JP2017207467A - ガスセンサ素子 - Google Patents
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Abstract
Description
第1ポンプセル1100は、固体電解質層1110と、固体電解質層1110の両面に形成された一対の電極1120,1130とを有している。電極1130は、固体電解質層1110と積層方向に隣接する第1空間1500内に露出する一方、電極1120は、多孔質層1900を介して外部と連通するように配置されている。この第1ポンプセル1100は、第1空間1500と外部との間で排気ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行う。酸素濃度検知セル1200は、固体電解質層1210と、固体電解質層1210の両面に形成された一対の電極1220,1230とを有している。電極1220は、固体電解質層1210と積層方向に隣接する第1空間1500内に露出する一方、電極1230は、ガスセンサ素子1000内に設けられた基準室1400内に露出している。この酸素濃度検知セル1200は、第1ポンプセル1100にて酸素を汲み出し又は汲み入れした排気ガス中の酸素濃度を測定し、この酸素濃度に応じた出力電圧(起電力)が一定となるように第1ポンプセル1100に電流(Ip電流)を流している。
しかしながら、ガスセンサ素子1000の先端側で排気ガスの流速が大きくなることに起因する素子自体の温度勾配や、第1ポンプセル1100の電極1130の劣化によって、濃度勾配Grが濃度勾配Gr1のように変化することがある。この際、酸素濃度検知セル1200の検知電極1210上では、濃度勾配Gr、濃度勾配Gr1ともに酸素濃度が略同等であるにも関わらず、第2空間1600に導入される直前の排気ガス中の酸素濃度は、濃度勾配Grと濃度勾配Gr1とで差異が生じ、NOx濃度の検知精度が低下するという問題がある。
一方、濃度勾配Grが変化する影響を低減するには、第1空間1500と第2空間1600の寸法を小さくする、つまりガスセンサ素子を小型化することが好ましい。ところが、この場合、図11の破線で示すように、固体電解質層1210xの幅も狭くなり、導入路1250と第1空間1500の壁面との間隔Dも狭くなる。検知電極1220を印刷等で形成する場合の印刷ズレを考慮すると、間隔Dが狭くなるにつれて導入路1250と第1空間1500の壁面との間に検知電極1220を形成することが困難になり、濃度勾配Grが変化する影響を低減することが難しくなる。
従って、本発明は、小型化を図ると共に、ガスセンサ素子の内部に導入される酸素の濃度勾配が変化する影響を低減し、特定ガス濃度を精度よく検知できるガスセンサ素子の提供を目的とする。
又、検知電極は、導入路の端部よりも導入方向の上流側の導入路を囲んでいるので、第1空間の上流側を流れる被測定ガスは、必ず検知電極を通って下流側の導入路へ流れ、測定精度の低下を抑制できる。その結果、ガスセンサ素子内の被測定ガス中の酸素濃度の濃度勾配が変化する影響を低減し、特定ガス濃度を精度よく検知できる。
さらに、検知電極が第1空間に露出するようにしている。つまり、検知電極の主面(表面)は、第1空間内で視認可能に配置されており、拡散律速層(多孔質体)の内部には配置されていない。このため、酸素の濃度勾配が複雑な挙動となって酸素濃度が大きく変動する拡散律速層(多孔質体)内で酸素濃度を検知することを回避し、特定ガス濃度をより一層精度よく検知できる。
さらに、積層方向に第2内側電極と導入路とが少なくとも一部で重なっていることで、第2内側電極が導入路に近付く。これにより、第2内側電極に近い導入路近傍の酸素濃度を検知電極で検知することができ、ガスセンサ素子内を第1空間から第2空間へ流れる酸素の濃度勾配が変化する影響をさらに低減し、特定ガス濃度をさらに精度よく検知できる。
又、第1の観点のガスセンサ素子と同様に、酸素の濃度勾配が複雑な挙動となって酸素濃度が大きく変動する拡散律速層(多孔質体)内で酸素濃度を検知することを回避し、特定ガス濃度をより一層精度よく検知できる。
