JP2017190855A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチ機構の非作動時における引き摺りトルクの低減効果、及びクラッチ機構の作動時におけるクラッチプレートの摩耗の抑制効果を共に高めることが可能な駆動力伝達装置を提供する。【解決手段】駆動力伝達装置1は、第1回転部材41及び第2回転部材42と、第1回転部材41と共に回転するインナクラッチプレート53及び第2回転部材42と共に回転するアウタクラッチプレート54を有するクラッチ機構5と、クラッチ機構5を収容するクラッチ収容室2b、及びクラッチ収容室2bと連通してクラッチ機構5を潤滑する潤滑油Lを収容する潤滑油収容室2cを有するハウジング2と、潤滑油収容室2cに貯留される潤滑油Lの量を調整する揺動リング6とを備え、揺動リング6が第1回転部材41の回転方向に所定の角度範囲で連れ回りすることにより、潤滑油収容室2cに貯留される潤滑油Lの量が調整される。【選択図】図3

Description

本発明は、回転部材間で駆動力を伝達する駆動力伝達装置に関する。
従来、回転部材間で駆動力を断続可能に伝達する駆動力伝達装置が、例えば二輪駆動状態と四輪駆動状態とを切り替え可能なパートタイム式の四輪駆動車における補助駆動輪への駆動力伝達系に用いられている。この種の駆動力伝達装置には、潤滑油によってクラッチプレート間の摩擦摺動が潤滑されるクラッチを有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の駆動力伝達装置は、駆動源の駆動力によって回転する第1回転部材と、第1回転部材と同一回転軸線上で相対回転可能な第2回転部材と、第1回転部材と第2回転部材との間に配置された複数のクラッチプレートを有するクラッチと、クラッチを収容するクラッチ収容室、及びクラッチを潤滑する潤滑油を収容する潤滑油収容室(タンク部)を有するケースとを備えている。ケースには、四輪駆動車の二輪駆動状態における第1回転部材の回転による潤滑油の油流の方向に沿ってクラッチ収容室から潤滑油収容室に潤滑油を導入する油導入口、及び油導入口よりも狭い開口面積を有して潤滑油収容室からクラッチ収容室に潤滑油を導出する油導出口が設けられている。
第1回転部材は、補助駆動輪側のディファレンシャル装置のサイドギヤに連結され、第2回転部材は、左右一対の補助駆動輪のうち一方の補助駆動輪に駆動力を伝達するシャフトに連結されている。第1回転部材は、ディファレンシャル装置の差動機構により、二輪駆動状態と四輪駆動状態とでケースに対する回転方向が逆転する。
この駆動力伝達装置によれば、クラッチによって駆動力が伝達されない二輪駆動状態では、潤滑油収容室に多くの潤滑油が貯留されてクラッチプレート間に介在する潤滑油が減少することにより、潤滑油の粘性による引き摺りトルクが低減される。また、クラッチが作動する四輪駆動状態では、潤滑油収容室に潤滑油が導入され難いので、クラッチ収容室に多くの潤滑油が滞留し、クラッチプレートの摩耗が抑制される。
特開2013−100079号公報
上記のように構成された駆動力伝達装置では、二輪駆動状態ではより多くの潤滑油が潤滑油収容室に貯留され、かつ二輪駆動状態から四輪駆動状態に移行した際には、潤滑油収容室に貯留された潤滑油が速やかにクラッチ収容室に供給されることが望ましい。しかし、特許文献1に記載の駆動力伝達装置では、油導出口の開口面積を小さくすれば二輪駆動状態においてより多くの潤滑油が潤滑油収容室に貯留されるものの、四輪駆動状態に移行した際に潤滑油収容室に貯留された潤滑油が速やかに排出されなくなってしまう。一方、油導出口の開口面積を大きくすれば、二輪駆動状態におけるクラッチの引き摺りトルクが増大してしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、クラッチ機構の非作動時における引き摺りトルクの低減効果、及びクラッチ機構の作動時におけるクラッチプレートの摩耗の抑制効果を共に高めることが可能な駆動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、同一回転軸線上で相対回転可能な第1回転部材及び第2回転部材と、前記第1回転部材と共に回転する第1クラッチプレート及び前記第2回転部材と共に回転する第2クラッチプレートを有するクラッチ機構と、前記クラッチ機構を収容するクラッチ収容室、及び前記クラッチ収容室と連通して前記第1クラッチプレートと前記第2クラッチプレートとの摩擦摺動を潤滑する潤滑油を収容する潤滑油収容室を有するハウジングと、前記潤滑油収容室に貯留される潤滑油の量を調整する調整部材とを備え、前記調整部材が前記第1回転部材の回転方向に所定の角度範囲で連れ回りすることにより、前記潤滑油収容室に貯留される潤滑油の量が調整される、駆動力伝達装置を提供する。
