以下、図面と共に本発明に係る貢献度推定装置の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に本実施形態に係る貢献度推定装置10を示す。貢献度推定装置10は、所定の活動を実施したユーザの所定の集団又は組織への貢献度を推定する装置(システム)である。本実施形態では、貢献度推定装置10は、ユーザの地域社会への貢献度を推定する。地域社会への貢献となる活動としては、例えば、ゴミ捨て(ゴミ拾い)、挨拶運動といった地域社会をよくする活動である。なお、貢献の対象となる集団又は組織は、地域社会に限られず、会社等であってもよい。また、貢献に係るユーザの活動も、上記のものに限られない。
貢献度推定装置10によって推定された貢献度は、例えば、ユーザへのインセンティブ(見返り)の付与に用いられる。具体的には、貢献度に応じてユーザに通貨(例えば、電子マネー、地域通貨(仮想通貨))として用いることができるポイントを与えることとしてもよい。また、ユーザに与えるものとしては、ポイントに限らず、割引券、サービスを受ける権利等であってもよい。また、貢献度のランキングをユーザに提示することで、ユーザに貢献活動を実施したことの達成感を与えてもよい。上記のように貢献度が用いられることで、地域社会への貢献活動を活性化させることができる。なお、算出される貢献度は、上記以外の用途に用いられてもよい。
貢献度推定装置10は、後述するように活動に係る申告(報告)の履歴に基づいてユーザの貢献度を推定する。貢献度推定装置10は、例えば、サーバ装置によって実現される。また、貢献度推定装置10は、複数のサーバ装置、即ち、コンピュータシステムによって実現されてもよい。貢献度推定装置10は、移動体通信網又はインターネット等の通信網を介して、ユーザによって用いられる装置である外部装置20と互いに情報の送受信を行うことができる。貢献度推定装置10は、外部装置20との間で上記の申告に係る情報等の本実施形態に係る情報を送受信する。
外部装置20は、具体的には、携帯電話機、スマートフォン又はPC(パーソナルコンピュータ)等の端末である。外部装置20は、通常、ユーザ毎に所持される。後述する外部装置20における本実施形態に係る機能は、外部装置20にインストールされる専用のアプリ(アプリケーション)である報告アプリで実現されてもよい。報告アプリが利用される際には、報告アプリを利用するためのユーザ毎のアカウントが生成される。同一ユーザによる複数アカウントの作成を防ぐため、電話番号認証等による同一ユーザ検出を行ってもよい。当該アカウントでログインして報告アプリを利用する。当該アカウントは、後述するようにユーザの識別子として利用することができる。詳細には、貢献度推定装置10の機能とあわせて説明する。なお、報告アプリ以外で本実施形態に係る機能が実現されてもよい。
引き続いて、本実施形態に係る貢献度推定装置10の機能を説明する。図1に示すように貢献度推定装置10は、申告情報取得部11と、客観度算出部12と、貢献度推定部13とを備えて構成される。
申告情報取得部11は、実施当事者が活動を行った旨を申告者が申告することを示す申告情報を取得する機能部である。申告情報は、申告者及び実施当事者を示す情報を含む。また、申告情報は、実施当事者が行った活動を示す情報を含んでいてもよい。
申告情報取得部11は、例えば、外部装置20から申告情報を受信して取得する。貢献度推定装置10に対する申告情報の送信、即ち、活動の申告は、活動の実施当事者自身によって行われてもよいし、実施当事者以外によって行われてもよい。活動の実施当事者自身によって申告情報の送信が行われる場合は、実施当事者が活動を行った後、当該活動に係る申告情報を外部装置20から送信する。活動の実施当事者以外によって申告情報の送信が行われる場合は、申告者が、実施当事者による活動を見ること等で実施当事者の活動を現実世界で実際に確認し、当該活動に係る申告情報を外部装置20から送信する。申告情報取得部11は、適切に貢献度を推定するために後述するような複数の申告情報を取得する。なお、申告情報の取得は、上記以外の任意の方法で行われてもよい。
