JP2011038958A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】測定精度のばらつきを低減することが可能なガスセンサを提供することを目的とする。
【解決手段】酸素イオン伝導性の固体電解質を主成分として構成されるセンサ素子101を有し、被測定ガス中の所定ガス成分を検出するガスセンサであって、センサ素子101は、外部空間から被測定ガスを導入する内部空所20と、内部空所20の表面に形成された第1の電極22と内部空所20とは異なる空間に形成された第2の電極23とを有し、該第1の電極22と該第2の電極23との間に所定電圧を印加することで内部空所内の酸素を汲み出し可能に設けられたポンプセルと、を備え、センサ素子の先端部101a側から見たときのセンサ素子101の短手方向の内部空所20の長さをx1とし、センサ素子の先端部101a側から見たときのセンサ素子101の長手方向の内部空所20の長さをx2としたとき、0.05≦x1/x2≦0.25を満たす。
【選択図】図2

Description

本発明は、センサ素子を備え、被測定ガス成分中の所定ガス成分を測定するガスセンサに関し、特に、センサ素子の内部空所の配置に関する。
従来より、被測定ガス中の所望ガス成分の濃度を知るために、各種の測定装置が用いられている。例えば、燃焼ガス等の被測定ガス中のNOx濃度を測定する装置として、ジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性を有する固体電解質層上にPt電極およびRh電極を形成することにより構成した電気化学的ポンプセルを有するガスセンサが公知である(例えば、特許文献1を参照)。このようなガスセンサには、被測定ガス成分中の所定ガス成分を測定するための内部空所がセンサ素子内に形成されている。
係るガスセンサにおける被測定ガス中のNOx濃度の測定は、例えば、外部空間に連通した第1内部空所に設けられたポンプセルで酸素濃度を調整し、該第1内部空所に連通した第2内部空所でNOxを還元又は分解し、該第2内部空所に設けられた測定ポンプセルに流れるポンプ電流を測定することで行われる。
特開平8−271476号公報
しかし、上述のようなガスセンサにおいては、被測定ガスの温度低下や流速変化等の影響によりセンサ素子の表面温度の低下が生じることで、センサ素子内部の温度分布が変動することがある。センサ素子内部の温度分布が変動すると、内部空所に設けられたポンプセルのインピーダンス等が変動してしまうので、結果として、本来はNOx濃度が同じであるにもかかわらず測定ポンプセルを流れる測定電流が変動することとなる。すなわち、上述のようなガスセンサにおいては、センサ素子内部の温度分布の変動により、ガスセンサの測定値にばらつきが生じるという問題があった。
また、上述のようなガスセンサにおいては、内部空所内における酸素濃度の分布や温度分布の影響により、内部空所内の酸素濃度を制御するポンプセルのポンピング能力が左右される。ポンプセルのポンピング能力が低下すると、測定電極近傍の残留酸素によりNOxが存在しないときでも測定電流中に含まれるオフセット電流が変動する。そして、オフセット電流が変動すると、NOx濃度を測定する際に流れる測定電流が変動することとなる。すなわち、上述のようなガスセンサにおいては、内部空所内における酸素濃度の分布や温度分布の影響により、測定値にばらつきが生じるという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、測定値のばらつきを低減したガスセンサを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質を主成分として構成されるセンサ素子を有し、被測定ガス中の所定ガス成分を検出するガスセンサであって、前記センサ素子は、外部空間から被測定ガスを導入する内部空所と、前記内部空所の表面に形成された第1の電極と前記内部空所とは異なる空間に形成された第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に所定電圧を印加することで前記内部空所内の酸素を汲み出し可能に設けられたポンプセルと、を備え、前記センサ素子の先端部側から見たときの前記センサ素子の短手方向の内部空所の長さをx1とし、前記センサ素子の先端部側から見たときの前記センサ素子の長手方向の前記内部空所の長さをx2としたとき、0.05≦x1/x2≦0.25を満たす。
請求項2の発明は、請求項1に記載のガスセンサにおいて、前記センサ素子の先端部側から見たときの前記センサ素子の短手方向の内部空所の長さをx1とし、前記センサ素子の先端部側から見たときの前記センサ素子の長手方向の前記内部空所の長さをx2としたとき、0.05≦x1/x2≦0.23をみたす。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のガスセンサにおいて、前記センサ素子の短手方向の長さに対する前記短手方向の前記センサ素子の表面から前記内部空所までの長さが10%以上である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスセンサにおいて、前記センサ素子の短手方向の長さに対する前記短手方向の内部空所の長さが7%以上20%以下である。
