図5に示されるように、容器5の内部に加熱炉9を設け、加熱炉9の内部に加熱室11を設ける。加熱炉9の上部に固定盤14を設ける。熱伝導部材15と断熱部材16とによって固定盤14を構成する。熱伝導部材24と断熱部材25とによって可動盤23を構成する。加熱炉9の下部における固定盤14に相対向する位置に、加熱室11に通ずる通路18を設ける。可動盤23が有する熱伝導部材24の上に成形型8が置かれた状態で、可動盤23が通路18を通って加熱室11に移動する。熱伝導部材24の上に成形型8が置かれた可動盤23は、通路18を通って加熱室11に移動する。成形型8は、固定盤14と可動盤23とによって挟まれ、挟まれた状態で加圧され加熱される。熱伝導部材15及び熱伝導部材24からの熱伝導によって成形型8が両面から加熱される。可動盤23は通路18を通って加熱炉9の外部に移動する。加熱炉9の外部において成形型8が冷却される。
本発明に係る成形体の製造装置の実施例1について、図1〜図7を参照して説明する。成形体の製造装置の例として、ホットプレス装置について述べる。本出願書類におけるいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれる。同一の構成要素については、同一の符号を付与して説明を適宜省略する。
図1に示されるホットプレス装置1はバッチ式のホットプレス装置である。ホットプレス装置1は、下基台2の四隅に4本の支持部材3が固定される。上方に向かって伸びる4本の支持部材3の上部に、下基台2に相対向する上基台4が固定される。下基台2と上基台4との間に容器5が設けられる。容器5はホットプレス装置1の外郭部を構成する。容器5は、複数の支持部材6aによって下基台2に固定され、複数の支持部材6bによって上基台4に固定される。
ホットプレス装置の構成は、図1に示される構成以外でもよい。下基台と、下基台の両端部から上方に向かって伸びる2つの壁状部材と、2つの壁状部材の上部を連結する上基台とを含む枠状部材を使用してもよい。この枠状部材の内側に容器5が固定される。移動機構は下基台の上部に固定される。
容器5の内部を減圧するための真空ポンプ7が、配管P1及び開閉弁V1を経由して容器5に接続される。容器5の内部にN2 ガスを供給するための窒素ガス供給機Gが、配管P2及び開閉弁V2を経由して容器5に接続される。容器5の内部に対して成形型8を出し入れするための扉(図示なし)が、容器5の側壁に設けられる。成形型8の材料として、例えば、グラファイト(黒鉛)を使用することが好ましい。炭素からなるグラファイトは高耐圧性と高耐熱性と高熱伝導性とを有する。
容器5の内部に加熱炉9が設けられる。加熱炉9は断熱材壁10によって構成される。加熱炉9の内部に加熱室11が設けられる。断熱材壁10の材料として、高温の状態において大きい断熱効果を有するセラミックファイバーを使用することが好ましい。加熱室11の内部を加熱する加熱部として、例えば、抵抗加熱式のヒータ12が、加熱室11の周囲を取り巻くようにして設けられる。ヒータ12が加熱室11の内部を所定の温度まで短時間に加熱できるように、大きいワット密度を有するヒータを使用することが好ましい。ヒータ12を使用して、加熱室11の内部の温度を1000℃程度まで短時間に上げることができる。
図1に示されるように、ホットプレス装置1において、上基台4から下方に向かって伸びる上ラム13が設けられる。上ラム13の材料として、高温の状態において大きい強度を維持することができる耐熱鋼などを使用することが好ましい。上ラム13の先端には固定盤14が取り付けられる。固定盤14は熱伝導部材15と断熱部材16とを有する。固定盤14は上ラム13の下部に取り付けられる。具体的には、上ラム13の下部に断熱部材16が取り付けられ、断熱部材16の下部に熱伝導部材15が取り付けられる。
熱伝導部材15の材料として、大きい耐圧強度と、大きい対熱衝撃性と、大きい熱伝導率とを有する材料を使用することが好ましい。熱伝導部材15は、成形型8を加圧する際に、10tの加圧力に耐えることができる。熱伝導部材15は、加熱室11の内部が常温の状態と高温の状態との間を熱的に往復する場合における急速な昇温及び急速な降温に耐えることができる。熱伝導部材15は、ヒータ12からの輻射熱を蓄積し、蓄積された熱を成形型8に伝導することができる。
断熱部材16の材料として、大きい耐圧強度と、大きい対熱衝撃性と、小さい熱伝導率とを有する材料を使用することが好ましい。断熱部材16は、成形型8を加圧する際に10tの加圧力に耐えることができる。断熱部材16は、加熱室11の内部が常温の状態と高温の状態との間を熱的に往復する場合における急速な昇温及び急速な降温に耐えることができる。断熱部材16は、熱伝導部材15に蓄積された熱が外部に対して放出されることを抑制することができる。
図1に示されるように、熱伝導部材15は加熱室11の内部に配置される。断熱部材16は、加熱炉9を構成する断熱材壁10の上部に形成された貫通穴にはめ込まれる。断熱部材16は、上ラム13の下部に取り付けられる。言い換えれば、断熱部材16は加熱炉9の断熱材壁10における上部の一部分を構成する。断熱材壁10と断熱部材16とによって、加熱室11の上部が加熱炉9の上方の空間から熱的に遮断される。
