JP2016176810A - ガスセンサ素子 - Google Patents

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健太郎 鎌田
知宏 若園
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知宏 若園
将生 中川
Masao Nakagawa
将生 中川
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Abstract

【課題】ガスセンサ素子の内部に導入される酸素の濃度勾配が変化する影響を低減し、特定ガス濃度を精度よく検知できるガスセンサ素子を提供する。
【解決手段】三つ以上のセラミック層111、121、131を積層してなるガスセンサ素子10であり、第1空間150と、第2空間160と、セラミック層を積層方向に貫くと共に第1空間に導入された被測定ガスを第2空間に導入する導入路125と、第1空間内の酸素をポンピングする第1ポンプセル110と、第1ポンプセルより被測定ガスの導入方向F下流側に配置され、被測定ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度検知セル120と、酸素濃度検知セルより被測定ガスの導入方向F下流側に配置され、第2空間内における被測定ガス中の特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2ポンプセル130と、を有し、酸素濃度検知セルの検知電極122は、導入路の内側面まで延びると共に、第1空間及び導入路に露出してなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば燃焼器や内燃機関等の燃焼ガスや排気ガス中に含まれる特定ガス濃度を検出するのに好適に用いられるガスセンサ素子に関する。
従来から、内燃機関の排気ガス中の特定ガス濃度(例えば、窒素酸化物(NOx)の濃度)を検出するガスセンサ(NOxセンサ)が用いられている(特許文献1)。図8に示すように、一般的なガスセンサ(NOxセンサ)は、第1ポンプセル1100、酸素濃度検知セル1200、第2ポンプセル1300、第1空間1500、第2空間1600を主に備えたガスセンサ素子1000を有している。
第1ポンプセル1100は、固体電解質層1110と、固体電解質層1110の両面に形成された一対の電極1120,1130とを有している。電極1130は、固体電解質層1110と積層方向に隣接する第1空間1500内に露出する一方、電極1120は、多孔質層1900を介して外部と連通するように配置されている。この第1ポンプセル1100は、第1空間1500と外部との間で排気ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行う。酸素濃度検知セル1200は、固体電解質層1210と、固体電解質層1210の両面に形成された一対の電極1220,1230とを有している。電極1220は、固体電解質層1210と積層方向に隣接する第1空間1500内に露出する一方、電極1230は、ガスセンサ素子1000内に設けられた基準室1400内に露出している。この酸素濃度検知セル1200は、第1ポンプセル1100にて酸素を汲み出し又は汲み入れした排気ガス中の酸素濃度を測定し、この酸素濃度に応じた出力電圧(起電力)が一定となるように第1ポンプセル1100に電流(Ip電流)を流している。
さらに、上述のように酸素濃度が管理された第1空間1500内の排気ガスは、拡散律速層となる多孔質体1520を適宜介して第2空間1600に導入される。第2ポンプセル1300は、固体電解質層1310と、固体電解質層1310上に形成された一対の電極1320,1330とを有している。電極1330は、固体電解質層1310と積層方向に隣接する第2空間1600内に露出する一方、電極1320は、ガスセンサ素子1000内に設けられた基準室1400内に露出している。この第2ポンプセル1300は、第2空間1600内に導入された排気ガスから特定ガス濃度(NOx濃度)を検知するようになっている。
特開平11−72478号公報(図1、図9)
