本発明は、組織の状態を活性化するための行動パターンを個人別に推薦するシステムであり、人体に装着するセンサ端末によって取得された行動データを用いることを特徴とする。以下、図面を用いて説明を行う。
最初に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<図1:システム概要>
図1は、本発明の実施の形態のセンサデータ分析システムの概要を示す説明図である。
本発明の実施の形態では、センサ端末(TR、TR2〜3:以下個体を識別しない場合にはすべてTRと示す)をユーザ(US、US2〜3:以下個体を識別しない場合にはすべてUSと示す)が装着し、その端末(TR)内の、物理量を計測するセンサ(図示省略)によって装着者の動きに関するセンシングデータ(以下、3軸加速度データとするが、他の手段を用いてもよい)及び他の装着者とのインタラクション(対面または近接状態)に関するセンシングデータを取得する。インタラクションは、例えば、ユーザ(US)同士が対面した際に各端末(TR)間で赤外線信号又はその他の無線信号等を送受信することで検知される。
端末(TR)は、端末内処理部(図示省略)においてセンシングデータを処理した情報、又はネットワーク上のサーバ(その一例としてアプリケーションサーバ(AS))から無線または有線通信で受け取った情報を、端末(TR)内の表示装置(LCDD)に出力することが可能である。
一方で、取得されたセンシングデータは、無線または有線で接続された基地局(GW)に送信され、ネットワーク(NW)を通じてセンサネットサーバ(SS)に格納される。分析サーバ(CS)は定期的にセンサネットサーバ(SS)上のデータを取得し、行動指標の生成、組織の活性状態に関する指標の生成、それらの間の統計分析を実施し、個人別のアドバイスリストを生成する。アプリケーションサーバ(AS)は定期的に分析サーバ(CS)から特定の個人に関する行動データ及びアドバイスリストを取得し、個人向けの表示画面を生成し、クライアント(CL)に送信し、ディスプレイ(CLOD)に表示する。
さらに、アプリケーションサーバ(AS)を、例えば業務メールもしくはスケジュール情報を格納する外部データサーバ(OS)、または、エアコンなどのユーザ(US)周囲の環境に影響を与えることのできる外部機器(図示省略)もしくは周囲の環境を計測する外部センサ(図示省略)と繋ぎ、その値と組織の活性状態を示す指標との関連を統計的に分析することによって、環境を最適化するように外部機器(図示省略)を制御することも可能である。
本発明において組織の活性状態に関する指標とは、組織の望ましい状態を直接的または間接的に示す指標である。例えば、組織に属するメンバ(図1の例では、ユーザ1〜3等)の身体が動いている状態の継続時間の、組織全員の頻度分布に基づいて算出される組織活性度でもよいし、同様の継続時間の個人または個人とその周囲の複数人の頻度分布に基づいて算出される個人活性度でもよい。前者の場合、組織に属するメンバに装着された全ての端末の加速度センサの計測結果に基づいて、全てのメンバについての(すなわちそれらがどのメンバから取得されたものであるかにかかわらず、全部のデータについて)身体が動いている状態の継続時間の頻度分布が生成され、それに基づいて組織活性度が算出される。これによって、客観的な組織活性度が得られる。あるいは、売上または生産量などの生産性指標でもよいし、アンケートで収集した達成感またはチームワークなどの主観的な指標を用いてもよい。
<図2〜図9クライアントの表示画面例>
図2〜図9は、本発明の実施の形態のクライアント(CL)のディスプレイ(CLOD)に表示される画面の一例を示す説明図である。
これらの画面はアプリケーションサーバ(AS)において生成され(ASCD)、クライアントの画面制御(CLCC)の結果表示されるが、クライアント(CL)内で画面生成してもよい。また、図2〜図9においてはクライアント(CL)はスマートフォンまたはタブレットなどの小型タッチパネル付き端末を想定して図示しているが、クライアント(CL)はPCのWebブラウザまたは大型タッチパネルなどの別の手段を用いてもよい。
図2は、ユーザ(US)が各画面に遷移するためのメニュー画面(OD100)である。本アプリケーション立ち上げ中は常に画面の一角にメニューボタン(OD101)が表示されており、それを押すとメニュー画面(OD100)が開く。各ページ遷移ボタン(OD102)を押すと、それぞれの画面に遷移する。遷移する画面の例としては、メイン画面(OD200)、アドバイス表示画面(OD300)、行動ログ画面(OD400)、スケジュール画面(OD500)、時系列表示画面(OD600)、及びデータ一覧画面(OD700)がある。また、提案されているアドバイスの数(OD590)及びダイジェスト情報が、当メニュー画面、クライアント(CL)のデスクトップ、または外部スケジューラ等に、アラートまたはバッジとして表示されてもよい。
図3は、ユーザ(US)に情報を提示するためのメイン画面(OD200)の一例である。
メイン画面(OD200)は週毎のエリアに分割されており、ユーザ(US)が開閉ボタン(OD213)を操作することによって週表示エリア(OD210)を開くと行動ログ画面(OD400)が下部に展開される。週表示エリア(OD210)内には、組織の活性状態に関する指標を示す組織指標表示(OD211)、ユーザ(US)本人が組織指標を高めるために貢献した度合い、たとえばアドバイスの実行回数を示した貢献度表示(OD212)などのメイン指標が表示される。また、定期的に、例えば4週ごとに行動データのサマリを提示する定期レポート表示エリア(OD220)もメイン画面(OD220)内に配置し、それを展開することで定期レポートを同画面上に表示することも可能である。
図4はアドバイス表示画面(OD300)である。最新の週表示エリア(OD210)を展開すると今週のユーザ(US)へのアドバイスが表示される。アドバイスリスト表示エリア(OD301)には、ログインしているユーザ(US)へのアドバイスが1種類または複数種類表示される。個別のアドバイスはそれぞれアドバイス項目表示エリア(OD302)に表示され、エリア内にはアドバイスの見出し(OD303)と、アドバイスが既に実行されたかを示すアドバイス実績表示(OD304)が含まれる。
アドバイス実績表示(OD304)は、そのアドバイスと対応する行動指標が目標値を超えたか、もしくはアドバイス詳細画面(OD310)において手動で実績入力(OD313)された場合、または日数に応じて表示が更新される。提示されるアドバイスの例としては、特定の人との会話を増やすべきか減らすべきか、出社または退社の時刻、会議またはデスクワークの時間帯およびその進め方など、生成される行動指標(CSDT)に対応する項目のアドバイスがある。また、生成される行動指標(CSDT)がメールまたはスケジュールなどの外部データサーバ(OS)の情報を含む場合には、メールの送受信のタイミング、端末(TR)をつけていない人との会議の進め方、エリアの選択、室温、照明の明るさ、または環境音など、職場環境または外部状況に関する制御可能な要因を最適化するアドバイスを提示してもよい。
アドバイス項目表示エリア(OD302)を選択すると、図5のアドバイス詳細画面(OD310)のウィンドウがポップアップされる。この画面には、詳細タイトル(OD311)及び詳細説明(OD312)が含まれ、アドバイスの内容をユーザ(US)が理解するための情報が記載されている。また、アドバイス詳細画面(OD310)は、ユーザ(US)がこのアドバイスを実行したことを入力するための実績入力(OD313)、スケジューラ情報またはアドバイスに含まれる関係者との面会を設定する予定入力(OD314)などの機能を併せ持ってもよい。
図6に行動ログ画面(OD400)を示す。過去または当日の日付を選択(OD401)すると、その日のユーザ(US)の端末(TS)から取得した行動ログ(OD405)が、縦軸の時刻(OD404)に沿って時系列表示される。ここに含まれる情報は、例えば、出社時刻、デスクワーク、会話などの行動に関する開始時刻、終了時刻、継続時間、会話の相手およびエリア情報などが表示される。合わせて当画面には、アンケート入力(OD402)欄、および、一日の活動概要を示す概要データ(OD403)欄を設けてもよい。また、当画面がスケジューラと連動した場合には、スケジューラに登録された会議などの情報及びメール内に書かれた開催案内の情報を対応する日付・時間帯に併記してもよい。
図7は、当日または将来の日付のページにおいてスケジュールを表示する画面(OD500)である。この画面には、アドバイスが示す時刻または時間帯(OD501)に対応づけてアドバイス情報(OD502)が表示される。合わせてスケジューラ等に記載されたスケジュール情報(OD503)が記載されてもよい。
図8は、中長期の特定の指標を示す時系列表示画面(OD600)である。この画面には、横軸に期間が表示(OD601)され、ユーザ(US)が所属する組織名、その組織の組織指標の変化の表示(OD603)、ユーザ(US)の組織への貢献度(たとえばアドバイスの達成数)を示す個人実績表示(OD604)が並べて表示される。これによって、ユーザ(US)の行動の変化と組織の状態の変化とを関連付けて理解することができる。
図9は、長期的な個人のデータ蓄積を可視化した、データ一覧画面(OD700)である。この画面には、加速度の周波数が、身体リズムとして、1分、10分などの単位で色で表示される(OD701)。合わせて凡例(OD702)が記載される。
<図10:端末の表示画面例>
図10は、本発明の実施の形態の端末(TR)の表示装置(LCDD)に表示される画面の一例を示す説明図である。
