JP2024002643A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置で形成される画像における周期的な濃度ムラを抑制する。
【解決手段】画像形成装置は、感光体、感光体を一様に帯電させる帯電器、帯電された感光体に静電潜像を形成する露光器、及び静電潜像を現像して感光体に画像を形成する現像器を含み、形成された画像の画像濃度を検知するためのテスト画像を読み取る。画像形成装置は、テスト画像を形成し、その検知結果に基づいて画像濃度の周期的な変動を検知し、検知した周期的な変動が低下するように画像形成条件を補正する。補正された画像形成条件によって前記画像形成手段に画像を形成させ(S103)、形成された画像を読み取り、その読取結果から前記画像濃度の周期的な変動を抑制するための候補信号を生成する(S109)。
【選択図】 図12
【解決手段】画像形成装置は、感光体、感光体を一様に帯電させる帯電器、帯電された感光体に静電潜像を形成する露光器、及び静電潜像を現像して感光体に画像を形成する現像器を含み、形成された画像の画像濃度を検知するためのテスト画像を読み取る。画像形成装置は、テスト画像を形成し、その検知結果に基づいて画像濃度の周期的な変動を検知し、検知した周期的な変動が低下するように画像形成条件を補正する。補正された画像形成条件によって前記画像形成手段に画像を形成させ(S103)、形成された画像を読み取り、その読取結果から前記画像濃度の周期的な変動を抑制するための候補信号を生成する(S109)。
【選択図】 図12
Description
本発明は、複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は印刷業界にも普及し始めており、高速出力及び高画質への要求が急速に高まっている。高画質化に関する要求項目の中ではページ内の画像濃度の均一性への要望が高い。そのため、ページ内の画像濃度ムラを極力抑制することが重要になっている。画像濃度ムラの要因は様々であるが、現像スリーブや感光体ドラムなどの回転体で生じる周期濃度ムラは、特に視認されやすいことが知られている。このような画像濃度ムラは、感光体ドラムや現像スリーブの回転の振れによって生じる現像電界強度の周期的な変動によって生じるものと考えられている。
特許文献1には、感光ドラムの回転周期に合わせて現像バイアスを変調することで、感光ドラムや現像スリーブの回転の振れにより生じる画像濃度ムラを補正する画像形成装置が開示される。具体的にはこの画像形成装置は、感光ドラムの回転位置を検知する回転位置検知センサと、画像濃度を検知する濃度検知センサとを用いる。画像形成装置は、濃度検知センサの検知結果に基づいて画像濃度ムラを検知する。画像濃度ムラは、感光ドラムの回転周期で切り分けられ、回転位置検知センサの信号をトリガとして現像バイアスを周期的に変化させることで抑制される。
現像バイアスは、回転振れ等による電界変動を打ち消して電界を一定にすることで、画像濃度ムラを抑制する。また、例えば、現像バイアスのみならず、感光ドラムを帯電する際の帯電バイアスを変調させても同様の効果が得られる。以下、このように感光ドラムや現像スリーブの回転の振れにより生じる画像濃度ムラを補正する技術を「副走査濃度ムラ補正」という。
しかしながら、実際には、回転体で生じる周期画像濃度ムラを改善するために帯電バイアスや現像バイアスを変調させるための補正量の同定の際には、感光体と現像ロールなどの回転体に起因する各々の周期濃度ムラが干渉することがある。
また、このような干渉の他にも、突発的な濃度変動の影響により周期変動の検知が十分でない場合もある。補正対象の回転体が1つの場合においても、濃度変動のパラメータの同定でばらつきが生じる場合があり、パラメータ同定の精度によって濃度変動補正量の精度も左右される。そのような補正の結果として、ページ間で周期的な濃度ムラの補正効果がばらつく場合も生じている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置で形成される画像における周期的な濃度ムラを抑制することを主たる目的とする。
本発明の画像形成装置は、感光体、前記感光体を一様に帯電させる帯電器、帯電された前記感光体に静電潜像を形成する露光器、及び前記静電潜像を現像して前記感光体に画像を形成する現像器を含む画像形成手段と、前記画像形成手段により形成された前記画像の画像濃度を検知するためのテスト画像を読み取る画像濃度検知手段と、前記画像形成手段に前記テスト画像を形成させ、前記画像濃度検知手段に前記テスト画像を読み取らせることで取得する前記テスト画像の検知結果に基づいて画像濃度の周期的な変動を検知し、検知した周期的な変動が低下するように画像形成条件を補正する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記画像濃度の周期的な変動を反映した補正信号により前記画像形成条件を補正する第1補正処理を実行し、補正された前記画像形成条件によって前記画像形成手段に画像を形成させ、前記形成された画像を前記画像濃度検知手段で読み取り、その読取結果から前記画像濃度の周期的な変動を抑制するための候補信号を生成することを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置で形成される画像における周期的な濃度ムラを抑制することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これら実施例は本発明における好適な実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例の構成のみに限定されるものではない。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成図である。本実施形態の画像形成装置200は、電子写真方式を用いた4色フルカラープリンタである。図1の画像形成装置200は、適宜、他の装置と組み合わされて、複写機、複合機、或いはファクシミリとして構成されてもよい。
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成図である。本実施形態の画像形成装置200は、電子写真方式を用いた4色フルカラープリンタである。図1の画像形成装置200は、適宜、他の装置と組み合わされて、複写機、複合機、或いはファクシミリとして構成されてもよい。
画像形成装置200は、外部装置から取得するプリント信号に基づいてシート上の記録材に画像を形成する。記録材は、画像が形成可能な記録媒体であり、例えば、普通紙、コート紙、OHT、ラベル等である。以下、記録材を「用紙S」という。画像形成装置200は、取得したプリント信号を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に色分解された画像信号に変換する。画像形成装置200は、各色に対応した複数の感光体を所定の電位に帯電し、各色の画像信号に基づいて帯電した感光体を露光することで、各感光体に対応する色の静電潜像を形成する。
画像形成装置200は、対応する色のトナーにより静電潜像を現像して各感光体にトナー像を形成し、各感光体から中間転写体にトナー像を重畳して転写する。画像形成装置200は、中間転写体から用紙Sへトナー像を一括転写する。画像形成装置200は、トナー像が転写された用紙Sに対して熱圧着による定着処理を行い、成果物として機外に排出する。
画像形成装置200は、操作部140及びリーダ250を備える。操作部140はユーザインタフェースであり、例えば、ディスプレイ、操作ボタン、タッチパネル等を備える。ユーザは、操作部140により各種の処理の指示を画像形成装置200に入力することができる。例えば、ユーザは、操作部140により画像形成の指示や、後述する副走査濃度ムラ補正の実行の指示を入力することができる。
上記のような画像形成処理を行うために、画像形成装置200は、画像形成装置200の各種センサやモータなどを電子写真プロセスに沿って動作させるために各種命令信号の生成や演算処理を実行する機能を有するCPU301を備える。また、画像形成装置200は、画像形成部Pa~Pd、中間転写体である中間転写ベルト7、及び定着器13も備える。画像形成装置200は、画像形成部Pa~Pdが、中間転写ベルト7に沿って配置されるタンデム中間転写方式である。中間転写ベルト7は駆動ローラ18、テンションローラ17、及び二次転写内ローラ8を含む複数のローラによって張架される無端ベルトであり、R7方向に搬送(回転)される。画像形成部Pa~Pdは、それぞれ異なる色のトナー像を形成する。本実施形態では、画像形成部Paがイエロー(Y)のトナー像を形成する。画像形成部Pbがマゼンタ(M)のトナー像を形成する。画像形成部Pcがシアン(C)のトナー像を形成する。画像形成部Pdがブラック(K)のトナー像を形成する。
