JP2017214678A - 繊維製品の洗濯方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維製品の洗浄後、柔軟性などの風合いを良好に付与できる繊維製品の洗濯方法を提供する。【解決手段】下記工程1と工程2を含む繊維製品の洗濯方法。工程1:水と(A)炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩〔以下、(A)成分という〕とを混合して得た洗浄液を、繊維製品に接触させて繊維製品を洗浄する工程工程2:水と繊維製品用仕上げ剤組成物とを混合して得た処理液を、工程1で洗浄された繊維製品と接触させて繊維製品を処理する工程【選択図】なし

Description

本発明は、繊維製品の洗濯方法、繊維製品の処理方法、及び繊維製品の風合いの低下を抑制する方法に関する。
従来、アニオン性界面活性剤は、洗浄力及び起泡力に優れていることから家庭用の洗浄成分として広く用いられている。アルキルベンゼンスルホン酸塩以外のアニオン性界面活性剤の一つとして、オレフィンスルホン酸塩、特に二重結合をオレフィン鎖の末端ではなく内部に有する内部オレフィンを原料として得られる内部オレフィンスルホン酸塩が報告されている。また、繊維製品を洗濯する方法において、アニオン性界面活性剤を含有する洗浄剤組成物で繊維製品を洗浄した後に、繊維製品用柔軟剤組成物で繊維製品を柔軟処理する洗濯方法も、一般の家庭で行われている。
特許文献1には、(A)炭素数16の内部オレフィンスルホン酸塩及び/又は(B)炭素数18の内部オレフィンスルホン酸塩を含有し、当該(A)成分と(B)成分の含有質量比(A/B)が0/100〜70/30であり、とりわけ毛髪洗浄時の起泡性、泡質、速泡性、泡切れ性、特に泡質に優れた内部オレフィンスルホン酸塩組成物が開示されている。
特許文献2には、β−ヒドロキシ体を25%以上含有する内部オレフィンスルホン酸塩を含有する、洗浄性に優れた洗浄剤組成物が開示されている。内部オレフィンスルホン酸塩の炭素数は12〜20が好ましい事が記載されている。具体的にポリエステル/木綿の布製品に付着した汚れを洗浄する方法が開示されている。
特許文献3には、炭素数12〜18の内部オレフィンから誘導された内部オレフィンスルホン酸塩と、HLB値が10.5以下の非イオン性界面活性剤を特定比で含む洗剤組成物が記載されている。実施例では、比較例として炭素数18の内部オレフィンスルホン酸塩を用いて、塩化ナトリウムと炭酸ナトリウムでイオン強度を調節した水での洗浄評価が記載されている。
特許文献4には、特定の非イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤を特定比で含む洗剤で繊維製品を洗浄した後に、繊維製品処理剤を含むすすぎ水により繊維製品を処理する溜めすすぎ工程を行う繊維製品の洗濯方法であり、洗浄力と柔軟性を損なうことのない節水性に優れた洗濯方法が開示されている。
特許文献5には、特定の炭素数を有する3級アミン又はその塩及び第4級アンモニウム塩から選ばれる化合物を含有し、洗剤残留量が多いすすぎ水で処理した場合でも優れた柔軟付与効果を示す液体柔軟剤組成物が開示されている。
特開2014−76988号公報 欧州特許公開公報377261号 特開平3−126793号公報 特開2011−47065号公報 特開2005−23452号公報
本発明は、繊維製品の洗浄後、柔軟性などの風合いを良好に付与できる繊維製品の洗濯方法を提供する。
本発明者らは、アニオン界面活性剤で繊維製品を洗浄した後に、繊維製品を繊維製品用仕上げ剤組成物で繊維製品に風合いを付与する繊維製品の処理において、アニオン界面活性剤として内部オレフィンスルホン酸塩を用いることで、繊維製品用仕上げ剤組成物が本来有する繊維製品に繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制できることを見出した。
本発明は、下記工程1と工程2を含む繊維製品の洗濯方法に関する。
工程1:水と(A)炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩とを混合して得た洗浄液を、繊維製品に接触させて繊維製品を洗浄する工程
工程2:水と繊維製品用仕上げ剤組成物とを混合して得た処理液を、工程1で洗浄された繊維製品とを接触させて繊維製品を処理する工程
また、本発明は、下記工程1と工程2を含む繊維製品の処理方法に関する。
工程1:水と(A)炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩とを混合して得た洗浄液を、繊維製品に接触させて繊維製品を洗浄する工程
工程2:水と繊維製品用仕上げ剤組成物とを混合して得た処理液を、工程1で洗浄された繊維製品と接触させて繊維製品を処理する工程
また、本発明は、下記工程1と工程2とを含む工程により繊維製品を処理する際に、工程1のアニオン界面活性剤として、(A)炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩〔以下、(A)成分という〕を用いる、繊維製品の風合いの低下を抑制する方法に関する。
工程1:水とアニオン界面活性剤とを混合して得た洗浄液を、繊維製品を接触させて繊維製品を洗浄する工程
工程2:水と繊維製品用仕上げ剤組成物とを混合して得た処理液を、工程1で洗浄された繊維製品と接触させて繊維製品を処理する工程
本発明によれば、繊維製品を洗浄した後に、繊維製品用仕上げ剤組成物で繊維製品を処理する際に、繊維製品用仕上げ剤組成物が繊維に風合いを付与する効果の低下を抑制することができる。
<(A)成分>
本発明の(A)成分は、炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩であり、繊維に付着した汚れを洗浄する作用を有する。(A)成分における、内部オレフィンスルホン酸塩の炭素数は、スルホン酸塩が共有結合した内部オレフィンの炭素数を表す。炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩の炭素数は、繊維に付着した汚れの洗浄性をより向上できる観点から、14以上、好ましくは15以上、そして、16以下である。
本発明の内部オレフィンスルホン酸塩は、原料として、炭素数14以上16以下の内部オレフィン(二重結合をオレフィン鎖の内部に有するオレフィン)をスルホン化、中和及び加水分解することにより得られるスルホン酸塩である。
かかる内部オレフィンには、二重結合の位置が炭素鎖の1位に存在する、いわゆるアルファオレフィン(以下、α−オレフィンともいう。)を微量に含有する場合も含まれる。また、内部オレフィンをスルホン化すると、定量的にβ−サルトンが生成し、β−サルトンの一部は、γ−サルトン、オレフィンスルホン酸へと変化し、更にこれらは中和・加水分解工程においてヒドロキシアルカンスルホン酸塩と、オレフィンスルホン酸塩へと転換する(例えば、J. Am. Oil Chem. Soc. 69, 39(1992)) 。ここで、得られるヒドロキシアルカンスルホン酸塩のヒドロキシ基は、アルカン鎖の内部にあり、オレフィンスルホン酸塩の二重結合はオレフィン鎖の内部にある。また、得られる生成物は、主にこれらの混合物であり、またその一部には、炭素鎖の末端にヒドロキシ基を有するヒドロキシアルカンスルホン酸塩、又は炭素鎖の末端に二重結合を有するオレフィンスルホン酸塩が微量に含まれる場合もある。
本明細書では、これらの各生成物及びそれらの混合物を総称して内部オレフィンスルホン酸塩((A)成分)という。また、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩を内部オレフィンスルホン酸塩のヒドロキシ体(以下、HASともいう。)、オレフィンスルホン酸塩を内部オレフィンスルホン酸塩のオレフィン体(以下、IOSともいう。)という。
なお、(A)成分中の化合物のHASとIOSの質量比は、高速液体クロマトグラフィー質量分析計(以下、HPLC−MSと省略)により測定できる。具体的には、(A)成分のHPLC−MSピーク面積から質量比を求めることができる。
