JPH06346290A - 塗装方法 - Google Patents

塗装方法

Info

Publication number
JPH06346290A
JPH06346290A JP16636793A JP16636793A JPH06346290A JP H06346290 A JPH06346290 A JP H06346290A JP 16636793 A JP16636793 A JP 16636793A JP 16636793 A JP16636793 A JP 16636793A JP H06346290 A JPH06346290 A JP H06346290A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
coating film
acid
component
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16636793A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahisa Kasukawa
高久 粕川
Hiroshi Ichinose
浩 一ノ瀬
Toshio Fujibayashi
俊生 藤林
Masafumi Kume
政文 久米
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP16636793A priority Critical patent/JPH06346290A/ja
Publication of JPH06346290A publication Critical patent/JPH06346290A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 水酸基及びカチオン性基を有する樹脂と、特
定のノボラック置換フェノール型エポキシ樹脂を主成分
として含有するカチオン電着塗料を被塗物に電着塗装
し、形成される塗膜をその最小熱溶融粘度が105〜1
7センチポイズになるまで加熱した後、加熱を中断
し、そして必要により中塗り塗料及び/又は上塗り塗料
を塗装した後、再度加熱して塗膜を硬化せしめることか
らなる塗装方法。 【効果】 平滑性に優れ、しかも被塗物の切断面の角
部、折り曲げ角部、突起部などのエッジ部分にも肉厚な
塗膜を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カチオン電着塗料を使
用し、平滑性に優れ、しかも被塗物の切断面の角部、折
り曲げ角部、突起部などのエッジ部分にも肉厚な塗膜を
形成しうる塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】エポキシ樹脂にアミノ化合物
を反応させてなるポリアミン樹脂とブロックポリイソシ
アネート化合物とを主成分として含有するカチオン電着
塗料は、その優れた防食性により、自動車ボデーなどの
下塗りに巾広く採用されている。しかしながら、該カチ
オン電着塗料を用いて形成される塗膜は一般に焼付硬化
時の熱溶融粘度が低いので平滑性に優れているが、その
反面焼付中にエッジ部で素地が露出し易く、エッジ部に
は硬化塗膜が殆んどもしくは全く形成されず、防錆性
(エッジカバー性)が著しく劣るという欠点がある。
【0003】これまで、カチオン電着塗装でエッジ部に
肉厚な硬化塗膜を形成させるために、電着塗料に顔料を
多量配合したり、レオロジーコントロール剤を配合する
等の種々の試みがなされてきたが、いずれもエッジカバ
ー性が向上する反面、電着塗膜の塗面平滑性と低下する
傾向にあり、特に電着塗装と上塗塗装からなる2コート
方式での平滑性とエッジカバー性を両立させることが困
難である。
【0004】また、1回目にエッジカバー用電着塗装を
行ない、2回目に仕上り用電着塗装を行なう2回電着塗
装する試みもあるが、電着塗装設備の新設又は更新が必
要であり、既存の設備では対応できない等の問題があ
る。
【0005】従って、1回の電着塗装で上記問題点を解
決できる技術の開発が強く望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
1回の電着塗装方式で、平滑性およびエッジカバー性の
すぐれた塗膜を形成しうる方法について鋭意研究を行な
った。
【0007】その結果、塗膜の焼付硬化時の加熱減量の
少ないカチオン電着塗料を使用し、かつ該塗膜の焼付中
の最小熱溶融粘度を105〜107センチポイズに維持す
ることによって、上記目的を達成できることを見い出
し、本発明を完成するに至った。かくして、本発明は、
(A)水酸基およびカチオン性基を有する樹脂、及び
(B)下記一般式(I)
【0008】
【化2】
【0009】式中、R1およびR2は水素原子、炭素数1
〜8のアルキル基、芳香族基およびハロゲン原子から選
ばれる同一または相異なる基であり、R3は炭素数1〜
10のアルキル基、芳香族基、アリル基およびハロゲン
原子から選ばれる同一または相異なる基であり、R4
水素原子および炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる
同一または相異なる基であり、R5は水素原子、炭素数
1〜10のアルキル基、芳香族基、アリル基およびハロ
ゲン原子から選ばれる同一または相異なる基であり、n
は0〜38の整数であり、そして式中のベンゼン環の少
なくとも一部はナフタレン環に置換されていてもよい、
で示されるノボラック置換フェノール型エポキシ樹脂を
主成分として含有するカチオン電着塗料を被塗物に塗装
し、形成される塗膜をその最小熱溶融粘度が105〜1
7センチポイズになるまで加熱した後、加熱を中断
し、そして必要に応じて、該塗面に中塗り塗料および/
または上塗り塗料を塗装した後、再度加熱して塗膜を架
橋硬化せしめることを特徴とする塗装方法を提供するも
のである。
【0010】さらに、本発明は、上記塗装方法を用いて
塗装された塗装製品を提供するものである。
【0011】本発明で使用するカチオン電着塗料の塗膜
は、上記(A)成分の水酸基と(B)成分のエポキシ基
との開環架橋反応によって硬化するものと思われ、その
反応機構からみて副生物の発生が殆どなく、塗膜硬化時
の加熱減量は通常約2重量%以下であって、ブロックポ
リイソシアネート化合物を硬化剤とする前記電着塗料の
それが約10重量%以上であるのと比較して極めて少な
い。このように副生物の発生がなく、加熱減量が少ない
と、塗膜収縮が小さくなり、架橋硬化反応が均一に行わ
れるので、形成される塗膜の表面は平滑性にすぐれてい
る。
【0012】本発明では、かかるカチオン電着塗料を使
用し、かつ塗膜の加熱硬化を2段階で行うことが重要で
ある。すなわち、前段では塗膜の最小熱溶融粘度が10
5〜107センチポイズの範囲内になるまで加熱する。本
発明で使用するカチオン電着塗料は、硬化途中で、塗膜
溶融最低粘度がこの範囲内あると、形成される塗膜の平
滑性およびエッジカバー性の両者がすぐれたものとなる
ことが判明した。
【0013】一方、ブロックポリイソシアネート化合物
を硬化剤とする前記従来の電着塗料では、加熱すると、
ブロック剤が解離しない状態では塗膜溶融粘度が急激に
低下するので、溶融粘度を上記範囲内に調整することは
困難であり、仮にそれが可能であっても、再度加熱する
とさらに粘度が低下してエッジカバー性の良好な塗膜す
ることはできない。
【0014】本発明において、塗膜溶融最低粘度が上記
範囲内に到達すると塗膜の加熱を中断し、塗膜温度を下
げ、その後、再度加熱して塗膜を完全硬化せしめること
が必要である。塗膜の加熱を中断した後再度加熱する
と、塗膜の溶融粘度は加熱前より低下するが、上記範囲
より低下せず、やがて上昇して完全硬化するので、平滑
性およびエッジカバー性のすぐれた電着塗膜を形成でき
ることが判明した。
【0015】一方、本発明で使用するカチオン電着塗料
を用いて形成される塗膜を、加熱を中断せず1段階で硬
化させると、塗膜最小熱溶融粘度が105センチポイズ
より小さくなって、塗膜のエッジカバー性が低下するの
で好ましくない。
【0016】以下、本発明で使用するカチオン電着塗料
の成分について説明する。
【0017】(A)成分:1分子中に水酸基およびカチ
オン性基を有する樹脂 該樹脂は、後述する(B)成分中のエポキシ基と反応し
うる水酸基と、安定な水分散物を形成するのに必要なカ
チオン性基とを有するものであり、具体的には次に例示
するものが挙げられる。
【0018】 ポリエポキシ樹脂とカチオン化剤とを
反応せしめて得られる生成物。
【0019】 ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮
合物(米国特許第2450940号明細書参照)を酸で
プロトン化したもの。
【0020】 ポリオールとモノまたはポリアミンと
の重付加物を酸でプロトン化したものに、さらにポリイ
ソシアネート化合物を加えてなる組成物。
【0021】 水酸基およびアミノ基含有アクリル系
またはビニル系樹脂を酸でプロトン化したもの(特公昭
45−12395号公報、特公昭45−12396号公
報参照)。
【0022】 ポリカルボン酸樹脂とアルキレンイミ
ンとの付加物を酸でプロトン化したもの(米国特許第3
403088号明細書参照)。
【0023】これらの樹脂の詳細および製造法について
