JP2017214826A - スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スライドバルブ(60)を用いて運転容量を制御するスクリュー圧縮機において、最大負荷運転時の効率が低下するのを抑えるとともに、部分負荷運転時の効率が低下するのも抑える。
【解決手段】スライドバルブ(60)に、少なくとも最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に、吐出中の圧縮室にのみ開口し、固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)とを連通する補助吐出通路(71)を設ける。
【選択図】図8

Description

本発明は、スクリュー圧縮機に関し、特に、スライドバルブを用いたアンロード機構により運転容量を制御するように構成されたスクリュー圧縮機に関するものである。
従来、冷媒や空気を圧縮する圧縮機として、スクリュー圧縮機が用いられている。例えば、特許文献1には、1つのスクリューロータと2つのゲートロータとを備えたスクリュー圧縮機が開示されている。
このスクリュー圧縮機では、スクリューロータとゲートロータがケーシング内に収容されている。スクリューロータには螺旋溝が形成されており、この螺旋溝にゲートロータが噛み合うことにより圧縮室が形成されている。また、ケーシング内には、低圧空間と高圧空間が形成されている。そして、スクリューロータが回転駆動されると、低圧空間内の流体が圧縮室へ吸入されて圧縮され、圧縮室内で圧縮された流体が高圧空間へ吐出される。
特許文献1のスクリュー圧縮機には、スライドバルブが設けられている。スライドバルブは、その内面(ケーシングの径方向内側に位置する面)がスクリューロータの外周と対面するように配置され、スクリューロータの回転軸と平行な方向へスライド可能となっている。特許文献1のシングルスクリュー圧縮機のスライドバルブは、圧縮機の運転容量を調節するためのアンロード機構に用いられている。
このスライドバルブは、圧縮途中の冷媒を圧縮室の吸入側に戻すバイパス通路の開度を全閉から全開まで調整するように構成されている。スライドバルブは、スクリューロータの軸方向へスライドして移動可能であり、その位置に応じてバイパス通路の開度が調整されて、バイパス通路を流れるバイパスガス流量を変化させるようになっている。そして、バイパスガス流量を調整することによって、スクリュー圧縮機の運転容量が制御される。図23はスライドバルブ(100)が全閉側の移動端に位置したときの吐出開口の状態図、図24はスライドバルブ(100)が全開側の移動端に位置したときの吐出開口の状態図である。また、図25はケーシング(110)のスライドバルブ収納部(120)の形状を示す斜視図、図26は吐出開口の形状を示す断面図である。
図示するように、ケーシング(110)には固定吐出ポート(111)が形成されており、スライドバルブ(100)には可動吐出ポート(101)が形成されている。そして、スライドバルブ(100)がスクリューロータ(130)の軸方向へ移動するのに伴って、可動吐出ポート(101)の開口面積の大きさが変化する。
ここで、図23の最大負荷運転時には可動吐出ポート(101)は全開であり、全吐出ガスのうちで可動吐出ポート(101)から吐出される吐出ガスの割合が最大になる。また、運転容量が低下して部分負荷運転になると、可動吐出ポート(101)からの吐出ガスの割合が少なくなり、固定吐出ポート(111)から吐出される割合が多くなる。さらに、図24の最低負荷運転時には可動吐出ポート(101)からは吐出ガスが吐出されなくなり、ガスは固定吐出ポート(111)だけから吐出されるようになる。
特開2011−132834号公報
ところで、従来は、空調用圧縮機は定格運転(最大負荷運転)でのCOP(成績係数)で評価されることが多く、部分負荷運転時の効率はあまり考慮されていなかった。しかし、近年は定格運転時のCOPだけでなく、部分負荷運転時の効率も考慮した指標(期間成績係数:例えば米国冷凍空調工業界で定められているIPLV(Integrated Part Load Value)を考慮して効率が評価されるようになってきている。
一方、スクリュー圧縮機では、図26に示すように、固定吐出ポート(111)への吐出ガスの入口から高圧空間(S2)に至る吐出流路の形状は、ケーシング(110)の強度を保つために断面が斜めに形成されていて、吐出流路の断面積がスライドバルブ(100)の外周部ほど狭くなっている。このため、部分負荷運転時は、この吐出流路の特に外側で大きな圧力損失が発生し、圧縮機の効率が低下する問題があった。また、図27,図28に示すように、スライドバルブ収納部(120)が固定ポート(111)から矢印Aの向きへ周方向に離れるように形成すれば、図27において吐出流路の通路面積は広くなるが、図28において最大負荷運転時の可動吐出ポートの面積(S’)が図23の最大負荷運転時の可動吐出ポートの面積(S)よりも狭くなり、効率が低下してしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スライドバルブを用いたアンロード機構により運転容量を制御するスクリュー圧縮機において、最大負荷運転時の効率が低下するのを抑えるとともに、部分負荷運転時の効率が低下するのも抑えることである。
第1の発明は、ケーシング(10)と、螺旋溝(41)を有し上記ケーシング(10)内で回転するスクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)にかみ合って上記ケーシング(10)内に圧縮室(23)を形成するゲートロータ(50)と、上記圧縮室(23)の圧縮途中位置から該圧縮室(23)の吸入側に連通するバイパス通路(33)と、上記圧縮室(23)から高圧ガスが吐出される固定吐出ポート(25)と、上記スクリューロータ(40)の軸方向へスライド可能に構成されたスライドバルブ(60)を有するアンロード機構(60,80)とを備え、上記スライドバルブ(60)が、上記バイパス通路(33)の開度を調整するバイパス開度調整部(61)を有する弁体部(63)と、吐出開口の面積を調整する可動吐出ポート(62)とを備えたスクリュー圧縮機を前提としている。
