JP2017200972A - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
従来、菌の増殖を抑えるために、カチオン界面活性剤を抗菌剤として配合した液体洗浄剤が提案されている。
例えば、特許文献1には、4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤と、特定のアニオン界面活性剤と、オキシアルキレン基を有する2種のノニオン界面活性剤と、特定の溶剤と、グリコール類とを含む衣料用液体洗浄剤組成物が提案されている。
そこで本発明は、防臭効果により優れる液体洗浄剤組成物を目的とする。
[1]ノニオン界面活性剤(A)と、アニオン界面活性剤(B)と、カチオン界面活性剤(C)と、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体(D)とを含み、前記(B)成分と前記(A)成分との質量比率(B)/(A)が、0.15〜1であることを特徴とする、液体洗浄剤組成物。
[2]さらに酵素(E)を含む、[1]に記載の液体洗浄剤組成物。
[3]前記(C)成分と前記(B)成分との質量比率(C)/(B)が、0.05〜0.2である、[1]又は[2]に記載の液体洗浄剤組成物。
[4]前記(C)成分と前記(D)成分との質量比率(C)/(D)が、1〜20である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
本発明の液体洗浄剤は、ノニオン界面活性剤(A)と、アニオン界面活性剤(B)と、カチオン界面活性剤(C)と、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体(D)とを含む組成物である。
(A)成分は、ノニオン界面活性剤である。(A)成分は、本発明の液体洗浄剤に洗浄力を付与する。
(A)成分としては、例えば、下記一般式(a1)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、下記一般式(a2)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が挙げられる。
(式(a1)中、R11は炭素数8〜18の炭化水素基を表し、XはO、COO又はCONHを表し、R12は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数2〜6のアルケニル基を表す。sはEOの平均繰り返し数を表し、6〜20の数である。tはPOの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。また、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、EOとPOとは混在して配列していてもよい。)
R12のアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。R12のアルケニル基としては、炭素数2〜3のアルケニル基が好ましい。また、XはO、又はCOOが好ましい。
前記式(a1)中、XがOの場合、(A)成分はアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤である。XがOの場合、洗浄力向上の観点から、R11は炭素数10〜18の炭化水素基であることが好ましい。また、R11は不飽和結合を有していてもよい。また、sは10〜20であることが好ましく、14〜18がより好ましく、R12は、水素原子であることが好ましい。
前記式(a1)中、XがCOOの場合、(A)成分は脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤である。XがCOOの場合、洗浄力の更なる向上の観点から、R11は炭素数9〜18の炭化水素基であることが好ましく、炭素数11〜18の炭化水素基であることがより好ましい。また、R11は不飽和結合を有していてもよい。また、R12は、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
前記式(a1)中、sは、6〜20の数であり、10〜18が好ましく、14〜18がより好ましい。sが前記範囲内であれば、防臭効果がより高まる。また、HLB値が高くなりすぎず、洗浄力が向上しやすい。
前記式(a1)中、tは、0〜6の数であり、0〜3が好ましく、0がより好ましい。tが前記範囲内であれば、高温化での保存安定性が良好となりやすい。
前記式(a1)中の[(EO)s/(PO)t]において、EOとPOとは混在して配列していてもよい。EOとPOが混在して配列している場合、ランダム状であってもよく、ブロック状であってもよい。
(式(a2)中、R13は炭素数8〜18の炭化水素基を表す。pはEOの平均繰り返し数を表し、qはPOの平均繰り返し数を表し、rはEOの平均繰り返し数を表し、p、q、rは、p≧1、r≧7、0<q≦3、p+r=8〜20を満たす数である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、EOとPOとは混在して配列していてもよい。)
前記式(a2)中、EOとPOとの比率は、q/(p+r)で表される比で0.1〜0.5であることが好ましく、0.1〜0.3であることが好ましい。q/(p+r)で表される比が上記下限値以上であると、液体洗浄剤の泡立ちの適正化が図られやすい。上記上限値以下であると、適度な粘度が得られやすくなり、ゲル化が抑制されやすい。
[(EO)p/(PO)q]におけるEOとPOは、混在して配列していてもよい。その場合、EOとPOは、ランダム状であってもよく、ブロック状であってもよい。
式(a2)で表される(A)成分を用いると、液体洗浄剤は適度な粘度が得られやすくなり、ゲル化も抑制される。また、泡立ち性が向上し、生分解性もより良好になる。
(A)成分としては、液体洗浄剤の洗浄力向上の観点から、前記式(a1)で表されるノニオン界面活性剤が好ましく、中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルがより好ましい。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましく、15〜25質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が前記範囲であれば、洗浄力を向上させやすく、より良好な防臭効果が得られやすい。