上ラム13と固定盤14(断熱部材16及び熱伝導部材15を含む)とが、一体化される。このことによって、上ラム13と固定盤14とがホットプレス装置1における上ラム(広義)として機能する。
加熱室11に不活性ガスを供給するガス供給機構17が、配管P3と開閉弁V3とを経由して加熱室11に接続される。不活性ガスを供給することによって、加熱室11の内部を不活性ガスリッチ雰囲気(言い換えれば低酸素雰囲気)にする。不活性ガスとして、窒素(N2 )、アルゴン(Ar)又はヘリウム(He)が使用される。成形型8を構成するグラファイトは可燃性の材料である。したがって、高温の状態でグラファイトが燃焼することを防止するために、不活性ガスが加熱室11に供給される。容器5の内部の空間及び加熱室11の内部の空間にガスを供給する場合には、それらの空間からガスを排出する経路が必要である。図の複雑化を避けるために、それらの経路は図示されない。
加熱炉9の下部において、平面視して(図1のZ方向に沿って見て)加熱炉9の上部に設けられた固定盤14に相対向する位置に、通路18が設けられる。加熱炉9の下方と加熱室11の内部との間を、成形型8が通路18を通って移動する。具体的には、成形型8が、加熱炉9の下方(下側)から通路18を通って加熱炉9の内部に移動して、加熱室11の内部に収容される。
通路18の下方において、通路18を開閉するためのシャッタ19が設けられる。ヒータ12によって加熱された熱が加熱室11から外部に放出されることを抑制するように、小さい熱伝導率を有する断熱部材によってシャッタ19が構成されることが好ましい。シャッタ19は、開閉機構20によって、通路18の下方をX方向に沿って進退する。シャッタ19によって、加熱炉9の構造が、加熱室11に蓄積された熱が外部に放出されにくい構造になる。
シャッタ19は、加熱炉9の側壁内側の下部に設けられた凹部に収容されてもよい。シャッタ19は、進退可能なロッドに接続される。ロッドは、側壁内側の下部に設けられた貫通穴にはめ込まれる。適当な断熱材を使用して貫通穴とロッドとの間のすき間が塞がれることが、好ましい。ロッドは、側壁外側に設けられたアクチュエータの動作によって進退する。シャッタ19は、アクチュエータが突き出す動作によって、通路18の上方に移動して通路18を閉じる。シャッタ19は、アクチュエータが引き込む動作によって、通路18の上方から、加熱炉9の側壁内側の下部に設けられた凹部に移動する。このようにして、シャッタ19は通路18を開ける。
下基台2には、成形型8を昇降させ、かつ、成形型8を加圧するための駆動機構21が設けられる。駆動機構21として、油圧シリンダ、サーボモータとボールねじとの組合せ、サーボモータとボールねじとトグル機構との組合せなどが使用される。駆動機構21によって下ラム22が昇降する。下ラム22の材料としては、高温の状態で強度を維持することができる耐熱鋼などが使用されることが好ましい。下ラム22の先端には可動盤23が接続される。可動盤23は熱伝導部材24と断熱部材25とを有する。可動盤23は下ラム22と一体となって昇降する。可動盤23は、加熱炉9の通路18を経由して、加熱室11の内部と、加熱室11の外部であって容器5の内部との間を、移動できる。
熱伝導部材24の材料として、大きい耐圧強度と、大きい対熱衝撃性と、大きい熱伝導率とを有する材料を使用することが好ましい。熱伝導部材24は、成形型8を加圧する際に、10tの加圧力に耐えることができる。熱伝導部材24は、加熱室11の内部が常温の状態と高温の状態との間を熱的に往復する場合における急速な昇温及び急速な降温に耐えることができる。熱伝導部材24は、ヒータ12からの輻射熱を蓄積し、蓄積された熱を成形型8に伝導することができる。
断熱部材25の材料として、大きい耐圧強度と、大きい対熱衝撃性と、小さい熱伝導率とを有する材料を使用することが好ましい。断熱部材25は、成形型8を加圧する際に10tの加圧力に耐えることができる。断熱部材25は、加熱室11の内部が常温の状態と高温の状態との間を熱的に往復する場合における急速な昇温及び急速な降温に耐えることができる。断熱部材25は、熱伝導部材24に蓄積された熱が加熱室11の外部に対して放出されることを抑制することができる。
下ラム22と可動盤23(熱伝導部材24及び断熱部材25を含む)とが、一体化される。このことによって、下ラム22と可動盤23とがホットプレス装置1における下ラム(広義)として機能する。
成形体を成形するための成形型8が、可動盤23の上に載置される。可動盤23の上面は、成形型8が配置される配置領域23aを構成する。したがって、成形型8は可動盤23の配置領域23aである可動盤23の上面に載置される。実施例1においては、可動盤23を構成する熱伝導部材24の上面が、可動盤23の配置領域23aを構成する。
図2を参照して、図1に示されたホットプレス装置1において使用される成形型8について説明する。成形型8は、例えば、貫通孔を有する枠部材26と、枠部材26の貫通孔に挿入される下型27及び上型28とを有する。下型27と上型28とは、枠部材26の内壁面に沿って摺動する。枠部材26、下型27及び上型28の材料として、例えば、グラファイト(黒鉛)が使用される。
