JP2017191645A - 捲回装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクト化を図りつつ、捲回素子の品質向上を図ることができる捲回装置を提供する。
【解決手段】捲回装置10は、周長変更機構13h,14h、電極シートの厚さを計測する厚さ計測機構及び制御装置を備える。周長変更機構13h,14hは、巻芯13,14に設けられるとともに、給電電圧に対応して伸縮変形量が変動し、かつ、給電遮断時の変形状態を無給電で維持可能である一方、放電により元の形状に戻り変形可能に構成されたピエゾアクチュエータ13j,14jを具備する。制御装置は、ピエゾアクチュエータ13j,14jに対する給電及び放電を制御可能であり、厚さ計測機構による計測結果に基づきピエゾアクチュエータ13j,14jを制御することで、捲回時における巻芯13,14の周長を制御する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、例えば、二次電池等に内蔵される捲回素子を得るための捲回装置に関する。
例えば、リチウムイオン電池等の二次電池として用いられる捲回素子は、正極活物質が塗布された正電極シートと、負極活物質が塗布された負電極シートとが、絶縁素材からなるセパレータを介して重ね合わされた状態で捲回されることにより製造される。
また、各電極シートに対し所定のタブを設けることがある。当該タブとしては、電極シートにおける活物質未塗布部に溶接された溶接タブや、電極シートの幅方向端部に間欠的に切込みを設けることで形成された切込みタブなどがある。
捲回素子を製造するための捲回装置においては、ロール状に捲回された原反から供給される上記各電極シート及びセパレータがそれぞれ別個の搬送路に沿って回転可能な巻芯へと搬送される。そして、巻芯により電極シート及びセパレータが重ね合わされた状態で捲回され、最後に所定の固定用テープによりセパレータの終端部を巻止めすることによって、捲回素子が得られる(例えば、特許文献1等参照)。尚、巻芯としては、例えば、自身の回転軸方向に延びるとともに、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられた2つの芯片を備えたものが採用され得る。
ところで、得られた捲回素子において、タブを捲回素子の周方向に沿った所定の範囲内に配置したいといった要望がある。そこで、電極シートの厚みのバラツキに起因して、前記所定の範囲からタブが外れて配置されてしまうことを防止すべく、捲回装置に対し、周長変更機構、厚さ計測機構及び制御装置を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献2等参照)。周長変更機構は、巻芯におけるその回転方向に沿った電極シートやセパレータの捲回される部分の長さ(巻芯の周長)を変更するものである。厚さ計測機構は、電極シートの厚みを計測するものである。制御装置は、厚さ計測機構の計測結果に基づき周長変更機構を制御することで巻芯の周長を変更するものである。
また、上記技術において、周長変更機構は、両芯片間に形成されたスリットの大きさを調節することで、巻芯の周長を変更するように構成されている。詳述すると、周長変更機構は、巻芯の回転軸と直交する方向に延びるレール部と、一方の芯片の端部が固定されるとともに前記レール部に装着されており、前記レール部の延びる方向に沿って前記一方の芯片をスライド移動可能とするためのスライド部とを備えている。そして、前記回転軸方向に対し傾斜する傾斜部が前記回転軸方向に沿って往復移動し、一方の芯片に連結されたローラ部を摺動することで、一方の芯片がスライド移動させられる。これにより、前記スリットの大きさが調節され、ひいては巻芯の周長が変更される。尚、ローラ部は、所定の付勢部材により傾斜部に対し押付けられた状態となっており、その結果、巻芯の周長が変更後の大きさで保持されるようになっている。
特開平11−265726号公報 特開2016−1624号公報
ところで、上記技術では、芯片をスライド移動させるための機構がやや複雑となる懸念があり、また、巻芯の周長を変更後の大きさで保持するための機構(付勢部材)が必要である。そのため、装置が大型でかつ複雑なものとなってしまうおそれがある。
さらに、上記技術では、巻芯の周長を変更させる際に、傾斜部がローラ部を摺動するため、例えば金属粉などの異物が生じてしまう可能性がある。異物が捲回素子に付着してしまうと、捲回素子の品質低下を招いてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タブを捲回素子の周方向に沿った所定の範囲内により確実に配置することができるとともに、コンパクト化を図りつつ、捲回素子の品質向上を図ることが可能な捲回装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
手段1.所定のタブを備えるとともに表面に活物質を有する帯状の電極シートと、絶縁素材からなる帯状のセパレータとをそれぞれ所定の供給機構から回転可能な巻芯に供給するとともに、前記巻芯が回転することで前記電極シート及び前記セパレータを重ねつつ捲回する捲回装置であって、
前記巻芯に設けられるとともに、給電電圧に対応して伸縮変形量が変動し、かつ、給電遮断時の変形状態を無給電で維持可能である一方、放電により元の形状に戻り変形可能に構成されたアクチュエータを具備してなる周長変更手段と、
前記電極シートの厚さを計測する厚さ計測手段と、
前記アクチュエータに対する給電及び放電を制御可能であるとともに、前記厚さ計測手段による計測結果に基づき前記アクチュエータを制御することで、捲回時における、前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部分の前記回転方向に沿った長さを制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする捲回装置。
上記手段1によれば、計測された電極シートの厚さに基づきアクチュエータの伸縮変形量が制御されることで、巻芯のうち電極シート等が捲回される部分の回転方向に沿った長さ(以下、「巻芯の周長」と称す)が制御される。
例えば、計測された電極シートの厚さが比較的大きい場合、つまり、捲回が進むにつれて、電極シートにおけるその長手方向に沿った各部位が通常配置されるべき位置よりも徐々に巻芯の回転方向前方側(以下、単に「前方側」と称す)にずれていくこととなる場合、制御手段は、巻芯の周長を比較的小さなものとする。これにより、捲回当初において、電極シートにおける前記各部位は通常配置されるべき位置よりも巻芯の回転方向後方側(以下、単に「後方側」と称す)に配置されることとなる。そして、このように後方側へと配置位置がずれている分だけ、捲回が進むことに伴い電極シートの各部位が徐々に前方側へとずれていっても、そのずれが吸収されることとなる。
一方、計測された電極シートの厚さが比較的小さい場合、つまり、捲回が進むにつれて、電極シートの前記各部位が通常配置されるべき位置よりも徐々に後方側に配置されていくこととなる場合、制御手段は、巻芯の周長を比較的大きなものとする。これにより、捲回が進むことに伴い電極シートの各部位が徐々に後方側へとずれていっても、そのずれが吸収されることとなる。
このように上記手段1によれば、電極シートの各部位が通常配置されるべき位置から大きくずれて配置されてしまうことをより確実に防止できる。その結果、電極シートに設けられたタブを捲回素子の周方向に沿った所定の範囲内へとより確実に配置することができる。
加えて、巻芯の周長は、アクチュエータにおける給電による伸縮変形によって変更される。そのため、巻芯の周長変更にあたって、部品の摺動が生じないようにすることができる。その結果、金属粉などの異物が発生してしまうことをより確実に防止でき、捲回素子の品質を高めることができる。
さらに、アクチュエータは、巻芯(例えば、巻芯の内部)に設けられるとともに、給電遮断時の変形状態を無給電で維持することができるように構成されている。従って、変形状態を維持するための機構を別途設けることなく、巻芯の回転時等において、アクチュエータの変形状態を容易に維持することができる。そのため、装置のコンパクト化を効果的に図ることができる。
併せて、アクチュエータを縮み変形又は戻り変形させた状態(巻芯の周長を比較的小さくした状態)で巻芯から捲回素子を取外すことにより、捲回素子に対し取外に伴う傷や変形が生じてしまうことをより確実に防止できる。その結果、捲回素子の品質向上をより効果的に図ることができる。
手段2.前記アクチュエータは、圧電素子を備えたピエゾアクチュエータであることを特徴とする手段1に記載の捲回装置。
上記手段2によれば、アクチュエータとしてピエゾアクチュエータが用いられるため、巻芯の周長を非常に高い精度(例えば、ミクロン単位)で制御することができる。
さらに、ピエゾアクチュエータは、非常に高速に変位(充電)可能であるため、巻芯の周長を瞬時に変更することができ、生産性を高めることができる。
また、巻芯の周長変更に際してアクチュエータの摩耗が生じないため、巻芯の周長を繰り返し変更することに伴い、巻芯の周長の制御に係る精度が低下してしまうことを防止できる。その結果、精度低下に対応するためのメンテナンスなどがほとんど必要なくなり、生産性をより向上させることができる。
手段3.前記巻芯は、その回転軸方向に延びるとともに、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられる2つの芯片を備え、
前記両芯片のうちの一方は、前記両芯片のうちの他方との間で、前記両芯片間に形成されたスリットにおいて前記電極シート及び前記セパレータのうち少なくとも前記セパレータを挟持可能なチャック手段を有することを特徴とする手段1又は2に記載の捲回装置。
捲回される電極シート等からのテンションにより巻芯に撓みや傾き等が生じてしまう可能性がある。ここで、巻芯に撓みや傾き等が生じてしまうと、タブ位置の補正精度が低下してしまったり、電極シートやセパレータにおいて蛇行やしわが生じてしまったりして、結果的に、製造される捲回素子の品質向上を十分に図れないおそれがある。
この点、上記手段3によれば、チャック手段によりセパレータ等を挟持した状態になると、一方の芯片は、チャック手段を介して他方の芯片によって支持された状態となる。そのため、捲回時等における巻芯の撓みや傾きをより確実に防止することができ、タブ位置の補正精度の向上、及び、電極シートやセパレータにおける蛇行やしわの発生抑制をより効果的に図ることができる。その結果、捲回素子の品質をより一層高めることができる。
手段4.前記巻芯は、その回転軸方向に延びるとともに、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられる2つの芯片を備え、
前記両芯片間には、前記回転軸と直交する方向に延びるスリットが形成されており、
前記両芯片のうちの一方は、
前記両芯片のうちの他方との間で前記スリットを形成するベース部材と、
前記スリットの延びる方向と直交する方向に沿って伸縮変形可能に構成された前記アクチュエータを、その変形方向に沿って前記ベース部材とで挟むように配置された可動部材とを備え、
前記両芯片のうちの他方の外周面及び前記可動部材の外周面に対し、前記電極シート及び前記セパレータが捲回されるように構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の捲回装置。
上記手段4によれば、巻芯の周長変更に際して、電極シート等が捲回されることとなる、両芯片のうちの他方の外周面及び可動部材の外周面の形状に変化が生じてしまうことを防止できる。これにより、巻芯の周長変更に伴い、得られる捲回素子の形状にバラツキが生じてしまうことを抑制でき、捲回素子の品質向上を一層確実に図ることができる。
手段5.前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部位は、
所定の固定周長部と、
前記固定周長部に対する突出量が変動可能に構成された変動周長部とを備え、
前記アクチュエータの伸縮変形に伴い、前記固定周長部に対する前記変動周長部の突出量が変動することで、前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部位の前記回転方向に沿った長さが調節されるように構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の捲回装置。
上記手段5によれば、アクチュエータの伸縮変形に伴い、巻芯のうち電極シート及びセパレータが捲回される部位の一部である変動周長部が移動することで、巻芯の周長が変更される。従って、巻芯の周長を簡易な構成で変更することが可能となり、装置のコンパクト化をより確実に図ることができる。
また、上記手段5によれば、アクチュエータを縮み変形又は戻り変形させたときに、変動周長部をセパレータ等からより確実に離間させることができる。その結果、捲回素子の取外時に、捲回素子に対し傷や変形が生じてしまうことを一層確実に防止でき、捲回素子の品質向上をより効果的に図ることができる。
手段6.前記巻芯は、その回転軸方向に延びるとともに、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられる2つの芯片を備え、
前記両芯片間には、前記回転軸と直交する方向に延びるスリットが形成されており、
前記芯片のうちの一方は、前記巻芯の長手方向と直交する断面において、前記スリットの延びる方向に沿った長さが、前記スリットの延びる方向と直交する方向に沿った長さ以上となるように構成されており、かつ、前記スリットの延びる方向に沿って変形可能に構成された前記アクチュエータをその変形方向に沿って挟むようにして配置された第一可動部材及び第二可動部材を備え、
前記アクチュエータの変形に伴い前記第一可動部材及び前記第二可動部材間の間隔が変動することで、前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部分の前記回転方向に沿った長さが変更されるように構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の捲回装置。
2つの芯片を備えるとともに、両芯片間にスリットの形成された巻芯を採用する場合がある。この場合、アクチュエータは、捲回時にセパレータ等が配置される前記スリットを避けた位置に配置される。
また、巻芯の長手方向と直交する断面における両芯片の外周面をそれぞれ半円弧状とするなど、両芯片のうちの少なくとも一方を、前記断面において、スリットの延びる方向に沿った長さがスリットの延びる方向と直交する方向に沿った長さ以上となるように構成することがある。このような場合に、両芯片のうちの一方におけるスリットを避けた位置に、スリットの延びる方向と直交する方向に沿って変形するようにアクチュエータを設けるためには、アクチュエータのその変形方向に沿った長さを比較的小さなもの(例えば、前記断面における芯片の外周面を半円弧状とした場合には、半円の半径未満)とする必要がある。しかしながら、アクチュエータが短ければ、アクチュエータの変形量も小さなものとなる。そのため、巻芯の周長の変位量を十分に確保することができない可能性がある。特に巻芯が比較的小径である場合には、アクチュエータをより短いものとしなければならず、巻芯の周長の変位量が極端に小さくなってしまうおそれがある。
この点、上記手段6によれば、アクチュエータは、スリットの延びる方向に沿って変形可能とされている。従って、スリットを避けた位置にアクチュエータを配置したとしても、より長いアクチュエータを用いることができる。これにより、巻芯の周長の変位量を十分に確保することができる。その結果、より広範囲な電極シートの厚さバラツキに対応してタブ位置の補正を行うことができる。
尚、上記手段6は、巻芯が比較的小径である場合に、特に有効である。
手段7.前記制御手段は、前記巻芯に対する前記電極シート及び前記セパレータの捲回完了後であって、当該巻芯に対する次の前記電極シート及び前記セパレータの捲回開始前に、前記アクチュエータを放電させるように構成されていることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の捲回装置。
上記手段7によれば、巻芯に対する次の電極シート等の捲回前に、アクチュエータが一旦放電され、アクチュエータの変形状態がリセットされるように構成されている。そのため、捲回後にアクチュエータの変形状態をリセットすることなく、巻芯の周長を次に捲回される電極シート等に対応した狙いの値に変更する場合と比較して、ヒステリシス特性の影響などを抑制することができ、巻芯の周長をより精度よく狙いの値に合わせることができる。その結果、タブ位置の補正精度を一層高めることができ、捲回素子の品質をより一層高めることができる。
電池素子の概略構成を示す斜視模式図である。 正電極タブ等を示すための正電極シートの平面模式図である。 負電極タブ等を示すための負電極シートの平面模式図である。 捲回装置の概略構成図である。 捲回部の概略構成図である。 巻芯の斜視模式図である。 チャック機構を収縮させた状態における図6のJ−J線断面図である。 チャック機構を膨張させた状態における図6のJ−J線断面図である。 補正値・印加電圧決定工程のフローチャートである。 捲回工程のフローチャートである。 巻芯の周長を変更する際における捲回部の概略構成図である。 スリットにセパレータを配置した際の捲回部の概略構成図である。 セパレータが切断される際の捲回部の概略構成図である。 巻芯から電池素子を取外す際の捲回部の概略構成図である。 電極シートの厚さが比較的大きい場合において、巻芯の周長を変更しないときにおけるタブの位置を説明するための模式図である。 電極シートの厚さが比較的小さい場合における、巻芯の周長を変更しないときにおけるタブの位置を説明するための模式図である。 別の実施形態における巻芯の断面模式図である。 別の実施形態における巻芯の断面模式図である。 別の実施形態における巻芯の断面模式図である。 別の実施形態における巻芯の断面模式図である。 別の実施形態における巻芯の断面模式図である。
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、捲回装置によって得られる捲回素子としてのリチウムイオン電池素子の構成について説明する。
図1に示すように、リチウムイオン電池素子1(以下、単に「電池素子1」という)は、2枚のセパレータ2,3を介して、正電極シート4及び負電極シート5が重ね合わされた状態で捲回されることにより製造される。尚、2枚のセパレータ2,3に代えて、折返された1枚のセパレータを用いてもよい。また、以下においては、説明の便宜上、セパレータ2,3及び電極シート4,5を「各種シート2〜5」と称することがある。
セパレータ2,3は、それぞれ同一の幅を有する帯状をなしており、異なる電極シート4,5同士が互いに接触して短絡を起こしてしまうのを防止すべく、ポリプロピレン(PP)等の絶縁体により構成されている。
