JP5910788B1 - 調光フィルム、合わせガラス及び調光フィルムの製造方法 - Google Patents

調光フィルム、合わせガラス及び調光フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上する。【解決手段】少なくとも配向層23A、23Bを備えてなる第1及び第2の積層体13、12により液晶層14を挟持し、前記第1及び又は第2の積層体13、12に設けられた駆動用電極22B、22Aによる駆動により前記液晶層14に係る液晶分子14Aの配向を制御して透過光を制御する調光フィルム10である。前記第1の積層体13は、透明フィルム材による基材21Bに、前記液晶層14の厚みを保持するスペーサー24が設けられる。第1及び第2の積層体13、12は、前記スペーサー24のビッカース硬度値Xs、前記スペーサー24の先端が当接する前記第2の積層体12の部位23Aのビッカース硬度値Xfが、ビッカース硬度値2を超え、ビッカース硬度値6未満であり、かつXs<Xfである。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する電子ブラインド等に利用可能な調光フィルム、この調光フィルムを使用した合わせガラスに関する。
従来、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する電子ブラインド等に利用可能な調光フィルムに関する工夫が種々に提案されている(特許文献1、2)。このような調光フィルムの1つに、液晶を利用したものがある。この液晶を利用した調光フィルムは、透明電極を作製した透明板材により液晶材料を挟持して液晶セルが作製され、この液晶セルを直線偏光板により挟持して作成される。これによりこの調光フィルムは、液晶に印加する電界の可変により液晶の配向を可変して外来光を遮光したり透過したりし、さらには透過光量を可変したりし、これらにより外来光の透過を制御する。
このような調光フィルムは、液晶セルを構成する透明基材にスペーサーを設け、このスペーサーにより液晶層を一定の厚みに保持するように構成される。またスペーサーは、画像表示パネルで広く利用されている構成が適用され、例えばフォトレジストにより柱形状により作製される。
ところで従来の調光フィルムでは、使用中の押圧力等により、スペーサーが潰れたり、スペーサーの先端が対向する面に貫入したりする場合がある。その結果、従来の調光フィルムは、セルギャップが不均一化したり、局所的な配向不良が発生したりし、これにより均一に調光することが困難になる場合があり、さらには液晶層の液晶材料が漏れ出す場合もあった。これにより従来の調光フィルムでは、スペーサーに関して信頼性の点で実用上未だ不充分な問題があった。
この問題を解決する1つの方法として、スペーサーを太くしたり、スペーサーの数を増大させたりする方法も考えられる。しかしながらこのようにすると、透過率が低下したり、液晶の配向性が低下したり、さらにはスペーサーによる回折光が見て取られたりする問題がある。
特開平03−47392号公報 特開平08−184273号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、スペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上できるようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、スペーサーのビッカース硬度値Xs、スペーサーの先端が当接する面のビッカース硬度値Xfが、一定の範囲でXs<Xfであるようにする、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 少なくとも配向層を備えてなる第1及び第2の積層体により液晶層を挟持し、前記第1及び又は第2の積層体に設けられた駆動用電極による駆動により前記液晶層に係る液晶分子の配向を制御して透過光を制御する調光フィルムにおいて、
前記第1の積層体は、
透明フィルム材による基材に、前記液晶層の厚みを保持するスペーサーが設けられ、
前記第1及び第2の積層体は、
前記スペーサーのビッカース硬度値Xs、前記スペーサーの先端が当接する前記第2の積層体の部位のビッカース硬度値Xfが、ビッカース硬度値2を超え、ビッカース硬度値6未満であり、かつXs<Xfである調光フィルム。
(1)によれば、Xs<Xfであることにより、使用中の押圧力等により、スペーサーの先端が対向する面に貫入したりする状況を低減して、セルギャップの不均一化、局所的な配向不良の発生を低減し、さらは液晶材料の漏出を有効に回避することができる。またビッカース硬度値2を超えることにより、外圧によりセルギャップが低減する状況、所望のセルギャップを得られなくなる状況を低減することができ、またさらにビッカース硬度値6未満であることにより、基材の傷つきを低減し、また全体が屈曲した際のクラックの発生を低減することができる。これらによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上することができる。