そして、このスクリュー圧縮機は、上記スライドバルブ(60)に、少なくとも最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に上記固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)とを連通するとともに、上記ケーシング(10)内の低圧空間から遮断された補助吐出通路(71)が設けられていることを特徴としている。
この第1の発明では、最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に、固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)が補助吐出通路(71)で連通するので、固定吐出ポート(25)から吐出された吐出ガスが可動吐出ポート(62)も通って流出する。このため、本発明では、最低負荷運転時であっても、可動吐出ポート(62)から吐出ガスが吐出されるので、ガスが固定吐出ポート(25)だけから吐出される状態にはならない。また、最大負荷運転時には、従来と同様に可動吐出ポート(62)は全開であり、吐出ガスは固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)を通って流出する。
第2の発明は、第1の発明において、上記補助吐出通路(71)が、最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に上記固定吐出ポート(25)から上記ケーシング(10)内の高圧空間(S2)につながるように上記スライドバルブ(60)の表面に形成された切り欠き(72)により構成され、該切り欠き(72)は、上記スクリューロータ(40)側の径方向内方から外方へ向かって上記補助吐出通路(71)の通路面積が広くなるように上記スライドバルブ(60)に形成されていることを特徴としている。
この第2の発明では、スライドバルブ(60)の表面に切り欠き(72)を形成することにより、最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に、固定吐出ポート(25)が補助吐出通路(71)によって上記高圧空間(S2)と連通する。このため、本発明においても、最低負荷運転時にガスが固定吐出ポート(25)だけから吐出される状態にはならない。また、最大負荷運転時には従来と同様に可動吐出ポート(62)は全開になり、吐出ガスは固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)を通って流出する。
第3の発明は、第1の発明において、上記補助吐出通路(71)が、最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に上記固定吐出ポート(25)から可動吐出ポート(62)を介して上記ケーシング(10)内の高圧空間(S2)につながるように上記スライドバルブ(60)の内部に形成された連通孔(73)により構成されていることを特徴としている。
第4の発明は、第3の発明において、上記連通孔(73)は、バイパス開度調整部(61)側の開口部が、最大負荷時に、上記ケーシング(10)に形成されている高低圧の隔壁(74)に対して高圧側に位置することを特徴としている。
第5の発明は、第3の発明において、上記連通孔(73)は、バイパス開度調整部(61)側の開口部が、最大負荷時に、上記ケーシング(10)に形成されているスライドバルブ(60)との摺動面(75)に覆われることを特徴としている。
上記第3,第4,及び第5の発明では、スライドバルブ(60)の内部に連通孔(73)を形成することにより、最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に、固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)が補助吐出通路(71)で連通する。このため、本発明においても、最低負荷運転時に可動吐出ポート(62)から吐出ガスが吐出されるので、ガスが固定吐出ポート(25)だけから吐出される状態にはならない。また、最大負荷運転時には従来と同様に可動吐出ポート(62)が全開になり、吐出ガスは固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)を通って流出する。
本発明によれば、最大負荷運転時も、最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時も、固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)を通って吐出ガスが流出し、特に最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に圧力損失が大きくなるのを抑えられる。したがって、本発明によれば、スライドバルブ(60)を用いたアンロード機構(60,80)により運転容量を制御するスクリュー圧縮機において、最大負荷運転時の効率が低下するのを抑えるとともに、部分負荷運転時の効率が低下するのも抑えることができる。よって、期間成績係数を従来よりも優れた値にすることが可能になる。
上記第2の発明によれば、スライドバルブ(60)の表面に切り欠き(72)を形成することにより、吐出流路の断面積が小さくならないようにしているので、最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に圧力損失が大きくなるのを抑えられる。したがって、本発明によれば、切り欠き(72)を用いた簡単な構成で、最大負荷運転時の効率が低下するのを抑えるとともに、部分負荷運転時の効率が低下するのも抑えることができる。