は、たとえば、特公昭45−12395号公報、特公昭
45−12396号公報、特公昭49−23087号公
報、米国特許第2450940号明細書、米国特許第3
403088号明細書、米国特許第3891529号明
細書、米国特許第3963663号明細書などに記載さ
れているので、ここではこれらの引用をもって詳細な説
明に代える。
【0024】本発明において、好適な(A)成分は、下
記構造式(II)
【0025】
【化3】
【0026】で示されるエポキシ基含有官能基を1分子
中に少なくとも3個有するエポキシ樹脂(A−1)、第
1級水酸基を1分子中に少くとも1個有するアミン化合
物(A−2)およびフェノール性水酸基を1分子中に少
なくとも1個有するフェノール化合物(A−3)を反応
させて得られる樹脂である。
【0027】以下、(A)成分として上記好適な樹脂の
製造に使用される(A−1)、(A−2)および(A−
3)成分についてさらに説明する。
【0028】(A−1)成分:上記構造式(II)で示
されるエポキシ基含有官能基を1分子中に少なくとも3
個有するエポキシ樹脂 該(A−1)成分としては、例えば、特開昭60−17
0620号公報、特開昭62−135467号公報、特
開昭60−166675号公報、特開昭60−1619
73号公報などに記載されているそれ自体既知のものを
使用することができる。
【0029】さらに、該(A−1)成分には、上記構造
式(II)の末端に重合開始成分の残基、つまり活性水
素含有有機化合物残基が結合しているものも包含され、
その前駆体である活性水素含有有機化合物としては、例
えば、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類、ア
ミン類、チオール類等があげられる。このうち、アルコ
ール類としては、1価アルコールならびに2価以上の多
価アルコールのいずれであってもよく、具体的にはメタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペン
タノール。ヘキサノール、オクタノール等の脂肪族1価
アルコール;ベンジルアルコールのような芳香族1価ア
ルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、オキシビバリン酸ネオペンチルグリコ
ールエステル、シクロヘキサンジメタノール、グリセリ
ン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコール等が
例示される。
【0030】フェノール類としては、例えば、フェノー
ル、クレゾール、カテコール、ビロガロール、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、4,4′−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、ビスフェノールS、フェノール樹脂、
クレゾールノボラック樹脂等が挙げられる。
【0031】カルボン酸類としては、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、動植物油の脂肪酸;フマル酸、マレイ
ン酸、アジピン酸、ドデカン二酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、ポリアクリル酸、フタール酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸等を例示することができ、また、乳
酸、クエン酸、オキシカプロン酸等の水酸基とカルボキ
シル基を共に有する化合物も使用することができる。
【0032】さらにその他、活性水素を有する化合物と
して、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分加
水分解物、デンプン、セルロース、セルロースアセテー
ト、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエチ
ルセルロース、アリルポリオール樹脂、スチレン−アリ
ルアルコール共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、アルキッド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポ
リカプロラクトンポリオール樹脂等も使用することがで
きる。また、活性水素を有する化合物は、活性水素と共
にその骨格中に不飽和二重結合を有していてもよく、さ
らに該不飽和二重結合がエポキシ化された構造のもので
あってもさしつかえない。
【0033】(A−1)成分は、例えば、上記活性水素
含有有機化合物を開始剤とし、4−ビニルシクロヘキセ
ン−1−オキサイドを単独で、またはこれと他のエポキ
シ基含有化合物との併存下において、それぞれに含まれ
るエポキシ基による開環(共)重合を行なわしめてポリ
エーテル樹脂を形成せしめ、次いで該樹脂中の側鎖に存
在する4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドに基
づくビニル基を過酸類やハイドロパーオキサイド類など
の酸化剤でエポキシ化し、前記構造式(II)で示され
る官能基を形成することによって得ることができる。
【0034】4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイ
ドは例えば、ブタジエンの2量化反応によって得られる
ビニルシクロヘキセンを過酢酸によって部分エポキシ化
することによって得ることができる。
【0035】共重合せしめうる他のエポキシ基含有化合
物としては、エポキシ基を有する化合物であれば特に制
限はないが、製造上、1分子中に1個のエポキシ基を有
する化合物が好ましく、具体的には、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、
【0036】
【化4】 (式中、nは2〜25である)等のα−オレフィンエポ
キサイド;スチレンオキサイド等の不飽和化合物の酸化
物;アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグ
リシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチル
グリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等の
水酸基を有する化合物のグリシジルエーテル;脂肪酸の
ような有機酸のグリシジルエステルなどを挙げることが
できる。
【0037】さらに、使用しうる他のエポキシ基含有化
合物には、不飽和結合を有する脂環式オキシラン基含有
ビニル単量体が包含される。
【0038】4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイ
ド単独でまたは他のエポキシ基含有化合物の併存下での
エポキシ基の開環(共)重合反応は、活性水素含有有機
化合物の存在下で、しかも触媒を用いて行うことが好ま
しく、使用しうる触媒としては、例えば、メチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ピペラジン等のア
ミン類;ピリジン類、イミダゾール類等の有機塩基類;
ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類;硫酸、塩酸等
の無機酸類;ナトリウムメチラート等のアルカリ金属ア
ルコラート類;KOH、NaOH等のアルカリ類;BF
3ZnCl2、AlCl3、SnCl4等のルイス酸又はそ
のコンプレックス類;トリエチルアルミニウム、ジエチ
ル亜鉛等の有機金属化合物などを挙げることができる。
【0039】これらの触媒は反応物に対して0.001
〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲内で
使用することがてきる。開環(共)重合反応温度は一般
に−70℃〜200℃、好ましくは−30℃〜100℃
とすることができる。反応は溶媒を用いて行なうことが
でき、溶媒としては活性水素を有していない通常の有機
溶媒を使用することが好ましい。
【0040】このようにして得られるポリエーテル樹脂
(開環(共)重合体)の側鎖に含まれるビニル基をエポ
キシ化することによって前記構造式(II)で示される
官能基を形成せしめることができ、(A−1)成分が得
られる。エポキシ化は過酸類、ハイドロパーオキサイド
類等を用いて行なうことができる。過酸類としては、例
えば過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、トルフルオロ過酢酸
等を、そしてハイドロパーオキサイド類としては、例え
ば過酸化水素、tert−ブチルパーオキサイド、クメ
ンパーオキサイド等を用いることができる。エポキシ化
反応は必要に応じて触媒を用いて行なうことができる。
【0041】4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイ
ド単位中のビニル基がエポキシ化されることによって、
上記構造式(II)で示される官能基が生成する。この
エポキシ化反応において、他のエポキシ基含有化合物と