(2) (1)に記載の調光フィルムを板ガラスにより挟持して形成された合わせガラス。
(2)によれば、スペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上してなる調光フィルムにより合わせガラスを構成することができる。
(3) 少なくとも配向層を備えてなる第1の積層体を作製する第1の積層体作製工程と、
少なくとも配向層を備えてなる第2の積層体を作製する第2の積層体作製工程と、
液晶層を挟持して前記第1及び第2の積層体を積層して封止する封止工程とを備え、
前記第1の積層体作製工程は、
透明フィルム材による基材に、前記液晶層の厚みを保持するスペーサーを作製するスペーサー作製工程を備え、
前記スペーサー作製工程及び前記第2の積層体作製工程は、
前記スペーサーのビッカース硬度値Xs、前記スペーサーの先端が当接する前記第2の積層体の部位のビッカース硬度値Xfが、ビッカース硬度値2を超え、ビッカース硬度値6未満であって、かつXs<Xfであるであるようにする調光フィルムの製造方法。
(3)によれば、Xs<Xfであることにより、使用中の押圧力等により、スペーサーの先端が対向する面に貫入したりする状況を低減して、セルギャップの不均一化、局所的な配向不良の発生を低減し、さらは液晶材料の漏出を有効に回避することができる。またビッカース硬度値2を超えることにより、外圧によりセルギャップが低減する状況、所望のセルギャップを得られなくなる状況を低減することができ、またさらにビッカース硬度値6未満であることにより、基材の傷つきを低減し、また全体が屈曲した際のクラックの発生を低減することができる。これらによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上することができる。
本発明によれば、液晶を利用した調光フィルムに関して、スペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上することができる。
本発明の第1実施形態に係る合わせガラスを示す図である。 図1の合わせガラスに使用される調光フィルムを示す図である。 図2の調光フィルムの動作の説明に供する図である。 図2の調光フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 図2の調光フィルムの説明に供する図表である。
〔第1実施形態〕
〔合わせガラス〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る合わせガラスを示す断面図である。この合わせガラス1は、例えば車両のウインドウに適用される合わせガラスであり、中間層4及び5をそれぞれ介して板ガラス2及び3により調光フィルム10を挟持して構成される。ここで板ガラス2、3は、この種の合わせガラスに適用可能な種々の材料を広く適用することができる。また中間層4、5は、調光フィルム10と板ガラス2、3との接着層として機能する構成であり、この種の合わせガラスに適用される種々の構成を広く適用することができ、例えば熱線遮蔽材としての機能を備えるようにしてもよい。
合わせガラス1は、板ガラス2、3にそれぞれ中間層4、5を設けて調光フィルム10と積層した後、加熱して加圧することにより、中間層4、5を介して板ガラス2、3、調光フィルム10を一体化すると共に、全体を所望の曲面形状に整形する。これにより合わせガラス1は、例えば車両のリアウインド等に適用可能に作製され、調光フィルム10により透過光を制御できるように構成される。なおこれにより合わせガラス1の製造工程は、それぞれ中間層4、5を設けた板ガラス2、3を調光フィルム10と積層する積層工程、その結果得られる積層体を加熱、加圧する加熱加圧工程を備える。
〔調光フィルム〕
図2は、調光フィルムを示す断面図である。この調光フィルム10は、フィルム形状により形成され、合わせガラスに使用される場合の他、例えば調光を図る部位に貼り付けて使用される。なおこのような調光を図る部位に貼り付けて使用される場合は、例えば建築物の窓ガラス、ショーケース、屋内の透明パーテーション等に配置して透過、不透明を切り替える場合等である。