上記第3,第4及び第5の発明によれば、スライドバルブ(60)の内部に連通孔(73)を形成することにより、吐出流路の断面積が小さくならないようにしているので、最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に圧力損失が大きくなるのを抑えられる。したがって、本発明によれば、連通孔(73)を用いた簡単な構成で、最大負荷運転時の効率が低下するのを抑えるとともに、部分負荷運転時の効率が低下するのも抑えることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るスクリュー圧縮機の全体構成を示す側面図である。 図2は、スクリュー圧縮機の要部の構成を示す断面図である。 図3は、図2におけるIII−III線断面を示す断面図である。 図4は、スクリュー圧縮機の要部を抜き出して示す斜視図である。 図5は、スライドバルブの斜視図である。 図6は、スライドバルブの正面図である。 図7は、スライドバルブが全閉側の移動端に位置したときの吐出開口の状態図である。 図8は、スライドバルブが全開側の移動端に位置したときの吐出開口の状態図である。 図9は、図8のIX−IX線断面図(吐出開口の形状を示す断面図)である 図10は、スクリュー圧縮機の圧縮機構の吸込行程の動作を示す平面図である。 図11は、スクリュー圧縮機の圧縮機構の圧縮行程の動作を示す平面図である。 図12は、スクリュー圧縮機の圧縮機構の吐出行程の動作を示す平面図である。 図13は、スクリュー圧縮機の部分拡大断面図であって、運転容量が最大になっている状態を示す。 図14は、スクリュー圧縮機の部分拡大断面図であって、運転容量が最小になっている状態を示す。 図15は、実施形態の変形例においてスライドバルブが全閉側の移動端に位置したときの吐出開口の状態図である。 図16は、実施形態の変形例においてスライドバルブが全開側の移動端に位置したときの吐出開口の状態図である。 図17は、実施形態の変形例の吐出開口の形状を示す断面図である。 図18は、その他の実施形態においてスライドバルブが全閉側の移動端に位置したときの吐出開口の状態図である。 図19は、その他の実施形態においてスライドバルブが全開側の移動端に位置したときの吐出開口の状態図である。 図20は、その他の実施形態の吐出開口の形状を示す断面図である。 図21は、その他の実施形態のスライドバルブの斜視図である。 図22は、その他の実施形態における連通孔の開口形状を示す図である。 図23は、従来のスクリュー圧縮機においてスライドバルブが全閉側の移動端に位置したときの吐出開口の状態図である。 図24は、従来のスクリュー圧縮機においてスライドバルブが全開側の移動端に位置したときの吐出開口の状態図である。 図25は、ケーシングのスライドバルブ収納部の形状を示す斜視図である。 図26は、吐出開口の形状を示す断面図である。 図27は、従来のスクリュー圧縮機で吐出流路を広げた構成を示す図である。 図28は、図27の構成における可動吐出ポートの面積を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、このスクリュー圧縮機(1)では、圧縮機構(20)とそれを駆動する電動機(15)とが1つのケーシング(10)に収容されている。このスクリュー圧縮機(1)は、半密閉型に構成されている。
ケーシング(10)は、横長の円筒状に形成されている。ケーシング(10)の内部空間は、ケーシング(10)の一端側に位置する低圧空間(S1)と、ケーシング(10)の他端側に位置する高圧空間(S2)とに仕切られている。ケーシング(10)には、低圧空間(S1)に連通する吸入管接続部(11)と、高圧空間(S2)に連通する吐出管接続部(12)とが設けられている。図示していないが、チラーシステムなどの冷凍装置が有する冷媒回路の蒸発器から流れてきた低圧ガス冷媒は、吸入管接続部(11)を通って低圧空間(S1)へ流入する。また、圧縮機構(20)から高圧空間(S2)へ吐出された圧縮後の高圧ガス冷媒は、吐出管接続部(12)を通って冷媒回路の凝縮器へ供給される。
ケーシング(10)内では、低圧空間(S1)に電動機(15)が配置され、低圧空間(S1)と高圧空間(S2)の間に圧縮機構(20)が配置されている。圧縮機構(20)の駆動軸(21)は、電動機(15)に連結されている。スクリュー圧縮機(1)の電動機(15)は商用電源(図示せず)に接続されている。電動機(15)は、商用電源から交流を供給されて一定の回転速度で回転する。
また、ケーシング(10)内では、高圧空間(S2)に油分離器(16)が配置されている。油分離器(16)は、圧縮機構(20)から吐出された冷媒から冷凍機油を分離する。高圧空間(S2)における油分離器(16)の下方には、潤滑油である冷凍機油を貯留するための油貯留室(17)が形成されている。油分離器(16)において冷媒から分離された冷凍機油は、下方へ流れ落ちて油貯留室(17)に蓄えられる。
図2,図3に示すように、圧縮機構(20)は、ケーシング(10)内に形成された円筒壁(30)と、該円筒壁(30)の中に配置された1つのスクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)に噛み合う2つのゲートロータ(50)とを備えている。スクリューロータ(40)には駆動軸(21)が挿通し、スクリューロータ(40)と駆動軸(21)は、キー(22)によって連結されている。駆動軸(21)はスクリューロータ(40)と同軸上に配置されている。スクリューロータ(40)は、該スクリューロータ(40)の吸入側に配置された電動機(15)によりケーシング(10)内で回転駆動される。
