JP2017212961A - ゼリー状固形食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分量が多く、容器からの離形性が良好で、また、口どけの良いゼリー状固形食品の提供。【解決手段】(A)ゲル化剤、及び(B)乳脂肪球皮膜成分を1〜8質量%含有し、水分量が70〜95質量%であるゼリー状固形食品。【選択図】なし

Description

本発明は、乳脂肪球皮膜成分を含有するゼリー状固形食品に関する。
ゼリーは、植物や海草の複合多糖類、動物のタンパク質等の凝固(ゲル化)特性を利用して作られる粘弾性のある食品である。ゼリーとしては、砂糖や水あめを煮詰め、これにゲル化剤、果汁、酸等を混合した所謂ゼリー菓子が主であるが、近年では急激な高齢化社会の進行に伴い、咀嚼・嚥下機能の低下した高齢者向け食品としての需要が高まっている。
咀嚼・嚥下機能が低下した高齢者では、口腔、咽頭、食道等嚥下筋の筋力低下や唾液分泌量の減少等が見られるため、水分量が多く、口どけに優れ、容易に飲み込めるゼリーが望まれている。
また、ゼリーは、型に流し込んで冷却して調製する場合が多く、製造性の観点から、ゼリーの容器内面に対する離形性が良好であることが求められる。
一般的に、容器離れを良くするためにはゼリーの硬さを増強する方法が採られる。また、例えば、特許文献1のように、水性ゲル又はその容器の内面にショ糖脂肪酸エステルを使用して、容器の底部を指で圧縮して容器からゼリーを型離れさせる方法も知られている。
特開昭59−162848号公報
三浦晋、FOOD STYLE21、2009年
しかしながら、ゼリーの硬さを増強する方法では、口どけの良い飲み込み易いゼリーは得られない。また、特許文献1のような従来の方法では、筋力が低下した高齢者等の弱い握力では飲食の際に型から取り出し難い場合がある。
したがって、本発明は、水分量が多く、容器からの離形性が良好で、また、口どけの良いゼリー状固形食品を提供することに関する。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、所定量の乳脂肪球皮膜成分を含有するゼリーは水分量を多くしても容器からの離形性が良く、また、滑らかで優れた口どけを有することを見出した。
乳脂肪球皮膜成分は、乳腺より分泌される乳脂肪球を被覆している膜成分である(非特許文献1)。
すなわち、本発明は、(A)ゲル化剤、及び(B)乳脂肪球皮膜成分を1〜8質量%含有し、水分量が70〜95質量%であるゼリー状固形食品を提供するものである。
本発明によれば、容器内面に対する離形性が良く、また、滑らかで優れた口どけを有するゼリー状固形食品を提供することができる。本発明のゼリー状固形食品は、水分量が多いため咀嚼・嚥下困難な高齢者等でも飲み込み易く、また弱い力で簡単に容器から取り出すことができる。
本発明のゼリー状固形食品は、(A)ゲル化剤の凝固(ゲル化)特性を利用して原料成分を固めた固形の食品である。当該固形食品には、保形性が保持されていれば、比較的軟らかい物性を有する半固形状の食品も包含される。
(A)ゲル化剤は、寒天やゼラチンのように温度によって固形化と流動化が変化する可逆性のものと、ペクチンのように酸やカルシウムで凝固すると熱を加えても流動化しない不可逆性のものがある。本発明では、いずれも用いることができる。
(A)ゲル化剤としては、食感の点から、ゼラチン、寒天、ペクチン、ジェランガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グァーガム、タラガム、トラガントガム、カードラン、アルギン酸ナトリウム等が好ましく、更にゼラチン、寒天が好ましく、更にゼラチンが好ましい。
(A)ゲル化剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のゼリー状固形食品中、(A)ゲル化剤の含有量は、保形性の点から、0.2質量%(以下、「%」とする)以上であることが好ましく、0.5%以上であることがより好ましい。また、食感の点から、5%以下であることが好ましく、3.5%以下であることがより好ましい。
特に、ゲル化剤としてゼラチンを用いる場合は、同様の点から、ゼリー状固形食品中に1%以上3.5%以下が好ましい。
また、寒天を用いる場合は、ゼリー状固形食品中に0.3%以上3%以下が好ましい。
本発明のゼリー状固形食品は(B)乳脂肪球皮膜成分を含有する。