ところで、ガスセンサ素子1000に導入される排気ガスは導入方向Fに沿って第1空間1500から第2空間1600に流れるが、第1空間1500から第2空間1600に流れるこの排気ガス中の酸素濃度は、第1空間1500から第2空間1600に向かって徐々に低くなる濃度勾配Grを有している。
しかしながら、ガスセンサ素子1000の先端側で排気ガスの流速が大きくなることに起因する素子自体の温度勾配や、第1ポンプセル1100の電極1130の劣化によって、濃度勾配Grが濃度勾配Gr1のように変化することがある。この際、酸素濃度検知セル1200の検知電極1210上では、濃度勾配Gr、濃度勾配Gr1ともに酸素濃度が略同等であるにも関わらず、第2空間1600に導入される直前の排気ガス中の酸素濃度は、濃度勾配Grと濃度勾配Gr1とで差異が生じ、NOx濃度の検知精度が低下するという問題がある。
そこで、濃度勾配Grが変化する影響を低減するため、第2空間1600になるべく近い部位に酸素濃度検知セル1200(検知電極1220)を配置することが好ましいことになる。しかしながら、第1空間1500と第2空間1600の間に多孔質体1520が介在する場合、多孔質体1520内では濃度勾配Grが複雑な挙動となって酸素濃度が大きく変動する虞がある。例えば、上記特許文献1の図9には、拡散律速層(多孔質体)内へ検知電極を配置する構成が記載されているが、NOx濃度の検知精度の点で好ましくない。つまり、多孔質体1520を避けて検知電極1220を配置する必要があることが判明した。
そこで、本発明は、ガスセンサ素子の内部に導入される酸素の濃度勾配が変化する影響を低減し、特定ガス濃度を精度よく検知できるガスセンサ素子の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のガスセンサ素子は、三つ以上のセラミック層を積層してなるガスセンサ素子であり、三つ以上の前記セラミック層のうち、二つのセラミック層の層間に形成されると共に、外部から被測定ガスが導入される第1空間と、前記第1空間を形成する前記層間とは異なる二つの前記セラミック層の層間に形成されると共に、前記第1空間と少なくとも一部が積層方向に重なり合う第2空間と、前記第1空間と前記第2空間との間に配置される前記セラミック層を前記積層方向に貫く空間を形成すると共に、前記第1空間に導入された前記被測定ガスを前記第2空間に導入する導入路と、前記第1空間内の前記被測定ガスに含まれる酸素をポンピングする第1ポンプセルであり、前記第1空間に隣接するセラミック層と、該セラミック層上に設けられ、前記第1空間内に晒された第1内側電極と、該第1内側電極と対をなす第1対電極とを備える第1ポンプセルと、前記第1ポンプセルより前記被測定ガスの導入方向下流側に配置され、前記被測定ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度検知セルであり、前記第1空間に隣接するセラミック層と、該セラミック層上に設けられ、前記第1空間内に晒された検知電極と、該検知電極と対をなす基準電極とを備える酸素濃度検知セルと、前記酸素濃度検知セルより前記被測定ガスの導入方向下流側に配置され、前記第2空間内における前記被測定ガス中の特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2ポンプセルであり、前記第2空間に隣接するセラミック層と、該セラミック層上に設けられ、前記第2空間内に晒された第2内側電極と、該第2内側電極と対をなす第2対電極とを備える第2ポンプセルと、を有するガスセンサ素子であって、前記酸素濃度検知セルの前記検知電極は、前記導入路の内側面まで延びると共に、前記第1空間及び前記導入路に露出してなることを特徴とする。
ガスセンサ素子内を第1空間から第2空間に流れる被測定ガス中の酸素濃度は、第1空間から第2空間に向かって徐々に低くなる濃度勾配を有しているが、この濃度勾配が、ガスセンサ素子自体の温度勾配や、第1ポンプセルの電極の劣化によって変化することがある。そして、この濃度勾配が変化する影響により、第2空間に導入される直前の被測定ガスの酸素濃度に差異が生じ、第2ポンプセルで検知する特定ガス濃度の検知精度が低下するという問題がある。
そこで、このガスセンサ素子によれば、検知電極が第1空間だけでなく導入路にも形成されている。このため、特定ガスを検知する第2空間により近い導入路の酸素濃度をも検知することができ、ガスセンサ素子内の被測定ガス中の酸素濃度の濃度勾配が変化する影響を低減し、特定ガス濃度を精度よく検知できる。