円筒壁(30)の高圧空間(S2)側の端部には、軸受ホルダ(35)が挿入されている。軸受ホルダ(35)は、概ね円筒状に形成されている。軸受ホルダ(35)の外径は、円筒壁(30)の内周面(即ち、スクリューロータ(40)の外周面と摺接する面)の直径と実質的に等しくなっている。軸受ホルダ(35)の内側には、軸受(36)が設けられている。軸受(36)には駆動軸(21)の先端部が挿通しており、この軸受(36)が駆動軸(21)を回転自在に支持している。
図4に示すスクリューロータ(40)は、概ね円柱状に形成された金属製の部材である。スクリューロータ(40)は、円筒壁(30)に回転可能に嵌合しており、その外周面が円筒壁(30)の内周面と油膜を介して摺接する。スクリューロータ(40)の外周部には、スクリューロータ(40)の一端から他端へ向かって螺旋状に延びる螺旋溝(41)が複数(本実施形態では、6本)形成されている。
スクリューロータ(40)の各螺旋溝(41)は、図4における手前側の端部が始端となり、同図における奥側の端部が終端となっている。また、スクリューロータ(40)は、同図における手前側の端部(吸入側の端部)がテーパー状に形成されている。図4に示すスクリューロータ(40)では、テーパー面状に形成されたその手前側の端面に螺旋溝(41)の始端が開口する一方、その奥側の端面に螺旋溝(41)の終端は開口していない。
各ゲートロータ(50)は、樹脂製の部材である。各ゲートロータ(50)には、長方形板状に形成された複数(本実施形態では、11枚)のゲート(51)が放射状に設けられている。各ゲートロータ(50)は、円筒壁(30)の外側に、スクリューロータ(40)の回転軸に対して軸対称となるように配置されている。各ゲートロータ(50)の軸心は、スクリューロータ(40)の軸心に垂直な平面内にある。各ゲートロータ(50)は、ゲート(51)が円筒壁(30)の一部を貫通してスクリューロータ(40)の螺旋溝(41)に噛み合うように配置されている。
ゲートロータ(50)は、金属製のロータ支持部材(55)に取り付けられている(図4を参照)。ロータ支持部材(55)は、基部(56)とアーム部(57)と軸部(58)とを備えている。基部(56)は、やや肉厚の円板状に形成されている。アーム部(57)は、ゲートロータ(50)のゲート(51)と同数だけ設けられており、基部(56)の外周面から外側へ向かって放射状に延びている。軸部(58)は、棒状に形成されて基部(56)に立設されている。軸部(58)の中心軸は、基部(56)の中心軸と一致している。ゲートロータ(50)は、基部(56)及びアーム部(57)における軸部(58)とは反対側の面に取り付けられている。各アーム部(57)は、ゲート(51)の背面に当接している。
ゲートロータ(50)が取り付けられたロータ支持部材(55)は、円筒壁(30)に隣接してケーシング(10)内に区画形成されたゲートロータ室(90)に収容されている(図3を参照)。図3におけるスクリューロータ(40)の右側に配置されたロータ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が下端側となる向きで設置されている。一方、同図におけるスクリューロータ(40)の左側に配置されたロータ支持部材(55)は、ゲートロータ(50)が上端側となる向きで設置されている。各ロータ支持部材(55)の軸部(58)は、ゲートロータ室(90)内の軸受ハウジング(91)に軸受(92,93)を介して回転自在に支持されている。なお、各ゲートロータ室(90)は、低圧空間(S1)に連通している。
圧縮機構(20)では、円筒壁(30)の内周面と、スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)と、ゲートロータ(50)のゲート(51)とによって囲まれた空間が圧縮室(23)になる。スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)は、吸入側端部において低圧空間(S1)に開放しており、この開放部分が圧縮機構(20)の吸入口(24)になっている。
スクリュー圧縮機(1)には、圧縮途中のガスの一部を低圧側に戻すアンロード動作を行うことにより運転容量を調節するためのスライドバルブ(60)が設けられている。このスライドバルブ(60)は、スライドバルブ収納部(31)内に設けられている。スライドバルブ収納部(31)は、円筒壁(30)がその周方向の2カ所において径方向外側に膨出した部分であって、吐出側の端部(図2における右端部)から吸入側の端部(同図における左端部)へ向かって延びる概ね半円筒形状に形成されている。スライドバルブ(60)は、円筒壁(30)の軸心方向にスライド可能に構成されており、スライドバルブ収納部(31)へ挿入された状態でスクリューロータ(40)の外周面と対面する。スライドバルブ(60)の詳細な構造は後述するが、図2の吐出側への移動端が全開側の移動端、吸入側への移動端が全閉側の移動端になっている。
ケーシング(10)内には、円筒壁(30)の外側に連通路(32)が形成されている。連通路(32)は、各スライドバルブ収納部(31)に対応して1つずつ形成されている。連通路(32)は、円筒壁(30)の軸方向へ延びる通路であって、その一端が低圧空間(S1)に開口し、その他端がスライドバルブ収納部(31)の吸入側の端部に開口している。円筒壁(30)のうち連通路(32)の一端(図2における右端)に隣接する部分は、スライドバルブ(60)の先端面(P2)が当接するシート部(13)を構成している。また、シート部(13)では、スライドバルブ(60)の先端面(P2)と向かい合う面がシート面(P1)を構成している。
