JP2017196921A - サスペンション装置 - Google Patents

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【課題】電動モータの小型化を可能とするサスペンション装置の提供である。【解決手段】本発明におけるサスペンション装置S1は、ダンパDと、容量の変更可能なポンプ4と、ポンプ4を駆動する電動モータ13と、リザーバRと、ポンプ4の吐出側に接続される供給路5と、リザーバRに接続される排出路6と、ダンパDの伸側室R1に接続される伸側通路7と、ダンパDの圧側室R2に接続される圧側通路8と、方向切換弁9と、供給路5の圧力を制御する電磁弁Vとを備えて構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、サスペンション装置に関する。
この種のサスペンション装置としては、たとえば、車両の車体と車軸との間に介装されるアクティブサスペンションとして機能するものがある。具体的には、シリンダとシリンダ内に移動自在に挿入されてシリンダ内に圧力室を区画するピストンを備えたサスペンション本体と、油圧ポンプと、サスペンション本体内の圧力室と油圧ポンプとを接続する油路と、油路の途中に設けられて油路を開閉する電磁開閉弁と、圧力室の圧力を制御する電磁圧力制御弁とを備えて構成されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平9−240241号公報
前記したサスペンション装置にあっては、ポンプが一つしかないのでシリンダ内で要求される圧力と流量の油を一つのポンプから吐出しなければならない。
したがって、このようなポンプを電動モータで駆動するようにした場合、電動モータには大トルクを出力可能なものを選定する必要があり、電動モータの大型化を招いてしまう。
より詳細には、アクティブサスペンションでは、一般的にスカイフック制御等の乗心地制御とともに、アンチロール、アンチダイブ、アンチスクワット制御等の姿勢制御が行われる。
乗心地制御では、路面からの入力によるサスペンション本体の伸縮に対して液体の給排が行われる。乗心地制御では、路面のうねり等によって周波数が低く振幅が大きいばね上共振周波数域で車体が振動する場合、シリンダ内に大きな圧力の油を送り込む必要があるが、サスペンション本体の伸縮速度は比較的低く、ポンプからの吐出流量も小さくて済む。また、路面の凹凸や突起等を車両が乗り越える場合、サスペンション本体が高周波かつ高速で伸縮するので、ポンプには大きな吐出流量が求められるが、この場合、路面からの振動入力を車体に伝達しにくくするためシリンダ内で要求する圧力は低くなる。よって、乗心地制御でポンプが要求される流量と圧力との範囲は、図7の(1)および(3)で示される範囲となる。
他方、姿勢制御では、サスペンション本体はさほど伸縮しないので、ポンプの吐出流量は小さくて済む。しかし、車体に作用する慣性力に打ち勝って車体の姿勢変化を抑制するにはサスペンション本体が発生する力を大きくしなくてはならないので、一般的に、ポンプに要求される吐出圧力も乗心地制御に比較して大きくなる。よって、姿勢制御でポンプが要求される流量と圧力の範囲は、図7の(2)および(3)で示される範囲となる。
一般に電動モータは使用可能な最大回転数Nmax(1秒当たりの回転数)が定められている。そして、ポンプの最大流量をQmax(1秒当たりの吐出流量)とすると、ポンプ1回転当たりの吐出流量(押しのけ体積)Vpは、Vp=Qmax/Nmaxで示される。
ポンプの最大吐出圧をPmaxとすると、この圧力に対抗してポンプを回転させるのに必要なトルクTmaxは、Tmax=Vp・Pmax/(2π)となる。
図7に示したように、サスペンション装置にあっては、ポンプが最大流量でかつ最大吐出圧の油を吐出しなければならない状況は発生しないにも関わらず、固定容量ポンプではVpが最大流量Qmaxで決定されてしまう。そのため、ポンプを駆動する電動モータには必然的に大きなトルクを発生するもの利用しなくてはならなくなり、電動モータの大型化を招いてしまう。
そこで、前記問題を改善するために創案されたものであって、その目的は、ポンプを電動モータで駆動するサスペンション装置にあっても電動モータを小型化可能とする点にある。
前記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段におけるサスペンション装置は、ダンパと、容量の変更可能なポンプと、ポンプを駆動する電動モータと、リザーバと、ポンプの吐出側に接続される供給路と、リザーバに接続される排出路と、ダンパの伸側室に接続される伸側通路と、ダンパの圧側室に接続される圧側通路と、方向切換弁と、供給路の圧力を制御する電磁弁とを備えて構成される。このようにサスペンション装置を構成すれば、乗心地制御等の流量は要するが高圧力が要求されない場面ではポンプの容量を大きくしてポンプの吐出流量を確保でき、姿勢制御等の流量を必要としないが高圧力が要求される場面ではポンプの容量を小さくしてポンプの吐出圧力を確保できる。
請求項2のサスペンション装置では、ポンプが第一ポンプと第二ポンプを有するタンデムポンプであり、前記第二ポンプをアンロードするアンロード回路を備えて構成されている。そのため、目標圧力が高い場合にアンロード回路で第二ポンプをアンロードすれば、簡単にポンプの容量の変更を行える。
請求項3のサスペンション装置では、ポンプの容量を変更する容量制御回路を備えて構成されているので、目標圧力が高い場合に容量制御回路でポンプの容量を簡単に変更できる。
本発明のサスペンション装置によれば、電動モータの小型化が可能となる。
第一の実施の形態におけるサスペンション装置を示した図である。 サスペンション装置を車両の車体と車輪との間に介装した図である。 サスペンション装置をアクティブサスペンションとして機能させた場合の推力の特性を示した図である。 サスペンション装置をセミアクティブサスペンションとして機能させた場合の推力の特性を示した図である。 サスペンション装置の失陥時における推力の特性を示した図である。 第二の実施の形態におけるサスペンション装置を示した図である。 従来のサスペンション装置におけるポンプの流量と吐出圧力との関係を示した図である。
以下、図に示した第一および第二の実施の形態に基づき、本発明を説明する。第一の実施の形態のサスペンション装置S1および第二の実施の形態のサスペンション装置S2において、共通の符号が付された部材、部品は、同一の構成を備えている。よって、説明の重複を避けるため、第一の実施の形態のサスペンション装置S1の説明中で詳細に説明し、第二の実施の形態のサスペンション装置S2の説明では詳しい説明を省略する。
<第一の実施の形態>
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。第一の実施の形態におけるサスペンション装置S1は、図1に示すように、ダンパDと、ポンプ4と、ポンプ4を駆動する電動モータ13と、ポンプ4の吸込側に接続されるリザーバRと、ポンプ4の吐出側に接続される供給路5と、リザーバRに接続される排出路6と、ダンパDの伸側室R1に接続される伸側通路7と、ダンパDの圧側室R2に接続される圧側通路8と、方向切換弁9と、供給路5と排出路6との間に設けた電磁弁Vと、アンロード回路UCとを備えて構成されている。
