JP2017199839A - 電磁シールド具及びワイヤーハーネス - Google Patents

Abstract

【課題】電磁シールド具において金属シートの形状維持を容易にする。
【解決手段】電磁シールド具１０は、金属シート３０と、金属シート３０の四方の外縁のうち第一の外縁部３１及び前記第一の外縁部３１とは反対側の第二の外縁部３２を環状に保持する一対のブラケット２Ａ，２Ｂとを備える。ブラケット２Ａ，２Ｂは、第一の外縁部３１及び第二の外縁部３２各々に沿って直列に並ぶ状態で金属シート３０に接合されている長尺部２２１，２２２と、短尺部２３１，２３２を有する。短尺部２３１の両端は、曲げ部２４１，２４２を介して長尺部２２１，２２２各々に連なる。短尺部２３２の両端のうち、一端は曲げ部２４３を介して第二の長尺部２２２に連なっており、他端は連結部２５を介して前記第一の長尺部２２１と連結されている。
【選択図】図１

Description

この発明は、ノイズ電磁波を遮蔽する電磁シールド具及びそれを備えたワイヤーハーネスに関する。

特許文献１は、複数の電線の周囲を金属布で囲んで電磁ノイズを遮蔽する電磁シールド具を開示している。電磁シールド具は、金属布の第１の外縁部及びその反対側の第２の外縁部を環状に保持する、２つのブラケットを備える。

特開２０１３−１７６２７９号公報

ところで、特許文献１の電磁シールド具の場合、ブラケットが備える２つの長尺部に、金属布が圧着又は溶接により接合されている。しかしながら、この２つの長尺部のみでは、接合力が不十分となるおそれがあった。このため、金属布の形状維持が困難となることで、ノイズ吸収性能が低下するおそれがあった。

そこで、本発明は、電磁シールド具において金属シートの形状維持を容易にする技術を提供することを目的とする。

上記の課題を解決するため、第１態様は、金属シートと、導電性材料で形成され、前記金属シートの四方の外縁のうち第一の外縁部及び前記第一の外縁部とは反対側の第二の外縁部を環状に保持する一対のブラケットとを備え、前記一対のブラケット各々は、前記第一の外縁部及び前記第二の外縁部各々に沿って直列に並ぶ第一の長尺部、第一の短尺部、第二の長尺部及び第二の短尺部を含み、第一の長尺部、第一の短尺部、第二の長尺部は、前記金属シートに接合されており、前記第一の短尺部及び前記第二の短尺部各々は前記第一の長尺部及び前記第二の長尺部各々よりも短く、前記第一の短尺部の両端は曲げ部を介して前記第一の長尺部及び前記第二の長尺部各々に連なっており、前記第二の短尺部の両端のうち、一端は曲げ部を介して前記第二の長尺部に連なっており、他端は連結部を介して前記第一の長尺部と連結されており、前記連結部は、前記第二の短尺部の前記他端から外側に延びる部分であり、前記第二の短尺部の前記他端は、前記第二の長尺部よりも前記第一の長尺部の方に近い位置に偏在する。

第２態様は、第１態様の電磁シールド具であって、前記連結部は、前記第一の長尺部と連なるとともに前記第一の長尺部の主面と平行に広がる板状に形成された第一の連結片と、前記第二の短尺部と連なるとともに前記第二の短尺部に対して垂直に広がる板状に形成された第二の連結片と、を有する。

第３態様は、第１態様又は第２態様の電磁シールド具であって、前記第二の短尺部は、前記金属シートに接続されている。

第４態様は、金属シートと、導電性材料で形成され、前記金属シートの四方の外縁のうち第一の外縁部及び前記第一の外縁部とは反対側の第二の外縁部を環状に保持する一対のブラケットとを備え、前記一対のブラケット各々は、前記金属シートの前記第一の外縁部及び前記第二の外縁部各々に沿って直列に並ぶ第一の長尺部、第一の短尺部、第二の長尺部、第二の短尺部及び第三の短尺部を含み、前記第一の長尺部、前記第一の短尺部及び前記第二の長尺部は、前記金属シートに接合されており、前記第一の短尺部、前記第二の短尺部及び前記第三の短尺部各々は、前記第一の長尺部及び前記第二の長尺部各々よりも短く、前記第一の短尺部の両端は曲げ部を介して前記第一の長尺部及び前記第二の長尺部各々に連なっており、前記第二の短尺部の両端のうち、一端は曲げ部を介して前記第二の長尺部に連なっており、他端は連結部を介して前記第三の短尺部の一端に連結されており、前記第三の短尺部の他端は曲げ部を介して前記第一の長尺部に連なっている。

