本発明の1つまたは複数の実施形態によれば、自律乗り物制御システムと、透析機と、透析機と自律乗り物制御システムの間に電気的なコミュニケーションをもたらすインターフェースとを備える自律乗り物が提供される。自律乗り物は、自動車、ハイブリッド・カー、航空機、列車、潜水艦、ヘリコプタ、船、ボート、宇宙機または任意の他の乗り物であってもよい。透析機は、自律乗り物が自律乗り物制御システムの制御下にある間、患者に対して透析治療を実行するように構成され得る。自律乗り物は、自律乗り物の1つまたは複数の構成要素に電力供給するための少なくとも1つのバッテリを備えることができ、そのインターフェースは、少なくとも1つのバッテリと透析機の間に電気的なコミュニケーションをもたらすことができる。自律乗り物は乗り物電気システムを更に備えることができ、透析機は、乗り物電気システム内に配線接続され得る。自律乗り物制御システムは、所望の目的地をユーザが入力することができる入力デバイスを備えることができる。自律乗り物制御システムは、自律乗り物が所望の目的地に到達するのに必要とされる時間を算出するように構成され得る。透析機制御ユニットは、所望の処方療法をユーザが入力することができる入力デバイスを備えることができ、透析機制御ユニットは、自律乗り物制御システムによって算出された時間内で入力された処方療法を完了するために必要とされる治療の速度を算出するように構成され得る。透析機制御ユニットは、更に、治療の算出された速度が許容可能限界値内にあるかどうかを判定するように構成可能であり、そうである場合、透析機制御ユニットは、入力された処方療法を透析機が実施することを可能にするように構成され得る。制御ユニットが、治療の算出された速度が許容可能な限界値内にないと判定した場合、透析機制御ユニットは、更に、入力された処方療法を透析機が実施するのを阻止するように構成され得る。
自律乗り物制御システム用の入力デバイスは、自律乗り物内にディスプレイ・スクリーンを備えることができ、透析機用の入力デバイスは、この同じディスプレイ・スクリーンまたは異なるディスプレイ・スクリーンを備えることができる。透析機は、更に、送信機および受信機を備えることができ、送信機は、透析機に関する無線信号を送信するように構成され、受信機は、透析機に関する無線信号を受信するように構成される。したがって、患者は、療法中、監視サービスまたは診療所と常に連絡を取ることができる。
自律乗り物はエンジンを備えることができ、自律車乗り物制御システムは、透析機が作動しているときにエンジンを運転状態に維持するように構成され得る。自律乗り物は、自律乗り物を動かすように構成されたバッテリ作動式駆動モータを備えることができる。自律乗り物は、更に、乗り物電気システムと、カー・バッテリと、乗り物の運転中にカー・バッテリを充電するためのオルタネータと、透析機専用のバックアップ・バッテリとを備えることができる。バックアップ・バッテリは、オルタネータと電気的に通じることができ、乗り物電気システムは、乗り物の運転中にバックアップ・バッテリを充電するように構成され得る。乗り物電気システムは、点火スイッチと、点火スイッチが処方療法中に切られた場合、バッテリ電力をバックアップ・バッテリから透析機に与えるように構成された点火スイッチ・バイパス回路とを備えることができる。
透析機は、血液ポンプと、ダイアライザと、動脈チューブと、静脈チューブとを備える血流回路を備えることができる。動脈チューブおよび静脈チューブは、患者血流系に連結可能であるように構成され得る。透析機は、透析液ポンプと、新しい透析液チューブと、使用済み透析液チューブとを備える透析液流回路を更に備えることができ、新しい透析液チューブおよび使用済み透析液チューブはダイアライザに連結可能であるように構成される。透析機は、また、アラーム状態を示す信号を受信機に送信するように構成されたアラーム・システムを備えていてもよい。受信機は、病院にある受信機、診療所にある受信機、医療監視サービスにある受信機、または別の救命センタにある受信機であってもよい。透析機アラーム・システムは、最も近い病院、透析診療所、救急センタまたは他の救命センタを決定し、そして適切な処置のために最も近い病院、透析診療所、救急センタまたは他の救命センタに自律乗り物を誘導するように構成され得る。救命状態のアラーム状態が始動された場合に救命センタへ誘導される。透析機アラーム・システムは、血流の圧力変化を監視するように構成された、動脈チャンバ変換器および静脈チャンバ変換器の少なくとも1つを備えることができる。一例では、透析機は少なくとも1つの血液ポンプを備えることができ、透析機アラーム・システムは血流回路に動脈チャンバ変換器を備えることができ、動脈チャンバ変換器は、これが閾値限界値外の圧力変化を登録した場合に、アラーム・システムが少なくとも1つの血液ポンプを停止させるように構成され得る。同様に、透析機は少なくとも1つの血液ポンプを備えることができ、透析機アラーム・システムは血流回路に静脈チャンバ変換器を備えることができ、静脈チャンバ変換器は、これが閾値限界値外の圧力変化を登録した場合に、アラーム・システムが少なくとも1つの血液ポンプを停止させるように構成され得る。
透析機は、血液ポンプと、ダイアライザと、患者血流系に連結可能であるように構成された動脈チューブと、患者血流系に連結可能であるように構成された静脈チューブと、緊急状態を示すために作動可能に構成された緊急状態アラーム・システムとを備える血流回路を備えることができる。緊急状態アラーム・システムは、作動時、自律乗り物制御システムが、適切な処置のために病院、透析診療所、救急センタまたは別の救命センタに自律乗り物を誘導するように構成され得る。たとえば、自律乗り物制御システムは、緊急状態アラーム・システムの作動時、自律乗り物制御システムが最も近い救命センタを決定し、そして、適切な処置のためにその最も近い救命センタに自律乗り物を誘導するように構成され得る。自律乗り物制御システムは、緊急状態アラーム・システムの作動時、自律乗り物制御システムが、最も近い救命センタを決定し、そのように決定された最も近い救命センタに通知を送り、適切な処置のためにその最も近い救命センタに自律乗り物を誘導するように構成可能であり、その通知は、緊急状態アラーム・システムの作動を始動させた緊急状態に関するものである。
透析機は、更に、動脈チューブ圧力センサと、静脈チューブ圧力センサと、動脈チューブ圧力センサおよび静脈チューブ圧力センサの一方または両方が、最大のそれぞれの閾値を超える、または最小のそれぞれの閾値を下回って降下する圧力を感知したとき、アラーム状態を示すように構成されたアラーム・システムとを備えることができる。透析機は、少なくとも1つの血液ポンプと、アラーム・システムとを備えることができ、アラーム・システムは、(1)低レベルのアラーム信号を受信したことに応答して少なくとも1つの血液ポンプの作動を停止させ、(2)緊急状態アラーム信号を受信したことに応答して最も近い救命センタに自律乗り物を誘導するように構成される。
自律乗り物は、更に、エンジンと、エンジン用の燃料源と、エンジンに利用可能な燃料の量を感知するように構成された燃料センサと、透析機用の透析制御装置とを備えることができる。透析制御装置は、ユーザが処方療法を透析機に入力することを可能にするように構成されたユーザ・インターフェースを備えることができる。透析機と自律乗り物制御システムとの間のインターフェースは、燃料センサと透析制御装置の間の電気的コミュニケーションを含むことができる。燃料センサは、エンジンを動かすのに利用可能な燃料の量を示す信号を透析制御装置に送るように構成可能であり、透析制御装置は、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、エンジンを動かす燃料が不十分である場合にユーザに通知するように構成され得る。透析制御装置は、処方療法を実施するために必要とされる時間の期間、自律乗り物を作動させるために必要とされる燃料の量を算出し、次いで、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、エンジンを動かす燃料が不十分である場合にユーザに通知するように構成され得る。透析制御装置は、測定された現在の消費率および予想される消費率に基づいて、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、自律乗り物および透析機を共に作動させるために必要とされる燃料の量を算出するように構成され得る。透析制御装置は、更に、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、エンジンを動かす燃料が不十分である場合、透析機が処方療法を実施するのを阻止するように構成され得る。
自律乗り物は、バッテリ作動式駆動エンジンと、バッテリ電力をこのエンジンに供給するように構成されたバッテリと、エンジンに利用可能なバッテリ電力の量を感知するように構成されたバッテリ・センサと、透析機用の透析制御装置とを備えることができる。透析制御装置は、ユーザが処方療法を透析機に入力することを可能にするように構成されたユーザ・インターフェースを備えることができる。透析機と自律乗り物制御システムの間のインターフェースは、バッテリ・センサと透析制御装置の間の電気的コミュニケーションを含むことができ、バッテリ・センサは、エンジンを動かすのに利用可能なバッテリ電力の量を示す信号を透析制御装置に送るように構成され得る。透析制御装置は、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、エンジンを動かすのにバッテリ電力が不十分である場合にユーザに通知するように構成され得る。透析制御装置は、処方療法を実施するために必要とされる時間の期間、自律乗り物を作動させるために必要とされるバッテリ電力の量を算出し、次いで、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、エンジンを動かすのにバッテリ電力が不十分である場合にユーザに通知するように構成され得る。更に、透析制御装置は、測定された現在の消費率および予想される消費率に基づいて、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、自律乗り物および透析機を共に作動させるために必要とされるバッテリ電力の量を算出するように構成され得る。透析制御装置は、更に、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、エンジンを動かすのにバッテリ電力が不十分である場合、透析機が処方療法を実施することを阻止するように構成され得る。
透析機は、再循環式透析液流体回路と、再循環式透析液流体回路と流体連通する吸着剤カートリッジとを備えることができる。自律乗り物は、エンジンと、エンジン冷却システムとを備えることができる。透析機は、少なくとも1つの流体流路を備えることができ、そのインターフェースは、少なくとも1つの流体流路を通って流れる1つまたは複数の流体を加熱するためにエンジン冷却システムからの熱を使用するように構成され得る。エンジン冷却システムは、エンジン冷却剤流路を備えることができ、そのインターフェースは、エンジン冷却剤流路と透析機の少なくとも1つの流体流路との間に熱交換コミュニケーションをもたらすことができる。透析機の少なくとも1つの流体流路は透析液流路を備えることができ、そのインターフェースは、エンジン冷却剤流路および透析液流路と熱的に通じる熱交換器を備えることができる。透析機は、透析液流体流路と、透析液流体流路内の透析液流体を加熱するために透析液流体流路と熱的に通じるヒータとを備えることができる。ヒータは、抵抗ヒータ、電気ヒータ、放射ヒータ、ペルチェ・ヒータなどであってもよい。
本発明の1つまたは複数の実施形態によれば、乗り物の内部と、自律乗り物制御システムと、透析機と、透析機と自律乗り物制御システムの間に電気的コミュニケーションをもたらすインターフェースとを備える自律乗り物が提供される。透析機は、自律乗り物が自律乗り物制御システムの制御下にある間、患者に対して透析治療を実行するように構成され得る。透析機は、たとえば、制御ユニットと、乗り物内部に固定式に取り付けられ且つ使い捨て可能な透析装置を受容するように構成された受容部とを備えることができる。自律乗り物は、乗り物電気システムを更に備えることができ、透析機は乗り物電気システムに配線接続され得る。透析機は、たとえば、第1の流路と、第1の流路から流体的に分離された第2の流路とを画定する成形されたプラスチック・マニホールドを備える使い捨て可能な透析装置を含むことができる。成形されたプラスチック・マニホールドは受容部によって受容され得る。使い捨て可能な透析装置は、更に、ダイアライザを備えることができ、成形されたプラスチック・マニホールドは複数のチューブに結合可能であり、チューブの少なくとも2つはダイアライザと流体連通する。ダイアライザ装着体が乗り物内部に固定式に取り付けられ、ダイアライザを透析機に対して固定式に係止するように構成され得る。使い捨て可能な透析装置は、更に、吸着剤カートリッジを備えることができ、成形されたプラスチック・マニホールドは複数のチューブに結合可能であり、このチューブの少なくとも2つは吸着剤カートリッジと流体連通する。カートリッジ装着体が乗り物内部に固定式に取り付けられ、吸着剤カートリッジを透析機に対して固定式に係止するように構成され得る。
透析機は、更に、内部面を有するドアと、乗り物の内部に組み込まれ且つパネルを含むハウジングとを備えることができる。ハウジングおよびパネルは、一緒になって、これらが、ドアの内部面を受容するように適合された窪んだ領域を画定するように構成され得る。受容部はパネルに固定式に取り付けられ得る。パネルは複数のポンプへのアクセスを提供するように構成可能であり、透析機は、更に、ポンプ、たとえば、少なくとも1つの血液ポンプおよび少なくとも1つの透析液ポンプを備えることができる。ポンプは、互いにほぼ平行に位置合わせして作動可能に位置決めされ、パネルはポンプへのアクセスをもたらすように構成され得る。ドアの内部表面は、ドアが閉位置にあるときにポンプと位置合わせされるポンプ・シューを備えることができる。ドアは外部面を有することができ、制御ユニットは、ドアの外部面に装着され得る。
