JP2017198750A - 調光フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】VA方式による調光フィルムにおいて、黒表示時の視野角特性、遮光率を向上するようにして、大面積の製品を効率良く生産できる。【解決手段】第1の直線偏光板3、液晶セル4、位相差フィルム2A、第2の直線偏光板2が順次設けられ、液晶セル4には、前記第1の直線偏光板3の側から、第1の基材15上に第1の透明電極16及び第1の配向層17を積層してなる第1の積層体6、液晶層8、第2の基材10上に第2の透明電極11及び第2の配向層12を積層してなる第2の積層体5が設けられる。第1及び第2の積層体6、5に設けられた透明電極16、11による駆動により前記液晶層8の配向を可変して透過光の光量を制御する。第1及び第2の積層体6、5の基材15、10の遅相軸、位相差フィルム2Aの遅相軸、第1の直線偏光板3の吸収軸が平行であり、直線偏光板3、2の吸収軸が直交するように配置された。【選択図】図1

Description

本発明は、乗用車の窓等に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する。
従来、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する工夫が種々に提案されている(特許文献1、2)。このような調光フィルムの1つに、液晶を利用したものがある。この液晶を利用した調光フィルムは、透明電極を作製した透明フィルム材により液晶材料を挟持して液晶セルが作製され、この液晶セルを直線偏光板により挟持して作成される。これによりこの調光フィルムでは、液晶に印加する電界の可変により液晶の配向を可変して外来光を遮光したり透過したりし、さらには透過光量を可変したりし、これらにより外来光の透過を制御する。
このような調光フィルムにおける液晶セルの駆動には、液晶表示パネルについて提案されている種々の駆動方法を適用することができる。具体的には、例えばTN(Twisted Nematic)方式、IPS(In−Place−Switching)方式、VA(Virtical Alignment)方式等の駆動方式を適用することができる。ここでVA方式は、液晶の配向を垂直配向と水平配向とで変化させて透過光を制御する方式であり、一般的に、無電界時、液晶を垂直配向させることにより、液晶層を垂直配向層により挟持して液晶セルが構成され、電界の印加により液晶材料を水平配向させるように構成される。
ここで調光フィルムでは、例えば窓ガラス等に貼り付けて外光を遮光することにより、遮光時における透過率を充分に低減して、外来光を遮光する程度(以下、遮光率と呼ぶ)を充分に確保する観点からは、VA方式により駆動することが考えられる。またこれにより調光フィルムでは、大面積の製品を効率良く量産することが求められる。
しかしながらVA方式により調光フィルムを構成した場合、液晶表示パネルの場合とは異なり、遮光時である黒表示時、視野角特性が劣化し、また遮光率が劣化することが判った。
特開平03−47392号公報 特開平08−184273号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、VA方式による調光フィルムにおいて、黒表示時の視野角特性、遮光率を向上するようにして、大面積の製品を効率良く生産できるようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、液晶セルに係る透明フィルム材による基材については、遅相軸を平行に保持するとの条件の元で、この基材の遅相軸に対する直線偏光板の向き等を選定する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 第1の直線偏光板、液晶セル、Aプレートとして機能する位相差フィルム、第2の直線偏光板が順次設けられ、
前記液晶セルには、前記第1の直線偏光板の側から、
第1の基材上に第1の透明電極及び第1の配向層を積層してなる第1の積層体、液晶層、第2の基材上に第2の透明電極及び第2の配向層を積層してなる第2の積層体が順次設けられ、
前記第1及び第2の透明電極による駆動によりVA方式により前記液晶層の配向を可変して透過光の光量を制御し、
前記第1及び第2の基材の遅相軸、前記位相差フィルムの遅相軸、前記第1の直線偏光板の吸収軸が平行であり、
前記第1及び第2の直線偏光板の吸収軸が直交するように配置された調光フィルム。
(1)によれば、前記第1及び第2の積層体の基材の遅相軸が平行であることにより、大面積の製品を効率良く生産することができる。またさらにこの第1及び第2の積層体の基材の遅相軸に対して、位相差フィルムの遅相軸、第1の直線偏光板の吸収軸が平行であり、第1及び第2の直線偏光板の吸収軸が直交するように配置されていることにより、VA方式による調光フィルムにおいて、基材の光学異方性による透過光への影響を低減することができる。その結果、基材によって透過光が偏光しないようにすることができ、その結果、黒表示時における視野角特性、遮光率を向上することができる。