本発明に係る駆動力伝達装置によれば、クラッチ機構の非作動時における引き摺りトルクの低減効果、及びクラッチ機構の作動時におけるクラッチプレートの摩耗の抑制効果を共に高めることが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置が搭載された四輪駆動車の構成例を示す構成図である。 駆動力伝達装置の構成例を水平断面で示す断面図である。 駆動力伝達装置の要部を垂直断面で示す断面図である。 図3の一部を拡大して示す拡大図であり、(a)は潤滑油収容室の上端部を示し、(b)は潤滑油収容室の下端部を示している。 第1ハウジング部材等を第2ハウジング部材側から見た構成図である。 第1ハウジング部材の上端部を示す斜視図である。 第2ハウジング部材及び揺動リングを第1ハウジング部材から見た構成図である。 (a)及び(b)は、第2の実施の形態に係るフィンプレートが適用された駆動力伝達装置の断面を示す拡大図である。 フィンプレートを示し、(a)は第2ハウジング部材側から見た平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)はフィンプレートの一部を拡大して示す斜視図である。 第3の実施の形態に係る揺動リングを第2ハウジング部材と共に示す構成図であり、(a)は揺動リングが第1位置にある状態を、(b)は揺動リングが第2位置にある状態を、それぞれ示す。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
(四輪駆動車の全体構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置が搭載された四輪駆動車の構成例を示す構成図である。
四輪駆動車100は、走行用の駆動力を発生させる駆動源としてのエンジン102、トランスミッション103、左右一対の主駆動輪としての前輪104L,104R及び左右一対の補助駆動輪としての後輪105L,105Rと、エンジン102の駆動力を前輪104L,104R及び後輪105L,105Rに伝達可能な駆動力伝達系101と、制御装置13及び油圧ユニット14とを備えている。なお、本実施の形態において、各符号における「L」及び「R」は、車両の前進方向に対する左側及び右側の意味で使用している。
この四輪駆動車100は、エンジン102の駆動力を前輪104L,104R及び後輪105L,105Rに伝達する四輪駆動状態と、エンジン102の駆動力を前輪104L,104Rのみに伝達する二輪駆動状態とを切り替え可能である。なお、本実施の形態では、駆動源として内燃機関であるエンジンを適用した場合について説明するが、これに限らず、エンジンとIPM(Interior Permanent Magnet Synchronous)モータ等の高出力電動モータとの組み合わせによって駆動源を構成してもよく、高出力電動モータのみによって駆動源を構成してもよい。
駆動力伝達系101は、フロントディファレンシャル11と、駆動力の伝達を遮断可能な噛み合いクラッチ12と、プロペラシャフト108と、駆動力伝達装置1と、前輪側のドライブシャフト106L,106Rと、後輪側のドライブシャフト107L,107Rとを有する。前輪104L,104Rには、エンジン102の駆動力が常に伝達される。後輪105L,105Rには、噛み合いクラッチ12及びプロペラシャフト108を介してエンジン102の駆動力が伝達される。
フロントディファレンシャル11は、一対の前輪側のドライブシャフト106L,106Rにそれぞれ連結された一対のサイドギヤ111、一対のサイドギヤ111にギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ112、一対のピニオンギヤ112を支持するピニオンギヤ支持部材113、及びこれら一対のサイドギヤ111と一対のピニオンギヤ112とピニオンギヤ支持部材113を収容するフロントデフケース114を有している。
噛み合いクラッチ12は、フロントデフケース114と一体に回転する外側回転部材121と、外側回転部材121よりも内側に配置されて外側回転部材121と同軸上で相対回転可能な内側回転部材122と、外側回転部材121と内側回転部材122とを相対回転不能に連結することが可能なスリーブ123とを有している。
プロペラシャフト108は、エンジン102のトルクをフロントデフケース114から噛み合いクラッチ12を介して受け、駆動力伝達装置1側に伝達する。プロペラシャフト108の前輪側端部には、噛み合いクラッチ12の内側回転部材122に相対回転不能に連結されたリングギヤ108bに噛み合うピニオンギヤ108aが設けられている。