乳脂肪球皮膜成分は、乳脂肪球を被覆している膜、及び膜を構成する成分の混合物と定義されている。乳脂肪球皮膜は、一般的に、乾燥重量の約半分が脂質で構成され、当該脂質としては、トリグリセライドやリン脂質、スフィンゴ糖脂質が含まれることが知られている(三浦晋、FOOD STYLE21、2009及びKeenan TW、Applied Science Publishers、1983、pp89−pp130)。リン脂質としては、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン等のグリセロリン脂質が含まれることが知られている。
また、脂質以外の成分としては、ミルクムチンと呼ばれる糖タンパク質が含まれることが知られている(Mather、Biochim Biophys Acta、1978)。
本発明で用いられる(B)乳脂肪球皮膜成分は、滑らかで優れた口どけを付与する点、離形性を良好とする点から、乳脂肪球皮膜成分中の脂質量が、10%以上、更に20%以上、更に30%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、100%以下、更に90%以下、更に60%以下であるのが好ましい。
また、(B)乳脂肪球皮膜成分は、滑らかで優れた口どけを付与する点、離形性を良好とする点から、乳脂肪球皮膜成分中のリン脂質の含有量が5%以上、更に8%以上、更に10%以上、更に15%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、100%以下、更に85%以下、更に70%以下、更に60%以下であるのが好ましい。
さらに、乳脂肪球皮膜成分は、滑らかで優れた口どけを付与する点、離形性を良好とする点から、リン脂質としてスフィンゴミエリンを含むのが好ましく、乳脂肪球皮膜成分中のスフィンゴミエリンの含有量が、1%以上、更に2%以上、更に3%以上であるのが好ましく、また、風味・ハンドリングの点から、50%以下、更に30%以下、更に25%以下、更に20%以下であるのが好ましい。
同様の点から、乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、3%以上、更に5%以上、更に10%以上、更に15%以上であるのが好ましく、また、50%以下、更に40%以下、更に35%以下、更に30%以下であるのが好ましい。
なお、本明細書において、乳脂肪球皮膜成分中の脂質、リン脂質及びスフィンゴミエリンの含有量、並びに乳脂肪球皮膜成分の全リン脂質中のスフィンゴミエリン含有量は、乳脂肪球皮膜成分の乾燥物に対する質量割合とする。
上記の(B)乳脂肪球皮膜成分は、原料乳から遠心分離法や有機溶剤抽出法等の公知の方法により得ることができる。例えば、特開平3−47192号公報に記載の乳脂肪球皮膜成分の調製方法を用いることができる。また、特許第3103218号公報、特開2007−89535号公報に記載の方法等を用いることができる。さらに、透析、硫安分画、ゲルろ過、等電点沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、溶媒分画等の手法により精製することにより純度を高めたものを用いてもよい。
乳脂肪球皮膜成分の形態は、特に限定されず、室温(15〜25℃)で液状、半固体状(ペースト等)、固体状(粉末、固形、顆粒等)等のいずれでもよく、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよいが、取扱い性の点から好ましくは固体状(粉末)である。
(B)乳脂肪球皮膜成分の原料乳としては、牛乳やヤギ乳等が挙げられる。なかでも、食経験が豊富であり、安価な点から、牛乳が好ましい。また、原料乳には、生乳、全粉乳や加工乳等の乳の他、乳製品も含まれ、乳製品としては、バターミルク、バターオイル、バターセーラム、ホエータンパク質濃縮物(WPC)等が挙げられる。
バターミルクは、牛乳等を遠心分離して得られるクリームからバター粒を製造する際に得られ、当該バターミルク中に乳脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、乳脂肪球皮膜成分としてバターミルクをそのまま使用してもよい。同様に、バターオイルを製造する際に生じるバターセーラム中にも乳脂肪球皮膜成分が多く含まれているので、乳脂肪球皮膜成分としてバターセーラムをそのまま使用してもよい。
