JP2017197669A - 膜形成用液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】形成した膜に撥水撥油性の防汚機能及び離型性を付与するとともに、成膜性に優れ、基材への密着性が良好で、強度の高い膜を形成可能である。
【解決手段】本発明の膜形成用液組成物は、ケイ素アルコキシドとしてのテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランの第1加水分解物と、下記一般式(1)で示されるフッ素含有シランの第2加水分解物と、所定の溶媒とを含む。第1及び第2加水分解物が合計して0.1〜10.0質量%含まれ、所定の溶媒が、沸点が120℃以上160℃未満の第1溶媒と、沸点が160℃以上220℃以下の第2溶媒と、沸点が120℃未満の第3溶媒と、水とを混合した混合溶媒であり、第1溶媒と第2溶媒と第3溶媒との質量比が、9〜15:1〜3:82〜90である。
【化1】
Figure 2017197669

【選択図】なし

Description

本発明は、複数の機能を付与し得る膜を形成するための液組成物に関する。更に詳しくは、撥水性及び撥油性(以下、撥水撥油性という。)を有する防汚性膜及び金型に代表される型(以下、金型等という。)に離型性を付与し得る膜(以下、離型性付与膜という。)を形成するための液組成物に関するものである。
従来、撥水撥油性を付与することができる化合物として、特定のペルフルオロアミン構造を有する含フッ素シラン化合物が開示されている(例えば特許文献1参照。)。この含フッ素シラン化合物は、炭素数8以上のペルフルオロアルキル基を含有せず、生体蓄積性や環境適応性の点で問題となるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)又はペルフルオロオクタン酸(PFOA)を生成する懸念がない化学構造でありながら、優れた撥水撥油性を付与することが可能であり、多種多様な用途に適用可能性を有するフッ素系シランカップリング剤として有用である特徴がある。
特開2015−196644号公報(要約)
特許文献1に示される含フッ素シラン化合物を少量だけ添加して液組成物を調製すると、この液組成物により形成した膜に撥水撥油性を付与することができる。しかしこの含フッ素シラン化合物を一般的なアルコール溶媒とを混合して液組成物を調製した場合、この含フッ素シラン化合物の表面張力がアルコール溶媒の表面張力と大きく異なってしまう。このため、この液組成物を基材上にバーコーターで塗布した場合、塗膜に水玉模様やコーター筋が生じて、成膜性に劣る。更に含フッ素シラン化合物と溶媒だけを混合した液組成物で塗膜を形成した場合、塗膜の強度が低いうえ、塗膜の基材への密着性が十分でない。
本発明の目的は、形成した膜に撥水撥油性の防汚機能を付与するとともに、成膜性に優れ、基材への密着性が良好で、強度の高い膜を形成可能な防汚性膜形成用液組成物を提供することにある。本発明の別の目的は、形成した膜に離型性を付与するとともに、成膜性に優れ、基材への密着性が良好で、強度の高い膜を形成可能な離型性付与膜形成用液組成物を提供することにある。
本発明の第1の観点は、ケイ素アルコキシドとしてのテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランの第1加水分解物と、下記一般式(1)で示されるフッ素含有シランの第2加水分解物と、所定の溶媒とを含む膜形成用液組成物である。この液組成物は、前記第1加水分解物と前記第2加水分解物が合計して液組成物100質量%に対して0.1〜10.0質量%含まれ、前記所定の溶媒が、沸点が120℃以上160℃未満の第1溶媒と、沸点が160℃以上220℃以下の第2溶媒と、沸点が120℃未満の第3溶媒と、水とを混合した混合溶媒であり、前記第1溶媒、前記第2溶媒及び前記第3溶媒の質量比が、第1溶媒:第2溶媒:第3溶媒=9〜15:1〜3:82〜90であることを特徴とする。
Figure 2017197669
上記式(1)中、m及びnは、それぞれ同一又は互いに異なる1〜6の整数である。また、Rfは、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。また上記式(1)中、Xは、炭素数2〜10の炭化水素基であって、エーテル結合、CO−NH結合及びO−CO−NH結合から選択される1種以上の結合を含んでいてもよい。更に上記式(1)中、R及びZはアルコキシ基である(ただし、aは0〜3の整数)。