(A)成分の内部オレフィンスルホン酸塩の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属(1/2原子)塩、アンモニウム塩又は有機アンモニウム塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。有機アンモニウム塩としては、炭素数2以上6以下のアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。
(A)成分中における、スルホン酸基が5位以上に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量は、繊維製品用仕上げ剤による繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制する観点から、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上であり、より更に好ましくは25質量%以上であり、そして繊維に付着した汚れの洗浄性の向上の観点から、好ましくは55質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下であり、更に好ましくは45質量%以下である。
(A)成分中における、スルホン酸基が1位に存在するオレフィンスルホン酸塩の含有量は、繊維製品用仕上げ剤組成物で繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制できる観点から、(A)成分中に、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下、そして、生産コストの低減、及び生産性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上である。
これらの化合物のスルホン酸基の位置は、オレフィン鎖又はアルカン鎖における位置である。
前記の内部オレフィンスルホン酸塩は、ヒドロキシ体とオレフィン体の混合物であることが出来る。(A)成分中の内部オレフィンスルホン酸塩のオレフィン体の含有量と内部オレフィンスルホン酸塩のヒドロキシ体の含有量との質量比(オレフィン体/ヒドロキシ体)は、0/100以上、更に5/95以上、そして、50/50以下、更に40/60以下、更に30/70以下、更に25/75以下であることが出来る。
(A)成分における内部オレフィンスルホン酸塩のヒドロキシ体の含有量と内部オレフィンスルホン酸塩のオレフィン体の含有量との質量比は、(A)成分から、HPLCによりヒドロキシ体とオレフィン体を分離した後、実施例に記載の方法により測定することができる。
(A)成分は、原料である炭素数14以上16以下の内部オレフィンをスルホン化し、中和し、加水分解することにより製造することができる。
スルホン化は、内部オレフィン1モルに対し三酸化硫黄ガスを1.0〜1.2モル反応させることにより行うことができる。反応温度は、20〜40℃で行うことができる。
中和は、スルホン酸基の理論値に対し1.0〜1.5モル倍量の水酸化ナトリウム、アンモニア、2−アミノエタノール等のアルカリ水溶液を反応させることにより行なわれる。
加水分解は、水の存在下、90〜200℃で30分〜3時間反応を行えばよい。
これらの反応は、連続して行うことができる。また反応終了後は、抽出、洗浄等により精製することができる。
なお、(A)成分の内部オレフィンスルホン酸塩を製造するにあたり、炭素数14以上16以下に分布を有する原料内部オレフィンを用いてスルホン化、中和、加水分解の処理を行ってもよく、単一の炭素数を有する原料内部オレフィンを用いてスルホン化、中和、加水分解の処理を行ってもよく、また必要に応じて予め製造した異なる炭素数を有する複数種の内部オレフィンスルホン酸塩を混合してもよい。
本発明において内部オレフィンとは、上記の如く、二重結合をオレフィン鎖の内部に有するオレフィンをいう。(A)成分の原料である内部オレフィンの炭素数は、14以上16以下である。(A)成分に使用される内部オレフィンは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
原料内部オレフィン中における二重結合が1位に存在するオレフィン、いわゆるアルファオレフィンの合計含有量は、繊維製品用仕上げ剤組成物で繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制できる観点から、(A)成分中に、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下、そして、生産コストの低減、及び生産性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上である。
原料内部オレフィン中における二重結合が5位以上に存在するオレフィンの含有量は、繊維製品用仕上げ剤による繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制する観点から、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上であり、より更に好ましくは25質量%以上であり、そして繊維に付着した汚れの洗浄性の向上の観点から、好ましくは60質量%であり、より好ましくは55質量%以下であり、更に好ましくは50質量%以下であり、より更に好ましくは45質量%以下である。なお、原料内部オレフィンにおける二重結合の位置の最大値は、炭素数により異なる。
原料内部オレフィン中における二重結合の分布は、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析計(以下、GC−MSと省略)により測定することができる。具体的には、ガスクロマトグラフ分析計(以下、GCと省略)により炭素鎖長及び二重結合位置の異なる各成分を正確に分離し、それぞれを質量分析計(以下、MSと省略)にかけることで、その二重結合位置を同定することができ、そのGCピーク面積から各々の割合を求めることができる。以下に、原料内部オレフィンの二重結合位置の測定方法を示す。
<原料内部オレフィンの二重結合位置の測定方法>
内部オレフィンの二重結合位置は、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと省略)により測定する。具体的には、内部オレフィンに対しジメチルジスルフィドを反応させることでジチオ化誘導体とした後、各成分をGCで分離する。結果、それぞれのピーク面積より内部オレフィンの二重結合位置を求める。
尚、測定に使用する装置及び分析条件は次の通りである。
GC装置「HP6890」(HEWLETT PACKARD社製)、
カラム「Ultra−Alloy−1HTキャピラリーカラム」(30m×250μm×0.15μm、フロンティア・ラボ株式会社製)、
検出器(水素炎イオン検出器(FID))、
インジェクション温度300℃、
ディテクター温度350℃、
He流量4.6mL/分
<繊維製品用仕上げ剤組成物>
次に、工程2で用いられる繊維製品用仕上げ剤組成物について説明する。
本発明に用いられる繊維製品用仕上げ剤組成物は、カチオン界面活性剤を含む繊維製品用仕上げ剤組成物であることが好ましい。例えばカチオン界面活性剤としては、第3級アミン塩であるカチオン界面活性剤及び第4級アンモニウム塩であるカチオン界面活性剤が挙げられる。カチオン界面活性剤として例えば、下記(B)成分が挙げられる。
(B)成分:下記一般式(1)で表される化合物。
Figure 2017214678
〔一般式(1)中、Rはエステル基及び/又はアミド基で分断されていても良い総炭素数16以上24以下の炭化水素基である。R及びRは、それぞれ独立に、エステル基及び/又はアミド基で分断されていても良い総炭素数16以上24以下の炭化水素基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1以上3以下のアルキル基である。Rは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基である。Xは、陰イオン基である。〕