図2に申告情報を含むテーブルの例を示す。図2に示すテーブルのうち、申告者、実施当事者及び活動種別の欄の情報が、申告情報に含まれる情報である。申告者及び実施当事者の情報は、例えば、申告者及び実施当事者であるユーザの識別子である。ユーザの識別子は、例えば、予めユーザ毎に付与される。具体的には、上述した報告アプリのアカウントを識別子として用いることができる。活動種別の情報は、実施当事者が行った活動内容を示す情報である。
外部装置20における申告情報の入力は、上記の報告アプリが用いられて統一された入力フォーマットで行われてもよい。例えば、当該報告アプリによって、図3に示す申告情報を入力するための画面が表示され、ユーザの操作で当該画面に情報が入力されて送信される。なお、情報が入力される際には、表記揺れを防止するため、プルダウンメニューによって情報が選択できるようになっていてもよい。なお、図3の表示に申告者の欄がないのは、外部装置20を用いている申告者の情報は報告アプリに予め記憶されているからである。このような機能がない場合、申告者の情報を入力できるようにしておいてもよい。
また、図3にも示されるように、申告情報には、上記の情報以外に活動が行われた時刻を示す実施時刻情報(例えば、日時)、位置を示す実施位置情報(例えば、緯度及び経度、又は場所を示す文字列)又は活動の状況を示す写真(画像)が含められてもよい。実施位置情報は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)機能によって取得された外部装置20の位置を示す位置情報、又は写真に付随するExif(Exchangeable image file format)情報に含まれる位置情報等が用いられてもよい。
また、以下のように、あるユーザが貢献度推定装置10に送信した申告情報が用いられて、別のユーザによる申告情報の入力が行われてもよい。あるユーザが貢献度推定装置10に申告情報を送信すると、別のユーザが当該申告情報を参照できるようにしておく。例えば、任意の外部装置20によって申告情報が表示できるようにしておく。表示される申告情報の例を図4に示す。図4(a)は、実施当事者であるユーザによる申告に係る申告情報である(実施当事者と報告者(申告者)とが同一であり、活動の前後の写真が掲載されている)。図4(b)は、実施当事者以外のユーザによる申告に係る申告情報である(実施当事者と報告者とが異なっており、活動の後の写真のみが掲載されている)。申告者とは別のユーザが、当該活動が実際に実施されていることを確認したら、当該表示に設けられたボタン(図中の「ありがとう」と記載されたボタン)を押下する。この押下をトリガとして、当該別のユーザの外部装置20は、表示された申告情報の申告者を当該別のユーザとした申告情報を貢献度推定装置10に送信する。このような仕組みによって、同一の活動に対して、複数のユーザが容易に申告を行うことができる。
また、例えば、図5に示すように申告情報に含まれる実施位置情報に基づいて、地図上に活動が行われた位置を表示することとしてもよい。この表示において、表示された活動を選択すると申告情報の各情報が参照できるようになっていてもよい。
申告情報取得部11は、取得した複数の申告情報について、同一の活動に係る申告情報を特定(抽出)する。具体的には、申告情報取得部11は、申告情報の活動に係る情報、具体的には、実施当事者のユーザの識別子、活動種別を示す情報、実施時刻情報、実施位置情報(即ち、申告者のユーザの識別子以外の情報)を比較して、同一の活動に係る申告情報を特定する。申告情報取得部11は、これらの情報が全て一致している情報を同一の活動に係る申告情報と特定する。なお、時刻及び位置については、申告情報毎に誤差があることが考えられるので、予め設定した一定の範囲内であれば一致しているものとしてもよい。また、実施時刻情報及び実施位置情報を用いない態様であれば、これらの情報の比較は行われてなくてもよい。
申告情報取得部11は、例えば、新たに申告情報を取得した場合、取得した申告情報が、過去の申告情報と同一の活動に係る申告情報であるか否かを判断する。申告情報取得部11は、取得した申告情報が、過去の申告情報と同一の活動に係る申告情報でないと判断した場合、即ち、新たな活動に係る申告情報であった場合、当該申告情報に、過去の申告情報とは異なる新たな活動識別子を設定する。申告情報取得部11は、取得した申告情報が、過去の申告情報の何れかと同一の活動に係る申告情報であると判断した場合、当該申告情報に、同一の活動に係る過去の申告情報と同じ活動識別子を設定する。