電極シート4,5は、薄板状の金属シートからなり、セパレータ2,3と略同一の幅を有している。また、電極シート4,5の表裏両面には活物質が塗布されている。正電極シート4には例えばアルミニウム箔シートが用いられ、その表裏両面に所定間隔で正極活物質(例えば、マンガン酸リチウム粒子等)が塗布されている。負電極シート5には例えば銅箔シートが用いられ、その表裏両面に所定間隔で負極活物質(例えば、活性炭等)が塗布されている。そして、活物質を介して、正電極シート4及び負電極シート5間におけるイオン交換ができるようになっている。より詳しくは、充電時には、正電極シート4側から負電極シート5側へとイオンが移動し、放電時には、負電極シート5側から正電極シート4側へとイオンが移動する。
加えて、本実施形態では、電池素子1ひとつを構成する両電極シート4,5の長さはそれぞれ予め設定された一定の所定値とされている。本実施形態において、一素子分の負電極シート5の長さは、負電極シート5で正電極シート4をより確実に覆うべく、一素子分の正電極シート4の長さよりも若干大きなものとされている。
また、図2に示すように、正電極シート4における活物質未塗布部4b(図2及び図3では、活物質の塗布部に散点模様を付している)には、タブとしての正電極タブ4aが溶接されるとともに、当該正電極タブ4aを保護するための保護テープ7が貼付されている。さらに、図3に示すように、負電極シート5における活物質未塗布部5bには、タブとしての負電極タブ5aが溶接されるとともに、当該負電極タブ5aを保護するための保護テープ7が貼付されている。そして、正電極シート4の幅方向一端縁からは複数の前記正電極タブ4aが延出するとともに、負電極シート5の幅方向他端縁からは複数の前記負電極タブ5aが延出している。
また、本実施形態における電池素子1は、軸直交断面における外周形状が円形状などの回転対称形状とされている。そして、正電極タブ4a及び負電極タブ5aは、それぞれ電池素子1の周方向に沿って所定の範囲内に配置されるように構成されている。本実施形態では、理想状態において、電池素子1の一端部において正電極タブ4aが1列で並ぶとともに、電池素子1の他端部において負電極タブ5aが1列で並ぶように構成されている(図1参照)。
リチウムイオン電池を得るに際しては、捲回された電池素子1が金属製で筒状をなす図示しない電池容器(ケース)内に配設されるとともに、正電極タブ4a及び負電極タブ5aがそれぞれまとめられる。そして、まとめられた正電極タブ4aを正極端子部品(図示せず)に接続するとともに、同じくまとめられた負電極タブ5aを負極端子部品(図示せず)に接続し、両端子部品が前記電池容器の両端開口に塞ぐように設けられることで、リチウムイオン電池を得ることができる。
次に、電池素子1を製造するための捲回装置10について説明する。図4に示すように、捲回装置10は、各種シート2〜5を捲回するための捲回部11と、正電極シート4を捲回部11へ供給するための正電極シート供給機構31と、負電極シート5を捲回部11へ供給するための負電極シート供給機構41と、セパレータ2,3をそれぞれ捲回部11へ供給するためのセパレータ供給機構51,61と、制御手段としての制御装置81とを備えている。尚、上記捲回部11や各供給機構31,41,51,61など、捲回装置10内の各種機構は、制御装置81により動作制御される構成となっている。
正電極シート供給機構31は、正電極シート4がロール状に捲回されてなる正電極シート原反32を備えている。正電極シート原反32は、自由回転可能に支持されており、ここから適宜、正電極シート4が引き出されることとなる。
尚、正電極シート原反32を構成する正電極シート4の厚さは、活物質の塗布厚みが異なる等の理由により、正電極シート原反32のロットごとに異なる場合がある。また、1の正電極シート原反32を構成する正電極シート4においても、各部位で厚みの異なることがある。これらの点は、負電極シート5においても同様である。
正電極シート供給機構31は、シート挿入機構71と、シート切断カッタ72と、テンション付与機構73と、バッファ機構75と、厚さ計測手段としての厚さ計測機構77とを備えている。
シート挿入機構71は、正電極シート4を捲回部11へ供給するものであり、正電極シート4の搬送経路に沿って、捲回部11に接近する接近位置と、捲回部11から離間する離間位置とに移動可能に構成されている。シート挿入機構71は、正電極シート4を把持可能な一対のチャック71a,71bを備えている。チャック71a,71bは、図示しない駆動手段により開閉動作可能に構成されている。そして、正電極シート4を捲回部11へ供給する際には、チャック71a,71bにより正電極シート4を把持した上で、シート挿入機構71が捲回部11に対し接近するようになっている。
シート切断カッタ72は、正電極シート4を切断するためのものであり、正電極シート4の表裏両側にそれぞれ位置する一対の刃部72a,72bを備えている。シート切断カッタ72は、その一対の刃部72a,72bが正電極シート4を挟むように位置するシート切断位置と、正電極シート4の搬送経路外へ退避する退避位置との間を移動可能に構成されている。
尚、正電極シート4の切断は、前記チャック71a,71bにより正電極シート4が把持された状態で行われるようになっている。また、捲回部11へと正電極シート4を供給すべく、シート挿入機構71が捲回部11側へ接近移動する際には、一対の刃部72a,72bがそれぞれ正電極シート4の搬送経路から離間することで、シート挿入機構71の移動を阻害しないようになっている。
テンション付与機構73は、一対のローラ73a,73bと、両ローラ73a,73b間において揺動自在に設けられたダンサローラ73cとを有している。ダンサローラ73cは、トルク制御された所定のサーボモータ(図示せず)により動作し、制御装置81により前記サーボモータが制御されることで、正電極シート4に付与される張力を変更可能に構成されている。また、ダンサローラ73cは、正電極シート4に張力を付与することで、正電極シート4の弛みを防止する役割も果たす。
バッファ機構75は、一対の従動ローラ75a,75bと、両ローラ75a,75b間において上下方向に変位可能に設けられた昇降ローラ75cとを有している。バッファ機構75を設けることにより、シート切断カッタ72から厚さ計測機構77までの間において、少なくとも電池素子1ひとつ分を構成する長さの正電極シート4が貯留可能となっている。
厚さ計測機構77は、一対のローラ77a,77bと、第一測長ローラ77cと、第二測長ローラ77dとを備えている。第一測長ローラ77cの外周には、両ローラ77a,77b間に位置する正電極シート4が折り返して曲げられた状態で架けられている。第二測長ローラ77dは、第一測長ローラ77cとの間で正電極シート4の折り返し部分を挟み込むようにして配置されている。
また、両測長ローラ77c,77dは、互いに同径で、かつ、それぞれ自由回転可能な従動ローラであり、正電極シート4の搬送に伴い回転する。そして、両測長ローラ77c,77dの回転量は、図示しないエンコーダにより把握可能となっており、当該エンコーダから両測長ローラ77c,77dの回転量に関する情報が制御装置81へと入力されるようになっている。
尚、両測長ローラ77c,77d及び正電極シート4の位置関係が上述のように設定されているため、正電極シート4が両測長ローラ77c,77d間を通過しているときに、正電極シート4の内周面(屈曲内側面)に接触する第一測長ローラ77cの回転量と、正電極シート4の外周面(屈曲外側面)に接触する第二測長ローラ77dの回転量とに差が生じることとなる。この回転量の差は、正電極シート4が厚いほど大きく、正電極シート4が薄いほど小さくなる。
負電極シート供給機構41は、その最上流側において、負電極シート5がロール状に捲回されてなる負電極シート原反42を備えている。負電極シート原反42は、回転可能に支持されており、ここから適宜、負電極シート5が引き出されることとなる。
また、負電極シート原反42から捲回部11にかけての負電極シート5の搬送路の途中には、正電極シート4の搬送路と同様に、シート挿入機構71、シート切断カッタ72、テンション付与機構73、バッファ機構75及び厚さ計測機構77などが設けられている。これらの各種構成は、正電極シート4の搬送路に設けられたものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
一方、セパレータ供給機構51,61は、それぞれセパレータ2,3がロール状に捲回されてなるセパレータ原反52,62を備えている。セパレータ原反52,62は、自由回転可能に支持されており、ここから適宜、セパレータ2,3が引き出されることとなる。
さらに、セパレータ2,3の搬送路の途中には、電極シート4,5の搬送路と同様に、テンション付与機構73が設けられている。当該テンション付与機構73の各種構成は、電極シート4,5の搬送路に設けられたものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
尚、各供給機構31,41,51,61のテンション付与機構73は、各種シート2〜5に付与する張力を変更可能に構成されているが、本実施形態では、テンション付与機構73によって、各種シート2〜5に対し常に一定の張力が付与されるようになっている。
また、各種シート2〜5の供給経路の途中には、各種シート2〜5をひとまとめにする一対のガイドローラ78a,78bなど、各種シート2〜5を案内するための各種ガイドローラ(符号略)が設けられている。
次に、捲回部11の構成について説明する。図5に示すように、捲回部11は、図示しない駆動機構により回転可能に設けられた相対向する2枚の円盤状のテーブルからなるターレット12と、当該ターレット12の回転方向に180°間隔で設けられた2つの巻芯13,14と、当該巻芯13,14に対しそれぞれターレット12の回転方向にほぼ90°ずつずれた位置に設けられた2つの支持ローラ15a,15bと、セパレータカッタ16と、捲回完了直前の各種シート2〜5を押さえるための押えローラ17と、所定の固定用テープを貼付するためのテープ貼付機構18と、通電端子19とを備えている。
巻芯13,14は、それぞれ自身の外周側において各種シート2〜5を巻取るためのものであり、図示しない駆動機構により自身の中心軸を回転軸として回転可能に構成されている。巻芯13,14の回転量は、図示しないエンコーダにより把握可能となっており、当該エンコーダから回転量に関する情報が制御装置81へと入力されるようになっている。
また、巻芯13,14は、ターレット12の軸線方向(図5の紙面奥行方向)に沿って、ターレット12を構成する一方のテーブルに対し出没可能に設けられている。尚、巻芯13,14は、前記一方のテーブルから突出した状態となったときに、その先端部が他方のテーブルに形成された受け用の穴に挿通され、両テーブルによって回転可能な状態で支持されるようになっている。
さらに、巻芯13,14は、ターレット12が回転することにより、捲回ポジションP1と、取外しポジションP2との間を旋回移動可能に構成されている。
捲回ポジションP1は、巻芯13,14に対し各種シート2〜5を捲回するポジションであり、当該捲回ポジションP1に対し上記各供給機構31,41,51,61からそれぞれ各種シート2〜5が供給されることとなる。
取外しポジションP2は、捲回後の各種シート2〜5、すなわち電池素子1の取外しを行うためのポジションである。取外しポジションP2の周辺部には、巻芯13,14から電池素子1の取外しを行うための取外装置(不図示)等が設けられている。
支持ローラ15a,15bは、取外しポジションP2へ移動した巻芯13,14と上記供給機構31,41,51,61との間で各種シート2〜5を引っ掛け、支持するためのものである。
セパレータカッタ16は、捲回ポジションP1の近傍に配置されており、ターレット12に接近しセパレータ2,3を切断する切断位置と、ターレット12から離間し巻芯13,14の移動を妨げない退避位置との間で移動可能である。
押えローラ17は、取外しポジションP2の近傍に配置されており、ターレット12に接近し各種シート2〜5を押さえる近接位置と、ターレット12から離間し巻芯13,14の移動を妨げない退避位置との間で移動可能に構成されている。
テープ貼付機構18は、取外しポジションP2の近傍に配置されており、捲回終了時に、ターレット12に接近し、セパレータ2,3の終端部に所定の固定用テープを貼付する機能を備えている。尚、前記固定用テープには、その貼付対象となる電池素子1の通し番号が印刷等により予め付されている。
通電端子19は、取外しポジションP2の近傍に配置されており、取外しポジションP2に配置された巻芯13(14)に接近する接近位置と、当該巻芯13(14)から離間し巻芯13(14)の移動を妨げない退避位置との間で移動可能である。
また、通電端子19は、一対の端子19a,19bによって構成されており(図6参照)、両端子19a,19bは、通電端子19の移動方向に沿って圧縮変形可能となっている。さらに、一方の端子19aは、出力される直流電圧を調節可能な電源に接続されており、他方の端子19bはアースに接続されている。尚、前記電源からの出力電圧は、正電圧であり、制御装置81によって制御されるようになっている。
次いで、本実施形態における巻芯13,14のより詳細な構成について説明する。
図6〜8に示すように、巻芯13(14)は、その外周面、すなわち、つまり、各種シート2〜5が捲回される部位が、自身の中心軸(回転軸)と直交する断面において円形状をなすように構成されている。巻芯13(14)は、一対の芯片13a,13b(14a,14b)と、各芯片13a,13b(14a,14b)と直列的に連結された支持部13c,13d(14c,14d)とを備えている。
芯片13a,13b(14a,14b)は、前記回転軸方向に沿って延びており、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられている。また、各芯片13a,13b(14a,14b)間には、前記回転軸と直交する方向に延びるスリット13e(14e)が形成されている。また、芯片13a,13b(14a,14b)の外周面のうち前記スリット13e(14e)とは反対側に位置する部位、つまり、各種シート2〜5が捲回される部位は断面半円形状とされている。
支持部13c,13d(14c,14d)は、芯片13a,13b(14a,14b)を支持する部位である。支持部13c,13d(14c,14d)は、機械的強度に優れる金属により形成されており、芯片13a,13b(14a,14b)を強固に支持可能となっている。これにより、巻芯13(14)に対し各種シート2〜5を捲回している際などに、芯片13a,13b(14a,14b)の撓みや傾きをより確実に防止することができるようになっている。尚、本実施形態において、支持部13c,13d(14c,14d)は、断面半円形状をなしているが、芯片13a,13b(14a,14b)を強固に支持可能である限り、その形状は適宜変更可能である。
続いて、各芯片13a,13b(14a,14b)のより詳細な構成について説明する。まず、一方の芯片13a(14a)の構成について説明する。
一方の芯片13a(14a)は、ベース部材13f(14f)と、可動部材13g(14g)と、周長変更手段としての周長変更機構13h(14h)とを備えている。ベース部材13f(14f)及び可動部材13g(14g)によって、一方の芯片13a(14a)における前記回転軸方向に延びる半円筒状部分が構成されている。
ベース部材13f(14f)は、前記半円の弦に当たる部位を構成しており、前記回転軸方向に延びる矩形棒状をなしている。また、ベース部材13f(14f)は、その端部が支持部13c(14c)に連結されており、前記回転軸と直交する方向に沿って移動しないようになっている。さらに、ベース部材13f(14f)のうち前記回転軸側に位置し前記スリット13e(14e)を形成する面は、平坦面状とされている。
可動部材13g(14g)は、前記半円の弧に当たる部位を構成しており、その外周面に対し各種シート2〜5が捲回されるようになっている。また、可動部材13g(14g)の内側に、前記ベース部材13f(14f)が収まった状態となっている。
周長変更機構13h(14h)は、巻芯13(14)の径方向に沿って、ベース部材13f(14f)及び可動部材13g(14g)により挟まれた状態で両者に固定されている。また、周長変更機構13h(14h)は、アクチュエータとしてのピエゾアクチュエータ13j(14j)を備えている。
ピエゾアクチュエータ13j(14j)は、例えば、所定の圧電素子を複数備えてなる積層型圧電アクチュエータであり、図示しない2本の導電線を介して、給電(充電)及び放電可能となっている。ピエゾアクチュエータ13j(14j)は、給電に伴い、巻芯13(14)の径方向に沿って伸縮変形可能であり、給電電圧に対応して(例えば、給電電圧にほぼ比例して)伸縮変形量が変動するように構成されている。また、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は、放電により元の形状に戻り変形可能に構成されている。給電や放電に伴うピエゾアクチュエータ13j(14j)の伸縮変形により、ベース部材13f(14f)に対し可動部材13g(14g)が接離移動可能となっている。
さらに、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は、給電遮断時の変形状態を無給電で維持可能に構成されている。尚、ピエゾアクチュエータ13j(14j)に対し、伸縮変形量を増幅するための増幅機構(例えば、レバー・リンク機構)を設けることとしてもよい。
また、支持部13c(14c)の外表面には、巻芯13(14)の長手方向に沿って並んで配置された一対の接点13k(14k)が設けられている。各接点13k(14k)は、導電性材料により形成されており、通電端子19の各端子19a,19bとの接触部を構成している。各接点13k(14k)は、それぞれ前記導電線と電気的に接続されており、その結果、前記導電線を介して前記ピエゾアクチュエータ13j(14j)と電気的に接続された状態となっている。そして、接点13k(14k)に対し通電端子19を接触させることで、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は給電(充電)又は放電し、その結果、伸縮変形したり、元の形状に戻ったりするようになっている。
本実施形態では、ピエゾアクチュエータ13j(14j)が充電されていない状態において、前記電源から一方の端子19aに対し所定の基準電圧V0が印加された通電端子19を接点13k(14k)に接触させた場合に、可動部材13g(14g)及び他方の芯片13b(14b)間の距離Lが所定の通常値L0となるようにピエゾアクチュエータ13j(14j)等が構成されている。この通常値L0は、厚さにバラツキのない理想的な電極シート4,5を捲回して電池素子1を得たときに、得られた電池素子1において、前記タブ4a,5aが電池素子1の周方向に沿って所定の範囲内に配置される(本実施形態では、それぞれ1列に並んで配置される)こととなる距離である。
また、ピエゾアクチュエータ13j(14j)が充電されていない状態において、前記電源から一方の端子19aに対し所定の基準電圧V0よりも大きな電圧が印加された通電端子19を接点13k(14k)に接触させると、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は給電(充電)されて伸び変形し、距離Lは通常値L0よりも大きな値に設定される。