一方、検知電極が第1空間内に配置されていない場合には、上記濃度勾配が変化する影響を低減することはできるが、第1ポンプセル(第1内側電極)と検知電極との距離が遠くなり過ぎて被測定ガスに対する酸素濃度検知の応答性が低下する。そこで、検知電極を第1空間と導入路の両方に配置することで、第1空間内と導入路の酸素濃度の情報を共に取得することができ、酸素濃度検知の精度と応答性を両立することができる。
さらに、検知電極が第1空間及び導入路に露出するようにしている。つまり、検知電極の主面(表面)は、第1空間内と導入路内とで視認可能に配置されており、拡散律速層(多孔質体)の内部には配置されていない。このため、酸素の濃度勾配が複雑な挙動となって酸素濃度が大きく変動する拡散律速層(多孔質体)内で酸素濃度を検知することを回避し、特定ガス濃度をより一層精度よく検知できる。
本発明のガスセンサ素子において、前記検知電極は、前記導入路の内側面の全周に形成されていてもよい。
このガスセンサ素子によれば、検知電極を導入路の内側面の一部に形成した場合に比べ、導入路内に配置された検知電極の面積が大きくなるので、酸素濃度検知の精度がより向上する。
本発明のガスセンサ素子において、前記検知電極は、前記導入路の内側面を超えて前記第2空間の一部まで延び、前記第2空間内に配置される前記検知電極は、前記第2空間に露出していてもよい。
このガスセンサ素子によれば、検知電極を導入路の内側面のみに形成した場合に比べ、検知電極が特定ガスを検知する第2空間にも形成されるので、酸素濃度検知の精度がより向上する。
この発明によれば、ガスセンサ素子の内部に導入される酸素の濃度勾配が変化する影響を低減し、特定ガス濃度を精度よく検知できる。
本発明の第1の実施形態に係るガスセンサ(NOxセンサ)の軸線方向に沿う断面図である。 第1の実施形態に係るガスセンサ素子の軸線方向に沿う断面図である。 第1の実施形態に係るガスセンサ素子の分解斜視図である。 第1の実施形態におけるVs−電極の上面図である。 第2の実施形態に係るガスセンサ素子の軸線方向に沿う断面図である。 第3の実施形態に係るガスセンサ素子の軸線方向に沿う断面図である。 第3の実施形態におけるVs−電極の上面図である。 従来のNOxセンサのガスセンサ素子の軸線方向に沿う断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガスセンサ(NOxセンサ)1の縦断面図(軸線AXに沿って切断した断面図)、図2は第1の実施形態に係るガスセンサ素子10の軸線AXに沿う断面図、図3はガスセンサ素子10の分解斜視図、図4はVs−電極122の上面図である。
ガスセンサ1は、測定対象ガスである排ガス(被測定ガス)中の特定ガス(NOx)の濃度を検出可能なガスセンサ素子10を備え、内燃機関の排気管(図示なし)に装着されて使用されるNOxセンサである。このガスセンサ1は、排気管に固定するためのネジ部21が外表面の所定位置に形成された筒状の主体金具20を備える。ガスセンサ素子10は、軸線AX方向に延びる細長板状をなし、主体金具20の内側に保持されている。
さらに詳しくは、ガスセンサ1は、ガスセンサ素子10の後端部10k(図1において上端の部位)が挿入される挿入孔62を有する保持部材60と、この保持部材60の内側に保持された6個の端子部材とを備える。なお、図1では、6個の端子部材のうち2個の端子部材(具体的には、端子部材75,76)のみを図示している。
ガスセンサ素子10の後端部10kには、平面視矩形状の電極端子部13〜18(図3参照、図1では、電極端子部14、17のみ図示)が合計6個形成されている。電極端子部13〜18には、それぞれ、前述の端子部材が弾性的に当接して電気的に接続している。例えば、電極端子部14には、端子部材75の素子当接部75bが弾性的に当接して電気的に接続している。また、電極端子部17には、端子部材76の素子当接部76bが弾性的に当接して電気的に接続している。
さらに、6個の端子部材(端子部材75,76など)には、それぞれ、異なるリード線71が電気的に接続されている。例えば、図1に示すように、端子部材75のリード線把持部77によって、リード線71の芯線が加締められて把持される。また、端子部材76のリード線把持部78によって、他のリード線71の芯線が加締められて把持される。
