JP2017197297A - チェーンブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】過負荷の際に可動爪が動き始めるときのトルク値のバラつきを低減することが可能なチェーンブロックを提供する。
【解決手段】チェーンブロック10の過負荷防止機構110は、メネジ部材102と、可動爪111と、付勢手段112とを備えている。そして、可動爪111には、付勢手段112側に向かって突出すると共に内周孔101bに当接するガイド凸部111Mfが存在する従来構成の第2可動爪111Mと比較して、回転モーメントを抑制するためのモーメント抑制手段111bが設けられていて、モーメント抑制手段111bは、ハンドホイール101に過負荷が作用した状態で、複数の第2テーパ壁部111dのうちの一部の第2テーパ壁部111dが第1テーパ壁部102cに衝突した場合に、可動爪111の外周側が内周孔101bに衝突した際の可動爪111に生じる回転モーメントを抑制している。
【選択図】図7

Description

本発明は、荷揚げ作業に用いられるチェーンブロックに関する。
荷を鉛直方向に移動させるチェーンブロックにおいては、たとえば特許文献1、2に示すように、過負荷防止装置(過負荷防止機構)を備えたものがある。特許文献1、2に示す過負荷防止装置は、駆動部材、回転駆動部材およびバネを備えていて、これらがハンドホイール9の内側内周に配置されている。
回転駆動部材には、複数の過負荷防止用係止歯が周方向に配置されている。また、駆動部材にはフランジ部が設けられていて、そのフランジ部には複数の凹状の係合歯が周方向に配置されている。そして、回転駆動部材がバネの付勢力により、回転駆動部材をフランジ部に向けて押し付けるが、通常は、過負荷防止用係止歯が凹状の係合歯に嵌まり込んでいる。しかし、バネの付勢力を超えるようなトルクがハンドホイールに伝達された場合、過負荷防止用係止歯が係合歯から外れることで、過負荷を逃がすように構成されている。
ここで、回転駆動部材の横長状突起は、ハンドホイールの嵌合凹部に沿って移動する。それによって、過負荷の際に、回転駆動部材が軸方向にスライドするのをガイドする構成となっている。
特開2006−273491号公報(図3、図9〜図12等参照) 特開2006−273502号公報(図3、図9〜図11等参照)
ところで、特許文献1、2に示す構成においては、次のような問題がある。すなわち、過負荷防止用係止歯と、過負荷が作用する場合、いずれかの過負荷防止用係止歯の傾斜歯部が、嵌合している凹状の係合歯の傾斜歯部に、他の係合歯および傾斜歯部よりも先に衝突する。いわば、回転駆動部材の周方向において、一部だけが先に持ち上げられる状態となる。
しかしながら、回転駆動部材には横長状突起が設けられ、その横長状突起が嵌合凹部に嵌まり込んでいる。このため、上述のように、回転駆動部材の周方向の一部だけが持ち上がると、横長状突起の先端側が、嵌合凹部の内壁に尖状となる状態で強く接触してしまう虞がある。回転駆動部材が嵌合凹部の内壁に引っ掛かると、回転駆動部材が移動し難くなり、また既定の過負荷よりも大きな負荷が作用した場合に、突然動き出す等の場合が生じ得る。いわば、回転駆動部材が動き出す際のトルク値が大きく変動し、チェーンブロックの挙動が不安定化してしまう。
また、尖状となる接触状態で横長状突起の先端側が嵌合凹部に摺動するのを繰り返すと、その摺動部位が擦り減っていく。このため、過負荷として想定されているトルク値に対して、回転駆動部材がフランジ部に対して動き始めるトルク値が、大幅に変動してしまう、という問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、過負荷の際に可動爪が動き始めるときのトルク値のバラつきを低減することが可能なチェーンブロックを提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によると、ハンドチェーンが掛け回されているハンドホイールに過負荷が作用した場合に、ハンドホイールをロードシーブ中空軸に対して空転させる過負荷防止機構を備えるチェーンブロックであって、過負荷防止機構は、ハンドホイール側から駆動力が伝達された場合にロードシーブ中空軸に向けて駆動力を伝達し、フランジ部を備え、このフランジ部に第1嵌合部が複数設けられていると共に、当該第1嵌合部に軸方向に傾斜している第1テーパ壁部が存在するメネジ部材と、ハンドホイールの内周孔に配置される付勢手段と、ハンドホイールと一体的に回転する状態で内周孔に配置され、該ハンドホイール側から駆動力が伝達された場合にメネジ部材へと駆動力を伝達すると共に、第1嵌合部と嵌合する複数の第2嵌合部を備え、その第2嵌合部に第1テーパ壁部と衝突する第2テーパ壁部が設けられ、付勢手段からの付勢力によってフランジ部に押圧される可動爪と、を備え、可動爪には、付勢手段側に向かって突出すると共に内周孔に当接するガイド凸部が存在する従来構成の第2可動爪と比較して、回転モーメントを抑制するためのモーメント抑制手段が設けられていて、モーメント抑制手段は、ハンドホイールに過負荷が作用した状態で、複数の第2テーパ壁部のうちの一部の該第2テーパ壁部が第1テーパ壁部に衝突した場合に、可動爪の外周側が内周孔に衝突した際の該可動爪に生じる回転モーメントを抑制している、ことを特徴とするチェーンブロックが提供される。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、第1嵌合部は凹状の係合凹部であり、第1テーパ壁部は該係合凹部の内壁の一部を構成すると共にフランジ部の周方向に沿って傾斜しているテーパ凹壁部であると共に、第2嵌合部は凸状であると共に係合凹部に嵌合する係合凸部であり、第2テーパ壁部は該係合凸部の外壁の一部を構成すると共に可動爪の周方向に沿って傾斜しているテーパ凸壁部である、ことが好ましい。
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、可動爪は、リング状のリング本体部を備えていて、モーメント抑制手段は、リング本体部から外径側に突出する突出部である、ことが好ましい。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、リング本体部の付勢手段側の表面は、突出部の付勢手段側の表面と面一に設けられている、ことが好ましい。
