JP2017207050A - スクロール形ポンプ構造のメカニカルシール。 - Google Patents

スクロール形ポンプ構造のメカニカルシール。 Download PDF

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Abstract

【課題】スクロール式のポンプの軟金属製の渦巻き翼同士を押し付けるといった摩擦抵抗を有する密封を改め、非接触にして油膜で密封し、高速化、効率、磨耗、漏れ、騒音を減らし信頼性を得る。
【解決手段】旋回側渦巻き翼の側面のポケット穴9、10の軌道面2a、3aに両頭円すいころ1を接圧転走させて、旋回スクロール渦巻き翼7を内外両方向から真円度の高いころがり接触で規制して密封可能な隙間値を維持する。
【選択図】図2

Description

発明の詳細な説明
本発明は、スクロール形ポンプのシール構造に関する。
従来のスクロールポンプ構造の代表的実例の空調圧縮機を図7、に示す。ケースの中心に駆動軸があり支持軸受の先に、バランサと偏心して旋回するクランクピン、と玉軸受と鋳鉄製の可動渦巻き翼、など高速で偏心旋回する部品郡が装着される。図7、では可動渦巻き翼の側面に6個の穴があり、穴に細いピンを系合させて自転を防止する。該可動渦巻き翼は鋳鉄製でこれにアルミ製の渦巻き翼を180°ずらして偏心させて噛み合わせてケースに固定する。クランクピンで可動渦巻きを旋回すると渦巻き翼に形成される三日月形の空間容積が外側から中心に向けて収縮する原理で圧縮する、渦巻き翼の半径方向と軸方向の二箇所の摺接面で気体を密封する。
この構成では各部品の寸法誤差、組み立て誤差、そのクリアランス、遠心力、熱変形、応力によるヒズミ、旋回渦巻き翼の偏心反力による転覆、旋回側渦巻き翼の遠心力を打ち消すバランサの誤差、動的振れなどの全ての誤差がシール摺接面のばらつきになる。そのばらつきを遠心力で押圧して詰める方法が特許文献1(図7)に、これに圧縮反力を加えて高速域では押し付けを減らし低速では隙間にする方法が特許文献2、に開示されている。
特許文献1、2(図7を含む)では、支持軸受からオーバーハングした先に偏心旋回部品郡があり、毎分100から約1万2千回転で旋回する。その動的なラジアル振れは、50ミクロンを超える。
また、旋回渦巻き翼は偏心スラストの内圧で転覆する。図7、を含む従来構造は、この転覆に対して矯正能力つまり剛性が全く無い背圧のみで押し返すため片当たりして偏磨耗する。さらに自転防止のオルダムカップリング、または図7、のピンリング式にはバックラッシュがあるうえトルク伝達が間欠の不連続であるので高周波騒音を発する。特許文献1、2ほか従来構造では前述の広範な速度域に対応し切れず、結果として軟材のアルミと鋳鉄製の渦巻き翼を過度に押付けて金属接触して激しい摩擦損失、磨耗か、隙間による漏れ損失、隙間の打音を伴う。因みに公開の非特許文献によれば、CO2冷媒の当該構造では、オルダムの摩擦抵抗、スラストの摩擦、チップシールの摩擦、密封摺接面の摩擦と漏れ損失で、高速では総損失の40%、低速では60%を占める、とされる。
特開平7−151080(たとえば、段落[0032]と図2参照) 特開2014−227908(シール面の押圧と隙間の振り分け制御[図4]) 特許5637472 両頭円すいころの製法(当出願人による)
CO2冷媒対応スクロール圧縮機の性能解析(特集論文)1/1ページ、三菱電機株式会社先端技術総合研究所 19(197)(試作機の損失分析例 ページの左下の図表)