一般式(1)中、Rはエステル基及び/又はアミド基で分断されていても良い総炭素数16以上24以下、柔軟性向上の観点から、好ましくは16以上22以下、更に好ましくは16以上20以下の炭化水素基であり、炭化水素基は飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基である。R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基、好ましくはヒドロキシエチル基、炭素数1以上3以下のアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、又は、エステル基及び/又はアミド基で分断されていても良い総炭素数16以上24以下、柔軟性向上の観点から、好ましくは16以上22以下、更に好ましくは16以上20以下の炭化水素基であり、炭化水素基は飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基である。Rは水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基である。Xはハロゲンイオン、硫酸イオン、炭素数1以上12以下の脂肪酸又は炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は、脂肪酸又は脂肪酸低級アルキル(アルキル基の炭素数1以上3以下)エステルの炭化水素基の組成を選択し、かかる組成を有するような特定モル数の原料脂肪酸又は脂肪酸低級アルキル(アルキル基の炭素数1以上3以下)エステルと対応するアルカノールアミンとを、脱水エステル化反応又はエステル交換反応させることにより製造し、アルキル化剤を用いた4級化反応や酸剤を用いた中和反応により製造することができる。
上記アルカノールアミンとしては、ジアルキルモノアルカノールアミン、好ましくはジメチルモノエタノールアミンもしくはジメチルモノプロパノールアミン、モノアルキルジアルカノールアミン、好ましくはメチルジエタノールアミンもしくはメチルジプロパノールアミン、又はトリアルカノールアミン、好ましくはトリエタノールアミンもしくはトリプロパノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。より好ましいアルカノールアミンは、トリアルカノールアミンである。
また、原料脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステル中の、二重結合を2個以上有する不飽和炭化水素基の含有量を制御するため、例えば特開平4−306296号公報に記載されているような晶析、特開平6−41578号公報に記載されているようなメチルエステルを減圧蒸留する方法、特開平8−99036号公報に記載されているような選択水素化反応などを行うことができる。
エステル化反応又はエステル交換反応において、脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルとアルカノールアミンのヒドロキシ基とのモル比は、脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステル:アルカノールアミンのヒドロキシ基で、0.3:1.0以上、更に0.5:1.0以上、そして、1.2:1.0以下、更に1.0:1.0以下が好ましい。
アルキル化剤としては、ジアルキル硫酸(アルキル基の炭素数1以上3以下)、ハロゲン化アルキル(アルキル基の炭素数1以上3以下)等が挙げられる。酸剤としては、無機酸又は有機酸が挙げられる。無機酸としては、塩酸、硫酸が挙げられる。有機酸としては、炭素数2以上6以下のカルボン酸塩、例えば乳酸、グリコール酸、クエン酸等が挙げられる。また、他の有機酸としては炭素数1以上3以下のアルキル硫酸が挙げられる。
アルキル化剤を用いた4級化反応は、溶媒存在下(例えば、エタノール)でも行うことができるが、不純物の生成を抑える観点から、無溶媒下で合成するのがより好ましい。また、酸剤を用いた中和反応は水存在下や溶媒存在下(例えば、エタノール)でも行うことができる。
<繊維製品>
本発明で対象とする繊維製品を構成する繊維は、疎水性繊維、親水性繊維のいずれでも良い。疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維(牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックスなど)、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊維(ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリルなど)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロンなど)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニルなど)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデンなど)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタンなど)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラールなど)、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維(ベンゾエートなど)、ポリフルオロエチレン系繊維(ポリテトラフルオロエチレンなど)、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリコーンカーバイト繊維、岩石繊維(ロックファーイバー)、鉱滓繊維(スラッグファイバー)、金属繊維(金糸、銀糸、スチール繊維)等が例示される。親水性繊維としては、例えば、種子毛繊維(綿、もめん、カポックなど)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻など)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻など)、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラなど)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなど)等が例示される。
従来、洗浄成分として知られているアニオン界面活性剤よりも、本発明の(A)成分の方が、繊維製品用仕上げ剤組成物が繊維製品に繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制できる効果をより実感しやすい観点から、繊維は木綿繊維を含むことが好ましい。
本発明において繊維製品とは、前記の疎水性繊維や親水性繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、Yシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ等の製品を意味する。
従来、洗浄成分として知られているアニオン界面活性剤よりも、本発明の(A)成分の方が、繊維製品用仕上げ剤組成物が繊維製品に繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制できる効果をより実感しやすい観点から、繊維製品は木綿繊維を含む繊維製品であることが好ましい。繊維製品中の木綿繊維の含有量は、より繊維の柔らかさが向上する観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
<本発明の方法>
本発明の繊維製品の洗濯方法は、下記工程1と工程2を含む繊維製品の洗濯方法である。
工程1:水と(A)炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩とを混合して得た洗浄液を、繊維製品に接触させて繊維製品を洗浄する工程
工程2:水と繊維製品用仕上げ剤組成物とを混合して得た処理液を、工程1で洗浄された繊維製品と接触させて繊維製品を処理する工程
また、本発明の繊維製品の処理方法は、下記工程1と工程2を含む繊維製品の処理方法である。
工程1:水と(A)炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩とを混合して得た洗浄液を、繊維製品に接触させて繊維製品を洗浄する工程
工程2:水と繊維製品用仕上げ剤組成物とを混合して得た処理液を、工程1で洗浄された繊維製品と接触させて繊維製品を処理する工程