端末(TR)は、時計(TRCK)が保持する日時情報(TROD10)、指標(TROD11)(TROD12)及びアドバイス(TROD13)を表示装置(LCDD)に表示する。指標(TROD11)(TROD12)及びアドバイス(TROD13)は、端末(TR)内でセンサデータを簡易行動解析(ANA)した結果として得られたものであってもよいし、アプリケーションサーバ(AS)から無線または有線で受け取ったものであってもよい。端末(TR)は、アドバイス表示に加えて、そのアドバイスに関連する時刻にスピーカ(SP)またはLED(図示省略)を用いてアラートを出力してもよい。端末(TR)はボタン(BTN1、BTN2、BTN3)を有し、いずれかのボタン操作で画面状態を切り替えることも可能である(TROD1、TROD2、LCDD3)。係る表示態様によって、ユーザ(US)に分析に基づく望ましい行動を把握させることがより容易となり、適切なタイミングでアドバイスを実行させることが可能となる。
<図11:データ収集のシーケンス>
図11は、本発明の実施の形態において実行される、複数のユーザ(US)にそれぞれ装着されたそれぞれの端末(TR)で取得されたセンシングデータをセンサネットサーバ(SS)に格納するまでの手順を示すシーケンス図である。
まず、端末(TR)の電源が入っており、かつ端末(TR)が基地局(GW)とアソシエイト状態になっていないとき、端末(TR)はタイマ起動(TRST1)で定期的にアソシエイト(TRTA)を行う。アソシエイトとは、端末(TR)が、ある一つの基地局(GW)と通信する関係であると規定することである。基地局(GW)からアソシエイト応答を受け取り、アソシエイトが成功した場合、端末(TR)は、次に時刻同期(TRCS)を行う。時刻同期(TRCS)において、端末(TR)は、基地局(GW)から時刻情報を受け取り、端末(TR)内の時計(TRCK)を設定する。基地局(GW)は、NTPサーバ(TS)と定期的に接続し時刻を修正している。このため、全ての端末(TR)において時刻が同期される。これによって、後に解析する際に、センシングデータに付随した時刻情報を照らし合わせることで、人物間の同時刻におけるデータを比較分析することも可能になる。
端末(TR)の三軸加速度センサ(AC)及び温度センサ(AE)などの各種センサは、例えば10秒ごとの一定の周期でタイマ起動(TRST2)し、加速度、音声、温度及び照度等をセンシングする(TRSS)。端末(TR)は、端末情報(TRMT)の1つである端末IDを、赤外線によって他の端末(TR)との間で送受信することで、対面状態(すなわち、それぞれの時刻に、当該端末を装着した人物が他の端末を装着した人物と対面していたか否か、対面していたとすればどの人物と対面していたか)を検出する。端末(TR)の各種センサは、タイマ起動(TRST)せずに、常にセンシングを行ってもよい。しかし、一定の周期で起動することによって電源を効率的に使用することができ、充電することなく長時間端末(TR)を使用しつづけることができる。
端末(TR)は、センシングしたデータに、時計(TRCK)の時刻情報及び端末情報(TRMT)を添付する(TRCT)。後にセンサネットサーバ(SS)、分析サーバ(CS)またはアプリケーションサーバ(AS)においてデータ解析する際には、端末情報(TRMT)によって、端末(TR)を装着した人物が識別される。
データ形式変換(TRDF)において端末(TR)は、センシングデータにセンシングの条件などのタグ情報を付与し、決められた送信フォーマットに変換し、端末内記憶部(STRG)に記録する。このフォーマットは基地局(GW)内のデータ形式情報(GWMF)及びセンサネットサーバ(SS)内のデータ形式情報(SSMF)と共通して保管されているものである。変換されたデータは、その後、有線または無線ネットワークを通じて基地局(GW)に送信される(TRSE)。基地局(GW)はデータを受信(GWRE)後、経由した基地局情報(GWMG)を付与して再びデータを有線または無線ネットワークを通じてセンサネットサーバ(SS)に送信する(GWSE)。センサネットサーバ(SS)はデータを受信(SSRE)し、全ユーザ(US)のセンシングデータをデータベース(SSDB)に格納する(SSCDB)。
<図12:指標生成のシーケンス>
図12は、本発明の実施の形態の分析サーバ(CS)がデータから各種指標を生成する処理の手順を示すシーケンス図である。
分析サーバ(CS)は所定の時刻にタイマ起動(CSTK)し、指標生成の処理を開始する。まずログデータ依頼(CS11)をセンサネットサーバ(SS)及び外部データサーバ(OS)などの関連するサーバに送る。外部データサーバ(OS)では記憶部(OSME)に格納されたデータ、例えばメール送受信ログ(OSMM)またはスケジュールデータ(OSMS)のうち、特定のキーワードまたは日付を含むなどの所定の特徴を持つデータを分類(OSCT)し、取得(OSCD)し、ログデータを送信する(OSSE)。センサネットサーバ(SS)では、依頼を受けてセンシングデータベース(SSDB)から必要なデータを取得し、分析サーバ(CS)に送信する(SSDG)。
分析サーバ(CS)は、受け取ったログデータに対して、記憶部(CSME)内の指標生成プログラム(図示省略)を分析設定(CSDA)に示された条件に基づいて適用し、行動指標を生成する(CS12)。このとき、分析サーバ(CS)は、受け取ったログデータを記憶部(CSME)に格納してもよい。同様にして、分析サーバ(CS)は、加速度データをプログラムで処理して組織活性度及び個人活性度を生成する(CS13)。これらのデータは記憶部(CSME)の行動指標DB(CSDT)又は組織・個人活性度DB(CSMA)に格納される(CS14)。
図19は、本発明の実施の形態の行動指標DB(CSDT)に格納される行動指標テーブル(CSDTA)の形式の例を示す説明図である。
分析サーバ(CS)は、端末(TR)で検知された複数人物間の対面情報に基づき、データ補完を行い、会話が行われていた時刻、参加者のIDの一覧を決定する。分析サーバ(CS)は、1つの会話イベントに対して同一の会話ID(DTA2)を割り当て、3名以上の会話の場合は全参加者のIDの全組み合わせを本人ID(DTA3)と相手ID(DTA4)に割り当てる。例えば図19の先頭の6レコードには、ID「2695」、「2696」及び「2698」によって識別される3名の参加者による1つの会話イベントに関する情報が含まれている。また各会話イベントに対して、日付(DTA1)と付随情報、例えば時間帯(DTA5)、継続時間(DTA6)、会話エリア(DTA7)、会話に参加した人数(DTA8)、及び、本人IDに該当する人物が話し手だったか聞き手だったかといった会話の方向性等を示す会話特性(DTA9)などを記録するカラムが設けられる。付随情報は文字列でなく連続値であってもよい。
なお、人物間で会話が行われたか否か、及び、その会話の方向性等は、赤外線信号の送受信結果から得られる対面情報と、対面中の加速度情報と、に基づいて特定されてもよいし、加速度情報の代わりに(またはそれに加えて)音声情報が使用されてもよい。あるいは、人物間で会話が行われたか否かに関わらず、対面情報を用いて以下の処理を行ってもよい。
図19には、人物の行動のうち、他の人物との対面に関する行動指標テーブルの例を示したが、分析サーバ(CS)は、他の行動に関する行動指標テーブルを生成して行動指標DB(CSDT)に格納してもよい。
例えば、分析サーバ(CS)は、加速度データに基づいて、各人物がデスクワークを行っていた時間帯を特定し、デスクワークに関する行動指標テーブル(図示省略)を生成してもよい。デスクワークに関する行動指標テーブルは、会話ID(DTA2)の代わりにそれぞれの時間帯のデスクワークを識別する情報が保持され、会話エリア(DTA7)の代わりにデスクワークが行われたエリアを識別する情報が保持され、本人ID(DTA3)、相手ID(DTA4)、人数(DTA8)及び会話特性(DTA9)が含まれないことを除いて、図19に示した行動指標テーブル(CSDTA)と同様であってもよい。
上記のデスクワークは、業務の種類の一例として示したものであり、分析サーバ(CS)は、組織の業務に応じて、デスクワーク以外の種々の業務に関する行動指標テーブルを生成することができる。また、複数の種類の業務に関してそれぞれ行動指標テーブルを生成し、行動指標DB(CSDT)に格納してもよい。
あるいは、分析サーバ(CS)は、対面情報、加速度データ、及び、必要に応じてその他の情報等に基づいて、各人物の行動の時間配分に関する行動指標テーブル(図示省略)を生成してもよい。時間配分に関する行動指標テーブルは、会話ID(DTA2)の代わりにそれぞれの行動を識別する情報が保持され、会話エリア(DTA7)の代わりにそれぞれの行動が行われたエリアを識別する情報が保持され、本人ID(DTA3)、相手ID(DTA4)、人数(DTA8)及び会話特性(DTA9)が含まれないことを除いて、図19に示した行動指標テーブル(CSDTA)と同様であってもよい。時間配分に関する行動指標テーブルは、例えば、各人物の出社時刻、退社時刻、1日分の会話時間の合計、及び、1日分のデスクワーク時間の合計、等を含んでもよい。
また、行動指標DB(CSDT)にはイベント情報を記録するイベントテーブル(CSDTI)も格納される。イベントテーブル(CSDTI)は外部データサーバ(OS)のスケジュール情報などから取得されてもよいし、ユーザ(US)がクライアント(CL)を通して手動で入力してもよい。
図20は、本発明の実施の形態の行動指標DB(CSDT)に格納されるイベントテーブル(CSDTI)の形式の例を示す説明図である。
イベントテーブル(CSDTI)には、日付(DTI1)及び本人ID(DTI2)と対応づけて、例えば会議回数(DTI3)、平均気温(DTI4)、定時退勤日か否かのフラグ(DTA5)、出張の有無(DTA6)、飲み会(例えば定時後の酒席)の有無(DTA7)及び曜日(DTA8)などの情報が格納される。