この調光フィルム10は、液晶を利用して透過光を制御する調光フィルムであり、フィルム形状による第1及び第2の積層体である下側積層体13及び上側積層体12により液晶層14を挟持して液晶セル15が作製され、この液晶セル15を直線偏光板16、17により挟持して作成される。ここでこの実施形態において、液晶層14の駆動には、TN(Twisted Nematic)方式が適用されるものの、例えばVA(Virtical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式等、種々の駆動方式を適用することができる。調光フィルム10には、液晶層14の厚みを一定に保持するためのスペーサー24が上側積層体12及び又は下側積層体13に設けられる。直線偏光板16、17は、それぞれ液晶セル15側に光学補償に供する位相差フィルム18、19が設けられる。積層体12、13は、それぞれ基材21A、21Bに電極22A、22B、配向層23A、23Bを順次作成して形成される。なお位相差フィルム18、19は、必要に応じて省略してもよい。
これによりこの調光フィルム10は、電極22A、22Bの印加電圧の可変により、図3に示すように、外来光L1の透過を制御し、透明状態と非透明状態とで状態を切り替えるように構成される。なお図3(A)は、電極22A、22B間に電圧を印加しない状態を示し、図3(B)は、電極22A、22Bに電圧を印加した状態を示し、これによりこの実施形態では、いわゆるノーマリーホワイトにより液晶層14を駆動する。なおこれに代えてノーマリーブラックにより駆動するようにしてもよい。またIPS方式による場合、電極22A、22Bは、配向層23A又は23B側に纏めて作製されることは言うまでも無く、これに対応するように積層体12、13が構成されることになる。
なお調光フィルム10は、例えば建築物の窓ガラス、ショーケース、屋内の透明パーテーション等に貼り付けて使用する場合等においては、直線偏光板16及び又は17の、液晶セル15とは逆側の面に、ハードコート層等による保護層が設けられる。
ここで基材21A、21Bは、液晶セル15に適用可能な可撓性を有する各種の透明フィルム材を適用することができ、この実施形態では、両面にハードコート層が作製されてなるポリカーボネートによるフィルム材が適用される。電極22A、22Bは、駆動用電極であり、液晶層14にほぼ均一な電界を印加可能であって、透明と知覚される種々の構成を適用することができるものの、この実施形態では、透明電極材であるITO(Indium Tin Oxide)による透明導電膜を基材21A、21Bの全面に作製して形成される。なお上述したように、IPS方式等においては、電極は所望の形状によりパターンニングされて作製される。
配向層23A、23Bは、ポリイミド等の配向層に適用可能な各種材料層が適用され、この材料層の表面にラビングロールを使用したラビング処理により微細なライン状凹凸形状を作製して形成される。なおこのようなラビング処理による配向層に代えて、ラビング処理により作製した微細なライン状凹凸形状を賦型処理により作製して配向層を作製してもよく、また光配向層により作製してもよい。
スペーサー24は、各種の樹脂材料を広く適用することができるものの、この実施形態ではフォトレジストにより作製される。液晶セル15は、液晶層14を囲むように、シール剤25が配置され、このシール剤25により液晶の漏出が防止される。
〔製造工程〕
図4は、液晶セル15の製造工程を示すフローチャートである。液晶セル15は、電極作製工程SP1において、基材21A及び21BにITOによる透明電極22A、22Bが作製される。続くスペーサー作製工程SP3において、スペーサー24に係る塗工液(フォトレジスト)を塗工した後、乾燥、露光して現像することにより、スペーサー24が作製される。なお積層体12、13の一方のみにスペーサー24を作製する場合、スペーサー24を作製しない場合の基材については、スペーサー作製工程SP3が省略される。
続いて液晶セル15は、配向層材料層作製工程SP4において、配向層23A、23Bに係る塗工液が塗工されて乾燥、硬化されることにより、配向層23A、23Bの材料層が形成される。続いて液晶セル15は、ラビング工程SP5において、ラビングロールを使用したラビング処理により、配向層材料層の表面に微細なライン状凹凸形状が作製されて配向層23A、23Bが作製される。これらによりこの実施形態では、第1及び第2の積層体をそれぞれ作製する第1及び第2の積層体作製工程が構成される。
続いて液晶セル15は、封止工程SP6において、積層体12、13の一方に、液晶層14を囲む形状によりシール剤25が設けられると共に、このシール剤25により囲まれた箇所に液晶材料が配置される。さらに積層体12、13の他方を持ち来して積層体12、13により液晶材料を挟持するように積層し、この状態で加圧して紫外線の照射等によりシール剤を硬化させる。これにより液晶セル15が作製される。
