JP2017193305A - 制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動変速機のシフトダウン時の加速側ショックを低減する。【解決手段】車両20は、自動変速機24と制動装置であるブレーキ機構50とを備える。制動力制御部102は、自動変速機24のシフトダウン実行中にブレーキ機構50により発生する制動力を増加させる。自動変速機24にシフトダウンを指示する制御信号を取得し、制御信号の取得後かつ自動変速機24でのシフトダウン動作開始前から制動力の増加を開始するようにしてもよい。【選択図】図3

Description

本発明は、車両の制動制御装置に関する。
従来、自動変速機を搭載した車両において、シフトダウン時のショックを軽減する技術が開発されている。
例えば、下記特許文献1は、車両に搭載された自動変速機と、車両に制動力を与える制動装置とを有した車両の制動制御装置において、自動変速機のシフトダウンを予見するシフトダウン予見手段と、シフトダウン予見手段からの情報に基づき、予見時からシフトダウン完了後所定時間が経過するまでの間、制動装置に自動的に制動力を付加する制動力付加制御手段と、シフトダウンの実施中には上記制動力付加制御手段による制動力の付加量を減少させる付加量制限手段とを備え、パワーオフ状態でのダウンシフト時においてシフトショックを防止している。
特許第3543904号公報
上述した従来技術は、シフトダウン前後でギア比が異なることにより、シフトダウン実行後に自動変速機の出力軸側の回転数が急変動することによるショック(急減速)を防止することを目的としている。
一方で、シフトダウン実行中には、自動変速機内の摩擦係合要素の係合が一時的に解除されてニュートラル状態となる、すなわちトルク抜けが生じる時間帯がある。この時間帯には減速トルクが0に近づいて車両が加速し、この加速に伴うショックが生じる。
上述した従来技術では、シフトダウン時における加速側ショックは考慮されておらず、改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、シフトダウン時の加速側ショックを低減することにある。
上述の目的を達成するため、請求項1の発明にかかる制動力制御装置は、自動変速機と制動装置とを備える車両の制動制御装置であって、前記自動変速機のシフトダウン実行中に前記制動装置により発生する前記制動力を増加させる制動力制御部を備える、ことを特徴とする。
請求項2の発明にかかる制動力制御装置は、前記制動力制御部は、前記自動変速機に前記シフトダウンを指示する制御信号を取得し、前記制御信号の取得後かつ前記自動変速機での前記シフトダウン実行前から前記制動力の増加を開始する、ことを特徴とする。
請求項3の発明にかかる制動力制御装置は、前記制動力制御部は、運転者の減速操作に基づく制動中に前記シフトダウンが実行される場合には前記制動装置により発生している制動力を増加させ、前記シフトダウンの実行が完了した場合には、前記シフトダウンの実行前よりも前記制動力を一時的に減少させ、その後前記シフトダウンの実行前の前記制動力に戻す、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかる制動力制御装置は、前記運転者による前記シフトダウンの指示が入力される入力部を更に備え、前記制動力制御部は、前記指示に基づく前記シフトダウンが実行される場合には、前記シフトダウンの実行中には前記制動力を増加させず、前記シフトダウンの実行後に前記制動力を一時的に減少させ、その後前記シフトダウンの実行前の前記制動力に戻す、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、シフトダウン実行中に制動力を増加させるので、自動変速機内の摩擦係合要素の係合が一時的に解除されてニュートラル状態となった際に車両が加速するのを防止し、シフトダウン時の加速側ショックを低減し、乗車フィーリングを向上させる上で有利となる。
請求項2の発明によれば、自動変速機でシフトダウンが実行される前から制動力の増加を開始するので、車両の駆動輪に入力されるトルクの変化率を小さくし、シフトダウン時の加速側ショックをより効果的に低減する上で有利となる。
請求項3の発明によれば、運転者の減速操作に基づく制動中にシフトダウンが実行される場合には制動装置により発生している制動力を増加させ、シフトダウンの実行が完了した場合には、シフトダウンの実行前よりも制動力を一時的に減少させるので、シフトダウン時の加速側ショックを低減するとともにシフトダウンの実行後の減速側ショックを低減し、乗車フィーリングをより向上させる上で有利となる。
請求項4の発明によれば、運転者の指示に基づくシフトダウンが実行される場合には、シフトダウンの実行中には制動力を増加させず、シフトダウンの実行後に制動力を一時的に減少させるので、シフトダウンのタイミングが予見できない場合でも摩擦係合要素係合後(シフトダウンの実行後)の減速側ショックを低減する上で有利となる。
