JP2017195034A - シールド端子の接続方法及びシールド電線の端末構造 - Google Patents

シールド端子の接続方法及びシールド電線の端末構造 Download PDF

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Abstract

【課題】伝送特性の劣化を抑制し、材料ロスが少ないシールド端子の接続方法及びシールド電線の端末構造を提供する。【解決手段】絶縁電線11の端部の導体13にインナー端子15を接続するインナー端子接続工程と、金属シート層25と絶縁フィルム層27を有する長尺状の電磁シールドシート21の長手方向端部を絶縁フィルム層27同士が向き合うように折り重ねて折り返し部29を形成するシート折り返し工程と、金属シート層25を内側にして縦添えした電磁シールドシート21により、絶縁体10の端部が所定長さ露出するように折り返し部29を配置して絶縁電線11を覆うシート巻き工程と、絶縁電線11の絶縁フィルム層27上にシース材23を巻きつけるシース巻き工程と、インナー端子15を覆う筒状のアウター端子31を折り返し部29に圧着するアウター端子接続工程と、を含むシールド端子の接続方法。【選択図】図5

Description

本発明は、シールド端子の接続方法及びシールド電線の端末構造に関する。
一般に、同軸ケーブルやシールド電線は、電磁波や静電気などの電気的ノイズを遮断すべく、絶縁内皮(絶縁体)により被覆された芯線の外側が編組(金属編組線)や金属箔によって覆われ、さらにその外側が絶縁シース(シース材)により被覆された構成を有する。
そして、このような同軸ケーブルを相手側の機器やコネクタに接続するためには、同軸ケーブル用シールド端子が用いられている。例えば図6に示す特許文献1の同軸ケーブル用シールド端子501は、圧着部503が、端子本体502の軸に沿って後方に延出した端子底板部505の両側縁より起立している。圧着部503は、同軸ケーブル507の編組509に対してかしめることで同軸ケーブル用シールド端子501を同軸ケーブル507に圧着接続するための一対の編組かしめ部511と、編組かしめ部511よりも後方位置で同軸ケーブル507の絶縁シース510に対してかしめることで同軸ケーブル用シールド端子501を同軸ケーブル507に圧着接続するための一対のシースかしめ部517と、編組かしめ部511の先端部との間で同軸ケーブル507の編組509を挟持するように先端部が同軸ケーブル507の端部側から同軸ケーブル507の絶縁内皮513と編組509との間に差し込まれる接続片515とを備える。この同軸ケーブル用シールド端子501によれば、編組かしめ部511が同軸ケーブル507の編組509を接続片515側に押圧付勢することになるため、接続片515と編組509の内周面との密着性が向上し、同軸ケーブル507の編組509と同軸ケーブル用シールド端子501との間の接続不良の発生を抑制できる。
また、図7に示す特許文献2のシールド線(シールド電線)519は、エナメル線の絶縁塗膜を一部剥離してドレン線521として用い、芯線を絶縁被覆層で被覆した3本のコア電線523と1本のドレン線521とを束ねた状態で、金属箔テープ525からなるシールド層527で被覆すると共にドレン線521の単芯線をシールド層527と接触させて組み立てている。このシールド線519によれば、シールド線519のドレン線521からの浸水を防止できる。
特開2005−93173号公報 特開2012−113885号公報
しかしながら、特許文献1の同軸ケーブル用シールド端子501は、同軸ケーブル507の絶縁シース510を皮むきしてシールド端子を接続するため、皮むきした際のカス(材料ロス)が多い。
また、特許文献2のシールド線519は、3本のコア電線523とドレン線521とを束ね、金属箔テープ525を巻き付けた状態で巻き始め端と巻き終わり端とに粘着テープを巻き付けて、巻き付け状態を保持しているが、コア電線523の絶縁被覆層に対する密着性(摩擦)がよくない金属箔テープ525は、位置ずれして伝送特性に悪影響を及ぼす虞がある。