申告情報取得部11は、同一の申告者による同一の活動についての複数の申告情報を取得した場合には、重複する申告情報であるとして一つを残して削除することとしてもよい。上記の申告情報の集約、即ち、申告情報の活動識別子の設定及び削除は、後述する客観度算出部12による客観度の算出の後に行われてもよい。
申告情報取得部11によって取得された申告情報は、貢献度推定装置10に記憶されて客観度算出部12及び貢献度推定部13によって利用される。
客観度算出部12は、申告情報取得部11によって取得された申告情報のうち、貢献度の推定対象のユーザが実施当事者になっている申告情報についての客観度を算出する機能部である。申告情報の客観度とは、申告情報に係る申告がどの程度、客観性があるかを示すものである。即ち、客観度は、申告情報に係る申告が本物である度合い(真正性の度合い)である。客観度が高い程、申告情報によって示される活動が、申告情報によって示される活動当事者によって確かに行われたものであることを示している。
上述したように、例えば、ユーザの活動に対してポイントが与えられるものとすると、実際に活動を行っていないにもかかわらず、ポイントを得るために虚偽の申告が行われることが考えられる。本実施形態における客観度は、正しい申告を適切に扱うためのものである。
客観度算出部12は、申告情報取得部11によって取得された申告情報のうち、貢献度の推定対象のユーザが実施当事者であり、かつ客観度の算出対象の申告情報に係る活動と異なる活動についての申告情報、及び貢献度の推定対象のユーザ以外のユーザが申告者であり、かつ客観度の算出対象の申告情報に係る活動と異なる活動についての申告情報の少なくとも何れかに基づいて、客観度を算出する。客観度の算出は、例えば、客観度の算出対象の申告情報に係る活動よりも過去の活動についての申告情報に基づいて行われる。なお、申告情報に実施時刻情報が含まれていない等の場合には、客観度の算出は、客観度の算出対象の申告情報に係る活動以外の全ての活動についての申告情報に基づいて行われてもよい。
また、客観度の算出は、貢献度の推定対象のユーザ、即ち、活動当事者自身が申告者になっている申告情報と、貢献度の推定対象のユーザ以外のユーザ、即ち、活動当事者以外のユーザが申告者になっている申告情報とで異なる算出方法で行われる。活動当事者自身が申告者になっている申告情報については、例えば、過去に一定数以上の他者が当該活動当事者の活動を申告し(後述するXに対応)、過去に当該実施当事者の活動を申告した他者が特定の人物に偏っておらず(後述するYに対応)、過去に当該実施当事者が自分自身の活動を申告した回数が過去に他者が当該実施当事者の活動を申告した回数と比べて多くない(後述するZに対応)場合に、当該実施当事者の活動の客観度は高いとみなし、当該申告の客観度は高いとみなされる。図6にユーザ間の申告関係の例を示す。上記の基準から、例えばユーザCの自分自身の活動についての申告は、客観度は高いものとされる。
また、他者が申告者になっている申告情報については、例えば、過去に当該他者が一定数以上の過去の活動を申告し(後述するX´に対応)、過去に当該他者から活動を申告された人物が当該実施当事者を含む特定の人物に偏っていない(後述するY´,Z´に対応)場合に、当該他者の申告の客観度は高いとみなされる。上記の基準から、例えば図6のユーザAからのユーザCの活動についての申告は、客観度は低いものとされる。
以下、客観度の具体的な算出方法について説明する。客観度算出部12は、申告情報取得部11によって取得された申告情報を読み出す。上述したように客観度算出部12は、客観度の算出対象の申告情報に係る活動と異なる活動についての申告情報を客観度の算出に用いる。即ち、客観度算出部12は、客観度の算出対象の申告情報の活動識別子とは異なる活動識別子の申告情報を客観度の算出に用いる。