さらに、導入路が無く、導入路の位置に直接第2内側電極が配置されているので、検知電極と第2内側電極がより近接し、濃度勾配が変化する影響をより一層低減し、特定ガス濃度をさらに精度よく検知できる。
検知電極が側壁に接していると、側壁と第1仮想線又は第3仮想線の間まで検知電極が介在するので、第1空間の上流側を流れる被測定ガスは必ず検知電極を通って下流側の導入路へ流れるため、測定精度の低下をより一層抑制できる。その結果、ガスセンサ素子内の被測定ガス中の酸素濃度の濃度勾配が変化する影響を低減し、特定ガス濃度を精度よく検知できる。
第1セラミック層を絶縁性とし、第1セラミック層内にこれより小さな固体電解質体を配置することで、固体電解質体の使用量を低減してコストダウンを図ることができる。
これにより、検知電極を印刷等で形成した際に位置がずれたり、その他の製造誤差が生じても、固体電解質体の表面に検知電極を確実に形成し、固体電解質体が一部露出することを抑制できる。
図1は、本発明の第1の観点の実施形態に係るガスセンサ(NOxセンサ)1の縦断面図(軸線AXに沿って切断した断面図)、図2は第1の観点の実施形態に係るガスセンサ素子10の軸線AXに沿う断面図、図3はガスセンサ素子10の分解斜視図、図4はVs−電極522近傍の上面図である。
さらに詳しくは、ガスセンサ1は、ガスセンサ素子10の後端部10k(図1において上端の部位)が挿入される挿入孔62を有する保持部材60と、この保持部材60の内側に保持された6個の端子部材とを備える。なお、図1では、6個の端子部材のうち2個の端子部材(具体的には、端子部材75,76)のみを図示している。
さらに、6個の端子部材(端子部材75,76など)には、それぞれ、異なるリード線71が電気的に接続されている。例えば、図1に示すように、端子部材75のリード線把持部77によって、リード線71の芯線が加締められて把持される。また、端子部材76のリード線把持部78によって、他のリード線71の芯線が加締められて把持される。
また、主体金具20の貫通孔23の内部には、環状のセラミックホルダ42、滑石粉末を環状に充填してなる2つの滑石リング43,44、及びセラミックスリーブ45が配置されている。詳細には、ガスセンサ素子10の径方向周囲を取り囲む状態で、セラミックホルダ42、滑石リング43,44、及びセラミックスリーブ45が、この順に、主体金具20の軸線方向先端側(図1において下端側)から軸線方向後端側(図1において上端側)にわたって重ねて配置されている。
主体金具20の先端部20bには、ガスセンサ素子10の先端部10sを覆うように、複数の孔を有する金属製(具体的にはステンレス)の外部プロテクタ31及び内部プロテクタ32が、溶接によって取り付けられている。一方、主体金具20の後端部には、外筒51が溶接によって取り付けられている。外筒51は、軸線AX方向に延びる筒状をなし、ガスセンサ素子10を包囲している。
保持部材60の後端面61上には、絶縁部材90が配置されている。絶縁部材90は、電気絶縁性材料(具体的にはアルミナ)からなり、円筒状をなす。この絶縁部材90には、軸線AX方向に貫通する貫通孔91が合計6個形成されている。この貫通孔91には、前述した端子部材のリード線把持部(リード線把持部77,78など)が配置されている。
さらに、導入方向Fの上流側及び下流側を、適宜、導入方向Fを省略して「上流側及び下流側」と称する。
固体電解質体111、121、131は、固体電解質であるジルコニアからなり、酸素イオン伝導性を有する。固体電解質体111、121、131はこの順で積層され、固体電解質体111、121の間に絶縁体140が介装されている。絶縁体140には貫通孔140hが形成され(図3参照)、この貫通孔140hが二つの固体電解質体111、121の層間に形成された第1空間150となる。
さらに、固体電解質体121、131の間に絶縁体145が介装されている。絶縁体145には貫通孔145cが形成され(図3参照)、この貫通孔145cが二つの固体電解質体121、131の層間に形成された第2空間160となる。
