JP2004136725A - 車両に搭載されるブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動変速機の変速操作があっても、自動車に作用するブレーキ力の変化を最小限に抑えるブレーキ装置を提供する。
【解決手段】エンジンブレーキ力推定手段12は、自動車100に作用するエンジンブレーキ力を推定する。摩擦ブレーキ力決定手段14は、自動変速機120の変速操作に伴うエンジンブレーキ力の一時的な低下を補うための摩擦ブレーキ力の目標値を、エンジンブレーキ力の推定値に基づいて決定する。アクチュエータ制御手段15は、摩擦ブレーキ力の目標値に基づいて、各ブレーキアクチュエータ20a、20bで発生させるべき摩擦ブレーキ力を算出し、このための制御信号を各ブレーキアクチュエータ20a、20bに出力する。ブレーキアクチュエータ20a、20bは、アクチュエータ制御手段15からの制御信号に基づいて、変速操作中の摩擦ブレーキ力を増加させる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
流体クラッチを用いたオートマチックトランスミッション車の燃費性能を向上させるために、マニュアルトランスミッションをベースにして、乾式クラッチとシンクロメッシュ機構を採用したオートマチックトランスミッション機構が知られている。例えば、特許文献1には、アウトプットシャフトの軸方向にストロークされて遊転ギアと噛合し、該遊転ギアを該アウトプットシャフトに固定可能なスリーブリングを備えたシンクロメッシュ機構と、前記スリーブリングに連結されるシフトフォークに作用して該スリーブリングと前記遊転ギアの係脱を行うシフトアクチュエータと、を有するトランスミッションにおいてさらに、前記シフトアクチュエータが前記シフトフォークに作用する圧力を可変する圧力制御手段を有し、該圧力制御手段は、変速開始からボーク点からは変速ショックが低減されるように該圧力を低圧とすること、さらに前記トランスミッションへのインプット回転数ないしカウンタギア回転数を検出する回転数センサを有し、前記圧力制御手段は、前記回転数センサの検出出力に基づき、前記回転数の変化率が実質的に一定となるように前記圧力を制御するシンクロメッシュ式トランスミッションの変速制御装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−22816号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によれば、変速ショックを低下しかつ変速チェンジに要する時間を短縮できる、とされている。しかしながら、このようなトランスミッションでは、変速操作の際に乾式クラッチの断続が必要である。このため、必ずしもすべての走行状態において乗り心地性能が良いとは言えなかった。
【0005】
例えば、コースト走行中に、ダウン変速のために摩擦クラッチの接続が解放されると、エンジンフリクショントルクの車輪への伝達が一時的に中断されるため、その間、同トルクによって発生するいわゆるエンジンブレーキ力が零となる。その結果、車両の前後方向加速度が変化するため、運転者はショックを感じることになる。また、エンジンブレーキ力を効かせながら下り坂を走行している最中に、車速の上昇に伴ってアップ変速が行われると、エンジンブレーキ力が一時的に零になるため、車両の加速から運転者は不安を感じることになる。
【0006】
一方、ブレーキペダルの操作を伴う走行では、自動変速機の変速比の切替えと、摩擦クラッチの断続に起因してエンジンブレーキ力が変動するため、ブレーキペダルの踏込み量と実際のブレーキ力との間の差異から、運転者はブレーキフィーリングに違和感を覚えることになる。
【0007】
本発明は、自動変速機の変速操作があったときに、自動車に作用するブレーキ力の変化を小さく抑えるブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、少なくとも自動変速機の変速操作中に、摩擦ブレーキ力を増加させることにより、解決される。これにより、自動変速機の変速操作があっても、エンジンブレーキ力と摩擦ブレーキ力との和である、自動車に作用する総ブレーキ力の変化を抑えることができるため、乗り心地性能が向上する。
【0009】
また、上記課題は、少なくとも自動変速機の変速操作中に、エンジンブレーキ力の推定値に基づいて摩擦ブレーキ力を制御することにより、解決される。これにより、自動車に作用する総ブレーキ力の変化をさらに小さく抑えることができるため、乗り心地性能がさらに向上する。
【0010】
また、上記課題は、エンジンブレーキ力の推定値と、要求ブレーキ力の推定値に基づいて摩擦ブレーキ力を制御することにより、解決される。これにより、自動車に作用する総ブレーキ力の変化をさらに小さく抑えることができるため、乗り心地性能がさらに向上する。
【0011】
また、上記課題は、要求ブレーキ力の推定値からエンジンブレーキ力の推定値を差引いたブレーキ力をブレーキアクチュエータに発生させることにより、解決される。これにより、自動車に作用する総ブレーキ力の変化をさらに小さく抑えることができるため、乗り心地性能がさらに向上する。
【0012】
また、上記課題は、少なくとも自動変速機の変速操作中に、摩擦ブレーキ力を増加させることにより、解決される。これにより、自動変速機の変速操作があっても、駆動力から摩擦ブレーキ力を差し引いた、実質の駆動力の変化を抑えることができるため、乗り心地性能が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるブレーキ装置1の全体構成を示す図である。
図1において、ブレーキ装置1は、ブレーキ力制御装置10と、ブレーキアクチュエータ20(20a、20b)とを備えてなる。
