JP2017194599A - 調光フィルム及び調光フィルムの駆動方法 - Google Patents

調光フィルム及び調光フィルムの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】調光フィルムの駆動用電源に関する透過光量のムラを低減して、一段と品位を向上することを目的とする。【解決手段】直線偏光板2、3により液晶セル4を挟持してなる調光フィルム1において、透明フィルム材による基材6、15に透明電極11、16、配向層13、17を作製してなる第1及び第2の積層体5D、5Uにより液晶層8を挟持して液晶セル4が形成され、第1及び第2の積層体5D、5Uの透明電極11、16への駆動用電源の供給により、透過光の偏光面を可変して透過光が制御される。液晶層8を囲む枠形状により、液晶層8を挟持する部位の透明電極11、16に比して表面抵抗値が小さな給電部が形成され、給電部により、液晶層8を挟持する部位の透明電極11、16に駆動用電源が供給される。【選択図】図2

Description

本発明は、乗用車の窓等に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する。
従来、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する工夫が種々に提案されている(特許文献1、2)。このような調光フィルムの1つに、液晶を利用したものがある。この液晶を利用した調光フィルムは、透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を順次作製して第1及び第2の積層体が作製され、この第1及び第2の積層体により液晶材料を挟持して液晶セルが作製される。調光フィルムは、この液晶セルを直線偏光板により挟持して作成される。
これによりこの調光フィルムは、液晶に印加する電界の可変により液晶の配向を可変して外来光を遮光したり透過したりし、さらには透過光量を可変したりし、これらにより外来光の透過を制御する。より具体的に、調光フィルムでは、駆動回路で生成した駆動用電源を第1及び第2の積層体に形成された透明電極に供給するようにして、この駆動用電源の電圧の可変により、液晶に印加する電界を可変して液晶の配向を可変し、これにより外来光の透過を制御する。
ところで従来の調光フィルムでは、駆動用電源を供給する給電部から遠ざかるに従って透過率が低下する。これにより従来の調光フィルムでは、大面積化すればする程、透過光量にムラが大きくなり、著しく品位が低下して見て取られる問題がある。この問題は、調光フィルムに適用される透明電極の抵抗値が大きいことにより、給電部から遠ざかるに従って駆動用電源が電圧降下し、駆動用電源を全面で均一な電圧に保持して調光フィルムを駆動できないことによるものと考えられる。これによりこのような駆動用電源に関する透過光量のムラを低減することができれば、一段と品位を向上して調光フィルムの適用範囲を拡大することができると考えられる。
特開平03−47392号公報 特開平08−184273号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、駆動用電源に関する透過光量のムラを低減して、一段と品位を向上することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、液晶層を囲んで延長する枠形状により給電部を形成し、この給電部により駆動用電源を供給することにより、駆動用電源の電圧降下を低減する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 直線偏光板により液晶セルを挟持してなる調光フィルムにおいて、
透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を作製してなる第1及び第2の積層体により液晶層を挟持して前記液晶セルが形成され、
前記液晶層を囲む枠形状により、前記液晶層を挟持する部位の前記透明電極に比して表面抵抗値が小さな給電部が形成されている
調光フィルム。
(1)によれば、液晶層を囲む枠形状により、液晶層を挟持する部位の透明電極に比して表面抵抗値が小さな給電部が形成され、この給電部により駆動用電源が供給されることにより、液晶層に外周方向から駆動用電源を供給することができ、これにより1箇所で駆動用電源を供給する場合に比して、透明電極の抵抗による駆動用電源の電圧降下を低減することができる。従って駆動用電源に関する透過光量のムラを低減して、一段と品位を向上することができる。
(2) (1)において、
芯材の両面にそれぞれ金属箔による第1及び第2の導電パターンを備えてなる接続部が枠形状により形成されて、前記接続部が前記液晶層を囲むように配置されて前記給電部が形成され、前記第1及び第2の導電パターンが、それぞれ第1及び第2の積層体の透明電極に接続された調光フィルム。
(2)によれば、例えば両面フレキ等の配線材を使用して接続部を構成するようにして、駆動用電源に関する透過光量のムラを低減することができる。
(3) (2)において、
前記接続部は、
前記枠形状における内周側領域と外周側領域とにそれぞれ前記第1及び第2の導電パターンが設けられた調光フィルム。
(3)によれば、内周側領域及び外周側領域にそれぞれ第1及び第2の導電パターンを配置するようにして、上側積層体に接続する部位と下側積層体に接続する部位とを接続部の面内方向で異ならせることにより、接続部の厚みを薄くすることができ、設計上の自由度を向上し、信頼性を向上することができる。
(4) (2)において、
前記接続部は、