透析機は、更に、流体の容器を受け入れるための表面を備えることができる。表面は、自律乗り物の床部またはシートに組み込まれ得る。スケールが表面に一体化され、表面上に配設された流体の容器を重量計測するように構成され得る。表面と熱的にコミュニケーションするヒータを設けることができ、伝導度センサが表面と電磁的コミュニケーション状態で設けられ得る。場合によっては、自律乗り物はダッシュ・ボードを備え、制御ユニットはダッシュ・ボード内またはダッシュ・ボード上に装着される。制御ユニットはグラフィカル・ユーザ・インターフェースを備えることができ、グラフィカル・ユーザ・インターフェースはダッシュ・ボード内またはダッシュ・ボード上に装着され得る。透析機は、更に、複数のコネクタと、電子回路要素とを備えることができる。電子回路要素は、プロセッサ・モジュールと、プロセッサ・モジュールと電気的にコミュニケーションするデータ収集モジュールと、データ収集モジュールと電子通信するインターフェース・モジュールとを備えることができる。電子回路要素は、ビデオ・モジュール、ビデオ・モジュールと電気的にコミュニケーションするタッチ・パネル要素、脈拍ディスプレイ、1つまたは複数の圧力ディスプレイ、心電図ディスプレイ、それらの組み合わせなどを含むことができる。複数のコネクタは、血圧デバイス入力、脈拍デバイス入力、EKGデバイス入力、それらの組み合わせなどを含むことができる。自律乗り物は、更に、液溜めを備えることができ、乗り物内部は床部を備えることができ、透析機は複数のコネクタを備えることができ、液溜めは床部に係止可能であり、また、液溜めは、液体が複数のコネクタの1つまたは複数から滴下した場合、コネクタから滴下した液体を捕えるように透析機に対して配置され得る。液溜めは床部に取り外し可能に係止され得る。液溜めは乗り物内のシートに取り外し可能に係止され得る。
本発明の1つまたは複数の実施形態によれば、乗り物は、ただし必ずしもそうである必要はないが、自律乗り物である。以下では、上記で説明した実施形態の一部と区別するために非自律乗り物と称されているが、以下で説明する特徴は、自律乗り物にも同様に組み込むことができ、そのようにすることは、本発明の範囲内であることを理解されたい。
非自律乗り物は、自動車、ハイブリッド・カー、航空機、列車、潜水艦、ヘリコプタ、船、ボート、宇宙機などを含むことができる。乗り物は、乗り物ナビゲーション・システムと、透析機と、透析機と乗り物ナビゲーション・システムの間に電気的コミュニケーションをもたらすインターフェースとを備えることができる。透析機は、乗り物が作動している間、患者に対して透析治療を実行するように構成され得る。透析機は、制御装置と、内部面を有するドアと、乗り物の内部に組み込まれパネルを含むハウジングであって、ハウジングおよびパネルが、ドアの内部面に面する窪んだ領域を画定するハウジングと、パネルに取り付けられ且つ使い捨て可能な回路受容部とを備えることができる。乗り物は、乗り物電気システムを更に備えることができ、透析機は、乗り物電気システムに配線接続され得る。乗り物は、乗り物の1つまたは複数の構成要素に電力供給するための少なくとも1つのバッテリを備えることができ、そのインターフェースは、少なくとも1つのバッテリと透析機の間に電気的なコミュニケーションをもたらすことができる。
乗り物ナビゲーション・システムは、所望の目的地をユーザが入力することができる入力デバイスを備えることができる。乗り物ナビゲーション・システムは、乗り物が所望の目的地に到達するために必要とされる時間を算出するように構成され得る。透析機は、ユーザが所望の処方療法を入力することができる入力デバイスを備えることができる。透析機は、また、乗り物ナビゲーション・システムによって算出された時間内で、入力された処方療法を完了するために必要とされる治療の速度を算出するように構成された制御ユニットも備えることができる。透析機制御ユニットは、更に、治療の算出された速度が許容可能な限界値内にあるかどうかを判定するように構成可能であり、そうである場合、透析機制御装置は、透析機が入力された処方療法を実施することを可能にするように構成され得る。制御ユニットが、治療の算出された速度が許容可能な限界値内にないと判定した場合、透析機制御ユニットは、透析機が入力された処方療法を実施することを阻止するように構成され得る。
透析機は、更に、送信機および受信機を備えることができる。送信機は透析機に関する無線信号を送信するように構成可能であり、受信機は透析機に関する無線信号を受信するように構成可能である。乗り物は、乗り物電気システムと、バッテリと、乗り物の運転中、バッテリを充電するためのオルタネータと、透析機専用のバックアップ・バッテリとを備えることができる。バックアップ・バッテリは、オルタネータと電気的に通じることができ、乗り物電気システムは、乗り物の運転中にバックアップ・バッテリを充電するように構成され得る。乗り物電気システムは、点火スイッチと、点火スイッチが切られた場合、バッテリ電力をバックアップ・バッテリから透析機に与えるように構成された点火スイッチ・バイパス回路とを備えることができる。
上述した自律乗り物と同様に、非自律乗り物内の透析機もまた、緊急状態を示すように作動可能に構成された緊急状態アラーム・システムを備えることができる。緊急状態アラーム・システムの作動時、乗り物ナビゲーション・システムは、乗り物を、適切な処置のために救命センタに誘導するようにされ得る。緊急状態アラーム・システムの作動時、乗り物ナビゲーション・システムは、最も近い救命センタを決定し、適切な処置のためにその最も近い救命センタに乗り物を誘導することができる。場合によっては、緊急状態アラーム・システムの作動時、乗り物制御システムは、最も近い救命センタを決定し、そのように決定された最も近い救命センタに通知を送り、適切な処置のためにその最も近い救命センタに乗り物を誘導することができる。通知は、緊急状態アラーム・システムの作動を始動させた緊急状態に関する。
透析機は、更に、動脈チューブ圧力センサと、静脈チューブ圧力センサと、動脈チューブ圧力センサおよび静脈チューブ圧力センサの一方または両方が、最大のそれぞれの閾値を超える、または最小のそれぞれの閾値を下回って降下する圧力を感知したとき、アラーム状態を示すように構成されたアラーム・システムとを備えることができる。透析機は、少なくとも1つの血液ポンプと、そのようなアラーム・システムとを備えることができる。アラーム・システムは、(1)低レベルのアラーム信号または高レベルアラーム信号を受信したことに応答して少なくとも1つの血液ポンプの作動を停止させ、(2)緊急状態アラーム信号を受信したことに応答して乗り物を最も近い救命センタに誘導するように構成され得る。透析機アラーム・システムは、更に、アラーム状態を示す信号を受信機に送信するように構成され得る。受信機は、病院にある受信機、診療所にある受信機、医療監視サービスにある受信機、または別の救命センタにある受信機であってもよい。透析機は、血液流路に、血流の圧力変化を監視するように構成された動脈チャンバ変換器および静脈チャンバ変換器の少なくとも1つを備えるアラーム・システムを含むことができる。
乗り物は、エンジンと、エンジン用の燃料源と、エンジンに利用可能な燃料の量を感知するように構成された燃料センサと、透析機用の透析制御装置とを備えることができる。透析制御ユニットは、ユーザが処方療法を透析機に入力することを可能にするように構成されたユーザ・インターフェースを備えることができ、透析機と乗り物ナビゲーション・システムの間のインターフェースは、燃料センサと透析制御ユニットの間に電気的コミュニケーションを含むことができる。燃料センサは、エンジンを動かすのに利用可能な燃料の量を示す信号を透析制御ユニットに送るように構成され得る。透析制御ユニットは、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、エンジンを動かす燃料が不十分である場合にユーザに通知するように構成され得る。場合によっては、透析制御装置は、処方療法を実施するために必要とされる時間の期間、乗り物を作動させるために必要とされる燃料の量を算出し、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、エンジンを動かす燃料が不十分である場合にユーザに通知するように構成され得る。透析制御ユニットは、測定された現在の消費率および予想される消費率に基づいて、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、乗り物および透析機を共に作動させるために必要とされる燃料の量を算出するように構成され得る。透析制御ユニットは、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、エンジンを動かす燃料が不十分である場合、透析機が処方療法を実施することを阻止するように構成され得る。
乗り物がバッテリ作動式駆動エンジンを備える場合、バッテリ電力をエンジンに供給するためにバッテリが設けられる。バッテリ・センサは、エンジンに利用可能なバッテリ電力の量を感知するように構成可能であり、透析機用の透析制御ユニットは、ユーザが処方療法を透析機に入力することを可能にするように構成されたユーザ・インターフェースを備えることができる。透析機と乗り物ナビゲーション・システムの間のインターフェースは、バッテリ・センサと透析制御ユニットの間の電気的コミュニケーションを含むことができる。バッテリ・センサは、エンジンを動かすのに利用可能なバッテリ電力の量を示す信号を透析制御ユニットに送るように構成可能であり、透析制御ユニットは、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、エンジンを動かすバッテリ電力が不十分な場合にユーザに通知するように構成され得る。透析制御ユニットは、処方療法を実施するために必要とされる時間の期間、乗り物を作動させるために必要とされるバッテリ電力の量を算出し、次いで、必要とされる時間の間、エンジンを動かすバッテリ電力が不十分である場合にユーザに通知するように構成され得る。透析制御ユニットは、測定された現在の消費率および予想される消費率に基づいて、処方療法を実施するために必要とされる時間の間、乗り物および透析機を共に作動させるために必要とされるバッテリ電力の量を算出するように構成され得る。透析制御ユニットは、更に、療法を実施するために必要とされる時間の間、エンジンを動かすバッテリ電力が不十分である場合、透析機が処方療法を実施することを阻止するように構成され得る。
上述した自律乗り物と同様に、非自律乗り物は、更に、液溜めを備えることができる。乗り物内部は床部を備えることができ、透析機は複数のコネクタを備えることができ、液溜めは、コネクタの1つまたは複数が漏出した場合、コネクタから滴下したあらゆる液体を捕えることができるような透析機に対する位置において床部に係止され得る。液溜めは、床部に取り外し可能に係止される、乗り物内のシートに取り外し可能に係止される、乗り物のトランク内に取り外し可能に係止されるなどが可能である。
乗り物は、更に、ダッシュ・ボードを備えることができ、透析機は、ダッシュ・ボード内またはダッシュ・ボード上に装着されたグラフィカル・ユーザ・インターフェースを備えることができる。透析機は、更に、電子回路要素に関連付けられた正面パネルを備えることができる。電子回路要素は、プロセッサ・モジュール、プロセッサ・モジュールと電気的にコミニュケーションするデータ収集モジュール、データ収集モジュールと電子通信するインターフェース・モジュール、ビデオ・モジュール、ビデオ・モジュールと電気的にコミニュケーションするタッチ・パネル要素、脈拍ディスプレイ、EKGディスプレイ、それらの組み合わせなどを含むことができる。透析機は、更に、血圧デバイス入力、脈拍デバイス入力、EKGデバイス入力、それらの組み合わせなどを備える複数のコネクタに関連付けられた正面パネルを備えることができる。
図1を参照して、図1は、本発明の1つまたは複数の実施形態に従う車両の内部100の正面図である。車両は、自律車両であってもよいが、そうである必要はない。車両は、ダッシュ・ボード102と、ダッシュ・ボード102内またはダッシュ・ボード102上に装着された透析機104と、透析機104および車両ナビゲーション・システムをプログラムするために使用され得るユーザ・インターフェース106とを含む。ユーザ・インターフェース106は、キーボード108と、ディスプレイ・スクリーン110と、マイクロホンと、ディスプレイ・スクリーン110を制御するためのクイック制御ボタン136とを含むことができる。ディスプレイ・スクリーン110は、ユーザ・プロンプト、問い合わせ、指示、およびそのような情報をユーザに表示するための共有ディスプレイ・スクリーンであってもよい。ディスプレイ・スクリーン110は、たとえば、クイック制御ボタン136の1つまたは複数の機能として分割され得る。ナビゲーション情報112および透析療法情報114は、分割スクリーン機能を用いて同時に表示され得る。1つまたは複数のボタンまたは特徴が、情報を入力するために使用され得る音声操作システムへのアクセスを得るために含まれ得る。情報は、たとえば、車両ナビゲーション指示、透析療法指示、他の情報、それらの組み合わせなどを含むことができる。
透析機104は、血液ポンプ120と、透析液ポンプ122と、ダイアライザ124と、吸着剤カートリッジ126と、抗凝固剤注入システム128と、圧力センサ130と、滴下チャンバ132とを備えることができる。透析機構成要素の1つまたは複数は、使い捨て可能品として提供され得る。透析機構成要素の多くは、使い捨て可能キットとして一緒にして提供され得る。
透析機104が中に装着される車両はナビゲーション・システムを含むことができ、その情報は、ディスプレイ・スクリーン110に表示され得る。図1において、ナビゲーション情報112は、ディスプレイ・スクリーン110の右手側に表示され、ディスプレイ・スクリーン110は、分割スクリーン・ディスプレイに合わせて構成される。ディスプレイ・スクリーン110の左手側は、透析機104によって実施される透析療法に関する情報、ユーザ・プロンプト、問い合わせ、指示などを表示することができる。
図示しないドアが、透析機104を、ダッシュ・ボード102内に設けられた窪み150内に閉じ込め保護するために使用され得る。透析機104へのアクセスは、たとえばドアのロックによって、または例えばグローブ・ボックス134内に配設されたハンドルを含むラッチによって得られ得る。
