JP2017206079A - 車載カメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】カバーを大型化することなく、意図しない映像の映り込みを抑制すると共にカバー外部からの通風によって窓ガラスの曇りを晴らすことができる車載カメラを提供する。
【解決手段】車載カメラ10は、フロントガラス60越しに車外を撮像するカメラ本体40と、フロントガラス60との間に隙間80を空けた状態で、カメラ本体40を車内側から覆うカバー50と、カバー50の内部におけるフロントガラス60の車内側の面60Aに固定される遮蔽体(アッパーブラケット20の板状部22の前部22F)と、を備える。遮蔽体は、隙間80を介したカバー50の内外の通風を許容しつつ、隙間80を通ってカメラ本体40に映り込む光を遮るように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載カメラに関する。
特許文献1には、フロントガラス越しに車両前方を撮像するための車載カメラが開示されている。この車載カメラは、ブラケットとカメラ本体とを備えている。フロントガラスの車内側の面にブラケットが貼付けられ、ブラケットにカメラ本体が固定される。
特開2013−203250号公報
ところで、上記特許文献1の車載カメラにおいて、カメラ本体を車内側からカバーで覆う場合、カバーとフロントガラスとの間には、部品のバラツキを考慮したときに必要となる隙間が設けられる。しかしながら、インストルメントパネル(以下、「インパネ」という。)などの意図しない映像がフロントガラスで反射し、この隙間(特に、カバー前端部における隙間)を通って、カメラ本体に映り込む虞がある。
そこで、意図しない映像が映り込むことを防止するために、カバーを車両前方に向けて大型化することが考えられる。しかしながら、カバーを大型化すると、運転手の視界の妨げが大きくなることとなり、望ましくない。
また、この隙間には、インパネに設けられたデフロスタ装置からの風をカバー内部に取り入れるという役割もある。そのため、例えば、特許文献1に記載のフードの前端をフロントガラスに接触させたり、カバーの前端をフロントガラスに接触させてこの隙間を完全に塞いだりすると、フロントガラスの曇りをデフロスタ装置からの風により晴らすができなくなる。
本発明は上述の事情を踏まえ、カバーを大型化することなく、意図しない映像の映り込みを抑制すると共にカバー外部からの通風によって窓ガラスの曇りを晴らすことができる車載カメラを提供することを目的とする。
請求項1に記載の車載カメラは、窓ガラス越しに車外を撮像するカメラ本体と、前記窓ガラスとの間に隙間を空けた状態で、前記カメラ本体を車内側から覆うカバーと、前記カバーの内部における前記窓ガラスの車内側の面に固定され、前記隙間を介した前記カバーの内外の通風を許容しつつ前記隙間を通って前記カメラ本体に映り込む光を遮るように構成された遮蔽体と、を備える。
請求項1記載の車載カメラでは、窓ガラス越しに車外を撮像するカメラ本体が車内側からカバーによって覆われる。このとき、カバーは、窓ガラスとの間に隙間を空けた状態となり、この隙間によってカバーの内部と外部とが連通される。このため、この隙間を介し、デフロスタ装置などからの風がカバー内部に入り込むことができるので、カメラ本体の撮像範囲に位置する窓ガラスの曇りを晴らすことができる。
さらに、カバーの内部における窓ガラスの車内側の面には遮蔽体が固定される。この遮蔽体は、隙間を介したカバー内外の通風を許容しつつ、隙間を通ってカメラ本体に映り込む光を遮るように構成されている。このため、隙間を介した通風により窓ガラスの曇りを晴らす上述の機能が保持されつつ、カメラ本体に意図しない映像が映り込むこと(誤映像)が抑制される。そして、遮蔽体により誤映像を抑制できるので、誤映像を抑制するためのカバーの大型化は必要ない。
したがって、請求項1に記載の車載カメラによれば、カバーを大型化することなく、誤映像を抑制すると共にカバー外部からの通風によって窓ガラスの曇りを晴らすことができる。