客観度算出部12は、貢献度の推定対象のユーザ自身が申告者になっている申告情報については、貢献度の推定対象のユーザが実施当事者であり、かつ客観度の算出対象の申告情報に係る活動と異なる活動についての申告情報のうち、貢献度の推定対象のユーザ以外のユーザが申告者である申告情報、及び貢献度の推定対象のユーザが申告者である申告情報の少なくとも何れかに基づいて客観度を算出する。客観度算出部12は、上記の申告情報に基づいて、貢献度の推定対象のユーザの活動を申告した他者の人数、貢献度の推定対象のユーザの活動を他者が申告した回数に対する、貢献度の推定対象のユーザの活動を申告した他者の人数の比、及び貢献度の推定対象のユーザの活動を自分自身が申告した回数に対する、貢献度の推定対象のユーザの活動を他者が申告した回数の比の少なくとも何れかを算出して、算出した値から貢献度の推定対象のユーザが申告者になっている申告情報についての客観度を算出する。上記の人数は、ユニークな人数である。例えば、B(申告者)→A(活動識別子:A-101)という申告と、B→A(活動識別子:A-102)という申告とがあった場合、他者がAの活動を申告した回数は2回であるが、Aの活動を申告した他者の人数は1人となる。また、後述する人数についても同様である。
具体的には、客観度算出部12は、客観度に係る値として以下の値X,Y,Zを算出する。
上記の式中のmin()は、最も小さい値を関数値とする関数である。上記の式中のp,q,rは、予め設定されるパラメータである。pは、過去に少なくともp人以上の他者から活動を申告されていれば、その人物の活動(即ち、申告)には客観性があると定義するパラメータであり、0より大きい(>0)値とされる。なお、実施当事者自身による活動の申告の客観性は、当該実施当事者による活動の客観性と等しい。qには、過去に実施当事者の活動を申告した他者が特定の人物に偏ることを全く許容しない場合には1が設定され、特定の人物に一定の割合で偏ることを許容する場合には0を除く1未満の正の値が設定される。rには、過去に実施当事者が自分自身の活動を申告した回数が、過去に他者が実施当事者の活動を申告した回数と比べ多くなることを全く許容しない場合には1が設定され、多くなることを一定の割合で許容する場合には0を除く1未満の正の値が設定される。Y,Zの算出の際に式中の分数の分母が0になる場合(0除算時)には、それらのパラメータ(Y,Z)の値を1とすることとしてもよい。
客観度算出部12は、X×Y×Zを算出して、算出した値を申告情報についての客観度とする。このように算出した値は、値が大きい程、客観度が大きいことを示している。図7に、ユーザAが自分自身の活動を申告する申告情報について、上記のように算出される客観度の例を示す。この例では、(p,q,r)=(5,1,1)としている。
なお、上記のX,Y,Zの式では、各値の影響度を均一にするため、値が1を上回る場合に1としているが、値が1を上回る場合であってもその値をX,Y,Zの値として用いることとしてもよい。また、上記のようにX,Y,Zの積ではなく、X,Y,Zの和を客観度としてもよい。また、和を取る際にそれぞれの値の予め設定した重み付けをしてもよい。また、X,Y,Zの全ての値を用いる必要はなく、少なくとも何れかが用いられて客観度が算出されてもよい。また、上記の客観度の観点にあうような、上記の式以外で算出される値が用いられてもよい。
客観度算出部12は、貢献度の推定対象のユーザ以外のユーザが申告者になっている申告情報については、貢献度の推定対象のユーザ以外のユーザが申告者であり、かつ客観度の算出対象の申告情報に係る活動と異なる活動についての申告情報のうち、当該申告者のユーザ以外のユーザが実施当事者である申告情報に基づいて客観度を算出する。客観度算出部12は、上記の申告情報に基づいて、当該申告者であるユーザが活動を申告した他者の人数、当該申告者であるユーザが他者の活動を申告した回数に対する、当該申告者であるユーザが活動を申告した他者の人数の比、及び当該申告者であるユーザが他者の活動を申告した回数に対する、当該申告者であるユーザが当該貢献度の推定対象のユーザ以外の他者の活動を申告した回数の比の少なくとも何れかを算出して、当該貢献度の推定対象のユーザ以外のユーザが申告者になっている申告情報についての客観度を算出する。即ち、B(申告者)→A(実施当事者)の申告の客観度は、B→C(B以外)の申告から算出される。つまり、Bが他者の活動を申告したことを示す申告情報を参照して、客観度に係る値(後述する値X´,Y´,Z´)を算出する。上記における他者が、上記のCにあたる。つまりCは、貢献度の推定対象のユーザ以外の申告者であるユーザ(B:申告者)以外のユーザ(B以外)となる。そのため、他者には、貢献度の推定対象のユーザ(A:実施当事者)も含まれる。