また、本発明の風合いの低下を抑制する方法は、下記工程1と工程2とを含む工程により繊維製品を処理する際に、工程1のアニオン界面活性剤として、(A)炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩を用いる、繊維製品の風合いの低下を抑制する方法である。
工程1:水とアニオン界面活性剤とを混合して得た洗浄液を、繊維製品を接触させて繊維製品を洗浄する工程
工程2:水と繊維製品用仕上げ剤組成物とを混合して得た処理液を、工程1で洗浄された繊維製品と接触させて繊維製品を処理する工程
本発明の繊維製品の風合い付与方法により、工程2で用いられる繊維製品用仕上げ剤組成物が本来有する、繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制することができる。本明細書における風合いとは、例えば、後述するような手で繊維製品を触った時の感触を言う。
以下、工程1、工程2、任意の工程などについて説明するが、特記しない限り、以下の説明は、これら3つの方法に適用できるものである。
<工程1>
工程1は、繊維製品と水とアニオン界面活性剤を接触させ繊維製品を洗浄する工程であり、前記アニオン界面活性剤が下記(A)成分であることを特徴とする。
(A)成分:炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩
工程1で用いる(A)成分、繊維製品は、それぞれ前述の(A)成分、繊維製品と同じである。
工程1では、水と、少なくとも(A)成分を含むアニオン界面活性剤とを混合して洗浄液を得る。尚、工程1で用いられる水を以後、水1と称する場合がある。
水1はイオン交換水を用いても良く、硬度成分を含む水を用いても良い。硬度成分を含む水を用いる場合の水の硬度は、例えば0.5°dH以上、より好ましくは1°dH以上、更に好ましくは2°dH以上、より更に好ましくは3°dH以上、そして、好ましくは20°dH以下、より好ましくは10°dH以下、更に好ましくは8°dH以下、より更に好ましくは6°dH以下である。
ここで、本明細書におけるドイツ硬度(°dH)とは、水中におけるカルシウム及びマグネシウムの濃度を、CaCO換算濃度で1mg/L(ppm)=約0.056°dH(1°dH=17.8ppm)で表したものを指す。
このドイツ硬度のためのカルシウム及びマグネシウムの濃度は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を使用したキレート滴定法で求められる。本明細書における水のドイツ硬度の具体的な測定方法を下記に示す。
<水のドイツ硬度の測定方法>
〔試薬〕
・0.01mol/l EDTA・2Na溶液:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの0.01mol/l水溶液(滴定用溶液、0.01 M EDTA-Na2、シグマアルドリッチ社(SIGMA-ALDRICH)製)
・Universal BT指示薬(製品名:Universal BT、(株)同仁化学研究所製)
・硬度測定用アンモニア緩衝液(塩化アンモニウム67.5gを28w/v%アンモニア水570mlに溶解し、イオン交換水で全量を1000mlとした溶液)
〔硬度の測定〕
(1)試料となる水20mlをホールピペットでコニカルビーカーに採取する。
(2)硬度測定用アンモニア緩衝液2ml添加する。
(3)Universal BT指示薬を0.5ml添加する。添加後の溶液が赤紫色であることを確認する。
(4)コニカルビーカーをよく振り混ぜながら、ビュレットから0.01mol/l EDTA・2Na溶液を滴下し、試料となる水が青色に変色した時点を滴定の終点とする。
(5)全硬度は下記の算出式で求める。
硬度(°dH)=T×0.01×F×56.0774×100/A
T:0.01mol/l EDTA・2Na溶液の滴定量(mL)
A:サンプル容量(20mL、試料となる水の容量)
F:0.01mol/l EDTA・2Na溶液のファクター
工程1で用いる洗浄液において、洗浄液中の(A)成分の含有量、又は水1と(A)成分の合計質量中の(A)成分の含有量は、繊維製品に付着した汚れをより洗浄できる観点から、好ましくは10mg/kg以上、より好ましくは30mg/kg以上、更に好ましくは70mg/kg以上、より更に好ましくは100mg/kg以上であり、繊維製品用仕上げ剤組成物による繊維製品への風合い付与効果をより向上できる観点から、好ましくは5000mg/kg以下、より好ましくは3000mg/kg以下、更に好ましくは2000mg/kg以下、より更に好ましくは1000mg/kg以下である。
なお洗浄液に含まれる(A)成分の含有量は、対イオンをナトリウムイオンと仮定して算出した値に基づくものとする。
工程1で水1と(A)成分は混合物を成している。この混合物が洗浄液である。洗浄液の温度は、繊維製品に付着した汚れの洗浄性がより向上できる観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは3℃以上、更に好ましくは5℃以上、そして、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下である。
洗浄液の25℃におけるpHは、繊維に付着した汚れの洗浄性の向上の観点から、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、そして、繊維製品用仕上げ剤組成物による繊維製品に風合いを付与する作用の向上の観点から、好ましくは10.5以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは9以下、より更に好ましくは8.5以下である。本発明におけるpHは、以下の、〔1〕pHの測定方法で求められる。
<pHの測定法>
pHメーター(HORIBA製 pH/イオンメーター F−23)にpH測定用複合電極(HORIBA製 ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、電源を投入する。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33モル/L)を使用する。次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬する。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行う。測定対象となるサンプルを25℃に調整し、前記のpHメーターの電極をサンプルに浸漬し、1分後のpHを測定する。
工程1において、繊維製品の質量(kg)と水1又は洗浄液の容量(リットル)の比で表される浴比の値、すなわち、水1又は洗浄液の容量(リットル)/繊維製品の質量(kg)を浴比1と称する場合がある。家庭用洗濯機を用いた場合に浴比1が小さくなると、後述する工程2に持ち越されるアニオン界面活性剤の量が増える場合がある。工程1の繊維製品の洗浄方法の浴比1が小さい洗浄条件下でも、後述する工程2において、繊維製品用仕上げ剤組成物が繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制することができる。浴比1は、繊維製品に付着した汚れの洗浄力を維持しつつ、後述する工程2において、繊維製品用仕上げ剤組成物が繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制することができる観点から、浴比1は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、より更に好ましくは5以上、そして、好ましくは45以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは30以下、より更に好ましくは20以下である。
本発明によれば、工程1の洗浄時間は、繊維製品に付着した汚れを落としやすくする観点又は繊維製品に風合いを付与する効果を更に高めることが出来る観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、更に好ましくは3分以上、繊維製品に風合いを付与する効果を更に高めることが出来る観点から、好ましくは1時間以下、より好ましくは30分以下、更に好ましくは20分以下、より更に好ましくは15分以下である。