ここで、固体電解質体111、121、131が特許請求の範囲の「セラミック層」に相当する。
なお、図3に示すように、第1空間150の側方にガス透過性及び透水性を有する第1多孔質体151が設けられており、第1空間150は第1多孔質体151を通じてガスセンサ素子10の外部と連通し、被測定ガスを導入可能になっている。第1多孔質体151は、ガスセンサ素子10の外部との仕切りとして、第1空間150内への排ガスの単位時間あたりの流通量を制限する。
又、本実施形態では、積層方向から見たとき、導入路125が第1空間150及び第2空間160よりも小径であり、第1空間150及び第2空間160よりも導入路125が窄まっている。又、導入路125は、幅方向(軸線AX方向と交差する方向)の中心よりも紙面手前側にずれて配置されている(図3、図4参照)。
ここで、Ip1+電極112、Ip1−電極113、及びIp1セル110がそれぞれ特許請求の範囲の「第1対電極」、「第1内側電極」、「第1ポンプセル」に相当する。
また、Ip1+電極112とIp1+リード112rの表面側には、アルミナ等からなる絶縁層115が積層され、絶縁層115の先端側にIp1+電極112を取り囲む略矩形の貫通孔が設けられ、この貫通孔に多孔質層190が埋設されている。このようにして、多孔質層190を介してIp1+電極112と外部との間でガスが出入可能になっている。
このIp1セル110は、Ip1+電極112、Ip1−電極113間に流すポンプ電流Ip1に応じて、Ip1+電極112の接する雰囲気(ガスセンサ素子10の外部の雰囲気)とIp1−電極113の接する雰囲気(第1空間150内の雰囲気)との間で酸素の汲み出し及び汲み入れ(いわゆる酸素ポンピング)を行う。
また、固体電解質体121の裏面側には、多孔質のVs+電極123が設けられている。又、Vs−電極522にはVs−リード522r(図3参照)が接続され、Vs+電極123にはVs+リード123r(図3参照)が接続されている。
この固体電解質体121、Vs−電極522、及びVs+電極123によって、Vsセル120を構成している。このVsセル120は、主として、固体電解質体121により隔てられた雰囲気(電極522の接する第1空間150内の雰囲気と、電極123の接する後述する基準酸素室170内の雰囲気)間の酸素分圧差に応じて起電力を発生する。
ここで、Vs−電極522、Vs+電極123、Vsセル120がそれぞれ特許請求の範囲の「検知電極」、「基準電極」、「酸素濃度検知セル」に相当する。
Ip2+電極132とVs+電極123との間には、孤立した小空間としての基準酸素室170が形成されている。この基準酸素室170は、絶縁体145に形成されている開口部145bにより構成されている。なお、基準酸素室170内には、セラミックス製の多孔質体が配置されている。
また、Ip2−電極133は、第2空間160内に配置されている。
ここで、Ip2+電極132、Ip2−電極133、Ip2セル130がそれぞれ特許請求の範囲の「第2対電極」、「第2内側電極」、「第2ポンプセル」に相当する。
ガスセンサ素子10の固体電解質体111、121、131は、ヒータパターン164の昇温に伴い加熱され、活性化する。これにより、Ip1セル110、Vsセル120、及びIp2セル130が動作するようになる。
排気通路(図示なし)内を流通する排ガス(測定対象ガス)は、第1多孔質体151による流通量の制限を受けつつ第1空間150内に導入される。このとき、Vsセル120には、Vs+電極123側からVs−電極522側へ微弱な電流Icpが流されている。このため、排ガス中の酸素は、負極側となる第1空間150内のVs−電極522から電子を受け取ることができ、酸素イオンとなって固体電解質体121内を流れ、基準酸素室170内に移動する。つまり、Vs−電極522、Vs+電極123間で電流Icpが流されることによって、第1空間150内の酸素が基準酸素室170内に送り込まれる。