(B)成分は、アニオン界面活性剤である。(B)成分は液体洗浄剤に洗浄力を付与する。また、(B)成分と(A)成分とを併用することによって、液体洗浄剤を放置して水分が揮発した場合に、(A)成分の結晶化を阻害してゲル化を防ぐことができる。
(B)成分としては、公知のアニオン界面活性剤のなかから適宜選択して用いることができる。
本発明において好ましく用いられる(B)成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖又は分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
これらのうち、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものが特に好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドを付加したもの(即ち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)が好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のものが好ましく、14〜17のものがより好ましい。なかでも、前記アルキル基が2級アルキル基であるもの(即ち、2級アルカンスルホン酸塩)が特に好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、脂肪酸残基(即ち、Ra−C(H)−COOで表される基。Raは炭化水素基を表す)の炭素数が10〜20のものが好ましい。
これらの中でも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも1種のアニオン界面活性剤が特に好ましい。
これらのアニオン界面活性剤は、市販品を用いてもよい。
(B)成分は、1種単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(C)成分はカチオン界面活性剤であり、本発明の液体洗浄剤に防臭効果を付与できる。
(C)成分には、例えば、第4級アンモニウム塩等を用いることができる。
第4級アンモニウム塩としては、通常、衣料用の洗浄剤組成物に用いられている従来公知のものが挙げられる。中でも、好ましい第4級アンモニウム塩としては、高い防臭効果が得られやすいことから、下記の一般式(c−1)、(c−2)又は(c−3)で表される化合物が挙げられる。
前記式(c−1)中、R1〜R3の3つが、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、R4が、炭素数8〜22の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、もしくは炭素数8〜22の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基である化合物。
前記(c−1−1)成分において、R1〜R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。中でも、R1〜R3がいずれもメチル基であることが特に好ましい。
R4のアルキル基又はアルケニル基において、炭素数は8〜22であり、10〜22であることが好ましく、11〜16であることがより好ましい。また、R4は、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
前記式(c−1)中、R1及びR2が、それぞれ独立して、炭素数8〜22の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、もしくは炭素数8〜22の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基であり、R3及びR4が、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である化合物。
前記(c−1−2)成分において、R1及びR2のアルキル基又はアルケニル基において、炭素数は8〜22であり、8〜12であることが好ましく、8〜10であることがより好ましい。また、R1及びR2は、それぞれ独立して、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。中でも、R1及びR2がいずれも直鎖状のアルキル基であることが特に好ましい。
R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。中でも、R3及びR4がいずれもメチル基であることが特に好ましい。
(c−1)成分の市販品としては、例えば、例えば、ライオンスペシャリティケミカルズ(株)社製の「アーカードT−800」、「リポカード 12−37W」、「アーカード210」(いずれも商品名)等が挙げられる。
また、x+yは10以上の数であり、10〜50であることが好ましい。x+yが10以上であれば、泥汚れに対する洗浄力が向上しやすい。
Z−は、前記式(c−1)におけるZ−と同様のものが挙げられる。
R9のアルキル基又はアルケニル基において、炭素数は8〜22であり、10〜18であることが好ましく、12〜14であることがより好ましい。また、R9は、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
R10は、炭素数1〜3のアルキレン基であり、メチレン基であることが好ましい。
Z−は、前記式(c−1)におけるZ−と同様のものが挙げられる。
(c−3)成分の市販品としては、例えば、ライオンスペシャリティケミカルズ(株)社製の「CB−50」(商品名)等が挙げられる。
また、(C)成分としては、(c−1)成分がより好ましく、塩化アルキルトリメチルアンモニウムが特に好ましい。
また、液体洗浄剤組成物中の(C)成分と(B)成分の質量比率(C)/(B)は、0.05〜0.2が好ましく、0.1〜0.2がより好ましい。(C)/(B)が前記範囲内であれば、洗浄力が低くなりすぎず、かつ防臭効果がより高まる。
(D)成分は、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体である。