課題は、(1)従来の軟金属の渦巻き翼を、圧接による摩擦抵抗を有する密封で無く、非接触にして油膜だけで密封する。(2)旋回渦巻き翼の外径への旋回振れ回りを助長する片もち支持(オーバーハング)構造を無くして振れを無くす。(3)駆動経路から誤差によるバックラッシュを無くす。(4)異物の侵入による渦巻き翼の破壊を防ぐ。(5)旋回カップリングを間欠運動の不等速ではなく滑らかな等速にする。(6)旋回側渦巻き翼の偏心内圧による転覆で生ずる片当たりを抑制する。(7)固定側と旋回側渦巻き翼の半径方向と軸方向の隙間を最小値にする組み立て方法の確立。(8)タービン並みの高速用途を可能にするための8項目を課題とする。
今発明の圧縮駆動の伝達経路を説明する。駆動軸41、の入力でクランクピン5、が旋回するとローラー11、を介して旋回側のガイド部材2、に伝わりガイド部材2、が旋回する。ガイド部材2、には軌道円2a、と固定側ガイド部材3、にも軌道円3a、があり、両者が偏心して重なってできるダ円穴に両頭円すいころ1、が図2、のように収まり、キーになってガイド部材2、は自転が禁じられて旋回する。ガイド部材2と一体の渦巻き翼7、が旋回するとガスを圧縮する。ガスの径方向の圧縮反力は、旋回側渦巻き翼7、からガイド部材2、の内径のクランクピン5、に伝わり駆動軸41、に入り軸受20、で支える。
請求項1の手段。旋回渦巻き翼と固定渦巻き翼に設けた軌道円に真円度の高い転動体(ころ)を系合して回渦巻き翼にラジアルの転がり軸受を装設する、該軸受には両頭円すい形のローラー(以下円すいころ若しくはころと呼称する)を用いる。この両頭円すいころの原理を説明する。図1、の右上に示す二個の平坦な丸底を有する容器A、B、を向き合わせて偏心させ、中に粘土の球1a、を入れて自転せずに外周リブの垂直壁と平坦底とで押さえるようにして旋回すると、粘土の球はスベリ要素が削がれて両頭の円すい体1bに収斂する。これのコロガリ作用を図1の右下の平面模式図で説明する、周囲のリブが転動をガイドする軌道面になり、図1、の左に示すように、ころの外周が45°傾斜するのでダ円になりその一部r1、r2、が該軌道2c、2e、に当接する。同右下の模式図のダ円の接点101、の曲率半径r2、r3は、軌道内周の曲率半径r1、よりも小さい、これが同心で自転し、外周円が45°傾斜しているため接点101、は接近と離反だけ繰り返して位置ずれせずに転がる。また同左の模式図の軌道の両端2c、2e、と該ころの外周r2、r3、でも同じく接近と離反だけですべりは存在しない。従って図2、の左丸枠内に示すころ1、は軌道2a,3aをレースにした矢印61,62を支承するラジアル軸受になり、これが渦巻き翼の側面全周に渡って配置されて旋回渦巻き翼自体が、高剛性で高負荷容耐性の旋回ラジアル軸受になる。
因みに従来のスクロール機は、特許文献2、の(1828年発明)オルダムリング、若しくは図7のピンリング式継ぎ手で背圧を導入したスラスト軸受で、一部にボールスラスト(特開<09−324816)軸受で成る。上記以外に特許文献3、及び公告US4715733A(1986年)に両頭円すいころがある。以上に対して、今発明は両頭円すいころの真円度でもって渦巻き翼を真円で旋回させて最小の隙間でガスを封じる、ほか前記8項目の課題を解消することを目的とする。
請求項1、の手段によれば、図2、の8の位置が全ての偏心回転物を支えるラジアル軸受になるので従来の動的な振れに不利なオーバーハングは解消する。
請求項1、の手段によれば、固定側渦巻き翼の側面に設けた軌道円(図2、の符号2a、3aに、両頭円すいころ1、を接圧して転走させると、旋回側渦巻き翼7、を内径側からはクランクピン5、で外側からは両頭円すいころ1、で、内外両側から、真円度の高い転動体で規制されて旋回するので、密封隙間39、は非接触で維持できる。
請求項2の手段。旋回渦巻き翼7の軌道面2a、と主軸41、との間に半径方向に弾性変位する部材を設ける。寸法誤差はこの弾性変位で吸収されるので渦巻き翼7、の旋回円精度に誤差は影響しない。またころの接点に常時ばねで予圧する手段でアソビを取り除くことができる。また異物、液体の侵入で圧縮圧が異常に上がると、該予圧ばねが屈して渦巻き翼のシール面が開き異常圧を逃がす。
