JP2002120332A - 塗膜の構造 - Google Patents

塗膜の構造

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JP2002120332A
JP2002120332A JP2000318348A JP2000318348A JP2002120332A JP 2002120332 A JP2002120332 A JP 2002120332A JP 2000318348 A JP2000318348 A JP 2000318348A JP 2000318348 A JP2000318348 A JP 2000318348A JP 2002120332 A JP2002120332 A JP 2002120332A
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JP2000318348A
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Haruhiko Mori
晴彦 毛利
Akira Senda
彰 千田
Kayoko Honda
香代子 本多
Yasushi Yonei
康史 米井
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 表面の改質状態を早期に発現させることがで
きると共に長期間維持できる塗膜構造の提供。 【解決手段】 基材、親水化塗膜層および表面処理剤層
からなり、親水化塗膜層が、 XbM(OR1a2 c [aは0〜6、bは0〜5,cは0〜6の整数、XはC
1〜5000の1価の有機基またはH、Mは3価以上の
金属原子、RはC1〜1000の1価の有機基、シロ
キサン残基またはH、Rはキレート化の能力を有する
C1〜20の1価の有機基で、各有機基はO,N,F,
Clを含み得る。]で示される加水分解性有機金属化合
物を2個以上縮合して得られるオリゴマーまたはコオリ
ゴマーよりなる親水化剤と有機バインダーとを含んでお
り、表面処理剤層が本質的に、前記式の官能基含有有機
金属化合物の単量体、それを2個以上縮合して得られる
オリゴマーまたはコオリゴマーよりなる表面改質剤のみ
からなる塗膜の構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗膜表面の親水性
などの改質状態を長期間維持することができる塗膜の構
造に関する。
【0002】本発明によれば、各種物品の表面の親水性
などの表面改質状態を長期間維持でき、汚染付着防止
性、易洗浄性、帯電防止性、防曇性、防結露性、防塵
性、生体適合性などに優れた物品を提供できる。これら
の物品は、塗料、インク、シーラント、接着剤、繊維処
理剤、絶縁材料などを施した各種物品のほか、注型材、
型取り材、医療器具材料、建築資材、船舶部材、皮革
材、家庭用部材、包装材などといった用途に好適に使用
できる。
【0003】
【従来の技術】周囲環境に多く存在する疎水性または親
水性の汚れを付着させにくくするために塗膜の表面を改
質する方法として、(1)塗膜表面にシランカップリン
グ剤やアルキルシリケートなどの液状の化合物を塗布す
る方法、(2)塗膜中に前記液状の化合物を配合し塗膜
表面にブリードアウトさせる方法、(3)塗料の中に改
質剤を配合し改質剤を塗膜表面に濃縮する方法などがあ
る。
【0004】液状化合物を表面に塗布する方法(1)
は、化合物が簡単に取り除かれてしまうため表面改質状
態を一時的にしか得られないという欠点がある。
【0005】塗膜中の液状化合物をブリードアウトさせ
る方法(2)は、(1)の方法よりも改質状態を維持で
きるが塗膜物性が損なわれることがあるという問題があ
る。
【0006】(3)の改質剤を塗料中に配合する方法
は、長期間表面を改質状態に維持できる点で優れてい
る。
【0007】この(3)の方法として、本発明者らは特
定の加水分解性有機金属化合物を新水化剤として配合し
た汚染付着防止性の組成物を完成し、既に出願している
(WO97/11130号パンフレット)。
【0008】親水化剤としては、式(I): XbM(OR1a2 c (I) [式中、aは0または1〜6の整数、bは0または1〜