(2) (1)において、
前記第1の直線偏光板と前記第1の基材との間、及び又は前記第2の直線偏光板と前記位相差フィルムとの間には、Cプレートとして機能する位相差フィルムが設けられた調光フィルム。
(2)によれば、一段と視野角特性を向上し、さらに遮光率を向上することができる。
本発明によれば、VA方式による調光フィルムにおいて、黒表示時の視野角特性、遮光率を向上するようにして、大面積の製品を効率良く生産することができる。
本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す図である。 図1の調光フィルムの説明に供する図である。 比較例の説明に供する図である。 図1の調光フィルムの特性の説明に供する図である。 図1の調光フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る調光フィルムを示す図である。 本発明の第3実施形態に係る調光フィルムを示す図である。
〔第1実施形態〕
〔調光フィルム〕
図1は、本発明の実施の形態に係る調光フィルムを示す断面図である。この調光フィルム1は、建築物の窓ガラス、ショーケース、屋内の透明パーテーション等の調光を図る部位に、粘着剤層等により貼り付けて使用され、印加電圧の可変により透過光の光量を制御し、さらには外来光を遮光する。
調光フィルム1は、液晶を利用して透過光を制御するフィルム材あり、直線偏光板2、3により調光フィルム用の液晶セル4を挟持して構成される。ここで直線偏光板2、3は、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して直線偏光板としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により光学機能層を挟持して作製される。直線偏光板2、3は、クロスニコル配置により、紫外線硬化性樹脂等による接着剤層により液晶セル4に配置される。なお直線偏光板2、3にあっては、いわゆる塗布型の直線偏光板を適用してもよい。
調光フィルム1は、直線偏光板2と液晶セル4との間に、光学補償に供する位相差フィルム2Aが設けられる。ここで位相差フィルム2Aは、Aプレート成分を備えている光学フィルムが適用され、これによりAプレートとして機能する種々の構成を広く適用することができるものの、この実施形態では、COPフィルム材等による2軸延伸透明フィルム材が適用される。なおAプレートは、このような2軸延伸透明フィルム材の他に、面内方向に長軸方向が配向した重合性液晶の硬化物等を適用することができる。調光フィルム1は、この位相差フィルム2Aにより視野角特性、遮光率を向上する。ここで面内の主屈折率をnx(遅相軸方向)、nyを(進相軸方向)とし、厚み方向の屈折率をnzとする。Aプレートは、屈折率分布がnx>ny=nz又はnx=nz>nyを満足する正の一軸性位相差光学素子である。
液晶セル4は、後述する透明電極への印加電圧により透過光の偏光面を制御する。これにより調光フィルム1は、透過光を制御して種々に調光を図り、さらには外来光を遮光できるように構成される。
〔液晶セル〕
液晶セル4は、フィルム形状による第1及び第2の積層体である下側積層体5及び上側積層体6により液晶層8を挟持して構成される。下側積層体5は、透明フィルム材による基材10に、透明電極11、配向層12、スペーサー13を作製して形成される。上側積層体6は、透明フィルム材による基材15に、透明電極16、配向層17を積層して形成される。液晶セル4は、この下側積層体5及上側積層体6に設けられた透明電極11、16の駆動により、VA方式により液晶層8に設けられた液晶材料の配向を制御し、これにより透過光の偏光面を制御する。
基材10、15は、この種のフィルム材に適用可能な種々の透明フィルム材を適用することができるものの、光学異方性の小さなフィルム材を適用することが望ましい。この実施形態において、基材10、15は、同一の材料、同一の厚みによる透明フィルム材が適用され、より具体的にはポリカーボネートフィルムが適用されるものの、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等を適用してもよい。
透明電極11、16は、この種のフィルム材に適用される各種の電極材料を適用することができ、この実施形態ではITO(Indium Tin Oxide)による透明電極材により形成される。