本発明の第2の観点は、第1の観点の膜形成用液組成物であって、前記ケイ素アルコキシドの第1加水分解物が、ケイ素アルコキシドと前記第3溶媒と水とを混合して調製された第1液と、前記第3溶媒と有機酸、無機酸又はチタン化合物からなる触媒とを混合して調製された第2液とを混合することにより調製される。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点の膜形成用液組成物であって、前記第1加水分解物と前記第2加水分解物の合計量100質量%に対して前記第2加水分解物が0.1〜10.0質量%含まれることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1ないし第3の観点のうち、いずれかの観点の膜形成用液組成物であって、前記第1溶媒が2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール及び1−エトキシ−2−プロパノールからなる群より選ばれた1種又は2種以上の溶媒であり、前記第2溶媒がジアセトンアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、N−メチルピロリドン及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールからなる群より選ばれた1種又は2種以上の溶媒であり、前記第3溶媒が炭素数1〜3の範囲にある1種又は2種以上のアルコールであることを特徴とする。
本発明の第1の観点の膜形成用液組成物では、液組成物中のフッ素含有シランが分子内に含窒素ペルフルオロアルキル基とアルコキシシリル基とをそれぞれ1以上有する構造となっていて、窒素原子に炭素数が6以下の短鎖長のペルフルオロアルキル基が複数結合した含窒素ペルフルオロアルキル基を有しており、分子内のフッ素含有率が高いため、形成した膜に優れた撥水撥油性と離型性を付与することができる。またケイ素アルコキシドであるテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランを用いるため、高い強度の塗膜が得られ、かつ塗膜の基材への密着性が良好となる。更に沸点の異なる3種類の溶媒を用い、これらの溶媒を所定の質量比で配合することにより、フッ素系の溶媒を用いずに、溶媒の乾燥速度を調整して、塗膜を成膜性良く形成することができる。
本発明の第2の観点の膜形成用液組成物では、ケイ素アルコキシドの溶液である第1液に触媒を含む第2液を添加することにより、ケイ素アルコキシドの第1加水分解物を生成することができる。
本発明の第3の観点の膜形成用液組成物では、第2加水分解物を第1加水分解物及び第2加水分解物の合計量に対して所定の範囲で含有させることにより、形成した膜により優れた撥水撥油性と離型性を付与することができる。
本発明の第4の観点の膜形成用液組成物では、第1溶媒、第2溶媒及び第3溶媒に特定の溶媒を用いる。第1溶媒は第2溶媒と第3溶媒の中間の沸点を有することから、塗膜の乾燥時に第2溶媒と第3溶媒の沸点差に伴う塗膜の乾燥速度の大きな差を緩和する作用があり、第2溶媒は第1溶媒よりも高沸点であり、塗膜の乾燥速度が遅いことから塗膜の急激な乾燥を防止して急激な乾燥に伴う膜の不均一性を防止する作用があり、第3溶媒は沸点が最も低いことから塗膜の乾燥を速くする作用がある。このように沸点の異なる3種類の溶媒を用いることにより溶媒の乾燥速度を調整して、より的確にかつ効率的に塗膜を成膜性良く形成することができる。
次に本発明を実施するための形態を説明する。
〔膜形成用液組成物〕
本実施の形態の膜形成用液組成物は、ケイ素アルコキシドとしてのテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランの第1加水分解物と、上記一般式(1)で示されるフッ素含有シランの第2加水分解物と、所定の溶媒とを含む。この液組成物中には、上記第1加水分解物と上記第2加水分解物が合計して液組成物100質量%に対して0.1〜10.0質量%、好ましくは0.5〜5質量%含まれる。下限値の0.1質量%未満では、形成した膜に撥水撥油性の防汚機能及び離型性を付与できず、また塗膜の基材への密着性に劣り、高い強度の塗膜が得られない。また上限値の10.0質量%を超えると、塗膜の弾き等が発生し成膜性に劣る。
〔所定の溶媒〕