請求項5の発明は、請求項4に記載のガスセンサにおいて、前記センサ素子の短手方向の長さに対する前記短手方向の内部空所の長さが10%以上18%以下である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のガスセンサにおいて、前記内部空所の体積をW、前記第1の電極面積をSとしたとき、0.08≦W/S≦0.35をみたす。
請求項7の発明は、請求項6に記載のガスセンサにおいて、前記内部空所の体積をW、前記第1の電極面積をSとしたとき、0.08≦W/S≦0.30をみたす。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載のガスセンサにおいて、前記内部空所として、前記外部空間から前記被測定ガスを導入する第1内部空所と、前記第1内部空所に所定の拡散抵抗の下で連通してなる第2の内部空所と、を備え、前記ポンピングセルとして、前記第1の内部空所に前記第1の電極を備える主ポンプセルと、前記第2の内部空所に前記第1の電極を備える補助ポンプセルと、を備える。
請求項1ないし請求項8の発明によれば、内部空室内における酸素濃度の分布による影響や温度分布による影響が低減されるので、測定値のばらつきを低減したガスセンサを実現することができる。
請求項3ないし請求項8の発明によれば、被測定ガスの温度および流速等によりセンサ素子の表面が冷やされる場合であっても、測定値のばらつきを低減したガスセンサを実現することができる。
本発明の実施の形態に係るガスセンサの構成の一例を概略的に示した部分断面図である。 基準ガス導入空間側から見た図1に示すガスセンサのA−A′断面を概略的に示した図である。 素子厚みに対するセンサ素子の表面から内部空所までの長さと、NOx感度比との関係を示した図である。 センサ素子の厚みに対する内部空所の厚みとオフセット電流との関係を示した図である。 内部空所の厚みとオフセット電流との関係を示した図である。 単位面積あたりのポンプ電極がポンピングする内部空所の大きさ(内部空所の体積/ポンプ電極の面積)とオフセット電流との関係を示した図である。 内部空所のアスペクト比(空所の厚み/空所の幅)とオフセット電流との関係を示した図である。
<実施の形態>
<ガスセンサの概略構成>
はじめに、ガスセンサ100の概略構成について説明する。
図1は、ガスセンサ100の構成の一例を概略的に示した断面模式図である。センサ素子101は、それぞれがジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性固体電解質層からなる第1基板層1と、第2基板層2と、第3基板層3と、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6との6つの層が、図面視で下側からこの順に積層された構造を有する細長な長尺の板状体形状の素子である。また、これら6つの層を形成する固体電界質は緻密な気密のものである。係るセンサ素子101は、例えば、各層に対応するセラミックスグリーンシートに所定の加工および回路パターンの印刷などを行った後にそれらを積層し、さらに、焼成して一体化させることによって製造される。
センサ素子101の一先端部であって、第2固体電解質層6の下面と第1固体電解質層4の上面との間には、ガス導入口10と、第1拡散律速部11と、緩衝空間12と、第2拡散律速部13と、第1内部空所20と、第3拡散律速部30と、第2内部空所40とが、この順に連通する態様にて隣接形成されてなる。
ガス導入口10と、緩衝空間12と、第1内部空所20と、第2内部空所40とは、スペーサ層5をくり抜いた態様にて設けられた上部を第2固体電解質層6の下面で、下部を第1固体電解質層4の上面で、側部をスペーサ層5の側面で区画されたセンサ素子101内部の空間である。
第1拡散律速部11と、第2拡散律速部13と、第3拡散律速部30とはいずれも、2本の横長の(図面に垂直な方向に開口が長手方向を有する)スリットとして設けられる。なお、ガス導入口10から第2内部空所40に至る部位をガス流通部とも称する。
また、ガス流通部よりも先端側から遠い位置には、第3基板層3の上面と、スペーサ層5の下面との間であって、側部を第1固体電解質層4の側面で区画される位置に基準ガス導入空間43が設けられている。基準ガス導入空間43には、NOx濃度の測定を行う際の基準ガスとして、例えば大気が導入される。
大気導入層48は、多孔質アルミナからなる層であって、大気導入層48には基準ガス導入空間43を通じて基準ガスが導入されるようになっている。また、大気導入層48は、基準電極42を被覆するように形成されている。
基準電極42は、第3基板層3の上面と第1固体電解質層4とに挟まれる態様にて形成される電極であり、上述のように、その周囲には、基準ガス導入空間43につながる大気導入層48が設けられている。また、後述するように、基準電極42を用いて第1内部空所20内や第2内部空所40内の酸素濃度(酸素分圧)を測定することが可能となっている。
ガス流通部において、ガス導入口10は、外部空間に対して開口してなる部位であり、該ガス導入口10を通じて外部空間からセンサ素子101内に被測定ガスが取り込まれるようになっている。