<図13:個人別アドバイス生成のシーケンス>
図13は、本発明の実施の形態の分析サーバ(CS)が統計分析を行いユーザ(US)個別のアドバイスを生成する処理の手順を示すシーケンス図である。
図13に示す個人別アドバイス生成処理を一定期間ごとに、例えば週または月ごとに実行してアドバイスの一覧を生成しておき、図14に示すアドバイス選択処理は前者よりも頻度を増やして例えば毎日実行すれば、提示するアドバイスをその日の状況に合わせて調整することを、少ない計算負荷で実行することが可能である。もちろん毎日図13の処理を実行し終了後引き続き図14の処理を毎回行ってもよい。
図13において、分析サーバ(CS)は所定の時刻にタイマ起動(CSTK)し、アドバイス生成の処理を開始する。まず、分析サーバ(CS)は、指標取得依頼(CS20)を行い、記憶部(CSME)の行動指標DB(CSDT)及び組織・個人活性度DB(CSMA)に格納された指標を取得する(CSM21)。
次に、分析サーバ(CS)は、ユーザ(US)を順に選択し(CS21)、選択されたユーザ(US)(以下、特定のユーザ(US)と記載)と行動パターンが類似した人物または特定のユーザ(US)と対面時間が長い人物1名または複数名を類似メンバとして選択する(CS22)。個人データセット生成(CS23)においては、分析サーバ(CS)は、特定のユーザ(US)自身の行動ログに基づく行動指標と活性度だけでなく、類似メンバに関するデータも含んだ説明変数群と目的変数をその特定のユーザ(US)の個人データセット(CSDTAP)として生成する(CS23)。
一方、分析サーバ(CS)は、類似メンバ選択(CS22)を実施せず、当人(すなわち特定のユーザ(US))の行動ログのみに基づく指標で個人データセット(CSDTAP)を生成してもよい。後者の場合、得られるアドバイスは本人が実際に行ったことのある行動パターンから生成されるが、類似メンバ選択を行った場合には、本人は行ったことがないが類似メンバとして選ばれた他者が行ったことがある行動パターンがアドバイスとして生成されることがあるため、当人にとって効果の見込みが高くかつ新規性のあるアドバイスが得られる可能性がある。
次に、分析サーバ(CS)は、統計分析依頼(CS24)において分析設定(CSDA)と共に個人データセット(CSDTAP)を統計分析部(CSS)に送信する。統計分析部(CSS)ではまず複合指標生成(CSS1)を行い、入力された指標を2つまたはそれ以上組み合わせた条件を満たすケースを示す複合指標を生成する。
図21は、本発明の実施の形態における、指標を複合指標化した後のデータセットの例を示す説明図である。
個人データセット(CSDTAP)は、日付(DTAP1)、特定のユーザ(US)を識別する本人ID(DTAP2)、例えば組織活性度等の目的変数(DTAP3)、及び、それぞれの日の特定のユーザ(US)の行動指標から生成された複合指標(DTAP4)を含む。後述するように全ユーザ(US)分の計算が終了するまで、ユーザ(US)ごとにCS21からCSM24までの処理が繰り返されるため、ユーザ(US)ごとに個人データセット(CSDTAP)が生成される。
例えば、3つの行動指標から生成された複合指標(DTAP4)の例として、特定のユーザ(US)(図21の例では、ID「2695」によって識別される人物)が定時退勤日かつ午前中にデスクワークを行った場合、分析サーバ(CS)は、その発生件数を正規化した値を個人データセット(CSDTAP)に追記する。同様に、分析サーバ(CS)は、特定のユーザ(US)が定時退勤日かつ午後に行ったデスクワークの発生件数を追記してもよいし、特定のユーザ(US)が所定の時間帯(例えば始業前、午前、午後、定時後等)に他の人物と対面した回数を対面の相手ごとに計数して正規化した値を追記してもよい。
すなわち、複合指標(DTAP4)の値は、各ユーザ(US)が行った、所定の条件を満たす行動の量(例えば、特定のユーザと、特定の時間帯に会話した回数または時間の少なくとも一方)を、条件ごとに示している。ここで、所定の条件は、例えば、各ユーザ(US)の会話相手、会話が行われた時間帯、会話の継続時間、会話が行われた場所、会話への参加者の数、及び会話の方向性、のいずれかまたはそれらの複数の組合せであってもよいし、時間帯ごとに行われた業務の種類(例えばデスクワーク)であってもよいし、時間配分に関する条件(例えば出社時間)であってもよいし、さらに、それぞれの日のイベント(例えば曜日)を含んでもよい。
次に、分析サーバ(CS)は、データセット内で事前に指定された特定の目的変数(DTAP3)と複合指標を含む全指標との統計的関連を網羅的に計算し(CSS2)、その結果得られた統計量、たとえば相関係数、回帰係数、または有意確率などの値を各指標と関連付けて記憶部(CSME)の統計量テーブル(CSMC)に格納する(CSS3)(CSM22)。なお、図19を参照して説明したように、対面に関する行動指標テーブルだけでなく、他の行動に関する行動指標テーブルも作成された場合、それぞれの行動指標テーブルについて、CS24からCSM22までの処理が繰り返し実行される。
例えば、上記の所定の条件を満たす行動の量と、目的変数である組織活性度との相関が計算される。具体的には、例えば、いずれかのユーザとの会話の回数、いずれかの時間帯にデスクワークを行った回数、または、特定の時間配分が行われた回数と、組織活性度との相関が計算されてもよい。
格納が完了したら、分析サーバ(CS)は統計分析(CSS2)の結果に基づいて目的変数との関連が有意である(例えば相関の強さが所定の強さを超えるなど、所定の条件を満たす)と判定された全複合指標における指標の組み合わせパターンを指標パターン定義(CSMP)ファイルと照会し(CSM23)、アドバイスが定義されている複合指標を抽出し、アドバイスリストを生成し(CS26)、格納する(CSM24)。分析サーバ(CS)は、CS21からCSM24までを全ユーザ(US)分の計算が終了するまで繰り返す(CS27)。
図22は、本発明の実施の形態の分析サーバ(CS)が保持する指標パターン定義(CSMP)の例を示す説明図である。
指標パターン定義(CSMP)は、図21に示したような所定の条件を満たす行動の量と組織の活性状態に関する指標(例えば組織活性度)との統計的関連(例えば相関)に対応するアドバイスを含む。具体的には、指標パターン定義(CSMP)は、ある条件を満たす行動の量と組織活性度との正の相関に対応するアドバイスとして、その条件を満たす行動の量を増やすように促すアドバイスを含み、ある条件を満たす行動の量と組織活性度との負の相関に対応するアドバイスとして、その条件を満たす行動の量を減らすように促すアドバイスを含む。
図22には、例として、2つの行動指標を組み合わせた複合指標を示しているが、3以上の行動指標を組み合わせた複合指標、または単指標(指標結合を行わない、単独の行動指標)も以下と同様に定義される。
指標パターン定義(CSMP)は、複合指標(P10)を構成する2つの指標、すなわち指標A(P11)と指標B(P12)の全組み合わせに対して定義されている。さらに各指標A及びBは、指標名と値から構成されており、図19の行動指標テーブル(CSDTA)におけるカラム名が指標名となり、その中に含まれるデータの範囲を定義したものが値となる。文字列の場合には、その文字列の種類と同数の値が定義される。数値の場合には、データの範囲を自動でまたは一定の基準値で分類して定義してもよい。
複合指標(P10)のパターンに対して、指標分類(P20)及びアドバイス文面(P30)が定義される。指標分類(P20)は、複合指標に対してユニークなパターンID(P21)とタイプ(P22)の定義を含む。タイプはアドバイス表示画面(OD300)またはアドバイス詳細画面(OD310)で表示するアイコンの決定及びアドバイス選択の際に使われる。アドバイス文面(P30)は、目的変数と複合指標との相関が正の場合か負の場合を示す条件(P31)に対し、アドバイス見出し(OD303)に記載する見出し(P32)、アドバイス詳細タイトル(OD311)に記載する詳細タイトル(P33)、及び、詳細説明(OD312)に記載する詳細情報(P34)を定義したものである。アドバイスに利用しない複合指標にはNullが設定される。条件(P31)が正の相関を示す場合には対応する複合指標の値を増やすためのアドバイス、条件(P31)が負の相関を示す場合には対応する複合指標の値を減らすためのアドバイスが定義されている。
図22の例において、指標パターン定義(CSMP)の先頭のレコードは、ある人物が特定の会話相手(例えば人物AA)と会話した回数と組織活性度との間に正の相関がある場合に、当該会話相手との会話を増やすアドバイスが出力されることを示している。ここでは正の相関の例を示しているが、仮に負の相関があった場合は会話を減らすアドバイスが出力される。また、例えば始業前の、5分〜15分の、3人〜6人の間での会話の回数など、特定の条件を満たす会話の回数と組織活性度との間に相関がある場合には、その条件も併せて出力される(例えば図5参照)。
また、5番目のレコードは、午後の時間帯の、継続時間が5分未満のデスクワークの回数と、組織活性度との間に正の相関がある場合に、割り込み作業を優先するアドバイスが出力されることを示している。持っている能力及び組織における役割等に応じて、長時間集中してデスクワークを行った方が組織活性度に貢献できる人物と、逆に、他の人物からの相談を受けた場合等に積極的にデスクワークを中断してそれに応じるなどの活動を行った方が組織活性度に貢献できる人物がおり、上記の例は後者の人物に対して出力されることが想定される。