ブレーキ力制御装置10は、要求ブレーキ力推定手段11と、エンジンブレーキ力推定手段12と、駆動力推定手段13と、摩擦ブレーキ力決定手段14、アクチュエータ制御手段15とを備えてなる。また、ブレーキ力制御装置10は、変速操作検出手段16を含む。
【0014】
要求ブレーキ力推定手段11は、ブレーキペダルユニット152に備わる図示しない踏力センサ、ストロークセンサ等の出力信号から、テーブル参照、あるいは数式適用によって運転者の要求ブレーキ力を推定する、演算回路、あるいは演算処理である。
【0015】
なお、上記センサの出力信号に適切な係数を乗じて要求ブレーキ力を推定しても構わない。
また、複数の踏力センサ、あるいはストロークセンサを併用することにより、要求ブレーキ力の推定精度が向上するとともに、ブレーキペダルユニット152の信頼性が向上する。
【0016】
エンジンブレーキ力推定手段12は、例えば数(1)に基づいてエンジンブレーキ力を推定する、演算回路、あるいは演算処理である。
【数1】
EB=(TEF×iTRNS×iFNL)/r        (1)
ここで、FEBはエンジンブレーキ力、TEFはエンジン110のフリクショントルク、iTRNSは自動変速機120の変速比、iFNLは図示しない最終減速機の減速比、rは車輪156a、156bの有効半径である。
【0017】
なお、エンジン110のフリクショントルクは、ポンピングトルク、発電機111の発電トルク、補機112の駆動トルク等であり、テーブルあるいはマップの参照により容易に把握することができる。
また、エンジン110から車輪156a、156bまでの間に他の動力伝達要素が備わる場合には、当然その影響を考慮してもよい。
また、車速推定手段150から得られる車速の微分値から自動車100の減速度を推定することができ、これからエンジンブレーキ力を推定することもできる。
【0018】
駆動力推定手段13は、例えば数(2)に基づいて、エンジン100の回転駆動トルクによって自動車100に作用する駆動力(以下、駆動力と称す)を推定する、演算回路、あるいは演算処理である。
【数2】
DR=(TDR×iTRNS×iFNL)/r         (2)
ここで、FDRは駆動力、TDRはエンジン110の回転駆動トルク、iTRNSは自動変速機120の変速比、iFNLは図示しない最終減速機の減速比、rは車輪156a、156bの有効半径である。
【0019】
なお、エンジン110の回転駆動トルクは、アクセルペダルユニット153に備わる図示しないアクセル開度センサ等の出力信号から、テーブルあるいはマップの参照により容易に把握することができる。
また、駆動力推定手段13は、自動変速機120の変速操作中の駆動力を推定することができる。
【0020】
摩擦ブレーキ力決定手段14は、要求ブレーキ力の推定値、あるいはエンジンブレーキ力の推定値、あるいは要求ブレーキ力の推定値とエンジンブレーキ力の推定値、あるいは駆動力の推定値のいずれかに基づいて摩擦ブレーキ力の目標値を決定する、演算回路、あるいは演算処理である。
【0021】
アクチュエータ制御手段15は、摩擦ブレーキ力の目標値に基づいて、各ブレーキアクチュエータ20a、20bで発生させるべき摩擦ブレーキ力を算出し、このための制御信号を各ブレーキアクチュエータ20a、20bに出力する、演算回路、あるいは演算処理である。
【0022】
図1において、ブレーキアクチュエータ20a、20bは、例えば、図示しないバッテリ等の蓄電池から電力の供給を受けており、アクチュエータ制御手段14からの制御信号に基づいて、図示しないパッドを車輪軸154と共に回転するディスクロータ155a、155bに押圧してブレーキ力を発生させる。
なお、ブレーキアクチュエータ20a、20bには、押圧力を発生するモータ、減速機、モータを駆動するドライバ等が内蔵されている。
【0023】
また、ブレーキアクチュエータ20a、20bとしては、上記の他に、電気信号により油圧アクチュエータを駆動して押圧力を発生させる、いわゆる電気油圧式のものであっても構わない。
また、ブレーキアクチュエータ20a、20bは、図示しない他の車輪軸にも備えられている。
【0024】
図1において、自動車100は、化石燃料等を燃焼して回転駆動トルクを発生するエンジン110と、エンジン110によって駆動される発電機111および補機112と、エンジン110の回転駆動トルクを変換して車輪軸154に伝達する自動変速機120と、車輪軸154と、車輪156a、156bと、車輪速センサ151a、151bと、ブレーキペダルユニット152と、アクセルペダルユニット153と、自動変速機120を制御する自動変速機制御手段140と、車輪速センサ151a、151bの信号に基づいて車速を推定する車速推定手段150とを備えてなる。
【0025】
なお、発電機111としては、オルタネータ、あるいは電動機能を兼ね備えたモータジェネレータ等であってもよい。
また、発電機111はエンジン110と自動変速機120との間にあってもよい。
また、補機112は、エアコンコンプレッサ、ウォータポンプ、オイルポンプ等である。
また、自動車100の構成としては、図1に示すような後輪駆動方式である必要はなく、例えば、前輪駆動方式、4輪駆動方式等であってもよい。
【0026】
自動変速機制御手段140は、車速推定手段150からの車速の推定値と、エンジン110に備わる図示しないスロットルの開度に基づいて、変速のための制御信号を自動変速機120に出力する、演算回路、あるいは演算処理である。
車輪速センサ151a、151bは、車輪156a、156bの回転数を測定する、例えば、回転数センサである。
【0027】
車速推定手段150は、車輪速センサ151a、151bから得られる車輪156a、156bの回転数、車輪156a、156bの半径等からそれぞれの車輪速を算出し、これらに基づいて自動車100の車速を推定する、演算回路、あるいは演算処理である。