請求項2に記載の車載カメラは、請求項1に記載の車載カメラにおいて、前記窓ガラスの車内側の面に固定されると共に、前記カメラ本体を直接的又は間接的に支持するブラケットをさらに備え、前記遮蔽体は、前記ブラケットと一体に形成されている。
請求項2記載の車載カメラでは、カメラ本体を直接的又は間接的に支持するブラケットが、窓ガラスの車内側の面に固定される。そして、遮蔽体は、このブラケットと一体に形成されている。このため、ブラケットを窓ガラスに固定する作業と、遮蔽体を窓ガラスに固定する作業とを別個独立に行う必要がない。よって、車載カメラの車両への搭載が容易である。
請求項3に記載の車載カメラは、請求項1又は請求項2に記載の車載カメラにおいて、前記遮蔽体は、前記光と略直交する方向に延在する壁部を含んで構成され、前記壁部は、前記通風を許容するスリット又は孔を有する。
請求項3に記載の車載カメラでは、遮蔽体は、隙間を通ってカメラ本体に映り込む光と略直交する方向に延在する壁部を含んで構成されているため、壁部によって効率的に光を遮光することができる。また、壁部は、スリット又は孔を有しているため、隙間を介したカバーの内外の通風が許容される。したがって、請求項2に記載の車載カメラによれば、このような簡易な構成で遮蔽体を実現できる。
請求項4に記載の車載カメラは、請求項1又は請求項2に記載の車載カメラにおいて、前記遮蔽体は、各々が前記光と略直交する方向に延在すると共に、互いに対向して配置された2つの壁部を含んで構成され、前記2つの壁部のうち少なくとも一方の壁部は、前記通風を許容するスリット又は孔を有し、他方の壁部は、前記一方の壁部の前記スリット又は孔を通る前記光を遮るにように配置されている。
請求項4に記載の車載カメラでは、遮蔽体は、2つの壁部を含んで構成されている。2つの壁部の各々は、隙間を通ってカメラ本体に映り込む光と略直交する方向に延在する。そして、2つの壁部は、互いに対向して配置されている。そして、2つの壁部のうち少なくとも一方の壁部は、スリット又は孔を有しており、他方の壁部は、一方の壁部のスリット又は孔を通る光を遮るにように配置されている。以上のように構成されて、遮蔽体が、隙間を介したカバー内外の通風を許容しつつ、隙間を通ってカメラ本体に映り込む光を遮るようになっている。したがって、請求項3に記載の車載カメラによれば、このような簡易な構成で、誤映像の抑制効果が高い遮蔽体を実現できる。
以上説明したように、本発明に係る車載カメラは、カバーを大型化することなく、意図しない映像の映り込みを抑制すると共にカバー外部からの通風によって窓ガラスの曇りを晴らすことができるという優れた効果を有する。
本実施形態に係る車載カメラを車幅方向に直交する平面で切断した断面図(図5の1−1線断面図)である。 図1に示されるアッパーブラケットを斜め上方から見て示す斜視図である。 本実施形態に係る車載カメラを構成するカメラ支持用ブラケット、カメラ本体及びカバーを示す分解斜視図である。 図1の要部を拡大した断面図である。 本実施形態に係る車載カメラを示す車両斜め上方から見た斜視図である。 (A)は変形例1に係る遮蔽体を示す斜視図であり、(B)は変形例2に係る遮蔽体を示す平面図(アッパーブラケットに垂直な方向から見た図)である。 他の実施形態に係る車載カメラのアッパーブラケット及び遮蔽部材を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態に係る車載カメラ10について説明する。
図2及び図3に示されるように、本実施形態に係る車載カメラ10は、「ブラケット」としてのアッパーブラケット20と、カメラ支持用ブラケット30と、カメラ本体40と、カバー50と、を備えている。
以下、図1、図4及び図5を用いて、車両に搭載された状態の車載カメラ10について説明する。
図5には、搭載された状態の車載カメラ10が、車外側からの斜視図にて示されている(なお、カメラ支持用ブラケット30及び「窓ガラス」としてのフロントガラス60は省略されている)。また、図1には、フロントガラス60における車載カメラ10が搭載された部分を、車両幅方向に直交する平面で切断した断面図(図5の1−1線断面図)が示されている。なお、各図の矢印FR、UP、Wは、それぞれ、車両前方、車両上方、車両幅方向を示している。