さらに、6番目のレコードは、出社時間と組織活性度との間に正の相関がある場合に、出社時刻を遅らせるアドバイスが出力されることを示し、7番目のレコードは、出社時間と組織活性度との間に負の相関がある場合に、出社時刻を早めるアドバイスが出力されることを示している。
このように、会話、デスクワーク、時間配分等に関して、適切なアドバイスを用意し、条件が満たされる場合に出力することで、組織活性度の向上に貢献する各人物の行動を促すことができる。
図23A及び図23Bは、本発明の実施の形態の分析サーバ(CS)が保持するアドバイスリストの例を示す説明図である。
アドバイスリストは、当該の本人ID(MLA1)(MLB1)を持つユーザ(US)へ提示するアドバイスの項目とその優先度、目標値を格納するリストである。統計分析(CSS2)の結果によって目的変数と複合指標との関連が有意であると判定され、かつ、指標パターン照会(CS25)の結果がNullではない複合指標を抽出し、2種類のアドバイスリストが生成される。複合指標が会話相手のIDを含む(すなわち、その複合指標が特定の相手との会話の量(回数又は時間の少なくとも一方)を示す指標を含む)場合には、指標パターン定義(CSMP)においてタイプ(P22)が会話相手と定義される。この場合の指標をまとめたリストが図23Aに示すアドバイスリストA(CSML_A)である。
アドバイスリストA(CSML_A)は、本人ID(MLA1)と会話の相手ID(MLA2)とのペアに対して、情報を定義する形態になっている。具体的には、アドバイスリストA(CSML_A)は、優先度(MLA3)、目的変数と複合指標との相関が正の相関かどうかを示すフラグ(MLA4)、目標値(MLA5)、そしてその他の項目として行動指標テーブル(CSDTA)で存在したカラム名と値の種類の組み合わせの数だけカラムを有する。
優先度(MLA3)は、相手ID(MLA2)が示す相手との会話の回数または時間の、目的変数との統計分析の結果から決定される。例えば相関係数の絶対値を100倍した値が優先度(MLA3)として用いられる。正の相関フラグ(MLA4)には、その相手との会話を増やすべき(すなわち、増やすことによって目的変数(例えば組織活性度)が増える)なら1、減らすべき(すなわち、減らすことによって目的変数が増える)なら0が格納される。目標値(MLA5)は、所定の条件を満たす行動の過去の実績に基づいて決定される。例えば、その相手との会話の回数または時間の目標値が、個人データセット(CSDTAP)の値を反映して入力される。具体的には、例えば、個人データセット(CSDTAP)におけるその相手との過去の実績における1日あたりの会話回数の平均値が目標値(MLA5)となる。このように目標値を決定して表示することによって、ユーザに対して、アドバイスに従って行うべき行動の量の適切な目安を与えることができる。その他の指標(MLA6〜MALn)については、該当する相手IDとの複合指標と目的変数との関係が有意であると判定された場合(例えばそれぞれの条件を満たす行動の量と目的変数との相関の強さが所定の強さを超える場合)に1が入力される。
相手IDを含まない複合指標については、図23Bに示すアドバイスリストB(CSML_B)の形式で格納される。アドバイスリストB(CSML_B)は、本人ID(MLB1)と組み合わせ指標のパターンID(MLB2)を有し、それに対応づけてタイプ(MLB3)、正の相関フラグ(MLB4)、優先度(MLB5)、目標値(MLB6)が格納される。パターンID(MLB2)とタイプ(MLB3)はそれぞれ図22のパターンID(P21)及びタイプ(P22)と同じものであり、アプリケーションサーバ(AS)からパターンID(P21)を引数として指標パターン定義(CSMP)を参照することで、画面(CLOD)に提示するアドバイスの文面が特定される。正の相関フラグ(MLB4)、優先度(MLB5)、目標値(MLB6)は、それぞれ、アドバイスリストA(CLML_A)の正の相関フラグ(MLA4)、優先度(MLA3)、目標値(MLA5)と同等の項目である。
アドバイスリストB(CSML_B)は、さらに、複合指標とそれぞれの日のイベントとの組合せに対応する優先度を示す情報を含んでもよい。図23Bには、例として、定時退勤日の優先度(MLB7)及び飲み会の日の優先度(MLB8)を示す。定時退勤日の優先度(MLB7)は、それぞれのパターンIDに対応する複合指標にさらに定時退勤日という条件を加えた場合の優先度である。飲み会の日の優先度(MLB8)は、それぞれのパターンIDに対応する複合指標にさらに飲み会がある日という条件を加えた場合の優先度である。
例えば、図23B及び図22の例を参照すると、アドバイスリストB(CSML_B)の先頭のレコードは、本人ID「2695」によって識別される人物が行った、「始業前の時間帯における、継続時間が5分未満の会話(例えば挨拶)」という条件を満たす行動の量(例えば回数)と、組織の活性度との間に正の相関があること、すなわち、その人物に「始業前に多くの人と短い挨拶をしてみましょう」というアドバイスをして、その人物がそのアドバイスに従った行動を増やすことによって、組織の活性度が向上すると考えられることを示している。
この例において、優先度(MLB5)は「54」である。これは、当該人物に対する当該アドバイスの優先度が54であることを示す。これは、例えば、当該人物の当該条件を満たす行動の量(例えば挨拶の回数)と組織の活性度との間の相関係数が0.54であることを示してもよい。一方、定時退勤日の優先度(MLB7)及び飲み会の日の優先度(MLB8)は、それぞれ「5」及び「24」である。前者は、例えば、上記の行動の条件にさらに「定時退勤日における」という条件を追加した場合の当該人物の行動の量と組織の活性度との間の相関係数が0.05であることを示し、後者は、例えば、上記の行動の条件に「定時退勤日における」の代わりに「飲み会がある日における」という条件を追加した場合の当該人物の行動の量と組織の活性度との間の相関係数が0.24であることを示す。
アドバイスリストB(CSML_B)は、同様に、例えば曜日ごとの優先度、出張がある日の優先度、気温の範囲ごとの優先度等、それぞれの日の任意のイベントが条件として追加された場合の優先度を含んでもよい。
<図14:画面生成のシーケンス>
図14は、本発明の実施の形態のディスプレイ(CLOD)に表示する画面を生成する処理の手順を示すシーケンス図である。
アドバイスリスト生成(CS26)では、中長期間、例えば過去数週間分のデータの統計分析の結果からアドバイスの候補となるリストが生成された。アドバイスリスト表示エリア(OD301)に表示するために、このリストからユーザ(US)に提示する数個のアドバイス項目を選択する必要がある。その際、優先度(MLA3)(MLB5)が高い方から順に所定の数のアドバイス項目を選択してもよいが、その場合、毎日アドバイスリスト生成(CS26)を実行しても統計的な傾向は変動が小さいため、表示されるアドバイス項目は毎日ほぼ同一のものが現れる。アドバイスはユーザ(US)に実行されることが最も重要である。このため、統計的な根拠の強さだけでなく、ユーザ(US)にとっての実行しやすさを優先度(MLA3)(MLB5)に反映し、アドバイスを選択することが必要である。図14は、アドバイス優先度調整(CS32)を含み、ユーザ(US)にその日に提示するアドバイス項目と行動ログ(AS35)を決定する流れを示す。
まず、分析サーバ(CS)は、アドバイスリスト生成(CS26)完了後の所定の時刻、例えば毎日早朝にタイマ起動(CSTK)し、記憶部(CSME)内のアドバイスリストから複数のユーザ(US)を本人ID(MLA1)(MLB1)とする項目を取得する(CS30)(CSM31)。次に、分析サーバ(CS)は、例えば前日または過去1週間の日付を指定して実績データを外部データサーバ(OS)とセンサネットサーバ(SS)に依頼する(CS31)。実績データとは、アドバイスに対応する行動指標の該当する日付・ユーザ(US)の値である。例えば、スケジュールデータから得た「会議の合計時間」、または、センシングデータから得た「始業前の5分以内の会話の回数」などが相当する。実績値が目標値(MLA5)(MLB6)を超えた場合には、アドバイスを達成したと判定され、その日付に対応するアドバイス実績表示(OD304)の項目が強調表示される。分析サーバ(CS)は、外部データサーバ(OS)とセンサネットサーバ(SS)から実績データを取得する(OS31)(SS31)と、それらを記憶部(CSME)に格納してもよい。次に、分析サーバ(CS)は、取得した実績データを参照して、アドバイス優先度調整(CS32)を行い、アドバイスリスト(CSML_A)(CSL_B)内の優先度(MLA3)(MLB5)の値を変更する。この処理の詳細については後述する(図24参照)。
次に、アプリケーションサーバ(AS)において、所定の時刻、またはユーザ(US)がログインしたタイミングで起動し(ASST)、ユーザIDと日付を指定して分析サーバ(CS)にアドバイス取得を依頼する(AS31)。分析サーバ(CS)は、ユーザIDと日付に対応するアドバイス項目を、優先度(MLA3)(MLB5)の高い方から所定の数を選択する(CS33)。合わせて、分析サーバ(CS)は、該当する日付の実績値が目標値を超えたかを判定(CS34)し、アドバイス項目と実績値の情報をアプリケーションサーバ(AS)に返す。
例えば、分析サーバ(CS)は、実績データ取得(OS31)(SS31)によって取得された実績データに基づいて行動指標を生成し、それに基づいて、アドバイスされた行動(例えば所定の人物と会話すること)が実行されたか否か、実行された場合は実行された行動の量(例えば1日ごとの、実際に行った会話の回数)等を判定して、その結果をアプリケーションサーバ(AS)に送信してもよい。あるいは、ユーザ自身が例えば図5に示すアドバイス詳細画面(OD310)の実績入力(OD313)を操作して、アドバイスされた行動を実行したことを入力した場合、クライアント(CL)がその情報をアプリケーションサーバ(AS)に送信してもよい。
