JP2017203042A - インスリン−亜鉛錯体の調製方法 - Google Patents

インスリン−亜鉛錯体の調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、インスリンおよび亜鉛を含む医薬製剤を製造する方法、前記方法によって得られる医薬製剤、および糖尿病の治療のための前記製剤の使用に関する。【解決手段】本発明は、水にインスリン誘導体を溶解させるステップと、溶液のpHを7.2を超えるpHに調整するステップと、連続的に撹拌しながら亜鉛溶液を加えるステップと、pHを製剤の目標pHに調整するステップとを含む、インスリン誘導体を含む医薬製剤の調製方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、インスリンおよび亜鉛を含む医薬製剤を製造する方法、前記方法によって得られる医薬製剤、および糖尿病の治療のための前記製剤の使用に関する。
インスリンは、膵臓のランゲルハンス島で産生される51アミノ酸ペプチドホルモンである。その主な働きは、モノマーとして作用する場合、膜貫通受容体に結合し膜貫通受容体を活性化することによって、脂肪の細胞膜および筋肉組織を通過するグルコース分子の輸送を促進することである。
インスリンの製剤は通常、酸性条件下でインスリンを少量の水に溶解させることによって調製される。次いで亜鉛が製剤に加えられ、続いて中和され、フェノールおよびm-クレゾールのような防腐剤が添加される。
WO 2005/012347は、マイナスの電荷を有する側鎖を有するインスリン誘導体を開示している。
WO 2007/074133は、アシル化インスリンとアシル化インスリンの分子6個あたり4個を超える亜鉛原子とを含む可溶性医薬製剤を開示している。
本発明は先行技術の課題を克服する。
WO 2005/012347 WO 2007/074133 EP 214826 EP 375437 EP 383472
Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995年
本発明は、場合により薬学的に許容できる賦形剤を含む水にインスリン誘導体を溶解させてインスリン誘導体の溶液を得るステップと、溶液のpHを7.2を超えるpHに調整するステップと、連続的に撹拌しながら亜鉛溶液を加えるステップと、pHを製剤の目標pHに調整するステップとを含む、インスリン誘導体を含む医薬製剤の調製方法に関し、インスリン誘導体は、親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合した側鎖を有するインスリン分子を含み、側鎖は、一般式:
-W-X-Y-Z
である。
本発明はさらに、この方法によって得られる製品およびこの方法によって得られる製品の使用に関する。
定義
本明細書で使用する用語「医薬製剤」は、緩衝剤、防腐剤、および張性調節剤などの医薬品賦形剤と共に活性化合物またはその塩を含む製品を意味し、前記医薬製剤は前記医薬製剤を人に投与することによって病気もしくは疾患を治療、予防する、または病気もしくは疾患の重篤度を低減するのに有用である。したがって、医薬製剤も医薬組成物として当技術分野において既知である。
「製剤の目標pH」とは、最終的な医薬製剤における所望のpH値であるpHを意味する。
本明細書で使用する用語「薬学的に許容可能」は、通常の医薬品用途に適していること、すなわち患者などにおいて有害事象を引き起こさないことを意味する。
本明細書で使用する用語「インスリン誘導体」は、化学修飾した親インスリンまたはその類似体を意味し、修飾はアミド、炭水化物、アルキル基、アシル基、エステルの結合、ペグ化などの形態である。一例はLysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンである。
本明細書で使用する用語「ヒトインスリン」はヒトインスリンホルモンを意味し、その構造および特性がよく知られている。ヒトインスリンはA鎖およびB鎖という名の2本のポリペプチド鎖を有する。A鎖は21個のアミノ酸のペプチドであり、B鎖は30個のアミノ酸のペプチドであり、2本の鎖はジスルフィド架橋によって接続しており、第1の架橋はA鎖の7位にあるシステインとシステインB鎖の7位にあるシステインとの間であり、第2の架橋はA鎖の20位にあるシステインとB鎖の19位にあるシステインとの間である。第3の架橋はA鎖の6位および11位にあるシステインの間に存在する。
ヒトの体内で、このホルモンは24個のアミノ酸のプレペプチドとそれに続くプロインスリンとからなる単鎖前駆体プロインスリン(プレプロインスリン)として合成され、プロインスリンは構成:プレペプチド-B-Arg Arg-C-Lys Arg-Aにおいて86個のアミノ酸を含有し、式中、Cは31個のアミノ酸の結合ペプチドである。Arg-ArgおよびLys-Argは結合ペプチドがA鎖およびB鎖から開裂するための開裂部位である。
本明細書で使用する用語「インスリンペプチド」は、ヒトインスリンまたはインスリン活性を有するその類似体もしくは誘導体のいずれかであるペプチドを意味する。
本明細書で使用する用語「親インスリン」は、何らかのアミノ酸配列の改変が加えられる前のインスリンを意味することを意図する。
本明細書で使用する用語「インスリン類似体」は、インスリンの1つまたは複数のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基によって置換されている、および/または1つまたは複数のアミノ酸残基がインスリンから欠失している、および/または1つまたは複数のアミノ酸残基がインスリンに付加および/または挿入されている、修飾インスリンを意味する。
一実施形態において、インスリン類似体は、親インスリンに対して8箇所未満の修飾(置換、欠失、付加(挿入を含める)、およびそれらの任意の組合せ)、あるいは親インスリンに対して7箇所未満の修飾、あるいは親インスリンに対して6箇所未満の修飾、あるいは親インスリンに対して5箇所未満の修飾、あるいは親インスリンに対して4箇所未満の修飾、あるいは親インスリンに対して3箇所未満の修飾、あるいは親インスリンに対して2箇所未満の修飾を含む。インスリン類似体の一例はAspB28ヒトインスリンである。
インスリン分子における修飾は、鎖(AまたはB)、位置、および天然アミノ酸残基と置き換わるアミノ酸残基の1文字または3文字のコードを記載して表される。
「desB30」または「B(1-29)」とは、天然のインスリンB鎖またはそのB30アミノ酸が欠失した類似体を意味し、「A(1-21)」は天然のインスリンA鎖を意味する。したがって、例えばA21 Gly、B28Asp、desB30ヒトインスリンは、A鎖の21位のアミノ酸がグリシンで置換されており、B鎖の28位のアミノ酸がアスパラギン酸で置換されており、B鎖の30位のアミノ酸が欠失しているヒトインスリンの類似体である。
本明細書において、「A1」、「A2」、および「A3」などのような用語は、インスリンのA鎖におけるそれぞれ1位、2位、および3位など(N末端から数える)のアミノ酸を示す。同様に、B1、B2、およびB3などのような用語は、インスリンのB鎖におけるそれぞれ1位、2位、および3位など(N末端から数える)のアミノ酸を示す。アミノ酸に対して1文字のコードを使用すると、A21A、A21G、およびA21Qのような用語は、A21の位置のアミノ酸がそれぞれA、G、およびQであることを示す。アミノ酸に対して3文字のコードを使用すると、対応する表現はそれぞれA21Ala、A21Gly、およびA21Glnである。
