JP6027599B2 - 車両の坂道発進補助装置 - Google Patents
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Description
一般に自動変速機を有する車両は、その停車時にエンジンの微小トルクを駆動輪側に伝達するクリープ走行が可能である。昨今、車両の燃費改善のために、クリープトルクを小さくする設定する傾向にあり、登坂路における坂道発進時の車両後退が発生し易くなっている。したがって、車両における坂道発進補助装置の装着率は高く、その信頼性が要求されている。
(6)前記本適用例に係る車両の坂道発進補助装置において、前記圧力センサにて検出した前記一次側圧力が上限設定値以上のとき、前記ブレーキペダルの操作有りと判定し、前記圧力センサにて検出した前記一次側圧力が前記上限設定値よりも小となる下限設定値以下のとき、前記ブレーキペダルの操作無しと判定する。
図1は本実施形態の坂道発進補助装置を備えた車両の駆動系を示す全体構成図であり、以下同図に基づき本実施形態の構成について説明する。
本実施形態における車両はトラックであり、走行用動力源としてディーゼルエンジン(以下、エンジンという)1が搭載されている。エンジン1の出力軸1aにはクラッチ装置2(クラッチ手段)を介して自動変速機(以下、単に変速機という)3の入力軸3aが接続され、クラッチ装置2の接続時にエンジン1の回転が変速機3に伝達されるようになっている。当該変速機3は、例えば前進6段及び後退1段を備えた手動式変速機をベースとしたものであり、以下に述べるように、その変速操作及び変速に伴うクラッチ装置2の断接操作を自動化した、いわゆるAMT(Automated Manual Transmission)である。
ECU21の出力側には、上記したクラッチ装置2の電磁弁9、ギヤシフトユニット14の各電磁弁などが接続されると共に、図示はしないが、エンジン1の燃料噴射弁などが接続されている。なお、このように単一のECU21で総合的に制御することなく、例えばECU21とは別にエンジン制御専用のECUを備えるようにしてもよい。
図2は、坂道発進補助装置33を実現する車両のブレーキ系統を示した構成図である。坂道発進補助装置33が適用される車両は、例えばトラックやバス等の商用車、又は乗用車である。
ブレーキパッド35内にはホイールシリンダ37が内蔵されている。ホイールシリンダ37内の昇圧によって、各ブレーキパッド35によるブレーキディスク36の挟み込みによる車両の制動が行われ、ホイールシリンダ37内の減圧によって、各ブレーキパッド35によるブレーキディスク36の挟み込みが解除され、車両の制動解除が行われる。
ECU21は、液圧センサ46で検出した一次側圧力P1に基づいて、ブレーキペダル29の操作(踏み込み)の有無を検出する。そして、ECU21は、一次側圧力P1の値に基づいてバルブ32を開閉することにより、二次ライン43bにおけるブレーキ液の液圧(二次側圧力P2)を保持又は開放し、坂道(登坂路)における車両の制動力の保持又は解除する坂道発進補助制御を実行する。
先ず、本制御ルーチンがスタートすると、S1(Sはステップを表し、以下同様とする)では、車速センサ28等の信号に基づいて車両が坂道停車中であるか否かが判定される。車両が坂道停車中と判定され、判定結果が真(Yes)である場合にはS2に移行される。車両が坂道停車中ではないと判定され、判定結果が偽(No)である場合には、再びS1が実行される。
P1≧Pshが成立し、判定結果が真(Yes)である場合には、ブレーキペダル29の操作有り、すなわちブレーキペダル29が踏み込まれた状態であると判定され、S3に移行される。P1≧Pshが成立せず、判定結果が偽(No)である場合には、S1に戻される。
S4では、液圧センサ46で検出された一次側圧力P1が所定の下限設定値Psl以下となり、P1≦Pslが成立するか否かが判定される。下限設定値Pslは、運転者がブレーキペダル29から足を離したことを検出可能な値であって、上限設定値Pshよりも小さい、例えば0.1MPaに設定される。上限設定値Pshと下限設定値Pslとの間にある程度の幅(上述した例では0.1MPa)が確保される。
S6では、ECU21のタイマカウンタによって、ブレーキペダル29の操作無し、すなわちブレーキペダル29から足が離れた状態が所定時間t(例えば2〜3秒)継続して検出されるか否かが判定される。ブレーキペダル29の操作無しの状態から未だ時間tが経過せず、判定結果が偽(No)である場合には、S7に移行される。ブレーキペダル29の操作無しのまま時間tが経過し、判定結果が真(Yes)である場合には、運転者にアクセルペダル26の踏み込み操作等を行う時間的余裕が確保され、坂道発進補助機能が実行されたと判定され、S9に移行される。
