JP2017212914A - 割れ防止剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】洋菓子の割れ防止剤、該割れ防止剤を添加し、加熱した洋菓子生地を曲げる工程を含む洋菓子の製造方法とこの製造方法で製造された洋菓子ならびに洋菓子の割れ防止方法を提供する。
【解決手段】ホスホリパーゼを含む、洋菓子の割れ防止剤。該割れ防止剤を洋菓子生地に添加する工程、および洋菓子生地を加熱する工程、さらに、加熱した洋菓子生地を曲げる工程を含む洋菓子の製造方法。この製造方法により得られる洋菓子。該割れ防止剤を洋菓子生地に添加する工程、および洋菓子生地を加熱する工程を含む、洋菓子の割れ防止方法。
【選択図】なし
【解決手段】ホスホリパーゼを含む、洋菓子の割れ防止剤。該割れ防止剤を洋菓子生地に添加する工程、および洋菓子生地を加熱する工程、さらに、加熱した洋菓子生地を曲げる工程を含む洋菓子の製造方法。この製造方法により得られる洋菓子。該割れ防止剤を洋菓子生地に添加する工程、および洋菓子生地を加熱する工程を含む、洋菓子の割れ防止方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、洋菓子の割れ防止剤に関する。
ロールケーキやオムレット等の洋菓子は、加熱後の生地を曲げて成形される。ここで、生地の柔軟性が不十分な場合には、成形時に生地の外側がひび割れ、洋菓子の外観が損なわれる。洋菓子がひび割れないように曲げ成形するためには熟練を要する。
従来、洋菓子の生地の柔軟性を改善し、曲げ成形時のひび割れを防止するための試みがなされている。特許文献1ではイソマルツロースを含む特定二糖類を配合している。しかし、特定二糖類を添加すると、洋菓子の甘さに影響するので、別途、甘さを調製する必要が生じてしまう。
特許文献2では大豆素材の加水分解物を配合している。しかし、この加水分解物は特定の条件で調製されており、調製が容易ではない。
特許文献3ではベーカリー生地を特定の方法で切断および配置してから焼成することによりひび割れを防止している。しかし、生地自体の性質が改善されているわけではなく、製造工程が煩雑化してしまう。さらに、この方法はベーカリー生地層及び呈味素材層からなる製品にしか適用できず、適用範囲が限定されてしまう。
洋菓子の割れを防止することを課題とする。
本発明者は、曲げ成形を行う洋菓子の製造方法について鋭意研究した。その結果、ホスホリパーゼが洋菓子の割れを防止できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、ホスホリパーゼを含む、洋菓子の割れ防止剤に関する。
また、本発明は、前記割れ防止剤を洋菓子生地に添加する工程、および洋菓子生地を加熱する工程を含む、洋菓子の製造方法に関する。
前記製造方法は、さらに、加熱した洋菓子生地を曲げる工程を含むことが好ましい。
また、本発明は、前記製造方法により製造された洋菓子に関する。
また、本発明は、前記割れ防止剤を洋菓子生地に添加する工程、および洋菓子生地を加熱する工程を含む、洋菓子の割れ防止方法に関する。
本発明により、洋菓子の焼き上がりや蒸し上がりが柔らかくなり、曲げ成形時のひび割れを防止でき、ロールケーキやオムレット等に成形した場合に高さを維持できる。洋菓子は6日間保存した後でも柔らかさを維持できる。洋菓子の内相のキメが細かくなり、ふくらみ、ふんわり感、しっとり感、口どけ感が向上する。
本発明の洋菓子の割れ防止剤は、洋菓子のひび割れを防止する。ここで、洋菓子の割れ防止とは、加熱後の洋菓子の柔軟性を向上し、その結果、ロールケーキやオムレット等の、曲げ成形により成形される洋菓子のひび割れを防止し、品質を保持することをいう。
通常、加熱した後の洋菓子は時間の経過と共に柔軟性を失い、曲げ成形するとひび割れが生じる傾向がある。これにより外観が損なわれ、製品価値が低下する。割れがひどい場合には製品とはならず、廃棄される。しかし、本発明の洋菓子の割れ防止剤を配合した洋菓子はホスホリパーゼの作用によりリン脂質が分解され、乳化が促進されて内相のキメが細かくなる上、保湿性や柔軟性が向上する。その結果、曲げ成形時のひび割れが抑制され、食味性も向上する。また、曲げ成形後、長時間保存した後もひび割れることなく外観を維持し得る。洋菓子の柔軟性は長期間維持されるので、加熱した後の洋菓子を長期間保存した後で曲げ成形を行う場合でも、ひび割れを防止できる。
洋菓子としては、ロールケーキ、スイスロール、ブッシュ・ド・ノエル、オムレット、ワッフル、スポンジケーキ、蒸しケーキなどが挙げられる。