して前記脂環式オキシラン基含有化合物などが併存する
と、該化合物に含まれるビニル基もエポキシ化されるこ
ともあるが、これは前記構造式(II)とは異なる。エ
ポキシ化反応の際の溶媒使用の有無や反応温度は、用い
る装置や原料物性に応じて適宜調整することができる。
【0042】かかる(A−1)成分としては市販品も使
用可能であり、例えばEHPE3150(ダイセル化学
工業(株)製、商品名)があげられる。これは、4−ビ
ニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合体中の
ビニル基をエポキシ化したもので、重合度は平均4〜1
5である。
【0043】構造式(II)で表わされるエポキシ基含
有官能基の量は、(A−1)成分の1分子中3個以上有
していればよく、特に制限はないが、好ましくはエポキ
シ当量で140〜1000、より好ましくは170〜3
00の範囲内である。
【0044】(A−2)成分:第1級水酸基を1分子中
に少なくとも1個有する第1級もしくは第2級アミン化
合物 この成分は上記(A−1)成分と反応して(A−1)成
分に第1級水酸基と塩基性基とを導入するのに役立つ。
【0045】該(A−2)成分のアミノ基と(A−1)
成分中の構造式(II)で示されるエポキシ基含有官能
基中のエポキシ基との反応によって生成するカチオン性
樹脂中の第1級水酸基および塩基性基は、従来のビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂との反応によって生成する前
記のものと比べて、部分中和、高pHにおいても水分散
性およびつきまわり性が著しくすぐれており、しかも形
成される塗膜の硬化性や防食性などが低下することが全
くない。
【0046】(A−2)成分としては、次に例示する化
合物が挙げられる。
【0047】 モノエタノールアミン、モノプロパノ
ールアミン、モノブタノールアミンなどの第1級アルカ
ノールアミン。
【0048】 N−メチルエタノールアミン、N−エ
チルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジ−nま
たはiso−プロパノールアミン、ジブタノールアミン
などの第2級アルカノールアミン。
【0049】 上記第1級アルカノールアミンとα,
β−不飽和カルボニル化合物との付加物(第2級アルカ
ノールアミン)。例えば、モノエタノールアミンとN,
N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドとの付加
物、モノエタノールアミンとヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートとの付加物、モノエタノールアミンとヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレートとの付加物、モノ
エタノールアミンとヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ートとの付加物など。
【0050】 ヒドロキシエチルアミノエチルアミン
のような第1、2級アルカノールジアミン。
【0051】 ヒドロキシアミン、ヒドロキシエチル
ヒドラジンおよびヒドロキシエチルヒドラジンから選ば
れる1種以上とケトン化合物(例えば、ジメチルケト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ
ブチルケトン、ジプロピルケトンなど)との縮合物(第
2級アルカノールアミン)。
【0052】 下記一般式(III)で示される、1
分子中に1級水酸基、2級アミノ基およびアミド基が併
存するアミン化合物。
【0053】
【化5】 式中、nは1乃至6の整数であり、R11は水酸基および
/または重合性不飽和基を含有していてもよい炭素数4
〜36の炭化水素鎖を表わす。
【0054】このアミン化合物は、例えば、ほぼ1モル
のN−ヒドロキシアルキルアルキレンジアミンとほぼ1
モルの炭素数5〜37のモノカルボン酸とを脱水縮合反
応させることによって製造することができる。該ジアミ
ンとしては、例えば、ヒドロキシエチルアミノエチルア
ミン、N−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、N−
ヒドロキシエチルブチレンジアミン、N−ヒドロキシエ
チルペンチレンジアミン、N−ヒドロキシエチルヘキシ
レンジアミンなどが挙げられる。また、該モノカルボン
酸としては、例えば、椰子油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、
こめぬか油脂肪酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱
水ひまし油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、あまに油脂肪
酸、桐油脂肪酸などの混合脂肪酸、カプリル酸、カプリ
ン酸、ラウチン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リ
ノレイン酸、エレオステアリン酸、12−ヒドロキシス
テアリン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。
【0055】一般式(III)で示されるアミン化合物
を得るための上記ジアミンとモノカルボン酸との反応
は、例えば、該両成分をほぼ等モル比で混合し、トルエ
ンやメチルイソブチルケトンなどの有機溶媒を用いて規
定量の反応生成水を除去し、減圧法などで残存有機溶媒
を除去することによって得ることができる。かくして得
られるアミン化合物のアミン価(第2級アミン)は一般
に88〜350、特に120〜230の範囲内にあるの
が適しており、水酸基価(第1級水酸基)は一般に44
〜350、特に60〜230の範囲内にあるのが好まし
い。
【0056】上記(A−2)成分としての〜の化合
物において、、およびの第2級アルカノールアミ
ンが好ましい。とくに、一般式(III)で示されるヒ
ドロキシエチルアミノエチル脂肪酸アミドとジエタノー
ルアミンとを併用すると塗面の平滑性および耐蝕性が向
上するので好ましく、その際の両成分の比率は、該両成
分の合計重量にもとずいて、前者は30〜80重量%、
後者は20〜70重量%の範囲内にあるのが適してい
る。
【0057】(A−3)成分:フェノール性水酸基を1
分子中に少なくとも1個有するフェノール化合物 該フェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4′−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1−エタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−t
ert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス
(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロ
キシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニ
ル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,
1,2,2−エタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル
エーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の
多価フェノール化合物が挙げられる。さらに、フェノー
ル、ノニルフェノール、α−又はβ−ナフトール、p−
tert−オクチルフェノール、o−又はp−フェニル
フェノール等のモノフェノール化合物も使用することが
できる。
【0058】防食性のよりすぐれた塗膜を形成するため
には、(A−3)成分として、特に、ビスフェノールA
〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパ
ン〕ビスフェノールF〔ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2,2−メタン〕等のビスフェノール化合物から
誘導されるビスフェノール樹脂を用いることが好まし
い。該ビスフェノール樹脂のうち特に、数平均分子量が
少なくとも200、好適には約800〜約3,000の
範囲内にあり、しかも1分子あたり平均して2個以下、
好ましくは0.8〜1.2個のフェノール性水酸基を含有
する下記一般式(IV)で代表的に示されるものが適し
ている。
【0059】
【化6】
【0060】式中、qは平均して0〜7の整数であり、
15は活性水素含有化合物の残基である。
【0061】上記式中のR15の前駆体である活性水素含
有化合物としては、例えば、第2級アミンのようなアミ
ン類;フェニルフェノール、ノニルフェノールのような
フェノール類;脂肪酸のような有機酸;チオール類;ア
ルキルアルコール、セロソルブ、ブチルセロソルブ、カ
ービトールのようなアルコール類;無機酸等の化合物が
あげられ、このうち、最も好ましいのは第1級水酸基を
有する第2級アミンであるジアルカノールアミン;ノニ
