JP4573600B2 - 巻上機における過負荷防止装置 - Google Patents

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本発明は、チェーンブロック等の巻上機における過負荷防止装置に関する。
従来より、ロードシーブを駆動する駆動軸と、駆動軸に固定された受圧部材と、駆動軸に進退可能に螺合された押圧駆動部材と、押圧駆動部材に回転可能に嵌合され、ハンドホイール等の駆動輪の駆動を押圧駆動部材に伝達する回転駆動部材を備えた巻上機は公知である。このような巻上機において、吊荷の制限荷重の調整を容易にし、かつ、過負荷状態になった場合にも、巻き降しを容易に行うための過負荷防止装置として、押圧駆動部材と回転駆動部材に対して付勢力を付与する皿バネを備えたものが知られている。(例えば、特許文献1参照)
以下、特許文献1に記載された過負荷防止装置について、図7及び図8を参照して説明する。
図7は、従来の巻上機を示す正面図、図8は、巻上機の過負荷防止装置の主要部を示す分解斜視図である。図7において、ロードシーブ21には駆動軸22が回転可能に挿通されている。駆動軸22には、ネジ部22aが形成され、ネジ部22aには、ロードシーブ21に近い方から、受圧部材24と駆動部材30とが螺合されており、受圧部材24はネジ部22aの最内部までねじ込まれて駆動軸22に固定されている。受圧部材24は、大径のディスク部24aと小径のボス部24bとを同心に有しており、ボス部24bには、一対の摩擦部材29、29に挟まれて逆転防止輪27が外嵌されている。逆転防止輪27とその両側に配設された摩擦部材29、29とは、駆動部材30により受圧部材24のディスク部24aに押圧可能に構成されている。逆転防止輪27は、その外周に円周方向の一方へ傾斜する係止歯27aを備えており、その係止歯27aが側板に枢支されたラチェット爪28と係合することにより、逆転防止輪27は逆転が防止され、駆動軸に対して一方向、すなわち巻上方向にのみ回転可能としている。また、駆動部材30のフランジ部30aの軸方向先端面であって、大径のボス部30bにより外側の円盤面部には同一形状の係止歯30cが形成されている。駆動部材30の大径のボス部30bには、回転駆動部材32が外嵌されており、回転駆動部材32の軸方向基端面には、駆動部材30の係止歯30cと係合可能な係止歯32aが軸方向基端側に突き出して形成されている。回転駆動部材32の各係止歯32aは、駆動部材30の係止歯30c間に形成された凹溝と略適合した形状に形成されている。回転駆動部材32の外周部には、ハンドホイール34が外嵌されている。回転駆動部材32の駆動部材30に対する位置決めは、駆動部材30の先端側の小径のボス部30dのねじ部に、円板状の回転制限部材35及び付勢手段である皿バネ33を介して、ナット36をねじ込むことにより行われる。回転制限部材35の内周部には、略短形状の係合凸部35aが径方向内側に複数個突出形成されている。回転制限部材35は、駆動部材30に対し周方向への相対移動が規制されるが、軸方向移動は可能とされている。皿バネ33は、回転制限部材35を介して、回転駆動部材32を軸方向基端方向(駆動部材30の側)に押圧するよう付勢力を作用させる。
次に、この実施例の巻上機の使用について説明する。まず、ナット36がねじ込まれ、付勢手段である皿バネ33が回転制限部材35を軸方向基端側に押圧する。回転制限部材35は回転駆動部材32に接触しているから、回転駆動部材32を駆動部材30の側に付勢する。このとき、駆動部材30の係止歯30cと、回転駆動部材32の係止歯32aとが互いに係合している。ロードシーブ1に巻掛けられたロードチェーンに、制限荷重以下の負荷が吊り下げられている場合には、ハンドホイール34を操作して回転駆動部材32を回転させると、回転は係止歯32a、30cを介して、駆動部材30に伝達され、駆動部材30で受圧部材23を押圧して回転させ、荷を巻き上げることができる。