ところで、同軸ケーブル507の周囲にPVC仕様の一般線またはその他のPVC部材があると、高温化にてPVC(ポリ塩化ビニル)に柔軟性を持たせるために添加している可塑剤(フタル酸ビスや、トリメリット酸など)が揮発し、編組509を抜けて同軸ケーブル507のコア線の絶縁内皮513へ移行する。その結果、ポリエチレン等の絶縁体からなる絶縁内皮513は、可塑剤が侵入することにより電気特性が低下することがある。同軸ケーブル507は、このような原因で伝送特性が劣化することもある。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、伝送特性の劣化を抑制し、材料ロスが少ないシールド端子の接続方法及びシールド電線の端末構造を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 絶縁電線の端部における絶縁体を除去して露出させた導体にインナー端子を接続するインナー端子接続工程と、金属シート層と絶縁フィルム層が一体化された長尺状の電磁シールドシートの長手方向端部を前記絶縁フィルム層同士が向き合うように折り重ねて折り返し部を形成するシート折り返し工程と、前記金属シート層が内側となるようにして前記絶縁電線に縦添えされた前記電磁シールドシートにより、前記絶縁体の端部が所定長さ露出するように前記折り返し部を配置した状態で、前記絶縁電線の周囲を覆うシート巻き工程と、前記絶縁電線の周囲を覆っている前記絶縁フィルム層上に、シース材を巻きつけるシース巻き工程と、前記インナー端子を覆う筒状のアウター端子を前記折り返し部に圧着するアウター端子接続工程と、を含むことを特徴とするシールド端子の接続方法。
上記(1)に記載のシールド端子の接続方法によれば、絶縁電線が、縦添えされた長尺状の電磁シールドシートによって覆われる。これにより、絶縁電線は、金属箔テープが直接ラップ巻きされた時のような位置ずれによる伝送特性の劣化がない。また、絶縁電線の周囲に電磁シールドシートとシース材が後巻きされるので、シース材を皮むきした時のようなカスが生じず材料ロスが少ない。また、電磁シールドシートの絶縁フィルム層上にシース材が巻きつけられるので、編組や金属箔上にシース材が直接巻かれる場合に比べ、シース材が位置ずれし難い。更に、アウター端子は、外周部に金属シート層が露出した電磁シールドシートの折り返し部に圧着されるので、電磁シールドシートと容易に電気的に接続することができる。電磁シールドシートを折り重ねて厚みが増した折り返し部は、圧着時に電磁シールドシートからの反発力が増大し、容易かつ確実な圧着が可能となる。
(2) 前記絶縁フィルム層が、前記絶縁体における樹脂材料のSP値と大きく異なるSP値を有する樹脂フィルムからなることを特徴とする上記(1)に記載のシールド端子の接続方法。
なお、SP値とは、溶解性パラメータと称せられ、樹脂材料の溶剤などに対する溶けやすさを数値化したものである。
上記(2)に記載のシールド端子の接続方法によれば、電磁シールドシートの絶縁フィルム層に、絶縁体における樹脂材料(例えば、ポリエチレン)とSP値が大きく異なる樹脂フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート)が用いられることにより、絶縁体に他のPVC電線の可塑剤(フタル酸ビスや、トリメリット酸)が移行して伝送特性を低下させることがない。このように、電磁シールドシートの絶縁フィルム層に、絶縁体における樹脂材料(ポリエチレン)のSP値と大きく異なるSP値を有する樹脂フィルム(PETフィルム)を使用することにより、電磁シールドシートの金属シート層には金属編組線を用いることもできる。
(3) 絶縁電線の端部における絶縁体から露出した導体に接続されたインナー端子と、絶縁フィルム層に一体化された金属シート層を内側にして縦添えされた状態で前記絶縁電線の周囲を覆っている長尺状の電磁シールドシートと、前記絶縁電線の周囲を覆っている前記絶縁フィルム層上に巻きつけられているシース材と、前記絶縁フィルム層同士が向き合うように前記電磁シールドシートの長手方向端部が折り重ねられた状態で前記絶縁体の端部が所定長さ露出するように配置されている折り返し部に圧着されており、前記インナー端子を覆っている筒状のアウター端子と、を備えることを特徴とするシールド電線の端末構造。
上記(3)に記載のシールド電線の端末構造によれば、絶縁電線が、縦添えされた長尺状の電磁シールドシートによって覆われている。そこで、絶縁電線は、金属箔テープが直接ラップ巻きされた時のような位置ずれによる伝送特性の劣化がない。また、電磁シールドシートの絶縁フィルム層上にシース材が巻きつけられているので、編組や金属箔上にシース材が直接巻かれる場合に比べ、シース材が位置ずれし難い。更に、アウター端子は、外周部に金属シート層が露出した電磁シールドシートの折り返し部に圧着されているので、電磁シールドシートと確実に電気的に接続される。
