JP2004002589A - 洗剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明にかかる粉末洗剤組成物は、ポリアルキレンイミン鎖に1種以上の不飽和カルボン酸が付加したポリマーを必須成分とし、かつ、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、ゼオライト、層状シリケートからなる群より選ばれる1種以上を少なくとも含む。本発明にかかる液体洗剤組成物は、ポリアルキレンイミン鎖に1種以上の不飽和カルボン酸が付加したポリマーを必須成分として含む。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた洗浄効果を発揮する洗剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、洗剤組成物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−ヒドロキシアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸系(共)重合体や、ポリエーテル化合物に(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸系単量体をグラフト重合して得られるグラフト重合体のような親水性重合体を配合したものが知られている。
しかし、これらは、例えばポリエステル混紡布のように疎水性の合成繊維と比較的親水性の高い木綿繊維等との両方に対して充分な洗浄効果を期待できるものではなく、しかも洗濯中にクレーが付着するのを防止する再汚染防止能が充分でないなど、洗剤組成物として満足のいくものではなく、さらなる性能向上が望まれている。
【0003】
また、ポリアルキレンイミン鎖に不飽和カルボン酸が付加したポリマーを洗剤組成物に利用する技術としては、特公昭48−20203号公報に、ポリエチレンイミンのアミノ基の一部がカルボン酸によってアルキル化されたN−アルキルカルボン酸−エチレンイミンポリマーを含む洗剤が報告されているのみである。しかし、近年はコンパクト化された洗剤が主流になっており、少量で優れた洗浄効果を発揮しうることが必須の課題となっているのに対して、該公報の技術が開発された当時はそのような課題は要望されておらず、該公報の洗剤は、現在求められている洗浄効果を充分に発揮するものではない。
【0004】
上記のような洗剤のコンパクト化は、従来からの粉末洗剤についてだけでなく、最近の液体洗剤についても強い要望がある。特に、液体洗剤をコンパクト化する場合には、液体洗剤の高濃度化に伴う洗剤成分の相溶性低下という問題があり、従来の技術においては十分な性能を発現できていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、優れた洗浄効果を発揮し、しかも再汚染防止能にも優れ、洗剤のコンパクト化の要請にも応えることができる、洗剤組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、ポリアルキレンイミン鎖に1種以上の不飽和カルボン酸が付加したポリマーを洗剤組成物の必須成分として用いることが重要であることが判った。そして、粉末洗剤組成物として用いる場合には、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、ゼオライト、層状シリケートからなる群より選ばれる1種以上と、前記ポリマーとを共存させることが上記課題を解決するのに有効であること、液体洗剤組成物として用いる場合には、前記ポリマーを必須成分として含ませることが上記課題を解決するのに有効であることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明にかかる粉末洗剤組成物は、ポリアルキレンイミン鎖に1種以上の不飽和カルボン酸が付加したポリマーを必須成分とし、かつ、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、ゼオライト、層状シリケートからなる群より選ばれる1種以上を少なくとも含む。
また、本発明にかかる液体洗剤組成物は、ポリアルキレンイミン鎖に1種以上の不飽和カルボン酸が付加したポリマーを必須成分として含む。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の洗剤組成物、すなわち、粉末洗剤組成物および液体洗剤組成物は、ポリアルキレンイミン鎖に1種以上の不飽和カルボン酸が付加したポリマー(以下、ポリマーAと称することもある。)を必須成分として含有するものである。該ポリマーAを含有することにより、優れた洗浄効果とともに良好な再汚染防止能を発揮することができる。
前記ポリアルキレンイミン鎖としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等のポリアルキレンイミンが挙げられる。また、前記ポリアルキレンイミンとしては分岐状のものが好ましい。特に、分岐状ポリアルキレンイミン中に存在する第一アミン、第二アミンおよび第三アミンのうち第三アミンの割合が1〜50モル%であることが好ましく、5〜45モル%であることがより好ましく、10〜40モル%であることがさらに好ましい。なお、分岐状ポリアルキレンイミン中の第三アミンの割合はNMR分析等により測定することができる。これらポリアルキレンイミン鎖は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
【0009】