枠部材26と下型27とによって囲まれた空間に、成形体を形成するための原材料29が収容される。原材料29として、セラミックス材料、金属材料などが使用される。原材料29として、セラミックス材料と金属材料とを含む混合材料などが使用されてもよい。枠部材26と下型27とによって囲まれた空間に原材料29が収容された状態で、上型28が枠部材26の貫通孔に挿入される。この状態において、下型27と上型28との間に挟まれた原材料29が加圧される。
図2においては、枠部材26と下型27とをそれぞれ個別に構成した。これに限らず、枠部材26と下型27とを一体にして構成することができる。この場合には、枠部材26と下型27とによって凹状の部材が構成される。枠部材26と下型27とによって囲まれた空間(凹部)に上型28が挿入される。上型28のみが枠部材26の内壁面に沿って摺動する。
図1に示されるように、ホットプレス装置1における加熱炉9の下方に、加熱炉9から取り出された成形型8を冷却するための冷却装置30が設けられる。図1、図3に示されるように、冷却装置30は、例えば、成形型8に向かって冷却用のガスを吹き付ける冷却リング31を有する。冷却リング31は、配管P4と開閉弁V4とを経由して冷却装置30に接続される。冷却リング31は、加熱炉9から取り出された成形型8の周囲を取り囲むようにして設けられる。冷却リング31の内側には、成形型8に向かって冷却用のガスを吹き付ける多数のガス供給孔32が設けられる。冷却用のガスとしてN2 ガス、Arガス、Heガスなどを使用することが好ましい。N2 ガス、Arガスに比べてHeガスは大きい熱伝導率を有する。したがって、冷却用のガスとしてHeガスを使用することによって、成形型8をいっそう速く冷却することができる。
図7を参照して、実施例1において加熱室11に収容された成形型8が加熱されて加圧される状態を説明する。図7に示されるように、加熱室11は、Z方向(可動盤23及び成形型8が移動する方向)に沿って長さLの空間を有する。固定盤14は、t1の厚さを有する熱伝導部材15とt2の厚さを有する断熱部材16とによって構成される。可動盤23は、t1の厚さを有する熱伝導部材24とt2の厚さを有する断熱部材25とによって構成される。成形型8はt3の厚さを有する。加熱炉9を構成する断熱材壁10の上壁及び下壁はt2の厚さを有する。
熱伝導部材15の厚さt1と成形型8の厚さt3と熱伝導部材24の厚さt1とを合計した厚さが加熱室11の長さLにほぼ等しくなるように、それぞれの厚さが設定される。すなわち、熱伝導部材15の厚さt1と成形型8の厚さt3と熱伝導部材24の厚さt1とを合計した厚さがL=2・t1+t3になるように、設定される。固定盤14を構成する断熱部材16の厚さt2及び可動盤23を構成する断熱部材25の厚さt2は、それぞれ断熱材壁10を構成する上壁の厚さt2及び下壁の厚さt2に等しくなるようにして設定されてもよい。
成形型8が加熱室11に収容された状態において、加熱室11の内部には熱伝導部材15と成形型8と熱伝導部材24とが配置される。加熱室11は、加熱炉9を構成する断熱材壁10と、固定盤14を構成する断熱部材16と、可動盤23を構成する断熱部材25とによって覆われる。したがって、それぞれの断熱部材によって、加熱炉9の外部から加熱室11の内部が熱的に遮断される。
加熱室11は、加熱炉9を構成する断熱材壁10と、固定盤14を構成する断熱部材16と、可動盤23を構成する断熱部材25とによって覆われる。このことにより、加熱室11に蓄積した熱が外部に放出されることが抑制される。言い換えれば、ヒータ12によって得られた熱が、成形型8を加熱することに高い効率でもって利用される。加熱室11における熱損失が抑制されるので、加熱室11の内部の温度を上げる時間が短縮される。
上ラム13と熱伝導部材15との間に断熱部材16を設けることによって、加熱室11に蓄積した熱が外部に放出されることが抑制される。下ラム22と熱伝導部材24との間に断熱部材25を設けることによって、加熱室11に蓄積した熱が外部に放出されることが抑制される。したがって、上ラム13、下ラム22、容器5などの構成要素の温度が上昇することが抑制される。
図4〜図7を参照して、本発明に係るホットプレス装置1において、成形型8に収容された原材料29を加熱して加圧する工程について説明する。
まず、ホットプレス装置1に設けられた容器5の扉(図示なし)を開ける。図4に示されるように、粉末状の原材料29(図2参照)を収容した成形型8を可動盤23の上に載置する。したがって、成形型8は熱伝導部材24の上面に載置される。成形型8を可動盤23の上に載置した後に、容器5の扉を閉じる。
次に、真空ポンプ7を使用して容器5の内部を減圧する。その後に、ガス供給機構17を使用して、例えば、N2 ガスを加熱室11に供給する。この状態においては、加熱炉9の通路18はシャッタ19によって閉じられている。N2 ガスを供給することによって加熱室11の内部を低酸素雰囲気の状態にする。