調光フィルムの外形形状に係る長辺方向に延長する中心線により分割された第1及び第2の領域に、前記第1及び第2の導電パターンがそれぞれ設けられた調光フィルム。
(4)によれば、調光フィルムを分割した第1及び第2の領域により、上側積層体に接続する部位と下側積層体に接続する部位とを接続部の面内方向で異ならせるようにしても、接続部の厚みを薄くすることができ、設計上の自由度を向上し、信頼性を向上することができる。
(5) (2)において、
前記接続部は、
前記液晶層の外周に沿って、第1の導電パターンが設けられた領域と、第2の導電パターンが設けられた領域とが、順次交互に設けられた調光フィルム。
(5)によれば、上側積層体に接続する部位と下側積層体に接続する部位との順次交互の配置により、上側積層体に接続する部位と下側積層体に接続する部位とを接続部の面内方向で異ならせるようにしても、接続部の厚みを薄くすることができ、設計上の自由度を向上し、信頼性を向上することができる。
(6) (1)において、
前記液晶層を挟持する部位より延長する前記透明電極の部位に、導電性ペーストを配置して前記給電部が形成された調光フィルム。
(6)によれば、導電ペーストを利用して給電部を構成することができる。
(7) 直線偏光板により液晶セルを挟持してなる調光フィルムの駆動方法において、
前記液晶セルは、
透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を作製してなる第1及び第2の積層体により液晶層を挟持して前記液晶セルが形成され、
前記調光フィルムは、
前記第1及び第2の積層体の前記透明電極への給電により、透過光の偏光面を可変して透過光が制御され、
前記調光フィルムの駆動方法は、
前記液晶層を囲む枠形状であって、前記液晶層を挟持する部位の前記透明電極に比して表面抵抗値が小さな給電部により、前記液晶層を挟持する部位の透明電極へ給電する調光フィルムの駆動方法。
(7)によれば、外周方向から液晶層に駆動用電源を供給することができ、これにより1箇所で駆動用電源を供給する場合に比して、格段的に透明電極の抵抗による駆動用電源の電圧降下を低減することができ、これにより駆動用電源に関する透過光量のムラを低減することができる。
本発明によれば、駆動用電源に関する透過光量のムラを低減して、一段と品位を向上することを目的とする。
本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。 図1の調光フィルムの駆動の説明に供する図である。 図2の断面図である。 調光フィルムにおける駆動用電源の電圧計測の説明に供する図である。 図4の計測結果を示す図である。 図1の調光フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る調光フィルムの他の例の説明の供する図である。 本発明の第2実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。 図8の調光フィルムの説明に供する断面図である。 本発明の第3実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。
〔第1実施形態〕
〔調光フィルムの基本構成〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る調光フィルムの基本構成の説明に供する断面図である。この調光フィルム1は、建築物の窓ガラス、ショーケース、屋内の透明パーテーション等の調光を図る部位に、粘着剤層等により貼り付けて使用され、駆動電圧の可変により透過光の光量を制御する。
この調光フィルム1は、液晶を利用して透過光を制御するフィルム材あり、直線偏光板2、3により調光フィルム用の液晶セル4を挟持して構成される。ここで直線偏光板2、3は、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して直線偏光板としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により光学機能層を挟持して作製される。直線偏光板2、3は、クロスニコル配置により、アクリル系透明粘着樹脂等による接着剤層により液晶セル4に配置される。なお直線偏光板2、3には、それぞれ液晶セル4側に光学補償に供する位相差フィルム2A、3Aが設けられるものの、位相差フィルム2A、3Aは、必要に応じて省略してもよい。
液晶セル4は、後述する透明電極への印加電圧により透過光の偏光面を制御する。これにより調光フィルム1は、透過光を制御して種々に調光を図ることができるように構成される。
〔液晶セル〕
液晶セル4は、フィルム形状による第1及び第2の積層体である下側積層体5D及び上側積層体5Uにより液晶層8を挟持して構成される。下側積層体5Dは、透明フィルム材による基材6に、透明電極11、スペーサー12、配向層13を作製して形成される。上側積層体5Uは、透明フィルム材による基材15に、透明電極16、配向層17を積層して形成される。液晶セル4は、この上側積層体5U及び下側積層体5Dに設けられた透明電極11、16の駆動により、液晶層8の電界を可変して液晶層8に設けられた液晶材料の配向を制御し、これにより透過光の偏光面を制御する。
ここで調光フィルム1において、この液晶層8の配向制御には、VA(Virtical Alignment)方式が適用されるものの、VA方式に代えて、TN(Twisted Nematic)方式等、種々の駆動方式を適用してよい。なお液晶セル4は、光配向層のパターンニング等によりいわゆるマルチドメイン方式により液晶材料を駆動してもよく、さらにはシングルドメインにより駆動してもよい。