具体的には、客観度算出部12は、客観度に係る値として以下の値X´,Y´,Z´を算出する。
上記の式中のp´,q´,r´は、予め設定されるパラメータである。p´は、ある人物が過去に少なくともp´人以上の他者の活動を申告していれば、その人物の申告には客観性があると定義するパラメータであり、0より大きい(>0)値とされる。q´には、客観度の算出対象の申告情報に係る申告者が過去に活動を申告した他者(申告者によって活動を申告された他者)が、特定の人物に偏ることを全く許容しない場合には1が設定され、特定の人物に一定の割合で偏ることを許容する場合には0を除く1未満の正の値が設定される。r´には、客観度の算出対象の申告情報に係る申告者が過去に活動を申告した他者(申告者によって活動を申告された他者)が、客観度の算出対象の申告情報に係る実施当事者に偏ることを全く許容しない場合には1が設定され、実施当事者に一定の割合で偏ることを許容する場合には0を除く1未満の正の値が設定される。Y´,Z´の算出の際に式中の分数の分母が0になる場合(0除算時)には、それらのパラメータ(Y´,Z´)の値を1とすることとしてもよい。
客観度算出部12は、X´×Y´×Z´を算出して、算出した値を申告情報についての客観度とする。このように算出した値は、値が大きい程、客観度が大きいことを示している。図8に、ユーザAがユーザBの活動を申告する申告情報について、上記のように算出される客観度の例を示す。この例では、(p´,q´,r´)=(5,1,1)としている。
なお、上記のX´,Y´,Z´の式では、各値の影響度を均一にするため、値が1を上回る場合に1としているが、値が1を上回る場合であってもその値をX´,Y´,Z´の値として用いることとしてもよい。また、上記のようにX´,Y´,Z´の積ではなく、X´,Y´,Z´の和を客観度としてもよい。また、和を取る際にそれぞれの値の予め設定した重み付けをしてもよい。また、X´,Y´,Z´の全ての値を用いる必要はなく、少なくとも何れかが用いられて客観度が算出されてもよい。また、上記の客観度の観点にあうような、上記の式以外で算出される値が用いられてもよい。
客観度算出部12は、例えば、全ての申告情報についての客観度を算出する。貢献度の算出対象が特定のユーザである場合等には、客観度算出部12は、当該特定のユーザが実施当事者になっている申告情報のみについての客観度を算出することとしてもよい。客観度算出部12によって算出された客観度は、図2のテーブルに示すように申告情報に対応付けられて貢献度推定装置10に記憶されて貢献度推定部13によって利用される。
貢献度推定部13は、貢献度の推定対象のユーザが実施当事者となっている申告情報について客観度算出部12によって算出された客観度に基づいて、当該ユーザの貢献度を推定する機能部である。貢献度推定部13は、申告情報に示される活動にも基づいて、貢献度の推定対象のユーザの貢献度を推定してもよい。貢献度推定部13は、以下のようにユーザの貢献度を推定する。
貢献度推定部13は、客観度算出部12によって算出された申告情報毎の客観度を読み出す。貢献度推定部13は、読み出した申告情報毎の客観度から、活動識別子(即ち、実施当事者及び活動の組み合わせ)毎の客観度を算出する。貢献度推定部13は、例えば、(申告者が異なる)同一の活動識別子の申告情報の客観度を、予め設定された所定の算出ルールで集約して一つの客観度を算出する。具体的には、貢献度推定部13は、それらの客観度の和、又は平均を活動識別子毎の客観度として算出する。算出される活動識別子毎の客観度は、例えば、図9に示される情報となる。
貢献度推定部13は、活動識別子毎の客観度から、ユーザ(実施当事者)毎の客観度を算出する。貢献度推定部13は、例えば、活動識別子毎の客観度から、予め設定された所定の換算ルールでユーザ毎の客観度を算出する。具体的には、貢献度推定部13は、予め図10に示すような活動種別と値とを対応付けた情報を記憶しておく。この値は、活動種別毎の貢献度の基準値となる値である。値が大きい程、貢献度が大きい活動であることを示している。貢献度推定部13は、ユーザ毎に、活動識別子に対応する客観度と、活動識別子に対応する活動種別の値とを掛け合わせてそれらの合計値を算出し、この合計値をユーザの貢献度とする。算出された貢献度は値が大きい程、貢献が大きいことを示している。算出される貢献度は、図11に示すようにユーザ(例えば、ユーザの識別子)に対応付けられる。なお、貢献度の算出は、上記のように、ユーザ毎に活動(活動識別子)を集約して行うのではなく、活動(活動識別子)毎に行われてもよい。更に、申告(申告情報)毎に貢献度の算出を算出することとしてもよい。また、上記の活動種別毎の貢献度の基準値を用いずに客観度を貢献度とすることとしてもよい。