実施の形態にかかる制動制御装置が搭載された車両20の構成を示すブロック図である。 車両20のブレーキ機構50を示す説明図である。 シフトダウン時における各部の作動状態を示すタイミングチャートである。 シフトダウン時における各部の作動状態を示すタイミングチャートである。 シフトダウン時における各部の作動状態を示すタイミングチャートである。 シフトダウン時における各部の作動状態を示すタイミングチャートである。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる制動制御装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、実施の形態にかかる制動制御装置が搭載された車両20の駆動部を示す説明図である。
車両20は、エンジン22によって図示しない駆動輪を駆動して走行する。エンジン22と駆動輪との間には、自動変速機24が接続されている。自動変速機24と駆動輪とは出力軸23を介して接続されている。
自動変速機24は、トルクコンバータ(TC)26、変速機構28、油圧制御部30を備えている。変速機構28は、プラネタリギヤ、油圧クラッチ、油圧ブレーキ等の複数の油圧摩擦係合要素が内蔵されており、これら複数の油圧摩擦係合要素の係合の組合せに応じて変速段が決定される。油圧制御部30は、複数の油圧摩擦係合要素に対して油圧ユニット(図示せず)からの油圧の供給と解放とを行う複数のソレノイド弁が収納されている。これら油圧制御部30のソレノイド弁は、ECU10に電気的に接続されており、当該ECU10からの駆動信号に応じて切換制御される。
ECU10は、CPU、制御プログラムなどを格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
本実施の形態では、ECU10の上記CPUが上記制御プログラムを実行することにより、制動力制御装置(制動力制御部102)および変速制御部104として機能する。
なお、本実施の形態では、制動力制御部102および変速制御部104の処理を同一のECU10上で実行するものとするが、例えば制動力制御部102の処理を別個のECU(例えばブレーキECUなど)で実行してもよい。
ECU10には、各車輪の回転速度をそれぞれ検出する車輪速センサ32、ブレーキペダル505の操作の有無を検出するブレーキスイッチ36、アクセルペダル38の操作量を検出するアクセル開度センサ40、自動変速機24の現在の変速段を検出する変速段センサ42、シフトレバー44の操作位置を検出するシフトスイッチ46、ブレーキ液の液圧を検出する液圧センサ512等が接続されている。
シフトレバー44は、自動変速機24の変速モードを運転者の操作により切り替え可能となっている。本実施の形態では、シフトレバー44は、パーキングレンジ(Pレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)、後退レンジ(Rレンジ)の他、走行中に自動変速機24による自動変速を実施する走行レンジ(Dレンジ)と、走行中に運転者による変速段の切り替えを可能とするマニュアルレンジ(Mレンジ)に操作可能である。
また、ECU10の出力側には、上記油圧制御部30のソレノイド弁、車輪に設けられたブレーキ機構50に接続されている。ブレーキ機構50は、車両20に制動力を付与する制動装置である。
図2は、車両20のブレーキ機構50を示す説明図である。
図示するように、マスタシリンダ503には、液路502を介してホイールシリンダ501A〜501Dが接続されており、運転者がブレーキペダル505を踏み込むと、このブレーキペダル505の操作に応じてマスタシリンダ503内のブレーキ液(作動流体)が加圧されるとともに、液路502を介してブレーキ液が各ホイールシリンダ501A〜501Dに供給されるようになっている。なお、ホイールシリンダ501A〜501Dは、図示しない車両の前後左右の各車輪に対応してそれぞれ設けられている。
図示するように、上記液路502は、例えばX配管の場合は左前輪および右後輪用の液路502Fと、右前輪および左後輪用の液路502Rとの2系統の液路(第1流体通路)から構成されており、上記左前輪および右後輪用の液路502Fはその下流側で2つの液路502A,502Bに分岐している。そして、左前輪のホイールシリンダ501A,右後輪のホイールシリンダ501Bにこれらの液路502A,502Bがそれぞれ接続されている。
また、同様に、右前輪および左後輪用の液路502Rもその下流側で2つの液路502C,502Dに分岐しており、右前輪のホイールシリンダ501C,左後輪のホイールシリンダ501Dに液路502C,502Dがそれぞれ接続されている。