このサスペンション装置S1にあっては、ダンパDは、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、シリンダ1内に移動自在に挿入されてピストン2に連結されるロッド3を備えている。このロッド3が伸側室R1内のみに挿通されていて、ダンパDは、所謂、片ロッド型のダンパとされている。なお、ダンパDは、伸側室R1および圧側室R2にロッド3が挿通される、所謂、両ロッド型のダンパとされてもよい。また、リザーバRは、本例では、ダンパDとは独立して設けられているが、ダンパDにおけるシリンダ1の外周側に配置される外筒を設けてシリンダ1と外筒との間の環状隙間でリザーバRを形成してもよい。
なお、サスペンション装置S1のダンパDは、図2に示すように、シリンダ1を車両のばね上部材Boとばね下部材Wのうち一方に連結し、ロッド3をばね上部材Boとばね下部材Wのうち他方に連結して、ばね上部材Boとばね下部材Wとの間に介装される。
そして、伸側室R1および圧側室R2には液体として、たとえば、作動油等が充満され、リザーバR内にも液体と気体が充填される。伸側室R1、圧側室R2およびリザーバR内に充填される液体は、作動油以外にも、たとえば、水、水溶液といった液体を使用できる。また、本発明では、伸長行程時に圧縮される室を伸側室R1とし、収縮行程時に圧縮される室を圧側室R2としてある。
ポンプ4は、本例では、同軸配置された一対の第一ポンプ4aと第二ポンプ4bを一つの駆動軸で駆動可能なタンデムポンプとされている。そして、第一ポンプ4aと第二ポンプ4bのそれぞれは、吸込側から液体を吸い込んで吐出側から液体を吐出する一方向吐出型に設定され、電動モータ13によって双方が同時に駆動されるようになっている。電動モータ13には、直流、交流を問わず、種々の形式のモータ、たとえば、ブラシレスモータ、誘導モータ、同期モータ等を採用できる。
そして、ポンプ4における第一ポンプ4aと第二ポンプ4bの吸込側はポンプ通路14によってリザーバRに接続されている。したがって、ポンプ4は、電動モータ13によって駆動されると、リザーバRから液体を吸い込んで吐出する。また、第一ポンプ4aの吐出側は供給路5に接続されているが、第二ポンプ4bの吐出側は、アンロード弁UVを介して、供給路5に接続される供給側接続路21と、第一ポンプ4aと第二ポンプ4bの吸込側へ接続されるアンロード通路22に接続される。
アンロード弁UVは、供給ポジション23bとアンロードポジション23cとを有する弁体23aと、供給ポジション23bを採るよう弁体23aを附勢するばね23dと、通電時にアンロードポジション23cを採るように弁体23aを附勢するソレノイド23eを備えている。アンロード弁UVが供給ポジション23bを採る場合、第二ポンプ4bの吐出側は供給側接続路21を通じて供給路5へ接続され、アンロード弁UVがアンロードポジション23cを採る場合、第二ポンプ4bの吐出側はアンロード通路22を通じてポンプ通路14へ接続される。
よって、電動モータ13でポンプ4を駆動してソレノイド23eに通電しない場合、アンロード弁UVが供給ポジション23bを採り、第二ポンプ4bから吐出される液体が供給路5へ送り込まれる。この場合、第一ポンプ4aおよび第二ポンプ4bが吐出した液体は全て供給路5へ送り込まれるので、ポンプ4の全吐出流量が供給路5へ供給される。
対して、電動モータ13でポンプ4を駆動してソレノイド23eに通電する場合、アンロード弁UVがアンロードポジション23cを採り、第二ポンプ4bから吐出される液体がポンプ4の吸込側へ送り込まれる。この場合、第二ポンプ4bが吐出した液体は全てポンプ4の吸込側へ送り込まれるので、第二ポンプ4bは無負荷運転状態となりアンロードされる。
そして、本例では、アンロード回路UCは、アンロード通路22およびアンロード弁UVで構成されている。なお、アンロード通路22は、第二ポンプ4bの吐出側をポンプ通路14のポンプ4の吸込側へ接続する代わりに、排出路6、リザーバR或いはポンプ通路14へ接続されてもよい。
供給路5は、一端が前述したようにポンプ4に接続されるほか、他端が方向切換弁9に接続されている。また、排出路6は、一端がリザーバRへ接続されるとともに、他端が方向切換弁9に接続されている。排出路6は、ダンパDから排出される液体、或いはポンプ4から吐出される液体のうち余剰分をリザーバRへ戻すほか、ダンパDで液体が不足する場合にリザーバRからダンパDへ液体を供給する機能も発揮する。
伸側通路7は、一端がダンパDの伸側室R1に接続されるとともに、他端が方向切換弁9に接続されている。本例では、伸側通路7の途中には、伸側室R1から方向切換弁9に向かう液体の流れに対し抵抗を与え、反対向きの液体の流れを許容する伸側減衰要素VEが設けられている。
伸側減衰要素VEは、伸側室R1から方向切換弁9に向かう液体の流れに対し抵抗を与える伸側減衰弁15と、当該伸側減衰弁15に並列されて方向切換弁9から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェック弁16とを備えて構成されている。よって、伸側室R1から方向切換弁9へ向けて液体が流れる場合、伸側チェック弁16が閉じるため、液体は、伸側減衰弁15のみを通過して方向切換弁9側へ向かって流れる。反対に、方向切換弁9から伸側室R1へ向けて液体が流れる場合、伸側チェック弁16が開弁する。伸側チェック弁16は、伸側減衰弁15に比較して液体の流れに与える抵抗が小さいので、液体は、伸側チェック弁16を優先的に通過して伸側室R1側へ向かって流れる。伸側減衰弁15は、双方向流れを許容する絞り弁とされてもよいし、伸側室R1から方向切換弁9に向かう液体の流れのみを許容するリーフバルブやポペット弁といった減衰弁とされてもよい。
圧側通路8は、一端がダンパDの圧側室R2に接続されるとともに、他端が方向切換弁9に接続されている。本例では、圧側通路8の途中には、圧側室R2から方向切換弁9に向かう液体の流れに対し抵抗を与え、反対向きの液体の流れを許容する圧側減衰要素VCが設けられている。
圧側減衰要素VCは、圧側室R2から方向切換弁9に向かう液体の流れに対し抵抗を与える圧側減衰弁17と、当該圧側減衰弁17に並列されて方向切換弁9から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェック弁18とを備えて構成されている。よって、圧側室R2から方向切換弁9へ向けて液体が流れる場合、圧側チェック弁18が閉じるため、液体は、圧側減衰弁17のみを通過して方向切換弁9側へ向かって流れる。反対に、方向切換弁9から圧側室R2へ向けて液体が流れる場合、圧側チェック弁18が開弁する。圧側チェック弁18は、圧側減衰弁17に比較して液体の流れに与える抵抗が小さいので、液体は、圧側チェック弁18を優先的に通過して圧側室R2側へ向かって流れる。圧側減衰弁17は、双方向流れを許容する絞り弁とされてもよいし、圧側室R2から方向切換弁9に向かう流れのみを許容するリーフバルブやポペット弁といった減衰弁とされてもよい。
方向切換弁9は、4ポート2位置の電磁切換弁とされている。具体的には、弁体9aと、弁体9aを附勢するばね9dと、前記ばね9dに対抗する推力を弁体9aに与えるソレノイド9eとを備えている。弁体9aは、ポートAとポートPとを連通するとともにポートBとポートTを連通する伸側供給ポジション9bと、ポートAとポートTとを連通するとともにポートBとポートPを連通する圧側供給ポジション9cとを備えて構成されている。そして、ソレノイド9eへ電力供給しない非通電時には、弁体9aは、ばね9dによって附勢されて伸側供給ポジション9bを採り、ソレノイド9eへ通電すると弁体9aはソレノイド9eからの推力で押されて、圧側供給ポジション9cを採るようになっている。
そして、方向切換弁9のポートPは、供給路5を介してポンプ4の吐出側へ接続され、ポートTは、排出路6を介してリザーバRへ接続され、ポートAは伸側通路7を介して伸側室R1へ接続され、ポートBは圧側通路8を介して圧側室R2へ接続されている。