本明細書において、用語「A(0)」または「B(0)」はそれぞれA1またはB1のN末端側のアミノ酸の位置を示す。用語A(-1)またはB(-1)はそれぞれA(0)またはB(0)のN末端側1番目のアミノ酸の位置を示す。したがって、A(-2)およびB(-2)はそれぞれA(-1)およびB(-1)のN末端側のアミノ酸の位置を示し、A(-3)およびB(-3)はそれぞれA(-2)およびB(-2)のN末端側のアミノ酸の位置を示し、以下同様である。
本明細書において、用語A(0)またはB(0)はそれぞれA1またはB1のN末端側のアミノ酸の位置を示す。用語A(-1)またはB(-1)はそれぞれA(0)またはB(0)のN末端側1番目のアミノ酸の位置を示す。したがって、A(-2)およびB(-2)はそれぞれA(-1)およびB(-1)のN末端側のアミノ酸の位置を示し、A(-3)およびB(-3)はそれぞれA(-2)およびB(-2)のN末端側のアミノ酸の位置を示し、以下同様である。用語A22またはB31はそれぞれA21またはB30のC末端側のアミノ酸の位置を示す。用語A23またはB32はそれぞれA22またはB31のC末端側1番目のアミノ酸の位置を示す。したがって、A24およびB33はそれぞれA23およびB32のC末端側のアミノ酸の位置を示し、以下同様である。
本明細書で使用する用語「ブランティングなし(no blunting)」は、1つの製剤中に配合される場合、速効型インスリンおよびアシル化インスリンの両方が、別々の製剤において速効型インスリンおよびアシル化インスリンを投与する場合の作用のプロファイルと同一であるまたは実質的に同一である作用のプロファイルを有することを意味する。
本明細書において、用語「アミノ酸残基」は、正式には、ヒドロキシ基がカルボキシ基から除去されているアミノ酸、および/または正式には、形式上水素原子がアミノ基から除去されているアミノ酸である。
hGluはホモグルタミン酸である。
α-Aspは-HNCH(CO-)CH2COOHのL型である。
β-Aspは-HNCH(COOH)CH2CO-のL型である。
α-Gluは-HNCH(CO-)CH2CH2COOHのL型である。
γ-Gluは-HNCH(COOH)CH2CH2CO-のL型である。
α-hGluは-HNCH(CO-)CH2CH2CH2COOHのL型である。
δ-hGluは-HNCH(COOH)CH2CH2CH2CO-のL型である。
β-Alaは-NH-CH2-CH2-COOHである。
Sarはサルコシン(N-メチルグリシン)である。
「カルボン酸基を側鎖に有するアミノ酸残基」という表現は、Asp、Glu、およびhGluのようなアミノ酸残基を示す。アミノ酸はL型またはD型立体配置のいずれであってもよい。特に指定されなければ、アミノ酸残基はL型立体配置であると理解される。
本明細書で使用する用語「病気の治療」とは、病気、病状、または疾患を発症した患者の管理および手当てを意味する。治療の目的は、病気、病状、または疾患に対抗することである。治療は、病気、病状、または疾患を排除または制御するため、ならびに病気、病状、または疾患に付随する症状または合併症を緩和するための、活性化合物の投与を含む。
本明細書で使用する用語「ボーラスインスリン」、「食事関連インスリン(meal-related insulin)」、または「速効型インスリン」は、直ちに作用が発現し食事中および食事後のインスリン必要量をまかなうのに適したインスリンペプチドを意味する。
用語「糖尿病」または「真性糖尿病」は、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病(妊娠中)、および高血糖を引き起こす他の状態を含む。この用語は、膵臓が不十分な量のインスリンしか産生しない代謝疾患、または体の細胞がインスリンに適切に応答できず、そのため細胞がグルコースを吸収するのを妨げる代謝疾患において使用される。その結果として、グルコースが血中で増加する。
1型糖尿病は、インスリン依存性糖尿病(IDDM)および若年発症糖尿病とも呼ばれ、B細胞の破壊によって引き起こされ、通常は絶対的インスリン欠乏を引き起こす。
2型糖尿病は、非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)および成人発症型糖尿病としても知られ、顕著なインスリン抵抗性ひいては相対的インスリン欠乏と関連する、および/またはインスリン抵抗性と併せた主としてインスリン分泌不全と関連する。
本明細書で使用する用語「緩衝剤」とは、組成物のpHが時間と共に変化する傾向を低減する、医薬組成物中の化合物を指し、この化合物がなければ化学反応によって組成物のpH変化が起きることになる。緩衝剤としては、リン酸ナトリウム、TRIS、グリシルグリシン、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどの化学薬品が挙げられる。
本明細書で使用する用語「防腐剤」とは、微生物の活動(成長および代謝)を阻害または遅らせるために医薬製剤に添加される化合物を指す。薬学的に許容できる防腐剤の例は、フェノール、メタクレゾール(m-クレゾール)、ならびにフェノールおよびm-クレゾールの混合物である。
使用される用語「等張剤(isotonicity agent)」とは、浸透圧がヒトの血漿の浸透圧に近くなるように医薬製剤の浸透圧を調節するのに役立つ、医薬製剤中の化合物を指す。等張剤としては、塩化ナトリウム、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコールなどが挙げられる。
本明細書で使用する用語「安定化剤」とは、ペプチドを安定化させるため、すなわちペプチド含有医薬製剤の保存期間および/または使用期間を長くするために、ペプチド含有医薬製剤に添加される化学薬品を指す。医薬製剤において使用される安定化剤の例は、L-グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、ポリエチレングリコール、およびカルボキシメチルセルロースである。さらにフェノール、亜鉛イオン、および塩化ナトリウムが安定化剤として作用し得る。
本明細書で使用する用語「界面活性剤」とは、インスリン、インスリン類似体、およびインスリン誘導体を界面から移動させるまたは部分的に移動させるように、空気および疎水性表面との界面を改質するのに役立つ、医薬製剤中の化合物を指す。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびアルコール、ならびにポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの、様々な従来の界面活性剤を使用できる。一例はポリソルバート20である。
本発明は、場合により薬学的に許容できる賦形剤を含む水にインスリン誘導体を溶解させてインスリン誘導体の溶液を得るステップと、溶液のpHを7.2を超えるpHに調整するステップと、連続的に撹拌しながら亜鉛溶液を加えるステップと、pHを製剤の目標pHに調整するステップとを含む、インスリン誘導体を含む医薬製剤の調製方法に関し、インスリン誘導体は、親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合した側鎖を有するインスリン分子を含み、側鎖は、一般式:
-W-X-Y-Z
(式中、Wは
側鎖にカルボン酸基を有するα-アミノ酸残基であり、該残基がそのカルボン酸基の1つによって親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共にアミド基を形成するか;