ルフェノール、フェニルフェノール、フェノール、ハイ
ドロキノンモノメチルエーテルなどのフェノール類;ス
テアリン酸、オレイン酸、大豆油脂肪酸などの高級脂肪
酸;酢酸、ギ酸、ヒドロキシ酢酸などの有機酸などであ
る。
【0062】(A−3)成分としての上記式(IV)で
は、その各末端にR10−及び−OHがそれぞれ結合した
形で示されているが、両末端がR10−又は−OHのいず
れか一方だけであるものが混合して存在してもさしつか
えない。
【0063】(A−3)成分は、例えば、分子量が20
0以上、好適には380〜2,000の範囲内のビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル型のポリエポキシド約
1モルと、分子量が少なくとも200、好適には200
〜2,000の範囲内のビスフェノールA型のポリフェ
ノール約1モルと、活性水素を有する化合物、例えば第
2級ジアルカノールアミン約1モルとを必要であれば触
媒や溶媒の存在下で30〜300℃、好適には70〜1
80℃の温度で反応させることによっても得られる。こ
れらのモル比は単なる例示であって、これらに制限され
るものではなく、任意に選択することができる。
【0064】また、(A−3)成分には、ダイマージオ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよ
びブチレングリコールなどのポリオール類;ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレ
ングリコールなどのポリエーテルポリオール類;ポリカ
プロラクトンのようなポリエステルポリオール類;ポリ
カルボン酸類;ポリイソシアネート類;モノイソシアネ
ート類;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の不飽和化
合物の酸化物;アリルグリシジルエーテル、ポリプロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、2−エチルヘキ
シルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、
ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ
ル等の水酸基を有する化合物のグリシジルエーテル;脂
肪酸のような有機酸のグリシジルエステル;脂環式オキ
シラン含有化合物等を反応させて導入してもよく、更に
δ−4−カプロラクトン、アクリルモノマーなどをグラ
フト重合させたものも含まれる。
【0065】(A−1)成分と(A−2)成分と(A−
3)成分との反応は、通常の任意の方法で行なうことが
でき、その反応順序もまた特に制限されるものではな
い。反応は一般に50℃〜300℃、好ましくは70℃
〜200℃の範囲内の温度で行なうことができ、例えば
(A−1)成分と(A−3)成分とを反応させたのち、
(A−2)成分を反応させることもできる。
【0066】更に上記フェノール性水酸基を有する化合
物(A−3)の原料であるポリエポキシド及びポリフェ
ノールを、(A−1)成分と(A−2)成分と共に反応
させることにより化合物(A−3)の製造工程を省くこ
ともできる。
【0067】また(A−3)成分を過剰に配合し、(A
−1)成分と(A−2)成分の一部を反応させた後、
(A−3)成分の未反応物を他のポリエポキシドと反応
させることも可能である。
【0068】これら(A−1)、(A−2)、(A−
3)各成分の配合比は任意に決め得る。
【0069】(A−1)成分は本発明のカチオン電着塗
料用樹脂中に微量含まれるだけでもその水分散性やつき
まわり性を著しく改良することができる。しかして、
(A−1)成分の使用量は(A−1)〜(A−3)成分
の合計量に基いて0.5〜95重量%、好ましくは3〜
75重量%、特に好ましくは5〜50重量%の範囲内と
することができる。
【0070】また、本発明の(A)成分におけるカチオ
ン性基の含有量は、上記樹脂(A)を水に安定に分散し
得る範囲内でかつ少ない量が望ましく、アミン価がKO
H(mg/g固形分)換算数で一般に3〜200、特に
5〜180の範囲内が好ましい。しかし、カチオン性基
が3以下の場合であっても、界面活性剤などを使用して
水性分散化して使用することも可能である。しかしこの
場合には、水分散化物のpHが4〜9、好ましくは6〜
7の範囲内になるようにカチオン性基を調整するのが望
ましい。
【0071】さらに、構造式(II)のエポキシ基含有
官能基と(A−2)成分との反応によって形成される、
樹脂(A)中の第1級水酸基の含有量は、硬化性官能基
との反応性の点から、該第1級水酸基による水酸基価で
一般に10〜1,000、特に50〜700の範囲内に
あることが好ましい。
【0072】(A−3)成分はビスフェノール骨格を付
与して高防食性が得られるという理由から、(A−1)
〜(A−3)成分の合計量に基づいて95重量%以下、
好ましくは20〜90重量%の範囲内で配合することが
好ましい。
【0073】(A−1)〜(A−3)成分の反応におい
て、該(A−2)成分以外のカチオン化剤を必要に応じ
て任意に併用してもさしつかえなく、このような他のカ
チオン化剤としては、例えば、メチルアミン、エチルア
ミン、n−又はiso−プロピルアミンなどの第1級ア
ミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルア
ミンなどの第2級アミン;エチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミ
ノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメ
チルアミノプロピルアミンなどのポリアミンなどがあげ
られ、更にアンモニア、ヒドラジン、N−ヒドロキシエ
チルイミダゾリン化合物などとも併用することができ
る。これらのカチオン化剤は(A−1)成分と反応後
に、第3級アミノ基を形成していることが好ましい。
【0074】さらに、トリエチルアミン、トリエタノー
ルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、N,N′−ジエチルエタノー
ルアミン、N−エチルジエタノールアミンなどの第3級
アミンなども使用でき、これらは酸で予めプロトン化
し、エポキシ基と反応させて第4級塩にすることができ
る。
【0075】また、アミノ化合物以外に、ジエチルスル
フィド、ジフェニルスルフィド、テトラメチレンスルフ
ィド、チオジエタノールなどのスルフィド類とホウ酸、
炭酸、有機モノカルボン酸などとの塩をエポキシ基と反
応させて第3級スルホニウム塩としたものを他のカチオ
ン化剤として用いてもよい。
【0076】更に、トリエチルホスフィン、フェニルジ
メチルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、トリ
フェニルホスフィンなどのホスフィン類と上記の如き酸
との塩をエポキシ基と反応させて、第4級ホスホニウム
塩として併用することもできる。
【0077】本発明では、(A−2)成分を用いて樹脂
(A)中にカチオン性基を導入することは必要である
が、(A−2)成分以外の上記他のカチオン化剤の使用
は任意である。
【0078】以上に述べた(A)成分は水分散性に優れ
ており、それ自身水分散し得ないかもしくは困難な有機
物質や無機物質に(A)成分を混合すると容易に水分散
し得る特性を有する。このため、上記組成物を従来のカ
チオン電着塗料の水分散性等の改良のために一部添加使
用することも可能である。
【0079】本発明における上記水酸基含有カチオン性
樹脂(A)を含有するカチオン電着塗料の電着塗膜は以
下に述べる(B)成分の存在下で加熱することにより硬
化させることができる。
【0080】(B)成分:下記一般式(I)で示される
ノボラック置換フェノール型エポキシ樹脂
【0081】
【化7】
【0082】式中、R1およびR2は水素原子、炭素数1
〜8のアルキル基、芳香族基およびハロゲン原子から選
ばれる同一または相異なる基であり、R3は炭素数1〜
10のアルキル基、芳香族基、アリル基およびハロゲン
原子から選ばれる同一または相異なる基であり、R4
水素原子および炭素数1〜4のアルカリ基から選ばれる
同一または相異なる基であり、R5は水素原子、炭素数
1〜10のアルキル基、芳香族基、アリル基およびハロ
ゲン原子から選ばれる同一または相異なる基であり、n
は0〜38の整数であり、そして式中のベンゼン環の少
なくとも一部はナフタレン環に置換されていてもよい。
【0083】上記一般式(I)において、R1およびR2
の具体例を示すと、例えば水素原子、メチル基、エチル
基、フェニル基、ベンジル基、塩素原子、臭素原子、よ
う素原子などが挙げられる。好ましくは、水素原子、メ
チル基、塩素原子、臭素原子であり、さらに好ましくは
水素原子、メチル基、臭素原子である。
【0084】また、R3の具体例としては、メチル基、
エチル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、ノニル基、フェニル基、ベンジル
基、プロペニル基、塩素原子、臭素原子、よう素原子な
どが挙げられ、このうちメチル基、tert−ブチル
基、ノニル基、フェニル基、プロペニル基、塩素原子、