なお、車速としては、各車輪速センサ151a、151bから得られる車輪速の最小値、あるいは最大値、あるいは中間値のいずれを採用しても構わない。
【0028】
図1中に示す自動変速機120の一例を図2に示す。
図2において、自動変速機120は、入力軸122と、複数の歯車が備わる主軸123と、複数の歯車が備わる対向軸124と、エンジン出力軸121と入力軸122との間に備わる第1のクラッチ125と、主軸123に備わる第2のクラッチ126および第3のクラッチ127と、第1のクラッチ125を動作させる第1のアクチュエータ128と、第2のクラッチ126を動作させる第2のアクチュエータ129と、第3のクラッチ127を動作させる第3のアクチュエータ130とを備えてなる。
【0029】
第1のクラッチ125は、第1のアクチュエータ128によって動作し、エンジン出力軸121と入力軸122との接続を断続する。第2のクラッチ126は、第2のアクチュエータ129によって動作し、主軸123に接続される歯車を切替える。第3のクラッチ127は、第3のアクチュエータ130によって動作し、主軸123に接続される歯車を切替える。
【0030】
第1のアクチュエータ128と、第2のアクチュエータ129と、第3のアクチュエータ130は、自動変速機制御手段140からの制御信号に基づいて、それぞれ単独に動作する。
なお、第1のアクチュエータ128と、第2のアクチュエータ129と、第3のアクチュエータ130の形式としては、空圧駆動型、油圧駆動型、電動駆動型、電磁駆動型のいずれであっても構わない。
【0031】
以上、自動変速機120の構成の一例を説明したが、自動変速機120としては、トルクコンバータ等の流体クラッチと、複数の遊星歯車組と、ブレーキと、クラッチとを備えてなるものであってもよい。
【0032】
ここで、自動変速機120の動作について説明する。
アイドリング時は、第1のクラッチ125の接続は解放されており、エンジン出力軸121と入力軸122とは切り離された状態にある。
発進時は、第1のアクチュエータ128によって第1のクラッチ125が接続される。これにより、エンジン出力軸121と入力軸122とが接続されるため、エンジン110の回転駆動トルクが自動変速機120側に伝達される。
【0033】
変速操作時は、まず、第1のアクチュエータ128によって第1のクラッチ125の接続が解放される。その後、第2のアクチュエータ129および第3のアクチュエータ130が、必要に応じて第2のクラッチ126と、第3のクラッチ127を動作させる。これにより、主軸123に接続される歯車が切替えられ、変速比の切替えが行われる。その後、第1のアクチュエータ128によって第1のクラッチ125が接続される。
以上の変速操作により、変速比を小さくするアップ変速、あるいは変速比を大きくするダウン変速のいずれかが行われる。
【0034】
停止時は、エンジン110のストールを回避するために、第1のアクチュエータ128によって第1のクラッチ125の接続が解放される。これにより、エンジン出力軸121と入力軸122との接続が解放され、アイドリング状態に至る。
【0035】
ここで、自動変速機120の変速タイミングについて説明する。
図3は、自動変速機120の変速タイミングを決定する変速線図の一例である。
図3において、実線が、アップ変速の条件の境界線である「アップ変速線」であり、破線が、ダウン変速の条件の境界線である「ダウン変速線」である。「アップ変速線」には、変速比が最も大きい1速から2速への変速線(図中、「1速→2速」)、2速から3速への変速線(図中、「2速→3速」)、3速から4速への変速線(図中、「3速→4速」)がある。また、「ダウン変速線」には、変速比が最も小さい4速から3速への変速線(図中、「4速→3速」)、3速から2速への変速線(図中、「3速→2速」)、2速から1速への変速線(図中、「2速→1速」)がある。
【0036】
自動変速機制御手段140は、車速推定手段150からの車速の推定値と、エンジン110に備わる図示しないスロットルの開度から、この変速線図に従って自動変速機120の変速タイミングを決定する。具体的には、「アップ変速線」を跨ぐ車速あるいはスロットルの開度の変化があった場合に、現状のシフト位置から1速のシフトアップを決定する。また、「ダウン変速線」を跨ぐ車速あるいはスロットルの開度の変化があった場合に、現状のシフト位置から1速のシフトダウンを決定する。このように決定した変速タイミングに基づいて、第1のアクチュエータ128と、第2のアクチュエータ129と、第3のアクチュエータ130を駆動するための制御信号を自動変速機120に出力する。
なお、変速タイミングの決定は必ずしも上述の通りに行われるとは限らず、走行状態に応じて適宜最適に行われる。また、場合によっては運転者の要求が優先される。
【0037】
以下、本実施例のブレーキ装置1に備わるブレーキ力制御装置10の具体的な処理について、図4を参照して説明する。
図4は、ブレーキ力制御装置10が実行するルーチンのフローチャートである。図4に示すルーチンは、所定の時間間隔で繰返し起動される。図4に示すルーチンが起動されると、まず、ステップ200の処理が実行される。
ステップ200では、要求ブレーキ力推定手段11によって、運転者の要求ブレーキ力が推定される。
ステップ201では、エンジンブレーキ力推定手段12によって、自動車100に作用するエンジンブレーキ力が推定される。
【0038】
なお、エンジンブレーキ力推定手段12は、自動変速機120の変速操作中、詳しくは第1のクラッチ125が断続している最中のエンジンブレーキ力を推定することができる。これは、第1のクラッチ125の動力伝達特性、動作タイミング等を事前に把握しておくことで容易に実現することができる。これにより、変速操作に伴うエンジンブレーキ力の変化をより詳細に把握できるため、ブレーキ力の変化をより小さく抑えることができる。
