JP2016038510A - 画像形成装置 - Google Patents

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秀彰 金谷
杉山 浩之
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Abstract

【課題】並行調整処理で現像バイアスをより適切な値に調整する。【解決手段】感光体の回転軸線方向の端部に存在する非画像領域に作像した所定の濃度検知用トナー像の画像濃度を検知した結果に基づいて目標トナー付着量が得られるように現像バイアスを調整する並行調整処理を実施する構成において、所定のタイミングで、現像スリーブの表面全域のうち、前回の周回で感光体の地肌部と向かい合ってきた地肌対向領域に担持される現像剤を用いて第1テストトナー像を作像する一方で、前回の周回で感光体の潜像と向かい合ってきた潜像対向領域に担持される現像剤を用いて第2テストトナー像を作像し、それらテストトナー像の画像濃度の差分に基づいて補正値を算出しておく。そして、その後の前記並行調整処理にて、濃度検知用トナー像の画像濃度と前記補正値とに基づいて現像バイアスを調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、作像処理と並行して、潜像担持体の非画像領域に作像した濃度検知用トナー像の画像濃度に基づいて作像条件を調整する並行調整処理を実施する画像形成装置に関するものである。
従来、次のような並行調整処理を実施する画像形成装置が知られている。即ち、ユーザーから連続プリント命令がなされると、各頁に対応するトナー像を潜像担持体たるドラム状の感光体に連続的に作像する作像処理を実施する。この作像処理と並行して、感光体の回転軸線方向の端部に存在する非画像領域に濃度検知用トナー像を作像する。そして、その濃度検知用トナー像の画像濃度を光学センサーによって検知した結果に基づいて、目標画像濃度が得られるように作像条件を調整する。作像条件としては、磁性キャリア及びトナーを含有する二成分現像剤を担持する剤担持体(例えば現像スリーブ)と、感光体上の静電潜像との電位差である現像ポテンシャルなどを調整する。かかる構成では、連続プリント中に長時間に渡って安定した画像濃度を実現することができる。
一方、従来、例えば特許文献1に記載のように、剤担持体の表面の無端移動に伴って感光体の地肌部との対向位置に繰り返し通された二成分現像剤は、画像濃度異常を引き起こし易くなることが知られている。以下、かかる画像濃度異常を、地肌部の影響による画像濃度異常と言う。地肌部の影響による画像濃度異常は、次に説明する理由によって発生する。即ち、剤担持体の表面がその無端移動に伴って感光体の地肌部との対向位置を通過する際には、地肌部と剤担持体の表面との間に、トナーを地肌部側から剤担持体側に静電移動させる非現像ポテンシャルが作用する。すると、剤担持体の表面に担持されている二成分現像剤中のトナーの一部が現像剤層の中で移動して剤担持体の表面に付着する。反転現像方式では、トナーが剤担持体に印加される現像バイアスと同極性に帯電しているため、剤担持体の表面に付着すると、その電荷によって剤担持体の表面電位を現像バイアスよりも高い値にシフトさせる。現像バイアスをシフトさせた剤担持体の表面がその無端移動に伴って感光体の静電潜像との対向位置を再び通過する際には、トナーに対して本来よりも大きな現像ポテンシャルを作用させることから、静電潜像を本来よりも濃い濃度で現像してしまう。このようにして地肌部の影響による画像濃度異常が発生するのである。
本発明者らは、上述した並行調整処理では、濃度検知用トナー像に地肌部の影響による画像濃度異常を引き起こして、作像条件の調整不良を発生させ易くなってしまうことを実験によって見出した。具体的には、感光体の回転軸線方向における全域のうち、並行調整処理で濃度検知用トナー像が作像される端部領域は、通常のトナー像の作像が行われない非画像領域である。このため、並行調整処理が実施される直前まで、長時間に渡って地肌部の状態になっている。一方、剤担持体の端部領域は、長時間に渡って繰り返し前述の地肌部との対向位置に通されることから、表面へのトナー付着によって現像バイアスを本来よりも高い値にシフトさせている。そして、並行調整処理が開始されると、濃度検知用トナー像の静電潜像を本来よりも高い画像濃度で現像する。これにより、画像濃度を目標画像濃度に近づけるための作像条件の補正値が適正値からずれて把握されてしまうことで、作像条件の調整不良が発生してしまう。より詳しくは、濃度検知用トナー像が本来よりも高い画像濃度で現像されることで、作像性能が本来よりも高いものとして把握される結果、作像条件が本来よりも低画像濃度側にずれた値に調整される。これにより、その後のプリントジョブにおいて画像濃度異常が発生してしまう。
これまで、二成分現像剤を用いて現像を行う構成において発生する、地肌部の影響による画像濃度異常について説明したが、磁性キャリアを含まない一成分現像剤(トナー)を用いる構成では、次のような画像濃度異常を引き起こすおそれがある。即ち、剤担持体の端部領域は、非画像領域であることから、トナーが長時間に渡って消費されずに、トナー層厚規制ブレードに繰り返し擦り付けられることで、トナーが過剰に摩擦帯電して感光体の静電潜像に移動し難くなる。これにより、濃度検知用トナー像が本来よりも低い画像濃度で作像されて画像濃度異常を引き起こしてしまうおそれがある。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、並行調整処理で作像条件をより適切な値に調整することができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、潜像担持体と、無端移動する表面に現像剤を担持する剤担持体を具備する現像手段と、画像情報に基づいて前記潜像担持体の表面に形成した潜像を前記剤担持体の表面に担持した現像剤によって現像してトナー像を得る作像処理と並行して、前記潜像担持体の表面移動方向と直交する方向の端部に存在する非画像領域に作像した所定の濃度検知用トナー像の画像濃度を画像濃度検知手段によって検知した結果に基づいて目標画像濃度が得られるように作像条件を調整する並行調整処理を実施する制御手段とを備える画像形成装置において、画像情報に基づく作像処理を実施していないタイミングで、前記剤担持体の表面における全域のうち、前回の周回で前記潜像担持体の地肌部と向かい合ってきた地肌対向領域に担持される現像剤を用いて第1テストトナー像を作像する一方で、前回の周回で前記潜像担持体の潜像と向かい合ってきた潜像対向領域に担持される現像剤を用いて第2テストトナー像を作像し、前記第1テストトナー像の画像濃度と前記第2テストトナー像の画像濃度との差分に基づいて補正値を算出する算出処理を実施し、その後の前記並行調整処理にて、前記濃度検知用トナー像の画像濃度と前記補正値とに基づいて作像条件を調整するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
本発明によれば、並行調整処理で作像条件をより適切な値に調整することができるという優れた効果がある。
実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタにおけるY用の作像ユニットを拡大して示す拡大構成図。 同プリンタの電気回路の一部を示すブロック図。 同プリンタにおける、Y階調パターン像が転写された中間転写ベルトを示す模式図。 現像特性直線の一例を示すグラフ。 連続プリント中における中間転写ベルトの状態を示す模式図。 地肌部の影響を受けていない現像スリーブによって発揮される現像ポテンシャルと、地肌部の影響を受けている現像スリーブによって発揮される現像ポテンシャルとを説明するためのグラフ。 中間転写ベルトの一端部に作像されたY第1テストトナー像、Y階調パターン像、及びY第2テストトナー像を示す模式図。 プロセスコントロール処理における処理フローを示すフローチャート。 現像特性直線のシフト状況を説明するグラフ。 第1実施例に係るプリンタにおいて、中間転写ベルトの一端部に作像されたY第1テストトナー像、Y階調パターン像、及びY第2テストトナー像を示す模式図。 第1実施例に係るプリンタにおける現像特性直線のシフト状況を説明するグラフ。 具体例に係るプリンタにおける新現像特性直線を示すグラフ。 同プリンタにおける新現像特性直線の誤差を説明するグラフ。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、作像ユニットとして、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つの作像ユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するための作像ユニット1Yを例にすると、これは図2に示されるように、感光体ユニット2Yと現像ユニット25Yとを有している。これらユニットは、作像ユニット1Yとしてプリンタ本体に対して一体的に着脱される。プリンタ本体から取り外した状態では、現像ユニット25Yを感光体ユニット2Yに対して着脱することができる。