主体金具20は、軸線AX方向に貫通する貫通孔23を有する筒状部材である。この主体金具20は、径方向内側に突出する形態で貫通孔23の一部を構成する棚部25を有している。主体金具20は、ガスセンサ素子10の先端部10sを自身の先端側外部(図1において下方)に突出させると共に、ガスセンサ素子10の後端部10kを自身の後端側外部(図1において上方)に突出させた状態で、ガスセンサ素子10を貫通孔23内に保持している。
また、主体金具20の貫通孔23の内部には、環状のセラミックホルダ42、滑石粉末を環状に充填してなる2つの滑石リング43,44、及びセラミックスリーブ45が配置されている。詳細には、ガスセンサ素子10の径方向周囲を取り囲む状態で、セラミックホルダ42、滑石リング43,44、及びセラミックスリーブ45が、この順に、主体金具20の軸線方向先端側(図1において下端側)から軸線方向後端側(図1において上端側)にわたって重ねて配置されている。
また、セラミックホルダ42と主体金具20の棚部25との間には、金属カップ41が配置されている。また、セラミックスリーブ45と主体金具20のカシメ部22との間には、加締リング46が配置されている。なお、主体金具20のカシメ部22が、加締リング46を介してセラミックスリーブ45を先端側に押し付けるように、加締められている。
主体金具20の先端部20bには、ガスセンサ素子10の先端部10sを覆うように、複数の孔を有する金属製(具体的にはステンレス)の外部プロテクタ31及び内部プロテクタ32が、溶接によって取り付けられている。一方、主体金具20の後端部には、外筒51が溶接によって取り付けられている。外筒51は、軸線AX方向に延びる筒状をなし、ガスセンサ素子10を包囲している。
保持部材60は、絶縁性材料(具体的にはアルミナ)からなり、軸線AX方向に貫通する挿入孔62を有する筒状部材である。挿入孔62内には、前述した6個の端子部材(端子部材75,76など)が配置されている(図1参照)。保持部材60の後端部には、径方向外側に突出する鍔部65が形成されている。保持部材60は、鍔部65が内部支持部材53に当接する態様で、内部支持部材53に保持されている。なお、内部支持部材53は、外筒51のうち径方向内側に向けて加締められた加締部51gにより、外筒51に保持されている。
保持部材60の後端面61上には、絶縁部材90が配置されている。絶縁部材90は、電気絶縁性材料(具体的にはアルミナ)からなり、円筒状をなす。この絶縁部材90には、軸線AX方向に貫通する貫通孔91が合計6個形成されている。この貫通孔91には、前述した端子部材のリード線把持部(リード線把持部77,78など)が配置されている。
また、外筒51のうち軸線方向後端部(図1において上端部)に位置する後端開口部51cの径方向内側には、フッ素ゴムからなる弾性シール部材73が配置されている。この弾性シール部材73には、軸線AX方向に延びる円筒状の挿通孔73cが、合計6個形成されている。各々の挿通孔73cは、弾性シール部材73の挿通孔面73b(円筒状の内壁面)によって構成されている。各々の挿通孔73cには、リード線71が1本ずつ挿通されている。各々のリード線71は、弾性シール部材73の挿通孔73cを通じて、ガスセンサ1の外部に延出している。弾性シール部材73は、外筒51の後端開口部51cを径方向内側に加締めることで径方向に弾性圧縮変形し、これにより、挿通孔面73bとリード線71の外周面71bとを密着させて、挿通孔面73bとリード線71の外周面71bとの間を水密に封止している。
一方、図2に示すように、ガスセンサ素子10は、三つの板状の固体電解質体111、121、131と、これらの間に配置された絶縁体140、145とを備え、これらが積層方向に積層された構造を有する。さらに、ガスセンサ素子10には、固体電解質体131の裏面側に、ヒータ161が積層されている。なお、図2において、紙面上側を「表面側」と説明し、紙面下側を「裏面側」と説明する。このヒータ161は、アルミナを主体とする板状の絶縁体162、163と、その間に埋設されたヒータパターン164(Ptを主体としている)とを備えている。
固体電解質体111、121、131は、固体電解質であるジルコニアからなり、酸素イオン伝導性を有する。固体電解質体111、121、131はこの順で積層され、固体電解質体111、121の間に絶縁体140が介装されている。絶縁体140には貫通孔140hが形成され(図3参照)、この貫通孔140hが二つの固体電解質体111、121の層間に形成された第1空間150となる。