このように、第1空間150において酸素濃度が調整された被測定ガスは、導入路125を通じて、第2空間160内に導入される。第2空間160内でIp2−電極133と接触した被測定ガス中の特定ガス成分(NOx成分)は、Ip2−電極133、Ip2+電極132間に電圧Vp2を印加されることで、Ip2−電極133上で窒素と酸素に分解(還元)され、分解された酸素は、酸素イオンとなって固体電解質体131内を流れ、基準酸素室170内に移動する。この際、Ip2セル130を流れる電流Ip2を検出し、その電流値に基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を検知することができる。
Vs−電極522は、導入路125よりも上流側で、側壁140s1から第1仮想線C1を跨ぎ、他の側壁140s2と導入路125との間(間隔D2側)を通り、導入路125の下流側の端部125e(第2仮想線C2を通る端部)まで略1/4円弧状に連続して延び、導入路125を上流側から囲んでいる。つまり、Vs−電極522は、側壁140s1に接している。さらに、導入路125の端部125eよりも下流側で、Vs−電極522はVs−リード522rと電気的に接続している。Vs−電極522が導入路125の端部125eよりもさらに下流側まで延びていてもよい。
さらに、図2に示すように、積層方向にIp2−電極133と導入路125とが重なっている。
なお、Vs−電極522が第1空間150内に配置されていない(例えば、導入路125の壁面にVs−電極522が形成されている)場合には、濃度勾配が変化する影響を低減することはできるが、Ip1−電極113とVs−電極122の距離が遠くなり過ぎて被測定ガスに対する酸素濃度検知の応答性が低下する。そこで、Vs−電極522を少なくとも第1空間150側に配置することで、酸素濃度検知の精度を向上させることができる。
但し、後述する図7のように、Vs−電極522は第1仮想線C1から第2仮想線C2まで連続して延びていればよい。つまり、Vs−電極522が側壁140s1に接さずに、側壁140s1と第1仮想線C1との隙間G3にVs−電極522が介在しなくてもよい。
又、図6のように、Vs−電極522が、導入路125の端部125eよりも上流側までしか形成されていないと、被測定ガスはVs−電極522の終端522eよりも下流側で、かつ導入路125の端部125eよりも上流側で、Vs−電極522を通らずに導入路125に流れてしまうので、被測定ガスがVs−電極522に十分に流れず、測定精度が低下するので不適である。なお、終端522eの下流側にVs−リード522rが電気的に接続していると、被測定ガスはVs−リード522rに接触するが、Vs−リード522rは十分な検知機能を有しないので、Vs−電極522被測定ガスに流れるとはいえず、測定精度が低下する。
次に、図8、図9を参照し、本発明の第2の観点の実施形態について説明する。なお、第2の観点の実施形態は、導入路125を無くし、固体電解質体131Fが固体電解質体121Fに絶縁体147Fを介して埋め込まれて同一層をなす複合層201Fを形成し、固体電解質体131Fの表裏にIp2−電極133とIp2+電極132を対向して配置したこと以外は、図2の第1の観点の実施形態に係るガスセンサ素子10Cと同一であるので、同一部分の構成については適宜同一符号を付して説明を省略する。
具体的には、図9に示すように、固体電解質体121Fの所定部位が矩形にくり抜かれ、このくり抜き部分に枠状の絶縁体147Fを介して、矩形の固体電解質体131Fが埋め込まれている。また、孤立した小空間としての基準酸素室170Eは、Vs+電極123の裏側、及び固体電解質体131Fの裏側に形成されたIp2+電極132に対向する絶縁体145をくり抜いて形成されている(図8参照)。基準酸素室170E内には、セラミックス製の多孔質体が配置されている。
なお、Vs−電極522と固体電解質体121Fを含むVsセルを符号120Eで表す。固体電解質体131Fを含むIp2セルを符号130Eで表す。
又、固体電解質体121F、131Fがそれぞれ特許請求の範囲の「第1セラミック層」、「第2セラミック層」に相当する。固体電解質体111が特許請求の範囲の「第3セラミック層」に相当する。