感光体ユニット2Yは、潜像担持体たるドラム状の感光体3Y、ドラムクリーニング装置4Y、図示しない除電装置、帯電装置20Yなどを有している。帯電装置20Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる感光体3Yの表面を一様帯電せしめる。同図においては、帯電装置20Yとして、図示しない電源によって帯電バイアスが印加されながら、図中反時計回りに回転駆動される帯電ローラ21Yを感光体3Yに接触又は接近させることで、感光体3Yを一様帯電せしめる方式のものが用いられている。帯電ローラ21Yの代わりに、帯電ブラシを接触又は接近させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャーやコロトロンチャージャーのように、チャージャー方式によって感光体3Yを一様帯電せしめるものを用いてもよい。
帯電ローラ21Yの表面がトナーによって汚れると、その汚れの箇所における帯電能力が低下して、感光体3Yを狙いの電位に帯電させることが困難になる。そこで、帯電ローラ21Yには、その表面に付着したトナーを除去するためのクリーニングローラ22Yを当接させている。帯電装置20Yによって一様帯電せしめられた感光体3Yの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザー光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
現像手段たる現像ユニット25Yは、第1搬送スクリュウ28Yが配設された第1剤収容部26Yを有している。また、透磁率センサーからなるトナー濃度センサー29Y、第2搬送スクリュウ30Y、現像ロール31Y、ドクターブレード34Yなどが配設された第2剤収容部27Yも有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとからなる図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュウ28Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、第1剤収容部26Y内のY現像剤を図紙面に直交する方向における手前側から奥側へと搬送する。そして、第1剤収容部26Yと第2剤収容部27Yとの間の仕切壁に設けられた図示しない連通口を経て、第2剤収容部27Y内に進入する。
第2剤収容部27Y内の第2搬送スクリュウ30Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、Y現像剤を図中奥側から手前側へと搬送する。搬送途中のY現像剤は、第1剤収容部27Yの底部に固定されたトナー濃度センサー29Yによってそのトナー濃度が検知される。このようにしてY現像剤を搬送する第2搬送スクリュウ30Yの図中上方には、現像ロール31Yが第2搬送スクリュウ30Yと平行な姿勢で配設されている。
現像ロール31Yは、図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる非磁性パイプからなる現像スリーブ32Yにマグネットローラ33Yを内包している。第2搬送スクリュウ30Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラ33Yの発する磁力によって現像スリーブ32Y表面に汲み上げられる。そして、現像部材たる現像スリーブ32Yと所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード34Yによってその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体3Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体3Y上にYトナー像が形成される。
現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール31Yの現像スリーブ32Yの回転に伴って第2搬送スクリュウ30Y上に戻される。そして、図中手前端まで搬送されると、図示しない連通口を経て第1剤収容部28Y内に戻る。
トナー濃度センサー29YによるY現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。Y現像剤の透磁率は、Y現像剤のYトナー濃度と相関を示すため、トナー濃度センサー29はYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。上記制御部はフラッシュメモリーを備えている。この中にトナー濃度センサー29Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他の現像ユニットに搭載されたC,M,K用のトナー濃度センサーからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータを格納している。
Y用の現像ユニット25Yについては、トナー濃度センサー29Yからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、図示しないY用のトナー補給装置を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。この駆動により、現像に伴うYトナーの消費によってYトナー濃度を低下させたY現像剤に対し、第1剤収容部26Yで適量のYトナーが供給される。このため、第2剤収容部27Y内のY現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他色用の感光体ユニット(1C,M,K)内における現像剤についても、同様のトナー補給制御が実施される。
感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述する中間転写ベルトに中間転写される。感光体ユニット2Yのドラムクリーニング装置4Yは、中間転写工程を経た後の感光体3Y表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Y表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
図1において、他色用の作像ユニット1C,M,Kにおいても、Y用の作像ユニット1Yと同様にして感光体3C,M,K上にC,M,Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト61上に重ね合わせて転写される。
作像ユニット1Y,C,M,Kの図中下方には、光書込ユニット40が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット40は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lを、作像ユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット40は、光源から発したレーザー光Lを、モーターによって回転駆動されるポリゴンミラー41によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット40の下方には、第1給紙カセット51、第2給紙カセット52が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録シートPが複数枚重ねられたシート束の状態で収容されており、一番上の記録シートPには、第1給紙ローラ51a、第2給紙ローラ52aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ51aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第1給紙カセット51内の一番上の記録シートPが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路53に向けて排出される。また、第2給紙ローラ52aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第2給紙カセット52内の一番上の記録シートPが、給紙路53に向けて排出される。
