JP2017214575A - ポリ乳酸系樹脂用難燃剤及び難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
1. ポリ乳酸系樹脂に添加するための難燃剤であって、
(1)N,N’−ジアシルヒドラジン系成分及び芳香族ホスホン酸エステル類を含み、
(2)前記N,N’−ジアシルヒドラジン系成分として、
(2−1)下記一般式(I)又は(II);
(2−2)前記一般式(I)又は(II)で表されるN,N’−ジアシルヒドラジン誘導体の少なくとも1種と金属M2(ただし、M2は、遷移金属を示す。)の金属塩との組み合わせの少なくとも一方を含むことを特徴とするポリ乳酸系樹脂用難燃剤。
2. 前記N,N’−ジアシルヒドラジン誘導体が、
(a)N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン及び
(b)デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド
の少なくとも1種である、前記項1に記載のポリ乳酸系樹脂用難燃剤。
3. 前記M1及び/又はM2が第4周期元素の遷移金属である、前記項1又は2に記載のポリ乳酸系樹脂用難燃剤。
4. 前記(2−1)におけるN,N’−ジアシルヒドラジン誘導体A1と中心金属M1との構成モル比が、A1:M1=1/n1:4〜4/n1:1[ただし、n1は、N,N’−ジアシルヒドラジン誘導体1分子中におけるジアシルヒドラジン官能基数を示す。]であり、かつ、
前記(2−2)におけるN,N’−ジアシルヒドラジン誘導体A2と金属塩に含まれるM2との構成モル比が、A2:M2=1/n2:4〜4/n2:1[ただし、n2は、N,N’−ジアシルヒドラジン誘導体1分子中におけるジアシルヒドラジン官能基数を示す。]である、
前記項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂用難燃剤。
5. 芳香族ホスホン酸エステル類が、
(1)下記式(III)
(2)下記式(IV)
の少なくとも1種を含む、前記項1〜4のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂用難燃剤。
6. 1)ポリ乳酸系樹脂と2)前記項1に記載の有機金属錯体及び芳香族ホスホン酸エステル類とを含む難燃性樹脂組成物。
7. 前記項6に記載の難燃性樹脂組成物を成形してなる難燃性樹脂成形品。
8. 電気・電子部品、OA機器部品、家電機器部品、自動車用部品又は機器機構部品に用いられる、前記項7に記載の難燃性樹脂成形品。
本発明のポリ乳酸系樹脂用難燃剤(本発明難燃剤)は、ポリ乳酸系樹脂に添加するための難燃剤であって、
(1)N,N’−ジアシルヒドラジン系成分及び芳香族ホスホン酸エステル類を含み、
(2)前記N,N’−ジアシルヒドラジン系成分として、
(2−1)下記一般式(I)又は(II);
(2−2)前記一般式(I)又は(II)で表されるN,N’−ジアシルヒドラジン誘導体の少なくとも1種と金属M2(ただし、M2は、遷移金属を示す。)の金属塩との組み合わせの少なくとも一方を含むことを特徴とする。
上記(2−1)の有機金属錯体
a)有機金属錯体の構成
上記(2−1)は、配位子としてN,N’−ジアシルヒドラジン誘導体、中心金属としてM1を含む有機金属錯体を示す。本発明の有機金属錯体は、N,N’−ジアシルヒドラジン誘導体を配位子として、中心金属M1に配位結合してなる有機金属錯体より構成されているものであり、本発明難燃剤の有効成分(難燃化成分)の一つとして機能するものである。本発明難燃剤としては、このような有機金属錯体の1種又は2種以上を含有する。
このような有機金属錯体は、例えば公知の合成方法により入手することができる。例えば、M1のイオンを含む溶液にN,N’−ジアシルヒドラジン誘導体を添加し、反応させることにより有機金属錯体を不溶性沈殿物として生成させる工程を含む方法を好適に採用することができる。
上記(2−2)は、N,N’−ジアシルヒドラジン誘導体A2と金属M2の金属塩(以下「金属塩B2」と表記する。)との組み合わせを示す。
本発明では、上記(2−1)の有機金属錯体を単独で用いる場合、上記(2−2)の組み合わせを単独で用いる場合のほか、上記(2−1)の有機金属錯体と上記(2−2)の組み合わせとを併用することもできる。かかる併用の場合、中心金属M1と金属塩のM2とは互いに同じ又は異なっていても良い。また、N,N’−ジアシルヒドラジン誘導体A1とN,N’−ジアシルヒドラジン誘導体A2とは互いに同じ又は異なっていても良い。特に、本発明では、未反応金属塩の残存を確実に回避することにより溶融混練時のポリ乳酸系樹脂の品質劣化をより効果的に回避できるという点において、上記(2−1)の有機金属錯体を単独で用いることがより好ましい。