本発明の液体洗浄剤は、(C)成分と(D)成分とを含有することによって、より優れた防臭効果を発揮する。
(D)成分としては、例えば、下記(d−1)成分、下記(d−2)成分が挙げられる。
(d−1)成分は、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体である。
(d−1)成分のポリアルキレンイミンは、例えば、下記一般式(d1)で表される。
NH2−R21−(NA−R21)n−NH2 ・・・(d1)
式(d1)中、R21は、それぞれ独立して炭素数2〜6のアルキレン基であり、Aは、水素原子又は分岐による別のポリアミン鎖を示し、nは、1以上の数である。ただし、前記Aがすべて水素原子であることはない。
即ち、(d1)式で表されるポリアルキレンイミンは、構造中に分岐したポリアミン鎖を有する。
ポリアルキレンイミンは、炭素数2〜6のアルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる。炭素数2〜6のアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等が挙げられる。
ポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミンが好ましく、PEIがより好ましい。PEIは、エチレンイミンを重合することによって得られ、その構造中に、1級、2級及び3級アミン窒素原子を含む分岐鎖構造を有している。
アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
(d−1)成分としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
(d1)成分としては、例えば、式(d1−a)で示される化合物が挙げられる。
R22は、炭素数2又は3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。mは、(R22O)の平均繰り返し数であり、それぞれ独立に5〜40が好ましく、10〜30がより好ましい。
(d−1)成分としては、合成品が用いられてもよいし、市販品が用いられてもよい。
市販品としては、例えばBASF社製の商品名「Sokalan(登録商標) HP20」等が挙げられる。
(d−2)成分は、例えば、下記一般式(d2)で表されるポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体である。
NH2(R31NH)lH ・・・(d2)
式(d2)中、R31は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、lは、1以上の数である。
ポリアルキレンアミンとしては、ポリエチレンアミンが好ましい。ポリエチレンアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。なお、これらのポリエチレンアミンは、公知の製造方法、例えばアンモニア及びエチレンジクロリドを反応させることで得られる。
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
(D)成分は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
また、液体洗浄剤の(C)成分と(D)成分の質量比率(C)/(D)は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、5〜10がさらに好ましい。(C)/(D)が前記範囲内であれば、抗菌効果が得られやすい。
本発明の液体洗浄剤は酵素(E)を含むことが好ましい。(E)成分を含むことで、液体洗浄剤の洗浄力をより高められる。
(E)成分としては、通常、衣料用洗剤に用いられている酵素が利用でき、例えばプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ等が挙げられる。なお、本明細書において「酵素」とは酵素製剤を意味する。
プロテアーゼとしては、上記の中でも、Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L、Everlase Ultra 16L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、が好ましく、Alcalase 2.5L、Everlase 16L、Savinase 16L、Coronase 48Lが特に好ましい。
(E)成分は、いずれか1種単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
なお、本明細書において、液体洗浄剤中の酵素の含有量は、製剤としての含有量である。前記含有量は、一般的な方法により、例えば原料の使用量、又は液体洗浄剤中の酵素たんぱく量から逆算して求められる。
また、液体洗浄剤組成物中(D)成分と(E)成分の質量比率(D)/(E)は、0.5以上であることが好ましい。前記下限値以上であれば、(E)成分の保存安定性が向上しやすい。
本発明の液体洗浄剤は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)〜(E)成分以外の任意成分を含有することができる。
任意成分としては、例えば、水、(A)〜(C)成分以外の界面活性剤(任意界面活性剤)、水混和性有機溶剤、有機酸、減粘剤、可溶化剤、アルカリ化剤、金属イオン補足剤、酸化防止剤、防腐剤、酵素安定化剤、風合い向上剤、蛍光増白剤、移染防止剤及び再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤、着香剤、着色剤、乳濁化剤、天然物等のエキス、pH調整剤等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン酸型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型等の両性界面活性剤が挙げられる。これらは1種単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤中の任意界面活性剤の含有量は、液安定性の観点から、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜10質量%が好ましい。
