JP2010048647A - NOxセンサ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】NOx濃度を精度良く検出することのできるNOxセンサ素子を提供すること。
【解決手段】本発明のNOxセンサ素子1は、被測定ガス室21と、センサ用固体電解質体31と一対のセンサ用電極32とを備えたセンサセル3と、ポンプ用固体電解質体41と一対のポンプ用電極42とを備えたポンプセル4と、ヒータ6とを有する。ポンプセル4は、一対のポンプ用電極42のうち負極側に接続されるポンプ用電極42が面する空間であるポンプ配設空間22の酸素濃度を調整するよう構成されている。センサ用電極32は、センサ用固体電解質体31におけるセンサ用電極32が配設されている側の面に形成されるとともに一部がNOxセンサ素子1の軸方向基端側の大気ガス雰囲気に晒されるリード線と接続されている。リード線は、その一部がポンプ配設空間22を通過するよう配設されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、被測定ガス中のNOx濃度を検出する積層型のNOxセンサ素子に関する。
従来から、被測定ガスが導入される被測定ガス室と、該被測定ガス室中のNOx濃度を検出する一対のセンサ用電極を備えたセンサセルと、上記被測定ガス室中の酸素濃度を検出する一対のモニタ用電極を備えたモニタセルと、上記被測定ガス室中の酸素濃度を調整する一対のポンプ用電極を備えたポンプセルとを有する積層型のNOxセンサ素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、上記センサ用電極及び上記モニタ用電極は、上記センサ用固体電解質体における上記センサ用電極が配設されている側の面に形成されるとともに一部が上記NOxセンサ素子の軸方向基端側の大気ガス雰囲気に晒される多孔質のリード線と接続されている。
上記NOxセンサ素子においては、上記ポンプセルにて上記被測定ガス室内の酸素濃度を調整したうえで、上記センサセルにて検出されるNOxガスに基づく電流値と酸素ガスに基づく電流値との合計電流値と、上記モニタセルにて検出される酸素ガスに基づく電流値との差によってNOx濃度を検出している。
特開平10−267893号公報
ところが、上記従来のNOxセンサ素子においては、以下のような問題があった。すなわち、上記リード線は多孔質であり、NOxセンサの基端部から取り込まれた大気ガス中の酸素ガスが、上記リード線を伝ってセンサ用電極やモニタ用電極へと到達するという問題があった。そして、上記リード線の内部に入り込んでいる酸素ガスの量はそれぞれ異なるため、上記センサ用電極及び上記モニタ用電極のそれぞれにおいて微量な電流(以下、オフセット電流という。)が検出されていた。
このため、NOx濃度を精度良く検出することが困難であった。
これに対して、上記特許文献1に記載されているように、上記リード線を緻密化することにより、該リード線の内部に酸素ガスが入り込みにくくなるように構成したNOxセンサ素子が提案されている。
ところが、このように上記リード線の気孔率を緻密化することによってもオフセット電流を十分に抑制することができず、また、上記リード線を緻密化することに伴ってNOxセンサ素子の製造コストが増大するという問題があった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、NOx濃度を精度良く検出することのできる低コストのNOxセンサ素子を提供しようとするものである。
本発明は、被測定ガスが導入される被測定ガス室と、酸素イオン伝導性のセンサ用固体電解質体と該センサ用固体電解質体における一方の面と他方の面とに配設され上記被測定ガス室中のNOx濃度を検出する一対のセンサ用電極とを備えたセンサセルと、酸素イオン伝導性のポンプ用固体電解質体と該ポンプ用固体電解質体における一方の面と他方の面とに配設される一対のポンプ用電極とを備えたポンプセルと、通電により発熱するヒータとを有する積層型のNOxセンサ素子であって、
上記ポンプセルは、上記一対のポンプ用電極のうち負極側に接続されるポンプ用電極が面する空間であるポンプ配設空間中の酸素濃度を調整するよう構成されており、
上記センサ用電極は、上記センサ用固体電解質体における上記センサ用電極が配設されている側の面に形成されるとともに一部が上記NOxセンサ素子の軸方向基端側の大気ガス雰囲気に晒される多孔質のセンサ用のリード線と接続されており、
