JP2017214572A - カチオン電着塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防錆性に優れたカチオン電着塗料組成物を提供すること。【解決手段】 アミン変性エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および、ポリアクリルアミド樹脂(C)を含む、カチオン電着塗料組成物であって、上記アミン変性エポキシ樹脂(A)は、数平均分子量が1,000〜5,000の範囲内であり、および上記ポリアクリルアミド樹脂(C)は、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂、および、数平均分子量が100,000以上であるノニオン性ポリアクリルアミド樹脂からなる群から選択される1種またはそれ以上である、カチオン電着塗料組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、防錆性に優れたカチオン電着塗料組成物に関する。
金属基材などの被塗物の表面には、種々の役割を持つ複数の塗膜を形成して、被塗物を保護すると同時に美しい外観を付与している。一般に、被塗物に防食性を付与する塗膜としては、電着塗装により形成される電着塗膜が広く用いられている。電着塗装は、複雑な形状を有する被塗物であっても細部にまで塗装を施すことができ、自動的かつ連続的に塗装することができるので、特に自動車車体などの大型で複雑な形状を有する被塗物の下塗り塗装方法として広く実用化されている。このような電着塗装として、カチオン電着塗料組成物を用いる電着塗装が広く用いられている。
塗膜は、被塗物の防食性付与が求められることに加えて、その表面状態の良好さも求められる。塗膜の表面状態を向上させる手段として、塗膜形成時に塗膜のレベリング性を向上させる方法がある。例えば、加熱などの硬化時に熱フローによって塗膜をレベリングさせ、塗膜の表面状態を向上させることができる。一方、被塗物がエッジ部を有する場合は、このエッジ部の塗装は電着塗装を用いる場合であっても困難である。さらに、このレベリング作用そして熱フローによって加熱硬化時にエッジ部から塗膜が流れてしまうことがあり、これによって防錆性が劣ることとなる。そのため、エッジ部を有する被塗物の塗装においては、エッジ部の防錆性を向上させる手段が求められている。
エッジ部の防錆性を向上させる方法として、例えば電着塗膜加熱硬化時の熱フローによる電着塗膜の流れを抑制することにより、エッジ部の膜厚を確保し、これにより防錆性を向上させる手法が挙げられる。この手法においては、加熱硬化時の熱フローによる塗膜の流れを抑制するために、電着塗料組成物中に増粘剤を添加するなどの手法によって、電着塗料組成物の粘度を高めるなどの手法がとられる。しかしながら、電着塗料組成物に増粘剤を添加することによって、塗膜のレベリング性が劣ることとなり、エッジ部以外の平坦部などの表面状態が劣ることとなる。このため、被塗物のエッジ部の防錆性の向上と、塗膜の表面状態の向上(塗膜平滑性の向上)との両立は、一般に困難である。
特開2010−144104号公報(特許文献1)には、(a)アミン濃度1.0mol/kg以上のアミン変性エポキシ樹脂、(b)ブロックイソシアネート化合物、(c)陽イオン交換された非晶質シリカ微粒子を必須成分とすることを特徴とするカチオン電着塗料組成物が記載されている。このカチオン電着塗料組成物は、被塗物に対するエッジカバー性と平滑性に優れた塗膜を形成することができると記載されている([0001]段落など)。この特許文献1には、(c)成分に由来する構造粘性挙動の発現によって、エッジカバー性を高めることができることが記載されている([0029]段落など)。一方で、(c)成分は粒状物であるため、電着塗料組成物中において凝集し、得られる塗膜の平滑性が劣ることとなるおそれがある。例えば[0032]段落などには、(c)成分の量が多いと平滑性が悪化することが記載されている。
特開2010−144104号公報
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、その目的とするところは、防錆性、特にエッジ部防錆性、に優れたカチオン電着塗料組成物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は下記態様を提供する。
[1]
アミン変性エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および、ポリアクリルアミド樹脂(C)を含む、カチオン電着塗料組成物であって、
上記アミン変性エポキシ樹脂(A)は、数平均分子量が1,000〜5,000の範囲内であり、および
上記ポリアクリルアミド樹脂(C)は、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂、および、数平均分子量が100,000以上であるノニオン性ポリアクリルアミド樹脂からなる群から選択される1種またはそれ以上である、
カチオン電着塗料組成物。
[2]
上記ポリアクリルアミド樹脂(C)は、数平均分子量が100,000以上であるカチオン性ポリアクリルアミド樹脂である、上記カチオン電着塗料組成物。
[3]
上記カチオン電着塗料組成物中に含まれる上記ポリアクリルアミド樹脂(C)の量は、上記アミン変性エポキシ樹脂(A)および硬化剤(B)の樹脂固形分100質量部に対して0.001〜1質量部である、上記カチオン電着塗料組成物。
[4]
上記カチオン電着塗料組成物はさらに、金属酸化物および/または金属水酸化物(D)を含み、上記金属酸化物および/または金属水酸化物(D)は、金属元素として、La、NdおよびYからなる群から選択される1種またはそれ以上を含む、
上記カチオン電着塗料組成物。
[5]
上記カチオン電着塗料組成物の析出電着塗膜は、105℃における塗膜粘度が10Pa・s以下であり、および
上記析出電着塗膜の、105℃における静置粘度が200〜5000Pa・sである、
上記カチオン電着塗料組成物。
[6]
上記カチオン電着塗料組成物の23℃における塗料粘度が10mPa・s以下である、上記カチオン電着塗料組成物。
[7]
上記カチオン電着塗料組成物は、さらにビスマス化合物を含み、上記ビスマス化合物の平均粒子径は1〜500nmである、上記カチオン電着塗料組成物。
[8]
上記カチオン電着塗料組成物中に被塗物を浸漬して電着塗装を行い、次いで加熱硬化することにより、被塗物上に硬化電着塗膜を形成する工程を包含する、硬化電着塗膜形成方法。
[9]
上記被塗物はエッジ部を有し、および、形成された硬化電着塗膜を有する被塗物を塩水噴霧試験した場合において、エッジ塗装部1cmにおける錆発生個数が5個/cm未満である、上記塗膜形成方法。
本発明のカチオン電着塗料組成物を用いて電着塗装することによって、防錆性、特にエッジ部防錆性に優れ、かつ優れた塗膜外観を有する、硬化電着塗膜を形成することができる。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、
アミン変性エポキシ樹脂(A)、
硬化剤(B)、および、
ポリアクリルアミド樹脂(C)、
を含む。ここで上記アミン変性エポキシ樹脂(A)は、数平均分子量が1,000〜5,000の範囲内である。以下、各成分について詳述する。
アミン変性エポキシ樹脂(A)
アミン変性エポキシ樹脂(A)は、電着塗膜を構成する塗膜形成樹脂である。アミン変性エポキシ樹脂(A)として、樹脂骨格中のオキシラン環を有機アミン化合物で変性して得られるカチオン変性エポキシ樹脂が好ましい。一般にカチオン変性エポキシ樹脂は、出発原料樹脂分子内のオキシラン環を1級アミン、2級アミンあるいは3級アミンおよび/またはその酸塩などのアミン類との反応によって開環して調製される。出発原料樹脂の典型例は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの多環式フェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である。また他の出発原料樹脂の例として、特開平5−306327号公報に記載のオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、ジイソシアネート化合物、またはジイソシアネート化合物のイソシアネート基をメタノール、エタノールなどの低級アルコールでブロックして得られたビスウレタン化合物と、エピクロルヒドリンとの反応によって調製することができる。
上記出発原料樹脂は、アミン類によるオキシラン環の開環反応の前に、2官能性のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ビスフェノール類、2塩基性カルボン酸などにより鎖延長して用いることができる。特にビスフェノール類は、アミン類によるオキシラン環の開環反応時に用いて、鎖延長してもよい。
また同じく、アミン類によるオキシラン環の開環反応の前に、分子量またはアミン当量の調節、熱フロー性の改良などを目的として、一部のオキシラン環に対して2−エチルヘキサノール、ノニルフェノール、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルなどのモノヒドロキシ化合物、オクチル酸などのモノカルボン酸化合物を付加して用いることもできる。