配向層12、17は、光配向層により形成される。ここでこの光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができるものの、この実施形態では、例えば光2量化型の材料を使用する。この光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されている。なお配向層12、17は、光配向層に代えて、ポリイミド等の樹脂層を作製し、この樹脂層をラビング処理して作製してもよい。またラビング処理によるライン状微細凹凸形状を賦型処理して配向層を作製するようにしてもよい。配向層12、17は、全面で配向規制力の発現方向が同一であるように設定され、これにより調光フィルム1はシングルドメインにより液晶層8を駆動する。
スペーサー13は、液晶層8の厚みを規定するために設けられ、各種の樹脂材料を広く適用することができるものの、この実施形態ではフォトレジストにより作製され、配向層12を作製してなる基材10の上に、フォトレジストを塗工して露光、現像することにより作製される。なおスペーサー13は、上側積層体6に設けるようにしてもよく、上側積層体6及び下側積層体5の双方に設けるようにしてもよい。またスペーサー13は、透明電極11の上に設けるようにしてもよい。またスペーサー13は、いわゆるビーズスペーサを適用してもよい。
液晶層8は、この種の調光フィルムに適用可能な各種の液晶材料を広く適用することができる。なお液晶セル4は、液晶層8を囲むように、シール材が配置され、このシール材により下側積層体5、上側積層体6が一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。
図2は、直線偏光板2、3、位相差フィルム2A、基材10、15の配置の説明に供する図である。この図2においては、矢印により直線偏光板2、3の吸収軸方向を示す。また同様に、矢印により基材10、15の遅相軸方向を示す。
この調光フィルム1は、下側積層体5及び上側積層体6の基材10、15が、遅相軸が平行になるように配置される。より具体的に、この調光フィルム1の外形形状に係る矩形形状の長辺又は短辺と平行に延長する方向が、下側積層体5の基材10の遅相軸の方向となるように、また上側積層体6の基材15の遅相軸の方向となるように、配置される。これによりこの調光フィルム1では、長尺フィルム形状による基材10、15を使用して下側積層体5及び上側積層体6を作製した場合にあって、長尺フィルム形状における長手方向が一致するように下側積層体5及び上側積層体6を積層して液晶セル4を作製できるように構成され、これにより大面積の調光フィルムを効率良く量産することができる。
ここで調光フィルム1では、電界により液晶層8の透過光における位相差を可変して直線偏光板を介して得られる透過光量を制御することにより、この液晶層8の挟持に係る下側積層体5、上側積層体6に係る基材10、15には、光学異方性の小さな透明フィルム材が適用される。しかしながら光学異方性の小さな透明フィルム材であっても、ガラス基材のような等方性を確保し得ず、その製造過程おける延伸により、一般的に、長手方向が遅相軸方向となるように、光学異方性が発生する。これによりこの実施形態のように、基材10、15で遅相軸が平行になるように配置する場合にあっては、ロールから基材10、15を引き出して透明電極11、16、配向層12、17を順次作製して下側積層体5、上側積層体6を作製しながら、この下側積層体5、上側積層体6を積層して液晶セルを長尺フィルム形状により作製することができ、効率良く大面積の調光フィルムを作製することができる。
しかしながらこのようにして液晶層8の上下で、基材10、15の遅相軸が平行になるように基材10、15の向きを揃える場合には、基材10、15の光学異方性による透過光への影響が強調されることになり、その結果、黒表示時における視野角特性、透過率が劣化する恐れがある。
そこでこの実施形態では、下側積層体5側にあっては、基材10の遅相軸の方向と、直線偏光板3の吸収軸とが平行になるように設定する。また上側積層体6側にあっては、位相差フィルム2Aにおける遅相軸方向が、基材10の遅相軸の方向となるように設定される。ここで直線偏光板2は、直線偏光板3と吸収軸が直交するように設定される。これによりこの実施形態では、黒表示時における視野角特性、透過率を向上する。
ここで図3は、図2に係る調光フィルム1の視野角特性の確認の為に作製した比較例の構成を示す図である。この比較例では、基材10、15で遅相軸が平行になるように設定した上で、位相差フィルム2Aの遅相軸、直線偏光板3の吸収軸を、基材10の遅相軸と直交する方向に設定し、また直線偏光板2の吸収軸が基材10の遅相軸と平行になるように設定した。