スライドバルブ(60)が高圧空間(S2)寄り(図2における駆動軸(21)の軸方向を左右方向とした場合の右側寄り)へスライドすると、スライドバルブ収納部(31)の端面(P1)とスライドバルブ(60)のバイパス開度調整部(61)の端面(P2)との間に軸方向隙間が形成される。この軸方向隙間は、圧縮室(23)の圧縮途中位置から低圧空間(S1)へ冷媒を戻すためのバイパス通路(33)を、連通路(32)と共に構成している。つまり、バイパス通路(33)は、圧縮室(23)の吸入側である低圧空間(S1)に一端が連通し、圧縮室(23)の圧縮途中位置である円筒壁(30)の内周面に他端が開口可能となっている。スライドバルブ(60)を移動させてバイパス通路(33)の開度を変更すると、圧縮途中から低圧側へ戻る冷媒の流量が変化するので、圧縮機構(20)の容量が変化する。
上記円筒壁(30)には、圧縮室(23)と高圧空間(S2)とを連通させるための固定吐出ポート(25)が形成されている。上記スライドバルブ(60)には、図5に示すように、上記バイパス通路(33)の開度を調整するバイパス開度調整部(61)を有する弁体部(63)と、弁体部(63)との間に吐出開口の面積を調整する可動吐出ポート(62)を区画形成するガイド部(65)とが形成されている。スライドバルブ(60)の可動吐出ポート(62)は、スライドバルブ(60)の位置が変化するのに伴って吐出開口の面積を変化させるように構成されている。可動吐出ポート(62)は、上記スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)のねじれ方向へ傾斜した傾斜面(68)を有している。
上記スクリュー圧縮機(1)には、スライドバルブ(60)をスライド駆動してバイパス通路(33)の開度を調整するためのスライドバルブ駆動機構(80)が設けられている。スライドバルブ(60)とスライドバルブ駆動機構(80)とによりアンロード機構(60,80)が構成されている。このスライドバルブ駆動機構(80)は、ケーシング(10)に固定されたシリンダ(81)と、該シリンダ(81)内に装填されたピストン(82)と、該ピストン(82)のピストンロッド(83)に連結されたアーム(84)と、該アーム(84)とスライドバルブ(60)とを連結する連結ロッド(85)と、アーム(84)を図2の右方向(アーム(84)をケーシング(10)から引き離す方向)に付勢するスプリング(86)とを備えている。
図2に示すスライドバルブ駆動機構(80)では、ピストン(82)の左側空間(ピストン(82)に対してスクリューロータ(40)側に形成される空間)の内圧が、ピストン(82)の右側空間(ピストン(82)に対してアーム(84)側に形成される空間)の内圧よりも高くなっている。そして、スライドバルブ駆動機構(80)は、ピストン(82)の右側空間の内圧(即ち、右側空間内のガス圧)を調節することによって、スライドバルブ(60)の位置を調整するように構成されている。
スクリュー圧縮機(1)の運転中において、スライドバルブ(60)では、その軸方向の端面の一方(バイパス開度調整部(61)の端面(P2))に圧縮機構(20)の吸入圧が、他方に圧縮機構(20)の吐出圧がそれぞれ作用する。このため、スクリュー圧縮機(1)の運転中において、スライドバルブ(60)には、常にスライドバルブ(60)を低圧空間(S1)側へ押す方向の力が作用する。従って、スライドバルブ駆動機構(80)におけるピストン(82)の左側空間及び右側空間の内圧を変更すると、スライドバルブ(60)を高圧空間(S2)側へ引き戻す方向の力の大きさが変化し、その結果、スライドバルブ(60)の位置が変化する。
スライドバルブ(60)について、図5,図6を参照しながら詳細に説明する。
スライドバルブ(60)は、弁体部(63)と、ガイド部(65)と、連結部(67)とによって構成されている。このスライドバルブ(60)において、弁体部(63)とガイド部(65)と連結部(67)とは、1つの金属製の部材で構成されている。つまり、弁体部(63)とガイド部(65)と連結部(67)とは、一体に形成されている。
弁体部(63)は、図3にも示すように、中実の円柱の一部を削ぎ落としたような形状となっており、削ぎ落とされた部分(内面(正面)側の部分:ケーシングの径方向内側に位置する部分)がスクリューロータ(40)を向く姿勢でケーシング(10)内に設置されている。弁体部(63)において、スクリューロータ(40)と向かい合う摺接面(64)は、その曲率半径が円筒壁(30)の内周面の曲率半径と等しい円弧面となっており、弁体部(63)の軸方向へ延びている。この弁体部(63)の摺接面(64)は、スクリューロータ(40)と油膜を介して摺接すると共に、螺旋溝(41)によって形成された圧縮室(23)に臨んでいる。
弁体部(63)では、一方の端面(図6における左端面)が、弁体部(63)の軸心と直交する平坦面となっている。この端面は、バイパス開度調整部(61)の端面であって、スライドバルブ(60)のスライド方向における先端面(P2)となっている。また、弁体部(63)では、他方の端面(同図における右端面)(68)が、弁体部(63)の軸直角平面に対して傾斜した傾斜面(68)となっている。この弁体部(63)の傾斜面(68)の傾斜方向は、スクリューロータ(40)の螺旋溝(41)のねじれ方向と同じ方向である。
ガイド部(65)は、断面がT字形の柱状に形成されている。このガイド部(65)において、T字形の横棒に対応する側面(即ち、図5において手前側を向いている側面)は、その曲率半径が円筒壁(30)の内周面の曲率半径と等しい円弧面となっており、軸受ホルダ(35)の外周面と油膜を介して摺接する摺接面(66)を構成している。つまり、この摺接面(66)は、軸受ホルダ(35)の外周面により構成されているガイド面(37)と摺接している。スライドバルブ(60)において、ガイド部(65)は、その摺接面(66)が弁体部(63)の摺接面(64)と同じ側を向く姿勢で、弁体部(63)の端面(傾斜面)(68)から間隔をおいて配置されている。