一方、ピエゾアクチュエータ13j(14j)が充電されていない状態において、前記電源から一方の端子19aに対し所定の基準電圧V0よりも小さな電圧が印加された通電端子19を接点13k(14k)に接触させると、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は給電(充電)されて伸び変形するものの、距離Lは通常値L0よりも小さな値に設定される。
また、ピエゾアクチュエータ13j(14j)が充電されている状態(変形している状態)において、前記電源から一方の端子19aに対し電圧が印加されていない通電端子19を接点13k(14k)に接触させると、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は放電し、元の形状に戻り変形する。その結果、距離Lは最小値に設定される。
このように、本実施形態では、一方の端子19aに対する前記電源からの印加電圧を調節することで、前記距離Lが変動し、ひいては巻芯13(14)のうち各種シート2〜5が捲回される部分の回転方向に沿った長さ〔以下、巻芯13(14)の周長と称す〕が変更されるようになっている。
尚、ピエゾアクチュエータ13j(14j)に対する給電を遮断する〔例えば、接点13k(14k)から通電端子19を離間させる〕と、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は、そのときの変形状態を無給電で維持する。すなわち、前記距離Lは変動後の大きさにて維持され、ひいては巻芯13(14)の周長も変更後の大きさにて維持される。
続いて、他方の芯片13b(14b)の構成について説明する。他方の芯片13b(14b)は、固定部材13m(14m)と、チャック手段としてのチャック機構13p(14p)とを備えている。
固定部材13m(14m)は、前記回転軸方向に延びるとともに、断面半円形状をなしており、その円弧状の外周面に対し各種シート2〜5が捲回されるようになっている。固定部材13m(14m)は、その端部が支持部13d(14d)に連結されており、前記回転軸と直交する方向に沿って移動しないようになっている。その結果、固定部材13m(14m)及び前記ベース部材13f(14f)の相対位置は、常に不変となっている。さらに、固定部材13m(14m)は、前記回転軸方向に延びるとともに、前記スリット13e(14e)側に開口する凹部13n(14n)を備えている。
チャック機構13p(14p)は、先後端が閉塞された六角筒状をなしており、前記凹部13n(14n)に配置された状態で固定部材13m(14m)に固定されている。チャック機構13p(14p)は、図示しないエア供給排出機構と接続されており、チャック機構13p(14p)の内部空間に対するエアの供給、及び、チャック機構13p(14p)の内部空間からのエアの排出が可能となっている。
そして、チャック機構13p(14p)は、その内部空間にエアが供給されることによって膨張し、その一部が固定部材13m(14m)における前記スリット13e(14e)側の面から突出するようになっている(図8参照)。一方、チャック機構13p(14p)は、その内部空間のエアが排出されることによって収縮し、その全体が凹部13n(14n)内に没入するようになっている(図7参照)。かかる構成によって、スリット13e(14e)に挿通されたセパレータ2,3は、チャック機構13p(14p)及び前記ベース部材13f(14f)によって挟持可能となっている。
続いて、制御装置81の構成について説明する。制御装置81は、演算手段としてのCPUや、各種プログラムを記憶するROM、演算データや入出力データなどの各種データを一時的に記憶するRAM、演算データ等を長期記憶するハードディスクなどを備えており、上述の通り、捲回部11や各供給機構31,41,51,61の動作を制御する。
制御装置81によって、捲回部11に対する電極シート4,5の供給開始・供給停止タイミング、巻芯13,14の回転、通電端子19の動作、及び、一方の端子19aに対する印加電圧Vaなどが制御される。例えば、制御装置81は、図示しないエンコーダから電極シート4,5の繰出量に関する情報が入力されるようになっており、電極シート4,5の繰出量がそれぞれ所定値となったときに、電極シート4,5の繰出し(供給)を停止する。
ところで、捲回される電極シート4,5の厚さが基準値に対して大きい又は小さい場合、得られた電池素子1において、タブ4a,5aの位置にずれが生じてしまうおそれがある。そこで、制御装置81は、タブ4a,5aの位置ずれを抑制すべく、電極シート4,5の厚さに基づき一方の端子19aに対する印加電圧Vaを調節し、ピエゾアクチュエータ13j(14j)の伸縮変形量を制御することで、巻芯13,14の周長を変更する。
詳述すると、制御装置81は、入力された両測長ローラ77c,77dの回転量に関する情報に基づき、電極シート4,5の繰出し開始から繰出し停止までの間、両測長ローラ77c,77d間を通過する一素子分の電極シート4,5におけるその長手方向に沿った全域の厚さを計測する。この両測長ローラ77c,77d間を通過する一素子分の電極シート4,5は、次回捲回時に巻き取られるものである。尚、制御装置81には、両測長ローラ77c,77dにおける回転量の差と電極シート4,5の厚さとの対応関係を示すテーブルが予め記憶されており、当該テーブルを参酌することで、両測長ローラ77c,77d間を通過している電極シート4,5の厚さが得られるようになっている。
さらに、制御装置81は、予め記憶された補正値算出式に基づき、計測された電極シート4,5の厚さ(本実施形態では、各電極シート4,5の厚さの平均値)に応じた補正値aを算出する。算出した補正値aは、電池素子1を特定するための通し番号とともに前記ハードディスクに記憶される。尚、通常、電極シート4,5の厚さが規定値よりも小さい場合、補正値aとしては正数が算出され、電極シート4,5の厚さが規定値よりも大きい場合、補正値aとしては負数が算出される。
さらに、制御装置81は、算出された補正値aに基づき、一方の端子19aに対する印加電圧Vaを決定する。本実施形態において、制御装置81は、予め記憶された補正値aと印加電圧Vaとの対応関係を示すテーブルに基づき、印加電圧Vaを決定する。決定した印加電圧Vaは、電池素子1を特定するための通し番号とともに前記ハードディスクに記憶される。尚、印加電圧Vaは、補正値aが正数である場合、前記基準電圧V0よりも大きな電圧に決定され、補正値aが負数である場合、前記基準電圧V0よりも小さな電圧に決定される。
そして、制御装置81は、各種シート2〜5の捲回前に、一方の端子19aに印加電圧Vaを印加した通電端子19を接点13k(14k)に接触させることで、前記距離Lを通常値L0よりも補正値aの分だけ増減させる。これにより、巻芯13(14)の周長は、捲回される電極シート4,5の厚さに対応するものに設定される。
尚、本実施形態において、制御装置81は、巻芯13(14)の周長を調節する前に、一方の端子19aに電圧を印加していない通電端子19を接点13k(14k)に接触させる。すなわち、本実施形態では、巻芯13(14)の周長を調節する前に、ピエゾアクチュエータ13j(14j)を予め放電させ、ピエゾアクチュエータ13j(14j)の変形状態を一度リセットさせるように構成されている。
次に、上述の捲回装置10を用いた電池素子1の製造工程について説明する。電池素子1の製造工程は、一素子分の電極シート4,5の厚さに基づき、これら一素子分の電極シート4,5が捲回される際に用いられる補正値a及び印加電圧Vaを決定する工程(補正値・印加電圧決定工程)、及び、前記一素子分の電極シート4,5が捲回される工程(捲回工程)を含む。尚、これら両工程は、同時期に実施されるが、本実施形態では、説明の便宜上、これら両工程を分けて説明する。
まず、補正値・印加電圧決定工程について、図9のフローチャートに従って説明する。尚、両電極シート4,5はシート挿入機構71によって把持されるとともに、セパレータ2,3は電極シート4,5の供給対象である一方の巻芯13(14)に対し所定量巻き取られた状態となっている。
補正値・印加電圧決定工程では、まず、ステップS11において、負電極シート供給機構41のシート挿入機構71により一方の巻芯13(14)側に対し負電極シート5が供給される。具体的には、負電極シート5を把持するシート挿入機構71が捲回部11側に接近し、セパレータ2,3間に負電極シート5が挿入されることで、負電極シート5が供給される。尚、挿入後、シート挿入機構71による負電極シート5の把持が解除されるとともに、シート挿入機構71が元の位置に戻る。
負電極シート5の供給に伴い、負電極シート5が両測長ローラ77c,77d間を動き始めることとなり、ステップS12において、厚さ計測機構77による負電極シート5の厚さ計測が開始される。
次いで、ステップS13において、負電極シート5の供給後、一方の巻芯13(14)が所定数回転(例えば、1回転)した段階で、正電極シート供給機構31のシート挿入機構71により一方の巻芯13(14)側に対し、正電極シート4が供給される。具体的には、正電極シート4を把持するシート挿入機構71が捲回部11側に接近し、セパレータ2,3間に正電極シート4が挿入されることで、正電極シート4が供給される。尚、挿入後、シート挿入機構71による正電極シート4の把持が解除されるとともに、シート挿入機構71が元の位置に戻る。
正電極シート4の供給に伴い、正電極シート4が両測長ローラ77c,77d間を動き始めることとなり、ステップS14にて、厚さ計測機構77による正電極シート4の厚さ計測が開始される。
そして、両電極シート4,5が供給されると、一方の巻芯13(14)が回転することで、両電極シート4,5が順次繰出されていく。これにより、電極シート4,5がそれぞれ両測長ローラ77c,77d間を通過していき、電極シート4,5の厚さが連続的に計測されていく。
続くステップS15では、供給開始からの正電極シート4の繰出量が所定量に到達したか否かの判定が、当該条件を満たすまで繰り返し行われる。
ステップS15で肯定判定された場合、つまり、一素子分の正電極シート4のその長手方向に沿った全域の厚さが計測された場合、ステップS16に移行し、計測された正電極シート4の厚さの平均値が算出される。尚、ステップS15にて肯定判定された時点で、一方の巻芯13(14)に対する正電極シート4の供給は停止されることとなる。
さらに続くステップS17では、供給開始からの負電極シート5の繰出量が所定値に到達したか否かの判定が、当該条件を満たすまで繰り返し行われる。
ステップS17で肯定判定された場合、つまり、一素子分の負電極シート5(捲回予定電極シートに相当する)のその長手方向に沿った全域の厚さが計測された場合、ステップS18に移行し、計測された負電極シート5の厚さの平均値が算出される。尚、ステップS17において肯定判定された時点で、一方の巻芯13(14)に対する負電極シート5の供給は停止される。
次いで、ステップS19において、上述した補正値算出式に基づき、得られた各電極シート4,5の厚さの平均値に応じた補正値aを算出する。また、得られた補正値aを電池素子1の通し番号とともにハードディスクに保存する。
続くステップS20では、上述した補正値aと印加電圧Vaとの対応関係を示すテーブルを用いて、算出した補正値aに基づき印加電圧Vaを決定する。その後、決定された印加電圧Vaを電池素子1の通し番号とともにハードディスクに保存し、補正値・印加電圧決定工程を終了する。
次いで、捲回工程について、図10のフローチャートを参照して説明する。
捲回工程では、まず、ステップS31において、通電端子19が、取外しポジションP2に位置する、電池素子1が取外された後の一方の巻芯13(14)の接点13k(14k)に対し接近移動する(図11参照)。この通電端子19の一方の端子19aには、前記一方の巻芯13(14)に対し今から捲回されることとなる電極シート4,5の厚さに対応して決定された印加電圧Vaが印加された状態となっている。
そして、通電端子19が接点13k(14k)に接触することで、一方の巻芯13(14)における前記距離Lは、通常値L0よりも補正値aの分だけ増減させられる。その結果、一方の巻芯13(14)の周長は、当該巻芯13(14)に対し今から捲回されることとなる電極シート4,5の厚さに対応した大きさに設定される。尚、接点13k(14k)に対し通電端子19が接触する前に、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は予め放電された状態となっている。
その後、通電端子19を接点13k(14k)から離間させて、前記退避位置へと移動させる。尚、一方の巻芯13(14)における前記距離Lは、増減後の大きさで維持させられる。
次いで、ステップS32において、ターレット12における一方のテーブルに対し一方の巻芯13(14)が没するとともに、チャック機構13p(14p)が収縮し凹部13n(14n)に入り込んだ状態で、ターレット12を回転させる。これにより、取外しポジションP2にあった一方の巻芯13(14)が捲回ポジションP1側へと移動していく。
そして、一方の巻芯13(14)が捲回ポジションP1へと配置されると、当該一方の巻芯13(14)のスリット13e(14e)と、ガイドローラ78a,78b及び支持ローラ15a(15b)に架け渡されたセパレータ2,3の延びる方向とが正面視重なった状態で、一方の巻芯13(14)が、ターレット12における一方のテーブルから突出する。これにより、一方の巻芯13(14)のスリット13e(14e)に対しセパレータ2,3が配置された状態となる(図12参照)。尚、巻芯13(14)の周長を変更しても、ベース部材13f(14f)及び固定部材13m(14m)の相対位置は不変であり、スリット13e(14e)の幅は変化しないため、スリット13e(14e)に対しセパレータ2,3をより確実に配置することが可能である。
次いで、ステップS33において、チャック機構13p(14p)を膨張させ、ベース部材13f(14f)とチャック機構13p(14p)とでセパレータ2,3を挟み込んだ状態とする。その上で、一方の巻芯13(14)を所定数だけ回転させる。これにより、一方の巻芯13(14)に対しセパレータ2,3が所定量だけ巻き取られた状態となる。
その上で、続くステップS34において、一方の巻芯13(14)に対し電極シート4,5が供給される。具体的には、上記の通り、負電極シート供給機構41のシート挿入機構71により一方の巻芯13(14)側に対し負電極シート5が供給され、その後、一方の巻芯13(14)が所定数回転(例えば、1回転)した段階で、正電極シート供給機構31のシート挿入機構71により一方の巻芯13(14)側に対し正電極シート4が供給される。
両電極シート4,5の供給後、一方の巻芯13(14)の回転に伴い、一方の巻芯13(14)に対し各種シート2〜5が捲回されていく。
続くステップS35では、供給開始からの正電極シート4の繰出量が所定量に到達したか否かの判定が、当該条件を満たすまで繰り返し行われる。ステップS35で肯定判定された場合、つまり、現在捲回されている一素子分の正電極シート4の終端部がシート切断カッタ72に到達した場合、一方の巻芯13(14)の回転動作が一時停止され、正電極シート4の供給が停止される。
さらに、続くステップS36において、シート挿入機構71により正電極シート4が把持された上で、シート切断カッタ72により正電極シート4が切断される。その後、一方の巻芯13(14)の捲回動作が再開される。
次いで、ステップS37において、供給開始からの負電極シート5の繰出量が所定値に到達したか否かの判定が、当該条件を満たすまで繰り返し行われる。ステップS37で肯定判定された場合、すなわち、現在捲回されている一素子分の負電極シート5の終端部がシート切断カッタ72に到達した場合には、一方の巻芯13(14)の回転動作が一時停止され、負電極シート5の供給が停止される。
そして、続くステップS38において、シート挿入機構71により負電極シート5が把持された上で、シート切断カッタ72により負電極シート5が切断される。
次いで、ステップS39において、一方の巻芯13(14)の回転を再開させることにより、電極シート4,5の終端部分(巻き残し部分)が巻き取られる。
続くステップS40では、セパレータ2,3が切断されることなく、ターレット12が回転させられる。これにより、捲回ポジションP1にあった一方の巻芯13(14)がセパレータ供給機構51,61からセパレータ2,3を引き出しつつ、取外しポジションP2側へと移動していく。一方、取外しポジションP2にあった他方の巻芯14(13)が、ターレット12の一方のテーブルに没した状態で、捲回ポジションP1側へと移動していく。尚、他方の巻芯14(13)の周長は、次回捲回される電極シート4,5の厚さに対応したものに調節されている。
続いて、ステップS41において、ターレット12の回転に併せて、各種シート2〜5の捲回されている一方の巻芯13(14)が自身の中心軸を回転軸として回転させられる。
そして、次のステップS42において、巻終わり処理を実行する。巻終わり処理では、まず、一方の巻芯13(14)の回転数が所定数に到達した時点で、一方の巻芯13(14)の回転が停止される。尚、一方の巻芯13(14)の回転が停止する前、停止と同時、又は、停止した後に、ターレット12の回転が停止されることとなる。
一方の巻芯13(14)及びターレット12の回転が停止されると、捲回ポジションP1にあった一方の巻芯13(14)が取外しポジションP2に位置し、取外しポジションP2にあった他方の巻芯14(13)が捲回ポジションP1に位置した状態となる(図13参照)。さらに、このときには、一方の巻芯13(14)とガイドローラ78a,78b間において、セパレータ2,3が一方の支持ローラ15a(15b)に架けられた状態となっている。
この状態で、押えローラ17を一方の巻芯13(14)に接近させ、押えローラ17により各種シート2〜5を押えた上で、セパレータカッタ16がセパレータ2,3に接近することにより、セパレータ2,3が切断される。
尚、セパレータ2,3の切断に先立って、他方の巻芯14(13)がターレット12の一方のテーブルから突出することで、他方の巻芯14(13)のスリット14e(13e)にセパレータ2,3が挿通される。さらに、チャック機構14p(13p)等によりセパレータ2,3を挟持した上で、他方の巻芯14(13)が所定量だけ回転することにより、他方の巻芯14(13)の外周にセパレータ2,3が所定量だけ巻き付けられる。
セパレータ2,3の切断後、押えローラ17により各種シート2〜5を押えた状態のまま、一方の巻芯13(14)を回転させる。これにより、セパレータ2,3及び電極シート4,5の終端部分がばらけることなく完全に巻取られる。その後、テープ貼付機構18により、セパレータ2,3の終端部が前記固定用テープにより巻止めされ、巻終わり処理が終了される。
次いで、ステップS43において、一方の端子19aに電圧の印加されていない通電端子19が一方の巻芯13(14)に対し接近移動し、接点13k(14k)と接触する(図14参照)。これにより、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は、放電して縮み変形し、元の形状へと戻る。その結果、一方の巻芯13(14)の周長は最小値となり、巻芯13(14)の周長変更が解除される。尚、巻芯13(14)の周長変更が解除されることで、一方の巻芯13(14)からその外周に位置する電池素子1(各種シート2〜5)へと加わっている応力が減少することとなる。