したがって、方向切換弁9が伸側供給ポジション9bを採る場合、供給路5が伸側通路7を通じて伸側室R1に連通されるとともに、排出路6が圧側通路8を通じて圧側室R2に連通される。この状態でポンプ4を駆動して伸側室R1に液体を供給すると、圧側室R2から液体がリザーバRへ排出されるため、ダンパDに外力が作用しない場合、ダンパDは収縮する。他方、方向切換弁9が圧側供給ポジション9cを採る場合、供給路5が圧側通路8を通じて圧側室R2に連通されるとともに、排出路6が伸側通路7を通じて伸側室R1に連通される。この状態でポンプ4を駆動して圧側室R2に液体を供給すると、伸側室R1から液体がリザーバRへ排出されるため、ダンパDに外力が作用しない場合、ダンパDは伸長する。このように、方向切換弁9は、供給路5を伸側通路7と圧側通路8の一方に選択して連通させるとともに、排出路6を伸側通路7と圧側通路8の他方に連通する。
また、ポンプ4から供給路5へ液体が吐出されるが、本例では、サスペンション装置S1のダンパDが発生する推力の大きさを制御するために、電磁弁Vが設けられている。具体的には、電磁弁Vは、供給路5と排出路6を接続する制御通路19に設けられており、本例では、後述するように、電磁弁Vの弁開度の調節によって供給路5の圧力を制御する。
電磁弁Vは、この例では、スプールを備えた電磁絞り弁とされている。具体的には、電磁弁Vは、制御通路19を開閉する弁体20aと、開ポジション20bを採る方向へ弁体20aを附勢するばね20dと、ばね20dに対抗する推力を弁体20aに付与可能なソレノイド20eとを備えている。弁体20aは、制御通路19を開放する開ポジション20bと制御通路19を遮断する閉ポジション20cを有して構成されている。ソレノイド20eは、図示しないばねとコイルで構成されており、通電時には、弁体20aを附勢するばねに対抗する推力を発生して、弁体20aを閉ポジション20c側へ駆動して電磁弁Vにおける弁開度を小さくする。よって、ソレノイド20eへの通電量を調節すると電磁弁Vの弁開度を調節でき、供給路5の前記圧力を電磁弁Vの弁開度に応じた制御圧に制御するようになっている。このように、電磁弁Vは、供給電流に応じて前記圧力を調整可能となっているが、前記した電磁弁Vの具体的構成は一例であってこれに限定されるものではなく、電磁圧力制御弁とされてもよい。
この電磁弁Vにあっては、ソレノイド20eへ供給する電流量に比例した弁開度を得られるようになっており、電流量を大きくすればするほど弁開度が小さくなり、電磁弁Vが液体の流れに与える抵抗が大きくなる。他方、電磁弁Vに電流を供給しない場合には弁開度が最大になって、電磁弁Vが液体の流れに与える抵抗は最小になる。
この電磁弁Vで上流側の供給路5の圧力を制御するには、本例では、供給路5の圧力を検知する圧力センサ31を用いる。また、本例のサスペンション装置S1では、図1に示すように、前述のコントローラCとドライバ装置Drとを備えていて、ダンパDが発揮する推力を制御するようになっている。具体的には、圧力センサ31で供給路5の圧力を検知し、コントローラCは、別途求める供給路5の目標圧力と検知された実際の圧力の偏差からソレノイド20eへ供給する目標電流を求める。なお、コントローラCでは、ダンパDに発生させる目標推力から目標圧力を求めるようにすればよい。
また、コントローラCには、前述の圧力センサ31で検知した圧力の他、車両の振動抑制に適する制御則に必要な車両の振動状況を把握可能な車両の振動情報が入力される。なお、車両の振動情報は、たとえば、ばね上部材Boやばね下部材Wの上下方向の加速度、速度といった情報や、ダンパDの伸縮速度や伸縮加速度といった情報等とされる。サスペンション装置S1における推力の制御に用いる制御則については、車両に適するものを選択すればよく、たとえば、スカイフック制御等といった車両の振動抑制に優れる制御則を採用するとよい。コントローラCは、振動情報から前記制御則に則りダンパDの目標推力を求め、目標推力通りにダンパDに推力を発生させるべく、電磁弁Vに与える電流量、方向切換弁9のポジション9b,9cの選択、アンロード弁UVへの通電の有無、および電動モータ13へ与える電流量を決定する。
ドライバ装置Drは、たとえば、方向切換弁9、電磁弁Vおよびアンロード弁UVにおけるソレノイド9e,20e,23eをPWM駆動する駆動回路と、電動モータ13をPWM駆動する駆動回路を備えている。そして、ドライバ装置Drは、コントローラCからの指令を受けると、コントローラCで決定した通りにソレノイド9e,20e,23eおよび電動モータ13へ電流を供給する。なお、ドライバ装置Drにおける各駆動回路は、PWM駆動を行う駆動回路以外の駆動回路であってもよい。そして、ダンパDに発生させる目標推力がダンパDの伸長方向では、コントローラCは方向切換弁9について圧側供給ポジション9cを選択する。また、ダンパDに発生させる目標推力がダンパDの収縮方向では、コントローラCは方向切換弁9について伸側供給ポジション9bを選択する。また、ドライバ装置Drは、方向切換弁9に前記のように選択されたポジションへ切換えるべく、ソレノイド9eへ電流の供給或いは停止する。具体的には、本例では、ダンパDを収縮作動させる場合には、伸側室R1へ液体を供給し圧側室R2から液体をリザーバRへ排出させる。そのために、方向切換弁9が伸側供給ポジション9bを採るように方向切換弁9には電流を供給せず非通電とする。反対に、ダンパDを伸長作動させる場合には、圧側室R2へ液体を供給し伸側室R1から液体をリザーバRへ排出させる。そのために、方向切換弁9が圧側供給ポジション9cを採るように方向切換弁9におけるソレノイド9eへ電流を供給する。なお、この場合、コントローラCとドライバ装置Drを別体として説明しているが、コントローラCとドライバ装置Drの機能を有する一つの制御装置でサスペンション装置S1を制御するようにしてもよい。また、コントローラCに入力する情報は、コントローラCで採用する制御則に適した情報であればよく、図示はしないが、当該情報についてはセンサ等で検知してコントローラCに入力すればよい。
このようにコントローラCが求めた目標電流が入力されるとドライバ装置Drは、目標電流通りにソレノイド20eに電流を供給し、電磁弁Vにおける弁開度が制御される。また、ダンパDで必要となる流量に応じてアンロード弁UVへの電流を制御する。そして、供給路5の圧力が目標圧力通りに制御されてダンパDの推力も狙い通りに制御される。電磁弁Vの制御にあたり、圧力センサ31で供給路5の圧力を検知するので、サスペンション装置S1が正常に機能しているかを監視できるメリットがある。本例において、電磁弁Vは、前述したように、供給電流に応じて供給路5の圧力を調整できるものであれば、電磁圧力制御弁等といった種々の弁を電磁弁Vとして利用できる。
さらに、供給路5と排出路6とを接続する吸込通路10が制御通路19に対して並列に設けられている。この吸込通路10の途中には、排出路6から供給路5へ向かう液体の流れのみを許容する吸込チェック弁11が設けられており、吸込通路10が排出路6から供給路5へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路に設定されている。
また、供給路5の途中であって電磁弁Vとポンプ4との間には供給側チェック弁12が設けられている。より詳しくは、供給側チェック弁12は、供給路5の途中であって、制御通路19および吸込通路10の接続点よりもポンプ4側に設けられており、ポンプ4側から電磁弁V側へ向かう液体の流れのみを許容し、その反対の流れを阻止する。よって、ポンプ4の吐出圧より方向切換弁9側の圧力が高圧となっても、供給側チェック弁12が閉じるためにポンプ4側への液体の逆流が阻止される。