連結部(67)は、比較的短い柱状に形成され、弁体部(63)とガイド部(65)を連結している。この連結部(67)は、弁体部(63)の摺接面(64)やガイド部(65)の摺接面(66)とは反対側にオフセットした位置に設けられている。そして、スライドバルブ(60)では、弁体部(63)とガイド部(65)の間の空間とガイド部(65)の背面側(即ち、摺接面(66)とは反対側)の空間とが吐出ガスの通路を形成している。また、弁体部(63)の摺接面(64)とガイド部(65)の摺接面(66)との間が上記固定吐出ポート(25)の開口面積を調整するための可動吐出ポート(62)となっている。
図7はスライドバルブ(60)が全閉側の移動端に位置したとき(最大負荷運転時)の吐出開口の状態図、図8はスライドバルブ(60)が全開側の移動端に位置したとき(最小負荷運転時)の吐出開口の状態図、図9は図8のIX−IX線断面図である。図5〜図9に示すように、上記スライドバルブ(60)には、少なくとも最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時(最小負荷運転時と、それより負荷が大きい中間負荷運転時とを含む)に、上記固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)とを連通するとともに、上記ケーシング(10)内の低圧空間(S1)から遮断された補助吐出通路(71)が設けられている。
補助吐出通路(71)は、具体的には、図8に示す最小負荷の運転時と、図示していない中間負荷の運転時に、上記固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)とを連通するように形成されている。補助吐出通路(71)は、図7に示す最大負荷の運転時には、固定吐出ポート(25)から退避し、このときには固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)が直接に連通する。補助吐出通路(71)は、特に最大負荷の運転時には、固定吐出ポート(固定吐出ポート(25)及び可動吐出ポート(62))と低圧空間とが連通しないように、ケーシングの隔壁(74)によって低圧空間(S1)から遮断されている。上記隔壁(74)は、ケーシングの低圧空間(S1)と高圧空間(S2)とを仕切っている壁である。
本実施形態において、上記補助吐出通路(71)は、上記スライドバルブ(60)の表面に形成された切り欠き(72)により構成されている。この切り欠き(72)は、最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時(例えば図8の最小負荷の運転時)に、上記固定吐出ポート(25)が上記ケーシング(10)内の高圧空間(S2)につながるように上記スライドバルブ(60)の表面に構成されている。この切り欠き(72)は、上記スクリューロータ(40)側の径方向内方から外方へ向かって上記補助吐出通路(71)の通路面積が広くなるように上記スライドバルブ(60)に形成されている。そして、本実施形態では、この切り欠き(72)により、吐出開口の通路面積が所定の面積に確保されるようにして、吐出ガスの圧力損失が大きくなるのを抑制している。
−運転動作−
スクリュー圧縮機(1)の全体的な運転動作について、図10〜図12を参照しながら説明する。
スクリュー圧縮機(1)において電動機(15)を起動すると、駆動軸(21)が回転するのに伴ってスクリューロータ(40)が回転する。このスクリューロータ(40)の回転に伴ってゲートロータ(50)も回転し、圧縮機構(20)が吸入行程、圧縮行程および吐出行程を繰り返す。ここでは、図10〜図12においてドットを付した圧縮室(23)に着目して説明する。
図10において、ドットを付した圧縮室(23)は、低圧空間(S1)に連通している。また、この圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、同図の下側に位置するゲートロータ(50)のゲート(51)と噛み合わされている。スクリューロータ(40)が回転すると、このゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって相対的に移動し、それに伴って圧縮室(23)の容積が拡大する。その結果、低圧空間(S1)の低圧ガス冷媒が吸入口(24)を通じて圧縮室(23)へ吸い込まれる。
スクリューロータ(40)が更に回転すると、図11の状態となる。同図において、ドットを付した圧縮室(23)は、閉じきり状態となっている。つまり、この圧縮室(23)が形成されている螺旋溝(41)は、同図の上側に位置するゲートロータ(50)のゲート(51)と噛み合わされ、このゲート(51)によって低圧空間(S1)から仕切られている。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動すると、圧縮室(23)の容積が次第に縮小する。その結果、圧縮室(23)内のガス冷媒が圧縮される。
スクリューロータ(40)が更に回転すると、図12の状態となる。同図において、ドットを付した圧縮室(23)は、固定吐出ポート(25)を介して高圧空間(S2)と連通した状態となっている。そして、スクリューロータ(40)の回転に伴ってゲート(51)が螺旋溝(41)の終端へ向かって移動すると、圧縮された冷媒ガスが圧縮室(23)から高圧空間(S2)へ押し出されてゆく。
次に、スライドバルブ(60)を用いた圧縮機構(20)の容量制御について、図2,図13,図14を参照しながら説明する。なお、圧縮機構(20)の容量とは、“単位時間当たりに蒸発器を通過し、吸入管接続部(11)から圧縮機(1)に吸入される冷媒の量”を意味する。この圧縮機構(20)の容量は、スクリュー圧縮機(1)の運転容量と同義である。