透析機104の透析液回路は、リザーバへのライン140と、リザーバからのライン142とを含むことができ、これらのラインは、遠隔リザーバ(図示せず)と流体連通する。遠隔リザーバは、たとえば、グローブ・ボックス134内、車両のトランク内、車両の後方シート内、助手席内、ダッシュ・ボード内のどこかに装着して、または車両の別の適切な場所内に配設され得る。リザーバは、ヒータ、スケールまたはその両方に作動的に関連付けられ得る。たとえば、リザーバは、ヒータおよびスケールの上部に配設され得る。透析機104は、更に、透析機104を患者に連結するために、患者からの静脈カテーテル・ライン144と、患者への動脈カテーテル・ライン146とを含むことができる。静脈カテーテル・ライン144および動脈カテーテル・ライン146は、使い捨て可能キット内に、たとえば、ダイアライザ124と、吸着剤カートリッジ126と、抗凝固剤注入システム128と、滴下チャンバ132と、相互連結配管とを更に含むキット内に含まれ得る。任意の数のさまざまに異なる使い捨て可能キットが、透析機104と協働して作動するように構成可能であり、その多くが、以下に説明される。さまざまに異なるキットが、さまざまに異なる療法を実施するために提供され得る。
車両の作動に関する情報は、車両作動情報ディスプレイパネル138に表示され得る。この情報は、たとえば、速度、rpm、油温度、油圧力、外側温度などを含むことができる。本発明の1つまたは複数の実施形態によれば、車両ナビゲーション・システムおよび透析機104は、車両が患者を目的地まで輸送する間、透析療法を患者に対して実施することができるようにインターフェース接続され得る。
図2は、本発明の1つまたは複数の実施形態に従う車両シート200の正面図である。車両シート200は、その中に組み込まれた透析機204を含む。透析機204は、車両シート200内に形成された窪み250内に設置され、または全体的もしくは部分的に埋め込まれる。図示の実施形態では、透析機204は、車両シート200のバックに埋め込まれるが、他の位置を使用することもできる。
車両シートは自律車両内に設けることができるが、車両は、自律式である必要はない。透析機204には、ユーザ・インターフェースを設けることができるが、例示的な実施形態では、ユーザ・インターフェースは、タッチ・スクリーンを含むことができ、たとえば、ディスプレイ・スクリーン210は、また、透析機204をプログラムするために使用され得るタッチ・スクリーン入力デバイスとしても使用され得る。透析機204は、車両ナビゲーション・システムとインターフェース接続可能であり、それにより、車両が、要求された療法を完了することができる前に所望の目的地に到達すると予想される場合、療法は承認されない。図示しないが、ユーザ・インターフェースは、また、またはその代わりに、キーボード、マイクロホン、ジョイ・スティック、それらの組み合わせなどであってもよい。
ディスプレイ・スクリーン210は、少なくとも部分的に、クイック制御ボタン236によって制御され得る。ディスプレイ・スクリーン210は、ユーザ・プロンプト、問い合わせ、指示、およびそのような情報を表示するための共有ディスプレイ・スクリーンであってもよい。ディスプレイ・スクリーン210は、たとえば、クイック制御ボタン236の1つまたは複数の機能として分割され得る。図2では、透析療法情報214のみがディスプレイ・スクリーン210に表示されているが、ナビゲーション情報および透析療法情報は、分割スクリーン機能を用いて同時に表示され得ると理解されたい。1つまたは複数のボタンまたは特徴(feature)が、情報を入力するために使用され得る音声操作システムへのアクセスを得るために含まれ得る。情報は、たとえば、車両ナビゲーション指示、透析療法指示、他の情報、それらの組み合わせなどを含むことができる。
透析機204は、血液ポンプ220と、透析液ポンプ222と、ダイアライザ224と、吸着剤カートリッジ226と、抗凝固剤注入システム228と、圧力センサ230と、滴下チャンバ232とを備えることができる。透析機構成要素の1つまたは複数は、使い捨て可能品として提供され得る。透析機構成要素の多くは、使い捨て可能キットとして一緒にして提供され得る。
車両シート200および透析機204が中に装着される車両は、ナビゲーション・システムを含むことができ、その情報をディスプレイ・スクリーン210に表示することができ、たとえば、ナビゲーション情報は、ディスプレイ・スクリーン210の右手側に表示することができ、一方で療法情報は、ディスプレイ・スクリーン210の左手側に表示することができる。情報は、透析機204によって実施される、または実施されている透析療法に関する、ユーザ・プロンプト、問い合わせ、指示、警告、アラーム信号などを含むことができる。
図示しないドアが、透析機204を、窪み250内に閉じ込め保護するために使用され得る。透析機204へのアクセスは、たとえば、ドアのロック、または、たとえばハンドルを含むラッチによって得られ得る。ヒンジが、車両シート200の縁252から離間して、又はその近くに設けられ得る。ヒンジは、ドアを窪み250にまたは車両シート200のどこかにヒンジ式に取り付けるために設けられ得る。
透析機204の透析液回路は、リザーバへのライン240と、リザーバからのライン242とを含むことができ、これらのラインは、リザーバ260と流体連通する。リザーバは、代替的に、たとえば、グローブ・ボックス内、車両シート200の下方、車両のトランク内、車両の後方シート内、車両の助手席内、貨物スペース内、または車両の別の適切な場所内に配設され得る。リザーバは、ヒータ、スケールまたはその両方に作動的に関連付けられ得る。たとえば、図示するように、加熱および重量計測システム270が、リザーバ260の内容物を加熱し、重量計測するためにリザーバ260の下方に設けられ得る。伝導度センサ272も、また、リザーバ内の透析液の伝導度を測定するために設けられ得る。
透析機204は、更に、透析機204を患者に連結するために、患者からの静脈カテーテル・ライン244と、患者への動脈カテーテル・ライン246とを含むことができる。患者は、たとえば、療法中、車両シート200のすぐ後方のシートに座ることができる。静脈カテーテル・ライン244および動脈カテーテル・ライン246は、使い捨て可能キット内に、たとえば、ダイアライザ224と、吸着剤カートリッジ226と、抗凝固剤注射システム228と、滴下チャンバ232と、相互連結配管とを更に含むキット内に含まれ得る。任意の数のさまざまに異なる使い捨て可能キットが、透析機204と協働して作動するように構成可能であり、その多くが、以下に説明される。さまざまに異なるキットが、さまざまに異なる療法を実施するために設けられ得る。
図3は、ユーザが目的地に走行している間に完了されるべき透析の処方療法を、ユーザが入力することを可能にするためのプロセスを示す流れ図である。最初、ユーザは、実施されるべき処方療法および目的地を入力することができる。処方治療または目的地のいずれかを最初に入力することができるが、図3は、第1のステップ300として処方療法を入力するステップを示し、次に、目的地を入力するためのステップ302が続く。療法および/または目的地は、音声操作、キーボード、タッチ・スクリーン、ジョイ・スティック、それらの組み合わせなどを用いて入力され得る。車両ナビゲーション・システムには、プロセッサと、全地球測位システム(GPS)とが設けられており、これらは、ステップ304に示すように、到着時間を算出するために一緒に用いられる。走行中、算出された到着時間に対する調整を行うことができ、1つまたは複数の訂正された到着時間が表示される。
ステップ306に示すように、プロセッサは、入力された処方療法および算出された到着時間に基づいて、要求された治療が、到着時間前に完了できるかどうかを判定することができる。そうである場合、透析機ディスプレイ・スクリーンが、ステップ308に示すように、「療法を進めるためにSTARTを押す」などのメッセージを表示するために使用される。プロセッサが、ステップ306において、要求された療法を到着時間の前に完了できないと判定した場合、ディスプレイに、ステップ310に示すように「到着までの時間は療法を完了するには不十分である」などのメッセージを示すことができる。プロセッサ、または関連付けられたデータストア、メモリ、もしくは他のデータ源が、算出された到着時間の前に完了することができるオプションの療法が利用可能であると示す場合、プロセッサは、ディスプレイに、ステップ312に示すように、「到着前に完了できる療法を示すか?」などのメッセージを示すことができる。利用可能な代替療法が存在する場合、システムは、さまざまに異なるオプションを表示するように構成可能であり、ユーザは、代替療法の1つを選択するまたはプログラミングをキャンセルするように促される。ユーザが、利用可能である代替療法のリストを見ることを望まない場合、ユーザは、ステップ314の問い合わせに応答して「NO」を入力することができ、それに応答して、システムは、ステップ316に示すように「GOを押して目的地に進む」などのメッセージを表示するように構成され得る。
代替療法が利用可能であり、ユーザがそれらを見ることを望む場合、ユーザは、ステップ314の問い合わせに応答して「YES」コマンドを入力することができ、プロセッサは、到着時間までに完了することができる代替療法を算出し、表示することができる。療法を算出することがステップ318に示され、療法を表示することがステップ320に示されている。代替療法が表示されると、ユーザは、代替療法の1つを選択するよう促され、この選択をステップ322で入力することができる。代替療法が選択された後、ディスプレイは、ステップ324に示すように「療法を進めるためにSTARTsを押す」などのメッセージを示すことができる。
図4は、目的地まで走行する間に完了されるべき透析の処方された治療を、ユーザが入力することを可能にするためのプロセスを示す流れ図である。図4に示すプロセスでは、車両情報システムは、透析機制御システムとインターフェース接続され、プロセッサは、要求された透析治療を完了するために必要とされる時間の間、車両を作動させるための十分な燃料、バッテリ電力、他のエネルギー源、またはそれらの組み合わせが存在するかどうかを判定するために使用される。多くのエネルギー源が使用され得るが、供給源は、図4では燃料(または電力)として例示される。図4に示すように、透析療法のための処方を、ステップ400に示すように、プロセッサに入力することができる。プロセッサは、次いで、利用可能な燃料の量、バッテリ電力の量、他のエネルギー源の量、またはそれらの組み合わせに基づいて、車両が、必要な時間の間作動するのに十分な燃料、バッテリ電力、エネルギー源などを有するかを算出することができる。この算出はステップ402に示されている。燃料および/またはバッテリ電力が、要求された処方療法を完了するために必要とされる量と比較されると、プロセッサは、次いで、ステップ404に示す問い合わせに、すなわち、車両が十分な燃料および/またはバッテリ電力を有するかどうかに応答することができる。十分な燃料および/またはバッテリ電力が存在する場合、プロセッサは、信号を送って、ステップ406において示すように「療法を進めるためにSTARTを押す」などのメッセージを表示することができる。
プロセッサが、ステップ404において、要求された治療が、利用可能な燃料または電力に基づいて完了することができないと判定した場合、ディスプレイは、ステップ408に示すように、「治療を完了するには燃料(または電力)が不十分である」などのメッセージを示すことができる。プロセッサ、または関連付けられたデータストア、メモリ、または他のデータ源が、利用可能な燃料または電力で完了することができるオプション療法が利用可能であると示す場合、プロセッサは、ディスプレイに電力供給して、ステップ410に示すように「利用可能な燃料(または電力)で完了できる療法を示すか?」などのメッセージを示すことができる。利用可能な代替療法が存在する場合、システムは、さまざまに異なるオプションを表示するように構成可能であり、ユーザは、代替療法の1つを選択するまたはプログラミングをキャンセルするように促される。ユーザが、利用可能である代替療法のリストを見ることを望まない場合、ユーザは、ステップ412の問い合わせに応答して「NO」を入力することができ、それに応答して、システムは、ステップ414に示すように「療法はキャンセルされた」などのメッセージを表示するように構成され得る。
代替療法が利用可能であり、ユーザがこれらを見ることを望む場合、ユーザは、ステップ412の問い合わせに応答して「YES」コマンドを入力することができ、プロセッサは、利用可能な燃料または電力に基づいて完了することができる代替療法を算出し、表示することができる。療法を算出することがステップ416に示され、療法を表示することがステップ418に示されている。代替療法が表示されると、ユーザは、代替療法の1つを選択するよう促され、この選択をステップ420において入力することができる。代替療法が選択されと、ディスプレイは、電力供給されて、ステップ422に示すように「療法を進めるためにSTARTを押す」などのメッセージを示すことができる。
図5は、アラーム信号に応答して1つまたは複数の透析機および/または車両の動作を可能にするためのプロセスを示す流れ図である。以下で詳細に説明するように、車両内に組み込まれた透析機には、1つまたは複数のアラーム状態をそれぞれ示す1つまたは複数のアラーム信号を生成するように構成されたアラーム・システムが設けられるのがよい。従来の透析機と同様に、透析機には、漏出、閉塞、気泡、圧力損失、連結解除、圧力上昇、血液脈拍、心電図、または他の状態およびパラメータを検出するためのセンサが設けられるのがよい。多くの場合、低レベルのアラーム信号が、ユーザによって容易に是正され得る状態に対して生成され得る。しかし、場合によっては、より深刻な状態は、緊急状態アラーム信号を始動させることができ、これは、たとえば、応急手当てを必要とし、ユーザが是正できない厳しい状況を示す。緊急状態アラーム信号を始動させ得る例示的な状態は、脈拍の欠如、心拍の欠如、動脈圧力の欠如、または車両衝突である。図5に示すように、アラーム・システムは、ステップ500においてアラーム信号を受信し、ステップ502に示すように、アラーム信号が緊急状態信号であるかどうかを判定するようにプログラムされる。アラーム信号が緊急状態アラーム信号である場合、アラーム・システムは、ステップ504に示すように、最も近い救命センタを算出し、ステップ506に示すように、車両を最も近い救命センタまで誘導するように構成される。アラーム・システムは、ステップ508に示すように、「最も近い救命センタまで進む」などのメッセージを表示することができる。アラーム・システムは、更に、ステップ510に示すように、たとえば、車両が誘導されている最も近い救命センタの名称、住所、および電話番号を表示することによって追加の情報を提供するように構成される。アラーム・システムは、ヘルプ・ホットラインまたは911を自動的に呼び出すように構成されてもよい。