サスペンション装置S1は、以上のように構成されており、続いて、その作動について説明する。まず、電動モータ13、ポンプ4、方向切換弁9、電磁弁Vおよびアンロード弁UVを正常に動作できる通常時における作動を説明する。
基本的には、ポンプ4を電動モータ13によって駆動し、方向切換弁9によって伸側室R1と圧側室R2の一方を供給路5に接続してポンプ4に通じさせて液体を供給しつつ、排出路6を通じて他方の室をリザーバRに連通させると、ダンパDが伸長或いは収縮する。この場合には、ダンパDを積極的に伸長或いは収縮せしめて、ダンパDをアクチュエータとして機能させられる。ダンパDに発生させる推力がダンパDの伸長方向である場合には、方向切換弁9を圧側供給ポジション9cとして、圧側室R2を供給路5へ接続し伸側室R1をリザーバRへ接続する。反対に、ダンパDに発生させる推力がダンパDの収縮方向である場合には、方向切換弁9を伸側供給ポジション9bとして、伸側室R1を供給路5へ接続し圧側室R2をリザーバRへ接続する。そして、電磁弁Vによって供給路5の圧力を調節すると、ダンパD内の伸側室R1と圧側室R2のうち供給路5に接続されている方の圧力が制御され、ダンパDが発揮する伸長方向或いは収縮方向の推力の大きさを制御できる。
コントローラCは、振動情報から前記制御則に則りダンパDの目標推力を求め、目標推力通りにダンパDに推力を発生させるべく、方向切換弁9のポジション9b,9cの選択をし、電磁弁Vに与える電流量を決定する。
具体的には、ダンパDの収縮方向の力を正とし、ダンパDにシリンダ1へロッド3を侵入させる収縮方向の推力を発揮させる場合、目標推力をF、ピストン2の断面積をA、ロッド3の断面積をAとすると、目標圧力Pは、P=F/(A−A)で計算できる。他方、ダンパDにシリンダ1からロッド3を退出させる伸長方向の推力を発揮させる場合、目標圧力Pは、P=−F/Aで計算できる。コントローラCは、電動モータ13へドライバ装置Drを介して電流供給してポンプ4を制御し、ポンプ4の吐出圧力が変化してもポンプ4を所定の回転数に保つように制御する。そして、コントローラCは、目標推力から求めた目標圧力Pと実際の圧力との偏差がゼロとなるように電磁弁Vへの通電量を調節し、結果、供給路5の圧力が目標圧力Pに制御される。
目標推力Fがシリンダ1に対してピストン2を押し下げる方向の力の場合には、コントローラCは、方向切換弁9には通電せず、供給路5を伸側室R1に連通して、排出路6を圧側室R2に連通する。そして、コントローラCが前述のように、ポンプ4を制御しつつ、実際の圧力Pが目標圧力Pとなるように電磁弁Vの電流量を調節する。これにより、ダンパDは、目標推力F通りにシリンダ1に対してピストン2を押し下げる方向の推力を発揮する。
反対に、目標推力Fがシリンダ1に対してピストン2を押し上げる方向の力の場合には、コントローラCは、方向切換弁9に通電して、供給路5を圧側室R2に連通し、排出路6を伸側室R1に連通する。そして、コントローラCが前述のように、ポンプ4を制御しつつ、実際の圧力Pが目標圧力Pとなるように電磁弁Vの電流量を調節する。これにより、ダンパDは、目標推力F通りにシリンダ1に対してピストン2を押し上げる方向の推力を発揮する。
ダンパDがポンプ4からの液体の供給を受けて積極的に伸縮しても外力を受けて伸縮していない場合、ポンプ4から吐出される液体は、電磁弁Vおよび排出路6を通じてポンプ通路14へ戻される。ポンプ4における第一ポンプ4aと第二ポンプ4bは、同一回転数に電動モータ13によって駆動されており、この場合、アンロード弁UVが供給ポジション23bを採り両ポンプ4a,4bの吐出流量が合算された流量が供給路5に供給される。
一般的に車両が良路を走行する際には路面の凹凸は小さく、ダンパDの伸縮も僅かであり、前述のような状態になっている。路面からの入力される振動も小さいので、目標圧力Pも低く制御され、ポンプ4の吐出流量も小さく制御されている。このような状態において、急旋回や急制動を行うと、車体慣性力も大きくなり、この車体慣性力によって生じる車体姿勢の変化をダンパDで抑えるために要求される目標圧力Pも高くなる。目標圧力Pが図7に示した閾値を超えると、コントローラCはアンロード弁UVに通電してアンロードポジション23cへ切換え、第二ポンプ4bの吐出した液体をアンロード通路22を通じてポンプ通路14へ還流させて、第二ポンプ4bを無負荷運転状態とする。つまり、第二ポンプ4bをアンロード状態とする。
この時、高圧は第一ポンプ4aのみに作用し、第一ポンプ4aの押しのけ容積と吐出圧力のみで必要駆動トルクが決まり、第二ポンプ4bをアンロードさせない場合と比較して、電動モータ13は、小さな駆動トルクでポンプ4を駆動できる。よって、小型の電動モータ13でポンプ4の駆動が可能となる。なお、アンロード弁UVを供給ポジション23bからアンロードポジション23cへ切り替える際の閾値は、第一ポンプ4aおよび第二ポンプ4bの双方から供給路5へ液体を吐出する状態での吐出圧力の上限値としているが、第一ポンプ4aおよび第二ポンプ4bの押しのけ容積および電動モータ13の最大駆動トルクに応じて任意に設定できる。また、本例では、目標圧力Pに対して閾値を設定して、アンロード弁UVを切換えるようになっているが、ダンパDで高圧が必要とされる場合に第二ポンプ4bをアンロードすればよく、また、ダンパDで大流量が必要とされる場合には第一ポンプ4aおよび第二ポンプ4bの双方から供給路5へ液体を供給すればよい。よって、車両の振動状況やダンパDの伸縮速度を認識できる情報に対して閾値を設定してもよい。
以上、車両が良路を走行する際の姿勢制御を行う場合について説明したが、悪路などの路面の凹凸が比較的大きな路面を走行する場合、乗心地を良くする制御を行うためダンパDは大きく伸縮するので、ポンプ4の吐出流量は大きくされ、目標圧力Pは比較的低く制御される。このような状態では、コントローラCは、アンロード弁UVに供給ポジション23bを採らせるよう通電を停止するので、ポンプ4が吐出する全流量が供給路5へ流れる。
このように、路面から入力される振動が大きく、ダンパDが大きく伸縮する場合、ダンパDが推力を発生する方向とダンパDの伸縮方向で場合分けすると、四つのケースが考えられる。
まず、ピストン2を下方に押し下げる推力をダンパDに発揮させる場合であって、ダンパDが外力によって伸長作動しているケースについて説明する。ダンパDに発生させる推力の方向は、ピストン2を下方に押し下げる方向であり、伸側室R1へ液体を供給する必要がある。そのため、コントローラCは、伸側供給ポジション9bを採るように方向切換弁9を切換えて、伸側室R1を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて圧側室R2をリザーバRへ連通させる。
ダンパDが伸長作動しているときには、容積が増加する圧側室R2へは、リザーバRから排出路6、方向切換弁9および圧側チェック弁18を経て供給される。他方、伸側室R1の容積が減少するため、減少分の液体は、伸側減衰弁15を通じて伸側室R1から排出され、供給路5でポンプ4から吐出された液体と合流し、電磁弁Vおよび排出路6を通過してリザーバRへ流れる。このとき、供給路5の圧力は、電磁弁Vによって目標圧力Pに保たれる。なお、供給側チェック弁12が設けられているので、動的に供給路5の圧力がポンプ4の吐出圧よりも高くなってもポンプ4側に液体が逆流しない。
前記状況では、伸側減衰弁15で発生する圧力損失分だけ伸側室R1の圧力が供給路5の圧力よりも上昇し、ダンパDの発生力もその分だけ増加する。ここで、ダンパDの推力の関係は、ピストン2の伸側室R1に面する面積(ピストン2の面積からロッド3の断面積を引いた面積)を受圧面積として、ピストン2の受圧面積と伸側室R1の圧力との積となる。よって、縦軸にダンパDの推力の方向を採り、横軸にダンパDの伸縮速度を採った図3に示したグラフでは、前記状況にあって電磁弁Vの制御圧を最大としたときのダンパDの推力は、図3中の線(1)で示す特性となる。