画像形成部Pa~Pdは、使用するトナーの色が異なるのみであり、同様の構成で同様の動作を行う。以下では、イエローのトナー像を形成する画像形成部Paについて説明し、画像形成部Pb~Pdの説明は省略する。また、以下の説明において、色を区別して説明する必要がない場合には、符号末尾のa~dを省略する。
画像形成部Paは、感光体である感光ドラム1aを中心に、帯電器2a、露光器3a、現像器4a、一次転写部T1a、及びドラムクリーナ6aが配置された構成である。
感光ドラム1aは、接地された円筒状の導体素管の上に感光層が形成されており、ドラム軸を中心に図中時計回り方向に回転駆動される。帯電器2aは、導電性の中心軸の周りに弾性層が形成されたローラ状である。帯電器2aは、感光ドラム1a側に付勢されることで、感光ドラム1aとの間にニップを形成しながら従動回転する。このとき帯電器2aは、帯電高圧電源から中心軸に帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光ドラム1aの表面(感光層)を所定の電位に一様に帯電する。露光器3aは、レーザ発光素子から照射されるレーザ光をポリゴンミラーやfθ光学系を介して感光ドラム1aのドラム軸方向に走査露光するレーザスキャナである。画像信号に基づいて生成される駆動信号によって変調されたレーザ光は、感光ドラム1aに照射される。これにより、感光ドラム1aの表面でレーザ光が露光された部分に電位降下が生じ、感光ドラム1aの表面に、画像信号に対応した静電潜像が形成される。
現像器4aは、磁性キャリアと非磁性トナーとからなる二成分の現像剤が充填された撹拌搬送部、現像スリーブ、及び現像スリーブから所定の間隙で配置される規制部材を備える。現像スリーブは、固定配置されたマグネットローラの周りに導電性部材が設けられて構成される。現像剤は、撹拌搬送部内で撹拌搬送されることにより、トナーが所定の電荷に帯電される。帯電された現像剤は、マグネットローラの磁力と現像スリーブの回転により現像スリーブ上を担持搬送され、規制部材によって所定の厚みに調整される。現像スリーブ上で所定の厚みに調整された現像剤が感光ドラム1aに供給される。
感光ドラム1aへの現像剤の供給は、現像高圧電源から現像スリーブに現像バイアスが印加されることで行われる。現像スリーブに現像バイアスが印加されることで、感光ドラム1aに形成された静電潜像と現像バイアスとの電位差によって生じる駆動力により、現像スリーブから感光ドラム1aへトナーが移動する。感光ドラム1aに移動したトナーは、静電潜像に付着して、静電潜像をトナー像として現像する。なお、本実施形態では負極性のトナーが使用される。
一次転写部T1aは、中間転写ベルト7を挟んで感光ドラム1aに対向する位置に一次転写ローラを備える。一次転写ローラが感光ドラム1a側に付勢されることで、一次転写ニップが形成される。一次転写ローラにトナーと逆極性の一次転写バイアスが印加されることにより、感光ドラム1a上のトナー像は、中間転写ベルト7に転写される。このときに転写されずに感光ドラム1aに残留したトナーは、ドラムクリーナ6aにより回収される。ドラムクリーナ6aにより残留したトナーが回収された感光ドラム1aは、再び画像形成に用いられる。
画像形成部Pb~Pdは、画像形成部Paと同様の処理により、感光ドラム1b~1dに、対応する色のトナー像を形成する。感光ドラム1bにはマゼンタのトナー像が形成される。感光ドラム1cにはシアンのトナー像が形成される。感光ドラム1dにはブラックのトナー像が形成される。中間転写ベルト7は、感光ドラム1a~1dと略同等の表面速度で回転駆動される。画像形成部Pa~Pdで形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト7の回転速度に応じて、中間転写ベルト7上で位置を合わせるように重畳転写される。
画像形成装置200は、画像が形成される用紙Sの給送を行うために、給紙カセット60、給紙ローラ対61、レジストローラ対62、及び二次転写外ローラ9を、用紙Sが搬送される搬送パスに備える。二次転写外ローラ9は、二次転写内ローラ8との間で二次転写部T2を構成する。給紙カセット60は、内部に用紙Sを積載収納する。用紙Sは、画像形成部Pa~Pdによる画像形成のタイミングに合わせて、給紙ローラ対61により摩擦分離され、1枚ずつ搬送パスへ給紙搬送される。用紙Sは、搬送パスを介してレジストローラ対62へ搬送される。レジストローラ対62は、用紙Sの斜行補正後に、タイミングを調整して二次転写部T2へ用紙Sを搬送する。
二次転写部T2では、二次転写外ローラ9が、中間転写ベルト7を挟んで二次転写内ローラ8側に付勢されることで、二次転写ニップを形成しながら従動回転する。二次転写部T2に供給された用紙Sは、二次転写ニップ中を挟持搬送される。このとき、二次転写外ローラ9にトナーと逆極性の二次転写バイアスが印加されることにより、中間転写ベルト7上のトナー像が用紙S上に転写される。転写されずに中間転写ベルト7上に残留したトナーは、テンションローラ17に対して中間転写ベルト7を介して対向して配置されるベルトクリーナ11により回収される。ベルトクリーナ11により残留したトナーが回収された中間転写ベルト7は、再び画像形成に用いられる。定着器13は、ヒータを内蔵するローラ対を備え、熱圧着により用紙S上のトナー像を溶融固着させる。用紙Sにトナー像が定着されることで成果物が完成する。成果物は、画像形成装置200の機外に設けられる排紙トレイ63上に排出される。
画像形成装置200のリーダ250は、セットされた原稿を読み取って画像データとして取り込む画像読取機能を有する。従って、リーダ250は、原稿やテストチャートを読み取る読取装置として機能する。なお、テストチャートとは、例えば、テスト画像が形成されたシートあるいは記録紙である。テスト画像は、画像濃度を検知するための複数のパターン画像を含む画像であり、テストパターンと呼ばれることもある。リーダ250において、光源23は、原稿台ガラス22上に置かれた原稿21に光を照射し、光学系24は、原稿21からの反射光をCCD(Charge-Coupled Device)センサ25に導いて結像させる。CCDセンサ25は、レッド、グリーン、ブルーの色成分信号を生成する。リーダ画像処理部28は、CPU301はCPU301に接続されており、CCDセンサ25により得られた色成分信号に、例えばシェーディング補正などの画像処理を実行して画像データを生成する。
(現像装置)
図2は、副走査濃度ムラ補正を行なわない場合の、現像部分における感光ドラム1の電位と現像バイアスにおける電圧との関係の説明図である。上記の通り、感光ドラム1はレーザ光によりドラム軸方向に走査される。そのためにドラム軸方向が主走査方向となる。主走査方向に直交する副走査方向は、感光ドラム1の回転方向になる。レーザ光は、感光ドラム1のドラム軸方向の全体を走査するのではないために、主走査方向には、レーザ光が露光される露光部分と、レーザ光が露光されない非露光部分とが生じる。
図2は、副走査濃度ムラ補正を行なわない場合の、現像部分における感光ドラム1の電位と現像バイアスにおける電圧との関係の説明図である。上記の通り、感光ドラム1はレーザ光によりドラム軸方向に走査される。そのためにドラム軸方向が主走査方向となる。主走査方向に直交する副走査方向は、感光ドラム1の回転方向になる。レーザ光は、感光ドラム1のドラム軸方向の全体を走査するのではないために、主走査方向には、レーザ光が露光される露光部分と、レーザ光が露光されない非露光部分とが生じる。
感光ドラム1の非露光部分の電位がVd、露光部分の電位がVlである。現像スリーブに印加される現像バイアスの電圧における直流成分はVdcである。非露光部分の電位Vdは、帯電器2により帯電された電位である。露光部分の電位Vlは、帯電器2により帯電された電位がレーザ光の露光により変位した電位である。本実施形態では、現像バイアスは、現像性を向上させるために上記の直流成分に交流成分が重畳される。交流成分としては、例えば、周波数が1.4[kHz]でピーク間電圧が1.5[kVpp]の交流電圧が用いられる。
本実施形態の二成分現像剤の磁性キャリアは、フェライトを主とするコアにシリコン樹脂をコートして構成される。磁性キャリアは、体積抵抗値が約1013[Ω・cm]、粒径(体積平均粒径)が約40[μm]である。非磁性トナーは、ポリエステルを主体とした樹脂に着色料、荷電制御剤等を分散して構成され、体積平均粒径が6[μm]程度の粉体としたものである。非磁性トナーは、磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。また、磁性キャリアは正極性に摩擦帯電される。
(反射センサ)