第1拡散律速部11は、ガス導入口10から取り込まれた被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
緩衝空間12は、第1拡散律速部11より導入された被測定ガスを第2拡散律速部13へと導くために設けられた空間である。
第2拡散律速部13は、緩衝空間12から第1内部空所20に導入される被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
被測定ガスが、センサ素子101外部から第1内部空所20内まで導入されるにあたって、外部空間における被測定ガスの圧力変動(被測定ガスが自動車の排気ガスの場合であれば排気圧の脈動)によってガス導入口10からセンサ素子101内部に急激に取り込まれた被測定ガスは、直接第1内部空所20へ導入されるのではなく、第1拡散律速部11、緩衝空間12、第2拡散律速部13を通じて被測定ガスの濃度変動が打ち消された後、第1内部空所20へ導入されるようになっている。これによって、第1内部空間へ導入される被測定ガスの濃度変動はほとんど無視できる程度のものとなる。
第1内部空所20は、第2拡散律速部13を通じて導入された被測定ガス中の酸素分圧を調整するための空間として設けられている。係る酸素分圧は、主ポンプセル21が作動することによって調整される。
主ポンプセル21は、第1内部空所20に面する第2固体電解質層6の下面のほぼ全面に設けられた天井電極部22aを有する内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6の上面の天井電極部22aと対応する領域に外部空間に露出する態様にて設けられた外側ポンプ電極23と、これらの電極に挟まれた第2固体電解質層6とによって構成されてなる電気化学的ポンプセルである。
内側ポンプ電極22は、第1内部空所20を区画する上下の固体電解質層(第2固体電解質層6および第1固体電解質層4)、および、側壁を与えるスペーサ層5にまたがって形成されている。具体的には、第1内部空所20の天井面を与える第2固体電解質層6の下面には天井電極部22aが形成され、また、底面を与える第1固体電解質層4の上面には底部電極部22bが形成され、そして、それら天井電極部22aと底部電極部22bとを接続するように、側部電極部(図示省略)が第1内部空所20の両側壁部を構成するスペーサ層5の側壁面(内面)に形成されて、該側部電極部の配設部位においてトンネル形態とされた構造において配設されている。
内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23とは、多孔質サーメット電極(例えば、Auを1%含むPtとZrO2とのサーメット電極)として形成される。なお、被測定ガスに接触する内側ポンプ電極22は、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた、あるいは、還元能力のない材料を用いて形成される。
主ポンプセル21においては、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に所望のポンプ電圧Vp0を印加して、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に正方向あるいは負方向にポンプ電流Ip0を流すことにより、第1内部空所20内の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間の酸素を第1内部空所20に汲み入れることが可能となっている。
また、第1内部空所20における雰囲気中の酸素濃度(酸素分圧)を検出するために、内側ポンプ電極22と、第2固体電解質6と、スペーサ層5と、第1固体電解質4と、第3基板層3と、基準電極42によって、電気化学的なセンサセル、すなわち、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80が構成されている。
主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80における起電力V0を測定することで第1内部空所20内の酸素濃度(酸素分圧)がわかるようになっている。さらに、起電力V0が一定となるようにVp0をフィードバック制御することでポンプ電流Ip0が制御されている。これによって、第1内部空所内20内の酸素濃度は所定の一定値に保つことができる。
第3拡散律速部30は、第1内部空所20で主ポンプセル21の動作により酸素濃度(酸素分圧)が制御された被測定ガスに所定の拡散抵抗を付与して、該被測定ガスを第2内部空所40に導く部位である。
第2内部空所40は、第3拡散律速部30を通じて導入された被測定ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定に係る処理を行うための空間として設けられている。NOx濃度の測定は、主として、補助ポンプセル50により酸素濃度が調整された第2内部空所40において、さらに、測定用ポンプセル41の動作によりNOx濃度が測定される。
第2内部空所40では、あらかじめ第1内部空所20において酸素濃度(酸素分圧)が調整された後、第3拡散律速部を通じて導入された被測定ガスに対して、さらに補助ポンプセル50による酸素分圧の調整が行われるようになっている。これにより、第2内部空所40内の酸素濃度を高精度に一定に保つことができるため、係るガスセンサ100においては精度の高いNOx濃度測定が可能となる。