請求項3の手段。請求項2の手段を実施すると新たに生ずる課題に、始動時の圧縮反力が無い段階では、両頭円すいころにばね予圧の、図3、の矢印61,62、の行き違いの力のみが作用し、ころは偶力で転倒する。これを防ぐためにころ1、を軌道ワッシャ8、9、で挟む、これに好適なじ55、を用いる。ねじであれば締め加減で、両頭円すいころと軌道ワッシャ8、9、の隙間を0〜3ミクロンに詰めることができる。この隙間57、は、圧縮のスラストを両頭円すいころで受け止めるので初期のままで広がらず、従って背圧、チップシールは不要になる。隙間調節ねじ(図2、の符号55)の締め付け、締め付け力(軸力)が所定値に達すると、間座40、が座屈し始めて図3、の隙間57、が狭くなり当接すると摩擦が生ずることから隙間の有無が分かるのでトルク計で確認しながら締める。
以上の実施で、旋回スクロール渦巻き翼7、の内圧で生ずる転覆反力を、軸方向に高い剛性で直角に支えることで渦巻き翼7、の転覆を抑制し片当たりの偏磨耗を無くす。
従来のスクロール式ポンプ構造のオーバーハング(片持ち)に起因する課題は解消する。そのうえタービン並みの高速運転を可能にし、従来要した遠心押圧可変(通称可変スライダー)クランク機構、背圧室と配管連通穴、アキシャル方向のチップシール、シム選択の組み立て、安全弁等が省略できて自動組み立てが容易になる。転がり接触のため希薄なミスト潤滑、グリース潤滑が可能で、油の攪拌抵抗も、焼け付き、磨耗などの不具合も無い、熱変形、ミスアライメント、コンタミに強く非接触シールなので摩擦、摩耗が無く消費電力が減る。
両頭円すいころがスベリの無い純粋なころがりである実験検証の図 両頭円すいころの組み付けサブアッシ略視図(固定渦巻き翼の図は省略) 図2、をハウジングに組み付けた実施例断面略視図 請求項2の弾性変位特性グラフ 請求項2の別の方式の弾性部材断面略視図 請求項2、の軌道円と両頭円すいころの旋回、弾性変位形状の説明図 従来のスクロール圧縮機の代表事例、特開2015−38327の遠心バルブ付き、片持ちφ5mmのクランクピン、背圧使用、ピン&リング継ぎ手実施例
前記渦巻き翼の精度が近年の加工技術の進歩で向上したこと、渦巻き翼が約φ10ミリの小さな円の中で旋回すること、両頭円すいころ1、も同じく小径であるので容易に真円で加工出来ること、に鑑みて成された発明で、旋回側の渦巻き翼7、が、前記の転動体1、と軌道面2a、3a、に圧接されたころがり接触で真円に規制されて旋回することで密封可能な隙間を得ようとするもので、以下構成要素ごとに詳述する。
上記の転動体1、とは、軸受鋼を熱処理でHRC65に硬化した材料でなる小円を描いて旋回自転する真円度が1ミクロン以下の前述の円すい体(図1の符号1)である。相手側の軌道面(図1の符号2a,3a)を真円度1ミクロン以下にして軌道の内壁に沿って1、のころが転がる構成を可動側(旋回)の渦巻き翼の側面に装設して、旋回渦巻き翼7、を支える。その結果固定側と旋回側の渦巻き翼が成す密封隙間はころと軌道円(図1、の符号2a、3a)の精度が反映される。
それに加えて近時の転がり軸受の製造における研削加工の(砥石、研削盤等)ツルーイングの進化でサブミクロン精度が容易に得られること、並びに板材に軌道穴をミーリングする精度、加工能率が進化したこと、更に転がり軸受の利点である内部隙間が負の隙間(予圧)でも摩擦係数μが、ピボット形の転がり接触では、μ=0.0003以下が実験で記録されていること、しかも希薄のミスト潤滑でも磨耗が極めて少ないこと、回転精度が高く、負荷耐性、誤差による偶力負荷にも強い、といった多くの利点、並びに昨今の特殊鋼の高清浄度化、低酸素化、表面改質等、材料側の長足の進歩に鑑み、この特殊鋼材で成るローラ部材を転動体にする。