さらに、固体電解質体121、131の間に絶縁体145が介装されている。絶縁体145には貫通孔145cが形成され(図3参照)、この貫通孔145cが二つの固体電解質体121、131の層間に形成された第2空間160となる。
ここで、固体電解質体111、121、131が特許請求の範囲の「セラミック層」に相当する。
そして、積層方向に第1空間150と第2空間160の間に配置された固体電解質体121には、積層方向に円柱状の導入路125が貫通しており、第1空間150と第2空間160とは導入路125を介して連通している。このようにして、第1空間150に導入された被測定ガスは、軸線AX方向に沿って流れた後、積層方向に沿って導入路125を経由して第2空間160に導入される。被測定ガスの導入方向(流れ方向)を符号Fで示す。
なお、図3に示すように、第1空間150の側方にガス透過性及び透水性を有する第1多孔質体151が設けられており、第1空間150は第1多孔質体151を通じてガスセンサ素子10の外部と連通し、被測定ガスを導入可能になっている。第1多孔質体151は、ガスセンサ素子10の外部との仕切りとして、第1空間150内への排ガスの単位時間あたりの流通量を制限する。
又、本実施形態では、積層方向から見たとき、導入路125が第1空間150及び第2空間160よりも小径であり、第1空間150及び第2空間160よりも導入路125が窄まっている。
固体電解質体111の表面側には、多孔質のIp1+電極112が設けられている。また、固体電解質体111の裏面側には、多孔質のIp1−電極113が設けられている。又、Ip1+電極112にはIp1+リード112r(図3参照)が接続されている。又、Ip1−電極113にはIp1−リード113r(図3参照)が接続されている。この固体電解質体111、Ip1+電極112、及びIp1−電極113によって、Ip1セル110を構成している。
ここで、Ip1+電極112、Ip1−電極113、及びIp1セル110がそれぞれ特許請求の範囲の「第1対電極」、「第1内側電極」、「第1ポンプセル」に相当する。
また、Ip1+電極112とIp1+リード112rの表面側には、アルミナ等からなる絶縁層115が積層され、絶縁層115の先端側にIp1+電極112を取り囲む略矩形の貫通孔が設けられ、この貫通孔に多孔質層190が埋設されている。このようにして、多孔質層190を介してIp1+電極112と外部との間でガスが出入可能になっている。
このIp1セル110は、Ip1+電極112、Ip1−電極113間に流すポンプ電流Ip1に応じて、Ip1+電極112の接する雰囲気(ガスセンサ素子10の外部の雰囲気)とIp1−電極113の接する雰囲気(第1空間150内の雰囲気)との間で酸素の汲み出し及び汲み入れ(いわゆる酸素ポンピング)を行う。
固体電解質体121は、絶縁体140を挟んで、固体電解質体111と積層方向に対向するように配置されている。固体電解質体121の表面側には多孔質のVs−電極122が設けられている。より詳細には、Vs−電極122は、第1空間150内において、Ip1−電極113よりも被測定ガスの導入方向Fの下流側で、かつ導入路125より上流側に設けられて導入路125と重なる後端部が半円形に切り欠かれた平面部122aと、平面部122aの上記切欠き部から導入路125の内側面に延びる半円筒状の延設部122bとを一体に有している(図4参照)。
また、固体電解質体121の裏面側には、多孔質のVs+電極123が設けられている。又、Vs−電極122にはVs−リード122r(図3参照)が接続され、Vs+電極123にはVs+リード123r(図3参照)が接続されている。
この固体電解質体121、Vs−電極122、及びVs+電極123によって、Vsセル120を構成している。このVsセル120は、主として、固体電解質体121により隔てられた雰囲気(電極122の接する第1空間150内の雰囲気と、電極123の接する後述する基準酸素室170内の雰囲気)間の酸素分圧差に応じて起電力を発生する。
ここで、Vs−電極122、Vs+電極123、Vsセル120がそれぞれ特許請求の範囲の「検知電極」、「基準電極」、「酸素濃度検知セル」に相当する。