―フロントガラス―
図1に示されるように、フロントガラス60は、そのガラス面(車外側の面60B)の法線方向が車両上方かつ車両前方である車両斜め上方に向くように、傾斜した状態で車体に取付けられている。これにより、フロントガラス60(特に、図1に示されている車載カメラ10が搭載された部分、すなわちフロントガラス60における車両幅方向中央かつ車両前後方向後方の部分)の角度は、水平面から測って約25度〜約45度とされている。このフロントガラス60によって、車内と車外とが区画されている。
―カメラ本体―
フロントガラス60の車内側には、カメラ本体40が配置されている。カメラ本体40は、撮像方向が車両前方向とされた撮像部42を有しており、フロントガラス60越しに車両前方を撮像するように構成されている。撮像部42の車両前方には、視界規制部材44が設けられている(図5参照)。視界規制部材44は、下規制部44Aと、一対の側方規制部44Bと、を備えており、カメラ本体40の撮像範囲を車両下方及び車両側方から規制する。
カメラ本体40の車両後方には、インナミラー70が配置されている(図5では省略)。インナミラー70は、運転手が車両後方を確認するためのミラーであり、その根元部72がフロントガラス60の車内側の面60Aに固定されている。
―カバー―
フロントガラス60の車内側には、カバー50が設けられている。カバー50は、図3に示されるように、その周縁を構成する端部58が底部57に対して立ち上った形状、いわゆる椀状(椀型、ドーム状)の形状とされている。また、カバー50は、図5に示されるように、インナミラー70の腕部74が挿通する挿通孔51を有している。そして、カバー50の端部58は、フロントガラス60の車内側の面60Aに近接するように配置されており、カバー50の挿通孔51には、インナミラー70の腕部74が挿通されている。これにより、カバー50は、カメラ本体40及びインナミラー70の根元部72を車内側から覆うように配置されている。カバー50は、車内のうちカバー50で囲まれた部分であるカバー50の内部と、それ以外の部分であるカバー50の外部と、を区画している。
―隙間―
カバー50の端部58とフロントガラス60との間には、隙間80が形成されている。この隙間80によって、カバー50の外部と内部とが連通されている。特に、図1に示されるように、カバー50の前端部58F(カバー50の周縁を構成する端部58のうち車両前側の部分、図3及び図5参照)とフロントガラス60との間には、前方隙間80Fが形成されている。この前方隙間80Fを介して、図示しないデフロスタ装置などからの風がカバー50の内部に取込まれるようになっている。
―アッパーブラケット―
カバー50の内部におけるフロントガラス60の車内側の面60Aには、アッパーブラケット20が固定されている。後述の搭載方法(手順)で説明するように、アッパーブラケット20は、カメラ支持用ブラケット30(図3参照、その他の図では省略)を介して、間接的にカメラ本体40を支持している。
図2には、アッパーブラケット20が示されている。この図に示されるように、アッパーブラケット20は、板状に形成された板状部22を備えている。
板状部22は、略矩形の環状に形成されている。具体的には、板状部22は、当該板状部22の車両前側部分を車幅方向に延びる前部22Fと、前部22Fの車両幅方向両端から車両後方へ延びる左右一対の側部22Sと、左右一対の側部22Sを連結するように車両幅方向に延びる後部22Rと、から構成されている。
板状部22は、その一部(段差部24)を除いた一般部23(図2にドットで示された部分)において、車両上方側の面(図2における手前側の面)がフロントガラス60の車内側の面60Aに貼付けられる貼付面23Aとされている。換言すると、板状部22は、一般部23と、この一般部23に対して車両下方側へ(フロントガラス60に対して車内側へ)段差を付けられた段差部24と、を含んで構成されている。そして、一般部23の車両上方側の面がフロントガラス60の車内側の面60Aに貼付けられる貼付面23Aとされ、他方、段差部24の車両上方側の面は、フロントガラス60に貼付けられない非貼付面24Aとされている。貼付面23Aがフロントガラス60に貼付けられた状態では、段差部24とフロントガラス60との間に通気のための空間が形成されるようになっている。段差部24は、合計4つ形成されており、板状部22における左右一対の側部22Sにそれぞれ2つずつ形成されている。
