JP2017204538A - 柔軟性シート、透明フレキシブルプリント配線板及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
加えて、ウェアラブルデバイスの情報表示部分の視認性を高めたり、デザイン性を高めたりする等の目的から、内蔵される配線板にも高い透明性が求められている。
本発明は、こうした事情に鑑み、透明性が高く、且つ金属薄膜に対する接着性に優れる柔軟性シート、該柔軟性シートの製造方法、該柔軟性シートを含有してなる透明フレキシブルプリント配線板、及び透明フレキシブルプリント配線板の製造方法を提供することを課題とする。
[1]透明絶縁フィルムと、エポキシ樹脂及び活性型エステル基含有化合物を含有してなる樹脂層とを有し、波長400〜700nmにおける光透過率が80%以上である柔軟性シート。
[2]前記エポキシ樹脂が、炭素数3以上のアルキレングリコールに由来する構造単位を有する、上記[1]に記載の柔軟性シート。
[3]前記樹脂層が、さらに平均一次粒子径100nm以下の無機充填材を含有する、上記[1]又は[2]に記載の柔軟性シート。
[4](a−1)エポキシ樹脂及び活性型エステル基含有化合物を含有する樹脂組成物を透明絶縁フィルム上に塗布する工程、
(a−2)樹脂付キャリアフィルムを透明絶縁フィルムにラミネートする工程、又は
(a−3)樹脂付キャリアフィルムと透明絶縁フィルムとをプレスする工程、
を有する、柔軟性シートの製造方法。
[5]さらに、(b)熱硬化処理する工程を有する、上記[4]に記載の柔軟性シートの製造方法。
[6]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の柔軟性シートを含有してなる透明フレキシブルプリント配線板。
[7](1)上記[1]〜[3]のいずれかに記載の柔軟性シートに紫外線を照射する工程、
(2)前記工程(1)を経た柔軟性シート上に無電解めっきにより導体層を形成する工程、
(3)前記工程(2)の後、電解めっきにより回路パターンを形成する工程、
を有する、透明フレキシブルプリント配線板の製造方法。
[柔軟性シート]
本発明の柔軟性シートは、透明絶縁フィルムと、エポキシ樹脂及び活性型エステル基含有化合物を含有してなる樹脂層とを有し、波長400〜700nmにおける光透過率が80%以上である。つまり、透明絶縁フィルムと前記樹脂層とを有する積層体である。ここで、「波長400〜700nmにおける」とは、「波長400〜700nmの全範囲における」を意味する。
なお、樹脂層は、透明絶縁フィルムの片面のみに形成されていてもよく、両面に形成されていてもよい。
透明絶縁フィルムは、波長400〜700nmにおける光透過率が80%以上の絶縁フィルムである。該光透過率は、好ましくは83%以上であり、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは88%以上、特に好ましくは90%以上である。なお、本明細書において、光透過率は、分光光度計「U−2900型分光光度計」(製品名、株式会社日立ハイテクフィールディング製)を用いて、厚さ1mmの試験片を用いて測定した値である。
透明絶縁フィルムとしては、例えば、ポリイミドフィルム(PI)、ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)、液晶ポリマーフィルム(LCP)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリケトンフィルム、ポリスルホン(PSU)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性の観点から、ポリイミドフィルムが好ましい。
透明絶縁フィルムとしては市販品を使用してもよく、市販品としては、例えば、「ネオプリム(登録商標)」(ポリイミドフィルム、三菱ガス化学株式会社製)、「テオネックス(登録商標)」(PEN、帝人デュポンフィルム株式会社製)、「ベクスター(登録商標)」(LCP、株式会社クラレ製)、「G−2」(PET、帝人デュポン株式会社製)、「ビクトレックス(登録商標)」(PEEK、ビクトレックス社製)、「トレリナ(登録商標)」(PPS、東レ株式会社製)、「スミカエクセル(登録商標)」(PES、住友化学株式会社製)等が挙げられる。
本発明の柔軟性シートが有する樹脂層は、エポキシ樹脂及び活性型エステル基含有化合物を含有してなる樹脂層であり、無電解めっきにより形成される導体層(金属薄膜)との高い接着性を示す。該樹脂層は、エポキシ樹脂及び活性型エステル基含有化合物を含有する樹脂組成物を用いて形成される。なお、本発明の柔軟性シートは、透明絶縁フィルム上に該樹脂層を形成することによって製造される。