エンジン102は、トランスミッション103、及びフロントディファレンシャル11を介して、一対の前輪側のドライブシャフト106L,106Rに駆動力を出力することにより、一対の前輪104L,104Rを駆動する。また、エンジン102は、トランスミッション103、噛み合いクラッチ12、プロペラシャフト108、及び駆動力伝達装置1を介して駆動力を後輪側のドライブシャフト107L,107Rに駆動力を出力することにより、一対の後輪105L,105Rを駆動する。
駆動力伝達装置1は、プロペラシャフト108から入力される駆動力を後輪側のドライブシャフト107L,107Rに差動を許容して配分する。ドライブシャフト107Lは左後輪105Lに連結され、ドライブシャフト107Rは右後輪105Rに連結されている。
油圧ユニット14は、制御装置13によって制御され、駆動力伝達装置1に作動油を供給する。駆動力伝達装置1は、この作動油の圧力によって作動し、プロペラシャフト108から後輪側のドライブシャフト107L,107Rへ駆動力を伝達する。制御装置13は、例えば前輪104L,104Rの平均回転速度と後輪105L,105Rの平均回転速度との差である差動回転速度が高いほど、また運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作量が大きいほど、高い圧力の作動油が駆動力伝達装置1に供給されるように、油圧ユニット14を制御する。
(駆動力伝達装置1の構成)
図2は、駆動力伝達装置1の構成例を水平断面で示す断面図である。図3は、駆動力伝達装置1の要部を垂直断面で示す断面図である。図3では、図面上側が四輪駆動車100への搭載状態における鉛直方向の上側にあたり、図面下側が四輪駆動車100への搭載状態における鉛直方向の下側にあたる。なお、以下の記載において、「上」及び「下」とは、駆動力伝達装置1が四輪駆動車100に搭載された状態における鉛直方向の上下をいうものとする。
図2に示すように、駆動力伝達装置1は、第1乃至第3ハウジング部材21〜23からなるハウジング2と、プロペラシャフト108(図1に示す)に連結されるピニオンギヤシャフト30と、ピニオンギヤシャフト30から伝達された駆動力を第1及び第2サイドギヤ341,342から差動を許容して出力する差動機構3と、第1サイドギヤ341と一体に回転する第1回転部材41と、第1回転部材41と回転軸線Oを共有して同一回転軸線上で相対回転可能な第2回転部材42と、第1回転部材41から第2回転部材42に駆動力を断続可能に伝達するクラッチ機構5と、油圧ユニット14(図1に示す)から供給される作動油の圧力によって動作するピストン部材50と、後述する揺動リング6及び磁性リング7と、各部の回転を円滑にする軸受81〜89と、シール部材91〜94とを備えている。揺動リング6は、本発明の「調整部材」に相当し、磁性リング7は、本発明の「回転力付与部材」に相当する。
ハウジング2は、クラッチ機構5を収容する第1ハウジング部材21と、ピニオンギヤシャフト30及び差動機構3を収容する第3ハウジング部材23と、第1ハウジング部材21と第3ハウジング部材23との間に配置された第2ハウジング部材22とを有している。第1ハウジング部材21と第2ハウジング部材22とは複数のボルト241によって結合され、第2ハウジング部材22と第3ハウジング部材23とは複数のボルト242によって結合されている。ハウジング2は、差動機構3を収容する差動機構収容室2aと、クラッチ機構5を収容するクラッチ収容室2bと、クラッチ収容室2bと連通して潤滑油Lを収容する潤滑油収容室2cとを有している。潤滑油収容室2cは、第2ハウジング部材22に形成されている。
ピニオンギヤシャフト30は、ボルト301及び座金302によって、プロペラシャフト108(図1に示す)が連結される連結部材303と一体回転するように結合されている。また、ピニオンギヤシャフト30は、一対の軸受81,82によって回転可能に支持され、ギヤ部300が差動機構3のリングギヤ35に噛み合っている。
差動機構3は、デフケース31と、デフケース31に支持されたピニオンシャフト32と、ピニオンシャフト32に軸支された一対のピニオンギヤ33と、一対のピニオンギヤ33にギヤ軸を直交させて噛合する第1及び第2サイドギヤ341,342と、デフケース31と一体に回転するリングギヤ35とを有している。デフケース31は、車幅方向の両端部が軸受83,84によって回転可能に支持されている。
リングギヤ35とピニオンギヤシャフト30のギヤ部300との噛み合い、及び一対のピニオンギヤ33と第1及び第2サイドギヤ341,342との噛み合いは、図略のデフオイルによって潤滑される。このデフオイルは、ギヤの噛み合いを潤滑するのに適した粘度を有し、シール部材91〜93によって第3ハウジング部材23内に封入されている。