臭素原子などが好ましく、なかでもメチル基、tert
−ブチル基、フェニル基、臭素原子などが特に好まし
い。 R4の具体例には、水素原子、メチル基、エチル
基、プロピル基などが挙げられ、このうち水素原子が好
ましい。
【0085】R5は、具体的には、メチル基、エチル
基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ノニル基、フェニル基、ベンジル基、プロ
ペニル基、塩素原子、臭素原子、よう素原子などが挙げ
られ、このうちメチル基、tert−ブチル基、ノニル
基、フェニル基、プロペニル基、塩素原子、臭素原子な
どが好ましく、なかでもメチル基、tert−ブチル
基、フェニル基、臭素原子などが特に好ましい。
【0086】そして、繰返し単位nは0〜38、特に3
〜25の範囲内が好ましい。nが38を越えると粘度が
高くなり、塗面の平滑性が低下する傾向があるので好ま
しくない。
【0087】(B)成分は、一般に、蒸気圧浸透法で測
定した数平均分子量が約400〜約8000、特に10
00〜3000の範囲内にあり、またエポキシ当量は1
80〜2000、特に180〜500の範囲内にあるこ
とが特に好ましい。
【0088】(B)成分は(A)成分の硬化剤として有
用であり、例えば、下記一般式(V)
【0089】
【化8】
【0090】式中、R1、R2およびR3は前記一般式
(I)におけると同義である、で示される2官能性フェ
ノール化合物と一般式 R4CHO で示されるアルデヒ
ド化合物または一般式R4COR4で示されるケトン化合
物〔式中、R4は前記一般式(I)におけると同義であ
る〕とを縮重合することにより得られるノボラック置換
フェノール樹脂に、エピハロヒドリンを反応させてグリ
シジルエーテル基を導入することによって得られる。
【0091】また、上記反応において、下記一般式(V
I)
【0092】
【化9】
【0093】式中、R1、R2、R3およびR5は前記一般
式(I)におけると同義である、で示される1官能性フ
ェノール化合物を末端処理剤として併用することもでき
る。
【0094】一般式(V)で示される2官能性フェノー
ル化合物は、前記一般式 R4CHOで示されるアルデヒ
ド化合物または一般式 R4COR4 で示されるケトン化
合物と重縮合反応しうる活性水素(水酸基は該当しな
い)を1個のベンゼン核に2個有する化合物であり、具
体的には、例えば、P−プロペニルフェノール、O−ベ
ンジルフェノール、6−n−アミル−n−クレゾール、
O−クレゾール、P−クレゾール、O−エチルフェノー
ル、O−フェニルフェノール、P−フェニルフェノー
ル、P−t−ペンチルフェノール、P−t−ブチルフェ
ノール、O−クロルフェノール、4−クロルフェノー
ル、3,5−キシレノール、O−アリルフェノール、ノ
ニルフェノール、O−ブロムフェノール、P−クミルフ
ェノール、α−ナフトール、β−ナフトールなどが挙げ
られる。
【0095】また、一般式(VI)で示される1官能性
フェノール化合物は、上記一般式(V)で示される2官
能性フェノール化合物で説明したと同様の活性水素を1
個のベンゼン核に1個有する化合物であり、例えば2−
tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−キ
シレノール、2,6−キシレノール、2,4−ジクロルフ
ェノール、2,4−ジブロムフェノール、ジクロルキシ
レノール、ジブロムキシレノール、2,4,5−トリクロ
ルフェノール、6−フェニル−2−クロルフェノールな
どが挙げられる。
【0096】一般式 R4CHO で示されるアルデヒド
化合物としては、例えばホルムアルデヒド、アセトアル
デヒドなどが挙げられ、また、一般式 R4COR4 で示
されるケトン化合物としては例えば、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられ
る。
【0097】(B)成分におけるノボラック置換フェノ
ール樹脂は、上記の2官能性フェノール化合物およびア
ルデヒド化合物またはケトン化合物、さらに必要に応じ
て1官能性フェノール化合物を縮重合することにより得
ることができる。また、1官能性フェノール化合物とア
ルデヒド化合物またはケトン化合物とを縮重合すること
によりジフェノール化合物を得ることができる。それら
の製造法としては、通常のノボラック置換フェノール樹
脂の製造法を適用することができ、例えば、回分式、ま
たは例えば特開昭51−130498号公報などに記載
されている如き連続法を採用することができる。例え
ば、該各成分の配合比率を前記一般式(I)におけるn
が0〜38の範囲内でかつ目的とする値になるように調
整し、塩酸、燐酸、硫酸などの無機酸、パラトルエンス
ルホン酸、シュウ酸などの有機酸および酢酸亜鉛などの
金属塩などを触媒として用いて縮重合せしめることがで
きる。
【0098】(B)成分は、上記ノボラック置換フェノ
ール樹脂をエピハロヒドリンなどでグリシジルエーテル
化することによって得ることができる。このグリシジル
エーテル化は、たとえば、該ノボラック置換フェノール
樹脂をエピハロヒドリンに溶解し、この溶液にアルカリ
金属水酸化物水溶液を連続的に添加し、その反応系の水
および未反応のエピハロヒドリンを蒸留除去することに
よって行うことができる。この蒸留除去した液からエピ
ハロヒドリンを分離し再使用することができる。この反
応は、例えば、ジオキサン、ジエトキシエタンなどのエ
ーテル系溶媒の存在下で行うことが好ましい。
【0099】本発明で用いる(B)成分中のグリシジル
(エポキシ)基の一部は、活性水素含有化合物で変性し
てもよい。このような活性水素含有化合物としては、塩
基性基をもたないもの、例えば、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、フェニルフェノール、ノニルフェノー
ル、フェノールなどのフェノール類;ダイマー酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸
などの脂肪酸;酢酸、ぎ酸、ヒドロキシ酢酸などの有機
酸;アルキルアルコール、セロソルブ、カービトールな
どのアルコール類が挙げられ、特にフェノール類、脂肪
酸類、アルコール類が好ましい。この変性をすみやかに
行なうために、硼ふっ化亜鉛、テトラメチルアンモニウ
ムクロリドなどを触媒として用いることが好ましい。変
性の程度は数平均分子量からもとめた分子1モルに対
し、活性水素含有基1〜3モル程度が好ましい。変性後
の(B)成分のエポキシ当量は200〜2000、特に
200〜500の範囲内が好ましい。
【0100】また、前記一般式(I)において、ベンゼ
ン核の一部がナフタレン環に置換されている(B)成分
の例としては、例えば下記一般式(VII)を有する樹
脂があげられる。
【0101】
【化10】
【0102】式中、R1、R2、R4およびnは一般式
(I)におけると同義である。
【0103】このような(B)成分の中には、すでに市
販されているものもあり、例えばEPICRON N−
695(大日本インキ(株)製造)、ECON− 10
20、ECON−104S(日本化薬(株)製造)、E
SCN− 195XHH(住友化学工業(株)製造)な
どの商品名で知られているクレゾールノボラックフェノ
ールのポリグリシジルエーテル;BREN−S(日本化
薬(株)製造)などの商品名で知られているブロム変性
ノボラックフェノールのポリグリシジルエーテル;ES
N−195(新日鉄化学(株)製造)などの商品名で知
られているナフタレン型エポキシ樹脂;ESMB−26
0(住友化学工業(株)製造)などの商品名で知られて
いる長鎖アルキル変性ノボラックフェノールのポリグリ
シジルエーテルなどが挙げられる。クレゾールノボラッ
クフェノールのポリグリシジルエーテルのような2官能
性フェノール単独系を原料物質としたノボラック置換フ
ェノールポリグリシジルエーテルは、エポキシ基濃度を
調整するために、フェノール類、脂肪酸類、アルコール
類などで変性してもよい。
【0104】(C)成分:硬化触媒 本発明に用いる電着塗料組成物において、上記(A)成
分と(B)成分との架橋硬化反応をすみやかに行わしめ
るためには、鉛化合物、ジルコニウム化合物、コバルト
化合物、アルミニウム化合物、マンガン化合物、銅化合
物、亜鉛化合物、鉄化合物、ビスマス化合物およびニッ
ケル化合物から選ばれる1種または2種以上の硬化触媒
[(C)成分]を配合することが望ましい。該(C)成
分の具体例としては、例えば、ジルコニウムアセチルア
セトナート、コバルトアセチルアセトナート、アルミニ
ウムアセチルアセトナート、マンガンアセチルアセトナ
ート、鉄アセチルアセトナートなどのキレート化合物;
β−ヒドロキシアミノ構造を有する化合物と酸化鉛(I
I)とのキレート化反応生成物;2−エチルヘキサン
鉛、セカノイック鉛、ナフテックス鉛、オクテックス
鉛、安息香酸鉛、酢酸鉛、乳酸鉛、ぎ酸鉛、グリコール
酸鉛、ぎ酸銅、ぎ酸ニッケル、オクチックスジルコニウ
ム、オクチックスビスマス、オクチックス亜鉛、ぎ酸亜
鉛、オクチックスアルミニウムなどのカルボキシレー
ト;水酸化銅、水酸化コバルト、水酸化亜鉛、水酸化鉛
などの金属の水酸化物等があげられる。
【0105】カチオン電着塗料組成物 本発明で使用するカチオン電着塗料組成物は、例えば、