また、本発明の第2の観点によると、ハンドチェーンが掛け回されているハンドホイールに過負荷が作用した場合に、ハンドホイールをロードシーブ中空軸に対して空転させる過負荷防止機構を備えるチェーンブロックであって、過負荷防止機構は、ハンドホイール側から駆動力が伝達された場合にロードシーブ中空軸に向けて駆動力を伝達し、フランジ部を備え、このフランジ部に第1嵌合部が複数設けられていると共に、当該第1嵌合部に軸方向に傾斜している第1テーパ壁部が存在するメネジ部材と、ハンドホイールの内周孔に配置される付勢手段と、ハンドホイールと一体的に回転する状態で内周孔に配置され、該ハンドホイール側から駆動力が伝達された場合にメネジ部材へと駆動力を伝達すると共に、第1嵌合部と嵌合する複数の第2嵌合部を備え、その第2嵌合部に第1テーパ壁部と衝突する第2テーパ壁部が設けられ、付勢手段からの付勢力によってフランジ部に押圧される可動爪と、を備え、可動爪には、ハンドホイールの内周孔に回動不能な状態でスライド可能に係合する突出部が設けられていて、該突出部は、軸方向の長さより周方向の長さが大きい、ことを特徴とするチェーンブロックが提供される。
本発明によると、チェーンブロックにおいて、過負荷の際に可動爪が動き始めるときのトルク値のバラつきを低減することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係るチェーンブロックの外観を示す斜視図である。 図1に示すチェーンブロックの外観を示す側面図である。 図1のA−A線に沿ってチェーンブロックを切断した状態を示す断面図である。 図1のB−B線に沿ってチェーンブロックを切断した状態を示す断面図である。 図1に示すチェーンブロックにおける爪車のラチェット歯の形状を示すと共に、爪部材が噛み合う様子を二点破線で示す部分的な側面図である。 図1に示すチェーンブロックにおける爪車の形状を示す正面図である。 図1に示すチェーンブロックが備えるハンドホイール機構の構成を示す斜視図である。 図1に示すチェーンブロックが備えるメネジ部材および可動爪を示す斜視図である。 図1に示すチェーンブロックが備える可動爪を係合凸部側から見た構成を示す斜視図である。 図1に示すチェーンブロックのうち、ギヤカバーを取り除いた状態を示す正面図である。 比較例としての従来構成の可動爪を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施の形態に係るチェーンブロック10について、図面に基づいて説明する。
<チェーンブロックの構成について>
図1は、チェーンブロック10の外観を示す斜視図である。図2は、チェーンブロック10の外観を示す側面図である。図3は、図1のA−A線に沿ってチェーンブロック10を切断した状態を示す断面図である。図4は、図1のB−B線に沿ってチェーンブロック10を切断した状態を示す断面図である。
なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を用いて説明することがある。そのうち、X方向は、駆動軸60の軸線方向とし、X1側は後述するホイルカバー30が取り付けられる側とし、X2側はそれとは逆のギヤカバー40が取り付けられる側とする。また、Z方向はチェーンブロック10の懸吊状態における鉛直方向(懸吊方向;巻上げ下げ方向)とし、Z1側は懸吊状態における上側とし、Z2側は懸吊状態における下側とする。また、Y方向はXZ方向に直交する方向(幅方向)とし、Y1側は図1における左側とし、Y2側はそれとは逆の右側とする。
図1から図4に示すように、チェーンブロック10は、本体フレーム20と、ホイルカバー30と、ギヤカバー40と、ロードシーブ中空軸50と、駆動軸60と、減速機構70と、ブレーキ機構90と、ハンドホイール機構100と、上フック120と、下フック130等を備えている。以下、各部材等について説明し、その後に、本体フレーム20のギヤ側フレーム23側の構成およびギヤカバー40の構成の詳細について説明する。
図1および図2に示すように、本体フレーム20は、正面視したときの形状が円形状に設けられている。本体フレーム20は、たとえばアルミニウム系金属を用いたアルミダイカストにより形成されている。ただし、本体フレーム20は、荷重に対する剛性を有するものであれば、アルミニウム系金属以外の金属を用いて形成されていても良い。また、本体フレーム20は、ダイカストにより形成されることが好ましいが、少なくとも一部が切削によって形成されても良く、また他の部材を溶接その他の固着手法により取り付けることで形成しても良い。
図3および図4に示すように、本体フレーム20には、ホイル側フレーム部21と、連結フレーム部22と、ギヤ側フレーム部23とが設けられている。そして、ホイル側フレーム部21には、ホイルカバー30がボルトSB1を介して固定されている(図3参照)。また、ギヤ側フレーム部23には、ギヤカバー40がボルトSB2を介して固定されている。ロードシーブ51が収納された連結フレーム22の懸吊方向上方には、上フック120がその両端をホイル側フレーム21とギヤ側フレーム部23に支持された繋ぎ軸121(図10参照)によって、本体フレーム20に揺動可能に接続されている。ホイルカバー30およびギヤカバー40が本体フレーム20にそれぞれ取り付けられることにより、内部空間S1,S2がそれぞれ形成され、その内部空間S1,S2には各種の部材が収納され、更に、内部空間S2は、潤滑油が漏れ出ないように、また、粉塵や雨水等が侵入しないように外部から閉塞されている。
また、ホイル側フレーム部21の内側に位置する内部空間S1は、軸受プレートP1を介して、連結フレーム部22の内部側と仕切られている。また、ギヤ側フレーム部23の内側に位置する内部空間S2は、軸受プレートP2を介して、連結フレーム部22の内部側と仕切られている。
これら軸受プレートP1,P2には、ロードシーブ中空軸50が軸支されている。ロードシーブ中空軸50は、ロードシーブ51を構成する一対のフランジ部52を有していて、さらに一対のフランジ部52の間には、ロードシーブ51を構成するチェーンポケット53が設けられている。