第５態様は、第１態様から第４態様のいずれか１つの電磁シールド具であって、前記第一の長尺部及び前記第二の長尺部と、前記第一の短尺部との間の前記曲げ部各々は、前記金属シートに接合されていない部分である。

第６態様は、第１態様から第５態様のいずれか１つの電磁シールド具であって、前記第一の長尺部、前記第二の長尺部及び前記第一の短尺部は、基部と前記基部に連なる折り返し部とを有しており、前記金属シートが、前記基部と折り返し部との間に挟まれて保持されている。

第７態様は、第１態様から第６態様のいずれか１つの電磁シールド具と、前記電磁シールド具に挿通されている電線とを備える。

第８態様は、第７態様のワイヤーハーネスであって、前記電磁シールド具に挿通されている前記電線の数が３の倍数である。

第１態様の電磁シールド具によれば、第一の長尺部及び第二の長尺部に加えて、これらをつなぐ第一の短尺部も金属シートに接合されている。このため、ブラケットを金属シートに強固に取り付けできる。したがって、金属シートの形状維持が容易になるため、ノイズ吸収性能の低下を抑制できる。そして、第二の短尺部の他端が第一の長尺部に近い位置に偏在するように、第二の短尺部の一端から他端までを長く延ばすことで、金属シートに接合させる領域を長くすることができる。これによって、第二の短尺部を金属シートに安定的に接合できる。

第２態様の電磁シールド具によれば、第一の長尺部、第一の短尺部、第二の長尺部及び第二の短尺部各々の間の曲げ部を曲げて、第一の連結片及び第二の連結片を略平行に重ねることで、金属シートの第一の外縁部又は第二の外縁部を環状に形成できる。

第３態様の電磁シールド具によれば、第一の長尺部及び第二の長尺部をつなげるもう一つの第二の短尺部も金属シートに接合されることで、ブラケットを金属シートに強固に取付けできる。

第４態様の電磁シールド具によれば、第一の長尺部及び第二の長尺部に加えて、これらをつなぐ第一の短尺部も金属シートに接合されている。このため、ブラケットを金属シートに強固に取り付けできる。したがって、金属シートの形状維持が容易になるため、ノイズ吸収性能の低下を抑制できる。

第５態様の電磁シールド具によると、曲げ部各々に金属シートが接合されていないため、ブラケットの曲げ加工時に、ブラケットに接合された金属シートが、曲げ部から応力を受けることを抑制できるため、金属シートの剥がれや裂け等の損傷を低減できる。

第６態様の電磁シールド具によると、折り返し部を基部に接近するように曲げることで、金属シートを挟むことができる。このため、電磁シートを第一の長尺部、第二の長尺部及び第一の短尺部に容易に接合できる。

第７の態様のワイヤーハーネスによると、第一の長尺部及び第二の長尺部に加えて、これらをつなぐ第一の短尺部も金属シートに接合されている。このため、ブラケットを金属シートに強固に取り付けできる。したがって、金属シートの形状維持が容易になるため、ノイズ吸収性能の低下を抑制できる。もって、電線からの電磁ノイズを好適に遮蔽できる。

第１実施形態に係る電磁シールド具１０の平面図である。 第１実施形態に係る電磁シールド具１０の正面図である。 電磁シールド具における長尺部２２１と金属シート３０との接合部（圧着部）の断面図である。 第１実施形態に係るワイヤーハーネス１００の平面図である。 第１実施形態に係るワイヤーハーネス１００の正面図である。 第２実施形態に係る電磁シールド具１０Ａを備えたワイヤーハーネス１００Ａの正面図である。