前記ポリアルキレンイミンの重量平均分子量は、150〜700,000であることが好ましく、300〜500,000であることがより好ましく、工業的には、500〜300,000であることがより好ましく、1,000〜100,000であることがさらに好ましい。ポリアルキレンイミンの重量平均分子量が大きすぎると、不飽和カルボン酸の反応率が低下する傾向があり、一方、小さすぎると、充分な洗浄効果と再汚染防止能を発揮し得ない恐れがある。
前記不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−ヒドロキシアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸およびこれらの塩等が挙げられる。前記塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩やカルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、エタノールアミンやトリエチルアミン等の有機アミン塩等が挙げられる。これらは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0010】
前記ポリアルキレンイミン鎖に対する前記不飽和カルボン酸の付加量は、特に制限されないが、ポリアルキレンイミン鎖中の全窒素原子の1〜80%に不飽和カルボン酸が付加していることが好ましい。より好ましくは、ポリアルキレンイミン鎖中の全窒素原子の5〜70%に不飽和カルボン酸が付加しているのがよく、さらに好ましくは、ポリアルキレンイミン鎖中の全窒素原子の10〜60%に不飽和カルボン酸が付加しているのがよい。また、全窒素原子の量に対する不飽和カルボン酸の付加量は、特に制限されないが、1〜150モル%が好ましく、5〜125モル%がより好ましく、10〜100モル%がさらに好ましい。不飽和カルボン酸の付加量が多すぎると、残存する不飽和カルボン酸の量が多くなる傾向があり、一方、少なすぎると、充分な洗浄効果と再汚染防止能を発現し得ない恐れがある。
【0011】
前記ポリマーAは、例えば、前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カルボン酸をマイケル付加させることにより容易に得ることができる。
前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カルボン酸をマイケル付加させる際の付加方法としては、特に制限はないが、溶液反応が好ましく、この場合、攪拌下、静置下のいずれでもよい。
前記溶液反応の際の溶媒は、水系溶媒が好ましく、さらに好ましくは水であるのがよい。また、水系溶媒以外の溶媒を10重量%以下の範囲で適宜加えてもよい。水系溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等から1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0012】
前記溶液反応を行う際の原料濃度は、特に限定されないが、反応時間の短縮化という観点からは、前記ポリアルキレンイミンと不飽和カルボン酸との合計量が、10〜90重量%となるようにすることが好ましく、20〜80重量%となるようにすることがより好ましく、30〜70重量%となるようにすることがさらに好ましい。
前記溶液反応を行う際の反応溶液のpHは、特に限定されないが、マイケル付加反応では一般的にpHが高い方が反応性がよいので、原料の溶解性にもよるが、好ましくは7以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上とするのがよい。pHの調整は、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウムや水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、アンモニア、エタノールアミンやトリエチルアミン等の有機アミン等で行うのが好ましく、アルカリ金属水酸化物を用いるのが特に好ましい。
【0013】
前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カルボン酸をマイケル付加させる際には、前記ポリアルキレンイミンと前記不飽和カルボン酸とを全て一括仕込みしてもよいし、いずれかを初期仕込みして残りを滴下するようにしてもよいし、全てを滴下してもよい。好ましくは、ジカルボン酸等の反応性が比較的低い不飽和カルボン酸を用いる場合には、これらは初期仕込みしておくのがよい。
前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カルボン酸をマイケル付加させる際には、触媒は基本的に不要であるが、必要に応じて反応に悪影響を及ぼさないものであれば適宜使用してもよい。
【0014】
前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カルボン酸をマイケル付加させる際には、重合禁止剤を用いてもよい。特に、重合性の高い不飽和カルボン酸を用いる場合には、重合禁止剤を用いることが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、メトキノン、フェノチアジン等が挙げられる。
前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カルボン酸をマイケル付加させる際の反応温度は、特に制限されないが、20〜120℃とすることが好ましい。特に、例えばアクリル酸等の重合性の高い不飽和カルボン酸を用いる場合は、重合による副反応を抑制するためには低い温度の方が好ましく、例えば、20〜80℃とすることが好ましく、20〜60℃とすることがより好ましい。一方、ジカルボン酸等の反応性が比較的低い不飽和カルボン酸を用いる場合は、反応を速めるために高い温度の方が好ましく、例えば、50〜120℃とすることが好ましく、60〜120℃とすることがより好ましい。