該リード線は、その一部が上記ポンプ配設空間を通過するよう配設されていることを特徴とする積層型のNOxセンサ素子にある(請求項1)。
本発明の作用効果について説明する。
上記センサ用リード線は、その一部が上記ポンプ配設空間を通過するよう配設されている。これにより、NOx濃度を精度良く検出することのできるNOxセンサ素子を得ることができる。すなわち、多孔質のリード線は、その一部がNOxセンサ素子の軸方向基端側の大気ガス雰囲気に晒されているため、その大気ガス中の酸素ガスがリード線の内部に入り込んでしまう。
そこで、本発明のようにセンサ用のリード線の一部がポンプ配設空間を通過するように構成することにより、該ポンプ配設空間に存在するポンプセルにて、リード線の内部に入り込みオフセット電流の原因となっている酸素ガスを除去することができる。これにより、リード線を伝って入ってきた酸素ガスがセンサ用電極に到達することを抑制することができる。
その結果、オフセット電流を抑制しつつNOx濃度を検出することができるため、検出精度に優れたNOxセンサ素子を得ることができる。
また、上記のとおり、リード線の一部がポンプ配設空間を通過するよう構成することにより、NOxセンサ素子の構成を大きく変化することなく検出精度に優れたNOxセンサ素子を得ることができる。このため、検出精度に優れたNOxセンサ素子を低コストにて得ることができる。
以上のとおり、本発明によれば、NOx濃度を精度良く検出することのできるNOxセンサ素子を提供することができる。
本明細書において、軸方向とは、NOxセンサ素子の軸方向をいうものとする。
また、本明細書において、軸方向先端側とは上記NOxセンサ素子を排気管等に挿入する側をいい、その反対側を軸方向基端側という。
また、本発明において、上記リード線は、例えば白金からなる導体ペーストを上記センサ用固体電解質体に印刷した後、上記導体ペーストを焼成することにより形成することができる。そして、このように形成することで上記リード線は多孔質となる。
また、上記ポンプ配設空間は、上記被測定ガス室であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、NOxセンサ素子の構成を大きく変更することなく、ポンプセルにて被測定ガス室における酸素を除去することができるとともにリード線内に入り込んだ酸素を除去することができる。このため、製造コストを増大させることなく、効率良くNOx濃度を検出することのできるNOxセンサ素子を得ることができる。
また、上記ポンプセルは、複数個形成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記被測定ガス室中の酸素濃度を、確実に所望の濃度に近づけることができる。
また、上記ポンプセルは、複数個形成されており、該複数のポンプセルのうちの少なくとも一つのポンプセルは、上記被測定ガス室中の酸素濃度を調整するために形成されており、それ以外のポンプセルは、上記ポンプ配設空間中の酸素濃度を調整するために形成されていてもよい(請求項4)。
この場合には、被測定ガス室におけるポンプセルとは別個にポンプセルを設けることにより、被測定ガス室の酸素ガス排出と、ポンプ配設空間の酸素ガス排出とを別個のセルにて行うことができる。これにより、それぞれの空間における酸素濃度を効率良く調整することができる。
また、上記被測定ガス室中の酸素濃度を検出する一対のモニタ用電極を備えたモニタセルを有し、上記モニタ用電極は、上記センサ用固体電解質体における上記センサ用電極が配設されている側の面に形成されるとともに一部が上記NOxセンサ素子の軸方向基端側の大気ガス雰囲気に晒される多孔質のモニタ用のリード線と接続されており、該モニタ用のリード線は、その一部が上記ポンプ配設空間を通過するよう配設されていることが好ましい(請求項5)。
この場合には、センサセルにおける酸素ガスに基づく電流とモニタセルにおける酸素ガスに基づく電流とにより、微量なNOx濃度も精度良く検出することができる。
また、上記リード線は、上記ポンプ配設空間における略同一の長さの距離を通過するよう配設されていることが好ましい(請求項6)。