固体電解質体131は、絶縁体145を挟んで、固体電解質体121と積層方向に対向するように配置されている。固体電解質体131の表面側には、多孔質のIp2+電極132と多孔質のIp2−電極133が設けられている。又、Ip2+電極132にはIp2+リード132r(図3参照)が接続され、Ip2−電極133にはIp2−リード133r(図3参照)が接続されている。
Ip2+電極132とVs+電極123との間には、孤立した小空間としての基準酸素室170が形成されている。この基準酸素室170は、絶縁体145に形成されている開口部145bにより構成されている。なお、基準酸素室170内には、セラミックス製の多孔質体が配置されている。
また、Ip2−電極133は、第2空間160内に配置されている。
固体電解質体131、Ip2+電極132、及びIp2−電極133によって、窒素酸化物(NOx)濃度を検知するためのIp2セル130を構成している。このIp2セル130は、第2空間160内で分解されたNOx由来の酸素(酸素イオン)を、固体電解質体131を通じて、基準酸素室170に移動させる。このとき、電極132及び電極133の間には、第2空間160内に導入された排ガス(被測定ガス)に含まれる窒素酸化物の濃度に応じた電流が流れる。
ここで、Ip2+電極132、Ip2−電極133、Ip2セル130がそれぞれ特許請求の範囲の「第2対電極」、「第2内側電極」、「第2ポンプセル」に相当する。
ここで、本実施形態のガスセンサ1によるNOx濃度検知について、簡単に説明する。
ガスセンサ素子10の固体電解質体111、121、131は、ヒータパターン164の昇温に伴い加熱され、活性化する。これにより、Ip1セル110、Vsセル120、及びIp2セル130が動作するようになる。
排気通路(図示なし)内を流通する排ガス(測定対象ガス)は、第1多孔質体151による流通量の制限を受けつつ第1空間150内に導入される。このとき、Vsセル120には、Vs+電極123側からVs−電極122側へ微弱な電流Icpが流されている。このため、排ガス中の酸素は、負極側となる第1空間150及び導入路125内のVs−電極122から電子を受け取ることができ、酸素イオンとなって固体電解質体121内を流れ、基準酸素室170内に移動する。つまり、Vs−電極122、Vs+電極123間で電流Icpが流されることによって、第1空間150内の酸素が基準酸素室170内に送り込まれる。
第1空間150内に導入された排ガスの酸素濃度が所定値より薄い場合、Ip+電極112側が負極となるようにIp1セル110に電流Ip1を流し、ガスセンサ素子10の外部から第1空間150内へ酸素の汲み入れを行う。一方、第1空間150内に導入された排ガスの酸素濃度が所定値より濃い場合、Ip−電極113側が負極となるようにIp1セル110に電流Ip1を流し、第1空間150内からガスセンサ素子10外部へ酸素の汲み出しを行う。
このように、第1空間150において酸素濃度が調整された被測定ガスは、導入路125を通じて、第2空間160内に導入される。第2空間160内でIp2−電極133と接触した被測定ガス中の特定ガス成分(NOx成分)は、Ip2−電極133、Ip2+電極132間に電圧Vp2を印加されることで、Ip2−電極133上で窒素と酸素に分解(還元)され、分解された酸素は、酸素イオンとなって固体電解質体131内を流れ、基準酸素室170内に移動する。この際、Ip2セル130を流れる電流Ip2を検出し、その電流値に基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を検知することができる。
次に、図4を参照し、Vs−電極122の作用について説明する。
上述のように、Vs−電極122は第1空間150に設けられた部位(本例では平面部122a)だけでなく、導入路125の内側面まで延びた部位(本例では延設部122b)を一体に有している。このため、第1空間150に比べて特定ガス濃度(NOx濃度)を検知する第2空間160により近い導入路125の酸素濃度を延設部122bにて検知することができ、ガスセンサ素子10内を第1空間150から第2空間160へ流れる酸素の濃度勾配が変化する影響を低減し、特定ガス濃度(NOx濃度)を精度よく検知できる。