本実施の形態の液組成物に用いられる所定の溶媒は、沸点が120℃以上160℃未満の第1溶媒と、沸点が160℃以上220℃以下の第2溶媒と、沸点が120℃未満の第3溶媒と、水とを混合した混合溶媒である。これらの第1溶媒、第2溶媒及び第3溶媒は、質量比で、第1溶媒:第2溶媒:第3溶媒=9〜15:1〜3:82〜90の割合、好ましくは10〜14:1〜3:83〜88の割合で上記液組成物中に含まれる。第1溶媒は第2溶媒と第3溶媒の中間の沸点を有することから、塗膜の乾燥時に第2溶媒と第3溶媒の沸点差に伴う塗膜の乾燥速度の大きな差を緩和する作用があり、第2溶媒は第1溶媒よりも高沸点であり、塗膜の乾燥速度が遅いことから塗膜の急激な乾燥を防止して急激な乾燥に伴う膜の不均一性を防止する作用があり、第3溶媒は沸点が最も低いことから塗膜の乾燥を速くする作用がある。このように沸点の異なる3種類の溶媒を用いることにより、高価なフッ素系溶媒を用いることなく、フッ素含有シランを溶解することができるとともに、成膜時の溶媒の乾燥速度を調整して、均一な膜を形成することができる。第1溶媒を例示すれば、2−メトキシエタノール(沸点125℃)、2−エトキシエタノール(沸点136℃)、2−イソプロポキシエタノール(沸点142℃)、1−メトキシ−2−プロパノール(沸点120℃)及び1−エトキシ−2−プロパノール(沸点132℃)からなる群より選ばれた1種又は2種以上の溶媒が挙げられる。また第2溶媒を例示すれば、ジアセトンアルコール(沸点169℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点194℃)、N−メチルピロリドン(沸点202℃)及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(沸点173℃)からなる群より選ばれた1種又は2種以上の溶媒が挙げられる。更に第3溶媒を例示すれば、炭素数1〜3の範囲にある1種又は2種以上のアルコールが挙げられる。このアルコールとしては、例えば、メタノール(沸点64.7℃)、エタノール(沸点約78.3℃)、プロパノール(n−プロパノール(沸点97−98℃)、イソプロパノール(沸点82.4℃))が挙げられる。
〔ケイ素アルコキシド〕
本実施の形態の液組成物に用いられるケイ素アルコキシドとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、そのオリゴマー又はテトラエトキシシラン、そのオリゴマーが挙げられる。例えば、硬度の高い膜を得る目的には、テトラメトキシシランを用いることが好ましく、一方、加水分解時に発生するメタノールを避ける場合は、テトラエトキシシランを用いることが好ましい。
〔ケイ素アルコキシドの第1加水分解物の調製〕
ケイ素アルコキシドの第1加水分解物を調製する方法について説明する。先ず、ケイ素アルコキシドに第3溶媒と水を添加して、好ましくは10〜30℃の温度で5〜20分間撹拌することにより第1液を調製する。また、第3溶媒と有機酸、無機酸又はチタン化合物を触媒として混合し、好ましくは10〜30℃の温度で5〜20分間撹拌することにより第2液を、第1液とは別に調製する。次に、上記調製した第1液を、好ましくは30〜80℃の温度に保持して、第1液に第2液を添加し、上記温度を保持した状態で好ましくは1〜24時間撹拌する。これにより、上記ケイ素アルコキシドの第1加水分解物が生成される。第1加水分解物は、ケイ素アルコキシドを0.5〜15質量%、第3溶媒を20〜98質量%、水を0.5〜40質量%、有機酸、無機酸又はチタン化合物を触媒として0.01〜5質量%の割合で混合してケイ素アルコキシドの加水分解反応を進行させることで得られる。
ケイ素アルコキシドの第1加水分解物のSiO濃度(SiO分)は0.5〜15質量%であるものが好ましい。加水分解物のSiO濃度が下限値未満では、重合が不十分であり、膜の密着性の低下やクラックの発生が起こりやすく、上限値を超えると、相対的に水の割合が高くなりケイ素アルコキシドが溶解せず、反応液がゲル化する不具合を生じる。水の割合を上記範囲に限定したのは、下限値未満では加水分解速度が遅くなるために、重合が進まず、塗布膜の密着性並びに成膜性が不十分になり、一方、上限値を超えると加水分解反応中に反応液がゲル化し、水が多過ぎるためケイ素アルコキシド化合物がアルコール水溶液に溶解せず、分離する不具合を生じるからである。水としては、不純物の混入防止のため、イオン交換水や純水等を使用するのが望ましい。
有機酸、無機酸又はチタン化合物は加水分解反応を促進させるための触媒として機能する。有機酸としてはギ酸、シュウ酸が例示され、無機酸としては塩酸、硝酸、リン酸が例示され、チタン化合物としてはテトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、乳酸チタン等が例示される。触媒は上記のものに限定されない。上記触媒の割合を上記範囲に限定したのは、下限値未満では反応性に乏しく重合が不十分になるため、膜が形成されず、一方、上限値を超えても反応性に影響はないが、残留する酸による基材の腐食等の不具合を生じる。