オキシラン環を開環し、アミノ基を導入する際に使用し得るアミン類の例としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどの1級アミン、2級アミンまたは3級アミンおよび/もしくはその酸塩を挙げることができる。また、アミノエチルエタノールアミンメチルイソブチルケチミンなどのケチミンブロック1級アミノ基含有2級アミン、ジエチレントリアミンジケチミンも使用することができる。これらのアミン類は、全てのオキシラン環を開環させるために、オキシラン環に対して少なくとも当量で反応させる必要がある。
本発明において、アミン変性エポキシ樹脂(A)の数平均分子量は、1,000〜5,000の範囲内である。数平均分子量が1,000以上であることにより、得られる硬化電着塗膜の耐溶剤性および耐食性などの物性が良好となる。一方で、数平均分子量が5,000以下であることにより、アミン変性エポキシ樹脂の粘度調整が容易となって円滑な合成が可能となり、また、得られたアミン変性エポキシ樹脂(A)の乳化分散の取扱いが容易になる。アミン変性エポキシ樹脂(A)の数平均分子量は1,600〜3,200の範囲であるのがより好ましい。
なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。
アミン変性エポキシ樹脂(A)のアミン価は、20〜100mgKOH/gの範囲内であるのが好ましい。アミン変性エポキシ樹脂(A)のアミン価が20mgKOH/g以上であることにより、電着塗料組成物中におけるアミン変性エポキシ樹脂(A)の乳化分散安定性が良好となる。一方で、アミン価が100mgKOH/g以下であることにより、硬化電着塗膜中のアミノ基の量が適正となり、塗膜の耐水性を低下させるおそれがない。アミン変性エポキシ樹脂(A)のアミン価は、20〜80mgKOH/gの範囲内であるのがより好ましい。
アミン変性エポキシ樹脂(A)の水酸基価は、50〜400mgKOH/gの範囲内であるのが好ましい。水酸基価が50mgKOH/g以上であることにより、硬化電着塗膜において硬化が良好となる。一方で、水酸基価が400mgKOH/g以下であることにより、硬化電着塗膜中に残存する水酸基の量が適正となり、塗膜の耐水性を低下させるおそれがない。アミン変性エポキシ樹脂(A)の水酸基価は、100〜300mgKOH/gの範囲内であるのがより好ましい。
本発明のカチオン電着塗料組成物において、数平均分子量が1,000〜5,000であり、アミン価が20〜100mgKOH/gであり、かつ、水酸基価が50〜400mgKOH/gであるアミン変性エポキシ樹脂(A)を用いることによって、被塗物に優れた耐食性を付与することができるという利点がある。
なおアミン変性エポキシ樹脂(A)としては、必要に応じて、アミン価および/または水酸基価の異なるアミン変性エポキシ樹脂を併用してもよい。2種以上の異なるアミン価、水酸基価のアミン変性エポキシ樹脂を併用する場合は、使用するアミン変性エポキシ樹脂の質量比に基づいて算出する平均アミン価および平均水酸基価が、上記の数値範囲であるのが好ましい。また、併用するアミン変性エポキシ樹脂(A)としては、アミン価が20〜50mgKOH/gであり、かつ、水酸基価が50〜300mgKOH/gであるアミン変性エポキシ樹脂と、アミン価が50〜200mgKOH/gであり、かつ、水酸基価が200〜500mgKOH/gであるアミン変性エポキシ樹脂との併用が好ましい。このような組合わせを用いると、エマルションのコア部がより疎水となりシェル部が親水となるため優れた耐食性を付与することができるという利点がある。
なお本明細書のカチオン電着塗料組成物においては、必要に応じて、アミン変性エポキシ樹脂(A)に加えて、アミノ基含有アクリル樹脂、アミノ基含有ポリエステル樹脂などを含んでもよい。
硬化剤(B)
本発明のカチオン電着塗料組成物中に含まれる硬化剤(B)は、加熱条件下においてアミン変性エポキシ樹脂(A)と硬化反応する塗膜形成樹脂である。硬化剤(B)として、メラミン樹脂またはブロックイソシアネート硬化剤が好適に用いられる。硬化剤(B)として好適に用いることができるブロックイソシアネート硬化剤は、ポリイソシアネートを、封止剤でブロック化することによって調製することができる。
ポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(3量体を含む)、テトラメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイシシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などの脂環式ポリイソシアネート;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン化物、カーボジイミド、ウレトジオン、ウレトンイミン、ビューレットおよび/またはイソシアヌレート変性物など);が挙げられる。
封止剤の例としては、n−ブタノール、n−ヘキシルアルコール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、フェノールカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの一価のアルキル(または芳香族)アルコール類;エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルなどのセロソルブ類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールフェノールなどのポリエーテル型両末端ジオール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのジオール類と、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸などのジカルボン酸類から得られるポリエステル型両末端ポリオール類;パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール類;ジメチルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、メチルアミルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類;およびε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムに代表されるラクタム類が好ましく用いられる。
ブロックイソシアネート硬化剤のブロック化率は100%であるのが好ましい。これにより、電着塗料組成物の貯蔵安定性が良好になるという利点がある。
ブロックイソシアネート硬化剤は、脂肪族ジイソシアネートを封止剤でブロック化することによって調製された硬化剤と、芳香族ジイソシアネートを封止剤でブロック化することによって調製された硬化剤とを併用することが好ましい。
ブロックイソシアネート硬化剤は、アミン変性エポキシ樹脂(A)の1級アミンと優先的に反応し、さらに水酸基と反応して硬化する。
メラミン樹脂として、例えば、メラミンとホルムアルデヒドとを反応させて得られる部分または完全メチロール化メラミン樹脂、メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をアルコール成分で部分的にまたは完全にエーテル化して得られる部分または完全アルキルエーテル型メラミン樹脂、イミノ基含有型メラミン樹脂、及びこれらの混合型メラミン樹脂が挙げられる。ここで、アルキルエーテル型メラミン樹脂としては、例えば、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチル/ブチル混合アルキル型メラミン樹脂などが挙げられる。
硬化剤として、フェノール樹脂などの有機硬化剤、シランカップリング剤、金属硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも一種の硬化剤など、上記メラミン樹脂および/またはブロックイソシアネート硬化剤と併用してもよい。
ポリアクリルアミド樹脂(C)
本発明のカチオン電着塗料組成物は、ポリアクリルアミド樹脂(C)を含む。本発明において、ポリアクリルアミド樹脂(C)は、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂、および、数平均分子量が100,000以上であるノニオン性ポリアクリルアミド樹脂からなる群から選択される1種またはそれ以上であることを条件とする。カチオン電着塗料組成物中に、上記ポリアクリルアミド樹脂(C)が含まれることによって、エッジ部防錆性が向上する利点がある。
本明細書において「ポリアクリルアミド樹脂」とは、ポリマー骨格中にアクリルアミド単位を含む樹脂を意味する。上記ポリアクリルアミド樹脂(C)は、例えば、(メタ)アクリルアミドを含むラジカル重合性モノマーを重合反応することによって調製することができる。上記ラジカル重合性モノマーは、必要に応じて、(メタ)アクリルアミドおよびその他のラジカル重合性モノマーを含んでもよい。本明細書において(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドを意味する。
例えば、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂の調製においては、上記ラジカル重合性モノマー中に含まれる(メタ)アクリルアミドの量は、70質量%以上であるのが好ましい。例えば、ノニオン性ポリアクリルアミド樹脂の調製においては、上記ラジカル重合性モノマー中に含まれる(メタ)アクリルアミドの量は、25質量%以上であるのが好ましい。