【0015】
前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カルボン酸をマイケル付加させる際の反応時間は、特に制限されないが、10分間〜50時間とすることが好ましく、15分間〜40時間とすることがより好ましく、30分間〜30時間とすることがさらに好ましい。
前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カルボン酸をマイケル付加させる際、例えばアクリル酸等の重合性の高い不飽和カルボン酸を用いる場合には、重合反応を抑制するために空気雰囲気下で反応を行うことが好ましく、また、得られるポリマーの着色を抑えるためには窒素雰囲気下で反応を行うことが好ましいので、重合体の使用目的に応じて適宜設定すればよい。なお、反応は、常圧(大気圧)、加圧、減圧のいずれで行ってもよい。
【0016】
前記ポリアルキレンイミンに前記不飽和カルボン酸をマイケル付加させる際には、前記不飽和カルボン酸は、未中和の形で反応させてもよいし、一部もしくは全部が中和された形で反応させてもよい。また、マイケル付加後に中和してもよく、この場合には、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウムや水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、アンモニア、エタノールアミンやトリエチルアミン等の有機アミン等を用いればよい。また、不飽和カルボン酸(塩)の代わりに、不飽和カルボン酸エステル、アミド、ニトリルをマイケル付加させた後、加水分解を行ってもよい。
【0017】
さらに、前記ポリアルキレンイミンに不飽和カルボン酸をマイケル付加した誘導体を更に変性してもよい。例えば、ハロゲン化アルキルを反応させて疎水性を付与してもよいし、多官能性の化合物でポリマー同士を結合させて分子量を上げてもよい。
前記ポリマーAの重量平均分子量は、粉末洗剤に用いる場合には、500〜500,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜300,000、さらに好ましくは2,000〜100,000であるのがよい。液体洗剤に用いる場合には、500〜300,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜100,000、さらに好ましくは2,000〜50,000であるのがよい。重量平均分子量が大きすぎると、取扱いが煩雑となる恐れがあり、一方、小さすぎると、充分な洗浄効果と再汚染防止能を発現し得ない恐れがある。
【0018】
本発明の洗剤組成物中に占める前記ポリマーAの含有量は、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.05〜15重量%であることがより好ましく、0.1〜10重量%であることがさらに好ましい。ポリマーAの含有量が多すぎると、洗剤組成物が着色することがあり、一方、少なすぎると、充分な洗浄効果と再汚染防止能を発現し得ない恐れがある。
本発明の洗剤組成物は、上述のように、ポリアルキレンイミン鎖に1種以上の不飽和カルボン酸が付加したポリマー(ポリマーA)を必須成分として含有するものであるが、かかる洗剤組成物が粉末洗剤組成物である場合には、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、ゼオライト、層状シリケートからなる群より選ばれる1種以上(以下、必須成分Bと称することもある)を少なくとも含むことが重要である。これら必須成分Bを含有することにより、優れた洗浄効果とともに再汚染防止能をも向上させることができる。
【0019】
また、本発明の洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合には、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、ゼオライト、層状シリケートからなる群より選ばれる1種以上(以下、任意成分Cと称することもある)を少なくとも含んでいてもよいが、必須成分として含む必要はない。これら任意成分Cを含有することにより、優れた洗浄効果とともに再汚染防止能をもより向上させることができる。なお、透明な液体洗剤組成物とするためには、任意成分Cの中でも、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、層状シリケートからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
前記ポリカルボン酸(塩)としては、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリグリオキシル酸、アミノカルボン酸系重合体(例えば、ポリアスパラギン酸等)およびこれらの塩等が挙げられる。前記塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。なお、これらポリカルボン酸(塩)の重量平均分子量は、500〜200,000であることが好ましく、1,000〜100,000であることがより好ましく、2,000〜50,000であることがさらに好ましい。
【0020】
前記クエン酸塩としては、例えば、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記ゼオライトとしては、例えば、水和ゼオライトA、X、B、HS等が挙げられる。