板状部22の前部22Fにおける車両下方側の面(貼付面23Aとは反対側の面)には、前後一対の壁部26が設けられている。前後一対の壁部26は、板状部22の前部22Fの車両下方側の面から、板状部22に垂直な方向(つまり、フロントガラス60に垂直な方向)を突出方向(高さ方向)として、車内側へ突出するように設けられている。また、前後一対の壁部26は、前側の前壁部26Fと、後側の後壁部26R、とを含んで構成されており、前壁部26F及び後壁部26Rは、共に車幅方向に延在して設けられている。このように、前壁部26F及び後壁部26Rは、それぞれ、フロントガラス60に垂直な方向を高さ方向とし、車幅方向を幅方向として設けられている。
図4に示されるように、アッパーブラケット20の前部22Fは、カバー50の内部におけるフロントガラス60の車内側の面60Aに固定されて、前方隙間80Fの車両後方かつカメラ本体40の撮像部42の車両前方に配置されており、特に、前方隙間80Fの近傍に配置されている。そのため、前後一対の壁部26も、前方隙間80Fの車両後方かつカメラ本体40の撮像部42の車両前方に配置されており、特に、前方隙間80Fの近傍に配置されている(なお、図4には、前後一対の壁部26のうち前壁部26Fのみが示されている)。
壁部26の高さ(突出量)は、前方隙間80Fを通ってカメラ本体40に映り込む光(図4の一点鎖線L参照)を遮ることができる高さ(突出量)に設定されている。
ここで、前方隙間80Fを通ってカメラ本体40に映り込む光について説明する。
本実施形態では、前方隙間80Fがカメラ本体40の撮像範囲に位置している。具体的には、視界規制部材44の下規制部44Aは、カメラ本体40の撮像範囲に前方隙間80Fが入るように構成されている。そのため、例えば、インパネからの光が、カバー50の外部におけるフロントガラス60で反射して前方隙間80Fを通った場合、この光はカメラ本体40に映り込むことがある(図4の一点鎖線L参照)。カメラ本体40は車両前方を撮像するためのものであるため、インパネからの光が映り込んだ場合は誤映像を撮像していることとなる。
なお、視界規制部材44の下規制部44Aによって、前方隙間80Fがカメラ本体40の撮像範囲に位置していなくても、インパネの映り込みは発生し得る。すなわち、インパネからの光が前方隙間80Fを通ってカバー50の内部に入り、その後、カバー50の内部におけるフロントガラス60で反射してカメラ本体40に映り込む場合である。
このようにして映り込む(映り込もうとする)光を遮ることができる高さ(突出量)に、壁部26の高さ(突出量)が設定されている。
また、図2及び図5に示されるように、前壁部26Fは、前壁部26F自身を車幅方向に3分割する2つのスリット27を有している。また、後壁部26Rは、後壁部26R自身を車幅方向に2分割する1つのスリット27を有している。これらスリット27により、前方隙間80Fを介したカバー50の内部と外部との通風が円滑になされる(スムーズに起こる)ようになっている。
また、前壁部26Fのスリット27と、後壁部26Rのスリット27との配置関係は、以下のようになっている。すなわち、前壁部26Fのスリット27を通過してカメラ本体40に映り込もうとする光は、後壁部26Rに遮られるように構成されており、他方、後壁部26Rのスリット27を通過してカメラ本体40に映り込もうとする光は、前壁部26Fに遮られるように構成されている。
以上を纏めると、板状部22の前部22Fは、カバー50の内部におけるフロントガラス60の車内側の面60Aに固定され、この前部22Fに設けられた前後一対の壁部26により、前方隙間80Fを介したカバー50の内外の通風がスリット27によって許容されつつ、前方隙間80Fを通ってカメラ本体40に映り込む光が前壁部26F及び後壁部26Rによって遮られるようになっている。よって、アッパーブラケット20における、前後一対の壁部26が設けられた前部22Fが、本発明の「遮蔽体」に相当する。