この場合には、NOx濃度を一層精度良く検出することのできるNOxセンサ素子を得ることができる。すなわち、リード線内に入り込んでいる酸素がポンプ配設空間の同一長さの距離を通過することによって、それぞれのリード線内から同等量の酸素ガスを除去することができる。これにより、センサセル及びモニタセルは、オフセット電流の影響をほとんど受けることなく、NOx濃度検出することができる。このため、検出精度に優れたNOxセンサ素子を得ることができる。
また、上記リード線は、上記NOxセンサ素子の積層方向に上記ポンプ用電極を上記センサ用固体電解質体に対して投影したときの上記センサ用固体電解質体における投影領域を通過するよう配設されていることが好ましい(請求項7)。
この場合には、リード線内に入り込んでいる酸素ガスを十分に除去することができる。
また、上記リード線は、上記NOxセンサ素子の積層方向における上記被測定ガス室の高さ以上の距離の上記投影領域を通過するよう配設されていることが好ましい(請求項8)。
この場合には、リード線内に入り込んでいる酸素ガスを十分に除去することができる。
また、上記リード線は、気孔率が10〜50%であることが好ましい(請求項9)。
この場合には、本発明の作用効果を顕著に発揮することができる。すなわち、リード線の気孔率が10〜50%である場合には、リード線内に酸素ガスが入り込み、オフセット電流に起因するNOx濃度の検出精度の低下が顕著となる。そのため、かかる気孔率のリード線を有する場合には、本発明を適用することで本発明の作用効果を顕著に発揮することができる。
一方、上記気孔率が10%未満である場合には、NOxセンサ素子の製造コストが高くなってしまうおそれがある。さらに、かかる気孔率であってもオフセット電流を十分に抑制できるとはいえない。
また、上記気孔率が50%を超える場合には、センサ用電極又はモニタ用電極とリード線との電気的接続が十分に図れなくなるおそれがある。
(実施例1)
本発明のNOxセンサ素子に係る実施例について、図1〜図3とともに説明する。
本例のNOxセンサ素子1は、図1、図3に示すように、被測定ガスが導入される被測定ガス室21と、酸素イオン伝導性のセンサ用固体電解質体31とセンサ用固体電解質体31における一方の面と他方の面とに配設され被測定ガス室21中のNOx濃度を検出する一対のセンサ用電極32とを備えたセンサセル3と、酸素イオン伝導性のポンプ用固体電解質体41と該ポンプ用固体電解質体41における一方の面と他方の面とに配設される一対のポンプ用電極42とを備えたポンプセル4と、通電により発熱するヒータ6とを有する。
ポンプセル4は、図1に示すように、一対のポンプ用電極42のうち負極側に接続されるポンプ用電極42が面する空間であるポンプ配設空間22中の酸素濃度を調整するよう構成されている。
センサ用電極32は、センサ用固体電解質体31におけるセンサ用電極32が配設されている側の面に形成されるとともに一部がNOxセンサ素子1の軸方向基端側の大気ガス雰囲気に晒される多孔質のセンサ用のリード線(以下、センサ用リード線33という。)と接続されている。
そして、センサ用リード線33は、その一部がポンプ配設空間22を通過するよう配設されている。
なお、本例においては、ポンプ配設空間22は、被測定ガス室21である。
以下、詳細に説明する。
センサセル3は、図3に示すように、酸素イオン伝導性のセンサ用固体電解質体31と、Pt−Rh合金(白金−ロジウム合金)からなるとともにセンサ用固体電解質体31における一方の面に配設されるセンサ用電極32(以下、測定電極321という。)と、センサ用固体電解質体における他方の面に配設されるセンサ用電極32(以下、基準電極322という。)とを有する。
センサ用リード線33は、上記NOxセンサ素子1の積層方向にポンプ用電極42をセンサ用固体電解質体31に対して投影したときにセンサ用固体電解質体31における投影領域420を通過するよう配設されている。
具体的には、図2に示すように、センサ用リード線33は、軸方向基端側から測定電極321の横を通過しつつ被測定ガス室21内へと進入するよう形成されている。また、センサ用リード線33は、上記投影領域420内に向かって屈曲するとともに、基端側へとさらに屈曲して測定電極321へと接続されている。
なお、基準電極322にも同様にセンサ用リード線33が接続されているが、本発明の作用効果とは直接関係がないため記載を省略する。これは、後述する第二モニタ用電極522についても同様である。