そして、ブレーキペダル505を踏み込むとこれらの各液路502A〜502Dを介してホイールシリンダ501A〜501Dに液圧が生じ、このブレーキ液の液圧に応じた制動力が各ホイールシリンダ501A〜501Dで発生するようになっている。
ところで、図示するように、上記マスタシリンダ503と各ホイールシリンダ501A〜501Dとの間には、各種のバルブや液路をそなえたハイドロリックユニット506が設けられている。
このハイドロリックユニット506は、ブレーキペダル505の操作の有無に関わらず、車両の運転状態に応じてブレーキ液を各ホイールシリンダ501A〜501Dに独立して給排することにより、各ホイールシリンダ501A〜501Dで発生する制動力を個々に制御することができるようになっている。
そして、このような各輪の制動力制御により、車両の挙動が不安定な状態となった場合(又は不安定な状態になることが予測された場合)であっても、車両挙動の安定化を図ることができるようになっている。
以下、ハイドロリックユニット506について説明すると、このハイドロリックユニット506内には、左前輪および右後輪用の液路502F並びに右前輪および左後輪用の液路502R上にそれぞれ切替弁508が設けられている。また、切替弁508よりも下流側の各液路502A〜502D上には、ECU10の制動力制御部102からの制御信号に応じてオンオフされる流体保持弁(以下、単に保持弁という)507A〜507Dがそれぞれ設けられている。
また、一方の切替弁508の上流側には、液路(第1流体通路)502R内のブレーキ液の液圧を検出する液圧センサ512が設けられている。この液圧センサ512は、運転者がブレーキペダル505を踏み込んだ際のブレーキ液圧を検出するためのものであり、このブレーキ液圧により運転者が要求する制動力を求めるようになっている。
また、切替弁508よりも下流側で且つ各保持弁507A〜507Dよりも上流側の液路502R,502Fには、運転者のブレーキペダル操作によるブレーキ液の供給以外に、ブレーキ液を供給するための第2液路(第2流体通路)513の一端が接続されている。
第2液路513の他端側にはモータ514により駆動されるポンプ515が接続されており、ポンプ515の上流側及び下流側には、それぞれ逆止弁524,525が介装されている。
さらに、上記ポンプ515とマスタシリンダ503とが、液路516により接続されている。そして、ポンプ515が作動すると、マスタシリンダ503から液路516を介して供給されるブレーキ液が加圧されて、直接各液路502A〜502Dに供給されるようになっている。
また、液路516上にはインテーク弁517が介装されている。ここで、インテーク弁517は、液路516を連通状態又は遮断状態に選択的に切り換えるオンオフ型の電磁弁であって、ECU10の制動力制御部102からの制御信号に基づいてその作動が制御されるようになっている。
一方、保持弁507A〜507Dとホイールシリンダ501A〜501Dとの間には、それぞれドレーン用の液路520A〜520Dが接続されており、このドレーン用液路520A〜520Dには、ECU10からの制御信号に基づいてその作動が制御される減圧弁521A〜521Dが介装されている。
また、これらのドレーン用液路520A〜520Dは逆止弁523を介して液路516に接続されている。
また、ECU10の制動力制御部102には、切替弁508,保持弁507A〜507D,減圧弁521A〜521D,インテーク弁517,減圧弁521A〜521D及びモータ514が接続されており、ECU10の制動力制御部102からの制御信号に基づいて各弁の開閉状態が制御されて各ホイールシリンダ501A〜501Dに制動力が付与可能となっている。
つぎに、ECU10による変速制御について説明する。
シフトレバー44の操作位置が走行レンジ(Dレンジ)にある場合、ECU10は変速制御部104により油圧制御部30を動作させ、自動変速を実施する。
より詳細には、ECU10には自動変速時に変速段を選択設定するための目標変速段設定用のシフトマップ(図示せず)が記憶されている。この目標変速段設定用のシフトマップ上には、車速V(4つの車輪速センサ32の検出値の平均値)とアクセル開度(アクセル開度センサ40の検出値)とに基づいた変速段、すなわち目標変速段が予め設定されている。
車両走行中、シフトレバー44がDレンジであるときには、車輪速センサ32により検出される車速Vとアクセル開度センサ40により検出されるアクセル開度に応じて、上記目標変速段設定用のシフトマップから目標変速段が読み出される。
そして、このように読み出し設定された変速制御信号が油圧制御部30内の対応するソレノイド弁に供給され、これにより変速機構28の油圧クラッチや油圧ブレーキ等のうち該当する油圧摩擦係合要素の掴み換えが実施され、変速が達成される。