上記その他のラジカル共重合性モノマーとして、例えば、カチオン性ビニルモノマー、アニオン性ビニルモノマー、N−置換(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルスルホン酸ナトリウムおよびビニルモノマーなどが挙げられる。
上記カチオン性ビニルモノマーとして、例えば、アリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびこれらの塩などが挙げられる。
上記アニオン性ビニルモノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸、シトラコン酸などのジカルボン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの有機スルホン酸;またはこれら各種有機酸のナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。
N−置換(メタ)アクリルアミドは、上記カチオン性ビニルモノマー以外のN−置換(メタ)アクリルアミドであれば特に限定されず公知のものを用いることができ、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルモノマーとして、上記モノマー以外のモノマーであって、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどのアクリル酸アルキルエステル類;アリルアルコールなどのアリル基を含有するアリル系モノマー類;(メタ)アクリロニトリル;メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミドなどのビスアクリルアミド系モノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジアクリレート系モノマー;ジアリルアミン、ジビニルベンゼン;1,3,5-トリアクロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルアミン、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどの多官能ビニルモノマーなどが挙げられる。
ポリアクリルアミド樹脂は、(メタ)アクリルアミドを含むラジカル重合性モノマーを、例えば重合開始剤(アゾ系、過酸化物系、酸化還元型など)の存在下において、水および/または有機溶媒などの溶媒中で重合反応させることによって調製することができる。上記重合温度は、重合開始剤の種類などによって適宜選択することができ、例えば50〜200℃であってよく、90〜160℃であるのがより好ましい。重合反応時間は、例えば0.5〜12時間であってよい。また、上記重合反応により得られたポリアクリルアミド樹脂が有する官能基(例えばアクリルアミド基、アニオン性基など)を反応または中和させて得られる変性ポリアクリルアミド樹脂を用いてもよい。
上記ポリアクリルアミド樹脂(C)は、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂であるのがより好ましい。カチオン性ポリアクリルアミド樹脂は、上記塗膜形成樹脂との相互作用力を有しているためである。カチオン性ポリアミド樹脂は、例えば、(メタ)アクリルアミドと、上記カチオン性ビニルモノマーおよび/またはその誘導体とを共重合することによって調製することができる。上記カチオン性ビニルモノマーのうち、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが好適に用いることができる。上記誘導体として、例えば、上記カチオン性ビニルモノマーの塩化メチル4級塩などが挙げられる。
カチオン性ポリアミド樹脂として、強カチオン性ポリアクリルアミド樹脂を用いるのがより好ましい。強カチオン性ポリアクリルアミド樹脂は、ポリアクリルアミド樹脂中に存在するカチオンのモル数が比較的高い樹脂を意味する。強カチオン性ポリアクリルアミド樹脂として、例えば、カチオン度が1.0meq/g以上であるカチオン性ポリアクリルアミド樹脂が挙げられる。
ポリアクリルアミド樹脂(C)の数平均分子量は、100,000〜20,000,000の範囲内であるのがより好ましく、1,000,000〜20,000,000の範囲内であるのがさらに好ましい。ポリアクリルアミド樹脂として、数平均分子量が100,000以上であるカチオン性ポリアクリルアミド樹脂を用いるのがより好ましく、数平均分子量が100,000〜10,000,000であるカチオン性ポリアクリルアミド樹脂を用いるのがより好ましい。
ポリアクリルアミド樹脂(C)の数平均分子量は、例えばGPC法によって測定することができる。
ポリアクリルアミド樹脂として、市販品を用いてもよい。市販品として、例えば、MTアクアポリマー社製のアコフロックシリーズ(ノニオン性ポリアクリルアミド)、スミフロックシリーズ(ノニオン性ポリアクリルアミド)、アロンフロックシリーズ(カチオン性ポリアクリルアミド)、ニットーボーメディカル社製のポリフロックCシリーズ(カチオン性ポリアクリルアミド)、Nシリーズ(ノニオン性ポリアクリルアミド)などが挙げられる。
ポリアクリルアミド樹脂(C)として、上記の樹脂のうち1種を用いてもよく、2種またはそれ以上を併用してもよい。
カチオン電着塗料組成物中に含まれる上記ポリアクリルアミド樹脂(C)の量は、上記アミン変性エポキシ樹脂(A)および硬化剤(B)の樹脂固形分100質量部に対して0.001〜1質量部であるのが好ましい。ポリアクリルアミド樹脂(C)の量が0.001質量部未満である場合は、ポリアクリルアミド樹脂(C)の添加に由来する十分なエッジ部防錆性向上効果が得られないおそれがある。また、ポリアクリルアミド樹脂(C)の量が1質量部を超える場合は、過度な凝集が生じ、得られる硬化電着塗膜の塗膜外観が劣ることとなるおそれがある。
本発明においては、カチオン電着塗料組成物中に上記ポリアクリルアミド樹脂(C)が含まれることによって、優れたエッジ部防錆性が得られることとなる。これは、理論に拘束されるものではないが、カチオン電着塗料組成物中に上記ポリアクリルアミド樹脂(C)が含まれることによって、被塗物上に析出した電着塗膜を加熱硬化させる工程において、加熱によって生じる収縮を制御することができる、または塗膜成分と相互作用しフローによるエッジカバリング低下を抑制するためと考えられる。
金属酸化物および/または金属水酸化物(D)
本発明のカチオン電着塗料組成物は、必要に応じて、金属酸化物および/または金属水酸化物(D)を含んでもよい。ここで金属酸化物および/または金属水酸化物(D)は、金属元素として、La、NdおよびYからなる群から選択される1種またはそれ以上を含む金属化合物である。
金属酸化物および/または水酸化物(D)を用いる場合において、金属酸化物および/または水酸化物(D)は粉体形態であってよい。金属酸化物および/または水酸化物が粉体形態である場合は、その平均粒子径は0.01〜10μmであるのが好ましく、0.05〜2μmであるのがより好ましい。本明細書中において、平均粒子径は体積平均粒子径D50であり、レーザードップラー式粒度分析計(日機装社製、「マイクロトラックUPA150」)を用いて、分散体を信号レベルが適性になるようイオン交換水で希釈して測定した値をいう。
金属酸化物および/または金属水酸化物(D)は、金属酸化物および/または金属水酸化物と、有機酸とを予め混合した状態で用いてもよい。有機酸として、例えば、ヒドロキシモノカルボン酸およびスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上の化合物を好適に用いることができる。
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、以下の化合物が挙げられる;
・乳酸、グリコール酸などの、全炭素原子数2〜5、好ましくは2〜4のモノヒドロキシモノカルボン酸、特に脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸;
・ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、グリセリン酸などの、全炭素原子数3〜7、好ましくは3〜6のジヒドロキシモノカルボン酸、特に脂肪族ジヒドロキシモノカルボン酸。
スルホン酸は有機スルホン酸であり、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などの全炭素原子数1〜5、好ましくは1〜3のアルカンスルホン酸が挙げられる。
有機酸は、乳酸、ジメチロールプロピオン酸およびメタンスルホン酸からなる群から選択される1種またはそれ以上であるのがより好ましい。
有機酸の使用形態は特に限定されず、例えば、固体形態、液体形態、溶媒に溶解された溶液形態(特に水溶液形態)が挙げられる。有機酸は水溶液の形態で用いるのが好ましい。有機酸の水溶液の調製に用いることができる溶媒として、イオン交換水、浄水、蒸留水などの水、そして水を主成分とする水性溶媒などが挙げられる。水性溶媒は、水に加えて、必要に応じた有機溶媒(例えば、アルコール、エステル、ケトンなどの、水溶性または水混和性有機溶媒など)を含んでもよい。