図1に示すように、中間転写ベルト7の回転方向で画像形成部Pa~Pdの下流側には画像濃度センサ70が配置される。画像濃度センサ70は、中間転写ベルト7の反射率を検知することで、中間転写ベルト7に転写されたトナー像の画像濃度を検知することができる。画像形成装置200は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した画像濃度センサ70を備えるが、これらは共通の構成であるため、色の違いを省略して説明する。
図1に示すように、中間転写ベルト7の回転方向で画像形成部Pa~Pdの下流側には画像濃度センサ70が配置される。画像濃度センサ70は、中間転写ベルト7の反射率を検知することで、中間転写ベルト7に転写されたトナー像の画像濃度を検知することができる。画像形成装置200は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した画像濃度センサ70を備えるが、これらは共通の構成であるため、色の違いを省略して説明する。
図3は、画像濃度センサ70の構成図である。画像濃度センサ70は、中間転写ベルト7のトナー像が転写される面に対向して配置される。画像濃度センサ70は、赤外線を発光する発光部71と、赤外線を受光する受光部72、73と、発光部71及び受光部72、73が実装される電気基板74と、から構成される。発光部71は、例えばLED(Light Emitting Diode)である。受光部72、73は、例えばフォトダイオードである。
発光部71は、中間転写ベルト7に対して赤外線を入射角度20°で照射するように配置される。受光部72は、中間転写ベルト7及び中間転写ベルト7上に転写されたトナー像に照射された光の正反射光を、反射角度-20°の位置で受光するように配置される。受光部73は、発光部71が中間転写ベルト7及び中間転写ベルト7上に転写されたトナー像に照射した光の拡散反射光を反射角度50°の位置で受光するように配置される。電気基板74は、発光部71に電流を供給する駆動回路と、受光部72、73の受光量に応じて流れる電流を電圧変換するIV変換機能を有する受光回路と、を備える。
(位相検知)
感光ドラム1、帯電器2、及び現像器4の現像スリーブは、それぞれ、回転時の位相を検知する位相検知部を備える。図4は、感光ドラム1の回転位相を検知する位相検知部の説明図である。本実施形態の位相検知部50は、フォトインタラプタ51を備えた構成である。
感光ドラム1、帯電器2、及び現像器4の現像スリーブは、それぞれ、回転時の位相を検知する位相検知部を備える。図4は、感光ドラム1の回転位相を検知する位相検知部の説明図である。本実施形態の位相検知部50は、フォトインタラプタ51を備えた構成である。
感光ドラム1の回転中心となるドラム軸53は、図示しないカップリングを介して駆動モータ54の出力軸55に接続される。このような構成では、感光ドラム1は、駆動モータ54の駆動により回転駆動される。位相検知部50は、フォトインタラプタ51の他に、ドラム軸53と一体に設けられ、ドラム軸53の回転に伴って回転する遮光部材52を有している。遮光部材52は、感光ドラム1が所定の回転位置に到達するとフォトインタラプタ51によって検知される。これにより、フォトインタラプタ51は、感光ドラム1の回転位相を検知することができる。帯電器2及び現像スリーブも、略同様の構成を備えており、回転位相が検知されるようになっている。
なお、図4に示した例では、感光ドラム1の駆動が、駆動モータ54に直結されるダイレクトドライブ方式で行われているが、駆動モータ54からの動力伝達の間に減速機構が設けられていてもよい。現像スリーブの駆動についても同様である。帯電器2は、上述したように感光ドラム1の回転に従動して回転するため、駆動モータを必要としない。
図5は、フォトインタラプタ51の出力例示図である。感光ドラム1と同期して回転する遮光部材52がフォトインタラプタ51を通過するときに、フォトインタラプタ51の出力信号がほぼ0[V]まで低下する。このときの出力信号の立ち下がりエッジを検知することで、感光ドラム1の回転位相が算出される。出力信号の立ち下がりタイミングの回転位相をゼロとして、感光ドラム1の1周期で位相が2π進む。これに基づいて、回転駆動中の所定のタイミングの感光ドラム1の回転位相が算出可能である。本実施形態では、フォトインタラプタ51の出力信号が遮光部材52の通過により0[V]になるタイミングを「ホームポジション」と設定する。
(制御部)
図6は、画像形成装置200の動作を制御する制御部の構成図である。制御部は、画像形成装置200に内蔵される。制御部は、CPU(Central Processing Unit)301を備える。CPU301には、コントローラ87、画像処理部84、I/F部85、タイマ90、高圧制御部92、画像データ生成部89、センサ駆動部305、画像濃度検知部306、及びモータ制御部91が接続される。
図6は、画像形成装置200の動作を制御する制御部の構成図である。制御部は、画像形成装置200に内蔵される。制御部は、CPU(Central Processing Unit)301を備える。CPU301には、コントローラ87、画像処理部84、I/F部85、タイマ90、高圧制御部92、画像データ生成部89、センサ駆動部305、画像濃度検知部306、及びモータ制御部91が接続される。
CPU301は、画像形成装置200内に設けられる各種センサやモータ等を動作させるために、各種命令信号の生成や演算処理を実行する機能を有する。CPU301内部には、データを記憶するメモリが内蔵されている。画像データ生成部89は、CPU301の制御により、各種画像データをレーザ制御用の制御信号に変換してレーザ駆動部303へ送信する機能を有する。画像データ生成部89には、画像濃度を検知するためのテスト画像を生成する機能も含まれている。
レーザ駆動部303は、露光器3に応じた数だけ用意されている。本実施形態では、露光器3が4つ設けられるためにレーザ駆動部303が4つ設けられている。レーザ駆動部303は、画像データ生成部89から取得する制御信号に基づいて、露光器3のレーザ発光素子を駆動し、レーザの点灯や光量を制御する機能を有する。
センサ駆動部305及び画像濃度検知部306は、画像濃度センサ70に接続される。センサ駆動部305は、CPU301から取得する命令信号に応じて、画像濃度センサ70内部の発光部71の発光や駆動電流を制御する機能を有している。画像濃度検知部306は、画像濃度センサ70から出力される受光電気信号を増幅して、画像濃度センサ70の検知結果としてCPU301へ送信する。
モータ制御部91は、駆動モータ54等の画像形成装置200内に配置される複数のモータと電気的に接続されており、駆動タイミングや駆動速度を制御する機能を有する。モータ制御部91は、CPU301から取得する命令信号に応じて、画像形成装置200内の各モータの制御を行う。
高圧制御部92は、高圧出力部93と電気的に接続されており、CPU301から取得する命令信号に応じて、帯電バイアス、現像バイアス、転写バイアス等の画像形成プロセスに必要となるバイアス電圧の出力を制御する機能を有する。高圧出力部93は、上述の帯電高圧電源や現像高圧電源である。
CPU301は、I/F部85を介して操作部140に接続される。操作部140は、入力部94と表示部95を備える。入力部94は、例えば操作ボタン、タッチパネル等である。なお、操作部140は、上述した画像形成装置200に設けられる構成の他に、画像形成装置200に接続されるパーソナルコンピュータ等の外部端末であってもよい。さらに、CPU301は、画像読み取り機能を有したリーダ250と電気的に接続されている。原稿やテスト画像はリーダ250で読み取られ、リーダ250内のリーダ画像処理部28により画像データが生成されてCPU301に送られる。
また、CPU301は、コントローラ87及び画像処理部84とも電気的に接続されており、画像情報88はコントローラ87を通じてCPU301へ送られる。CPU301は受け取った画像情報88を画像処理部84で処理することで画像を形成する。また、CPU301は、濃度変動補正処理を制御する。
図7は、CPU301により構築される濃度変動補正処理部3000の機能を表す機能ブロック図である。濃度変動補正処理部3000には、周期変動付与部3011、データ前処理部3012、パラメータ空間記憶部3013、濃度変動予測部3014、パラメータ探索部3015および判定部3016が含まれる。
周期変動付与部3011は、画像濃度検知部306で検知された中間転写ベルト7上のトナー像について、各回転体に起因する変動を補正するために高圧制御部92の設定値に対して変動成分を加える。第1実施形態においては、感光ドラム1及び現像スリーブという2つの回転体の回転にともなうSDギャップの変動に伴う濃度変動の補正を行う。これにより、中間転写ベルトについての副走査濃度ムラ補正制御が行われる。データ前処理部3012、パラメータ空間記憶部3013、濃度変動予測部3014、パラメータ探索部3015および判定部3016については後述する。なお、回転体は感光ドラム1と現像スリーブに限られるわけではなく、任意の回転体であってよい。