給紙路53内には、複数の搬送ローラ対54が配設されており、給紙路53に送り込まれた記録シートPは、これら搬送ローラ対54のローラ間に挟み込まれながら、給紙路53内を図中下側から上側に向けて搬送される。給紙路53の末端には、レジストローラ対55が配設されている。レジストローラ対55は、記録シートPを搬送ローラ対54から送られてくる記録シートPをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録シートPを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
作像ユニット1Y,C,M,Kの図中上方には、中間転写ベルト61を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット60が配設されている。転写手段たる転写ユニット60は、中間転写ベルト61の他、ベルトクリーニングユニット62、第1ブラケット63、第2ブラケット64などを備えている。また、4つの1次転写ローラ65Y,C,M,K、駆動ローラ66、クリーニング裏打ちローラ67、補助ローラ68、従動ローラ69なども備えている。中間転写ベルト61は、これら8つのローラに張架されながら、クリーニング裏打ちローラ67の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。
4つの1次転写ローラ65Y,C,M,Kは、無端移動せしめられる中間転写ベルト61を感光体3Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト61の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト61は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト61上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
駆動ローラ66は、中間転写ベルト61のループ外側に配設された2次転写ローラ70との間に中間転写ベルト61を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対55は、ローラ間に挟み込んだ記録シートPを、中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト61上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ70と駆動ローラ66との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で記録シートPに一括2次転写される。そして、記録シートPの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト61には、記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット62によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット62は、クリーニングブレード62aを中間転写ベルト61のおもて面に当接させており、これによってベルト上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
2次転写ニップの図中上方には、定着ユニット80が配設されている。この定着ユニット80は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ81と、定着ベルトユニット82とを備えている。定着ベルトユニット82は、定着部材たる定着ベルト84、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ83、テンションローラ85、駆動ローラ86、図示しない温度センサー等を有している。そして、無端状の定着ベルト84を加熱ローラ83、テンションローラ85及び駆動ローラ86によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト84は加熱ローラ83によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト84の加熱ローラ83掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ81がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ81と定着ベルト84とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト84のループ外側には、図示しない温度センサーが定着ベルト84のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト84の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサーによる検知結果に基づいて、加熱ローラ83に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ81に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト84の表面温度が所定範囲内に維持される。
2次転写ニップを通過した記録シートPは、中間転写ベルト61から分離した後、定着ユニット80内に送られる。そして、定着ユニット80内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト84によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が定着せしめられる。
このようにして定着処理が施された記録シートPは、排紙ローラ対87のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部88が形成されており、排紙ローラ対87によって機外に排出された記録シートPは、このスタック部88に順次スタックされる。
転写ユニット60の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y,C,M,Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、作像ユニット1Y,C,M,Kの現像ユニット25Y,C,M,Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,C,M,Kは、作像ユニット1Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
中間転写ベルト61の周方向における全域のうち、駆動ローラ66に対する掛け回し箇所には、光学センサーユニット200がベルトおもて面側から所定の間隙を介して対向している。この光学センサーユニットは、複数の光学センサーを有しており、それぞれの光学センサーは反射型フォトセンサーからなっている。そして、発光素子から発した光をベルトおもて面で反射させて得た反射光を、受光素子で受光する。受光素子による受光量は、ベルト上のトナー像の画像濃度(単位面積あたりのトナー付着量)を反映している。
図3は、実施形態に係るプリンタの電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、制御部250は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリーなどからなり、プリンタ全体の機器の制御や各種の演算処理を司っている。制御部250には、各色用のトナー補給装置(220Y,C,M,K)、各色用のトナー濃度センサー(29Y,C,M,K)、光学センサーユニット200、画像処理回路232などが接続されている。また、Kプロセスモーター221、カラープロセスモーター222、ベルト駆動モーター223、現像電源224、帯電電源225、光書込ユニット40なども接続されている。
各色用のトナー濃度センサー(29Y,C,M,K)や各色用のトナー補給装置(220Y,C,M,K)の役割は、既に述べた通りである。Kプロセスモーター221は、K用の作像ユニット1Kの駆動源となるモーターである。また、カラープロセスモーター222は、Y,C,M用の作像ユニット1Y,1C,1Mの駆動源となるモーターである。また、ベルト駆動モーター223は、駆動ローラ66を回転駆動させるのに伴って、中間転写ベルト61を無端移動させるためのモーターである。これらのモーターの駆動は、何れも制御部250によって制御される。