金属酸化物および/または金属水酸化物と、有機酸との混合物を予め調製する場合において、金属酸化物および/または金属水酸化物における金属のモル数と、有機酸のモル数との比率は、金属:有機酸=1:0.3〜1:2.7の範囲内であるのが好ましい。上記La、NdおよびYは、いずれも、3価の陽イオンとなる希土類元素である。そして、有機酸として好適に用いることができる、ヒドロキシモノカルボン酸およびスルホン酸は、いずれも1価の酸である。そのため、金属のモル数と有機酸のモル数との比率が、金属:有機酸=1:0.3〜1:2.7の範囲内である場合は、金属元素による陽イオンの総価数(つまり、金属元素のモル数×3)に対して、有機酸による陰イオンの総価数(有機酸のモル数)が満たない状態である。上記比率で金属酸化物および/または金属水酸化物、そして有機酸を用いることによって、エッジ部防錆性能に特に優れ、かつ優れた塗膜外観を有する硬化塗膜を提供する、カチオン電着塗料組成物を調製することが可能となる。上記モル数の比率は、金属:有機酸=1:0.6〜1:2.4の範囲内であるのがより好ましく、金属:有機酸=1:0.9〜1:2.1の範囲内であるのがさらに好ましい。
カチオン電着塗料組成物中に上記金属酸化物および/または金属水酸化物(D)が含まれる場合における、金属酸化物および/または金属水酸化物(D)の含有量は、カチオン電着塗料組成物の樹脂固形分に対して、金属元素換算で0.01〜2質量%となる量であるのが好ましく、0.05〜1.5質量%となる量であるのがより好ましく、0.05〜1質量%となる量であるのがさらに好ましい。金属酸化物および/または金属水酸化物(D)の含有量が上記範囲を超える場合は、得られる硬化電着塗膜の塗膜外観が劣ることとなるおそれがある。
本明細書中において「カチオン電着塗料組成物の樹脂固形分」とは、塗膜形成樹脂の固形分質量を意味する。具体的には、アミン変性エポキシ樹脂(A)および硬化剤(B)の樹脂固形分の質量の総量を意味する。
カチオン電着塗料組成物の樹脂固形分に対する、金属酸化物および/または金属水酸化物(D)の金属元素換算含有量は、具体的には下記の通り求めることができる。上記金属酸化物および/または金属水酸化物(D)の金属元素が、例えばランタンである場合において、「金属元素換算」とは、ランタン化合物の含有量に金属元素換算係数(ランタン化合物量を金属元素量に換算するための係数であり、具体的には、ランタン化合物中のランタン元素の原子量を、ランタン化合物の分子量で除算した値を意味する。)を積算することにより、目的の金属元素量を求めることである。例えば、ランタン化合物が酸化ランタン(La、分子量325.8)である場合、酸化ランタンを0.1質量%含む電着塗料組成物における、ランタンの金属元素換算含有量は、0.1質量%×(277.8÷325.8)の計算により0.0853質量%と算出される。
顔料分散ペースト
本発明のカチオン電着塗料組成物は、必要に応じて顔料分散ペーストを含んでもよい。顔料分散ペーストは、電着塗料組成物中に任意に含まれる成分であり、一般に顔料分散樹脂および顔料を含む。
顔料分散樹脂
顔料分散樹脂は、顔料を分散させるための樹脂であり、水性媒体中に分散されて使用される。顔料分散樹脂として、4級アンモニウム基、3級スルホニウム基および1級アミン基から選択される少なくとも1種またはそれ以上を有する変性エポキシ樹脂などの、カチオン基を有する顔料分散樹脂を用いることができる。水性溶媒としてはイオン交換水または少量のアルコール類を含む水などを用いる。
顔料
顔料は、電着塗料組成物において一般的に用いられる顔料である。顔料として、例えば、通常使用される無機顔料および有機顔料、例えば、チタンホワイト(二酸化チタン)、カーボンブラックおよびベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカおよびクレーのような体質顔料;リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、トリポリリン酸アルミニウム、およびリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛のような防錆顔料など、が挙げられる。
顔料分散ペーストの製造
顔料分散ペーストは、顔料分散樹脂および顔料を混合して調製される。顔料分散ペースト中の顔料分散樹脂の含有量は特に限定されないが、例えば、顔料100質量部に対して樹脂固形分比で20〜100質量部となる量で用いることができる。
顔料分散ペーストの固形分量は通常、顔料分散ペースト全量に対して40〜70質量%、特に50〜60質量%であるのが好ましい。
本明細書中において「顔料分散ペーストの固形分」とは、顔料分散ペースト中に含まれる成分であって、溶媒の除去によっても固形となって残存する成分全ての質量を意味する。具体的には、顔料分散ペースト中に含まれる、顔料分散樹脂および顔料および必要に応じて添加される他の固形成分の質量の総量を意味する。
ビスマス化合物
本発明のカチオン電着塗料組成物は、必要に応じてビスマス化合物を含んでもよい。ビスマス化合物は、ビスマス金属を含有する化合物であり、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマスまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましいビスマス化合物は、酸化ビスマスおよび水酸化ビスマスからなる群から選択される少なくとも1種である。
ビスマス化合物を用いる場合において、本発明における電着塗料組成物中に含まれるビスマス化合物の量は、電着塗料組成物中に含まれる樹脂固形分に対して、金属元素換算で0.05〜1.0質量%であるのが好ましい。ビスマス化合物の量が上記範囲であることによって、樹脂成分が良好に硬化し、かつ、カチオン電着塗料組成物の保存安定性を良好に保つことができる。ビスマス化合物の金属元素換算含有量は、上述した金属元素換算含有量と同様にして求めることができる。
上記ビスマス化合物は、平均粒子径が1〜500nmであるのが好ましい。平均粒子径が上記範囲であることによって、良好な硬化性が発揮されるなどの利点がある。
ビスマス化合物を用いる場合は、酸成分と予め混合した状態で用いてもよい。例えば、ビスマス化合物と酸成分とを予め混合し、得られた混合物を、顔料分散ペーストの調製において混合することによって、ビスマス化合物を含む顔料分散ペーストを調製してもよい。ビスマス化合物を含む顔料分散ペーストの調製方法として、例えば、ビスマス化合物および酸成分(例えば上記有機酸など)を予め混合して得られたビスマス混合物と、樹脂成分とを混合し、次いで顔料を混合する調製方法などが挙げられる。この調製方法においては、樹脂成分として、例えば、顔料分散ペーストの調製において通常用いられる顔料分散樹脂、上記アミン変性エポキシ樹脂(A)および硬化剤(B)の混合物などを用いることができる。これらの樹脂成分は1種のみを用いてもよく、2種を併用してもよい。
塗料分野においては、硬化触媒として有機錫触媒が一般的に用いられている。しかしながら有機錫触媒は、昨今の環境規制動向から、今後は使用を制限されるおそれがある触媒である。上記ビスマス化合物は硬化性に優れるため、塗料分野において硬化触媒として一般的に用いられる有機錫触媒の代替触媒として用いることができる。そのため、上記ビスマス化合物を用いることによって、環境負荷が低減されたカチオン電着塗料組成物を提供することができるという利点がある。
カチオン電着塗料組成物の製造
本発明の電着塗料組成物は、アミン変性エポキシ樹脂(A)および硬化剤(B)を含むエマルション、ポリアクリルアミド樹脂(C)、そして必要に応じた金属酸化物および/または金属水酸化物(D)、顔料分散ペーストおよび添加剤などを混合することによって調製することができる。
電着塗料組成物の調製において、アミン変性エポキシ樹脂(A)を、中和酸を用いて中和することによって分散性を向上させエマルションを形成させる。アミン変性エポキシ樹脂(A)の中和に用いる中和酸として、ギ酸、酢酸、乳酸などの有機酸を用いるのが好ましい。アミン変性エポキシ樹脂(A)を中和し分散させる中和酸として上記酸を用いる場合は、解離度が高いため付きまわり性が優れるという利点がある。
使用される中和酸の量は、アミン変性エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および必要に応じた塗膜形成樹脂を含む樹脂固形分100gに対して、10〜25mg当量の範囲であるのが好ましい。上記下限は15mg当量であるのがより好ましく、上記上限は20mg当量であるのがより好ましい。中和酸の量が10mg当量以上であることにより水への親和性が十分となり水への分散が良好となる。一方、中和酸の量が25mg当量以下であることにより、析出に要する電気量が適正となり、塗料固形分の析出性、つきまわり性が良好となる。
硬化剤(B)の量は、硬化時にアミン変性エポキシ樹脂(A)中の1級、2級アミノ基、水酸基、などの活性水素含有官能基と反応して良好な硬化塗膜を与えるのに十分な量が必要とされる。好ましい硬化剤(B)の量は、アミン変性エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との固形分質量比(アミン変性エポキシ樹脂(A)/硬化剤(B))で表して90/10〜50/50、より好ましくは80/20〜65/35の範囲である。アミン変性エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との固形分質量比の調整により、析出する電着塗膜の流動性および硬化速度を調整することができる。