アラーム・システムが、ステップ502において、アラーム信号が緊急状態に関するものではないと判定した場合、アラーム・システムは、ステップ512に示すように血液ポンプを停止させ、ステップ514に示すように「連結を確認、閉塞を確認、気泡を確認」などのメッセージを表示するように構成され得る。ユーザは、こうして、ステップ516に示すように、たとえば、連結を再確立する、気泡を除去する、静脈、動脈などのカテーテルの位置を調整するなどの必要な処置を取るよう促される。必要な処置を行った後、ユーザは、次いで、「進む」コマンドを入力することができ、アラーム・システムは、次いで、低レベルのアラーム信号を引き起こした状態に関するテストをすることができる。状態に関するテストを行うことがステップ518に示される。ステップ520で問い合わせされるように、この状態が是正された場合、アラーム・システムは、ステップ522に示すようにリセットされ得る。しかし、この状態が、ユーザの是正処置に応答して是正されない場合、システムは、ステップ514に示すように、「連結を確認、閉塞を確認、気泡を確認」などのメッセージを再度表示するように構成可能であり、是正処置の手順が繰り返され得る。所定の回数の試みの後、ユーザの是正処置がアラーム状態を是正しない場合、ユーザは、最も近い救命センタに進むよう促される。
図6〜図19は、乗り物に含まれ且つ本発明の方法において使用され得る多様な使い捨て可能なキット、機械類、機械およびシステムの構成要素、流体流路、ならびに関連する特徴を示す。本発明にまたはその一部に使用され得る他の構成要素、機械類、システムおよび方法は、Fulkersonらの米国特許出願公開第2011/0315611 A1号、およびBedingfieldらの米国特許出願第2010/0022937 A1号に説明されたものを含み、これら文献は、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる。更に、本発明にまたはその一部に使用され得る他の透析構成要素、機械類、システムおよび方法は、Slovakらの米国特許第4,353,368号に説明されたものを含み、この文献は、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる。更に、本発明にまたはその一部に使用され腹膜透析に関連する他の透析構成要素、機械類、システムおよび方法は、Haightらの米国特許第6,129,699号、Haightらの米国特許第6,234,992 B1号、Piccirilloの米国特許第6,284,139 B1号に説明されたものを含み、これらの文献は、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる。また、本発明にまたはその一部に使用され得る乗り物の自律制御のための構成要素、機械類、システム、および方法は、Nagaiらの米国特許出願公開第2001/0055063A1号、Trepagnierらの米国特許出願公開第2012/0316725A1号、Trepagnierらの米国特許出願公開第2012/0101680A1号、Trepagnierらの米国特許出願公開第2012/0035788A1号、Trepagnierらの米国特許出願公開第2010/0106356A1号、Trepagnierらの米国特許出願公開第2007/0219720A1号、およびBiberらの米国特許出願公開第2012/0179321A1号に説明されたものを含み、これらの文献は、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる。
図6は、本発明の乗り物において使用され得る限外ろ過治療システム2800の実施形態を示す機能ブロック図である。図6に示すように、患者からの血液は、血液入口ポート2803を介して血液ろ過器カートリッジ2804内に血液を押し込むぜん動血液ポンプ2802などのポンプによって、血液入口配管2801内に引き込まれる。入口および出口の圧力変換器2805、2806は、血液ポンプ2802の直ぐ前後に直列で連結される。血液ろ過器2804は、血液から限外ろ過されるべき過剰な流体を、対流によって通過させることを可能にする半透過性膜を備える。限外ろ過された血液は、患者に点滴して戻すために、血器出口ポート2807を通って血液ろ過器2804から出て血液出口配管2808内へと更に圧送される。クランプ2809、2810などの調節器が、配管2801および2808において使用されてそこを通る流体の流れを調節する。
圧力変換器2811が、血液出口ポート2807の近くに連結され、その後圧力変換器2811の下流側に気泡検出器2812が続く。ぜん動ポンプ2813などの限外ろ過液ポンプは、限外ろ過液廃棄物をUF(限外ろ過液)出口ポート2814を介して血液ろ過器2804からUF出口配管2815内に引き込む。圧力変換器2816および血液漏出検出器2817が、UF出口配管2815内に移される。限外ろ過液廃棄物は、最終的には、歩行可能な患者の脚部に取り付けられ間欠的に空にすること可能にするドレンポートを装備した、フラスコまたは軟質バッグなどの廃棄物収集リザーバ2818内に圧送される。生成された限外ろ過液廃棄物の量は、スケール2819または流量メータを含む任意の測定技術を用いて監視され得る。マイクロ制御器2820は、血液およびUFポンプ、圧力センサならびに空気および血液漏出検出器の機能を監視し、管理する。ルアー・スリップおよびルアー・ロックなどの標準的なルアー連結が、配管をポンプ、血液ろ過器、および患者に連結するために使用される。
透析システムの実施形態において実施するまたは使用することができる別の血液および透析液回路が図7に示されている。図7は、血液透析および血液ろ過を行うために使用される、体外血液処理システム2900用の流体回路を示す。本発明の1つの実施形態では、システム2900は、透析を家庭で行うために患者によって使用され得る携帯用透析システムとして実施される。血液透析システムは、2つの回路、すなわち血液回路2901および透析液回路2902を備える。透析中の血液治療は、半透過性膜、ヘモダイアライザまたはダイアライザ2903を有する交換器を通した体外循環を伴う。患者の血液は、血液回路2901内の、膜(ダイアライザ)2903の1つの側で循環され、医師によって処方された濃度の血液の主要電解質を含む透析液は、透析液回路2902内の他方の側で循環される。透析液流体の循環は、したがって、血液中の電解質濃度の調節および調整をもたらす。
不純血液を血液回路2901内のダイアライザ2903に輸送する、患者からのライン2904には閉塞検出器2905が設けられ、閉塞検出器2905は、一般的に、視覚アラームまたは可聴アラームに繋げられて血流に対するあらゆる妨害を信号で伝える。血液の凝固を防止するために、ヘパリンなどの抗凝固剤を血液に注入するためのポンプ、シリンジ、または任意の他の注射器具などの送達手段2906も設けられる。ぜん動ポンプ2907もまた、正常な(所望の)方向の血液の流れを確実にするために設けられる。
不純血液がダイアライザ2903に入る入口に圧力センサ2908が設けられる。他の圧力センサ2909、2910、2911および2912は、血液透析システム内のさまざまな位置に設けられて、それぞれの回路内の特有の地点において流体圧力を追跡し、所望のレベルに維持する。
ダイアライザ2903からの使用済み透析液流体が透析液回路2902に入る地点において、血液漏出センサ2913が、透析液回路内への血液細胞のあらゆる漏出を感知し警告するために設けられる。バイパス弁2914の対もまた、透析液回路の開始点および終了点に設けられ、それにより、起動状態の下、または機械的状態または操作者によって必要とみなされる他の状態の下、ダイアライザを透析液流体の流れから迂回させることができるが、透析液流体の流れは、依然として、たとえばフラッシングまたはプライミング作動のために維持され得る。別の弁2915が、プライミング/ドレンポート2916のすぐ前に設けられる。ポート2916は、最初に回路を透析液溶液で充填するために使用され、使用された透析液流体を、透析後、および場合によっては透析中に除去するために使用される。透析中、弁2915は、高濃度を有する使用された透析液の部分、たとえばナトリウムを適切な濃度の補充流体と置き換えるために使用されてよく、それにより、透析液の全体成分濃度は、所望のレベルで維持される。
透析液回路には、2つのぜん動ポンプ2917および2918が設けられる。ポンプ2917は、透析液流体をドレインまたは廃棄物容器に圧送するために、ならびに再生された透析液をダイアライザ2903内へと圧送するために使用される。ポンプ2918は、使用済み透析液をダイアライザ2903から吸い込み、吸着剤2919を通る流体圧力を維持し、透析流体をポート2916から吸い込んでシステムを充填し、または透析液中の成分濃度を維持するために使用される。
吸着剤カートリッジ2919が透析液回路2902に設けられる。吸着剤カートリッジ2919は複数の層の材料を含み、その各々は、尿素およびクレアチニンなどの不純物を除去する役割を有する。これらの層状の材料の組み合わせは、飲料に適した水を透析液流体として使用するためにシステム内に充填することを可能にする。これはまた、閉ループ透析も可能にする。すなわち、吸着剤カートリッジ2919は、ダイアライザ2903から到来する使用済み透析液から新しいな透析液を再生することを可能にする。新しい透析流体のために、0.5、1、5、8または10リットルなどの適切な容量の内張りされた容器またはリザーバ2920が、設けられる。
患者の要求事項に応じて、また医師の処方に基づいて、所望の量の注入溶液2921が透析流体に加えられ得る。注入液2921はミネラルおよび/またはグルコースを含有する溶液であり、これらは、吸着剤による望ましくない除去後に透析流体中のカリウムおよびカルシウムのようなミネラルをあるレベルに補充することを助ける。ぜん動ポンプ2922は、所望の量の注入溶液2921を容器2920に圧送するために設けられる。あるいは、注入溶液2921は、リザーバ2920から流出ライン内に圧送され得る。カメラ2923が、任意選択により、注入溶液の流れ不具合の安全性確認警告として注入溶液の変化する液体レベルを監視し、かつ/または透析手順に使用される添加剤に関連付けられたバー・コードを走査するバー・コード・センサとして機能するために設けられる。
ヒータ2924が、容器2920内の透析液流体の温度を要求レベルに維持するために設けられる。透析液流体の温度は、流体がダイアライザ2903に入るすぐ前に位置する温度センサ2925によって感知される。容器2920は、また、容器2920内の流体の重量、したがって体積の追跡を保つためのスケール2926と、透析液流体の伝導度を判定し監視する伝導度センサ2927とを備えている。伝導度センサ2927は、透析液中のナトリウムのレベルを示す。
医療ポート2929が、患者からの血液が透析のためにシステムに入る前に設けられている。別の医療ポート2930が、ダイアライザ2903からのきれいな血液が、患者に戻される前に設けられている。空気(または泡)センサ2931およびピンチクランプ2932が回路内で使用され、あらゆる空気、ガス、またはガス泡を検出し、これらが患者に戻されることを防止する。
プライミング・セット2933が透析システム2900に取り付けられ、プライミング・セット2933は、血液回路2901を、これが透析に使用される前に殺菌生理食塩水で満たすことによってシステムを準備することを助ける。プライミング・セットは、IVバッグ・スパイクまたはIV針または両方が事前に取り付けられた組み合わせを備えた配管の短いセグメントからなることができる。
前述した実施形態の特定のものは、抗凝固剤の注入または投与を受け入れ、それによって空気−血液インターフェースを作り出すポートの組み込みおよび使用を開示しているが、そのようなポートは、デバイスが、入口および出口のポートにおいて血液凝固を最小限に抑えながら作動することができる場合は省いてもよいと理解されたい。以下に更に説明するように、特にマニホールド・ポートの内部設計に関するマニホールド設計は、血液凝固のリスクを最小限に抑え、それによって抗凝固剤の注入または投与を受け入れるための空気−血液インターフェースを省くオプションを作り出す。
当業者は、上記の論議から、血液透析および/または血液ろ過システム用の例示的な流体回路が複雑であると推測するであろう。従来のようにして実施される場合、システムは、配管のメッシュとして表われ、家庭の透析ユーザが構成し使用するには複雑すぎることがある。したがって、患者が家庭で使用するためにシステムを簡単かつ容易にするために、本発明の実施形態は、流体回路をコンパクトなマニホールドの形態で実装し、この形態では、流体回路のほとんどの構成要素は、成形されたプラスチックの単一部分に、または単一の作動可能なマニホールド構造を形成するよう一緒に連結するように構成された成形されたプラスチックの複数部分に集積される。
図8は、本発明の1つの実施形態によるコンパクトなマニホールド用の流体回路の詳細を示す図である。流体回路は、上部制御ユニット内のポンプおよび上部制御ユニットドア内のポンプ・シューと圧力連通する4つのポンプ・チューブ・セグメント3301、3302、3303、および3304を備える。これは、更に、圧力センサ3305、3306、3307、3308および3309と圧力連通する5つの圧力膜と、温度センサ3310と熱的に又は光的に通じる領域とを備える。図8に示す実施形態では、3311、3312および3313で示される3つの対の膜が、マニホールド内に内蔵される。膜は、これらが制御ユニットからのピン、部材、または突起部によって閉塞されるとき、弁として機能する。