樹脂層の厚みは、乾燥した状態で、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜8μm、特に好ましくは1〜6μmである。樹脂層の厚みが0.5μm以上であれば、金属薄膜との接着性を向上し易くなると共に、積層体を折り曲げた際に、金属薄膜が剥がれ難い傾向にある。樹脂層の厚みが15μm以下であれば、積層体に占める透明絶縁フィルムの割合が大きくなり、積層体の透明性を向上し易くなる傾向にある。
樹脂層及び樹脂組成物が含有する成分について、以下に順に説明する。
エポキシ樹脂とは、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂である。耐熱性を向上させる観点からは、芳香族エポキシ樹脂であることが好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、それぞれ、好ましくは50〜3,000g/eq、より好ましくは80〜2,000g/eq、さらに好ましくは100〜1,000g/eq、特に好ましくは200〜700g/eqである。ここで、エポキシ当量は、1当量のエポキシ基あたりの樹脂の質量(g/eq)であり、JIS K 7236(2001年)に規定された方法に従って測定することができる。具体的には、自動滴定装置「GT−200型」(株式会社三菱化学アナリテック製)を用いて、200mlビーカーにエポキシ樹脂2gを秤量し、メチルエチルケトン90mlを滴下し、超音波洗浄器溶解後、氷酢酸10ml及び臭化セチルトリメチルアンモニウム1.5gを添加し、0.1mol/Lの過塩素酸/酢酸溶液で滴定することにより求められる。
エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、「jER828EL」、「YL980」(以上、三菱化学株式会社製)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂である、「jER806H」、「YL983U」(以上、三菱化学株式会社製)等が挙げられる。
なお、「炭素数3以上のアルキレングリコールに由来する構造単位を有する」とは、炭素数3以上のアルキレングリコールをモノマとして用いて得られたものであってもよいし、炭素数3以上のアルキレングリコール骨格を有する化合物を用いて得られたものであってもよい。
炭素数3以上のアルキレングリコールに由来する構造単位を主鎖に有するエポキシ樹脂の具体例として、例えば、下記一般式(I)で示されるビニルエーテル化合物と下記一般式(II)で示される2官能性フェノール化合物とを反応させて得られるエポキシ樹脂が挙げられる。より詳細には、下記一般式(I)で示されるビニルエーテル化合物と下記一般式(II)で示される2官能性フェノール化合物とを反応させた後、エピクロロヒドリン等のエピハロヒドリンによって末端をエポキシ化することによって製造できる。当該エポキシ樹脂は、HO[−R1−O]n−H(R1及びnは、一般式(I)中のものと同じである。)で表されるアルキレンジオールに由来する構造と、下記一般式(II)で示される2官能性フェノール化合物に由来する構造とを有するとも言える。
R1が示す炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、1,2−ジメチレン基、1,2−トリメチレン基、1,3−トリメチレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基、1,6−ヘキサメチレン基、1,9−ノナメチレン基等の炭素数1〜10のアルキレン基などが挙げられる。該炭素数1〜10のアルキレン基としては、好ましくは炭素数2〜10のアルキレン基、より好ましくは炭素数2〜7のアルキレン基であり、さらに好ましくは1,6−ヘキサメチレン基である。
R2が示す炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、1,2−ジメチレン基、1,3−トリメチレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基等の炭素数1〜10のアルキレン基;エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等の炭素数2〜10のアルキリデン基などが挙げられる。該炭素数1〜10のアルキレン基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基、より好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基である。該炭素数2〜10のアルキリデン基としては、好ましくは炭素数2〜5のアルキリデン基、より好ましくは炭素数2〜3のアルキリデン基、さらに好ましくはイソプロピリデン基である。
R2は、フェノールの4位で結合していることが好ましい。
