点率kc、km、ky、kkに対するデータを用意することは一般に困難である。このため、10[%]刻みで離散化した各10個の網点率kc1〜kc10、km1〜km10、ky1〜ky10、kk1〜kk10に対する一次色の分光反射率分布のデータを一次色のデータテーブルとして用意する。一次色のデータテーブルは、各色について網点率とその網点率で作像された一次色トナー像の測色結果である分光反射率分布データとして、メイン制御部500のROM503に保存する。
次に、一次色の推定網点率を求める場合には、まず画像情報から得られる測色領域の網点率である制御網点率から推定網点率の候補(制御網点率に近い値の網点率の組合せ)を生成する。
続いて、推定網点率の候補に対応する各一次色の分光反射率分布を一次色のデータテーブルから生成する。例えば、ある一次色の制御網点率が55[%]であった場合、その近傍の値である網点率50[%]や60[%]の分光反射率分布をデータテーブルから生成する。
この様に生成した各一次色の分光反射率分布を式(3)や式(4)の「cyan(kc,λ)」、「magenta(km,λ)」、「yellow(ky,λ)」及び「black(kk,λ)」に当てはめ、偏差「J」を最小化する推定網点率の組合せを探索する。
ここで、推定網点率の候補の生成について一例を挙げて説明する。
制御網点率が50[%]のredのトナー像で、予測される分光反射率分布がred(0.5,λ)で与えられる画像は、一般に、magenta(0.5,λ)とyellow(0.5,λ)を重ね合わせることで作られる。よって、式(5)の様な色分解が考えられる。
しかし、実際にはこの様な色分解で式(3)及び式(4)における偏差「J」の値を最小化出来るとは限らない。そこで、推定網点率の候補として、制御網点率近傍の値を候補として生成する。
例えば、制御網点率が50[%]で画像形成され、予測される分光反射率分布がred(0.5,λ)で与えられるトナー像の測色結果を分解する際には、MagentaとYellowとの組合せとして、式(6)で表される様に計9通りの候補を生成する。
ここでは、説明の簡略化のため、9通りの候補を生成することを説明しているが、推定網点率の候補の組み合わせとしては、より多くの組合せを生成しても良い。
また、一次色のデータテーブルに登録されていないデータが必要な場合には、登録されているデータを補間することで推定網点率の候補を生成する。
cyanを例に挙げて説明すると、上記した様に、cyanの一次色のデータテーブルには、網点率kc1〜kc10の10個の網点率に対応する分光反射率が保存されている。そして、1≦n≦9において、kcn<kc'<kc(n+1)となるkc'に対応する分光反射率分布cyan(kc',λ)が必要な場合は、以下の式(7)に基づいて推定網点率の候補を生成し、この値に基づいて網点率の推定を行う。
以上で説明した様に、濃度推定部510では、ライン分光計900によって計測される記録紙P上の多次色画像の分光反射率分布に基づいて、分光反射率分布が計測された画像を構成する一次色の画像濃度として推定網点率を求める。
なお、ライン分光計900は、記録紙P上に形成されている画像のうち、測色領域として決定された複数の画像領域の分光反射率分布を求め、濃度推定部510は、ライン分光計900により計測された複数の画像領域の分光反射率分布のそれぞれに対して、各一次色の出力網点率の推定を行う。
図9に、濃度推定部510による濃度推定結果の例を示す。図9は、記録紙P上に形成された画像のうち、1次色、2次色、3次色、4次色で形成された画像を測色領域とし、ライン分光計900により計測された各測色領域の分光反射率分布から、濃度推定部510が推定網点率を求めた例である。
図9に示す様に、測色領域a〜dから求められた各一次色[C M Y K]の制御網点率は、以下の通りである。
測色領域a(1次色)の制御網点率[50% 00% 00% 00%]
測色領域b(2次色)の制御網点率[30% 00% 40% 00%]
測色領域c(3次色)の制御網点率[50% 00% 80% 20%]
測色領域d(4次色)の制御網点率[50% 50% 50% 50%]
上記した制御網点率に基づいて記録紙P上に形成された各測色領域a〜dの分光反射率分布から、濃度推定部510が上記した方法により求めた各一次色[C M Y K]の推定網点率は、以下の通りである。
測色領域a(1次色)の推定網点率[55% 00% 00% 00%]
測色領域b(2次色)の推定網点率[22% 00% 47% 00%]
測色領域c(3次色)の推定網点率[58% 00% 83% 17%]
測色領域d(4次色)の推定網点率[40% 59% 47% 54%]
濃度推定部510は、各測色領域a〜dにおける制御網点率と、推定網点率とを比較し、推定網点率が制御網点率より大きい場合には「濃度が高い(濃)」、推定網点率が制御網点率より小さい場合には「濃度が低い(薄)」と推定し、各測色領域の画像に含まれていない一次色については、「適正濃度(適)」と推定し、濃度推定結果を出力する。
濃度推定部510は、上記した結果に基づいて、各測色領域a〜dに対して以下に示す各一次色[C M Y K]の濃度推定結果を出力する。