また、ロードシーブ中空軸50には、中空孔54が設けられ、その中空孔54には、駆動軸60が差し込まれる。なお、駆動軸60のうち、中空孔54からX2側において突出している部位には、駆動軸60のX1側への移動を規制するフランジ部61が設けられている。一方、駆動軸60の一端側(X1側)には、止め輪R1が取り付けられていて、その止め輪R1は、X2側でリング部材R2と隣接している。そして、このリング部材R2により、後述するメネジ部材102のX1側に向かう進行が阻止される。また、駆動軸60のうち、フランジ部61よりもX2側の端部には、ピニオンギヤ62が設けられている。ピニオンギヤ62は、減速機構70を構成する一対の減速ギヤ部材71の大径ギヤ72と噛み合っている。
なお、それぞれの減速ギヤ部材71の一端側(X1側)は、上述した軸受プレートP2の軸孔P2a(図4参照)に軸支されていると共に、その他端側は、上述したギヤカバー40に軸支されている。また、ギヤカバー40には、凹形状の軸受固定孔41が設けられていて、その軸受固定孔41には、軸受B1が嵌め込まれ、その軸受B1を介して減速ギヤ部材71の他端側(X2側)が軸支されている。
また、一対の減速ギヤ部材71のうち、大径ギヤ72よりもX1側には、小径ギヤ73が設けられている。小径ギヤ73は、ロードギヤ74と噛み合っている。ロードギヤ74は、ロードシーブ中空軸50の他端側(X2側)において、たとえばキー結合またはスプライン結合状態で、ロードシーブ中空軸50にトルク伝達可能に保持されている。
また、駆動軸60のうち、軸受プレートP1よりも一端寄り(X1寄り)の部位には、ブレーキ機構90が配置されていて、さらにブレーキ機構90よりも一端寄り(X1寄り)の部位には、ハンドホイール機構100が配置されている。さらに、駆動軸60のうちハンドホイール機構100側には、スプライン部63が設けられている。スプライン部63は、後述するブレーキ受け91のスプライン部91b3が嵌め込まれる部分である。なお、スプライン部63のX2側の端部には、段部64が設けられていて、後述するブレーキ受け91がこの段部64に係止される。
ブレーキ機構90は、ブレーキ受け91、ブレーキ板92、爪車93、爪部材94、ブッシュ95等を主要な構成要素としている。ブレーキ受け91は、フランジ部91aと、中空ボス部91bと、先端筒状部91cとを有している。フランジ部91aは、中空ボス部91bよりも大径に設けられている部分であり、後述するブレーキ板92を受け止めることが可能となっている。
中空ボス部91bは、フランジ部91aよりもハンドホイール機構100側(X1側)に位置し、後述するブッシュ95を介して爪車93を軸支する。このブレーキ受け91は、段付きの挿通孔91b1を有している。その挿通孔91b1のうち、段部91b2よりも一端側(X1側)には、その段部91b2よりも小径のスプライン部91b3が設けられていて、そのスプライン部91b3には上述したスプライン部63が嵌め込まれる。
また、先端筒状部91cは、中空ボス部91bよりも一端側(X1側)に位置している。先端筒状部91cの外周側には、多条の雄ネジ部91c1が設けられていて、その雄ネジ部91c1には、ハンドホイール機構100のメネジ部材102の多条のメネジ部102gが捻じ込まれる。
また、フランジ部91aと爪車93との間、及びメネジ部材102と爪車93との間にはそれぞれブレーキ板92,92が中空ボス部91bに軸支されている。図5は、爪車93のラチェット歯93aの形状を示すと共に、爪部材94が噛み合う様子を二点破線で示す部分的な側面図である。図6は、爪車93の全体的な形状を示す正面図である。図3、図5および図6に示すように、爪車93には、複数(たとえば14枚)のラチェット歯93aが設けられている。このラチェット歯93aには、爪部材94の先端が噛み合い、その噛み合いによって爪車93の巻き下げ方向への回転を防止するラチェット機構が構成される。
駆動軸60に巻き下げ方向に負荷が作用する場合には、メネジ部材102とブレーキ受け91のねじ締め付け作用によりメネジ部材102がブレーキ板92を押圧することで、巻き下げ方向への回転が防止されている爪車93に対しブレーキ受け91にブレーキ力が作用し駆動軸60の巻き下げ方向への回動を制動する。ハンドホイール機構100を巻き上げ方向に回動させると、爪車93は巻き上げ方向へ回転可能なので、メネジ部材102、ブレーキ板92,92、爪車93、ブレーキ受け91は一体となって駆動軸60を回動し、ロードチェーンC1を巻き上げる。ハンドホイール機構100を巻き下げ方向に回動すると、メネジ部材102とブレーキ受け91のねじ締め作用が緩和され爪車93とのブレーキ力がハンドホイール機構100の回転量に応じて開放されるので、ブレーキ受け91と駆動軸60は巻き下げ方向に回動する。
また、X2側のブレーキ板92は、フランジ部91aと後述する爪車93との間に位置し、メネジ部材102側から圧接される場合にはフランジ部91aと後述する爪車93との間に大きな摩擦力を与え、その大きな摩擦力によって爪車93に対してブレーキ受け91が一体的に回転する状態となる。なお、爪車93とメネジ部材102の間にもブレーキ板92が配置され、メネジ部材102側からの圧接によって爪車93とメネジ部材102の間に大きな摩擦力を与える。その大きな摩擦力によって、ハンドホイール機構100が回転させられた際に、そのハンドホイール機構100と爪車93とが一体的に回転する状態となる。
図3および図4に示すように、ブレーキ受け91の中空ボス部91bの外周側には、ブッシュ95が設けられ、そのブッシュ95の外周側には爪車93が設けられている。それにより、爪車93はブレーキ受け91に対して回転自在に設けられている。なお、爪車93には、爪部材94(図3参照)の先端が噛み合い、その噛み合いによって爪車93の逆転(巻き上げ方向への回転)を防止するラチェット機構が構成される。
次に、ハンドホイール機構100について説明する。図7は、ハンドホイール機構100の構成を示す斜視図である。図3、図4および図7に示すように、ハンドホイール機構100は、ハンドホイール101と、メネジ部材102と、過負荷防止機構110とを主要な構成要素としている。なお、メネジ部材102は、ブレーキ機構90の構成要素でもある。
