JP2017195034A - シールド端子の接続方法及びシールド電線の端末構造 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2のシールド線519は、3本のコア電線523とドレン線521とを束ね、金属箔テープ525を巻き付けた状態で巻き始め端と巻き終わり端とに粘着テープを巻き付けて、巻き付け状態を保持しているが、コア電線523の絶縁被覆層に対する密着性(摩擦)がよくない金属箔テープ525は、位置ずれして伝送特性に悪影響を及ぼす虞がある。
(1) 絶縁電線の端部における絶縁体を除去して露出させた導体にインナー端子を接続するインナー端子接続工程と、金属シート層と絶縁フィルム層が一体化された長尺状の電磁シールドシートの長手方向端部を前記絶縁フィルム層同士が向き合うように折り重ねて折り返し部を形成するシート折り返し工程と、前記金属シート層が内側となるようにして前記絶縁電線に縦添えされた前記電磁シールドシートにより、前記絶縁体の端部が所定長さ露出するように前記折り返し部を配置した状態で、前記絶縁電線の周囲を覆うシート巻き工程と、前記絶縁電線の周囲を覆っている前記絶縁フィルム層上に、シース材を巻きつけるシース巻き工程と、前記インナー端子を覆う筒状のアウター端子を前記折り返し部に圧着するアウター端子接続工程と、を含むことを特徴とするシールド端子の接続方法。
なお、SP値とは、溶解性パラメータと称せられ、樹脂材料の溶剤などに対する溶けやすさを数値化したものである。
また、本発明に係るシールド電線の端末構造によれば、伝送特性の劣化を抑制できる。
図1,3,4に示すように、本発明の一実施形態に係るシールド端子の接続方法は、インナー端子接続工程と、シート折り返し工程と、シート巻き工程と、シース巻き工程と、アウター端子接続工程と、を含む。
図1の(a)〜(c)はシールド端子の接続方法を示すインナー端子接続工程の手順説明図である。
本実施形態のインナー端子接続工程では、図1(a)に示すように、絶縁電線11の端部における絶縁体10を除去して導体13を露出させた後、図1(b)に示すように、露出した導体13にインナー端子15を接続する。インナー端子15は、先端の電気接触部17の後方に導体圧着部19が形成されている。インナー端子15は、この導体圧着部19が導体13に圧着される。
インナー端子接続工程を終えた絶縁電線11は、次工程のシート折り返し工程及びシース巻き工程において、図1(c)に示す長尺状の電磁シールドシート21に沿って配置される。
一方、後述するシース材23(図4(b)参照)や、PVC仕様の一般電線の絶縁シースには、PVC(ポリ塩化ビニル)が用いられている。そして、ポリ塩化ビニルには、柔軟性を持たせるために可塑剤(フタル酸ビスや、トリメリット酸など)が添加されている。これらフタル酸ビスや、トリメリット酸のSP値は、それぞれ8.9である。
そこで、高温化にて揮発したフタル酸ビスやトリメリット酸などの可塑剤は、SP値が近いポリエチレンに混ざり易く、絶縁体10へ移行し易い。
なお、本発明における「絶縁フィルム層」としては、種々のフィルムや、金属シート層に塗布形成された樹脂層等を用いることができる。
図3の(a)〜(c)はシート折り返し工程及びシート巻き工程の手順説明図である。
シート折り返し工程では、電磁シールドシート21の長手方向端部を、絶縁フィルム層27同士が向き合うように折り重ねて折り返し部29を形成する。図3の(a)に示すように、電磁シールドシート21は、金属シート層25を内側にして絶縁電線11に縦添えした後、図3の(b)に示すように、長手方向端部を折り返す。勿論、電磁シールドシート21は、長手方向端部を折り返した後、金属シート層25を内側にして絶縁電線11に縦添えしてもよい。
シート巻き工程では、金属シート層25が内側となるようにして、絶縁電線11に縦添えされた電磁シールドシート21により、絶縁体10の端部が所定長さLだけ露出するように折り返し部29を配置した状態で、絶縁電線11の周囲を覆う。すなわち、電磁シールドシート21は、折り返し部29を形成したまま図3の(c)に示すように、電線の延在方向に沿う方向の縁同士をオーバーラップさせて絶縁電線11に巻き付けられる。絶縁体10の端部が所定長さLだけ露出するように電磁シールドシート21の折り返し部29を配置するのは、一定の距離を確保して導体13に対する金属シート層25の絶縁距離を取るためである。
図4の(a)〜(b)はシース巻き工程の手順説明図である。
シース巻き工程では、絶縁電線11の周囲を覆っている図4(a)に示す電磁シールドシート21の絶縁フィルム層27上に、図4(b)に示すように、粘着テープからなるシース材23をラップ巻きして巻きつける。但し、電磁シールドシート21の折り返し部29は、シース材23を巻きつけずに露出させたままで残す。この様に、絶縁電線11の周囲を覆っている電磁シールドシート21上にシース材23が巻き付けられることにより、所謂、同軸ケーブル相当のシールド電線100が構成される。
図4の(c)はアウター端子接続工程の手順説明図である。
図4の(c)に示すように、アウター端子接続工程では、インナー端子15を覆う筒状のアウター端子31を折り返し部29に圧着する(図5、参照)。この際、アウター端子31は、シース材23が巻かれている絶縁電線11の端部も同時に圧着する。