このようにしてグループ化されるとき、6つの1方向弁の対は、3つの2方向弁組立体3311、3312、および3313を形成する。2方向弁は、回路の構成を制御するのにより優れた柔軟性をもたらす。従来の2方向弁が流体通路の部分を閉塞するために使用されるとき、これらは、通常、2つの異なる流体通路、すなわち第1の弁状態のための1つおよび第2の弁状態のための1つを可能にするように構成される。以下に開示する特定の弁実施形態は、マニホールド内に内蔵された弁膜または圧力点と組み合わせて用いられsて、より繊細な制御を可能にし、それによって4つのはっきりと異なる流体流路を作り出すことを可能にする。
ポンプ・チューブ・セグメント3301、3302、3303、3304はコンパクトなマニホールド内に結合される。いくつかのポートがマニホールドに設けられ、マニホールド外部のチューブと連結してさまざまな流体のマニホールド内およびマニホールド外への流れを可能にする。これらのポートは、流体を以下のように運ぶために、血液浄化システム内のさまざまなチューブに連結される。
ポートA3315−血液をダイアライザ430へ
ポートB3316−ダイアライザ出力(使用された透析液)
ポートC3317−血液を患者から
ポートD3318−血液中で混合するためのヘパリン
ポートE3319−リザーバ出力(新しい透析液)
ポートF3320−ダイアライザ入力(新しい透析液)
ポートG3321−ダイアライザ出力(血液)
ポートH3322−患者に戻る(きれいな血液)
ポートJ3323−プライムおよびドレインラインに連結する
ポートK3324−リザーバ注入液入力
ポートM3325−注入液をリザーバから
ポートN3326−透析液の流れを吸着剤内へ
1つの実施形態では、マニホールド構造3300内に成形された通路として形成されたチューブセグメントは、ポートD3318を介して入るヘパリンの流体流れを、ポートC3317を介して入る血液の流体流れに連結する。組み合わされたヘパリンおよび血液は、ポート3317aを通り、ポンプ・セグメント3301を介して、マニホールド3300のポート3317bに流入する。圧力変換器が、マニホールド構造3300内に形成された膜3305と物理的に連通し、膜3305は、更に、血液およびヘパリンの流体をポートA3315を介して通過させる。ポートA3315においてマニホールド3300から出た流体の流れは、マニホールド3300の外部にあるダイアライザ3330を通過する。透析された血液は、ポートG3321を通ってマニホールド3300内に戻され、マニホールド構造3300内に成形された通路として形成された、圧力変換器と物理的に連通するセグメント3307に入る。流体は、次いで、セグメントからポートH3322を通り、患者戻りラインへと進む。
これとは別に、透析流体は、リザーバからポートE3319を介してマニホールド3300に入る。リザーバ内の流体は注入液をその中に有し、注入液は、最初、ポートM3325を介してマニホールド3300に入り、マニホールド構造3300内に成形された通路として形成されたセグメントを通過し、別のポート3325aを通り、ポンプと連通するセグメント3302を通り、ポート3325bを介してマニホールド3300内に戻る。注入液は、マニホールド構造3300内に成形された通路として形成されたセグメントを通過し、ポートK3324においてマニホールド3300から退出し、ここで注入液はリザーバ内へと進む。ポートE3319を介してマニホールドに入った透析流体は、マニホールド構造3300内に成形された通路として形成されたセグメントを通過し、別のポート3319aを通り、ポンプと連通するセグメント3303を通り、ポート3319bを介してマニホールド3300内に戻る。
透析液流体は、マニホールド構造3300内に成形された通路として形成された、弁の対3311と物理的に連通するセグメント内へと進む。マニホールド構造3300内に成形された通路として形成されたセグメントは、透析液流体を別の弁の対3313へと進める。セグメントは、圧力変換器3308および光学温度センサ3310と物理的に連通する。透析液流体は、ポートF3320を介してマニホールド3300の外に、そしてダイアライザ3330内へと進むライン内へと進む。
ダイアライザ3330から出たラインは、流体を、ポートB3316を通り、マニホールド構造3300内に戻し、マニホールド構造3300内に成形された通路として形成された且つ弁の第1の対3311、弁の第2の対3312、および圧力変換器3306と物理的に連じるセグメント内に戻す。使用された透析液流体は、ポート3326bを介してマニホールド3300を出て進み、ポンプと連通するセグメント3304を通り、ポート3326aを介してマニホールド内に戻る。ポート3326aと流体連通するセグメントは、圧力変換器3309と物理的に連通し、流体を、ポートN3326を通して吸着剤再生システムへと進める。
ポートは、回路配管(たとえば0.268”(0.68cm)×0.175”(0.445cm)配管)または抗凝固剤および注入液配管(たとえば0.161”(0.409cm)×0.135”(0.343cm))に合わせて設計される。好ましくは、配管ポートは適切な吸着剤と結合される。図8に示す弁、詳細には、弁3311、3312および3313は、マニホールド内の異なる場所に配置され得ることを理解されたい。図19を参照して、弁8611(図8の弁3311)は、マニホールド8600の中央の縦方向部分8650において、弁8612(図8の弁3312)に隣接しこれに対して平行に配置され得る。また、上部水平部分8630および底部水平部分8640を一緒に連結するマニホールド8600の中央の縦方向弁部分8650には、弁8613(図8の弁3313)も存在する。弁8613は、中央縦方向部分8650の底部分にあり、そして、弁8611、8612のほぼ下方に且つこれらの弁の間の中央に位置決めされている。
2方向弁は、インスツルメントに装着された弁アクチュエータを有することによって作動し、ボルカノシール上の弾性ダイアフラムを圧縮して透析液がそのそれぞれの通路を流れることを阻止する。これは、以下で詳細に説明する。ボルカノシール開口部は、チャネルの外形と合致させるために約0.190”(0.483cm)直径である。弁の内部を通る通路断面は、弁が開いているとき、少なくとも約0.190”(0.483cm)直径に等しい。弁が閉位置にあるとき、弁アクチュエータおよび弾性ダイアフラムは、ボルカノシール周りの流路空間のほとんどを占め、空気取り込みの可能性を最小限に抑える。中心体には、隆起したプラスチック特徴部が存在し、この特徴部は、流路内のデッドスペースを最小限に抑えると共に、ダイアフラムが、負圧状態の下で中央流路周りで挫屈するのを防止することを助ける。弾性ダイアフラムは、中心体表面上の溝に嵌合するOリング特徴部をその周囲に有する。Oリングは、中心体と後方カバーの間で圧縮されて、液密シールを形成する。この設計は、Oリングに約30%の圧縮をもたらす。2方向弁は、マニホールドを通る透析液の流れの方向を制御する。
マニホールドは、インスツルメント内のセンサの使用によってダイアフラムの流体圧力の監視を可能にする構造を含む。流体は、中心体の正面カバー側のチャネルから、後方カバー側のダイアフラムの下の入口穴および出口穴を通って流れることが可能にされる。圧力感知構造の内部を通る通路の断面は、少なくとも0.190”(0.483cm)に等しい。内部通路は、ダイアフラムとの適切な流体接触をもたらしながら、空気取り込みを最小限に抑えるように設計される。弾性ダイアフラムは、その周囲周りに、中心体表面の溝内に嵌合するOリング特徴部を有する。Oリングは、中心体と後方カバーの間に圧縮されて液密シールを形成する。この設計はOリングに30%の圧縮をもたらす。
弁およびダイアフラムは、異なるプロセスによって、多様なさまざまに異なる材料から作製され得る。弾性構成要素は、シリコーン、多様な熱可塑性エラストマー、その組み合わせなどから作製され得る。2つのショット成形が、弁およびダイアフラムを後方カバーに取り付けるために使用され得る。弁およびダイアフラムの2つのショット成形は、これらの部分をマニホールド内に個々に組み付ける必要性を除去し、したがって、人件費を低減し、マニホールド組立体の品質を向上する。
マニホールド設計内の圧送構成要素は、PVCヘッダ配管として定められている。インスツルメントの回転式ぜん動圧送システムと組み合わされたこれらのヘッダは、血液、透析液、および注入液の流れをもたらす。透析液、注入液、および抗凝固剤用の回路配管材料は、好ましくは、すべてTEKNIplex社製の、Natvarによって押し出し成形されたColorite、Unichem PTN 780(80Aデュロメータ)と称される配管などの捩じれ抵抗性を有するものである。透析液ライン用の配管寸法は、0.268”(0.68cm)×0.189”(0.480)から0.268”(0.68cm)×0.175”(0.445cm)の範囲である。
マニホールド内の流れは、熱式流量計によって測定され得る。図9は、透析機5610内でマニホールド5602と共に設置された熱式流体流測定デバイス5601を示す。マニホールド5602は、中に埋め込まれた流体流路または配管回路5603を有する。透析機5610は、使い捨て可能なマニホールド5602を設置するために開かれ得る正面ドア5620を有する。更に、正面ドア5620は、ピン5621を装備し、ピン5621は、ドア5620が閉じられたとき、マニホールド5602上の電気点と接触して情報を読み取りまたは電気入力をもたらすことができる。
熱式流体流測定デバイス5601は、更に、一続きの接点5611、5612および5613を備えることができる。作動上、流体(血液、透析液、または他の流体など)が、透析中、流体流路5603を通って流れるとき、これは、プラスチック通路に埋め込まれた第1の接点5611を通る。接点5611は、マシン正面ドア5620のピン5621であってもよく、電源と電気接触する。電源またはピンは、透析機5610内の制御装置によって制御される。電源は、接点5611に電気刺激をもたらし、この刺激は、正弦波方法に基づいて接点をマイクロ加熱するように作用する。
マイクロ加熱プロセスは、測定されている流体にセ氏0.1℃からセ氏1.0℃の間の温度上昇をもたらす。これは、電気刺激を受けた際に熱を生み出す第1の接点5611に位置するマイクロ・ヒータによってもたらされる。本発明の熱式流体流測定デバイス用のマイクロ・ヒータは、用途に適した任意の設計を用いて製造され得る。1つの実施形態では、たとえば、マイクロ・ヒータは、30g銅ワイヤを第1の接点位置5611に位置するピン周りに10回巻き付けることから構成される。
接点5611がマイクロ加熱されるにつれて、その結果生じたエネルギーは、熱波を作り出し、この熱波は、第1の接点5611の下流側に伝播する。番号5612および5613の2つになることができる複数の接点が第1の接点5611の下流側に位置し、熱波の飛行時間を測定するために用いられる。次いで、この波の測定された相が第1の接点5611によって生成された初期波と比較される。こうして決定された相の相違が流量を示す。
図10は、体外血液回路からの患者の連結解除を検出するためのシステム5800のブロック図である。システム5800は、入り動脈血液回路5802と、ダイアライザ5804と、透析液回路5806と、患者脈拍圧力変換器5808と、参照用の患者心臓信号生成器5815と、連結解除モニタ5820と、制御装置5825と、戻り静脈血液回路5810とを備える。本発明のさまざまな実施形態では、患者から引き出された血液は、動脈血液回路5802を介してダイアライザ5804を通過し、ダイアライザ5804からの浄化された血液は、静脈血液回路5810を介して患者に戻される。ダイアライザ104から排出された汚染された透析液は、透析液回路5806内で浄化されまたは再生され、ダイアライザ5804内に圧送され戻される。浄化された血液は、経皮性針またはルアー連結されたカテーテルを介して患者の体に戻され得る。戻り静脈血液回路5810内の血液流量は、通常、300〜400ml/分の範囲内にある。任意の適切な透析回路が配備され得ることを理解されたい。
圧力変換器5808は、血液処理治療ルーティンを受けている患者の圧脈拍を測定し、脈拍圧力を連結解除モニタ5820にほぼ連続的に送る。1つの実施形態では、変換器5808は、透析血液ライン(入り動脈血液回路5802または戻り静脈血液回路5810)内の何所かに位置する侵襲性または非侵襲性静脈圧力センサである。別の実施形態では、変換器5808は、詳細には、ダイアライザ5804と患者の間の透析血液ライン内、すなわち戻り静脈血液回路5810内に位置する侵襲性または非侵襲性静脈圧力センサである。非侵襲性気泡検出器および/またはピンチ弁(図示せず)が、任意選択により、変換器5808と患者とのルアー連結部への間に位置する。圧力変換器5808は、戻り静脈血液回路5810に対応する血管アクセスをもたらすために患者の体内に挿入された針またはカテーテルに近接して位置することができる。圧力変換器5808は、波形の忠実性を温存するために針またはカテーテルに近接して位置する。他の実施形態では、圧力変換器5808は、戻り静脈血液回路5810内の何所かに連結される。本発明の実施形態では、圧力変換器5808によって生み出された圧力信号は、血管圧力の正確な測定値ではない交流電流(AC)信号である。したがって、圧力変換器5808は、高い精度の変換器ではない。
参照信号生成器5815は、患者の心臓信号を、参照のために連結解除モニタ5820にほぼ連続的に送る。参照心臓信号は、処理された血液を患者に供給する針またはカテーテルが連結される(腕などの)同じ体の部分に連結されたプレチスモグラフから得られる。場合によっては、参照心臓信号は、指脈拍センサ/オキシメータから得られる。本発明のさまざまな他の実施形態では、参照信号は、心電図(ECG)信号、実時間血圧信号、聴診器、血液引き出しラインからの動脈圧力信号、オキシメータ脈拍信号、代替部位プレチスモグラフ信号、透過性および/または反射性プレチスモグラフ信号、音波心臓信号、手首脈拍から、または当業者に知られている任意の他の心臓信号源から得られる。
連結解除モニタ5820は、針またはカテーテルが連結解除することによって引き起こされる戻り静脈血液回路5810内の寸断を、血液処理治療を受けている患者の体から検出する。連結解除を検出するために、モニタ5820は、患者脈拍圧力変換器および心臓参照信号を処理する。当業者は、そのような連結解除が、患者の突然の動きなどの任意の理由によって患者の体から針またはカテーテルが引き抜かれることによって引き起こされ得ると理解するであろう。連結解除モニタ5808は、当業者に知られているタイプのものであってもよい。制御装置5825は、当業者に知られている任意のマイクロプロセッサである。制御装置5825の機能は、モニタ5820からの処理された入力を受信し、必要とされるとき、それにしたがって適切な動作を始動させることである。