補助ポンプセル50は、第2内部空所40に面する第2固体電解質層6の下面の略全体に設けられた天井電極部51aを有する補助ポンプ電極51と、外側ポンプ電極23(外側ポンプ電極23に限られるものではなく、センサ素子101と外側の適当な電極であれば足りる)と、第2固体電解質層6とによって構成される、補助的な電気化学的ポンプセルである。
係る補助ポンプ電極51は、先の第1内部空所20内に設けられた内側ポンプ電極22と同様なトンネル形態とされた構造において、第2内部空所40内に配設されている。つまり、第2内部空所40の天井面を与える第2固体電解質層6に対して天井電極部51aが形成され、また、第2内部空所40の底面を与える第1固体電解質層4には、底部電極部51bが形成され、そして、それらの天井電極部51aと底部電極部51bとを連結する側部電極部(図示省略)が、第2内部空所40の側壁を与えるスペーサ層5の両壁面にそれぞれ形成されたトンネル形態の構造となっている。
なお、補助ポンプ電極51についても、内側ポンプ電極22と同様に、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた、あるいは、還元能力のない材料を用いて形成される。
補助ポンプセル50においては、補助ポンプ電極51と外側ポンプ電極23との間に所望の電圧Vp1を印加することにより、第2内部空所40内の雰囲気中の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間から第2内部空所40内に汲み入れることが可能となっている。
また、第2内部空所40内における雰囲気中の酸素分圧を制御するために、補助ポンプ電極51と、基準電極42と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81が構成されている。
なお、この補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81にて検出される起電力V1に基づいて電圧制御される可変電源52にて、補助ポンプセル50がポンピングを行う。これにより第2内部空所40内の雰囲気中の酸素分圧は、NOxの測定に実質的に影響がない低い分圧にまで制御されるようになっている。
また、これとともに、そのポンプ電流Ip1が、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80の起電力の制御に用いられるようになっている。具体的には、ポンプ電流Ip1は、制御信号として主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80に入力され、その起電力V0が制御されることにより、第3拡散律速部30から第2内部空所40内に導入される被測定ガス中の酸素分圧の勾配が常に一定となるように制御されている。NOxセンサとして使用する際は、主ポンプセル21と補助ポンプセル50との働きによって、第2内部空所40内での酸素濃度は約0.001ppm程度の一定の値に保たれる。
測定用ポンプセル41は、第2内部空所40内において、被測定ガス中のNOx濃度の測定を行う。測定用ポンプセル41は、第2内部空所40に面する第1固体電解質層4の上面であって第3拡散律速部30から離間した位置に設けられた測定電極44と、外側ポンプ電極23と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4とによって構成された電気化学的ポンプセルである。
測定電極44は、平面視ほぼ矩形状の多孔質サーメット電極である。測定電極44は、第2内部空所40内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒としても機能する。さらに、測定電極44は、第4拡散律速部45によって被覆されてなる。
第4拡散律速部45は、アルミナ(Al23)を主成分とする多孔体にて構成される膜である。第4拡散律速部45は、測定電極44に流入するNOxの量を制限する役割を担うとともに、測定電極44の保護膜としても機能する。
測定用ポンプセル41においては、測定電極44の周囲の雰囲気中における窒素酸化物の分解によって生じた酸素を汲み出して、その発生量をポンプ電流Ip2として検出することができる。
また、測定電極44の周囲の酸素分圧を検出するために、第2固体電界質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、測定電極44と、基準電極42とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82が構成されている。測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された起電力V2に基づいて可変電源46が制御される。