現像電源224は、Y,C,M,K用の現像スリーブ(例えば32Y)に印加するY,C,M,K用の現像バイアスをそれぞれ個別に出力するものである。それら現像バイアスの出力値については個別に調整することが可能である。また、帯電電源225は、Y,C,M,K用の帯電ローラ(例えば21Y)に印加するY,C,M,K用の帯電バイアスをそれぞれ個別に出力するものである。それら帯電バイアスの出力値については個別に調整することが可能である。現像電源224からの現像バイアス出力のオンオフや、帯電電源225からの帯電バイアス出力のオンオフは、制御部250によって制御される。また、制御部250は、現像電源224や帯電電源225にバイアス目標信号を送ることで、Y,C,M,K用の現像バイアスの出力値や、Y,C,M,K用の帯電バイアスの出力値を個別に調整することができる。
光学センサーユニット200は、第1光学センサー201、及び第2光学センサー202、第3光学センサー203を有している。それらの光学センサーは何れも、中間転写ベルト61上に形成されたトナー像の画像濃度(単位面積あたりのトナー付着量)に応じた電圧信号を制御部250に出力する。制御部250は、それらの電圧信号に基づいて、中間転写ベルト61の表面に転写されたトナー像の画像濃度を把握することができる。
画像情報取得手段たるLANポート230は、外部のパーソナルコンピューターから送られてくる画像情報を受信して画像処理回路232に送る。また、画像情報取得手段たるスキャナポート231は、外部のスキャナーから送られてくる画像情報を受信して画像処理回路232に送る。画像処理回路232は、画像情報を所定の処理によって加工しながら、制御部250や光書込ユニット40に送る。これにより、画像情報に基づいた作像がなされる。
制御装置250は、所定時間経過毎や所定枚数のプリント毎などのタイミングで、現像特性測定処理たるプロセスコントロール処理を実施する。そのタイミングが連続プリント中に出現した場合には、連続プリントを一時中止してプロセスコントロール処理を実施する。プロセスコントロール処理では、まず、感光体3Y,3C,3M,3KにY階調パターン像,C階調パターン像,M階調パターン像,K階調パターン像を作像する。具体的には、Yを例にすると、Y階調パターン像は、感光体3Yの表面移動方向に所定ピッチで並ぶ5つのパッチトナー像からなり、濃度検知用トナー像としてのそれら5つのパッチトナー像は互いに異なる画像濃度で作像される。かかるY階調パターン像が、感光体3Yの回転軸線方向の一端部、中央部、他端部にそれぞれ形成された後、他色の階調パターン像に重ならないように中間転写ベルト61に転写される。他色の階調パターン像も同様にして、3つずつが中間転写ベルト61に転写される。
図4は、Y階調パターン像Ypが転写された中間転写ベルト61を示す模式図である。同図において、有効領域A1は、各色の感光体の回転軸線方向における画像有効領域を表しており、画像情報に基づくトナー像はその有効領域A1の範囲内に作像される。各色の感光体の回転軸線方向における長さは、その有効領域A1の長さよりも大きくなっている。そして、図示のように、中間転写ベルト61の幅も、有効領域A1の長さよりも大きくなっている。図示のように、3つのY階調パターン像Ypのうち、2つは、有効領域A1の外側に転写されている。これは、感光体3Yの回転軸線方向における一端部や他端部では、それぞれY階調パターン像Ypが非画像領域に作像されることを意味している。
中間転写ベルト61の幅方向の一端部に転写されたY階調パターン像Ypにおける各パッチトナー像は、中間転写ベルト61の無端移動に伴って第1光学センサー201の直下を通過する際に、第1光学センサー201によって画像濃度が検知される。また、中間転写ベルト61の幅方向の中央部に転写されたY階調パターン像Ypにおける各パッチトナー像は、中間転写ベルト61の無端移動に伴って第2光学センサー202の直下を通過する際に、第2光学センサー202によって画像濃度が検知される。また、中間転写ベルト61の幅方向の他端部に転写されたY階調パターン像Ypにおける各パッチトナー像は、中間転写ベルト61の無端移動に伴って第3光学センサー203の直下を通過する際に、第3光学センサー203によって画像濃度が検知される。他色の階調パターン像も同様にして、パッチトナー像の画像濃度が検知される。
制御部250は、3つのY階調パターン像Ypにおける互いに同じ階調のパッチトナー像について画像濃度の平均値を算出する。例えば、3つのY階調パターン像Ypのそれぞれにおける1番目のパッチトナー像について画像濃度の平均値を算出する。1番目から5番目までの画像濃度の平均値を算出したら、それぞれの平均値をそれぞれのパッチトナー像の画像濃度として記憶する。他色の階調パターン像についても、同様にして5つのパッチトナー像の画像濃度を算出して記憶する。
次に制御部250は、各色についてそれぞれ、5つのパッチトナー像の画像濃度と、それぞれのパッチトナー像を現像したときの現像ポテンシャルとに基づいて、現像特性直線(回帰直線)を求める。図5は、Yの現像特性直線の一例を示すグラフである。図示のように、縦軸を画像濃度、横軸を現像ポテンシャルに設定した2次元座標上に、5つのパッチトナー像についての結果をプロットし、それらの座標に基づいて回帰直線を求め、その結果を現像特性直線として記憶する。以下、この現像特性直線の傾きを現像γと言う。その後、現像特性直線に基づいて、目標画像濃度(図示の例ではトナー付着量=0.4mg/cm)が得られる現像ポテンシャルを特定する。図示のグラフの例では、600[V]の現像ポテンシャルで目標画像濃度が得られることになる。制御部250は、その現像ポテンシャルを実現し得る現像バイアスの値を算出してフラッシュメモリー内に記憶する。C,M,Kについても同様にして、目標画像濃度を実現する現像バイアスの値を算出してフラッシュメモリー内に記憶する。そして、その後のプリントジョブにおいて、フラッシュメモリー内に記憶している現像バイアスと同じ値を出力させるように、現像電源224を制御する。このように、プロセスコントロール処理によって作像条件たる現像バイアスを調整することで、環境変動にかかわらず、目標画像濃度を実現することができる。
プロセスコントロール処理の実施頻度を比較的高くすることで、画像濃度をより安定化させることが可能になるが、高くするほど、装置のダウンタイムを増加させてユーザーに不便感を抱かれるおそれが高くなる。特に、プロセスコントロール処理のために連続プリントを度々中止すると、不便感を抱かれてしまうリスクが高くなる。そこで、本プリンタは、連続プリント中には、プロセスコントロール処理とは別の、並行調整処理を実施して画像濃度の安定化を図るようになっている。
図6は、連続プリント中における中間転写ベルト61の状態を示す模式図である。連続プリント中において、画像情報に基づく画像は、中間転写ベルト61の幅方向における全域のうち、中央側に存在する有効領域A1内に形成される。この有効領域A1から外れたベルト両端部の領域には、それぞれ、各色について濃度検知用トナー像が2つずつ形成される。同図では、各色の濃度検知用トナー像のうち、Y濃度検知用トナー像Nyだけが示されている。他色の濃度検知用トナー像も、Yと同様に、ベルト両端部にそれぞれ2つずつ形成される。そして、中間転写ベルト61のベルト幅方向の一端部に形成された濃度検知用トナー像の画像濃度が第1光学センサー201によって検知される。また、ベルト幅方向の他端部に形成された濃度検知用トナー像の画像濃度が第3光学センサー203によって検知される。連続プリント中には、各色についてそれぞれ、4つの濃度検知用トナー像の画像濃度の検知結果における平均値が算出され、その平均値と目標画像濃度との差分に基づいて、目標画像濃度が得られるように作像条件としての現像ポテンシャルが補正される。具体的には、現像バイアスが補正される。
このような並行調整処理が連続プリント2頁毎に実施される。つまり、2頁のプリント毎に、各色の濃度検知用トナー像がそれぞれベルト両端部に2つずつ(各色合計で16個)作像されて、それらの画像濃度に基づいて各色の現像バイアスが補正される。これにより、連続プリント中に、長時間に渡って安定した画像濃度を得ることができる。
本発明者らは、かかる並行調整処理において、濃度検知用トナー像に感光体地肌部の影響による画像濃度異常を引き起こして、現像バイアスの調整不良を発生させ易くなってしまうことを実験によって見出した。具体的には、感光体(例えば感光体3Y)の回転軸線方向における全域のうち、並行調整処理で濃度検知用トナー像が作像される端部領域は、通常のトナー像の作像が行われない非画像領域である。このため、並行調整処理が実施される直前まで、長時間に渡って地肌部の状態になっている。一方、現像スリーブ(例えば現像スリーブ32Y)の回転軸線方向の端部領域は、連続プリント中において長時間に渡って繰り返し前記地肌部との対向位置に通されることから、表面へのトナー付着によって現像バイアスを本来よりも高い値にシフトさせている。