水混和性有機溶剤は、1種単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤が水混和性有機溶剤を含有する場合、水混和性有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、10質量%以下が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましい。水混和性有機溶剤の含有量が10質量%以下であれば、製品の皮膜形成に影響を与えにくい。
なお、本発明において、水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶剤をいう。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、またはアルカノールアミン塩等が挙げられる。
これらの酸又はその塩は、1種単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
減粘剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜10質量%が好ましい。
また、可溶化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜10質量%が好ましい。
アルカリ化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.5〜5質量%が好ましい。
金属イオン捕捉剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対し、0.01〜20質量%が好ましい。
モノフェノール系酸化防止剤のなかでは、ジブチルヒドロキシトルエンが特に好ましい。高分子型フェノール系酸化防止剤のなかでは、dl−α−トコフェロールが特に好ましい。酸化防止剤は、1種単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
酸化防止剤の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、0.01〜2質量%が好ましい。
防腐剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.001〜1質量%が好ましい。
酵素安定化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0〜2質量%が好ましい。
風合い向上剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0〜5質量%が好ましい。
着香剤としては、代表的な例として、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A、B、C、Dなどが使用できる。着香剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜1質量%が好ましい。
硫黄含有香料前駆体としては、例えば、下記一般式(f−1)で表される化合物が挙げられる。
ただし、式(f−1)中、Jは、下記化学式(J−1)〜(J−7)でそれぞれ表される基、及びこれらの異性体からなる群より選択される少なくとも1種の基を表す。下記化学式(J−1)〜(J−7)中、波線は、Sと結合する結合手を表す。下記化学式(J−1)〜(J−2)中、点線は、点線が設けられている炭素原子間の結合の1つ以上が二重結合であることを意味する。下記化学式(J−4)中、jは、0〜20の整数を表す。
Sは、硫黄原子である。
Gは、置換基を有していてもよい炭素数2〜15の直鎖状又は炭素数2〜15の分岐鎖状の炭化水素基を表す。
Qは、−S−Jで表される基、−NR61−Jで表される基又は水素原子である。ただし、前記−S−Jで表される基におけるSは硫黄原子であり、Jは下記化学式(J−1)〜(J−7)でそれぞれ表される基、及びこれらの異性体からなる群より選択される少なくとも1種の基を表す。前記−NR61−Jで表される基におけるNは窒素原子であり、Jは前記−S−Jで表される基におけるJと同じであり、R61は水素原子又はメチル基である。
上記化学式(J−4)中、jは、0〜20の整数(jが0のとき(J−4)は5員環である)であり、5〜15の整数が好ましい。
上記式(d−1)におけるJとしては、上記化学式(J−1)で表される基、上記化学式(J−2)で表される基が好ましい。
上記式(d−1)中、Gは、飽和炭化水素基でもよいし不飽和炭化水素基でもよい。Gとしては、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。Gにおける炭化水素基の炭素数は、10〜14が好ましい。Gにおける炭化水素基を有する置換基としては、例えば、−OR62、−N(R62)2、−COOR62(前記R62は、それぞれ、炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数1〜6のアルケニル基又は水素原子を表す)等が挙げられる。
好ましい(D)成分としては、例えば、メチル又はエチル2−(4−オキソ−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)ブタン−2−イルアミノ)−3−(4−オキソ−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)ブタン−2−イルチオ)プロパネート、メチル又はエチル2−(4−オキソ−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタン−2−イルアミノ)−3−(4−オキソ−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタン−2−イルチオ)プロパネート、メチル又はエチル2−(2−オキソ−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)ブタン−4−イルアミノ)−3−(2−オキソ−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)ブタン−4−イルチオ)プロパネート、メチル又はエチル2−(2−オキソ−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタン−4−イルアミノ)−3−(2−オキソ−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタン−4−イルチオ)プロパネート、3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)−1−ブタノン、3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)−1−ブタノン、4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)−2−ブタノン、4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)−2−ブタノン、2−ドデシルスルファニル−5−メチル−ヘプタン−4−オン、2−シクロヘキシル−1−ドデシルスルファニル−ヘプト−6−エン−3−オン、3−(ドデシルチオ)−5−イソプロペニル−2−メチルシクロヘキサノン等が挙げられる。
これらの中でも、香りの持続性を高める観点から、3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)−1−ブタノン、4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)−2−ブタノン、4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)−2−ブタノン及び3−(ドデシルチオ)−5−イソプロペニル−2−メチルシクロヘキサノンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。
その中でも、3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)−1−ブタノン及び4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)−2−ブタノンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物が特に好ましい。
香料前駆体は、市場において容易に入手可能であり、また、公知の方法によっても合成可能である。
香料前駆体は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤が香料前駆体を含有する場合、液体洗浄剤組成物の総質量に対する香料前駆体の含有量は、0.0001〜3質量%が好ましい。
天然物などのエキスの配合量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0〜0.5質量%が好ましい。
なお、本発明における液体洗浄剤の25℃におけるpHは、試料を25℃に調整し、pHメーター(例えば、東亜ディーケーケー(株)社製の「HM−30G」(製品名)を使用)等により測定される値を意味する。
なお、本発明における液体洗浄剤の25℃での粘度は、試料を25℃に調整し、B型粘度計(TOKIMEC社製、ロータNo.2)を用いて、回転数60rpmの条件で、回転開始から1分後に測定した値を意味する。
本発明の液体洗浄剤は、従来公知の製造方法によって製造される。
液体洗浄剤の製造方法は、例えば、分散媒である水に、(A)〜(E)成分及び必要に応じてその他の成分を分散することで得られる。
液体洗浄剤の使用方法としては、例えば、液体洗浄剤を単独で、又は公知の漂白剤や柔軟剤と共に水に入れて洗浄液とし、この洗浄液に被洗物を入れ洗濯機で洗浄する方法、洗浄液、又は液体洗浄剤を被洗物に塗布し、これを洗濯機で洗浄する方法等が挙げられる。
被洗物としては、例えば、衣類、布帛、シーツ、カーテン、絨毯等の繊維製品が挙げられる。
前記洗浄液中の液体洗浄剤の含有量は、特に限定されない。水に対する液体洗浄剤の添加量は、例えば、水10L当たり、液体洗浄剤6〜8mLとされる。
本発明の液体洗浄剤は、前記(A)成分が、アルコールアルコキシレート、脂肪酸メチルエステルアルコキシレートからなる群より選択される少なくとも1つのノニオン界面活性剤であり、前記(B)成分が、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)からなる群より選択される少なくとも1つのアニオン界面活性剤であり、前記(C)成分が塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(C12モノアルキル)及び塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(C18モノアルキル)からなる群より選択される少なくとも1つのカチオン界面活性剤であり、前記(D)成分が、ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体であり、(B)/(A)が、0.15〜1.0であることが好ましい。
表1、2中の略号は以下を表す。
<(A)成分>
A1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(EOの付加モル数15)(ライオンケミカル株式会社製、商品名「LMAO−90」)(式(a1)中、R11が炭素数12〜14のアルキル基であり、XがOであり、sが15であり、tが0であり、R12が水素原子である化合物)。
A2:脂肪酸メチルエステルアルコキシレート(MEE)(ライオンケミカル株式会社製、商品名「CEAO−90」)(式(a1)中、R11が炭素数11のアルキル基と炭素数13のアルキル基の混合物であり、XがCOOであり、sが15であり、tが0であり、R12がメチル基である化合物)。
A3:下記の方法にて製造した合成品。炭素数12の第2級アルコール及び炭素数14の第2級アルコールに、8モル相当のエチレンオキシドと、2モル相当のプロピレンオキシドと、を付加したもの(式(a1)において、R11が炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基の混合物であり、XがOであり、sが8であり、tが2であり、R12がHである化合物)。
<A3の製造方法>