アミドカルボニル結合を介して共に連結した2、3、または4個のα-アミノ酸残基から構成される鎖であり、該鎖がアミド結合を介して親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に連結しており、Wのアミノ酸残基が、Wが側鎖にカルボン酸基を有する少なくとも1つのアミノ酸残基を有するように、中性の側鎖を有するアミノ酸残基および側鎖にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択されるか;または
Xから親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基への共有結合であり;
Xは
-CO-;
-CH(COOH)CO-;
-CO-N(CH2COOH)CH2 CO-;
-CO-N(CH2COOH)CH2CON(CH2COOH)CH2 CO-;
-CO-N(CH2CH2COOH)CH2CH2 CO-;
-CO-N(CH2CH2COOH)CH2CH2CON(CH2CH2COOH)CH2CH2 CO-;
-CO-NHCH(COOH)(CH2)4NHCO-;
-CO-N(CH2CH2COOH)CH2 CO-;または
-CO-N(CH2COOH)CH2CH2 CO-
であり、
Wが1つのアミノ酸残基またはアミノ酸残基の鎖である場合、下線の炭素からの結合を介してW中のアミノ基とアミド結合を形成するか、または
Wが共有結合である場合、下線のカルボニル炭素からの結合を介して親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基とアミド結合を形成し;
Yは
-(CH2)m-(式中mは6〜32の範囲の整数である);
1、2、または3個の-CH=CH-基と10〜32の範囲の鎖中の全炭素原子数を与えるのに十分な数の-CH2-基とを含む二価の炭化水素鎖
であり;
Zは
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)2;
-N(CH2COOH)2;
-SO3H;または
-PO3H
である)、およびその任意のZn2+錯体である(ただしWが共有結合でありXが-CO-である場合、Zは-COOHとは異なる)。
発明者らは驚くべきことに、インスリン誘導体を含む溶液のpHを7.2を超えるpH値に上げることによって、亜鉛溶液を加えた際にインスリン誘導体の沈殿が実質的に生じないことになり、これは沈殿が生成しないかまたは沈殿が生成される場合にはそれが直ちに再び可溶化することを意味するということを見いだした。
溶液中のインスリン誘導体の沈殿は溶液の目視検査によって見ることができる。インスリン誘導体が溶液中で沈殿すると、沈殿は溶液を不透明にする。溶液が透き通り透明であるならば、インスリン誘導体の沈殿は存在しないまたは実質的に存在しない。
本発明の一態様において、インスリン誘導体が溶解している水は、インスリン誘導体を水に溶解させる際に1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤を含む。フェノール、m-クレゾール、グリセロール、塩化ナトリウム、および場合によりTRISまたはリン酸緩衝剤などの様々な薬学的に許容できる賦形剤を水に加えて賦形剤の水溶液を得ることができ、インスリン誘導体をこの水溶液に溶解させる。
本発明の一態様において、1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤は、溶液のpHが目標pHに調整される前に、インスリン誘導体の水溶液に加えられる。本発明の一態様において、薬学的に許容できる賦形剤は、目標pHへの調整後に製剤に加えられる。
一態様において、薬学的に許容できる賦形剤はフェノール、m-クレゾール、グリセロール、および塩化ナトリウムからなる群から選択される。
本発明の一態様において、目標pHは亜鉛溶液が加えられる水溶液のpHを下回る。本発明の一態様において、亜鉛溶液を加える際に水溶液のpHは7.4を上回るように調整される。本発明の一態様において、亜鉛溶液を加える際に水溶液のpHは7.6を上回るように調整される。本発明の一態様において、亜鉛溶液を加える際に水溶液のpHは7.8を上回るように調整される。本発明の一態様において、亜鉛溶液を加える際に水溶液のpHは8.0を上回るように調整される。
本発明の一態様において、目標pHは7.0〜7.8の範囲である。一態様において、目標pHは7.2〜7.8の範囲である。一態様において、目標pHは7.4〜7.6の範囲である。
本発明の一態様において、水溶液のpHは7.4を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.0〜7.8の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは7.6を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.0〜7.8の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは7.8を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.0〜7.8の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは8.0を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.0〜7.8の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは7.2を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.2〜7.8の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは7.4を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.2〜7.8の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは7.6を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.2〜7.8の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは7.8を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.2〜7.8の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは8.0を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.2〜7.8の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは7.2を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.4〜7.6の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは7.4を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.4〜7.6の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは7.6を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.4〜7.6の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは7.8を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.4〜7.6の範囲の目標pHに調整される。