第1サイドギヤ341には、第1回転部材41がスプライン嵌合により一体回転するように連結される。第2サイドギヤ342には、ドライブシャフト107Rがスプライン嵌合により一体回転するように連結される。第2回転部材42には、ドライブシャフト107Lがスプライン嵌合により一体回転するように連結される。
図3に示すように、クラッチ機構5は、第1回転部材41と一体に回転するクラッチハブ51と、第2回転部材42と一体に回転するクラッチドラム52と、クラッチハブ51にスプライン嵌合する複数のインナクラッチプレート53と、クラッチドラム52にスプライン嵌合する複数のアウタクラッチプレート54と、クラッチハブ51と一体回転するように連結された押圧部材55と、押圧部材55を付勢する弾性部材56とを有している。なお、インナクラッチプレート53が本発明の「第1クラッチプレート」に相当し、アウタクラッチプレート54が本発明の「第2クラッチプレート」に相当する。
複数のインナクラッチプレート53と複数のアウタクラッチプレート54とは、第1回転部材41及び第2回転部材42の回転軸線Oと平行な方向に沿って交互に並んで配置されている。インナクラッチプレート53は、その内周端部に複数の係合突起531を有し、アウタクラッチプレート54は、その外周端部に複数の係合突起541を有している。
クラッチハブ51は、外周面に回転軸線Oと平行に延びる複数のスプライン突起からなるスプライン嵌合部511aが形成された円筒部511と、円筒部511の一端部から内方に延在して第1回転部材41に連結された連結部512とを一体に有している。本実施の形態では、クラッチハブ51の連結部512が溶接によって第1回転部材41の外周面に連結されているが、これに限らず、連結部512が例えばスプライン嵌合によって第1回転部材41と連結されていてもよい。
クラッチハブ51の円筒部511に形成されたスプライン嵌合部511aには、各インナクラッチプレート53の複数の係合突起531が係合する。これにより、各インナクラッチプレート53は、クラッチハブ51に対して相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能であり、第1回転部材41と共に回転する。
また、クラッチハブ51の円筒部511には、軸方向における連結部512とは反対側の先端部に、押圧部材55に形成された複数の内方突起551を挿通させる複数の溝が形成されている。この溝に内方突起551が係合することにより、押圧部材55は、クラッチハブ51に対して相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能である。内方突起551の先端部は、円筒部511の内周面よりも内側(第1回転部材41側)に突出している。
弾性部材56は、クラッチハブ51の連結部512と、円筒部511の内周面よりも内側に突出した押圧部材55の内方突起551との間に配置されている。弾性部材56は、回転軸線Oと平行な方向に圧縮された状態で配置され、押圧部材55をクラッチハブ51の連結部512から離間する方向に弾性的に付勢している。押圧部材55は、クラッチハブ51の円筒部511の外周側に配置された環状の押圧部550と複数の内方突起551とを一体に有している。
クラッチドラム52は、内周面に回転軸線Oと平行に延びる複数のスプライン突起からなるスプライン嵌合部521aが形成された円筒部521と、円筒部521の一端部から内方に延在する底壁部522と、底壁部522の内周側の端部から第2回転部材42の外周面に沿って延びる連結部523とを一体に有している。クラッチドラム52の円筒部521及び底壁部522は有底円筒状をなし、クラッチドラム52の円筒部521の内周面は、クラッチハブ51の円筒部511の外周面に対向している。
クラッチドラム52の円筒部521に形成されたスプライン嵌合部521aには、各アウタクラッチプレート54の複数の係合突起541が係合する。これにより、各アウタクラッチプレート54は、クラッチドラム52に対して相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能であり、第2回転部材42と共に回転する。なお、本実施の形態では、クラッチドラム52の連結部523がスプライン嵌合によって第2回転部材42の外周面に連結されているが、これに限らず、連結部523が例えば溶接によって第2回転部材42と連結されていてもよい。