ハンドホイール101は、リング状の部材であり、そのリング状のハンドホイール101の内周孔101bにはメネジ部材102および過負荷防止機構110が配置されている。図7に示すように、内周孔101bには、ガイド溝101b1が設けられていて、この内周孔101bに可動爪111の突出部111bが位置する。かかるガイド溝101b1の存在により、ハンドホイール101と可動爪111とが一体的に回転すると共に、軸方向(X方向)に可動爪111が移動するのがガイドされる。
また、図3および図4に示すように、ハンドホイール101には、凹陥部101cも設けられている。凹陥部101cは、軸方向(X方向)において内周孔101bの一方側(X1側)の開口付近に設けられているリング状の凹状部である。この凹陥部101cには、後述する抑え部材113が嵌め込まれる。
また、ハンドホイール101の外周側には、チェーンポケット101aが設けられている。チェーンポケット101aは、ハンドチェーンC2の金属輪C2aが嵌まり込む部分であり、当該金属輪C2aの扁平となる向きが軸線と平行となる状態で金属輪C2aが嵌め込まれる横ポケット(図示省略)と、その横ポケットよりも深溝状であり金属輪C2aの扁平となる向きが軸線と交差する状態で金属輪C2aが嵌め込まれる縦ポケット(図示省略)とを有している。かかるチェーンポケット101aに嵌まり込んでいるハンドチェーンC2を引くと、ハンドホイール101が回転する。
図8は、メネジ部材102および可動爪111を示す斜視図である。図7および図8に示すように、メネジ部材102は、フランジ部102aと、係合凹部102bと、テーパ凹壁部102cと、規制壁部102dと、円筒部102eと、先端突出部102fとを有している。フランジ部102aは、円筒部102eよりも大径に設けられている部分であり、過負荷防止機構110の可動爪111を受け止める部分となっている。フランジ部102aには、可動爪111の係合凸部111cが嵌まり込む係合凹部102bが設けられているが、係合凹部102bには、軸方向(X方向)に対して若干傾斜するテーパ凹壁部102cが設けられている。なお、係合凹部102bは第1嵌合部に対応すると共に、テーパ凹壁部102cは第1テーパ壁部に対応する。
また、後述するように、係合凸部111cにも、軸方向に対して若干傾斜するテーパ凸壁部111dが設けられていて、その傾斜角度は、テーパ凹壁部102cと同程度となっている。このため、通常は、係合凸部111cが係合凹部102bに嵌まり込んでいるが、非常に大きなトルクがハンドホイール101に作用すると、過負荷防止機構110のバネ部材112の付勢力に抗して、可動爪111の係合凸部111cが係合凹部102bから外れることで、過負荷防止機構110がその機能を果たす。
また、係合凹部102bには、テーパ凹壁部102c以外に、規制壁部102dも設けられている。規制壁部102dは、軸方向(X方向)に沿うように設けられている。また、規制壁部102dは、後述する立上がり壁部111eと当接する部分となっている。したがって、バネ部材112で付勢されている状態では、図8において可動爪111がフランジ部102aに対して反時計回りに回動し、それによって規制壁部102dに立上がり壁部111eが当接すると、可動爪111の反時計回りの回転が規制される。そのため、可動爪111は軸方向(X方向)の一方側(X1側)に移動することができない。
一方、図8において可動爪111がフランジ部102aに対して時計回りに回動してテーパ凹壁部102cにテーパ凸壁部111dが当接し、その状態で既定の回転トルク以上のトルクが作用した場合、可動爪111はバネ部材112の付勢力に抗して軸方向(X方向)の一方側(X1側)に移動可能となっている。
また、円筒部102eは、フランジ部102aよりも一方側(X1側)に位置している。この円筒部102eの内周側には、メネジ部102gが設けられていて、そのメネジ部102gには上述した雄ネジ部91c1が捻じ込まれる。また、円筒部102eよりも一端側(X1側)には、先端突出部102fが設けられている。先端突出部102fは、その外周面側にオネジ部(図示省略)が設けられていて、後述する抑え部材113のメネジ部が捻じ込まれる。また、先端突出部102fは、その先端側(X1側の端部)が、ホイルカバー30の蓋部31と近接対向している。なお、先端突出部102fは、円筒部102eのように周方向の全周に亘っては設けられておらず、周方向に間欠的に設けられている。この切欠き部分にリング部材R2の突出部が突出し、駆動軸60及びブレーキ受け91に対するメネジ部材102の相対回転を一定範囲に規制している。なお、リング部材R2の内周には駆動軸60のスプライン部63に回転不能に係合するスプライン部が形成されている。
また、過負荷防止機構110は、可動爪111と、バネ部材112と、抑え部材113とを有している。図9は、可動爪111を係合凸部111c側から見た構成を示す斜視図である。図7から図9に示すように、可動爪111は、リング状に設けられている部材である。この可動爪111は、リング状に設けられているリング本体部111aと、リング本体部111aから外径側に突出している突出部111bとを有している。なお、突出部111bは、モーメント抑制手段に対応する。
ここで、突出部111bのX2側の部位は、リング本体部111aの他方側の表面(X2側の面)よりも他方側(X2側)に向かって突出する係合凸部111cを有している。この係合凸部111cは、上述した係合凹部102bに嵌まり込む部分である。なお、係合凸部111cは、第2嵌合部に対応する。
ここで、リング本体部111aの厚みは、係合凸部111cの厚みの3倍以上の厚みがある。なお、リング本体部111aの厚みは、軸方向(X方向)におけるリング本体部111aの寸法であり、また係合凸部111cの厚みは、可動爪111を側面視したとき、係合凸部111cが軸方向(X方向)においてリング本体部111aよりも軸方向(X方向)の他方側(X2側)に向かい突出している寸法である。また、突出部111bの周方向の寸法(幅;弧状の寸法ではなく直線的な最短距離)は、上述したリング本体部111aの厚みよりも大きく設けられている。さらに、係合凸部111cを含む突出部111bの厚みは、突出部111bの周方向の寸法(幅)よりも小さく設けられている。