ロールケーキは、生クリーム、ホイップクリーム、カスタードクリーム、コーヒークリーム、抹茶クリームなどのクリーム類や、ジャム、フルーツソースなどを薄く塗って巻いてもよいし、果物やナッツを巻き込んでもよい。オムレットのようにフィリングを挟み込むタイプの洋菓子においても、同様にクリームの種類やフルーツの種類を変えることで、多種多様な製品を作ることができる。ロールケーキやスポンジケーキを薄くスライスして窪んだ容器に入れる場合にも、本発明の洋菓子の割れ防止剤を配合すると、柔軟性が高いために割れにくく、容器に沿ってきれいに敷くことができる。
本発明の洋菓子の割れ防止剤は、ホスホリパーゼを含む。ホスホリパーゼはリン脂質を分解する酵素である。ホスホリパーゼとしては、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼB、ホスホリパーゼC、ホスホリパーゼDが挙げられる。この中でも、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼDが好ましく、ホスホリパーゼA2がより好ましい。
ホスホリパーゼは、微生物由来、動物由来、植物由来のものが挙げられる。微生物としてはAspergillus fumigatus、Aspergillus oryzae、Fusarium oxysporum、Saccharomyces cerevisiae、Actinomadura sp.、Bacillus subtilis、B.cereus、Escherichia coli、Listeria monocytegenes、Pseudomonas aeruginosa、Serratia sp.MK1、Streptomyces antibioticus、S.cinnamoneus、S.chromofuscus、S.hachijoensis、S.septatus、S.violaceoruber、Thermomyces lanuginosus、Yersinia enterocoliticaが挙げられる。動物としてはブタ、ヘビ、ウサギ、ウシ、ウマ、イノシシ、ヒツジ、ネズミ、ハムスターが挙げられる。植物としてはシロイヌナズナ、ピーナツ、キャベツが挙げられる。これらの中でも、微生物由来であることが好ましく、放線菌(Streptomyces属)由来であることがより好ましい。Streptomyces violaceoruber由来のホスホリパーゼA2であることがさらに好ましい。また、ホスホリパーゼとしては、起源となる微生物、動物、または植物から抽出したもの、遺伝子組み換え技術を用いて大量生産させたもののいずれを用いてもよく、また野生型ホスホリパーゼを用いてもよく、変異型ホスホリパーゼを用いてもよい。
天然の酵素タンパク質であるホスホリパーゼを洋菓子生地に添加すると、加熱する工程で生地温度が上がり、生地内に含まれるホスホリパーゼは熱変性して働きを失う。ホスホリパーゼは、卵や他の原材料に含まれるタンパク質と同様に体内で消化吸収される。
本発明の洋菓子の割れ防止剤は、ホスホリパーゼ以外に、食品に許容される他の成分を含んでいてもよい。このような他の成分としては、例えば、賦形剤、pH調整剤、酵素、増粘多糖類、乳化剤、乳化剤と重合リン酸塩との混合物、乳製品、エキス類、糖質、甘味料、発酵風味料、卵、無機塩類、保存料などが挙げられる。本発明の洋菓子の割れ防止剤に含有される他の成分の含有量は特に限定されず、当業者によって任意の量が選択され得る。
pH調整剤としては、例えば、アスコルビン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、およびアジピン酸、ならびにこれらの有機酸のナトリウム(Na)塩、カルシウム(Ca)塩、およびカリウム(K)塩ならびに炭酸、リン酸、およびピロリン酸、ならびにこれらの無機酸のNa塩およびK塩が挙げられる。
酵素としては、例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、マルトジェニックアミラーゼ、グルカン1,4−α−マルトトリオヒドロラーゼ、グルカン1,4−α−マルトテトラオヒドロラーゼ、グルカン1,4−α−マルトヘキサオシダーゼ、へミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、ガラクトリパーゼ、グルコースオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ、グルタチオンデヒドロゲナーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、トランスグルタミナーゼ、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、β−グルカナーゼ、トリアシルグリセロールリパーゼなどが挙げられる。