本発明のポリ乳酸樹脂用難燃剤においては、N,N’−ジアシルヒドラジン系成分とともに、芳香族ホスホン酸エステル類を含む。芳香族ホスホン酸エステル類も、難燃剤として機能するものであり、その限りにおいて特にその種類は限定されない。また、芳香族ホスホン酸エステルは、1種又は2種以上を含有しても良い。それらの中でも、本発明では、特に下記一般式(III)
で表される芳香族ホスホン酸エステルを含むことが好ましい。すなわち、一般式(III)で示される芳香族ホスホン酸エステルも、本発明難燃剤の有効成分として機能するものである。
本発明難燃剤には、前記の有機金属錯体及び芳香族ホスホン酸エステル類のほか、必要に応じて副成分が含まれていても良い。例えば、難燃助剤を副成分として好適に用いることができる。
本発明難燃剤は、ポリ乳酸系樹脂に対して難燃性を付与するのに適しており、いわゆる合成樹脂内部添加型難燃剤として好適に用いることができる。すなわち、樹脂成分に混合することにより当該樹脂成分に難燃性を付与するための難燃剤として有用である。具体的な使用方法としては、同じタイプの公知又は市販の難燃剤と同様にすれば良く、例えば本発明難燃剤を樹脂に混合することにより当該樹脂に難燃性を付与することができる。混合方法は、本発明難燃剤を樹脂中に均一に混合できれば良く、例えば乾式混合、湿式混合、溶融混練等のいずれの方法であっても良い。本発明では、前記(2−1)及び前記(2−2)のいずれも適用できるという点で溶融混練により本発明難燃剤を添加・混合することにより難燃性樹脂組成物を調製することが好ましい)。ただし、本発明では、最終的には成形時に溶融混練されるので、難燃性樹脂組成物はドライブレンド品であっても良い。
本発明は、a)ポリ乳酸系樹脂と、b)本発明のポリ乳酸系樹脂用難燃剤の有機金属錯体と芳香族ホスホン酸エステル類とを含む難燃性樹脂組成物(ポリ乳酸樹脂を含む難燃性樹脂組成物)を包含する。以下、各成分について説明する。
ポリ乳酸系樹脂は、ポリ乳酸樹脂単独又はポリ乳酸樹脂を主成分とするものである。配合される樹脂成分としては、特に制限されるものではなく、例えば成形用、フィルム用、シート用、糸用等として利用されるポリ乳酸系樹脂のほか、種々の樹脂の組成物を適用することができる。
ポリ乳酸樹脂としては、できるだけL体純度の高い乳酸を主成分とする高結晶性・高融点の乳酸重合物であるポリ−L−乳酸(PLLA)が望ましく、ポリ−L−乳酸(PLLA)中のD体含有率は5モル%未満(特に4.8%モル以下)であることが望ましい。また、乳酸以外の他の共重合成分を含有しても良く、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレンジオールからなるグリコール化合物、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類、カプロラクトン等のラクトン類等を挙げることができる。これらの共重合成分含有率は0〜50モル%であることが望ましく、0〜10モル%であることがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンの単独重合体、前記のα―オレフィンどうしのランダムあるいはブロック共重合体の単体及び混合物等の樹脂、さらにこれと酢酸ビニル、無水マレイン酸等が共重合された樹脂等のポリオレフィン系樹脂が好適に使用することができる。例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体等のようなポリプロピレン系樹脂、低密度エチレン単独重合体、高密度エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体のようなポリエチレン系樹脂等が挙げられる。また、本発明において難燃性樹脂組成物の物性を改良するために、例えばポリエチレン系合成ゴム、ポリオレフィン系合成ゴム等のゴム類を配合しても良い。これらは、単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリスチレン系樹脂としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のようなスチレン系単量体の単独重合体又は共重合体、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸等のα,β−モノオレフィン性不飽和カルボン酸又は酸無水物あるいはそのエステル等のビニル単量体とスチレン系単量体との共重合体、スチレン系グラフト共重合体、スチレン系ブロック共重合体等が挙げられる。