次に、図5に示されるように、開閉機構20を使用してシャッタ19を+X方向に移動させることによって、加熱炉9の通路18を開ける。駆動機構21を使用して可動盤23を上昇させる。可動盤23を上昇させることによって、通路18を通って加熱室11の内部に成形型8を収容する。可動盤23を更に上昇させることにより、加熱室11の内部において成形型8を固定盤14と可動盤23とによって挟む。この状態で、図5に示されるように、Z方向における、固定盤14を構成する熱伝導部材15の長さと成形型8の厚さと可動盤23を構成する熱伝導部材24の長さとの和が、加熱室11の長さに対応するようにして配置される。言い換えれば、Z方向において、熱伝導部材15の上面から成形型8を経由して熱伝導部材24の下面までの長さが加熱室11の長さに等しくなるように、ホットプレス装置1が構成される。
本出願書類において「長さが等しい」という文言は、厳密に長さが等しい場合以外に、ある程度の長さの差がある場合を含む。例えば、「熱伝導部材15の上面から成形型8を経由して熱伝導部材24の下面までの長さが加熱室11の長さに等しい」という文言は、熱伝導部材24の下面が加熱室11の下方であって加熱炉9の下壁の厚さの範囲内に位置する場合などを含む。
次に、成形型8を加熱する工程を実行する。ヒータ12に電圧を印加する。ヒータ12が発生させた熱によって加熱室11を加熱する。図7に示されるように、加熱室11において、ヒータ12から受け取った輻射熱33によって、固定盤14を構成する熱伝導部材15及び可動盤23を構成する熱伝導部材24が周辺部から加熱される。熱伝導部材15及び熱伝導部材24は大きい熱伝導率を有する。したがって、熱伝導部材15及び熱伝導部材24の周辺部から中央部に向かって、熱伝導部材15及び熱伝導部材24の全体の領域が速やかに加熱される。最終的に、熱伝導部材15及び熱伝導部材24の全体の領域が所定の温度に均一に加熱される。
成形型8を加熱する工程では、低酸素雰囲気中において、均一に加熱された熱伝導部材15及び熱伝導部材24から伝わる熱伝導34により、成形型8の両面(上面及び下面)から均一に成形型8が加熱される。したがって、成形型8の周辺部と中央部との間において大きな温度差が生じることはない。このことにより、成形型8を構成する下型27と上型28との間に収容された原材料29が均一に加熱される(図2参照)。成形型8の平面積が大きい場合においても、成形型8の周辺部と中央部との間において大きな温度差を生じないので、成形型8に収容された原材料29が均一に加熱される。
成形型8を加熱する工程においては、加熱室11を所定の温度、例えば、800℃まで加熱する。断熱部材によって加熱炉9の外部から加熱室11の内部が熱的に遮断されているので、加熱室11の内部の温度を所定の温度まで上げる時間が短縮される。
図5に示されるように、加熱室11の内部の温度を所定の温度に上げてその温度を保つことによって、所定の時間の間成形型8を加熱する。その後に、駆動機構21を使用して可動盤23を更に上昇させて、成形型8を加圧する圧力を所定の圧力にする。その所定の圧力を保つことによって成形型8を加圧する。このことによって、成形型8を構成する上型28と下型27との間に収容された原材料29が、加圧されながら加熱される。所定の温度で所定の時間だけ成形型8が加圧されながら加熱されることによって、成形型8に収容された原材料29が成形される。ここまでの工程によって、成形型8に収容された原材料29が焼結されて成形体(焼結体)が成形される。
次に、成形が終了した後に、開閉機構20を使用してシャッタ19を+X方向に移動させることによって、通路18を開ける。図6に示されるように、駆動機構21を使用して可動盤23を下降させることによって、加熱炉9から成形型8を取り出す。可動盤23を更に下降させて、成形型8を冷却リング31が設けられた位置で停止させる。
次に、成形型8を加熱炉9から取り出した後に、開閉機構20を使用してシャッタ19を−X方向に移動させることによって、通路18を閉じる。通路18を閉じることによって、加熱室11の熱が容器5の内部に放出されることが抑制される。このことによって、第1に、加熱室11の内部の温度が下がることが抑制される。第2に、容器5の内部及び容器5の内部に設けられた構成要素などの温度が上がることが抑制される。
次に、冷却装置30を使用して、冷却リング31のガス供給孔32から、成形型8に向かって冷却用のガスを吹き付ける。冷却用のガスとしてN2 ガス、Arガス又はHeガスを使用する。図3に示されるように、成形型8の周囲から成形型8全体に冷却用のガスを吹き付けることによって、成形型8を急速に冷却することができる。N2 ガス、Arガスに比べてHeガスは大きい熱伝導率を有する。したがって、Heガスを使用することによって、成形型8がいっそう速く冷却される。冷却用のガスを予め冷却してもよい。このことによって、成形型8を冷却する時間がいっそう短縮される。
次に、冷却装置30によって成形型8の温度を常温まで下げた時点において、真空ポンプ7の動作を停止する。その後に、窒素ガス供給機Gを使用して容器5の内部にN2 ガスを供給する。容器5の内部にN2 ガスを満たす。容器5の内部の気圧が大気圧に等しくなった時点において、扉(図示なし)を開けて容器5から常温の成形型8を取り出す。ここまでの工程によって、成形型8の内部において成形された成形体を成形型8から取り出すことができる。