電着塗料組成物は、アミン変性エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および必要に応じた他の塗膜形成樹脂成分を、中和酸を用いて分散させた樹脂エマルション、顔料分散ペースト、そして、ポリアクリルアミド樹脂(C)、そして必要に応じた金属酸化物および/または金属水酸化物(D)、顔料分散ペーストなどを加えて混合することによって調製することができる。なお、金属酸化物および/または金属水酸化物(D)を用いる場合は、顔料とともに分散ペーストとしてから添加してもよい。
本明細書中において「電着塗料組成物の固形分」とは、電着塗料組成物中に含まれる成分であって、溶媒の除去によっても固形となって残存する成分全ての質量を意味する。具体的には、電着塗料組成物中に含まれる、アミン変性エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、ポリアクリルアミド樹脂(C)、そして必要に応じて用いられる金属酸化物および/または金属水酸化物(D)、顔料分散樹脂、顔料および必要に応じて添加される他の固形成分の質量の総量を意味する。
本発明のカチオン電着塗料組成物の固形分量は、電着塗料組成物全量に対し、1〜30質量%であるのが好ましい。電着塗料組成物の固形分量が1質量%未満である場合は、電着塗膜析出量が少なくなり、十分な耐食性を確保することが困難となるおそれがある。また電着塗料組成物の固形分量が30質量%を超える場合は、つきまわり性または塗装外観が悪くなるおそれがある。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、pHが4.5〜7であることが好ましい。電着塗料組成物のpHが4.5未満である場合は、カチオン電着塗料組成物中に存在する酸の量が過剰量となり、塗膜外観または塗装作業性が劣ることとなるおそれがある。一方で、pHが7を超える場合は、電着塗料組成物のろ過性が低下し、硬化電着塗膜の水平外観が低下する場合がある。電着塗料組成物のpHは、用いる中和酸の量、遊離酸の添加量などの調整によって、上記範囲に設定することができる。
電着塗料組成物のpHは、温度補償機能を有する市販のpHメーターを用いて測定することができる。
電着塗料組成物の固形分100gに対する酸のミリグラム当量(MEQ(A))は40〜120であるのが好ましい。なお、電着塗料組成物の樹脂固形分100gに対する酸のミリグラム当量(MEQ(A))は、中和酸量および遊離酸の量によって調整することができる。
ここでMEQ(A)とは、mg equivalent(acid)の略であり、塗料の固形分100g当たりのすべての酸のmg当量の合計である。このMEQ(A)は、電着塗料組成物の固形分を約10g精秤し約50mlの溶剤(THF:テトラヒドロフラン)に溶解した後、1/10NのNaOH溶液を用いて電位差滴定を行うことによって、電着塗料組成物中の含有酸量を定量して測定することができる。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、塗料分野において一般的に用いられている添加剤、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなどの有機溶媒、乾き防止剤、消泡剤などの界面活性剤、アクリル樹脂微粒子などの粘度調整剤、はじき防止剤、バナジウム塩、銅、鉄、マンガン、マグネシウム、カルシウム塩などの無機防錆剤など、を必要に応じて含んでもよい。またこれら以外に、目的に応じて公知の補助錯化剤、緩衝剤、平滑剤、応力緩和剤、光沢剤、半光沢剤、酸化防止剤、および紫外線吸収剤などを配合してもよい。これらの添加剤は、樹脂エマルション製造の際の第2混合時に添加されてもよいし、顔料分散ペーストの製造時に添加されてもよいし、または樹脂エマルションと顔料分散ペーストとの混合時または混合後に添加されてもよい。
本発明のカチオン電着塗料組成物は、上記アミン変性エポキシ樹脂(A)以外にも、他の塗膜形成樹脂成分を含んでもよい。他の塗膜形成樹脂成分として、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ブタジエン系樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。電着塗料組成物に含まれうる他の塗膜形成樹脂成分として、フェノール樹脂、キシレン樹脂が好ましい。フェノール樹脂、キシレン樹脂として、例えば、2以上10以下の芳香族環を有するキシレン樹脂が挙げられる。
本明細書において、カチオン電着塗料組成物を電着塗装した際に被塗物上に析出する電着塗膜であって、未硬化の状態の塗膜を、析出電着塗膜という。そして本発明において、カチオン電着塗料組成物の析出電着塗膜は、105℃における塗膜粘度が10Pa・s以下であるのが好ましい。析出電着塗膜にとって、105℃という温度は、電着塗膜に含まれる塗膜樹脂成分の硬化反応が開始する直前の温度ということができる。このような温度条件下における、電着塗膜の105℃における塗膜粘度が上記範囲であることによって、高分子量であるポリアクリルアミド樹脂(C)が含まれるにも関わらず、加熱による電着塗膜のフローを確保することができ、硬化電着塗膜の膜厚不均一化を回避することができる。
析出電着塗膜の105℃における塗膜粘度は、次のようにして測定することができる。まず被塗物に膜厚約15μmとなるように180秒間電着塗装を行い、電着塗膜を形成し、これを水洗して余分に付着した電着塗料組成物を取り除く。次いで、電着塗膜表面に付着した余分な水分を取り除いた後、乾燥させることなくすぐに塗膜を取り出して、試料を調製する。こうして得られた試料を、動的粘弾性測定装置を用いて粘度測定することによって、105℃における塗膜粘度を測定することができる。
本発明において、カチオン電着塗料組成物の析出電着塗膜は、105℃における静置粘度が200〜5000Pa・sであるのが好ましく、1000〜5000Pa・sであるのがより好ましい。ここで105℃における静置粘度は、せん断速度をd(gamma)/dt=0.011/秒に設定し、105℃で300秒後のせん断粘度を測定することによって、求めることができる。
上記析出電着塗膜の105℃における静置粘度が200〜5000Pa・sであることによって、優れたエッジ部防錆性が得られるなどの利点がある。これは、被塗物上に析出した電着塗膜を加熱硬化させる工程において、エッジ部において析出した電着塗膜を留まらせることができるためと考えられる。
本発明において、カチオン電着塗料組成物の23℃における塗料粘度が10mPa・s以下であるのが好ましい。カチオン電着塗料組成物の塗料粘度が上記範囲内である場合は、カチオン電着塗料組成物中にポリアクリルアミド樹脂(C)が含まれている場合であっても、当分野において従来のカチオン電着塗料組成物と比較して同程度の粘度を有していることが理解される。このことから、本発明におけるカチオン電着塗料組成物においては、電着塗料組成物の塗料粘度を単に上昇させることによって、硬化電着塗膜の析出状態を制御したものではなく、電着塗料組成物に含まれる各成分の役割を考慮した上で、硬化電着塗膜形成における各成分の挙動を制御することによって、優れた防錆性が達成されることとなったことを、確認的に理解することができる。
カチオン電着塗料組成物の23℃における塗料粘度は、B型粘度計(例えばTOKIMEC社製)を用いて、JIS K5601に準拠して測定することができる。
電着塗装および電着塗膜形成
本発明のカチオン電着塗料組成物を用いて被塗物に対し電着塗装することによって、電着塗膜を形成することができる。本発明のカチオン電着塗料組成物を用いる電着塗装においては、被塗物を陰極とし、陽極との間に、電圧を印加する。これにより、電着塗膜が被塗物上に析出する。
本発明のカチオン電着塗料組成物を塗装する被塗物としては、通電可能な種々の被塗物を用いることができる。使用できる被塗物として例えば、冷延鋼板、熱延鋼板、ステンレス、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金系めっき鋼板、亜鉛−鉄合金系めっき鋼板、亜鉛−マグネシウム合金系めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金系めっき鋼板、アルミニウム系めっき鋼板、アルミニウム−シリコン合金系めっき鋼板、錫系めっき鋼板などが挙げられる。
電着塗装工程において、電着塗料組成物中に被塗物を浸漬した後、50〜450Vの電圧を印加することによって、電着塗装が行われる。印加電圧が50V未満であると電着が不充分となるおそれがあり、450Vを超えると、塗膜外観が劣ることとなるおそれがある。電着塗装時、塗料組成物の浴液温度は、通常10〜45℃に調節される。
電圧を印加する時間は、電着条件によって異なるが、一般には、2〜5分とすることができる。
本発明のカチオン電着塗料組成物を用いた電着塗装において、析出させる電着塗膜の膜厚は、加熱硬化により最終的に得られる電着塗膜の膜厚が好ましくは5〜60μm、より好ましくは10〜25μmとなるような膜厚であるのが好ましい。電着塗膜の膜厚が5μm未満であると、防錆性が不十分となるおそれがある。
上述のようにして析出させた電着塗膜は、必要に応じて水洗した後、例えば120〜260℃、好ましくは140〜220℃で、10〜30分間加熱することによって、硬化させることができる。これにより、硬化電着塗膜が形成される。