【0039】
また、自動変速機120が、トルクコンバータ等の流体クラッチと、複数の遊星歯車組と、ブレーキと、クラッチとを備えてなる場合であっても、変速操作中のエンジンブレーキ力を推定することができる。これは、トルクコンバータの動力伝達特性、遊星歯車組の慣性モーメント、ブレーキおよびクラッチの制御容量等を事前に把握しておくことで容易に実現することができる。
【0040】
ステップ202では、駆動力推定手段13によって、自動車100に作用する駆動力が推定される。
なお、駆動力推定手段13は、自動変速機120の変速操作中、詳しくは第1のクラッチ125が断続している最中の駆動力を推定することができる。これは、第1のクラッチ125の動力伝達特性、動作タイミング等を事前に把握しておくことで容易に実現することができる。
また、自動変速機120が、トルクコンバータ等の流体クラッチと、複数の遊星歯車組と、ブレーキと、クラッチとを備えてなる場合であっても、変速操作中の駆動力を推定することができる。これは、トルクコンバータの動力伝達特性、遊星歯車組の慣性モーメント、ブレーキおよびクラッチの制御容量等を事前に把握しておくことで容易に実現することができる。
ステップ203では、摩擦ブレーキ力決定手段14によって、摩擦ブレーキ力の目標値が決定される。
【0041】
ここで、摩擦ブレーキ力の目標値の決定方法の一例について説明する。
第1の方法は、要求ブレーキ力が零、あるいはほぼ零の場合に、自動変速機120の変速操作に伴うエンジンブレーキ力の一時的な低下を補うための摩擦ブレーキ力を決定するものである。
具体的には、変速操作前のエンジンブレーキ力の最終値を摩擦ブレーキ力の目標値とし、これを変速操作期間にわたって保持するものである。
【0042】
また、第2の方法は、第1の方法と同様に、要求ブレーキ力が零、あるいはほぼ零の場合に、自動変速機120の変速操作に伴うエンジンブレーキ力の一時的な低下を補うための摩擦ブレーキ力を決定するものである。
具体的には、変速操作前のエンジンブレーキ力の最終値を保持し、これから変速操作中のエンジンブレーキ力を差し引いたものを摩擦ブレーキ力の目標値とするものであり、変速操作中のエンジンブレーキ力の変化に応じて摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節していくものである。
【0043】
また、第3の方法は、第1の方法と同様に、要求ブレーキ力が零、あるいはほぼ零の場合に、自動変速機120の変速操作に伴うエンジンブレーキ力の一時的な低下を補うための摩擦ブレーキ力を決定するものである。
具体的には、変速操作前のエンジンブレーキ力の最終値を保持し、これと変速操作後のエンジンブレーキ力の推定値に基づいて、変速操作中のエンジンブレーキ力と摩擦ブレーキ力との和(以下、総ブレーキ力と称す)の変化ができるかぎり小さくなるように摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節していくものである。
【0044】
また、第4の方法は、要求ブレーキ力がエンジンブレーキ力を上回る場合に、自動変速機120の変速操作に伴うエンジンブレーキの一時的な低下を補うとともに、自動変速機120の変速比の切替えに伴うエンジンブレーキ力の変化を補うための摩擦ブレーキ力を決定するものである。
具体的には、要求ブレーキ力からエンジンブレーキ力を差し引いたものを摩擦ブレーキ力の目標値とするものであり、要求ブレーキ力の変化と、エンジンブレーキ力の変化に応じて摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節していくものである。
【0045】
また、第5の方法は、エンジン110から回転駆動トルクが出力されている状態で、自動変速機120の変速操作に伴う駆動力の一時的な跳ね上がりを抑えるための摩擦ブレーキ力を決定するものである。
具体的には、駆動力から、変速操作後の駆動力の推定値を差し引いたものを摩擦ブレーキ力の目標値とするものであり、変速操作中の駆動力の変化に応じて摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節していくものである。
【0046】
ステップ204では、アクチュエータ制御手段14によって、摩擦ブレーキ力の目標値に基づいて各ブレーキアクチュエータ20a、20bで発生させるべきブレーキ力が算出され、このための制御信号が各ブレーキアクチュエータ20a、20bに出力される。これにより、今回のルーチンは終了となる。
以上のように、本発明の実施の形態1によるブレーキ装置1によれば、自動車100の走行状態に応じて適切な摩擦ブレーキ力の目標値が決定され、これに基づいて各ブレーキアクチュエータ20a、20bが適切に駆動される。これにより、自動車100に作用するブレーキ力が適宜調節されるため、乗り心地性能が向上する。
【0047】
ここで、本発明の実施の形態1によるブレーキ装置1の具体的効果を、前述した各決定方法毎に説明する。
【0048】
まず、図5を用いて第1の方法を適用した場合について説明する。
一例として、要求ブレーキ力が零のコースト走行中に、車速の低下に伴って、あるいは運転者の要求に従って、3速から2速へのダウン変速が行われた場合のエンジンブレーキ力と、摩擦ブレーキ力と、総ブレーキ力のチャートを図5に示す。
【0049】
上段のチャートに示す通り、エンジンブレーキ力は、変速操作期間中に一時的に低下し、第1のクラッチ125の接続が解放されている期間(図中、「非接続」)は零となっている。
【0050】