複数のインナクラッチプレート53及び複数のアウタクラッチプレート54は、クラッチドラム52の底壁部522と押圧部材55の押圧部550との間に配置されている。クラッチドラム52の底壁部522と第1ハウジング部材21の内面との間には、スラストころ軸受からなる軸受85が配置され、この軸受85によってクラッチドラム52の軸方向移動が規制されている。
複数のインナクラッチプレート53及び複数のアウタクラッチプレート54は、押圧部材55の押圧部550からの押圧力を受けて摩擦接触し、クラッチハブ51とクラッチドラム52との間で駆動力を伝達する。この際、第1回転部材41の回転速度と第2回転部材42の回転速度とが異なる場合には、インナクラッチプレート53とアウタクラッチプレート54とが摩擦摺動する。
インナクラッチプレート53とアウタクラッチプレート54との摩擦摺動は、ハウジング2に封入された潤滑油Lによって潤滑される。潤滑油Lは、クラッチ収容室2bと潤滑油収容室2cとの間を流動可能である。この潤滑油Lにより、インナクラッチプレート53及びアウタクラッチプレート54の摩耗が抑制される。潤滑油Lは、第1回転部材41の外周面と第1ハウジング部材21の内面との間に配置されたシール部材94によってクラッチ収容室2bからの漏れ出しが抑止されている。ハウジング2内における潤滑油Lの量は一定であり、潤滑油収容室2cに貯留される潤滑油Lの量が増えれば、クラッチ収容室2bにおける潤滑油Lの量が減少する。また、潤滑油Lは、差動機構収容室2aにおけるデフオイルよりも低い粘性を有している。潤滑油Lとデフオイルとは、シール部材93によって区画されている。
第2回転部材42は、シール部材94と並置された軸受86によって第1ハウジング部材21に対して回転可能に支持されている。第2回転部材42における第1回転部材41側の端部にはボス部421が形成され、このボス部421の外周に軸受87が配置されている。この軸受87は、第1回転部材41に形成された凹部411の内周に嵌着されている。
第2ハウジング部材22には、第1回転部材41を挿通させる挿通孔220と、油圧ユニット14から作動油が供給されるシリンダ室221と、潤滑油収容室2cとが形成されている。シリンダ室221には、第2ハウジング部材22に形成される図略の作動油供給孔を介して作動油が供給される。挿通孔220には、シール部材93が配置されている。
シリンダ室221は、挿通孔220の外周側に環状に形成され、潤滑油収容室2cは、シリンダ室221のさらに外周側に環状に形成されている。シリンダ室221は、潤滑油収容室2cとの間を区画する外側区画壁223と、外側区画壁223よりも内側に形成された内側区画壁224との間に挟まれて形成されている。シリンダ室221及び潤滑油収容室2cは、共にクラッチ収容室2b側に開口している。
ピストン部材50は、シリンダ室221内に一部が収容されて回転軸線O方向へ移動可能である。ピストン部材50の内周面及び外周面には、それぞれ環状溝が形成されており、この環状溝に外側及び内側のOリング501,502が収容されている。このOリング501,502は、油圧ユニット14からシリンダ室221に供給される作動油がクラッチ収容室2bに漏れることを防ぐシール部材として機能する。ピストン部材50と押圧部材55との間には、スラストころ軸受88が配置されている。
ピストン部材50は、油圧ユニット14からシリンダ室221に作動油が供給されると、作動油の圧力を受けてクラッチ機構5側に移動する。これにより、インナクラッチプレート53とアウタクラッチプレート54とがピストン部材50の押圧力により互いに押し付けられてクラッチ機構5が作動し、第1回転部材41から第2回転部材42に駆動力が伝達される。また、ピストン部材50は、シリンダ室221における作動油の圧力が低下すると、押圧部材55及び軸受88を介して受ける弾性部材56の付勢力(復元力)によってクラッチ機構5側とは反対側に移動する。これにより、クラッチ機構5が非作動状態となり、第1回転部材41と第2回転部材42とが自在に相対回転可能となる。
四輪駆動車100の制御装置13は、前輪104L,104R及び後輪105L,105Rにエンジン102の駆動力が伝達される四輪駆動時には、噛み合いクラッチ12を連結状態とし、かつ油圧ユニット14から供給される作動油によってクラッチ機構5を作動させてトルク伝達可能な状態とする。これにより、エンジン102の駆動力がフロントディファレンシャル11を介して前輪側のドライブシャフト106L,106Rに伝達され、さらにフロントデフケース114、噛み合いクラッチ12、プロペラシャフト108、及び駆動力伝達装置1を介して後輪側のドライブシャフト107L,107Rに伝達される。