第3溶媒としてはメタノール又はエタノールが好ましい。これらのアルコールは、ケイ素アルコキドとの混合がしやすいためである。第3溶媒の割合を上記範囲に限定したのは、第3溶媒の割合が下限値未満では、ケイ素アルコキシドが、溶液中に溶解せず分離してしまうこと、加水分解反応中に反応液がゲル化しやすく、一方、上限値を超えると、加水分解に必要な水、触媒量が相対的に少なくなるために、加水分解の反応性が低下して、重合が進まず、膜の密着性が低下するためである。
〔フッ素含有シラン〕
本実施の形態の液組成物に用いられるフッ素含有シランは、上記一般式(1)で示される。上記式(1)中の含窒素ペルフルオロアルキル基としては、より具体的には、下記式(2)〜(13)で示されるペルフルオロアミン構造を挙げることができる。
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また、上記式(1)中のXとしては、下記式(14)〜(17)で示される構造を挙げることができる。なお、下記式(14)はエーテル結合、下記式(15)はエステル結合、下記式(16)はアミド結合、下記式(17)はウレタン結合を含む例を示している。
Figure 2017197669
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ここで、上記式(14)〜(17)中、R及びRは炭素数が0から10の炭化水素基、Rは水素原子または炭素数1から6の炭化水素基である。Rの炭化水素基の例とは、メチル基、エチル基等のアルキル基挙げられ、Rの炭化水素基の例とは、メチル基、エチル基等のアルキル基の他、フェニル基、ビニル基等も挙げられる。
また、上記式(1)中、Rは、加水分解基のメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
また、上記式(1)中、Zは、加水分解されてSi−O−Si結合を形成可能な加水分解性基であれば特に限定されるものではない。このような加水分解性基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアラルキルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、メトキシ基、エトキシ基を適用することが好ましい。
ここで、上記式(1)で表されるペルフルオロアミン構造を有するフッ素含有シランの具体例としては、例えば、下記式(18)〜(28)で表される構造が挙げられる。なお、下記式(19)〜(29)中、Rはメチル基又はエチル基である。
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上述したように、本実施の形態のフッ素含有シランは、分子内に含窒素ペルフルオロアルキル基とアルコキシシリル基とをそれぞれ1以上有する構造となっていて、窒素原子に炭素数が6以下の短鎖長のペルフルオロアルキル基が複数結合した含窒素ペルフルオロアルキル基を有しており、分子内のフッ素含有率が高いため、形成した膜に優れた撥水撥油性と離型性を付与することができる。
〔フッ素含有シランの第2加水分解物の調製〕
フッ素含有シランの第2加水分解物は、第1加水分解物にフッ素含有シランを混合し添加することにより生成する。第1加水分解物の調製とは別にフッ素含有シランのみで加水分解を行って第2加水分解物を生成すると、フッ素のみの塊ができてしまい、成膜性に劣るので好ましくない。また、フッ素含有シランとケイ素アルコキシドと水と有機溶媒を予め混合しておき、最後に触媒を添加する方法もある。ただし、第1加水分解物にフッ素含有シランを混合し添加する方が、ケイ素アルコキシドで骨格を形成した後、その骨格にフッ素を形成することから、膜強度並びに密着性等に優れる。
〔膜形成用液組成物の調製〕
防汚性膜及び離型性を付与し得る膜を形成するための液組成物を調製する方法は、ケイ素アルコキシドの第1加水分解物とフッ素含有シランの第2加水分解物とを、液組成物100質量%に対して0.1〜10.0質量%、好ましくは0.5〜5質量%含むように調製する。下限値の0.1質量%未満では、形成した膜に撥水撥油性の防汚性及び離型性を付与することができず、また塗膜の基材への密着性に劣り、高い強度の塗膜が得られない。また上限値の10.0質量%を超えると、成膜性が劣るか、或いは組成物のゲル化等が生じて液組成物の安定性が悪くなる。またフッ素含有シランをケイ素アルコキシドの第1加水分解物及びフッ素含有シランの第2加水分解物の合計量に対して0.1〜10.0質量%含むように調製することが好ましい。より確実に形成した膜に撥水撥油性の防汚性及び離型性を付与するためである。この上限値の10.0質量%を超えると、成膜性が劣り、防汚性及び離型性の機能を発現しにくい。