一般のCO2冷媒用のスクロール圧縮機では、旋回渦巻き翼の偏心は約5ミリ程度である、対応するころの旋回自転をガイドするポケット穴の軌道径は二倍の約10ミリになる。当該ころ1、の斜面間距離(通称転動外径)Lも5ミリで、実施形態はスクロールの渦巻き翼の側面に負荷に応じた数を配置する。なお当該ころは、スクロール実証機で5年間に渡り検証済である。
また、図2、の左上の丸枠内に渦巻き翼が1旋回すると両頭円すいころは直角三角形の頂点74、
Figure 2017207050
1、と軌道面のラジアル荷重を矢印の符号61,62、に示す。当該ころは差動すべりの無い小径のピボット形のころがり軸受で許容回転速度はタービン並みのDmNで10万回転以上になる。
図6、はころ1、の旋回動作を説明した図で、駆動軸41、に対してクランクピン5、が旋回すると円すいころの自転をガイドする円盤状の固定側部材3、と旋回側部材2、に設けた軌道2a、と軌道3aに系合したころ1、が旋回側部材2、の旋回による姿勢の変化を順に説明した図である。
差動滑りがないので平滑で清浄環境であればころと相手側軌道の磨耗による寸法減少は生じない、また繰り返し負荷による疲労剥離の寿命は、前述の高清浄度鋼、低酸素化と熱処理技術の進化で昨今の研究論文より面圧が2GPa以下であれば永久とされ、また旋回ガイド部材2,3、には転動ころを増すに十分な収容スペースがあるので、適宜ころの増量でCO2冷媒の高圧にも対応できる。
目的とする渦巻き翼の旋回精度の確保手順を図で詳述する。先ず固定渦巻き翼6、に旋回渦巻き翼7、を半径方向に押し付けたときの偏心寸法C(図示せず)を実測する。C寸法値に図2の軸心41、とクランクピン5、の軸との偏心寸法42、と両頭円すいころの一辺の長さ、図2の(L)45、と軌道面(図2の符号2a,3a)の半径を同じ寸法値に揃える。すると固定渦巻き翼に対して旋回渦巻き翼が描く旋回円は、図3のクランクピン5、で内側から外側に向く矢印61、と外側から内側に向く矢印62、に挟まれて旋回円を描く。
有害な誤差、遠心力、共振などのシールを圧接する外側に向かう荷重61,は、ころ1,を経由して固定側ガイド部材3、の軌道内径3a、を経由してハウジング54,で支える。
両頭円すいころと相手側の軌道の内径の真円度をそれぞれ0.001mm以下にすると、渦巻き翼の旋回円の真円度は3箇所計の、0.003mm以下になる。結果旋回渦巻き翼と固定渦巻き翼のシール面の隙間のばらつきは、0〜0.003mmになる、これに油膜が介在して高圧ガスは密封できる。
請求項1の実施形態のうち、構成部品の製法について説明する。ガイド部材は,厚さが両頭円すいころの一辺の長さの35%で約1.7mm、で軸受鋼SUJ‐2若しくはSK‐5の帯鋼板材をプレスで抜いた後、十枚程度を束ねて固定して合わせマークした後ドリルで軌道円を加工する。次に束ねたまま焼き入れ焼き戻しして硬さをHRC60以上にして、ホーニングで真円度0.001mmにする。ガイド部材を渦巻き翼に取り付ける際には同時加工時の合わせマークを固定側と旋回側で整合して軌道径の相互差を無くす。
軌道ワッシャ8、9、の製法について。SK5など厚さ1.2mmの圧延鋼板から外周の一部を連結したワッシャを順送でプレス抜きし高周波加熱に送り、冷却金型で表裏から同時に挟んで急冷(通称挟み焼き入れ)焼き戻しで硬さHv700にする。こうするとワッシャの反り変形は0.01mm以下に収まる、最後に帯から切り離してサブゼロ処理し残留オーステナイトを減らして経時変化の反りを抑えてバレル研磨すると軌道輪として好適な粗さが0.2zで厚さ不同は0.002以下になる。