当業者は、圧力変換器および参照信号が、参照信号生成器および圧力変換器に組み込まれた送信機によって連結解除モニタ5820に送られることを理解しなければならない。送信機は、対応する受信機との有線または無線通信を可能にすることができる。同様に、連結解除モニタ5820からのデータは、有線または無線接続によって制御装置5825に送られる。1つの実施形態では、そのような信号通信は、LAN、WAN、MAN、Bluetooth(登録商標)ネットワークおよび/またはインターネットなどの適切な有線または無線および/またはプライベート・ネットワークを用いて可能にされる。また、連結解除モニタ5820および制御装置5825は、互いのおよび圧力変換器5808および信号参照信号生成器5815の近位に位置することができる。代替の実施形態では、連結解除モニタ5820および制御装置5825の両方/またはいずれかは、互いに遠隔に、および/またはシステム5800の構成要素の他の部分から遠隔に位置する。
図11は、本発明の実施形態による、体外血液回路からの患者の連結解除を確かめる方法の例示的なステップを示す流れ図である。作動においては、複数の指示を含み且つプロセッサ上で実行する透析システムソフトウェアが、参照信号を得る(6005)ために最初に(指脈拍オキシメータなどの)心臓信号生成器を取り付けるよう患者に促す。この時点で、患者は、透析システムに連結されても連結されていなくてもよい。その後、または心臓参照信号の捕捉と同時に、複数の指示を含み且つプロセッサ上で実行する透析システムソフトウェアは、図10のシステム5800に連結するよう患者に促し、その結果、患者の脈拍圧力変換信号もまた得られる(6010)。次に、相互相関プロセッサが、参照信号および変換器信号を相関付ける(6015)ことを試みる。起動時に相関付けを達成することができない場合、1つの実施形態では、患者は、すべてまたは特定の構成要素を切る(6020)よう促され、または別の実施形態では、図10のシステム5800の制御装置5825は、これを自動的に行ってノイズ・レベルを低下させる。たとえば、透析システムのポンプの停止はノイズを低下させ、2つの信号を捕捉して相関付けることを容易にする。別の実施形態では、相互相関付けは、ポンプなどのノイズ生成システム構成要素がオンにされる前に試みられる。したがって、相関付けの固定化は、完全なシステムの起動を完了することができる前に試みられる。関連付けが固定化されない場合、アラームを始動させることができ、患者透析システムが異常を有することを示す。
しかし、相関付けが得られた場合、その相関付けは、ほぼ連続的に監視される(6025)。相関付けに偏差が存在する場合、アラームが始動され(6030)、漏出の可能性を示し、または任意選択により、システムは(完全にまたは部分的に)シャットダウンされ、相関付けられた信号を再確立する試みが、再度試みられる。相関付けの性質が所定の閾値を超えてまたはその中で変化しまたは逸脱する場合、ポンプなどの特定のシステム構成要素をシャットダウンすることができ、相互相関付けプロセッサは、相関付けを再確立するよう試みる。相関付けが再確立できない場合、アラームが始動される。場合によっては、相関付けの性質が、所定の閾値の範囲を超えてまたはその外へと変化または逸脱する場合、ポンプなどの特定のシステム構成要素をシャットダウンすることができ、アラームが、すぐに、相関付けを再確立する任意の追加の試みの前に始動される。
連結解除を監視するこの手法は、従来技術に対して特定の明確な改良をもたらす。第1に、従来技術とは異なり、本システムは、針が直ぐ直前に引き抜かれた場合、またはこれが、挿入部位から取り外され、かなり長い距離を離して引き出された場合に反応することができる。第2に、システムは、挿入部位に置かれた、水分パッドなどのいかなる余分な装置も必要としない。第3に、患者自体の心臓信号を相互相関付けることにより、検出漏れが大幅に解消される。第4に、圧脈拍感知および相互相関付けの組み合わせは、システムが、低い信号対ノイズ比信号を検出することができるようにする。第5に、相関付け状態を連続的に監視することにより、システムが、連結解除を示す可能性がある小さい信号偏差を検出することが可能になる。したがって、いかなる血液処理治療ルーティンにも使用される体外血液回路内の連結解除の検出のための装置および方法が、本発明によって提供される。
中心静脈圧力(CVP)は血液ろ過機内の遠隔センサによって測定され得る。図12を参照して、CVP測定の対策を備えた例示的な血液回路6400が示されている。血液が患者から回路6400内に入るとき、凝固を防止するために、抗凝固剤がシリンジ6401を用いて血液内に注入される。圧力センサ、PBIP 6410が設けられており、これは、中心静脈圧力の測定に使用される。血液ポンプ6420は、患者からの血液をダイアライザ6430に押し込む。2つの他の圧力センサ、PBI 6411およびPBO 6412が、ダイアライザ6430の入口および出口それぞれに設けられている。圧力センサPBI 6411およびPBO 6412は、血液透析システム内の流体圧力を追跡し続け、これを血液透析システム内の条件の良い箇所で維持することを助ける。バイパス弁B6413およびA6414の対がダイアライザに設けられ、これは、流体の流れが、閉ループ透析回路内で所望の方向にあることを確実にする。ユーザは、気泡がセンサ6418によって検出された場合、ポート6417において空気を除去することができる。血液温度センサ6416が、空気除去ポート6417の前に設けられる。AIL/PADセンサ6418およびピンチ弁6419が回路内で使用されて患者へのきれいな血液の円滑かつ妨害のない流れを確実にする。プライミング・セット6421が血液透析システムに事前に取り付けられ、これは、システムが透析に使用される前の準備を助ける。
CVPするために、血液ポンプ6420を停止させることによって回路6400内の血流が停止される。この時点で、血液(図示せず)にアクセスするために使用されるカテーテル内の圧力は釣り合い、血液ろ過機内の圧力センサPBIP 6410で測定された圧力は、カテーテル先端部における圧力と等しくなる。この測定された圧力(CVP)は、次いで、限外ろ過率および患者から除去された流体の体積を調節するために使用される。
したがって、作動上、システムは、限外ろ過が事前に設定された速度で医師によって行われるように従来の透析システムを改変する。定期的に、血流は停止され、上記で説明したさまざまな測定方法の1つを用いて、平均CVPが測定される。1つの実施形態では、安全モードが設けられ、この場合、CVPが事前設定された限界値を下回って降下する場合、血液ろ過が中断され、アラームが鳴らされる。
別の用途では、鬱血性心不全(CHF)を有する患者などの循環血量過多の患者に、流体を除去するための限外ろ過を提供できる。限外ろ過プロセスは血液から流体を除去するが、除去されるよう意図される流体が間質腔内に位置することが当技術分野で知られている。更に、間質腔から血液内への流体の流量は知られていない。医師は、除去されることを望む、典型的には患者の体重から算出される流体の総量および許容される最小平均CVPを事前設定することができる。所望のCVPを自動的に保つシステムは最大流量で流体を除去する。すなわち、システムは、流体除去率と、間質腔から血液への流体の流量とを自動的に釣り合わせる。
正常なCVPレベルは2から6mmHgの間にあることを理解されたい。CVPの上昇は水分過剰を示すものであり、一方でCVPの低下は血液量減少を示す。患者は、CVPが正常、たとえば7〜8mmHgを上回る状態で限外ろ過セッションを開始し、たとえば6時間の治療セッションを経て、3mmHgの最終CVP目標値でセッションを終了することができる。しかし、治療セッションの途中、CVPが所望の降下の50%を上回って降下し、一方で除去された流体が除去の最終目標値の50%しか到達していない場合、システムは、流体除去の目標値を低減する、または流体除去率を低減するように再プログラムされ得る。より複雑なアルゴリズムに基づいて他の動作を行ってもよい。最終的な結果は、CVPの率および実際の値を監視することによって血液量減少を回避できることである。この手法は、血液ろ過中だけでなく、すべてのタイプの腎置換療法においても、流体除去率を制御する上で有用になり得ることを理解されたい。
図13は、血液透析モードで作動するように構成された体外血液処理システム6900の展開図を示す。
血液回路6920はぜん動血液ポンプ6921を備え、ぜん動血液ポンプ6921は、患者の動脈の不純血液をチューブ6901に沿って引き出し、その血液をダイアライザ6905を通して圧送する。シリンジ・デバイス6907は、引き出された不純血液ストリ−ムに、ヘパリンなどの抗凝固剤を注入する。圧力センサ6908が血液ポンプ6921の入口に置かれ、一方で圧力センサ6909および6911がダイアライザ6905の上流側および下流側に置かれてこれらの条件の良い地点において圧力を監視する。
浄化された血液がダイアライザ6905の下流側を流れ、患者に戻るとき、浄化された血液の温度の追跡を保つためにラインに血液温度センサ6912が設けられる。空気除去器6913が、ダイアライザからのきれいな血液中の蓄積されたガス泡を除去するために設けられる。空気(泡)センサの対(または任意選択で単一のセンサ)6914およびピンチ弁6916が回路内に使用されて、蓄積されたガスが患者に戻されることを防止する。
透析液回路6925は、2つの二重チャネル脈動透析液ポンプ6926、6927を備える。透析液ポンプ6926、6927は、それぞれ、使用済み透析液溶液をダイアライザ6905から引き出し、再生された透析液溶液をリザーバ6934から引き出す。ダイアライザ6905からの使用された透析液流体が透析液回路6925を入る地点において、透析液回路内への血液のいかなる漏出も感知し防止するために血液漏出センサ6928が設けられている。ダイアライザ6905の出口からの使用済み透析液は、次いで、バイパス弁6929を通過して2方向弁6930に到達する。弁6929と6930の間に圧力センサ6931が配置されている。限外ろ過液ポンプ6932が透析液回路内に設けられ、限外ろ過液ポンプ6932は限外ろ過液廃棄物を使用済み透析液から抽出し、これを限外ろ過液バッグ6933に保存するように定期的に作動され、限外ろ過液バッグ6933は定期的に空にされる。
先に述べたように、使用済み透析液は吸着剤カートリッジを用いて再生され得る。吸着剤カートリッジ6915によって再生された透析液は、リザーバ6934内に収集される。リザーバ6934は、伝導度センサおよびアンモニアセンサ6961、6962を含む。リザーバ6934から、再生された透析液が流れ制限器6935および圧力センサ6936を通過して2方向弁6937に到達する。患者の要求に応じて、リザーバ6950からの所望の量の注入溶液および/またはリザーバ6951からの濃縮溶液が透析液流体に加えられる。注入液および濃縮液は、透析液流体中のカリウムおよびカルシウムのようなミネラルを医師によって処方されたレベルに維持することを助けるミネラルおよび/またはグルコースを含有する殺菌溶液である。所望の量の注入液および/または濃縮溶液を選択し、リザーバ6934から生じる浄化された透析液内への溶液の適正な流れを確実にするために、バイパス弁6941およびぜん動ポンプ6942が設けられている。
透析液回路は、2つの2方向弁6930および6937を備える。弁6930は、使用済み透析液の1つのストリームを透析液ポンプ6926の第1のチャネルに差し向け、使用済み透析液の別のストリームを透析液ポンプ6927の第1のチャネルに差し向ける。同様に、弁6937は、再生された透析液の1つのストリームを透析液ポンプ6926の第2のチャネルに差し向け、再生された透析液の別のストリームを透析液ポンプ6927の第2のチャネルに差し向ける。
ポンプ6926および6927からの使用済み透析液のストリームは2方向弁6938によって収集され、一方でポンプ6926および6927からの再生された透析液のストリームは2方向弁6939によって収集される。弁6938は、使用済み透析液の2つのストリームを単一のストリームし、この単一のストリームは、圧力センサ6940を介して、そして、使用済み透析液が浄化され且つろ過される吸着剤カートリッジ6915を通って圧送され、リザーバ6934内に収集される。弁6939は、再生された透析の2つのストリームを単一のストリームにし、この単一のストリームはバイパス弁6947を通って2方向弁6945に流入する。2方向弁6945に向かう透析液流ストリームに圧力センサ6943および透析液温度センサ6944が設けられている。
2方向弁6930、6937、6938および6939の状態を反転させることにより、2つのポンプ6926および6927は、一方が透析流体をダイアライザ6905から引き出す、他方が透析流体をダイアライザ6905に供給するというその動作で反転される。そのような反転は、透析セッションに対して短い期間にわたって定期的に行われる場合、前述したように、ダイアライザ内に圧送された透析液流体の体積が、そこから取り出された流体の量に等しく、透析回路6925によって失われた合計の流体体積だけが、限外ろ過液ポンプ6932によって除去されたものであることを保証する。
血液透析モードにおいて、2方向弁6945は、再生された透析液がダイアライザ6905に入ることを可能にして、患者の血液の正常な血液透析を可能にする。患者の血液戻りラインに至る弁6945の1つの側は閉じられる。別の2方向弁6946は、バックアップとして作用し、弁6945が漏出するまたは故障した場合、弁6946の両方のポートが閉じられた状態で透析液が患者血液ラインに入らないようにする。