本発明に係るシールド端子の接続方法によれば、伝送特性の劣化を抑制し、材料ロスを少なくできる。
また、本発明に係るシールド電線の端末構造によれば、伝送特性の劣化を抑制できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
(a)〜(c)は本発明の一実施形態に係るシールド端子の接続方法を示すインナー端子接続工程の手順説明図である。 (a)は本実施形態に係る電磁シールドシートの断面図、(b)は変形例に係る電磁シールドシートの断面図である。 (a)〜(c)はシート折り返し工程及びシート巻き工程の手順説明図である。 (a)〜(c)はシース巻き工程及びアウター端子接続工程の手順説明図である。 本実施形態に係るシールド端子の接続方法により製造されたシールド電線の端末構造を説明する側断面図である。 従来の同軸ケーブル用シールド端子の概略構成を示す斜視図である。 従来のシールド電線を示し、(a)はその斜視図、(b)は(a)のA−A断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1,3,4に示すように、本発明の一実施形態に係るシールド端子の接続方法は、インナー端子接続工程と、シート折り返し工程と、シート巻き工程と、シース巻き工程と、アウター端子接続工程と、を含む。
<インナー端子接続工程>
図1の(a)〜(c)はシールド端子の接続方法を示すインナー端子接続工程の手順説明図である。
本実施形態のインナー端子接続工程では、図1(a)に示すように、絶縁電線11の端部における絶縁体10を除去して導体13を露出させた後、図1(b)に示すように、露出した導体13にインナー端子15を接続する。インナー端子15は、先端の電気接触部17の後方に導体圧着部19が形成されている。インナー端子15は、この導体圧着部19が導体13に圧着される。
インナー端子接続工程を終えた絶縁電線11は、次工程のシート折り返し工程及びシース巻き工程において、図1(c)に示す長尺状の電磁シールドシート21に沿って配置される。
上述した絶縁電線11は、銅合金やアルミ合金製の導体13の周囲を絶縁体10で覆ったものであり、絶縁体10には、ポリエチレンが使用されている。ここで、ポリエチレンのSP値は、7.7〜8.4である。ここで、SP値とは、溶解性パラメータと称せられ、樹脂材料の溶剤などに対する溶けやすさを数値化したものである。即ち、SP値が近い物質は、互いに混ざりやすい傾向を持つ。
一方、後述するシース材23(図4(b)参照)や、PVC仕様の一般電線の絶縁シースには、PVC(ポリ塩化ビニル)が用いられている。そして、ポリ塩化ビニルには、柔軟性を持たせるために可塑剤(フタル酸ビスや、トリメリット酸など)が添加されている。これらフタル酸ビスや、トリメリット酸のSP値は、それぞれ8.9である。
そこで、高温化にて揮発したフタル酸ビスやトリメリット酸などの可塑剤は、SP値が近いポリエチレンに混ざり易く、絶縁体10へ移行し易い。
絶縁体10は、ポリ塩化ビニルに添加されている可塑剤が移行すると、伝送特性(減衰量)が低下する。すなわち、可塑剤が絶縁体10へ移行すると、絶縁体10の誘電率が大きくなり、特性インピーダンスが小さくなる。その結果、インピーダンスの不整合が起こる。インピーダンスの不整合が起こると、その不整合の境界面で反射波や信号が効率良く伝送されなくなり、減衰量が低下する。そこで、本実施形態に係るシールド端子の接続方法では、この可塑剤の絶縁体10への移行を対策した電磁シールドシート21が使用される。
電磁シールドシート21は、図2の(a)に示すように、金属シート層25と絶縁フィルム層27が表裏面で一体化された長尺状に形成されている。金属シート層25は、導電性を有するアルミ箔や銅箔等の金属箔からなる。絶縁フィルム層27は、絶縁体10におけるポリエチレンのSP値(7.7〜8.4)と大きく異なるSP値(10.7)を有する樹脂フィルムであるPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムからなる。
本実施形態における金属シート層25は、アルミ箔や銅箔等の金属箔であるが、本発明における「金属シート層」はこれに限定されず、図2の(b)の変形例に係る電磁シールドシート21Aのように、導電性を有する金属編組線26を用いることもできる。また、本発明における「絶縁フィルム層」としては、PET、フッ素樹脂、ポリウレタン等の種々のフィルムや、金属シート層に塗布形成された樹脂層等を用いることができる。