第1の方法では、変速操作前のエンジンブレーキ力の最終値を摩擦ブレーキ力の目標値とし、これを変速操作期間にわたって保持する。これに基づいて各ブレーキアクチュエータ20a、20bが発生する摩擦ブレーキ力は、中段のチャートに示す通りとなる。
なお、ブレーキアクチュエータ20a、20bには、変速操作期間にわたって摩擦ブレーキ力の目標値に基づく制御信号が入力されているが、機械的応答性等に起因して実際の摩擦ブレーキ力は概台形状となっている。
【0051】
エンジンブレーキ力と摩擦ブレーキ力を足し合わせた総ブレーキ力は下段のチャートに示す通りであり、摩擦ブレーキ力を作用させない場合、すなわちエンジンブレーキ力のみが作用する場合に比べて、総ブレーキ力の変化が小さく抑えられていることがわかる。
これにより、自動車100の前後方向加速度の変化が小さく抑えられるため、運転者は変速操作に伴うショックを感じにくくなり、乗り心地性能が向上する。
【0052】
なお、総ブレーキ力のチャートには、摩擦ブレーキ力を作用させない場合の総ブレーキ力の例を点線で示す。自動変速機120の変速操作に伴い、エンジンブレーキ力が一時的に零となっていることがわかる。
【0053】
つぎに、図6を用いて第2の方法を適用した場合について説明する。
第1の決定方法と同じ走行条件での、エンジンブレーキ力と、摩擦ブレーキ力と、総ブレーキ力のチャートを図6に示す。
上段のチャートに示す通り、エンジンブレーキ力は、変速操作期間中に一時的に低下し、第1のクラッチ125の接続が解放されている期間(図中、「非接続」)は零となっている。
【0054】
第2の方法では、変速操作前のエンジンブレーキ力の最終値を保持し、これから変速操作中のエンジンブレーキ力を差し引いたものを摩擦ブレーキ力の目標値とし、変速操作中のエンジンブレーキ力の変化に応じて摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節していく。すなわち、エンジンブレーキ力が過渡的に変化する状態および摩擦ブレーキ力自身の機械的応答性等を考慮して、摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節していく。これに基づいて各ブレーキアクチュエータ20a、20bが発生する摩擦ブレーキ力は、中段のチャートに示す通り、目標値に追従している。
【0055】
エンジンブレーキ力と摩擦ブレーキ力を足し合わせた総ブレーキ力は下段のチャートに示す通りであり、摩擦ブレーキ力を作用させない場合、すなわちエンジンブレーキ力のみが作用する場合に比べて、さらには第1の方法で摩擦ブレーキ力の目標値を決定した場合に比べて、総ブレーキ力の変化が小さく抑えられていることがわかる。
これにより、自動車100の前後方向加速度の変化がより一層小さく抑えられるため、運転者は変速操作に伴うショックを感じにくくなり、乗り心地性能がより一層向上する。
【0056】
つぎに、図7を用いて第3の方法を適用した場合について説明する。
第1の決定方法と同じ走行条件での、エンジンブレーキ力と、摩擦ブレーキ力と、総ブレーキ力のチャートを図7に示す。
上段のチャートに示す通り、エンジンブレーキ力は、変速操作期間中に一時的に低下し、第1のクラッチ125の接続が解放されている期間(図中、「非接続」)は零となっている。
【0057】
第3の決定方法では、変速操作前のエンジンブレーキ力の最終値を保持し、これと変速操作後のエンジンブレーキ力の推定値に基づいて摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節していく。すなわち、変速操作前と変速操作後のエンジンブレーキ力の差をスムーズに接続するように、摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節していく。これに基づいて各ブレーキアクチュエータ20a、20bが発生する摩擦ブレーキ力は、中段のチャートに示す通り、摩擦ブレーキ力の目標値に追従している。
【0058】
エンジンブレーキ力と摩擦ブレーキ力を足し合わせた総ブレーキ力は下段のチャートに示す通りであり、摩擦ブレーキ力を作用させない場合、すなわちエンジンブレーキ力のみが作用する場合に比べて、さらには第2の方法で摩擦ブレーキ力の目標値を決定した場合に比べて、総ブレーキ力の変化が小さく抑えられていることがわかる。
これにより、自動車100の前後方向加速度の変化がより一層小さく抑えられるため、運転者は変速操作に伴うショックを感じにくくなり、乗り心地性能がより一層向上する。
【0059】
別の例として、要求ブレーキ力が零で、エンジンブレーキ力を作用させた下り坂走行中に、車速の上昇に伴って、あるいは運転者の要求に従って、2速から3速へのアップ変速が行われた場合の、エンジンブレーキ力と、摩擦ブレーキ力と、総ブレーキ力のチャートを図8に示す。
【0060】
この場合にも、変速操作前のエンジンブレーキ力の最終値を保持し、これと変速操作後のエンジンブレーキ力の推定値に基づいて摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節していく。これに基づいて各ブレーキアクチュエータ20a、20bが発生する摩擦ブレーキ力は、中段のチャートに示す通り、目標値に追従している。
【0061】
エンジンブレーキ力と摩擦ブレーキ力とを足し合わせた総ブレーキ力は下段のチャートに示す通りであり、摩擦ブレーキ力を作用させない場合、すなわちエンジンブレーキ力のみが作用する場合に比べて、総ブレーキ力の変化が小さく抑えられていることがわかる。
これにより、総ブレーキ力が一時的に零になることが回避されるため、運転者は自動車100の加速に起因する不安を感じなくなり、乗り心地性能が向上する。
【0062】