(B)乳脂肪球皮膜成分は、市販品を用いることもできる。斯かる市販品としては、メグレジャパン(株)「BSCP」、雪印乳業(株)「ミルクセラミドMC−5」、(株)ニュージーランドミルクプロダクツ「Phospholipid Concentrate シリーズ(500,700)」等が挙げられる。
本発明のゼリー状固形食品中、(B)乳脂肪球皮膜成分の含有量は1〜8%であるが、滑らかで優れた口どけを付与する点、離形性を良好とする点から、1.2%以上が好ましい。また、乳脂肪球皮膜成分の量が増えるとゲル化剤を溶かし難くなり製造が難しくなることから、上限は7%以下が好ましく、更に5.7%以下が好ましい。
また、本発明のゼリー状固形食品中、リン脂質の含有量は、効果を有効に発現する点から、0.17%以上、更に0.2%以上であるのが好ましく、また、風味の点から、1.33%以下が好ましく、更に1.17%以下、更に0.95%以下が好ましい。
更に、本発明のゼリー状固形食品中、スフィンゴミエリンの含有量は、効果を有効に発現する点から、0.036%以上、更に0.043%以上であるのが好ましく、更に0.045以上であるのがより好ましい。また、風味の点から、0.288%以下が好ましく、0.254%以下がより好ましく、0.204%以下が更に好ましい。
乳脂肪球皮膜成分中又はゼリー状固形食品中の脂質及びリン脂質の含有量は、酸分解法、比色法又は薄層クロマトグラフ法により測定することができる。
尚、本発明のゼリー状固形食品おける乳脂肪球皮膜成分の含有量、リン脂質の含有量及びスフィンゴミエリンの含有量には、乳脂肪球皮膜成分として配合されたもの以外にも他のゼリー状固形食品原料由来のものが含まれる。但し、牛乳に含まれる乳脂肪球皮膜成分は0.2%程度と僅かなため影響は小さい。
本発明のゼリー状固形食品は、水分量が70〜95%である。このゼリー状固形食品の水分量には、ゼリー状固形食品に配合した原料成分に含まれる水と、別途配合した水とを含む。水を配合する場合、水はイオン交換水、水道水、天然水等を使用することができる。
ゼリー状固形食品の水分量は、嚥下のし易さ点から、更に74%以上であることが好ましく、また、スプーンですくったときの崩れ易さ点から、90%以下であることが好ましい。
ゼリー状固形食品等の水分量は、後掲の実施例に記載の方法にしたがって測定することができる。
また、本発明のゼリー状固形食品は、ゼリー状固形食品中の水分量に対する(A)ゲル化剤と(B)乳脂肪球皮膜成分の合計固形分量の質量比{[(A)と(B)の合計固形分量]/[水分量]}が、製造の点から、好ましくは0.17以下、より好ましくは0.15以下、更に好ましくは0.07以下であり、また、離形性および口どけを良好とする点から、好ましくは0.015以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.025以上である。
ゼリー状固形食品中の(A)ゲル化剤と(B)乳脂肪球皮膜成分の合計固形分量は、(A)ゲル化剤と(B)乳脂肪球皮膜成分とから、これらに含まれる水分を除いた量の合計である。
本発明のゼリー状固形食品は、風味の点から、糖類を含有することが好ましい。糖類としては、ブドウ糖、果糖、ガラクトース等の単糖類、ショ糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース等のニ糖類が挙げられる。糖類は無水物又は水和物であってもよい。また、果糖ブドウ糖液糖、還元麦芽糖水あめ等を使用することもできる。なかでも、風味の点から、ショ糖、ブドウ糖、果糖が好ましく、ショ糖がより好ましい。ショ糖は、清浄精製した白色の砂糖である白糖が好ましい。
糖類は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のゼリー状固形食品中、糖類の含有量は、風味の点から、5%以上20%以下であることが好ましい。
また、本発明のゼリー状固形食品は、上記成分の他に本発明の効果を損なわない範囲において、ゼリー状固形食品に配合し得る他の原料成分を含有してもよい。当該原料成分としては、例えば、上記糖類以外の甘味料(例えば、オリゴ類、糖アルコール、非糖質天然甘味料、合成甘味料等)、酸味料(例えば、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸及びこれらのアルカリ金属塩)、成分(B)以外の乳成分、安定剤、野菜汁・果汁、果肉、香料、着色料、酸化防止剤、保存料等が挙げられる。