P&G社製の「CO−1270」(天然アルコール)224.4gと、30質量%NaOH水溶液2.0gと、を耐圧型反応容器内に仕込み、前記反応容器内を窒素置換した。次いで、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。その後、撹拌しつつ、ガス状のエチレンオキシド352gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながら、前記アルコール液中に徐々に加えて反応させた。次いで、プロピレンオキシド116gを導入してさらに反応させた。
次いで、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを留去した。次いで、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、A3を得た。
<(B)成分>
B1:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(ライオン(株)製、商品名「ライポンLH−200」)(C10〜14、平均分子量322)。
B2:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES)(新日本理化株式会社製、商品名「シノリン(登録商標)SPE−1150」)。
<(C)成分>
C1:塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(ライオンスペシャリティケミカルズ(株)社製、商品名「リポガード12-37W」)(式(c−1)中、R1〜R3がメチル基であり、R4が炭素数12の直鎖状アルキル基である化合物)。
C2:塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(ライオンスペシャリティケミカルズ(株)社製、商品名「リポガードT−800」)(式(c−1)中、R1〜R3がメチル基であり、R4が炭素数18の直鎖状アルキル基である化合物)。
<(D)成分>
D1:ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体(BASF社、商品名「Sokalan HP20)。
<(E)成分>
E1:Coronase 48L(ノボザイム社製)。
E2:Alcarase 2.5L(ノボザイム社製)。
水混和性有機溶剤:95%エタノール(日本アルコール販売(株)社製、商品名「特定アルコール95度合成」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.5質量%配合)、ポリエチレングリコール(日本油脂(株)社製、商品名「PEG#1000」、AI(純分)=60質量%。液体洗浄剤の総質量に対して、3質量%配合)。
金属イオン補足剤:クエン酸3ナトリウム2水塩(扶桑化学工業(株)社製、商品名「クエン酸3ナトリウム2水塩」、AI(純分)=100%。液体洗浄剤の総質量に対して、0.1質量%配合)、メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム(MGDA)(BASF社製、商品名「トリロンM」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.2質量%配合)。
酵素安定化剤:安息香酸ナトリウム((株)伏見製薬社製、商品名「フミナール」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.5質量%配合)、乳酸ナトリウム(ピューラック社製、商品名「発酵乳酸ナトリウム」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.8質量%配合)、塩化カルシウム(株式会社トクヤマ製、商品名「粒状塩化カルシウム」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.01質量%配合)。
高級脂肪酸塩:ヤシ脂肪酸(日油株式会社製、商品名「椰子脂肪酸(PKO)TC」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.8質量%配合)。
酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン(Degussa社製、商品名「K−NOX(登録商標)BHT」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.1質量%配合)。
香料:特開2003‐268398号広報の表7〜14に記載の香料組成物A。液体洗浄剤の総質量に対して、0.2質量%配合)。
香料前駆体:3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)−1−ブタノン。特表2005−511710号公報の例4に記載の化合物。上記式(d−1)における、Jが化学式(J−1)(3,4位間に二重結合を有する)で表される基、Gがドデシル基、Qが水素原子である化合物。又は4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)−2−ブタノン。原料としてドデカンチオール(東京化成工業株式会社製)とβヨノン(ヴェ・マンフィス香料株式会社製)とを用い、特表2005−511710号公報の例4に記載の合成方法と同様にして合成した化合物。上記式(d−1)における、Jが化学式(J−2)(1,2位間に二重結合を有する)で表される基、Gがドデシル基、Qが水素原子である化合物。
天然物などのエキス:ローズマリーエキス(シムライズ(株)社製、商品名「EXTRAPONE ROSEMARY P」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.001質量%配合)。
着色剤:色素(癸巳化成株式会社製、商品名「緑色3号」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.0002質量%配合)。
pH調整剤:硫酸(東亜合成社製、必要量)、水酸化ナトリウム(鶴見曹達株式会社製、必要量)。
溶媒:水(精製水)(バランス)
<その他の成分>
C’1:ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド(ライオンスペシャリティケミカルズ(株)社製、商品名「リポミンAPA168−65E」)。
D’1:ポリエチレンイミン(PEI)(株式会社日本触媒製、商品名「ルパゾール」)。
D’2:ポリエチレングリコール(質量平均分子量10000)(ライオンケミカル(株)社製、商品名「PEG♯1000−L60」)。