第2内部空所40内に導かれた被測定ガスは、酸素分圧が制御された状況下で第4拡散律速部45を通じて測定電極44に到達することとなる。測定電極44の周囲の被測定ガス中の窒素酸化物は還元されて(2NO→N2+O2)酸素を発生する。そして、この発生した酸素は測定用ポンプセル41によってポンピングされることとなるが、その際、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された制御電圧V2が一定となるように可変電源の電圧Vp2が制御される。測定電極44の周囲において発生する酸素の量は、被測定ガス中の窒素酸化物の濃度に比例するものであるから、測定用ポンプセル41におけるポンプ電流Ip2を用いて被測定ガス中の窒素酸化物濃度が算出されることとなる。
また、測定電極44と、第1固体電解質層4と、第3基板層3とを組み合わせて、電気化学的センサセルとして酸素分圧検出手段を構成するようにすれば、測定電極44の周りの雰囲気中のNOx成分の還元によって発生した酸素の量と基準大気に含まれる酸素の量との差に応じた起電力を検出することができ、これによって被測定ガス中のNOx成分の濃度を求めることも可能である。
また、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、外側ポンプ電極23と、基準電極42とから電気化学的なセンサセル83が構成されており、このセンサセル83によって得られる起電力Vrefによりセンサ外部の被測定ガス中の酸素分圧を検出可能となっている。
このような構成を有するガスセンサ100においては、主ポンプセル21と補助ポンプセル50とを作動させることによって酸素分圧が常に一定の低い値(NOxの測定に実質的に影響がない値)に保たれた被測定ガスが測定用ポンプセル41に与えられる。したがって、被測定ガス中のNOxの濃度に略比例して、NOxの還元によって発生する酸素が測定用ポンプセル41より汲み出されることによって流れるポンプ電流Ip2に基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を知ることができるようになっている。
さらに、センサ素子101は、固体電解質の酸素イオン伝導性を高めるために、センサ素子101を加熱して保温する温度調整の役割を担うヒータ部70を備えている。ヒータ部70は、ヒータ電極71a,71bと、ヒータ72と、スルーホール73と、ヒータ絶縁層74、圧力放散孔75とを備えている。
ヒータ電極71a,71bは、第1基板層1の下面に接する態様にて形成されてなる電極である。ヒータ電極71a,71bを外部電源と接続することによって、外部からヒータ部70へ給電することができるようになっている。
ヒータ72は、第2基板層2と第3基板層3とに上下から挟まれた態様にて形成される電気抵抗体である。ヒータ72は、スルーホール73を介してヒータ電極71と接続されており、該ヒータ電極71を通して外部より給電されることにより発熱し、センサ素子101を形成する固体電解質の加熱と保温を行う。
また、ヒータ72は、第1内部空所20から第2内部空所40の全域に渡って埋設されており、センサ素子100全体を上記固体電解質が活性化する温度に調整することが可能となっている。
ヒータ絶縁層74は、ヒータ72の上下面に、アルミナ等の絶縁体によって形成されてなる絶縁層である。ヒータ絶縁層74は、第2基板層2とヒータ72との間の電気的絶縁性、および、第3基板層3とヒータ72との間の電気的絶縁性を得る目的で形成されている。
圧力放散孔75は、第3基板層3を貫通し、基準ガス導入空間43に連通するように設けられてなる部位であり、ヒータ絶縁層74内の温度上昇に伴う内圧上昇を緩和する目的で形成されてなる。
<内部空所の形成位置および形状>
次に、センサ素子101における第1内部空所20および第2内部空所40の形成位置および形状について説明する。
図2は、基準ガス導入空間43側から見た図1に示すガスセンサ100のA−A′断面を概略的に示した図である。後述するように、本実施の形態では、第1内部空所20の形成位置および形状について例示するが、ガスセンサ100がポンプセルが設けられた内部空所を複数有する場合、それぞれの内部空所についても同様の関係が成り立つ。また、図2には、説明の便宜上、図面視左右方向をx軸方向、図面視上下方向をy軸方向、紙面に垂直な方向をz軸方向とするxyz直交座標系を付している。
図2においては、第1内部空所20の断面短手方向(y軸方向)の長さ(以下、第1内部空所20の厚みとも記載する)をx1で、第1内部空所20の断面長手方向(x軸方向)の長さ(以下、第1内部空所20の幅とも記載する)をx2で示す。また、y軸方向における、センサ素子101の表面から第1内部空所20までの距離をそれぞれx3,x4で示す。また、センサ素子101の断面短手方向(y軸方向)の長さ(以下、センサ素子101の厚みとも記載する)をx5で、センサ素子101の断面長手方向(x軸方向)の長さ(以下、センサ素子101の幅とも記載する)をx6で示す。以下に、第1内部空所20の位置および大きさを規定するx1からx4の好適な範囲について説明する。
(センサ素子における内部空所の形成位置について)
はじめに、センサ素子101における第1内部空所20の形成位置について説明する。
上述したように、測定値のばらつきを低減するためには、被測定ガスの温度低下や流速変化等の影響によりセンサ素子の表面温度が低下する場合であっても、ポンピング能力の変動によるNOx感度の変化を小さくする必要がある。