そして最後に、ステップS44において、チャック機構13p(14p)が収縮し、セパレータ2,3の把持が解除された上で、前記取外装置によって、一方の巻芯13(14)から電池素子1が取外されることにより、捲回工程が終了される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、例えば、計測された電極シート4,5の厚さが比較的大きい場合、つまり、図15に示すように、捲回が進むにつれて、電極シート4,5のタブ4a,5aが通常配置されるべき位置(図15の点線上の位置)よりも徐々に巻芯13(14)の回転方向前方側(以下、単に「前方側」と称す)にずれていくこととなる場合、補正値aが負数とされ、巻芯13(14)の周長が比較的小さなものとされる。これにより、捲回当初において、電極シート4,5における各部位は通常配置されるべき位置よりも巻芯13(14)の回転方向後方側(以下、単に「後方側」と称す)に配置されることとなる。そして、このように後方側へと配置位置がずれている分だけ、捲回が進むことに伴いタブ4a,5aが徐々に前方側へとずれていっても、そのずれが吸収されることとなる。その結果、タブ4a,5aが通常配置されるべき位置よりも前方側に大きくずれて配置されてしまうといった事態をより生じにくくすることができる。
一方、計測された電極シート4,5の厚さが比較的小さい場合、つまり、図16に示すように、捲回が進むにつれて、電極シート4,5のタブ4a,5aが通常配置されるべき位置(図16の点線上の位置)よりも徐々に後方側に配置されていくこととなる場合、補正値aが正数とされ、巻芯13(14)の周長が比較的大きなものとされる。これにより、捲回当初において、電極シート4,5における前記各部位は通常配置されるべき位置よりも前方側に配置されることとなる。そして、このように前方側へと配置位置がずれている分だけ、捲回が進むことに伴いタブ4a,5aが徐々に後方側へとずれていっても、そのずれが吸収されることとなる。その結果、タブ4a,5aが通常配置されるべき位置よりも後方側に大きくずれて配置されてしまうといった事態をより生じにくくすることができる。
その結果、タブ4a,5aを電池素子1の周方向に沿った所定の範囲内へとより確実に配置することができる。
また、巻芯13,14の周長は、ピエゾアクチュエータ13j,14jにおける給電による伸縮変形によって変更される。そのため、巻芯13,14の周長変更にあたって、部品の摺動が生じないようにすることができる。その結果、金属粉などの異物が発生してしまうことをより確実に防止でき、電池素子1の品質を高めることができる。
さらに、ピエゾアクチュエータ13j,14jは、巻芯13,14(本実施形態では、巻芯13,14の内部)に設けられるとともに、給電遮断時の変形状態を無給電で維持することができるように構成されている。従って、変形状態を維持するための機構を別途設けることなく、巻芯13,14の回転時等において、アクチュエータの変形状態を容易に維持することができる。そのため、捲回装置10のコンパクト化を効果的に図ることができる。
併せて、ピエゾアクチュエータ13j,14jを戻り変形させた状態で巻芯13,14から電池素子1を取外すため、電池素子1に対し取外に伴う傷や変形が生じてしまうことをより確実に防止できる。その結果、電池素子1の品質向上をより効果的に図ることができる。
また、本実施形態では、ピエゾアクチュエータ13j,14jを用いることで、巻芯13,14の周長を非常に高い精度(例えば、ミクロン単位)で制御することができる。
さらに、ピエゾアクチュエータ13j,14jは、非常に高速に変位(充電)可能であるため、巻芯13,14の周長を瞬時に変更することができ、生産性を高めることができる。
加えて、巻芯13,14の周長変更に際してピエゾアクチュエータ13j,14jの摩耗が生じないため、巻芯13,14の周長を繰り返し変更することに伴い、巻芯13,14の周長の制御に係る精度が低下してしまうことを防止できる。その結果、精度低下に対応するためのメンテナンスなどがほとんど必要なくなり、生産性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、チャック機構13p,14p等によりセパレータ2,3を挟持した状態になると、一方の芯片13a(14a)は、チャック機構13p(14p)を介して他方の芯片13b(14b)によって支持された状態となる。そのため、捲回時等における巻芯13,14の撓みや傾きをより確実に防止することができ、タブ4a,5aの位置の補正精度の向上、及び、各種シート2〜5における蛇行やしわの発生抑制をより効果的に図ることができる。その結果、電池素子1の品質をより一層高めることができる。
さらに、本実施形態において、巻芯13,14の周長変更に伴い、各種シート2〜5が捲回されることとなる、芯片13b,14bの外周面や可動部材13g,14gの外周面の形状に変化が生じてしまうことがない。これにより、巻芯13,14の周長変更に伴い、得られる電池素子1の形状にバラツキが生じてしまうことを抑制でき、電池素子1の品質向上を一層確実に図ることができる。
加えて、巻芯13,14に対する次の各種シート2〜5の捲回前に、ピエゾアクチュエータ13j,14jが一旦放電され、ピエゾアクチュエータ13j,14jの変形状態がリセットされるように構成されている。そのため、ヒステリシス特性の影響などを抑制することができ、巻芯13,14の周長をより精度よく狙いの値に合わせることができる。その結果、タブ4a,5aの位置の補正精度を一層高めることができ、電池素子1の品質をより一層高めることができる。
また、捲回前の一素子分の電極シート4,5の全域における厚さが予め計測されるとともに、これら電極シート4,5の捲回時には、予め計測されたその厚さに基づき、巻芯13,14の周長が制御される。従って、巻芯13,14の周長を捲回される電極シート4,5の厚さに合わせた最適なものとすることができる。その結果、タブ4a,5aを所定の範囲内へと一層確実に配置することができる。
さらに、制御装置81におけるハードディスクの内容と、固定用テープに付された通し番号を照合することで、各電池素子1を得る際に用いられた補正値aや印加電圧Vaを容易に把握することができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態における巻芯13,14の構成は一例であって、巻芯13,14の構成は適宜変更可能である。
従って、例えば、図17に示すように、巻芯91のうち各種シート2〜5が捲回される部位〔例えば、一方の芯片91aの外周〕に、ピエゾアクチュエータ91dが伸縮変形しても形状が変形しない固定周長部91bと、ピエゾアクチュエータ91dの伸縮変形に伴い、固定周長部91bに対する突出量Pが変動可能に構成された変動周長部91cとを設け、ピエゾアクチュエータ91dの伸縮変形に伴い、巻芯91の周長が調節されるように構成してもよい。
この場合には、巻芯91の周長を簡易な構成で変更することが可能となり、捲回装置10のコンパクト化をより確実に図ることができる。
また、ピエゾアクチュエータ91dを縮み変形させたときに、変動周長部91cをセパレータ2,3等からより確実に離間させることができる。その結果、電池素子1の取外時に、電池素子1に傷や変形が生じてしまうことを一層確実に防止でき、電池素子1の品質向上をより効果的に図ることができる。
さらに、巻芯のうち各種シート2〜5が捲回される部位(外周面)の形状は、断面円形状に限られるものではなく、図18に示すように、巻芯92の外周面が断面楕円形状をなすように構成してもよい。尚、図18に示す例において、一方の芯片92aは、ベース部材92bと、可動部材92cと、両部材92b,92cに挟み込まれたピエゾアクチュエータ92dとを備えており、ピエゾアクチュエータ92dの変形に伴い、巻芯92の周長が調節される。
また、図19に示すように、巻芯93の外周面が断面長円形状をなすように構成してもよい。尚、図19に示す例において、一方の芯片93aは、ベース部材93bと、可動部材93cと、両部材93b,93cに挟み込まれたピエゾアクチュエータ93dとを備えており、ピエゾアクチュエータ93dの変形に伴い、巻芯92の周長が調節される。本例では、巻芯93の外周面における平坦部分に沿ってピエゾアクチュエータ93dが変形するように構成されているため、ピエゾアクチュエータ93dとして比較的長いものを用いることが可能となっている。そのため、巻芯93の周長をより広い範囲で調節可能である。
加えて、図20に示すように、巻芯94の外周面が断面菱形状や断面平行四辺形状をなすように構成してもよい。勿論、巻芯の外周面が断面多角形状をなすように構成してもよい。
さらに、巻芯の外周面が断面円形状や断面楕円形状などをなす場合、すなわち、図21に示すように、一方の芯片95aを、巻芯95の長手方向と直交する断面において、スリット95gの延びる方向に沿った長さが、スリット95gの延びる方向と直交する方向に沿った長さ以上となるように構成した場合には、ピエゾアクチュエータ95dがスリット95gの延びる方向に沿って伸縮変形するように構成してもよい。具体的には、一方の芯片95aに対し、ベース部材95cと、ピエゾアクチュエータ95dと、第一可動部材95e及び第二可動部材95fとを設ける。ベース部材95cは、他方の芯片95bとの間でスリット95gを形成する部位である。ピエゾアクチュエータ95dは、ベース部材95cに取付けられており、上記の通り、スリット95gの延びる方向に沿って伸縮変形可能に構成されている。第一可動部材95e及び第二可動部材95fは、ピエゾアクチュエータ95dをその変形方向に沿って挟むように配置されており、ピエゾアクチュエータ95dの伸縮変形に伴い、両可動部材95e,95f間の間隔Kが変動する。そして、ピエゾアクチュエータ95dの変形に伴い前記間隔Kが変動することで、巻芯95の周長が調節されることとなる。
このように構成した場合には、スリット95gを避けた位置にピエゾアクチュエータ95dを配置したとしても、より長く、より変位量が大きなピエゾアクチュエータ95dを用いることができる。これにより、巻芯95の周長の変位量を十分に確保することができる。その結果、より広範囲な電極シート4,5の厚さバラツキに対応してタブ4a,5aの位置補正を行うことができる。
尚、このような構成は、巻芯の径が小さい場合など、ピエゾアクチュエータの変位量を十分に確保することが難しい場合に、特に有効である。
(b)上記実施形態では、アクチュエータとしてピエゾアクチュエータ13j,14jを挙げているが、アクチュエータとして、所定の機能性ゴム及びコンデンサを備えたものを用いてもよい。尚、機能性ゴムとしては、給電電圧に対応して伸縮変形量が変動し、放電により元の形状に戻り変形可能に構成されたもの〔例えば、住友理工株式会社製の「スマートラバー」(登録商標)〕等を挙げることができる。また、コンデンサは、前記機能性ゴムに対する電圧の印加経路に配置されるものであり、前記機能性ゴムにおいて給電遮断時の変形状態を無給電で維持する(給電遮断時に前記機能性ゴムが弾性により元の形状に戻ることを防止する)ために用いられる。
(c)上記実施形態において、チャック機構13p,14pはエアにより膨張・収縮することで動作するように構成されているが、チャック機構の構成は適宜変更可能である。また、チャック機構を設けないように構成してもよい(例えば、図19参照)。
(d)上記実施形態では、巻芯13,14の周長を調節することで、タブ4a,5aの位置ずれ抑制が図られているが、巻芯13,14の周長とともに、捲回時に各種シート2〜5に付与される張力を調節することで、タブ4a,5aの位置ずれをより確実に抑制するように構成してもよい。
(e)上記実施形態において、一方の端子19aに電圧を印加する電源は、正電圧を出力するように構成されているが、負電圧を出力するものであってもよい。尚、この場合には、給電に伴いアクチュエータが縮み変形することで、巻芯13,14の周長が変更される。
(f)上記実施形態におけるタブ4a,5aは、理想状態において、それぞれ1列に並ぶように構成されているが、理想状態におけるタブ4a,5aの配設位置は、適宜変更可能である。例えば、理想状態において、タブ4a,5aが2列に並ぶように構成してもよい。
(g)上記実施形態では、捲回前の電極シート4,5の厚さに基づき、補正値aや印加電圧Vaが決定されているが、捲回後の電極シート4,5の厚さ(得られた電池素子1における電極シート4,5の厚さ)に基づき、次回以降の捲回時にて使用される補正値aや印加電圧Vaを決定するように構成してもよい。すなわち、得られた電池素子1における電極シート4,5の厚さに基づき、次回以降の捲回時に使用される補正値aや印加電圧Vaがフィードバック制御されるように構成してもよい。尚、捲回後の電極シート4,5の厚さは、電池素子1の端面の撮像画像などを解析すること等により得ることができる。
また、例えば、シート原反32,42を構成する電極シート4,5の厚さを予め計測しておき、その予め計測した厚さに基づいて補正値aや印加電圧Vaを決定してもよい。
(h)上記実施形態において、巻芯13,14は、取外しポジションP2に配置されているときに周長が調節されるように構成されているが、巻芯の周長の変更タイミングは、各種シート2〜5の捲回前であればよい。従って、例えば、巻芯13(14)が捲回ポジションP1へと配置された段階で、巻芯13(14)の周長を調節するように構成してもよい。尚、この場合には、捲回ポジションP1に対応して通電端子19を設けることが好ましい。
(i)補正値aや印加電圧Vaは、電極シート4,5の厚さに基づき決定されるものであればよく、これらの算出手法は特に限定されるものではない。従って、例えば、一定時間又は一定の搬送量ごとに計測された電極シート4,5の厚さに基づき、補正値aや印加電圧Vaを決定してもよい。また、補正値aや印加電圧Vaを、各電極シート4,5の個々の厚さに基づいて決定してもよいし、各電極シート4,5の厚さの合計値に基づいて決定してもよい。
(j)上記実施形態において、タブ4a,5aは、電極シート4,5に対し溶接により接合されたもの(いわゆる溶接タブ)であるが、タブの構成はこれに限定されるものではない。従って、タブとしては、例えば、電極シートの幅方向端部に切込みを間欠的に設けることにより電極シートにおける前記切込み間に形成されたもの(いわゆる切込みタブ)であってもよい。
(k)上記実施形態において、周長変更機構13h,14hは、一方の芯片13a(14a)のみに設けられているが、周長変更機構を各芯片13a,13b(14a,14b)に対しそれぞれ設けることとしてもよい。
(l)上記実施形態では、セパレータ2,3をある程度捲回した後に、シート挿入機構71によって、巻芯13(14)に対し両電極シート4,5が供給されるように構成されている。これに対し、チャック機構13p(14p)によってセパレータ2,3とともに両電極シート4,5を把持した上で捲回を開始することにより、巻芯13(14)に対する電極シート4,5の供給工程が不要となるように構成してもよい。
(m)上記実施形態において、捲回部11は、2つの巻芯13,14を備えた構成となっているが、巻芯の数はこれに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上の巻芯を備えた構成であってもよい。
(n)上記実施形態では、捲回装置10によって、リチウムイオン電池の電池素子1が製造されているが、捲回装置10によって製造される捲回素子はこれに限定されるものではなく、例えば、電解コンデンサの捲回素子等を製造することとしてもよい。
(o)セパレータ2,3や電極シート4,5の材質は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、セパレータ2,3をPPにより形成することとしているが、他の絶縁性材料によってセパレータ2,3を形成することとしてもよい。また、例えば、電極シート4,5に塗布される活物質を適宜変更してもよい。
1…電池素子(捲回素子)、2,3…セパレータ、4,5…電極シート、4a…正電極タブ(タブ)、5a…負電極タブ(タブ)、10…捲回装置、13,14…巻芯、13a,13b,14a,14b…芯片、13e,14e…スリット、13f,14f…ベース部材、13g,14g…可動部材、13h,14h…周長変更機構(周長変更手段)、13j,14j…ピエゾアクチュエータ(アクチュエータ)、13p,14p…チャック機構(チャック手段)、81…制御装置(制御手段)、91b…周長固定部、91c…変動周長部、95e…第一可動部材、95f…第二可動部材。
本発明は、例えば、二次電池等に内蔵される捲回素子を得るための捲回装置に関する。
例えば、リチウムイオン電池等の二次電池として用いられる捲回素子は、正極活物質が塗布された正電極シートと、負極活物質が塗布された負電極シートとが、絶縁素材からなるセパレータを介して重ね合わされた状態で捲回されることにより製造される。
また、各電極シートに対し所定のタブを設けることがある。当該タブとしては、電極シートにおける活物質未塗布部に溶接された溶接タブや、電極シートの幅方向端部に間欠的に切込みを設けることで形成された切込みタブなどがある。
捲回素子を製造するための捲回装置においては、ロール状に捲回された原反から供給される上記各電極シート及びセパレータがそれぞれ別個の搬送路に沿って回転可能な巻芯へと搬送される。そして、巻芯により電極シート及びセパレータが重ね合わされた状態で捲回され、最後に所定の固定用テープによりセパレータの終端部を巻止めすることによって、捲回素子が得られる(例えば、特許文献1等参照)。尚、巻芯としては、例えば、自身の回転軸方向に延びるとともに、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられた2つの芯片を備えたものが採用され得る。
ところで、得られた捲回素子において、タブを捲回素子の周方向に沿った所定の範囲内に配置したいといった要望がある。そこで、電極シートの厚みのバラツキに起因して、前記所定の範囲からタブが外れて配置されてしまうことを防止すべく、捲回装置に対し、周長変更機構、厚さ計測機構及び制御装置を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献2等参照)。周長変更機構は、巻芯におけるその回転方向に沿った電極シートやセパレータの捲回される部分の長さ(巻芯の周長)を変更するものである。厚さ計測機構は、電極シートの厚みを計測するものである。制御装置は、厚さ計測機構の計測結果に基づき周長変更機構を制御することで巻芯の周長を変更するものである。
また、上記技術において、周長変更機構は、両芯片間に形成されたスリットの大きさを調節することで、巻芯の周長を変更するように構成されている。詳述すると、周長変更機構は、巻芯の回転軸と直交する方向に延びるレール部と、一方の芯片の端部が固定されるとともに前記レール部に装着されており、前記レール部の延びる方向に沿って前記一方の芯片をスライド移動可能とするためのスライド部とを備えている。そして、前記回転軸方向に対し傾斜する傾斜部が前記回転軸方向に沿って往復移動し、一方の芯片に連結されたローラ部を摺動することで、一方の芯片がスライド移動させられる。これにより、前記スリットの大きさが調節され、ひいては巻芯の周長が変更される。尚、ローラ部は、所定の付勢部材により傾斜部に対し押付けられた状態となっており、その結果、巻芯の周長が変更後の大きさで保持されるようになっている。