周期変動付与部3011は、画像濃度検知部306で検知された中間転写ベルト7上のトナー像について、各回転体に起因する変動を補正するために高圧制御部92の設定値に対して変動成分を加える。第1実施形態においては、感光ドラム1及び現像スリーブという2つの回転体の回転にともなうSDギャップの変動に伴う濃度変動の補正を行う。これにより、中間転写ベルトについての副走査濃度ムラ補正制御が行われる。データ前処理部3012、パラメータ空間記憶部3013、濃度変動予測部3014、パラメータ探索部3015および判定部3016については後述する。なお、回転体は感光ドラム1と現像スリーブに限られるわけではなく、任意の回転体であってよい。
以下、図8(a)~(d)及び図9を参照して2つの回転体、つまり、感光ドラム1と現像スリーブとにおいて発生する周期的変動とそれを補正する現像バイアス電圧とに関連するパラメータの説明を行う。
図8(a)~(c)は、2つの回転体において発生する振動及びギャップの周期的変動を表すグラフ、(d)は感光ドラム1(図中ではDrと表記する)上での画像濃度変動の周期的変動を表すグラフである。なお、図中において、「SDギャップ」は、感光ドラム1と現像スリーブとの間隔を表す。また、これらの図において、横軸はいずれも副走査方向位置[mm]を表す。
図8(a)において、縦軸は感光ドラム1の回転に伴う振れ量[μm]を表し、図8(b)において、縦軸は現像スリーブ(図中ではSLVと表記する)の振れ量[μm]を表す。これらの図において、縦軸のプラス方向は各回転体が遠ざかる方向(SDギャップが広くなる方向)である。
図8(c)は、感光ドラム1と現像スリーブの回転に伴うSDギャップの周期的変動を表すグラフである。図中において縦軸はSDギャップ[μm]を表す。図示されるように、SDギャップの平均値は260μmであり、それに対して、図8(a)、(b)に示される感光ドラム1と現像スリーブの回転に伴う振れが加わっている。現像は、SDギャップがこのように変動する状態で行われることになる。
図8(d)は、現像された画像濃度を表すグラフである。図示されるように、図8(d)において画像濃度が低い位置は、図8(c)に示されるSDギャップが広い位置に対応する。また、図8(d)において画像濃度が高い位置は、図8(c)においてSDギャップが狭い位置に対応する。従って、これらの図から、SDギャップが狭いほど画像濃度が高くなることが示される。
図9(a)は、画像濃度の周期的変動の影響を小さく抑えるように補正された電圧(以下、補正Vdcと記載する)と補正パラメータとの関係を表すグラフである。図9(b)~(d)は、それぞれ、補正Vdcを構成するΔVdc1、ΔVdc2、及びVdc_baseを表すグラフである。
図8(d)に示されるような画像濃度の変動を補うために、図9(a)のような補正Vdcを現像バイアス電圧として印加することで、濃度変動を補正することが可能である。補正Vdcは次式で定義される。
補正Vdc=ΔVdc1 + ΔVdc2 + Vdc_base (式1)
ΔVdc1 = V1・sin(ω1・t + θ1) (式2)
ΔVdc2 = V2・sin(ω2・t + θ2) (式3)
図8(d)に示されるような画像濃度の変動を補うために、図9(a)のような補正Vdcを現像バイアス電圧として印加することで、濃度変動を補正することが可能である。補正Vdcは次式で定義される。
補正Vdc=ΔVdc1 + ΔVdc2 + Vdc_base (式1)
ΔVdc1 = V1・sin(ω1・t + θ1) (式2)
ΔVdc2 = V2・sin(ω2・t + θ2) (式3)
式1において、ΔVdc1は、図8(a)に示される感光ドラム1の偏心に伴う現像量の低下を補う交流電圧成分であり、ΔVdc2は図8(b)に示される現像スリーブの偏心に伴う現像量の低下を補う交流電圧成分である。Vdc_baseは振れを印加しない場合の平均直流電圧成分である。
式2において、ω1は感光ドラム1の回転に対応する角周波数、θ1はドラムに設けられた位相検知手段に対する正弦波の位相差分、V1は交流電圧成分の振幅であり現像バイアスによる補正量である。
式3において、ω2は現像スリーブの回転に対応する角周波数、θ2は現像スリーブに設けられた位相検知手段に対する正弦波の位相差分、V2は交流電圧成分の振幅であり現像バイアスによる補正量である。
式2、式3において、変数パラメータはV1,θ1,V2,θ2の4つである。本実施形態においては、画像濃度の周期的変動の影響が抑制されるように、好ましくは、実質的にその影響がなくなるように、これら4つのパラメータの最適な組み合わせを探索して適切に決定する。これにより、補正が最適化されて画像のムラが低減される。このように最適なパラメータの組み合わせを探索しながら最適化する方法としては任意の方法を用いることができるが、例えばベイズ最適化を用いることができる。なお、この例では補正Vdcは角周波数(ω)を用いて表しているが、角周波数と周期(T)との間にはω=2π/Tの関係が成立しており、角周波数の代わりに周期T、あるいは周波数(f)を用いることもでき、これらは実質的に等価である。
なお、探索手法に特に制限はないが、画像濃度の周期的変動は複雑に変化し、また補正Vdcにおいて変数は4つである。4つの変数をそれぞれ10段階に変化させて画像濃度を測定し、最適な結果(画像のムラが一番小さい)が得られるパラメータの組み合わせを求めることは、理論的に可能ではある。しかし、この場合、104=1万の組み合わせについて画像濃度の測定を行うことが必要となり、これは非現実的である。一方、ベイズ最適化では、1つあるいは数カ所の実験点(パラメータの組み合わせ)について実験を行い、その結果から次に行う実験点を選定する。このように、ベイズ最適化を用いることで、少ない測定回数で最適化を行うことが可能となる。
以下、画像濃度の周期的変動の影響を抑えるためベイズ最適化を用いた例を説明する。なお、本実施形態では、回転体の数が2つでパラメータ変数が合計4つの場合を例にして説明する。しかし、回転体は感光ドラム1に限られるものではなく、帯電ローラ、転写ローラ、定着ローラ等を対象として回転体の数を増やすことも可能である。また、本実施形態では、濃度変動の周波数は回転体の回転による角周波数と同一である場合を例に説明するが、濃度変動の周波数はこれに限られるものではない。例えば回転体の回転による角周波数の2倍あるいは3倍の角周波数を考慮に入れることも可能であり、任意に設定することも可能である。あるいは、補正を行おうとする濃度域の値も補正パラメータとして考慮に入れるなど、より多いパラメータで補正を行うことも可能である。
また、本実施形態においては、濃度変動の補正では式1~式3に示すように現像バイアス電圧の直流成分Vdc_baseに対して補正項であるΔVdc1とΔVdc2とを加えてフィードバックしている。しかし、これに限らず、たとえば帯電バイアス電圧や潜像形成時のレーザパワーを対象として補正を行ってもよい。
図7の説明に戻ると、CPU301により構築されるデータ前処理部3012は、画像濃度検知部306のデータ列から濃度変動の指標である濃度変動ΔDを計算してスカラ量に変換する。濃度変動の指標を求める方法には特に制限はない。例えば最大濃度と最小濃度の差分を算出して濃度変動ΔDとする方法などを用いることができる。本実施形態において、濃度変動ΔDは、平均値からの差分の絶対値の平均をとる以下の式4(絶対平均誤差)により定義した。
パラメータ空間記憶部3013には、予め定められたパラメータの組み合わせ(画像濃度の周期的な変動を表すためのパラメータである変数パラメータV1,θ1,V2,θ2の組み合わせ)と、その組み合わせにおける濃度変動ΔDとがセットで記録されている。
図10は、パラメータ空間記憶部3013に格納されたデータの一例の説明図である。図示されるように、補正パラメータV1,θ1,V2,θ2の取りうる範囲に対して、各々いくつかのレベルを割り振った組み合わせを網羅するようなテーブルを用意しておく。図10の例では、V1、θ1はそれぞれ0.5を最小単位としてレベルを割り振ることで離散化された数値が割り当てられている。行データに対しては、パラメータNo.として番号が割り振られている。
また、実測点での濃度変動ΔDも併せて格納される。また、後述する獲得関数aの数値も格納されている。なお、この例ではV2、θ2はいずれも「0」になっているが、これは、図10ではパラメータの一部(No.1~No.49まで)のみを表示しているからである。実際には、V1、θ1と同様に、V2、θ2にもそれぞれ0.5を最小単位として離散化された数値が割り当てられており、パラメータ数はV1、θ1、V2、θ2のとり得る範囲に応じて数千個以上となり得る。