なお、客観度算出部12による客観度の算出及び貢献度推定部13による貢献度の推定は、予め貢献度推定装置10に設定されたタイミングで行われてもよいし、貢献度推定装置10の管理者の貢献度推定装置10への操作等をトリガとして行われてもよい。
貢献度推定部13は、算出したユーザ毎の貢献度を、ユーザにポイントを付与するモジュール又は装置に出力する。貢献度の出力は、それ以外の方法で行われてもよい。なお、算出された貢献度は、ユーザにポイントを付与する等のインセンティブだけなく、ユーザにペナルティを与えることに用いられてもよい。例えば、一定の基準よりも低い貢献度、即ち、一定の基準よりも低い客観度が繰り返し算出されたユーザは、不正なユーザであるとみなして、当該ユーザに対してインセンティブの代わりにペナルティを与えてもよい。
貢献度推定部13による貢献度の算出は、上記の方法に加えて、以下のように行われてもよい。貢献度推定部13は、ユーザの活動に係る活動種別と客観度とから貢献度推定用の特徴量を抽出して、特徴量を用いて貢献度を算出してもよい。特徴量としては、例えば、ユーザの活動回数(ユーザに係る活動識別子の数)又は活動種別の数を用いることができる。活動回数が多い程、あるいは多くの種類の活動を行っている程、ユーザの貢献が大きいとすることができる。例えば、これらの値をパラメータとして上述のように算出した貢献度に掛け合わせて最終的な貢献度としてもよい。あるいは、貢献度ではなく、上述のように算出した客観度に掛け合わせて、貢献度を推定することとしてもよい。また、掛け合わせる客観度として、ユーザの活動識別子毎の客観度から抽出できる平均客観度を用いてもよい。平均客観度が大きい程、ユーザの貢献が大きいとすることができる。この場合、これらの全て掛け合わせた値を貢献度としてもよい。例えば、活動回数4回、活動種別の数3種、平均客観度0.5(50%)であれば、4×3×0.5=6を貢献度としてもよい。なお、掛け合わせるパラメータは、最終的に算出される貢献度の値が妥当な値となるように、貢献度の算出方法に応じて標準化することとしてもよい。例えば、パラメータの値を最大値で割る等して、0~1の値となるように調整してもよい(以下のパラメータについても同様である)。
また、貢献度推定部13は、貢献度の推定対象のユーザ以外のユーザの貢献度にも基づいて、貢献度の推定対象のユーザの貢献度を推定することとしてもよい。これによって、申告者が過去に実施した他者に対する申告の情報に加え、申告者自身が過去に実施した活動、及び当該活動に対する客観度も、他者から行われる申告を用いた貢献度の算出に影響を与える。例えば、貢献度が高いユーザからの申告は、より客観度の高い申告であるとみなすことができる。具体的には、貢献度推定部13は、申告情報毎の客観度に、当該申告情報に係る申告者の貢献度をパラメータとして掛け合わせて、掛け合わせた値を上記と同様に貢献度の算出に用いることとしてもよい。貢献度が算出されていないユーザについては、予め設定したデフォルト値を貢献度の代わりとして用いてもよい。
また、貢献度推定部13は、貢献度の推定対象のユーザが申告者であり、かつ貢献度の推定対象のユーザ以外のユーザが実施当事者である申告情報にも基づいて、貢献度の推定対象のユーザの貢献度を推定することとしてもよい。ユーザの活動だけでなく、ユーザによる他者の活動の申告自体も一つの貢献活動と考えることができる。そこで、上記のように貢献度の推定対象のユーザの他者の活動の申告も考慮してユーザの貢献度を推定することとしてもよい。また、当該申告情報の客観度にも基づいて、貢献度の推定対象のユーザの貢献度を推定することとしてもよい。具体的には、貢献度推定部13は、上記の申告情報を抽出して、その申告情報の数(申告回数)及び平均客観度等をパラメータとして用いることができる。貢献度推定部13は、これらのパラメータに予め設定された係数を掛け合わせて、掛け合わせた値を上述のように算出された貢献度に足し合わせて最終的な貢献度としてもよい。あるいは、これらのパラメータを上述のように算出された貢献度に掛け合わせて最終的な貢献度としてもよい。また、1申告=5ポイントのような換算を行って、その申告情報の客観度で調整したポイントを貢献度に加算してもよい。例えば、貢献度の推定対象のユーザが行った申告のうち、客観度0.5(50%)の申告情報と客観度0.7(70%)の申告情報とがあった場合(計2回の申告を行っていた場合)、5×0.5+5×0.7=6.0を貢献度に加算することが考えられる。以上が、本実施形態に係る貢献度推定装置10の機能である。