特開平11−265726号公報 特開2016−1624号公報
ところで、上記技術では、芯片をスライド移動させるための機構がやや複雑となる懸念があり、また、巻芯の周長を変更後の大きさで保持するための機構(付勢部材)が必要である。そのため、装置が大型でかつ複雑なものとなってしまうおそれがある。
さらに、上記技術では、巻芯の周長を変更させる際に、傾斜部がローラ部を摺動するため、例えば金属粉などの異物が生じてしまう可能性がある。異物が捲回素子に付着してしまうと、捲回素子の品質低下を招いてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タブを捲回素子の周方向に沿った所定の範囲内により確実に配置することができるとともに、コンパクト化を図りつつ、捲回素子の品質向上を図ることが可能な捲回装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
手段1.所定のタブを備えるとともに表面に活物質を有する帯状の電極シートと、絶縁素材からなる帯状のセパレータとをそれぞれ所定の供給機構から回転可能な巻芯に供給するとともに、前記巻芯が回転することで前記電極シート及び前記セパレータを重ねつつ捲回する捲回装置であって、
前記巻芯に設けられるとともに、給電電圧に対応して伸縮変形量が変動し、かつ、給電遮断時の変形状態を無給電で維持可能である一方、放電により元の形状に戻り変形可能に構成されたアクチュエータを具備してなる周長変更手段と、
前記電極シートの厚さを計測する厚さ計測手段と、
前記アクチュエータに対する給電及び放電を制御可能であるとともに、前記厚さ計測手段による計測結果に基づき前記アクチュエータを制御することで、捲回時における、前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部分の前記回転方向に沿った長さを制御する制御手段と、
を備え
前記巻芯は、その回転軸方向に延びるとともに、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられる2つの芯片を備え、
前記両芯片間には、前記回転軸と直交する方向に延びるスリットが形成されており、
前記両芯片のうちの一方は、
前記両芯片のうちの他方との間で前記スリットを形成するベース部材と、
前記スリットの延びる方向と直交する方向に沿って伸縮変形可能に構成された前記アクチュエータを、その変形方向に沿って前記ベース部材とで挟むように配置された可動部材とを備え、
前記両芯片のうちの他方の外周面及び前記可動部材の外周面に対し、前記電極シート及び前記セパレータが捲回されるように構成されていることを特徴とする捲回装置。
上記手段1によれば、計測された電極シートの厚さに基づきアクチュエータの伸縮変形量が制御されることで、巻芯のうち電極シート等が捲回される部分の回転方向に沿った長さ(以下、「巻芯の周長」と称す)が制御される。
例えば、計測された電極シートの厚さが比較的大きい場合、つまり、捲回が進むにつれて、電極シートにおけるその長手方向に沿った各部位が通常配置されるべき位置よりも徐々に巻芯の回転方向前方側(以下、単に「前方側」と称す)にずれていくこととなる場合、制御手段は、巻芯の周長を比較的小さなものとする。これにより、捲回当初において、電極シートにおける前記各部位は通常配置されるべき位置よりも巻芯の回転方向後方側(以下、単に「後方側」と称す)に配置されることとなる。そして、このように後方側へと配置位置がずれている分だけ、捲回が進むことに伴い電極シートの各部位が徐々に前方側へとずれていっても、そのずれが吸収されることとなる。
一方、計測された電極シートの厚さが比較的小さい場合、つまり、捲回が進むにつれて、電極シートの前記各部位が通常配置されるべき位置よりも徐々に後方側に配置されていくこととなる場合、制御手段は、巻芯の周長を比較的大きなものとする。これにより、捲回が進むことに伴い電極シートの各部位が徐々に後方側へとずれていっても、そのずれが吸収されることとなる。
このように上記手段1によれば、電極シートの各部位が通常配置されるべき位置から大きくずれて配置されてしまうことをより確実に防止できる。その結果、電極シートに設けられたタブを捲回素子の周方向に沿った所定の範囲内へとより確実に配置することができる。
加えて、巻芯の周長は、アクチュエータにおける給電による伸縮変形によって変更される。そのため、巻芯の周長変更にあたって、部品の摺動が生じないようにすることができる。その結果、金属粉などの異物が発生してしまうことをより確実に防止でき、捲回素子の品質を高めることができる。
さらに、アクチュエータは、巻芯(例えば、巻芯の内部)に設けられるとともに、給電遮断時の変形状態を無給電で維持することができるように構成されている。従って、変形状態を維持するための機構を別途設けることなく、巻芯の回転時等において、アクチュエータの変形状態を容易に維持することができる。そのため、装置のコンパクト化を効果的に図ることができる。
併せて、アクチュエータを縮み変形又は戻り変形させた状態(巻芯の周長を比較的小さくした状態)で巻芯から捲回素子を取外すことにより、捲回素子に対し取外に伴う傷や変形が生じてしまうことをより確実に防止できる。その結果、捲回素子の品質向上をより効果的に図ることができる。
また、手段1によれば、巻芯の周長変更に際して、電極シート等が捲回されることとなる、両芯片のうちの他方の外周面及び可動部材の外周面の形状に変化が生じてしまうことを防止できる。これにより、巻芯の周長変更に伴い、得られる捲回素子の形状にバラツキが生じてしまうことを抑制でき、捲回素子の品質向上を一層確実に図ることができる。
手段2.所定のタブを備えるとともに表面に活物質を有する帯状の電極シートと、絶縁素材からなる帯状のセパレータとをそれぞれ所定の供給機構から回転可能な巻芯に供給するとともに、前記巻芯が回転することで前記電極シート及び前記セパレータを重ねつつ捲回する捲回装置であって、
前記巻芯に設けられるとともに、給電電圧に対応して伸縮変形量が変動し、かつ、給電遮断時の変形状態を無給電で維持可能である一方、放電により元の形状に戻り変形可能に構成されたアクチュエータを具備してなる周長変更手段と、
前記電極シートの厚さを計測する厚さ計測手段と、
前記アクチュエータに対する給電及び放電を制御可能であるとともに、前記厚さ計測手段による計測結果に基づき前記アクチュエータを制御することで、捲回時における、前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部分の前記回転方向に沿った長さを制御する制御手段と、
を備え、
前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部位は、
所定の固定周長部と、
前記固定周長部に対する突出量が変動可能に構成された変動周長部とを備え、
前記アクチュエータの伸縮変形に伴い、前記固定周長部に対する前記変動周長部の突出量が変動することで、前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部位の前記回転方向に沿った長さが調節されるように構成されていることを特徴とする捲回装置。
上記手段2によれば、アクチュエータの伸縮変形に伴い、巻芯のうち電極シート及びセパレータが捲回される部位の一部である変動周長部が移動することで、巻芯の周長が変更される。従って、巻芯の周長を簡易な構成で変更することが可能となり、装置のコンパクト化をより確実に図ることができる。
手段3.所定のタブを備えるとともに表面に活物質を有する帯状の電極シートと、絶縁素材からなる帯状のセパレータとをそれぞれ所定の供給機構から回転可能な巻芯に供給するとともに、前記巻芯が回転することで前記電極シート及び前記セパレータを重ねつつ捲回する捲回装置であって、
前記巻芯に設けられるとともに、給電電圧に対応して伸縮変形量が変動し、かつ、給電遮断時の変形状態を無給電で維持可能である一方、放電により元の形状に戻り変形可能に構成されたアクチュエータを具備してなる周長変更手段と、
前記電極シートの厚さを計測する厚さ計測手段と、
前記アクチュエータに対する給電及び放電を制御可能であるとともに、前記厚さ計測手段による計測結果に基づき前記アクチュエータを制御することで、捲回時における、前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部分の前記回転方向に沿った長さを制御する制御手段と、
を備え、
前記巻芯は、その回転軸方向に延びるとともに、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられる2つの芯片を備え、
前記両芯片間には、前記回転軸と直交する方向に延びるスリットが形成されており、
前記芯片のうちの一方は、前記巻芯の長手方向と直交する断面において、前記スリットの延びる方向に沿った長さが、前記スリットの延びる方向と直交する方向に沿った長さ以上となるように構成されており、かつ、前記スリットの延びる方向に沿って変形可能に構成された前記アクチュエータをその変形方向に沿って挟むようにして配置された第一可動部材及び第二可動部材を備え、
前記アクチュエータの変形に伴い前記第一可動部材及び前記第二可動部材間の間隔が変動することで、前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部分の前記回転方向に沿った長さが変更されるように構成されていることを特徴とする捲回装置。
2つの芯片を備えるとともに、両芯片間にスリットの形成された巻芯を採用する場合がある。この場合、アクチュエータは、捲回時にセパレータ等が配置される前記スリットを避けた位置に配置される。
また、巻芯の長手方向と直交する断面における両芯片の外周面をそれぞれ半円弧状とするなど、両芯片のうちの少なくとも一方を、前記断面において、スリットの延びる方向に沿った長さがスリットの延びる方向と直交する方向に沿った長さ以上となるように構成することがある。このような場合に、両芯片のうちの一方におけるスリットを避けた位置に、スリットの延びる方向と直交する方向に沿って変形するようにアクチュエータを設けるためには、アクチュエータのその変形方向に沿った長さを比較的小さなもの(例えば、前記断面における芯片の外周面を半円弧状とした場合には、半円の半径未満)とする必要がある。しかしながら、アクチュエータが短ければ、アクチュエータの変形量も小さなものとなる。そのため、巻芯の周長の変位量を十分に確保することができない可能性がある。特に巻芯が比較的小径である場合には、アクチュエータをより短いものとしなければならず、巻芯の周長の変位量が極端に小さくなってしまうおそれがある。
この点、上記手段3によれば、アクチュエータは、スリットの延びる方向に沿って変形可能とされている。従って、スリットを避けた位置にアクチュエータを配置したとしても、より長いアクチュエータを用いることができる。これにより、巻芯の周長の変位量を十分に確保することができる。その結果、より広範囲な電極シートの厚さバラツキに対応してタブ位置の補正を行うことができる。
尚、上記手段3は、巻芯が比較的小径である場合に、特に有効である。
手段.前記アクチュエータは、圧電素子を備えたピエゾアクチュエータであることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の捲回装置。
上記手段によれば、アクチュエータとしてピエゾアクチュエータが用いられるため、巻芯の周長を非常に高い精度(例えば、ミクロン単位)で制御することができる。
さらに、ピエゾアクチュエータは、非常に高速に変位(充電)可能であるため、巻芯の周長を瞬時に変更することができ、生産性を高めることができる。
また、巻芯の周長変更に際してアクチュエータの摩耗が生じないため、巻芯の周長を繰り返し変更することに伴い、巻芯の周長の制御に係る精度が低下してしまうことを防止できる。その結果、精度低下に対応するためのメンテナンスなどがほとんど必要なくなり、生産性をより向上させることができる。
手段.前記巻芯は、その回転軸方向に延びるとともに、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられる2つの芯片を備え、
前記両芯片のうちの一方は、前記両芯片のうちの他方との間で、前記両芯片間に形成されたスリットにおいて前記電極シート及び前記セパレータのうち少なくとも前記セパレータを挟持可能なチャック手段を有することを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の捲回装置。
捲回される電極シート等からのテンションにより巻芯に撓みや傾き等が生じてしまう可能性がある。ここで、巻芯に撓みや傾き等が生じてしまうと、タブ位置の補正精度が低下してしまったり、電極シートやセパレータにおいて蛇行やしわが生じてしまったりして、結果的に、製造される捲回素子の品質向上を十分に図れないおそれがある。
この点、上記手段によれば、チャック手段によりセパレータ等を挟持した状態になると、一方の芯片は、チャック手段を介して他方の芯片によって支持された状態となる。そのため、捲回時等における巻芯の撓みや傾きをより確実に防止することができ、タブ位置の補正精度の向上、及び、電極シートやセパレータにおける蛇行やしわの発生抑制をより効果的に図ることができる。その結果、捲回素子の品質をより一層高めることができる。
手段.前記制御手段は、前記巻芯に対する前記電極シート及び前記セパレータの捲回完了後であって、当該巻芯に対する次の前記電極シート及び前記セパレータの捲回開始前に、前記アクチュエータを放電させるように構成されていることを特徴とする手段1乃至のいずれかに記載の捲回装置。
上記手段によれば、巻芯に対する次の電極シート等の捲回前に、アクチュエータが一旦放電され、アクチュエータの変形状態がリセットされるように構成されている。そのため、捲回後にアクチュエータの変形状態をリセットすることなく、巻芯の周長を次に捲回される電極シート等に対応した狙いの値に変更する場合と比較して、ヒステリシス特性の影響などを抑制することができ、巻芯の周長をより精度よく狙いの値に合わせることができる。その結果、タブ位置の補正精度を一層高めることができ、捲回素子の品質をより一層高めることができる。
電池素子の概略構成を示す斜視模式図である。 正電極タブ等を示すための正電極シートの平面模式図である。 負電極タブ等を示すための負電極シートの平面模式図である。 捲回装置の概略構成図である。 捲回部の概略構成図である。 巻芯の斜視模式図である。 チャック機構を収縮させた状態における図6のJ−J線断面図である。 チャック機構を膨張させた状態における図6のJ−J線断面図である。 補正値・印加電圧決定工程のフローチャートである。 捲回工程のフローチャートである。 巻芯の周長を変更する際における捲回部の概略構成図である。 スリットにセパレータを配置した際の捲回部の概略構成図である。 セパレータが切断される際の捲回部の概略構成図である。 巻芯から電池素子を取外す際の捲回部の概略構成図である。 電極シートの厚さが比較的大きい場合において、巻芯の周長を変更しないときにおけるタブの位置を説明するための模式図である。 電極シートの厚さが比較的小さい場合における、巻芯の周長を変更しないときにおけるタブの位置を説明するための模式図である。 別の実施形態における巻芯の断面模式図である。 別の実施形態における巻芯の断面模式図である。 別の実施形態における巻芯の断面模式図である。 別の実施形態における巻芯の断面模式図である。 別の実施形態における巻芯の断面模式図である。
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、捲回装置によって得られる捲回素子としてのリチウムイオン電池素子の構成について説明する。
図1に示すように、リチウムイオン電池素子1(以下、単に「電池素子1」という)は、2枚のセパレータ2,3を介して、正電極シート4及び負電極シート5が重ね合わされた状態で捲回されることにより製造される。尚、2枚のセパレータ2,3に代えて、折返された1枚のセパレータを用いてもよい。また、以下においては、説明の便宜上、セパレータ2,3及び電極シート4,5を「各種シート2〜5」と称することがある。
セパレータ2,3は、それぞれ同一の幅を有する帯状をなしており、異なる電極シート4,5同士が互いに接触して短絡を起こしてしまうのを防止すべく、ポリプロピレン(PP)等の絶縁体により構成されている。
電極シート4,5は、薄板状の金属シートからなり、セパレータ2,3と略同一の幅を有している。また、電極シート4,5の表裏両面には活物質が塗布されている。正電極シート4には例えばアルミニウム箔シートが用いられ、その表裏両面に所定間隔で正極活物質(例えば、マンガン酸リチウム粒子等)が塗布されている。負電極シート5には例えば銅箔シートが用いられ、その表裏両面に所定間隔で負極活物質(例えば、活性炭等)が塗布されている。そして、活物質を介して、正電極シート4及び負電極シート5間におけるイオン交換ができるようになっている。より詳しくは、充電時には、正電極シート4側から負電極シート5側へとイオンが移動し、放電時には、負電極シート5側から正電極シート4側へとイオンが移動する。
加えて、本実施形態では、電池素子1ひとつを構成する両電極シート4,5の長さはそれぞれ予め設定された一定の所定値とされている。本実施形態において、一素子分の負電極シート5の長さは、負電極シート5で正電極シート4をより確実に覆うべく、一素子分の正電極シート4の長さよりも若干大きなものとされている。
また、図2に示すように、正電極シート4における活物質未塗布部4b(図2及び図3では、活物質の塗布部に散点模様を付している)には、タブとしての正電極タブ4aが溶接されるとともに、当該正電極タブ4aを保護するための保護テープ7が貼付されている。さらに、図3に示すように、負電極シート5における活物質未塗布部5bには、タブとしての負電極タブ5aが溶接されるとともに、当該負電極タブ5aを保護するための保護テープ7が貼付されている。そして、正電極シート4の幅方向一端縁からは複数の前記正電極タブ4aが延出するとともに、負電極シート5の幅方向他端縁からは複数の前記負電極タブ5aが延出している。
また、本実施形態における電池素子1は、軸直交断面における外周形状が円形状などの回転対称形状とされている。そして、正電極タブ4a及び負電極タブ5aは、それぞれ電池素子1の周方向に沿って所定の範囲内に配置されるように構成されている。本実施形態では、理想状態において、電池素子1の一端部において正電極タブ4aが1列で並ぶとともに、電池素子1の他端部において負電極タブ5aが1列で並ぶように構成されている(図1参照)。
リチウムイオン電池を得るに際しては、捲回された電池素子1が金属製で筒状をなす図示しない電池容器(ケース)内に配設されるとともに、正電極タブ4a及び負電極タブ5aがそれぞれまとめられる。そして、まとめられた正電極タブ4aを正極端子部品(図示せず)に接続するとともに、同じくまとめられた負電極タブ5aを負極端子部品(図示せず)に接続し、両端子部品が前記電池容器の両端開口に塞ぐように設けられることで、リチウムイオン電池を得ることができる。