両頭円すいころ1、の製法について。SUJ‐2軸受鋼のバー材若しくは線材にV溝を粗研削で成形した後、棒状の状態で吊るして曲がりを防いで焼き入れ焼き戻しで、硬さをHRC65にする。これを仕上げ研削でV溝の真円度0.001mm、相互差0.001mm、斜面の母線の平行度を0.001mm以下の棒にする。これの砥石は、ダイヤモンド製のロータリドレッサーで成形する。溝底が0.5mmで連なった棒を必要に応じて浸炭窒化処理をした後、寸法検査、外観検査を終え最後に溝底の0.5mm部を切り離して組み立てる。(詳細は製法の特許5637472にあるので省略)
請求項2について説明する。シール隙間の誤差要因は前述のクランクの偏心量、クランクピン外径、転動ローラーの外径、旋回渦巻き翼並びにハウジング部材、ガイド部材のポケット穴軌道内径、更には両頭円すいころの径の寸法公差、それに負荷変形、熱膨張、それに共振などである。これらの誤差の吸収のために駆動主軸41、から旋回渦巻き翼の両頭円すいころ1、の旋回軌道面(図5の67)2a、までの力の伝達経路に半径方向に弾性変位する部材、例えば図5の18、を設ける。累積誤差は18、のリブの曲げ弾性で吸収させる。更にこれにころと軌道面との接点を予め押圧するための変位量を加える。その一例では、クランクピンの偏心距離(旋回半径42)を渦巻き翼の偏心よりも少し長くするだけでバックラッシュ、が無くなる。
予圧荷重によるころの面圧は、図6の、収容してある全てのころ1、に均等に配分される。ばねの変形量は誤差の累計と予圧の分を合わせて半径方向で0.5〜1ミリにする。前述の実施例では図2、の旋回側の両頭円すいころの軌道内径2aと、クランクピン5、の外周のローラー11、との間に矩形の長穴18、を円周上に等配で複数個穿孔する。こうすると矩形の穴18、の周辺のリブが予圧荷重で半径方向に湾曲して一定のばね定数で弾性変位する。
組み立てを容易にするため、予めガイド部材2、と3、と軌道ワッシャ8、と9、でころ1、を、図3、の符号81、の断面がU字形の環状部材(ホルダ)で一緒に束ねる。このとき軌道ワッシャ8、と9、は、何処にも固定せず、ころによる繰り返し負荷が同じ位置にならぬように軌道ワッシャを僅かずつクリープで位置ズレさせる。ホルダ81、は可動側旋回ガイド部材2、にリべットで固定する。ホルダーは組み立て作業の補助材で樹脂板でもよい。
図2、のサブアッシを図3、のハウジング54、に組み付ける際、ハウジング54、の中心部には軸受ブッシュ20、21、があり、主軸41、の先端のナット29、を締めることで主軸のテーパー面14、で案内されてセンタリングする。同時に旋回側渦巻き翼に符号81、のホルダで一体化されたベアリングユニットの固定側ガイド部材3、をハウジングにビス82、で固定する。ビス82、の締め付けは渦巻き翼7、を旋回させると順にビス穴が露出するのでその順でビス止めする。
図2、のサブアッシをハウジング54、に組み付けた後に固定側渦巻き翼6、を旋回側渦巻き翼7、に嵌合する。その際固定側渦巻き翼6、のハウジング側54、への嵌合を容易にするため75、の先端を案内テーパーにする。
図4は、図6、の半径方向(矢印の方向)の弾性変位グラフで、縦軸は変形量(寸法)横軸は荷重で、曲線36、は変位曲線である。P1、は部品の累積誤差を見込んだ変位量33、でP2、はころの接点の予圧である。ころの接点は、合計のP1+P2で押圧される。
圧縮室に冷媒以外の異物が侵入すると圧縮できずに渦巻き翼が破壊する。そのため設定圧を超えると請求項2、で述べた弾性部材が変形して旋回側渦巻き翼が中心に向けて後退しシール面が開いて過剰圧を逃がす。例えば常用運転時の半径方向圧縮反力が10kg以下であれば寸法誤差の累積値を吸収する変位と予圧の合計とで15kgでころの接点を押圧しておくと正常運転の10kgではシール隙間は開かない。適正予圧量はころ一個当たり0.5kgとすると、ころ収容数が10個であれば予圧のためのばね圧は0.5kg×10個=5kgになる。図6の長穴の縁のリブの曲げ弾性による場合、強度け旋回ガイド部材2、の板厚で確保する。