図7は、地肌部の影響を受けていない現像スリーブによって発揮される現像ポテンシャルと、地肌部の影響を受けている現像スリーブによって発揮される現像ポテンシャルとを説明するためのグラフである。同図では、現像スリーブが地肌部の影響を受けていない場合の現像ポテンシャルが500[V]になる例を示している。現像スリーブが地肌部の影響を受けていてその表面にトナーが付着している場合、そのトナーの電荷により、例えば現像ポテンシャルの絶対値が本来よりも100[V]高くなる(図示の△V)。これにより、現像ポテンシャルが本来よりも100[V]高くなると、並行調整処理において濃度検知用トナー像が本来よりも高い画像濃度で現像されてしまう。すると、画像濃度を目標画像濃度に近づけるための現像バイアスの絶対値が本来よりも約100[V]だけ低い値に調整されて、その後のプリントジョブにおいて画像濃度不足が発生してしまう。
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
制御部250は、上述したプロセスコントロール処理において、Y,C,M,Kの各色についてそれぞれ、3つの階調パターン像を作像するとともに、中間転写ベルト61の幅方向の両端部にそれぞれテストトナー像を2つずつ作像する。2つのテストトナー像のうち、第1テストトナー像については、現像スリーブの表面における全域のうち、前回の周回で感光体の地肌部と向かい合ってきた地肌対向領域に担持される現像剤を用いて作像する。より詳しくは、現像スリーブの回転に伴って少なくとも10周以上連続して感光体の地肌部と向かい合った地肌対向領域に担持される現像剤である。現像スリーブの回転軸線方向の両端部はそれぞれ、感光体の非画像領域に対向する領域であるので、通常のプリントジョブを実施した直後は、10周以上連続して感光体の地肌部と向かい合った地肌対向領域になる。一方、第2テストトナー像については、現像スリーブの表面における全域のうち、前回の周回で感光体の静電潜像と向かい合ってきた潜像対向領域に担持される現像剤を用いて作像する。
図8は、中間転写ベルト61の一端部に作像されたY第1テストトナー像Yt1、Y階調パターン像Yp、及びY第2テストトナー像Yt2を示す模式図である。同図において、Y階調パターン像Ypにおける5つのYパッチトナー像は、それぞれベルト移動方向の長さが、現像スリーブ32Yの周長であるスリーブ周長L1の1/4の値になっている。また、それぞれのYパッチトナー像のベルト移動方向における配設間隔(配設ピッチ)は、スリーブ周長L1の1/2の値になっている。以下、5つのYパッチトナー像を、先頭から順に、Y第1パッチトナー像、Y第2パッチトナー像、Y第3パッチトナー像、Y第4パッチトナー像、Y第5パッチトナー像という。
Y第1テストトナー像Yt1やY第2テストトナー像Yt2のベルト移動方向の長さも、スリーブ周長L1の1/4の値になっている。ベルト移動方向において、Y第1テストトナー像Yt1は、Y第1パッチトナー像の前に作像され、両者の配設間隔はスリーブ周長の1/2の値になっている。また、Y第2テストトナー像Yt2は、Y第5パッチトナー像の後に作像され、両者の配設間隔もスリーブ周長の1/2の値になっている。
中間転写ベルト61の幅方向の両端部には、画像情報に基づくトナー像は作像されず、階調パターン像、第1テストトナー像、及び第2テストトナー像、濃度検知用トナー像などが例外として作像されるだけである。このため、プリントジョブの開始時には、各色の現像スリーブの両端部はそれぞれ、10周以上連続して感光体の地肌部と向かい合った地肌対向領域になっている。そして、Y第1テストトナー像Yt1は、かかる地肌対向領域に担持されている現像剤によって現像されることから、通常よりも高い現像ポテンシャルで現像されて、本来よりも画像濃度が高くなっている状態にある。
Y階調パターン像YpのY第2パッチトナー像は、現像スリーブ32Yの周方向における全域のうち、前回の周回で感光体3YにおけるY第1テストトナー像Yt1の静電潜像と向かい合ってきた潜像対向領域に担持された現像剤で現像される。その潜像対向領域は、たとえ静電潜像に向かい合う直前でスリーブ表面に多くのYトナーを付着させていたとしても、静電潜像に対向した時点でそれらのYトナーを現像ポテンシャルの作用によってスリーブ表面から離脱させている。このため、現像スリーブ32Yの潜像対向領域に担持された現像剤で現像される第2パッチトナー像は、適切な値の現像ポテンシャルで現像されることから、画像濃度がほぼ目標画像濃度になっている。
Y階調パターン像YpのY第3パッチトナー像は、現像スリーブ32Yの周方向における全域のうち、前回の周回で感光体3YにおけるY第1パッチトナー像の静電潜像と向かい合ってきた潜像対向領域に担持された現像剤で現像される。このため、第3パッチトナー像も画像濃度がほぼ目標画像濃度になっている。また、Y階調パターン像YpのY第4パッチトナー像は、現像スリーブ32Yの周方向における全域のうち、前回の周回で感光体3YにおけるY第2パッチトナー像の静電潜像と向かい合ってきた潜像対向領域に担持された現像剤で現像される。このため、第4パッチトナー像も画像濃度がほぼ目標画像濃度になっている。また、Y階調パターン像YpのY第5パッチトナー像は、現像スリーブ32Yの周方向における全域のうち、前回の周回で感光体3YにおけるY第3パッチトナー像の静電潜像と向かい合ってきた潜像対向領域に担持された現像剤で現像される。このため、第5パッチトナー像も画像濃度がほぼ目標画像濃度になっている。また、Y第2テストトナー像Yt2は、現像スリーブ32Yの周方向における全域のうち、前回の周回で感光体3YにおけるY第4パッチトナー像の静電潜像と向かい合ってきた潜像対向領域に担持された現像剤で現像される。このため、Y第2テストトナー像Yt2も画像濃度がほぼ目標画像濃度になっている。
このように、本プリンタでは、各色において、階調パターン像に具備される5つのパッチトナー像のベルト表面移動方向における長さと、配設間隔と、スリーブ周長L1との組み合わせが、次のようになっている。即ち、現像スリーブにおける表面移動方向の全域のうち、先行するパッチトナー像の静電潜像と向かい合わせた潜像対向領域を、現像スリーブの後の周回で、前記パッチトナー像に対して2つ後で並ぶパッチトナー像に向かい合わせる組み合わせである。そして、Y第1テストトナー像Yt1は地肌部の影響によって本来よりも画像濃度が高くなっているのに対し、Y第2テストトナー像Yt2の画像濃度はほぼ目標画像濃度になる。なお、Y第1テストトナー像Yt1とY第2テストトナー像Yt2とは、互いに同じ現像ポテンシャルで現像される。この現像ポテンシャルは、前回のプロセスコントロール処理のときに決定された値である。よって、仮に地肌部の影響がなければそれらテストトナー像は互いに同じ画像濃度になるはずであるが、Y第1テストトナー像Yt1だけ地肌部の影響を受けているので、画像濃度が目標画像濃度よりも高くなっている。それらテストトナー像の画像濃度の差分は、地肌部の影響に起因するスリーブ表面へのトナー付着による現像バイアスのシフト量に相当する。そこで、制御部250は、プロセスコントロール処理において、前述の差分としてのトナー付着量差(単位面積あたりのトナー付着量の差)を算出してフラッシュメモリーに記憶しておく。
なお、Y第1テストトナー像Yt1の先端から、Y階調パターン像Ypを経て、Y第2テストトナー像Yt2の後端に至るまでの長さは、「スリーブ周長L1×3×1/4」の解と同じ値である。つまり、スリーブ周長L1の3倍強である。これに対し、感光体3Yの周長は、前記値よりも大きな値になっている。このため、感光体3Yの一周分に、Y第1テストトナー像Yt1の先端から、Y階調パターン像Ypを経て、Y第2テストトナー像Yt2の後端に至るまでが収まる。他色も同様に、感光体の一周分に、第1テストトナー像の先端から、階調パターン像を経て、第2テストトナー像の後端に至るまで(以下、テストトナー像及び階調パターン像の組み合わせという)が収まる。更に、各色の感光体の配設ピッチは、感光体の周長の整数倍に設定されている。これらのことから、Y,C,M,Kの各色で、テストトナー像及び階調パターン像の組み合わせの作像を開始しても、各色における同組み合わせは中間転写ベルト61上で重ならずに互いにずれて一次転写される。
図9は、プロセスコントロール処理における処理フローを示すフローチャートである。制御部250は、プロセスコントロール処理を開始すると、まず、各色の感光体においてそれぞれ、第1テストトナー像と、階調パターン像と、第2テストトナー像とを順に作像する(ステップ1〜ステップ3:以下、ステップをSと記す)。そして、それらを中間転写ベルト61に転写しながら、中間転写ベルト61の各トナー像の画像濃度を光学センサーユニット200によって検知する(S4)。次いで、それらの検知結果に基づいて、各色についてそれぞれ、現像特性直線を求めてその回帰式をフラッシュメモリーに記憶した後(S5)、現像特性直線に基づいて、プリントジョブ時の現像バイアスの値を決定する(S6)。その後、各色についてそれぞれ、第1テストトナー像と第2テストトナー像とにおけるトナー付着量差△M/Aを補正値として算出して、算出結果をフラッシュメモリーに記憶する(S7)。この処理フローにおいて、S1、S3、S4及びS7の組み合わせは、第1テストトナー像及び第2テストトナーを作像し、それらのテストトナー像の画像濃度の差分に基づいて補正値たるトナー付着量差△M/Aを算出する算出処理として機能している。