工程1では、繊維製品の洗浄に、回転式洗濯機を用いることができる。本発明では、繊維製品用仕上げ剤組成物が繊維製品に風合いを付与する効果をより高めることができる観点で、工程1の繊維製品の洗浄を、回転式洗濯機を用いて行うことが好ましい。回転式の洗濯機としては、具体的には、ドラム式洗濯機、パルセータ式洗濯機又はアジテータ式洗濯機が挙げられる。これらの回転式洗濯機は、それぞれ、家庭用として市販されているものを使用することができる。1回の洗濯に使用する水の量がより低減できる点で、近年、ドラム式洗濯機が急速に普及している、ドラム式洗濯機は、とりわけ洗浄時の水の量を低減できる。本発明の繊維製品の洗浄は、本発明の効果をより享受できる点で、ドラム式洗濯機を用いた繊維製品の洗浄が好ましい、
また、工程1では、水と少なくとも(A)成分を含むアニオン界面活性剤とを含有する洗浄液を、繊維製品と接触させた後に静置することで繊維製品を洗浄することもできる。前記静置とは、繊維製品と洗浄液とを接触させた後に放置する状態を表す。また、前記放置の前後、更には放置の途中に適宜、振とうや手でかき混ぜる等の撹拌操作を行ってもよい。
<任意成分>
本発明の工程1で用いる洗浄液は、(A)成分及び水以外の成分を含有することができる。
工程1で用いる洗浄液には、本発明の効果を妨げない範囲で、(C)成分として(A)成分以外の界面活性剤を使用することが出来る。(C)成分としては、(A)成分以外のアニオン界面活性剤、及びノニオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。(C)成分としては、下記(c1)成分、(c2)成分、(c3)成分、(c4)成分及び(c5)成分から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。
(c1)成分:アルキル又はアルケニル硫酸エステル塩
(c2)成分:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩
(c3)成分:スルホン酸塩基を有するアニオン界面活性剤(但し、(A)成分を除く)
(c4)成分:脂肪酸又はその塩
(c5)成分:ポリオキシアルキレン基を有するノニオン界面活性剤
(c1)成分として、より具体的には、アルキル基の炭素数が10以上18以下のアルキル硫酸エステル塩、及びアルケニル基の炭素数が10以上18以下のアルケニル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。洗浄性向上の観点から、(c1)成分は、アルキル基の炭素数が12以上14以下のアルキル硫酸塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が好ましく、アルキル基の炭素数が12以上14以下のアルキル硫酸ナトリウムから選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤がより好ましい。
(c2)成分として、より具体的には、アルキル基の炭素数が10以上18以下、アルキレンオキシドの平均付加モル数が1以上3以下のポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、及びアルケニル基の炭素数が10以上18以下、アルキレンオキシドの平均付加モル数が1以上3以下のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。洗浄性向上の観点から、(c2)成分は、エチレンオキシドの平均付加モル数が1以上2.2以下であるポリオキシエチレンアルキル硫酸塩が好ましく、アルキル基の炭素数が12以上14以下でかつ、エチレンオキシドの平均付加モル数が1以上2.2以下であるポリオキシエチレンアルキル硫酸塩がより好ましく、更に、これらのナトリウム塩が更に好ましい。
(c3)成分であるスルホン酸塩基を有するアニオン界面活性剤とは、親水基としてスルホン酸塩を有するアニオン界面活性剤を表す(但し、(A)成分を除く)。
(c3)成分として、より具体的には、アルキル基の炭素数が10以上18以下のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルケニル基の炭素数が10以上18以下のアルケニルベンゼンスルホン酸塩、アルキル基の炭素数が10以上18以下のアルカンスルホン酸塩、α−オレフィン部分の炭素数が10以上18以下のα−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸部分の炭素数が10以上18以下のα−スルホ脂肪酸塩、脂肪酸部分の炭素数が10以上18以下であり、及びエステル部分の炭素数が1以上5以下であるα−スルホ脂肪酸低級アルキルエステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。洗浄性向上の観点から、(c3)成分は、アルキル基の炭素数が11以上14以下のアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、アルキル基の炭素数が11以上14以下のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。
(c4)成分である脂肪酸又はその塩としては、炭素数10以上20以下の脂肪酸又はその塩が挙げられる。(A)成分による繊維の柔軟化効果をより高める観点から、(c4)成分の炭素数は、10以上、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、そして、20以下、好ましくは18以下である。
(c5)成分は、例えば下記一般式(c5)で表されるノニオン界面活性剤が好適である。
1c(CO)−O−(AO)−R2c (c5)
〔式中、R1cは炭素数9以上16以下の脂肪族炭化水素基であり、R2cは水素原子又はメチル基であり、COはカルボニル基であり、mは0又は1の数であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基であり、nは平均付加モル数であって、3以上100以下の数である。〕
一般式(c5)中、R1cは炭素数9以上16以下の脂肪族炭化水素基である。繊維に付着した汚れをより落としやすくする点で、R1の炭素数は、9以上、好ましくは10以上、より好ましくは11以上、そして、16以下、好ましくは15以下、より好ましくは14以下である。R1cの脂肪族炭化水素基としては、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基が好ましい。
一般式(c5)中、AO基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であっても良い。
一般式(c5)中、nは平均付加モル数であって、3以上100以下の数である。nは、繊維に付着した汚れをより落としやすくする点で、3以上、好ましくは6以上、より好ましくは6.5以上、更に好ましくは7以上、より更に好ましくは8以上、そして、100以下、好ましくは60以下が好ましく、より好ましくは50以下、更に好ましくは40以下、より更に好ましくは35以下、より更に好ましくは30以下である。
(c1)成分〜(c4)成分であるアニオン界面活性剤の塩としては、アルカリ金属塩、炭素数2以上6以下のアルカノールアミン塩が挙げられる。
工程1で用いる洗浄液は、全アニオン界面活性剤中、(A)成分の割合が50質量%以上、更に100質量%以上であることが好ましい。
<工程2>
工程2は、水と繊維製品用仕上げ剤組成物とを混合して得た処理液を、工程1で洗浄された繊維製品と接触させて繊維製品を処理する工程である。工程2を行うことで、繊維製品に風合いを付与することができる。ここで、風合いとは、限定されるものではないが、例えば柔らかさ、ふっくら感、弾力性、滑らかさ、しなやかさ、張り感、ぬめり感等の感触を言う。繊維製品に風合いを付与するとは、例えば本発明の洗濯方法を例にすると、工程2で得られた繊維製品を乾燥させた繊維製品と、工程1で得られた繊維製品を乾燥させた繊維製品を比較した時に、工程2で得られた繊維製品を乾燥させた繊維製品に、前記の風合いが感じられることを言う。
工程2では、水と繊維製品用仕上げ剤組成物とを混合して処理液を得る。工程2で用いる水のことを以後、水2と称する場合がある。水2は、前記工程1で用いる水1と同じであってもよく、異なっていても良い。また、工程1で得られた繊維製品と共に、水1が工程2の水2にキャリーオーバーで持ちこされて含んでいても良い。