次に旋回渦巻き翼の旋回精度について、例えば固定渦巻き翼と、旋回渦巻き翼の両者のガイドポケット穴軌道面の内径公差と、並びに両頭円すいころの外周斜面(転走面)の幅の公差の三者を0.001mm、以内にすれば、旋回渦巻き翼が描く真円度は0.003mm以下に収まる。かくして渦巻き翼の旋回はラジアル、スラスト両方向共に転がり接触のみで支持され、密封の隙間は初期設定の0.003mmが堅持さる。ころの転走面が磨耗すると磨耗した分渦巻き翼同士が接近するが、磨耗量は2〜3ミクロン程度で渦巻き翼の摺接表面の初期なじみと周囲の弾性変位で吸収し得る範囲である。
隙間の管理について、固定渦巻き翼の側面のポケット穴軌道面内径寸法をA,旋回渦巻き翼のポケット穴軌道面内径寸法をB、両頭円すいころの二辺の距離(旋回径)をC、として、旋回渦巻き翼と固定渦巻き翼が当接したときの偏心距離をEとすると、A+B‐C=E、であれば旋回側と固定側の渦巻き翼の隙間は0で旋回する(但し渦巻き翼自体の真円度誤差は0と仮定)。数値で示すと例えば旋回側と固定側渦巻き翼の偏心寸法Eが4.953mmであったらA、を4.890、B、を4.965mm、両頭円すいころを、4.902の品を層別グループの中から選ぶとシールの隙間は0になる理屈である。
請求項3の説明。両頭円すいころの転倒を防ぐ実施形態を説明する。ハウジング54、と固定側渦巻き翼6、の間に座屈間座、図3、の40、を介在させておき、ねじ55、を間座40、が座屈する以上のトルクで締め込むと、固定側渦巻き翼6、は軸方向に(図3、では左に)移動して渦巻き翼7、の先端が同6、の底57、に当接する、すると旋回側渦巻き翼6によって同7、が押されて両頭円すいころ1、を軌道ワッシャ9,10、を介して矢印59.60、の方向に押し付ける。この状態で渦巻き翼7、を旋回させると渦巻き翼7の両頭円すいころ、側は転がり接触で静摩擦係数はμo=0.002、で、反対側の57f、は10倍以上のすべり静摩擦μo=0.1〜0.3になる。渦巻き翼7、の外周(図の39)は非接触で摩擦はゼロである。そこでねじ55、の締め付け作業時に、軸41、をトルク計で回転しながら渦巻き翼7、を旋回させると、57f、と両頭円すいころに隙間があれば起動摩擦抵抗(トルク計)はゼロ値で、接触した瞬間に大きな起動摩擦抵抗が現れて隙間の有無が鮮明に判別できる。これに実施は摩擦トルク計測位置83、で計測しながらねじ55、を大トルクで締め付けるので弛むこともない。
手順の詳細は、57、の初期隙間を0.003mmにセットする場合、ねじ口径がφ100mmのメートル細目ねじとすると、ねじの外周約1mm回すと軸方向に0.005mm変化するので外周を0.5ミリ補正して固定する。座屈間座40、は例えば断面がU字形の平坦精度のよい一定の圧力で座屈変形を開始する鉄部材であって同機能であれば素材、形状はいとわない。
実施例1.図2、に請求項1、2、3、の両頭円すいころを組み付けた実施例を示す。
実施例2.旋回渦巻き翼とラジアル軸受(両頭円すいころ)を一体にしてオーバーハングを解消する実施例を図2、に示す。
実施例3.両頭円すいころ軸受の軸方向隙間を微調節するネジ55、の実施例を図2、に示す。
実施例4.請求項2、を分かり易くするために弾性変位部材の装設実施例を図2、図5、に示したが、クランクピンまたは駆動軸41、が弾性で撓んでも良く、要するに駆動軸と両頭円すいころとの間に弾性変位箇所があれば足りる(図省略)
スクロール形ポンプが空気圧縮機、空調機、過給機、膨張機、タービンの代替、にまで拡大する。
1・・両頭円すいころ 2・・可動側旋回ガイド部材
2a・・可動側旋回軌道 3・・固定側旋回ガイド部材
3a・・固定側旋回軌道 5・・クランクピン
6・・固定側渦巻き翼 7・・旋回側渦巻き翼