好ましくは、ポリスチレン(GPPS)、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、ゴム成分にスチレン系単量体が重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリスチレン系グラフト又はブロック共重合体等が使用できる。ポリスチレン系グラフト共重合体としては、ゴム成分に少なくともスチレン系単量体及び共重合性単量体がグラフト重合した共重合体(例えば、ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合したABS樹脂、アクリルゴムにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合したAAS樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体にスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合した重合体、エチレン−プロピレンゴムにスチレン及びアクリロニトリルをグラフト重合した重合体、ポリブタジエンにスチレンとメタクリル酸メチルをグラフト重合したMBS樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムにスチレン及びアクリロニトリルがグラフト重合した樹脂等が挙げられる。ブロック共重合体としては、ポリスチレンブロックとジエン又はオレフィンブロックとで構成された共重合体(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン−スチレン(SEPS)ブロック共重合体)等が挙げられる。これらのスチレン系樹脂は、単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリビニル系樹脂としては、ビニル系単量体(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、クロトン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル;塩素含有ビニル単量体(例えば、塩化ビニル、クロロプレン);フッ素含有ビニル単量体(例えば、フルオロエチレン等);メチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等のビニルアミン類等)の単独又は共重合体、あるいは他の共重合可能なモノマーとの共重合体等が含まれる。前記ビニル系樹脂の誘導体(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等)も使用できる。これらのビニル系樹脂は単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
ポリアミド系樹脂としては、例えばε−カプロラクタム、ウンデカンラクタム、ラウリルラクタム等の開環重合体(ω−アミノカルボン酸重合体)のほか、ジアミンとジカルボン酸との共重縮合体等を挙げることができ、具体的には、ポリアミド3、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T等が挙げられる。これらのポリアミド系樹脂は、単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
ポリエステル系樹脂としては、アルキレンテレフタレート、アルキレンナフタレート等のアルキレンアリレート単位を主成分とする単独重合体又は共重合体等が例示できる。より具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等の単独重合体、アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンナフタレートを主成分として含有する共重合体等が挙げられる。特に好ましいポリエステル系樹脂として、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、テトラメチレン−2,6−ナフタレート等のアルキレンアリレート単位の単独重合体、又はそれらの共重合体を挙げることができる。これらのポリエステル系樹脂は単独又は2種以上組み合わせて使用できる。なお、ポリエステル系樹脂は、溶融成形性等を損なわない限り、直鎖状のみならず分岐鎖構造を有していても良く、架橋されていても良い。また、液晶ポリエステルであっても良い。