又、第1空間150の下流側で、固体電解質体121Fの側壁140s1側に寄った部位が矩形にくり抜かれ、このくり抜き部分に矩形枠状の絶縁体147Fが介装され、絶縁体147Fの内側に矩形の固体電解質体131Fが埋め込まれている。これにより、同一層である複合層201F中で、固体電解質体121F、131Fが絶縁体147Fにより絶縁されている。
なお、第2の観点の実施形態において、Vs−電極522は、少なくともIp2−電極133の下流側の端部133e(第4仮想線C4)まで連続して延びている必要がある。
特に、ガスセンサ素子10Fの場合、導入路125が無く、導入路125の位置に直接Ip2−電極133が配置されているので、Vs−電極522とIp2−電極133がより近接し、濃度勾配が変化する影響をより一層低減できる。
例えば、上記実施形態では、第1空間150と第2空間160との間には、これら空間の仕切りとして、被測定ガスの単位時間あたりの流通量を制限する拡散律速層(多孔質体)が設けられていないが、この拡散律速層を設けてもよい。但し、上述のように拡散律速層内では酸素濃度が大きく変動して酸素濃度の検知精度が低下するため、Vs−電極522を避けて拡散律速層を設けることが必要である。具体的には、例えば、被測定ガスの導入方向Fに沿って、Ip1−電極113とVs−電極522の間に拡散律速層を設けたり、Vs−電極522とIp2−電極133の間に拡散律速層を設けることができる。
又、ガスセンサ素子は三つ以上のセラミック層を積層して構成されていればよく、セラミック層の積層数は三つに限定されない。
又、導入路や各電極の形状は限定されず、例えば、円形、矩形の他、不定形とすることができる。
又、このときに検知電極の外周縁が埋め込まれた固体電解質体の外周縁よりも0.15mm以上外側に位置する構成を採ってもよい。上記構成によれば、検知電極の印刷時にキワがにじんだとしても固体電解質体が検知電極から露出してしまうことを抑制することができる。
10、10F ガスセンサ素子
110 第1ポンプセル
111、121、131 固体電解質体(セラミック層)
121、121F 固体電解質体(第1セラミック層)
131、131F 固体電解質体(第2セラミック層)
111 固体電解質体(第3セラミック層)
112 第1対電極(Ip1+電極)
113 第1内側電極(Ip1−電極)
120、120F 酸素濃度検知セル
522、222、322、422、522 検知電極(Vs−電極)
123 基準電極(Vs+電極)
125 導入路
125e 導入路の被測定ガスの導入方向下流側の端部
130、130F 第2ポンプセル
132 第2対電極(Ip2+電極)
133 第2内側電極(Ip2−電極)
140s1 第1空間を形成する一方の側壁
140s2 第1空間を形成する他の側壁
C1 第1仮想線
C2 第2仮想線
C3 第3仮想線
C4 第4仮想線
147F 絶縁体
150 第1空間
160 第2空間
201F 複合層
F 被測定ガスの導入方向
AX 軸線方向
T 幅方向
Claims (6)
- 軸線方向に延び、三つ以上のセラミック層を積層してなるガスセンサ素子であり、
三つ以上の前記セラミック層のうち、第1セラミック層と、第3セラミック層の層間に形成されると共に、外部から被測定ガスが導入される第1空間と、
前記第1セラミック層と、第2セラミック層の層間に形成されると共に、前記第1空間と少なくとも一部が積層方向に重なり合う第2空間と、
前記第1セラミック層を前記積層方向に貫く空間を形成すると共に、前記第1空間に導入された前記被測定ガスを前記第2空間に導入する1つの導入路と、
前記第1空間内の前記被測定ガスに含まれる酸素をポンピングする第1ポンプセルであり、前記第1空間に隣接する前記第3セラミック層と、前記第3セラミック層上に設けられ、前記第1空間内に晒された第1内側電極と、該第1内側電極と対をなす第1対電極とを備える第1ポンプセルと、
前記第1ポンプセルより前記被測定ガスの導入方向下流側に配置され、前記被測定ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度検知セルであり、前記第1空間に隣接する前記第1セラミック層と、前記第1セラミック層上に設けられ、前記第1空間内に晒された検知電極と、該検知電極と対をなす基準電極とを備える酸素濃度検知セルと、