スライドバルブ(60)が図2の左側へ最も押し込まれた状態では、図13に示すようにスライドバルブ(60)が全閉側(吸入側)の移動端に位置する。そして、スライドバルブ(60)の先端面(P2)がシート部(13)のシート面(P1)に押し付けられ、圧縮機構(20)の容量が最大となる。つまり、この状態では、バイパス通路(33)がスライドバルブ(60)の弁体部(63)によって完全に塞がれ、低圧空間(S1)から圧縮室(23)へ吸入された冷媒ガスの全てが高圧空間(S2)へ吐出される。したがって、この状態では、スクリュー圧縮機(1)の運転容量が最大となる。
一方、スライドバルブ(60)が図2の右側へ退き、スライドバルブ(60)の先端面(P2)がシート面(P1)から離れると、円筒壁(30)の内周面にバイパス通路(33)が開口する。この状態において、低圧空間(S1)から圧縮室(23)へ吸入された冷媒ガスは、その一部が圧縮行程途中の圧縮室(23)からバイパス通路(33)を通って低圧空間(S1)へ戻り、残りが最後まで圧縮されて高圧空間(S2)へ吐出される。
そして、スライドバルブ(60)の先端面(P2)とスライドバルブ収納部(31)のシート面(P1)との間隔が広がると(つまり、円筒壁(30)の内周面におけるバイパス通路(33)の開口面積が拡大すると)、それにつれてバイパス通路(33)を通って低圧空間(S1)へ戻る冷媒の量が増大し、高圧空間(S2)へ吐出される冷媒の量が減少する。また、スライドバルブ(60)の先端面(P2)とスライドバルブ収納部(31)のシート面(P1)との間隔が広がるほど、冷媒回路の吸入配管から圧縮機(1)に吸入される冷媒の流量が少なくなり、圧縮機構(20)の容量が小さくなる。
スライドバルブ(60)が図14に示す全開側(吐出側)の移動端に位置すると、スライドバルブ(60)の先端面(P2)と円筒壁(30)のシート面(P1)との距離が最大になる。つまり、この状態では、円筒壁(30)の内周面におけるバイパス通路(33)の開口面積が最大となり、圧縮室(23)からバイパス通路(33)を通って低圧空間(S1)へ戻されるバイパスガス冷媒の流量が最大となる。したがって、この状態では、圧縮機構(20)から高圧空間(S2)へ吐出される冷媒の流量が最少となる。また、バイパスガス冷媒の流量が最大になると、冷媒回路の吸入配管から圧縮機(1)に吸入される冷媒の流量が最小になり、スクリュー圧縮機(1)の運転容量が最小となる。
なお、圧縮室(23)から高圧空間(S2)へ吐出される冷媒は、圧縮室(23)から先ずスライドバルブ(60)に形成された固定吐出ポート(25)へ流入する。その後、この冷媒は、可動吐出ポート(62)を通り、さらにスライドバルブ(60)のガイド部(65)の背面側に形成された通路を通って高圧空間(S2)へ流入する。
この実施形態では、スライドバルブ(60)の弁体部(63)の表面に切り欠き(72)を形成することにより、最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に、固定吐出ポート(25)が該切り欠き(72)によって上記ケーシング(10)内の高圧空間(S2)に連通するようにしているので、固定吐出ポート(25)から吐出された吐出ガスは、最小負荷運転時であっても、固定吐出ポート(25)だけから吐出される状態にはならない。また、最大負荷運転時には、従来と同様に可動吐出ポート(62)は全開であり、吐出ガスは固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)を通って流出する。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、スライドバルブ(60)の弁体部(63)の表面に補助吐出通路(71)として切り欠き(72)を形成することにより、最大負荷運転時であっても、最小負荷運転時のように最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時であっても、固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(61)の両方を通って吐出ガスが流出するから、特に最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時の圧力損失の増大を抑えられる。そして、本実施形態によれば、スライドバルブ(60)を用いたアンロード機構(60,80)により運転容量を制御するスクリュー圧縮機(1)において、切り欠き(72)を用いた簡単な構成で吐出流路の断面積を確保できるから、最大負荷運転時の効率が低下するのを抑えるとともに、部分負荷運転時の効率が低下するのも抑えることができる。したがって、期間成績係数を従来よりも優れた値にすることが可能になる。
−実施形態の変形例−
上記実施形態の変形例として、上記補助吐出通路(71)は、図15〜図17に示すように、上記スライドバルブ(60)のバイパス開度調整部(61)の外周面から可動吐出ポート(62)につながる連通孔(73)により構成してもよい。この変形例では、連通孔(73)のバイパス開度調整部側(61)の開口部は、図15の最大負荷時に、上記ケーシング(10)に形成されている高低圧を仕切る隔壁(74)に対して高圧側に位置するように形成されている。このようにしているのは、連通孔(73)が常に上記ケーシング(10)内の低圧空間(S1)から遮断されるようにするためである。なお、連通孔(73)はスライドバルブ(60)の軸方向の穴と軸直角方向の穴からなり、軸方向の穴の先端(P2)側の端部をプラグで埋めることにより形成されている。