引き続いて、図12のフローチャートを用いて、本実施形態に係る貢献度推定装置10で実行される処理(貢献度推定装置10が行う動作方法)を説明する。本処理では、申告情報取得部11によって、申告情報が取得される(S01)。続いて、客観度算出部12によって、貢献度の推定対象のユーザが実施当事者になっている申告情報についての客観度が算出される(S02)。客観度の算出は、貢献度の推定対象のユーザが実施当事者であり、かつ客観度の算出対象の申告情報に係る活動と異なる活動についての申告情報、及び貢献度の推定対象のユーザ以外のユーザが申告者であり、かつ客観度の算出対象の申告情報に係る活動と異なる活動についての申告情報の少なくとも何れかに基づいて行われる。続いて、貢献度推定部13によって、客観度に基づいてユーザの貢献度が推定されて出力される(S03)。以上が、本実施形態に係る貢献度推定装置10で実行される処理である。
上述したように本実施形態では、貢献度の推定対象のユーザが実施当事者になっている申告情報に基づいて当該ユーザの貢献度が推定される。この際、貢献度の推定に用いられる申告情報についての客観度が算出されて、貢献度の推定の際に客観度が考慮される。これによってユーザの活動の実施の有無が、どれだけ客観的に認められるかを定量的に判断できるようになる。例えば、客観度の高い申告情報によってユーザの活動が申告されていれば、当該ユーザの活動は本当に行われた可能性が高いとみなすことができる。一方で客観度の低い申告情報によってユーザの活動が申告されていれば、当該ユーザの活動は本当に行われていない可能性が高いとみなすことができる。従って、本実施形態によれば、ユーザの活動を客観的に評価して、当該ユーザの所定の集団又は組織への精度の高い貢献度を推定することができる。
また、上述したように貢献度に応じたインセンティブ又はペナルティを設定することで、ユーザは得をするために、又は損をしないために高い客観度を得られるような貢献活動を実施する。このように、ユーザは貢献度を上げる動機を持つことになり、不正な行動の申告を抑制することができる。その結果、更に精度の高い貢献度推定が可能になる。
また、本実施形態のように、貢献度の推定対象のユーザが申告者になっている申告情報と、貢献度の推定対象のユーザ以外のユーザが申告者になっている申告情報との両方について客観度が算出されて、それらの両方が貢献度の推定に用いられてもよい。また、それぞれの申告情報の何れか一方のみが貢献度の推定に用いられてもよい。この構成によれば、適切かつ確実に貢献度の推定を行うことができる。
また、本実施形態のように申告情報に基づいて、X~Z,X´~Z´の値が算出されて客観度が算出されてもよい。この構成によれば、適切かつ確実に客観度の算出を行うことができる。但し、客観度の算出方法は上記に限られず、上述した申告情報を用いて算出されるものであればよい。
また、上述したように、活動の種別等の活動を示す情報にも基づいて貢献度を推定してもよい。この構成によれば、多くの種類の活動が想定される場合等には、適切に活動を評価して貢献度を算出することができる。但し、活動の種類が1種類しか想定されない場合等には、必ずしも活動を示す情報を用いる必要はない。
また、上述したように、貢献度の算出に、貢献度の推定対象のユーザ以外のユーザの貢献度、又は貢献度の推定対象のユーザが申告者であり、かつ貢献度の推定対象のユーザ以外のユーザが実施当事者である申告情報を用いてもよい。これらを用いることで、更に適切な種々の観点での貢献度を算出することができる。但し、必ずしもこれらの情報を貢献度の算出に用いる必要はない。