基材6、15は、この種のフィルム材に適用可能な種々の透明フィルム材を適用することができるものの、光学異方性の小さなフィルム材を適用することが望ましい。この実施形態において、基材6、15は、厚み100μmのポリカーボネートフィルムが適用されるものの、種々の厚みのフィルム材を適用することができ、さらにはCOP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等を適用してもよい。
透明電極11、16は、この種のフィルム材に適用される各種の電極材料を適用することができ、この実施形態ではITO(Indium Tin Oxide)による透明電極材により形成される。スペーサー12は、液晶層8の厚みを規定するために設けられ、各種の樹脂材料を広く適用することができるものの、この実施形態ではフォトレジストにより作製され、透明電極11を作製してなる基材6の上に、フォトレジストを塗工して露光、現像することにより作製される。なおスペーサー12は、上側積層体5Uに設けるようにしてもよく、上側積層体5U及び下側積層体5Dの双方に設けるようにしてもよい。またスペーサー12は、配向層13の上に設けるようにしてもよい。またスペーサーは、いわゆるビーズスペーサーを適用してもよい。
配向層13、17は、光配向層により形成される。ここでこの光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができるものの、この実施形態では、例えば光2量化型の材料を使用する。この光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されている。なお光配向層に代えてラビング処理により配向層を作製してもよく、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。
液晶層8は、この種の調光フィルムに適用可能な各種の液晶材料を広く適用することができる。
液晶セル4は、液晶層8を囲むように、矩形形状による枠形状によりシール材19が配置され、このシール材19により上側積層体5U、下側積層体5Dが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。
〔駆動用電源の給電〕
図2は、この調光フィルム1への駆動用電源の供給の説明に供する図である。この調光フィルム1は、可撓性を有するフィルム形状の配線基板であるフレキシブル配線基板により給電部材20が形成され、この給電部材20を介して下側積層体5Dの透明電極11、上側積層体5Uの透明電極16に駆動用電源が供給される。
ここで給電部材20は、液晶層8を囲む矩形の枠形状により配置されるシール材19を、外方より囲む枠形状による接続部20Aと、この接続部20Aの枠形状に係る矩形の1辺(この図2においては短辺)のほぼ中央部分において外方に帯状に延出する入力部20Bとにより構成される。給電部材20は、直接に、又は図示しないケーブルを介して入力部20Bが駆動回路に接続され、駆動回路で生成された駆動用電源が入力部20Bに入力される。また入力部20Bに入力された駆動用電源が接続部20Aに導かれ、接続部20Aから下側積層体5Dの透明電極11及び上側積層体5Uの透明電極16にそれぞれ供給される。
ここでA―A線により入力部20Bの付け根部分を接続部20Aと共に断面を取って図3に示す。給電部材20は、ポリイミドフィルム材を使用したいわゆる両面フレキにより作製される。より具体的に、給電部材20は、ポリイミド樹脂のフィルム材による芯材21の両面に、例えば銅箔等の金属箔による導電パターン22、23が配置され、さらに各導電パターン22、23をポリイミド樹脂のフィルム材による絶縁フィルム24、25により被覆して形成される。給電部材20は、接続部20Aでは、絶縁フィルム24、25による被覆が設けられることなく、導電パターン22、23がそれぞれ露出するように形成され、下側積層体5Dの透明電極11及び上側積層体5Uの透明電極16にこの導電パターン22、23がそれぞれ接続される。なお給電部材20には、このようなポリイミドフィルム材を使用したいわゆる両面フレキに代えて、種々の絶縁性のフィルム材を使用した両面フレキを広く適用することができる。
ここで調光フィルム1において、下側積層体5D及び上側積層体5Uは、基材6、15の全面に透明電極11、16が作製され、これによりシール材19が配置される部位を跨いでシール材19による枠形状の内側及び外側に透明電極11、16が配置される。さらに調光フィルム1は、シール材19が配置される部位を含んでその内側の部位にのみ、選択的に配向層13、17が作製される。
これにより調光フィルム1において、透明電極11、16は、シール材19により囲まれた枠形状に係る内側の部位11A、16Aでは、導電パターン22、23を介して供給される駆動用電源により液晶層8に電界を印加して液晶材料の配向を制御する。これに対してこのシール材19による枠形状の外側の部位11B、16Bでは、導電パターン22、23を介して供給される駆動用電源を入力して内側の部位11A、16Aに導く。なおこれにより透明電極11、16において、シール材19により囲まれた部位は、液晶層8の駆動に供することにより、以下においては、適宜、駆動部11A、16Aと呼ぶ。また透明電極11、16において、シール材19の外側の部位は、透明電極11、16の駆動部11A、16Aを導電パターン22、23に接続する部位であることにより、適宜、接続部11B、16Bと呼ぶ。