本明細書において、エッジ部を有する被塗物に形成された硬化電着塗膜の耐食性評価は、JIS Z 2371(2000)に準拠した塩水噴霧試験(35℃×168時間)によって行う。例えば硬化電着塗膜を、塩水噴霧試験した場合において、エッジ部を有する被塗物に形成された硬化電着塗膜のエッジ塗装部における錆発生個数が、エッジ部1cmあたりに対して例えば5個/cm未満である場合は、エッジ部の耐食性(防錆性)に優れた塗膜であるということができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
製造例1 顔料分散樹脂の製造
2−エチルヘキサノールハーフブロック化イソホロンジイソシアネートの調製
攪拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を装備した反応容器に、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略す)222.0部を入れ、メチルイソブチルケトン(MIBK)39.1部で希釈した後、ここヘジブチル錫ジラウレート0.2部を加えた。その後、これを50℃に昇温した後、2−エチルヘキサノール131.5部を攪拌下、乾燥窒素雰囲気で2時間かけて滴下し、2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(固形分90.0質量%)を得た。
4級化剤の調製
反応容器に、ジメチルエタノールアミン87.2部、75%乳酸水溶液117.6部およびエチレングリコールモノn−ブチルエーテル39.2部を順に加え、65℃で30分攪拌して4級化剤を調製した。
顔料分散樹脂の製造
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:DER−331J、ダウケミカル社製)710.0部とビスフェノールA289.6部とを反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、150〜160℃で1時間反応させ、次いで、120℃に冷却した後、先に調製した2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(MIBK溶液)498.8部を加えた。反応混合物を110〜120℃で1時間撹拌し、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル463.4部を加え、混合物を85〜95℃に冷却し、先に調製した4級化剤196.7部を添加した。酸価が1となるまで反応混合物を85〜95℃に保持した後、脱イオン水964部を加えて、目的とする顔料分散樹脂を得た(固形分50質量%)。
製造例2 アミン変性エポキシ樹脂(A)の製造
メチルイソブチルケトン92部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名DER−331J、ダウケミカル社製)940部、ビスフェノールA382部、オクチル酸63部、ジメチルベンジルアミン2部を加え、反応容器内の温度を140℃に保持し、エポキシ当量が1110g/eqになるまで反応させた後、反応容器内の温度が120℃になるまで冷却した。ついでジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)78部とジエタノールアミン92部の混合物を添加し、120℃で1時間反応させることにより、アミン化樹脂(カチオン変性エポキシ樹脂)を得た。この樹脂の数平均分子量は2,560、アミン価は50mgKOH/g(うち1級アミンに由来するアミン価は14mgKOH/g)、水酸基価は240mgKOH/gであった。
製造例3−1 ブロックイソシアネート硬化剤(B−1)の製造
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)1680部およびMIBK732部を反応容器に仕込み、これを60℃まで加熱した。ここに、トリメチロールプロパン346部をMEKオキシム1067部に溶解させたものを60℃で2時間かけて滴下した。さらに75℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK27部を加えて固形分が78%のブロックイソシアネート硬化剤(B−1)を得た。イソシアネート基価は252mgKOH/gであった。
製造例3−2 ブロックイソシアネート硬化剤(B−2)の製造
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート1340部およびMIBK277部を反応容器に仕込み、これを80℃まで加熱した後、ε−カプロラクタム226部をブチルセロソルブ944部に溶解させたものを80℃で2時間かけて滴下した。さらに100℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK349部を加えてブロックイソシアネート硬化剤(B−2)を得た(固形分80%)。イソシアネート基価は251mgKOH/gであった。
製造例4 アミン変性エポキシ樹脂エマルションの製造
製造例2で得られたアミン変性エポキシ樹脂(A)350部(固形分)と、製造例3−1で得られたブロックイソシアネート硬化剤(B−1)75部(固形分)および製造例3−2で得られたブロックイソシアネート硬化剤(B−2)75部(固形分)とを混合し、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを固形分に対して3%(15部)になるように添加した。次に、ギ酸を添加量が樹脂中和率40%相当分になるように加えて中和し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が40%になるように減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、アミン変性エポキシ樹脂エマルションを得た。
製造例5 顔料分散ペースト(1)および(2)の製造
顔料ペースト(1)
容器中において、イオン交換水56.1部に、50%乳酸水溶液4.7部および酸化ビスマス6.0部を撹拌・混合した。ここに、製造例1で得られた顔料分散樹脂を100質量部加え、室温で1時間、1000rpmにて攪拌した。ここで、製造例4で得られたアミン変性エポキシ樹脂のエマルション7.5部、10%酒石酸水溶液1.4部を添加攪拌し、その後、顔料であるカーボンブラック0.9部、二酸化チタン41.8部、サテントン(焼成カオリン)52.4部を加え、サンドミルを用いて40℃で1時間、2000rpmにて撹拌し、酸化ビスマスを含む、固形分濃度47質量%の顔料ペースト(1)が得られた。

顔料ペースト(2)
50%乳酸水溶液5.1部および酸化ビスマス6.5部の代わりに、ジブチル錫オキサイド8.3部を加えたこと以外は、顔料ペースト(1)と同様の手順により、ジブチル錫オキサイドを含む、固形分濃度47質量%の顔料ペースト(2)を得た。
比較製造例1 高分子量アミン変性エポキシ樹脂の製造
メチルイソブチルケトン139部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:DER−331J、ダウケミカル社製)940部、ビスフェノールA444部、ジメチルベンジルアミン2部を加え、反応容器内の温度を140℃に保持し、エポキシ当量が1340g/eqになるまで反応させた後、反応容器内の温度が120℃になるまで冷却した。
ついでジエチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)79部とN−メチルエタノールアミン(MMA)53部の混合物を添加し、120℃で1時間反応させることにより、アミン化樹脂(カチオン変性エポキシ樹脂)を得た。
90℃冷却後、イオン交換水と酢酸を添加量が樹脂中和率80%相当分になるように加えて中和し、固形分が20%になるようにした。
その後ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:DER−331J、ダウケミカル社製)188部加え、90℃×3時間反応させた。減圧下でメチルイソブチルケトンを除去して、固形分20%の、高分子量アミン変性エポキシ樹脂(分子量100万)を得た。
実施例1
カチオン電着塗料組成物の調製
イオン交換水99.5部に、ポリアクリルアミド樹脂(C)であるアコフロックN100S(MTアクアポリマー社製、ノニオン性ポリアクリルアミド樹脂、数平均分子量:約1300万)0.5部を加えて、常温で60分間攪拌し、ポリアクリルアミド樹脂を含む調製液を得た。
次いで、製造例4のアミン変性エポキシ樹脂エマルション250部(固形分40%)に対して、上記で調製した調製液を6部(固形分0.5%)添加したものをF2エマルションとした。下記安定性評価において、得られたF2エマルションを用いて、安定性を別途評価した。
ステンレス容器に、イオン交換水1997部、上記F2エマルション 1539部および上記顔料ペースト(1)464部を40℃で16時間エージングして、カチオン電着塗料組成物を調製した。
硬化電着塗膜(1)の形成(冷延鋼板、膜厚20μm)
冷延鋼板(JIS G3141、SPCC−SD)を、サーフクリーナーEC90(日本ペイント社製)中に50℃で2分間浸漬して、脱脂処理した。次にサーフファインGL1(日本ペイント社製)に常温30秒浸漬し、次いでサーフダインEC3200(日本ペイント・サーフケミカルズ社製、ジルコニウム化成処理剤)に35℃で2分間浸漬した。その後、脱イオン水による水洗を行った。