8・・ラジアル軸受位置(両頭円すいころ軸受) 9・・固定側軌道ワッシャ
10・・旋回側軌道ワッシャ 11・・クランクピン軸受ローラー
12・・弾性変位領域 15・・スラスト荷重
17・・ラジアル荷重 18・・弾性変位部材
20・・中間軸受 21・・第一軸受
33・・主軸 38・・釣り合い錘(バランサー)
39・・密封シールの隙間 40・・座屈間座(コラプシブルスペーサ)
44・・偏心量 54・・ハウジング
55・・隙間調節ねじ 57・・隙間
57f・・接触摩擦 81a、81b・・ホルダ
82a,82b・・ビス 83・・摩擦トルク計測位置
請求項1の手段、旋回渦巻き翼と固定渦巻き翼の側面に焼き入れ硬化した真円の穴を有する旋回ガイド部材を設けて旋回側と固定側で合成されるだ円の穴内に真円の転動体(ころ)を系合して旋回渦巻き翼の旋回を前記転動体で規制する。前記ころには両頭円すい形のころを用いる。その原理図1、の右上二個の平坦な丸底の容器A、B、を偏心させて向き合わせると出来る空間の中に粘土の球1a、を入れて自転せずに外周リブの垂直壁と底の面とで押さえて旋回すると、スベリ成分が削がれて純粋の転がり接触の両頭の円すい体1に収斂することに依拠する。その形態を図1の右下の平面模式図で説明するころの自転軸が前記リブの垂直壁に対して45°傾斜するので垂直壁から観たころの転動外径はダ円になる。前記垂直壁ところの接点を真上から見ると101、のころの曲率半径r2、r3は前記リブの内周の曲率r1、よりも小さい60%程度で線接触を成す、ころが旋回すると接点は互いに位置ずれせずに接近と離反だけ繰り返す。これを渦巻き翼側面に多数個組み付けると渦巻き翼が非接触であっても密封が可能で渦巻き翼自体が、ラジアル荷重(圧縮の半径方向の反力)を受け持つ大容量で高精度の磨耗が殆ど生じない旋回軸受になる。
請求項2の手段、旋回渦巻き翼7の側面の旋回ガイド部材3、のポケット穴内径の軌道面2a、と主軸41、
Figure 2017207050
翼7、の旋回円の精度には影響しない。またころが図6、に示すように常時ばねの前記弾性変位部材18、の圧縮反力予圧によって軌道の内周壁2a,3aの曲面の底で接点の矢印61p、62p、で両側で拘束されるので旋回側と固定側とに角度のずれが生じない、つまり旋回渦巻き翼間の初期設定した微小の密封隙間は変動しない。同時にバランサーの釣り合い誤差による動的偏心振れは、ハウジング
Figure 2017207050
で渦巻き翼7、の旋回円は、ころ1の真円度とポケット穴の2a,3aの真円度に委ねられる。更に異物、液体の侵入で圧縮圧が異常値になると前記予圧ばねが屈して渦巻き翼のシール面の隙間が開くことで異常破壊圧力を逃がす安全弁になる。

Claims (3)

  1. スクロール式ポンプ構造の旋回側巻き翼(7)と固定側渦巻き翼(6)の側面に設けた軌道円(図1、の符号2a、3a)に、両頭円すいころ(1)を接圧して転走させて、旋回側渦巻き翼(7)が内径側からクランクピン(5)で支えられ、外側から両頭円すいころ(1)で規制されて旋回する手段で渦巻き翼の半径方向の密封隙間(39)が密封可能な最小隙間値に維持されるスクロール式のポンプ構造。
  2. 請求項1のスクロール式ポンプ構造の、旋回渦巻き翼(7)の軌道面(2a)と主軸(41)との間に半径方向に弾性変位する部材を設けて、該弾性変位する部材の弾性変位で渦巻き翼(7)の密封面の寸法誤差を吸収するとともに過剰圧力を逃がす手段の請求項1のスクロール式のポンプ構造。
  3. 請求項1のクロール式ポンプ構造の、両頭円すいころ(1)と軌道ワッシャ(8)(9)との隙間がねじ部材(55)の締め加減で調節される手段の請求項1のスクロール式のポンプ構造。
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