防汚性膜及び離型性を付与し得る膜を形成するための液組成物の調製方法では、最初にケイ素アルコキシドの第1加水分解物を調製しておく。次いでこの第1加水分解物を調製した浴に、フッ素含有シランを混合しながら添加し、第2加水分解物の調製を行う。この方法では、ケイ素アルコキシドの加水分解に用いた水及び有機酸又は無機酸をフッ素含有シランの加水分解に利用する。前述したように、ケイ素アルコキシドの第1加水分解物とフッ素含有シランの第2加水分解物と別々に調製しておき、これらを混合して調製すると、フッ素の塊ができてしまい、成膜性が悪くなり、かつ、離型性と防汚性の機能を発現させることが困難になる。ケイ素アルコキシドとフッ素含有シランと水と有機溶媒を混合した液に、触媒を添加して加水分解の調整を行う方法もあるが、上述した方法が最も好ましい。
〔防汚性膜及び離型性付与膜の形成方法〕
本実施の形態の防汚性膜及び離型性付与膜は、例えば、基材であるステンレス鋼(SUS)、鉄、アルミニウム等の金属板上、窓ガラス、鏡等のガラス上、タイル上、ポリ塩化ビニル(PVC)等のプラスチック上、又はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム上に、上記液組成物を、スクリーン印刷法、バーコート法、ダイコート法、ドクターブレード、スピン法等により塗布した後に、室温乾燥もしくは乾燥機等により室温〜130℃の温度で乾燥させることにより、形成される。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
ケイ素アルコキシドとしてのテトラエトキシシラン(TEOS)34.66gにエタノール(沸点78.3℃)34.56gを有機溶媒として添加し、イオン交換水29.78gをセパラブルフラスコ内で20℃の温度で15分間撹拌することにより第1液を調製した。また、この第1液とは別に、エタノール0.56gと濃度60質量%の硝酸0.44gをビーカー内に投入して混合し、20℃の温度で15分間撹拌することにより第2液を調製した。次に、上記調製した第1液を、ウォーターバスにて60℃の温度に保持してから、この第1液に第2液を添加し、60℃で2時間撹拌した。これにより、上記ケイ素アルコキシドの第1加水分解物を得た。上記ケイ素アルコキシドの第1加水分解物を生成した液に、上記式(28)に示されるフッ素含有シラン0.15gと有機溶媒としてのエタノール(沸点78.3℃)211.26gと2−イソプロポキシエタノール(沸点142℃)35.21gとジアセトンアルコール(沸点169℃)5.03gを添加し、25℃で1時間撹拌した。これにより、液中にケイ素アルコキシドの第1加水分解物に加えて、フッ素含有シランの第2加水分解物が生成された液組成物を得た。
<実施例2>
表1及び表2に示すように、ケイ素アルコキシドをテトラメトキシシラン(TMOS)の3〜5量体のオリゴマー(三菱化学製商品名MS-51)に変え、有機溶媒をメタノールに変え、触媒をテトライソプロポキシチタン(Ti(isoPrO))に変え、フッ素含有シランを式(27)に変え、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして、液中にケイ素アルコキシドの第1加水分解物に加えて、フッ素含有シランの第2加水分解物が生成された液組成物を得た。
<実施例3>
表1及び表2に示すように、フッ素含有シランを式(19)に変え、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして、液組成物を得た。
<実施例4>
表1及び表2に示すように、触媒を塩酸に変え、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして液組成物を得た。
<実施例5>
表1及び表2に示すように、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして液組成物を得た。
<実施例6>
表1及び表2に示すように、触媒を85%リン酸水溶液に変え、第1溶媒を2-エトキシエタノールと2−メトキシエタノールの質量比にて1:1の混合溶媒に、第3溶媒をエタノール85%、n−プロピルアルコール10%、2−プロピルアルコール5%の混合溶媒に変え、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして液組成物を得た。
<実施例7>