活性型エステル基含有化合物は、前記エポキシ樹脂の硬化剤として機能し得る。ここで、「活性型エステル基」とは、エポキシ樹脂と反応し得るエステル基を意味する。なお、該エステル基含有化合物は、後述する紫外線の照射によって分解し、その結果、金属薄膜との接着性の向上に寄与する。
活性型エステル基含有化合物としては、例えば、脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸と、脂肪族ヒドロキシ化合物又は芳香族ヒドロキシ化合物との反応によって得られるエステル化合物が挙げられる。
脂肪族カルボン酸と脂肪族ヒドロキシ化合物とから得られる脂肪族エステル化合物は、脂肪族鎖を含むことにより、有機溶剤への可溶性、及びエポキシ樹脂との相溶性が高くなる傾向にある。また、芳香族カルボン酸と芳香族ヒドロキシ化合物とから得られる芳香族エステル化合物は、芳香族環を有することで耐熱性が高くなる傾向にある。これらの中でも、後者の芳香族エステル化合物が好ましい。
前記芳香族カルボン酸としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルプロパン、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン酸等の芳香族化合物の水素原子の2〜4個をカルボキシル基で置換した芳香族カルボン酸が好ましい。前記芳香族ヒドロキシ化合物としては、前記芳香族化合物の水素原子の1個を水酸基で置換した1価フェノール、又は、前記芳香族化合物の水素原子の2〜4個を水酸基で置換した多価フェノールが好ましい。活性型エステル基含有化合物としては、該芳香族カルボン酸と該芳香族ヒドロキシ化合物との混合物を原材料として、芳香族カルボン酸とフェノール性水酸基との縮合反応にて得られる芳香族エステルが好ましくは使用される。
活性型エステル基含有化合物としては、市販品としても入手可能である。市販品としては、例えば、EXB−9460、EXB−9460S、EXB−9480、EXB−9420(いずれもDIC株式会社製、商品名)、BPN80(三井化学株式会社製、商品名)等が挙げられる。
活性型エステル基含有化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が挙げられる。硬化剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤としては、特に制限されないが、例えば、クレゾールノボラック型硬化剤、ビフェニル型硬化剤、フェノールノボラック型硬化剤、ナフチレンエーテル型硬化剤、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤等が好ましく挙げられる。
フェノール系硬化剤の市販品としては、例えば、KA−1160、KA−1163、KA−1165(いずれもDIC株式会社製、商品名)等のクレゾールノボラック型硬化剤;MEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(いずれも明和化成株式会社製、商品名)等のビフェニル型硬化剤;TD2090(DIC株式会社製、商品名)等のフェノールノボラック型硬化剤;EXB−6000(DIC株式会社製、商品名)等のナフチレンエーテル型硬化剤;LA3018、LA7052、LA7054、LA1356(いずれもDIC株式会社製、商品名)等のトリアジン骨格含有フェノール系硬化剤などが挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、特に制限はないが、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール類及びその誘導体;ホスフィン類及びホスホニウム塩、第三級ホスフィンとキノン類との付加物等の有機リン系化合物;第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩などが挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤としては、例えば、銅箔との接着性及び難燃性の観点から、イミダゾール化合物及びその誘導体が好ましい。