上記で得られたカチオン電着塗料組成物に、硬化後の電着塗膜の膜厚が20μmとなるように2−エチルヘキシルグリコールを必要量添加した。
その後、電着塗料組成物に鋼板を全て埋没させた後、直ちに電圧の印加を開始し、30秒間昇圧し180Vに達してから150秒間保持する条件で電圧を印加して、被塗物(冷延鋼板)上に未硬化の電着塗膜を析出させた。得られた未硬化の電着塗膜を、160℃で15分間加熱硬化させて、膜厚20μmの硬化電着塗膜を有する電着塗装板を得た。
硬化電着塗膜(2)の形成(エッジ部を有する被塗物、膜厚15μm)
被塗物を、冷延鋼板(JIS G3141、SPCC−SD)からL型専用替刃(LB10K:オルファ株式会社製、長さ100mm、幅18mm、厚さ0.5mm)に変更したこと以外は、上記と同様の手順で、脱脂処理、表面処理および化成処理などを行った。
次いで上記硬化電着塗膜(1)の形成と同様の手順で硬化電着塗膜を設けて、エッジ部を有する被塗物上に、膜厚15μmの硬化電着塗膜を設けた。
実施例2
ポリアクリルアミド樹脂(C)としてアロンフロックC535H(MTアクアポリマー社製、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂、数平均分子量:約800万)を用いて調製した、ポリアクリルアミド樹脂を含む調製液を4部用いたこと以外は、実施例1と同様にしてカチオン電着塗料組成物を得た。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
実施例3
ポリアクリルアミド樹脂(C)としてアロンフロックC508(MTアクアポリマー社製、強カチオン性ポリアクリルアミド樹脂、数平均分子量:約800万)を用いて調製した、ポリアクリルアミド樹脂を含む調製液を4部用いたこと以外は、実施例1と同様にしてカチオン電着塗料組成物を得た。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
実施例4
ポリアクリルアミド樹脂(C)としてアロンフロックC508LL(MTアクアポリマー社製、強カチオン性ポリアクリルアミド樹脂、数平均分子量:約300万)を用いて調製した、ポリアクリルアミド樹脂を含む調製液を6部用いたこと以外は、実施例1と同様にしてカチオン電着塗料組成物を得た。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
実施例5
カチオン電着塗料組成物の調製
イオン交換水116.6部に、製造例1で得られた顔料分散樹脂(固形分50質量%)60.0質量部と酸化ランタン100部とを加えて、攪拌、混合物し、サンドミルを用いて40℃で1時間、2000rpmにて撹拌して、酸化ランタンペーストが得られた。得られた酸化ランタンペーストは、固形分濃度が47質量%であった。
他の容器中において、イオン交換水56.1部に、50%乳酸水溶液4.7部および酸化ビスマス6.0部を撹拌・混合した。ここに、製造例1で得られた顔料分散樹脂を100質量部加え、室温で1時間、1000rpmにて攪拌した。ここで、製造例4で得られたアミン変性エポキシ樹脂のエマルション7.5部、10%酒石酸水溶液1.4部を添加攪拌し、その後、顔料であるカーボンブラック0.9部、二酸化チタン41.8部、サテントン(焼成カオリン)52.4部を加え、サンドミルを用いて40℃で1時間、2000rpmにて撹拌し、固形分濃度47質量%の顔料ペーストが得られた。
上記より得られた顔料ペーストを用いたこと以外は、実施例3と同様にして、カチオン電着塗料組成物を得た。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
実施例6
成分(D)として、酸化ランタンの代わりに、酸化ネオジムを用いたこと以外は、実施例5と同様にしてカチオン電着塗料組成物を得た。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
実施例7
成分(D)として、酸化ランタンの代わりに、酸化イットリウムを用いたこと以外は、実施例5と同様にしてカチオン電着塗料組成物を得た。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
実施例8
カチオン電着塗料組成物の調製において、顔料分散ペースト(1)の代わりに、顔料分散ペースト(2)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、カチオン電着塗料組成物を調製した。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
実施例9
化成処理剤として、サーフダインEC3200(日本ペイント・サーフケミカルズ社製、ジルコニウム化成処理剤)の代わりにリン酸亜鉛化成処理液であるサーフダインSD−5000(日本ペイント社製、リン酸亜鉛化成処理液)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
比較例1
カチオン電着塗料組成物の調製
ステンレス容器に、イオン交換水2082部、製造例4のアミン変性エポキシ樹脂エマルション 1454部および製造例5で得られた顔料分散ペースト(1)464部を添加しその後40℃で16時間エージングして、カチオン電着塗料組成物を形成した。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
比較例2
ポリアクリルアミド樹脂(C)の代わりに、比較製造例1で調製した高分子量アミン変性エポキシ樹脂(分子量、約100万)を用いて調製した。製造例4のアミン変性エポキシ樹脂エマルション225部(固形分40%)に対して、比較製造例1で得られた高分子量アミン変性エポキシ樹脂(分子量:約100万)調製液(固形分20%)を50部添加したものをF2エマルションとした。
ステンレス容器に、イオン交換水1938部、上記F2エマルション 1598部および上記顔料ペースト(1)464部を40℃で16時間エージングして、カチオン電着塗料組成物を調製した。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
比較例3
高分子量アミン変性エポキシ樹脂(分子量、約100万)の代わりに、マイクロゲル(分子量、約100万以上PZW−1010日本ペイント製、固形分30%)を33部とイオン水17部用いたこと以外は、比較例2と同様にしてカチオン電着塗料組成物を得た。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
比較例4
イオン交換水549部に、チオグリコール酸(試薬)1部添加し、80℃まで昇温した。一方の容器から1%過硫酸アンモニウム溶液50部を、そしてもう一方の容器から25%アクリルアミド水溶液400gを1時間かけて均一滴下して重合させた。得られた樹脂を10倍希釈し、固形分1%、数平均分子量50,000である、ノニオン性ポリアクリルアミド樹脂の溶液(ポリアクリルアミド調製液)を得た。
製造例4のアミン変性エポキシ樹脂エマルション250部に対して、上記で調製したポリアクリルアミド調製液を10部添加したものをF2エマルションとした。
ステンレス容器に、イオン交換水1997部、上記F2エマルション 1539部および上記顔料ペースト(1)464部を40℃で16時間エージングして、カチオン電着塗料組成物を調製した。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
比較例5
ポリアクリルアミド樹脂(C)の代わりに、数平均分子量1000万である、アニオン性ポリアクリルアミド樹脂(アコフロックA−125S、MTアクアポリマー社製)を用いて調製した調製液を4部用いたこと以外は、実施例1と同様にしてカチオン電着塗料組成物を得た。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
比較例6
高分子量アミン変性エポキシ樹脂(分子量、約100万)の代わりに、高分子量ポリエチレンオキシド(分子量800万)を用いたこと以外は、比較例2と同様にしてカチオン電着塗料組成物を得た。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
比較例7
高分子量アミン変性エポキシ樹脂(分子量、約100万)の代わりに、ポリビニルピロリドン(分子量100万)を用いたこと以外は、比較例2と同様にしてカチオン電着塗料組成物を得た。
得られたカチオン電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様にして、硬化電着塗膜(1)、(2)を形成した。
上記実施例および比較例より得られたカチオン電着塗料組成物および硬化電着塗膜を用いて、以下の評価を行った。結果を下記表に示す。
電着塗料組成物の23℃における塗料粘度の測定
カチオン電着塗料組成物の23℃における塗料粘度を、B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて、JIS K5601に準拠して測定した。
析出電着塗膜の105℃における塗膜粘度の測定