これに対し、過負荷の荷が吊り上げられている場合に、ハンドホイール34で回転駆動部材32を回転させると、回転駆動部材32は、皿バネ33の付勢力に抗して軸方向先端側に押し戻されつつ、係止歯32aの巻上時押圧面が駆動部材30の係止歯30cの巻上時押圧面に沿って押し上げられ、回転駆動部材32の係止歯32aは、駆動部材30の係止歯30cを乗り越え、皿バネ33の付勢力により、駆動部材30の係止歯30cの間の次の溝に収まって係合される。このように、過負荷状態でハンドホイール34を巻上方向に回転させると、駆動部材30は回転しないが、回転駆動部材32のみが回転して、駆動部材30を正転させることができず、過負荷の吊上げ(巻き上げ)が防止される。
特許第309629号明細書(3〜5頁、図1、2参照)
しかしながら、従来の巻上機における過負荷防止装置では、付勢手段と付勢手段を押圧するナットを駆動部材上に積層している構造としているので、巻上機を小形化するためには、付勢手段として皿バネ等の小ストロークの付勢手段を用いざるを得ず、そのため、付勢手段の軸方向のストロークが小さく、係止歯の高さも皿バネのストロークに合わせて小さいものとなり、係止歯の高さに精度を持たせるためには、機械加工等が必要で、コスト高となり、さらに、係止歯の高さが低いため、製造公差を一定とした場合、係止歯の高さが高い歯に比べて、歯の高さに対する製造公差の誤差の割合が大きくなるため、スリップ荷重のばらつきが大きくなり、製品の品質安定性を損なうこととなる。また、巻上機の出荷時にスリップ荷重をある値以下に調整することが必要となるが、ストロークが小さいため、調整範囲も微小となり、調整が困難で熟練を有していた。また、係止歯を一定の高さのものとする場合には、高ストロークのばねが必要であり、その場合は、皿バネを何層にも重層することを要し、その結果巻上機が大型化することとなる。
上記課題を解決するため、本発明の巻上機における過負荷防止装置は、ロードシーブを駆動する駆動軸と、駆動軸に外装された受圧部材と、内側端面に突起と、内側周面に回転駆動部材の嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部を有するハンドホイールと、前記ハンドホイールからの駆動力を受圧部材を介して駆動軸に伝達する駆動部材と、前記駆動部材と係合し、背面に突起と、周面上にハンドホイールに設けた嵌合凹部と嵌合する嵌合凸部を有する回転駆動部材と、一端が回転駆動部材の背面に設けた突起に嵌合係止され、他端がハンドホイールの内側端面に設けた突起に嵌合係止され、駆動部材の軸方向に沿って装着され、回転駆動部材を付勢するコイルバネからなる弾性部材を備えた巻上機における過負荷防止装置である。
また、駆動部材は、円盤状のフランジとボス部を備え、フランジ部は回転駆動部材に備えた係合歯を噛合する係合歯を有し、ボス部先端には、ハンドホイールの端面と係着する係止用フランジを有することを特徴とする。
本発明によれば、弾性部材は、ハンドホイールの厚みを利用して、厚み分のストローク間隔を得ることができるため、装置を大型化することなく、ストロークの大きな弾性部材を用いることができ、また、ストロークの大きさに応じて、係合歯の高さも大きくすることができるため、係合歯の高さに対する製造公差の誤差の割合いを小さくでき、スリップ荷重のばらつきを抑制することができ、巻上機の出荷時における調整も不要となる効果を有する。
さらに、駆動部材、回転駆動部材、弾性部材から構成される過負荷防止装置は、駆動部材の端部に設けた係止用フランジを操作手段の端面に係着して、操作手段と一体的に装着できるため、操作手段に過負荷防止装置を容易に位置決めして組立てることができる。