ポリエーテル系樹脂としては、例えばアルキレンエーテルの単独重合体、スチレン系化合物をグラフト共重合せしめたポリアルキレンエーテル、ポリアルキレンエーテルとスチレン系重合体を混合したもの等が挙げられる。より具体的には、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のポリアルキレンエーテルの単独重合体、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン等のスチレン系化合物をグラフト共重合せしめたポリフェニレンエーテルが挙げられる。好ましくは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル及びポリスチレンをグラフト共重合せしめたポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル[変性ポリフェニレンエーテル]を挙げることができる。ポリフェニレンオキシド系樹脂は、単独又は2種以上組み合わせて使用できる
ポリカーボネート系樹脂には、ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又はジフェニルカーボネート等の炭酸エステルとの反応により得られる重合体等が例示できる。ジヒドロキシ化合物は、脂環族化合物等であっても良いが、好ましくはビスフェノール化合物である。ビスフェノール化合物としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン等のビス(ヒドロキシアリール)C1−6アルカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)C4−10シクロアルカン;4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド;4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン等が挙げられる。好ましいポリカーボネート系樹脂としては、ビスフェノールA型ポリカーボネートが含まれる。ポリカーボネート系樹脂は、単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
アクリル系樹脂には、例えば(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸又はそのエステル等)の単独又は共重合体のほか、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等が含まれる。これらは、単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明では、前記の各合成樹脂の変性物も使用できる。例えば、合成樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のような不飽和カルボン酸類、シロキサン等によりグラフトさせて得られる変性物も用いることができる。前記の酸変性合成樹脂としては、例えば酸変性ポリオレフィン等が好適に使用することができる。これらは、単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
フッ素含有樹脂は、フィブリル形成能を有するフッ素含有ポリマーを配合することができる。これにより、難燃性樹脂組成物の燃焼性試験(特にUL規格の垂直燃焼試験(UL94V))において、燃焼時の試験片からのドリップ速度調節が期待できる。
本発明の難燃性樹脂組成物では、有機金属錯体及び芳香族ホスホン酸エステル類の2つの物質を難燃剤として併用する。
また、本発明難燃剤が前記の難燃助剤を副成分として含む場合、これらの難燃助剤の含有量については、用いる難燃助剤の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、リン含有化合物では樹脂成分100重量部に対して1〜100重量部、窒素含有化合物では樹脂成分100重量部に対して1〜50重量部、硫黄含有化合物では樹脂成分100重量部に対して0.1〜20重量部、ケイ素含有化合物では樹脂成分100重量部に対して0.1〜10重量部、無機金属系化合物では樹脂成分100重量部に対して1〜100重量部程度とすれば良い。
本発明の難燃性樹脂組成物では、本発明の効果を妨げない範囲において、必要に応じて難燃剤及び難燃助剤以外の各種の添加剤を適宜配合することができる。
本発明の難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物は、上記各成分を任意の方法で混合することによって製造することができる。その場合、混練順序も特に限定されず、各々を同時に混合しても良く、あるいは数種類を予め混合し、残りを後から混合しても良い。混合方法の例として、例えばタンブラー式V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー等の高速撹拌機、単軸、二軸連続混練機、ロールミキサー等を単独で又は組み合わせて用いる方法が採用できる。さらに、予め数種をマスターバッチとして樹脂成分の一部と高濃度の難燃剤を含む組成物を作成し、その後さらに樹脂成分と混合希釈し、所定の難燃性樹脂組成物を得る方法も採用できる。