5の整数、cは0または1〜6の整数(ただし、a+b
+c≧3であり、aとcとは同時に0にならない)、X
は同じかまたは異なり酸素原子、チッ素原子、フッ素原
子および/または塩素原子を含んでいてもよい炭素数1
〜5000の1価の有機基または水素原子、Mは少なく
とも3価の原子価を有する金属原子、R1は同じかまた
は異なり酸素原子、チッ素原子、フッ素原子および/ま
たは塩素原子を含んでいてもよい炭素数1〜1000の
1価の有機基、シロキサン残基または水素原子、R2
同じかまたは異なり酸素原子、チッ素原子、フッ素原子
および/または塩素原子を含んでいてもよいキレート化
の能力を有する炭素数1〜20の1価の有機基を表す]
で示される加水分解性有機金属化合物の同種または異種
を2個以上縮合して得られるオリゴマーまたはコオリゴ
マーを提案している。
【0009】そのほか、加水分解性有機金属化合物を配
合する方法は、たとえばWO94/6870号パンフレ
ット、WO95/645号パンフレットなどでも知られ
ている。
【0010】これらの方法(3)における表面親水化機
構は、加水分解性有機金属化合物を樹脂バインダーに配
合して塗料とし、この塗料で形成した塗膜の表面に存在
する加水分解性有機金属化合物を加水分解することによ
り親水基に変換して表面を親水性にするものである。
【0011】しかし、シランカップリング剤が有してい
るような官能基をもつ化合物を用いて表面の改質を達成
することは困難であり、さらなる改良が求められてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
方法(3)で形成した親水化剤入りの塗膜の表面に、さ
らに表面改質剤のみを塗布して表面層を形成するときに
は、意外なことに、塗膜形成成分(バインダー)がなく
ても表面の改質状態を早期に発現させることができると
共に、長期間維持できることを見出した。
【0013】本発明は、表面の改質を目的とし、特に各
種の汚染物質の付着防止および除去を早期に発現できか
つ長期間維持できる塗膜の構造を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)基材、(B)該基材上にプライマー層を介してま
たは介さずに設けられた親水化塗膜層および(C)該親
水化塗膜層の直上に設けられた表面処理剤層とからな
り、親水化塗膜層(B)が、式(I): XbM(OR1a2 c (I) [式中、aは0または1〜6の整数、bは0または1〜
5の整数、cは0または1〜6の整数(ただし、a+b
+c≧3であり、aとcとは同時に0にならない)、X
は同じかまたは異なり酸素原子、チッ素原子、フッ素原
子および/または塩素原子を含んでいてもよい炭素数1
〜5000の1価の有機基または水素原子、Mは少なく
とも3価の原子価を有する金属原子、R1は同じかまた
は異なり酸素原子、チッ素原子、フッ素原子および/ま
たは塩素原子を含んでいてもよい炭素数1〜1000の
1価の有機基、シロキサン残基または水素原子、R2
同じかまたは異なり酸素原子、チッ素原子、フッ素原子
および/または塩素原子を含んでいてもよいキレート化
の能力を有する炭素数1〜20の1価の有機基を表す]
で示される加水分解性有機金属化合物の同種または異種
を2個以上縮合して得られるオリゴマーまたはコオリゴ
マーよりなる親水化剤(b1)と有機バインダー(b
2)とを含んでおり、表面処理剤層(C)が本質的に、
前記式(I)で示される官能基含有有機金属化合物の単
量体、その同種または異種を2個以上縮合して得られる
オリゴマーまたはコオリゴマーよりなる表面改質剤(c
1)のみからなる表面改質状態の持続性に優れた塗膜の
構造に関する。
【0015】前記親水化塗膜層(B)に含まれる親水化
剤(b1)と前記表面処理剤層(C)の表面改質剤(c
1)を構成する前記式(I)で示される加水分解性有機
金属化合物は、同じでも異なっていてもよい。
【0016】好ましくは、前記表面処理剤層(C)を構
成する表面改質剤(c1)が前記式(I)で示される加
水分解性有機金属化合物の単量体であり、特にケイ素化
合物、チタン化合物またはアルミニウム化合物、さらに
はシランカップリング剤、チタンカップリング剤または