図3は、シフトダウン時における各部の作動状態を示すタイミングチャートであり、図3Aは変速制御信号、図3Bは油圧摩擦係合要素の状態、図3Cは駆動輪への入力トルク(自動変速機24から出力軸23への入力トルク)、図3Dはブレーキ機構50で発生するブレーキトルク、図3EはCとDとを合成した駆動輪トルクを示している。なお、各図の横軸は時間である。
なお、図3Dに示すように、図3では運転者によるブレーキペダル505の操作によりブレーキ機構50が作動し、ブレーキトルクが発生しているものとする。
時刻T1にECU10からシフトダウン(4速から3速へのシフトダウン)を指示する変速制御信号が入力されると、所定時間経過後の時刻T2に油圧摩擦係合要素の掴み換えが開始される。
油圧摩擦係合要素の掴み換えでは、まず解放する側の油圧摩擦係合要素の係合が解除されて変速機構28が一旦略ニュートラル状態とされる。このように略ニュートラル状態となったときに、駆動輪への入力トルクに抜けが発生し、符号Pで示すように車両が加速状態となる。
そして、その後、結合側の油圧摩擦係合要素の係合が実施され、時刻T3に変速が完了する。このとき、変速の前後でギア比が変化するため、高速段側から低速段側への変速(シフトダウン)直後には、エンジン22側のエンジン回転速度に対して出力軸23の回転速度が遅くなる。つまり、シフトダウン時には、エンジン22の出力が一定であれば変速完了直後に符号Qで示すような車両の急減速が生じる。
なお、低速段側から高速段側への変速(シフトアップ)時には、エンジン22側のエンジン回転速度に対して出力軸23の回転速度が速くなり、エンジン22の出力が一定であれば車両は急加速されることになる。
そこで、本実施の形態では、ECU10の制動力制御部102により、自動変速機24のシフトダウン実行中にブレーキ機構50により発生する制動力を増加させる。
なお、シフトダウン実行中とは、解放する側の油圧摩擦係合要素の係合が解除動作の開始から結合側の油圧摩擦係合要素の係合の完了まで、すなわち図3Bの時刻T2からT3の間(期間SD)を指す。
制動力制御部102は、例えば図3Dの符号Rに示すように駆動輪への入力トルクが抜けるタイミングに合わせてブレーキ機構50による制動力を増加させる。この制動力によりトルク抜けによって生じる加速側のトルクを打ち消し、シフトダウン時の加速側ショックを低減させる。
また、図3Dの符号Sに示すように、その後変速が完了した際には、制動力制御部102は一時的にブレーキ機構50の制動力をシフトダウン実行前よりも減少させてもよい。これにより、ギア比の変更による急減速を防止し、変速時のショックをさらに低減することができる。
すなわち、制動力制御部102は、運転者の減速操作に基づく制動中にシフトダウンが実行される場合にはブレーキ機構50により発生している制動力を増加させる。また、シフトダウンの実行が完了した場合には、シフトダウンの実行前よりも制動力を一時的に減少させ、その後シフトダウンの実行前の制動力に戻す。
これにより、図3Eに示すように変速によるトルクの変化を打ち消して、乗車フィーリングを向上させることができる。
なお、図3Dにおける制動力の増減量は、例えば自動変速機24への入力トルクとギア比との積と、自動変速機24への出力トルクとの差分とする。すなわち、制動力の増減量=AT入力トルク×ギア比−AT出力トルク、とする。自動変速機24への入力トルクはエンジン22の出力トルクであり、ECU10で常時モニタしている。また、自動変速機24への出力トルクはトルクコンバータ26でモニタしており、CAN(Controller Area Network)を介してECU10で取得可能である。
また、図4に示すように、自動変速機24のシフトダウン実行前からブレーキ機構50により発生する制動力を増加させるようにしてもよい。
図4は、シフトダウン時における各部の作動状態を示す他のタイミングチャートである。
図4A〜図4Dの各図は図3と同様の内容を示している。また、図4も図3と同様に運転者によるブレーキペダル505の操作によりブレーキ機構50が作動し、ブレーキトルクが発生しているものとする。
図4の例では、制動力制御部102は、自動変速機24にシフトダウンを指示する変速制御信号を取得した場合、変速制御信号の取得後かつ自動変速機24でのシフトダウン動作開始前から制動力の増加を開始する。
すなわち、時刻T4にECU10からシフトダウン(4速から3速へのシフトダウン)を指示する変速制御信号が出力されると、時刻T6に油圧摩擦係合要素の掴み換えが開始されるより前である時刻T5からブレーキ機構50の制動力を増加させる。時刻T5は、例えば変速制御信号が出力された時刻T4と略同時刻である。
また、時刻T7に変速が完了すると、図3と同様にブレーキ機構50の制動力を一時的にシフトダウン実行前よりも減少させる。
このように、制動力の増加を早期に開始することにより、図4Eに示す駆動輪トルクの勾配が小さくなり、変速に伴う急な加減速を防止して、乗車フィーリングをさらに向上させることができる。