また、突出部111bは、リング本体部111aから外径側に突出しているが、その突出量は、係合凸部111cの厚みの2倍以上となっている。このため、過負荷防止機構110の伝達トルクに比べて、ハンドホイール101から可動爪111に伝達可能なトルクを十分確保している。
また、係合凸部111cには、上述のテーパ凹壁部102cに係合するテーパ凸壁部111dが設けられている。このテーパ凸壁部111dは軸方向に対して、たとえば30度といった角度で傾斜しているが、その傾斜角度は、可動爪111が係合凹部102bに嵌まり込んでいる状態では、軸方向に対し、上述のテーパ凹壁部102cと同程度の傾斜角度となるように設けられている。なお、テーパ凸壁部111dは第2テーパ壁部に対応する。
また、係合凸部111cには、テーパ凸壁部111dの他に、立上がり壁部111eも設けられている。立上がり壁部111eは、軸方向(X方向)と平行な角度に近い傾斜角度(たとえば7度)で傾斜するように設けられているが、軸方向に平行に設けられていても良い。上述したように、立上がり壁部111eは、規制壁部102dに当接する部分となっていて、その当接によって可動爪111の反時計回りの回転が規制され、可動爪111は軸方向(X方向)の一方側(X1側)に移動することができない。
なお、図9に示す構成では、係合凸部111cは、主として突出部111bの他方側の面(X2側の面)から突出している。また、リング本体部111aの外周面までの半径に対し、係合凸部111cの内周縁部までの半径は小さくなるように設けられている。このため、リング本体部111aの外周面までの半径よりも内側のリング本体部111aの他方側の面(X2側の面)に、係合凸部111cの一部が存在している。しかしながら、係合凸部111cは、リング本体部111aの径方向の全体に亘るように設けられていても良い。また、リング本体部111aの外径を図9に示す構成よりも大径化することで、リング本体部111aと突出部111bとを一体的な構成としても良い。
また、バネ部材112は、可動爪111と抑え部材113との間に位置していて、これら可動爪111と抑え部材113とを互いに離間させる向きの付勢力を与える。かかる付勢力は、ハンドホイール101の巻き上げ時に過負荷よりも小さい負荷(常用負荷)が作用している状態では、係合凸部111cが係合凹部102bから外れないような力であるが、過負荷が作用した場合には、係合凸部111cが係合凹部102bから外れて、ハンドホイール101が空転するような力となっている。なお、バネ部材112は付勢手段に対応する。
また、抑え部材113は、上述したようにハンドホイール101の凹陥部101cに嵌め込まれる。この抑え部材113はリング状に設けられていて、そのリング状の内周側にはメネジ部(図示省略)が設けられている。このメネジ部は、メネジ部材102の先端突出部102fのオネジ部に捻じ込まれる。そのため、抑え部材113の他方側の面(X2側の面)は、バネ部材112に当接して、そのバネ力を受け止めることが可能となっている。
このように抑え部材113でのバネ力の受け止めていることで、バネ部材112は、可動爪111に対し、メネジ部材102のフランジ部102aに押し付ける向きの付勢力を与えている。そして、非常に大きなトルクがハンドホイール101に作用すると、バネ部材112の付勢力に抗して、メネジ部材102のフランジ部102aの係合凹部102bから可動爪111の係合凸部111cが外れる。このようにして、過負荷防止機構110がその機能を果たすことを可能としている。
続いて、上フック120について説明する。上フック120は、チェーンブロック本体を構造物の係止部材やクレーンのトロリなどに着脱可能に吊り下げるための掛着手段である。図10は、チェーンブロック10のうち、ギヤカバー40を取り除いた状態を示す正面図である。図10に示すように、上フック120は、繋ぎ軸121を介して本体フレーム20に取り付けられている。そのため、本体フレーム20には、繋ぎ軸121を差し込むための差込孔24が設けられている。そして、上フック120は、この繋ぎ軸121に対して揺動可能な状態で取り付けられている。この上フック120には、不図示の付勢手段で閉じ方向に付勢されるフックラッチ122が取り付けられている。なお、繋ぎ軸121は、接続手段に対応するが、繋ぎ軸121が差し込まれる差込孔24も接続手段に対応するものとしても良い。
次に、下フック130について説明する。下フック130は、荷を掛ける部分であり、その下フック130は、ロードチェーンC1のうち、後述する留め軸140が取り付けられる側とは反対の端部側に取り付けられている。この下フック130には、その下フック130に取り付けられている荷が外れるのを防止するためのレバー131が取り付けられている。レバー131は、その一端側が上側(Z1側)に位置し、その一端側の回動軸132を支点として回動可能に設けられている。また、レバー131の他端側は下側(Z2側)に位置し、下フック130の先端側の内周に当接するように設けられている。
このレバー131は、不図示のバネによる付勢力が作用して、常に他端側が下フック130の先端側の内周に当接するように設けられている。それにより、レバー131に外力が採用しない状態では、レバー131の閉じ状態を維持することができ、レバー131が開いて荷が落下するのを防止可能となる。
なお、ロードチェーンC1のうち、下フック130が取り付けられている側とは反対側の端部は、留め軸140を介して本体フレーム20に取り付けられている。留め軸140は、本体フレーム20の軸孔25に差し込まれ、捻じ込みまたはその他の手法によって本体フレーム20に固定されている。そして、この留め軸140を介して、ロードチェーンC1が本体フレーム20から外れないように構成されている。
<チェーンブロックの作用について>
以上のような構成のチェーンブロック10を用いて、荷を上下させるときの作用について、以下に説明する。上述のチェーンブロック10で荷を上げる場合には、下フック130に荷を掛けた状態でハンドチェーンC2を巻き上げ方向に操作すると、ハンドホイール101が回転する。