アルミニウムカップリング剤であることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において使用する親水化剤
(b1)および表面改質剤(c1)である式(I)で示
される有機金属化合物、そのオリゴマー、コオリゴマー
は公知の化合物であり、前記WO94/6870号パン
フレット、WO95/645号パンフレット、WO96
/26254号パンフレットなどに記載されている化合
物、オリゴマーおよびコオリゴマーを使用することがで
きる。また、表面改質剤(c1)としては、公知のカッ
プリング剤をも使用できる。
【0018】本発明において特に好ましい親水化剤(b
1)としては、金属Mがケイ素、チタンまたはアルミニ
ウムである化合物、さらに、加水分解性基(OR1)と
して、アミノ基、アルコキシル基、カルボキシル基、エ
ステル基、チオール基、アミド基、イミノ基、4級アン
モニウム基、エーテル基、ポリエーテル基、エポキシ
基、アセチルアセトネート基またはアルキルアセトアセ
テート基などを有している有機金属化合物があげられ
る。
【0019】これらのうち親水化力に優れる点から、金
属Mがケイ素原子、OR1としてアルコキシル基または
フルオロアルコキシル基が特に好適である。なお、表面
改質剤(c1)との好適な組合せについては後述する。
【0020】親水化剤(b1)の好ましい具体例として
は、ゼッフル(登録商標)GKシリーズ(ダイキン工業
(株)製)、テトラメトキシシランとテトラエトキシシ
ランとのコオリゴマー(CF3CF2CH2/CH3が0.
3。縮合度10)、テトラメトキシシランのオリゴマー
(縮合度10)、テトラエトキシシランのオリゴマー
(縮合度10)などがあげられるが、これらのみに限定
されるものではない。
【0021】本発明においては、基材(A)上にプライ
マーを介してまたは介さずに直接、親水化塗膜層(B)
を設ける。この親水化塗膜層(B)は、前記親水化剤
(b1)と有機バインダー(b2)とを含む組成物であ
る。
【0022】有機バインダー(b2)は、バインダーと
して有機溶剤や水に溶解または分散して使用できるとい
うものであればよいが、溶剤溶解性、低温成膜性という
点から、アクリル系重合体、アクリルシリコン重合体、
フッ素樹脂などがあげられる。有機バインダー(b2)
としては、たとえば前記WO94/6870号パンフレ
ット、WO95/645号パンフレット、WO96/2
6254号パンフレットなどに記載されている樹脂、ま
たはエラストマーが例示できる。
【0023】これらのうち本発明で特に好適に使用でき
る有機バインダー(b2)の市販品としては、たとえば
ダイキン工業(株)製のゼッフル(登録商標)GKシリー
ズ、ゼッフルLCシリーズ、ゼッフルSEシリーズな
ど;鐘淵化学工業(株)製のゼムラック(登録商標)シリ
ーズなどがあげられる。
【0024】親水化塗膜層用の組成物は、好ましくは有
機溶剤または水性分散液の形態とするのが好ましい。有
機溶剤としてはバインダー(b2)との関係で選定すれ
ばよく、具体例としてはメタノール、エタノール、イソ
プロパノールなどのアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢
酸ブチルなどのエステル系溶剤;水などがあげられる。
そのほか、WO94/6870号パンフレット、WO9
5/645号パンフレット、WO96/26254号パ
ンフレットなどに記載されている溶剤も使用できる。
【0025】また、親水化塗膜層用の組成物には、親水
化剤(b1)の加水分解を促進するための触媒のほか、
塗料用の通常の添加剤を配合してもよい。そのような添
加剤としては、たとえば紫外線吸収剤、顔料、充填剤、
消泡剤、硬化剤などがあげられる。
【0026】加水分解触媒としては、たとえばアルミニ
ウムキレート化合物、スズ化合物などWO94/687
0号パンフレット、WO95/645号パンフレット、
WO96/26254号パンフレットなどに記載されて
いる化合物があげられる。
【0027】親水化剤(b1)と有機バインダー(b
2)の配合割合は、重量比で20/100〜0.1/1
00、好ましくは10/100〜1/100である。
【0028】基材(A)は特に限定されず、プラスチッ