さらに調光フィルム1においては、透明電極11、16の接続部11B、16Bに導電性ペースト27が配置され、これにより導電パターン22、23及び透明電極11、16間で電気的な接続が強化され、さらに機械的な接続を図るように構成される。なおこのような導電性ペースト27は、銀ペースト、銅ペースト、PEDOT(導電性樹脂ペースト)、ACP(異方性導電ペースト)等を適用することができ、スクリーン印刷、フレキソ印刷、ディスペンサーによる滴下、インクジェットによる滴下等により配置することができる。なお導電性ペースト27に代えて、ACF(異方性導電フィルム)を適用してもよい。
これにより調光フィルム1では、給電部材20の接続部20A、導電性ペースト27、透明電極11、16の接続部11B、16Bにより、液晶層8を囲んで延長する枠形状により、駆動部11A、16Aに比して表面抵抗値が小さな給電部が形成され、この給電部により駆動用電源を供給する。これによりこの実施形態では、透明電極による駆動用電源の電圧降下を低減し、駆動用電源に関する透過光量のムラを低減し、調光フィルムの品位を一段と向上する。
すなわち駆動部11A、16Aに対する駆動用電源の供給箇所が1箇所である場合、透明電極の抵抗により供給箇所から遠ざかるに従って駆動用電源が電圧降下することになる。透明電極11、16にITOを適用した場合には、この電圧降下が大きく、これにより透過光量にムラが発生する。これにより駆動用電源の供給箇所を複数個所設けるようにすれば、1箇所より駆動用電源を供給する場合に比して、透過光量のムラを低減することができる。特にこの実施形態のように、液晶層8を囲んで延長する枠形状により給電部を形成し、この給電部により駆動用電源を供給する場合にあっては、1箇所より駆動用電源を供給する場合に比して、格段的に、調光フィルムの各部で透明電極11、16間における駆動用電源の電圧値が等しくなるように設定して、透過光量のムラを格段に低減することができる。
ここで図4に示すように、調光フィルム1に駆動用電源を供給した状態で、対角線方向(符号L1により示す)における駆動用電源の電圧変化を検討した。ここで調光フィルム1は、大きさが800mm×1200mmであり、図1の実施形態について上述した構成である。符号A1、A2、A3により示すように、調光フィルム1の1つの短辺の中央、両端の部位より透明電極11及び16に駆動用電源を供給した場合、基準位置P1からの距離による駆動用電源の電圧は、図5において符号LAにより示すように、基準位置P1から遠ざかるに従って低下する。なおここで基準位置P1は、駆動用電源を供給する側の短辺の一端である。また駆動用電源は、振幅10V、周波数60Hzの矩形波信号である。またこの符号A1、A2、A3により示す給電箇所は、間隔Pが200mmである。各給電箇所A1、A2、A3は、それぞれ上側積層体5U及び下側積層体5Dの間に、導電パターンが幅5mmである両面フレキを差し込み、シール材19より外方に飛び出す透明電極11、16(接続部11B、16B)に部分的に導電パターンをそれぞれ接続して駆動用電源を供給した。これにより調光フィルム1では、この場合、給電に係る短辺側端から対向する短辺側端に向かって、徐々に透過率が低下することになり、透過光量のムラが発生する。なおこの場合、この透過光量のムラは、長辺方向のシェーディングにより観察されることになる。
これは透明電極11、16を構成するITOの抵抗値(表面抵抗値150〜300Ω/□である)が大きいことにより、給電箇所A1〜A3より遠ざかるに従って駆動用電源が電圧降下することによるものである。因みに、銅電極の抵抗値は1.68×10−8Ωmであり、透明電極11、16に銅電極を適用した場合には、このような駆動用電源の電圧降下を防止できるものの、銅自体が入射光を遮光することにより透過率が低下することになり、実用に供し得ない。
さらに基準位置P1から、間隔P(300mm)のピッチで、長辺に沿って給電箇所B1、B2、C1、C2を設けた。ここで各給電箇所B1、B2、C1、C2は、給電箇所A1〜A3と同様に駆動用電源を供給可能に両面フレキを配置した。短辺側の給電箇所A1〜A3より駆動用電源を供給した状態で、さらに基準位置P1に隣接する給電箇所B1、続く給電箇所B2より駆動用電源を供給するようにして、対角線方向における駆動用電源の電圧を検討した。符号LBは、このように給電箇所A1〜A3、B1、B2により給電した状態での駆動用電源の電圧であり、この場合、追加した給電箇所B1、B2に対応する部位(基準位置P1から0.4m程度)までは、殆んど、駆動用電源が電圧降下していないことが判る。しかしながら給電箇所B1、B2に対応する部位よりさらに遠ざかると、駆動用電源が電圧降下する。これによりこの場合、基準位置P1から給電箇所B2までの長辺に沿った方向では、透過率が一定に保持され、透過光量のムラが発生しないことが判る。しかしながら、給電箇所B2からさらに遠ざかると、透過率が低下して透過光量のムラが知覚され、シェーディングが観察されることになる。
そこで短辺の給電箇所A1〜A3より駆動用電源を供給した状態で、さらに長辺方向に連続する給電箇所B1、B2、C1、C2より駆動用電源を供給するようにして、対角線方向における駆動用電源の電圧を検討した。符号LCは、このように給電箇所A1〜A3、B1、B2、C1、C2より給電した状態での駆動電圧であり、この場合、何れの箇所でも駆動用電源は電圧10Vに保持されており、これにより透過光量のムラが発生しないことが判る。これによりこの実施形態によれば、透過光量のムラを実用上充分に防止することができる。
これらによりこの実施形態のように、液晶層8を囲んで延長する矩形形状により給電部を形成し、この給電部により駆動用電源を供給する場合、駆動用電源の電圧降下を低減して透過光量のムラを低減し、調光フィルムの品位を一段と向上できることが判る。