以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。

＜１． 第１実施形態＞
図１は、第１実施形態に係る電磁シールド具１０の平面図である。図２は、第１実施形態に係る電磁シールド具１０の正面図である。図３は、電磁シールド具１０における長尺部２２１と金属シート３０との接合部（圧着部）の断面図である。図４は、第１実施形態に係るワイヤーハーネス１００の平面図である。図５は、第１実施形態に係るワイヤーハーネス１００の正面図である。図１及び図２に示される電磁シールド具１０は、展開状態のものであり、図４及び図５に示される電磁シールド具１０は、環状に保持された状態のものである。

電磁シールド具１０は、車両に搭載されるワイヤーハーネスの電線に取り付けられ、電線の周囲を囲む導電性の金属シート（金属シート３０）によりノイズ電磁波を遮蔽する部品である。

電磁シールド具１０は、一対のブラケット本体部２１，２２と、金属シート３０と、固定具である一対のネジ４０とを備える。金属シート３０は、ブラケット本体部２１，２２各々と接合されている。一対のネジ４０は、一つのブラケット本体部２１，２２各々を環状に保持するための固定具である。

一対のブラケット本体部２１，２２及び一対のネジ４０が一対のブラケット２Ａ，２Ｂを構成する。すなわち、電磁シールド具１０は、一対のブラケット２Ａ，２Ｂを備える。

図５に示されるように、ブラケット２Ａは電線９の一方の端部が接続される機器の金属製の筐体（筐体８）に固定され、ブラケット２Ｂは電線９の他方の端部が接続される機器の筐体に固定される。

また、図４及び図５に示されるように、ワイヤーハーネス１００は、複数本（ここでは、３本）の電線９、及び、複数本の電線９の周囲を一括して覆う電磁シールド具１０を備える。ワイヤーハーネス１００は、筒状の電磁シールド具１０と、筒状の電磁シールド具１０に挿通されている複数の電線９を備える。なお、ワイヤーハーネス１００の電磁シールド具１０は、１本の電線９のみを覆う場合も想定される。また、電磁シールド具１０は、３の倍数の本数（３本、６本、９本・・・）の電線を覆う場合も想定される。

＜電線＞
電線９は、導電材料からなる芯線と、芯線の周囲を覆う絶縁材料からなる絶縁被覆とにより構成された絶縁電線である。通常、電線９の端部の芯線には、不図示の金属端子が接続されている。なお、電線９は、不図示の電線保持部材によって保持されていてもよい。このような電線保持部材は、電線９をインサート部とするインサート成形により成型された熱可塑性樹脂の部材であることが考えられる。

＜金属シート＞
電磁シールド具１０が備える金属シート３０は、金属糸の織物であるシート状の部材である。金属シート３０は、例えば、導電性金属（銅等）を主成分とする金属の糸を縦方向及び横方向に交差させて織ることで形成される編み目構造、を有する金属布である。なお、金属シート３０は、金属布に貼り付けられた樹脂材料からなる柔軟性を有することが好ましい。電磁シールド具１０は、金属シート３０として、金属布の代わりに、金属箔を備えていてもよい。金属シート３０は、導電性及び柔軟性を有する。

以下の説明において、金属シート３０の四方の外縁それぞれのことを、第一の外縁部３１、第二の外縁部３２、第三の外縁部３３及び第四の外縁部３４と称する。

第一の外縁部３１は、金属シート３０の四方の外縁のうち、取付け対象の電線９の長手方向（軸心方向）における一端をなす外縁から内側へ一定の範囲を占める部分である。第二の外縁部３２は、金属シート３０の四方の外縁のうち、第一の外縁部３１とは反対側の外縁から内側へ一定の範囲を占める部分である。

第三の外縁部３３及び第四の外縁部３４は、金属シート３０の外縁部のうち第一の外縁部３１及び第二の外縁部３２以外の外縁部である。第三の外縁部３３及び第四の外縁部３４は、金属シート３０における電線９の周囲を囲む周方向の両端部をなす外縁部である。

電磁シールド具１０において、金属シート３０は、第一の外縁部３１において、ブラケット本体部２１に接合されている。金属シート３０は、第二の外縁部３２において、ブラケット本体部２２に接合されている。金属シート３０は、一対のブラケット２Ａ，２Ｂを介して、他の機器の筐体８に電気的に接続され、筐体接地となる。