さらに、従来の過負荷防止装置では、付勢手段として皿ばねを用いていたため、軸方向のストロークが小さく、そのため、係合歯の高さも小さいものであったが、本発明では、弾性部材に操作手段の厚み分のストロークを得ることができるため、従来装置の課題をすべて解決できる過負荷防止装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態1の巻上機について図1〜5を参照しながら説明する。図1は、実施の形態1の巻上機の正面図、図2は、図1における要部拡大図、図3は、過負荷防止装置を内設したハンドホイールのハンドホイールの外側斜視図、図4は図3の内側(受圧部材側)斜視図、図5は図3の分解斜視図である。図において、1はロードシーブ、2はロードシーブ1に回転可能に軸支された駆動軸、2aはセレーション部5aの嵌合部、3aは減速ギヤ、3bはロードギヤ、5は受圧部材4と駆動軸2間に介装され、内側に駆動軸2のセレーション部2aと係合するセレーション部5aを備えたスライダである。6は操作ニギリ、7はワンウエイクラッチ板、8はワンウエイクラッチローラ、9はブレーキ板、10は駆動部材、10aは駆動部材のメネジ部、10bは、駆動部材10のフランジ部で、端面は円盤形状である。10cはボス部、10dはフランジ部10bのハンドホイール側円盤面に形状された係合歯、10eはボス部10cの端部に設けられ駆動部材10をハンドホイール14に一体的に係止する係止用フランジ、10fは係止時に、後記するストライカ16が嵌合する係止溝である。12は駆動部材10のボス部10cに嵌合する回転駆動部材で、駆動部材側の端面には、駆動部材10の係合歯10dと噛合する係合歯12aと、反対側には、後記するバネが嵌合係止される突起を備える。回転駆動部材の外周には、後記するハンドホイール14の嵌合凹部14bに嵌合する嵌合凸部12cを備える。13は一端が回転駆動部材12の突起12bに嵌合係止され、他端が後記するハンドホイール14の突起14aに嵌合係止され、回転駆動部材12を駆動部材10側に付勢するコイルバネである。14は操作手段であるハンドホイールで、ハンドホイール14に備えられた内側端面14fと、前記内側端面14fにコイルバネ13を嵌合係止する突起14aと、内側内周に、回転駆動部材12の嵌合凸部12cが嵌合する嵌合凹部14bと、駆動部材10の係止用フランジ10e挿通用の挿入溝14cと、後述するストライカ16をハンドホイールの径方向外側への抜け止めのための保持凸部14dと、内側端面14fの裏側でハンドホイールの側方に形成された平坦状の端面14eを備える。コイルバネ13は、ハンドホイール14のチェーンガイド溝15と、駆動部材10との間で、軸方向に沿って配設される。15はハンドホイール14の外周面に形成され、ハンドチェーンを巻回するチェーンガイド溝、16はストライカである。ストライカ16は、駆動部材10、回転駆動部材12、コイルバネ13を一体としてハンドホイールに嵌合係着する場合に、ハンドホイール14の端面側に突出させた駆動部材10の係止用フランジ10eとハンドホイール14の端面14e間で、駆動部材10の係止用溝10fと保持凸部14d間に嵌合し、駆動部材10とハンドホイール14を一体的に係着するもので、2個に分割されたリング状部品である。巻上機の駆動、制動部分は、ハンドホイール14に回転駆動部材12を介して連結した駆動部材10、受圧部材4、ワンウェイクラッチ板7、ワンウェイクラッチローラ8、ブレーキ板9から構成され、いわゆるメカニカルブレーキを構成している。通常動作時には、ハンドホイール14の回転駆動力は、ハンドホイール14に内設されている回転駆動部材12、駆動部材10、受圧部材4、スライダ5を介して、駆動軸2に伝達される。スライダ5は、駆動軸2に対して軸方向に所定範囲でスライド可能に嵌挿されている。