前記層状シリケートとしては、例えば、層状ケイ酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明の粉末洗剤組成物中に占める前記必須成分Bの含有量は、合計で、0.1〜50重量%であることが好ましく、0.5〜40重量%であることがより好ましく、1〜30重量%であるのがさらに好ましい。必須成分Bの合計含有量が多すぎると、界面活性能が低下する傾向があり、一方、少な過ぎると、充分な洗浄効果と再汚染防止能を発現し得ない恐れがある。また、必須成分Bの各々の含有量については、その種類によって適宜設定すればよいが、例えば、ポリカルボン酸(塩)やクエン酸塩の場合は、それぞれ0〜30重量%であるのが好ましく、ゼオライトや層状シリケートの場合は、それぞれ0〜50重量%であるのが好ましい。
【0021】
本発明の液体洗剤組成物中に前記任意成分Cが含まれる場合は、その含有量は、合計で、0〜50重量%であることが好ましく、0〜40重量%であることがより好ましく、0〜30重量%であることがさらに好ましい。任意成分Cの合計含有量が多すぎると、界面活性能が低下する傾向があり、一方、少な過ぎると、充分な洗浄効果と再汚染防止能を発現し得ない恐れがある。また、任意成分Cの各々の含有量については、その種類によって適宜設定すればよいが、例えば、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、層状シリケートの場合は、0〜30重量%であるのが好ましく、ゼオライトの場合は、0〜20重量%であるのが好ましい。
【0022】
本発明の洗剤組成物は、前記ポリマーA、および、粉末洗剤組成物の場合にはさらに必須成分Bからなっていてもよいが、通常、洗剤に配合されている界面活性剤をも含有していてもよい。界面活性剤としては、具体的には、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
前記アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和または不飽和脂肪酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルまたはアルケニルリン酸エステルまたはその塩等を挙げることができる。
【0023】
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等を挙げることができる。
前記カチオン系界面活性剤としては、例えば、第4アンモニウム塩等を挙げることができる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシル型またはスルホベタイン型両性界面活性剤等を挙げることができる。
【0024】
前記界面活性剤をも含有する場合、洗剤組成物中に占める界面活性剤の含有割合は、特に制限されないが、通常、5〜70重量%とするのが好ましく、10〜60重量%とするのがより好ましく、15〜50重量%とするのがさらに好ましい。界面活性剤の含有割合が多すぎると、経済性が低下する傾向があり、一方、少な過ぎると、充分な洗剤性能を発揮できなくなる恐れがある。また、本発明の洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合には、液体洗剤組成物中に占める界面活性剤の含有割合は、液体洗剤としての性能をより十分に発揮させるために、20〜70重量%とするのが好ましく、25〜65重量%とするのがより好ましく、30〜60重量%とするのがさらに好ましい。液体洗剤組成物中に占める界面活性剤の含有割合が20重量%よりも少ないと、洗濯に必要な洗剤の量が多くなり、液体洗剤としての本発明の効果が十分に発現できないために好ましくなく、70重量%を超えると、液体洗剤としての本発明の効果が十分に発現できないだけでなく、経済性も低下するので好ましくない。
【0025】
本発明の洗剤組成物は、さらに、従来公知の洗剤用ビルダーを含有していてもよい。洗剤用ビルダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレングリコール、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ニトリロトリ酢酸ナトリウム、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウムやカリウム、多糖類のカルボキシル誘導体、フマル酸(共)重合体塩などの水溶性重合体等が挙げられる。なお、これら洗剤ビルダーをも含有する場合、その含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよい。
【0026】
本発明の洗剤組成物は、さらに、洗剤に慣用されている種々の添加剤を含有していてもよい。具体的には、例えば、汚染物質の再沈着を防止するためのカルボキシメチルセルロースナトリウム、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等のよごれ抑制剤、アルカリ剤(pH調節のためのアルカリ性物質)、香料、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、過炭酸ナトリウムや過ホウ酸ナトリウム等の漂白剤、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩やテトラアセチルエチレンジアミン等の漂白活性剤、酵素、染料、水等の溶媒等が挙げられる。なお、これらの添加剤をも含有する場合、その含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよい。