〔製造工程〕
図6は、調光フィルム1の製造工程の説明に供するフローチャートである。調光フィルムの製造工程は、上側積層体作製工程SP2において、基材15に透明電極16、配向層17を順次作製して上側積層体5Uが作製される。また下側積層体作製工程SP3において、基材6に透明電極11、スペーサー12、配向層13を順次作製して下側積層体5Dが作製される。このときこの製造工程は、シール材19を配置する部位を含むシール材19を配置する部位の内側領域についてのみ選択的に配向層13、17を作製し、これにより給電部材20の導電パターン22、23に対応する部位(接続部11B、16B)では、透明電極11、16を露出させる。より具体的に、この実施形態では、シール材19を配置する部位を含むシール材19を配置する部位の内側領域についてのみ選択的に配向層に係る塗工液を塗工した後、乾燥、露光処理することにより、選択的に配向層13、17を作製する。
この製造工程は、続く積層工程SP4において、液晶層8を間に挟んで、上側積層体5U及び下側積層体5Dを積層した後、シール材により一体化して調光フィルム1を作製する。すなわち積層工程では、上側積層体5U及び下側積層体5Dの、シール材19を配置する箇所の外周側の部位である接続部11B、16Bに、それぞれ導電性ペースト27が配置される。また上側積層体5U及び下側積層体5Dの一方にディスペンサーによりシール材19が配置され、さらにシール材19が配置されてなる部位の中央に、液晶材料が配置される。この状態で、この製造工程は、給電部材20を配置した後、他方の積層体を持ち来して液晶材料を挟持した状態で押しつぶし、これにより上側積層体5U、下側積層体5Dを積層する。また紫外線の照射等によりシール材19を硬化させ、これにより給電部材20を配置して液晶セル4を作製する。なお液晶材料、導電性ペースト27、シール材19の配置の順序は、必要に応じて入れ替えるようにしてもよい。
この製造工程は、続く直線偏光板積層工程SP5において、紫外線硬化性樹脂等により直線偏光板2、3が液晶セル4に積層された後、粘着剤層、セパレータフィルム等を配置して作製される。
なおこの実施形態では、フレキシブル配線基板による給電部材20において、シール材19を外方より囲む枠形状に接続部20Aを作製することにより、液晶層8を囲んで延長する枠形状により給電部を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、給電部にあっては、種々の構成を広く適用することができる。すなわち図7に示すように、シール材19を外方より囲む枠形状の一部の形状(この図7の例では短辺形状である)に対応する形状により接続部30Aを構成するように給電部材30を作製する。また透明電極11及び16の接続部11B、16Bのうちの、給電部材30の接続部30Aが配置されない箇所には、接続部30Aが作製されている箇所から続くように接続部11B、16Bの抵抗値を低減する構成を設け、これらにより液晶層8を囲んで延長する枠形状により給電部を形成する。なおこの接続部11B、16Bの抵抗値を低減する構成は、例えば導電性ペースト(例えば銀ペースト、銅ペースト、PEDOT(導電性樹脂ペースト)、ACP(異方性導電ペースト))等を配置する構成を提供することができる。なお導電ペーストの配置方法は、スクリーン印刷、フレキソ印刷、ディスペンサーによる滴下、インクジェットによる滴下等を適用することができる、また導電性ペーストに代えて、ACF(異方性導電フィルム)を適用してもよい。
なおこの場合、透明電極11及び16の接続部11B、16Bを絶縁するための絶縁フィルム31を、このように導電性ペーストを配置した部位の間に、介挿することが必要になる。なおこの図7の例では、枠形状に係る枠形状の1つの短辺に沿って延長するように接続部30Aを作製する場合について述べたが、1つの短辺の一部分のみに接続部に割り当てる場合、隣接する2辺又は3辺に接続部に割り当てる場合等、種々の形状により接続部を作製することができる。
このように枠形状に係る矩形形状の一部の形状により接続部30Aを構成するようにして、給電部を構成する場合には、フレキシブル配線基板を小型化することができる。また上側積層体と下側積層体とを積層した後に、給電部材30を差し込んで配置できることにより、製造工程を簡略化することができる。
〔スペーサーの詳細構成〕
ここでこの実施形態では、円柱形状又は円錐台形状によりスペーサー12が形成される。さらにこの実施形態では、スペーサー12のビッカース硬度値Xs、スペーサー12の先端が当接する部位のビッカース硬度値Xfが、ビッカース硬度値2以上、ビッカース硬度値6以下であって、かつXs<Xfであるように設定され、これによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上する。
すなわちXf<Xsである場合、使用中の押圧力により、スペーサー12の先端が対向する面に貫入したりし、その結果、セルギャップが不均一化したり、局所的な配向不良が発生する。また甚だしい場合には、スペーサー12の先端が対向する積層体を突き破り、液晶材料が漏出することになる。しかしながらXs<Xfであることにより、使用中の押圧力等により、スペーサーの先端が対向する面に貫入したりする状況を低減することができ、これによりセルギャップの不均一化、局所的な配向不良の発生を低減することができ、さらには液晶材料の漏出を有効に回避することができる。