イミダゾール化合物及びその誘導体の具体例としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−1−メチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−エチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチル−4'−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン等のイミダゾール化合物;1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等の、前記イミダゾール化合物とトリメリト酸との塩;前記イミダゾール化合物とイソシアヌル酸との塩;前記イミダゾール化合物と臭化水素酸との塩などが挙げられる。イミダゾール化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、マイカ、カオリン、ベーマイト、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、炭酸アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー(焼成クレー)、ガラス短繊維、ガラス粉、中空ガラスビーズ等が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく使用される。ガラスとしては、Eガラス、Tガラス、Dガラス等が好ましく挙げられる。これらの中でも、樹脂層の熱膨張率低減の観点から、シリカ、アルミナが好ましく、シリカがより好ましい。
前記シリカとしては、例えば、湿式法で製造され含水率の高い沈降シリカと、乾式法で製造され結合水等をほとんど含まない乾式法シリカが挙げられる。乾式法シリカとしては、さらに、製造法の違いにより破砕シリカ、フュームドシリカ、溶融シリカ(溶融球状シリカ)が挙げられ、これらの中でも、フュームドシリカが好ましい。
無機充填材は、耐湿性を向上させるためにシランカップリング剤等の表面処理剤で表面処理されていてもよく、分散性を向上させるために疎水性化処理されていてもよい。
平均一次粒子径が100nm以下の無機充填材の市販品としては、例えば、AEROSIL R972(比表面積=110±20m2/g、平均一次粒子径≒16nm)、AEROSIL R202(比表面積=100±20m2/g、平均一次粒子径≒14nm)[以上、日本アエロジル株式会社製、商品名];PL−1(比表面積=181m2/g、平均一次粒子径=15nm)、PL−7(比表面積=36m2/g、平均一次粒子径=75nm)[以上、扶桑化学工業株式会社製、商品名];AL−A06(比表面積=55m2/g、平均一次粒子径=31nm)[CIKナノテック株式会社製、商品名]等がある。
該有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶剤;ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶剤などが挙げられる。これらの中でも、溶解性及び塗布後の外観の観点から、ケトン系溶剤が好ましく、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンがより好ましい。
有機溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
波長400〜700nmにおける光透過率が80%以上であれば、目視において透明性に優れた柔軟性シートと言える。前記光透過率は、好ましくは83%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは88%以上、特に好ましくは90%以上である。
本発明の柔軟性シートは、図1を用いて説明すると、透明絶縁フィルム1上に前記樹脂層2を形成することで得られる。該樹脂層の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、絶縁フィルム上に前記樹脂組成物の層を形成し、樹脂組成物を硬化させて樹脂層とすることにより、本発明の柔軟性シートが得られる。
特に制限されるわけではないが、本発明の柔軟性シートの製造方法は、より具体的には、
(a−1)前記樹脂組成物を透明絶縁フィルムに塗布する工程、
(a−2)前記樹脂付キャリアフィルムを透明絶縁フィルムにラミネートする工程、又は
(a−3)前記樹脂付キャリアフィルムと透明絶縁フィルムとをプレスする工程、
等を有する。
前記樹脂付キャリアフィルムを透明絶縁フィルムにラミネートする工程(a−2)においては、例えば、Bステージ化した樹脂組成物を、真空加圧ラミネータ積層装置を用いて透明絶縁フィルム上に積層する方法が挙げられる。真空加圧ラミネータ積層装置を用いる場合、温度50〜190℃程度、圧力0.2〜20MPaであることが好ましい。
前記樹脂付キャリアフィルムと透明絶縁フィルムとをプレスする工程(a−3)においては、例えば、圧縮成形機を用いて、Bステージ化した樹脂組成物と透明絶縁フィルムとをプレスする方法が挙げられる。
熱硬化処理する工程は、後のめっき処理及び導体層のアニール処理等を考慮した温度及び時間で実施することができる。後のめっき処理時に導体層との接着性がより良好となり、めっき処理時におけるアルカリ処理液への浸食がより抑えられるような硬化度の樹脂層を得られるという観点から、例えば、150〜190℃で30〜90分間程度の熱硬化処理を施すことが好ましく、165〜190℃で40〜80分程度の熱硬化処理を施すことがより好ましい。