濃度変動予測部3014は、予め決められたアルゴリズムと、パラメータ空間記憶部3013に格納されたデータと、その濃度変動の分布との関係とに基づいて濃度変動の確率分布を推定する。これにより、濃度変動予測部3014は、パラメータにおける濃度変動と不確実性を予測する。一例として、推定濃度変動値はガウス分布に従うものとする。本実施の形態では、確率過程として、ガウス過程回帰(GPR: Gaussian Process Regression)が用いられる。なお、これは単なる例示に過ぎず、確率過程はガウス過程回帰に限定されるものではなくその他の確率過程を用いることも可能である。確率過程のその他の例としては、例えばt過程回帰が挙げらる。この例では、ガウス過程回帰モデルを用いてモデル化を行い、期待値(予測値)及び予測の不確実性(分散:σ2)の値の算出を行う。これら期待値(予測値)及び予測の不確実性(分散:σ2)の値は、パラメータにおける濃度変動と不確実性の予測結果の一例である。
パラメータ探索部3015は、算出された期待値(予測値)及び予測の不確実性(分散:σ2)の値に基づき、次に形成するテスト画像におけるパラメータ条件を決定する。パラメータ条件の決定には種々の戦略が採用可能であり、本実施形態においては以下の式5で表される獲得関数a(Acquisition Function)が最も小さい値をとるパラメータセットが選択される。
ここで、μ:期待値、σ:標準偏差、N:試行回数である。
ここで、μ:期待値、σ:標準偏差、N:試行回数である。
算出された獲得関数aは、パラメータ空間記憶部3013に格納される。なお、(式5)であらわされる獲得関数aをLCB(Lower Confidence Bound)と呼ぶ。なお、獲得関数はLCBに限定されるものではなく、他の獲得関数を用いることも可能である。獲得関数のその他の例としては、EI(Expected Improvement:期待改善変数)などが挙げられる。
図11は、計算された獲得関数aの一例を表すグラフである。このグラフにおいて、横軸はパラメータNo.を表し、縦軸は獲得関数aの値を表す。図中においてMinとして示される箇所が獲得関数aの一番低い点であり、その点に対応するパラメータNo.の変数パラメータ(V1、θ1、V2、θ2)が次に測定する候補点となる。なお、Minとして示される箇所は、図11のパラメータNo.49に対応しており、その獲得関数aの値は-0.19439である。判定部3016は、最新の補正パラメータによる濃度変動ΔDが予め決められた閾値ΔDth以下であるか否かを判定する。新しく見つかった補正パラメータが有効であると判定されると、濃度変動補正の実行内容が周期変動付与部3011に伝達される。
[副走査濃度ムラ補正パラメータ探索]
第1実施形態における副走査濃度ムラ補正制御では、テストパターン画像の検知結果に基づいて画像形成プロセス条件を修正して副走査濃度ムラの補正を行なう。補正Vdcを用いて形成されるテストパターン画像の濃度変動ΔDを測定する。その測定結果から、濃度ムラの現像スリーブ及び感光体ドラムの成分を同定し、同定された情報に基づいて、濃度ムラの周期成分を相殺するように補正Vdcにおける変数パラメータ(V1、θ1、V2、θ2)をさらに補正して印加する。
第1実施形態における副走査濃度ムラ補正制御では、テストパターン画像の検知結果に基づいて画像形成プロセス条件を修正して副走査濃度ムラの補正を行なう。補正Vdcを用いて形成されるテストパターン画像の濃度変動ΔDを測定する。その測定結果から、濃度ムラの現像スリーブ及び感光体ドラムの成分を同定し、同定された情報に基づいて、濃度ムラの周期成分を相殺するように補正Vdcにおける変数パラメータ(V1、θ1、V2、θ2)をさらに補正して印加する。
図12は、第1実施形態の画像形成装置200における副走査濃度ムラ補正制御を表すフローチャートである。なお、特段の記載がない限り、各ステップはCPU301により実行される。以下、副走査濃度ムラ補正制御を説明する。CPU301は、副走査濃度ムラ補正制御の実行が指示されると(S101)、パラメータ空間を初期化する(S102)。これにより、パラメータについての補正がなくなり、パラメータが初期状態に戻る。初期パラメータでは、変数パラメータ(V1、θ1、V2、θ2)には初期値が1つまたは複数設定されている。これらの初期値は任意に定めても良く、あるいは、経験則的に副走査濃度ムラを抑えるために適切となると推測される値を割り当ててもよい。なお、副走査濃度ムラ補正制御指示は、ユーザやサービスマンにより操作部140を通じて入力される。あるいは、パーツ交換検知時等に画像形成装置200が副走査濃度ムラ補正制御を指示する信号を自動生成するようにしても良い。
次に、CPU301は、画像形成装置200にテストパターンの測定を実行させる(S103)。本実施形態において、テストパターンは、画像形成ジョブがないときに形成され、また、規定枚数ごとにトナーの最低消費量を保つための調整時に形成される。
図13は、テスト画像の例示図である。テスト画像Fは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色毎に単色で単一階調の副走査方向に延びる帯状の画像である。各テスト画像Fは、4色同時に検知されるように、中間転写ベルト7の回転方向に直交する方向(主走査方向)に互いに平行に延びて並列に配置される。各色のテスト画像Fは、中間転写ベルト7の回転により画像濃度センサ70a~70dの検知位置を通過するような位置に形成される。好ましくは、テスト画像Fの長さは、周期的な画像濃度ムラの発生要因の最大周長(感光ドラム1の周長)を基準にして、その2倍の長さとしている。これは、周期的な画像濃度ムラ以外に、突発で発生する画像濃度スジや、中間転写ベルト7のムラ等の影響を低減するためである。
ここで図3を参照すると、第1実施形態では、シアン、マゼンタ、イエローについては、乱反射光を受光する受光部73で中間転写ベルト7上のテスト画像におけるパターンの濃度が測定される。ブラックについては、正反射光を受光する受光部72で中間転写ベルト上のテスト画像におけるパターンの濃度が測定される。受光部72は正反射光成分と乱反射光成分の両方を検知するので、受光部73で検出された乱反射光成分を受光部72で検出された反射光成分から除去し、補正演算することにより正反射光成分を算出できる。
中間転写ベルト7からは反射光が大きく、トナーからの反射光は殆ど無いため、トナー画像濃度が高くなると受光部72で検出される正反射光成分は低下する。トナー画像濃度と各色の乱反射光および正反射光との関係を予め記憶しておくことで、検出された乱反射光および正反射光からトナー画像濃度を算出する。所定のサンプリングレートで逐次的にトナー画像濃度を検知することで、テストパターン画像の濃度プロファイルを検知する。
図12に戻ると、画像濃度センサ70a~70dにより検出された各色のテスト画像Fの濃度プロファイルは前述のデータ前処理部3012において濃度変動ΔD(相当量)に変換される。テスト画像が測定された後に、CPU301は、変換された濃度変動ΔDを変数パラメータと共にパラメータ空間記憶部3013に格納する(S104)。
CPU301により構築される判定部3016は、測定された濃度変動ΔDが予め定められたΔDthよりも小さい(ΔD<ΔDth)か否かを判定する(S105)。なお、第1実施形態では、ΔDthは0.09とした。ΔD≧ΔDthの場合(S105:N)、CPU301は、補正Vdcの更新は行わず、後述するS107を実行する。ΔD<ΔDthの場合(S105:Y)、その変数パラメータに対応する補正Vdcの印加ステータスが更新され、副走査補正処理における実行内容が更新される。この場合、CPU301は、以降の画像形成では更新された補正Vdcを用いる(S106)。
CPU301は、S104でパラメータ空間記憶部3013に格納された濃度変動ΔDや補正パラメータ等のデータを濃度変動予測部3014に入力し、ガウス過程回帰モデルを更新する(S107)。具体的には、濃度変動予測部3014内部のガウス過程回帰モデルに対して、パラメータ空間記憶部3013に格納されたデータを入力し、ガウス過程回帰モデルの更新を行う。
CPU301は、パラメータ探索部3015により、更新されたガウス過程回帰モデルに基づき、すべてのパラメータ空間に対して獲得関数aを算出し(S108)、獲得関数aが最小となる変数パラメータを次の探索候補点とする(S109)。この探索候補点における変数パラメータが、副走査濃度ムラを抑制する変数パラメータを有する補正Vdcの候補(候補信号)となる。その後、CPU301は、副走査濃度ムラ補正制御を続行するか否かを判定する(S110)。副走査濃度ムラ補正制御を続行する続行する場合(S110:Y)、CPU301は、S103に戻り次のテストパターンの測定を行う。副走査濃度ムラ補正制御を続行しない場合(S110:N)、CPU301は、処理を終了する。例えば、CPU301は、S105で濃度変動ΔD<ΔDthと判定された場合、あるいは、ユーザから操作部140を通じて副走査濃度ムラ補正制御の終了が入力された場合に副走査濃度ムラ補正制御を続行しないと判定し、その他の場合は続行すると判定する。