このとき、ハンドホイール101は、可動爪111、バネ部材112および抑え部材113と共に一体的に回転する。また、可動爪111の係合凸部111cが、メネジ部材102の係合凹部102bに嵌まり込んでいるが、メネジ部材102のフランジ部102aには、バネ部材112の強力なバネ力により、可動爪111が押し付けられている。
ここで、巻き上げ方向への操作では、上述の過負荷よりも負荷が小さい安全負荷が作用した場合には、可動爪111はバネ部材112のバネ力に抗することができず、したがってテーパ凸壁部111dの他方側(X2側)の端部は、テーパ凹壁部102cの一方側(X1側)の端部を乗り越えられず、係合凸部111cが係合凹部102bに嵌まり込んでいる状態を維持する。しかしながら、ハンドホイール101の巻き上げ方向の操作において、過負荷が作用した場合には、テーパ凸壁部111dの他方側(X2側)の端部は、テーパ凹壁部102cの一方側(X1側)の端部を乗り越える。そのため、係合凸部111cが係合凹部102bから外れ、巻き上げ方向にハンドホイール101を操作(回転)させても、荷が上がらない空転状態となる。
なお、常用負荷が作用する場合、可動爪111とメネジ部材102とが一体的に回転する。そして、メネジ部材102のメネジ部102gと、ブレーキ受け91の雄ネジ部91c1のねじ作用により、フランジ部102aがブレーキ板92および爪車93を圧接する。そして、メネジ部材102とブレーキ受け91とが一体的に回転する。
そして、スプライン部91b3とスプライン部63のスプライン係合により、駆動軸60にブレーキ受け91から駆動力が伝達され、ピニオンギヤ62、大径ギヤ72および小径ギヤ73を経てロードギヤ74へと伝達され、ロードシーブ中空軸60が回転させられる。それにより、ロードチェーンC1が巻き上げられ、荷が上昇する。
これとは逆に、吊り上げられている荷を下ろす場合、ハンドチェーンC2を荷を上昇させるときとは逆向きに送るようにする。すると、ハンドホイール101はブレーキ板92に対する圧接を緩めることになる。この緩めた分だけ駆動軸60が荷の巻き上げ方向とは逆に回転する。それにより、荷が徐々に下げられていく。
なお、爪車93の停止状態では、爪車93の爪部(図示省略)に爪部材94の先端が噛み合う。しかも巻き上げ時にハンドチェーンC2から手を離して、荷から作用する重力によって駆動軸60を逆転させようとしても、ハンドホイール101が回転しない状態では、ハンドホイール機構100のメネジ部材102によってブレーキ板92が爪車93に押し付けられ、さらにブレーキ板92が爪車93によってブレーキ受け91のフランジ部91aに押し付けられる。それにより、荷の重力に抗するブレーキ力が与えられ、荷が下がるのが防止される。
ところで、可動爪111は、内周孔101bの内部において、その挙動の自由度が従来構成よりも高められている。この点について、従来構成の可動爪111Mと対比して説明する。図11は、比較例としての従来構成の可動爪111M(第2可動爪)を示す斜視図である。図11に示すように、従来構成の可動爪111Mでは、突出部111Mbには、リング本体部111Maよりも一方側(X1側)に向かい長く突出するガイド凸部111Mfが延伸していて、このガイド凸部111Mfが図7におけるガイド溝101b1に嵌まり込んでいる。したがって、ガイド凸部111Mfの一方側(X1側)の先端部等のようなガイド凸部111Mfの所定の部位は、ガイド溝101b1に当接する場合がある。
特に、可動爪111Mやメネジ部材102を製作する際の工作精度から、過負荷が作用した場合には、全ての(図8および図9では6つ)のテーパ凸壁部111Mdが、同時にテーパ凹壁部102cに衝突する訳ではない。すなわち、たとえば1つまたは2つといった一部のテーパ凸壁部111Mdが、テーパ凹壁部102cに衝突する状態となるのが通常である。
また、ワイヤを巻回してコイル状としたバネ部材112の他端側(X2側)の端末部は、可動爪111に対して接触する部分と、隙間を有する部分とが存在している。したがって、バネ部材112は、その周方向で均一に可動爪111Mを押圧する訳ではなく、不均一に可動爪111Mを押圧する。
このような、一部のテーパ凸壁部111Mdのみがテーパ凹壁部102cに衝突するのと、バネ部材112が不均一に可動爪111Mを押圧するのと相まって、可動爪111Mは傾斜しようとする場合がある。その場合、一部のガイド凸部111Mfに回転モーメントが作用して、ガイド凸部111Mfの先端側(X1側の端部側)が、ガイド溝101b1に対し、小面積となる状態で強く接触する虞がある。たとえば、あるテーパ凸壁部111Mdがテーパ凹壁部102cを乗り越えようとして衝突した場合、それとは周方向において所定角度離れた部位(たとえば180度離れた部位)のガイド凸部111Mfの先端側が、ガイド溝101b1の内壁に尖状となる状態で強く衝突する。いわば引っ掛かったような状態が生じる虞がある。
すなわち、この引っ掛かった状態とそうでない状態では、過負荷防止機構110の伝達可能トルクが変動することになり、規定の荷物を吊り上げることができなかったり、過負荷が作用してしまうなど、動作にばらつきが発生する可能性があり、好ましくない。
また、尖状となる接触状態でガイド凸部111Mfの先端側がガイド溝101b1に摺動するのを繰り返すと、その摺動部位が擦り減っていく。擦り減りが生じる前後では、過負荷として想定されているトルク値に対して、可動爪111がフランジ部102a(ガイド溝101b1)に対して動き始めるトルク値が、大幅に変動してしまう虞がある。
これに対して、本実施の形態の可動爪111では、上述のガイド凸部111Mfのような部位を設けない構成としている。いわば、可動爪111の外周側には、ガイド溝101b1との間の衝突で生じる回転モーメントを抑制するモーメント抑制手段が設けられた状態となっている。このため、上述のような引っ掛かりが防止される。したがって、チェーンブロック10の挙動が安定化される。また、可動爪111は、突出部111bの摺動部位が擦り減った場合でも、過負荷として想定されているトルク値に対する変動を抑制した状態で、フランジ部102a(ガイド溝101b1)に対して動き始める状態とすることが可能となっている。