＜ブラケット＞
ブラケット本体部２１，２２は、導電性材料で形成された板状の部材である。ブラケット本体部２１，２２は、曲げ成形によって図４及び図５に示す環状に形成される。

ブラケット本体部２１，２２は、例えば銅の合金、鉄又はステンレス等の金属の部材であり、適宜表面にメッキ層が形成されている。ブラケット本体部２１，２２は、金属製の筐体８に固定され、金属シート３０と筐体８との電気的接続を中継する部材である。

ブラケット本体部２１，２２の形状は、鏡像の関係にあるため、以下では、ブラケット本体部２１の構造について説明する。

ブラケット本体部２１は、金属シート３０の第一の外縁部３１に沿う板状の基部２０１を備える。当該基部２０１が三カ所（曲げ部２４１，２４２，２４３）で谷折りされることによって、ブラケット本体部２１が環状（略四角筒状）に形成される（図５参照）。基部２０１は、３つの曲げ部２４１，２４２，２４３により、一対の長尺部２２１，２２２、一対の短尺部２３１，２３２に分けられる。

＜長尺部＞
一対の長尺部２２１，２２２は遮蔽対象となる複数の電線９を跨いで掛け渡される部分である。ここでは、一対の長尺部２２１，２２２は、略同一の長さを有する。環状のブラケット本体部２１，２２では、一対の長尺部２２１，２２２は、互いに平行に延びるように相対する。ただし、一対の長尺部２２１，２２２の形状及び長さは、これに限定されるものではなく、複数の電線９の配列状況あるいは電線保持部材の形状等により異なる。例えば、長尺部２２１，２２２が弧状に曲がる部分を有するなど非直線状の形状を有していてもよい。

一対の長尺部２２１，２２２は第一の外縁部３１に沿って直列に並ぶ状態で金属シート３０に接合されている。金属シート３０と一対の長尺部２２１，２２２とは、例えば、圧着又は溶接又はその双方等により接合される。ここでは、後述するように圧着による接合が採用されている。ブラケット本体部２１の一対の長尺部２２１，２２２は第一の外縁部３１に接合されており、ブラケット本体部２２の一対の長尺部２２１，２２２は第二の外縁部３２に接合されている。

一対の長尺部２２１，２２２は、一端が基部２０１に連結されている板状の折り返し部４１，４２をそれぞれ備えている。折り返し部４１，４２が金属シート３０を間に挟んだ状態で基部２０１に圧着されることによって、金属シート３０が基部２０１及び折り返し部４１，４２に挟持される（図３参照）。

＜短尺部＞
一対の短尺部２３１，２３２は、第一の外縁部３１に沿って直列に並ぶ状態で金属シート３０に接合されている。一対の短尺部２３１，２３２各々は、一対の長尺部２２１，２２２各々よりも短い。短尺部２３１の一端は曲げ部２４１を介して長尺部２２１の他端に連なり、短尺部２３１の他端は曲げ部２４２を介して長尺部２２２の一端に連なる。短尺部２３２の一端は曲げ部２４３を介して長尺部２２２の他端に連なる。ここでは、一対の短尺部２３１，２３２は、略同一の長さを有する。環状のブラケット本体部２１では、一対の短尺部２３１，２３２は、互いに平行に延びるように相対する。ただし、一対の短尺部２３１，２３２の形状及び長さは、これに限定されるものではなく、複数の電線９の配列状況あるいは電線保持部材の形状等により異なる。

一対の短尺部２３１，２３２は、一端が基部２０１に連結されている板状の折り返し部４３，４４をそれぞれ備えている。折り返し部４３，４４が金属シート３０を間に挟んだ状態で基部２０１に圧着されることによって、金属シート３０が基部２０１及び折り返し部４３，４４に挟持される。

金属シート３０を溶接により一対のブラケット２Ａ，２Ｂに接合する場合、溶接時に金属シート３０に破れ等が発生する可能性がある。このため、折り返し部４１〜４４の圧着によって金属シート３０を接合することが望ましい。