上記(A)成分中の塩基性基の一部もしくは全部を酸成
分で中和し、(B)成分と混合し、そして必要に応じ
て、(C)成分を加え、水中に溶解もしくは分散するこ
とによって調製することができる。
【0106】(A)成分の中和に用いる酸成分として
は、例えば、ぎ酸、酢酸、乳酸、酪酸、プロピオン酸な
どがあげられる。該組成物において、(A)成分と
(B)成分との混合比率は、目的に応じて任意に選択す
ることができるが、該両成分の固形分重量にもとずい
て、(A)成分/(B)成分の比が一般に30/70〜
90/10、特に50/50〜80/20の範囲内にあ
ることが好ましい。
【0107】また、(C)成分の配合割合は、一般に、
(A)成分と(B)成分の合計固形分重量に基いて、金
属量で0.1〜10重量%、特に0.2〜5重量%の範
囲内にあることが好ましい。
【0108】本発明に用いるカチオン電着塗料には、さ
らに必要に応じて、各種顔料(例えば、カーボンブラッ
ク、チタン白、鉛白、酸化鉛、ベンガラのような着色無
機顔料;クレー、タルクのような体質顔料;クロム酸ス
トロンチウム、クロム酸鉛、塩基性クロム酸鉛、鉛丹、
ケイ酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、リン酸鉛、塩基性リン酸
鉛、トリポリリン酸鉛、ケイクロム酸鉛、黄鉛、シアナ
ミド鉛、鉛酸カルシウム、亜酸化鉛、硫酸鉛、塩基性硫
酸鉛、酸化ビスマス、水酸化ビスマスなどの防食無機顔
料等)、その他の添加剤(例えば、分散剤、はじき防止
剤)などを配合することができる。
【0109】塗装方法 本発明で用いるカチオン電着塗料は、導電性基体、(被
塗物)上にカチオン電着塗装することができる。カチオ
ン電着塗装はそれ自体既知の方法で行なうことができ、
例えば、浴濃度(固形分濃度)を5〜40重量%、好ま
しくは10〜25重量%、pHを5〜8、好ましくは
5.5〜7の範囲内に調整し、そして、浴温度20〜3
5℃、好ましくは25〜30℃で、電流密度0.005
〜5A/cm2、好ましくは0.01〜1A/cm2、電
圧10〜500V、好ましくは100〜300V、通電
時間0.5〜10分間、好ましくは2〜4分間で行うこ
とが好ましい。電着塗装膜厚は厳密に制限されるもので
はないが、一般には、硬化塗膜にもとずいて3〜200
μの範囲内が適している。
【0110】本発明では、カチオン電着塗料を塗装後、
電着浴から被塗物を引上げ、必要に応じて該被塗物表面
に付着している余分のカチオン電着塗料などを除去した
のち、該塗膜の最小熱溶融粘度が105〜107センチポ
イズの範囲内になるまで加熱する。具体的には、塗装直
後の電着塗膜は水分を少量含む固形状態であり、加熱す
ると溶融して粘度が徐々に低下するが、本発明ではその
塗膜粘度が上記範囲内になると加熱を中断して、塗膜温
度をそれより少なくとも約10℃以下、好ましくは室温
までさげる。
【0111】中断前の最小熱溶融粘度が105センチポ
イズより小さくなるとエッジ部が露出しやすくその部分
の防食性が低下し、一方、107センチポイズより大き
いと塗膜の平滑性が低下するので好ましくない。
【0112】この塗膜の最小熱溶融粘度の測定は、目的
に応じた方法でカチオン電着塗装した塗膜(膜厚は20
〜24μの範囲が好ましい)を用いて行うことができ
る。すなわち、JIS−Z−0237−1980に記載
の球転装置を用いて、すでに測定された粘度既知の塗料
塗膜を基準にして、上記電着塗膜をホットプレートなど
で加熱硬化し、鉛筆(硬度6B)で引っ掻きながら、上
記既知の塗膜と対比して、塗膜の溶融流動の外観から測
定する。
【0113】本発明で使用するカチオン電着塗料の塗膜
の最小熱溶融粘度を上記範囲内にするには、塗装後の塗
膜を、例えば、60〜130℃、特に好ましくは80〜
120℃の範囲内の温度で、1〜30分、特に好ましく
は3〜20分間加熱することによって行われる。かかる
加熱後の塗膜は通常半硬化状態である。
【0114】本発明では、ついで、電着塗膜の温度を上
記加熱温度より少なくとも約10℃以下、好ましくは室
温までいったん下げた後、再度加熱して該電着塗膜を完
全に架橋硬化せしめる。
【0115】特に本発明では、電着塗膜の最小熱溶融粘
度を上記範囲内に調整したのち、加熱を中断している間
に、該電着塗面に中塗塗料および/または上塗塗料を塗
装し、ついで加熱してこれらの塗膜を同時に硬化するこ
とが好ましい。かくして塗装される中塗または上塗塗面
は平滑性にすぐれておりしかもエッジ部も肉厚に被覆さ
れる。しかも、塗装工程および加熱工程を従来の装置を
何等追加変更することなくそのまま使用することができ
る。
【0116】上記中塗塗料および上塗塗料としては従来
既知のものが使用でき、例えば、アルキド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹
脂などから選ばれる基体樹脂とアミノ樹脂やポリイソシ
アネート化合物などから選ばれる架橋剤と主成分とする
粉体系、有機溶剤系もしくは水系の塗料が使用できる。
【0117】上記中断後の塗膜の再加熱温度は特に制限
されず、電着塗膜単独、または電着塗膜と中塗塗膜およ
び/または上塗塗膜との複層塗膜を硬化させるのに必要
かつ充分な温度であればよく、例えば、120〜200
℃、特に好ましくは140〜170℃の範囲内の温度
で、10〜30分、特に好ましくは20〜30分間程度
加熱することが好ましい。
【0118】次に、実施例および比較例により本発明を
さらに具体的に説明する。数値に付した%および部は、
特にことわらない限り「重量」にもとずく。
【0119】
【実施例】I.製造例 1)(A)成分の調製に使用する(A−2)成分の製造 (A−2−1):撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還
流冷却器を備え付けたフラスコに、トール油脂肪酸28
8部、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン104部お
よびトルエン80部を加え、混合撹拌しながら徐々に加
熱昇温し、縮合水18部を分離除去した後、残存するト
ルエンも減圧除去して、第1級水酸基を有するアミン化
合物(A−2−1)を得た。アミン価は149、凝固点
は50℃、水酸基価は149であった。
【0120】2)(A)成分の製造 (A−i):撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷
却器を備え付けたフラスコに、EHPE−3150[エ
ポキシ当量180、ダイセル化学工業(株)製、商品
名、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環
重合体中のビニル基をエポキシ化したもので、重合度は
平均5〜25である;(A−1)成分〕900部、エチ
レングリコールモノブチルエーテル200部、ジエタノ
ールアミン〔(A−2)成分〕315部およびアミン化
合物(A−2−1)370部を仕込み、混合撹拌しなが
ら、徐々に加熱溶解し、140℃で反応させ、エポキシ
当量が1585になったことを確認後、ビスフェノール
A〔(A−3)成分〕2052部を配合し、150℃で
5時間反応させ、エポキシ基残量が0であることを確認
した。
【0121】その後、ジエタノールアミン〔(A−2)
成分〕420部、エポキシ当量190のビスフェノール
Aジグリシジルエーテル〔(A−3)成分〕4370
部、アミン化合物(A−2−1)740部およびエチレ
ングリコールモノブチルエーテル2092部を加え、1
50℃で5時間反応させ、エポキシ基残量が0であるこ
とを確認し、固形分含有率80%、アミン価61および
第1級水酸基当量540の樹脂(A−i)を得た。
【0122】(A−ii):撹拌機、温度計、滴下ロー
トおよび還流冷却器を備え付けたフラスコに、EHPE
−3150〔エポキシ当量180、ダイセル化学工業
(株)製、商品名;(A−1)成分〕900部、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル200部、ジエタノー
ルアミン〔(A−2)成分〕420部およびビスフェノ
ールA〔(A−3)成分〕2052部を仕込み、混合撹
拌しながら徐々に加熱し、140℃で反応させ、エポキ
シ基残量が0であることを確認した。
【0123】その後、ジエタノールアミン〔(A−2)
成分〕630部、エポキシ当量190のビスフェノール
Aジグリシジルエーテル〔(A−3)成分〕3990
部、エポキシ当量380のポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテル〔(A−3)成分〕760部および
エチレングリコールモノブチルエーテル1988部を加
え、150℃で5時間反応させエポキシ基残量が0であ
ることを確認した。
【0124】その後、ジエタノールアミン〔(A−2)
成分〕630部、エポキシ当量190のビスフェノール
Aジグリシジルエーテル〔(A−3)成分〕3990
部、エポキシ当量380のポリプロピレングリコールジ
グリシジルエーテル〔(A−3)成分〕760部および
エチレングリコールモノブチルエーテル1988部を加
え、150℃で5時間反応させエポキシ基残量が0であ
ることを確認し、固形分80%、アミン価64、第1級
水酸基当量438の(A−ii)を得た。