また、本実施の形態では、図7に示すように、過負荷防止機構110は、メネジ部材102に、バネ部材112と、抑え部材113とを組み込んで構成されている。ここで、過負荷となる状態で巻き上げ操作したときに、メネジ部材102に対し抑え部材113は一体となっているが、可動爪111とバネ部材112は一体的ではない。このため、バネ部材112は、可動爪111の接触面(X1側の面;一方側の面)に対してスリップするか、または抑え部材113の接触面(X2側の面;他方側の面)に対してスリップするかのいずれかとなる。
一方、可動爪111とメネジ部材102の接触部位(両者の接触面や係合凸部111cや係合凹部102bが存在する部位)にはグリスが塗布されている。また、可動爪111とバネ部材112の接触部位にも、グリスが塗付されていて、可動爪111の接触部位(X1側の面;一方側の面)に対して、バネ部材112を積極的にスリップさせるようにしている。そして、可動爪111においては、図11に示すようなガイド凸部111Mfを削除しているので、バネ部材112がスリップする際の抵抗が低減されて、よりスリップし易い構成となっている。
<効果について>
以上のような構成のチェーンブロック10によると、過負荷防止機構110は、メネジ部材102と、可動爪111と、バネ部材112とを備えているが、可動爪111にはバネ部材112側に向かって突出すると共に内周孔101b(ガイド溝101b1)に当接するガイド凸部111Mf(図11参照)が存在する従来構成の可動爪111Mと比較して、回転モーメントを抑制するためのモーメント抑制手段としての突出部111bが設けられている。そして、モーメント抑制手段(突出部111b)は、ハンドホイール101に過負荷が作用した状態で、複数のテーパ凸壁部111dのうちの一部のテーパ凸壁部111dがテーパ凹壁部102cに衝突した場合に、可動爪111の外周側が内周孔101b(ガイド溝101b1)に衝突した際の可動爪111に生じる回転モーメントを抑制している。
ここで、従来構成の可動爪111Mで生じていたような、ガイド凸部111Mfの内周孔101b(ガイド溝101b1)への引っ掛かりが生じていた場合には、回転モーメントが大きくなってしまい、その引っ掛かりが開放された場合には、急激に可動爪111が動き出すことで、チェーンブロックの挙動が不安定になる。
しかしながら、本実施の形態では、上述したモーメント抑制手段(突出部111b)の存在により、従来構成の可動爪111Mで生じていたような、ガイド凸部111Mfの内周孔101b(ガイド溝101b1)への引っ掛かりが防止可能となる。そのため、回転モーメントが大きくなるのを低減可能となり、チェーンブロック10の挙動の安定化を図ることが可能となる。このため、過負荷の際に、可動爪111が動き始めるときのトルク値のバラつきを低減することが可能となる。それにより、可動爪111が動き出す際のトルク値の管理を行い易くなる。
また、いずれかのテーパ凸壁部111dが、他のテーパ凸壁部111dよりも先に、テーパ凹壁部102cに衝突した場合に、可動爪111の移動の自由度を向上させることができる。このため、引っ掛かり部位が生じて可動爪111の自由度が少ない場合とは異なり、他のテーパ凸壁部111dとテーパ凹壁部102cとの間での衝突によりトルク値を管理することが可能となる。
また、本実施の形態では、第1嵌合部は凹状の係合凹部102bであり、第1テーパ壁部は係合凹部102bの内壁の一部を構成すると共にフランジ部102aの周方向に沿って傾斜しているテーパ凹壁部102cとなっている。また、第2嵌合部は凸状であると共に係合凹部102bに嵌合する係合凸部111cであり、第2テーパ壁部は係合凸部111cの外壁の一部を構成すると共に可動爪111の周方向に沿って傾斜しているテーパ凸壁部111dとなっている。
ここで、凹状の部分を可動爪111に設ける場合、フランジ部102aのようにリング本体部111aを大径化したり、厚肉化する必要が生じる。しかしながら、可動爪111には凹状の部分が存在しなく、凸状の係合凸部111cが存在している。そのため、リング本体部111aを大径化したり、厚肉化せずに済む。また、可動爪111の厚肉化を防止できるので、モーメント抑制手段としての突出部111bにおいて、一層の回転モーメントの低減が可能となる。
さらに、本実施の形態では、可動爪111は、リング状のリング本体部111aを備えていて、モーメント抑制手段は、リング本体部111aから外径側に突出する突出部111bとしている。このため、モーメント抑制手段の構成を簡素化することができる。また、構成の簡素化により、可動爪111の動きの自由度を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、リング本体部111aのバネ部材112側の表面は、突出部111bのバネ部材112側の表面と面一に設けられている。このため、可動爪111が傾斜する等して自由に動いた場合でも、バネ部材112は、その傾斜等のような動きに追従して、リング本体部111aまたは突出部111bの表面側のいずれかの部位を押圧できる。また、突出部111bが一方側(X1側)に突出する場合と比較して、突出部111bの引っ掛かりを小さくすることができ、一方側(X1側)での回転モーメントを小さくすることが可能となる。
また、本実施の形態では、可動爪111には、ハンドホイール101の内周孔101bに回動不能な状態でスライド可能に係合する突出部111bが設けられている。この突出部111bは、軸方向(X方向)の長さ(厚み)よりも、周方向の長さ(幅)の方が大きく設けられている。したがって、可動爪111の軸方向(X方向)に直交する面(XY面)に対する傾きが規制されずに可動爪111の移動の自由度を確保することができると共に、ハンドホイール101から可動爪111への伝達トルクを十分に確保することができる。
<変形例>
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、第1嵌合部は凹形状の係合凹部102bとなっていて、第2嵌合部は凸形状の係合凸部111cとなっている。しかしながら、第1嵌合部は凸形状に設けると共に、第2嵌合部は凹形状に設けるように構成しても良い。