駆動部材10の内側にはメネジ10aが螺設されており、該メネジ10aは受圧部材4の外周に設けたネジに螺合している。受圧部材4の外周には、ブレーキ板9が同軸上に回転可能に備えられ、ブレーキ板9は、受圧部材4の一端に形成された受圧部と駆動部材10間に一対で設けられており、受圧部材4に対しては回転可能に設けられている。また、ブレーキ板9、9間には、同様に受圧部材4の外周に同軸上で回転可能に備えられたワンウェイクラッチ板7とクラッチ板7の凹部(図示せず)に備えられローラバネ(図示せず)によってワンウェイクラッチローラ接合孔(図示せず)と内接するワンウェイクラッチローラ8が設けられている。
また、受圧部材4は、スライダ5と回転伝達可能で、かつ、スライダ5を軸方向にスライド可能に嵌合しており、また、スライダ5の内側には、嵌合部であるセレーション5aが設けられており、該セレーション5aは、駆動軸2の外側に設けたセレーション部2aと軸方向にスライド可能に嵌合している。スライダ5は駆動軸2のセレーション部2aとセレーション部2aより小径の空転部2b間で軸方向にスライドし、セレーション5aが空転部2bへ移動すると、セレーション部2aとの係合は解除され、スライダ5の先端突起部(図示せず)がロードシーブの嵌合部(図示せず)と係合し、スライダ5の回転力が直接ロードシーブ1に伝達され、高速巻上下駆動の切替え動作が行われる。
次に、本実施の形態による駆動力切替え動作についてさらに詳しく説明する。通常操作時において、スライダ5のセレーション部5bは、駆動軸2のセレーション部2aと係合し、ハンドホイール12の回転は、回転駆動部材12、駆動部材10、受圧部材4、スライダ5を介して駆動軸2にのみ伝達され、駆動軸2から減速ギヤ3aを含む減速機溝を介して、ロードシーブ1に伝達され、ロードシーブ1を減速駆動する。
次に、無負荷時に高速操作へ切換える場合は、操作ニギリ6を押圧すると、スライダ5は駆動軸2の空転部2bに移動し、セレーション部2aとの係合が解除され、スライダ5を介して駆動軸2への駆動力の伝達を中断し、ハンドホイール14から、回転駆動部材12、駆動部材10、受圧部材4、スライダ5を介して、減速装置を介さずに直接ロードシーブ1を回転するため、ロードシーブ1は高速回転される。
次に、本実施の形態の巻上機における過負荷防止装置の作用について説明する。ハンドホイール14には、コイルバネ13、回転駆動部材12、駆動部材10が内設されており、コイルバネ13は回転駆動部材12を軸方向すなわち駆動部材10側に付勢している。回転駆動部材12は、ハンドホイール14と凹凸嵌合により、回転方向には一体的に回転し、軸方向にはスライド可能に連結している。駆動部材10は、ハンドホイール14に対しては、回転可能に嵌合しており、回転駆動部材12とは、係合歯10d、12aが噛合し、回転駆動部材12と一体的に回転できるように連結している。
ハンドホイール14を操作して、回転駆動部材12を回転させると、係合歯12a、10dを介して、駆動部材10を回転し、駆動部材10は受圧部材4を押圧して回転させる。受圧部材4の内側には、スライダ5が一体回転可能で、かつ軸方向にスライド可能に凹凸嵌合しており、受圧部材4の回転は、スライダ5を介して、スライダ5とセレーション部5a、2aにより嵌合している駆動軸2を回転し、駆動軸2から、減速ギヤ3a、ロードギヤ3bを介して、ロードシーブ1を回転し、荷の巻き上げを行う。
この荷の巻き上げ動作時に、過負荷状態で荷が吊上げられ、ハンドホイールに所定値以上のトルクが加わった場合に、ハンドホイール14で回転駆動部材12を回転させると、回転駆動部材12は、コイルバネ13の付勢力に抗して、軸方向に押し戻されつつ、回転駆動部材12の係合歯12aは駆動部材10の係合歯10dの歯面に沿って押し上げられ、回転駆動部材12の係合歯12aは、駆動部材10の係合歯10dを乗り越え、コイルバネ13の付勢力により、駆動部材10の次の係合歯10dと噛合し、この動作が継続して行われる。