一方、Vs−電極122が第1空間150内に配置されていない、つまり平面部122aが形成されずに延設部122bのみが形成されている場合には、濃度勾配が変化する影響を低減することはできるが、Ip1−電極113とVs−電極122の距離が遠くなり過ぎて被測定ガスに対する酸素濃度検知の応答性が低下する。
そこで、Vs−電極122を第1空間150と導入路125の両方に配置することで、第1空間150内と導入路125の酸素濃度の情報を共に取得することができ、酸素濃度検知の精度と応答性を両立することができる。
さらに、本発明においては、Vs−電極122(平面部122aと延設部122b)は、第1空間150と導入路125に露出するようにしている。つまり、Vs−電極122は、第1空間150内と導入路125内とで視認可能に配置されており、拡散律速層(多孔質体)の内部にVs−電極122が配置されていない。このため、酸素の濃度勾配Grが複雑な挙動となって酸素濃度が大きく変動する拡散律速層(多孔質体)内で酸素濃度を検知することを回避し、特定ガス濃度(NOx濃度)をより一層精度よく検知できる。
次に、図5を参照し、本発明の第2の実施形態に係るガスセンサ素子200について説明する。なお、第2の実施形態に係るガスセンサ素子200は、Vsセル220のVs−電極222の構成が異なること以外は、第1の実施形態に係るガスセンサ素子10と同一であるので、同一部分の構成については説明を省略する。
図5は第2の実施形態に係るガスセンサ素子200の軸線AX方向に沿う断面図である。図5に示すように、Vs−電極222は第1の実施形態と同様に平面部222a及び延設部222bを一体に有しているが、延設部222bが導入路125の内側面だけでなく、さらに第2空間160の一部まで延びている。詳細には、延設部222bは導入路125の内側面から固体電解質体121の裏面(ヒータ161側の面)まで一体に延びる裏面部222cを有している。
そして、第2の実施形態においても、Vs−電極222を第1空間150と導入路125の両方に配置することで、第1空間150内と導入路125の酸素濃度の情報を共に取得することができ、酸素濃度検知の精度と応答性を両立することができる。なお、第2の実施形態の場合、第1の実施形態に比べて延設部222bが第2空間160により近くなるので、酸素濃度検知の精度向上をより図った特性となっている。
又、Vs−電極222の延設部222bが第2空間160の一部まで延びる態様としては、図5のように固体電解質体121の裏面まで裏面部222cを延ばす構成の他、導入路125と第2空間160の内側面が面一な場合には、延設部222bを導入路125の内側面から第2空間160の内側面までまっすぐに延ばしてもよい。
なお、Vs−電極222が第2空間160の「一部」まで延びるとは、Vs−電極222がIp2−電極133や固体電解質体131と接していないように、第2空間160の一部の表面まで延びることをいう。
次に、図6、図7を参照し、本発明の第3の実施形態に係るガスセンサ素子300について説明する。なお、第3の実施形態に係るガスセンサ素子300は、Vsセルy330のVs−電極322の構成が異なること以外は、第1の実施形態に係るガスセンサ素子10と同一であるので、同一部分の構成については説明を省略する。
図6は第3の実施形態に係るガスセンサ素子300の軸線AX方向に沿う断面図、図7はVs−電極322の上面図である。図6に示すように、Vs−電極322は第1の実施形態と同様に平面部322a及び延設部322bを一体に有しているが、延設部222bが導入路125の内側面の全周に形成されている。
より詳細には、Vs−電極322は、第1空間150内において、Ip1−電極113よりも被測定ガスの導入方向Fの下流側で、かつ導入路125より上流側に設けられて導入路125と重なる中央部が円形にくり貫かれた平面部322aと、平面部322aの上記くり貫き部から導入路125の内側面に延びる円筒状の延設部322bとを一体に有している(図7参照)。