本実施例によれば、熱伝導部材15と断熱部材16とによって固定盤14を構成する。熱伝導部材24と断熱部材25とによって可動盤23を構成する。加熱室11において、固定盤14を構成する熱伝導部材15と可動盤23を構成する熱伝導部材24とによって成形型8が挟まれた状態で、成形型8が加熱される。熱伝導部材は大きい熱伝導率を有するので、熱伝導部材15及び熱伝導部材24における周辺部から中央部に向かって成形型8全体の領域が均一に加熱される。したがって、熱伝導部材15及び熱伝導部材24から伝わる熱伝導34によって成形型8が両面から均一に加熱される。
本実施例によれば、加熱炉9を構成する断熱材壁10と、固定盤14を構成する断熱部材16と、可動盤23を構成する断熱部材25とによって、加熱炉9の外部から加熱室11の内部を熱的に遮断する。このことにより、加熱室11において成形型8を加熱する際に、加熱室11に蓄積された熱が外部に放出されることが抑制される。したがって、ヒータ12によって得られた熱が、成形型8を加熱することに効率的に利用される。成形型8を加熱する際の熱損失が抑制されるので、加熱室11の内部の温度を上げる時間が短縮される。
本実施例によれば、上ラム13と熱伝導部材15との間に断熱部材16を設ける。下ラム22と熱伝導部材24との間に断熱部材25を設ける。これらのことによって、加熱室11に蓄積した熱が外部に放出されることが抑制される。したがって、上ラム13、下ラム22、容器5、その他の構成要素などの温度が上昇することが抑制される。
本実施例によれば、加熱炉9において加熱処理が終了した後は、成形型8を加熱炉9から加熱炉9の外部であって容器5の内部に移動させる。シャッタ19を使用して通路18を閉じた後に、容器5の内部において、冷却装置30を使用して成形型8を強制的に冷却する。このことにより、加熱炉9の外部であって容器5の内部において、短時間で成形型8が常温まで冷却される。常温まで冷却された成形型8を容器5の外部に取り出す。したがって、1回の成形処理において、成形型8の温度を高温から常温まで下げる時間を短縮することができる。よって、ホットプレス装置1の生産性を向上させることができる。
本実施例においては、成形型8を加熱室11に収容してから加熱室11をヒータ12によって加熱した。これに限らず、成形型8を加熱室11に収容する前に加熱室11の内部の温度を予め所定の温度まで上げておいてもよい。この場合には、1回の成形処理毎に加熱室11を加熱する時間が不要になる。したがって、ホットプレス装置1の生産性をいっそう向上させることができる。
実施例1においては、成形型8に向かって冷却用のガスを吹き付ける冷却装置30を示した。これに限らず、金属などからなる部材の内部に設けられたパイプに液体又は気体からなる冷媒を流動させることができる冷却体を、冷却装置として使用してもよい。この場合には、冷却された冷却体に成形型8を接触させることによって、成形型8が強制的に冷却される。成形型8から冷却体に向かう熱伝導を利用して、成形型8が冷却される。
冷却用のガスに代えて、ペルチェ素子、適当な冷媒などを使用して冷却される部材(金属ブロックなど)からなる冷却体を、加熱炉9の下方であって平面視して通路18に重ならない位置に設けてもよい。適当な搬送機構、例えば、押し出し機構によって、可動盤23の上から冷却体の上に成形型8を押し出す。これにより、可動盤23の上から冷却体の上に成形型8が移されて、成形型8が強制的に冷却される。この構成によれば、加熱及び加圧処理された成形型8を冷却しながら、可動盤23の上に置かれた新たな成形型8を、通路18を通って加熱室11の内部に収容させることができる。この場合には、加熱及び加圧処理された成形型8を冷却する工程と、成形型8の内部に収容された原材料29を加熱して加圧する工程とが、同時に進行する。したがって、成形型8の内部に収容された原材料29を加熱して加圧する工程が効率的に実行される。
成形型8の冷却は、冷却用のガス、冷媒、ペルチェ素子などを使用する強制的な冷却に限られない。成形型8の冷却は、金属ブロックなどの上に移された成形型8が放置されることによって実行されてもよい。この構成によれば、加熱及び加圧処理された成形型8が自然に冷却される。したがって、ホットプレス装置1の消費電力が低減される。加熱炉9の下方であって平面視して通路18に重ならない位置に、冷却体を設けてもよい。
本実施例によれば、加熱室11の内部の温度を所定の温度まで上げた後に、成形型8を加圧し始めた。これに限らず、加熱室11の内部に成形型8を収容して、加熱室11の内部の温度を上げ始めるのとほぼ同時に、成形型8を加圧し始めてもよい。成形型8を加圧しながら加熱室11の内部の温度を所定の温度まで上げた後に、その状態(成形型8が加圧されながら加熱される状態)を一定の時間保つ。この場合には、加熱室11の内部の温度を上げる際の温度プロファイルと、所定の温度を保つ時間とを、実験などによって予め決めておくことが好ましい。このことは、他の実施例においても同様である。ここまで説明した方法により、原材料29から成形体を成形する時間がいっそう短縮される。
図8〜図9を参照して、本発明に係る製造装置であるホットプレス装置1の実施例2について説明する。実施例1に対する違いは、第1に、固定盤14を構成する熱伝導部材15の厚さ(Z方向の長さ)が加熱室11の空間のZ方向の長さLに等しいことである。第2に、可動盤23が主として断熱部材25によって構成されることである。それ以外の構成は実施例1に同じである。なお、実施例2(図8)においては、便宜上開閉弁の図示を省略する。