このように、過負荷状態では、ハンドホイール14を巻上げ方向に回転させると、回転駆動部材12は回転するが、回転駆動部材12の係合歯12aは、駆動部材10の係合歯10dの歯面をスライドして乗り越え、空転するため、回転駆動部材12の回転は、駆動部材10には伝達されず、過負荷時の巻き上げ動作が防止される。
本実施の形態は、前記したように、駆動部材10のボス部10cに回転駆動部材12が嵌装されており、一端が回転駆動部材12の背面の円周上で、他端がハンドホイール14のチェーンガイド溝15に接近したハンドホイール内周部で、回転駆動部材12の背面とハンドホイール14の内側端面間に、コイルバネ13を嵌装し、回転駆動部材12を押圧する弾性部材を駆動部材10のボス部10c上でナットにて係止していた従来装置に対して、駆動部材10の係止用フランジ10eをハンドホイール14の端に突出させ、前記フランジ10eとハンドホイールの端面14e間にストライカー16を挿入して係止するようにしたので、コイルバネ13はハンドホイール14の厚みを利用して、厚み分のストローク間隔を有するものを用いることができるため、装置を大型化することなく、大きなストロークを得ることができ、ストロークの大きさに応じて、係合歯の高さも大きくすることができるため、係合歯の高さに対する製造公差の誤差の割合いが小さくなり、スリップ荷重のばらつきを抑制することができ、巻上機の品質を安定させ、さらに、スリップ荷重のばらつきが抑制されるため、巻上機の出荷時における調整も不要となり、バネ力の調整用のナットが不要となる。
さらに、駆動部材10、回転駆動部材12、コイルバネ13から構成される過負荷防止装置は、駆動部材10の端部に設けた係止用フランジ10eとハンドホイール14の端面14e間にストライカ16を挟むことによって、ハンドホイール14と一体的に装着されるため、ハンドホイール14に過負荷防止装置を容易に位置決めして組立てることができる。
さらに、従来の過負荷防止装置では、付勢手段として皿ばねを用いざるを得ないため、軸方向のストロークが小さく、そのため、係合爪の高さもストロークの高さに合わせて小さいものとなり、係合爪の高さに精度を持たせるためには、機械加工等が必要で、コスト高となる。さらに、係合爪の高さが低いため、爪の高さを高くしたものと比べて製造公差を同一とした場合、爪の高さに対する製造公差の誤差の割合が大きくなるため、スリップ荷重のばらつきが大きくなり、製品の品質安定性を損なうこととなる。また、巻上機の出荷時にスリップ荷重をある値以下に調整することが必要となるが、ストロークが小さいため、調整範囲も微小となり、調整が困難で熟練を要していた。また、係合爪を一定の高さのものとする場合には、高ストロークのばねが必要であり、その場合は、皿バネを何層にも重層することを要し、その結果、巻上機が大型化することとなる。しかし、本実施の形態では、前記した通りコイルバネ13は、ハンドホイール14の厚みを利用して、装着されているので、ハンドホイールの厚み分のストローク間隔を得ることができるため、装置を大型化することなく、ストロークの大きなバネ部材を用いることができる。また、ストロークの大きさに応じて、係合歯の高さも大きくすることができるため、係合爪の高さに対する製造公差の誤差の割合いが小さくなり、スリップ荷重のばらつきを抑制することができ、巻上機の品質を安定させ、さらに、スリップ荷重のばらつきが抑制されるため、巻上機の出荷時における調整も不要となるという、従来装置に比して顕著な作用効果を有する。
(実施例2)