この変形例では、スライドバルブ(60)のバイパス開度調整部(61)の外周面から可動吐出ポート(62)につながる連通孔(73)を形成することにより、最小負荷運転時のように最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に、固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)が連通するようにしている。このため、この変形例においても、図16の最小負荷運転時にガスが固定吐出ポート(25)だけから吐出される状態にはならずに可動吐出ポート(62)からもガスが吐出される。また、最大負荷運転時には、従来と同様に可動吐出ポート(62)が全開になり、吐出ガスは固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)を通って流出する。
したがって、この変形例によれば、上記実施形態と同様に、特に最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に圧力損失が大きくなるのを抑えられるから、連通孔(73)を用いた簡単な構成で、最小負荷運転時や部分負荷運転時の効率が低下するのを抑えることができるとともに、最大負荷運転時の効率が低下するのを抑えることもできる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態の変形例では、連通孔(73)のバイパス開度調整部側(61)の開口部を、最大負荷運転時に、上記ケーシング(10)に形成されている高低圧の隔壁(74)に対して高圧側に位置するように形成しているが、図18〜図21に示すように、連通孔(73)のバイパス開度調整部側(61)の開口部を、最大負荷時に、上記ケーシングに形成されているスライドバルブとの摺動面(75)に覆われる位置に形成してもよく、そうすれば、上記開口部を高低圧の隔壁(74)に対して高圧側に位置するように形成しなくてもよい。連通孔(73)の上記の開口部が、スライドバルブとの摺動面(75)で常に覆われるようにすることで、連通孔(73)が常に上記ケーシング(10)内の低圧空間(S1)から遮断されるからである。
このように構成しても、上記実施形態の変形例と同様の作用効果を奏することが可能である。
また、図18〜図21の連通孔(73)の開口形状は、図22に示すように両端の円形の開口(73a)をその間のスリット状の開口(74a)で連通するようにした形状であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、スライドバルブを用いたアンロード機構により運転容量を制御するように構成されたスクリュー圧縮機について有用である。
1 スクリュー圧縮機
10 ケーシング
23 圧縮室
25 固定吐出ポート
33 バイパス通路
40 スクリューロータ
41 螺旋溝
50 ゲートロータ
60 スライドバルブ(アンロード機構)
61 バイパス開度調整部
62 可動吐出ポート(可動吐出ポート)
71 補助吐出通路
72 切り欠き
73 連通孔
74 隔壁
75 摺動面
80 スライドバルブ駆動機構(アンロード機構)

Claims (5)

  1. ケーシング(10)と、螺旋溝(41)を有し上記ケーシング(10)内で回転するスクリューロータ(40)と、該スクリューロータ(40)にかみ合って上記ケーシング(10)内に圧縮室(23)を形成するゲートロータ(50)と、上記圧縮室(23)の圧縮途中位置から該圧縮室(23)の吸入側に連通するバイパス通路(33)と、上記圧縮室(23)から高圧ガスが吐出される固定吐出ポート(25)と、上記スクリューロータ(40)の軸方向へスライド可能に構成されたスライドバルブ(60)を有するアンロード機構(60,80)とを備え、
    上記スライドバルブ(60)が、上記バイパス通路(33)の開度を調整するバイパス開度調整部(61)を有する弁体部(63)と、吐出開口の面積を調整する可動吐出ポート(62)とを備えたスクリュー圧縮機であって、
    上記スライドバルブ(60)には、少なくとも最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に上記固定吐出ポート(25)と可動吐出ポート(62)とを連通するとともに、上記ケーシング(10)内の低圧空間(S1)から遮断された補助吐出通路(71)が設けられていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記補助吐出通路(71)は、最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に上記固定吐出ポート(25)から上記ケーシング(10)内の高圧空間(S2)につながるように上記スライドバルブ(60)の表面に形成された切り欠き(72)により構成され、該切り欠き(72)は、上記スクリューロータ(40)側の径方向内方から外方へ向かって上記補助吐出通路(71)の通路面積が広くなるように上記スライドバルブ(60)に形成されていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  3. 請求項1において、
    上記補助吐出通路(71)は、最大負荷運転時よりも負荷が小さい運転時に上記固定吐出ポート(25)から可動吐出ポート(62)を介して上記ケーシング(10)内の高圧空間(S2)につながるように上記スライドバルブ(60)の内部に形成された連通孔(73)により構成されていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  4. 請求項3において、
    上記連通孔(73)は、バイパス開度調整部(61)側の開口部が、最大負荷時に、上記ケーシング(10)に形成されている高低圧の隔壁(74)に対して高圧側に位置することを特徴とするスクリュー圧縮機。
  5. 請求項3において、
    上記連通孔(73)は、バイパス開度調整部(61)側の開口部が、最大負荷時に、上記ケーシング(10)に形成されているスライドバルブ(60)との摺動面(75)に覆われることを特徴とするスクリュー圧縮機。
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