また、図5に示すように、ブレーキペダル505の操作が行われておらずブレーキ機構50が作動していない際にシフトダウンが実施される場合には、図5Dの符号Uに示すようにシフトダウン実行中にブレーキ機構50により制動力を発生させ、シフトダウン完了後には制動力をシフトダウン実施前の制動力に戻す、すなわち0とする。
なお、図5の場合でも、図4のようにシフトダウンを指示する変速制御信号の取得後かつ自動変速機24でのシフトダウン動作開始前から制動力の増加を開始するようにしてもよい。
また、シフトレバー44の操作位置がマニュアルレンジ(Mレンジ)にある場合、自動変速機24は、シフトレバー44への操作に従って変速機構28の油圧摩擦係合要素の掴み換えが実施され、変速が達成される。すなわち、シフトレバー44の操作位置がマニュアルレンジにある場合、シフトレバー44は運転者によるシフトダウンの指示が入力される入力部として機能する。
この場合、制動力制御部102は、図6Dに示すように運転者の指示に基づくシフトダウンの実行中には制動力を増加させず、シフトダウンの実行後に符号Vに示すように制動力を一時的に減少させ、その後シフトダウンの実行前の制動力に戻す。
これは、運転者の操作によるシフトチェンジ時には即座に変速機構28が動作するため、シフトダウン実行中のトルク抜けが生じるまでに制動力を増加させるのが困難なためである。よって、シフトダウン完了後の減速に合わせたブレーキ機構50の制動力低減のみを実施する。
以上説明したように、実施の形態にかかる制動力制御部102によれば、シフトダウン実行中に制動力を増加させるので、自動変速機24内の摩擦係合要素の係合が一時的に解除されてニュートラル状態となった際に車両が加速するのを防止し、シフトダウン時の加速側ショックを低減し、乗車フィーリングを向上させる上で有利となる。
また、制動力制御部102において、自動変速機24でシフトダウンが実行される前から制動力の増加を開始するようにすれば、車両の駆動輪に入力されるトルクの変化率を小さくし、シフトダウン時の加速側ショックをより効果的に低減する上で有利となる。
また、制動力制御部102において、運転者の減速操作に基づく制動中にシフトダウンが実行される場合にはブレーキ機構50により発生している制動力を増加させ、シフトダウンの実行が完了した場合には、シフトダウンの実行前よりも制動力を一時的に減少させるようにすれば、シフトダウン時の加速側ショックを低減するとともにシフトダウンの実行後の減速側ショックを低減し、乗車フィーリングをより向上させる上で有利となる。
また、制動力制御部102において、運転者の指示に基づくシフトダウンが実行される場合には、シフトダウンの実行中には制動力を増加させず、シフトダウンの実行後に制動力を一時的に減少させるようにすれば、シフトダウンのタイミングが予見できない場合でも摩擦係合要素係合後(シフトダウンの実行後)の減速側ショックを低減する上で有利となる。
10……ECU、102……制動力制御部、104……変速制御部、20……車両、22……エンジン、23……出力軸、24……自動変速機、26……トルクコンバータ、28……変速機構、30……油圧制御部、50……ブレーキ機構。

Claims (4)

  1. 自動変速機と制動装置とを備える車両の制動制御装置であって、
    前記自動変速機のシフトダウン実行中に前記制動装置により発生する前記制動力を増加させる制動力制御部を備える、ことを特徴とする制動制御装置。
  2. 前記制動力制御部は、前記自動変速機に前記シフトダウンを指示する制御信号を取得し、前記制御信号の取得後かつ前記自動変速機での前記シフトダウン実行前から前記制動力の増加を開始する、
    ことを特徴とする請求項1記載の制動制御装置。
  3. 前記制動力制御部は、運転者の減速操作に基づく制動中に前記シフトダウンが実行される場合には前記制動装置により発生している制動力を増加させ、前記シフトダウンの実行が完了した場合には、前記シフトダウンの実行前よりも前記制動力を一時的に減少させ、その後前記シフトダウンの実行前の前記制動力に戻す、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の制動制御装置。
  4. 前記運転者による前記シフトダウンの指示が入力される入力部を更に備え、
    前記制動力制御部は、前記指示に基づく前記シフトダウンが実行される場合には、前記シフトダウンの実行中には前記制動力を増加させず、前記シフトダウンの実行後に前記制動力を一時的に減少させ、その後前記シフトダウンの実行前の前記制動力に戻す、
    ことを特徴とする請求項3記載の制動制御装置。
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