<作用・効果>
次に、本実施形態に係る車載カメラ10の車両への搭載方法(手順)を簡単に説明すると共に、本実施形態に係る車載カメラ10の作用及び効果について説明する。
まず、アッパーブラケット20が、フロントガラス60の車内側の面60A(図1参照)に固定される。
具体的には、アッパーブラケット20は貼付面23Aを備えており(図2参照)、この貼付面23Aが、フロントガラス60における車両幅方向中央かつ車両前後方向後方の部分の車内側の面60Aに貼付けられる。
次に、カメラ支持用ブラケット30が、アッパーブラケット20に取付けられる。
具体的には、アッパーブラケット20は、図示しない被係合部を備えており、この被係合部にカメラ支持用ブラケット30の係合部32(図3参照)が係合される。
そして、カメラ本体40がカメラ支持用ブラケット30に取付けられる。
具体的には、カメラ支持用ブラケット30はカメラ載置部34を備えており(図3参照)、このカメラ載置部34にカメラ本体40が載置される状態で取付けられる。これにより、カメラ本体40がアッパーブラケット20によって間接的に支持される。
最後に、カバー50がアッパーブラケット20に取付けられる。
具体的には、カバー50は、カメラカバー52とミラーカバー54とから成っており(図3参照)、このうちカメラカバー52の取付部53などがアッパーブラケット20の取付部25などに取付けられ、ミラーカバー54の係合部55などがカメラカバー52の被係合孔56などに係合するように取付けられる。これにより、アッパーブラケット20、カメラ支持用ブラケット30及びカメラ本体40が、カバー50によって車内側から覆われる。
以上により、車載カメラ10が車両に搭載される。
本実施形態に係る車載カメラ10では、フロントガラス60越しに車外を撮像するカメラ本体40が車内側からカバー50に覆われる。そして、フロントガラス60とカバー50との間には隙間80が形成され、この隙間80によりカバー50の内部と外部とが連通される。このため、この隙間80(特に前方隙間80F)を介し、デフロスタ装置などからの風がカバー50の内部に入り込むことができるので、カメラ本体40の撮像範囲に位置するフロントガラス60の曇りを晴らすことができる。
さらに、本実施形態に係る車載カメラ10では、カバー50の内部におけるフロントガラス60の車内側の面60Aに、アッパーブラケット20の板状部22の前部22F(遮蔽体)が固定される。アッパーブラケット20の板状部22の前部22Fには、前後一対の壁部26が設けられており、前後一対の壁部26は、前方隙間80Fを介したカバー50内外の通風を許容しつつ、前方隙間80Fを通ってカメラ本体40に映り込む光を遮るように構成されている。このため、前方隙間80Fを介した通風によりフロントガラス60の曇りを晴らす上述の機能が保持されつつ、カメラ本体40に意図しない映像が映り込むこと(誤映像)が抑制される。
ところで、仮に、遮蔽体を設けず、かつ、前方隙間80Fを確保したままで意図しない映像の映り込みを抑制する場合は、図4の二点鎖線500で示されるように、カバー50の車両前方へ向けて大型化する必要がある。カバー50の車両前方へ向けて大型化することは、運転手の視界の妨げが大きくなることとなり望ましくない。これに対し、本実施形態に係る車載カメラによれば、遮蔽体(前部22F)を設けることで、カバー50を大きくすることなく誤映像を抑制でき、しかもフロントガラス60の曇りを晴らす機能を確保できる。
また、本実施形態に係る車載カメラ10では、カメラ支持用ブラケット30を介して、カメラ本体40を間接的に支持するアッパーブラケット20が、フロントガラス60の車内側の面60Aに固定される。そして、アッパーブラケット20の一部(板状部22の前部22F)に遮蔽体が形成されている。換言すると、遮蔽体は、アッパーブラケット20と一体に形成されている。このため、アッパーブラケット20をフロントガラス60に固定する作業と、遮蔽体をフロントガラス60に固定する作業とを別個独立に行う必要がない。よって、車載カメラ10の車両への搭載が容易である。