またビッカース硬度値2より小さい場合には、外圧によりスペーサーが潰れてセルギャップが低減したり、所望のセルギャップを得られなくなるものの、この実施形態ではビッカース硬度値2以上であることにより、このような状況を低減することができる。またビッカース硬度値6超である場合は、基材が傷つき易く、また全体を屈曲した際にクラックが生じるのに対し、この実施形態ではビッカース硬度値が6以下であることにより、基材の傷つきを低減し、また全体が屈曲した際のクラックの発生を低減することができる。これらによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上することができる。
Figure 2017194599
表1は、このスペーサーに関する構成の確認に供した試験結果を示す図表である。この表1における試験例1〜6の調光フィルムは、スペーサー及びこのスペーサーが当接する配向層に関する構成が異なる点を除いて、同一に構成される。より具体的に、これら試験例1〜6の調光フィルムは、下側積層体12にのみスペーサー12を設けるようにし、このスペーサー12に係る熱処理の条件により、スペーサー12のビッカース硬度値Xsを設定した。
すなわちスペーサー12は、スペーサー12に係る塗工液を塗工した後、乾燥させ、その後、露光装置を使用したマスク露光により、スペーサー12を作製する部位を選択的に露光する。なおこれはポジ型のフォトレジストの場合であり、ネガ型のフォトレジストではこれとは逆にスペーサー12を作製する部位を除く部位が選択的に露光処理される。その後、スペーサー12は、現像処理により未露光の部位又は露光処理した部位が選択的に除去されてリンス等の処理が実行され、必要に応じて乾燥等の処理が実行される。
この露光処理では、事前に加熱していわゆるハーフキュアーの状態で露光処理したり、加熱した環境下で露光処理する場合があり、また現像処理において、リンス等の処理を実行した後、加熱処理して反応を促進する場合がある。スペーサー12の硬度Xsは、スペーサー12に係るフォトレジストの材料の選定、露光工程、現像工程における加熱の温度、時間の設定、露光光量及び露光時間の設定により設定することができる。
この実施形態では、この露光工程、現像工程における加熱の温度、時間の設定により、試験例1、5、6におけるスペーサー12のビッカース硬度値Xsをそれぞれ1.8、4.2、4.2に設定し、また試験例2、3、4におけるスペーサー12のビッカース硬度値Xsをそれぞれ2.2、3.7、4.2に設定した。なおスペーサー12は、直径15μm、高さ5μmの円柱形状により作製した。
これに対してこのスペーサーが当接する面である上側積層体5Uの配向層17にあっては、光配向層に代えてラビング処理により作製した。すなわち塗工液を塗工して乾燥、硬化することによりポリイミド膜を作製し、このポリイミド膜をラビング処理して作製した。またこのポリイミド膜を作製する際の硬化時の加熱温度、及び加熱時間の設定により、ビッカース硬度値Xfを設定した。なおラビング処理した後に改めて加熱処理してビッカース硬度値Xfを調整してもよい。これにより試験例1、5、6ではビッカース硬度値Xfを4.9、6.7、3.6に設定し、また試験例2、3、4ではビッカース硬度値Xfを4.9に設定した。
この実験では、定盤による硬度の高い平滑面に調光フィルムを載置した状態で、0.8MPaに相当する加重を印加した後、セルギャップを計測してセルギャップの減少を判断した。なお加重の時間は24時間である。またこのように加重した後、上側積層体及び下側積層体を剥離してスペーサーを顕微鏡により観察して、スペーサーの潰れ(スペーサー潰れ)を確認し、またスペーサーが当接する部位を顕微鏡により観察してスペーサー先端の貫入(フィルム貫入)を観察した。
ここでこの顕微鏡による観察にはSEM等の手法を用いて正面視、斜視、及び断面観察し、目視でスペーサーの変形を確認し、スペーサーの変形が確認された場合にはその状況に応じ、「セルギャップ減少、スペーサー潰れ」の有無を○×判定した。従ってこの表1において「○」は、対応する項目に係る異常が見られない場合であり、「×」は対応する項目に係る異常が見られる場合である。
また同様にスペーサーが当接する部位をSEM等の手法を用いて斜視した場合、窪み(凹部)が確認された場合、「フィルム貫入」を×判定とし、凹部が認められない場合、「フィルム貫入」を○判定とした。
また積層体5D及び5Uを積層して0.1MPaに相当する加重を印加した状態で、積層体5D及び5Uの相対位置を0.1cm/secにより変位させ、目視により傷の発生を確認した。ここで複数サンプルの半数以上で、傷の発生が確認された場合、「キズ(フィルム)」を「×」により示し、これとは逆に、複数サンプルの半数以上で、傷の発生が確認されない場合、「キズ(フィルム)」を「○」により示す。
また調光フィルムの状態で、JIS K5600−5−1の曲げ試験の規定に従って、直径2mmの円柱マンドレルに巻き付けてクラックの発生を確認した。この試験で複数サンプルの半数以上で、基材にクラックの発生が確認された場合、「クラック(フィルム)」を「×」により示し、これとは逆に、複数サンプルの半数以上で、基材にクラックの発生が確認されない場合、「クラック(フィルム)」を「○」により示す。
この表1の計測結果では、試験例1では、スペーサーの硬度が不足することにより、セルギャップ減少、スペーサー潰れが観察され、また試験例5ではスペーサー対向面のビッカース硬度値Xfが6を超えることにより、クラックの発生が観察され、さらにはセルギャップ減少、スペーサー潰れが観察された。また試験例6ではスペーサーのビッカース硬度値Xsが対向面のビッカース硬度値Xfより大きいことにより、基材の傷つきが観察され、さらにスペーサー先端の貫入も確認された。しかしながら試験例2、3、4では、これらの現象は観察されず、これによりスペーサーに関する信頼性を従来に比して一段と向上できることが確認された。