また、センサ用リード線33は、図1、図3に示すように、NOxセンサ素子1の積層方向(図1、図3における矢印X参照)における被測定ガス室21の高さH以上の距離の投影領域420を通過するよう配設されている。
具体的には、センサ用リード線33が投影領域420を通過する距離(以下、ポンピングアウト距離という。)を図2に示すようにLとすると、L≧Hが成り立つ。
また、センサ用リード線33は、気孔率を10〜50%とすることができる。
ポンプセル4は、図1に示すように、被測定ガス室21とスペーサー73とを介してセンサ用固体電解質体31と対向するポンプ用固体電解質体41を有している。
そして、ポンプ用固体電解質体41における被測定ガス室21に面する側の面には、一対のポンプ用電極42のうちの一方のポンプ用電極42である第一ポンプ用電極421が配設されている。また、ポンプ用固体電解質体41における他方の面には、他方のポンプ用電極42である第二ポンプ用電極422が配設されている。
なお、ポンプ用電極42のリード線(図示略)は、積層方向に測定電極321及び第一モニタ用電極522をセンサ用固体電解質体31に対して投影したときのセンサ用固体電解質体31における投影領域(図示略)を通過しないように形成してある。これにより、ポンプ用電極42のリード線を伝ってきた酸素ガスがセンサセル3やモニタセル5に到達することを抑制することができる。
また、NOxセンサ素子1は、被測定ガス室21中の酸素濃度を検出する一対のモニタ用電極52を備えたモニタセル5を有する。
そして、モニタセル5においては、図3に示すように、センサ用固体電解質体31における被測定ガス室21に面する側の面には、一対のモニタ用電極52のうちの一方のモニタ用電極52である第一モニタ用電極521が配設されている。また、センサ用固体電解質体31における他方の面には、他方のモニタ用電極52である第二モニタ用電極522が配設されている。
また、第一モニタ用電極521は、図2に示すように、センサ用固体電解質体31における第一モニタ用電極521が配設されている側の面に形成されるとともに一部がNOxセンサ素子1の軸方向基端側の大気ガス雰囲気に晒される多孔質のモニタ用のリード線(以下、モニタ用リード線53という。)と電気的に接続されている。
そして、かかるモニタ用リード線53は、センサ用リード線33と同様、センサ用固体電解質体31に第一ポンプ用電極421を投影したときにセンサ用固体電解質体31における投影領域420を通過するよう配設されている。
さらに、モニタ用リード線53は、センサ用リード線33と同様、NOxセンサ素子1の積層方向Xにおける被測定ガス室21の高さH以上の距離の被測定ガス室21内を通過するよう配設されている。
また、モニタ用リード線53は、気孔率を10〜50%とすることができる。
そして、本例では特にセンサ用リード線33とモニタ用リード線53とは、被測定ガス室21における同一の長さのポンピングアウト距離Lを通過するよう配設されている。
本例においては、センサセル3とモニタセル5とは、図2、図3に示すように、NOxセンサ素子1の軸方向に直交する方向に並列に配設してある。すなわち、被測定ガス室21におけるポンプセル4の下流側において、被測定ガスの流れに直交するようにセンサセル3とモニタセル5とが配設されている。
本例のNOxセンサ素子1は、上記センサセル3、被測定ガス室2、ポンプセル4、ヒータ6のほか、図1に示すように、被測定ガス室2の酸素濃度を検出するモニタセル5と、基準ガスを導入するための第一基準ガス室710及び第二基準ガス室720と、被測定ガス室21に被測定ガスを導入するための多孔質拡散抵抗層8とを有する。
以下、具体的に説明する。
センサ用固体電解質体31における基準電極321が配設されている側の面には、図1、図3に示すように、第一基準ガス室71を形成するための第一基準ガス室形成層710が積層されている。
また、センサ用固体電解質体31には、図1に示すように、被測定ガスを導入するためのガス導入孔310が設けられている。
ガス導入孔310は、気孔率の比較的大きい多孔質拡散抵抗層8によって覆われている。
そして、多孔質拡散抵抗層8から導入された被測定ガスは、ガス導入孔310を介して被測定ガス室21へと導入される。
また、ポンプ用固体電解質体41における第二ポンプ用電極422が配設された側には、図1、図3に示すように、基準ガスを導入するための第二基準ガス室72を形成する第二基準ガス室形成層720が積層されている。