増粘多糖類としては、例えば、加工澱粉、ガム類、アルギン酸、アルギン酸誘導体、ペクチン、カラギーナン、カードラン、プルラン、ゼラチン、セルロース誘導体、寒天、タマリンド、サイリウム、グルコマンナンなどが挙げられる。
乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン、サポニンなどが挙げられる。
乳製品としては、例えば、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、ホエイ粉、カゼイン、チーズ、ヨーグルト、練乳、発酵乳、クリームなどが挙げられる。
エキス類としては、例えば、酵母エキス、モルトエキスなどが挙げられる。
糖質としては、例えば、ブドウ糖、果糖などの単糖;砂糖、マルトース、イソマルトース、トレハロース、ラクトース、ラクツロース、セロビオースなどの二糖;マルトトリオース以上のマルトオリゴ糖、ラフィノース、パノース、スタキオース、グルコオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ゲンチオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、ラクトスクロースなどの直鎖もしくは分岐オリゴ糖;異性化糖、水あめ、粉あめ、はちみつなどの糖混合物;デンプン、加工デンプン、デキストリン、水酸化ヘミセルロースなどの多糖;還元水あめ、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、パラチニット、エリスリトール、オリゴ糖還元物などの糖アルコールなどが挙げられる。二糖類、オリゴ糖類、デンプン、加工デンプン類、デキストリンは賦形剤としても用いられる。
甘味料としては、例えば、ステビア、アスパルテーム、グリチルリチン、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテームなどが挙げられる。
無機塩類としては、例えば、食塩、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、重合リン酸塩などが挙げられる。
保存料としては、例えば、プロピオン酸、プロピオン酸塩、亜硫酸塩、安息香酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸塩などが挙げられる。塩としては、ナトリウム(Na)塩、カルシウム(Ca)塩、およびカリウム(K)塩などが挙げられる。
本発明の洋菓子の割れ防止剤の形状は特に限定されず、粉末状、顆粒状、液体状、ペースト状、固形状が挙げられる。
本発明の洋菓子の製造方法は、洋菓子生地に割れ防止剤を添加する工程、および洋菓子生地を加熱する工程を含む。また、本発明の洋菓子の割れ防止方法は、洋菓子生地に割れ防止剤を添加する工程、および洋菓子生地を加熱する工程を含む。
洋菓子生地の材料としては、卵(全卵、卵黄、卵白、乾燥卵、凍結卵など)、砂糖、小麦粉(薄力粉、中力粉、強力粉、全粒粉、グラハム粉など)、油脂(バター、マーガリン、ショートニング、液状油、乳化油脂など)、ベーキングパウダー、水が挙げられる。風味や味、食感や風味に変化をつけるために、小麦粉以外の穀物粉(例えば、米粉、ライ麦粉、コーンスターチ、大豆粉など)、牛乳、生クリーム、ヨーグルト、クリームチーズ、サワークリーム等の乳製品、チョコレート類、ココアパウダー、コーヒー、抹茶、紅茶等の粉末材料、シナモン、バニラビーンズ等のスパイス・ハーブ類、果汁、フルーツ、ナッツ、アルコール、香料などを加えてもよい。
洋菓子生地の製造方法としては、共立て法、別立て法、オールインミックス法が挙げられる。共立て法では、全卵に砂糖を加えて泡立てたのち、小麦粉や油脂を加える工程で生地を製造する。別立て法では、卵白と卵黄を別々に泡立てた後に、両者と粉類を順次合わせて生地を製造する。オールインミックス法では、全ての材料を同時に混合し、泡立てて生地を製造する。配合には乳化起泡剤を使用してもよい。洋菓子生地の製造方法としては、共立て法、別立て法、オールインミックス法を組み合わせた方法でもよい。本発明の洋菓子の割れ防止剤は、共立て法、別立て法、オールインミックス法のどの方法で製造された洋菓子生地においても、ひび割れを防止する効果を奏する。