＜曲げ部＞
３つの曲げ部２４１〜２４３は、上述したように、ブラケット本体部２１，２２を環状に成形する際に谷状に曲げられる部分である。なお、曲げ部２４１〜２４３を屈曲するように曲げることは必須ではなく、弧状に曲げることも可能である。

図１、図２及び図５に示されるように、曲げ部２４１〜２４３は、折り返し部４１〜４４とは重ならない位置とされている。換言すると、曲げ部２４１，２４２，２４３は、金属シート３０とは接合されない非接合部分となっている。曲げ部２４１〜２４３の厚みは、基部２０１のみの厚みとされるため、これらの部分での曲げ加工は、接合部分（基部２０１の曲げ部２４１〜２４３と重なる部分）よりも容易である。

ここで、「接合する」とは、圧着又は溶接等の手段によって、物体を別の物体に取付ける、あるいは、固定することをいう。すなわち、非接合部分は、金属シート３０をブラケット本体部２１，２２から容易に離すことが可能な部分である。

曲げ部２４１〜２４３を非接合部分とすることで、これらの部分で曲げ加工された際に曲げ部２４１〜２４３が金属シート３０に応力を作用させることを抑制できる。したがって、曲げ加工されたブラケット本体部２１，２２によって、金属シート３０を環状に好適に保持できる。

なお、上述したように、ブラケット本体部２１，２２と金属シート３０との接合は、溶接によって行われてもよい。この場合、折り返し部４１〜４４は省略可能である。溶接による接合の場合においても、曲げ部２４１〜２４３は、溶接されない非接合部分とすることが望ましい。これによって、曲げ部２４１〜２４３で曲げ加工された際に、曲げ部２４１〜２４３が金属シート３０に応力を作用させることを抑制できる。このため、例えば、ブラケット本体部２１，２２を曲げ加工することによって、金属シート３０の溶接部分（金属シート３０又はブラケット本体部２１，２２が溶融して固化することにより接着した金属シート３０の部分）で、はがれ又は裂け等の損傷が発生することを抑制できる。

＜連結部＞
連結部２５は、基部２０１の両端部のそれぞれに連なる板状に形成された連結片２５１，２５２を備える。連結片２５１は、基部２０１における長尺部２２１の一端側に連なっており、連結片２５２は、基部２０１における短尺部２３２の他端側に連なっている。

図１及び図２に示されるように、連結片２５１は基部２０１の主面（最も広い面であって、金属シート３０と接合される面）と平行に広がる板状部分であり、連結片２５２は基部２０１の主面に対して垂直な方向に広がる板状部分である。すなわち、展開状態のブラケット本体部２１，２２では、連結片２５１，２５２は、互いに直交する板状部分とされている。基部２０１が３つの曲げ部２４１〜２４３で曲げ加工されると、図５に示されるように、連結片２５２は連結片２５１と略平行になり、重ね合わされる。これによって、ブラケット本体部２１，２２が環状に形成され、金属シート３０の第一の外縁部３１及び第二の外縁部３２を環状に形成する。

連結片２５１，２５２には、貫通孔であるネジ孔２５１Ｈ，２５２Ｈが形成されている。環状状態のブラケット本体部２１，２２では、連結片２５１，２５２が重ね合わされることで、ネジ孔２５１Ｈ，２５２Ｈが上下に重なる。この状態で、ネジ孔２５１Ｈ，２５２Ｈにネジ４０が装着されることで、連結片２５１，２５２が連結される。これによって、基部２０１の両端（すなわち、長尺部２２１の一端及び短尺部２３２の他端）が、連結部２５を介して連結され、ブラケット本体部２１，２２が環状に保持される。

ブラケット２Ａ，２Ｂにおいて、連結片２５１，２５２を備える連結部２５及びネジ４０は、連結部の一例である。ただし、連結部は、連結片２５１，２５２及びネジ４０の構成に限定されるものではなく適宜設計変更できる。例えば、連結片２５１，２５２がネジ４０で連結されることは必須ではなく、他の方法（嵌合、溶接、接着剤、テープ巻き、圧着等）で連結されてもよい。

また、環状状態の一対のブラケット２Ａ，２Ｂにおいて、連結部２５が基部２０１と平行に延びることは必須ではなく、連結部２５が基部２０１に対して傾斜する方向に延びていてもよい。