ク、木材などの有機系基材;セラミックス、ガラス、金
属などの無機系基材があげられる。
【0029】基材への親水化塗膜層用の組成物の塗布方
法は通常の方法でよく、ディップコート、ロールコー
ト、スプレーコート、刷毛塗りなどがあげられる。塗布
後、室温または加熱して乾燥硬化させることにより、親
水化塗膜層(B)が得られる。親水化塗膜層(B)の膜
厚は特に限定されないが、通常0.1μm〜1mm、好
ましくは5〜50μmである。
【0030】本発明の特徴は、かかる親水化塗膜層
(B)上に直接、表面処理剤層(C)を設けたことにあ
る。表面処理剤層(C)は表面改質剤(c1)のみから
なる最外層である。
【0031】表面改質剤(c1)として好適な有機金属
化合物としては、親水化剤(b1)で例示したようなW
O94/6870号パンフレット、WO95/645号
パンフレット、WO96/26254号パンフレット、
特開昭53−139653号公報、特公昭45−363
20号公報などに記載されているものと同じもの、さら
には式(I)に含まれるが、いわゆるカップリング剤と
して使用されている有機金属化合物の単量体が好ましい
ものである。特に好適な表面改質剤(c1)は、塗膜間
の密着性が良好な点からシランカップリング剤、チタン
カップリング剤およびアルミニウムカップリング剤であ
り、さらに好ましくはシランカップリング剤である。
【0032】表面改質剤(c1)の好ましい具体例とし
てはつぎに示すものがあげられるが、これらに限定され
るものではない。
【0033】[1]シランカップリング剤 (1)オレフィン官能性シランカップリング剤
【0034】
【化1】
【0035】市販品:信越シリコーン(株)製のKBM
−1003、KBE−1003、KBM−1063、K
BM−1103、KBM−1203、KBM−130
3、KBM−1403など。
【0036】(2)エポキシ官能性シランカップリング
【0037】
【化2】
【0038】市販品:信越シリコーン(株)製のKBM
−403、KBM−303、KBE−403、KBE−
402、X−12−699、X−12−692、KBP
S−402など。
【0039】(3)(メタ)アクリル官能性シランカッ
プリング剤
【0040】
【化3】
【0041】市販品:信越シリコーン(株)製のKBM
−503、KBE−503、KBM−502、KBE−
502、KBM−503P、KBM−5103、KBM
−5102、KBM−5403、X−12−696な
ど。
【0042】(4)モノアミノシランカップリング剤
【0043】
【化4】
【0044】市販品:信越シリコーン(株)製のKBE
−903、KBM−903、KBE−902、KBM−
902などの1級アミン系、KBM−573、X−12
−512、X−12−636などの2級アミン系、X−
12−700、X−12−684などの3級アミン系、
X−12−614、X−12−711、X−12−57
1などの4級アンモニウム系など。
【0045】(5)ジアミノシランカップリング剤
【0046】
【化5】
【0047】市販品:信越シリコーン(株)製のKBM
−603、KBE−603、KBM−602、KBM−
6063、X−12−5202、X−12−5204、
KBM−6123、CF−136、KBE−9703な
ど。
【0048】(6)トリアミノシランカップリング剤
【0049】
【化6】
【0050】市販品:信越シリコーン(株)製のX−1
2−580など。
【0051】(7)末端トリアルコキシシランカップリ
ング剤
【0052】
【化7】
【0053】市販品:信越シリコーン(株)製のX−1
2−5263、X−12−666、X−12−633A
T、X−12−734など。
【0054】(8)複合反応型アミノシランカップリン
グ剤 分子内に1個または2個のアミノ基と反応性不飽和二重
結合またはカルボキシル基を有するシラン化合物。 市販品:信越シリコーン(株)製のKBM−576、X
−12−575、X−12−577、X−12−563
B、X−12−565、X−12−730、X−12−
562など。
【0055】(9)メルカプト官能性シランカップリン
グ剤
【0056】
【化8】
【0057】市販品:信越シリコーン(株)製のKBM