前記酸素濃度検知セルより前記被測定ガスの導入方向下流側に配置され、前記第2空間内における前記被測定ガス中の特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2ポンプセルであり、前記第2空間に隣接する前記第2セラミック層と、前記第2セラミック層上に設けられ、前記第2空間内に晒された第2内側電極と、該第2内側電極と対をなす第2対電極とを備える第2ポンプセルと、
を有するガスセンサ素子であって、
前記検知電極は、前記導入路よりも前記被測定ガスの導入方向上流側にて、前記第1空間を形成して前記軸線方向に延びる側壁に平行であって前記導入路の前記側壁側の端部を通る第1仮想線から、他の側壁と前記導入路との間を経由し、前記側壁に垂直であって前記導入路の前記被測定ガスの導入方向下流側の端部を通る第2仮想線まで連続して延び、
前記積層方向に前記導入路と前記第2内側電極とが少なくとも一部で重なることを特徴とするガスセンサ素子。 - 軸線方向に延び、三つ以上のセラミック層を積層してなるガスセンサ素子であり、
三つ以上の前記セラミック層のうち、第1セラミック層内に第2セラミック層が配置されて複合層を形成し、
第3セラミック層と、前記複合層の層間に形成されると共に、外部から被測定ガスが導入される第1空間と、
前記第1空間内の前記被測定ガスに含まれる酸素をポンピングする第1ポンプセルであり、前記第1空間に隣接する前記第3セラミック層と、該第3セラミック層上に設けられ、前記第1空間内に晒された第1内側電極と、該第1内側電極と対をなす第1対電極とを備える第1ポンプセルと、
前記第1ポンプセルより前記被測定ガスの導入方向下流側に配置され、前記被測定ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度検知セルであり、前記第1空間に隣接する前記第1セラミック層と、該第1セラミック層上に設けられ、前記第1空間内に晒された検知電極と、該検知電極と対をなす基準電極とを備える酸素濃度検知セルと、
前記酸素濃度検知セルより前記被測定ガスの導入方向下流側に配置され、前記第1空間内における前記被測定ガス中の特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2ポンプセルであり、前記第1空間に隣接する前記第2セラミック層と、該第2セラミック層上に設けられ、前記第1空間内に晒された第2内側電極と、該第2内側電極と対をなす第2対電極とを備える第2ポンプセルと、
を有するガスセンサ素子であって、
前記検知電極は、前記第2内側電極よりも前記被測定ガスの導入方向上流側で、前記第1空間を形成して前記軸線方向に延びる側壁に平行であって前記第2内側電極の前記側壁側の端部を通る第3仮想線から、他の側壁と前記第2内側電極との間を経由し、前記側壁に垂直であって前記第2内側電極の前記被測定ガスの導入方向下流側の端部を通る第4仮想線まで連続して延びることを特徴とするガスセンサ素子。 - 前記検知電極は、前記側壁に接していることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ素子。
- 前記第1セラミック層は絶縁性の材料で形成され、
前記検知電極は、前記第1セラミック層内に同一層に配置された固体電解質体の全面と接すると共に、前記検知電極の外周縁は前記固体電解質体の外周縁を覆うことを特徴とする請求項1乃至3に記載のガスセンサ素子。 - 前記検知電極の外周縁が前記固体電解質体の外周縁よりも0.15mm以上外側に位置することを特徴とする請求項4に記載のガスセンサ素子。
- 被測定ガス中の特定ガスを検出するガスセンサ素子と、該ガスセンサ素子を保持する主体金具と、を備えるガスセンサであって、
前記ガスセンサ素子として、請求項1乃至5に記載のガスセンサ素子を備えるガスセンサ。
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