測色領域a(1次色)の濃度推定結果[濃 適 適 適]
測色領域b(2次色)の濃度推定結果[薄 適 濃 適]
測色領域c(3次色)の濃度推定結果[濃 適 濃 薄]
測色領域d(4次色)の濃度推定結果[薄 濃 薄 濃]
なお、上記した例では、制御網点率に対して推定網点率が少しでも高ければ「濃度が高い(濃)」、少しでも低ければ「濃度が低い(薄)」という濃度推定を行っているが、例えば差が5%未満の場合には「適正濃度(適)」としても良い。ライン分光計900の計測誤差や濃度推定部510の推定網点率の推定誤差の影響を受けるのを回避できる。
また、制御網点率が、例えば10%未満の様に低い値の場合には、全て「適正濃度(適)」と推定しても良い。濃度変化はトナー付着量の変化に起因するが、制御網点率が低い画像の場合、トナー付着量が少ないため、濃度変化(トナー付着量変化)を正しく計測することが困難であり、濃度推定精度が低下する可能性があるためである。
さらに、上記した例では3段階で濃度推定を行ったが、制御網点率と推定網点率との差に基づいて、例えば「とても濃い」、「濃い」、「適正」、「薄い」、「とても薄い」の5段階等、3段階以上の濃度推定を行っても良い。
(ステップ12:スコア設定)
次に、図8に示す色分解処理のステップS12にて、濃度推定部510が出力する濃度推定結果に対して、スコア付与部521がスコアを付与する(図10)。
スコア付与部521は、例えば濃度推定部510の推定結果が「濃」の場合は「+1」、「適」の場合は「±0」、「薄」の場合は「−1」としてスコアを付与する。
上記した濃度推定部510の推定結果に対してスコア付与部521により付与された各測色領域における各一次色[C M Y K]のスコアは、図10に示す様に以下の通りである。
測色領域a(1次色)のスコア[+1 ±0 ±0 ±0]
測色領域b(2次色)のスコア[−1 ±0 +1 ±0]
測色領域c(3次色)のスコア[+1 ±0 +1 −1]
測色領域d(4次色)のスコア[−1 +1 −1 +1]
本実施形態では、「+1」、「±0」、「−1」の3つの値をスコアとして採用したが、値はこれに限るものではない。また、濃度推定部510が例えば5段階で濃度推定を行った場合には、「+2」、「+1」、「±0」、「−1」、「−2」等のスコアを設定しても良く、プリンタ部100の作像条件の精緻な補正が可能になる。
(ステップ13:重み付け)
次に、ステップ13にて、重み付け部522がスコア付与部521により付与されたスコアに重み付けを行う(図11)。
重み付け部522は、例えば測定領域に含まれる一次色の数に応じて重み付けを行う。本実施形態では、測定領域に含まれる一次色の数に応じて、1次色には「1.0」、2次色には「0.9」、3次色には「0.8」、4次色には「0.7」をスコアに乗じている。濃度推定部510が行う各一次色の濃度推定は、測色領域に含まれる一次色の数が多い程精度が低くなるため、一次色の数が多い程スコアが低くなる様に重みを付与している。
重み付け部522が、スコアに重みを付与した各測色領域における各一次色[C M Y K]の重み付きスコアは以下の通りである。
測色領域a(1次色)の重み付きスコア[+1.0 ±0.0 ±0.0 ±0.0]
測色領域b(2次色)の重み付きスコア[−0.9 ±0.0 +0.9 ±0.0]
測色領域c(3次色)の重み付きスコア[+0.8 ±0.0 +0.8 −0.8]
測色領域d(4次色)の重み付きスコア[−0.7 +0.7 −0.7 +0.7]
なお、本実施形態では、測色領域に含まれる一次色の数に応じて重み付けを行ったが、制御網点率や、制御網点率と推定網点率との差等に基づいて重み付けを行っても良い。また、複数の判断基準に基づく重み付けを行い、それぞれの重みをスコアに乗じて重み付けスコアを求めても良い。
(ステップS14:スコア合計算出)
次にステップS14にて、スコア積算部523が、測色領域a〜dの重み付けされたスコアを一次色ごとに積算して合計値を求める(図12)。
例えば、シアン(C)の場合には、+1.0(測色領域a)−0.9(測色領域b)+0.8(測色領域c)−0.7(測色領域d)=+0.2の様に、一次色ごとに重み付けされたスコアの合計値を算出する。算出された各一次色[C M Y K]のトータルスコアは以下の通りである。
トータルスコア [+0.2 +0.7 +1.0 −0.1]
(ステップS15:不感帯処理)
次にステップS15にて、スコア積算部523が、算出したトータルスコアに対して不感帯処理を実行する(図13)。
本実施形態では、トータルスコアが−0.5〜+0.5の範囲を不感帯として設定し、この不感帯に含まれるトータルスコアを全て「±0.0」とする。記録紙P上に形成されている画像には、例えば感光体20の偏芯等によりページ内濃度変動が生じている場合があり、作像条件に関係無くトータルスコアが影響を受ける場合がある。そこで、上記した不感帯処理を行うことで、例えば感光体20の偏芯等によるページ内濃度変動、あるいはライン分光計900の計測誤差や濃度推定部510の推定網点率の推定誤差によるトータルスコアへの影響を排除できる。なお、不感帯の範囲は適宜設定することができる。