−803、KBM−803P、KBM−802、KBM
−836など。
【0058】(10)イソシアネート官能性シランカッ
プリング剤
【0059】
【化9】
【0060】市販品:信越シリコーン(株)製のKBM
−9007、KBE−9007、KBM−9207、K
BE−9207など。
【0061】(11)特殊型シランカップリング剤
【0062】
【化10】
【0063】市販品:信越シリコーン(株)製のX−1
2−641、X−12−713、KBM−7103、X
−12−650B、X−12−727、X−12−71
5、KBNT−503など。
【0064】[2]チタンカップリング剤 有機チタネート化合物たチタンキレート化合物市販品:
日本曹達(株)製のT−50(TAA)、TATなどの有
機チタネート化合物;日本曹達(株)製のTLA−A−5
0、TLA−AA−50、T−60などのチタンキレー
ト化合物;味の素(株)製のプレンアクト(商標)KR
TTS、KR55、KR138S、KR238Sなど。
【0065】[3]アルミニウムカップリング剤 アルミニウムキレート化合物、有機アルミニウム化合物
など市販品:武生ファインケミカル(株)製のアルミキ
レート(商標)P−1などのアルミニウムキレート化合
物;武生ファインケミカル(株)製のOL−1000な
どのアルミニウム系カップリング剤;味の素(株)製の
プレンアクトAL−Mなど。
【0066】表面改質剤(c1)は、親水化塗膜層
(B)中の親水化剤(b1)および有機バインダー(b
2)との親和性を考慮して選定することが望ましい。好
適な組合せとしてつぎのものがあげられるが、これらの
みに限定されるものではない。 (1)親水化剤(b1):メチルシリケート、アルミニ
ウムキレート化合物 有機バインダー(b2):アクリルシリコン樹脂 表面改質剤(c1):シランカップリング剤 (2)親水化剤(b1):メチルシリケート、アルミニ
ウムキレート化合物 有機バインダー(b2):ゼッフルGKシリーズ 表面改質剤(c1):シランカップリング剤 (3)親水化剤(b1):メチルシリケート、アルミニ
ウムキレート化合物 有機バインダー(b2):ゼッフルLCシリーズ(ダイ
キン工業(株)製) 表面改質剤(c1):シランカップリング剤 (4)親水化剤(b1):ゼッフルGHシリーズ(ダイ
キン工業(株)製) 有機バインダー(b2):ゼッフルGKシリーズ 表面改質剤(c1):シランカップリング剤
【0067】塗布用の表面処理剤液は、好ましくは、表
面改質剤(c1)を溶媒に溶解または分散させて調製さ
れる。溶媒は水または有機溶剤であり、有機溶剤として
はメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのア
ルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステ
ル系溶剤;アセトンなどのケトン系溶剤などがあげられ
る。好ましい溶媒は水またはアルコール系溶剤である。
【0068】表面処理剤液中の表面改質剤(c1)の濃
度は0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜5重量%
である。なお、この表面処理剤液には有機バインダーな
どのフィルム形成材料は配合しない。
【0069】表面処理剤層(C)の形成は、前記親水化
塗膜層(B)に直接塗布し、乾燥することにより行な
う。塗布方法としてはスプレーコート、ディッピングコ
ート、ロールコート、刷毛塗りなどの通常の方法で行な
うことができる。乾燥は室温で放置するか、加熱下に行
なえばよい。
【0070】表面処理剤層(C)は親水化塗膜層(B)
表面の全面または一部に連続または不連続状で形成され
ている。
【0071】本発明の構造により表面が初期から高度に
改質された基材は、各種の汚染物質の付着を防止でき、
また付着した汚染物質を容易に除去できる。また、水中
や海中で使用する場合に、藻類やフジツボなどの水生生
物の付着育成が抑制できる。
【0072】したがって本発明によれば、各種物品の表
面の親水性を長期間維持でき、汚染付着防止性、易洗浄
性、帯電防止性、防曇性、防結露性、防塵性、生体適合
性などに優れた物品を提供できる。これらの物品は、塗