その後、制御部250は、並行調整処理を開始すると、その並行調整処理で次のような処理を実行する。即ち、各色についてそれぞれ、4つの濃度検知用トナー像のトナー付着量(画像濃度)を平均した値と、トナー付着量差△M/Aと、現像特性直線とに基づいて、作像条件たる現像ポテンシャルを調整する処理である。
より詳しくは、各色についてそれぞれ、次のような処理を行う。即ち、まず、現像特性直線の位置を、濃度検知用トナー像のトナー付着量の平均値が得られる位置までシフトさせる。図10は、現像特性直線のシフト状況を説明するグラフである。同図では、600[V]の現像ポテンシャルで現像した4つの濃度検知用トナー像におけるトナー付着量の平均値が約0.55[mg/cm]になった例を示している。先のプロセスコントロール処理のときに記憶しておいた現像特性直線を、600[V]の現像ポテンシャルで0.55[mg/cm]のトナー付着量が得られる位置までシフトさせるのである。しかし、それら4つの濃度検知用トナー像の画像濃度は地肌部の影響によって本来よりも高くなっている。そこで、制御部250は、シフトさせた現像特性直線の位置を、更に次のようにシフトさせる。即ち、4つの濃度検知用トナー像におけるトナー付着量の平均値から、プロセスコントロール処理のときに記憶しておいたトナー付着量差△M/Aを減じた値を、600[V]の現像ポテンシャルで実現する位置までシフトさせる。そして、シフト後の現像特性直線から、目標画像濃度(図示の例では目標トナー付着量=0.4mg/cm)が得られる現像ポテンシャルを算出し、算出結果と同じ現像ポテンシャルが得られる値に現像バイアスを調整する。
プロセスコントロール処理を実施したときから作像性能が変化していなければ、連続プリント中では、600[V]の現像ポテンシャル(同図のV1)で目標付着量(0.4mg/cm)を得ることができる。しかしながら、環境変動や部品の微妙な伸縮などにより、作像性能が変化すると、600[V]の現像ポテンシャルで目標付着量が得られなくなる。そこで、並行調整処理を実施するのである。しかし、トナー付着量差△M/Aを考慮しない場合には、濃度検知用トナー像のトナー付着量の平均値が得られる位置までシフトさせた現像特性直線に基づいて、目標付着量を得ることができる現像ポテンシャルが300[V](同図のV2)と算出されてしまう。そして、この現像ポテンシャルに基づいて調整された現像バイアスでは、トナー付着量が目標付着量よりも少なくなって、画像濃度不足を引き起こしてしまう。
これに対し、実施形態に係るプリンタでは、次のようにして目標付着量が得られる現像ポテンシャルを算出する。即ち、トナー付着量の平均値が得られる位置までシフトさせた現像特性直線の位置を、更にトナー付着量差△M/Aの分だけシフトさせ、その現像特性直線に基づいて目標付着量が得られる現像ポテンシャルを算出する。すると、その算出結果は400[V]になる(同図のVa)。この現像ポテンシャルが得られる値に現像バイアスを調整することで、作像条件としての現像バイアスを、地肌部の影響による濃度検知用トナー像の画像濃度異常に起因する誤差を反映させていないより適切な値に調整することができる。
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した第1実施例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、第1実施例に係るプリンタの構成は、実施形態と同様である。
図11は、第1実施例に係るプリンタにおいて、中間転写ベルト61の一端部に作像されたY第1テストトナー像Yt1、Y階調パターン像Yp、及びY第2テストトナー像Yt2を示す模式図である。図示のように、第1実施例に係るプリンタでは、Y第1テストトナー像Yt1が、Y階調パターン像YpのY第5パッチトナー像の後に作像される。しかも、Y第5パッチトナー像とY第1テストトナー像との間には、ほんの僅かな間隙だけしか設けられておらず、両者の配設間隔は、スリーブ周長L1の1/4弱の値になっている。
Y第2テストトナー像Yt2は、Y第1テストトナー像Yt1の後に作像され、両者の間には、ほんの僅かな間隙だけしか設けられておらず、配設間隔はスリーブ周長L1の1/4弱の値になっている。このように、第1実施例に係るプリンタにおいては、Y階調パターン像の後に、Y第1テストトナー像Yt1及びY第2テストトナー像Yt2を作像する。かかる構成では、Y第5パッチトナー像を利用して、地肌部の電位の影響を受けていない第2テストトナー像Yt2を作像することができる。
制御部250は、プロセスコントロール処理において、各色についてそれぞれ現像特性直線の回帰式を求めた後、次のような処理を実施する。即ち、第1テストトナー像や第2テストトナー像を作像した際の現像ポテンシャルと、第1テストトナー像のトナー付着量に対応する現像ポテンシャルをその回帰式に基づいて求めた結果との差であるポテンシャル差を補正値として算出する処理である。
図12は、第1実施例に係るプリンタにおける現像特性直線のシフト状況を説明するグラフである。同図では、第1テストトナー像や第2テストトナー像を約465[V]の現像ポテンシャル(以下、作像時現像ポテンシャルという)で作像した例を示している。制御部250は、現像特性直線の回帰式を算出すると、その回帰式に基づいて、第1テストトナー像のトナー付着量が得られる現像ポテンシャルを特定する(図示の例では約540V)。そして、その特定結果と、作像時現像ポテンシャルとの差をポテンシャル差△Vとして算出し、算出結果を補正値としてフラッシュメモリーに記憶する。
その後、制御部250は、連続プリント中の並行調整処理を開始すると、その並行調整処理で、Y,C,M,Kの各色について次のような処理を実施する。即ち、まず、プロセスコントロール処理で記憶しておいた現像特性直線を、4つの濃度検知用トナー像におけるトナー付着量の平均値が得られる位置までシフトさせる。次に、シフト後の現像特性直線において目標付着量(0.4mg/cm)が得られる現像ポテンシャルを特定し(同図のV2)、その現像ポテンシャルに対して前述のポテンシャル差△Vを加算した結果を必要現像ポテンシャルV3として求める。そして、必要現像ポテンシャルV3を得ることができる値に、プリントジョブ時の現像バイアスを調整する。
かかる構成では、ポテンシャル差△Vに基づいて現像バイアスを調整することで、トナー付着量差△M/Aに基づいて現像バイアスを調整する場合に比べて、現像バイアスをより適正値に近づけることができる。
次に、第1実施例に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した具体例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、具体例に係るプリンタの構成は、第1実施例と同様である。
具体例に係るプリンタの制御部250は、第1実施例に係るプリンタと同様に、プロセスコントロール処理において、ポテンシャル差△Vを補正値としてフラッシュメモリーに記憶する。その後、連続プリント中の並行調整処理を開始すると、その並行調整処理で、Y,C,M,Kの各色について次のような処理を実施する。即ち、まず、第1実施例に係るプリンタと同様にして、必要現像ポテンシャルV3を求める。次に、現像特性直線についてプロセスコントロール処理の実施時とは異なったものになっているものとみなして、現像特性直線を新たに求め直す。具体的には、新たな現像特性直線におけるy切片(y軸はトナー付着量)についてプロセスコントロール処理の実施時の現像特性直線と同じであると仮定する。図12の例では、プロセスコントロール処理の実施時の現像特性直線におけるy切片が0.1[mg/cm]であるので、新たな現像特性直線のy切片も0.1[mg/cm]であると仮定する。そして、図13に示されるように、目標付着量と、必要現像ポテンシャルV3の直線との交点から、前述のy切片まで真っ直ぐに延びる直線の回帰式を求める。なお、以下、便宜上、その直線を新現像特性直線と定義する。また、プロセスコントロール処理の実施時の現像特性直線を旧現像特性直線と定義する。