本発明のゼリー状固形食品は、(A)ゲル化剤、(B)乳脂肪球皮膜成分、必要に応じて添加される水やその他原料成分を混合、加熱し、次いで冷却、固形化する工程等を経て製造することができる。また、容器に充填する際は、更に充填工程を経て製造することができる。
冷却、固形化前のゼリー原液のpH(20℃)は、ゲルの安定性の点、風味の点から、3〜7、更に3〜6が好ましい。このようなpHに調整するために、上記酸味料の他、有機・無機可食酸又はその金属塩、果汁等を用いることができる。
本発明のゼリー状固形食品を充填する容器は、特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等を主成分とする成形容器、紙容器、ガラス容器等を使用することができる。
ゼリー状固形食品1個当りの質量は5〜180g、更に20〜150gとするのが摂食性及び有効性の点で好ましい。
〔ゲル化剤〕
ゼラチン:森永製菓(株)製、含水量11.3%
寒天:伊那食品工業(株)、含水量21%
〔乳脂肪球皮膜成分〕
乳脂肪球皮膜成分は牛乳から調製したものを使用した。
乳脂肪球皮膜成分の含水量は3.6%であった。乳脂肪球皮膜成分の組成は、乾燥物換算で、脂質:25.6%、タンパク質:54.1%であった。また、乳脂肪球皮膜成分中、リン脂質の含有量は乾燥物換算で16.6%であり、スフィンゴミエリンの含有量は3.6%であった。
〔その他の原料成分〕
精製上白糖:大日本明治製糖(株)、含水量0.4%
グラニュー糖:三井製糖(株)、含水量0%
牛乳:含水量87.4%
カルピス、カルピスマンゴー:カルピス(株)、水分量51.7%
上記の原料成分の分析及びゼリー状固形食品の分析は次のとおり行った。
(1)タンパク質の分析
タンパク質量はケルダール法を用いて、窒素・タンパク質換算係数6.38として求めた。
(2)脂質の分析
脂質量は酸分解法で求めた。試料を1g量りとり、塩酸を加え分解した後、ジエチルエーテル及び石油エーテルを加え、攪拌混和した。エーテル混合液層を取り出し、水洗した。溶媒を留去させ、乾燥させた後、重量を秤量することで脂質量を求めた、
(3)水分量の分析
水分量は常圧加熱乾燥法(105℃4時間乾燥させ重量測定)により求めた。
(4)リン脂質の分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88質量%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち2mLを分取し、溶媒留去後、550℃16時間加熱処理により灰化した。灰分を6M塩酸水溶液5mLに溶解後、蒸留水を添加し、総量を50mLとした。3mLを分取し、モリブデンブルー発色試薬5mL、5質量%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をリン脂質量とした。
(5)スフィンゴミエリンの分析
試料1gを量りとり、クロロホルム及びメタノールの2:1(V/V)混液150mL、100mL、及び20mL中でホモジナイズ後、0.88質量%(W/V)塩化カリウム水溶液93mLを添加し、一晩室温で放置した。脱水ろ過、溶媒留去後、クロロホルムを添加し総量を50mLとした。そのうち10mLを分取し、シリカカートリッジカラムに添加した。カラムをクロロホルム20mLで洗浄後、メタノール30mLでリン脂質を溶出し、溶媒留去後クロロホルム1.88mLに溶解した。シリカゲル薄層プレートに20μLを負荷し、1次元展開溶媒としてテトラヒドロフラン:アセトン:メタノール:水=50:20:40:8(V/V)、2次元展開溶媒としてクロロホルム:アセトン:メタノール:酢酸:水=50:20:10:15:5(V/V)を用いて2次元展開を行った。展開後の薄層プレートにディトマー試薬を噴霧し、スフィンゴミエリンのスポットをかきとり、3質量%(V/V)硝酸含有過塩素酸溶液2mL添加後、170℃3時間の加熱処理を行った。蒸留水5mL添加後モリブデンブルー発色試薬5mL、5質量%(W/V)アスコルビン酸水溶液1mL及び蒸留水を添加し総量を50mLとし、710nmの吸光度を測定した。リン酸2水素カリウムを用いた検量線からリン量を求め、リン量に25.4をかけた値をスフィンゴミエリン量とした。
試験例1〜14
〔ゼラチンゼリー状固形食品の調製〕
表1の処方表に従い、60℃に加温した温水に上白糖又はグラニュー糖を完全に溶解した後、更に3分間60℃を維持した。試験例5、6、13及び14は60℃を維持した状態でカルピスを混合した。60℃の温度を維持したまま、乳脂肪球皮膜成分を少しづつ加えながらディスパーサーで混合し、目視にて均一に分散したことを確認した後、撹拌しながら80℃に昇温した。次いで、この混合物にディスパーサーで撹拌しながら少しずつゼラチンを加え溶解してゼリー原液を調製した。得られたゼリー原液を40gずつ型(スチロール樹脂製プラスチックカップ、容量:70mL、取り出し口内径:5cm)に流し入れ、冷蔵庫で10℃以下に冷却してゼリー状固形食品を得た。
試験例15
試験例1と同様に、表1の処方表に従い、60℃に加温した温水にグラニュー糖を完全に溶解した後、60℃を維持したままカルピスを加えた。更に、乳脂肪球皮膜成分を混合した後、80℃まで加温し、ディスパーサーで撹拌しながらゼラチンを加えたがゼラチンを分散させることができず、ゼリー状固形食品を調製することができなかった。
〔離形性の評価〕
上記試験例のうちゼリーを調製できた実施品及び比較品について、ゼリーの容器内面に対する離形性を評価した。具体的には、製造日の翌日に専門パネル3名により下記の基準で4段階尺度による相対的位置づけを行った。3名の協議をもって評点とした。結果を表1に示す。
(離形性)
4:容器から出し易い
3:容器からやや出し難い
2:容器から出し難い
1:容器から非常に出し難い
Figure 2017212961
表1から明らかなように、試験例1〜9の本発明品は、簡単に容器から取り出せるものであった。これに対して、乳脂肪球皮膜成分を配合しなかった試験例10と13及びその量が所定の量を下回る試験例12と14の比較品は、容器から出し難かった。また、乳脂肪球皮膜成分の量が所定の量を上回る試験例15はゼリーを製造できなかった。
試験例16〜21
〔寒天ゼリー状固形食品の調製〕
表3の処方表に従い、寒天、水、グラニュー糖及びカルピスマンゴーを混合後、加熱し、沸騰状態で2分間維持した。次いで、乳脂肪球皮膜成分を少しずつ混合し、完全に溶解した後に牛乳を加えてゼリー原液を調製した。得られた原液を40gずつ型(スチロール樹脂製プラスチックカップ、容量:70mL、取り出し口内径:5cm)に流しいれ、冷蔵庫で10℃以下に冷却してゼリー状固形食品を得た。
試験例22
試験例16と同様に、表3の処方表に従い、寒天、水、グラニュー糖及びカルピスマンゴーを混合後、加熱し、沸騰状態で2分間維持した。次いで、乳脂肪球皮膜成分を混合したが均一なゼリー原液にならず、ゼリー状固形食品を調製することができなかった。
〔官能試験〕
上記試験例5〜8、13及び14のゼラチンゼリー状固形食品と、試験例16〜22のうち調製できた寒天ゼリー状固形食品についてゼリーの口どけの官能評価を行なった。具体的には、製造日の翌日に専門パネル3名でゼリー40gを食し、下記の評価基準で4段階尺度による相対的位置づけを行った。3名の協議をもって評点とした。結果を表2及び表3に示す。
(口どけ)
4:非常に滑らかで口どけが良い
3:滑らかで口どけが良い
2:口どけがやや良くない
1:口どけが良くない
Figure 2017212961
Figure 2017212961
表2及び表3から明らかなように、試験例5〜8、16〜19の本発明品は、口当たりが滑らかで口どけが良く飲み込み易いものであった。
これに対して、乳脂肪球皮膜成分を配合しなかった試験例13と20の比較品及びその量が所定の量を下回る試験例14と21の比較品は、口どけが悪かった。
また、乳脂肪球皮膜成分の量が所定の量を上回る試験例22の比較品はゲル化剤が寒天の場合でも、ゼリーを製造できなかった。

Claims (5)

  1. (A)ゲル化剤、及び(B)乳脂肪球皮膜成分を1〜8質量%含有し、水分量が70〜95質量%であるゼリー状固形食品。
  2. (A)ゲル化剤がゼラチン又は寒天である請求項1記載のゼリー状固形食品。
  3. ゼリー状固形食品中のリン脂質の含有量が0.17質量%以上1.33質量%以下である請求項1又は2記載のゼリー状固形食品。
  4. ゼリー状固形食品中のスフィンゴミエリンの含有量が0.036質量%以上0.288質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項記載のゼリー状固形食品。
  5. 更に糖類を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載のゼリー状固形食品。
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