表1及び表2に示すように、第1溶媒を1−メトキシ−2−プロパノールと1−エトキシ−2−プロパノールの質量比にて1:1の混合溶媒に、第3溶媒をエタノール85%、n−プロピルアルコール10%、2−プロピルアルコール5%の混合溶媒に変え、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして液組成物を得た。
<実施例8>
表1及び表2に示すように、第2溶媒をジエチレングリコールモノメチルエーテルと3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの質量比にて1:3の混合溶媒に変え、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして液組成物を得た。
<実施例9>
表1及び表2に示すように、第2溶媒をN−メチルピロリドン及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの質量比にて1:3の混合溶媒に変え、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして液組成物を得た。
<実施例10>
表1及び表2に示すように、組成比を変えた以外、実施例1と同様にして、液組成物を得た。
<比較例1>
表1及び表2に示すように、フッ素含有シラン添加しないで、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして、液組成物を得た。
<比較例2>
表1及び表2に示すように、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして、液組成物を得た。
<比較例3>
表1及び表2に示すように、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして、液組成物を得た。
<比較例4>
表1及び表2に示すように、第1溶媒を添加しないで、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして、液組成物を得た。
<比較例5>
表1及び表2に示すように、第2溶媒を添加しないで、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして、液組成物を得た。
<比較例6>
表1及び表2に示すように、第1溶媒及び第2溶媒を添加しないで、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして、液組成物を得た。
<比較例7>
表1及び表2に示すように、第1溶媒を1−エトキシ−2−プロパノールに変え、第2溶媒をN−メチルピロリドンに変え、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして液組成物を得た。
<比較例8>
表1及び表2に示すように、第1溶媒を1−エトキシ−2−プロパノールに変え、第2溶媒をN−メチルピロリドンに変え、液組成物の原料の各配合量(g)を変えた以外、実施例1と同様にして液組成物を得た。
実施例1〜10及び比較例1〜8の液組成物の原料となるケイ素アルコキシドの第1加水分解物を調製するための第1液及び第2液の種類と配合量を表1に示す。また第1加水分解物を含む液にフッ素含有シランと第1溶媒、第2溶媒及び第3溶媒を添加してフッ素含有シランの第2加水分解物を調製するための各原料の種類と配合量を表2に示す。表2において、フッ素含有シランの種類として、例えば「式(28)」と記載したものは、「式(28)に示される化合物」を意味する。更にケイ素アルコキシドの第1加水分解物の質量%及びフッ素含有シランの第2加水分解物の質量%、液組成物100質量%に対する第1加水分解物と第2加水分解物の合計量の含有割合、この合計量100質量%に対するに対するフッ素含有シランの含有割合、第1溶媒、第2溶媒及び第3溶媒の質量比、及び液組成物中の水の含有割合を表3に示す。なお、第3溶媒は、ケイ素アルコキシドの加水分解によって生じる溶媒も含む。また表3の水は液組成物に対する質量%である。表3に示される液組成物に対するケイ素アルコキシドの第1加水分解物の質量%はケイ素アルコキシドの質量から加水分解により分解するアルコキシドの質量の差を求め、この差を全溶液量で割ることにより算出され、液組成物に対するフッ素含有シランの第2加水分解物の質量%も同様にして算出される。液組成物に対する第1及び第2加水分解物の合計量の質量%は上記で算出された第1加水分解物の質量と第2加水分解物の合計量の質量を、全溶液量で割ることにより算出される。また第1及び第2加水分解物の合計量に対するフッ素含有シランの第2加水分解物の質量%は第2加水分解物の質量を第1及び第2加水分解物の合計量の質量で割ることにより算出される。更に加水分解によって生じる溶媒と、後から添加する溶媒を合計した数値を用いて、第1溶媒と第2溶媒と第3溶媒の質量比は算出される。更に液組成物に対する水の質量%は加水分解時に添加した水の量を全溶液量で割ることにより算出される。