図14(a)~(c)は、本実施形態における副走査濃度ムラ補正制御におけるパラメータ探索回数(ステップ)と中間転写体ベルト上における濃度変動ΔDとの関係の説明図である。詳細には、図14(a)は、ステップ1で中間転写体ベルト上に形成されるテスト画像であって図10におけるパラメータNo.19に対応し、補正パラメータはV1=-1.5、θ1=-1、V2=θ2=0、中間転写体上の濃度変動ΔD=0.43である。図14(b)は、ステップ5で中間転写体ベルト上に形成されるテスト画像であって図10におけるパラメータNo.47に対応し、補正パラメータはV1=-1、θ1=0.5、V2=θ2=0、中間転写体上の濃度変動ΔD=0.22である。図14(c)は、ステップ20で中間転写体ベルト上に形成されるテスト画像であり、補正パラメータはV1=1、θ1=-1、V2=0、θ2=-2、中間転写体上の濃度変動ΔD=0.08である。なお、ステップ20のテスト画像ではθ=-2であり、その一方、図10では、V2、θ2ともに0である範囲のパラメータしか示されていないことから、ステップ20のパラメータNo.は、図10の範囲外にあり、パラメータNo.は示されていない。
ステップ1の段階では、どのような補正を行うとどの程度の濃度変動になるのかの実測データがない。従って、この段階では補正パラメータV1、θ1、V2、θ2が無作為に、あるいは任意に決定され、中間転写体上の濃度変動ΔDがどのような値になるかもわからない。図14(a)の例では、ステップ1(V1=-1.5、θ1=-1、V2=θ2=0)では中間転写体上の濃度変動はΔD=0.43という大きい値になっている。図12に示される副走査濃度ムラ補正制御では、ΔDthは0.09であるので、S105における判定結果はNとなり、補正Vdcの更新は行われない。つまり、ステップ1における補正パラメータが採用されることはない。
一方、図14(b)のステップ5(V1=-1、θ1=0.5、V2=θ2=0)の段階まで進むと、ベイズ最適化による探索がある程度進んできて、濃度変動はΔD=0.22と当初の半分程度の値にまで抑制されている。最終的に図14(c)のステップ20(V1=1、θ1=-1、V2=0、θ2=-2)の段階に至ると、最適化が進み、濃度変動はΔD=0.08まで小さくなる。ΔDthとして0.08よりも大きい値が設定されている場合、S105の判定結果はYとなり、このときの補正パラメータは実際の濃度変動補正パラメータとして採用される。そして、実際の紙上の画像形成における条件として供される。
なお、第1実施形態では中間転写ベルト7上に形成されたテスト画像における濃度変動ΔDを測定している。従って、第1実施形態では、中間転写ベルト7のトナー像を転写しない非画像領域にテスト画像を形成すればよく、必ずしも記録紙上にテスト画像を形成する必要はない。
また、複数の回転体(この例では感光ドラム1と現像スリーブ)の回転における周期(あるいは角周波数)がそれぞれ異なる場合、ΔVdc1 + ΔVdc2の値は複雑に変化する。この場合、通常の手法では、濃度変動ΔDを最小とする変数パラメータの組み合わせを求めて濃度変動を抑えることは困難になる。しかし、第1実施形態及び後述する第2実施形態では、画像濃度の周期的な変動を反映した補正信号により画像形成条件を補正し、かつ、補正された画像形成条件で形成された画像を読み取っている。従って、少なくとも1つの回転体の周期は、他の回転体の周期とは異なる場合でも、濃度変動を抑えることが可能である。また、その読取結果からベイズ最適化を行うことで、画像濃度の測定回数を減少させるとともに濃度変動を抑えることが可能である。
<第2実施形態>
第1実施形態の画像形成装置200においては、中間転写ベルト7上に形成したテスト画像の濃度を画像濃度センサ70により測定し、その検知結果となる濃度変動ΔDに基づいて副走査濃度ムラの補正を行っている。
第1実施形態の画像形成装置200においては、中間転写ベルト7上に形成したテスト画像の濃度を画像濃度センサ70により測定し、その検知結果となる濃度変動ΔDに基づいて副走査濃度ムラの補正を行っている。
その一方、画像濃度センサ70では、中間転写ベルト7上のトナー濃度が増えるとトナー像に照射した光の拡散反射光の光量変化が鈍化する特性があることが知られている。これにより、ベタ濃度での副走査濃度ムラ検知時と副走査濃度ムラの補正が不十分になる可能性がある。また、ユーザの使用環境や各種印刷設定、色設計の好み等によっては副走査濃度ムラ補正が最適化されていない可能性が考えられる。従って、中間転写ベルト7上に形成したテスト画像の濃度の測定に代えて、あるいは、それに加えて、記録紙上に形成したテスト画像において副走査濃度ムラ補正制御を行ってもよい。このことから、第2実施形態の画像形成装置200は、第1実施形態の構成に追加して、記録紙上に形成したテスト画像においても副走査濃度ムラ補正制御を行う。
<制御ブロック図>
図15は、第2実施形態においてCPU301により構築される濃度変動補正処理部3000Aと濃度変動補正処理部3000Bの機能を表す機能ブロック図である。濃度変動補正処理部3000Aは、図7における周期変動付与部3011~判定部3016にそれぞれ対応する周期変動付与部3011A~判定部3016Aを有する。濃度変動補正処理部3000Aにおける処理は、第1実施形態の濃度変動補正処理部3000と同様であるので説明を省略する。ただし、濃度変動補正処理部3000Aは、濃度変動補正処理部3000Bに設けられた変換部3017を通じて濃度変動補正処理部3000Bに接続されている。従って、濃度変動補正処理部3000Aと濃度変動補正処理部3000Bとで情報の送受信を行うことが可能となっている。なお、第1実施形態の濃度変動補正処理部3000と同様に、第2実施形態の濃度変動補正処理部3000A、3000Bにおいても、感光ドラム1及び現像スリーブという2つの回転体の回転にともなうSDギャップの変動に伴う濃度変動の補正を行う。
図15は、第2実施形態においてCPU301により構築される濃度変動補正処理部3000Aと濃度変動補正処理部3000Bの機能を表す機能ブロック図である。濃度変動補正処理部3000Aは、図7における周期変動付与部3011~判定部3016にそれぞれ対応する周期変動付与部3011A~判定部3016Aを有する。濃度変動補正処理部3000Aにおける処理は、第1実施形態の濃度変動補正処理部3000と同様であるので説明を省略する。ただし、濃度変動補正処理部3000Aは、濃度変動補正処理部3000Bに設けられた変換部3017を通じて濃度変動補正処理部3000Bに接続されている。従って、濃度変動補正処理部3000Aと濃度変動補正処理部3000Bとで情報の送受信を行うことが可能となっている。なお、第1実施形態の濃度変動補正処理部3000と同様に、第2実施形態の濃度変動補正処理部3000A、3000Bにおいても、感光ドラム1及び現像スリーブという2つの回転体の回転にともなうSDギャップの変動に伴う濃度変動の補正を行う。
濃度変動補正処理部3000Bは、図7における周期変動付与部3011~判定部3016にそれぞれ対応する周期変動付与部3011B~判定部3016Bを有する。さらに、濃度変動補正処理部3000Bは、パラメータ空間記憶部3013Aとパラメータ空間記憶部3013Bとに接続された変換部3017と、パラメータ空間記憶部3013Bに接続された補助記憶部3018とを有する。これらの詳細は後述する。
周期変動付与部3011Bは、リーダ250で読み取られた、記録紙上に形成されたテスト画像について、各回転体に起因する変動を補正するために高圧制御部92の設定値に対して変動成分を加える。この場合、リーダ250は、記録紙上画像濃度検知手段として動作する。第2実施形態においては、感光ドラム1ならびに現像スリーブの2つの回転体の回転にともなうSDギャップの変動に伴う濃度変動の補正を行う。
濃度変動補正処理部3000Aが中間転写ベルト7上の副走査濃度ムラ情報から副走査濃度ムラ補正制御を行うのに対し、濃度変動補正処理部3000Bは、記録紙上の副走査濃度ムラ情報から副走査濃度ムラ補正制御を行う。濃度変動補正処理部3000Aと3000Bとの両方を有する構成により、第2実施形態では、中間転写ベルト7上のテストパターンでは検知しきれない副走査濃度ムラを記録紙上のテスト画像から検知して副走査濃度ムラ補正を実行可能である。その結果、最終的な成果物である記録紙上に形成される画像における副走査濃度ムラを、より一層抑制することが可能である。