図14は、具体例に係るプリンタにおける新現像特性直線の誤差を説明するグラフである。一般に、前述のようにして求められた新現像特性直線において、並行調整処理で濃度検知用トナー像を現像したときの現像ポテンシャルの条件に対応するトナー付着量は、実際の濃度検知用トナー像のトナー付着量から僅かにずれた値になる。そこで、制御部250は、図示のように、前者のトナー付着量を後者のトナー付着量に一致させる位置まで、新現像特性直線の位置をシフトさせ、シフト後の直線の回帰式を新現像特性直線の回帰式として記憶し直す。また、シフト前の新現像特性直線を、第2テストトナー像についてのプロット点(y座標=トナー付着量,x座標=現像ポテンシャル)を通る位置までシフトさせた直線である新ポテンシャル差算出用直線の回帰式を求める。そして、その新ポテンシャル差算出用直線に基づいて、新ポテンシャル差△γiを求める。この新ポテンシャル差△γiは、次のようなポテンシャル差である。即ち、第1テストトナー像や第2テストトナー像を形成したときの現像特性直線がその新ポテンシャル差算出用直線であったと仮定した場合における、第1テストトナー像と第2テストトナー像とのトナー付着量差に相当するポテンシャル差である。
次に、制御部250は、新現像特性直線によって示される目標付着量に対応する現像ポテンシャルと新ポテンシャル△γiとの加算値との加算値と同じ現像ポテンシャルを得ることができる値に、プリントジョブ時の現像バイアスを調整する。
以下、便宜上、シフト前の新現像特性直線と、目標付着量を示す直線との交点を、第1プロット点Paという。また、シフト後の新現像特性直線と、目標付着量を示す直線との交点を、第2プロット点Pbという。第1プロット点Paと第2プロット点Pbとの誤差については、シフト後の新現像特性直線を旧現像特性直線とみなして、新たな新現像特性直線を求めるために、これまで説明した処理と同様の処理を繰り返すことで、小さくしていくことが可能である。具体的には、図14における第1プロット点Paから、当初のy切片(図示の例では0.1mg/cm)まで真っ直ぐに延びる直線を新現像特性直線とする一方で、図示の第2交点Pbを通る斜めの直線を旧現像特性直線として、同様の処理を行うのである。このような処理を繰り返し実行するほど、誤差を小さくすることが可能なので、より実状に見合った新現像特性直線を求めることができる。よって、制御部250に過剰な負荷をかけない範囲で、前述のように処理を繰り返し実行させて、最終的な現像バイアス値を決定してもよい。繰り返し実行する場合であっても、1回だけしか実行しない場合であっても、第1実施例に係るプリンタに比べて、現像バイアスをより適正値に近づけることができる。
なお、制御部250は、次のような場合には、新現像特性直線に基づく現像バイアスの調整を行わずに、従来と同様にして現像バイアスを調整するようになっている。即ち、プロセスコントロール処理を実施した後の画像を形成した記録シートの枚数である測定後プリント枚数が所定値以下である場合である。測定後プリント枚数が所定値以下である場合には、現像バイアスの適正値からのずれ量はそれほど大きくないので、従来と同様にして現像バイアスを調整しても差し支えない。そこで、従来と同様にして現像バイアスを調整することで、補正値の算出のための制御部250の負荷を低減することができる。
次に、第2実施例に係るプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、第2実施例に係るプリンタの構成は、実施形態と同様である。
第2実施例に係るプリンタの制御部250は、次に説明するタイミングで、各色の第1テストトナー像や第2テストトナー像を形成してそれぞれのトナー付着量を検知する算出処理を実施する。即ち、現像特性測定処理たるプロセスコントロール処理を実施した後、画像情報に基づくプリントジョブ(作像処理)を開始する前のタイミングである。かかる構成では、現像バイアス等の作像条件を適切なものに調整した直後に、第1テストトナー像や第2テストトナー像を形成することで、それらのトナー像のトナー付着量を適切なものにする。これにより、並行調整処理にて作像条件をより適切な値に調整することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
潜像担持体(例えば感光体3Y,3C,3M,3K)と、無端移動する表面に現像剤を担持する剤担持体(例えば現像スリーブ)を具備する現像手段(例えば現像ユニット25Y)と、制御手段(例えば制御部250)とを備え、前記制御手段が、画像情報に基づいて前記潜像担持体の表面に形成した潜像を前記剤担持体の表面に担持した現像剤によって現像してトナー像を得る作像処理と並行して、前記潜像担持体の表面移動方向と直交する方向の端部に存在する非画像領域に作像した所定の濃度検知用トナー像(例えばY濃度検知用トナー像Ny)の画像濃度(例えばトナー付着量)を画像濃度検知手段(例えば光学センサーユニット200)によって検知した結果に基づいて目標画像濃度(例えば目標付着量)が得られるように作像条件(例えば現像バイアス)を調整する並行調整処理を実施するものである画像形成装置において、画像情報に基づく作像処理を実施していないタイミングで、前記剤担持体の表面における全域のうち、前回の周回で前記潜像担持体の地肌部と向かい合ってきた地肌対向領域に担持される現像剤を用いて第1テストトナー像(例えばY第1テストトナー像Yt1)を作像する一方で、前回の周回で前記潜像担持体の潜像と向かい合ってきた潜像対向領域に担持される現像剤を用いて第2テストトナー像(例えばY第2テストトナー像Yt2)を作像し、前記第1テストトナー像の画像濃度と前記第2テストトナー像の画像濃度との差分に基づいて補正値を算出する算出処理を実施し、その後の前記並行調整処理にて、前記濃度検知用トナー像の画像濃度と前記補正値とに基づいて作像条件を調整する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
かかる構成では、算出処理において、第1テストトナー像の画像濃度を、潜像担持体の地肌部の影響による剤担持体表面電位の変化をきたしている状態で作像したトナー像の画像濃度として検知する。また、第2テストトナー像の画像濃度を、潜像担持体の地肌部の影響による剤担持体表面電位の変化をきたしていない状態で作像したトナー像の画像濃度として検知する。そして、それら2つのトナー像における画像濃度の差分に基づいて、例えばその差分に相当する現像ポテンシャル差などの補正値を算出する。その後、並行調整処理にて、濃度検知用トナー像の画像濃度の検知結果に対応する作像条件を補正値に基づいて補正することで、補正しない場合に比べて、作像条件をより適正値に近い値に調整することができる。
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、前記算出処理にて、前記第1テストトナー像と前記第2テストトナー像とを互いに同じ現像ポテンシャルで作像する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、第1テストトナー像と第2テストトナー像とを異なる現像ポテンシャルで作像することに起因する補正値の不適切化を回避することができる。
[態様C]
態様Cは、態様Bにおいて、前記タイミングとして、互いに画像濃度の異なる複数の濃度検知用トナー像を具備する階調パターン像を作像し、前記階調パターン像における複数の濃度検知用トナー像の画像濃度と、それぞれの濃度検知用トナー像を作像したときの現像ポテンシャルとに基づいて、画像濃度と現像ポテンシャルとの関係を示す現像特性を求める現像特性測定処理を実施しているタイミングを採用したことを特徴とするものである。かかる構成では、現像特性測定処理を実施しているタイミングを利用して、算出処理を実施することができる。
[態様D]
態様Dは、態様Cにおいて、前記階調パターン像に具備される複数の濃度検知用トナー像の前記表面移動方向における長さと、配設間隔と、前記剤担持体の周長との組み合わせとして、前記剤担持体における表面移動方向の全域のうち、先行する濃度検知用トナー像の潜像と向かい合わせた前記潜像対向領域を、前記剤担持体の後の周回で、前記濃度検知用トナー像に対して所定数だけ後に並ぶ別の濃度検知用トナー像に向かい合わせる組み合わせを採用したことを特徴とするものである。かかる構成では、先行する濃度検知用トナー像を利用して、第2テストトナー像を作像し得る条件をつくりだすことができる。
[態様E]
態様Eは、態様Dにおいて、前記現像特性測定処理の実施中に、前記潜像担持体の表面にて、その表面移動方向における前記階調パターン像の後に前記第1テストトナー像や前記第2テストトナー像を作像する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、階調パターン像に具備される濃度検知用トナー像を利用して、地肌部の影響を受けてない第2テストトナー像を作像することができる。
[態様F]
態様Fは、態様C〜Eの何れかにおいて、前記現像特性測定処理にて、前記現像特性として前記関係を示す回帰式を求めた後、前記第1テストトナー像や前記第2テストトナー像を作像した際の現像ポテンシャルと、前記第1テストトナー像の画像濃度に対応する現像ポテンシャルを前記回帰式に基づいて求めた結果との差であるポテンシャル差を算出する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、ポテンシャル差に基づいて適切な補正値を求めることができる。