工程2で用いられる繊維製品用仕上げ剤組成物は、前記の繊維製品用仕上げ剤組成物を意味する。
工程2において、水2と繊維製品用仕上げ剤組成物は混合物を成している。この混合物が処理液である。
処理液中の繊維製品用仕上げ剤組成物に含まれる有効成分の含有量は、繊維製品に風合いを付与する観点から、好ましくは5mg/kg以上、より好ましくは10mg/kg以上、更に好ましくは15mg/kg以上、より更に好ましくは20mg/kg以上、そして、1000mg/kg以下、より好ましくは700mg/kg以下、更に好ましくは500mg/kg以下、より更に好ましくは300mg/kg以下、より更に好ましくは100mg/kg以下である。前記の繊維製品用仕上げ剤組成物中に含まれる有効成分とは、繊維製品用仕上げ剤組成物から特定の成分を除くと、繊維製品への風合い付与効果が低下する成分の事を言う。制限されるものではないが、カチオン界面活性剤を含む繊維製品用仕上げ剤組成物である場合には、有効成分とは、前記のカチオン界面活性剤が挙げられる。
工程2で処理液の温度は、例えば、0℃以上、より好ましくは3℃以上、更に好ましくは5℃以上、そして、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下の温度であってもよい。
処理液の25℃におけるpHは、繊維製品への風合いの付与効果の向上の観点から、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、そして、好ましくは10.5以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは9以下、より更に好ましくは8.5以下、より更に好ましくは8.0以下であるである。pHは前記の〔1〕pHの測定方法に従って測定することができる。
繊維製品の質量(kg)と水2又は処理液の容量(リットル)の比で表される浴比の値、すなわち、水又は処理液の容量(リットル)/繊維製品の質量(kg)を以後、浴比2と称する場合がある。工程2において、繊維製品用仕上げ剤組成物が繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制することができる。浴比2は、繊維製品用仕上げ剤組成物が繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制することができる観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、より更に好ましくは5以上、そして、好ましくは45以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは30以下、より更に好ましくは20以下である。なお、浴比2での繊維製品の質量は、工程1で最初に用いた繊維製品の質量であり、工程1後の繊維製品が湿潤状態である場合は、該繊維製品に取り込まれた工程1での洗浄液の量を含まないものである。
工程2での繊維製品と処理液との接触時間は、繊維製品に風合いを付与する効果を更に高めることが出来る観点から、好ましくは10秒以上、より好ましくは30秒以上、更に好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、更に好ましくは3分以上、そして30分以下、更に好ましくは20分以下、より更に好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下である。
工程2では、繊維製品の処理に、回転式洗濯機を用いることができる。本発明では、繊維製品用仕上げ剤組成物が繊維製品に風合いを付与する効果をより高めることができる観点で、工程2の繊維製品の処理を、回転式洗濯機を用いて行うことが好ましい。回転式の洗濯機としては、具体的には、ドラム式洗濯機、パルセータ式洗濯機又はアジテータ式洗濯機が挙げられる。これらの回転式洗濯機は、それぞれ、家庭用として市販されているものを使用することができる。1回の洗濯に使用する水の量がより低減できる点で、近年、ドラム式洗濯機が急速に普及している、ドラム式洗濯機は、とりわけ洗濯における水の量を低減できる。本発明の効果をより享受できる点で、ドラム式洗濯機を用いて工程2を行うことが好ましい。
また、工程2では、水2と繊維製品用仕上げ剤組成物とから得た処理液を、繊維製品と接触させた後に静置することで繊維製品に繊維製品に風合いを付与することもできる。前記静置とは、繊維製品と水2と繊維製品用仕上げ剤組成物を接触させた後に放置する状態を表す。また、前記放置の前後、更には放置の途中に適宜、振とうや手でかき混ぜる等の撹拌操作を行ってもよい。
<任意の工程>
〔脱水工程〕
工程1と工程2の間に、例えば工程1で得られた繊維製品に対して工程2を行う前に、工程1で洗浄された繊維製品を脱水する脱水工程を行うことができる。また、工程2の後に工程2で処理された繊維製品を脱水する脱水工程を行うことができる。以後、工程1と工程2の間に行う脱水工程を脱水工程1と称する場合がある。また、工程2の後に行う脱水工程を脱水工程2と称する場合がある。脱水工程1、2は、それぞれ、複数行うことができる。
脱水工程1は、繊維製品と共に存在する洗浄液の量を減少させる工程を言う。脱水工程1を行うことで、繊維製品と共に工程2にキャリーオーバーされるアニオン界面活性剤の量を減らすことができる。(A)成分に該当しないアニオン界面活性剤は、繊維製品用仕上げ剤組成物に含まれる前記有効成分が繊維製品に風合いを付与する効果を低下させることが知られている。脱水工程1を行うことで、工程2での繊維製品に風合いを付与する効果がより向上する点から好適である。工程1に供する前の繊維製品の質量を100質量部とした場合に、工程1の洗浄液から取り出された繊維製品には、洗浄液が90質量部以上200質量部程度含まれる場合がある。脱水工程1では、工程1に供する前の繊維製品の質量100質量部とした時に、繊維製品に含まれる洗浄液の質量を10質量部以上70質量部以下まで減少させる工程を意味する。脱水工程1の例として例えば、繊維製品と洗浄液が共存する状態から、繊維製品から重力、遠心力、又は圧力を加えることで、繊維製品と共に存在する洗浄液の量を減少させる方法が挙げられる。
脱水工程2は、工程2で得られた繊維製品と共に存在する処理液の量を低減する工程である。脱水工程2を行うことで、後述する乾燥時間が早くなり、繊維製品が着用に適する状態になることができる。工程1に供する前の繊維製品の質量を100質量部とした場合に、繊維製品に含まれる処理液の質量を10質量部以上70質量部以下まで減少させる工程を意味する。脱水工程2の例として例えば、繊維製品と処理液が共存する状態から、繊維製品から重力、遠心力、又は圧力を加えることで、繊維製品と共に存在する処理液の量を減少させる方法が挙げられる。
〔濯ぎ工程〕
工程1と工程2の間に濯ぎ工程を行うこともできる。本発明において濯ぎ工程とは、工程1で得られた繊維製品中に存在するアニオン界面活性剤の量を減少させる工程を言う。濯ぎ工程としては、例えば、工程1で洗浄された繊維製品と新たな水と接触させる方法が挙げられる。濯ぎ工程において、工程1に供する前の繊維製品の質量(kg)と水の容量(リットル)の比で表される浴比の値、すなわち水の容量(リットル)/繊維製品の質量(kg)を以後、浴比3と称する場合がある。浴比3は、工程2での繊維製品用仕上げ剤組成物が繊維製品に風合いを付与する効果の低下を抑制することができる観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、より更に好ましくは5以上、そして、好ましくは45以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは30以下、より更に好ましくは20以下である。なお、濯ぎ工程で用いる水は、前記水1や水2と同じもの又は異なるものが使用できる。濯ぎ工程は、複数行うことができる。
〔乾燥工程〕
工程1と工程2の間、又は工程2の後に、繊維製品を乾燥させる乾燥工程を行うこともできる。
乾燥工程は、工程1で得られた繊維製品と共に存在する洗浄液又は工程2で得られた繊維製品と共に存在する処理液の量を低減する工程である。具体的には、工程1に供する前の繊維製品の質量を100質量部とした時に、乾燥後の繊維製品を90質量部以上110質量部以下の状態にすることを言う。なお、前記の工程1及び工程2又は任意の工程で、繊維製品から繊維が脱落する場合があり、見かけ上、工程1に供する前の繊維製品の質量よりも、乾燥工程の後の繊維製品の質量が減少する場合があることから、乾燥後の繊維製品の質量を前記範囲としたものである。乾燥は自然乾燥、加熱乾燥の何れでも良い。乾燥工程は、それぞれ、複数行うことができる。