なお液晶セル15は、基材21A、21Bがロールに巻き取られた長尺フィルム形態により提供され、これら工程SP2〜SP6の全て、又はこれら工程SP2〜SP6のうちの一部が、ロールから基材21A、21Bを引き出して搬送しながら実行される。なおこれにより液晶セル15は、必要に応じて、途中の工程から枚葉の処理により各工程が実行されることになる。
〔スペーサーの詳細構成〕
ここでこの実施形態では、図4に示す工程によりフォトレジストを使用して円柱形状又は円錐台形状によりスペーサー24が形成される。このようにしてスペーサー24を作製して、この実施形態では、スペーサー24のビッカース硬度値Xs、スペーサー24の先端が当接する部位のビッカース硬度値Xfが、ビッカース硬度値2を超え、ビッカース硬度値6未満であって、かつXs<Xfであるように設定され、これによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上する。
すなわちXf<Xsである場合、使用中の押圧力により、スペーサー24の先端が対向する面に貫入したりし、その結果、セルギャップが不均一化したり、局所的な配向不良が発生する。また甚だしい場合には、スペーサー24の先端が対向する積層体を突き破り、液晶材料が漏出することになる。しかしながらXs<Xfであることにより、使用中の押圧力等により、スペーサーの先端が対向する面に貫入したりする状況を低減することができ、これによりセルギャップの不均一化、局所的な配向不良の発生を低減することができ、さらには液晶材料の漏出を有効に回避することができる。
またビッカース硬度値2より小さい場合には、外圧によりスペーサーが潰れてセルギャップが低減したり、所望のセルギャップを得られなくなるものの、この実施形態ではビッカース硬度値2を超えることにより、このような状況を低減することができる。またビッカース硬度値6以上である場合は、基材が傷つき易く、また全体を屈曲した際にクラックが生じるのに対し、この実施形態ではビッカース硬度値が6未満であることにより、基材の傷つきを低減し、また全体が屈曲した際のクラックの発生を低減することができる。これらによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上することができる。
図5は、このスペーサーに関する構成の確認に供した試験結果を示す図表である。この図5における実施例1〜3、比較例1〜3の調光フィルムは、スペーサー及びこのスペーサーが当接する配向層に関する構成が異なる点を除いて、同一に構成される。より具体的に、これら実施例1〜3、比較例1〜3の調光フィルムは、下側積層体13にのみスペーサー24を設けるようにし、このスペーサー24に係る熱処理の条件により、スペーサー24のビッカース硬度値Xsを設定した。
すなわちスペーサー24は、スペーサー24に係る塗工液を塗工した後、乾燥させ、その後、露光装置を使用したマスク露光により、スペーサー24を作製する部位を選択的に露光する。なおこれはポジ型のフォトレジストの場合であり、ネガ型のフォトレジストではこれとは逆にスペーサー24を作製する部位を除く部位が選択的に露光処理される。その後、スペーサー24は、現像処理により未露光の部位又は露光処理した部位が選択的に除去されてリンス等の処理が実行され、必要に応じて乾燥等の処理が実行される。
この露光処理では、事前に加熱していわゆるハーフキュアーの状態で露光処理したり、加熱した環境下で露光処理する場合があり、また現像処理において、リンス等の処理を実行した後、加熱処理して反応を促進する場合がある。スペーサー24の硬度Xsは、スペーサー24に係るフォトレジストの材料の選定、露光工程、現像工程における加熱の温度、時間の設定、露光光量及び露光時間の設定により設定することができる。
この実施形態では、この露光工程、現像工程における加熱の温度、時間の設定により、比較例1、2、3におけるスペーサー24のビッカース硬度値Xsをそれぞれ1.8、4.2、4.2に設定し、また実施例1、2、3におけるスペーサー24のビッカース硬度値Xsをそれぞれ2.2、3.7、4.2に設定した。なおスペーサー24は、直径15μm、高さ5μmの円柱形状により作製した。
これに対してこのスペーサーが当接する面である上側積層体12の配向層23Aにあっては、塗工液を塗工して乾燥、硬化することによりポリイミド膜を作製し、このポリイミド膜をラビング処理して作製した。またこのポリイミド膜を作製する際の硬化時の加熱温度、及び加熱時間の設定により、ビッカース硬度値Xfを設定した。なおラビング処理した後に改めて加熱処理してビッカース硬度値Xfを調整してもよい。これにより比較例1、2、3ではビッカース硬度値Xfを4.9、6.7、3.6に設定し、また実施例1、2、3ではビッカース硬度値Xfを4.9に設定した。