【0125】3)(B)成分の製造 (B−1):撹拌機、温度計および還流冷却器を取付け
たフラスコに、EPICLON N−695(大日本イ
ンキ(株)製、エポキシ当量213、n=7)1917
部、エチレングリコールモノブチルエーテル590部、
ノニルフェノール(活性水素含有化合物)440部およ
びテトラメチルアンモニウムクロリド0.2部を仕込
み、エポキシ当量が350になるまで150℃で反応さ
せ樹脂(B−1)を得た。
【0126】(B−2):撹拌機、温度計および還流冷
却器を取付けたフラスコに、EPICLON N−69
5(大日本インキ(株)製、エポキシ当量213、n=
7)1917部、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル620部、トール油脂肪酸(活性水素含有化合物)5
60部およびテトラメチルアンモニウムクロリド0.2
部を仕込み、エポキシ当量が370になるまで150℃
で反応させ樹脂(B−2)を得た。 (B−3):撹拌機、温度計および還流冷却器を取付け
たフラスコに、EPICLON N−695(大日本イ
ンキ(株)製、エポキシ当量213、n=7)100
部、エチレングリコールモノブチルエーテル25部を仕
込み、加熱溶解し樹脂(B−3)を得た。
【0127】(B−4):撹拌機、温度計および還流冷
却器を取付けたフラスコに、BREN−S(日本化薬
(株)製、エポキシ当量280、n=2)100部、エ
チレングリコールモノブチルエーテル25部を仕込み、
加熱溶解し樹脂(B−4)を得た。
【0128】(B−5):撹拌機、温度計および還流冷
却器を取付けたフラスコに、ESMB−260(住友化
学(株)製、エポキシ当量260)100部、エチレン
グリコールモノブチルエーテル25部を仕込み、加熱溶
解し樹脂(B−v)を得た。
【0129】(B−6):撹拌機、温度計および還流冷
却器を取付けたフラスコに、ESN−195(新日鉄化
学(株)製、エポキシ当量290)100部、エチレン
グリコールモノブチルエーテル25部を仕込み、加熱溶
解し樹脂(B−6)を得た。
【0130】(B−7):撹拌機、温度計および還流冷
却器を取付けたフラスコに、2,6−キシレノール(1
官能性フェノール化合物)122部、O−クレゾール
(2官能性フェノール化合物)54部、7.6%フオル
ムアルデヒド水溶液28部およびp−トルエンスルホン
酸4部を100℃に昇温し還流下で4時間反応させた後
トルエン300部および10%NaOH水溶液8.4部
を添加し撹拌後分液したトルエン層を減圧濃縮し2,6
−キシレノール、O−クレゾール共縮合ノボラック16
4部を得た。
【0131】ついでエピクロルヒドリン750部を添加
し、100℃に昇温後50%NaOH水溶液120部を
5時間で滴下し、系中の水はエピクロルヒドリンと共沸
させて除去した。反応終了後過剰のエピクロルヒドリン
を減圧除去し生成物をトルエン300部に溶解し副生成
物の塩を分離除去後、トルエンを減圧除去し2,6−キ
シレノール、O−クレゾール共縮合ノボラックグリシジ
ルエーテル樹脂200部を得た。このもののエポキシ当
量は210であった。
【0132】撹拌機、温度計および還流冷却器を取付け
たフラスコに、合成した2,6−キシレノール、O−ク
レゾール共縮合ノボラックエポキシ100部、エチレン
グリコールモノブチルエーテル25部を仕込み、加熱溶
解し樹脂(B−7)を得た。 (B−8):(比較用) 撹拌機、温度計および還流冷却器を取り付けたフラスコ
に、ジフェニルメタンジイソシアネート250部を仕込
み、80℃に加熱し、2−エチルヘキシルアルコール1
30部とジエチレングリコールモノエチルエーテル13
4部との混合物を60分間を要して滴下した後、120
℃に昇温し、IRによって遊離のNCO基の吸収がなく
なったことを確認してから、エチレングリコールモノブ
チルエーテル128.5部を加えて樹脂(B−8)を得
た。
【0133】4)顔料ペースト(P−1)の製造 上記樹脂(A−ii)10部に酢酸0.4部を加え撹拌
しながら脱イオン水29.6部を配合した。さらにチタ
ン白20部、カーボンブラック2部及び水酸化鉛2部を
加えボールミルで24時間分散後、固形分50%の顔料
分散ペースト(P−1)を得た。
【0134】5)カチオン電着塗料の製造 上記製造例で得られた(A)成分、(B)成分および中
和剤を下記表−1に示すごとく配合して、混合分散した
のち脱イオン水を加えて固形分30%のエマルジョンを
得た。
【0135】
【表1】
【0136】ついで得られたエマルジョンを前記顔料ペ
ーストと下記表−2に示すごとく配合し、脱イオン水を
加えて固形分20%に調整してカチオン電着塗料を得
た。
【0137】
【表2】
【0138】なお、比較例2〜4に用いる顔料ペースト
(P−2)は、顔料ペースト(P−1)に、さらにジブ
テル錫ラウレート(スズ含有率18%)5.6部を配合
した以外は全て上記顔料ペースト(P−1)と同様にし
て製造した。
【0139】比較例4で配合したゲル化微粒子重合体
は、電着塗膜の熱溶融時のエッジ露出を抑制するのに有
効であることが知られている。この組成物は本願出願人
の出願に係わる特開平2−47107公報に詳述されて
いる。
【0140】II.実施例および比較例 かくして得たカチオン電着塗料(浴固形分濃度20%)
を用い浴温度を30℃に調整し、リン酸亜鉛処理(日本
パーカライシング社製、PB−L3020処理)冷延鋼
板及びカッター替刃に、200〜300Vで3分通電し
てカチオン電着塗装した。鋼板及び替刃を浴から引き上
げ水洗し、前記表−2に示す条件下に水切乾燥兼予備加
熱後、加熱を中断した。室温で該電着塗面に上塗塗料を
塗装し、表−2の条件で焼付を行ない両塗膜を完全硬化
させた。得られた塗膜(電着塗膜厚15〜25μ;上塗
塗膜厚30〜40μ)について性能試験を行なった。上
塗塗料は関西ペイント製アミラック白(商品名;メラミ
ン−ポリエステル系有機溶剤型熱硬化塗料)を用いた。
試験結果を表−3に示す。
【0141】
【表3】
【0142】性能試験方法 1.エッジカバー性 塗装されたカッター替刃の刃部分を垂直に上向きになる
ように、ソルトスプレー装置にセットし、JIS−Z−
2371塩水噴霧試験により168時間後のエッジ部の
防食性を評価した。
【0143】 ◎: サビ発生全くなし ○: サビわずかに発生 ×: サビ著しく発生 2.上塗仕上り性 上塗塗面の仕上り性(平滑性など)を目視で評価した。
【0144】 ○: 良好 ×: 不良 3.電着塗膜の加熱減量 鋼板の重量をW0とし、この鋼板に浴温度30℃で20
0V〜300Vで3分間通電しカチオン電着塗装し、浴
から引き上げ水洗し120℃で10分間水切乾燥兼予備
加熱してから重量を測定(W1)し、次いで160℃で
20分加熱し塗膜を硬化したあとの重量を測定(W2
した。これらの測定値を次式にあてはめて加熱減量をも
とめた。
【0145】
【数1】 X(%)=〔(W1−W2)/(W1−W0)〕×100 4.耐ソルトスプレー性 リン酸亜鉛処理鋼板に塗装された塗板を、JIS−Z−
2371塩水噴霧試験により、1000時間後の塗膜の
カット部(素地に達する線状切りきず)からのクリープ
巾(片側)2.0mm以内のときを合格(○)とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久米 政文 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)水酸基およびカチオン性基を有す
    る樹脂、及び(B)下記一般式(I) 【化1】 式中、R1およびR2は水素原子、炭素数1〜8のアルキ
    ル基、芳香族基およびハロゲン原子から選ばれる同一ま
    たは相異なる基であり、R3は炭素数1〜10のアルキ
    ル基、芳香族基、アリル基およびハロゲン原子から選ば
    れる同一または相異なる基であり、R4は水素原子およ
    び炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる同一または相
    異なる基であり、R5は水素原子、炭素数1〜10のア
    ルキル基、芳香族基、アリル基およびハロゲン原子から
    選ばれる同一または相異なる基であり、nは0〜38の
    整数であり、そして式中のベンゼン環の少なくとも一部
    はナフタレン環に置換されていてもよい、で示されるノ
    ボラック置換フェノール型エポキシ樹脂を主成分として
    含有するカチオン電着塗料を被塗物に電着塗装し、形成
    される塗膜をその最小熱溶融粘度が105〜107センチ
    ポイズになるまで加熱した後、加熱を中断し、再度加熱
    して該塗膜を架橋硬化せしめることを特徴とする塗装方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカチオン電着塗料を被塗
    物に電着塗装し、形成される塗膜をその最小熱溶融粘度
    が105〜107センチポイズになるまで加熱した後、加
    熱を中断し、該塗面に中塗り塗料および/または上塗り
    塗料を塗装した後、再度加熱してこれらの塗膜を硬化せ
    しめることを特徴とする塗装方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の塗装方法により