一方、前輪104L,104Rのみにエンジン102の駆動力が伝達される四輪駆動車100の二輪駆動時には、噛み合いクラッチ12を連結遮断状態とし、駆動力伝達装置1のクラッチ機構5を非作動としてトルクが伝達されない状態とする。これにより、プロペラシャフト108、ピニオンギヤシャフト30、差動機構3のリングギヤ35、デフケース31、及びピニオンシャフト32が非回転状態となり、デフオイルの撹拌抵抗や各部の摺動抵抗が低減され、四輪駆動車100の燃費を改善することが可能となる。
この二輪駆動の走行時には、第2サイドギヤ342がドライブシャフト107Rと共に回転し、第2サイドギヤ342の回転に伴うピニオンギヤ33の自転(ピニオンシャフト32を回転中心とする回転)により、第1のサイドギヤ341が第2サイドギヤ342と逆方向に回転する。これにより、第1サイドギヤ341に連結された第1回転部材41と、ドライブシャフト107Lに連結された第2回転部材42とが逆方向に回転し、これに伴ってアウタクラッチプレート54とインナクラッチプレート53とが互いに逆方向に回転する。
このため、アウタクラッチプレート54とインナクラッチプレート53との間に介在する潤滑油Lの粘性に起因する引き摺りトルクが大きくなると、二輪駆動の走行時にプロペラシャフト108等の回転を停止させる効果が十分に発揮されず、燃費の改善効果が低下してしまうおそれがある。そこで、本実施の形態に係る駆動力伝達装置1では、二輪駆動の走行時にアウタクラッチプレート54とインナクラッチプレート53との間に介在する潤滑油Lを減らし、クラッチ機構5における引き摺りトルクを低減するように構成されている。この構成について、図4乃至図7を参照して詳細に説明する。
図4は、図3の一部を拡大して示す拡大図であり、(a)は潤滑油収容室2cの上端部を示し、(b)は潤滑油収容室2cの下端部を示している。図5は、第1ハウジング部材21及び磁性リング7等を第2ハウジング部材22側から見た構成図である。図6は、第1ハウジング部材21の上端部を示す斜視図である。図7は、第2ハウジング部材22及び揺動リング6を第1ハウジング部材21側から見た構成図である。
潤滑油収容室2cの開口の一部は、環状の揺動リング6によって閉塞されている。揺動リング6は、図4に示すように、外側区画壁223の先端部に嵌着されたスナップリング225によって外側区画壁223から抜け止めされ、かつ外側区画壁223に支持されて、回転軸線Oを中心とする所定の角度範囲で回動可能である。揺動リング6は、潤滑油収容室2cに貯留される潤滑油Lの量を調整する調整部材として機能する。
潤滑油収容室2cは、上端部及び下端部においてクラッチ収容室2bと連通している。具体的には、図7に示すように、潤滑油収容室2cの上端部が外周側に膨出して膨出部2dが形成され、この膨出部2dから潤滑油Lが潤滑油収容室2cに導入される。また、揺動リング6には、潤滑油収容室2cの下端部に対応する位置に貫通孔60が形成され、この貫通孔60を介して潤滑油収容室2cがクラッチ収容室2bに連通している。膨出部2dから潤滑油収容室2cに導入された潤滑油Lは、貫通孔60からクラッチ収容室2bに排出される。
揺動リング6は、板状の金属からなり、潤滑油収容室2cの開口を塞ぐように配置された円環部61と、円環部61から外周側に突出して設けられた被係止部62とを有している。貫通孔60は、円環部61の下端部に設けられ、被係止部62は、円環部61の上端部から突出している。また、揺動リング6は、主としてアルミニウムからなる導電層6aと、主として鉄からなる軟磁性層6bとが積層された2層構造であり、導電層6aが磁性リング7に対向している。第2ハウジング部材22には、揺動リング6の被係止部62を係止する第1係止部2f及び第2係止部2gが形成されている。揺動リング6は、被係止部62が第1係止部2fに係止される第1位置(図7(a)に示す)と、被係止部62が第2係止部2gに係止される第2位置(図7(b)に示す)との間で、回転軸線Oを中心とする所定の角度範囲で揺動可能である。
磁性リング7は、円環板状の環状回転部材71と、環状回転部材71の一方の側面(揺動リング6との対向面)に固定された複数の永久磁石72とを有している。永久磁石72は、例えばフェライト磁石であり、例えば接着によって環状回転部材71に固定されている。環状回転部材71は、鉄等の軟磁性体からなり、その内周端部には、クラッチハブ51のスプライン嵌合部511aに係合する複数の係合突起711が形成されている。これにより、磁性リング7は、クラッチハブ51に対して相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能であり、及び第1回転部材41と共に回転する。