本発明の難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物は、優れた難燃性を有する成形品として好適に用いることができる。すなわち、本発明の難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物は、後記6に示すような成形品の製造のための樹脂組成物として好適に用いることができる。これにより、難燃性に優れた成形品を提供することができる。
本発明は、本発明の難燃性樹脂組成物を成形してなる成形品も包含する。例えば、本発明の難燃性樹脂組成物からなる成形品を用いることができる。難燃性樹脂組成物の成形法には特に制限がなく、例えば射出成形、押出成形等の方法が使用できる。例えば、フィルム又はシートを成形する手段として、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法等の押出成形機による方法のほか、一度シートを作製し、これを真空成形、プレス成形等の二次加工を施す方法、射出成形機による方法等が挙げられる。特に、シート、薄肉での射出成形が好ましい。射出成形においても、その形式等は限定されず、通常のコールドランナー方式の射出成形法のほか、ランナーレスを可能にするホットランナー方式によって成形品を製造することができ、さらに例えばガスアシスト射出成形、射出圧縮成形、超高速射出成形等も採用することができる。
下記の合成例により、N,N’−ジアシルヒドラジン誘導体と金属塩より有機金属錯体(A)を調製した。なお、合成した有機金属錯体は、次の方法により構造同定を行った。
マイクロウェーブ試料分解装置(ETHOS1:マイルストーンゼネラル社製)にて湿式分解後に高周波結合プラズマ発光分析装置(ICP−OES、720ES:バリアン社製)にて各々の生成化合物中の金属含有量を定量した。
2)化学構造の同定
赤外吸収分析装置(FT−IR、FT−720:堀場製作所(株)製)によるIRスペクトルにて各々の生成化合物の構造同定を行った。
合成例1−1
側管付滴下漏斗及び温度計を備えた撹拌装置付4ツ口フラスコに、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン((株)ADEKA製、商品名「アデカスタブCDA−10」)(化合物(1))28.0g、塩化亜鉛(II)8.3g、トリエチルアミン2.7g及びメタノール700mlを加えてから撹拌を開始し、65℃にて2時間加熱還流を行った。放冷後、析出した固体をろ過し、得られた固体をメタノール及び水にて十分に洗浄した後、減圧乾燥を行うことにより白色粉体状の化合物(23)25.1gを得た(収率80.5%)。
図1に示すIRチャートより、有機金属錯体の原料である化合物(1)には、アシルヒドラジン構造のN−H伸縮振動に由来する3100〜3400cm−1、C=O伸縮振動及びN−H変角振動に由来する1600〜1700cm−1の特徴的なピークが存在している。錯体生成反応後に得られた化合物(23)のIRを測定すると、有機金属錯体の中心金属である亜鉛に化合物(1)が配位した結果、これらのピークは消失していることがわかった。また、得られた化合物(23)の亜鉛の定量をICP−OESで行ったところ、化合物中の亜鉛の含有量が11.1%であったことから、得られた化合物(23)は、化合物(1)−亜鉛(1:1)錯体であることが同定された(1:1錯体の亜鉛含有量理論値10.6%)。
トリエチルアミンを使わずに加熱還流による反応を2時間行った以外は合成例1と同様に反応を行い、白色粉体状の化合物(23)29.6gを得た(収率94.6%)。得られた化合物の構造同定をIRで、亜鉛の定量をICP−OESで行ったところ、得られた化合物(23)は、化合物(1)−亜鉛(1:1)錯体であった(1:1錯体の亜鉛含有量理論値10.6%に対し、実測値10.8%であった)。
塩化亜鉛(II)を酢酸銅(II)1水和物10.3gに変更した以外は合成例1と同様に反応を行い、濃緑色粉体状の化合物(24)28.4gを得た(収率91.1%)。得られた化合物の構造同定をIRで、銅の定量をICP−OESで行ったところ、得られた化合物(24)は、化合物(1)−銅(1:1)錯体であった(1:1錯体の銅含有量理論値10.3%に対し、実測値10.5%であった)。