〔第2実施形態〕
図8は、図2及び図7との対比により本発明の第2実施形態に係る調光フィルムの説明に供する図である。この実施形態では、この図8に示す給電部材40により駆動用電源を供給する。この実施形態ではこの給電部材40に関する構成が異なる点を除いて、上述の実施形態と同一に構成される。
ここで給電部材40は、シール材19を配置する部位を囲む枠形状(矩形形状)により接続部40Aが形成される。また接続部40Aの内周側領域40AUが、上側積層体5Uに駆動用電源を供給する領域に割り当てられ、残る外周側領域40ADが下側積層体5Dに駆動用電源を供給する領域に割り当てられる。これら内周側領域40AU及び外周側領域40ADは、この上側積層体5U及び下側積層体5Dへの給電に対応する導電パターン22又は23のみが選択的に設けられ、これにより接続部40Aは、芯材21と、導電パターン22又は23の積層体により形成される。これにより給電部材40は、充分に接続部40Aの厚みが薄くなるように作製される。給電部材40は、この内周側領域40AU及び外周側領域40ADの設定に対応するように、入力部20Bの付け根部分に、導電パターン22、23に係る配線が設けられる。
図9は、図3との対比によりこの実施形態に係る給電部材40による接続の説明に供する図である。この実施形態において、給電部材40は、この内周側領域40AUが、芯材21と導電パターン23との積層体により構成され、外周側領域40ADは、芯材21と導電パターン22との積層体により構成され、これにより厚み薄くすることができる。実際上、両面フレキでは、厚みが130μm程度であるものの、片面フレキでは厚みが70μm程度である。これに対して電極11、16間は、間隔が数μmである。これによりこの実施形態のように、上側積層体に接続する部位と下側積層体に接続する部位とを接続部の面内方向で異ならせるように配置する場合には、接続部の厚みを数十μmに低減することができ、これにより設計上の自由度を格段に向上し、さらには信頼性を向上することができる。なおこの図8に示す構成においても、第1実施形態について図7により説明したように、シール材を囲む枠形状に係る矩形形状の一部のみに対応するように接続部を構成して給電部を構成するようにしてもよい。
〔第3実施形態〕
図10は、本発明の第3実施形態に係る調光フィルム51の説明に供する平面図である。この実施形態では、給電部材50により駆動用電源を供給する。この給電部材50は、シール材19を囲む枠形状による矩形形状により接続部50Aが形成され、この矩形形状に係る1つの短辺のほぼ中央より外方に延出して入力部50Bが形成され、いわゆる両面フレキにより作製される。また接続部50Aは、調光フィルム51の外形形状に係る長辺方向に延長する中心線により上下方向に2つの領域50A1、50A2に分割され、上側領域50A1では、上側積層体5Uの透明電極16に選択的に駆動用電源を供給し、下側領域50A2では、下側積層体5Dの透明電極11に選択的に駆動用電源を供給する。ここで給電部材50の上側領域50A1及び下側領域50A2は、第2実施形態について上述した内周側領域40AU、外周側領域40ADと同様の芯材21と導電パターン22との積層体、芯材21と導電パターン22との積層体により構成される。この実施形態では、この接続部50Aにおける領域設定に関する構成が異なる点を除いて、第1実施形態及び第2実施形態と同一に構成される。
なおこれによりこの実施形態では、透明電極11、16における接続部11B、16Bは、必要に応じて上側領域50A1及び下側領域50A2に対応するように選択的に基材6、15に配置するようにして、上側領域50A1及び下側領域50A2に対応する部位では、透明電極11の接続部11B、透明電極16の接続部16Bを配置しないようにしてもよい。このようにすれば、図7について上述したように、枠形状の一部形状により接続部を構成し、残りの部位に導電性ペーストを配置する構成において、下側積層体5Dの透明電極11及び上側積層体5Uの透明電極16間の絶縁に関する構成(絶縁フィルム31に関する構成である)を省略し、又は簡略化することができる。
この実施形態のように、調光フィルムの対向する辺に沿った方向に、上側積層体の透明電極に駆動用電源を供給する部位と、下側積層体の透明電極に駆動用電源を供給する部位とを、調光フィルムの対向する辺に沿った方向に分離して配置するようにして、シール材による枠形状を構成する少なくとも1辺に沿って配置された連続する線状の導電性の部位である導電パターンにより駆動用電源を供給する場合にあっても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なおこの図10の例では、上側領域50A1では、上側積層体5Uの透明電極16に選択的に駆動用電源を供給し、下側領域50A2では、下側積層体5Dの透明電極11に選択的に駆動用電源を供給することにより、上側領域50A1では透明電極11において、下側領域50A2では透明電極16において、駆動用電源の電圧降下が著しくなり、その結果、透過光量にムラが発生するようにも思われる。しかしながらこの構成においては、この上側領域50A1、下側領域50A2の連続する方向が短辺の延長方向であることにより、実用上充分に透過光量のムラを低減することができる。
〔第4実施形態〕