本実施の形態では、12個の永久磁石72が環状回転部材71の周方向に沿って等間隔に固定されている。これら12個の永久磁石72は、揺動リング6に向かい合う磁極がN極のものとS極のものとが交互に配置されている。磁性リング7を回転軸線Oに沿った軸方向に見た場合に、それぞれの永久磁石72は環状回転部材71の外周端部付近に固定され、環状回転部材71の一方の側面における永久磁石72よりも内周側の領域には、スラストころ軸受88が当接する。この領域における環状回転部材71は、スラストころ軸受88と押圧部材55との間に挟まれる。
磁性リング7が第1回転部材41と共に回転すると、永久磁石72による電磁誘導によって揺動リング6が連れ回りする。この動作原理は、所謂「アラゴの円盤」と同様であり、磁性リング7の永久磁石72が揺動リング6に対して回転することにより導電層6aに発生する渦電流と永久磁石72の磁界との相互作用によって、揺動リング6が磁性リング7から回転力を受けるものである。すなわち、磁性リング7は、第1回転部材41と共に回転して揺動リング6に第1回転部材41の回転方向への回転力を付与する。揺動リング6は、この回転力を受け、磁性リング7の回転に対して遅れながら、磁性リング7と同方向に回転する。
前述のように、揺動リング6は、図7(a)に示す第1位置と図7(b)に示す第2位置との間の所定の角度範囲で揺動可能であるので、磁性リング7が揺動リング6に対して図7(a)に示す矢印D方向に回転する場合には揺動リング6の回転位置が第1位置となり、磁性リング7が揺動リング6に対して図7(b)に示す矢印D方向に回転する場合には揺動リング6の回転位置が第2位置となる。磁性リング7は、四輪駆動車100が二輪駆動状態で前進走行する際に矢印D方向に回転し、四輪駆動車100が四輪駆動状態で前進走行する際に矢印D方向に回転する。この揺動リング6の回動に伴い、第2ハウジング部材22に対する貫通孔60の位置も変化する。
ハウジング2には、揺動リング6が第1位置にあるときに貫通孔60を閉塞する位置に閉塞部226が設けられている。本実施の形態では、閉塞部226が第2ハウジング部材22における潤滑油収容室2c内の下端部に設けられている。閉塞部226は、潤滑油収容室2cの外周面に突設された内方突起として形成されている。閉塞部226は、揺動リング6が第1位置にあるとき、図7(a)に示すように貫通孔60を閉塞し、揺動リング6が第2位置にあるときは、図7(b)に示すように貫通孔60を閉塞しない。これにより、四輪駆動車100が二輪駆動状態で前進走行する際には、貫通孔60を介して潤滑油収容室2cからクラッチ収容室2bに供給される潤滑油Lがゼロもしくは少量となり、四輪駆動車100が四輪駆動状態で前進走行する際には、貫通孔60を介して潤滑油収容室2cからクラッチ収容室2bに潤滑油Lが流出する。
このように、本実施の形態では、ハウジング2に対して第1回転部材41が一方向に回転した場合に潤滑油収容室2cからクラッチ収容室2bに流出する潤滑油が減少し、ハウジング2に対して第1回転部材41が逆方向に回転した場合に潤滑油収容室2cからクラッチ収容室2bに流出する潤滑油が増大する。換言すれば、揺動リング6は、ハウジング2に対して第1回転部材41が一方向(矢印D方向)に回転した場合に潤滑油収容室2cに貯留される潤滑油Lの量を増大させ、第1回転部材41が逆方向(矢印D方向)に回転した場合に潤滑油収容室2cに貯留される潤滑油の量を減少させる。したがって、揺動リング6が第1回転部材41の回転方向に所定の角度範囲で連れ回りすることにより、潤滑油収容室2cに貯留される潤滑油の量が調整される。
また、磁性リング7が第1回転部材41と共に回転すると、クラッチ収容室2bにおける潤滑油Lが掻き上げられ、潤滑油収容室2cの上端部における膨出部2dから流入する。この際、複数の永久磁石72は、第1回転部材41の回転に伴って潤滑油Lをクラッチ収容室2b内で撹拌する突起として機能する。また、磁性リング7の回転による潤滑油Lの掻き上げ方向は、第1回転部材41の回転方向、すなわち四輪駆動車100が二輪駆動状態であるか四輪駆動状態であるかによって異なる。
図5及び図6に示すように、クラッチ収容室2bの上端部には、外周側に膨出した膨出部2eが形成されている。膨出部2eは、クラッチ収容室2bにおいてクラッチ機構5及び磁性リング7が収容された円筒状の収容空間と、第1及び第2の庇部227,228によって区画されている。第1の庇部227と第2の庇部228の間には、回転軸線Oと平行に延びる開口部229が形成されている。クラッチ収容室2bの膨出部2eは、潤滑油収容室2cの膨出部2dと向かい合っている。
磁性リング7が矢印D方向に回転すると、掻き上げられた潤滑油Lが開口部229から膨出部2eに進入し、膨出部2eに進入した潤滑油Lが第1の庇部227に案内されて図6に示す矢印A方向に流動し、潤滑油収容室2cの膨出部2dに流入する。また、磁性リング7が矢印D方向に回転すると、掻き上げられた潤滑油Lが開口部229から膨出部2eに進入し、膨出部2eに進入した潤滑油Lが第2の庇部228に案内されて図6に示す矢印B方向に流動し、潤滑油収容室2cの膨出部2dに流入する。