また、本実施形態に係る車載カメラ10では、遮蔽体を構成する前後一対の壁部26は、それぞれ、フロントガラス60に垂直な方向を高さ方向とし、車幅方向を幅方向として設けられている。これに対し、前方隙間80Fを通ってカメラ本体40に映り込む(映り込もうとする)光の方向は、概ね、平面視で略車両前後方向であり、かつ、側面視でフロントガラス60に沿う方向である。また、カメラ本体40の撮像方向は車両前方向とされている。
よって、本実施形態に係る遮蔽体を構成する前後一対の壁部26は、前方隙間80Fを通ってカメラ本体40に映り込む光と略直交する方向に延在しているといえる。また、本実施形態に係る遮蔽体を構成する前後一対の壁部26は、カメラ本体40の撮像方向(車両前方向)に対して略直交する方向に延在しているともいえる。このため、前方隙間80Fを通ってカメラ本体40に映り込む光を、効率的に遮光することができる。
また、前後一対の壁部26は、壁部26を車両前後方向に貫通するスリット27を有しているため、前方隙間80Fを介したカバー50の内外の通風が許容される。
しかも、本実施形態に係る車載カメラ10では、遮蔽体は、2つの壁部(前後一対の壁部26)を含んで構成されている。前後一対の壁部26を構成する前壁部26F及び後壁部26Rは、互いに対向して配置され、それぞれスリット27を有している。そして、前壁部26Fのスリット27を通過してカメラ本体40に映り込もうとする光は、後壁部26Rに遮られるように構成されており、他方、後壁部26Rのスリット27を通過してカメラ本体40に映り込もうとする光は、前壁部26Fに遮られるように構成されている。このため、前方隙間80Fを介したカバー50の内外の通風を許容しつつ、前方隙間80Fを通ってカメラ本体40に映り込む光を遮るようになっている。
また、本実施形態に係る車載カメラ10では、アッパーブラケット20の板状部22が、一般部23と、この一般部23に対して車両下方側へ(フロントガラス60に対して車内側へ)段差を付けられた段差部24と、を含んで構成されている。そして、一般部23の車両上方側の面がフロントガラス60の車内側の面60Aに貼付けられる貼付面23Aとされ、他方、段差部24の車両上方側の面は、フロントガラス60に貼付けられない非貼付面24Aとされている。貼付面23Aがフロントガラス60に貼付けられた状態では、段差部24とフロントガラス60との間に通気のための空間が形成されるようになっている。段差部24とフロントガラス60との間に形成された空間により、カバー50の内部の空気が外部に排出されやすくなっているので、前方隙間80Fを介したカバー50の内外の通風(外部から内部への通風)が促進される。
〔遮蔽体の変形例〕
なお、上記実施形態の前後一対の壁部26は「遮蔽体」の一例にすぎず、本発明の「遮蔽体」としては様々な構成を採用することができる。
図6(A)には、変形例1の遮蔽体が示されている。この図に示されるように、変形例1では、前後一対の壁部26が、スリット27に替えて、壁部26を貫通する孔28を有している。この孔28により、前方隙間80Fを介したカバー50の内外の通風が許容される。孔28が形成される位置や数は、特に限定されず、前壁部26Fと後壁部26Rとが協働して、前方隙間80Fを通ってカメラ本体40に映り込む光を遮るようになっていればよい。
図6(B)には、変形例2の遮蔽体が示されている。この図に示されるように、変形例2では、アッパーブラケット20の板状部22の前部22Fに、車両幅方向に延在する1つの壁部26が設けられている。壁部26は、壁部26を車両前後方向に貫通する2つの孔28を有している。2つの孔28は、車幅方向に並んで設けられ、それぞれの孔28は、車両前方から車両後方に向かうに従い、車両幅方向外側に傾斜して設けられている。
このように、変形例2では、遮蔽体を構成する壁部26が1つ(一枚)であるが、壁部26を貫通する孔28の方向がカメラ本体40に映り込む光の方向と一致しないように設定されている。このため、前方隙間80Fを通った光が孔28を通過してカメラ本体40に映り込むことが抑制されている。なお、変形例2では、壁部26の厚み(車両前後方向の寸法)が上記実施形態の壁部26よりも厚く設定されている。