〔(A)成分の合成〕
(1)内部オレフィンA〜Cの合成(製造例A〜C)
(A)成分の原料となる内部オレフィンA〜Cを下記の通り合成した。
攪拌装置付きフラスコに1−ヘキサデカノール(製品名:カルコール6098、花王株式会社製)7000g(28.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREM Chemicals,Inc社)700g(原料アルコールに対して10質量%)を仕込み、攪拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/min.)を流通させながら反応時間を製造例A〜Cごとにそれぞれ変化させて反応を行った。得られた粗内部オレフィンを蒸留用フラスコに移し、136−160℃/4.0mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の炭素数16の内部オレフィンA〜Cを得た。得られた内部オレフィンの二重結合分布を表1に示す。
Figure 2017214678
内部オレフィンの二重結合分布は、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと省略)により測定した。具体的には、内部オレフィンに対しジメチルジスルフィドを反応させることでジチオ化誘導体とした後、各成分をGCで分離した。結果、それぞれのピーク面積より内部オレフィンの二重結合分布を求めた。なお、炭素数16のオレフィンでは、二重結合が7位に存在する内部オレフィンと二重結合が8位に存在する内部オレフィンは構造上区別できないが、スルホン化された場合には区別されるため、便宜的に、二重結合が7位に存在する内部オレフィンの量を2で割った値を、7位、8位のそれぞれの欄に示した。
尚、測定に使用した装置及び分析条件は次の通りである。GC装置「HP6890」(HEWLETT PACKARD社製)、カラム「Ultra−Alloy−1HTキャピラリーカラム」(30m×250μm×0.15μm、フロンティア・ラボ株式会社製)、検出器(水素炎イオン検出器(FID))、インジェクション温度300℃、ディテクター温度350℃、He流量4.6mL/分
(2)炭素数16の内部オレフィンスルホン酸塩の製造
製造例A〜Cにより得られた内部オレフィンA〜Cを、外部にジャケットを有する薄膜式スルホン化反応器を使用して三酸化硫黄ガス、反応器外部ジャケットに20℃の冷却水を通液することでスルホン化反応を行った。スルホン化反応の際のSO/内部オレフィンのモル比は1.09に設定した。得られたスルホン化物を、理論酸価に対し1.5モル倍量の水酸化ナトリウムで調製したアルカリ水溶液へ添加し、攪拌しながら30℃、1時間中和した。中和物をオートクレーブ中で160℃、1時間加熱することで加水分解を行い、炭素数16内部オレフィンスルホン酸ナトリウム粗生成物を得た。該粗生成物300gを分液漏斗に移し、エタノール300mLを加えた後、1回あたり石油エーテル300mLを加えて油溶性の不純物を抽出除去した。この際、エタノールの添加により油水界面に析出した無機化合物(主成分は芒硝)も、油水分離操作により水相から分離除去した。この抽出除去操作を3回おこなった。水相側を蒸発乾固することで、炭素数16内部オレフィンスルホン酸ナトリウムである(a−1)、(a−2)、(a−3)をそれぞれ得た。これらのオレフィン体(オレフィンスルホン酸ナトリウム)/ヒドロキシ体(ヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウム)の各質量比は下記の通りである。
オレフィン体/ヒドロキシ体の質量比は、HPLC−MSにより測定した。具体的には、HPLCによりヒドロキシ体とオレフィン体を分離し、それぞれをMSにかけることで同定した。結果、そのHPLC-MSピーク面積から各々の割合を求めた。
尚、測定に使用した装置及び条件は次の通りである。HPLC装置「アジレントテクノロジー1100」(アジレントテクノロジー社製)、カラム「L−columnODS」(4.6×150mm、一般財団法人化学物質評価研究機構製)、サンプル調製(メタノールで1000倍希釈)、溶離液A(10mM酢酸アンモニウム添加水)、溶離液B(10mM酢酸アンモニウム添加メタノール)、グラジェント(0分(A/B=30/70%)→10分(30/70%)→55分(0/100%)→65分(0/100%)→66分(30/70%)→75分(30/70%)、MS装置「アジレントテクノロジー1100MSSL(G1946D)」(アジレントテクノロジー社製)、MS検出(陰イオン検出m/z60−1600、UV240nm)
〔(B)成分の合成〕
(1)(b−1)成分:カチオン界面活性剤の合成
混合脂肪酸(パルミチン酸/ステアリン酸/オレイン酸/リノール酸の質量比が30/30/35/5、平均分子量275)195g(0.71モル)と、トリエタノールアミン54.4g(0.37モル)を混合し、180〜185℃(常圧下)で3時間反応させ、次に200mmHgまで減圧し、更に3時間熟成した。その後、窒素で常圧に戻し、100℃まで冷却し脱水縮合物392gを得た。得られた縮合物の酸価(JIS K0070準拠)は0.7mgKOH/g、全アミン価(JIS K2501準拠)は196mgKOH/gであった。次に、この脱水縮合物392gの温度を70〜75℃に調温し、前記脱水縮合物のアミン価を基に、脱水縮合物のアミン当量に対して0.98当量に相当するジメチル硫酸を2.5時間かけて滴下した。滴下終了後、50〜55℃で更に3時間熟成し、目的の化合物(b−1)を75質量%含有する反応生成物を得た。尚、実施例において反応生成物中の第4級アンモニウム塩を(b−1)成分とした。
<配合成分>
〔(A)成分〕
(a−1):内部オレフィンAから得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム塩、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中のオレフィン体(オレフィンスルホン酸ナトリウム)/ヒドロキシ体(ヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウム)の質量比は14/86。
(a−2):内部オレフィンBから得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム塩、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中のオレフィン体(オレフィンスルホン酸ナトリウム)/ヒドロキシ体(ヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウム)の質量比は15/85。
(a−3):内部オレフィンCから得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム塩、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中のオレフィン体(オレフィンスルホン酸ナトリウム)/ヒドロキシ体(ヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウム)の質量比は15/85
〔(A’)成分〕(A成分の比較成分)
(a’−1):ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(オキシエチレン基の平均EO付加モル数:2モル、花王(株)製エマール270J)
(a’−2):アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王(株)製ネオペレックスG−25)
〔(B)成分〕
(b−1)成分:前記の「(1)(b−1)成分:カチオン界面活性剤の合成」で得られた第4級アンモニウム塩
〔水〕
水:市水(3.5°dH、前記の水の硬度の測定方法で算出、20℃)
<柔軟性の評価方法>
(1)評価用繊維製品の調製
繊維製品として木綿タオル(綿100%)を使用した。
(1−1)評価用の木綿タオルの前処理