以下、中間転写体上で測定されたテスト画像の濃度をD、その濃度変動をΔD、リーダ250で測定したテスト画像の濃度をΔD’、その濃度変動をΔD’として変換部3017での処理を説明する。濃度Dの測定結果と濃度D’との間に比例関係がある場合、例えば濃度Dの値を定数倍することで濃度D’を求めることができる。しかし、ΔDとΔD’とは必ずしも比例関係でなく、非線形な関係となる場合がある。このことから、第2実施形態では、中間転写体上で測定された濃度Dとリーダ250で測定された濃度D’との関係を表す検量線を予め作成した。
図16は、これらの濃度Dと濃度D’との関係(曲線)を表す検量線のグラフである。変換部3017には、この濃度Dと濃度D’の検量線が記録されており、検量線を参照して、測定された濃度Dを中間転写体上でのΔDをリーダ250でのΔD’(相当値)に変換し、パラメータ空間記憶部3013Bに入力する。
次に、濃度変動補正処理部3000Bにおける、記録紙上の副走査濃度ムラ情報による副走査濃度ムラ補正制御を説明する。データ前処理部3012Bは、リーダ250で読み取られた、副走査濃度ムラ補正用のテスト画像から副走査濃度ムラを測定し、記録紙上の濃度変動の指標となる記録紙上における濃度変動ΔD’を求める。第2実施形態では、求められた濃度変動ΔDをスカラ量に変換する。濃度変動の指標としては、第1実施形態と同様に、前述の式4で定義された記録紙上での濃度変動ΔD’を平均値からの差分の絶対値の平均から求める絶対平均誤差を採用した。
第2実施形態では、濃度変動補正処理部3000Aと濃度変動補正処理部3000Bとが接続されている。パラメータ空間記憶部3013Aに補正パラメータV1、θ1、V2、θ2と濃度変動ΔDのセットの一覧が記憶されている場合、パラメータ空間記憶部3013Bには、変換部3017を介して、これら補正パラメータ等が送信される。この際、変換部3017では、上述したように濃度D及び濃度変動Dを濃度D’及び濃度変動ΔD’に変換する。これにより、濃度変動補正処理部3000Bでは、中間転写ベルト上の副走査濃度ムラ補正制御で得られた副走査濃度ムラ補正の補正パラメータと濃度変動ΔD’を受信してこれらの情報を活用することが可能となる。
また、第1実施形態のパラメータ空間記憶部3013と同様に、パラメータ空間記憶部3013Bは、テスト画像用に、予め定められたパラメータV1、θ1、V2、θ2の組み合わせと、その組み合わせにおける記録紙上での濃度変動ΔD’をセットで記憶する。これは、パラメータ空間記憶部3013Aに補正パラメータ等が記憶されていない場合でも副走査濃度ムラ補正制御を行うことを可能とするためである。
補正パラメータV1,θ1,V2,θ2の取りうる範囲に対して、各々いくつかのレベルを割り振った組み合わせを網羅するようなテーブルを用意しておく。このテーブルとして、第1実施形態と同様に、図10に示されるデータを用いることができる。濃度変動補正処理部3000Aのパラメータ空間記憶部3013Aに記憶されて実行されたテーブルをパラメータ空間記憶部3013Bに送信して、送信されたテーブルに、記録紙上での濃度変動ΔD’の実測点を記録するようにすることも可能である。また、パラメータ空間記憶部3013Bには、獲得関数aの数値の格納場所も設けられる。濃度変動予測部3014Bは、予め決められたアルゴリズムと、パラメータ空間記憶部3013Bに格納されたデータとに基づいて濃度変動の確率分布を推定する。記録紙上での濃度変動ΔD’においても、第1実施形態と同様に推定濃度変動値はガウス分布に従うものとし、第2実施形態における確率過程として、ガウス過程回帰を用いる。
パラメータ探索部3015Bでは、算出された期待値(予測値)及び予測の不確実性(分散:σ2)の値に基づき、次に形成するテスト画像におけるパラメータ条件を決定する。第2実施形態においても、上述した式5で表される獲得関数aが最も大きい値をとるパラメータ条件が選択される。算出された獲得関数aは、パラメータ空間記憶部3013Bに格納される。
判定部3016Bは、最新の補正パラメータによる濃度変動ΔD’が予め決められた閾値ΔDth以下であるか否かを判定する。新しく見つかった補正パラメータが有効であることが判定されると、濃度変動補正の実施内容を周期変動付与部3011Bに伝達する。
図17は、第2実施形態の画像形成装置200における副走査濃度ムラ補正制御を表すフローチャートである。第2実施形態に於ける副走査濃度ムラ補正制御は、第1実施形態の副走査濃度ムラ補正制御に追加して、記録紙上のテスト画像の検知結果を考慮した上で画像形成プロセス条件を修正して副走査濃度ムラの補正を行うものである。
CPU301は、現像バイアスVdcを変調した状態で形成されるテスト画像の記録紙上での濃度変動ΔD’を測定する。その測定結果から、濃度ムラの現像スリーブ及び感光体ドラムの成分を同定し、同定された情報に基づいて、濃度ムラの周期成分を相殺するように補正Vdcにおける変数パラメータ(V1、θ1、V2、θ2)をさらに補正して印加する。
図17のフローチャートにおけるS201~S208までは第1実施形態の図12におけるS101~S108と実質的に同様であり、周期変動付与部3011A~判定部3016Aは、周期変動付与部3011~判定部3016と同様に動作する。また、図12のフローチャートと同様に、特段の記載がない限り、各ステップはCPU301により実行される。従って、S201~S208における処理の説明は省略する。S208が実行された後に、記録紙の読み込みを実行するか否かを判定する(S209)。この判定は、例えば、操作部140の操作画面を通じてユーザから記録紙の読み込み要求が入力されているか否かを判定することでなされる。記録紙読み込みを行なわない場合(S209:N)、CPU301は、S208で算出した獲得関数aにおいて、S210で獲得関数aが最小となる変数パラメータを次の探索候補点として、中間転写ベルト7上のテストパターンの測定を再度実行する(S210)。
S209で記録紙読み込みを実行すると判定された場合(S209:Y)、補正パラメータ等を濃度変動補正処理部3000Aから濃度変動補正処理部3000Bに送信する(S211)。詳細には、S204でパラメータ空間記憶部3013Aに格納した補正パラメータと、そのときにおける中間転写ベルト7上の濃度変動ΔDとをパラメータ空間記憶部3013Bに送信する。また、S207において濃度変動予測部3014Aで更新されたガウス過程回帰モデルを濃度変動予測部3014Bに、S208で算出したパラメータ探索部3015Aの情報をパラメータ探索部3015Bにそれぞれ送信する。これにより、記録紙上に形成されたテスト画像の画像濃度の周期的な変動を検知して行われる画像形成条件の補正では、感光体に形成されたテスト画像の画像濃度の周期的な変動を検知して補正された前記画像形成条件が用いられることになる。
その後、S211で送信されたガウス過程回帰モデルに基づき算出された獲得関数aの中で獲得関数aの値が上位の補正パラメータにより作成されたテスト画像を記録紙に出力する(S212)。この例では、獲得関数aの値が上位の3組の補正パラメータにより作成されたテスト画像を記録紙に出力した。テスト画像は単色の単一諧調であり、副走査方向に延びる帯状の画像である。しかし、測定に支障を生じないかぎり、任意の数の補正パラメータにより作成されたテスト画像を記録紙に形成することもできる。
図18は、記録紙上に形成される、4色同時に副走査濃度ムラの測定が行えるように各色を並列配置したテスト画像の説明図である。なお、図中において記録紙はPとして示されている。図13と同様に、テスト画像Fの長さは、周期的な画像濃度ムラの発生要因の最大周長(感光ドラム1の周長)を基準にして、その2倍の長さとしている。
CPU301は、リーダ250を制御して、出力されたテスト画像を読み込み、データ前処理部3012Bでテスト画像上の副走査濃度ムラを測定し(S213)、記録紙上のテスト画像における濃度変動ΔD’を導出する。その後、CPU301は、S213で得られた記録紙上のテスト画像における濃度変動ΔD’とその際の補正パラメータの値とをパラメータ空間記憶部3013B及び補助記憶部3018に格納する(S214)。
CPU301により構築される判定部3016Bは、測定された記録紙上のテスト画像における濃度変動ΔD’が予め決められたΔDthよりも小さいか否かを判定する(S215)。第2実施形態においてもΔDthは0.09とした。ΔD’≧ΔDthの場合(S215:N)、CPU301は、補正Vdcの更新は行わず、後述するS217を実行する。ΔD’<ΔDthの場合(S215:Y)、その補正パラメータに対応する補正Vdcの印加ステータスが更新され、副走査補正処理における実行内容が更新される。この場合、CPU301は、以降の画像形成では更新された補正Vdcを用いる(S216)。なお、他の形態として、副走査濃度ムラ補正の実行内容の更新については、ユーザがテスト画像を直接目視確認し、その中から最良と思われるものをユーザ自身が選定して補正パラメータを決定するようにしてもよい。