ブラケット２Ａ，２Ｂが環状に保持されると、ブラケット本体部２１，ブラケット本体部２２と接合された金属シート３０は、電線９の周囲を囲む筒状に保持される。

環状のブラケット２Ａ，２Ｂでは、連結部２５の連結片２５２は、短尺部２３２（第二の短尺部）の他端から外側に延びる部分である。そして、短尺部２３２の他端（すなわち、連結片２５２に連なる曲がり部分）は、長尺部２２２（第二の長尺部）よりも長尺部２２１（第一の長尺部）の方に近い位置に偏在する。このように、短尺部２３２の一端から他端までを長く延ばすことで、短尺部２３２の金属シート３０に接合する領域（接合面）をできるだけ長くできる。これによって、折り返し部４４を長くでき、金属シート３０とブラケット２Ａ，２Ｂとをより強固に接合できる。

電磁シールド具１０によると、一対の長尺部２２１，２２２に加えて、これらをつなぐ短尺部２３１も金属シート３０に接合されているため、一対のブラケット２Ａ，２Ｂを金属シート３０に強固に取付けできる。

さらに、連結部２５を介して一対の長尺部２２１，２２２を連結する短尺部２３２も金属シート３０に接合されているため、一対のブラケット２Ａ，２Ｂを金属シート３０に強固に取付けできる。

金属シート３０が一対のブラケット２Ａ，２Ｂに強固に取付けられることによって、金属シート３０の形状が崩れることを抑制できる。これによって、電磁シールド具１０のノイズ吸収性能が低下することを抑制できる。

なお、上記実施形態では、ブラケット本体部２１，２２各々が、１つの板状部材で構成されている。しかしながら、これらを複数の部材を組み合わせて構成することも考えられる。例えば、長尺部２２１及び短尺部２３１を含めて一部材とし、長尺部２２２及び短尺部２３２を含めて一部材とし、これらの部材を組み合わせることが考えられる。また、長尺部２２１、長尺部２２２、短尺部２３１及び短尺部２３２をそれぞれ別部材として、これらを組み合わせることも考えられる。

＜２． 第２実施形態＞
次に、第２実施形態について説明する。なお、以降の説明において、既に説明した要素と同様の機能を有する要素については、同じ符号又はアルファベットを追加した符号を付して、詳細な説明を省略する場合がある。

図６は、第２実施形態に係る電磁シールド具１０Ａを備えたワイヤーハーネス１００Ａの正面図である。電磁シールド具１０Ａは、ブラケット本体部２１Ａを有するブラケット２Ｃを備えている。ブラケット本体部２１Ａは、ブラケット本体部２１と類似の構成を有するが、短尺部２３２に対応する部分が短尺部２３２ａ（第二の短尺部）となっている。短尺部２３２ａの他端側は、連結部２５及び短尺部２３２ｂ（第三の短尺部）を介して、長尺部２２１に連結されている。短尺部２３２ｂは、曲げ部２４４を介して長尺部２２１の一端側に連なる。

本例の場合、短尺部２３２ａの他端は、長尺部２２１及び長尺部２２２のほぼ中央の位置に設定されており、短尺部２３２よりも短くなっており、金属シート３０に接合するための折り曲げ部は省略されている。このため、ブラケット２Ｃは、短尺部２３２ａで金属シート３０と接合されない分、ブラケット２Ａよりも接合力の点で劣る。しかしながら、一対の長尺部２２１，２２２に加えて短尺部２３１も金属シート３０に接合されるため、ブラケット２Ｃを金属シート３０に強固に取り付けできる。

この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。

１００，１００Ａ ワイヤーハーネス
１０，１０Ａ 電磁シールド具
２Ａ，２Ｂ，２Ｃ ブラケット
２１，２１Ａ，２２ ブラケット本体部
２０１ 基部
２２１ 長尺部（第一の長尺部）
２２２ 長尺部（第二の長尺部）
２３１ 短尺部（第一の短尺部）
２３２ 短尺部（第二の短尺部）
２３２ａ 短尺部（第二の短尺部）
２３２ｂ 短尺部（第三の短尺部）
２４１，２４２，２４３，２４４ 曲げ部
２５ 連結部
２５１，２５２ 連結片
２５１Ｈ，２５２Ｈ ネジ孔
３０ 金属シート
３１ 第一の外縁部
３２ 第二の外縁部
４０ ネジ（固定具）
４１，４２，４３，４４ 折り返し部
８ 筐体
９ 電線