次に、電池素子1を製造するための捲回装置10について説明する。図4に示すように、捲回装置10は、各種シート2〜5を捲回するための捲回部11と、正電極シート4を捲回部11へ供給するための正電極シート供給機構31と、負電極シート5を捲回部11へ供給するための負電極シート供給機構41と、セパレータ2,3をそれぞれ捲回部11へ供給するためのセパレータ供給機構51,61と、制御手段としての制御装置81とを備えている。尚、上記捲回部11や各供給機構31,41,51,61など、捲回装置10内の各種機構は、制御装置81により動作制御される構成となっている。
正電極シート供給機構31は、正電極シート4がロール状に捲回されてなる正電極シート原反32を備えている。正電極シート原反32は、自由回転可能に支持されており、ここから適宜、正電極シート4が引き出されることとなる。
尚、正電極シート原反32を構成する正電極シート4の厚さは、活物質の塗布厚みが異なる等の理由により、正電極シート原反32のロットごとに異なる場合がある。また、1の正電極シート原反32を構成する正電極シート4においても、各部位で厚みの異なることがある。これらの点は、負電極シート5においても同様である。
正電極シート供給機構31は、シート挿入機構71と、シート切断カッタ72と、テンション付与機構73と、バッファ機構75と、厚さ計測手段としての厚さ計測機構77とを備えている。
シート挿入機構71は、正電極シート4を捲回部11へ供給するものであり、正電極シート4の搬送経路に沿って、捲回部11に接近する接近位置と、捲回部11から離間する離間位置とに移動可能に構成されている。シート挿入機構71は、正電極シート4を把持可能な一対のチャック71a,71bを備えている。チャック71a,71bは、図示しない駆動手段により開閉動作可能に構成されている。そして、正電極シート4を捲回部11へ供給する際には、チャック71a,71bにより正電極シート4を把持した上で、シート挿入機構71が捲回部11に対し接近するようになっている。
シート切断カッタ72は、正電極シート4を切断するためのものであり、正電極シート4の表裏両側にそれぞれ位置する一対の刃部72a,72bを備えている。シート切断カッタ72は、その一対の刃部72a,72bが正電極シート4を挟むように位置するシート切断位置と、正電極シート4の搬送経路外へ退避する退避位置との間を移動可能に構成されている。
尚、正電極シート4の切断は、前記チャック71a,71bにより正電極シート4が把持された状態で行われるようになっている。また、捲回部11へと正電極シート4を供給すべく、シート挿入機構71が捲回部11側へ接近移動する際には、一対の刃部72a,72bがそれぞれ正電極シート4の搬送経路から離間することで、シート挿入機構71の移動を阻害しないようになっている。
テンション付与機構73は、一対のローラ73a,73bと、両ローラ73a,73b間において揺動自在に設けられたダンサローラ73cとを有している。ダンサローラ73cは、トルク制御された所定のサーボモータ(図示せず)により動作し、制御装置81により前記サーボモータが制御されることで、正電極シート4に付与される張力を変更可能に構成されている。また、ダンサローラ73cは、正電極シート4に張力を付与することで、正電極シート4の弛みを防止する役割も果たす。
バッファ機構75は、一対の従動ローラ75a,75bと、両ローラ75a,75b間において上下方向に変位可能に設けられた昇降ローラ75cとを有している。バッファ機構75を設けることにより、シート切断カッタ72から厚さ計測機構77までの間において、少なくとも電池素子1ひとつ分を構成する長さの正電極シート4が貯留可能となっている。
厚さ計測機構77は、一対のローラ77a,77bと、第一測長ローラ77cと、第二測長ローラ77dとを備えている。第一測長ローラ77cの外周には、両ローラ77a,77b間に位置する正電極シート4が折り返して曲げられた状態で架けられている。第二測長ローラ77dは、第一測長ローラ77cとの間で正電極シート4の折り返し部分を挟み込むようにして配置されている。
また、両測長ローラ77c,77dは、互いに同径で、かつ、それぞれ自由回転可能な従動ローラであり、正電極シート4の搬送に伴い回転する。そして、両測長ローラ77c,77dの回転量は、図示しないエンコーダにより把握可能となっており、当該エンコーダから両測長ローラ77c,77dの回転量に関する情報が制御装置81へと入力されるようになっている。
尚、両測長ローラ77c,77d及び正電極シート4の位置関係が上述のように設定されているため、正電極シート4が両測長ローラ77c,77d間を通過しているときに、正電極シート4の内周面(屈曲内側面)に接触する第一測長ローラ77cの回転量と、正電極シート4の外周面(屈曲外側面)に接触する第二測長ローラ77dの回転量とに差が生じることとなる。この回転量の差は、正電極シート4が厚いほど大きく、正電極シート4が薄いほど小さくなる。
負電極シート供給機構41は、その最上流側において、負電極シート5がロール状に捲回されてなる負電極シート原反42を備えている。負電極シート原反42は、回転可能に支持されており、ここから適宜、負電極シート5が引き出されることとなる。
また、負電極シート原反42から捲回部11にかけての負電極シート5の搬送路の途中には、正電極シート4の搬送路と同様に、シート挿入機構71、シート切断カッタ72、テンション付与機構73、バッファ機構75及び厚さ計測機構77などが設けられている。これらの各種構成は、正電極シート4の搬送路に設けられたものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
一方、セパレータ供給機構51,61は、それぞれセパレータ2,3がロール状に捲回されてなるセパレータ原反52,62を備えている。セパレータ原反52,62は、自由回転可能に支持されており、ここから適宜、セパレータ2,3が引き出されることとなる。
さらに、セパレータ2,3の搬送路の途中には、電極シート4,5の搬送路と同様に、テンション付与機構73が設けられている。当該テンション付与機構73の各種構成は、電極シート4,5の搬送路に設けられたものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
尚、各供給機構31,41,51,61のテンション付与機構73は、各種シート2〜5に付与する張力を変更可能に構成されているが、本実施形態では、テンション付与機構73によって、各種シート2〜5に対し常に一定の張力が付与されるようになっている。
また、各種シート2〜5の供給経路の途中には、各種シート2〜5をひとまとめにする一対のガイドローラ78a,78bなど、各種シート2〜5を案内するための各種ガイドローラ(符号略)が設けられている。
次に、捲回部11の構成について説明する。図5に示すように、捲回部11は、図示しない駆動機構により回転可能に設けられた相対向する2枚の円盤状のテーブルからなるターレット12と、当該ターレット12の回転方向に180°間隔で設けられた2つの巻芯13,14と、当該巻芯13,14に対しそれぞれターレット12の回転方向にほぼ90°ずつずれた位置に設けられた2つの支持ローラ15a,15bと、セパレータカッタ16と、捲回完了直前の各種シート2〜5を押さえるための押えローラ17と、所定の固定用テープを貼付するためのテープ貼付機構18と、通電端子19とを備えている。
巻芯13,14は、それぞれ自身の外周側において各種シート2〜5を巻取るためのものであり、図示しない駆動機構により自身の中心軸を回転軸として回転可能に構成されている。巻芯13,14の回転量は、図示しないエンコーダにより把握可能となっており、当該エンコーダから回転量に関する情報が制御装置81へと入力されるようになっている。
また、巻芯13,14は、ターレット12の軸線方向(図5の紙面奥行方向)に沿って、ターレット12を構成する一方のテーブルに対し出没可能に設けられている。尚、巻芯13,14は、前記一方のテーブルから突出した状態となったときに、その先端部が他方のテーブルに形成された受け用の穴に挿通され、両テーブルによって回転可能な状態で支持されるようになっている。
さらに、巻芯13,14は、ターレット12が回転することにより、捲回ポジションP1と、取外しポジションP2との間を旋回移動可能に構成されている。
捲回ポジションP1は、巻芯13,14に対し各種シート2〜5を捲回するポジションであり、当該捲回ポジションP1に対し上記各供給機構31,41,51,61からそれぞれ各種シート2〜5が供給されることとなる。
取外しポジションP2は、捲回後の各種シート2〜5、すなわち電池素子1の取外しを行うためのポジションである。取外しポジションP2の周辺部には、巻芯13,14から電池素子1の取外しを行うための取外装置(不図示)等が設けられている。
支持ローラ15a,15bは、取外しポジションP2へ移動した巻芯13,14と上記供給機構31,41,51,61との間で各種シート2〜5を引っ掛け、支持するためのものである。
セパレータカッタ16は、捲回ポジションP1の近傍に配置されており、ターレット12に接近しセパレータ2,3を切断する切断位置と、ターレット12から離間し巻芯13,14の移動を妨げない退避位置との間で移動可能である。
押えローラ17は、取外しポジションP2の近傍に配置されており、ターレット12に接近し各種シート2〜5を押さえる近接位置と、ターレット12から離間し巻芯13,14の移動を妨げない退避位置との間で移動可能に構成されている。
テープ貼付機構18は、取外しポジションP2の近傍に配置されており、捲回終了時に、ターレット12に接近し、セパレータ2,3の終端部に所定の固定用テープを貼付する機能を備えている。尚、前記固定用テープには、その貼付対象となる電池素子1の通し番号が印刷等により予め付されている。
通電端子19は、取外しポジションP2の近傍に配置されており、取外しポジションP2に配置された巻芯13(14)に接近する接近位置と、当該巻芯13(14)から離間し巻芯13(14)の移動を妨げない退避位置との間で移動可能である。
また、通電端子19は、一対の端子19a,19bによって構成されており(図6参照)、両端子19a,19bは、通電端子19の移動方向に沿って圧縮変形可能となっている。さらに、一方の端子19aは、出力される直流電圧を調節可能な電源に接続されており、他方の端子19bはアースに接続されている。尚、前記電源からの出力電圧は、正電圧であり、制御装置81によって制御されるようになっている。
次いで、本実施形態における巻芯13,14のより詳細な構成について説明する。
図6〜8に示すように、巻芯13(14)は、その外周面、すなわち、つまり、各種シート2〜5が捲回される部位が、自身の中心軸(回転軸)と直交する断面において円形状をなすように構成されている。巻芯13(14)は、一対の芯片13a,13b(14a,14b)と、各芯片13a,13b(14a,14b)と直列的に連結された支持部13c,13d(14c,14d)とを備えている。
芯片13a,13b(14a,14b)は、前記回転軸方向に沿って延びており、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられている。また、各芯片13a,13b(14a,14b)間には、前記回転軸と直交する方向に延びるスリット13e(14e)が形成されている。また、芯片13a,13b(14a,14b)の外周面のうち前記スリット13e(14e)とは反対側に位置する部位、つまり、各種シート2〜5が捲回される部位は断面半円形状とされている。
支持部13c,13d(14c,14d)は、芯片13a,13b(14a,14b)を支持する部位である。支持部13c,13d(14c,14d)は、機械的強度に優れる金属により形成されており、芯片13a,13b(14a,14b)を強固に支持可能となっている。これにより、巻芯13(14)に対し各種シート2〜5を捲回している際などに、芯片13a,13b(14a,14b)の撓みや傾きをより確実に防止することができるようになっている。尚、本実施形態において、支持部13c,13d(14c,14d)は、断面半円形状をなしているが、芯片13a,13b(14a,14b)を強固に支持可能である限り、その形状は適宜変更可能である。
続いて、各芯片13a,13b(14a,14b)のより詳細な構成について説明する。まず、一方の芯片13a(14a)の構成について説明する。
一方の芯片13a(14a)は、ベース部材13f(14f)と、可動部材13g(14g)と、周長変更手段としての周長変更機構13h(14h)とを備えている。ベース部材13f(14f)及び可動部材13g(14g)によって、一方の芯片13a(14a)における前記回転軸方向に延びる半円筒状部分が構成されている。
ベース部材13f(14f)は、前記半円の弦に当たる部位を構成しており、前記回転軸方向に延びる矩形棒状をなしている。また、ベース部材13f(14f)は、その端部が支持部13c(14c)に連結されており、前記回転軸と直交する方向に沿って移動しないようになっている。さらに、ベース部材13f(14f)のうち前記回転軸側に位置し前記スリット13e(14e)を形成する面は、平坦面状とされている。
可動部材13g(14g)は、前記半円の弧に当たる部位を構成しており、その外周面に対し各種シート2〜5が捲回されるようになっている。また、可動部材13g(14g)の内側に、前記ベース部材13f(14f)が収まった状態となっている。
周長変更機構13h(14h)は、巻芯13(14)の径方向に沿って、ベース部材13f(14f)及び可動部材13g(14g)により挟まれた状態で両者に固定されている。また、周長変更機構13h(14h)は、アクチュエータとしてのピエゾアクチュエータ13j(14j)を備えている。
ピエゾアクチュエータ13j(14j)は、例えば、所定の圧電素子を複数備えてなる積層型圧電アクチュエータであり、図示しない2本の導電線を介して、給電(充電)及び放電可能となっている。ピエゾアクチュエータ13j(14j)は、給電に伴い、巻芯13(14)の径方向に沿って伸縮変形可能であり、給電電圧に対応して(例えば、給電電圧にほぼ比例して)伸縮変形量が変動するように構成されている。また、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は、放電により元の形状に戻り変形可能に構成されている。給電や放電に伴うピエゾアクチュエータ13j(14j)の伸縮変形により、ベース部材13f(14f)に対し可動部材13g(14g)が接離移動可能となっている。
さらに、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は、給電遮断時の変形状態を無給電で維持可能に構成されている。尚、ピエゾアクチュエータ13j(14j)に対し、伸縮変形量を増幅するための増幅機構(例えば、レバー・リンク機構)を設けることとしてもよい。
また、支持部13c(14c)の外表面には、巻芯13(14)の長手方向に沿って並んで配置された一対の接点13k(14k)が設けられている。各接点13k(14k)は、導電性材料により形成されており、通電端子19の各端子19a,19bとの接触部を構成している。各接点13k(14k)は、それぞれ前記導電線と電気的に接続されており、その結果、前記導電線を介して前記ピエゾアクチュエータ13j(14j)と電気的に接続された状態となっている。そして、接点13k(14k)に対し通電端子19を接触させることで、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は給電(充電)又は放電し、その結果、伸縮変形したり、元の形状に戻ったりするようになっている。
本実施形態では、ピエゾアクチュエータ13j(14j)が充電されていない状態において、前記電源から一方の端子19aに対し所定の基準電圧V0が印加された通電端子19を接点13k(14k)に接触させた場合に、可動部材13g(14g)及び他方の芯片13b(14b)間の距離Lが所定の通常値L0となるようにピエゾアクチュエータ13j(14j)等が構成されている。この通常値L0は、厚さにバラツキのない理想的な電極シート4,5を捲回して電池素子1を得たときに、得られた電池素子1において、前記タブ4a,5aが電池素子1の周方向に沿って所定の範囲内に配置される(本実施形態では、それぞれ1列に並んで配置される)こととなる距離である。
また、ピエゾアクチュエータ13j(14j)が充電されていない状態において、前記電源から一方の端子19aに対し所定の基準電圧V0よりも大きな電圧が印加された通電端子19を接点13k(14k)に接触させると、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は給電(充電)されて伸び変形し、距離Lは通常値L0よりも大きな値に設定される。
一方、ピエゾアクチュエータ13j(14j)が充電されていない状態において、前記電源から一方の端子19aに対し所定の基準電圧V0よりも小さな電圧が印加された通電端子19を接点13k(14k)に接触させると、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は給電(充電)されて伸び変形するものの、距離Lは通常値L0よりも小さな値に設定される。
また、ピエゾアクチュエータ13j(14j)が充電されている状態(変形している状態)において、前記電源から一方の端子19aに対し電圧が印加されていない通電端子19を接点13k(14k)に接触させると、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は放電し、元の形状に戻り変形する。その結果、距離Lは最小値に設定される。
このように、本実施形態では、一方の端子19aに対する前記電源からの印加電圧を調節することで、前記距離Lが変動し、ひいては巻芯13(14)のうち各種シート2〜5が捲回される部分の回転方向に沿った長さ〔以下、巻芯13(14)の周長と称す〕が変更されるようになっている。
尚、ピエゾアクチュエータ13j(14j)に対する給電を遮断する〔例えば、接点13k(14k)から通電端子19を離間させる〕と、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は、そのときの変形状態を無給電で維持する。すなわち、前記距離Lは変動後の大きさにて維持され、ひいては巻芯13(14)の周長も変更後の大きさにて維持される。
続いて、他方の芯片13b(14b)の構成について説明する。他方の芯片13b(14b)は、固定部材13m(14m)と、チャック手段としてのチャック機構13p(14p)とを備えている。
固定部材13m(14m)は、前記回転軸方向に延びるとともに、断面半円形状をなしており、その円弧状の外周面に対し各種シート2〜5が捲回されるようになっている。固定部材13m(14m)は、その端部が支持部13d(14d)に連結されており、前記回転軸と直交する方向に沿って移動しないようになっている。その結果、固定部材13m(14m)及び前記ベース部材13f(14f)の相対位置は、常に不変となっている。さらに、固定部材13m(14m)は、前記回転軸方向に延びるとともに、前記スリット13e(14e)側に開口する凹部13n(14n)を備えている。