電磁シールドシート21の絶縁フィルム層27は、隣接するPVC電線の可塑剤(フタル酸ビスや、トリメリット酸)が、絶縁体(ポリエチレン)10に移行するのを抑制することができる樹脂材料とされる。樹脂材料において、可塑剤の移行を抑制するには、互いのSP値が大きく異なる必要がある。この樹脂材料は、可塑剤とのSP値の差異を1.5以上と大きく異ならせることで可塑剤の移行を抑制する効果が得られる。そこで、電磁シールドシート21は、絶縁体10がポリエチレンである場合、絶縁フィルム層27にPET(SP値:10.7)、フッ素樹脂(SP値:6.2)、ポリウレタン(SP値:10.0)等の樹脂材料を用いることが好ましい。
なお、本発明における「絶縁フィルム層」としては、種々のフィルムや、金属シート層に塗布形成された樹脂層等を用いることができる。
<シート折り返し工程>
図3の(a)〜(c)はシート折り返し工程及びシート巻き工程の手順説明図である。
シート折り返し工程では、電磁シールドシート21の長手方向端部を、絶縁フィルム層27同士が向き合うように折り重ねて折り返し部29を形成する。図3の(a)に示すように、電磁シールドシート21は、金属シート層25を内側にして絶縁電線11に縦添えした後、図3の(b)に示すように、長手方向端部を折り返す。勿論、電磁シールドシート21は、長手方向端部を折り返した後、金属シート層25を内側にして絶縁電線11に縦添えしてもよい。
<シート巻き工程>
シート巻き工程では、金属シート層25が内側となるようにして、絶縁電線11に縦添えされた電磁シールドシート21により、絶縁体10の端部が所定長さLだけ露出するように折り返し部29を配置した状態で、絶縁電線11の周囲を覆う。すなわち、電磁シールドシート21は、折り返し部29を形成したまま図3の(c)に示すように、電線の延在方向に沿う方向の縁同士をオーバーラップさせて絶縁電線11に巻き付けられる。絶縁体10の端部が所定長さLだけ露出するように電磁シールドシート21の折り返し部29を配置するのは、一定の距離を確保して導体13に対する金属シート層25の絶縁距離を取るためである。
<シース巻き工程>
図4の(a)〜(b)はシース巻き工程の手順説明図である。
シース巻き工程では、絶縁電線11の周囲を覆っている図4(a)に示す電磁シールドシート21の絶縁フィルム層27上に、図4(b)に示すように、粘着テープからなるシース材23をラップ巻きして巻きつける。但し、電磁シールドシート21の折り返し部29は、シース材23を巻きつけずに露出させたままで残す。この様に、絶縁電線11の周囲を覆っている電磁シールドシート21上にシース材23が巻き付けられることにより、所謂、同軸ケーブル相当のシールド電線100が構成される。
なお、本発明のシース巻き工程では、テープ状のシース材23をラップ巻きする以外の方法を用いてもよい。例えば、シース材23を荒巻きしたり、シート状のシース材で巻いたりしてもよい。但し、電磁シールドシート21は、絶縁フィルム層(PETフィルム)27の部分がベトベトしているため、作業者が持つと不快感がある。また、絶縁フィルム層27が剥げて、経年劣化すると、金属シート層25の金属箔が酸化及び腐食して最終的に組み立てた電線構造(同軸線相当)の伝送性能が悪化する可能性がある。そのため、シース巻き工程では、絶縁フィルム層27が露出しない巻き方とすることが好ましい。
<アウター端子接続工程>
図4の(c)はアウター端子接続工程の手順説明図である。
図4の(c)に示すように、アウター端子接続工程では、インナー端子15を覆う筒状のアウター端子31を折り返し部29に圧着する(図5、参照)。この際、アウター端子31は、シース材23が巻かれている絶縁電線11の端部も同時に圧着する。
アウター端子31は、先端側より筒部33と、シールド圧着部35と、シース圧着部37とが順に連設されている。筒部33は、内部に配置された誘電体18を介してインナー端子15を内方に保持する。一対の圧着片からなるシールド圧着部35は、電磁シールドシート21の折り返し部29に圧着される。シールド圧着部35よりも後方位置に形成された一対の圧着片からなるシース圧着部37は、シース材23が巻かれている絶縁電線11の端部に圧着される。これにより、アウター端子31のシース圧着部37は、シース材23の端のホツレを防止することができる。
図5は上記シールド端子の接続方法により製造されたシールド電線の端末構造を説明する側断面図である。