pH調整剤の含有量「必要量」は、液体洗浄剤を表中のpHにするのに要した量である。
水の含有量「バランス」は、液体洗浄剤を全体で100質量%とするのに必要な量である。
また、表中の「B/A」は、液体洗浄剤中の(B)成分と(A)成分の質量比率(B)/(A)を表す。また、「C/B」は、液体洗浄剤中の(C)成分と(B)成分の質量比率を表し、「C/D」は、液体洗浄剤中の(C)成分と(D)成分の質量比率を表す。
なお、表中の配合量は純分換算値である。また、表中に配合量が記載されていない成分は、配合されていない。
表1、2に示す組成に従い、(A)〜(E)成分及び任意成分と水とを全て攪拌混合して液体洗浄剤を得た。
(抗菌効果:乾燥中又は保管中の防臭効果)
以下の1、2の手順に沿って、液体洗浄剤の抗菌効果について評価を行った。なお、「抗菌効果」とは、菌の増殖を抑制する効果であり、本明細書では、被洗物の乾燥中又は保管中の防臭効果の指標とする。
1.洗浄処理
まず、試験布の洗浄処理を以下の手順に沿って行った。
全自動電気洗濯機(Haier社製、製品名「JW−K33F」)に、綿メリヤス布(日清紡(株)社製、製品名「CK43202」、谷頭商店より購入)約30g、および綿肌シャツ(B.V.D.社製)を、全被洗布の質量合計が約400gとなるように調整して投入した(浴比(洗濯水/被洗布総質量)30倍)。
次に、液体洗浄剤を10mL添加して、標準コースで洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗浄操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(低水位に設定、水量約15L)に関しては、一切調整せず、洗濯機の標準コース設定を使用した。この洗濯操作を5回繰り返した。
洗濯終了後、取り出した綿メリヤス布を25℃、湿度65%RHの恒温恒湿室に放置して乾燥させた。乾燥後5×5cm四方に裁断し、これを試験布として抗菌効果の評価に用いた。また、上記洗浄処理を施していない綿メリヤス布を未処理布として使用した。
1で得られた試験布及び未処理布について、黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果を評価した。
本評価に用いる器具、水などは、予めオートクレーブにより滅菌処理を行った。
また、本評価では、菌として黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を用いた。
JIS L1902に基づいて培養を行った黄色ブドウ球菌を用い、ニュートリエント培地が20倍に希釈され、菌数が1±0.3×105個/mLとなるように黄色ブドウ球菌母液を調製した。
試験布(5×5cm)の4箇所に黄色ブドウ球菌母液を0.1mLずつ接種し、37℃の恒温槽にて18時間培養して、試験布上で増殖または静菌した。その後、抽出液(JIS L1902に記載の洗い出し用生理食塩水)にて試験布から菌を抽出し、抽出液を生理食塩水で10倍に希釈した。得られた希釈液をさらに10倍に希釈する操作を4回繰り返し、100,000倍の希釈液を得た。なお、「洗い出し用生理食塩水」とは、フラスコ内の精製水1000mLに対して塩化ナトリウム8.5gを加えて十分に溶解させ、さらにノニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(関東化学(株)社製、商品名「ポリソルベート80、Tween80」)2gを加えて溶解させた後、高圧蒸気殺菌(オートクレーブ処理)を施したものを指す。
得られた希釈液から100μLを採取し、標準寒天培地(アテクト社製)上に乗せ、コンラージ棒により均一に塗布したものを37℃の恒温槽で1〜2日培養した後、コロニー数をカウントし、生菌数を求めた。
未処理布についても試験布と同様の操作を行って生菌数を測定し、これらの測定値より抗菌活性値(A)を下記式(i)より算出した。
抗菌活性値=log(未処理布の生菌数/試験布の生菌数) ・・・(i)
ついで、比較試験布および未処理布について上記と同様の操作を行って生菌数を測定し、抗菌活性値(B)を算出した。算出した抗菌活性値(A)と抗菌活性値(B)の差(抗菌活性値(A)−抗菌活性値(B))について、下記の評価基準に沿って評価を行った。下記評価基準がA、Bのものを合格(抗菌効果に優れる)と判断した。結果を表1、2に示す。
<評価基準>
A:抗菌活性値の差が3桁以上。
B:抗菌活性値の差が2桁以上3桁未満。
C:抗菌活性値の差が1桁以上2桁未満。
D:抗菌活性値の差が1桁未満。
上記の洗濯処理を施した綿肌シャツ(B.V.D.社製)を、成人男性が所定時間着用し、その後、前記綿肌シャツの臭気を官能により、下記に示す6段階の評価基準に沿って評価した。また、評価は専門パネラー10人によって行った。
<評価基準>
5点:強烈なニオイ。
4点:強いニオイ。
3点:楽に感知できるニオイ。
2点:何のにおいであるかわかる弱いニオイ。
1点:やっと感知できるニオイ。
0点:無臭。
前記6段階の評価基準による評価の結果を基に、専門パネラー10人の平均値を算出し(小数第一位を四捨五入)、防臭効果を評価した。この官能による評価の平均値が2以下を合格(着用時の防臭効果に優れる)と判断した。また、成人男性が5時間着用した後の評価を防臭効果1、10時間着用した後の評価を防臭効果2として評価を行った。結果を表1、2に示す。
一方、(C)又は(D)成分のいずれかを含まない比較例1〜4の液体洗浄剤、及び(B)/(A)が1.0超の比較例5の液体洗浄剤は、いずれも抗菌効果が低く、かつ着用時の防臭効果も低かった。
以上の結果から、本発明の液体洗浄剤は、防臭効果により優れていることが確認された。
Claims (2)
- ノニオン界面活性剤(A)と、アニオン界面活性剤(B)と、カチオン界面活性剤(C)と、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体(D)とを含み、前記(B)成分と前記(A)成分との質量比率(B)/(A)が、0.15〜1であることを特徴とする、液体洗浄剤組成物。
- さらに酵素(E)を含む、請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
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