第二基準ガス室形成層720は、さらにその反対側の面においてヒータ6が積層されている。
ヒータ6は、通電により発熱する発熱部61と、発熱部61を内蔵するヒータ基板62とからなる。
以下に、本例の作用効果について説明する。
センサ用リード線33は、その一部が被測定ガス室21を通過するよう配設されている。これにより、NOx濃度を精度良く検出することのできるNOxセンサ素子1を得ることができる。すなわち、多孔質のセンサ用リード線33は、その一部がNOxセンサ素子1の軸方向基端側の大気ガス雰囲気に晒されているため、その大気ガス中の酸素ガスがセンサ用リード線33の内部に入り込んでしまう。
そこで、本発明のようにセンサ用リード線33の一部が被測定ガス室21を通過するように構成することにより、ポンプ配設空間22に存在するポンプセル4にて、センサ用リード線33の内部に入り込みオフセット電流の原因となっている酸素ガスを除去することができる。これにより、センサ用リード線33を伝って入ってきた酸素ガスが測定電極321に到達することを抑制することができる。
その結果、オフセット電流を抑制しつつNOx濃度を検出することができるため、検出精度に優れたNOxセンサ素子1を得ることができる。
また、上記のとおり、センサ用リード線33の一部が被測定ガス室21を通過するよう構成することにより、NOxセンサ素子1の構成を大きく変化することなく検出精度に優れたNOxセンサ素子1を得ることができる。このため、検出精度に優れたNOxセンサ素子1を低コストにて得ることができる。
また、センサ用リード線33は、センサ用固体電解質体31に第一ポンプ用電極421を投影したときのセンサ用固体電解質体31における投影領域420を通過するよう配設されているため、センサ用リード線33内に入り込んでいる酸素ガスを十分に除去することができる。
また、センサ用リード線33は、NOxセンサ素子1の積層方向Xにおける被測定ガス室21の高さH以上の距離の投影領域420を通過するよう配設されているため、センサ用リード線33内に入り込んでいる酸素ガスを十分に除去することができる。
また、モニタ用リード線33は、その一部が被測定ガス室21を通過するよう配設されているため、センサセル4における酸素ガスに基づく電流とモニタセル5における酸素ガスに基づく電流とにより、微量なNOx濃度も精度良く検出することができる。
また、センサ用リード線33とモニタ用リード線53とは、被測定ガス室21における同一の長さの距離を通過するよう配設されているため、NOx濃度を一層精度良く検出することのできるNOxセンサ素子1を得ることができる。すなわち、センサ用リード線33内及びモニタ用リード線53内に入り込んでいる酸素が被測定ガス室21に到達しても、同一長さの距離を通過させることによって、それぞれのリード線33、53内から同等量の酸素ガスを除去することができる。これにより、センサセル3とモニタセル5とにおいて、オフセット電流の影響をほとんどなくして、NOx濃度を精度良く検出することのできるNOxセンサ素子1を得ることができる。
また、センサ用リード線33とモニタ用リード線53とは、気孔率が10〜50%であるため、本発明の作用効果を顕著に発揮することができる。すなわち、センサ用リード線33及びモニタ用リード線53の気孔率が10〜50%である場合には、センサ用リード線33及びモニタ用リード線53内に酸素ガスが入り込み、オフセット電流に起因するNOx濃度の検出精度の低下が顕著となる。そのため、かかる気孔率のセンサ用リード線33及びモニタ用リード線53を有する場合には、本発明を適用することで本発明の作用効果を顕著に発揮することができる。
以上のとおり、本例によれば、NOx濃度を精度良く検出することのできるNOxセンサ素子を提供することができる。
(実施例2)
本例は、図4に示すように、センサ用リード線33及びモニタ用リード線53のポンプ配設空間22における形状が実施例1と異なるNOxセンサ素子1の例である。
すなわち、投影領域420において、センサ用リード線33及びモニタ用リード線53は、蛇行しながら軸方向基端側へ向かってそれぞれ測定電極321及び第一モニタ用電極521へと接続されている。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、図5、図6に示すように、センサセル3及びモニタセル5が、ポンプセル4よりも軸方向先端側に配設されているNOxセンサ素子1の例である。