アプリケーションサーバ(AS)は、取得したアドバイス項目と実績値を記憶部(ASME)のアドバイス選択リスト(ASML)に格納し、表示画面生成(ASCD)に反映する(AS32)。これによって、例えば、アドバイス表示画面(OD300)(図4)及びアドバイス詳細画面(OD310)(図5)等が生成される。上記のようにアドバイスされた行動の実績が取得された場合は、その情報が例えばアドバイス表示画面(OD300)(図4)のアドバイス実績表示(OD304)及び時系列表示画面(OD600)(図8)の個人実績表示(OD604)等に反映される。図8の例では個人実績が週ごとに表示されているが、例えば日ごと、または月ごと等、任意の単位で表示することができる。
合わせて、アプリケーションサーバ(AS)は、実行するタイミングに特徴のあるアドバイス、例えば18時までに退社するなど、についてはクライアント(CL)にアラートを設定し(AS33)、所定の時刻にスピーカー(CLSP)またはディスプレイ(CLOD)上のポップアップなどでユーザ(US)に提示する。
次に、アプリケーションサーバ(AS)は、行動ログ取得依頼(AS34)を行い、分析サーバ(CS)は記憶部(CSME)内の対応する日付・ユーザIDのデータを取得し(CS35)(CS32)、アプリケーションサーバ(AS)に返す(CS36)。アプリケーションサーバ(AS)は取得した行動ログを、表示設定ファイル(ASDF)の設定に準じて表示画面生成(ASCD)に反映する(AS32)。これによって、例えば図6に示す行動ログ画面(OD400)が生成される。なお、アドバイス取得と行動ログ取得の実行順序は問わない。
<図15〜図18:全体システムのブロック図>
図15から図18は、本発明の実施の形態のセンシングデータ表示装置を実現するセンサネットワークシステムの全体構成を説明するブロック図である。図示の都合上分割して示してあるが、各々図示された各処理は相互に連携して実行される。また、図内のそれぞれの機能はハードウェアとソフトウェアの協働によって実現される。これらの各構成要素は図15から図18から明らかなように、制御部と記憶部と送受信部とを有している。制御部は通常のコンピュータ等の処理部である中央処理部(Central Processing Unit:CPU、図示省略)などで構成され、記憶部は半導体記憶装置または磁気記憶装置等のメモリ装置で構成され、送受信部は有線・無線等のネットワークインタフェースで構成される。その他、各構成要素は必要に応じて時計等を備えている。
図15から図18における形の異なる6種類の矢印は、それぞれ、時刻同期、アソシエイト、取得したセンシングデータの格納、センシングデータの解析、ファームウェア更新、及び、制御信号のためのデータまたは信号の流れを表している。
<図18:全体システム1(TR)>
図18は、本発明の実施の形態のセンサノードの一例である端末(TR)の構成を示すブロック図である。
ここでは端末(TR)は名札型の形状をしており、人物の首からぶら下げることを想定しているが、これは一例であり、他の形状でもよい。端末(TR)は、多くの場合には、この一連のシステムの中に複数存在し、複数の人物がそれぞれ身に着けるものである。端末(TR)は人間の対面状況を検出するためのセンサである複数の赤外線送受信部(AB)、装着者の動作を検出するための三軸加速度センサ(AC)、装着者の発話と周囲の音を検出するためのマイク(AD)、端末の裏表検知のための照度センサ(LS1F、LS1B)、温度センサ(AE)といった各種センサを搭載する。搭載するセンサは一例であり、装着者の対面状況と動作を検出するために他のセンサを使用してもよい。
本実施例の端末(TR)は、赤外線送受信部を4組搭載する。赤外線送受信部(AB)は、端末(TR)の固有識別情報である端末情報(TRMT)を正面方向に向かって定期的に送信し続ける。他の端末(TR)を装着した人物が略正面(例えば、正面又は斜め正面)に位置した場合、端末(TR)と他の端末(TR)は、それぞれの端末情報(TRMT)を赤外線で相互にやり取りする。このため、誰と誰が対面しているのかを記録することができる。また、外部環境に設置された位置検出器(図示省略)と端末(TR)との間で端末情報(TRMT)及び位置情報を送受信することで、どのユーザ(US)がそのエリアに滞在したかを検出することができる。
各赤外線送受信部(AB)は一般に、赤外線送信のための赤外発光ダイオードと、赤外線フォトトランジスタの組み合わせによって構成される。赤外線ID送信部(IrID)は、自らのIDである端末情報(TRMT)を生成して赤外線送受信モジュールの赤外線発光ダイオードに対して転送する。本実施例では、複数の赤外線送受信モジュールに対して同一のデータを送信することで、全ての赤外線発光ダイオードが同時に点灯する。もちろん、それぞれの赤外線発光ダイオードが独立のタイミングで、または別のデータを出力してもよい。
また、赤外線送受信部(AB)の赤外線フォトトランジスタによって受信されたデータは、論理和回路(IROR)によって論理和が取られる。つまり、最低でもどれか一つの赤外線受光部でID受光されていれば端末にIDとして認識される。もちろん、IDの受信回路を独立して複数持つ構成でもよい。この場合、それぞれの赤外線送受信モジュールに対して送受信状態が把握できるので、例えば、対面する別の端末がどの方向にいるかなど付加的な情報を得ることも可能である。
センサによって検出したセンシングデータ(SENSD)は、センシングデータ格納制御部(SDCNT)によって記憶部(STRG)に格納される。センシングデータ(SENSD)は、通信制御部(TRCC)によって送信パケットに加工され、送受信部(TRSR)によって基地局(GW)に送信される。
このとき、記憶部(STRG)からセンシングデータ(SENSD)を取り出し、無線または有線による送信のタイミングを決定するのが通信タイミング制御部(TRTMG)である。通信タイミング制御部(TRTMG)は、複数のタイミングを決定する複数のタイムベース(TB1、TB2)を持つ。
記憶部(STRG)に格納されるデータには、その直前にセンサによって検出されたセンシングデータ(SENSD)の他、過去に蓄積した纏め送りデータ(CMBD)、及び、端末の動作プログラムであるファームウェアを更新するためのファームウェア更新データ(FMUD)がある。
本実施例の端末(TR)は、外部電源接続検出回路(PDET)によって、外部電源(EPOW)が接続されたことを検出し、外部電源検出信号(PDETS)を生成する。外部電源検出信号(PDETS)によって、タイミング制御部(TRTMG)が生成する送信タイミングを切り替えるタイムベース切替部(TMGSEL)、または無線通信されるデータを切り替えるデータ切替部(TRDSEL)は、本端末(TR)特有の構成である。図18では一例として、送信タイミングを、タイムベース1(TB1)とタイムベース(TB2)の2つのタイムベースから、外部電源検出信号(PDETS)によってタイムベース切替部(TMGSEL)が切り替える構成を図示している。また、通信されるデータを、センサから得たセンシングデータ(SENSD)と、過去に蓄積した纏め送りデータ(CMBD)と、ファームウェア更新データ(FMUD)とから、外部電源検出信号(PDETS)によってデータ切替部(TRDSEL)が切り替える構成を図示している。
照度センサ(LS1F、LS1B)は、それぞれ端末(TR)の前面と裏面に搭載される。照度センサ(LS1F、LS1B)によって取得されるデータは、センシングデータ格納制御部(SDCNT)によって記憶部(STRG)に格納されるとともに、裏返り検知部(FBDET)によって比較される。名札が正しく装着されているときは、前面に搭載されている照度センサ(LS1F)が外来光を受光し、裏面に搭載されている照度センサ(LS1B)は端末本体と装着者との間に挟まれる位置関係となるため、外来光を受光しない。このとき、裏面の照度センサ(LS1B)で検出される照度より、前面の照度センサ(LS1F)で検出される照度の方が大きくなる。一方で、端末(TR)が裏返った場合、裏面の照度センサ(LS1B)が外来光を受光し、前面の照度センサ(LS1F)が装着者側を向くため、照度センサ(LS1F)で検出される照度より、照度センサ(LS1B)で検出される照度の方が大きくなる。
ここで、照度センサ(LS1F)で検出される照度と、照度センサ(LS1B)で検出される照度を裏返り検知部(FBDET)が比較することで、名札ノードが裏返って正しく装着していないことが検出できる。裏返り検知部(FBDET)で裏返りが検出されたとき、スピーカ(SP)が警告音を発生して装着者に通知する。
マイク(AD)は、音声情報を取得する。音声情報によって、「騒々しい」又は「静か」等の周囲の環境を知ることができる。さらに、人物の声を取得・分析することによって、コミュニケーションが活発か停滞しているのか、相互に対等に会話をやり取りしているか一方的に話しているのか、怒っているのか笑っているのか、などの対面コミュニケーションに関する行動指標を生成することができる。さらに、人物の立ち位置等の関係で赤外線送受信器(AB)が検出できなかった対面状態を、音声情報及び加速度情報によって補うこともできる。
マイク(AD)で取得される音声から、音声波形、及び、それを積分回路(AVG)で積分した信号の両方が取得される。積分した信号は、取得した音声のエネルギを表す。