ビアホールは、層間の電気接続のために設けられ、樹脂層の特性を考慮して、ドリル、レーザー、プラズマ等を用いる公知の方法により形成することができる。なお、キャリアフィルムが存在する場合は、例えば、キャリアフィルム上からレーザー光を照射することにより、樹脂層にビアホールを形成することができる。
レーザー光源としては、例えば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。中でも、加工速度及び製造コストの観点から、炭酸ガスレーザーが好ましい。
穴開け加工は、市販されているレーザー装置を用いて実施することができる。市販されている炭酸ガスレーザー装置としては、例えば、ビアメカニクス株式会社製の「LC−2E21B/1C」、三菱電機株式会社製の「ML605GTWII」、松下溶接システム株式会社製の基板穴あけレーザー加工機等が挙げられる。
酸化性粗化液としては、例えば、クロム/硫酸粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液(過マンガン酸ナトリウム粗化液等)、フッ化ナトリウム/クロム/硫酸粗化液等を用いることができる。また、酸化性粗化液で処理する際、溶媒又はアルカリ液、あるいは、これらの混合物液(一般的には、膨潤液又はプリディップ液)に浸した後、酸化性粗化液で処理してもよい。上記溶媒としては、アルコール系の溶媒(ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、イソプロピルアルコール等)が使用できる。また、アルカリ液は、水に溶解した際にアルカリ性を示す液であれば特に制限はなく、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等が使用できる。さらに、溶媒又はアルカリ液を混合してもよく、例えば、水酸化ナトリウム及びジエチレングリコールモノブチルエーテルを含む溶液を使用できる。該デスミア処理工程は、後述する透明フレキシブルプリント配線板の製造工程にて行ってもよい。
すなわち、デスミア処理を行わないか、又は、柔軟性シート表面にキャリアフィルムを付けたままデスミア処理を行う等、柔軟性シート表面と粗化液が接触しない実施形態であれば、柔軟性シート表面の凹凸が大きくなることを防ぐことができる。
本発明は、前記柔軟性シートを含有してなる透明フレキシブルプリント配線板をも提供する。該透明フレキシブルプリント配線板は、本発明の柔軟性シートに回路パターンを形成したものである。該透明フレキシブルプリント配線板の製造方法は、下記工程を有することが好ましい。
(1)前記柔軟性シートに紫外線を照射する工程。
(2)前記工程(1)を経た柔軟性シート上に無電解めっきにより導体層を形成する工程。
(3)前記工程(2)の後、電解めっきにより回路パターンを形成する工程。
なお、前記工程(2)で形成される導体層及び前記工程(3)で形成される回路パターンは透明であってもよいし、透明でなくてもよい。すなわち、本発明における透明フレキシブルプリント配線板は、回路パターンが形成されていない部分の波長400〜700nmにおける光透過率が80%以上であるものを指す。
以下、各工程について説明する。
工程(1)では、柔軟性シートに対して紫外線を照射する。柔軟性シートは、従来、過マンガン酸ナトリウム等の粗化液を用いて凹凸形状を形成することによって導体層に対する接着性を高めてきたが、本発明においては、当該工程(1)により、たとえ粗化液を用いずとも、導体層に対する高い接着性を付与することができる。粗化液を用いた凹凸形状の形成を行わずに当該工程(1)を経た場合には凹凸形状が小さくなるため、より細い配線を安定して形成することができ、好ましい。すなわち、さらなる微細配線化が可能である。また、該粗化処理(デスミア処理)を行わない場合、配線形成の歩留まりの低下を抑えることができると共に、粗化液の使用による水洗処理及び廃液処理をなくすことができ、製造コストの観点からも有利である。
生産性の観点からは、紫外線照射装置はコンベア式であることが好ましい。紫外線ランプとして、最大波長が300〜450nmの範囲を有するものとして、例えば、水銀ショートアークランプ、高圧水銀ランプ、毛細管型超高圧ランプ、高圧ランプ、メタルハライドランプ等を用いることができる。これらのランプにおいて、紫外線の波長が全域で広いメタルハライドランプが好ましい。紫外線の積算光量が1,000mJ/cm2以上であれば、酸化性粗化液で樹脂層を処理しなくても導体層との接着性が満足のいく程度となる傾向にあり、一方、積算光量が5,000mJ/cm2以下であれば、導体層との接着性が十分であり、経済的にも有利となる傾向にある。同様の観点から、積算光量は、2,000〜4,000mJ/cm2がより好ましく、2,500〜4,000mJ/cm2がさらに好ましい。