上記したシールド端子の接続方法により製造されたシールド電線100は、絶縁電線11と、インナー端子15と、電磁シールドシート21と、シース材23と、アウター端子31と、有する。
インナー端子15は、電気接触部17を先端に有する。インナー端子15は、絶縁電線11の端部における絶縁体10から露出した導体13に、導体圧着部19が圧着により接続されている。
電磁シールドシート21は、長尺状に形成され、絶縁フィルム層27に一体化された金属シート層25を内側にして縦添えされた状態で絶縁電線11の周囲を覆っている。
シース材23は、絶縁電線11の周囲を覆っている電磁シールドシート21の絶縁フィルム層27上に巻きつけられている。本実施形態では、上述のように粘着テープからなるシース材23がラップ巻きされる。
アウター端子31は、筒状に形成されてインナー端子15を覆っている。アウター端子31のシールド圧着部35は、絶縁フィルム層27同士が向き合うように電磁シールドシート21の長手方向端部が折り重ねられた状態で、絶縁体10の端部が所定長さLだけ露出するように配置されている折り返し部29に圧着されている。本実施形態では、シース材23が巻かれている絶縁電線11の端部もシース圧着部37により同時に圧着されている。これにより、アウター端子31が折り返し部29及び絶縁電線11の端部に同時に圧着されることで、別途ホツレ防止手段を設けなくとも、シース材23の端のホツレが防止されている。
次に、上記構成の作用を説明する。
本実施形態に係るシールド端子の接続方法では、絶縁電線11が、縦添えされた長尺状の電磁シールドシート21によって覆われる。これにより、絶縁電線11は、金属箔テープが直接ラップ巻きされた時のような位置ずれによる伝送特性の劣化がない。また、絶縁電線11の周囲に電磁シールドシート21とシース材23が後巻きされるので、図6に示した同軸ケーブル507の絶縁シース510を皮むきした時のようなカスが生じず、材料ロスが少ない。
また、本実施形態のシールド端子の接続方法では、電磁シールドシート21の絶縁フィルム層27上にシース材23が巻きつけられるので、金属編組線や金属箔上にシース材23が直接巻かれる場合に比べ、シース材23が位置ずれし難い。更に、アウター端子31は、外周部に金属シート層25が露出した電磁シールドシート21の折り返し部29に圧着されるので、電磁シールドシート21と容易に電気的に接続することができる。電磁シールドシート21を折り重ねて厚みが増した折り返し部29は、圧着時に電磁シールドシート21からの反発力が増大し、容易かつ確実な圧着が可能となる。
また、本実施形態のシールド端子の接続方法では、電磁シールドシート21の絶縁フィルム層27に、ポリエチレンからなる絶縁体10とSP値が大きく異なるPETフィルムが用いられることにより、絶縁体10に他のPVC電線の可塑剤(フタル酸ビスや、トリメリット酸)が移行して伝送特性を低下させることがない。このように、電磁シールドシート21の絶縁フィルム層27に、絶縁体10における樹脂材料のSP値と大きく異なるSP値を有する樹脂フィルムであるPETフィルムを使用することにより、電磁シールドシート21の金属シート層25には金属編組線を用いることもできる。即ち、金属箔のようにガスバリア性が高くない金属編組線であっても、絶縁体10における樹脂材料とSP値が大きく異なる樹脂フィルム(PETフィルム)を電磁シールドシート21の絶縁フィルム層27に用いることで、他のPVC電線等の可塑剤が絶縁体10に移行して伝送特性を低下させることがない。
本実施形態のシールド電線の端末構造では、絶縁電線11が、縦添えされた長尺状の電磁シールドシート21によって覆われている。そこで、絶縁電線11は、金属箔テープが直接ラップ巻きされた時のような位置ずれによる伝送特性の劣化がない。
また、本実施形態のシールド電線の端末構造は、電磁シールドシート21の絶縁フィルム層27上にシース材23が巻きつけられているので、金属編組や金属箔上にシース材23が直接巻かれる場合に比べ、シース材23が位置ずれし難い。更に、アウター端子31は、外周部に金属シート層25が露出した電磁シールドシート21の折り返し部29に圧着されているので、電磁シールドシート21と確実に電気的に接続される。
本発明のシールド端子の接続方法及びシールド電線の端末構造は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
従って、本実施形態に係るシールド端子の接続方法によれば、伝送特性の劣化を抑制し、材料ロスを少なくできる。