以上のように本実施形態では、液圧センサ46で検出した一次側圧力P1に基づいて、ブレーキペダル29の操作の有無を検出する。これにより、ブレーキペダル29の踏み直し操作後にブレーキペダル29から足を離すと坂道発進補助機能が作動せず、いきなり車両後退が発生する、という不具合を防止することができる。
また、下限設定値Pslを上限設定値Pshよりも小さい値とし、上限設定値Pshと下限設定値Pslとの間にある程度の幅が確保されることにより、ブレーキペダル29の踏み込みの有無の判定が短時間に頻繁に変化することによって、バルブ32のハンチング現象が発生し、坂道発進補助制御が不安定になることを抑制することができる。
また、上記実施形態では、ブレーキ操作検出手段として、一次側圧力P1の圧力値を検出する液圧センサ46を使用しているが、これに限らず、一次側圧力P1が上限設定値Psh又は下限設定値Pslになるとオンオフ信号をECU21に送信する、液圧スイッチを使用しても良い。
28 車速センサ(停車検出手段)
29 ブレーキペダル
32 バルブ
33 坂道発進補助装置
34 ブレーキ
38 ペダルスイッチ(アクセル操作検出手段)
43 液圧ライン(圧力ライン)
46 液圧センサ(ブレーキ操作検出手段、圧力センサ)
Claims (6)
- 車両のブレーキペダルとブレーキとの間に形成された圧力ラインにおける圧力保持のタイミングをバルブで制御することにより、前記車両の坂道発進を補助する坂道発進補装置であって、
前記ブレーキペダルの操作の有無を検出するブレーキ操作検出手段と、
前記ブレーキ操作検出手段によって検出された前記ブレーキペダルの操作の有無に基づいて、前記バルブを開閉することにより、前記圧力ラインの前記バルブよりも前記ブレーキ側における二次側圧力を保持又は開放する制御手段と
を備え、
前記ブレーキ操作検出手段は、前記圧力ラインの前記バルブよりも前記ブレーキペダル側における一次側圧力に基づいて、前記ブレーキペダルの操作の有無を検出し、
前記制御手段は、前記ブレーキペダルの踏み直し操作が検出され、前記踏み直し操作後に前記ブレーキペダルの操作無しが検出されたとき、前記圧力ラインの前記二次側圧力を所定時間だけ保持する、車両の坂道発進補装置。 - 前記車両が坂道停車中であることを検出する停車検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記停車検出手段にて前記車両の坂道停車が検出され、且つ、前記ブレーキ操作検出手段にて前記ブレーキペダルの操作有りと検出されたとき、前記バルブを閉として前記圧力ラインの前記二次側圧力を保持する、請求項1に記載の車両の坂道発進補助装置。 - 前記制御手段は、前記バルブの閉時に、前記ブレーキ操作検出手段による前記ブレーキペダルの操作無しが検出され、その前記ブレーキペダルの操作無しとの検出が継続して所定時間経過したとき、前記バルブを開として前記二次側圧力を開放する、請求項2に記載の車両の坂道発進補助装置。
- 前記車両のアクセルペダルの操作の有無を検出するアクセル操作検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記バルブの閉時に、前記ブレーキ操作検出手段にて前記ブレーキペダルの操作無しが検出され、且つ、前記アクセル操作検出手段にて前記アクセルペダルの操作有りが検出されたとき、前記バルブを開として前記二次側圧力を開放する、請求項3に記載の車両の坂道発進補助装置。 - 前記ブレーキ操作検出手段は、前記圧力ラインの前記バルブよりもブレーキペダル側に設けられ、前記一次側圧力を検出する圧力センサである、請求項1から4の何れか一項に記載の車両の坂道発進補助装置。
- 前記制御手段は、前記圧力センサにて検出した前記一次側圧力が上限設定値以上のとき、前記ブレーキペダルの操作有りと判定し、前記圧力センサにて検出した前記一次側圧力が前記上限設定値よりも小となる下限設定値以下のとき、前記ブレーキペダルの操作無しと判定する、請求項5に記載の車両の坂道発進補助装置。
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2014
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