可動盤23が主として断熱部材25によって構成される態様としては、第1に、可動盤23が断熱部材25のみによって構成される態様がある。第2に、可動盤23の最上部に薄い熱伝導部材が設けられ、その熱伝導部材と成形型8とが加熱室11の最下部に収容される態様がある。
図8に示されるように、固定盤14は、熱伝導部材15と断熱部材16とによって構成される。可動盤23は断熱部材25のみによって構成される。加熱室11の内部は、固定盤14を構成する熱伝導部材15の厚さ(長さ)が加熱室11の長さLに等しくなるように構成される。
図9に示されるように、加熱室11はZ方向に沿って長さLの空間を有する。固定盤14は、厚さt4を有する熱伝導部材15と厚さt2を有する断熱部材16とによって構成される。可動盤23は、厚さt2を有する断熱部材25のみによって構成される。成形型8は厚さt3を有する。加熱炉9を構成する断熱材壁10の上壁は厚さt2を有し、下壁は厚さt5を有する。
固定盤14を構成する熱伝導部材15の厚さt4は加熱室11の長さLに等しい。すなわち、加熱室11は、L=t4になるように設定される。固定盤14を構成する断熱部材16の厚さt2は、断熱材壁10を構成する上壁の厚さt2に等しくなるようにして設定される。断熱材壁10を構成する下壁の厚さt5は、可動盤23を構成する断熱部材25の厚さt2と成形型8の厚さt3との和に等しくなるようにして設定される。
成形型8が加熱炉9に収容された状態において、加熱室11の内部には熱伝導部材15のみが配置される。加熱室11は、加熱炉9を構成する断熱材壁10と、固定盤14を構成する断熱部材16と、可動盤23を構成する断熱部材25とによって覆われる。したがって、それぞれの断熱部材によって、加熱炉9の外部から加熱室11の内部が熱的に遮断される。
図9を参照して、実施例2において成形型8を加熱炉9に収容して加熱する工程を説明する。実施例1とは異なり、成形型8を加熱炉9に収容する前に加熱室11を予め所定の温度に加熱しておく場合を説明する。
まず、ヒータ12に電圧を印加する。これによって、加熱室11の内部の温度を所定の温度、例えば、800℃まで上げる。ヒータ12からの輻射熱33によって、固定盤14を構成する熱伝導部材15の全体が周辺部から加熱される。熱伝導部材15は大きい熱伝導率を有するので、長さLを有する熱伝導部材15の全体が、熱伝導部材15の周辺部から中央部に向かって加熱されて、均一な所定の温度になる。熱伝導部材15は、所定の温度(800℃)に熱せられた状態を維持する。言い換えれば、熱伝導部材15は、ヒータ12から得られた熱を長さ方向に沿って全体に均一に蓄積する。図8に示されるように、この状態において加熱炉9の通路18はシャッタ19によって閉じられている。
次に、開閉機構20を使用してシャッタ19を+X方向に移動させることによって、通路18を開ける。通路18を通って成形型8を加熱炉9の内部に収容する。図9に示されるように、固定盤14を構成する熱伝導部材15と可動盤23を構成する断熱部材25とによって成形型8を挟む。熱伝導部材15は所定の温度に均一に加熱されているので、熱伝導部材15に蓄積された熱が、熱伝導34によって成形型8に対して速やかに均一に伝わる。このことにより、成形型8を所定の温度に均一に加熱することができる。
加熱室11は、加熱炉9を構成する断熱材壁10と、固定盤14を構成する断熱部材16と、可動盤23を構成する断熱部材25とによって覆われる。このことにより、熱伝導部材15に蓄積された熱が外部に放出されることが抑制される。言い換えれば、熱伝導部材15に蓄積された熱が、成形型8を加熱することに効率的に利用される。熱伝導部材15の熱損失が抑制されるので、成形型8を加熱する時間を短縮することができる。成形型8を加熱した後の工程は実施例1に同じなので、説明を省略する。冷却装置30は、実施例1で説明した構成と同様の構成を有する。
本実施例によれば、固定盤14を構成する熱伝導部材15の長さt4を加熱室11の長さLに等しくなるようにして設定する。このことによって、第1に、熱伝導部材15の熱容量を大きくすることができる。第2に、ヒータ12から得られた熱を熱伝導部材15の長さ方向に沿って全体に均一に蓄積することができる。したがって、熱伝導部材15に蓄積された熱を熱伝導34によって成形型8に均一に速く伝えることができる。このことにより、成形型8を所定の温度に、短時間で均一に加熱することができる。
本実施例によれば、加熱炉9を構成する断熱材壁10と、固定盤14を構成する断熱部材16と、可動盤23を構成する断熱部材25とによって、加熱炉9の外部から加熱室11の内部が熱的に遮断される。このことにより、加熱炉9において成形型8を加熱する際に、熱伝導部材15に蓄積された熱が外部に放出されることが抑制される。したがって、ヒータ12によって得られた熱が、成形型8を加熱することに効率的に利用される。成形型8を加熱する際の熱損失が抑制されるので、成形型8を加熱する時間が短縮される。