チャック機構13p(14p)は、先後端が閉塞された六角筒状をなしており、前記凹部13n(14n)に配置された状態で固定部材13m(14m)に固定されている。チャック機構13p(14p)は、図示しないエア供給排出機構と接続されており、チャック機構13p(14p)の内部空間に対するエアの供給、及び、チャック機構13p(14p)の内部空間からのエアの排出が可能となっている。
そして、チャック機構13p(14p)は、その内部空間にエアが供給されることによって膨張し、その一部が固定部材13m(14m)における前記スリット13e(14e)側の面から突出するようになっている(図8参照)。一方、チャック機構13p(14p)は、その内部空間のエアが排出されることによって収縮し、その全体が凹部13n(14n)内に没入するようになっている(図7参照)。かかる構成によって、スリット13e(14e)に挿通されたセパレータ2,3は、チャック機構13p(14p)及び前記ベース部材13f(14f)によって挟持可能となっている。
続いて、制御装置81の構成について説明する。制御装置81は、演算手段としてのCPUや、各種プログラムを記憶するROM、演算データや入出力データなどの各種データを一時的に記憶するRAM、演算データ等を長期記憶するハードディスクなどを備えており、上述の通り、捲回部11や各供給機構31,41,51,61の動作を制御する。
制御装置81によって、捲回部11に対する電極シート4,5の供給開始・供給停止タイミング、巻芯13,14の回転、通電端子19の動作、及び、一方の端子19aに対する印加電圧Vaなどが制御される。例えば、制御装置81は、図示しないエンコーダから電極シート4,5の繰出量に関する情報が入力されるようになっており、電極シート4,5の繰出量がそれぞれ所定値となったときに、電極シート4,5の繰出し(供給)を停止する。
ところで、捲回される電極シート4,5の厚さが基準値に対して大きい又は小さい場合、得られた電池素子1において、タブ4a,5aの位置にずれが生じてしまうおそれがある。そこで、制御装置81は、タブ4a,5aの位置ずれを抑制すべく、電極シート4,5の厚さに基づき一方の端子19aに対する印加電圧Vaを調節し、ピエゾアクチュエータ13j(14j)の伸縮変形量を制御することで、巻芯13,14の周長を変更する。
詳述すると、制御装置81は、入力された両測長ローラ77c,77dの回転量に関する情報に基づき、電極シート4,5の繰出し開始から繰出し停止までの間、両測長ローラ77c,77d間を通過する一素子分の電極シート4,5におけるその長手方向に沿った全域の厚さを計測する。この両測長ローラ77c,77d間を通過する一素子分の電極シート4,5は、次回捲回時に巻き取られるものである。尚、制御装置81には、両測長ローラ77c,77dにおける回転量の差と電極シート4,5の厚さとの対応関係を示すテーブルが予め記憶されており、当該テーブルを参酌することで、両測長ローラ77c,77d間を通過している電極シート4,5の厚さが得られるようになっている。
さらに、制御装置81は、予め記憶された補正値算出式に基づき、計測された電極シート4,5の厚さ(本実施形態では、各電極シート4,5の厚さの平均値)に応じた補正値aを算出する。算出した補正値aは、電池素子1を特定するための通し番号とともに前記ハードディスクに記憶される。尚、通常、電極シート4,5の厚さが規定値よりも小さい場合、補正値aとしては正数が算出され、電極シート4,5の厚さが規定値よりも大きい場合、補正値aとしては負数が算出される。
さらに、制御装置81は、算出された補正値aに基づき、一方の端子19aに対する印加電圧Vaを決定する。本実施形態において、制御装置81は、予め記憶された補正値aと印加電圧Vaとの対応関係を示すテーブルに基づき、印加電圧Vaを決定する。決定した印加電圧Vaは、電池素子1を特定するための通し番号とともに前記ハードディスクに記憶される。尚、印加電圧Vaは、補正値aが正数である場合、前記基準電圧V0よりも大きな電圧に決定され、補正値aが負数である場合、前記基準電圧V0よりも小さな電圧に決定される。
そして、制御装置81は、各種シート2〜5の捲回前に、一方の端子19aに印加電圧Vaを印加した通電端子19を接点13k(14k)に接触させることで、前記距離Lを通常値L0よりも補正値aの分だけ増減させる。これにより、巻芯13(14)の周長は、捲回される電極シート4,5の厚さに対応するものに設定される。
尚、本実施形態において、制御装置81は、巻芯13(14)の周長を調節する前に、一方の端子19aに電圧を印加していない通電端子19を接点13k(14k)に接触させる。すなわち、本実施形態では、巻芯13(14)の周長を調節する前に、ピエゾアクチュエータ13j(14j)を予め放電させ、ピエゾアクチュエータ13j(14j)の変形状態を一度リセットさせるように構成されている。
次に、上述の捲回装置10を用いた電池素子1の製造工程について説明する。電池素子1の製造工程は、一素子分の電極シート4,5の厚さに基づき、これら一素子分の電極シート4,5が捲回される際に用いられる補正値a及び印加電圧Vaを決定する工程(補正値・印加電圧決定工程)、及び、前記一素子分の電極シート4,5が捲回される工程(捲回工程)を含む。尚、これら両工程は、同時期に実施されるが、本実施形態では、説明の便宜上、これら両工程を分けて説明する。
まず、補正値・印加電圧決定工程について、図9のフローチャートに従って説明する。尚、両電極シート4,5はシート挿入機構71によって把持されるとともに、セパレータ2,3は電極シート4,5の供給対象である一方の巻芯13(14)に対し所定量巻き取られた状態となっている。
補正値・印加電圧決定工程では、まず、ステップS11において、負電極シート供給機構41のシート挿入機構71により一方の巻芯13(14)側に対し負電極シート5が供給される。具体的には、負電極シート5を把持するシート挿入機構71が捲回部11側に接近し、セパレータ2,3間に負電極シート5が挿入されることで、負電極シート5が供給される。尚、挿入後、シート挿入機構71による負電極シート5の把持が解除されるとともに、シート挿入機構71が元の位置に戻る。
負電極シート5の供給に伴い、負電極シート5が両測長ローラ77c,77d間を動き始めることとなり、ステップS12において、厚さ計測機構77による負電極シート5の厚さ計測が開始される。
次いで、ステップS13において、負電極シート5の供給後、一方の巻芯13(14)が所定数回転(例えば、1回転)した段階で、正電極シート供給機構31のシート挿入機構71により一方の巻芯13(14)側に対し、正電極シート4が供給される。具体的には、正電極シート4を把持するシート挿入機構71が捲回部11側に接近し、セパレータ2,3間に正電極シート4が挿入されることで、正電極シート4が供給される。尚、挿入後、シート挿入機構71による正電極シート4の把持が解除されるとともに、シート挿入機構71が元の位置に戻る。
正電極シート4の供給に伴い、正電極シート4が両測長ローラ77c,77d間を動き始めることとなり、ステップS14にて、厚さ計測機構77による正電極シート4の厚さ計測が開始される。
そして、両電極シート4,5が供給されると、一方の巻芯13(14)が回転することで、両電極シート4,5が順次繰出されていく。これにより、電極シート4,5がそれぞれ両測長ローラ77c,77d間を通過していき、電極シート4,5の厚さが連続的に計測されていく。
続くステップS15では、供給開始からの正電極シート4の繰出量が所定量に到達したか否かの判定が、当該条件を満たすまで繰り返し行われる。
ステップS15で肯定判定された場合、つまり、一素子分の正電極シート4のその長手方向に沿った全域の厚さが計測された場合、ステップS16に移行し、計測された正電極シート4の厚さの平均値が算出される。尚、ステップS15にて肯定判定された時点で、一方の巻芯13(14)に対する正電極シート4の供給は停止されることとなる。
さらに続くステップS17では、供給開始からの負電極シート5の繰出量が所定値に到達したか否かの判定が、当該条件を満たすまで繰り返し行われる。
ステップS17で肯定判定された場合、つまり、一素子分の負電極シート5(捲回予定電極シートに相当する)のその長手方向に沿った全域の厚さが計測された場合、ステップS18に移行し、計測された負電極シート5の厚さの平均値が算出される。尚、ステップS17において肯定判定された時点で、一方の巻芯13(14)に対する負電極シート5の供給は停止される。
次いで、ステップS19において、上述した補正値算出式に基づき、得られた各電極シート4,5の厚さの平均値に応じた補正値aを算出する。また、得られた補正値aを電池素子1の通し番号とともにハードディスクに保存する。
続くステップS20では、上述した補正値aと印加電圧Vaとの対応関係を示すテーブルを用いて、算出した補正値aに基づき印加電圧Vaを決定する。その後、決定された印加電圧Vaを電池素子1の通し番号とともにハードディスクに保存し、補正値・印加電圧決定工程を終了する。
次いで、捲回工程について、図10のフローチャートを参照して説明する。
捲回工程では、まず、ステップS31において、通電端子19が、取外しポジションP2に位置する、電池素子1が取外された後の一方の巻芯13(14)の接点13k(14k)に対し接近移動する(図11参照)。この通電端子19の一方の端子19aには、前記一方の巻芯13(14)に対し今から捲回されることとなる電極シート4,5の厚さに対応して決定された印加電圧Vaが印加された状態となっている。
そして、通電端子19が接点13k(14k)に接触することで、一方の巻芯13(14)における前記距離Lは、通常値L0よりも補正値aの分だけ増減させられる。その結果、一方の巻芯13(14)の周長は、当該巻芯13(14)に対し今から捲回されることとなる電極シート4,5の厚さに対応した大きさに設定される。尚、接点13k(14k)に対し通電端子19が接触する前に、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は予め放電された状態となっている。
その後、通電端子19を接点13k(14k)から離間させて、前記退避位置へと移動させる。尚、一方の巻芯13(14)における前記距離Lは、増減後の大きさで維持させられる。
次いで、ステップS32において、ターレット12における一方のテーブルに対し一方の巻芯13(14)が没するとともに、チャック機構13p(14p)が収縮し凹部13n(14n)に入り込んだ状態で、ターレット12を回転させる。これにより、取外しポジションP2にあった一方の巻芯13(14)が捲回ポジションP1側へと移動していく。
そして、一方の巻芯13(14)が捲回ポジションP1へと配置されると、当該一方の巻芯13(14)のスリット13e(14e)と、ガイドローラ78a,78b及び支持ローラ15a(15b)に架け渡されたセパレータ2,3の延びる方向とが正面視重なった状態で、一方の巻芯13(14)が、ターレット12における一方のテーブルから突出する。これにより、一方の巻芯13(14)のスリット13e(14e)に対しセパレータ2,3が配置された状態となる(図12参照)。尚、巻芯13(14)の周長を変更しても、ベース部材13f(14f)及び固定部材13m(14m)の相対位置は不変であり、スリット13e(14e)の幅は変化しないため、スリット13e(14e)に対しセパレータ2,3をより確実に配置することが可能である。
次いで、ステップS33において、チャック機構13p(14p)を膨張させ、ベース部材13f(14f)とチャック機構13p(14p)とでセパレータ2,3を挟み込んだ状態とする。その上で、一方の巻芯13(14)を所定数だけ回転させる。これにより、一方の巻芯13(14)に対しセパレータ2,3が所定量だけ巻き取られた状態となる。
その上で、続くステップS34において、一方の巻芯13(14)に対し電極シート4,5が供給される。具体的には、上記の通り、負電極シート供給機構41のシート挿入機構71により一方の巻芯13(14)側に対し負電極シート5が供給され、その後、一方の巻芯13(14)が所定数回転(例えば、1回転)した段階で、正電極シート供給機構31のシート挿入機構71により一方の巻芯13(14)側に対し正電極シート4が供給される。
両電極シート4,5の供給後、一方の巻芯13(14)の回転に伴い、一方の巻芯13(14)に対し各種シート2〜5が捲回されていく。
続くステップS35では、供給開始からの正電極シート4の繰出量が所定量に到達したか否かの判定が、当該条件を満たすまで繰り返し行われる。ステップS35で肯定判定された場合、つまり、現在捲回されている一素子分の正電極シート4の終端部がシート切断カッタ72に到達した場合、一方の巻芯13(14)の回転動作が一時停止され、正電極シート4の供給が停止される。
さらに、続くステップS36において、シート挿入機構71により正電極シート4が把持された上で、シート切断カッタ72により正電極シート4が切断される。その後、一方の巻芯13(14)の捲回動作が再開される。
次いで、ステップS37において、供給開始からの負電極シート5の繰出量が所定値に到達したか否かの判定が、当該条件を満たすまで繰り返し行われる。ステップS37で肯定判定された場合、すなわち、現在捲回されている一素子分の負電極シート5の終端部がシート切断カッタ72に到達した場合には、一方の巻芯13(14)の回転動作が一時停止され、負電極シート5の供給が停止される。
そして、続くステップS38において、シート挿入機構71により負電極シート5が把持された上で、シート切断カッタ72により負電極シート5が切断される。
次いで、ステップS39において、一方の巻芯13(14)の回転を再開させることにより、電極シート4,5の終端部分(巻き残し部分)が巻き取られる。
続くステップS40では、セパレータ2,3が切断されることなく、ターレット12が回転させられる。これにより、捲回ポジションP1にあった一方の巻芯13(14)がセパレータ供給機構51,61からセパレータ2,3を引き出しつつ、取外しポジションP2側へと移動していく。一方、取外しポジションP2にあった他方の巻芯14(13)が、ターレット12の一方のテーブルに没した状態で、捲回ポジションP1側へと移動していく。尚、他方の巻芯14(13)の周長は、次回捲回される電極シート4,5の厚さに対応したものに調節されている。
続いて、ステップS41において、ターレット12の回転に併せて、各種シート2〜5の捲回されている一方の巻芯13(14)が自身の中心軸を回転軸として回転させられる。
そして、次のステップS42において、巻終わり処理を実行する。巻終わり処理では、まず、一方の巻芯13(14)の回転数が所定数に到達した時点で、一方の巻芯13(14)の回転が停止される。尚、一方の巻芯13(14)の回転が停止する前、停止と同時、又は、停止した後に、ターレット12の回転が停止されることとなる。
一方の巻芯13(14)及びターレット12の回転が停止されると、捲回ポジションP1にあった一方の巻芯13(14)が取外しポジションP2に位置し、取外しポジションP2にあった他方の巻芯14(13)が捲回ポジションP1に位置した状態となる(図13参照)。さらに、このときには、一方の巻芯13(14)とガイドローラ78a,78b間において、セパレータ2,3が一方の支持ローラ15a(15b)に架けられた状態となっている。
この状態で、押えローラ17を一方の巻芯13(14)に接近させ、押えローラ17により各種シート2〜5を押えた上で、セパレータカッタ16がセパレータ2,3に接近することにより、セパレータ2,3が切断される。
尚、セパレータ2,3の切断に先立って、他方の巻芯14(13)がターレット12の一方のテーブルから突出することで、他方の巻芯14(13)のスリット14e(13e)にセパレータ2,3が挿通される。さらに、チャック機構14p(13p)等によりセパレータ2,3を挟持した上で、他方の巻芯14(13)が所定量だけ回転することにより、他方の巻芯14(13)の外周にセパレータ2,3が所定量だけ巻き付けられる。
セパレータ2,3の切断後、押えローラ17により各種シート2〜5を押えた状態のまま、一方の巻芯13(14)を回転させる。これにより、セパレータ2,3及び電極シート4,5の終端部分がばらけることなく完全に巻取られる。その後、テープ貼付機構18により、セパレータ2,3の終端部が前記固定用テープにより巻止めされ、巻終わり処理が終了される。
次いで、ステップS43において、一方の端子19aに電圧の印加されていない通電端子19が一方の巻芯13(14)に対し接近移動し、接点13k(14k)と接触する(図14参照)。これにより、ピエゾアクチュエータ13j(14j)は、放電して縮み変形し、元の形状へと戻る。その結果、一方の巻芯13(14)の周長は最小値となり、巻芯13(14)の周長変更が解除される。尚、巻芯13(14)の周長変更が解除されることで、一方の巻芯13(14)からその外周に位置する電池素子1(各種シート2〜5)へと加わっている応力が減少することとなる。
そして最後に、ステップS44において、チャック機構13p(14p)が収縮し、セパレータ2,3の把持が解除された上で、前記取外装置によって、一方の巻芯13(14)から電池素子1が取外されることにより、捲回工程が終了される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、例えば、計測された電極シート4,5の厚さが比較的大きい場合、つまり、図15に示すように、捲回が進むにつれて、電極シート4,5のタブ4a,5aが通常配置されるべき位置(図15の点線上の位置)よりも徐々に巻芯13(14)の回転方向前方側(以下、単に「前方側」と称す)にずれていくこととなる場合、補正値aが負数とされ、巻芯13(14)の周長が比較的小さなものとされる。これにより、捲回当初において、電極シート4,5における各部位は通常配置されるべき位置よりも巻芯13(14)の回転方向後方側(以下、単に「後方側」と称す)に配置されることとなる。そして、このように後方側へと配置位置がずれている分だけ、捲回が進むことに伴いタブ4a,5aが徐々に前方側へとずれていっても、そのずれが吸収されることとなる。その結果、タブ4a,5aが通常配置されるべき位置よりも前方側に大きくずれて配置されてしまうといった事態をより生じにくくすることができる。
一方、計測された電極シート4,5の厚さが比較的小さい場合、つまり、図16に示すように、捲回が進むにつれて、電極シート4,5のタブ4a,5aが通常配置されるべき位置(図16の点線上の位置)よりも徐々に後方側に配置されていくこととなる場合、補正値aが正数とされ、巻芯13(14)の周長が比較的大きなものとされる。これにより、捲回当初において、電極シート4,5における前記各部位は通常配置されるべき位置よりも前方側に配置されることとなる。そして、このように前方側へと配置位置がずれている分だけ、捲回が進むことに伴いタブ4a,5aが徐々に後方側へとずれていっても、そのずれが吸収されることとなる。その結果、タブ4a,5aが通常配置されるべき位置よりも後方側に大きくずれて配置されてしまうといった事態をより生じにくくすることができる。