以上のように、自動変速機120を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、エンジンブレーキ力を推定するエンジンブレーキ力推定手段12と、摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータ20を制御するアクチュエータ制御手段15とを備え、エンジンブレーキ力の推定値に対応して、アクチュエータ制御手段15が作用する摩擦ブレーキ力を演算するブレーキ力制御装置10を有する車両に搭載されるブレーキ装置が構成される。
【0063】
また、自動変速機120を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、エンジンブレーキ力を推定するエンジンブレーキ力推定手段12と、摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータ20を制御するアクチュエータ制御手段15とを備え、自動変速機120の変速操作中に、推定されたエンジンブレーキ力の減少に伴い摩擦ブレーキ力を増加する車両に搭載されるブレーキ装置が構成される。
【0064】
つぎに、図9を用いて第4の方法を適用した場合について説明する。
この方法は、要求ブレーキ力がエンジンブレーキ力を上回っている状態を想定している。図9に、この状態での減速走行中に、車速の低下に伴って、あるいは運転者の要求に従って、4速から3速への、さらには3速から2速へのダウン変速が行われた場合の要求ブレーキ力と、エンジンブレーキ力と、摩擦ブレーキ力と、総ブレーキ力のチャートを示す。
なお、この例では、最上段のチャートに示す通り、要求ブレーキ力が走行中にほとんど変化しない場合を想定している。
【0065】
第4の方法では、要求ブレーキ力からエンジンブレーキ力を差し引いたものを摩擦ブレーキ力の目標値とし、走行中の要求ブレーキ力の変化と、エンジンブレーキ力の変化に応じて摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節していく。これに基づいて各ブレーキアクチュエータ20a、20bが発生する摩擦ブレーキ力は、上から3段目のチャートに示す通り、目標値に追従している。
【0066】
エンジンブレーキ力と摩擦ブレーキ力とを足し合わせた総ブレーキ力は最下段のチャートに示す通りであり、要求ブレーキ力にほぼ合致していることがわかる。すなわち、自動車100に作用するブレーキ力が運転者の要求通りであるため、運転者はブレーキフィーリングに対する違和感を感じにくくなり、乗り心地性能が向上する。
なお、総ブレーキ力のチャートには、摩擦ブレーキ力を調節しない場合の総ブレーキ力の例を点線で示す。自動変速機120の変速比の切替えと変速操作に伴うエンジンブレーキ力の変化に起因して、要求ブレーキ力との差異が生じていることがわかる。
【0067】
別の例として、エンジンブレーキ力と摩擦ブレーキ力を作用させて長い下り坂を走行している場合を考える。自動変速機120は、摩擦ブレーキ力の多用に伴うブレーキアクチュエータ20a、20bの過熱を回避するために、ブレーキアクチュエータ20a、20bの温度を検出して自動的にダウン変速してもよい。その際、要求ブレーキ力からエンジンブレーキ力を差し引いたものを摩擦ブレーキ力の目標値とし、走行中の要求ブレーキ力の変化と、エンジンブレーキ力の変化に応じて摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節することができる。これにより、運転者にブレーキフィーリングに対する違和感を与えないとともに、ブレーキアクチュエータ20a、20bの過熱を防止することができる。
【0068】
以上のように、自動変速機120を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、エンジンブレーキ力を推定するエンジンブレーキ力推定手段12と、運転者の要求ブレーキ力を推定する要求ブレーキ力推定手段11と、摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータ20を制御するアクチュエータ制御手段15とを備えてなり、ブレーキアクチュエータ20は、エンジンブレーキ力の推定値と、要求ブレーキ力の推定値に基づいて摩擦ブレーキ力が制御される車両に搭載されるブレーキ装置が構成される。
【0069】
また、自動変速機120を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、エンジンブレーキ力を推定するエンジンブレーキ力推定手段12と、運転者の要求ブレーキ力を推定する要求ブレーキ力推定手段11と、摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータ20を制御するアクチュエータ制御手段15とを備えたブレーキ力制御装置10を有し、ブレーキ力制御装置10は、アクチュエータ制御手段15に伝達する、要求ブレーキ力の推定値からエンジンブレーキ力の推定値を差引いた摩擦ブレーキ力を演算する車両に搭載されるブレーキ装置が構成される。
【0070】
つぎに、図10を用いて第5の方法を適用した場合について説明する。
一例として、エンジン110の回転駆動トルクによって加速走行している最中に、車速の上昇に伴って、あるいは運転者の要求に従って、2速から3速へのアップ変速が行われた場合の、駆動力と、摩擦ブレーキ力と、駆動力から摩擦ブレーキ力を差し引いた駆動力(以下、実質の駆動力と称す)のチャートを図10に示す。
【0071】
上段のチャートに示す通り、駆動力は、変速操作期間中に一時的に上昇している。これは、2速の変速比と車速とにより定まるエンジン110の回転数から、3速の変速比と車速とにより定まるエンジン110の回転数へと、回転数が低下する前に歯車のかけ替えが行われることにより、自動車100に作用する駆動力が一時的に上昇することを示している。