洋菓子生地中の割れ防止剤の含有量は、ロールケーキにおいては、使用する全卵の重量に対して0.02〜0.6%であることが好ましく、0.05〜0.4%であることがより好ましく、0.1〜0.2%であることがさらに好ましい。卵黄を使用する場合は、割れ防止剤は全卵の場合の使用量の3倍量を使用すればよい。ここで、%は重量%を意味する。
洋菓子生地の加熱方法としては、焼成加熱、蒸し加熱が挙げられる。加熱温度は、90〜250℃であることが好ましい。さらに、焼成加熱の場合は170〜200℃、蒸し加熱の場合は90〜110℃であることがより好ましい。加熱時間としては、例えば0.1時間、0.2時間、0.25時間、0.5時間、1時間が挙げられるが、加熱する洋菓子の種類やサイズ、個数によって適宜調整される。
加熱された洋菓子生地には、曲げる加工が行われる。曲げる加工としては、折り曲げ加工や、渦巻形状への加工が挙げられる。洋菓子生地を曲げる際には、洋菓子生地の焼き目を外側にして曲げてもよく、内側にして曲げてもよい。
本発明の洋菓子の割れ防止剤は、加熱後の洋菓子生地の柔らかさを長時間維持できるので、加熱後の生地を長時間保存してから曲げ加工を行っても、ひび割れを防止できる。また、加熱された洋菓子生地に曲げ加工を行った後、長期間保存する場合でも、保存中にひび割れることを防止できる。曲げ加工を行う前、或いは後における洋菓子の保存温度は、0〜30℃であることが好ましく、2〜10℃であることがより好ましく、3〜6℃であることがさらに好ましい。保存期間としては、例えば1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間が挙げられるがこれらに限定されない。また、冷凍によって、より長期間保存することも可能である。
(実施例1〜2および比較例1)
(1)ロールケーキ生地の作製
全卵および卵黄に、グラニュー糖と割れ防止剤(ナガセケムテックス社製、製品名:デナベイクRICH)を添加し、湯煎で約40℃に温めた後、泡立てた。その後、ふるっておいた薄力粉を加えて混合し、続いて、室温の牛乳を加えて混合した。各成分の配合量は表1に示す。
(1)ロールケーキ生地の作製
全卵および卵黄に、グラニュー糖と割れ防止剤(ナガセケムテックス社製、製品名:デナベイクRICH)を添加し、湯煎で約40℃に温めた後、泡立てた。その後、ふるっておいた薄力粉を加えて混合し、続いて、室温の牛乳を加えて混合した。各成分の配合量は表1に示す。
(2)ロールケーキの焼成および成形
ロールケーキ生地を30センチ角の正方形の型に流し入れ、全体を平らにならした後、オーブンで15分間、上火180℃、下火180℃の条件で焼成した。焼成したロールケーキ生地を室温において冷ました後に、シート状のケーキの上に生クリームを伸ばし、渦巻形状に巻いてロールケーキを作製した。
ロールケーキ生地を30センチ角の正方形の型に流し入れ、全体を平らにならした後、オーブンで15分間、上火180℃、下火180℃の条件で焼成した。焼成したロールケーキ生地を室温において冷ました後に、シート状のケーキの上に生クリームを伸ばし、渦巻形状に巻いてロールケーキを作製した。
(3)高さ
実施例1〜2および比較例1のシート状のロールケーキを室温で1日間保存後、高さを測定した。その結果を図1に示す。実施例1〜2のロールケーキは、比較例1に比べて膨らみが良好であり、5%以上高さが向上した。
実施例1〜2および比較例1のシート状のロールケーキを室温で1日間保存後、高さを測定した。その結果を図1に示す。実施例1〜2のロールケーキは、比較例1に比べて膨らみが良好であり、5%以上高さが向上した。
(4)柔軟性および老化状態
実施例1〜2および比較例1のシート状のロールケーキを室温で1日間または6日間保存後、硬さを下記の条件により測定した。
<硬さ測定条件>
シート状のロールケーキから縦、横がそれぞれ3cm(高さはケーキの厚み)のケーキ片を切り出し、レオメーター(サン科学株式会社製)とNo.1(直径25mm円盤型)のアダプターを使用し、ケーキを厚みが半分となるまで圧縮した時の応力を測定した。圧縮速度は、1分間に60mmとした。
実施例1〜2および比較例1のシート状のロールケーキを室温で1日間または6日間保存後、硬さを下記の条件により測定した。
<硬さ測定条件>
シート状のロールケーキから縦、横がそれぞれ3cm(高さはケーキの厚み)のケーキ片を切り出し、レオメーター(サン科学株式会社製)とNo.1(直径25mm円盤型)のアダプターを使用し、ケーキを厚みが半分となるまで圧縮した時の応力を測定した。圧縮速度は、1分間に60mmとした。