工程(2)では、前記工程(1)を経た柔軟性シートに無電解めっきを施して導体層(一般的に、めっきシード層とも称される。)を得る。例えば、まず、前記柔軟性シートを塩化第1錫の塩酸水溶液に浸漬して中和処理を行い、さらに、パラジウムを付着させるめっき触媒付与処理を行う。めっき触媒付与処理は、例えば、塩化パラジウム系のめっき触媒液に浸漬することにより行われる。次に、無電解めっき液に浸漬することにより、厚さが0.3〜1.5μm程度の無電解めっき層をめっき触媒上に析出させる。無電解めっき処理に使用する無電解めっき液は、公知の無電解めっき液を使用することができ、特に制限はない。
工程(3)は、工程(2)において無電解めっきにより柔軟性シートの表面に形成された導体層(以下、「導体層A」と称することがある。)の表面上に電解めっきを施すことにより導体層Bを得、回路パターン3(図1参照)を形成する工程である。
電解めっき処理は、公知の方法により行うことが可能であり、特に制限はない。導体層Bに使用する導体材料に特に制限はなく、例えば、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ、インジウム等が挙げられる。導体層Bは、単金属層であっても合金層であってもよい。該合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金から形成された層が挙げられ、具体的には、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金から形成された層等が挙げられる。
導体層Bの厚さは、所望の透明フレキシブルプリント配線板のデザインによるが、一般的に、3〜35μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。
まず、工程(2)において行った無電解めっきにより柔軟性シートの表面に形成された導体層A(めっきシード層)上に、所望の回路パターンに対応して導体層Aの一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出した導体層A上に、電解めっきにより金属層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要な導体層Aをエッチング等により除去して、所望の回路パターンを有する導体層Bを形成することができる。
本発明においては、表面平滑性に優れる柔軟性シートを形成することができることから、柔軟性シート上に微細な回路パターンを形成することができる。
各例で作製した評価基板の導体層の一部を銅エッチング液「過硫酸アンモニウム(APS)」(三菱ガス化学株式会社製)によりエッチング処理して、幅10mm、長さ100mmの回路パターンを形成し、回路パターンの一端を回路パターンと樹脂層の界面で剥がしてつかみ具でつかみ、「オートグラフAG−100C」(株式会社島津製作所製)を用いて、室温で垂直方向に引張り速度50mm/分で引き剥がした時の荷重を測定し、接着性の指標とした。値が大きいほど、金属薄膜との接着性に優れる。
各例で得た評価基板の導体層をエッチング処理によって除去し、露出した樹脂層の表面粗さ(Ra)を、高精度3次元表面形状粗さ測定システム「Wyko NT9100」(Veeco社製)を用いて下記測定条件にて測定した。なお、樹脂層を設けなかった比較例においては、露出した透明絶縁フィルムの表面粗さを測定した。
−表面粗さの測定条件−
内部レンズ:1倍
外部レンズ:50倍
測定範囲:0.120×0.095mm
測定深度:10μm
測定方式:垂直走査型干渉方式(VSI方式)
各例で得た評価基板の導体層をエッチング処理によって除去し、露出した部位の光透過率を、分光光度計「U−2900型分光光度計」(株式会社日立ハイテクフィールディングス製)を用いて測定し、下記評価基準に従って評価した。
A:波長400〜700nmにおいて光透過率が80%以上である。
C:波長400〜700nmにおいて光透過率が80%未満である。
(1)樹脂組成物の調製
(1−i)エポキシ樹脂の合成
温度計及び撹拌機を取り付けたフラスコに、ビスフェノールA228g(1.00モル)と1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル170g(1.00モル)とを仕込み、120℃まで1時間要して昇温した後、120℃で6時間反応させて透明半固形の変性多価フェノール類398gを得た。