Claims (8)

1. 金属シートと、
   導電性材料で形成され、前記金属シートの四方の外縁のうち第一の外縁部及び前記第一の外縁部とは反対側の第二の外縁部を環状に保持する一対のブラケットと、
   を備え、
   前記一対のブラケット各々は、
   前記第一の外縁部及び前記第二の外縁部各々に沿って直列に並ぶ第一の長尺部、第一の短尺部、第二の長尺部及び第二の短尺部を含み、
   第一の長尺部、第一の短尺部、第二の長尺部は、前記金属シートに接合されており、
   前記第一の短尺部及び前記第二の短尺部各々は前記第一の長尺部及び前記第二の長尺部各々よりも短く、
   前記第一の短尺部の両端は曲げ部を介して前記第一の長尺部及び前記第二の長尺部各々に連なっており、
   前記第二の短尺部の両端のうち、一端は曲げ部を介して前記第二の長尺部に連なっており、他端は連結部を介して前記第一の長尺部と連結されており、
   前記連結部は、前記第二の短尺部の前記他端から外側に延びる部分であり、
   前記第二の短尺部の前記他端は、前記第二の長尺部よりも前記第一の長尺部の方に近い位置に偏在する、電磁シールド具。
2. 請求項１の電磁シールド具であって、
   前記連結部は、
   前記第一の長尺部と連なるとともに前記第一の長尺部の主面と平行に広がる板状に形成された第一の連結片と、
   前記第二の短尺部と連なるとともに前記第二の短尺部に対して垂直に広がる板状に形成された第二の連結片と、
   を有する、電磁シールド具。
3. 請求項１又は請求項２の電磁シールド具であって、
   前記第二の短尺部は、前記金属シートに接続されている、電磁シールド具。
4. 金属シートと、
   導電性材料で形成され、前記金属シートの四方の外縁のうち第一の外縁部及び前記第一の外縁部とは反対側の第二の外縁部を環状に保持する一対のブラケットと、
   を備え、
   前記一対のブラケット各々は、
   前記金属シートの前記第一の外縁部及び前記第二の外縁部各々に沿って直列に並ぶ第一の長尺部、第一の短尺部、第二の長尺部、第二の短尺部及び第三の短尺部を含み、
   前記第一の長尺部、前記第一の短尺部及び前記第二の長尺部は、前記金属シートに接合されており、
   前記第一の短尺部、前記第二の短尺部及び前記第三の短尺部各々は、前記第一の長尺部及び前記第二の長尺部各々よりも短く、
   前記第一の短尺部の両端は曲げ部を介して前記第一の長尺部及び前記第二の長尺部各々に連なっており、
   前記第二の短尺部の両端のうち、一端は曲げ部を介して前記第二の長尺部に連なっており、他端は連結部を介して前記第三の短尺部の一端に連結されており、
   前記第三の短尺部の他端は曲げ部を介して前記第一の長尺部に連なっている、電磁シールド具。
5. 請求項１から請求項４のいずれか１項の電磁シールド具であって、
   前記第一の長尺部及び前記第二の長尺部と、前記第一の短尺部との間の前記曲げ部各々は、前記金属シートに接合されていない部分である、電磁シールド具。
6. 請求項１から請求項５のいずれか１項の電磁シールド具であって、
   前記第一の長尺部、前記第二の長尺部及び前記第一の短尺部は、基部と前記基部に連なる折り返し部とを有しており、
   前記金属シートが、前記基部と折り返し部との間に挟まれて保持されている、電磁シールド具。
7. 請求項１から請求項６のいずれか１項の電磁シールド具と、
   前記電磁シールド具に挿通されている電線と、
   を備える、ワイヤーハーネス。
8. 請求項７のワイヤーハーネスであって、
   前記電磁シールド具に挿通されている前記電線の数が３の倍数である、ワイヤーハーネス。

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