一態様において、水溶液のpHは8.0を上回るように調整され、インスリン溶液が加えられ、次いでpHが7.4〜7.6の範囲の目標pHに調整される。
水溶液のpHの調整のために、または目標pHに到達するように、様々な酸および塩基を使用することができる。適切な酸の例は、塩酸、酢酸、硫酸、およびリン酸である。適切な塩基の例は、水酸化ナトリウム、TRIS、炭酸塩、およびリン酸塩である。一実施形態において、TRIS、炭酸塩、およびリン酸塩は緩衝剤としても作用する。
本発明の一態様において、亜鉛溶液は1分より長い時間の間に水溶液に加えられる。本発明の一態様において、この時間は2分より長い。本発明の一態様において、この時間は3分より長い。本発明の一態様において、この時間は4分より長い。本発明の一態様において、この時間は5分より長い。本発明の一態様において、この時間は6分より長い。本発明の一態様において、この時間は7分より長い。
本発明の一態様において、亜鉛溶液は酢酸亜鉛を含む。一態様において、亜鉛溶液は酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、およびグルコン酸亜鉛からなる群から選択される。本発明の一態様において、亜鉛溶液は酢酸亜鉛である。本発明の一態様において、亜鉛溶液と可溶性インスリン誘導体との比率はインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が4.3個からインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が12個までである。本発明の一態様において、この比率はインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が4.5〜12個である。
本発明の一態様において、この比率はインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が4.7〜12個である。本発明の一態様において、この比率はインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が4.9〜12個である。本発明の一態様において、この比率はインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が5.1〜12個である。本発明の一態様において、この比率はインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が5.3〜12個である。本発明の一態様において、この比率はインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が5.5〜12個である。本発明の一態様において、この比率はインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が5.7〜12個である。本発明の一態様において、この比率はインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が5.9〜11.5個である。本発明の一態様において、この比率はインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が6.1〜11.0個である。本発明の一態様において、この比率はインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が6.3〜10.5個である。本発明の一態様において、この比率はインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が6.5〜10.0個である。
本発明の一態様において、インスリン誘導体はLysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンである。
本発明の一態様において、速効型インスリンが製剤に添加される。速効型インスリンは、AspB28ヒトインスリン、LysB3 GluB29ヒトインスリン、および/またはLysB28 ProB29ヒトインスリンからなる群から選択できる。本発明の一態様において、速効型インスリンはAspB28ヒトインスリン(インスリンアスパルト(Insulin Aspart))である。
本発明はさらに、インスリン誘導体を含む医薬製剤を調製する方法によって得られる製品に関する。本発明の方法によって得られる製品は、インスリンアスパルトなどの速効型インスリンを含んでいてもよく、ブランティングは起きない。
本発明の一態様において、糖尿病の治療のための、インスリン誘導体を含む医薬製剤を調製する方法によって得られる製品の使用が提供される。
本発明のさらなる態様において、製剤は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、メチルp-ヒドロキシベンゾアート、プロピルp-ヒドロキシベンゾアート、2-フェノキシエタノール、ブチルp-ヒドロキシベンゾアート、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、およびチオメロサール(thiomerosal)、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン(chlorohexidine)、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、エチルp-ヒドロキシベンゾアート、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(chlorphenesine)(3p-クロロフェノキシプロパン-1,2-ジオール)、またはそれらの混合物からなる群から選択してもよい薬学的に許容できる防腐剤をさらに含む。本発明のさらなる態様において、防腐剤は0.1mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる態様において、防腐剤は0.1mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる態様において、防腐剤は5mg/ml〜10mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる態様において、防腐剤は10mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在する。これらの特定の防腐剤の各々は本発明の別の態様の構成要素となる。医薬組成物における防腐剤の使用は当業者によく知られている。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995年が参照される。