CPU301は、S214でパラメータ空間記憶部3013Bに格納された濃度変動ΔD’や補正パラメータデータを濃度変動予測部3014Bに入力し、ガウス過程回帰モデルを更新する(S217)。具体的には、濃度変動予測部3014B内部のガウス過程回帰モデルに対して、パラメータ空間記憶部3013Bに格納されたデータを入力し、ガウス過程回帰モデルの更新を行う。
CPU301は、パラメータ探索部3015Bにより、更新されたモデルに基づき、すべてのパラメータ空間に対して獲得関数aを算出し(S218)、獲得関数aが最小となる変数パラメータを次の探索候補点とする(S210)。その後、CPU301は、副走査濃度ムラ補正制御を続行するか否かを判定する(S219)。続行する場合(S219:Y)、CPU301は、S203に戻り次のテストパターンの測定を行う。副走査濃度ムラ補正制御を続行しない場合(S219:N)、CPU301は、処理を終了する。
表1に、第1実施形態及び第2実施形態の副走査濃度ムラ補正制御による、記録紙上における濃度変動ΔD’の値を示す。
表1に、第1実施形態及び第2実施形態の副走査濃度ムラ補正制御による、記録紙上における濃度変動ΔD’の値を示す。
なお、表1において、「補正なし」は副走査濃度ムラ補正を行なわない場合、「従来例」は従来技術の副走査濃度ムラ補正を用いた場合を表す。また、「耐久後」は、画像形成装置200を所定時間稼働させる耐久試験を行った後の状態を表し、「初期状態」は、耐久試験前の状態を表す。
初期状態に関しては、従来例では、補正なしの場合と比べると、記録紙上における濃度変動ΔD’が0.1から0.05へと半減している。第1実施形態により濃度変動ΔD’は0.03まで減少しており、第2実施形態では濃度変動ΔD’は0.02まで減少している。また、耐久により所定時間経過した後は、濃度変動ΔD’が大きくなる傾向がある。この要因の一例として、例えば現像スリーブとベアリングの摩耗に起因したS-Dギャップ変動量の増加やトナー帯電特性の変化による現像性の低下があげられる。耐久後において、補正なしの場合の濃度変動ΔD’は0.1から0.4へと増加している。従来例においては、初期状態と同様に、濃度変動ΔD’は補正前の半分程度の値である0.21となっている。
第1実施形態では濃度変動ΔD’は0.03から0.08に増加し、第2実施形態では濃度変動ΔD’は0.02から0.05に増加している。従って、第1及び第2実施形態のいずれにおいても、補正なしの場合及び従来例よりも、濃度変動ΔD’が小さく抑えられていることが示される。
以上説明したように、第1実施形態では、中間転写ベルト7上のテストパターン画像の検知濃度情報から求められる副走査周期変動情報に基づいて現像バイアスを変調した補正Vdcを用いることで、従来技術よりも副走査濃度ムラを抑えることが可能である。
さらに第2実施形態では、第1実施形態の構成に追加して、記録紙上に形成したテスト画像の検知濃度情報から求められる副走査濃度変動情報に基づいて現像バイアスを更に変調している。これにより、第1実施形態1よりもさらに副走査濃度ムラを抑えることが可能となっている。
さらに第2実施形態では、第1実施形態の構成に追加して、記録紙上に形成したテスト画像の検知濃度情報から求められる副走査濃度変動情報に基づいて現像バイアスを更に変調している。これにより、第1実施形態1よりもさらに副走査濃度ムラを抑えることが可能となっている。
以上、第1、第2実施形態で説明したように、画像形成装置200は、テスト画像の画像濃度の検知結果から画像濃度ムラの周期的な変動を取得する。この周期変動情報に基づいて帯電バイアス及び現像バイアス、及びレーザパワーの少なくとも1つを周期的に変動することで、画像濃度ムラを補正する。なお、露光器3が出射するレーザ光のレーザパワーによる画像濃度の補正は、レーザパワーを変調させることで行ってもよく、あるいは、画像信号値を変調させてもよい。
Claims (11)
- 感光体、前記感光体を一様に帯電させる帯電器、帯電された前記感光体に静電潜像を形成する露光器、及び前記静電潜像を現像して前記感光体に画像を形成する現像器を含む画像形成手段と、
前記画像形成手段により形成された前記画像の画像濃度を検知するためのテスト画像を読み取る画像濃度検知手段と、
前記画像形成手段に前記テスト画像を形成させ、前記画像濃度検知手段に前記テスト画像を読み取らせることで取得する前記テスト画像の検知結果に基づいて画像濃度の周期的な変動を検知し、検知した周期的な変動が低下するように画像形成条件を補正する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記画像濃度の周期的な変動を反映した補正信号により前記画像形成条件を補正する第1補正処理を実行し、補正された前記画像形成条件によって前記画像形成手段に画像を形成させ、前記形成された画像を前記画像濃度検知手段で読み取り、その読取結果から前記画像濃度の周期的な変動を抑制するための候補信号を生成することを特徴とする、
画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記候補信号により前記画像形成条件を補正する第2補正処理を実行し、前記第2補正処理により補正された前記画像形成条件によって前記画像形成手段に画像を形成させ、前記形成された前記画像を前記画像濃度検知手段で読み取り、前記画像濃度の周期的な変動が所定のしきい値よりも小さいか否かを判定することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記画像濃度の周期的な変動を表すためのパラメータと前記画像濃度の濃度変動の分布との関係をモデル化し、前記生成された候補信号によってモデルの更新を行い、前記更新されたモデルから、前記画像濃度の周期的な変動を抑制するための候補信号を更に生成することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記検知された前記画像濃度の変動に基づいて前記パラメータに対する前記濃度変動の不確実性を予測し、その予測結果に基づいて前記候補信号を生成することを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記周期的な変動の周期は、前記画像形成装置を構成する回転体の回転における周期であることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記周期的な変動の周期には、前記画像形成装置を構成する複数の回転体のそれぞれについての回転における周期が含まれ、少なくとも1つの回転体の周期は、他の回転体の周期とは異なることを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記画像濃度の周期的な変動が所定のしきい値よりも小さくなるまで、前記第2補正処理及び前記候補信号の生成を繰り返すことを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成条件には、前記現像器の現像バイアス、前記現像器の帯電バイアス、及び前記露光器のレーザパワーのうち少なくとも1つが含まれることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記画像濃度検知手段は、前記現像器により前記感光体に形成された前記画像の画像濃度を検知する、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成手段は、前記現像器により前記感光体に形成された前記画像を記録紙上に定着させる定着器を有し、
前記記録紙上に形成された前記テスト画像を読み取って画像濃度を検知する、記録紙上画像濃度検知手段を有し、
前記制御手段は、
前記画像形成手段に、前記感光体に形成された前記テスト画像を前記定着器により記録紙に定着させ、
前記感光体に形成された前記テスト画像の画像濃度の周期的な変動を検知し、検知した周期的な変動が低下するように、前記画像形成条件を補正し、
前記記録紙上に形成された前記テスト画像の画像濃度の周期的な変動を検知し、検知した周期的な変動が低下するように、前記画像形成条件を更に補正する、請求項1~9のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記記録紙上に形成された前記テスト画像の画像濃度の周期的な変動を検知して行われる前記画像形成条件の補正では、前記感光体に形成された前記テスト画像の画像濃度の周期的な変動を検知して補正された前記画像形成条件を用いることを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
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