【0072】
第5の方法では、この駆動力の一時的な上昇を摩擦ブレーキ力によって抑えるものである。すなわち、第5の方法では、駆動力から、変速操作後の駆動力の推定値を差し引いたものを摩擦ブレーキ力の目標値とするものであり、変速操作中の駆動力の変化に応じて摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節していく。すなわち、駆動力が過渡的に変化する状態および摩擦ブレーキ力自身の機械的応答性等を考慮して、摩擦ブレーキ力の目標値を適宜調節していく。これに基づいて各ブレーキアクチュエータ20a、20bが発生する摩擦ブレーキ力は、中段のチャートに示す通り、目標値に追従している。
【0073】
駆動力から摩擦ブレーキ力を差し引いた駆動力は下段のチャートに示す通りであり、摩擦ブレーキを作用させない場合に比べて実質の駆動力の変化が小さく抑えられていることがわかる。
これにより、自動車100の前後方向加速度の変化が小さく抑えられるため、運転者は変速操作に伴うショックを感じにくくなり、乗り心地性能が向上する。
【0074】
以上のように、自動変速機120を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、駆動力を推定する駆動力推定手段13と、摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータ20を制御するアクチュエータ制御手段15とを備えたブレーキ制御装置10を有し、ブレーキ力制御装置10は、アクチュエータ制御手段15に伝達する、自動変速機120の増速の変速操作中に、駆動力推定値に対応して増加させる摩擦ブレーキ力を演算する車両に搭載されるブレーキ装置が構成される。
【0075】
また、自動変速機120を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、エンジンブレーキ力を推定するエンジンブレーキ力推定手段12と、摩擦ブレーキ力を発生する、ブレーキアクチュエータ20を制御するアクチュエータ制御手段15とを備えたブレーキ力制御装置10を有し、ブレーキ力制御装置10は、アクチュエータ制御手段15に伝達する、エンジンブレーキ力の推定値に対応して第1の摩擦ブレーキ力を演算し、駆動力推定値に対応して第2の摩擦ブレーキ力を演算し、自動変速機120の変速状態に対応していずれかの摩擦ブレーキ力を出力する車両に搭載されるブレーキ装置が構成される。
【0076】
また、自動変速機120を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、エンジンブレーキ力、要求ブレーキ力、総ブレーキ力および駆動力、駆動力に摩擦ブレーキ力を加算した実質の駆動力などのエンジンの運転状態を推定するエンジン運転状態推定手段と摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータ20を制御するアクチュエータ制御手段15と自動変速機120の変速操作を検出する変速操作検出手段16とを備え、変速操作を検出したときに、推定されたエンジン運転状態に対応して摩擦ブレーキ力を演算する摩擦ブレーキ力制御装置14を有する車両に搭載されるブレーキ装置が構成される。
【0077】
一例として、総ブレーキ力を想定し、摩擦ブレーキ力を演算する。
また、その一例として例えば、自動変速機120を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、エンジンブレーキ力または駆動量を推定するエンジン推定手段15または駆動力推定手段13と、摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータ20を制御するアクチュエータ制御手段15と自動変速機120の変速操作開始を検出する変速操作検出手段16を備え、変速操作に入ったことを検出したときに、推定されたエンジンブレーキ力もしくは駆動力に対応して摩擦ブレーキ力を演算する摩擦ブレーキ力制御装置14を有する車両に搭載されるブレーキ装置が構成される。
【0078】
以上のように、本発明の実施の形態1によるブレーキ装置1によれば、要求ブレーキ力の推定値、あるいはエンジンブレーキ力の推定値、あるいは要求ブレーキ力の推定値とエンジンブレーキ力の推定値、あるいは駆動力の推定値のいずれかに基づいて摩擦ブレーキ力の目標値が決定され、これに基づいて各ブレーキアクチュエータ20a、20bが適切に駆動される。これにより、自動変速機120の変速比の切替えと変速操作に伴うエンジンブレーキ力の変化に起因する総ブレーキ力の変化が、最小限に抑えられる、あるいは運転者の要求ブレーキ力に合致するため、乗り心地性能が向上する。
【0079】
以上、本発明の実施の形態を図面に従って説明したが、これらはあくまでも一つの実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、自動変速機の変速操作があっても、自動車に作用するブレーキ力の変化を最小限に抑えるブレーキ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるブレーキ装置の全体構成図である。
【図2】自動変速機の一例である。
【図3】自動変速機の変速線図の一例である。
【図4】ブレーキ力制御装置が実行するルーチンのフローチャートである。
【図5】エンジンブレーキ力、摩擦ブレーキ力、総ブレーキ力のタイムチャートである。
【図6】エンジンブレーキ力、摩擦ブレーキ力、総ブレーキ力のタイムチャートである。
【図7】エンジンブレーキ力、摩擦ブレーキ力、総ブレーキ力のタイムチャートである。