Figure 2017197669
Figure 2017197669
Figure 2017197669
<比較試験及び評価>
実施例1〜10及び比較例1〜8で得られた液組成物を、バーコーター(安田精機製作所製、型番No.3)を用いて、厚さ2mm、たて150mm、よこ75mmのSUS基材上にそれぞれ乾燥後の厚さが0.5〜1μmとなるように塗布し、18種類の塗膜を形成した。ここで、先ずバーコーターによる塗布時の成膜性を評価した。続いてすべての塗膜を室温にて、3時間乾燥して18種類の防汚性と離型性が付与された膜を得た。これらの膜について、膜表面の撥水性、撥油性、膜の耐水性、膜の強度、膜の基材への密着性及び膜付き基材からの離型性を評価した。これらの結果を表4に示す。
(1) 成膜性
成膜性は、膜を目視にて評価した。膜全体に弾き、筋等の発生がなく、液組成物を均一に塗布できたものは「良好」とし、膜の一部に僅かに弾き、筋等が生じたものは「可」とし、膜全体に弾き、筋等が生じたものは「不良」とした。
(2) 膜表面の撥水性(接触角)
協和界面科学製ドロップマスターDM-700を用いて、シリンジに22℃±1℃のイオン交換水を準備し、シリンジの針の先端から2μLの液滴を飛び出した状態にする。次いで評価するSUS基材上の防汚性膜をこの液滴に近づけて防汚性膜に液滴を付着させる。この付着した水の接触角を測定した。静止状態で水が膜表面に触れた1秒後の接触角をθ/2法により解析した値を水の接触角とし、膜表面の撥水性を評価した。
(3) 膜表面の撥油性(接触角)
協和界面科学製ドロップマスターDM-700を用いて、シリンジに22℃±1℃のn−ヘキサデカン(以下、油という。)を準備し、シリンジの針の先端から2μLの液滴を飛び出した状態にする。次いで評価するSUS基材上の防汚性膜をこの液滴に近づけて防汚性膜に液滴を付着させる。この付着した油の接触角を測定した。静止状態で油が膜表面に触れた1秒後の接触角をθ/2法により解析した値を油の接触角とし、膜表面の撥油性を評価した。
(4) 膜の耐水性
評価する防汚性膜をSUS基材とともに5〜15℃の水道水が500mL/分の速度で流れている水中に、水平状態で24時間置き、室温にて乾燥した後、水と油の接触角を測定し、浸漬前の接触角と15度未満の差である場合を「良好」とし、15度以上異なる場合は、「不良」とし、膜の耐水性を評価した。
(5) 膜の強度
水を含ませたスポンジで、膜を20回擦り、膜を目視にて評価した。膜に全く剥離が生じていない場合を「良好」とし、膜の一部に僅かに剥離が生じている場合を「可」とし、膜の大部分に剥離が生じている場合を「不良」とした。
(6) 膜の基材への密着性及び膜付き基材からの離型性
75mm×150mm×厚さ2mmのSUS304基材上に塗膜を形成した。塗膜の上に、セロファンテープを貼り付けた後、テープを剥がしたときに、塗膜がテープ側に全く付かなかった場合を「密着良好」とし、塗膜の一部が僅かにテープ側に付いたが、最終的にテープ側に貼り付かなかった場合を「密着可」とし、塗膜の大部分がテープ側に貼り付き、SUS基材界面で塗膜が剥がれてしまった場合を「密着不良」とした。
膜の基材への密着性を確認するために用いたSUS304基材と同一の基材に膜を形成した。膜の上に、コニシ製エポキシ樹脂とガラスクロスを積層し、8時間乾燥させFRP層を形成した。形成したFRP層をSUS304基材から剥がしたときに、FRP層のみが膜から剥離したものは、膜の基材への密着性と膜からの離型性が「良好」であるとした。FRP層が膜とともにSUS基材から剥離したものは密着性が不十分であるが、離型性は「可」とした。FRP層がSUS基材上の膜から全く剥離しなかったものは、離型性は「不良」であるが、膜の基材への密着性は「密着良好」とした。
Figure 2017197669
表4から明らかなように、比較例1の液組成物では、フッ素を含有していないため、成膜性に優れるが、水及びヘキサデカンの接触角から明らかなように、撥水撥油性の機能が発現していなかった。そのため、離型性試験にてもFRP層の剥離ができなかった。比較例2の液組成物では、第1及び第2加水分解物を合計した配合量が少なすぎるため、水及びヘキサデカンの接触角も悪く、膜が薄すぎるため膜強度も不足していた。