【0027】
中でも、本発明の洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合には、洗浄力と再汚染防止能を向上させるために、アルカリ剤を含むことが特に好ましい。アルカリ剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミンやジエタノールアミン等のアルカノールアミン、珪酸塩、炭酸塩などが挙げられる。液体洗剤組成物中のアルカリ剤の含有割合は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜15重量%がより好ましく、1〜10重量%がさらに好ましい。液体洗剤組成物中のアルカリ剤の含有割合が0.1重量%よりも少ないと、十分な洗浄効果と再汚染防止能を発現し得ないために好ましくない。また、20重量%を超えると、肌に付着した際に肌荒れ等が起こる恐れがあるために好ましくない。
【0028】
本発明の洗剤組成物における代表的な配合例を具体的に表1に示す。なお、表1中の数値は重量部で表した。また、水の量については、全成分の合計が100重量部となるように適宜調整することとし、バランスと表記した。
【0029】
【表1】
【0030】
本発明の洗剤組成物は、洗剤の中間体、すなわち洗剤として必要な他の成分をさらに配合して洗剤とされるものであってもよいし、洗剤自体、すなわちそのままの状態で洗剤として用いられるものであってもよい。また、本発明の洗剤組成物は、粉末洗剤用として用いることもできるし、液体洗剤用あるいはジェル状洗剤用として用いることもできる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、合成例で得られたポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析は、下記の条件で測定した。
装置:日立社製L−7000シリーズ
検出器:RI、UV(254nm)
カラム:SHODEX社製 SB−G+SB−804HQ+SB−803HQ+SB−802.5HQ
カラム温度:40℃
検量線:ジーエルサイエンス社製 POLYETHYLENE OXIDE STANDARD
GPCソフト:日本分光社製「BORWIN」
溶離液:0.5M酢酸+0.5M酢酸ナトリウム
流速:0.8ml/min
〔合成例1〕
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に、重量平均分子量3600のポリエチレンイミン25gを仕込み、純水42.6gを加えて溶解させた。このポリエチレンイミン水溶液に37%アクリル酸ナトリウム水溶液25.9gを攪拌下に室温で滴下した。滴下終了後、混合物を50℃に昇温して24時間反応させ、アクリル酸ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
【0032】
得られたポリマーの一部を室温下で減圧乾燥させて得た白色固体を、重水に溶解させ1H−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
1H−NMR(δinD2O):2.2ppm(2H)、2.5ppm(25.5H)
この結果から、得られたポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するアクリル酸の付加量が17モル%であることが明らかとなった。
また、得られたポリマーのGPC分析結果から、重量平均分子量は3900、未反応の残存アクリル酸ナトリウムは0.5重量%であることが判った。
【0033】
〔合成例2〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミン20gと純水34.0gを反応器に仕込み、37%アクリル酸ナトリウム水溶液41.4gを滴下したこと以外は合成例1と同様に反応を行い、アクリル酸ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例1と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するアクリル酸の付加量が33モル%であり、重量平均分子量は4300、未反応の残存アクリル酸ナトリウムは0.7重量%であった。
【0034】
〔合成例3〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミン15gと純水25.6gを反応器に仕込み、37%アクリル酸ナトリウム水溶液62.1gを滴下したこと以外は合成例1と同様に反応を行い、アクリル酸ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例1と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するアクリル酸の付加量が62モル%であり、重量平均分子量は5000、未反応の残存アクリル酸ナトリウムは2.4重量%であった。
【0035】
〔合成例4〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミンの代わりに重量平均分子量2200のポリエチレンイミンを用いたこと以外は合成例1と同様に反応を行い、アクリル酸ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例1と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するアクリル酸の付加量が17モル%であり、重量平均分子量は2500、未反応の残存アクリル酸ナトリウムは0.2重量%であった。
【0036】