塩化亜鉛(II)を酢酸ニッケル(II)4水和物12.9gに変更した以外は合成例1と同様に反応を行い、紫白色粉体状の化合物(25)27.9gを得た(収率90.5%)。得られた化合物の構造同定をIRで、ニッケルの定量をICP−OESで行ったところ、得られた化合物(25)は、化合物(1)−ニッケル(1:1)錯体であった(1:1錯体のニッケル含有量理論値9.6%に対し、実測値10.6%であった)。
塩化亜鉛(II)を塩化鉄(II)4水和物10.3gに変更した以外は合成例1と同様に反応を行い、紫色粉体状の化合物(26)3.4gを得た(収率11.1%)。得られた化合物の構造同定をIRで、鉄の定量をICP−OESで行ったところ、得られた化合物(26)は、化合物(1)−鉄(1:1)錯体であった(1:1錯体の鉄含有量理論値9.2%に対し、実測値10.2%であった)。
合成例4と同様に反応を行った後、ろ過した後のろ過残渣物ではなく、ろ液のメタノール溶液の方を減圧濃縮して固形物を取り出した。得られた固形物を十分に水洗した後、減圧乾燥することによって、紫色粉体状の化合物(27)25.9gを得た(収率88.0%)。
メタノールに不溶である化合物(26)に対し、化合物(27)はメタノールに溶解する。得られた化合物をIRで確認したところ、図2に示すように、原料の化合物(1)とは全く異なり、ほぼ化合物(26)に近似したスペクトルを示している。しかし、化合物(26)では完全に消失しているアシルヒドラジン構造のN−H伸縮振動に由来する3100〜3400cm−1等の特徴的なピークが化合物(27)では残存していることが確認された。
さらに、鉄の定量をICP−OESで行ったところ、得られた化合物(27)は、化合物(1)−鉄(2:1)錯体であった(2:1錯体の鉄含有量理論値:4.8%に対し、実測値4.9%であった)。
塩化鉄(II)4水和物を酢酸マンガン(II)4水和物12.7gに変更した以外は合成例5と同様に反応を行い、茶褐色粉体状の化合物(28)23.4gを得た(収率79.7%)。得られた化合物の構造同定をIRで、マンガンの定量をICP−OESで行ったところ、得られた化合物(28)は、化合物(1)−マンガン(2:1)錯体であった(2:1錯体のマンガン含有量理論値4.7%に対し、実測値4.7%であった)。
合成例7
側管付滴下漏斗及び温度計を備えた撹拌装置付4ツ口フラスコに、デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド((株)ADEKA製、商品名「アデカスタブCDA−6」)(化合物(2))28.0g、酢酸亜鉛(II)2水和物25.1g、トリエチルアミン5.8g及びDMF670mlを加えてから撹拌を開始し、110℃にて3時間加熱還流を行った。放冷後、析出した固体をろ過し、得られた固体をDMF、水及びアセトンにて十分に洗浄した後、減圧乾燥を行うことにより白色粉体状の化合物(29)33.7gを得た(収率96.0%)。
IR測定結果より、有機金属錯体の原料である化合物(2)には、化合物(1)の場合と同様、アシルヒドラジン構造のN−H伸縮振動に由来する3200〜3300cm−1、C=O伸縮振動及びN−H変角振動に由来する1630〜1670cm−1の特徴的なピークが存在している。錯体生成反応後に得られた化合物(29)のIRを測定すると、有機金属錯体の中心金属である亜鉛に化合物(2)が配位した結果、これらのピークは消失していることが確認された。また、得られた化合物(29)の亜鉛の定量をICP−OESで行ったところ、化合物中の亜鉛の含有量が20.9%であったことから、化合物(2)−亜鉛(1:2)錯体であることが同定された(1:2錯体の亜鉛含有量理論値20.9%)。
酢酸亜鉛(II)2水和物を酢酸銅(II)1水和物22.9gに変更した以外は合成例7と同様に反応を行い、濃緑色粉体状の化合物(30)30.0gを得た(収率85.8%)。得られた化合物の構造同定をIRで、銅の定量をICP−OESで行ったところ、得られた化合物(30)は、化合物(2)−銅(1:2)錯体であった(1:2錯体の銅含有量理論値20.4%に対し、実測値21.6%であった)。
酢酸亜鉛(II)2水和物を酢酸ニッケル(II)4水和物28.5gに変更した以外は合成例7と同様に反応を行い、微褐色粉体状の化合物(31)32.2gを得た(収率93.6%)。得られた化合物の構造同定をIRで、ニッケルの定量をICP−OESで行ったところ、得られた化合物(31)は、化合物(2)−ニッケル(1:2)錯体であった(1:2錯体のニッケル含有量理論値19.2%に対し、実測値18.2%であった)。