本実施例においては、固定盤14を構成する熱伝導部材15の長さt4を加熱室11の長さLに一致するようにした。これに限らず、熱伝導部材15の長さt4を成形型8の厚さt3だけ短くして設定することができる。すなわち、t4=L−t3にすることができる。この場合には、固定盤14を構成する熱伝導部材15と成形型8とが加熱室11の内部に配置される。この場合には、成形型8は、上面において熱伝導部材15による熱伝導34を受け、側面においてヒータ12による輻射熱33を受ける。加熱炉9を構成する断熱材壁10の厚さは、上壁及び下壁とも実施例1と同様にt2の厚さに設定できる。
図10〜図13を参照して、本発明に係るホットプレス装置の実施例3について説明する。実施例1、2との違いは、容器5の内部に加熱炉と予熱炉とを設けたことである。それ以外の構成は基本的に実施例1、2に同じである。なお、実施例3(図10〜図13)においては、便宜上開閉弁の図示を省略する。
図10に示されるように、ホットプレス装置35は、容器5の内部に加熱炉36と予熱炉37とを有する。加熱炉36は、平面視して予熱炉37に重なるようにして、予熱炉37の上方に配置される。加熱炉36は内部に加熱室38を有する。予熱炉37は内部に予熱室39を有する。
加熱炉36は、実施例1で示した加熱炉9に同じ構成を有する。図10に示されるように、加熱炉36の上部には固定盤14が設けられる。加熱炉36の下部において、平面視して固定盤14に相対向する位置に、通路18aが設けられる。加熱室38の周囲にはヒータ12aが設けられる。加熱室38に不活性ガスを供給するガス供給機構17aが、配管と開閉弁とを経由して加熱室38に接続される。加熱室38の内部の温度はヒータ12aによって1000℃程度まで上げられることができる。加熱炉36の下方には、通路18aを開閉するためのシャッタ19aと開閉機構20aとが設けられる。
予熱炉37の上部には通路18bが設けられる。予熱炉37の下部には、平面視して通路18bに相対向する位置に、通路18cが設けられる。予熱室38の周囲にはヒータ12bが設けられる。予熱室39に不活性ガスを供給するガス供給機構17bが、配管と開閉弁とを経由して予熱室39に接続される。予熱室39の内部の温度はヒータ12bによって500℃程度まで上げられることができる。予熱炉37の上方には、通路18bを開閉するためのシャッタ19bと開閉機構20bとが設けられる。予熱炉37の下方には、通路18cを開閉するためのシャッタ19cと開閉機構20cとが設けられる。
実施例1と同様に、固定盤14は熱伝導部材15と断熱部材16とを有する。可動盤23は熱伝導部材24と断熱部材25とを有する。可動盤23は予熱炉37の通路18cを通って予熱室39の内部に収容される。可動盤23は予熱炉37の通路18b及び加熱炉36の通路18aを通って加熱室38の内部に収容される。可動盤23は、加熱室38の内部及び予熱室39の内部と、加熱室38の外部及び予熱室39の外部であって容器5の内部との間を移動する。容器5の内部において、固定盤14、通路18a、通路18b、通路18c、及び可動盤23は、平面視して重なるようにして設けられる。図10に示される冷却装置30は、実施例1で説明した構成のうち、成形型8から冷却体40に向かう熱伝導を利用する構成を有する。これに限らず、冷却装置30を、実施例1と同様に冷却用のガスを成形型8に吹き付ける構成にしてもよい。
図10〜図13を参照して、本発明に係るホットプレス装置35において、成形型8に収容された原材料29(図2参照)を予熱する工程及び加熱して加圧する工程について説明する。
まず、図10に示されるように、原材料29を収容した成形型8を可動盤23の上に載置する。この場合には、可動盤23を構成する熱伝導部材24の上面が可動盤23の配置領域23aを構成する。したがって、成形型8は熱伝導部材24の上面に載置される。
次に、図11に示されるように、開閉機構20cを使用してシャッタ19cを+X方向に移動させることによって、予熱炉37の下部に設けられた通路18cを開ける。駆動機構21を使用して可動盤23を上昇させる。可動盤23を上昇させることによって、通路18cを通って予熱室39の内部に成形型8を収容する。予熱炉37の上部に設けられた通路18bは、シャッタ19bによって予め閉じられている。
本実施例において、予熱室39の内部の温度及び加熱室38の内部の温度を、それぞれ予め所定の温度まで上げる場合について説明する。例えば、ヒータ12bに電圧を印加することによって、予熱室39の内部の温度を400℃まで予め上げる。予熱室39において、ヒータ12bからの輻射熱及び可動盤23を構成する熱伝導部材24からの熱伝導によって成形型8を予熱する。所定の時間だけ成形型8を予熱することによって、成形型8に収容された原材料29から水分などを除去する。
次に、図12に示されるように、開閉機構20bを使用してシャッタ19bを+X方向に移動させる。このことによって、予熱炉37の上部に設けられた通路18bを開ける。開閉機構20aを使用してシャッタ19aを+X方向に移動させることによって、加熱炉36の下部に設けられた通路18aを開ける。駆動機構21を使用して、可動盤23を上昇させる。予熱炉37の上部に設けられた通路18b及び加熱炉36の下部に設けられた通路18aを順次通って、加熱室38の内部に可動盤23を収容する。