【図8】エンジンブレーキ力、摩擦ブレーキ力、総ブレーキ力のタイムチャートである。
【図9】要求ブレーキ力、エンジンブレーキ力、摩擦ブレーキ力、総ブレーキ力のタイムチャートである。
【図10】駆動力、摩擦ブレーキ力、実質の駆動力のタイムチャートである。
【符号の説明】
1…ブレーキ装置、10…ブレーキ力制御装置、11…要求ブレーキ力推定手段、12…エンジンブレーキ力推定手段、13…駆動力推定手段、14…摩擦ブレーキ力決定手段、15…アクチュエータ制御手段、20a、20b…ブレーキアクチュエータ、100…自動車、110…エンジン、111…発電機、112…補機、120…自動変速機、121…エンジン出力軸、122…入力軸、123…主軸、124…対向軸、125…第1のクラッチ、126…第2のクラッチ、127…第3のクラッチ、128…第1のアクチュエータ、129…第2のアクチュエータ、130…第3のアクチュエータ、140…自動変速機制御手段、150…車速推定手段、151a、151b…車輪速センサ、152…ブレーキペダルユニット、153…アクセルペダルユニット、154…車輪軸、155a、155b…ディスクロータ、156a、156b…車輪。

Claims (7)

  1. 自動変速機を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、
    エンジンブレーキ力を推定するエンジンブレーキ力推定手段と、摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段とを備え、エンジンブレーキ力の推定値に対応して、前記アクチュエータ制御手段が作用する摩擦ブレーキ力を演算するブレーキ力制御装置を有することを特徴とする車両に搭載されるブレーキ装置。
  2. 自動変速機を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、
    エンジンブレーキ力を推定するエンジンブレーキ力推定手段と、摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段とを備え、自動変速機の変速操作中に、推定されたエンジンブレーキ力の減少に伴い摩擦ブレーキ力を増加することを特徴とする車両に搭載されるブレーキ装置。
  3. 自動変速機を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、
    エンジンブレーキ力を推定するエンジンブレーキ力推定手段と、運転者の要求ブレーキ力を推定する要求ブレーキ力推定手段と、摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段とを備えてなり、前記ブレーキアクチュエータは、エンジンブレーキ力の推定値と、要求ブレーキ力の推定値に基づいて摩擦ブレーキ力が制御されることを特徴とする車両に搭載されるブレーキ装置。
  4. 自動変速機を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、
    エンジンブレーキ力を推定するエンジンブレーキ力推定手段と、運転者の要求ブレーキ力を推定する要求ブレーキ力推定手段と、摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段とを備えたブレーキ力制御装置を有し、該ブレーキ力制御装置は、前記アクチュエータ制御手段に伝達する、要求ブレーキ力の推定値からエンジンブレーキ力の推定値を差引いた摩擦ブレーキ力を演算することを特徴とする車両に搭載されるブレーキ装置。
  5. 自動変速機を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、
    駆動力を推定する駆動力推定手段と、摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段とを備えたブレーキ制御装置を有し、該ブレーキ力制御装置は、前記アクチュエータ制御手段に伝達する、自動変速機の増速の変速操作中に、駆動力推定値に対応して増加させる摩擦ブレーキ力を演算することを特徴とする車両に搭載されるブレーキ装置。
  6. 自動変速機を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、
    エンジンブレーキ力を推定するエンジンブレーキ力推定手段と、駆動力を推定する駆動力推定手段と、摩擦ブレーキ力を発生する、ブレーキアクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段とを備えたブレーキ力制御装置を有し、該ブレーキ力制御装置は、前記アクチュエータ制御手段に伝達する、エンジンブレーキ力の推定値に対応して第1の摩擦ブレーキ力を演算し、駆動力推定値に対応して第2の摩擦ブレーキ力を演算し、自動変速機の変速状態に対応していずれかの摩擦ブレーキ力を出力することを特徴とする車両に搭載されるブレーキ装置。
  7. 自動変速機を有する車両に搭載されるブレーキ装置において、
    エンジンブレーキ力、要求ブレーキ力、総ブレーキ力および駆動力、駆動力に摩擦ブレーキ力を加算した実質の駆動力などのエンジンの運転状態を推定するエンジン運転状態推定手段と摩擦ブレーキ力を発生するブレーキアクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段と自動変速機の変速操作を検出する変速操作検出手段とを備え、変速操作を検出したときに、推定されたエンジン運転状態に対応して摩擦ブレーキ力を演算する摩擦ブレーキ力制御装置を有することを特徴とする車両に搭載されるブレーキ装置。
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