測定結果を図2に示す。1日保存後、実施例1〜2のロールケーキの硬さは比較例1のロールケーキの約半分に抑えられており、柔らかいロールケーキを製造できていることが確認された。6日保存後も、実施例1〜2のロールケーキの硬さは比較例1の約半分に抑えられ、老化が防止されて柔らかさが維持されていた。
(5)ひび割れ防止性能
実施例2および比較例1のシート状のロールケーキを、室温で1日間保存した後に二つ折りにした際の状態を図3に示す。比較例1のロールケーキでは折り曲げてすぐにひびが発生して生地が割れ、渦巻形に巻く事ができなかった。これに対し、実施例2のロールケーキでは二つ折りにしても全く割れが発生せず、渦巻形状に巻く事ができた。
実施例2および比較例1のシート状のロールケーキを、室温で1日間保存した後に二つ折りにした際の状態を図3に示す。比較例1のロールケーキでは折り曲げてすぐにひびが発生して生地が割れ、渦巻形に巻く事ができなかった。これに対し、実施例2のロールケーキでは二つ折りにしても全く割れが発生せず、渦巻形状に巻く事ができた。
(6)食味評価
実施例1〜2および比較例1のシート状のロールケーキを室温で1日間保存後、食味評価を行った。食味は、下記の観点により、比較例1を3点として5段階で評価した。
<食味評価の観点>
ふんわり感:ふんわりしているほど高得点
口どけ感:口どけが良いほど高得点
しっとり感:しっとりしているほど高得点
キメ:内相のキメが細かいほど高得点
実施例1〜2および比較例1のシート状のロールケーキを室温で1日間保存後、食味評価を行った。食味は、下記の観点により、比較例1を3点として5段階で評価した。
<食味評価の観点>
ふんわり感:ふんわりしているほど高得点
口どけ感:口どけが良いほど高得点
しっとり感:しっとりしているほど高得点
キメ:内相のキメが細かいほど高得点
評価結果を図4に示す。実施例1〜2のロールケーキは、比較例1のロールケーキに対して、ふんわり感、口どけ感、しっとり感、キメのいずれにおいても高い評価を示した。
Claims (5)
- ホスホリパーゼを含む、洋菓子の割れ防止剤。
- 請求項1に記載の割れ防止剤を洋菓子生地に添加する工程、および洋菓子生地を加熱する工程を含む、洋菓子の製造方法。
- さらに、加熱した洋菓子生地を曲げる工程を含む、請求項2に記載の製造方法。
- 請求項2または3に記載の製造方法により製造された洋菓子。
- 請求項1に記載の割れ防止剤を洋菓子生地に添加する工程、および洋菓子生地を加熱する工程を含む、洋菓子の割れ防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016108907A JP2017212914A (ja) | 2016-05-31 | 2016-05-31 | 割れ防止剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016108907A JP2017212914A (ja) | 2016-05-31 | 2016-05-31 | 割れ防止剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017212914A true JP2017212914A (ja) | 2017-12-07 |
Family
ID=60574826
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2016108907A Pending JP2017212914A (ja) | 2016-05-31 | 2016-05-31 | 割れ防止剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017212914A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019088225A1 (ja) | 2017-11-02 | 2019-05-09 | 日本製鉄株式会社 | H形鋼の製造方法 |
-
2016
- 2016-05-31 JP JP2016108907A patent/JP2017212914A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019088225A1 (ja) | 2017-11-02 | 2019-05-09 | 日本製鉄株式会社 | H形鋼の製造方法 |
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