〔合成例5〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミンの代わりに重量平均分子量2200のポリエチレンイミンを用いたこと以外は合成例2と同様に反応を行い、アクリル酸ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例1と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するアクリル酸の付加量が34モル%であり、重量平均分子量は2700、未反応の残存アクリル酸ナトリウムは0.3重量%であった。
【0037】
〔合成例6〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミンの代わりに重量平均分子量2200のポリエチレンイミンを用いたこと以外は合成例3と同様に反応を行い、アクリル酸ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例1と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するアクリル酸の付加量が65モル%であり、重量平均分子量は3100、未反応の残存アクリル酸ナトリウムは1.3重量%であった。
【0038】
〔合成例7〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミンの代わりに重量平均分子量7500のポリエチレンイミンを用いたこと以外は合成例1と同様に反応を行い、アクリル酸ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例1と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するアクリル酸の付加量が16モル%であり、重量平均分子量は9800、未反応の残存アクリル酸ナトリウムは0.6重量%であった。
【0039】
〔合成例8〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミンの代わりに重量平均分子量7500のポリエチレンイミンを用いたこと以外は合成例2と同様に反応を行い、アクリル酸ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例1と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するアクリル酸の付加量が32モル%であり、重量平均分子量は13200、未反応の残存アクリル酸ナトリウムは1.5重量%であった。
【0040】
〔合成例9〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミンの代わりに重量平均分子量7500のポリエチレンイミンを用い、48時間反応させたこと以外は合成例3と同様に反応を行い、アクリル酸ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例1と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するアクリル酸の付加量が65モル%であり、重量平均分子量は15600、未反応の残存アクリル酸ナトリウムは1.4重量%であった。
【0041】
〔合成例10〕
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に、重量平均分子量3600のポリエチレンイミン20gを仕込み、純水27.6gを加えて溶解させた。他方、無水マレイン酸、純水、および48%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、50重量%マレイン酸二ナトリウム水溶液を調製した。このマレイン酸二ナトリウム水溶液26gを、反応器に仕込んだポリエチレンイミン水溶液に攪拌下に室温で滴下した。滴下終了後、混合物を80℃に昇温して24時間反応させ、マレイン酸二ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
【0042】
得られたポリマーの一部を室温下で減圧乾燥させて得た白色固体を、重水に溶解させ1H−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
1H−NMR(δinD2O):2.1〜2.4ppm(2H)、2.5ppm(40H)、3.25ppm(1H)
この結果から、得られたポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するマレイン酸の付加量が10モル%であることが明らかとなった。
また、得られたポリマーのGPC分析結果から、重量平均分子量は3800、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは4.9重量%であることが判った。
【0043】
〔合成例11〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミン16gと純水20.1gを反応器に仕込み、50重量%マレイン酸二ナトリウム水溶液41.7gを滴下したこと以外は合成例10と同様に反応を行い、マレイン酸二ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例10と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するマレイン酸の付加量が18モル%であり、重量平均分子量は4200、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは8.6重量%であった。