続いて、ピストン2を下方に押し下げる推力をダンパDに発揮させる場合であって、ダンパDが外力によって収縮作動しているケースについて説明する。ダンパDに発生させる推力の方向は、ピストン2を下方に押し下げる方向であるので、伸側室R1へ液体を供給する必要がある。この場合も伸側供給ポジション9bを採るように方向切換弁9を切換えて、伸側室R1を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて圧側室R2をリザーバRへ連通させる。
ダンパDが収縮作動しているときには、伸側室R1の容積が増大する。ポンプ4の吐出流量が単位時間当たりの伸側室R1の容積増大量以上である場合、伸側室R1で必要となる流量よりポンプ4の吐出流量が多い。このような状況では、ポンプ4から吐出された液体は、伸側チェック弁16を通じて伸側室R1へ流入するとともに、ポンプ4の吐出流量のうち伸側室R1で吸収されずに余った液体が電磁弁V、排出路6を通じてリザーバRへ流れる。よって、伸側室R1の圧力は、供給路5の圧力と等圧に制御される。
他方の容積が減少する圧側室R2からは、容積減少分の液体が圧側減衰弁17および排出路6を介してリザーバRへ排出される。よって、圧側室R2の圧力は、圧側室R2から排出される液体が圧側減衰弁17を通過する際に生じる圧力損失分だけ排出路6の圧力よりも高くなる。したがって、この場合、電磁弁Vが目標圧力P通りに実際の圧力を制御しても、圧側減衰弁17の圧力損失分だけ、伸側室R1と圧側室R2の圧力差が小さくなり、ダンパDの発生推力もその分減少する。以上から、収縮方向の推力をダンパDに発揮させる際、ダンパDが外力で収縮作動し、ポンプ4の吐出流量が単位時間当たりの伸側室R1の容積増大量以上であると、電磁弁Vの制御圧を最大としたときのダンパDの推力は、図3中の線(2)で示す特性となる。
これに対して、ダンパDの収縮速度が速くなり、ポンプ4の吐出流量が単位時間当たりの伸側室R1の容積増大量を下回ると、ポンプ4からの液体供給が伸側室R1の単位時間当たりの容積増大量に追いつかなくなる。このように、ポンプ4から吐出される液体が全て伸側室R1で吸収されると、電磁弁Vには液体が流れなくなり、伸側室R1の圧力は排出路6の圧力よりも低下する状態となる。そして、伸側室R1で不足する量の液体は、吸込チェック弁11が開いて、容積が減少する圧側室R2から排出路6および吸込通路10を介して伸側室R1に供給される。この場合、電磁弁Vで圧力の制御ができず、ダンパDの推力は、図3中の線(3)で示す特性となる。したがって、電磁弁Vの制御圧を最大にする場合、ポンプ4の吐出流量が伸側室R1の単位時間当たりの容積増大量以上では図3中の線(2)の特性となり、ポンプ4の吐出流量が伸側室R1の単位時間当たりの容積増大量未満となると図3中の線(3)の特性へ変化する。
次に、ピストン2を上方に押し上げる推力をダンパDに発揮させる場合であって、ダンパDが外力によって収縮作動しているケースについて説明する。ダンパDに発生させる推力の方向は、ピストン2を上方に押し上げる方向であり、圧側室R2へ液体を供給する必要がある。よって、この場合、コントローラCは、圧側供給ポジション9cを採るように方向切換弁9を切換えて、圧側室R2を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて伸側室R1をリザーバRへ連通させる。
ダンパDが収縮作動する際に容積が増大する伸側室R1には、排出路6、方向切換弁9および伸側チェック弁16を介してリザーバRから容積拡大分に見合う液体が供給される。他方、圧側室R2では容積が減少するため、容積減少分の液体が、圧側減衰弁17を通じて圧側室R2から排出され、供給路5でポンプ4から吐出された液体と合流し、電磁弁Vおよび排出路6を通過してリザーバRへ流れる。このとき、供給路5の圧力は、電磁弁Vによって目標圧力Pに保たれる。なお、供給側チェック弁12が設けられているので、動的に供給路5の圧力がポンプ4の吐出圧よりも高くなってもポンプ4側に液体が逆流しない。
前記状況では、圧側減衰弁17で発生する圧力損失分だけ圧側室R2の圧力が供給路5の圧力よりも上昇し、ダンパDの発生力もその分だけ増加する。よって、縦軸にダンパDの推力の方向を採り、横軸にダンパDの伸縮速度を採った図3に示したグラフでは、前記状況にあって電磁弁Vの制御圧を最大としたときのダンパDの推力は、図3中の線(4)で示す特性となる。
さらに、ピストン2を上方に押し上げる推力をダンパDに発揮させる場合であって、ダンパDが外力によって伸長作動しているケースについて説明する。ダンパDに発生させる推力の方向は、ピストン2を上方に押し上げる方向であるので、圧側室R2へ液体を供給する必要がある。よって、この場合、コントローラCは、圧側供給ポジション9cを採るように方向切換弁9を切換えて、圧側室R2を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて伸側室R1をリザーバRへ連通させる。
ダンパDが伸長作動しているときには、圧側室R2の容積が増大するが、ポンプ4の吐出流量がこの圧側室R2の単位時間当たりの容積増大量以上である場合、圧側室R2で必要となる流量よりポンプ4の吐出流量が多い。そのため、ポンプ4から吐出された液体は、圧側チェック弁18を通じて圧側室R2へ流入するとともに、ポンプ4の吐出流量のうち圧側室R2で吸収されずに余った液体が電磁弁Vおよび排出路6を通じてリザーバRへ流れる。よって、圧側室R2の圧力は、供給路5の圧力と等圧に制御される。
他方の容積が減少する伸側室R1からは、容積減少分の液体が伸側減衰弁15および排出路6を介してリザーバRへ排出される。よって、伸側室R1の圧力は、伸側室R1から排出される液体が伸側減衰弁15を通過する際に生じる圧力損失分だけ排出路6の圧力よりも高くなる。したがって、この場合、電磁弁Vが目標圧力P通りに実際の圧力を制御しても、伸側減衰弁15の圧力損失分だけ、圧側室R2と伸側室R1の圧力差が小さくなり、ダンパDの発生推力もその分減少する。以上から、伸長方向の推力をダンパDに発揮させる際、ダンパDが外力で伸長作動し、ポンプ4の吐出流量が単位時間当たりの圧側室R2の容積増大量以上であると、電磁弁Vの制御圧を最大としたときのダンパDの推力は、図3中の線(5)で示す特性となる。
これに対して、ダンパDの伸長速度が速くなり、ポンプ4の吐出流量が単位時間当たりの圧側室R2の容積増大量を下回ると、ポンプ4からの液体供給が圧側室R2の単位時間当たりの容積増大量に追いつかなくなる。このように、ポンプ4から吐出される液体が全て圧側室R2で吸収されると、電磁弁Vには液体が流れなくなり、圧側室R2の圧力は排出路6の圧力よりも低下する。そして、圧側室R2で不足する量の液体は、吸込チェック弁11が開いて、容積が減少する伸側室R1とリザーバRから排出路6および吸込通路10を介して圧側室R2に供給される。
この場合、電磁弁Vで圧力の制御ができず、ダンパDの推力は、図3中の線(6)で示す特性となる。したがって、電磁弁Vの制御圧を最大にする場合、ポンプ4の吐出流量が圧側室R2の単位時間当たりの容積増大量以上では図3中の線(5)の特性となり、ポンプ4の吐出流量が圧側室R2の単位時間当たりの容積増大量未満となると図3中の線(6)の特性へ変化する。