この図5に示す実験では、定盤による硬度の高い平滑面に調光フィルムを載置した状態で、0.8MPaに相当する加重を印加した後、セルギャップを計測してセルギャップの減少を判断した。なお加重の時間は24時間である。またこのように加重した後、上側積層体及び下側積層体を剥離してスペーサーを顕微鏡により観察して、スペーサーの潰れ(スペーサー潰れ)を確認し、またスペーサーが当接する部位を顕微鏡により観察してスペーサー先端の貫入(フィルム貫入)を観察した。
ここでこの顕微鏡による観察にはSEM等の手法を用いて正面視、斜視、及び断面観察し、目視でスペーサーの変形を確認し、スペーサーの変形が確認された場合にはその状況に応じ、「セルギャップ減少、スペーサー潰れ」の有無を○×判定した。従ってこの図5において「○」は、対応する項目に係る異常が見られない場合であり、「×」は対応する項目に係る異常が見られる場合である。
また同様にスペーサーが当接する部位をSEM等の手法を用いて斜視した場合、窪み(凹部)が確認された場合、「フィルム貫入」を×判定とし、凹部が認められない場合、「フィルム貫入」を○判定とした。
また積層体12及び13を積層して0.1MPaに相当する加重を印加した状態で、積層体12及び13の相対位置を0.1cm/secにより変位させ、目視により傷の発生を確認した。ここで複数サンプルの半数以上で、傷の発生が確認された場合、「キズ(フィルム)」を「×」により示し、これとは逆に、複数サンプルの半数以上で、傷の発生が確認されない場合、「キズ(フィルム)」を「○」により示す。
また調光フィルムの状態で、JIS K5600−5−1の曲げ試験の規定に従って、直径2mmの円柱マンドレルに巻き付けてクラックの発生を確認した。この試験で複数サンプルの半数以上で、基材にクラックの発生が確認された場合、「クラック(フィルム)」を「×」により示し、これとは逆に、複数サンプルの半数以上で、基材にクラックの発生が確認されない場合、「クラック(フィルム)」を「○」により示す。
この図5の計測結果では、比較例1では、スペーサーの硬度が不足することにより、セルギャップ減少、スペーサー潰れが観察され、また比較例2ではスペーサー対向面のビッカース硬度値Xfが6を超えることにより、クラックの発生が観察され、さらにはセルギャップ減少、スペーサー潰れが観察された。また比較例3ではスペーサーのビッカース硬度値Xsが対向面のビッカース硬度値Xfより大きいことにより、基材の傷つきが観察され、さらにスペーサー先端の貫入も確認された。しかしながら実施例1〜3では、これらの現象は観察されず、これによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上できることが判った。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に変更することができる。
1 合わせガラス
2、3 板ガラス
4、5 中間層
10 調光フィルム
12 上側積層体
13 下側積層体
14 液晶層
14A 液晶分子
15 液晶セル
16、17 直線偏光板
18、19 位相差フィルム
21A、21B 基材
22A、22B 電極
23A、23B 配向層
24 スペーサー
25 シール剤

Claims (3)

  1. 少なくとも配向層を備えてなる第1及び第2の積層体により液晶層を挟持し、前記第1及び又は第2の積層体に設けられた駆動用電極による駆動により前記液晶層に係る液晶分子の配向を制御して透過光を制御する調光フィルムにおいて、
    前記第1の積層体は、
    透明フィルム材による基材に、前記液晶層の厚みを保持するスペーサーが設けられ、
    前記第1及び第2の積層体は、
    前記スペーサーのビッカース硬度値Xs、前記スペーサーの先端が当接する前記第2の積層体の部位のビッカース硬度値Xfが、ビッカース硬度値2を超え、ビッカース硬度値6未満であり、かつXs<Xfである
    調光フィルム。
  2. 請求項1に記載の調光フィルムを板ガラスにより挟持して形成された
    合わせガラス。
  3. 少なくとも配向層を備えてなる第1の積層体を作製する第1の積層体作製工程と、
    少なくとも配向層を備えてなる第2の積層体を作製する第2の積層体作製工程と、
    液晶層を挟持して前記第1及び第2の積層体を積層して封止する封止工程とを備え、
    前記第1の積層体作製工程は、
    透明フィルム材による基材に、前記液晶層の厚みを保持するスペーサーを作製するスペーサー作製工程を備え、
    前記スペーサー作製工程及び前記第2の積層体作製工程は、
    前記スペーサーのビッカース硬度値Xs、前記スペーサーの先端が当接する前記第2の積層体の部位のビッカース硬度値Xfが、ビッカース硬度値2を超え、ビッカース硬度値6未満であって、かつXs<Xfであるであるようにする
    調光フィルムの製造方法。
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