ここで、ポンプセルがセンサ素子の表面温度の低下により受ける影響は、センサ素子内における内部空所の位置によって異なる。これは、センサ素子の表面温度が低下する場合、センサ素子内における内部空所の位置によって、ポンプセルのインピーダンス等が変動してポンピング能力が変動することによる。
これらより、被測定ガスの温度低下や流速変化等の影響によりセンサ素子の表面温度の低下が生じる場合であっても、ポンピング能力の変動によるNOx感度の変化が小さくなるようなセンサ素子内の位置に内部空所を形成することで、ガスセンサは測定値のばらつきの低減を図ることができる。
図3は、素子厚みに対するセンサ素子101の表面から第1内部空所20までの長さ(x3/x5)とNOx感度比との関係を示した図である。本実施の形態において、NOx感度比とは、被測定ガスの流速の違いによって生じるNOx感度の変動の程度を示す指標であり、無風時でのNOx感度に対する高流速時でのNOx感度の比で表される値である。ここでは、被測定ガスの流速が15m/sのときを高流速時とし、0.1m/s以下のときを無風時とする。
図3に示すように、x3/x5が10%以上である場合、NOx感度比が1.00に近値でほぼ一定である。これに対し、x3/x5が10%未満である場合、NOx感度比は急激に悪化する。
このように、センサ素子101の表面からの距離が素子厚みの10%以上の範囲に第1内部空所20が存在すると、NOx感度のガス流速依存性はほとんどない。これは、当該範囲に第1内部空所20が存在することで、被測定ガスの流速変化に伴うセンサ素子101の表面温度の低下による影響をポンプセルがほとんど受けないことを意味している。
一方、センサ素子101の表面からの距離が素子厚みの10%未満の範囲に第1内部空所20が存在すると、Nox感度のガス流速依存性が大きくなる。これは、センサ素子101内部において被測定ガスの流速変化に伴う温度変動が生じやすい位置に第1内部空所20が存在すると、ポンプ性能が該温度変動の影響を受けてしまい、測定精度が低下することを意味している。
以上を鑑み、本実施の形態に係るガスセンサ100においては、センサ素子101の厚みに対するセンサ素子101表面から第1内部空所20までの長さ(x3/x5)が10%以上となる位置に第1内部空所20が配置される。これにより、本実施の形態に係るガスセンサは、被測定ガスの温度低下や流速変化等の影響によりセンサ素子101の表面温度の低下が生じる状態であっても、測定値のばらつきを低減することができる。
本実施の形態では、素子厚みに対するセンサ素子101の表面から第1内部空所20までの長さ(x3/x5)について説明したが、素子厚みに対するセンサ素子101の裏面から第1内部空所20までの長さ(x4/x5)についても同様である。
(内部空所の厚みについて)
次に、第1内部空所20の厚み(x1)について説明する。
ガスセンサ100においては、第1内部空所20内および第2内部空所40内の酸素分圧を一定に保ちつつ、ポンプ電流Ip2が被測定ガス中に存在するNOx濃度に略比例することを利用して、NOx濃度が算出される。そして、ポンプ電流Ip2には、NOx濃度が0の場合(被測定ガス中にNOxが存在しない場合)であっても、微量の電流(オフセット電流)が流れる。このオフセット電流は、被測定ガス中の測定電極近傍にわずかに存在する残留酸素が分解することによって生じる。
上述したように、測定値のばらつきを低減するためには、センサ素子101の表面温度の低下による影響を低減するとともに、測定電極近傍に存在する残留酸素を少なくして、オフセット電流の変動およびオフセット電流値を小さくする必要がある。
ここで、内部空所の形状により、内部空所内における酸素濃度の分布や温度分布は異なる。すなわち、ガスセンサは、内部空所の形状により、ポンピング能力が変動し、オフセット電流が変動することとなる。
これらより、オフセット電流値が小さくなるような形状の内部空所が形成されることで、ガスセンサは測定値のばらつきの低減を図ることができる。
図4は、センサ素子の厚み(x5)に対する第1内部空所20の厚み(x1)とオフセット電流との関係を示した図である。図4に示すように、センサ素子の厚みに対する第1内部空所20の厚みの比(x1/x5)が7%〜20%である場合、オフセット電流は0.04μA以下のほぼ一定の値となる。特に、センサ素子の厚みに対する第1内部空所20の厚みの比(x1/x5)が10%〜18%である場合、オフセット電流はより小さい。これに対し、センサ素子の厚みに対する第1内部空所20の厚みの比(x1/x5)が7%未満および20%超である場合、オフセット電流は急激に大きくなる。
このように、センサ素子101の厚みに対する第1内部空所20の厚みの比(x1/x5)が7%〜20%である場合にオフセット電流が0.04μA以下のほぼ一定の値となるのは、センサ素子101が当該厚みに形成されることで、内部空所内における酸素濃度の分布や温度分布によるポンピング能力の変動がほとんどないことを意味している。
一方、センサ素子の厚みに対する第1内部空所20の厚みの比が20%超の場合にオフセット電流が急激に大きくなるのは、第1内部空所20の温度分布の不均一性が大きくなり、ポンプセルによる第1内部空所20内の酸素濃度の制御性が低いためであると考えられる。また、センサ素子の厚みに対する第1内部空所20の厚みの比が7%未満の場合にオフセット電流が急激に大きくなるのは、第1内部空所20内のガス拡散抵抗が大きいために第1内部空所20内に生じる酸素濃度分布が大きくなり、第1ポンプセルによる第1内部空所20内の酸素濃度の制御性が低下することによると考えられる。