また、上述の実施の形態では、モーメント抑制手段として突出部111bが対応している。しかしながら、たとえば弾性的な樹脂等のガイド部材をガイド凸部111Mfに代えて取り付けることで、このガイド部材が突出部111bと共にモーメント抑制手段に対応するように構成しても良い。
10…チェーンブロック、20…本体フレーム、21…本体フレーム、22…連結フレーム部、23…ギヤ側フレーム部、23a…底部、23b,23b1…外周壁部、23b2,261a,262a…端面、24…差込孔、25…軸孔、27…内周壁部、27a…内壁面、28…フランジ部、30…ホイルカバー、40…ギヤカバー、41…軸受固定孔、42…蓋側底部、43…蓋側外周壁部、45…蓋側内周壁部、45a…内壁面、50…ロードシーブ中空軸、51…ロードシーブ、60…駆動軸、62…ピニオンギヤ、70…減速機構、71…減速ギヤ部材、72…大径ギヤ、73…小径ギヤ、74…ロードギヤ、90…ブレーキ機構、91…ブレーキ受け、92…ブレーキ板、93…爪車、94…爪部材、95…ブッシュ、100…ハンドホイール機構、101…ハンドホイール、101b…内周孔、101b1…ガイド溝、102…メネジ部材、102a…フランジ部、102b…係合凹部(第1嵌合部に対応)、102c…テーパ凹壁部(第1テーパ壁部に対応)、102d…規制壁部、102e…円筒部、102f…先端突出部、102g…メネジ部、110…過負荷防止機構、111…可動爪、111a…リング本体部、111b…突出部(モーメント抑制手段に対応)、111c…係合凸部(第2嵌合部に対応)、111d…テーパ凸壁部(第2テーパ壁部に対応)、111e…立上がり壁部、111M…可動爪(第2可動爪に対応)、111Mf…ガイド凸部、112…バネ部材(付勢手段に対応)、113…抑え部材、120…上フック、121…繋ぎ軸(接続手段に対応)、130…下フック、140…留め軸、S1,S2…内部空間、S21…上方空間部、S22…下方空間部、SB1,SB2…ボルト


Claims (5)

  1. ハンドチェーンが掛け回されているハンドホイールに過負荷が作用した場合に、ハンドホイールをロードシーブ中空軸に対して空転させる過負荷防止機構を備えるチェーンブロックであって、
    前記過負荷防止機構は、
    前記ハンドホイール側から駆動力が伝達された場合に前記ロードシーブ中空軸に向けて駆動力を伝達し、フランジ部を備え、このフランジ部に第1嵌合部が複数設けられていると共に、当該第1嵌合部に軸方向に傾斜している第1テーパ壁部が存在するメネジ部材と、
    前記ハンドホイールの内周孔に配置される付勢手段と、
    前記ハンドホイールと一体的に回転する状態で前記内周孔に配置され、該ハンドホイール側から駆動力が伝達された場合に前記メネジ部材へと駆動力を伝達すると共に、前記第1嵌合部と嵌合する複数の第2嵌合部を備え、その第2嵌合部に前記第1テーパ壁部と衝突する第2テーパ壁部が設けられ、前記付勢手段からの付勢力によって前記フランジ部に押圧される可動爪と、
    を備え、
    前記可動爪には、前記付勢手段側に向かって突出すると共に前記内周孔に当接するガイド凸部が存在する従来構成の第2可動爪と比較して、回転モーメントを抑制するためのモーメント抑制手段が設けられていて、
    前記モーメント抑制手段は、前記ハンドホイールに過負荷が作用した状態で、複数の前記第2テーパ壁部のうちの一部の該第2テーパ壁部が前記第1テーパ壁部に衝突した場合に、前記可動爪の外周側が前記内周孔に衝突した際の該可動爪に生じる回転モーメントを抑制している、
    ことを特徴とするチェーンブロック。
  2. 前記第1嵌合部は凹状の係合凹部であり、前記第1テーパ壁部は該係合凹部の内壁の一部を構成すると共に前記フランジ部の周方向に沿って傾斜しているテーパ凹壁部であると共に、
    前記第2嵌合部は凸状であると共に前記係合凹部に嵌合する係合凸部であり、前記第2テーパ壁部は該係合凸部の外壁の一部を構成すると共に前記可動爪の周方向に沿って傾斜しているテーパ凸壁部である、
    ことを特徴とする請求項1記載のチェーンブロック。
  3. 前記可動爪は、リング状のリング本体部を備えていて、
    前記モーメント抑制手段は、前記リング本体部から外径側に突出する突出部である、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のチェーンブロック。
  4. 前記リング本体部の前記付勢手段側の表面は、前記突出部の前記付勢手段側の表面と面一に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のチェーンブロック。
  5. ハンドチェーンが掛け回されているハンドホイールに過負荷が作用した場合に、ハンドホイールをロードシーブ中空軸に対して空転させる過負荷防止機構を備えるチェーンブロックであって、
    前記過負荷防止機構は、
    前記ハンドホイール側から駆動力が伝達された場合に前記ロードシーブ中空軸に向けて駆動力を伝達し、フランジ部を備え、このフランジ部に第1嵌合部が複数設けられていると共に、当該第1嵌合部に軸方向に傾斜している第1テーパ壁部が存在するメネジ部材と、
    前記ハンドホイールの内周孔に配置される付勢手段と、
    前記ハンドホイールと一体的に回転する状態で前記内周孔に配置され、該ハンドホイール側から駆動力が伝達された場合に前記メネジ部材へと駆動力を伝達すると共に、前記第1嵌合部と嵌合する複数の第2嵌合部を備え、その第2嵌合部に前記第1テーパ壁部と衝突する第2テーパ壁部が設けられ、前記付勢手段からの付勢力によって前記フランジ部に押圧される可動爪と、
    を備え、
    前記可動爪には、前記ハンドホイールの前記内周孔に回動不能な状態でスライド可能に係合する突出部が設けられていて、該突出部は、軸方向の長さより周方向の長さが大きい、
    ことを特徴とするチェーンブロック。
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