アウター端子31は、先端側より筒部33と、シールド圧着部35と、シース圧着部37とが順に連設されている。筒部33は、内部に配置された誘電体18を介してインナー端子15を内方に保持する。一対の圧着片からなるシールド圧着部35は、電磁シールドシート21の折り返し部29に圧着される。シールド圧着部35よりも後方位置に形成された一対の圧着片からなるシース圧着部37は、シース材23が巻かれている絶縁電線11の端部に圧着される。これにより、アウター端子31のシース圧着部37は、シース材23の端のホツレを防止することができる。
上記したシールド端子の接続方法により製造されたシールド電線100は、絶縁電線11と、インナー端子15と、電磁シールドシート21と、シース材23と、アウター端子31と、有する。
本実施形態に係るシールド端子の接続方法では、絶縁電線11が、縦添えされた長尺状の電磁シールドシート21によって覆われる。これにより、絶縁電線11は、金属箔テープが直接ラップ巻きされた時のような位置ずれによる伝送特性の劣化がない。また、絶縁電線11の周囲に電磁シールドシート21とシース材23が後巻きされるので、図6に示した同軸ケーブル507の絶縁シース510を皮むきした時のようなカスが生じず、材料ロスが少ない。
また、本実施形態に係るシールド電線の端末構造によれば、伝送特性の劣化を抑制できる。
[1] 絶縁電線(11)の端部における絶縁体(10)を除去して露出させた導体(13)にインナー端子(15)を接続するインナー端子接続工程と、
金属シート層(25)と絶縁フィルム層(27)が一体化された長尺状の電磁シールドシート(21)の長手方向端部を前記絶縁フィルム層同士が向き合うように折り重ねて折り返し部(29)を形成するシート折り返し工程と、
前記金属シート層が内側となるようにして前記絶縁電線に縦添えされた前記電磁シールドシートにより、前記絶縁体の端部が所定長さ(L)露出するように前記折り返し部を配置した状態で、前記絶縁電線の周囲を覆うシート巻き工程と、
前記絶縁電線の周囲を覆っている前記絶縁フィルム層上に、シース材(23)を巻きつけるシース巻き工程と、
前記インナー端子を覆う筒状のアウター端子(31)を前記折り返し部に圧着するアウター端子接続工程と、
を含むことを特徴とするシールド端子の接続方法。
[2] 前記絶縁フィルム層が、前記絶縁体における樹脂材料(ポリエチレン)のSP値と大きく異なるSP値を有する樹脂フィルム(PETフィルム)からなることを特徴とする上記[1]に記載のシールド端子の接続方法。
[3] 絶縁電線(11)の端部における絶縁体(10)から露出した導体(13)に接続されたインナー端子(15)と、
絶縁フィルム層(27)に一体化された金属シート層(25)を内側にして縦添えされた状態で前記絶縁電線の周囲を覆っている長尺状の電磁シールドシート(21)と、
前記絶縁電線の周囲を覆っている前記絶縁フィルム層上に巻きつけられているシース材(23)と、
前記絶縁フィルム層同士が向き合うように前記電磁シールドシートの長手方向端部が折り重ねられた状態で前記絶縁体の端部が所定長さ(L)露出するように配置されている折り返し部(29)に圧着されており、前記インナー端子を覆っている筒状のアウター端子(31)と、
を備えることを特徴とするシールド電線(100)の端末構造。
11…絶縁電線
13…導体
15…インナー端子
21…電磁シールドシート
23…シース材
25…金属シート層
27…絶縁フィルム層
29…折り返し部
31…アウター端子
100…シールド電線
Claims (3)
- 絶縁電線の端部における絶縁体を除去して露出させた導体にインナー端子を接続するインナー端子接続工程と、
金属シート層と絶縁フィルム層が一体化された長尺状の電磁シールドシートの長手方向端部を前記絶縁フィルム層同士が向き合うように折り重ねて折り返し部を形成するシート折り返し工程と、
前記金属シート層が内側となるようにして前記絶縁電線に縦添えされた前記電磁シールドシートにより、前記絶縁体の端部が所定長さ露出するように前記折り返し部を配置した状態で、前記絶縁電線の周囲を覆うシート巻き工程と、
前記絶縁電線の周囲を覆っている前記絶縁フィルム層上に、シース材を巻きつけるシース巻き工程と、
前記インナー端子を覆う筒状のアウター端子を前記折り返し部に圧着するアウター端子接続工程と、
を含むことを特徴とするシールド端子の接続方法。 - 前記絶縁フィルム層が、前記絶縁体における樹脂材料のSP値と大きく異なるSP値を有する樹脂フィルムからなることを特徴とする請求項1に記載のシールド端子の接続方法。
- 絶縁電線の端部における絶縁体から露出した導体に接続されたインナー端子と、
絶縁フィルム層に一体化された金属シート層を内側にして縦添えされた状態で前記絶縁電線の周囲を覆っている長尺状の電磁シールドシートと、
前記絶縁電線の周囲を覆っている前記絶縁フィルム層上に巻きつけられているシース材と、
前記絶縁フィルム層同士が向き合うように前記電磁シールドシートの長手方向端部が折り重ねられた状態で前記絶縁体の端部が所定長さ露出するように配置されている折り返し部に圧着されており、前記インナー端子を覆っている筒状のアウター端子と、
を備えるシールド電線の端末構造。
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JP2012113885A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | シールド線 |
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