被塗物(ブリキ板)をカチオン電着塗料組成物中に浸漬し、膜厚約15μmとなるように180秒間電着塗装を行い、未硬化の電着塗膜を形成した。これを水洗して余分に付着した電着塗料組成物を取り除いた。次いで、電着塗膜表面に付着した余分な水分を取り除いた後、乾燥させることなくすぐに塗膜を取り出して、測定用試料を調製した。得られた試料を、動的粘弾性測定装置(商品名Rheosol−G3000、ユービーエム社製)を用いて、基本周波数1Hz、歪み制御0.5degで粘度測定することによって、105℃における塗膜粘度を測定した。
析出電着塗膜の105℃における静置粘度の測定
被塗物(ブリキ板)をカチオン電着塗料組成物中に浸漬し、膜厚約15μmとなるように180秒間電着塗装を行い、未硬化の電着塗膜を形成した。これを水洗して余分に付着した電着塗料組成物を取り除いた。次いで、電着塗膜表面に付着した余分な水分を取り除いた後、乾燥させることなくすぐに塗膜を取り出して、測定用試料を調製した。得られた試料を、動的粘弾性測定装置(商品名MCR302、アントンパール社製)を用いて、せん断速度をd(gamma)/dt=0.011/秒に設定し、105℃で300秒後のせん断粘度を測定することによって、105℃における静置粘度を測定した。
エッジ腐食試験(膜厚15μm)
上記実施例および比較例において形成した、膜厚15μmの硬化電着塗膜を有するL型専用替刃を試験片として用いた。
この試験片に対して、JIS Z 2371(2000)に準拠した塩水噴霧試験(35℃×168時間)を行い、L型専用替刃先端部に発生した錆の個数を調べた。
なお、この試験において「L型専用替刃先端部」は、刃の頂点から替刃本体方向に対して5mmまでの幅を意味する。上記幅は、表面側および裏面側の両方を含み、表面裏面の合計では10mmの幅となる。この「L型専用替刃先端部」は、本明細書における「エッジ部」に相当する。
例えば、下記評価で、L型専用替刃先端部に発生した錆の個数が30個である場合は、L型専用替刃の長さが100mm(10cm)、L型専用替刃先端部の幅は表面裏面の合計で10mm(幅1cm)であるため、L型専用替刃先端部1cmあたりの錆の個数は、
30個/10cm=3個/cm
となる

評価基準
◎ :錆の発生なし
○ :10個未満
(L型専用替刃先端部1cmあたりの錆の個数として、1個/cm未満)
○△:10個以上30個未満
(L型専用替刃先端部1cmあたりの錆の個数として、1個/cm以上3個/cm未満)
△ :30個以上〜50個未満
(L型専用替刃先端部1cmあたりの錆の個数として、3個/cm以上5個/cm未満)
△×:50個以上〜100個未満
(L型専用替刃先端部1cmあたりの錆の個数として、5個/cm以上10個/cm未満)
× :100個以上
(L型専用替刃先端部1cmあたりの錆の個数として、10個/cm以上)
硬化電着塗膜の外観評価(Ra、平滑性)
上記より得られた硬化電着塗膜の表面粗度を、JIS−B0601に準拠し、評価型表面粗さ測定機(Mitsutoyo社製、SURFTEST SJ−201P)を用いて、粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)を測定した。2.5mm幅カットオフ(区画数5)を入れたサンプルを用いて7回測定し、上下消去平均によりRa値を得た。このRa値が小さい程、凹凸が少なく、塗膜外観が良好であるといえる。
作業性評価
ジルコニウム化成処理した冷延鋼板に、イオン交換水をスポイトで2摘滴下させ、常温で10分静置した。その後、硬化電着塗膜(1)の形成と同様にして電着塗装し、硬化電着塗膜を形成した。得られた硬化電着塗膜の外観を、下記基準により評価した。

○:滴下部の跡なし
○△:わずかに跡が確認できる
△:やや跡が確認できる
×:跡がめだつ
塗料の保存安定性
各実施例および比較例のカチオン電着塗料組成物の調製において用いたF2エマルションおよび顔料ペーストを用いて、保存安定性評価を行った。

・ F2エマルション:固形分を35質量%に調整した後、40℃で4週間保管した。保管後に、下記基準で評価した。
・ 顔料ペースト:塗料調製に用いた顔料ペーストを、40℃で4週間保管した。保管後に、下記基準で評価した。

評価基準
○:F2エマルションおよび顔料ペーストの両方共、ほとんど変化なく、安定であると評価できる。
△:F2エマルションおよび顔料ペーストのうち少なくとも一方で、わずかな粘度増加が観察されるものの、再攪拌することで戻り、実用上では問題とならない。
×:F2エマルションおよび顔料ペーストのうち少なくとも一方で、粘度増加が大きく、塗料安定性が劣ると判断される。
Figure 2017214572
Figure 2017214572
実施例のカチオン電着塗料組成物を用いた場合は、いずれも、良好なエッジ部防錆性および塗膜外観が得られた。また、塗料安定性も優れていた。
比較例1は、ポリアクリルアミド樹脂(C)を含まない例である。この例では、エッジ部防錆性が大きく劣っていた。
比較例2は、ポリアクリルアミド樹脂(C)の代わりに、高分子量アミン変性エポキシ樹脂を用いた例である。この例においては、エッジ部防錆性は、比較例1と比べると向上したものの、十分であるとはいえない。また、Ra値が上昇し、塗膜平滑性が低下した。
比較例3は、ポリアクリルアミド樹脂(C)の代わりに、マイクロゲルを用いた例である。この例においてもまた、エッジ部防錆性は、比較例1と比べると向上したものの、十分であるとはいえない。また、Ra値が上昇し、塗膜平滑性が低下した。
比較例4は、ポリアクリルアミド樹脂として、数平均分子量50000であるノニオン性ポリアクリルアミド樹脂を用いた例である。この例では、エッジ部防錆性が劣っており、エッジ部防錆性向上効果が得られていない。
比較例5は、ポリアクリルアミド樹脂(C)の代わりに、アニオン性ポリアクリルアミド樹脂を用いた例である。この例では、カチオン電着塗料組成物の性状が不安定となり、電着塗装を行うことができなかった。
比較例6は、ポリアクリルアミド樹脂(C)の代わりに、高分子量ポリエチレンオキシド(分子量800万)を用いた例である。この例では、エッジ部防錆性が劣っており、エッジ部防錆性向上効果が得られていない。
比較例7は、ポリアクリルアミド樹脂(C)の代わりに、ポリビニルピロリドン(分子量100万)を用いた例である。この例でもまた、エッジ部防錆性が劣っており、エッジ部防錆性向上効果が得られていない。
本発明のカチオン電着塗料組成物を用いて電着塗装することによって、防錆性、特にエッジ部防錆性に優れ、かつ優れた塗膜外観を有する、硬化電着塗膜を形成することができる。

Claims (9)

  1. アミン変性エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、および、ポリアクリルアミド樹脂(C)を含む、カチオン電着塗料組成物であって、
    前記アミン変性エポキシ樹脂(A)は、数平均分子量が1,000〜5,000の範囲内であり、および
    前記ポリアクリルアミド樹脂(C)は、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂、および、数平均分子量が100,000以上であるノニオン性ポリアクリルアミド樹脂からなる群から選択される1種またはそれ以上である、
    カチオン電着塗料組成物。
  2. 前記ポリアクリルアミド樹脂(C)は、数平均分子量が100,000以上であるカチオン性ポリアクリルアミド樹脂である、請求項1記載のカチオン電着塗料組成物。
  3. 前記カチオン電着塗料組成物中に含まれる前記ポリアクリルアミド樹脂(C)の量は、前記アミン変性エポキシ樹脂(A)および硬化剤(B)の樹脂固形分100質量部に対して0.001〜1質量部である、請求項1または2記載のカチオン電着塗料組成物。
  4. 前記カチオン電着塗料組成物はさらに、金属酸化物および/または金属水酸化物(D)を含み、前記金属酸化物および/または金属水酸化物(D)は、金属元素として、La、NdおよびYからなる群から選択される1種またはそれ以上を含む、
    請求項1〜3いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
  5. 前記カチオン電着塗料組成物の析出電着塗膜は、105℃における塗膜粘度が10Pa・s以下であり、および
    前記析出電着塗膜の、105℃における静置粘度が200〜5000Pa・sである、
    請求項1〜4いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
  6. 前記カチオン電着塗料組成物の23℃における塗料粘度が10mPa・s以下である、請求項1〜5いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
  7. 前記カチオン電着塗料組成物は、さらにビスマス化合物を含み、前記ビスマス化合物の平均粒子径は1〜500nmである、請求項1〜6いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物。
  8. 請求項1〜7いずれかに記載のカチオン電着塗料組成物中に被塗物を浸漬して電着塗装を行い、次いで加熱硬化することにより、被塗物上に硬化電着塗膜を形成する工程を包含する、硬化電着塗膜形成方法。
  9. 前記被塗物はエッジ部を有し、および、形成された硬化電着塗膜を有する被塗物を塩水噴霧試験した場合において、エッジ塗装部1cmにおける錆発生個数が5個/cm未満である、請求項8記載の塗膜形成方法。
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