あらかじめ、木綿タオル1.7kg(武井タオル(株)製、TW220、木綿100%)を、全自動洗濯機(National製 NA−F702P)の標準コースで2回累積洗濯(洗浄時にエマルゲン108(花王(株)製)4.7g、水量47L、洗い9分・すすぎ2回・脱水3分)後、水のみで3回累積洗濯(水量47L、洗い9分・すすぎ2回・脱水3分)を行い、23℃、45%RHの環境下で24時間乾燥させた。
(1−2)評価用の木綿タオルの調製
下記組成のモデル皮脂人工汚染液0.5mLを前記の(1−1)で得られた木綿タオルの平織部分に直径2cmの円状に塗布し、23℃、45%RHの環境下で24時間乾燥させた。
*モデル皮脂人工汚染液の組成:ラウリン酸0.4質量%、ミリスチン酸3.1質量%、ペンタデカン酸2.3質量%、パルミチン酸6.2質量%、ヘプタデカン酸0.4質量%、ステアリン酸1.6質量%、オレイン酸7.8質量%、トリオレイン13.0質量%、パルミチン酸n-ヘキサデシル2.2質量%、スクアレン6.5質量%、卵白レシチン液晶物1.9質量%、鹿沼赤土8.1質量%、カーボンブラック0.01質量%、水残部(合計100質量%)
〔工程1〕
National製電気バケツ式洗濯機(型番「N−BK2」)に市水を4.0L注水した。次いで、表2に記載の(A)成分又は(A’)成分の5質量%水溶液を投入し、洗浄液中の(A)成分又は(A’)成分の濃度が表2の濃度になるように洗浄液を調製した後に1分間撹拌し、市水と(A)成分又は(A’)成分との混合物である洗浄液を調製した。洗浄液中の(A)成分又は(A’)成分の濃度は表2に示す。洗浄液のpHを前記のpHの測定方法に従って測定した結果を表2に記載した。洗浄液の温度を表2に示した。前記の(2−2)で得られた評価用の木綿タオル2枚(150g/2枚)を前記洗濯機に投入し10分撹拌し洗浄した。
〔脱水工程1〕
前記の工程1で得られた木綿タオル2枚を、日立製二層式洗濯機(型番「PS−H35L」)を用いて1分間脱水を行った。脱水後に木綿タオルの質量を測定した結果、いずれの実施例又は比較例においても、工程1に供する前の木綿タオルの質量を100質量部とした時の脱水後の前記混合物の質量は70質量部であった。
〔濯ぎ工程1〕
National製電気バケツ式洗濯機(型番「N−BK2」)に市水を4.0L注水した。次いで、前記の任意の工程である脱水工程で得られた木綿タオル2枚を投入し次に前記のバケツ洗濯機に前記の市水を6.0L注水し、更に日立製二層式洗濯機で脱水した後の木綿タオルを投入して濯ぎ工程を3分間行った。その後、前記の二層式洗濯機を用いて任意の脱水処理を1分間行った。
〔脱水工程2〕
前記の濯ぎ工程で得られた木綿タオル2枚を、日立製二層式洗濯機(型番「PS−H35L」)を用いて1分間脱水を行った。脱水後に木綿タオルの質量を測定した結果、いずれの実施例又は比較例においても、工程1に供する前の木綿タオルの質量を100質量部とした時の脱水後の前記混合物の質量は69質量部であった。
〔乾燥工程1〕
前記の脱水工程2で得られた木綿タオルを物干し竿に掛け、20℃、43%RHの条件下で12時間放置し乾燥させた。
〔工程2〕
前記の乾燥工程1で得られた木綿タオルの質量を測定した(149g/2枚)。National製電気バケツ式洗濯機(型番「N−BK2」)に市水を4.0L注水した。次いで、表2に記載の(B)成分の5質量%水分散液を投入し1分間撹拌し、処理液中の(b−1)成分の濃度が表2の濃度になるように、(B)成分と水との混合物である処理液を得た。処理液の温度は20℃であり、pHは7.3であった。前記の乾燥工程1で得られた木綿タオル2枚(149g/2枚)を前記洗濯機に投入し3分撹拌し、木綿タオルと処理液を接触させた。
〔脱水工程3〕
前記の工程2で得られた木綿タオル2枚を、日立製二層式洗濯機(型番「PS−H35L」)を用いて1分間脱水を行った。脱水後に木綿タオルの質量を測定した結果、いずれの実施例又は比較例においても、工程2に供する前の木綿タオルの質量を100質量部とした時の脱水後の前記混合物の質量は69質量部であった。
〔乾燥工程2〕
前記の脱水工程2で得られた木綿タオルを物干し竿に掛け、20℃、43%RHの条件下で12時間放置し乾燥させた。
前記の工程1、脱水工程1、濯ぎ工程1、脱水工程2、乾燥工程1、工程2、脱水工程3、乾燥工程2を1サイクルとし、合計で3サイクル終了後の木綿タオルを用いて、下記に示す柔軟性の評価を行った。
尚、いずれの工程において木綿タオルの質量は20℃、43%RHの環境下で測定した値である。
(3)柔軟性の評価
工程1において、(A)成分の比較化合物である(a’−1)成分であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いて得られた木綿タオルを基準1、工程1において(A)成分を使用しない洗浄工程を行った木綿タオルを基準2(参考例)とし、評価用の木綿タオル3サンプルを入れた合計5サンプルで、シェッフェの一対比較法の中屋の変法の評価方法で柔軟性評価を行った。シェッフェの一対比較法の中屋の変法で算出される、各5点のサンプルの平均値において、前記基準1の平均値を0とし、基準2の平均値を100とした時の、各サンプルの平均値を規格化して、各サンプルの評価点を求めた。結果を表2に示す。
基準1よりも値が5以上高いサンプルを合格とし、値がより高い方が好ましい。また、値が基準2に近い方が好ましい。
Figure 2017214678
本発明の(A)成分を使用して洗浄し、次に繊維製品用仕上げ剤組成物と接触させ洗濯した実施例1〜3の木綿タオルの柔らかさは、一般的な洗浄成分として知られているアルキルベンゼンスルホン酸塩で洗浄し、次に繊維製品用仕上げ剤組成物と接触させ洗濯した比較例2(基準1)木綿タオルの柔らかさよりも柔らかく仕上がり、アニオン界面活性剤を用いずに洗濯した基準2(参考例)での木綿タオルに対して柔らかさの低下度合も少なかった。
尚、表1の実施例1〜3、比較例1又は比較例2(基準1)で洗濯した木綿タオルの平織部分に付着していた汚れを目視で観察した結果、参考例(基準2)よりも落ちていた。

Claims (7)

  1. 下記工程1と工程2を含む繊維製品の洗濯方法。
    工程1:水と(A)炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩〔以下、(A)成分という〕とを混合して得た洗浄液を、繊維製品に接触させて繊維製品を洗浄する工程
    工程2:水と繊維製品用仕上げ剤組成物とを混合して得た処理液を、工程1で洗浄された繊維製品と接触させて繊維製品を処理する工程
  2. (A)成分が、二重結合が5位以上に存在する炭素数14以上16以下の内部オレフィンを含む内部オレフィンを原料として得られた、内部オレフィンスルホン酸塩である、請求項1に記載の繊維製品の洗濯方法。
  3. (A)成分が、二重結合が5位以上に存在する炭素数14以上16以下の内部オレフィンを10質量%以上60質量%以下含有する内部オレフィンを原料として得られた、内部オレフィンスルホン酸塩である、請求項2に記載の繊維製品の洗濯方法。
  4. 前記繊維製品用仕上げ剤組成物が、炭素数16以上24以下の炭化水素基を有するカチオン界面活性剤を含有する、請求項1〜3の何れかに記載の繊維製品の洗濯方法。
  5. 前記繊維製品が、木綿を含む繊維製品である、請求項1〜4の何れかに記載の繊維製品の洗濯方法。
  6. 下記工程1と工程2を含む繊維製品の処理方法。
    工程1:水と(A)炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩とを混合して得た洗浄液を、繊維製品に接触させて繊維製品を洗浄する工程
    工程2:水と繊維製品用仕上げ剤組成物とを混合して得た処理液を、工程1で洗浄された繊維製品と接触させて繊維製品を処理する工程
  7. 下記工程1と工程2とを含む工程により繊維製品を処理する際に、工程1のアニオン界面活性剤として、(A)炭素数14以上16以下の内部オレフィンスルホン酸塩を用いる、繊維製品の風合いの低下を抑制する方法。
    工程1:水とアニオン界面活性剤とを混合して得た洗浄液を、繊維製品を接触させて繊維製品を洗浄する工程
    工程2:水と繊維製品用仕上げ剤組成物とを混合して得た処理液を、工程1で洗浄された繊維製品と接触させて繊維製品を処理する工程
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