三軸加速度センサ(AC)は、ノードの加速度すなわちノードの動きを検出する。このため、三軸加速度センサ(AC)が検出した加速度データから、端末(TR)を装着した人物の動きの激しさや、歩行などの行動を解析することができる。さらに、複数の端末が検出した同時間帯の加速度の値を比較することによって、それらの端末を装着した人物間のコミュニケーションの活性度、相互のリズム、及び相互の相関等を解析できる。
本実施例の端末(TR)では、三軸加速度センサ(AC)で取得されるデータは、センシングデータ格納制御部(SDCNT)によって記憶部(STRG)に格納される。
簡易行動解析(ANA)は、あらかじめ記憶部(STRG)に記憶された設定ファイル(TRSF)を読み込み、そのプログラムを用いて簡易行動解析(ANA)を行い、アドバイスを達成したかどうかを判定する。アドバイス表示(ANR)は、送受信部(TRSR)を通じてアプリケーションサーバ(AS)から受け取ったアドバイス項目の情報を表示する。ANA及びANRの結果、表示制御(DISP)において画面が更新され、表示装置(LCDD)に再表示される。また、ボタン(BTN1〜3)の押下によって表示内容が切り替えられてもよい。
赤外線送受信部(AB)がノード間で赤外線をやり取りすることによって、端末(TR)が他の端末(TR)と対面したか否か、すなわち、端末(TR)を装着した人物が他の端末(TR)を装着した人物と対面したか否かが検出される。このため、端末(TR)は、人物の正面部に装着されることが望ましい。上述の通り、端末(TR)は、さらに、三軸加速度センサ(AC)等のセンサを備える。
端末(TR)は多くの場合には複数存在し、端末・基地局間が無線接続される場合には、それぞれが近い基地局(GW)と結びついてパーソナルエリアネットワーク(PAN)を形成している。
端末(TR)の温度センサ(AE)は端末のある場所の温度を、照度センサ(LS1F)は端末(TR)の正面方向などの照度を取得する。これによって、周囲の環境を記録することができる。例えば、温度及び照度に基づいて、端末(TR)が、ある場所から別の場所に移動したこと等を知ることもできる。
端末(TR)は、装着した人物に対応した入出力装置として、ボタン1〜3(BTN1〜3)、表示装置(LCDD)、及びスピーカ(SP)等を備える。
記憶部(STRG)は、具体的にはハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発記憶装置で構成され、端末(TR)の固有識別番号である端末情報(TRMT)、センシングの間隔、及び、ディスプレイへの出力内容等の動作設定(TRMA)を記録している。この他にも記憶部(STRG)は一時的にデータを記録することができ、センシングしたデータを記録しておくために利用される。
時計(TRCK)は、時刻情報(GWCSD)を保持し、一定間隔でその時刻情報(GWCSD)を更新する時計である。時計(TRCK)が保持する時刻情報(GWCSD)は、他の端末(TR)が保持するものとずれることを防ぐために、基地局(GW)から送信される時刻情報(GWCSD)によって定期的に修正される。
センシングデータ格納制御部(SDCNT)は、記憶部(STRG)に記録された動作設定(TRMA)に従って、各センサのセンシング間隔などを制御し、取得したデータを管理する。
時刻同期は、端末(TR)が基地局(GW)から時刻情報を取得して時計(TRCK)を修正することによって行われる。時刻同期は、後述するアソシエイトの直後に実行されてもよいし、基地局(GW)から送信された時刻同期コマンドに従って実行されてもよい。
通信制御部(TRCC)は、データを送受信する際に、送信間隔の制御、及び、無線の送受信に対応したデータフォーマットへの変換を行う。通信制御部(TRCC)は、必要であれば、無線でなく有線による通信機能を持ってもよい。通信制御部(TRCC)は、他の端末(TR)と送信タイミングが重ならないように輻輳制御を行うこともある。
アソシエイト(TRTA)は、基地局(GW)とパーソナルエリアネットワーク(PAN)を形成するためのアソシエイト要求(TRTAQ)と、アソシエイト応答(TRTAR)とを送受信し、データを送信すべき基地局(GW)を決定する。アソシエイト(TRTA)は、端末(TR)の電源が投入されたとき、及び、端末(TR)が移動した結果それまでの基地局(GW)との送受信が絶たれたときに実行される。有線接続の場合には、端末(TR)が有線で基地局(GW)に接続されたことを検知したときに実行される。アソシエイト(TRTA)の結果、端末(TR)は、その端末(TR)からの無線信号が届く近い範囲にある一つの基地局(GW)と関連付けられる。
送受信部(TRSR)は、アンテナを備え、無線信号の送信及び受信を行う。必要があれば、送受信部(TRSR)は、有線通信のためのコネクタを用いて送受信を行うこともできる。送受信部(TRSR)によって送受信されるセンシングデータ・基本指標(SENSD)は、基地局(GW)との間でパーソナルエリアネットワーク(PAN)を介して転送される。
<図17:全体システム2(GW・SS)>
図17は、本発明の実施の形態のセンサネットサーバ(SS)及び基地局(GW)の一例の構成を示すブロック図である。
<基地局(GW)>
基地局(GW)は、端末(TR)とセンサネットサーバ(SS)とを仲介する役目を持つ。端末(TR)と基地局(GW)との間が無線で接続される場合には、無線の到達距離を考慮して、居室・職場等の領域をカバーするように複数の基地局(GW)が配置される。有線で接続される場合には、基地局(GW)の処理能力に合わせて管理する端末(TR)の個数の上限が設定される。
基地局(GW)は、送受信部(GWSR)、記憶部(GWME)及び制御部(GWCO)を備える。
送受信部(GWSR)は、端末(TR)からデータを無線または有線にて受信し、センサネットサーバ(SS)への有線又は無線による送信を行う。送受信に無線を用いる場合には、送受信部(GWSR)は無線を受信するためのアンテナを備える。また、送受信部(GWSR)は、必要に応じて、センシングデータの送受信の際にデータが欠損しないように輻輳制御、つまり通信のタイミング制御を行う。また、送受信部(GWSR)は、受信したデータの種類を区別する。具体的には、送受信部(GWSR)は、受信したデータが一般のセンシングデータであるか、アソシエイトのためのデータであるか、時刻同期のレスポンスであるか等をデータのヘッダ部分から識別して、それらのデータをそれぞれ適切な機能に渡す。
記憶部(GWME)は、ハードディスク、メモリ、又はSDカードのような外部記録装置(図示省略)で構成される。記憶部(GWME)には、動作設定(GWMA)、データ形式情報(GWMF)、端末管理テーブル(GWTT)、基地局情報(GWMG)及び端末ファームウェア(GWTFD)が格納される。動作設定(GWMA)は、基地局(GW)の動作方法を示す情報を含む。データ形式情報(GWMF)は、通信のためのデータ形式を示す情報、及び、センシングデータにタグを付けるために必要な情報を含む。端末管理テーブル(GWTT)は、現在アソシエイトできている配下の端末(TR)の端末情報(TRMT)、及び、それらの端末(TR)を管理するために配布しているローカルIDを含む。有線で端末(TR)と接続し、常時配下の端末(TR)を把握している必要がない場合には、端末管理テーブル(GWTT)はなくてもよい。基地局情報(GWMG)は、基地局(GW)自身のアドレスなどの情報を含む。端末ファームウェア(GWTFD)は、端末を動作させるためのプログラムを記憶しているものであり、センサネットサーバ(SS)から命令と新規の端末ファームウェアを受け取った際に、ファームウェア更新データ(TRDFW)をパーソナルエリアネットワーク(PAN)を通じて端末(TR)に送信する(GWCFW)。記憶部(GWME)には、さらに、制御部(GWCO)のCPU(図示省略)によって実行されるプログラムが格納されてもよい。
制御部(GWCO)は、CPU(図示省略)を備える。CPUが記憶部(GWME)に格納されているプログラムを実行することによって、端末(TR)からセンシングデータを受信するタイミング、センシングデータの処理、端末(TR)またはセンサネットサーバ(SS)への送受信のタイミング、及び、時刻同期のタイミングが管理される。具体的には、制御部(GWCO)は、データ受信制御(GWCSR)、データ送信(GWCSS)、アソシエイト(GWCTA)、端末管理情報修正(GWCTF)、端末ファームウェア更新(GWCFW)及び時刻同期(GWCS)等の処理を実行する。
時計(GWCK)は時刻情報を保持する。一定間隔でその時刻情報は更新される。具体的には、一定間隔でNTP(Network Time Protocol)サーバ(TS)から取得した時刻情報によって、時計(GWCK)の時刻情報が修正される。
時刻同期(GWCS)は、一定間隔、または、端末(TR)が基地局(GW)と接続されたのをトリガとして、配下の端末(TR)に時刻情報を送信する。これによって、複数の端末(TR)と基地局(GW)の時計(GWCK)の時刻が同期される。
アソシエイト(GWCTA)は、端末(TR)から送られてきたアソシエイト要求(TRTAQ)に対して、割り付けたローカルIDを各端末(TR)に送信する、アソシエイト応答(TRTAR)を行う。アソシエイトが成立したら、アソシエイト(GWTA)は、端末管理テーブル(GWTT)を修正する端末管理情報修正(GWCTF)を行う。
データ受信制御(GWCSR)は、端末(TR)から送られてきたセンシングデータ(SENSD)のパケットを受信する。データ受信制御(GWCSR)は、受信したデータのパケットのヘッダを読み込み、データの種類を判別したり、同時に多数の端末(TR)からのデータが集中しないように輻輳制御したりする。
データ送信(GWCSS)は、データが通過した基地局のID及びその時刻データを付与し、センシングデータをセンサネットサーバ(SS)に送信する。