この様な不感帯処理を行うことによって求められた各一次色[C M Y K]の最終スコアは、以下の通りである。
最終スコア [±0.0 +0.7 +1.0 ±0.0]
(ステップS16:濃度レベル判定)
次にステップS16にて、レベル判定部524が、スコア積算部523により求められた最終スコアに基づいて、各一次色の濃度レベルを判定する。
本実施形態では、最終スコアが正の値であった場合には「濃」、「±0」であった場合には「適正」、負の値であった場合は「薄い」と判定する。
レベル判定部524による濃度レベル判定結果[C M Y K]は、以下の通りである。
濃度レベル判定結果 [適正 濃い 濃い 適正]
以上で説明した色分解処理に基づく濃度レベル判定部520の濃度レベル判定結果に基づいて、作像条件補正部530がプリンタ部100の作像条件の補正を行う。
<評価結果>
次に、本実施形態に係る画像形成装置600において、色安定化処理を行って連続印刷を行った評価結果について説明する。
図15は、実施形態に係る画像形成装置600における評価フローチャートの一例である。また、図16(a)に評価に用いる評価チャート、図16(b)に制御チャートを例示する。
図16(a)に示す評価チャートは、C,M,Y,Kの一次色ごとに16階調のパッチで構成されている。各色各階調のパッチは評価チャート内に9点設けられており、9点の濃度を計測して求められる平均値の色差に基づいて、連続印刷時の濃度変動を評価する。複数パッチの濃度計測結果の平均値を用いることで、ページ内濃度変動の影響を受けずに評価を行うことができる。
図16(b)に示す制御チャートは、形成されるパッチ数(3〜9個)、色、階調、位置(予め定められた81箇所から選択)がランダムに設定されている画像である。以下の評価では、制御チャートの各パッチの測色結果(図中の■が測色位置)に基づいて、作像条件の補正を行った。
また、作像条件の補正は、作像条件補正部530が現像装置61における現像剤のトナー濃度の制御目標値Vtrefを補正することにより行った。制御目標値Vtrefは、値を大きくするとトナー濃度が低くなる様に制御され、小さくするとトナー濃度が高くなる様に制御される。例えば、濃度レベル判定部520により「濃い」と判定された一次色に対しては、作像条件補正部530がVtrefを「0.05」大きくし、「薄い」と判定された一次色に対しては、Vtrefを「0.03」小さく設定する。
本実施形態に係る画像形成装置600の評価として、図15に示す様に、まずステップS21にて、制御チャートを100枚印刷し、全ページの全パッチに対して推定網点率を求め、求められた推定網点率を色分解処理における制御網点率として使用する。
次にステップS22にて制御回数n=1に設定し、ステップS23にて評価チャートを10枚印刷した後、ステップS24にて制御チャートを1枚印刷する。
印刷された制御チャートに対して、ステップS25にて、ライン分光計900が分光反射率分布を計測し、濃度レベル判定部520が各一次色の濃度レベルの判定を行う。ステップS26では、作像条件補正部530が、濃度レベルの判定結果に基づいて、上記した様にVrefの値を補正する。
次にステップS27にて、制御回数nが100に達した場合には評価を終了し、制御回数nが100未満の場合には、ステップS27にて制御回数nに1を加算してステップS23からステップS26までの処理を再び行う。
以上の評価フローにおいて印刷された評価チャート1000枚における各色各階調の色差の評価結果を図17に示す。色差は、1枚目の評価チャートと2枚目以降の評価チャートとの間で求め、正の値は濃度が高いこと、負の値は濃度が低いことを示している。
図17(a)はシアン(C)、図17(b)はマゼンタ(M)、図17(c)はイエロー(Y)、図17(d)はブラック(K)の評価結果であり、全色全階調において色差は±3未満に抑えられ、非常に高いレベルで色安定化を達成できていることが分かる。
以上で説明した様に、本実施形態の画像形成装置600によれば、記録紙P上に形成される多次色画像からライン分光計900によって計測される複数の測色領域の分光反射率分布に基づき、記録紙P上の多次色画像を構成する各一次色の濃度判定を行うことができる。記録紙P上に形成されている画像の計測結果に基づいて濃度判定を行うため、例えば中間転写ベルト10上に濃度判定のための画像等を形成してトナーを消費することが無い。また、記録紙P上の画像の複数の測色領域の計測結果に基づいて濃度判定を行うため、例えば感光体20の偏芯等によって生じるページ内濃度変動の影響を受けることが無い。従って、本実施形態に係る画像形成装置600によれば、画像形成にかかるコストを上昇させることなく、高精度に作像条件の補正を行うことが可能であり、出力画像の濃度安定化を達成することができる。
ここまで、上記実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る画像形成装置600が有する機能は、上記説明を行った各処理手順を、実施形態に係る画像形成装置600にあったプログラミング言語でコード化したプログラムとしてコンピュータで実行することで実現することができる。よって、上記実施形態に係る画像形成装置600を実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体801に格納することができる。