次に、温度計、滴下ロート、冷却管及び撹拌機を取り付けたフラスコに、上記変性多価フェノール類398g、エピクロルヒドリン925g(10モル)及びn−ブタノール185gを仕込み溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49質量%水酸化ナトリウム水溶液122g(1.5モル)を5時間かけて滴下した。次いで、この条件下で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸で留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離して、水相を除去し、有機相を反応系内に戻しながら反応させた。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させた。得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン1,000gとn−ブタノール100gとを加え、溶解した。さらに、得られた溶液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液20gを添加して80℃で2時間反応させた後、300gの水で水洗を3回繰り返した。次いで、共沸によって系内を脱水し、精密ろ過を経た後に溶媒を減圧下で留去して、透明液体のエポキシ樹脂425g(エポキシ当量:403g/eq)を得た。
(1−ii)樹脂組成物(樹脂ワニスA)の調製
上記(1−i)で作製したエポキシ樹脂50質量部と、活性型エステル基含有樹脂「EXB−9460S」(DIC株式会社、エステル当量:223g/eq)25質量部と、シリカフィラー「AEROSIL R972」(日本アエロジル株式会社製、比表面積:110±20m2/g)6質量部と、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート「2PZ−CNS」(四国化成工業株式会社製)0.15質量部とを加え、溶媒であるメチルエチルケトン120質量部に溶解させた後、分散機「ナノマイザー」(吉田機械興業株式会社製)を用いて分散させ、樹脂ワニスAを得た。
透明絶縁フィルムとして、厚み16μmの透明ポリイミドフィルム「ネオプリム」(三菱ガス化学株式会社製)を用意した。前記透明ポリイミドフィルム上に、ダイコ−ターを用いて樹脂ワニスAを塗布し、100℃10分間乾燥させ、厚み3μmの樹脂層を形成した。
その後、さらに180℃で60分加熱処理を行い、柔軟性シートを得た。
(3−1)紫外線照射処理
上記により得られた柔軟性シートに対し、コンベア式紫外線照射装置を用いて、メタルハライドランプ(最大波長:350〜380nm)にて、積算光量が3,000mJ/cm2になるように紫外線を照射した。
無電解めっきの前処理として、コンディショナー液「CLC−601」(日立化成株式会社製)に、上記(1)で得られた柔軟性シートを60℃で5分間浸漬した後、水洗し、プリディップ液「PD−201」(日立化成株式会社製)に室温にて2分間浸漬した。次に、PdCl2を含む無電解めっき用触媒である「HS−202B」(日立化成株式会社製)に、室温で10分間浸漬処理した後、水洗し、無電解銅めっき液である「CUST−201めっき液」(日立化成株式会社製)に室温にて15分間浸漬し、無電解めっき処理を行った。さらに、硫酸銅溶液を用いて硫酸銅電解めっきを行った。
その後、アニール処理を170℃で30分間行い、樹脂層の表面上に厚さ20μmの導体層を形成し、透明フレキシブルプリント配線板用の評価基板を作製し、前記方法に従って、金属薄膜との接着性、表面粗さ、光透過率を測定及び評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、厚み16μmの透明ポリイミドフィルムの代わりに、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム「G2」(帝人デュポン株式会社製)を使用したこと以外は同様にして、透明フレキシブルプリント配線板用の評価基板を作製し、前記方法に従って、金属薄膜との接着性、表面粗さ、光透過率を測定及び評価した。結果を表1に示す。
実施例2において、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に樹脂層を形成しなかったこと以外は同様にして、透明フレキシブルプリント配線板を作製し、前記方法に従って、金属薄膜との接着性、表面粗さ、光透過率を測定及び評価した。結果を表1に示す。
実施例1において、透明ポリイミドフィルム上に樹脂層を形成しなかったこと以外は同様にして、透明フレキシブルプリント配線板を作製し、前記方法に従って、金属薄膜との接着性、表面粗さ、光透過率を測定及び評価した。結果を表1に示す。
(1)樹脂組成物(樹脂ワニスB)の調製