また、本実施形態に係るシールド電線の端末構造によれば、伝送特性の劣化を抑制できる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
ここで、上述した本発明に係るシールド端子の接続方法及びシールド電線の端末構造の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 絶縁電線(11)の端部における絶縁体(10)を除去して露出させた導体(13)にインナー端子(15)を接続するインナー端子接続工程と、
金属シート層(25)と絶縁フィルム層(27)が一体化された長尺状の電磁シールドシート(21)の長手方向端部を前記絶縁フィルム層同士が向き合うように折り重ねて折り返し部(29)を形成するシート折り返し工程と、
前記金属シート層が内側となるようにして前記絶縁電線に縦添えされた前記電磁シールドシートにより、前記絶縁体の端部が所定長さ(L)露出するように前記折り返し部を配置した状態で、前記絶縁電線の周囲を覆うシート巻き工程と、
前記絶縁電線の周囲を覆っている前記絶縁フィルム層上に、シース材(23)を巻きつけるシース巻き工程と、
前記インナー端子を覆う筒状のアウター端子(31)を前記折り返し部に圧着するアウター端子接続工程と、
を含むことを特徴とするシールド端子の接続方法。
[2] 前記絶縁フィルム層が、前記絶縁体における樹脂材料(ポリエチレン)のSP値と大きく異なるSP値を有する樹脂フィルム(PETフィルム)からなることを特徴とする上記[1]に記載のシールド端子の接続方法。
[3] 絶縁電線(11)の端部における絶縁体(10)から露出した導体(13)に接続されたインナー端子(15)と、
絶縁フィルム層(27)に一体化された金属シート層(25)を内側にして縦添えされた状態で前記絶縁電線の周囲を覆っている長尺状の電磁シールドシート(21)と、
前記絶縁電線の周囲を覆っている前記絶縁フィルム層上に巻きつけられているシース材(23)と、
前記絶縁フィルム層同士が向き合うように前記電磁シールドシートの長手方向端部が折り重ねられた状態で前記絶縁体の端部が所定長さ(L)露出するように配置されている折り返し部(29)に圧着されており、前記インナー端子を覆っている筒状のアウター端子(31)と、
を備えることを特徴とするシールド電線(100)の端末構造。
10…絶縁体
11…絶縁電線
13…導体
15…インナー端子
21…電磁シールドシート
23…シース材
25…金属シート層
27…絶縁フィルム層
29…折り返し部
31…アウター端子
100…シールド電線

Claims (3)

  1. 絶縁電線の端部における絶縁体を除去して露出させた導体にインナー端子を接続するインナー端子接続工程と、
    金属シート層と絶縁フィルム層が一体化された長尺状の電磁シールドシートの長手方向端部を前記絶縁フィルム層同士が向き合うように折り重ねて折り返し部を形成するシート折り返し工程と、
    前記金属シート層が内側となるようにして前記絶縁電線に縦添えされた前記電磁シールドシートにより、前記絶縁体の端部が所定長さ露出するように前記折り返し部を配置した状態で、前記絶縁電線の周囲を覆うシート巻き工程と、
    前記絶縁電線の周囲を覆っている前記絶縁フィルム層上に、シース材を巻きつけるシース巻き工程と、
    前記インナー端子を覆う筒状のアウター端子を前記折り返し部に圧着するアウター端子接続工程と、
    を含むことを特徴とするシールド端子の接続方法。
  2. 前記絶縁フィルム層が、前記絶縁体における樹脂材料のSP値と大きく異なるSP値を有する樹脂フィルムからなることを特徴とする請求項1に記載のシールド端子の接続方法。
  3. 絶縁電線の端部における絶縁体から露出した導体に接続されたインナー端子と、
    絶縁フィルム層に一体化された金属シート層を内側にして縦添えされた状態で前記絶縁電線の周囲を覆っている長尺状の電磁シールドシートと、
    前記絶縁電線の周囲を覆っている前記絶縁フィルム層上に巻きつけられているシース材と、
    前記絶縁フィルム層同士が向き合うように前記電磁シールドシートの長手方向端部が折り重ねられた状態で前記絶縁体の端部が所定長さ露出するように配置されている折り返し部に圧着されており、前記インナー端子を覆っている筒状のアウター端子と、
    を備えるシールド電線の端末構造。
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