よって、上記各実施形態に係るプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体801に記憶させることによって、これらの記録媒体801から、画像形成装置600にインストールすることができる。また、画像形成装置600は、ネットワークI/F部700を有していることから、上記実施形態に係るプログラムは、インターネット等の電気通信回線を介してダウンロードし、インストールすることもできる。
以上、実施形態に係る画像形成装置、画像形成方法、プログラム及び記憶媒体について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
61 現像装置(現像手段)
100 プリンタ部(作像手段)
510 濃度推定部
520 濃度レベル判定部
530 作像条件補正部
801 記録媒体
900 ライン分光計(測色手段)
P 記録紙
特開2001−343827号公報 特開2010−271595号公報

Claims (10)

  1. 入力画像情報に基づいて、1つ以上の一次色画像で構成される画像を記録媒体上に形成する作像手段と、
    前記画像のうち、複数の領域を測色する測色手段と、
    測色された前記複数の領域ごとに、前記画像を構成する前記一次色画像の濃度を推定する濃度推定手段と、
    前記入力画像情報に基づく前記一次色画像の濃度と前記濃度推定手段により推定された濃度との比較から、前記複数の領域ごとに前記一次色画像の濃度レベルを判定する濃度レベル判定手段と、
    前記濃度レベルに基づいて、前記作像手段の作像条件を補正する作像条件補正手段と、を有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記測色手段は、前記作像手段により前記記録媒体上に形成された前記画像の分光反射率分布を取得し、
    前記濃度推定手段は、前記一次色画像ごとの異なる濃度における複数の一次色分光反射率分布を有し、当該複数の一次色画像の前記一次色分光反射率分布の積と、前記測色手段により取得される前記分光反射率分布との差異が最小になる前記一次色画像の濃度を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記濃度レベル判定手段は、
    前記濃度推定手段により推定された前記一次色画像の濃度にスコアを付与し、当該スコアを前記一次色画像ごとに積算したスコア合計値に基づいて、前記濃度レベルを判定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記濃度レベル判定手段は、
    前記画像を構成する一次色画像の数及び一次色画像の網点率の少なくとも一方に応じて前記スコアに重み付けする
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記濃度レベル判定手段は、
    前記スコア合計値が所定の範囲内である場合には、前記濃度推定手段により推定された前記一次色画像の濃度が適正であると判定する
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
  6. 前記作像手段は、トナーを含む現像剤を収容し、潜像担持体上に前記一次色画像として異なる色のトナー像を形成する複数の現像手段を有し、
    前記作像条件補正手段は、前記濃度レベル判定手段により判定された前記一次色画像の濃度レベルに基づいて前記現像手段のトナー濃度の制御目標値を補正する
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記濃度推定手段は、前記一次色画像の濃度レベルとして網点率を推定する
    ことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の画像形成装置。
  8. 入力画像情報に基づいて、1つ以上の一次色画像で構成される画像を記録媒体上に形成する作像ステップと、
    前記画像のうち、複数の領域を測色する測色ステップと、
    測色された前記複数の領域ごとに、前記画像を構成する前記一次色画像の濃度を推定する濃度推定ステップと、
    前記入力画像情報に基づく前記一次色画像の濃度と前記濃度推定ステップにより推定された濃度との比較から、前記複数の領域ごとに前記一次色画像の濃度レベルを判定する濃度レベル判定ステップと、
    前記濃度レベルに基づいて、前記作像ステップの作像条件を補正する作像条件補正ステップと、を有する
    ことを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項8に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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