その結果、タブ4a,5aを電池素子1の周方向に沿った所定の範囲内へとより確実に配置することができる。
また、巻芯13,14の周長は、ピエゾアクチュエータ13j,14jにおける給電による伸縮変形によって変更される。そのため、巻芯13,14の周長変更にあたって、部品の摺動が生じないようにすることができる。その結果、金属粉などの異物が発生してしまうことをより確実に防止でき、電池素子1の品質を高めることができる。
さらに、ピエゾアクチュエータ13j,14jは、巻芯13,14(本実施形態では、巻芯13,14の内部)に設けられるとともに、給電遮断時の変形状態を無給電で維持することができるように構成されている。従って、変形状態を維持するための機構を別途設けることなく、巻芯13,14の回転時等において、アクチュエータの変形状態を容易に維持することができる。そのため、捲回装置10のコンパクト化を効果的に図ることができる。
併せて、ピエゾアクチュエータ13j,14jを戻り変形させた状態で巻芯13,14から電池素子1を取外すため、電池素子1に対し取外に伴う傷や変形が生じてしまうことをより確実に防止できる。その結果、電池素子1の品質向上をより効果的に図ることができる。
また、本実施形態では、ピエゾアクチュエータ13j,14jを用いることで、巻芯13,14の周長を非常に高い精度(例えば、ミクロン単位)で制御することができる。
さらに、ピエゾアクチュエータ13j,14jは、非常に高速に変位(充電)可能であるため、巻芯13,14の周長を瞬時に変更することができ、生産性を高めることができる。
加えて、巻芯13,14の周長変更に際してピエゾアクチュエータ13j,14jの摩耗が生じないため、巻芯13,14の周長を繰り返し変更することに伴い、巻芯13,14の周長の制御に係る精度が低下してしまうことを防止できる。その結果、精度低下に対応するためのメンテナンスなどがほとんど必要なくなり、生産性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、チャック機構13p,14p等によりセパレータ2,3を挟持した状態になると、一方の芯片13a(14a)は、チャック機構13p(14p)を介して他方の芯片13b(14b)によって支持された状態となる。そのため、捲回時等における巻芯13,14の撓みや傾きをより確実に防止することができ、タブ4a,5aの位置の補正精度の向上、及び、各種シート2〜5における蛇行やしわの発生抑制をより効果的に図ることができる。その結果、電池素子1の品質をより一層高めることができる。
さらに、本実施形態において、巻芯13,14の周長変更に伴い、各種シート2〜5が捲回されることとなる、芯片13b,14bの外周面や可動部材13g,14gの外周面の形状に変化が生じてしまうことがない。これにより、巻芯13,14の周長変更に伴い、得られる電池素子1の形状にバラツキが生じてしまうことを抑制でき、電池素子1の品質向上を一層確実に図ることができる。
加えて、巻芯13,14に対する次の各種シート2〜5の捲回前に、ピエゾアクチュエータ13j,14jが一旦放電され、ピエゾアクチュエータ13j,14jの変形状態がリセットされるように構成されている。そのため、ヒステリシス特性の影響などを抑制することができ、巻芯13,14の周長をより精度よく狙いの値に合わせることができる。その結果、タブ4a,5aの位置の補正精度を一層高めることができ、電池素子1の品質をより一層高めることができる。
また、捲回前の一素子分の電極シート4,5の全域における厚さが予め計測されるとともに、これら電極シート4,5の捲回時には、予め計測されたその厚さに基づき、巻芯13,14の周長が制御される。従って、巻芯13,14の周長を捲回される電極シート4,5の厚さに合わせた最適なものとすることができる。その結果、タブ4a,5aを所定の範囲内へと一層確実に配置することができる。
さらに、制御装置81におけるハードディスクの内容と、固定用テープに付された通し番号を照合することで、各電池素子1を得る際に用いられた補正値aや印加電圧Vaを容易に把握することができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態における巻芯13,14の構成は一例であって、巻芯13,14の構成は適宜変更可能である。
従って、例えば、図17に示すように、巻芯91のうち各種シート2〜5が捲回される部位〔例えば、一方の芯片91aの外周〕に、ピエゾアクチュエータ91dが伸縮変形しても形状が変形しない固定周長部91bと、ピエゾアクチュエータ91dの伸縮変形に伴い、固定周長部91bに対する突出量Pが変動可能に構成された変動周長部91cとを設け、ピエゾアクチュエータ91dの伸縮変形に伴い、巻芯91の周長が調節されるように構成してもよい。
この場合には、巻芯91の周長を簡易な構成で変更することが可能となり、捲回装置10のコンパクト化をより確実に図ることができる。
また、ピエゾアクチュエータ91dを縮み変形させたときに、変動周長部91cをセパレータ2,3等からより確実に離間させることができる。その結果、電池素子1の取外時に、電池素子1に傷や変形が生じてしまうことを一層確実に防止でき、電池素子1の品質向上をより効果的に図ることができる。
さらに、巻芯のうち各種シート2〜5が捲回される部位(外周面)の形状は、断面円形状に限られるものではなく、図18に示すように、巻芯92の外周面が断面楕円形状をなすように構成してもよい。尚、図18に示す例において、一方の芯片92aは、ベース部材92bと、可動部材92cと、両部材92b,92cに挟み込まれたピエゾアクチュエータ92dとを備えており、ピエゾアクチュエータ92dの変形に伴い、巻芯92の周長が調節される。
また、図19に示すように、巻芯93の外周面が断面長円形状をなすように構成してもよい。尚、図19に示す例において、一方の芯片93aは、ベース部材93bと、可動部材93cと、両部材93b,93cに挟み込まれたピエゾアクチュエータ93dとを備えており、ピエゾアクチュエータ93dの変形に伴い、巻芯92の周長が調節される。本例では、巻芯93の外周面における平坦部分に沿ってピエゾアクチュエータ93dが変形するように構成されているため、ピエゾアクチュエータ93dとして比較的長いものを用いることが可能となっている。そのため、巻芯93の周長をより広い範囲で調節可能である。
加えて、図20に示すように、巻芯94の外周面が断面菱形状や断面平行四辺形状をなすように構成してもよい。勿論、巻芯の外周面が断面多角形状をなすように構成してもよい。
さらに、巻芯の外周面が断面円形状や断面楕円形状などをなす場合、すなわち、図21に示すように、一方の芯片95aを、巻芯95の長手方向と直交する断面において、スリット95gの延びる方向に沿った長さが、スリット95gの延びる方向と直交する方向に沿った長さ以上となるように構成した場合には、ピエゾアクチュエータ95dがスリット95gの延びる方向に沿って伸縮変形するように構成してもよい。具体的には、一方の芯片95aに対し、ベース部材95cと、ピエゾアクチュエータ95dと、第一可動部材95e及び第二可動部材95fとを設ける。ベース部材95cは、他方の芯片95bとの間でスリット95gを形成する部位である。ピエゾアクチュエータ95dは、ベース部材95cに取付けられており、上記の通り、スリット95gの延びる方向に沿って伸縮変形可能に構成されている。第一可動部材95e及び第二可動部材95fは、ピエゾアクチュエータ95dをその変形方向に沿って挟むように配置されており、ピエゾアクチュエータ95dの伸縮変形に伴い、両可動部材95e,95f間の間隔Kが変動する。そして、ピエゾアクチュエータ95dの変形に伴い前記間隔Kが変動することで、巻芯95の周長が調節されることとなる。
このように構成した場合には、スリット95gを避けた位置にピエゾアクチュエータ95dを配置したとしても、より長く、より変位量が大きなピエゾアクチュエータ95dを用いることができる。これにより、巻芯95の周長の変位量を十分に確保することができる。その結果、より広範囲な電極シート4,5の厚さバラツキに対応してタブ4a,5aの位置補正を行うことができる。
尚、このような構成は、巻芯の径が小さい場合など、ピエゾアクチュエータの変位量を十分に確保することが難しい場合に、特に有効である。
(b)上記実施形態では、アクチュエータとしてピエゾアクチュエータ13j,14jを挙げているが、アクチュエータとして、所定の機能性ゴム及びコンデンサを備えたものを用いてもよい。尚、機能性ゴムとしては、給電電圧に対応して伸縮変形量が変動し、放電により元の形状に戻り変形可能に構成されたもの〔例えば、住友理工株式会社製の「スマートラバー」(登録商標)〕等を挙げることができる。また、コンデンサは、前記機能性ゴムに対する電圧の印加経路に配置されるものであり、前記機能性ゴムにおいて給電遮断時の変形状態を無給電で維持する(給電遮断時に前記機能性ゴムが弾性により元の形状に戻ることを防止する)ために用いられる。
(c)上記実施形態において、チャック機構13p,14pはエアにより膨張・収縮することで動作するように構成されているが、チャック機構の構成は適宜変更可能である。また、チャック機構を設けないように構成してもよい(例えば、図19参照)。
(d)上記実施形態では、巻芯13,14の周長を調節することで、タブ4a,5aの位置ずれ抑制が図られているが、巻芯13,14の周長とともに、捲回時に各種シート2〜5に付与される張力を調節することで、タブ4a,5aの位置ずれをより確実に抑制するように構成してもよい。
(e)上記実施形態において、一方の端子19aに電圧を印加する電源は、正電圧を出力するように構成されているが、負電圧を出力するものであってもよい。尚、この場合には、給電に伴いアクチュエータが縮み変形することで、巻芯13,14の周長が変更される。
(f)上記実施形態におけるタブ4a,5aは、理想状態において、それぞれ1列に並ぶように構成されているが、理想状態におけるタブ4a,5aの配設位置は、適宜変更可能である。例えば、理想状態において、タブ4a,5aが2列に並ぶように構成してもよい。
(g)上記実施形態では、捲回前の電極シート4,5の厚さに基づき、補正値aや印加電圧Vaが決定されているが、捲回後の電極シート4,5の厚さ(得られた電池素子1における電極シート4,5の厚さ)に基づき、次回以降の捲回時にて使用される補正値aや印加電圧Vaを決定するように構成してもよい。すなわち、得られた電池素子1における電極シート4,5の厚さに基づき、次回以降の捲回時に使用される補正値aや印加電圧Vaがフィードバック制御されるように構成してもよい。尚、捲回後の電極シート4,5の厚さは、電池素子1の端面の撮像画像などを解析すること等により得ることができる。
また、例えば、シート原反32,42を構成する電極シート4,5の厚さを予め計測しておき、その予め計測した厚さに基づいて補正値aや印加電圧Vaを決定してもよい。
(h)上記実施形態において、巻芯13,14は、取外しポジションP2に配置されているときに周長が調節されるように構成されているが、巻芯の周長の変更タイミングは、各種シート2〜5の捲回前であればよい。従って、例えば、巻芯13(14)が捲回ポジションP1へと配置された段階で、巻芯13(14)の周長を調節するように構成してもよい。尚、この場合には、捲回ポジションP1に対応して通電端子19を設けることが好ましい。
(i)補正値aや印加電圧Vaは、電極シート4,5の厚さに基づき決定されるものであればよく、これらの算出手法は特に限定されるものではない。従って、例えば、一定時間又は一定の搬送量ごとに計測された電極シート4,5の厚さに基づき、補正値aや印加電圧Vaを決定してもよい。また、補正値aや印加電圧Vaを、各電極シート4,5の個々の厚さに基づいて決定してもよいし、各電極シート4,5の厚さの合計値に基づいて決定してもよい。
(j)上記実施形態において、タブ4a,5aは、電極シート4,5に対し溶接により接合されたもの(いわゆる溶接タブ)であるが、タブの構成はこれに限定されるものではない。従って、タブとしては、例えば、電極シートの幅方向端部に切込みを間欠的に設けることにより電極シートにおける前記切込み間に形成されたもの(いわゆる切込みタブ)であってもよい。
(k)上記実施形態において、周長変更機構13h,14hは、一方の芯片13a(14a)のみに設けられているが、周長変更機構を各芯片13a,13b(14a,14b)に対しそれぞれ設けることとしてもよい。
(l)上記実施形態では、セパレータ2,3をある程度捲回した後に、シート挿入機構71によって、巻芯13(14)に対し両電極シート4,5が供給されるように構成されている。これに対し、チャック機構13p(14p)によってセパレータ2,3とともに両電極シート4,5を把持した上で捲回を開始することにより、巻芯13(14)に対する電極シート4,5の供給工程が不要となるように構成してもよい。
(m)上記実施形態において、捲回部11は、2つの巻芯13,14を備えた構成となっているが、巻芯の数はこれに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上の巻芯を備えた構成であってもよい。
(n)上記実施形態では、捲回装置10によって、リチウムイオン電池の電池素子1が製造されているが、捲回装置10によって製造される捲回素子はこれに限定されるものではなく、例えば、電解コンデンサの捲回素子等を製造することとしてもよい。
(o)セパレータ2,3や電極シート4,5の材質は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、セパレータ2,3をPPにより形成することとしているが、他の絶縁性材料によってセパレータ2,3を形成することとしてもよい。また、例えば、電極シート4,5に塗布される活物質を適宜変更してもよい。
1…電池素子(捲回素子)、2,3…セパレータ、4,5…電極シート、4a…正電極タブ(タブ)、5a…負電極タブ(タブ)、10…捲回装置、13,14…巻芯、13a,13b,14a,14b…芯片、13e,14e…スリット、13f,14f…ベース部材、13g,14g…可動部材、13h,14h…周長変更機構(周長変更手段)、13j,14j…ピエゾアクチュエータ(アクチュエータ)、13p,14p…チャック機構(チャック手段)、81…制御装置(制御手段)、91b…周長固定部、91c…変動周長部、95e…第一可動部材、95f…第二可動部材。

Claims (7)

  1. 所定のタブを備えるとともに表面に活物質を有する帯状の電極シートと、絶縁素材からなる帯状のセパレータとをそれぞれ所定の供給機構から回転可能な巻芯に供給するとともに、前記巻芯が回転することで前記電極シート及び前記セパレータを重ねつつ捲回する捲回装置であって、
    前記巻芯に設けられるとともに、給電電圧に対応して伸縮変形量が変動し、かつ、給電遮断時の変形状態を無給電で維持可能である一方、放電により元の形状に戻り変形可能に構成されたアクチュエータを具備してなる周長変更手段と、
    前記電極シートの厚さを計測する厚さ計測手段と、
    前記アクチュエータに対する給電及び放電を制御可能であるとともに、前記厚さ計測手段による計測結果に基づき前記アクチュエータを制御することで、捲回時における、前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部分の前記回転方向に沿った長さを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする捲回装置。
  2. 前記アクチュエータは、圧電素子を備えたピエゾアクチュエータであることを特徴とする請求項1に記載の捲回装置。
  3. 前記巻芯は、その回転軸方向に延びるとともに、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられる2つの芯片を備え、
    前記両芯片のうちの一方は、前記両芯片のうちの他方との間で、前記両芯片間に形成されたスリットにおいて前記電極シート及び前記セパレータのうち少なくとも前記セパレータを挟持可能なチャック手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の捲回装置。
  4. 前記巻芯は、その回転軸方向に延びるとともに、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられる2つの芯片を備え、
    前記両芯片間には、前記回転軸と直交する方向に延びるスリットが形成されており、
    前記両芯片のうちの一方は、
    前記両芯片のうちの他方との間で前記スリットを形成するベース部材と、
    前記スリットの延びる方向と直交する方向に沿って伸縮変形可能に構成された前記アクチュエータを、その変形方向に沿って前記ベース部材とで挟むように配置された可動部材とを備え、
    前記両芯片のうちの他方の外周面及び前記可動部材の外周面に対し、前記電極シート及び前記セパレータが捲回されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の捲回装置。
  5. 前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部位は、
    所定の固定周長部と、
    前記固定周長部に対する突出量が変動可能に構成された変動周長部とを備え、
    前記アクチュエータの伸縮変形に伴い、前記固定周長部に対する前記変動周長部の突出量が変動することで、前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部位の前記回転方向に沿った長さが調節されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の捲回装置。
  6. 前記巻芯は、その回転軸方向に延びるとともに、前記回転軸と直交する方向に並んだ状態で設けられる2つの芯片を備え、
    前記両芯片間には、前記回転軸と直交する方向に延びるスリットが形成されており、
    前記芯片のうちの一方は、前記巻芯の長手方向と直交する断面において、前記スリットの延びる方向に沿った長さが、前記スリットの延びる方向と直交する方向に沿った長さ以上となるように構成されており、かつ、前記スリットの延びる方向に沿って変形可能に構成された前記アクチュエータをその変形方向に沿って挟むようにして配置された第一可動部材及び第二可動部材を備え、
    前記アクチュエータの変形に伴い前記第一可動部材及び前記第二可動部材間の間隔が変動することで、前記巻芯のうち前記電極シート及び前記セパレータが捲回される部分の前記回転方向に沿った長さが変更されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の捲回装置。
  7. 前記制御手段は、前記巻芯に対する前記電極シート及び前記セパレータの捲回完了後であって、当該巻芯に対する次の前記電極シート及び前記セパレータの捲回開始前に、前記アクチュエータを放電させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の捲回装置。
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