ヒータ12aによって、加熱室38の内部の温度を予め800℃に上げる。加熱室38において、固定盤14と可動盤23とによって成形型8を挟む。固定盤14を構成する熱伝導部材15及び可動盤23を構成する熱伝導部材24からの熱伝導によって、成形型8の両面(上面及び下面)から、成形型8を均一に加熱する。
所定の時間だけ成形型8を加熱した後に、駆動機構21を使用して可動盤23を更に上昇させて成形型8を加圧する。このことによって、成形型8を構成する上型28と下型27との間に収容された原材料29(図2参照)が、加圧されながら加熱される。所定の温度で所定の時間だけ成形型8が加圧されながら加熱されることによって、成形型8に収容された原材料29が成形される。ここまでの工程によって、原材料29から成形体(焼結体)が成形される。
次に、図13に示されるように、駆動機構21を使用して可動盤23を下降させる。可動盤23を下降させて、容器5の内部であって予熱炉37の下方における所定の位置に成形型8を停止させる。通路18a、18b、18cを、それぞれ、シャッタ19a、19b、19cを−X方向に移動させることによって閉じる。次に、冷却装置30に設けられた冷却体40を+X方向に移動させることによって所定位置に停止させる。駆動機構21を使用して可動盤23を上昇させることによって成形型8と冷却体40とを接触させる。成形型8から冷却体に向かう熱伝導を利用して、成形型8が常温まで冷却される。成形体8を常温まで冷却した後に、冷却体40を元の位置に戻す。次に、容器5の内部を大気圧にして、常温まで冷却された成形型8を容器5から取り出す。
本実施例によれば、容器5の内部に加熱炉36と予熱炉37とを設ける。加熱炉36の内部の温度と予熱炉37の内部の温度とを、それぞれ予め所定の温度まで上げる。加熱炉36の内部の温度を高温(800℃)になるまで上げる。予熱炉37の内部の温度を中温(400℃)になるまで上げる。したがって、中温における熱処理と高温における熱処理とを、容器5の内部において連続して実施することができる。加熱炉36の内部の温度と予熱炉37の内部の温度とは、それぞれ予め所定の温度まで上げられる。これらにより、加熱炉36の内部の温度と予熱炉37の内部の温度とを上げる時間が、いずれも不要になる。加えて、成形処理が終了した後には、加熱室38から取り出した成形型8が、容器5の内部であって予熱炉37の下方において強制的に冷却される。したがって、冷却に要する時間が短縮される。したがって、ホットプレス装置35の生産性を向上させることができる。
図14を参照して、本発明に係るホットプレス装置において使用される他の成形型について説明する。図14に示される成形型41は、複数の成形体を1回の成形処理によって成形するための成形型である。
図14に示されるように、成形型41は下型42と上型43とを有する。下型42には複数の凹部44が形成される。複数の凹部44に原材料45が収容される。複数の凹部44に対応して複数の中間型46がそれぞれ設けられる。複数の中間型46は、それぞれの凹部44において摺動する。複数の中間型46と上型43との間には、それぞれの凹部44に収容された原材料45を均一に加圧すための緩衝材47がそれぞれ挿入される。下型42、上型43及び中間型46はグラファイトによって構成される。緩衝材47としてはフッ素ゴムなどが使用される。
本発明に係るホットプレス装置においては、熱伝導部材からの熱伝導によって成形型41を加熱する。熱伝導部材は大きい熱伝導率を有するので、熱伝導部材の全体の領域が均一に加熱される。したがって、複数の凹部44に収容された原材料45を熱伝導部材からの熱伝導によって均一に加熱することができる。加えて、上型43と複数の中間型46との間に複数の緩衝材47を挿入することによって、複数の凹部44に収容された原材料45を加圧する加圧力のばらつきを低減することができる。このことによって、複数の成形体を成形する場合において、成形温度のばらつきと加圧力のばらつきとの双方を抑制することができる。したがって、1回の成形処理によって複数の成形体を均一に成形することができるので、ホットプレス装置の生産性を向上させることができる。
各実施例においては、加熱室を加熱する加熱部として抵抗加熱式のヒータを使用した。これに限らず、誘導加熱式の加熱コイル又はハロゲンランプヒータなどの加熱部を使用して加熱室を加熱することができる。
各実施例においては、下ラムを昇降させる構成にして、下ラムを上昇させることによって成形型を加圧した。これに限らず、上ラムも昇降させる構成にすることができる。この場合には、下ラムを上昇させ上ラムを下降させることによって成形型を加圧する。
図1及び図10に示された構成を時計回り又は反時計回りに90°回転させた構成を、採用してもよい。この場合には、可動盤23は水平方向に沿って移動する。
各実施例によって成形される成形体(焼結体)としては、バルブガイド、バルブシートなどの耐摩耗性機械部品、軸受、切削用工具、研削用工具、研磨用工具、回転刃などが挙げられる。成形される成形体(焼結体)はこれらに限定されない。
本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。