料、インク、シーラント、接着剤、繊維処理剤、絶縁材
料などを施した各種物品のほか、注型材、型取り材、医
療器具材料、建築資材、船舶部材、皮革材、家庭用部
材、包装材などといった用途に好適に使用できる。
【0073】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0074】実施例1 アクリルシリコン樹脂の酢酸ブチル溶液(固形分50重
量%)100重量部に対し、メチルシリケートオリゴマ
ー(三菱化学(株)製のMS56S)5重量部と加水分
解触媒としてアルミキレート(商標)D(武生ファイン
ケミカル(株)製のアルミニウムキレート化合物の75
%イソプロパノール溶液)1.0重量部を混合し、さら
にキシレン50重量部を加えて親水化塗膜層(B)用組
成物を調製した。この組成物をスプレー法により基材
(A)である軟質塩化ビニル樹脂シートに膜厚20μm
となるように塗装し、室温で1週間乾燥硬化して、親水
化塗膜層(B)を形成した。
【0075】別途、表面改質剤(c1)として信越シリ
コーン(株)製のPolon(商標)MF−50(式:
【0076】
【化11】
【0077】の41重量%メタノール溶液)を使用し、
これをさらにメタノールで10倍に希釈した溶液を表面
処理剤液として調製した。この表面処理剤液中に前記の
親水化塗膜層(B)が形成された軟質塩化ビニル樹脂シ
ートを1分間浸漬し、室温にて1週間乾燥して表面処理
剤層(C)を形成した。
【0078】得られた本発明の親水化塗膜構造を有する
軟質塩化ビニルシートについて、屋外での長期間の使用
後の効果を見るために、サンシャインウエザオメータ
(スガ試験機(株)製の促進耐候性試験機)により10
00時間曝露した。曝露後のシートについて、つぎの水
生生物付着試験を行なったところ、フジツボや藻類の付
着は全く観察されなかった。
【0079】(水生生物付着試験)日本国兵庫県姫路市
の海面下1mの海水中に3ヵ月間浸漬して、表面での貝
類や藻類の付着を目視で観察する。
【0080】比較例1 実施例1で作製した親水化塗膜層(B)を有する軟質塩
化ビニルシートについて、表面処理剤層(C)を形成せ
ずにそのままサンシャインウエザオメータにより100
0時間曝露し、曝露後のシートについて、実施例1と同
様にして水生生物付着試験を行なったところ、少量のフ
ジツボや藻類が付着していた。
【0081】比較例2 実施例1で使用した軟質塩化ビニルシートを用い、親水
化塗膜層(B)を形成することなく直ちに実施例1で調
製した表面処理剤液中に1分間浸漬し、室温にて1週間
乾燥して表面処理剤層(C)を形成した。
【0082】得られた表面処理剤層(C)のみが形成さ
れた比較用の軟質塩化ビニルシートについて、実施例1
と同様にサンシャインウエザオメータにより1000時
間曝露した。曝露後のシートについて、実施例1と同様
に水生生物付着試験を行なったところ、多数のフジツボ
や藻類の付着が観察された。
【0083】
【発明の効果】本発明の塗膜の構造を採用するときは、
表面処理剤層として塗膜形成成分(バインダー)がなく
ても表面改質剤を親水化塗膜層に長期間付着させること
ができ、各種物品の表面の改質状態を早期に発現させる
ことができると共に、長期間維持できるので、各種の汚
染物質の付着防止および除去を早期に発現できかつ長期
間維持できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 香代子 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 米井 康史 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA22 CA34 CA37 CA39 CA45 DB31 DC01 DC08 DC30 DC36 DC38 EA06 EB16 EB22 EB33 EB38 EB43 EB47 EC45 4F100 AH08B AH08C AK52B AK52C AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C BA13 CA30C CC00B CC00C GB07 GB15 GB31 GB66 GB81 JB05B JB05C JG03 JL07 4J038 DL021 DL031 DL041 DL051 DL071 DL081 DM021 GA02 GA06 GA07 GA09 GA13 JC30 JC38 KA02 KA03 NA05 NA06 NA20 PA14 PB01 PB02 PB04 PB05 PB07 PC09 PC10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)基材、(B)該基材上にプライマ