図6は、本発明の過負荷防止装置を搭載した他の形態の巻上機の全体概要図である。図6において、1はロードシーブで、駆動軸2が回転可能に挿着され、ロードシーブ1は、駆動軸2、減速ギヤ3a、ロードギヤ3bを介して駆動される。駆動軸2は、ブレーキ側に嵌合部2cと、ネジ部2dを備え、該嵌合部2cに、受圧部材4が嵌合しており、該ネジ部2dに駆動部材10が螺合している。受圧部材4は、ボス部4aを有し、該ボス部4aには、爪車7bを挟んで一対のブレーキ板9、9が外嵌されている。爪車7bは、外周に係止歯を備え、該係止歯は巻上機本体に取設された爪8bと係合しており、爪車7bの逆転が防止され、巻上方向のみ回転可能とするメカニカルブレーキを構成している。
また、爪車7bとブレーキ板9、9は駆動部材10により押圧されると、受圧部材4を押圧し、駆動部材10の回転を受圧部材4を介して駆動軸2に伝達する。駆動部材10は、フランジ部10bとボス部10cを備え、フランジ部10bのハンドホイール側の円盤面には、同一形状をした係合歯10dが形成されている。また、ボス部10cには、回転駆動部材12が外嵌されており、該回転駆動部材12の駆動部材10側のフランジには、駆動部材10の係合歯10dと係合する係合歯12aが形成されている。その他、駆動部材10、回転駆動部材12、バネからなる過負荷防止装置の構成は、図5に示す実施例1と同じであり、説明を省略する。前記した実施例の他に、本実施の形態の過負荷防止装置は、レバーブロックやその他の巻上機に適用することができる。また、弾性部材としてコイルバネを用いたが、同じ作用を有するものたであれば、コイルバネに限定されない。
本発明の過負荷防止装置は、装置を大型化することなく、ストロークの大きい弾性部材を装着することができるため、巻上機等の過負荷防止装置として特に好適である。
本発明の実施の形態1の巻上機の正面図。 図1の要部拡大図。 過負荷防止装置を内設したハンドホイールの外側斜視図。 図3の内側(受圧部材側)斜視図。 図3の分解斜視図。 実施の形態2の巻上機の正面図。 従来の巻上機の正面図。 従来の過負荷防止装置の分解斜視図。
符号の説明
1 ロードシーブ
2 駆動軸
2a 嵌合部
2b 空転部
2c 嵌合部
2d ネジ部
3a 減速ギヤ
3b ロードギヤ
4 受圧部材
4a ボス部
5 スライダ
5a セレーション
6 操作ニギリ
7 ワンウエイクラッチ板
7a 凹部
7b 爪車
8 ワンウエイクラッチローラ
8a ローラバネ
8b 爪
9 ブレーキ板
10 駆動部材
10a メネジ
10b フランジ
10c ボス部
10d 係合歯
10e 係止用フランジ
10f 係止溝
12 回転駆動部材
12a 係合歯
12b 突起
12c 嵌合凸部
13 バネ
14 ハンドホイール
14a 突起
14b 嵌合凹部
14c 挿入溝
14d 保持凸部
14e 端面
14f 内側端面
15 チェーンガイド溝
16 ストライカ
17 上フック
















Claims (2)

  1. ロードシーブを駆動する駆動軸と、駆動軸に外装された受圧部材と、内側端面に突起と、内側周面に回転駆動部材の嵌合凸部が嵌合する嵌合凹部を有するハンドホイールと、前記ハンドホイールからの駆動力を受圧部材を介して駆動軸に伝達する駆動部材と、前記駆動部材と係合し、背面に突起と、周面上にハンドホイールに設けた嵌合凹部と嵌合する嵌合凸部を有する回転駆動部材と、一端が回転駆動部材の背面に設けた突起に嵌合係止され、他端がハンドホイールの内側端面に設けた突起に嵌合係止され、駆動部材の軸方向に沿って装着され、回転駆動部材を付勢するコイルバネからなる弾性部材を備えた巻上機における過負荷防止装置。
  2. 駆動部材は、円盤状のフランジとボス部を備え、フランジ部は回転駆動部材に備えた係合歯と噛合する係合歯を有し、ボス部先端には、ハンドホイールの端面と係着する係止用フランジを有することを特徴とする請求項1記載の巻上機における過負荷防止装置。
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