本発明のさらなる態様において、製剤は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖または糖アルコール、アミノ酸(例えばグリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール(例えばグリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えばPEG400)、またはそれらの混合物からなる群から選択してもよい等張剤をさらに含む。例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムを含めた、単糖、二糖、または多糖などの任意の糖、または水溶性グルカンを使用してもよい。一態様において、糖添加剤はスクロースである。糖アルコールは、少なくとも1つの-OH基を有するC4〜C8炭化水素として定義され、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、およびアラビトールが挙げられる。一態様において、糖アルコール添加剤はマンニトールである。上記の糖または糖アルコールは、個々にまたは組み合わせて使用してもよい。糖または糖アルコールが液体製剤に可溶であり、本発明の方法を用いて得られる安定化効果に悪影響を及ぼさない限り、決められた使用量の制限はない。一態様において、糖または糖アルコール濃度は約1mg/ml〜約150mg/mlである。本発明のさらなる態様において、等張剤は1mg/ml〜50mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる態様において、等張剤は1mg/ml〜7mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる態様において、等張剤は8mg/ml〜24mg/mlの濃度で存在する。本発明のさらなる態様において、等張剤は25mg/ml〜50mg/mlの濃度で存在する。これらの特定の等張剤の各々は本発明の別の態様の構成要素となる。医薬組成物における等張剤の使用は当業者によく知られている。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995年が参照される。
典型的な等張剤は、塩化ナトリウム、マンニトール、ジメチルスルホン、およびグリセロールであり、典型的な防腐剤は、フェノール、m-クレゾール、メチルp-ヒドロキシベンゾアート、およびベンジルアルコールである。
適切な緩衝剤の例は、酢酸ナトリウム、グリシルグリシン、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、およびリン酸ナトリウムである。
本発明の製剤は、インスリンに高感受性である状態の治療において使用できる。したがってそれらは、1型糖尿病、2型糖尿病、ならびに例えば重傷を負った人および大手術を受けた人に見られる場合があるような高血糖の治療において使用できる。任意の患者に対する最適な用量レベルは、使用される特定のインスリン誘導体の有効性、患者の年齢、体重、身体活動性、および食事を含めた様々な要因、他の薬剤との考えられる組合せ、ならびに治療しようとする病状の重篤度によって決まることになる。本発明の製剤の1日の用量は、個々の患者について当業者によって既知のインスリン製剤と同様に決定されることが推奨される。
適切であれば、本発明のインスリン誘導体は、他のタイプのインスリン、例えばより高い速効性を有するインスリン類似体との混合物において使用してもよい。そのようなインスリン類似体の例は、例えばEP 214826(Novo Nordisk A/S)、EP 375437(Novo Nordisk A/S)、およびEP 383472(Eli Lilly & Co.)の公開番号を有する欧州特許出願に記載されている。
本発明は以下の実施例によってさらに説明されるが、この実施例は保護範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
本発明を以下の項にまとめる:
1. インスリン誘導体を水に溶解させるステップと、溶液のpHを7.2を超えるpHに調整するステップと、連続的に撹拌しながら亜鉛溶液を加えるステップと、pHを製剤の目標pHに調整するステップとを含む、インスリン誘導体を含む医薬製剤の調製方法。
2. 水が1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤を含む、第1項に記載の方法。
3. 1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤が目標pHへの調整後に製剤に加えられる、第1項に記載の方法。
4. 薬学的に許容できる賦形剤がフェノール、m-クレゾール、グリセロール、および塩化ナトリウムからなる群から選択される、第1項から第3項に記載の方法。
5. 目標pHが水のpHを下回る、第1項から第4項に記載の方法。
6. 亜鉛溶液を加える際に水溶液のpHが7.4を上回るように調整される、第1項から第5項に記載の方法。
7. 亜鉛溶液を加える際に水溶液のpHが7.6を上回るように調整される、第1項から第6項に記載の方法。
8. 亜鉛溶液を加える際に水溶液のpHが7.8を上回るように調整される、第1項から第7項に記載の方法。
9. 亜鉛溶液を加える際に水溶液のpHが8.0を上回るように調整される、第1項から第8項に記載の方法。
10. 亜鉛溶液が1分より長い時間の間に加えられる、第1項から第9項に記載の方法。
11. 前記時間が2分より長い、3分より長い、4分より長い、5分より長い、6分より長い、または7分より長い、第1項から第10項に記載の方法。
12. 目標pHが7.0〜7.8の範囲である、第1項から第11項に記載の方法。
13. 目標pHが7.2〜7.8の範囲である、第1項から第12項に記載の方法。
14. 目標pHが7.4〜7.6の範囲である、第1項から第13項に記載の方法。
15. 亜鉛溶液が酢酸亜鉛を含む、第1項から第14項に記載の方法。
16. 亜鉛溶液と可溶性インスリン誘導体との比率は、インスリン誘導体の分子6個あたりの亜鉛原子が4.3個からインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が12個まで、インスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が4.5〜12個、インスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が4.7〜12個、インスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が4.9〜12個、インスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が5.1〜12個、インスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が5.3〜12個、インスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が5.5〜12個、インスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が5.7〜12個、インスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が5.9〜11.5個、インスリン誘導体の分子6個あたり6.1〜11.0個の亜鉛原子、インスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が6.3〜10.5個、またはインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が6.5〜10.0個である、第1項から第15項に記載の方法。
17. インスリン誘導体が、ヒトインスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合した側鎖を有するインスリン分子またはその類似体を含み、側鎖が、一般式:
-W-X-Y-Z
(式中、Wは
側鎖にカルボン酸基を有するα-アミノ酸残基であり、該残基がそのカルボン酸基の1つによって親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共にアミド基を形成するか;