以上から、電磁弁Vの弁開度の調節により、図3中、線(1)から線(3)をつなげたラインから線(4)から線(6)までのつなげたラインまでの間の範囲でダンパDの推力を可変にできる。また、ポンプ4の駆動によって、ポンプ4の吐出流量を伸側室R1と圧側室R2のうち拡大する側の室へ供給する場合には、ポンプ4の吐出流量が拡大する室の容積増大量以上である場合には、ダンパDの伸縮方向と同方向に推力を発揮させ得る。
また、前述した各ケースにおいて、伸側減衰弁15および圧側減衰弁17によって伸縮速度に依存してダンパDが発生する推力が変化する特性は、ショックアブソーバとしての機能として作用する。よって、本サスペンション装置S1は、ばね上部材Boとばね下部材Wとの間にアクチュエータとパッシブなショックアブソーバを並列に介装したものと等価と看做せる。そして、本サスペンション装置S1によれば、このパッシブなショックアブソーバとしての機能を発揮して、ばね下部材Wの振動を抑制できる。
なお、ダンパDは、収縮側では図3中線(2)から線(3)へ推力が変化する特性を示し、伸長側では図3中線(5)から線(6)へ推力が変化する特性を示すが、特性の変化はごく瞬間的に生じるものであり、乗り心地に与える影響は軽微である。
引き続き、ポンプ4を駆動しない停止状態にした場合のサスペンション装置S1の作動を説明する。この場合についても、ダンパDが外乱を受けて伸縮する方向とダンパDが推力を発生する方向とで場合分けすると、四つのケースが考えられる。
まず、ピストン2を下方に押し下げる推力をダンパDに発揮させる場合であって、ダンパDが外力によって伸長作動しているケースについて説明する。ダンパDに発生させる推力の方向は、ピストン2を下方に押し下げる方向である。そこで、コントローラCは、伸側供給ポジション9bを採るように方向切換弁9を切換え、伸側室R1を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて圧側室R2をリザーバRへ連通させる。
ダンパDが伸長作動する際に容積が増大する圧側室R2には、排出路6、方向切換弁9および圧側チェック弁18を介してリザーバRから容積拡大分に見合う液体が供給される。他方、ダンパDが伸長作動する際に容積が減少する伸側室R1から容積減少分の液体が伸側減衰弁15を通じて排出され、この液体は、供給路5、電磁弁Vを介して排出路6へ流れる。よって、伸側室R1の圧力は、供給路5の圧力と等圧に制御される。
前記状況では、伸側減衰弁15で発生する圧力損失分だけ伸側室R1の圧力が供給路5の圧力よりも上昇し、ダンパDの発生力もその分だけ増加する。よって、縦軸にダンパDの推力の方向を採り、横軸にダンパDの伸縮速度を採った図4に示したグラフでは、前記状況にあって電磁弁Vの制御圧を最大としたときのダンパDの推力は、図4中の線(7)で示す特性となる。
続いて、ピストン2を下方に押し下げる推力をダンパDに発揮させる場合であって、ダンパDが外力によって収縮作動しているケースについて説明する。ダンパDに発生させる推力の方向は、ピストン2を下方に押し下げる方向であるので、伸側室R1へ液体を供給する必要がある。この場合も伸側供給ポジション9bを採るように方向切換弁9を切換えて、伸側室R1を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて圧側室R2をリザーバRへ連通させる。
ダンパDが収縮作動しているときには、伸側室R1の容積が増大する。伸側室R1の容積は増大するが、ポンプ4が停止していて液体が吐出されないので、供給路5の圧力は排出路6の圧力よりも若干低下し、伸側室R1には、吸込チェック弁11および伸側チェック弁16を通じてリザーバRから液体が供給される。よって、供給路5の圧力と排出路6の圧力はほぼ同じになって、電磁弁Vでは供給路5の圧力を目標圧力Pに制御できなくなる。
他方の容積が減少する圧側室R2からは、容積減少分の液体が圧側減衰弁17および排出路6を介してリザーバRへ排出される。よって、圧側室R2の圧力は、圧側室R2から排出される液体が圧側減衰弁17を通過する際に生じる圧力損失分だけ排出路6の圧力よりも高くなる。以上から、収縮方向の推力をダンパDに発揮させる際、ダンパDが外力で収縮作動しており、ポンプ4が停止していると、ダンパDの推力は、図4中の線(8)で示す特性となる。
次に、ピストン2を上方に押し上げる推力をダンパDに発揮させる場合であって、ダンパDが外力によって収縮作動しているケースについて説明する。ダンパDに発生させる推力の方向は、ピストン2を上方に押し上げる方向であり、圧側室R2へ液体を供給する必要がある。よって、この場合、コントローラCは、圧側供給ポジション9cを採るように方向切換弁9を切換えて、圧側室R2を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて伸側室R1をリザーバRへ連通させる。
ダンパDが収縮作動する際に容積が増大する伸側室R1には、排出路6、方向切換弁9および伸側チェック弁16を介してリザーバRから容積拡大分に見合う液体が供給される。他方、圧側室R2では容積が減少するため、容積減少分の液体が、圧側減衰弁17を通じて圧側室R2から排出され、電磁弁Vおよび排出路6を通過してリザーバRへ流れる。よって、圧側室R2の圧力は、供給路5の圧力と等圧に制御される。
前記状況では、圧側減衰弁17で発生する圧力損失分だけ圧側室R2の圧力が供給路5の圧力よりも上昇し、ダンパDの発生力もその分だけ増加する。よって、縦軸にダンパDの推力の方向を採り、横軸にダンパDの伸縮速度を採った図4に示したグラフでは、前記状況にあって電磁弁Vの制御圧を最大としたときのダンパDの推力は、図4中の線(9)で示す特性となる。
さらに、ピストン2を上方に押し上げる推力をダンパDに発揮させる場合であって、ダンパDが外力によって伸長作動しているケースについて説明する。ダンパDに発生させる推力の方向は、ピストン2を上方に押し上げる方向であるので、圧側室R2へ液体を供給する必要がある。よって、この場合、コントローラCは、圧側供給ポジション9cを採るように方向切換弁9を切換えて、圧側室R2を供給路5へ接続するとともに、排出路6を通じて伸側室R1をリザーバRへ連通させる。
ダンパDが伸長作動しているときには、圧側室R2の容積が増大するが、ポンプ4が液体を吐出していないので、供給路5の圧力は排出路6の圧力よりも若干低下し、液体がリザーバRから排出路6、吸込チェック弁11および圧側チェック弁18を通じて圧側室R2へ供給される。よって、供給路5の圧力と排出路6の圧力はほぼ同じになって、電磁弁Vでは供給路5の圧力を目標圧力Pに制御できなくなる。
他方の容積が減少する伸側室R1からは、容積減少分の液体が伸側減衰弁15および排出路6を介してリザーバRへ排出される。よって、伸側室R1の圧力は、伸側室R1から排出される液体が伸側減衰弁15を通過する際に生じる圧力損失分だけ排出路6の圧力よりも高くなる。以上から、伸長方向の推力をダンパDに発揮させる際、ダンパDが外力で伸長作動しており、ポンプ4が停止していると、ダンパDの推力は、図4中の線(10)で示す特性となる。
通常、セミアクティブサスペンションにあっては、減衰力可変ダンパを用いてカルノップ則に従ってスカイフック制御を実行する。よって、伸側減衰力(ピストンを押し下げる方向の力)が必要である場合、伸長作動時には減衰力可変ダンパの減衰力が目標推力を得られる減衰力に制御され、収縮作動時には、伸側減衰力が得られないから圧側へ最も低い減衰力を発揮するように制御される。また、圧側減衰力(ピストンを押し上げる方向の力)が必要な場合、収縮作動時には減衰力可変ダンパの減衰力が目標推力を得られる減衰力に制御され、伸長作動時には、圧側減衰力が得られないから伸側へ最も低い減衰力を発揮するように制御される。これに対して、本発明のサスペンション装置S1では、ポンプ4の停止時にダンパDに収縮方向の推力を発揮させようとする場合、ダンパDは、伸長時に伸側出力可能範囲内で調節される推力を発揮し、収縮時には伸長方向の最も低い推力を発揮する。反対に、ポンプ4の停止時にダンパDに伸長方向の推力を発揮させようとする場合、ダンパDは、収縮時に圧側出力可能範囲内で調節される推力を発揮し、伸長時には収縮方向の最も低い推力を発揮する。したがって、本発明のサスペンション装置S1では、ポンプ4が停止中である場合、自動的に、セミアクティブサスペンションと同じ機能を発揮する。サスペンション装置S1が自動的にセミアクティブサスペンションとして機能するのは、供給側チェック弁12を設けて動的に供給路5の圧力がポンプ4の吐出圧よりも高くなってもポンプ4側に液体が逆流しないようにしたためである。