図14は、バックアップ2方向弁6946が使用されない場合の流体回路の代替的実施形態を示す。血液回路はぜん動血液ポンプを備え、このぜん動血液ポンプは、患者の動脈の不純血液をチューブ7001に沿って引き出し、血液をダイアライザ7005を通して圧送する。シリンジまたはポンプ7007は、引き出された不純血液ストリームにヘパリンなどの抗凝固剤を注入する。圧力センサ7008が血液ポンプの入口に配置され、一方で圧力センサ7009および7011がマニホールド・セグメントの上流側および下流側に配置される。ダイアライザ7005からの浄化された血液は、チューブ7002を通って圧送され、血液温度センサ7012、空気除去器7013、および空気(泡)センサ7014を通って患者の静脈に戻される。ピンチ弁7016が患者の回路連結の前に配置され、ピンチ弁7016の上流側のライン内の空気(泡)センサ7014によって空気が感知された場合、血流を完全に停止させ、それによって空気が患者に入るのを防止する。
透析液回路は、ポンプと圧力が通じている2つの透析液ポンプ・セグメント7026、7027を備える。透析液ポンプ・セグメント7026、7027は、それぞれ、使用済み透析液溶液をダイアライザ7005から引き出し、再生された透析液溶液をリザーバ7034から引き出す。ダイアライザ7005の出口からの使用済み透析液は、血液漏出センサ7028を通って引き出されて、バイパス弁7029に達する。流れセンサ7020は、回路を通って流れる透析液の体積を決定する2つの流れセンサの1つ(他のものは流れセンサ7046である)である。弁7030は、2方向弁に構造的に類似しており、透析液ポンプ7026を迂回するために使用される。弁7030は、通常、バイパスの方向に閉じられる。透析液ポンプ7026が停止された場合、弁7030は、流れをポンプ7026周りに差し向けるために開かれる。圧力センサ7031が流れセンサ7020と弁7030の間に配置されている。正常な流れの間、使用済み透析液は、圧力センサ7040を介して、使用済み透析液が浄化され且つろ過される吸着剤カートリッジ7015を通って圧送される。浄化された/ろ過された透析液は、次いで、リザーバ7034に入る。限外ろ過液ポンプ7032は定期的に作動されて、限外ろ過液の廃棄物を使用済み透析液から引き出し、限外ろ過液バッグ(図示せず)に保存する。限外ろ過液バッグは定期的に空にされる。
リザーバ7034からの再生された透析液は、流れ制限器7035、透析液温度センサ7044、流れセンサ7046、および圧力センサ7036を通過し、バイパス弁7041を通って2方向弁7045に到達する。バイパス弁7029、7045および7041のそれぞれの流路が作動されたとき、これらは、再生された透析液をダイアライザ7005を迂回するように差し向ける。注入液リザーバおよび濃縮液リザーバ7050、7051からの注入液および濃縮液ストリームは、それぞれ、注入液ポンプ・セグメントおよび濃縮液ポンプ・セグメント7042、7043によって、リザーバ7034から出る浄化された透析液へと、および流れセンサ7020の下流側の使用済み透析液へとそれぞれ差し向けられる。
2方向弁7045はシステムが作動しているモードを判定する。したがって、作動の1つのモードでは、2方向弁7045は、再生された透析液がダイアライザに入ることを可能にして、患者の血液の正常な血液透析を可能にする。作動の別のモードでは、2方向弁7045は、超高純度注入液グレードの透析流体の流体流れを静脈血液ライン内および直接患者に差し向けるように作動される。したがって、この多目的の弁、作動のモードが血液ろ過と血液透析の間で切り替わることを可能にする。たとえば、血液ろ過において、不溶解性グレード流体は、3つの弁を通って直接血液ストリームに経路付けられ、ここで弁6946はダイアライザの後に連結する。このモードでは、弁6945は、透析液流体がダイアライザの下側ポートに入ることを防止する。図13に示す血液透析では、弁6946は閉じられ、弁6947および6945は、透析液流体をダイアライザへと経路付ける。図13の実施形態は、ポンプの交換および複数の弁を使用して流体体積を制御するが、図14の実施形態は、流れセンサ7020および7046を使用して流体体積を制御することに留意されたい。
前述したうに、弁は、好ましくは、マニホールド器から延びる突起部、ピン、または他の部材によって、必要に応じて選択的に閉塞される流れ制御点に弾性膜を用いて、マニホールド内に実装される。場合によっては、流体の閉塞は、安全で低エネルギーの磁気弁を用いて可能にされる。
弁システムは磁気変位システムを備え、この磁気変位システムは、軽量であり、消費電力が最小であり、携帯用腎臓透析システムが使い捨て可能なマニホールドを流体回路に使用する場合であってもこれを理想的なものにする。システムは、いかなる構造のオリフィスとも共に使用され得る。特に、オリフィスは、あらゆるタイプの材料のあらゆる穴、開口部、空洞、またはパーテーションである。これは、配管、マニホールド、使い捨て可能なマニホールド、チャネル内の通路、および他の通路を含む。当業者は、現在開示されている弁システムが以下に更に説明するような変位部材および磁石を所望の弁場所においてマニホールド外部に配置することによって使い捨て可能なマニホールドに実装されることを理解するであろう。アクチュエータは、腎臓透析システムの使い捨て可能なマニホールドおよび通常は非使い捨て部分の一部から別個の区別されたものでもある。
機能上、弁は2つの安定した状態を有し、つまり開くおよび閉じる。これは、磁気力を用いて変位部材をダイアフラムに抗して移動させ、それによって十分な力を作り出してダイアフラムを弁座に押し付け、ダイアフラムにオリフィスを閉じさせることによって作動する。オリフィスを閉じることにより、流体の流れが遮断される。反転プロセス、すなわち磁気力を使用して変位部材をダイアフラムから離れさせ、それによってダイアフラムを弁座に対する押し付けから解放することにより、オリフィスが開かれ、流体が流れることが可能にされる。
図15は、透析治療を開始するための別のプロセス8000を示す流れ図である。制御ユニット8001は、少なくとも1つのプロセッサと、複数のプログラム指示を記憶するメモリとを備えることができる。プロセッサによって実行されるとき、プログラム指示は、制御装置ディスプレイ上に表示される複数のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを生成し、これは、ユーザが、透析治療に使用するために必要とされる添加剤を確実に取得し測定するように設計された一連の動作を通し見るように仕向ける。第1のグラフィカル・ユーザ・インターフェースが生成され、それによってユーザは、添加剤計算プロセス8001を開始するようシステムに促すことができる。最初のプロンプトは、プロセスを開始させるための特有のアイコンによるものであってもよく、またはより大きいシステム設定の一部として生じてもよい。
第2のグラフィカル・ユーザ・インターフェースが、次いで生成され(8003)、これは、必要とされる添加剤をテキストまたは図の形態で、好ましくは実際の添加剤パッケージの視覚画像を含んで表示して、ユーザが、必要とされる添加剤とユーザが手にしている製品とを視覚的に比較することを可能にする。ユーザは、次いで、バー・コード・スキャンを用いてまたは重量によって添加剤を照合することを望むかどうかを示すよう促される(8005)。ユーザがバー・コード・スキャンを用いることを望むと示す場合、たとえばアイコンを押すことにより、第3のグラフィカル・ユーザ・インターフェースが生成され(8007)、第1の添加剤をバー・コード・スキャナに通すことをユーザに促す。ユーザは、次いで、添加剤を、好ましくは任意の順序で、バー・コード・スキャナに通して読み取りを登録する。バー・コード・スキャナは、読み取りが成功した際に緑などに色を変化させる、赤色などの光を含むことができることを理解されたい。
システムが、首尾よくバー・コードを読み取った場合、そのコードを、メモリ内に記憶されている表に対して確認することによってコードを処理する(8009)。メモリに記憶された表はバー・コードを特有の添加剤に関連付ける。特有の添加剤が特定されると、上記で説明したように、第2のグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、確認マークまたはハイライトで、どの添加剤が首尾よく走査されたかを示すように更新され(8011)、ユーザは、添加剤を取っておくように指示される。このプロセスは、すべての添加剤に対して繰り返される(8019)。1つの実施形態では、すべての添加剤がハイライトされまたは確認されると、システムは、透析設定または初期化プロセスの次のステップに自動的に進む。別の実施形態では、すべての添加剤がハイライトされまたは確認されると、システムはグラフィカル・ユーザ・インターフェースを提示し、すべての添加剤が登録されたことをユーザに知らせ、その後、ユーザは、システムを、透析設定または初期化プロセスの次のステップに手動で進める。バー・コードという用語が使用されているが、たとえば無線自動識別(RFID)タグを含む任意の電子タグまたはラベリングシステムが使用され得ることを理解されたい。
任意の走査ステップ609において、バー・コードが認識されない、添加剤がバー・コードを有さない、またはユーザが走査ではなく重量計測を用いて添加剤を照合することを好む場合、グラフィカル・ユーザ・インターフェースがユーザに提示されて、第1の添加剤をスケール上に置くことをユーザに促す(8013)。スケールは添加剤パッケージの重量を測定し(8015)、添加剤を認識するために、測定された重量と特有の添加剤に関連付けられた重量値の表とを比較する。認識されると、上述したように、第2のグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、どの添加剤が首尾よく走査されたかを示すように確認マークまたはハイライトで更新され(8017)、ユーザはその添加剤を取っておくよう指示される。このプロセスは、すべての添加剤に対して繰り返される(8019)。1つの実施形態では、すべての添加剤がハイライトされまたは確認されると、システムは、透析設定または初期化プロセスの次のステップに自動的に進む。別の実施形態では、すべての添加剤がハイライトまたは確認されると、システムは、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを提示し、すべての添加剤が登録されたことをユーザに知らせ、その後、ユーザは、システムを、透析設定または初期化プロセスの次のステップに手動で進める。バー・コードとういう用語が使用されているが、任意の電子タグ付けまたはラベリングシステムが使用され得ることを理解されたい。
添加物が認識されない場合、ユーザは、添加物が治療プロセスの一部ではないことが知らされ、適正な添加物を重量計測するよう促される。別の実施形態では、ユーザが認識された添加物を走査または重量計測しなかった場合、ユーザは、初期化または設定プロセスを継続することが許可されない。
当業者は、上述した照合手順が、処方添加物に対して説明されているが、同じ手順が吸着剤カートリッジおよび他の使い捨て可能品などの、透析システムと共に使用される使い捨て可能な構成要素まで拡張されてもよいことを理解するであろう。
更に、添加剤を走査および重量計測するプロセスが統合され且つ自動化され得ることを理解されよう。上述したように、添加剤重量計測プロセスを開始するようにユーザに促すことができ、治療に必要とされるアイテムのディスプレイが表示され得る。ユーザは、バー・コードリーダをその近位にまたはその中に内蔵するスケール上に添加物を置く。1つの実施形態では、ユーザは、バー・コードが適正に読み取られ得ることを確実にするために添加物を特有の位置または構成で置くよう促される。内蔵された、または組み合わされたバー・コードリーダを有するスケール上に添加物を置いた際、バー・コードリーダは添加物を走査し、バー・コードを認識することを試み、認識された場合、識別された添加物をディスプレイ上で確認するまたはハイライトすることによってそのアイテムを処理する。バー・コードリーダが添加物を識別できない場合、システムが追加の補助確認を要求する場合、またはシステムが、重量情報を得るまたは別の形で記録することを望む場合、スケールは重量を測定し、添加剤を保存された値に対して認識することを試みる。識別された場合、システムは、識別された添加剤をディスプレイ上で確認するまたはハイライトすることによってそのアイテムを処理する。したがって、スケール測定およびバー・コードリーダは、添加剤を1つの場所または位置から別のところに移動させる必要なく行うことができる。
更に、各々の添加剤をスケール/バー・コードリーダの適切な位置に降下させ、置き、または別の形で配置する保持容器、シュート、シリンダ、箱、バケット、または中間領域内に添加剤を挿入することができることを理解されたい。したがって、ユーザは、すべての添加剤を単一の容器内に置き、システムを作動させ、各々の添加剤を順次スケール上に配置させ、自動的に識別させることができる。ユーザは、各々の添加剤が認識された後、各々の添加剤を取り除くよう促されてよく、またはすべての添加剤を最初に処理することを可能にするよう促されてもよい。
更に、識別後自動的に、識別後手動で、ならびに血液ろ過器および/または吸着剤カートリッジが設置される前または後にシステムに添加剤が加えられてもよいことを理解されよう。1つの実施形態では、携帯用透析システムの上部または底部は、好ましくは、イーサネット(登録商標)接続またはUSBポートなどの電子インターフェースを有し、ネットワークへの直接接続を可能にし、それによって遠隔からの処方の照合、適合性ビジランス、および他の遠隔によるサービス作動を容易にする。USBポートは、また、血圧モニタまたはヘマクリット/血中酸素の濃度モニタなどの付属製品との直接接続も可能にする。インターフェースは、電気的に絶縁され、それによってインターフェース接続デバイスの品質に関わらず患者の安全性を確実にする。
別の実施形態では、透析機は、タッチ・スクリーン・ボタン、物理的キーボード、またはマウスを備えたグラフィカル・ユーザ・インターフェースの形態のインターフェースを備え、これらインターフェースは、マニホールドが搭載された透析機に治療モードまたはプライミング・モードでの作動を開始させるように操作され得る。治療モードで作動するように指示されたとき、制御装置は、(治療モードコマンドに応答して)信号を生成して、マニホールド弁に、開いたプライミング状態から閉じた治療状態に切り替えさせる。プライミング・モードで作動するように指示されたとき、制御装置は、(そのプライミング・モードコマンドに応答して)信号を生成して、マニホールド弁に、閉じた治療状態から開いたプライミング状態に切り替えさせる。当業者は、上述した制御およびユーザのコマンド機能のすべてが、ローカルメモリに記憶された上述した指示を組み入れるプラグラミングを実行する、1つまたは複数のプロセッサを組み込むことによってもたらされることを理解するであろう。