図11は、本発明の第4実施形態に係る調光フィルム61の説明に供する平面図である。この実施形態では、給電部材60により駆動用電源を供給する。この給電部材60は、シール材19を囲む枠形状による矩形形状により接続部60Aが形成され、この矩形形状に係る1つの短辺のほぼ中央より外方に帯状に延出するように入力部60Bが形成され、これら接続部60A及び入力部60Bがいわゆる両面フレキにより作製される。また接続部60Aは、間隔Dにより、上側積層体5Uの透明電極16に選択的に駆動用電源を供給する上側領域60A1と、下側積層体5Dの透明電極11に選択的に駆動用電源を供給する下側領域60A2とが順次交互に設けられる。ここで間隔Dは、200mm以下であることが望まれるものの、好ましくは100mm以下であることが望まれ、より好ましくは50mm以下であることが望ましいものの、間隔Dが小さくなると、構成が煩雑になることにより、間隔Dは10mm以上であることが望ましい。なおこれにより給電部材60は、この上側領域60A1と下側領域60A2との順次交互の配置に対応するように、この交互配置の領域の外側等に、上側領域60A1と下側領域60A2をそれぞれ入力部60Bに接続する配線パターンが設けられる。
この実施形態のように、液晶層を囲んで延長する枠形状により給電部を形成し、この給電部により駆動用電源を供給するようにして、この給電部を上側積層体及び下側積層体にそれぞれ選択的に駆動用電源を供給する部位の交互配置により形成するようにしても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
またこの場合、この交互配置に係る間隔Dを200mm以下とすることにより、一段と確実に透過光量のムラを防止することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を組み合わせることでき、さらには上述の実施形態を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、液晶材料を間に挟んで上側積層体、下側積層体を積層、押圧して液晶セルを作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、上側積層体、下側積層体を積層した後、上側積層体及び下側積層体の間に液晶材料を注入して液晶セルを作製する場合等にも広く適用することができる。
1、51、61 調光フィルム
2、3 直線偏光板
2A、3A 位相差フィルム
4 液晶セル
5D 下側積層体
5U 上側積層体
6、15 基材
8 液晶層
11、16 透明電極
11A、16A 駆動部
11B、16B 接続部
12 スペーサー
13、17 配向層
19 シール材
20、30、40、50、60 給電部材
20A、30A、40A、50A、60A 接続部
20B、30B、40B、50B、60B 入力部
21 芯材
22、23 導電パターン
24、25 絶縁フィルム
27 導電ペースト
31 絶縁フィルム
40AD 外周側領域
40AU 内周側領域
50A1、60A1 上側領域
50A2、60A2 下側領域

Claims (7)

  1. 直線偏光板により液晶セルを挟持してなる調光フィルムにおいて、
    透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を作製してなる第1及び第2の積層体により液晶層を挟持して前記液晶セルが形成され、
    前記液晶層を囲む枠形状により、前記液晶層を挟持する部位の前記透明電極に比して表面抵抗値が小さな給電部が形成されている
    調光フィルム。
  2. 芯材の両面にそれぞれ金属箔による第1及び第2の導電パターンを備えてなる接続部が枠形状により形成され、
    前記接続部が前記液晶層を囲むように配置されて前記給電部が形成され、
    前記第1及び第2の導電パターンが、それぞれ第1及び第2の積層体の透明電極に接続された
    請求項1に記載の調光フィルム。
  3. 前記接続部は、
    前記枠形状における内周側領域と外周側領域とにそれぞれ前記第1及び第2の導電パターンが設けられた
    請求項2に記載の調光フィルム。
  4. 前記接続部は、
    調光フィルムの外形形状に係る長辺方向に延長する中心線により分割された第1及び第2の領域に、前記第1及び第2の導電パターンがそれぞれ設けられた
    請求項2に記載の調光フィルム。
  5. 前記接続部は、
    前記液晶層の外周に沿って、第1の導電パターンが設けられた領域と、第2の導電パターンが設けられた領域とが、順次交互に設けられた
    請求項2に記載の調光フィルム。
  6. 前記液晶層を挟持する部位より延長する前記透明電極の部位に、導電性ペーストを配置して前記給電部が形成された
    請求項1に記載の調光フィルム。
  7. 直線偏光板により液晶セルを挟持してなる調光フィルムの駆動方法において、
    前記液晶セルは、
    透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を作製してなる第1及び第2の積層体により液晶層を挟持して前記液晶セルが形成され、
    前記調光フィルムは、
    前記第1及び第2の積層体の前記透明電極への給電により、透過光の偏光面を可変して透過光が制御され、
    前記調光フィルムの駆動方法は、
    前記液晶層を囲む枠形状であって、前記液晶層を挟持する部位の前記透明電極に比して表面抵抗値が小さな給電部により、前記液晶層を挟持する部位の透明電極へ給電する
    調光フィルムの駆動方法。
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