また比較例3の液組成物では、第1及び第2加水分解物を合計した配合量が多すぎるため、粘度も高く、均一に成膜することができなかった。そのため、スポンジで擦る試験にて、一部塗膜が剥離した。また、離型性試験でも剥離する箇所としない箇所がまだらに存在する結果となっていた。比較例4の液組成物では第2溶媒が配合されていなかっため、塗膜の急激な乾燥を防止できなかった。また比較例5の液組成物では第1溶媒が配合されていなかったため、乾燥速度の調整が難しかった。また比較例6の液組成物では第1溶媒も第2溶媒も配合されていなかったため、更に乾燥速度の調整を行うことができなかった。
また比較例7の液組成物では、第1溶媒が多過ぎ、第3溶媒が少な過ぎるため、乾燥速度の調整を行うことができなかった。結果として比較例4〜7の液組成物では、成膜時に筋、水玉等が発生し、表面の荒れた状態となった。そのため、膜強度試験にてスポンジで擦ると、一部の塗膜が剥離した。また離型性試験でも離型する箇所としない箇所が生じていた。更に比較例8の液組成物では、高沸点の第2溶媒が多過ぎるため、塗布状態において基材への弾きも見られ、室温24時間の乾燥条件でも膜が乾燥しなかった。そのため、接触角、離型性試験は実施できなかった。
これに対して、表4から明らかなように、実施例1〜9の液組成物では、成膜性、塗膜の撥水撥油性、耐水性、膜の強度において、良好な結果であり、膜付き基材からの離型性も良好であった。また実施例10の液組成物では、全加水分解物に対してフッ素含有シランの含有量が多めであったため、撥水撥油性及び膜の基材への密着性は優れていたが、成膜性、膜の強度及び離型性はいずれも「可」であり、膜付き基材からの離型性試験では「密着可」であった。
本発明の膜形成用液組成物は、機械油を使用する工場、油が飛散する厨房、油蒸気が立ちこめるレンジフード、換気扇、冷蔵庫扉等において、油汚れを防止する分野に用いられる。またプレス成形法、FRP成形法等により樹脂成形体又はセラミック成形体を作る場合に、成形体を金型等から容易に離型させる分野に用いられる。

Claims (4)

  1. ケイ素アルコキシドとしてのテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランの第1加水分解物と、下記一般式(1)で示されるフッ素含有シランの第2加水分解物と、所定の溶媒とを含む膜形成用液組成物であって、
    前記第1加水分解物と前記第2加水分解物が合計して前記液組成物100質量%に対して0.1〜10.0質量%含まれ、
    前記所定の溶媒が、沸点が120℃以上160℃未満の第1溶媒と、沸点が160℃以上220℃以下の第2溶媒と、沸点が120℃未満の第3溶媒と、水とを混合した混合溶媒であり、
    前記第1溶媒、前記第2溶媒及び前記第3溶媒の質量比が、第1溶媒:第2溶媒:第3溶媒=9〜15:1〜3:82〜90である
    ことを特徴とする膜形成用液組成物。
    Figure 2017197669
    上記式(1)中、m及びnは、それぞれ同一又は互いに異なる1〜6の整数である。また、Rfは、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。また上記式(1)中、Xは、炭素数2〜10の炭化水素基であって、エーテル結合、CO−NH結合及びO−CO−NH結合から選択される1種以上の結合を含んでいてもよい。更に上記式(1)中、R及びZはアルコキシ基である(ただし、aは0〜3の整数)。
  2. 前記ケイ素アルコキシドの第1加水分解物が、ケイ素アルコキシドと前記第3溶媒と水とを混合して調製された第1液と、前記第3溶媒と有機酸、無機酸又はチタン化合物からなる触媒とを混合して調製された第2液とを混合することにより調製される請求項1記載の膜形成用液組成物。
  3. 前記第1加水分解物と前記第2加水分解物の合計量100質量%に対して前記第2加水分解物が0.1〜10.0質量%含まれる請求項1又は2記載の膜形成用液組成物。
  4. 前記第1溶媒が2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール及び1−エトキシ−2−プロパノールからなる群より選ばれた1種又は2種以上の溶媒であり、前記第2溶媒がジアセトンアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、N−メチルピロリドン及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールからなる群より選ばれた1種又は2種以上の溶媒であり、前記第3溶媒が炭素数1〜3の範囲にある1種又は2種以上のアルコールである請求項1ないし3いずれか1項に記載の膜形成用液組成物。
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