酢酸亜鉛(II)2水和物を塩化鉄(II)4水和物22.8gに変更した以外は合成例7と同様に反応を行い、微褐色粉体状の化合物(32)29.7gを得た(収率95.6%)。得られた化合物の構造同定をIRで、鉄の定量をICP−OESで行ったところ、得られた化合物(32)は、化合物(2)−鉄(1:1)錯体であった(1:1錯体の鉄含有量理論値11.4%に対し、実測値10.1%であった)。
前記の各合成例で得られた有機金属錯体(A)を用いて難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を構成する成分は、ポリ乳酸樹脂、難燃剤、その他の添加剤を含有する。すなわち、下記成分を表1〜3に示す配合割合(重量部)に従って各成分をドライブレンドした後、プレス成形用として混練・押出成形評価試験装置「ラボプラストミル4C150」((株)東洋精機製作所製)にて170〜190℃の温度で溶融混合して混練を行い、難燃性樹脂組成物を得た。また、同様に射出成形用として二軸混練押出機「KTX30型」((株)神戸製鋼所製、スクリュウ径30mm、L/D=37、ベント付き)にて190〜210℃の温度で溶融混合して押出混練し、ストランドをカットしてペレット状の難燃性樹脂組成物を得た。
PLA−1:ポリ乳酸樹脂、テラマックTE−2000(重量平均分子量Mw120,000、ユニチカ(株)製)
PLA−2:上記PLA−1の100重量部に対して、可塑剤としてアジピン酸(ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びベンジルアルコール)エステル、DAIFATTY−101(大八化学工業(株)製)を10重量部及び充填剤としてクラウンタルクP(松村産業(株)製)を10重量部配合したもの
[有機金属錯体]
FR−1:化合物(23)
FR−2:化合物(24)
FR−3:化合物(25)
FR−4:化合物(26)
FR−5:化合物(27)
FR−6:化合物(28)
FR−7:化合物(29)
FR−8:化合物(30)
FR−9:化合物(31)
FR−10:化合物(32)
FR−11:アセチルアセタナート鉄、Fe(acac)3錯体
FR−12:アセチルアセタナート亜鉛、Zn(acac)2錯体
FR−13:サレン鉄[N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン鉄アセテート]、Fe(salen)OAc錯体
FR−14:サレン亜鉛[N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン亜鉛]、Zn(salen)錯体
[N,N’−ジアシルヒドラジン誘導体]
FR−15:化合物(1)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、商品名「アデカスタブCDA−10」((株)ADEKA製)
FR−16:化合物(2)、デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、商品名「アデカスタブCDA−6」((株)ADEKA製)
FR−17:ステアリン酸亜鉛、商品名「SZ−P」(堺化学工業(株)製)
FR−18:ステアリン酸マグネシウム、商品名「SM−P」(堺化学工業(株)製)
FR−19:ステアリン酸カルシウム、商品名「SC−P」(堺化学工業(株)製)
FR−20:化合物(3)、商品名「ノンネン73」(丸菱油化工業(株)製)
FR−21:化合物(16)、商品名「ノンネン75」(丸菱油化工業(株)製)
FR−22:レゾルシノール ビス(ジキシレニルホスフェート)、商品名「PX−200」(大八化学工業(株)製)
FR−23:ビスフェノールA ビス(ジフェニルホスフェート)、商品名「CR−741」(大八化学工業(株)製)
前記2.で調製された難燃性ポリ乳酸系樹脂組成物を用いて射出成形又はプレス成形により成形品を作製した。
プレス成形では、厚さ1.5mmの型枠を用いて、圧縮プレス成形機「F−37(株)神藤金属工業所製」にて、200℃で3分余熱した後、10MPaで3分間加熱プレスを行い、その後10℃で3分冷却プレスすることによりシートを得た。このシートよりそれぞれの試験用に切断され、得られた試験片を23℃及び50%RHの条件で48時間状態調整処理してから、それぞれの物性評価を行った。また、射出成形では、射出成形機「FE80S型」(日精樹脂工業(株)製、型締圧80トン)を使用して成形品(各種物性試験用の試験片)を得た。得られた試験片を23℃及び50%RHの条件で48時間状態調整処理してから、それぞれの物性評価を行った。なお、上記プレス成形品は燃焼性の評価用サンプルとして使用し、上記射出成形品は耐衝撃性及び機械的性質の評価用サンプルとして使用した。