【0044】
〔合成例12〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミン12gと純水12.2gを反応器に仕込み、50重量%マレイン酸二ナトリウム水溶液62.5gを滴下したこと以外は合成例10と同様に反応を行い、マレイン酸二ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例10と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するマレイン酸の付加量が22モル%であり、重量平均分子量は4400、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは17.5重量%であった。
【0045】
〔合成例13〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミンの代わりに重量平均分子量2200のポリエチレンイミンを用いたこと以外は合成例10と同様に反応を行い、マレイン酸二ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例10と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するマレイン酸の付加量が12モル%であり、重量平均分子量は2400、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは3.7重量%であった。
【0046】
〔合成例14〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミンの代わりに重量平均分子量2200のポリエチレンイミンを用いたこと以外は合成例11と同様に反応を行い、マレイン酸二ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例10と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するマレイン酸の付加量が22モル%であり、重量平均分子量は2700、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは6.2重量%であった。
【0047】
〔合成例15〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミンの代わりに重量平均分子量2200のポリエチレンイミンを用いたこと以外は合成例12と同様に反応を行い、マレイン酸二ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例10と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するマレイン酸の付加量が33モル%であり、重量平均分子量は3200、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは13.1重量%であった。
【0048】
〔合成例16〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミンの代わりに重量平均分子量7500のポリエチレンイミンを用いたこと以外は合成例10と同様に反応を行い、マレイン酸二ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例10と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するマレイン酸の付加量が9モル%であり、重量平均分子量は8900、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは5.2重量%であった。
【0049】
〔合成例17〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミンの代わりに重量平均分子量7500のポリエチレンイミンを用いたこと以外は合成例11と同様に反応を行い、マレイン酸二ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例10と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するマレイン酸の付加量が13モル%であり、重量平均分子量は9600、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは11.7重量%であった。
【0050】
〔合成例18〕
重量平均分子量3600のポリエチレンイミンの代わりに重量平均分子量7500のポリエチレンイミンを用いたこと以外は合成例12と同様に反応を行い、マレイン酸二ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
得られたポリマーについて合成例10と同様に分析したところ、該ポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するマレイン酸の付加量が16モル%であり、重量平均分子量は9700、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは19.7重量%であった。
【0051】
〔合成例19〕