上述した実施形態では、活動の申告は、実施当事者が特定された上で行われていた。しかしながら、実施当事者以外の他者が、申告を行う場合、実施当事者の特定が困難な場合がある。例えば、ゴミ捨てが行われていることを他者が確認したが、誰がゴミ捨てをしたか分からないという場合である。このような場合、貢献度推定装置10では、以下のように実施当事者を特定して、申告情報の実施当事者を示す情報を取得することとしてもよい。
申告情報取得部11は、ユーザの位置を示す位置情報を取得し、実施当事者が活動を行った位置を示す実施位置情報を取得し、取得した位置情報及び実施位置情報に基づいて、実施当事者を特定して申告情報の実施当事者を示す情報を取得する。具体的には、申告情報取得部11は、以下のように実施当事者を示す情報を取得する。
申告情報取得部11は、ユーザの位置を示す位置情報及び当該位置にいた時刻を示す時刻情報をユーザ毎に取得する。位置情報としては、例えば、ユーザに携帯される移動通信端末等の携帯端末(外部装置20と同一のものであってもよい)に備えられるGPS機能によって取得される緯度及び経度、又は携帯端末が在圏している通信キャリアの基地局を示す情報が用いられる。申告情報取得部11は、定期的な位置情報及び時刻情報(例えば、1分毎の情報)を取得する。取得される位置情報及び時刻情報の例を図13に示す。
また、申告情報取得部11は、実施当事者を示す情報が含まれておらず、実施時刻情報及び実施位置情報が含まれる申告情報を取得する。申告情報取得部11は、申告情報に含まれる実施時刻情報及び実施位置情報と、各ユーザの位置情報及び時刻情報とを比較する。申告情報取得部11は、この比較によって、実施時刻情報及び実施位置情報によって示される時刻及び場所に滞在していたユーザを抽出して、当該ユーザを当該申告情報に係る実施当事者と特定する。なお、申告者は実施当事者の活動を確認していないため、実施時刻情報に示される時刻は正確でない可能性がある。そのため、例えば、実施時刻情報に示される時刻から一定時間過去に遡った範囲の時間に、ユーザの時刻情報に示される時刻が含まれていれば、当該ユーザは実施位置情報によって示される時刻に滞在していたこととしてもよい。また、時刻及び位置の誤差を考慮して、実施時刻情報及び実施位置情報に基づく一定の範囲の時間及び位置に、ユーザの時刻情報及び位置情報に示される時刻及び位置が含まれていれば、当該ユーザは実施時刻情報及び実施位置情報によって示される時刻及び位置に滞在していたこととしてもよい。
上記のように実施当事者を特定することで、申告者が実施当事者を認識できていない場合であっても、申告情報を取得することができ、ユーザの貢献度を推定することができる。
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施の形態における貢献度推定装置10は、本実施形態の貢献度推定装置10の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図14は、本実施形態に係る貢献度推定装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の貢献度推定装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。貢献度推定装置10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
貢献度推定装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、貢献度推定装置10の各機能は、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、貢献度推定装置10の各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の貢献度推定装置10の各機能は、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、貢献度推定装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC ConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
移動通信端末は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。