燃焼性の評価は、UL94垂直燃焼試験法に準拠して、1.5mm(1/16inch)厚の試験片を作成した後、燃焼試験を行った。UL94垂直燃焼試験の結果は、「V−0」、「V−1」、「V−2」、「Burn(全焼)」の4段階評価を行った。その結果を表1〜表3に示す。
重量平均分子量の測定を、示差屈折率(RIF)検出器付ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウォーターズ社製GPCアライアンスシステム)にて、ポリスチレン換算値より求めた。試験結果は、未処理のポリ乳酸の分子量を100とした場合、各種配合加工後の分子量の相対百分率で評価を行った。その結果を表2〜表3に示す。
耐衝撃性の評価として、JIS K7110記載のアイゾッド衝撃試験用試験片(3.2mm)を射出成形機で作成した後、ノッチを切削し、アイゾッド衝撃試験機((株)東洋精機製作所製)にてJIS K7110に準拠してアイゾッド衝撃強度を測定した。その結果を表3に示す。
機械的性質の評価として、JIS K7111記載の引張試験用試験片(2号形試験片)を射出成形機で作成した後、精密万能試験機AGS−5KNX((株)島津製作所製)にてJIS K7111に準拠して、引張速度50mm/分で引張試験(破断強度、伸度)を行った。その結果を表3に示す。
溶融混練された樹脂組成物中で有機金属錯体が生成されることを確認した。より具体的には、有機金属錯体の分取及び同定を行うため、ポリ乳酸樹脂(PLA−1)110gに対して、N,N’−ジアシルヒドラジン誘導体(FR−15)9g及び金属塩(FR−17)3gをドライブレンドした後、混練・押出成形評価試験装置「ラボプラストミル4C150」((株)東洋精機製作所製)にて170〜190℃の温度で溶融混合して混練を行い、ポリ乳酸系樹脂組成物を得た。この組成物のうち、10gをクロロホルム240mLで3時間加熱還流させると白濁溶液となった。得られた白濁溶液からクロロホルムでデカンテーションを繰り返すことでポリ乳酸成分及び有機溶媒可溶成分を除去し、アセトンにてろ別洗浄後、真空乾燥した白色不溶性沈澱物である化合物(33)0.1gを得た。この化合物(33)について、IR測定にて同定を行った結果を図3に示す。
Claims (8)
- ポリ乳酸系樹脂に添加するための難燃剤であって、
(1)N,N’−ジアシルヒドラジン系成分及び芳香族ホスホン酸エステル類を含み、
(2)前記N,N’−ジアシルヒドラジン系成分として、
(2−1)下記一般式(I)又は(II);
(2−2)前記一般式(I)又は(II)で表されるN,N’−ジアシルヒドラジン誘導体の少なくとも1種と金属M2(ただし、M2は、遷移金属を示す。)の金属塩との組み合わせ
の少なくとも一方を含むことを特徴とするポリ乳酸系樹脂用難燃剤。 - 前記N,N’−ジアシルヒドラジン誘導体が、
(a)N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン及び
(b)デカメチレンカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド
の少なくとも1種である、請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂用難燃剤。 - 前記M1及び/又はM2が第4周期元素の遷移金属である、請求項1又は2に記載のポリ乳酸系樹脂用難燃剤。
- 前記(2−1)におけるN,N’−ジアシルヒドラジン誘導体A1と中心金属M1との構成モル比が、A1:M1=1/n1:4〜4/n1:1[ただし、n1は、N,N’−ジアシルヒドラジン誘導体1分子中におけるジアシルヒドラジン官能基数を示す。]であり、かつ、
前記(2−2)におけるN,N’−ジアシルヒドラジン誘導体A2と金属塩に含まれるM2との構成モル比が、A2:M2=1/n2:4〜4/n2:1[ただし、n2は、N,N’−ジアシルヒドラジン誘導体1分子中におけるジアシルヒドラジン官能基数を示す。]である、
請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂用難燃剤。 - 芳香族ホスホン酸エステル類が、
(1)下記式(III)
(2)下記式(IV)
の少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂用難燃剤。 - 1)ポリ乳酸系樹脂と2)請求項1に記載の有機金属錯体及び芳香族ホスホン酸エステル類とを含む難燃性樹脂組成物。
- 請求項6に記載の難燃性樹脂組成物を成形してなる難燃性樹脂成形品。
- 電気・電子部品、OA機器部品、家電機器部品、自動車用部品又は機器機構部品に用いられる、請求項7に記載の難燃性樹脂成形品。
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