上記実施形態、変形例1及び変形例2から判るように、本発明の「遮蔽体」としては、隙間を介したカバーの内外の通風を許容しつつ隙間を通ってカメラ本体に映り込む光を遮るものであれば、様々な構成を採用することができる。なお、「隙間を通ってカメラ本体に映り込む光を遮る」とは、意図しない映像の映り込みを完全に防止するものに本発明の「遮蔽体」を限定する記載ではない。意図しない映像が多少映り込みうるものであっても、本発明の「遮蔽体」に含まれる。
〔上記実施形態の補足説明〕
なお、上記実施形態では、アッパーブラケット20が、カメラ支持用ブラケット30を介して、間接的にカメラ本体40を支持するものであるが、本発明はこれに限定されない。例えば、車載カメラがカメラ支持用ブラケット30を備えず、アッパーブラケットが、カメラ本体を直接的に支持するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、カメラ本体40を間接的に支持するアッパーブラケット20の一部(板状部22の前部22F)に前後一対の壁部26が設けられ、この一部(板状部22の前部22F)が遮蔽体を構成していた。つまり、上記実施形態では、遮蔽体が、カメラ本体40を間接的に支持するアッパーブラケット20と一体に形成されていた。しかし、本発明はこれに限定されない。
例えば、図7に示されるように、車載カメラは、アッパーブラケット20とは別体として形成された遮蔽部材29を備えていてもよい。遮蔽部材29は、一方の面がフロントガラス60の車内側の面60Aに貼付けられる貼付面23Aとされた貼付部29Aと、貼付面23Aの他方の面から突出した前後一対の壁部26と、を備えている。前後一対の壁部26の構成については、上記実施形態と同様であるため、説明を省略する。この図に示される態様では、遮蔽部材29が本発明の「遮蔽体」に相当する。
また、上記実施形態では、車載カメラ10が、フロントガラス越しに車両前方を撮像するためのものであったが、本発明はこれに限定されない。ガラス越しに車外を撮像するものであればよく、例えば、リアガラス越しに車両後方を撮像するものであってもよい。また、上記実施形態では、車載カメラ10が視界規制部材44を備えていたが、本発明はこれに限定されず、視界規制部材を備えていなくてもよい。
10 車載カメラ
20 アッパーブラケット(ブラケット)
22 板状部
22F 前部(遮蔽体)
26 前後一対の壁部(2つの壁部、遮蔽体)
26F 前壁部
26R 後壁部
27 スリット
28 孔
29 遮蔽部材(遮蔽体)
40 カメラ本体
50 カバー
60 フロントガラス(窓ガラス)
80F 前方隙間(隙間)

Claims (4)

  1. 窓ガラス越しに車外を撮像するカメラ本体と、
    前記窓ガラスとの間に隙間を空けた状態で、前記カメラ本体を車内側から覆うカバーと、
    前記カバーの内部における前記窓ガラスの車内側の面に固定され、前記隙間を介した前記カバーの内外の通風を許容しつつ前記隙間を通って前記カメラ本体に映り込む光を遮るように構成された遮蔽体と、
    を備える車載カメラ。
  2. 前記窓ガラスの車内側の面に固定されると共に、前記カメラ本体を直接的又は間接的に支持するブラケットをさらに備え、
    前記遮蔽体は、前記ブラケットと一体に形成されている、
    請求項1記載の車載カメラ。
  3. 前記遮蔽体は、前記カメラ本体の撮像方向に対して略直交する方向に延在する壁部を含んで構成され、
    前記壁部は、前記通風を許容するスリット又は孔を有する、
    請求項1又は請求項2に記載の車載カメラ。
  4. 前記遮蔽体は、各々が前記カメラ本体の撮像方向に対して略直交する方向に延在すると共に、互いに対向して配置された2つの壁部を含んで構成され、
    前記2つの壁部のうち少なくとも一方の壁部は、前記通風を許容するスリット又は孔を有し、
    他方の壁部は、前記一方の壁部の前記スリット又は孔を通る前記光を遮るにように配置されている、
    請求項1又は請求項2に記載の車載カメラ。
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