温度計、攪拌機を備えたガラス製の反応器に、重量平均分子量3600のポリエチレンイミン20gを仕込み、純水25.6gを加えて溶解させた。他方、48%水酸化ナトリウム水溶液6.8g、純水4gを混合し、37%アクリル酸ナトリウム水溶液7.9gを加えた後、氷冷しながら無水マレイン酸4.0gを徐々に加えて溶解させ、アクリル酸・マレイン酸塩水溶液を調製した。このアクリル酸・マレイン酸塩水溶液を、反応器に仕込んだポリエチレンイミン水溶液に攪拌下に室温で滴下した。滴下終了後、混合物を80℃に昇温して24時間反応させ、アクリル酸ナトリウムとマレイン酸二ナトリウムがポリエチレンイミンにマイケル付加したポリマーを得た。
【0052】
得られたポリマーの一部を室温下で減圧乾燥させて得た白色固体を、重水に溶解させ1H−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
1H−NMR(δinD2O):2.1〜2.4ppm(4.7H)、2.5ppm(82.7H)、3.25ppm(1H)
この結果から、得られたポリマーは、ポリエチレンイミン鎖中の全窒素原子量に対するアクリル酸の付加量が7モル%、マレイン酸の付加量が5モル%であることが明らかとなった。
また、得られたポリマーのGPC分析結果から、重量平均分子量は3800、未反応の残存マレイン酸二ナトリウムは3.5重量%、残存アクリル酸ナトリウムは検出限界以下であることが判った。
【0053】
〔実施例1〜6および比較例1〜2〕
合成例2、11、19で得られたポリマーと、表2に示す各成分を用い、表2に示す配合組成で粉末洗剤組成物を調製した。なお、表2中の数値は重量部で表した。また、水の量については、全成分の合計が100重量部となるように適宜調整することとし、バランスと表記した。
得られた粉末洗剤組成物について、以下の方法で再汚染防止能の評価を行った。結果を表2に示す。
<再汚染防止能>
粉末洗剤組成物を0.1重量%含む洗剤水溶液を調製した。他方、綿布(JIS−L0803綿布(金巾3号))を5cm×5cmに裁断した白布8枚を用意した。そして、前記洗剤水溶液1Lに、クレー(試験用ダスト11種(関東ローム、超微粒)日本粉体工業技術協会)1gと白布8枚とを加え、ターゴトメータを用いて、洗濯時間10分(ターゴトメータ100rpm)、濯ぎ時間2分(ターゴトメータ100rpm)で、洗濯・濯ぎを3回繰り返した後、布をアイロンで乾燥させた。なお、使用した水の硬度は50ppm(炭酸カルシウム換算)、水温は25℃であった。
【0054】
上記試験前の白布(原布)および試験後の白布(汚染布)の反射率(ハンター白色度)を色差計(日本電色工業株式会社製「SE2000」)にて測定し、原布および汚染布それぞれ8枚の平均値を算出し、該平均値を用いて次式によって再汚染防止率を求め、再汚染防止能を評価した。
再汚染防止率(%)=(汚染布の反射率/原布の反射率)×100
【0055】
【表2】
【0056】
〔実施例7〜12および比較例3〜5〕
合成例2、11、19で得られたポリマーと、表3に示す各成分を用い、表3に示す配合組成で液体洗剤組成物を調製した。なお、表3中の添加量の数値は、固形分あるいは有効成分換算での重量部で表した。また、水の量については、全成分の合計が100重量部となるように適宜調整することとし、バランスと表記した。
得られた液体洗剤組成物について、以下の方法で相溶性の評価を行った。
その結果を表3に示す。
<相溶性>
調製した液体洗剤組成物の各成分が均一になるように充分に攪拌し、気泡を除いた後、25℃での濁度値を測定した。濁度値は、日本電色株式会社製NDH2000(濁度計)を用いてTurbidity(カオリン濁度:mg/l)を測定した。
【0057】
評価結果は次の3段階を基準とした。
○:濁度値(0〜50)、目視で分離、沈殿又は白濁していない。
△:濁度値(50〜200)、目視で僅かに白濁している。
×:濁度値(200以上)、目視で白濁している。
なお、比較サンプルとして、ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量Mw7000、日本触媒製)を使用した。
【0058】
【表3】
【0059】
〔実施例13〜19および比較例6〜9〕
合成例2、8、11、15、19で得られたポリマーと、表4に示す各成分を用い、表4に示す配合組成で液体洗剤組成物を調製した。なお、表4中の数値は固形分あるいは有効成分換算での重量部で表した。また、水の量については、全成分の合計が100重量部となるように適宜調整することとし、バランスと表記した。
得られた液体洗剤組成物を0.175重量%含む洗剤水溶液を調製し、実施例1〜6と同様の方法で再汚染防止能の評価を行った。
【0060】
その結果を表4に示す。
【0061】
【表4】
【0062】
【発明の効果】
本発明にかかる洗剤組成物は、優れた洗浄効果を発揮し、しかも再汚染防止能にも優れ、洗剤のコンパクト化の要請にも応えることができる。
Claims (5)
- ポリアルキレンイミン鎖に1種以上の不飽和カルボン酸が付加したポリマーを必須成分とし、かつ、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、ゼオライト、層状シリケートからなる群より選ばれる1種以上を少なくとも含む、粉末洗剤組成物。
- ポリアルキレンイミン鎖に1種以上の不飽和カルボン酸が付加したポリマーを必須成分として含む、液体洗剤組成物。
- 界面活性剤を20重量%以上含有する、請求項2に記載の液体洗剤組成物。
- アルカリ剤を含有する、請求項2または3に記載の液体洗剤組成物。
- ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、ゼオライト、層状シリケートからなる群より選ばれる1種以上を少なくとも含む、請求項2から4までのいずれかに記載の液体洗剤組成物。
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