最後に、サスペンション装置S1の電動モータ13、方向切換弁9および電磁弁Vへの通電が何らかの異常により通電不能な失陥時および全ての通電を停止した状態におけるサスペンション装置S1の作動について説明する。こうした失陥には、たとえば、電動モータ13、方向切換弁9、電磁弁Vおよびアンロード弁UVへの通電ができない場合のほか、コントローラCやドライバ装置Drに異常が見られた場合に電動モータ13、方向切換弁9、電磁弁Vおよびアンロード弁UVへの通電を停止する場合も含まれる。
失陥時には、電動モータ13、方向切換弁9、電磁弁Vおよびアンロード弁UVへの通電が停止されるか、或いは通電不能な状態であり、ポンプ4は停止し、電磁弁Vは開口面積が最大となり、方向切換弁9は、ばね9dに附勢されて伸側供給ポジション9bを採った状態となる。
この状態で、ダンパDが外力によって伸長作動する場合、伸側室R1の容積が減少するため、減少分の液体は、伸側減衰弁15を通じて伸側室R1から排出され、供給路5、電磁弁Vおよび排出路6を通過してリザーバRへ流れる。
他方、容積が増大する圧側室R2には、排出路6、方向切換弁9および圧側チェック弁18を介してリザーバRから容積拡大分に見合う液体が供給される。
伸側室R1の圧力は、伸側減衰弁15を液体が通過する圧力損失分だけ供給路5の圧力よりも高くなり、他方の圧側室R2の圧力はリザーバRと等しくなる。したがって、ダンパDの推力は、図5に示したグラフでは、図5中の線(11)で示す特性となる。
反対に、ダンパDが外力によって収縮作動する場合、圧側室R2の容積が減少するため、減少分の液体は、圧側減衰弁17を通じて圧側室R2から排出され、リザーバRへ流れる。他方、容積が増大する伸側室R1には、排出路6を介してリザーバRから吸込通路10、吸込チェック弁11を通じて容積拡大分に見合う液体が供給される。
よって、圧側室R2の圧力は、圧側室R2から排出される液体が圧側減衰弁17を通過する際に生じる圧力損失分だけリザーバRの圧力よりも高くなる。したがって、ダンパDの推力は、圧側減衰弁17による圧力損失に見合う圧力にピストン2の圧側室R2の受圧面積を乗じた力となり、図5に示したグラフでは、図5中の線(12)で示す特性となる。
このようにサスペンション装置S1が失陥した状態では、ダンパDはパッシブなダンパとして機能して、ばね上部材Boおよびばね下部材Wの振動を抑制するので、失陥時にはフェールセーフ動作が確実に行われる。
以上より、本発明のサスペンション装置S1は、ダンパDと、容量の変更可能なポンプ4と、ポンプ4を駆動する電動モータ13と、リザーバRと、ポンプ4の吐出側に接続される供給路5と、リザーバRに接続される排出路6と、ダンパDの伸側室R1に接続される伸側通路7と、ダンパDの圧側室R2に接続される圧側通路8と、方向切換弁9と、供給路5の圧力を制御する電磁弁Vとを備えて構成されている。このようにサスペンション装置S1を構成すれば、乗心地制御等の流量は要するが高圧力が要求されない場面ではポンプ4の容量を大きくしてポンプ4の吐出流量を確保でき、姿勢制御等の流量を必要としないが高圧力が要求される場面ではポンプ4の容量を小さくしてポンプ4の吐出圧力を確保できる。このように本発明のサスペンション装置S1では、ポンプ4を駆動する電動モータ13の最大駆動トルクが小さくても、ポンプ4の容量の変更によってダンパDが車両制御に要する推力を発揮できる。よって、本発明のサスペンション装置S1によれば、電動モータ13の小型化、軽量化および低コスト化が可能となる。
また、本例のサスペンション装置S1によれば、ポンプ4が第一ポンプ4aと第二ポンプ4bを有するタンデムポンプであり、前記第二ポンプ4bをアンロードするアンロード回路UCを備えて構成されている。そのため、目標圧力が高い場合にアンロード回路UCで第二ポンプ4bをアンロードすれば、簡単にポンプ4の容量の変更を行える。
また、本例のサスペンション装置S1にあっては、伸側通路7に設けられ伸側室R1から方向切換弁9に向かう流れに対し抵抗を与え、反対向きの流れに対してはこれを許容する伸側減衰要素VEと、圧側通路8に設けられ圧側室R2から方向切換弁9に向かう流れに対し抵抗を与え、反対向きの流れに対してはこれを許容する圧側減衰要素VCと、供給路5と排出路6とを接続する吸込通路10と、吸込通路10の途中に設けられて排出路6から供給路5へ向かう液体の流れのみを許容する吸込チェック弁11と、供給路5の途中であって電磁弁Vとポンプ4との間に設けられてポンプ4側から電磁弁V側へ向かう流れのみを許容する供給側チェック弁12とを備えている。このように構成されたサスペンション装置S1によれば、ダンパDを積極的に伸縮させてアクティブサスペンションとして機能させるだけでなく、セミアクティブサスペンションとしての推力の発揮が期待される場面では、ポンプ4の駆動が必須ではなくなる。よって、本例のサスペンション装置S1では、ポンプ4の駆動が必要なときのみ駆動すればよくなってエネルギ消費が非常に少なくなり、自動的に、セミアクティブサスペンションとして機能できる。
また、本例のサスペンション装置S1にあっては、伸側減衰要素VEが伸側室R1から方向切換弁9に向かう流れに対し抵抗を与える伸側減衰弁15と、伸側減衰弁15に並列されて方向切換弁9から伸側室R1へ向かう流れのみを許容する伸側チェック弁16とを有し、圧側減衰要素VCが圧側室R2から方向切換弁9に向かう流れに対し抵抗を与える圧側減衰弁17と、圧側減衰弁17に並列されて方向切換弁9から圧側室R2へ向かう流れのみを許容する圧側チェック弁18とを有している。このようにすると、ポンプ4から伸側室R1或いは圧側室R2へ液体を供給する際に、伸側チェック弁16或いは圧側チェック弁18を介してほとんど抵抗なく液体を伸側室R1或いは圧側室R2へ供給できる。よって、サスペンション装置S1では、ダンパDの伸縮方向と発生させる推力の方向とが一致する際にポンプ4の負荷を軽減できる。また、伸側室R1或いは圧側室R2から液体が排出される場合には、伸側減衰弁15或いは圧側減衰弁17が通過する液体の流れに抵抗を与えるので、伸側室R1或いは圧側室R2の圧力を電磁弁Vの制御圧以上にして大きな推力が得られる。よって、電磁弁Vにおけるソレノイド20eの推力を小さくしてもサスペンション装置S1に大きな推力を発生させ得る。このことから、本例のサスペンション装置S1によれば、電磁弁Vを小型化できるとともにコストを低減できる。
なお、伸側減衰要素VEおよび圧側減衰要素VCが液体の流れる方向に関わりなく液体の流れに抵抗を与えてもよい。その場合、伸側減衰弁15および圧側減衰弁17が双方向流れを許容するものであれば伸側チェック弁16および圧側チェック弁18を省略可能である。その場合でも、サスペンション装置S1がセミアクティブサスペンションとしての推力の発揮が期待される場面ではポンプ4の駆動が必須ではないからエネルギ消費が少なくなる。
<第二の実施の形態>