図4は、調光フィルム1と比較例との計測結果を示す特性曲線図である。この計測結果は、遮光時(黒表示時)における視野角特性の計測結果を示す特性曲線図であり、極角60度において、方位角を変化させて透過率を計測した計測結果である。縦軸は、拡散光成分をも含む全光線の透過率である。また方位角0度は、直線偏光板2の吸収軸方向と直交する方向の1方側である。符号L1は、この実施形態の調光フィルムの透過率である。符号L2は比較例の計測結果である。
この計測結果によれば、調光フィルム1は、方位角の変化による透過率の変化を低減できることが判り、また透過率にあっても、比較例より小さく、これにより遮光率の向上を確認することができる。なお透過率の最大値は、符号L2では0.71%であり、符号L1では0.47%であり、これによっても遮光率の向上を確認することができる。
〔製造工程〕
図5は、液晶セルの製造工程を示すフローチャートである。調光フィルム1の製造工程は、この製造工程で作製された液晶セル4に紫外線硬化性樹脂等の接着剤により位相差フィルム2A、直線偏光板2、3を貼り付けた後、粘着剤層、セパレータフィルムを設けて所望の大きさに切断して調光フィルムを作製する。
この製造工程では、透明電極作製工程SP2において、フォトリソグラフィーの手法を適用して、透明基材10、15に透明電極11、16をそれぞれ作成する。さらに続いて配向層作製工程SP3において、基材10、15に配向層12、17を作製する。さらに続くスペーサー作製工程SP4において、配向層12を作製した透明基材10にフォトレジスト膜を作製した後、露光、現像処理し、これによりスペーサー013を作製する。
このようにして基材10及び15にそれぞれ配向層12及び17を作製して、下側積層体5及び上側積層体6を作製すると、この製造工程は、封止工程SP5において、ディスペンサーによりシール材を枠形状により下側積層体5に塗布した後、この枠形状により囲まれた所定位置に、ディスペンサーを使用して液晶層8に係る液晶材料を滴下する。なおこの液晶材料の滴下とシール材との配置の順序を入れ替えるようにしてもよい。また下側積層体5に代えて上側積層体6にシール材、液晶材料を配置してもよい。その後、この製造工程は、下側積層体5及び上側積層体6を積層した後、加熱、押圧してシール材を硬化させ、これにより液晶層8を挟持するようにして、下側積層体5及び上側積層体6をシール材により貼り合せて一体化する。
〔スペーサーの詳細構成〕
ここでこの実施形態では、円柱形状又は円錐台形状によりスペーサー13が形成される。さらにこの実施形態では、スペーサー13のビッカース硬度値Xs、スペーサー13の先端が当接する部位のビッカース硬度値Xfが、ビッカース硬度値2以上、ビッカース硬度値6以下であって、かつXs<Xfであるように設定され、これによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上する。
すなわちXf<Xsである場合、使用中の押圧力により、スペーサー13の先端が対向する面に貫入したりし、その結果、セルギャップが不均一化したり、局所的な配向不良が発生する。また甚だしい場合には、スペーサー13の先端が対向する積層体を突き破り、液晶材料が漏出することになる。しかしながらXs<Xfであることにより、使用中の押圧力等により、スペーサーの先端が対向する面に貫入したりする状況を低減することができ、これによりセルギャップの不均一化、局所的な配向不良の発生を低減することができ、さらには液晶材料の漏出を有効に回避することができる。
またビッカース硬度値2より小さい場合には、外圧によりスペーサーが潰れてセルギャップが低減したり、所望のセルギャップを得られなくなるものの、この実施形態ではビッカース硬度値2以上であることにより、このような状況を低減することができる。またビッカース硬度値6超である場合は、基材が傷つき易く、また全体を屈曲した際にクラックが生じるのに対し、この実施形態ではビッカース硬度値が6以下であることにより、基材の傷つきを低減し、また全体が屈曲した際のクラックの発生を低減することができる。これらによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上することができる。
Figure 2017198750
表1は、このスペーサーに関する構成の確認に供した試験結果を示す図表である。この表1における試験例1〜6の調光フィルムは、スペーサー及びこのスペーサーが当接する配向層に関する構成が異なる点を除いて、同一に構成される。より具体的に、これら試験例1〜6の調光フィルムは、下側積層体5にのみスペーサー13を設けるようにし、このスペーサー13に係る熱処理の条件により、スペーサー13のビッカース硬度値Xsを設定した。
すなわちスペーサー13は、スペーサー13に係る塗工液を塗工した後、乾燥させ、その後、露光装置を使用したマスク露光により、スペーサー13を作製する部位を選択的に露光する。なおこれはポジ型のフォトレジストの場合であり、ネガ型のフォトレジストではこれとは逆にスペーサー13を作製する部位を除く部位が選択的に露光処理される。その後、スペーサー13は、現像処理により未露光の部位又は露光処理した部位が選択的に除去されてリンス等の処理が実行され、必要に応じて乾燥等の処理が実行される。