すなわち、センサ用リード線33及びモニタ用リード線53は、投影領域420を通過して、それぞれ、軸方向先端側の測定電極321及び第一モニタ用電極521と接続している。
また、ガス導入孔310は、センサセル3及びモニタセル5よりも軸方向基端側に配設されている。
そのガス導入孔310から導入された被測定ガスは、軸方向先端側へと向かって被測定ガス室21内を移動する際にポンプセル4の近傍を通過する。そして、ここで十分に酸素ガスが除去された後さらに先端側に配設されるセンサセル3及びモニタセル5へと到達する。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例4)
本例は、図7、図8に示すように、ポンプセル4が二つ形成されているNOxセンサ素子1の例である。
すなわち、被測定ガス室21に面するように二つのポンプセル4a、4bが形成されており、NOxセンサ素子1の軸方向と平行に並列に配設されている。
そして、センサ用リード線33及びモニタ用リード線53は、ともに上記二つのポンプセル4による投影領域420a、420bを通過して測定電極321及び第一モニタ用電極521へと接続されている。
この場合には、図8に示す先端側の投影領域420aを通過する距離L1と、基端側の投影領域420bを通過する距離L2とを合計したものがポンピングアウト距離Lとなる。
なお、ポンプセル4は、3つ以上形成することもできる。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例5)
本例は、図9、図10に示すように、実施例4とは異なり、二つのポンプセル4のうちの一方のポンプセル4aは、軸方向先端側に配設されて被測定ガス室21の酸素濃度を調整するために形成されており、他方のポンプセル4bは、軸方向基端側に配設されてポンプ配設空間22の酸素濃度を調整するために形成されているNOxセンサ素子1の例である。
すなわち、ポンプ配設空間22に配設されるポンプセル4bにて、センサ用リード線33内及びモニタ用リード線53内に入り込んだ酸素ガスを除去している。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例6)
本例は、図11に示すように、センサ用リード線33が投影領域420を通過する距離であるポンピングアウト距離Lを種々変更して作製したNOxセンサ素子においてオフセット電流を測定した例である。
すなわち、積層方向Xにおける被測定ガス室21の高さHを1とした場合における、センサ用リード線33のポンピングアウト距離Lを、0、0.5、0.75、1、1.5、2と種々変更して、それぞれのポンピングアウト距離Lについて20個のNOxセンサ素子を作製した。
なお、本例中ポンピングアウト距離Lが0とは、センサ用リード線33がポンプ配設空間22を通過しているが、投影領域420を通過していない場合の結果を示すものである。一方、従来のNOxセンサ素子のように被測定ガス室21中をセンサ用リード線33が通過しないNOxセンサ素子(以下、従来品という。)を用いた場合には、0.2μAであった。
オフセット電流の測定をするに当たって、被測定ガスとしては、500℃のN2ガスを用いた。
また、ポンプセル4へは0.3V、センサセル3へは0.4V、モニタセル5へは0.4Vの電圧を印加した。
かかる条件にて、各ポンピングアウト距離LについてのNOxセンサ素子によって検出されるオフセット電流値の平均値をプロットしたものが図11である。
なお、本例において使用した符号は、図1において使用した符号に準ずる。
測定結果を図11に示す。
同図からわかるように、ポンピングアウト距離Lを長くするほど、オフセット電流を十分に低減することができる。特にポンピンアウト距離が1以上の場合には、オフセット電流を0.01μA以下と十分に小さくすることができることがわかる。
一方、従来品においては、前述したとおり、オフセット電流が0.2μAであり、NOx濃度を精度良く検出することが困難となることがわかる。そして、投影領域420を通過させない場合、すなわちポンピングアウト距離Lが0の場合であっても、オフセット電流は0.17μAであり、従来品に対してオフセット電流を抑制できていることがわかる。