ビフェニルアラルキルノボラック型エポキシ樹脂「NC3000」(日本化薬株式会社製、エポキシ当量275g/eq)16.28gをメチルエチルケトン36.35gへ配合した。これに、フェノールノボラック樹脂「フェノライト(登録商標)TD−2131」(DIC株式会社製、水酸基当量104g/eq)1.33g及びアミノトリアジン変性ノボラック型フェノール樹脂「フェノライト(登録商標)LA3018−50P」(DIC株式会社製)6.66gを加え、さらに、シリカ「SO−C2」(株式会社アドマテックス製、平均粒子径;0.5μm)の表面をアミノシラン系カップリング剤「KBM−573」(信越シリコーン社製)で処理した後にメチルエチルケトン中に分散させたシリカスラリー38.2g(固形分濃度:35質量%) を加えた。これに、トリフェニルホスフィン1.4−ベンゾキノン付加体「P2」(北興化学工業株式会社製)0.05g、レベリング剤として「BYK310」(ビックケミー社製)0.42g及び酸化防止剤として「ヨシノックスBB」(三菱化学株式会社製)0.081gを加えた後、分散機「ナノマイザー」(吉田機械興業株式会社製)を用いて混合し、樹脂ワニスBを得た。
透明絶縁フィルムとして、厚み16μmの透明ポリイミドフィルム「ネオプリム」(三菱ガス化学株式会社製)上に、樹脂ワニスBを塗布し、80℃で5分間乾燥させ、厚み3μmの樹脂層を形成した。
その後、さらに180℃で60分加熱処理を行い、シートを得た。該シートは、透明フレキシブルプリント配線板用として利用するには柔軟性が不足していた。
(3−1)表面粗化
上記(2)で得たシートの表面を化学粗化するために、膨潤液であるジエチレングリコールモノブチルエーテル(200mL/L)及びNaOH(5g/L)を含む水溶液に70℃で5分間浸漬処理した後、粗化液であるKMnO4(60g/L)及びNaOH(40g/L)を含む水溶液に70℃で15分間浸漬処理した。
その後、粗化された樹脂層付き透明ポリイミドフィルムを中和液であるSnCl2(30g/L)及びHCl(300mL/L)を含む水溶液に室温で5分間浸漬処理して中和した。
樹脂層上に導体層を形成するために、上記(3−1)で粗化された樹脂層付き透明ポリイミドフィルムを、まず、PdCl2を含む無電解めっき用触媒である「アクチベーターネオガント834」(アトテック・ジャパン社製、ネオガントは登録商標)に35℃で5分間浸漬した後、無電解銅めっき液である「プリントガント(登録商標)MSK−DK」(アトテック・ジャパン社製)に室温で15分間浸漬して、接着層上に無電解めっき層を形成した。次いで、硫酸銅電解めっき液を用いて、電解めっき処理を行い、無電解めっき層上に電解めっき層を形成した後、180℃で60分間アニールを行った。これにより、厚さ20μmの導体層を形成することによって評価基板を作製し、前記方法に従って、金属薄膜との接着性、表面粗さ、光透過率を測定及び評価した。結果を表1に示す。
一方、該樹脂層を有していない透明絶縁フィルムを用いた比較例1及び比較例2では、金属薄膜との接着性が低い。
また、比較例3は、樹脂ワニスBから作製された樹脂層を有する透明絶縁フィルムを用いたため、接着性を高めるために表面粗化をする必要があり、表面粗さが大きくなった。これは、微細配線をする観点からは好ましくない結果であると言える。さらに柔軟性及び光透過率が低く、透明フレキシブルプリント配線板の作製には不適切である。
2 樹脂層
3 回路パターン
Claims (7)
- 透明絶縁フィルムと、エポキシ樹脂及び活性型エステル基含有化合物を含有してなる樹脂層とを有し、波長400〜700nmにおける光透過率が80%以上である柔軟性シート。
- 前記エポキシ樹脂が、炭素数3以上のアルキレングリコールに由来する構造単位を有する、請求項1に記載の柔軟性シート。
- 前記樹脂層が、さらに平均一次粒子径100nm以下の無機充填材を含有する、請求項1又は2に記載の柔軟性シート。
- (a−1)エポキシ樹脂及び活性型エステル基含有化合物を含有する樹脂組成物を透明絶縁フィルム上に塗布する工程、
(a−2)樹脂付キャリアフィルムを透明絶縁フィルムにラミネートする工程、又は
(a−3)樹脂付キャリアフィルムと透明絶縁フィルムとをプレスする工程、
を有する、柔軟性シートの製造方法。 - さらに、(b)熱硬化処理する工程を有する、請求項4に記載の柔軟性シートの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の柔軟性シートを含有してなる透明フレキシブルプリント配線板。
- (1)請求項1〜3のいずれか1項に記載の柔軟性シートに紫外線を照射する工程、
(2)前記工程(1)を経た柔軟性シート上に無電解めっきにより導体層を形成する工程、
(3)前記工程(2)の後、電解めっきにより回路パターンを形成する工程、
を有する、透明フレキシブルプリント配線板の製造方法。
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