この露光処理では、事前に加熱していわゆるハーフキュアーの状態で露光処理したり、加熱した環境下で露光処理する場合があり、また現像処理において、リンス等の処理を実行した後、加熱処理して反応を促進する場合がある。スペーサー13の硬度Xsは、スペーサー13に係るフォトレジストの材料の選定、露光工程、現像工程における加熱の温度、時間の設定、露光光量及び露光時間の設定により設定することができる。
この実施形態では、この露光工程、現像工程における加熱の温度、時間の設定により、試験例1、5、6におけるスペーサー13のビッカース硬度値Xsをそれぞれ1.8、4.2、4.2に設定し、また試験例2、3、4におけるスペーサー13のビッカース硬度値Xsをそれぞれ2.2、3.7、4.2に設定した。なおスペーサー13は、直径15μm、高さ5μmの円柱形状により作製した。
これに対してこのスペーサーが当接する面である上側積層体6の配向層17にあっては、光配向層に代えてラビング処理により作製した。すなわち塗工液を塗工して乾燥、硬化することによりポリイミド膜を作製し、このポリイミド膜をラビング処理して作製した。またこのポリイミド膜を作製する際の硬化時の加熱温度、及び加熱時間の設定により、ビッカース硬度値Xfを設定した。なおラビング処理した後に改めて加熱処理してビッカース硬度値Xfを調整してもよい。これにより試験例1、5、6ではビッカース硬度値Xfを4.9、6.7、3.6に設定し、また試験例2、3、4ではビッカース硬度値Xfを4.9に設定した。
この実験では、定盤による硬度の高い平滑面に調光フィルムを載置した状態で、0.8MPaに相当する加重を印加した後、セルギャップを計測してセルギャップの減少を判断した。なお加重の時間は24時間である。またこのように加重した後、上側積層体及び下側積層体を剥離してスペーサーを顕微鏡により観察して、スペーサーの潰れ(スペーサー潰れ)を確認し、またスペーサーが当接する部位を顕微鏡により観察してスペーサー先端の貫入(フィルム貫入)を観察した。
ここでこの顕微鏡による観察にはSEM等の手法を用いて正面視、斜視、及び断面観察し、目視でスペーサーの変形を確認し、スペーサーの変形が確認された場合にはその状況に応じ、「セルギャップ減少、スペーサー潰れ」の有無を○×判定した。従ってこの表1において「○」は、対応する項目に係る異常が見られない場合であり、「×」は対応する項目に係る異常が見られる場合である。
また同様にスペーサーが当接する部位をSEM等の手法を用いて斜視した場合、窪み(凹部)が確認された場合、「フィルム貫入」を×判定とし、凹部が認められない場合、「フィルム貫入」を○判定とした。
また積層体6及び5を積層して0.1MPaに相当する加重を印加した状態で、積層体6及び5の相対位置を0.1cm/secにより変位させ、目視により傷の発生を確認した。ここで複数サンプルの半数以上で、傷の発生が確認された場合、「キズ(フィルム)」を「×」により示し、これとは逆に、複数サンプルの半数以上で、傷の発生が確認されない場合、「キズ(フィルム)」を「○」により示す。
また調光フィルムの状態で、JIS K5600−5−1の曲げ試験の規定に従って、直径2mmの円柱マンドレルに巻き付けてクラックの発生を確認した。この試験で複数サンプルの半数以上で、基材にクラックの発生が確認された場合、「クラック(フィルム)」を「×」により示し、これとは逆に、複数サンプルの半数以上で、基材にクラックの発生が確認されない場合、「クラック(フィルム)」を「○」により示す。
この表1の計測結果では、試験例1では、スペーサーの硬度が不足することにより、セルギャップ減少、スペーサー潰れが観察され、また試験例5ではスペーサー対向面のビッカース硬度値Xfが6を超えることにより、クラックの発生が観察され、さらにはセルギャップ減少、スペーサー潰れが観察された。また試験例6ではスペーサーのビッカース硬度値Xsが対向面のビッカース硬度値Xfより大きいことにより、基材の傷つきが観察され、さらにスペーサー先端の貫入も確認された。しかしながら試験例2、3、4では、これらの現象は観察されず、これによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上できる。
以上の構成によれば、液晶セルの上下で基材の遅相軸が平行となるようにし、この遅相軸に対して光学補償用の位相差フィルムの遅相軸方向と、下側積層体側の直線偏光板の吸収軸方向が平行になるように、さらに上側積層体側の直線偏光板の吸収軸方向が直交するように配置することにより、VA方式による調光フィルムにおいて、黒表示時の視野角特性、遮光率を向上するようにして、大面積の製品を効率良く生産することができる。