<センサネットサーバ(SS)>
センサネットサーバ(SS)は、送受信部(SSSR)、記憶部(SSME)及び制御部(SSCO)を備える。
センサネットサーバ(SS)は、全ての端末(TR)から集まったデータを管理する。具体的には、センサネットサーバ(SS)は、基地局(GW)から送られてくるセンシングデータをセンシングデータベース(SSDB)に格納する(SSCDB)。また、センサネットサーバ(SS)は、アプリケーションサーバ(AS)からの要求に基づいてセンシングデータベース(SSDB)内のデータを検索し、アプリケーションサーバ(AS)に送信する(SSDG)。
さらに、センサネットサーバ(SS)は、基地局(GW)とその管理下にある端末(TR)の情報を随時管理する。また、センサネットサーバ(SS)は、端末(TR)のファームウェアを更新するための制御コマンドの起点となる。
送受信部(SSSR)は、基地局(GW)、アプリケーションサーバ(AS)、個人用クライアント(CP)及びクライアント(CL)との間で、データの送信及び受信を行い、その際の通信制御を行う。
記憶部(SSME)は、ハードディスク等のデータ記憶装置によって構成され、少なくとも、センシングデータベース(SSDB)、データ形式情報(SSMF)、端末管理テーブル(SSTT)及び端末ファームウェア(SSFW)を格納する。さらに、記憶部(SSME)は、制御部(SSCO)のCPU(図示省略)によって実行されるプログラムを格納する。
センシングデータベース(SSDB)は、各端末(TR)が取得したセンシングデータ、端末(TR)の情報、及び、各端末(TR)から送信されたセンシングデータが通過した基地局(GW)の情報等を記録しておくためのデータベースである。加速度、温度等、データの要素ごとにカラムが作成され、データが管理される。また、データの要素ごとにテーブルが作成されてもよい。どちらの場合にも、全てのデータは、取得された端末(TR)のIDである端末情報(TRMT)と、センシングされた時刻に関する情報とが関連付けて管理される。
データ形式情報(SSMF)には、通信のためのデータ形式、基地局(GW)でタグ付けされたセンシングデータを切り分けてデータベースに記録する方法、データの要求に対する対応方法を示す情報等が記録されている。データ受信の後、データ送信の前にはこのデータ形式情報(SSMF)が参照され、データ形式の変換とデータ振り分けが行われる。
端末管理テーブル(SSTT)は、どの端末(TR)が現在どの基地局(GW)の管理下にあるかを記録しているテーブルである。基地局(GW)の管理下に新たに端末(TR)が加わった際に、端末管理テーブル(SSTT)が更新される。また、基地局(GW)と端末(TR)間を有線で接続している場合には、常時端末管理情報を監視していなくてもよい。
端末ファームウェア(SSFW)は、端末(TR)を動作させるためのプログラムを記憶しているものであり、端末ファームウェア更新(SSCFW)が行われた際には、端末ファームウェア(SSFW)が更新され、ネットワーク(NW)を通じてこれを基地局(GW)に送り、さらにパーソナルエリアネットワーク(PAN)を通じて端末(TR)に送り、端末(TR)内のファームウェアを更新する(FMUD)。
制御部(SSCO)は、CPU(図示省略)を備え、センシングデータの送受信及びデータベースへの記録・取り出しを制御する。具体的には、CPUが記憶部(SSME)に格納されたプログラムを実行することによって、データ保管(SSCDB)、端末管理情報修正(SSCTF)、端末ファームウェア更新(SSCFW)及びデータ取得・送信(SSDG)等の処理を実行する。
データ保管(SSCDB)は、基地局(GW)から送られてきたセンシングデータを受け取り、センシングデータベース(SSDB)に格納する処理である。時刻情報、端末ID、及び基地局を経由した時刻などの付加情報を合わせて1レコードとして、データベースに格納する。
時計(SSCK)は、外部NTPサーバ(TS)と定期的に接続することによって、標準時刻を保持している。時計(SSCK)があらかじめ指定した時刻、または特定の条件を満たしたときに、センシングデータ処理(SSCDT)をタイマ起動(図示省略)する。
端末管理情報修正(SSCTF)は、基地局(GW)から端末管理情報を修正するコマンドを受け取った際に、端末管理テーブル(SSTT)を更新する。各基地局(GW)の配下にある端末(TR)のリストを常時把握するためのものである。
端末ファームウェア更新(SSCFW)は、手動または自動にて端末(TR)のファームウェアを更新する必要が生じた際に、記憶部(SSME)内の端末ファームウェア(SSFW)を更新し、さらに、基地局(GW)に配下の端末(TR)のファームウェアを更新するように命令を出す。また、各端末(TR)でファームウェア更新が完了したというレスポンスを受け取り、すべての端末(TR)の更新が完了するまで続ける。
<図16:全体システム3(CS・OS)>
図16は、本発明の実施の形態の分析サーバ(CS)及び外部データサーバ(OS)等の一例の構成を示すブロック図である。
<分析サーバ(CS)>
分析サーバ(CS)は、行動指標と組織指標との統計分析を行い、個人別のアドバイスを生成する。
分析サーバ(CS)は、送受信部(CSSR)、記憶部(CSME)及び制御部(CSCO)を備える。
送受信部(CSSR)は、ネットワーク(NW)を通じて、センサネットサーバ(SS)、NTPサーバ(TS)、アプリケーションサーバ(AS)、クライアント(CL)、及び外部データサーバ(OS)等との間でデータの送信及び受信を行い、そのための通信制御を行う。
記憶部(CSME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカードのような外部記録装置で構成される。記憶部(CSME)は、作成したコンテンツ情報、コンテンツ作成のためのプログラム、及びその他コンテンツ作成に関係するデータを格納する。具体的には記憶部(CSME)は、ユーザ属性リスト(CSUL)、分析設定(CSDA)、行動指標を蓄積するDB(CSDT)、組織指標または目的変数となる評価指標を格納するDB(CSMA)、指標パターン定義(CSMP)、アドバイスリストを格納するDB(CSML)、統計量を格納するテーブル(CSMC)、外部データサーバ(OS)から取得したスケジュール情報などを格納するDB(CSMS)などを格納する。
ユーザ属性リスト(CSUL)は、端末(TR)のIDと、その端末を装着したユーザ(US)の氏名・ユーザID・所属、メールアドレス、その他の属性等との対照表である。人物間の対面時に相手から受信したIDを氏名と対応付けたり、組織指標を所属部署ごとに集計したり、WebにログインしたIDに従って表示内容を変更したりする際にユーザ属性リスト(CSUL)が参照される。
制御部(CSCO)は、CPU(図示省略)を備え、指標生成などのプロセスを実行する。また分析サーバ(CS)は時計(CSCK)を有しており、外部のNTPサーバ(TS)などに接続して正確な時刻を維持する。各プログラムに対してあらかじめ設定した時刻になるとタイマ起動(CSTK)し、制御部(CSCO)内のプログラムが実行される。なお、プログラムは、手動またはクライアント(CL)からの指示を受け取ったときに起動しても良いし、センサネットサーバ(SS)から送信されてきた指標が特定のパターンであったことをトリガとして起動しても良い。制御部(CSCO)は、指標生成及びアドバイス生成に関する諸々の処理を行う。具体的には、制御部(CSCO)は、類似メンバ選択(CS22)、個人データセット生成(CS23)、統計分析依頼(CS24)、指標パターン照会(CS25)、アドバイスリスト生成(CS26)、行動指標生成(CS12)、活性度生成(CS13)、アドバイス優先度調整(CS32)及びアドバイス選択(CS33)などを行う。
また、分析サーバ(CS)は統計分析部(CSS)を有する。統計分析部(CSS)は、別の外部サーバ(図示省略)にあって、送受信部(CSSR)を経由してデータを分析サーバ(CS)と送受信してもよいし、制御部(CSCO)内に設けられてもよい。統計分析部(CSS)はインプットされたデータセットの統計分析を行う機能であり、データセットからの複合指標生成(CSS1)、目的変数と各説明変数間との統計分析(CSS2)、及び、その結果の統計量を出力する統計量出力(CSS3)を有する。
<外部データサーバ(OS)>
外部データサーバ(OS)は、ユーザ(US)らのメールの送受信ログ(OSMM)、スケジューラのデータ(OSMS)、及び、経営指標などの、端末(TR)で取得できないデータを保持するサーバである。外部データサーバ(OS)は、送受信部(OSSR)を介して分析サーバ(CS)と接続し、データの依頼を受けてデータ取得(OSCD)を行う。その際に、外部データサーバ(OS)は、特定のキーワードを含む情報のみを抽出するなど、記憶部(OSME)内に有するデータを制御部(OSCO)で分類(OSCT)した後に分析サーバ(CS)に送信してもよい。データの受け渡しはオンラインに限らず、CD−RまたはHDDに出力して手動で分析サーバ(CS)と授受することによって行われてもよい。
<図15:全体システム4(AS・CL)>
図15は、本発明の実施の形態のアプリケーションサーバ(AS)及びクライアント(CL)の一例の構成を示すブロック図である。
<アプリケーションサーバ(AS)>
アプリケーションサーバ(AS)は、送受信部(ASSR)、記憶部(ASME)及び制御部(ASCO)を備え、ユーザ(US)にアドバイス及び行動ログを提示し、ユーザ(US)が画面(CLCC)を操作するための表示画面生成(ASCD)を行う。