    塗装された製品。
JP16636793A 1993-06-11 1993-06-11 塗装方法 Pending JPH06346290A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16636793A JPH06346290A (ja) 1993-06-11 1993-06-11 塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16636793A JPH06346290A (ja) 1993-06-11 1993-06-11 塗装方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06346290A true JPH06346290A (ja) 1994-12-20

Family

ID=15830094

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16636793A Pending JPH06346290A (ja) 1993-06-11 1993-06-11 塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06346290A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6085542A (en) * 1998-06-30 2000-07-11 Maytag Corporation Refrigerator door storage system
JP2007143386A (ja) * 2005-10-20 2007-06-07 Minebea Co Ltd 一層ないし二層の絶縁塗膜構造を有するモータ用部品及びその製造方法
WO2008015968A1 (fr) * 2006-08-01 2008-02-07 Nippon Paint Co., Ltd. Agent de régulation de la conductivité pour un matériau de revêtement par électrodéposition cationique et procédé de régulation de la conductivité électrique d'un matériau de revêtement par électrodéposition cationique l'utilisant
JP2009013236A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 Dupont Shinto Automotive Systems Kk 電着塗料組成物
JP2010201391A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Nissan Motor Co Ltd 塗膜平滑化方法および塗膜平滑化装置
JP2017204538A (ja) * 2016-05-10 2017-11-16 日立化成株式会社 柔軟性シート、透明フレキシブルプリント配線板及びそれらの製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6085542A (en) * 1998-06-30 2000-07-11 Maytag Corporation Refrigerator door storage system
JP2007143386A (ja) * 2005-10-20 2007-06-07 Minebea Co Ltd 一層ないし二層の絶縁塗膜構造を有するモータ用部品及びその製造方法
WO2008015968A1 (fr) * 2006-08-01 2008-02-07 Nippon Paint Co., Ltd. Agent de régulation de la conductivité pour un matériau de revêtement par électrodéposition cationique et procédé de régulation de la conductivité électrique d'un matériau de revêtement par électrodéposition cationique l'utilisant
JP2008037889A (ja) * 2006-08-01 2008-02-21 Nippon Paint Co Ltd カチオン電着塗料用電導度制御剤およびそれを用いるカチオン電着塗料の電気電導度調整方法
GB2454123A (en) * 2006-08-01 2009-04-29 Nippon Paint Co Ltd Conductivity control agent for cationic electrodeposition coating material and method of regulating electric conductivity of cationic electrodeposition
JP2009013236A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 Dupont Shinto Automotive Systems Kk 電着塗料組成物
JP2010201391A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Nissan Motor Co Ltd 塗膜平滑化方法および塗膜平滑化装置
JP2017204538A (ja) * 2016-05-10 2017-11-16 日立化成株式会社 柔軟性シート、透明フレキシブルプリント配線板及びそれらの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2788053B2 (ja) カチオン電着塗料
US6274649B1 (en) Aqueous binding agent dispersion for cationic electro-dipcoat paint
EP0012463B1 (en) Thermosetting resinous binder compositions, their preparation, and use as coating materials
EP0040867B1 (en) Thermosetting resinous binder compositions, their preparation, and use as coating materials
US5034434A (en) Aqueous dispersion of an amine-epoxide reaction product
JP3276633B2 (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JPH0269578A (ja) 厚い塗装層を形成するための、酸によるプロトン供与で水希釈可能になされる電気浴塗装用の結合剤
JPH06346290A (ja) 塗装方法
JP3356302B2 (ja) 水性塗料用樹脂組成物
US5091446A (en) Cationic electrodeposition coating resin composition based on vinyl-cyclohexene oxide-alkylene oxide copolymers
JPH05295318A (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JP3233721B2 (ja) カチオン電着塗料組成物
KR940003068B1 (ko) 음극-부착형 전착 피복조성물
US5407748A (en) Resin composition for aqueous paint
CA2012422C (en) Cationically electrodepositable resin
JPH0711178A (ja) カチオン電着塗料とその塗装法
JP3361123B2 (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JPH05222157A (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JPH06510079A (ja) 内部軟化アドバンストエポキシ樹脂組成物およびその塗料
JP3262289B2 (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JP3262292B2 (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JP2879921B2 (ja) カチオン電着用樹脂組成物
JP3262291B2 (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JPH06200193A (ja) カチオン電着塗料用組成物
US5464913A (en) Cycloaliphatic epoxy and primary hydroxyl groups-containing cationic resin