〔第2実施形態〕
図6は、図1との対比により本発明の第2実施形態に係る調光フィルムを示す図である。ここでこの調光フィルム31は、上側積層体6の基材15と直線偏光板2との間に、基材15側からポジティブAプレートの特性を備えた位相差フィルム2C、ネガティブCプレートの特性を備えた位相差フィルム2Dが配置される。また下側積層体5の基材10と直線偏光板3との間にネガティブCプレートの特性を備えた位相差フィルム3Cが配置される。なおポジティブAプレートは、屈折率分布がnx>ny=nzを満足する正の一軸性位相差光学素子をいう。ポジティブAプレートは、例えばCOPフィルム、長軸方向が面内方向に配向した重合性液晶材料等を適用することができる。ネガティブCプレートは、屈折率分布がnz<nx=nyを満足する負の一軸性位相差光学素子をいう。ネガティブCプレートは、例えばTACフィルム、配向層上に積層された重合性コレステリック液晶材料等を適用することができる。
この実施形態の調光フィルムは、これらの位相差フィルム2C、2D、3Cにより一段と光学補償が図られ、一段と透過率を低減し、視野角特性を向上する。この調光フィルム31では、液晶セル4の上下で基材10、15の遅相軸が平行となるように、またこの遅相軸に対して下側積層体5側の直線偏光板3の吸収軸方向が平行になるように、さらに上側積層体6側の直線偏光板2の吸収軸方向が直交するように配置される。さらに位相差フィルム2C、2D、3Cのうちの、Aプレートに係る位相差フィルム2Cが、その遅相軸方向が基材10、15の遅相軸が平行となるように設定される。
調光フィルム31は、この位相差フィルム2C、2D、3Cに係る構成が異なる点を除いて、第1実施形態と同一に構成される。
この実施形態のように、上側積層体の直線偏光板にポジティブAプレート、ネガティブCプレートによる位相差フィルム2C、2Dを設け、下側積層体の直線偏光板にネガティブCプレートによる位相差フィルム3Cを設けるようにして一段と視野角特性、透過率を向上する場合にあっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔第3実施形態〕
図7は、図1との対比により本発明の第3実施形態に係る調光フィルムを示す図である。ここでこの調光フィルム41は、上側積層体6の基材15と直線偏光板2との間にポジティブAプレートの特性を備えた位相差フィルム2Cが配置される。また下側積層体5の基材10と直線偏光板3との間にネガティブCプレートの特性を備えた位相差フィルム3Cが配置される。
この実施形態の調光フィルムは、この位相差フィルム2C、3Cによる光学補償により透過率を低減し、視野角特性を向上する。この実施形態では、この位相差フィルム2C、3Cに係る構成が異なる点を除いて、第1実施形態、第2実施形態と同一に構成される。
この実施形態のように、直線偏光板にそれぞれポジティブAプレート、ネガティブCプレートによる位相差フィルム2C、3Cを設けるようにして一段と視野角特性、透過率を向上する場合にあっても、第1実施態と同様の効果を得ることができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を組み合わせ、さらには上述の実施形態を種々に変更することができる。
1、31、41 調光フィルム
2、3 直線偏光板
2B〜2D、3A〜3C 位相差フィルム
4 液晶セル
5 下側積層体
6 上側積層体
8 液晶層
10 第2の基材
11 第2の透明電極
12 第2の配向層
13 スペーサー
15 第1の基材
16 第1の透明電極
17 第1の配向層

Claims (2)

  1. 第1の直線偏光板、液晶セル、Aプレートとして機能する位相差フィルム、第2の直線偏光板が順次設けられ、
    前記液晶セルには、前記第1の直線偏光板の側から、
    第1の基材上に第1の透明電極及び第1の配向層を積層してなる第1の積層体、液晶層、第2の基材上に第2の透明電極及び第2の配向層を積層してなる第2の積層体が順次設けられ、
    前記第1及び第2の透明電極による駆動によりVA方式により前記液晶層の配向を可変して透過光の光量を制御し、
    前記第1及び第2の基材の遅相軸、前記位相差フィルムの遅相軸、前記第1の直線偏光板の吸収軸が平行であり、
    前記第1及び第2の直線偏光板の吸収軸が直交するように配置された
    調光フィルム。
  2. 前記第1の直線偏光板と前記第1の基材との間、及び又は前記第2の直線偏光板と前記位相差フィルムとの間には、Cプレートとして機能する位相差フィルムが設けられた
    請求項1に記載の調光フィルム。
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