適正に作動されるとき、システムは、少なくともプライミング・モードおよび治療モードで作動することができ、(血液透析、血液ろ過、または単に非プライミング・モードのみなどの)他の作動モードを含むことができる。
本明細書において開示する透析システムの実施形態は、複数の使い捨て可能な構成要素を使用するように設計され得る。システムにおいて使用するための使い捨て可能品は、トレイ上でプレアッセンブルされたパッケージングで発送され得る。トレイは、制御ユニットワークスペースの上部に置くことができ、それによって必要とされる使い捨て品に容易にアクセスし、これを管理することを可能にし、これは、乗り物内では特に重要である。制御ユニットは、防水処理定格のものであるのがよく、それにより、液体がこぼれた場合、液体が制御ユニットに入り込み損傷を及ぼすことはない。
図16に示す例示的な実施形態では、すべて事前に取り付けられた、マニホールド8202、ダイアライザ8201、および配管8203を含む使い捨て可能なキット8200が提供される。図16を参照して、使い捨て可能なキット8200は、ダイアライザ8201と、マニホールド8202と、配管8203と、(マニホールドの一部としての)弁8204と、リザーバ・バッグ8205とを備え、これらはすべて事前に取り付けられ、ユーザによって透析機内に直接取り付けられるように構成される。
使い捨て可能な構成要素、特に完全に使い捨て可能な血液および透析回路は、(ダイアライザ、マニホールド、配管、リザーバ・バッグ、アンモニアセンサ、および他の構成要素を含む)キット内に事前にパッケージ化され、次いで、ユニットの正面ドアを開き、圧力、センサ、および他の構成要素などの非使い捨て構成要素に対しての位置合わせを確実にするようにダイアライザを設置し、マニホールドを設置することによってユーザによって設置され得る。正面ドアの内部表面に一体化された複数のポンプ・シューは、使い捨て可能な構成要素の搭載を容易にする。マニホールドは挿入されるだけでよく、ローラとシューの間にポンプ・配管をねじ込む必要はない。このパッケージ化された、簡単な手法は、容易で迅速な使い捨て可能品の搭載およびシステムの洗浄を可能にする。また、流体回路は、使用に合わせて適正に構成され準備が整えられることも可能にする。作動においては、別個のユニット、レセプタクル、トランク、グローブ・ボックス、またはキャビネットが、リザーバを収容するために設けられ得る。
例示的な治療モードに関して、また図17を参照して、透析モードで作動する透析システム8400は、ダイアライザ8402と、吸着剤再生システム(たとえば、カートリッジ)8412と、マニホールド8410と、ポートを通ってマニホールド8410に内に入る注入液源8416と、新しい透析液がポートを介してマニホールド8410内にそこから投入されて戻されるリザーバ8415とを備える。作動においては、血液は、血液ライン8401に入り、ポートを通ってマニホールド8410内に入り、第1の位置にある2方向弁8421を通ってダイアライザ8402に入る。浄化された血液は、出口8403を通ってダイアライザ8402を出て、第1の位置にある2方向弁8422を通り、ポートを通ってマニホールド8410に入る。血液は、マニホールドを通過し、マニホールド8410に関連して上述したように複数の弁を通過し、ポートを出て、血液ライン8423内に入り、患者に入る。
それと同時に、供給源8416から進む注入液は、ポートを通ってマニホールド8410内に進み、マニホールド8410を通り、別のポートを通って出て、リザーバ8415に入り、ここから透析液は、透析液流入ライン8424を介して、ダイアライザ8402内へと送られる。ダイアライザ8402を通過した後、透析液は、流出ライン8425を通過し、ポートを通ってマニホールド8410内に戻り、ここで、これは、ポートを介して吸着剤ベースの透析液再生システム8412へと経路付けされる。再生された透析液は、ポートを介してマニホールド8410を通って戻り、必要とされる場合、また必要とされるとき、ダイアライザ8402内を新しい透析液と共に再循環される。透析液の流体の流れを管理するために、リザーバ8415は、必要とされる場合、また必要とされるとき、再生された透析液を保存するために使用される。一部の実施形態では、リザーバは、5リットルの透析液を保持することができ、10リットルまでの透析液および患者からの流出物を保持する容量を有する。
例示的なプライミング・モードに関して、また図18を参照して、プライミング・モードで作動する透析システム8500は、ダイアライザ8502と、吸着剤再生システム(たとえばカートリッジ)8512と、マニホールド8510と、注入液源8516と、リザーバ8515とを備える。作動においては、患者からマニホールド8510内への血液ライン(たとえば、図17の8401)は連結されず、したがって血液はマニホールド8510内に流れておらず、または流れることはできない。それよりも、供給源8515から進んだ透析液は、複数のポートを通り、透析液流入ライン8524を通ってマニホールド8510内へと進み、透析液流入ライン8524は2方向弁ポート8522に連結される。
単一の2方向弁は、マニホールドの物理的な本体内に組み込むことができ、作動の治療モードと作動のプライミング・モードとの間を切り替えるように操作され得る。この実施形態では、マニホールドは2方向弁を備え、この2方向弁は、作動された場合、または第1の配置(たとえば閉じる)から第2の位置(たとえば開く)に切り替えられた場合、マニホールド内の液体の内部流路に変化を引き起こす。この流路変化の結果、弁が閉じられたとき、互いに流体的に分離される血液回路および透析液回路は、このとき、互いに流体連通した状態になる。好ましくは、この状態変化を達成するために、すなわち、別個の血液回路および透析液回路を流体的に連結させるようにするために、追加の弁またはスイッチが操作される必要はない。
マニホールドの表面上で機械的制御を物理的に操作することによって、または透析機の作動によって電子的に、ユーザ選択された作動モードによって弁の状態を制御する制御装置を有する透析機と、マニホールドの表面に一体化された弁インターフェースとの間のインターフェースによって弁状態に変化を引き起こすことを含む、当技術分野で知られている任意の手段によって弁の切り替えが行われてもよい。
プライミング・モードでは弁が開放され、それによって透析液流体をポンプを通してマニホールドを通過させ、ダイアライザ内に入り、ダイアライザから出て、マニホールド内に戻り、マニホールドから出るように流れさせる。したがって、プライミング・モードでは、弁は、透析液が血液回路内を循環し、それによって血液回路および透析液回路を流体連通させることを確実にする。機能上、マニホールドは、2方向弁の状態を操作することによってプライミング・モードに置かれる。
透析液の指定された体積が血液回路内およびその中を圧送された後、2方向弁は閉じられる。透析液の圧送は継続してもよいし、しなくてもよい。継続される場合、新しい透析液は透析液回路内のみを循環する。血液回路内では、残留透析液が残る。透析液を血液回路からパージするために、患者は、図17に示される、一般的に動脈アクセスラインと称される「患者ラインから」8401に連結される。一般的に静脈戻りラインと称される「患者ラインへ」8423は、廃棄物容器に保持され、または患者に連結される。
システムを治療モードに置くことにより、患者からの血液は、血液回路内に引き込まれ、マニホールド内へと進み、ポンプを通り、マニホールドを出て、ダイアライザを通り、マニホールド内に戻り、マニホールドから出て戻る。それによって血液は、残留プライミング流体を、プロセス内のいかなる残りの空気ポケットも除去しながら血液回路内で追い立て、静脈戻りラインの連結された状態に応じて、廃棄物容器または患者内に入れる。血液が完全に血液回路を充填した後、システムは血液ポンプを停止させ、またはユーザがポンプを手動で停止させる。事前に連結されていない場合、静脈ラインは、患者に連結され、治療を継続する。
別の実施形態では、吸着剤キャニスタが本質的に殺菌透析液を作るのに不十分である場合、いかなる残りの望ましくない物質も除去することを助けるために0.22.mu.フィルタなどのフィルタが使用され得る。一例として、フィルタは、リザーバ投与ラインと直列にマニホールドのポートEの近位に配置され、プライミング中および作動中の両方で使用される。
このプライミングシステムを使用することにより、1つは、追加および別個のセットの使い捨て可能品を回路の血液側をプライミングするだけのために使用する必要性を回避する。特に、この手法は、1リットルのバッグの生理食塩水などの別個の生理食塩水源の必要性を省き、したがって、血液ラインを生理食塩水に連結するために使用される二重管腔スパイクまたは単一管腔スパイクを含む、別個の生理食塩水供給源へのコネクタおよび配管の必要性をも省く。
図19は、要素の中でもとりわけ、第1の使い捨て可能な配管・セグメントを受容するための第1の端部と、第2の使い捨て可能な配管・セグメントを受容するための第2の端部とを備えた管状セクションを備える使い捨て可能な伝導度センサ8690を示す。管状セクションは、管状セクションによって画定された内部容積部内に延び、そして流体流路を構成する第1の複数のプローブを備える。1つの実施形態では、少なくとも3本の別個の縦長のプローブが使用される。別の実施形態では、少なくとも4本の別個の縦長のプローブが使用される。
制御ユニットの外部に固定式におよび/または恒久的に取り付けられた、相補的に対合する第2の複数のプローブに取り付けるように使い捨て可能な伝導度センサ8690が適合される。取り付け部位は、ダイアライザの近位に、またはその同じ側に制御ユニットの外部表面の一部分を含むことができる。作動上、使い捨て可能な伝導度センサ8690は、相補的な対合する非使い捨ての複数のプローブに関連して一時的であるが取り付けられた関係でスナップ嵌めされる。したがって、第2の複数のプローブは、第1の複数のプローブ内に受容され、またはこれと連通して配置される。プローブは、そのため、第1の使い捨て可能な配管・セグメント、伝導度センサの管状セクション、および第2の使い捨て可能な配管・セグメントによって画定された流体流路内で信号を発し及び検出し、次いで、検出された信号を、透析システムを監視し制御するのに使用するための制御ユニット内のメモリおよびプロセッサに送信することによって作動する。
図19を参照して、生理食塩水のリンス・バックを安全にかつ効率的に実行するための方法およびシステムが示されている。従来、システムを生理食塩水で洗い流す働きをする生理食塩水リンス・バックは、透析血液回路を患者に連結部8651で連結する管状セグメント8658を取り外し、また、管状セグメント8658を連結点8652および8653を介して生理食塩水源8602に取り付けることによって実行される。しかし、この従来の手法は、殺菌連結部の破損を含む欠点を有する。連結点が、ルアー連結、スナップ嵌合、針無し挿入体、弁を含む連結の任意の形態、または流体連結の任意の他の形態であってもよいことを理解されたい。
生理食塩水リンス・バックの別の手法は、患者との連結を維持しながら、生理食塩水源8602を連結点8652を介して連結点8653に連結することを含む。これは、殺菌連結の破損を回避するが、患者を生理食塩水の流体の流れにさらす。したがって、生理食塩水のリンス・バックを実行する好ましい手法は、管状セグメント8658を介して患者と透析システムの間の血液回路連結を維持することであり、管状セグメント8658は、ポートC8605でマニホールド8600に連結し、連結点8651で患者に連結し、生理食塩水源8602をポートD8606でマニホールド8600に流体的に連結させる。患者が透析システムに依然として流体的に連結された状態で、生理食塩水は、重力または適用された圧力によって、ポートD8606を介して、ポートC8605に隣接するマニホールド8600内に流れることが可能にされる。生理食塩水の流れは、マニホールド8600を生理食塩水で洗い流す、特にポートC8605を介してマニホールド8600から流出し、管状セグメント8658を通り、連結部8651を介して患者内に入るように作用する。気泡検出器が領域8654の、ポートC8605の近位に存在するため、マニホールド8600が制御ユニット内に設置され、したがってポートC8605を出る流体の流れ内の気泡を検出するように適合されたとき、マニホールド8600を出て患者に向かう生理食塩水は、領域8654の気泡検出器によって気泡に関して監視される。気泡が検出された場合、低レベルのアラームが鳴り、それによって患者をシステムから連結解除しなければならない、または気泡をシリンジを用いてアクセス点8610から取り除かなければならないことを患者に信号で伝える。したがって、生理食塩水のリンス・バックを行うためのこの方法およびシステムは、気泡の存在に関して依然として監視し警告しながら殺菌連結を維持する。
本開示内で引用したすべての参照文献の全体的内容は、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる。更に、量、濃度、または他の値またはパラメータが、範囲、好ましい範囲、または上限の好ましい値および下限の好ましい値のリストとして与えられるとき、これは、詳細には、任意の上側範囲限界値または好ましい値および任意の下側範囲限界値または好ましい値の任意の対から形成されたすべての範囲を、範囲が別個に開示されているかどうかに関わらず、開示すると理解されるべきである。数値の範囲が本明細書において列挙される場合、別途述べられない限り、その範囲は、その端点、およびその範囲内のすべての整数および分数を含むよう意図される。本発明の範囲は、一範囲を定めるときに列挙される特有の値に限定されるようには意図されない。
本発明の他の実施形態が、本明細書に開示する本発明の提示する仕様および実施を考慮することから当業者に明確になるであろう。提示する仕様および例は、例示のみとして考慮されるよう意図され、このとき本発明の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲およびその等価物によって示される。