そして、第3の実施形態においても、Vs−電極322を第1空間150と導入路125の両方に配置することで、第1空間150内と導入路125の酸素濃度の情報を共に取得することができ、酸素濃度検知の精度と応答性を両立することができる。なお、第3の実施形態の場合、第1の実施形態に比べて延設部322bの面積が大きいので、酸素濃度検知の精度向上をより図った特性となっている。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、第1空間150と第2空間160との間には、これら空間の仕切りとして、被測定ガスの単位時間あたりの流通量を制限する拡散律速層(多孔質体)が設けられていないが、この拡散律速層を設けてもよい。但し、上述のように拡散律速層内では酸素濃度が大きく変動して酸素濃度の検知精度が低下するため、Vs−電極122、222、322を避けて拡散律速層を設けることが必要である。具体的には、例えば、被測定ガスの導入方向Fに沿って、Ip1−電極113とVs−電極122、222、322の間に拡散律速層を設けたり、Vs−電極122、222、322とIp2−電極133の間に拡散律速層を設けることができる。
又、ガスセンサ素子は三つ以上のセラミック層を積層して構成されていればよく、セラミック層の積層数は三つに限定されない。
1 ガスセンサ
10、200、300 ガスセンサ素子
110 第1ポンプセル
111、121、131 固体電解質体(セラミック層)
112 第1対電極(Ip1+電極)
113 第1内側電極(Ip1−電極)
120 酸素濃度検知セル
122 検知電極(Vs−電極)
123 基準電極(Vs+電極)
125 導入路
130 第2ポンプセル
132 第2対電極(Ip2+電極)
133 第2内側電極(Ip2−電極)
150 第1空間
160 第2空間
F 被測定ガスの導入方向

Claims (3)

  1. 三つ以上のセラミック層を積層してなるガスセンサ素子であり、
    三つ以上の前記セラミック層のうち、二つのセラミック層の層間に形成されると共に、外部から被測定ガスが導入される第1空間と、
    前記第1空間を形成する前記層間とは異なる二つの前記セラミック層の層間に形成されると共に、前記第1空間と少なくとも一部が積層方向に重なり合う第2空間と、
    前記第1空間と前記第2空間との間に配置される前記セラミック層を前記積層方向に貫く空間を形成すると共に、前記第1空間に導入された前記被測定ガスを前記第2空間に導入する導入路と、
    前記第1空間内の前記被測定ガスに含まれる酸素をポンピングする第1ポンプセルであり、前記第1空間に隣接するセラミック層と、該セラミック層上に設けられ、前記第1空間内に晒された第1内側電極と、該第1内側電極と対をなす第1対電極とを備える第1ポンプセルと、
    前記第1ポンプセルより前記被測定ガスの導入方向下流側に配置され、前記被測定ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度検知セルであり、前記第1空間に隣接するセラミック層と、該セラミック層上に設けられ、前記第1空間内に晒された検知電極と、該検知電極と対をなす基準電極とを備える酸素濃度検知セルと、
    前記酸素濃度検知セルより前記被測定ガスの導入方向下流側に配置され、前記第2空間内における前記被測定ガス中の特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2ポンプセルであり、前記第2空間に隣接するセラミック層と、該セラミック層上に設けられ、前記第2空間内に晒された第2内側電極と、該第2内側電極と対をなす第2対電極とを備える第2ポンプセルと、
    を有するガスセンサ素子であって、
    前記酸素濃度検知セルの前記検知電極は、前記導入路の内側面まで延びると共に、前記第1空間及び前記導入路に露出してなることを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 前記検知電極は、前記導入路の内側面の全周に形成されていることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ素子。
  3. 前記検知電極は、前記導入路の内側面を超えて前記第2空間の一部まで延び、
    前記第2空間内に配置される前記検知電極は、前記第2空間に露出してなることを特徴とする請求項1又は2記載のガスセンサ素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109001284A (zh) * 2018-06-15 2018-12-14 西安创联电气科技(集团)有限责任公司 一种氮氧化物传感器陶瓷芯片

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