以上を鑑み、本実施の形態に係るガスセンサ100においては、センサ素子101の厚みに対する第1内部空所20の厚み(x1/x5)が7%〜20%であることが好適であり、より好ましくは、10%〜18%である。これにより、本実施の形態に係るガスセンサ100は、オフセット電流が小さくなり、測定値のばらつきを低減することができる。
上述した第1内部空所の形成位置および形状より、本実施の形態に係るガスセンサ100の第1内部空所20においては、センサ素子101の厚みに対して7%〜20%、より好ましくは、10%〜18%の厚みを有し、センサ素子101の厚みに対するセンサ素子101表面からの長さが10%以上となる位置に配置されることが好ましい。
図5は、センサ素子の厚み(x5)が1400μmのときの、第1内部空所20の厚み(x1)とオフセット電流との関係を示した図である。図5に示すように、センサ素子の厚み(x5)が1400μmのとき、第1内部空所20の厚み(x1)が100μm〜400μmである場合、オフセット電流はほぼ一定の小さい値となる。特に、第1内部空所20の厚み(x1)が130μm〜250μmである場合、オフセット電流はより小さい。
(内部空所の体積とポンプ電極の面積との関係について)
次に、第1内部空所20の体積と内側ポンプ電極22の面積との関係について説明する。
図6は、単位面積あたりの内側ポンプ電極22がポンピングする第1内部空所20の大きさ(第1内部空所20の体積/内側ポンプ電極22の面積)とオフセット電流との関係を示した図である。ここで、内側ポンプ電極22の面積とは、内側ポンプ電極22のうち第1内部空所20に露出した面の合計面積のことである。なお、内側ポンプ電極22は第1内部空所20の少なくとも1面以上に形成されていればよく、体積および面積はmm単位で算出している。図6に示すように、第1内部空所20の体積/内側ポンプ電極22の面積が0.08〜0.35である場合、オフセット電流は0.05μA以下のほぼ一定の値となる。特に、第1内部空所20の体積/内側ポンプ電極22の面積が0.08〜0.30である場合、オフセット電流はより小さい。これに対し、第1内部空所20の体積/内側ポンプ電極22の面積が0.08未満および0.35超である場合、オフセット電流は急激に大きくなる。
このように、第1内部空所20の体積/内側ポンプ電極22の面積が0.08〜0.35である場合にオフセット電流が0.05μA以下のほぼ一定の値となるのは、ポンプセルのポンピング能力が空室の大きさの影響をほとんど受けないことを意味している。
一方、第1内部空所20の体積/内側ポンプ電極22の面積が0.08未満になるとオフセット電流が急激に大きくなるのは、酸素イオンをポンピングする際に内側ポンプ電極22の一部しか有効に使用されないため、第1内部空所20内に生じる酸素濃度の分布が過大になり、ポンプセルによる第1内部空所20内の酸素濃度の制御性が低下するためであると考えられる。また、第1内部空所20の体積/内側ポンプ電極22が0.35超の場合にオフセット電流が急激に大きくなるのは、内側ポンプ電極22の単位面積あたりがポンピングするガス体積が増加するため、ポンプセルによる第1内部空所20内の酸素濃度の制御性が低下することによると考えられる。
以上を鑑み、本実施の形態に係るガスセンサ100においては、単位面積あたりの内側ポンプ電極22がポンピングする第1内部空所20の大きさ(第1内部空所20の体積/内側ポンプ電極22の面積)が0.08〜0.35であることが好適であり、より好ましくは、0.08〜0.30である。これにより、本実施の形態に係るガスセンサ100は、オフセット電流が小さくなり、測定精度のばらつきを低減することができる。
(内部空所のアスペクト比について)
次に、内部空所のアスペクト比について説明する。
上述のことは、第1内部空所20および第2内部空所40ともに成り立つが、第1内部空所20と第2内部空所40とは同じ断面形状でなくてもよい。図7は、第1内部空所20と第2内部空所40の断面形状が同じ場合および異なる場合のそれぞれの場合について、第1内部空所20のアスペクト比(空所の厚み(x1)/空所の幅(x2))とオフセット電流との関係を示した図である。ここでは、第1内部空所20のアスペクト比/第2内部空所40のアスペクト比が1のときを断面形状が同じ場合とし、第1内部空所20のアスペクト比/第2内部空所40のアスペクト比が1.56のときを断面形状が異なる場合とする。
図7に示すように、いずれの場合も、アスペクト比が0.05〜0.25である場合、オフセット電流は0.04μA以下のほぼ一定の値となる。特に、アスペクト比が0.05〜0.23である場合、オフセット電流はより小さい。これに対し、アスペクト比が0.05未満および0.25超である場合、オフセット電流は急激に大きくなる。
このように、アスペクト比が0.05〜0.25である場合にオフセット電流が0.05μA以下のほぼ一定の値となるのは、第1内部空所20が当該アスペクト比を有することで、ポンプセルのポンピング能力が内部空所の大きさの影響をほとんど受けないことを意味している。