アミドカルボニル結合を介して共に連結した2、3、または4個のα-アミノ酸残基から構成される鎖であり、該鎖がアミド結合を介して親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に連結しており、Wが側鎖にカルボン酸基を有する少なくとも1つのアミノ酸残基を有するように、Wのアミノ酸残基が中性の側鎖を有するアミノ酸残基および側鎖にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択されるか;または
Xから親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基への共有結合であり;
Xは
-CO-;
-CH(COOH)CO-;
-CO-N(CH2COOH)CH2 CO-;
-CO-N(CH2COOH)CH2CON(CH2COOH)CH2 CO-;
-CO-N(CH2CH2COOH)CH2CH2 CO-;
-CO-N(CH2CH2COOH)CH2CH2CON(CH2CH2COOH)CH2CH2 CO-;
-CO-NHCH(COOH)(CH2)4NHCO-;
-CO-N(CH2CH2COOH)CH2 CO-;または
-CO-N(CH2COOH)CH2CH2 CO-
であり、
a)Wが1つのアミノ酸残基または複数のアミノ酸残基の鎖である場合、下線の炭素からの結合を介してW中のアミノ基とアミド結合を形成するか、または
b)Wが共有結合である場合、下線のカルボニル炭素からの結合を介して親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基とアミド結合を形成し;
Yは
-(CH2)m-(式中mは6〜32の範囲の整数である);
1、2、または3個の-CH=CH-基と10〜32の範囲の鎖中の全炭素原子数を与えるのに十分な数の-CH2-基とを含む二価の炭化水素鎖
であり;
Zは
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)2;
-N(CH2COOH)2;
-SO3H;または
-PO3H
である)、およびそれらの任意のZn2+錯体である(ただしWが共有結合でありXが-CO-である場合、Zは-COOHとは異なる)、第1項から第16項に記載の方法。
18. Wがα-Asp、β-Asp、α-Glu、γ-Glu、α-hGlu、およびδ-hGluからなる群から選択される、第17項に記載の方法。
19. Wがα-Asp-Gly; Gly-α-Asp; β-Asp-Gly; Gly-β-Asp; α-Glu-Gly; Gly-α-Glu; γ-Glu-Gly; Gly-γ-Glu; α-hGlu-Gly; Gly-α-hGlu; δ-hGlu-Gly; and Gly-δ-hGlu、α-Asp-α-Asp; α-Asp-α-Glu; α-Asp-α-hGlu; α-Asp-β-Asp; α-Asp-γ-Glu; α-Asp-δ-hGlu; β-Asp-α-Asp; β-Asp-α-Glu; β-Asp-α-hGlu; β-Asp-β-Asp; β-Asp-γ-Glu; β-Asp-δ-hGlu; α-Glu-α-Asp; α-Glu-α-Glu; α-Glu-α-hGlu; α-Glu-β-Asp; α-Glu-γ-Glu; α-Glu-δ-hGlu; γ-Glu-α-Asp; γ-Glu-α-Glu; γ-Glu-α-hGlu; γ-Glu-β-Asp; γ-Glu-γ-Glu; γ-Glu-δ-hGlu; α-hGlu-α-Asp; α-hGlu-α-Glu; α-hGlu-α-hGlu; α-hGlu-β-Asp; α-hGlu-γ-Glu; α-hGlu-δ-hGlu; δ-hGlu-α-Asp; δ-hGlu-α-Glu; δ-hGlu-α-hGlu; δ-hGlu-β-Asp; δ-hGlu-γ-Glu; およびδ-hGlu-δ-hGluからなる群から選択される、第17項に記載の方法。
20. Xが-CO-または-CH(COOH)CO-である、第17項から第19項に記載の方法。
21. Yが-(CH2)m-(式中mは6〜32、8〜20、12〜20、または12〜16の範囲の整数である)である、第17項から第20項に記載の方法。
22. Zが-COOHである、第17項から第21項に記載の方法。
23. インスリン誘導体がLysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンである、第17、18、20、21、および22項に記載の方法。
24. 速効型インスリンが製剤に添加される、第1項から第23項に記載の方法。
25. 速効型インスリンがAspB28ヒトインスリン、LysB3 GluB29ヒトインスリン、および/またはLysB28 ProB29ヒトインスリンからなる群から選択される、第1項から第24項に記載の方法。
26. 速効型インスリンがAspB28ヒトインスリンである、第25項に記載の方法。
27. 第1項から第27項に記載の方法によって得られる製品。
28. 糖尿病の治療のための、第1項から第27項に記載の方法によって得られる製品の使用。
一態様において、本発明を以下の項にまとめる:
1)インスリン誘導体を水に溶解させるステップと、溶液のpHを7.2を超えるpHに調整するステップと、連続的に撹拌しながら亜鉛溶液を加えるステップと、pHを製剤の目標pHに調整するステップとを含む、インスリン誘導体を含む医薬製剤の調製方法。
2)水が1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤を含む、第1項に記載の方法。
3)1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤が目標pHへの調整後に製剤に加えられる、第1項に記載の方法。
4)薬学的に許容できる賦形剤がフェノール、m-クレゾール、グリセロール、および塩化ナトリウムからなる群から選択される、第1項から第3項に記載の方法。
5)目標pHが水のpHを下回る、第1項から第4項に記載の方法。
6)亜鉛溶液を加える際に水溶液のpHが7.4を上回るように調整される、第1項から第5項に記載の方法。
7)亜鉛溶液を加える際に水溶液のpHが7.6を上回るように調整される、第1項から第6項に記載の方法。
8)亜鉛溶液を加える際に水溶液のpHが7.8を上回るように調整される、第1項から第7項に記載の方法。
9)亜鉛溶液を加える際に水溶液のpHが8.0を上回るように調整される、第1項から第8項に記載の方法。
10)亜鉛溶液が1分より長い時間の間に加えられる、第1項から第9項に記載の方法。
11)前記時間が2分より長い、3分より長い、4分より長い、5分より長い、6分より長い、または7分より長い、第1項から第10項に記載の方法。
12)目標pHが7.0〜7.8の範囲である、第1項から第11項に記載の方法。
13)目標pHが7.2〜7.8の範囲である、第1項から第12項に記載の方法。
14)目標pHが7.4〜7.6の範囲である、第1項から第13項に記載の方法。
15)亜鉛溶液が酢酸亜鉛を含む、第1項から第14項に記載の方法。
16)亜鉛溶液と可溶性インスリン誘導体との比率は、インスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が4.3個からインスリン誘導体の分子6個あたり亜鉛原子が12個までである、第1項から第15項に記載の方法。