送受信部(ASSR)は、ネットワーク(NW)を通じて、センサネットサーバ(SS)、分析サーバ(CS)、NTPサーバ(TS)、クライアント(CL)、及び外部データサーバ(OS)等との間でデータの送信及び受信を行い、そのための通信制御を行う。
記憶部(ASME)は、ハードディスク、メモリ又はSDカードのような外部記録装置で構成される。記憶部(ASME)は、画面を構成する画像、ログイン管理(ASCL)するためのユーザリスト(ASUL)、ユーザインタフェースを生成・制御するためのプログラム、表示設定を保持するファイル(ASDF)、及び、ユーザが画面上で選択したアドバイスを記憶するアドバイス選択リスト(ASML)などを格納する。
制御部(ASCO)は、CPU(図示省略)を備え、表示のための行動ログの結合、及び、表示画面生成(ASCD)などのプロセスを実行する。またアプリケーションサーバ(AS)は時計(ASCK)を有しており、外部のNTPサーバ(TS)などに接続して正確な時刻を維持する。各プログラムに対してあらかじめ設定した時刻になるとタイマ起動(ASST)し、制御部(ASCO)でプログラムが実行される。なお、プログラムは、手動またはクライアント(CL)からの指示を受け取ったときに起動しても良いし、分析サーバ(CS)から送信されてきた指標が特定のパターンであったことをトリガとして起動しても良い。また、アドバイスの内容に基づいてアラートを提示する時刻を事前に決定しておいた場合、時計(ASCK)の時刻が所定の時刻になった場合に、クライアント(CL)または端末(TR)の画面(CLOD)(LCDD)またはスピーカー(CLSP)(SP)にアラートを出すように命令を出してもよい。
アプリケーションサーバ(AS)は、分析サーバ(CS)から行動ログ及びアドバイスリストを受け取り(ASCA)、表示設定ファイル(ASDF)に沿って所定のアドバイスを選択し(ASCB)、それらのデータを反映した表示画面を生成する(ASCD)。また、アプリケーションサーバ(AS)は、アドバイスの内容に基づいてアラートを出す時刻とその手段を設定し、クライアント(CL)に伝達する(AS33)。同様に、アプリケーションサーバ(AS)は、端末(TR)にアドバイス及び実績値を表示するように画面(LCDD)に表示する文字及び画像情報と表示するタイミングの命令を送信してもよい(ASTR)。
また、ログイン管理(ASCL)ではアプリケーションサーバ(AS)はクライアント(CL)を介して閲覧しているユーザ(US)を管理し、パスワードの照会、所属による閲覧権限の設定などを行う。
表示画面生成(ASCD)は、分析サーバ(OS)から得たデータを処理して、図2から図9に例示した画面を生成し、クライアント(CL)に伝送する。また、表示画面生成(ASCD)は、クライアント(CL)を介したユーザ(US)の動作に追従して、表示画面を切り替えたり更新したりする表示画面の制御をクライアントの画面制御(CLCC)と連動して行う。
<クライアント(CL)>
クライアント(CL)は、ユーザ(US)との接点となって、映像や音で必要な情報をユーザ(US)に提示する。クライアント(CL)は、入出力部(CLIO)、送受信部(CLSR)、記憶部(図示省略)、及び制御部(CLCO)を備える。
入出力部(CLIO)は、ユーザ(US)とのインタフェースとなる部分である。入出力部(CLIO)は、ディスプレイ(CLOD)、タッチパネル(CLIT)、スピーカー(CLSP)、キーボード(図示省略)及びマウス(図示省略)等を備える。必要に応じて外部入出力(CLIU)に他の入出力装置(図示省略)を接続することもできる。
ディスプレイ(CLOD)は、CRT(Cathode−Ray Tube)又は液晶ディスプレイ等の画像表示装置である。ディスプレイ(CLOD)は、プリンタ等を含んでもよい。ユーザによる入力を支援するためにタッチパネル(CLIT)を用いる場合には、出力と入力を同じ画面上で行うこともできる。
送受信部(CLSR)は、アプリケーションサーバ(AS)または他のネットワークに接続した機器との間でデータや命令を送受信する。具体的には、送受信部(CLSR)は、表示する画面のリクエストをアプリケーションサーバ(AS)に送信し、リクエストに対応する画像を受信する。
記憶部(図示省略)は、ハードディスク、メモリ又はSDカードのような外部記録装置で構成される。記憶部(図示省略)は、表示画面の履歴及びユーザ(US)のログインIDなどを保存しても良い。
制御部(CLCO)は、CPU(図示省略)を備え、ディスプレイ(CLOD)などに出力するための画面を制御(CLCC)し、さらに、アプリケーションサーバ(AS)から指示されたアラート設定(AS33)に基づいてアラートを出すタイミング及び方法を管理する(CSCA)。
<図24:アドバイス優先度調整(CS32)>
図24は、本発明の実施の形態の分析サーバ(CS)がアドバイスの優先度を調整する処理を示すフローチャートである。
具体的には、図24の処理は、図14に示したアドバイス優先度調整(CS32)において実行される。この処理によって、該当する日(すなわちアドバイスの対象となる日)に、該当するユーザ(US)(すなわちアドバイスの対象となるユーザ)において実行されやすいアドバイスを優先的に提示することで、行動を変容させる可能性を高めることができる。
分析サーバ(CS)は、処理開始(CS3201)後、処理(CS26)で生成されたアドバイスリストを記憶部(CSME)から取得する(CS3202)。このとき、分析サーバ(CS)は、本人ID(MLA1)(MLB1)をキーとして取得するアドバイスを絞り込むが、処理(CS3211)を実施する場合には複数の本人IDについて、それぞれに対応するアドバイスリストを取得する必要がある。
続いて、分析サーバ(CS)は、以下の4通りの処理のうち、少なくとも一つを実行する。
1つ目は、会話相手のペアをマッチング(CS3211)する方法である。分析サーバ(CS)は、アドバイスリストA(CSML_A)において、本人ID(MLA1)と相手ID(MLA2)の組み合わせが一致するペアがあった(例えば、人物Aのアドバイスリストに、人物Bとの会話を増やすべきというアドバイスが含まれ、人物Bのアドバイスリストに、人物Aとの会話を増やすべきというアドバイスが含まれる)場合、双方の人物に関して、該当するアドバイス項目の優先度を上げる(CS3212)。これによって、本人と相手の両者に互いとの会話を増やすべきというアドバイスが提示されやすくなるため、互いの利益が一致し、当該アドバイスが実行されやすくなる。また、優先度の値の上げ方については、他のどのアドバイス項目より高くなる値に設定してもよいし、定数を加えてもよい。
2つ目は、該当する日のイベントに対応する優先度を選択する方法である。分析サーバ(CS)は、記憶部(CSME)内に保持されたイベントテーブル(CSDTI)または外部サーバ(OS)から当日または翌日のイベント情報を取得し、アドバイスリスト(CSML)から同等のイベント情報を条件に含むアドバイスの優先度を参照する(CS3221)。例えば、アドバイスリスト(CSML)に、午前中にデスクワークをするのが望ましいといったアドバイスの優先度として、曜日を限定しない優先度と、曜日ごとの優先度があり、該当日の曜日の優先度が曜日を限定しない優先度より高い場合、前者が参照される。同様に、アドバイスリストに定時退勤日の優先度、飲み会の日の優先度等が含まれ、アドバイスの対象となる日にこれらのイベントが予定されている(又は既に行われた)場合には、それらの優先度が参照される。これによって、特定のイベントがある日の特定の行動と組織の活性度との相関が高い場合に、その相関を考慮して、組織の活性度を高めるために有効なアドバイスを提示することができる。
3つ目は、達成が容易そうなアドバイスを優先するための方法である。分析サーバ(CS)は、近い過去日(例えば、該当日の直前の1週間等、過去の所定の期間)の実績情報を記憶部(CSME)から取得(CS3231)し、各アドバイスにおいて目標値と実績値が近い(すなわち、実績値が目標値に達していないが、両者の近さが所定の条件を満たしている)アドバイス項目を探索し(CS3232)、その該当アドバイス項目の優先度を上げる(CS3233)。
4つ目は、達成が容易なアドバイスばかりが提示されると退屈を感じるため、それを防ぐために達成されたアドバイスの優先順位を下げるための方法である。分析サーバ(CS)は、近い過去日の実績情報を記憶部(CSME)から取得(CS3241)し、実績値が目標値に達しているアドバイス項目を探索し(CS3242)、その該当アドバイス項目の優先度を下げる(CS3243)。
アドバイスリスト内の優先度(MLA3)(MLB5)を、以上の方法によって調整済の優先度に更新し(CS3203)、保存する(CS3204)。
アドバイスリストに多数のアドバイスが含まれる場合、それらを全てユーザに対して表示しても、全てを実行することは難しいが、例えば優先度が高い順に所定の数(図4の例では6個)のアドバイスを選択して表示することによって、現実的に実行可能な程度の数の、特に組織活性度に対する貢献度が高いと考えられる行動を促すアドバイスを表示することが可能になる。また、上記のように、イベントに対応した優先度を参照したり、条件に応じて優先度を変更したりすることによって、実行しやすいアドバイスを表示することが可能になり、その結果、組織活性度が向上することが期待できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形実施可能であり、上述した各実施形態を適宜組み合わせることが可能であることは、当業者に理解されよう。
具体的には、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではない。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。