以上から、NOx濃度を一層精度良く検出することができるように、センサ用リード線33がポンプ配設空間22を通過するよう配設することが好ましく、ポンピングアウト距離Lを1以上とすることがさらに好ましいことがわかる。
実施例1における、NOxセンサ素子の縦断面図。 図1におけるA−A線断面図。 図1におけるB−B線断面図。 実施例2における、NOxセンサ素子の横断面図。 実施例3における、NOxセンサ素子の縦断面図。 図5におけるC−C線断面図。 実施例4における、NOxセンサ素子の縦断面図。 図7におけるD−D線断面図。 実施例5における、NOxセンサ素子の縦断面図。 図9における、E−E線断面図。 実施例6における、ポンピングアウト距離とオフセット電流との関係を示すプロット図。
符号の説明
1 NOxセンサ素子
21 被測定ガス室
22 ポンプ配設空間
3 センサセル
31 センサ用固体電解質体
32 センサ用電極
33 リード線
4 ポンプセル
41 ポンプ用固体電解質体
42 ポンプ用電極
6 ヒータ

Claims (9)

  1. 被測定ガスが導入される被測定ガス室と、酸素イオン伝導性のセンサ用固体電解質体と該センサ用固体電解質体における一方の面と他方の面とに配設され上記被測定ガス室中のNOx濃度を検出する一対のセンサ用電極とを備えたセンサセルと、酸素イオン伝導性のポンプ用固体電解質体と該ポンプ用固体電解質体における一方の面と他方の面とに配設される一対のポンプ用電極とを備えたポンプセルと、通電により発熱するヒータとを有する積層型のNOxセンサ素子であって、
    上記ポンプセルは、上記一対のポンプ用電極のうち負極側に接続されるポンプ用電極が面する空間であるポンプ配設空間中の酸素濃度を調整するよう構成されており、
    上記センサ用電極は、上記センサ用固体電解質体における上記センサ用電極が配設されている側の面に形成されるとともに一部が上記NOxセンサ素子の軸方向基端側の大気ガス雰囲気に晒される多孔質のセンサ用のリード線と接続されており、
    該リード線は、その一部が上記ポンプ配設空間を通過するよう配設されていることを特徴とする積層型のNOxセンサ素子。
  2. 請求項1において、上記ポンプ配設空間は、上記被測定ガス室であることを特徴とする積層型のNOxセンサ素子。
  3. 請求項2において、上記ポンプセルは、複数個形成されていることを特徴とする積層型のNOxセンサ素子。
  4. 請求項1において、上記ポンプセルは、複数個形成されており、該複数のポンプセルのうちの少なくとも一つのポンプセルは、上記被測定ガス室中の酸素濃度を調整するために形成されており、それ以外のポンプセルは、上記ポンプ配設空間中の酸素濃度を調整するために形成されていることを特徴とする積層型のNOxセンサ素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記被測定ガス室中の酸素濃度を検出する一対のモニタ用電極を備えたモニタセルを有し、上記モニタ用電極は、上記センサ用固体電解質体における上記センサ用電極が配設されている側の面に形成されるとともに一部が上記NOxセンサ素子の軸方向基端側の大気ガス雰囲気に晒される多孔質のモニタ用のリード線と接続されており、該モニタ用のリード線は、その一部が上記ポンプ配設空間を通過するよう配設されていることを特徴とする積層型のNOxセンサ素子。
  6. 請求項5において、上記リード線は、上記ポンプ配設空間における略同一の長さの距離を通過するよう配設されていることを特徴とする積層型のNOxセンサ素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記リード線は、上記NOxセンサ素子の積層方向に上記ポンプ用電極を上記センサ用固体電解質体に対して投影したときの上記センサ用固体電解質体における投影領域を通過するよう配設されていることを特徴とする積層型のNOxセンサ素子。
  8. 請求項7において、上記リード線は、上記NOxセンサ素子の積層方向における上記被測定ガス室の高さ以上の距離の上記投影領域を通過するよう配設されていることを特徴とする積層型のNOxセンサ素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項において、上記リード線は、気孔率が10〜50%であることを特徴とする積層型のNOxセンサ素子。
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