17)インスリン誘導体が、ヒトインスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合した側鎖を有するインスリン分子またはその類似体を含み、側鎖が、一般式:
-W-X-Y-Z
(式中、Wは
側鎖にカルボン酸基を有するα-アミノ酸残基であり、該残基がそのカルボン酸基の1つによって親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共にアミド基を形成するか;
アミドカルボニル結合を介して共に連結した2、3、または4個のα-アミノ酸残基から構成される鎖であり、該鎖がアミド結合を介して親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に連結しており、Wが側鎖にカルボン酸基を有する少なくとも1つのアミノ酸残基を有するように、Wのアミノ酸残基が中性の側鎖を有するアミノ酸残基および側鎖にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択されるか;または
Xから親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基への共有結合であり;
Xは
-CO-;
-CH(COOH)CO-;
-CO-N(CH2COOH)CH2 CO-;
-CO-N(CH2COOH)CH2CON(CH2COOH)CH2 CO-;
-CO-N(CH2CH2COOH)CH2CH2 CO-;
-CO-N(CH2CH2COOH)CH2CH2CON(CH2CH2COOH)CH2CH2 CO-;
-CO-NHCH(COOH)(CH2)4NHCO-;
-CO-N(CH2CH2COOH)CH2 CO-;または
-CO-N(CH2COOH)CH2CH2 CO-
であり、
a)Wが1つのアミノ酸残基または複数のアミノ酸残基の鎖である場合、下線の炭素からの結合を介してW中のアミノ基とアミド結合を形成するか、または
b)Wが共有結合である場合、下線のカルボニル炭素からの結合を介して親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基とアミド結合を形成し;
Yは
-(CH2)m-(式中mは6〜32の範囲の整数である);
1、2、または3個の-CH=CH-基と10〜32の範囲の鎖中の全炭素原子数を与えるのに十分な数の-CH2-基とを含む二価の炭化水素鎖
であり;
Zは
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)2;
-N(CH2COOH)2;
-SO3H;または
-PO3H
である)、およびそれらの任意のZn2+錯体である(ただしWが共有結合でありXが-CO-である場合、Zは-COOHとは異なる)、第1項から第16項に記載の方法。
18)インスリン誘導体がLysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンである、第17項に記載の方法。
19)速効型インスリンが製剤に添加される、第1項から第18項に記載の方法。
20)速効型インスリンがAspB28ヒトインスリン、LysB3 GluB29ヒトインスリン、および/またはLysB28 ProB29ヒトインスリンからなる群から選択される、第1項から第19項に記載の方法。
21)第1項から第20項に記載の方法によって得られる製品。
22)糖尿病の治療のための、第1項から第20項に記載の方法によって得られる製品の使用。
出版物、特許出願、および特許を含めた、本明細書において引用されるすべての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、各参考文献が個々にかつ具体的に参照によって組み込まれると示されている、またその全体が本明細書に記載されているのと同様である(法律が許す最大限の範囲まで)。
本明細書においてすべての表題および副題は便宜的にのみ使用され、決して本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
本明細書において記載されるありとあらゆる例、または例示のための言葉(例えば「など」)の使用は、特に記載のない限り単に本発明をより明らかにすることを意図しており、本発明の範囲に制限を与えるものではない。本明細書における言葉は、記載のない要素が本発明の実施に必要不可欠であると示すものと解釈されるべきではない。
本明細書における特許文書の引用および組み込みは便宜的にのみ行われ、そのような特許文書の妥当性、特許性、および/または執行可能性のいかなる観点も反映するものではない。
適用される法が許す場合、本発明は本明細書に添付の特許請求の範囲に挙げられる主題のあらゆる修正物および等価物を含む。
(実施例)
(実施例1)
LysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンを含む製剤の調製方法、600nmol/ml(100U/ml):
0.6mmolのLysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンを300mlの水に溶解させ、16mmolのフェノール、16mmolのm-クレゾール、および213mmolのグリセロールを含有する500mlの水溶液と混合した。pHを7.40に調整し、適度な速度で撹拌しながらぜん動ポンプを使用して50mlの0.01M酢酸亜鉛を連続的に添加した。添加はおよそ30分にわたって行った。酢酸亜鉛の添加後、注射用の水を加えて950mlとし、pHを7.60に調整し、最後に1リットルの最終体積まで水を加えた。
(実施例2)
LysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンを含む製剤の調製方法、1200nmol/ml(200U/ml):
1.2mmolのLysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンを300mlの水に溶解させ、16mmolのフェノール、16mmolのm-クレゾール、および213mmolのグリセロールを含有する500mlの水溶液と混合した。pHを7.50に調整し、適度な速度で撹拌しながらぜん動ポンプを使用して110mlの0.01M酢酸亜鉛を連続的に添加した。添加はおよそ40分にわたって行った。酢酸亜鉛の添加後、注射用の水を加えて950mlとし、pHを7.60に調整し、最後に1リットルの最終体積まで水を加えた。
(実施例3)
LysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンおよびインスリンアスパルトを含む製剤の調製方法、600nmol/ml(U100/ml):
LysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリン溶液: 0.42mmolのLysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンを210mlの水に溶解させ、11.2mmolのフェノール、11.2mmolのm-クレゾール、7mmolのNaCl、および144mmolのグリセロールを含有する350mlの水溶液と混合した。pHを7.40に調整し、適度な速度で撹拌しながらぜん動ポンプを使用して32.9mlの0.01M酢酸亜鉛を連続的に添加した。添加はおよそ30分にわたって行った。酢酸亜鉛の添加後、注射用の水を加えて630mlとし、pHを7.40に調整した。