[態様G]
態様Gは、態様Fにおいて、前記ポテンシャル差を前記補正値として前記並行調整処理で用いる処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、ポテンシャル差をそのまま補正値として利用して、作像条件としての現像ポテンシャルを適切な値に近づけることができる。
[態様H]
態様Hは、態様Fにおいて、前記算出処理にて、前記補正値を算出する代わりに、前記ポテンシャル差を記憶しておき、且つ、前記並行調整処理にて、前記回帰式に基づいて前記目標画像濃度が得られる現像ポテンシャルを算出し、算出結果に前記ポテンシャル差を加算した値を示す直線と、前記目標画像濃度を示す直線との交点、及び前記回帰式における画像濃度軸との切片に基づいて、新たな現像特性を示す直線である新現像特性直線の回帰式を求め、その回帰式に基づいて作像条件を調整する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、上述した具体例で説明したように、態様Gに比べて、作像条件をより適正値に近づけることができる。
[態様I]
態様Iは、態様G又はHにおいて、前記潜像担持体上のトナー像を記録シートに直接あるいは中間転写体(例えば中間転写ベルト61)を介して転写する転写手段(例えば転写ユニット60)を設け、前記現像特性測定処理を実施した後の画像を形成した記録シートの枚数である測定後プリント枚数が所定値以下である場合には、前記並行調整処理にて、前記補正値、又は前記新たな現像特性直線の回帰式を反映させないで作像条件を調整する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、作像条件を補正しなくても差し支えない場合に、補正を省略して、補正値の算出のための制御手段の負荷を低減することができる。
[態様J]
態様Jは、態様Bにおいて、前記タイミングとして、互いに画像濃度の異なる複数の濃度検知用トナー像を具備する階調パターン像を作像し、前記階調パターン像における複数の濃度検知用トナー像の画像濃度と、それぞれの濃度検知用トナー像を作像したときの現像ポテンシャルとに基づいて、画像濃度と現像ポテンシャルとの関係を示す現像特性を求める現像特性測定処理を実施した後、画像情報に基づく作像処理を開始する前のタイミングを採用したことを特徴とするものである。かかる構成では、現像特性測定処理で作像条件を適切なものに調整した直後に、第1テストトナー像や第2テストトナー像を形成することで、それらのトナー像のトナー付着量を適切なものにする。これにより、並行調整処理にて作像条件をより適切な値に調整することができる。
3Y,C,M,K:感光体(潜像担持体)
25Y:現像ユニット(現像手段)
60:転写ユニット(転写手段)
61:中間転写ベルト(中間転写体)
200:光学センサーユニット(画像濃度検知手段)
250:制御部(制御手段)
Ny:Y濃度検知用トナー像(濃度検知用トナー像)
Yt1:Y第1テストトナー像(第1テストトナー像)
Yt2:Y第2テストトナー像(第2テストトナー像)
特開2011−191664号公報

Claims (10)

  1. 潜像担持体と、
    無端移動する表面に現像剤を担持する剤担持体を具備する現像手段と、
    画像情報に基づいて前記潜像担持体の表面に形成した潜像を前記剤担持体の表面に担持した現像剤によって現像してトナー像を得る作像処理と並行して、前記潜像担持体の表面移動方向と直交する方向の端部に存在する非画像領域に作像した所定の濃度検知用トナー像の画像濃度を画像濃度検知手段によって検知した結果に基づいて目標画像濃度が得られるように作像条件を調整する並行調整処理を実施する制御手段とを備える画像形成装置において、
    画像情報に基づく作像処理を実施していないタイミングで、前記剤担持体の表面における全域のうち、前回の周回で前記潜像担持体の地肌部と向かい合ってきた地肌対向領域に担持される現像剤を用いて第1テストトナー像を作像する一方で、前回の周回で前記潜像担持体の潜像と向かい合ってきた潜像対向領域に担持される現像剤を用いて第2テストトナー像を作像し、前記第1テストトナー像の画像濃度と前記第2テストトナー像の画像濃度との差分に基づいて補正値を算出する算出処理を実施し、その後の前記並行調整処理にて、前記濃度検知用トナー像の画像濃度と前記補正値とに基づいて作像条件を調整するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記算出処理にて、前記第1テストトナー像と前記第2テストトナー像とを互いに同じ現像ポテンシャルで作像する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    前記タイミングとして、互いに画像濃度の異なる複数の濃度検知用トナー像を具備する階調パターン像を作像し、前記階調パターン像における複数の濃度検知用トナー像の画像濃度と、それぞれの濃度検知用トナー像を作像したときの現像ポテンシャルとに基づいて、画像濃度と現像ポテンシャルとの関係を示す現像特性を求める現像特性測定処理を実施しているタイミングを採用したことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置において、
    前記階調パターン像に具備される複数の濃度検知用トナー像の前記表面移動方向における長さと、配設間隔と、前記剤担持体の周長との組み合わせとして、前記剤担持体における表面移動方向の全域のうち、先行する濃度検知用トナー像の潜像と向かい合わせた前記潜像対向領域を、前記剤担持体の後の周回で、前記濃度検知用トナー像に対して所定数だけ後に並ぶ別の濃度検知用トナー像に向かい合わせる組み合わせを採用したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4の画像形成装置において、
    前記現像特性測定処理の実施中に、前記潜像担持体の表面にて、その表面移動方向における前記階調パターン像の後に前記第1テストトナー像や前記第2テストトナー像を作像する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項3乃至5の何れかの画像形成装置において、
    前記現像特性測定処理にて、前記現像特性として前記関係を示す回帰式を求めた後、前記第1テストトナー像や前記第2テストトナー像を作像した際の現像ポテンシャルと、前記第1テストトナー像の画像濃度に対応する現像ポテンシャルを前記回帰式に基づいて求めた結果との差であるポテンシャル差を算出する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6の画像形成装置において、
    前記ポテンシャル差を前記補正値として前記並行調整処理で用いる処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項6の画像形成装置において、
    前記算出処理にて、前記補正値を算出する代わりに、前記ポテンシャル差を記憶しておき、且つ、前記並行調整処理にて、前記回帰式に基づいて前記目標画像濃度が得られる現像ポテンシャルを算出し、算出結果に前記ポテンシャル差を加算した値を示す直線と、前記目標画像濃度を示す直線との交点、及び前記回帰式における画像濃度軸との切片に基づいて、新たな現像特性を示す直線である新現像特性直線の回帰式を求め、その回帰式に基づいて作像条件を調整する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項7又は8の画像形成装置において、
    前記潜像担持体上のトナー像を記録シートに直接あるいは中間転写体を介して転写する転写手段を設け、
    前記現像特性測定処理を実施した後の画像を形成した記録シートの枚数である測定後プリント枚数が所定値以下である場合には、前記並行調整処理にて、前記補正値、又は前記新たな現像特性直線の回帰式を反映させないで作像条件を調整する処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項2の画像形成装置において、
    前記タイミングとして、互いに画像濃度の異なる複数の濃度検知用トナー像を具備する階調パターン像を作像し、前記階調パターン像における複数の濃度検知用トナー像の画像濃度と、それぞれの濃度検知用トナー像を作像したときの現像ポテンシャルとに基づいて、画像濃度と現像ポテンシャルとの関係を示す現像特性を求める現像特性測定処理を実施した後、画像情報に基づく作像処理を開始する前のタイミングを採用したことを特徴とする画像形成装置。
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