一方、第1内部空所20のアスペクト比が0.05未満になるとオフセット電流が急激に大きくなるのは、上述したように、酸素イオンをポンピングする際に内側ポンプ電極22の一部しか有効に使用されないことによると考えられる。また、第1内部空所20のアスペクト比が0.25を超えるとオフセット電流が急激に大きくなることも、上述したように、内側ポンプ電極22の単位面積あたりが処理するガス体積が増加するためであると考えられる。
以上を鑑み、本実施の形態に係るガスセンサ100においては、第1内部空所20のアスペクト比が0.05〜0.25であることが好適であり、より好ましくは、0.05〜0.23である。これにより、本実施の形態に係るガスセンサ100は、オフセット電流が小さくなり、測定精度のばらつきを低減することができる。また、第1内部空所のアスペクト比と第2内部空所のアスペクト比が同じ場合であっても異なる場合であっても同様の効果が得られる。
さらに、本実施の形態に係るガスセンサ100においては、第1内部空所20の幅(x2)がセンサ素子101の幅(x6)の30〜85%であることが好適であり、より好ましくは、40〜70%である。これは、第1内部空所20の幅(x2)がセンサ素子101の幅(x6)の85%を超えると、内部応力が増加し、素子割れに対する強度が低下するためである。また、第1内部空所20の幅(x2)がセンサ素子101の幅の30%未満だと、空所の壁面積が低下し、内側ポンプ電極22が実質的に不足するためである。
以上を鑑み、本実施の形態に係るガスセンサ100においては、第1内部空所20の幅が素子幅の30〜85%が好適であり、より好ましくは、40〜70%である。これにより、本実施の形態に係るガスセンサ100は、センサ素子101の応力を緩和し、クラック等の発生を抑制して、信頼性の向上を図ることができる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、センサ素子101内における内部空所の位置および内部空所の大きさを好適な範囲に定めることで、測定値のばらつきが低減されたガスセンサ100を得ることができる。
20 第1内部空所
22 内側ポンプ電極
23 外側ポンプ電極
40 第2内部空所
51 補助ポンプ電極
100 ガスセンサ
101 センサ素子

Claims (8)

  1. 酸素イオン伝導性の固体電解質を主成分として構成されるセンサ素子を有し、被測定ガス中の所定ガス成分を検出するガスセンサであって、
    前記センサ素子は、
    外部空間から被測定ガスを導入する内部空所と、
    前記内部空所の表面に形成された第1の電極と前記内部空所とは異なる空間に形成された第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に所定電圧を印加することで前記内部空所内の酸素を汲み出し可能に設けられたポンプセルと、を備え、
    前記センサ素子の先端部側から見たときの前記センサ素子の短手方向の内部空所の長さをx1とし、前記センサ素子の先端部側から見たときの前記センサ素子の長手方向の前記内部空所の長さをx2としたとき、
    0.05≦x1/x2≦0.25
    を満たす、ガスセンサ。
  2. 前記センサ素子の先端部側から見たときの前記センサ素子の短手方向の内部空所の長さをx1とし、前記センサ素子の先端部側から見たときの前記センサ素子の長手方向の前記内部空所の長さをx2としたとき、
    0.05≦x1/x2≦0.23
    をみたす、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記センサ素子の短手方向の長さに対する前記短手方向の前記センサ素子の表面から前記内部空所までの長さが10%以上である、請求項1または請求項2に記載のガスセンサ。
  4. 前記センサ素子の短手方向の長さに対する前記短手方向の内部空所の長さが7%以上20%以下である、請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスセンサ。
  5. 前記センサ素子の短手方向の長さに対する前記短手方向の内部空所の長さが10%以上18%以下である、請求項4に記載のガスセンサ。
  6. 前記内部空所の体積をW、前記第1の電極面積をSとしたとき、
    0.08≦W/S≦0.35
    をみたす、請求項1から請求項5のいずれかに記載のガスセンサ。
  7. 前記内部空所の体積をW、前記第1の電極面積をSとしたとき、
    0.08≦W/S≦0.30
    をみたす、請求項6に記載のガスセンサ。
  8. 前記内部空所として、前記外部空間から前記被測定ガスを導入する第1内部空所と、前記第1内部空所に所定の拡散抵抗の下で連通してなる第2の内部空所と、を備え、
    前記ポンピングセルとして、前記第1の内部空所に前記第1の電極を備える主ポンプセルと、前記第2の内部空所に前記第1の電極を備える補助ポンプセルと、を備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載のガスセンサ。
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