インスリンアスパルト溶液: 0.18mmolのインスリンアスパルトを15mlの水に懸濁させ、9mlの0.01M酢酸亜鉛および4.8mlの0.2N塩酸を含有する溶液と混合して透明溶液を得た。水を加えて体積を35mlに調整した。次いで4.8mmolのフェノール、4.8mmolのm-クレゾール、3mmolのNaCl、および62mmolのグリセロールを含有する180mlの溶液を加えた。最後にpHを7.40に調整し、水を加えて体積を270mlに調整した。
LysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリン溶液およびインスリンアスパルト溶液の混合: 630mlのLysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリン溶液および270mlのインスリンアスパルト溶液を混合した。pHを7.40に調整し、最後に水を加えて体積を1リットルに調整した。
(実施例4)
LysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンおよびインスリンアスパルトを含む製剤の調製方法、1200nmol/ml(200U/ml):
LysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリン溶液: 0.84mmolのLysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンを210mlの水に溶解させ、11.2mmolのフェノール、11.2mmolのm-クレゾール、7mmolのNaCl、および144mmolのグリセロールを含有する350mlの水溶液と混合した。pHを7.40に調整し、適度な速度で撹拌しながらぜん動ポンプを使用して60.1mlの0.01M酢酸亜鉛を連続的に添加した。添加はおよそ30分にわたって行った。酢酸亜鉛の添加後、注射用の水を加えて630mlとし、pHを7.40に調整した。
インスリンアスパルト溶液: 0.36mmolのインスリンアスパルトを15mlの水に懸濁させ、18mlの0.01M酢酸亜鉛および4.8mlの0.2N塩酸を含有する溶液と混合して透明溶液を得た。水を加えて体積を35mlに調整した。次いで4.8mmolのフェノール、4.8mmolのm-クレゾール、3mmolのNaCl、および62mmolのグリセロールを含有する180mlの溶液を加えた。最後にpHを7.40に調整し、水を加えて体積を270mlに調整した。
LysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリン溶液およびインスリンアスパルト溶液の混合: 630mlのLysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリン溶液および270mlのインスリンアスパルト溶液を混合した。pHを7.40に調整し、最後に水を加えて体積を1リットルに調整した。

Claims (14)

  1. 水にインスリン誘導体を溶解させるステップと、前記溶液のpHを7.2を超えるpHに調整するステップと、連続的に撹拌しながら亜鉛溶液を加えるステップと、pHを製剤の目標pHに調整するステップとを含む、インスリン誘導体を含む医薬製剤の調製方法であって、インスリン誘導体が、ヒトインスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合した側鎖を有するインスリン分子またはその類似体を含み、前記側鎖が、一般式:
    -W-X-Y-Z
    (式中、Wは
    側鎖にカルボン酸基を有するα-アミノ酸残基であり、該残基がそのカルボン酸基の1つによって親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共にアミド基を形成するか;
    アミドカルボニル結合を介して共に連結した2、3、または4個のα-アミノ酸残基から構成される鎖であり、該鎖がアミド結合を介して親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に連結しており、Wのアミノ酸残基が、Wが側鎖にカルボン酸基を有する少なくとも1つのアミノ酸残基を有するように、中性の側鎖を有するアミノ酸残基および側鎖にカルボン酸基を有するアミノ酸残基の群から選択されるか;または
    Xから親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基への共有結合であり;
    Xは
    -CO-;
    -CH(COOH)CO-;
    -CO-N(CH2COOH)CH2 CO-;
    -CO-N(CH2COOH)CH2CON(CH2COOH)CH2 CO-;
    -CO-N(CH2CH2COOH)CH2CH2 CO-;
    -CO-N(CH2CH2COOH)CH2CH2CON(CH2CH2COOH)CH2CH2 CO-;
    -CO-NHCH(COOH)(CH2)4NHCO-;
    -CO-N(CH2CH2COOH)CH2 CO-;または
    -CO-N(CH2COOH)CH2CH2 CO-
    であり、
    a)Wがアミノ酸残基またはアミノ酸残基の鎖である場合、下線の炭素からの結合を介してW中のアミノ基とアミド結合を形成するか、または
    b)Wが共有結合である場合、下線のカルボニル炭素からの結合を介して親インスリンのB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基とアミド結合を形成し;
    Yは
    -(CH2)m-(式中mは6〜32の範囲の整数である);
    1、2、または3個の-CH=CH-基と10〜32の範囲の鎖中の全炭素原子数を与えるのに十分な数の-CH2-基とを含む二価の炭化水素鎖
    であり;
    Zは
    -COOH;
    -CO-Asp;
    -CO-Glu;
    -CO-Gly;
    -CO-Sar;
    -CH(COOH)2;
    -N(CH2COOH)2;
    -SO3H;または
    -PO3H
    である)である、方法。
  2. 水が1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤が目標pHの調整後に製剤に加えられる、請求項1に記載の方法。
  4. 薬学的に許容できる賦形剤がフェノール、m-クレゾール、グリセロール、および塩化ナトリウムからなる群から選択される、請求項1から3に記載の方法。
  5. 目標pHが水のpHを下回る、請求項1から4に記載の方法。
  6. 亜鉛溶液が1分より長い時間の間に加えられる、請求項1から5に記載の方法。
  7. 前記時間が2分より長い、3分より長い、4分より長い、5分より長い、6分より長い、または7分より長い、請求項1から6に記載の方法。
  8. 目標pHが7.0〜7.8の範囲である、請求項1から7に記載の方法。
  9. 亜鉛溶液が酢酸亜鉛を含む、請求項1から8に記載の方法。
  10. インスリン誘導体がLysB29Nε-ヘキサデカンジオイル-γ-Glu desB30ヒトインスリンである、請求項9に記載の方法。
  11. 速効型インスリンが製剤に添加される、請求項1から10に記載の方法。
  12. 速効型インスリンがAspB28ヒトインスリン、LysB3 GluB29ヒトインスリン、および/またはLysB28 ProB29ヒトインスリンからなる群から選択される、請求項1から11に記載の方法。
  13. 請求項1から12に記載の方法によって得られる製品。
  14. 糖尿病の治療のための、請求項1から12に記載の方法によって得られる製品の使用。
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