    ー層を介してまたは介さずに設けられた親水化塗膜層お
    よび(C)該親水化塗膜層の直上に設けられた表面処理
    剤層とからなり、親水化塗膜層(B)が、式(I): XbM(OR1a2 c (I) [式中、aは0または1〜6の整数、bは0または1〜
    5の整数、cは0または1〜6の整数(ただし、a+b
    +c≧3であり、aとcとは同時に0にならない)、X
    は同じかまたは異なり酸素原子、チッ素原子、フッ素原
    子および/または塩素原子を含んでいてもよい炭素数1
    〜5000の1価の有機基または水素原子、Mは少なく
    とも3価の原子価を有する金属原子、R1は同じかまた
    は異なり酸素原子、チッ素原子、フッ素原子および/ま
    たは塩素原子を含んでいてもよい炭素数1〜1000の
    1価の有機基、シロキサン残基または水素原子、R2
    同じかまたは異なり酸素原子、チッ素原子、フッ素原子
    および/または塩素原子を含んでいてもよいキレート化
    の能力を有する炭素数1〜20の1価の有機基を表す]
    で示される加水分解性有機金属化合物の同種または異種
    を2個以上縮合して得られるオリゴマーまたはコオリゴ
    マーよりなる親水化剤(b1)と有機バインダー(b
    2)とを含んでおり、表面処理剤層(C)が本質的に、
    前記式(I)で示される官能基含有有機金属化合物の単
    量体、その同種または異種を2個以上縮合して得られる
    オリゴマーまたはコオリゴマーよりなる表面改質剤(c
    1)のみからなる表面改質状態の持続性に優れた塗膜の
    構造。
  2. 【請求項2】 前記親水化塗膜層(B)に含まれる親水
    化剤(b1)と前記表面処理剤層(C)の表面改質剤
    (c1)を構成する前記式(I)で示される加水分解性
    有機金属化合物が異なる請求項1記載の構造。
  3. 【請求項3】 前記親水化塗膜層(B)に含まれる親水
    化剤(b1)と前記表面処理剤層(C)の表面改質剤
    (c1)を構成する前記式(I)で示される加水分解性
    有機金属化合物が同じである請求項1記載の構造。
  4. 【請求項4】 前記表面処理剤層(C)を構成する表面
    改質剤(c1)が前記式(I)で示される加水分解性有
    機金属化合物の単量体である請求項1〜3のいずれかに
    記載の構造。
  5. 【請求項5】 前記式(I)で示される加水分解性有機
    金属化合物が、ケイ素化合物、チタン化合物またはアル
    ミニウム化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の
    構造。
  6. 【請求項6】 前記式(I)で示される加水分解性有機
    金属化合物が、アミノ基、アルコキシル基、カルボキシ
    ル基、エステル基、チオール基、アミド基、イミノ基、
    4級アンモニウム基、エーテル基、ポリエーテル基、エ
    ポキシ基、アセチルアセトネート基またはアルキルアセ
    トアセテート基を有している請求項1〜5のいずれかに
    記載の構造。
  7. 【請求項7】 前記表面改質剤(c1)がシランカップ
    リング剤、チタンカップリング剤またはアルミニウムカ
    ップリング剤である請求項1〜6のいずれかに記載の構
    造。
  8. 【請求項8】 前記表面処理剤層(C)が、表面改質剤
    (c1)のみからなる請求項1〜7のいずれかに記載の
    構造。
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