つづいて、第二の実施の形態におけるサスペンション装置S2について説明する。第二の実施の形態のサスペンション装置S2は、図6に示すように、ダンパDと、ポンプ41と、ポンプ41を駆動する電動モータ13と、ポンプ41の吸込側に接続されるリザーバRと、ポンプ4の吐出側に接続される供給路5と、リザーバRに接続される排出路6と、ダンパDの伸側室R1に接続される伸側通路7と、ダンパDの圧側室R2に接続される圧側通路8と、方向切換弁9と、供給路5と排出路6との間に設けた電磁弁Vと、ポンプ41の容量を変更する容量制御回路CCとを備えて構成されている。
本例におけるサスペンション装置S2が第一の実施の形態のサスペンション装置S1と異なる点は、ポンプ41を可変容量ポンプとし、アンロード回路UCの代わりに容量制御回路CCを設けている点である。
ポンプ41は、容量可変型の斜板ポンプやベーンポンプ等といった容量、つまり、押しのけ容積を変更可能なポンプとされており、容量変更装置41aへ作用するパイロット圧力によって容量を変更できるようになっている。容量変更装置41aは、パイロット圧力が低いとポンプ41の容量を大きくし、パイロット圧力が大きくなるにしたがってポンプ41の容量を小さくする。容量変更装置41aは、ポンプ41が斜板ポンプであれば、入力されるパイロット圧力によって斜板の傾転角を調節するサーボピストン等とされればよい。また、容量変更装置41aは、ポンプ41がベーンポンプであれば、入力されるパイロット圧力によってベーンを偏心させるカムリング等とされればよい。
他方、容量制御回路CCは、ポンプ41の容量を変更する容量変更装置41aへパイロット圧力を作用させるパイロット通路42と、パイロット圧力を制御するパイロット圧制御通路43と、パイロット圧制御通路43の途中に設けた2位置の電磁切換弁44とを備えて構成されている。
パイロット通路42は、供給路5の供給側チェック弁12よりもポンプ41側を容量変更装置41aへ接続しており、途中に、オリフィス42aが設けられている。また、パイロット圧制御通路43は、パイロット通路42のオリフィス42aよりも下流をポンプ41の吸込側であるポンプ通路14へ接続している。よって、パイロット通路42は、オリフィス42aの下流であって電磁切換弁44の上流の圧力をパイロット圧力として容量変更装置41aへ導くようになっている。
他方、電磁切換弁44は、連通ポジション44bと遮断ポジション44cを有する弁体44aと、弁体44aを連通ポジション44bを採るように附勢するばね44dと、通電時に弁体44aを遮断ポジション44cを採るように附勢するソレノイド44eとを備えている。よって、電磁切換弁44が通電状態によって、パイロット圧力が制御されて、ポンプ41の容量が変更される。
詳細には、電磁切換弁44が通電されず連通ポジション44bを採る場合、ポンプ41の容量変更装置41aに導かれるパイロット圧力はほぼリザーバ圧となり低い状態となる。この状態では、容量変更装置41aがポンプ41の容量を最大とするので、ポンプ41は大きな流量を供給路5へ供給する。反対に、電磁切換弁44が通電され遮断ポジション44cを採る場合、ポンプ41の容量変更装置41aに導かれるパイロット圧力が大きくなる。この状態では、容量変更装置41aがポンプ41の容量を小さくするので、ポンプ41の吐出圧力を大きくする場合でも電動モータ13は小さな駆動トルクでポンプ41を回転駆動できるようになる。そして、コントローラCは、第一の実施の形態のサスペンション装置S1と同様に、目標圧力Pが図7に示した閾値を超えると電磁切換弁44へ通電してポンプ41の容量を小さくする。したがって、第二の実施の形態のサスペンション装置S2は、第一の実施の形態のサスペンション装置S1と同様に、ポンプ41が高い吐出圧が要求される場面ではポンプ41の容量を小さく、そうでない場合、ポンプ41の容量を大きくして流量を大きくする。
よって、第二の実施の形態のサスペンション装置S2にあっても、第一の実施の形態のサスペンション装置S1と同様に、乗心地制御等の流量は要するが高圧力が要求されない場面ではポンプ41の容量を大きくしてポンプ41の吐出流量を確保でき、姿勢制御等の流量を必要としないが高圧力が要求される場面ではポンプ41の容量を小さくしてポンプ4の吐出圧力を確保できる。このように本発明のサスペンション装置S2では、ポンプ41を駆動する電動モータ13の最大駆動トルクが小さくても、ポンプ41の容量の変更によってダンパDが車両制御に要する推力を発揮できる。よって、本発明のサスペンション装置S2によれば、電動モータ13の小型化、軽量化および低コスト化が可能となる。
また、本例のサスペンション装置S2によれば、ポンプ41の容量を変更する容量制御回路CCを備えて構成されているので、目標圧力が高い場合に容量制御回路CCでポンプ41の容量を簡単に変更できる。
なお、本例でも、目標圧力Pに対して閾値を設定して、電磁切換弁44を切換えるようになっているが、ダンパDで高圧が必要とされる場合にポンプ41の容量を小さくし、また、ダンパDで大流量が必要とされる場合にはポンプ41の容量を大きくして供給路5へ液体を供給すればよい。よって、車両の振動状況やダンパDの伸縮速度を認識できる情報に対して閾値を設定してもよい。
また、容量変更装置41aがパイロット圧力が低いとポンプ41の容量を小さくし、パイロット圧力が大きくなるにしたがってポンプ41の容量を大きくする場合、電磁切換弁44は、通電時に連通ポジションを採り、非通電時に遮断ポジションを採るものを利用すればよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
1・・・シリンダ、2・・・ピストン、4,41・・・ポンプ、4a・・・第一ポンプ、4b・・・第二ポンプ、5・・・供給路、6・・・排出路、7・・・伸側通路、8・・・圧側通路、9・・・方向切換弁、10・・・吸込通路、11・・・吸込チェック弁、12・・・供給側チェック弁、13・・・電動モータ、15・・・伸側減衰弁、16・・・伸側チェック弁、17・・・圧側減衰弁、18・・・圧側チェック弁、CC・・・容量制御回路、D・・・ダンパ、R・・・リザーバ、R1・・・伸側室、R2・・・圧側室、S1,S2・・・サスペンション装置、UC・・・アンロード回路、V・・・電磁弁

Claims (3)

  1. シリンダと、前記シリンダ内に移動自在に挿入されて前記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンとを備えたダンパと、
    容量の変更可能なポンプと、
    前記ポンプを駆動する電動モータと、
    前記ポンプの吸込側に接続されるリザーバと、
    前記ポンプの吐出側に接続される供給路と、
    前記リザーバに接続される排出路と、
    前記伸側室に接続される伸側通路と、
    前記圧側室に接続される圧側通路と、
    前記伸側通路と前記圧側通路の一方を選択して前記供給路に接続するとともに前記伸側通路と前記圧側通路の他方を前記排出路に接続する方向切換弁と、
    前記供給路の圧力を制御可能な電磁弁と
    を備えた
    ことを特徴とするサスペンション装置。
  2. 前記ポンプは、第一ポンプと第二ポンプを有するタンデムポンプであり、
    前記第二ポンプをアンロードするアンロード回路を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載のサスペンション装置。
  3. 前記ポンプの容量を変更する容量制御回路を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のサスペンション装置。
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