このように、磁性リング7が何れの方向に回転しても、クラッチ収容室2bから潤滑油収容室2cに潤滑油Lが流入するが、揺動リング6の回転方向の位置によって潤滑油収容室2cからクラッチ収容室2bに流出する潤滑油Lの量が変わるので、潤滑油収容室2cに貯留される潤滑油Lの量が調整される。すなわち、二輪駆動状態では比較的多くの潤滑油Lが潤滑油収容室2cに貯留され、クラッチ収容室2bに滞留する潤滑油Lの量が減少するので、潤滑油Lの粘性に起因するインナクラッチプレート53とアウタクラッチプレート54との間の引き摺りトルクが小さくなる。
一方、二輪駆動状態から四輪駆動状態に移行すると、磁性リング7の回転方向が反転し、揺動リング6の位置が第1位置から第2位置に変化して、貫通孔60の閉塞状態が解除される。これにより、潤滑油収容室2cに貯留されていた潤滑油が速やかにクラッチ収容室2bに供給され、インナクラッチプレート53とアウタクラッチプレート54との摩擦摺動が十分な量の潤滑油Lによって潤滑される。
(第1の実施の形態の効果)
以上説明した本発明の第1の実施の形態によれば、クラッチ機構5の非作動時における引き摺りトルクが低減されると共に、クラッチ機構5の作動時におけるインナクラッチプレート53及びアウタクラッチプレート54の摩耗が抑制される。また、揺動リング6が連れ回りすることによりクラッチ収容室2bと潤滑油収容室2cとの下端部における連通状態が切り替わるので、例えば電動モータや電磁ソレノイド等の電動アクチュエータを用いてクラッチ収容室2bと潤滑油収容室2cとの連通状態を切り替える場合に比較して、駆動力伝達装置1を簡素に構成することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図8及び図9を参照して説明する。第1の実施の形態では、揺動リング6に第1回転部材41の回転方向への回転力を付与する回転力付与部材として、磁性リング7を用いた場合について説明したが、本実施の形態では、回転力付与部材として、回転方向に沿って複数の羽根部が設けられたフィンプレートを用いる。また、揺動リング6は、導電層6a及び軟磁性層6bからなる二層構造ではなく、1枚の金属板からなる単層構造である。その他の構成は、第1の実施の形態と共通であるので、この違いの部分について説明する。
図8(a)及び(b)は、第1の実施の形態に係る磁性リング7に替えて、回転力付与部材としてのフィンプレート7Aが適用された駆動力伝達装置1の断面を示す拡大図である。図8(a)及び(b)において、第1の実施の形態について説明したものと共通する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。図9は、フィンプレート7Aを示し、(a)は第2ハウジング部材22側から見た平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)はフィンプレート7Aの一部を拡大して示す斜視図である。
フィンプレート7Aは、第1回転部材41及びクラッチハブ51と共に回転することにより、クラッチ収容室2bの潤滑油Lを掻き上げ、潤滑油収容室2cに流入させる。フィンプレート7Aは、環状に形成された円板部73と、円板部73の径方向の外側に設けられた複数の羽根部74とを一体に有している。羽根部74は、潤滑油を撹拌する突起として機能する。円板部73の内周には、クラッチハブ51のスプライン嵌合部511aに係合する複数の係合突起731が形成されている。これにより、フィンプレート7Aは、クラッチハブ51に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に連結され、第1回転部材41と共に回転する。
羽根部74は、円板部73の外周端部から径方向に沿って平行に延在して形成された平板部740と、平板部740に対して垂直に屈曲して形成された掻き上げ板741とを有し、第1回転部材41の回転に伴って潤滑油Lをクラッチ収容室2b内で撹拌する。
掻き上げ板741は、フィンプレート7Aが矢印D方向(二輪駆動の前進時における回転方向)に回転した場合の平板部740の回転方向後端部に立設されている。これにより、フィンプレート7Aが矢印D方向に回転した場合に、フィンプレート7Aが矢印D方向(四輪駆動の前進時における回転方向)に回転した場合に比較して、より多くの潤滑油Lが掻き上げられ、潤滑油収容室2cに流入する。
揺動リング6は、フィンプレート7Aによって撹拌された潤滑油Lの粘性による回転力を受けて連れ回りする。これにより、揺動リング6は、第1の実施の形態と同様に、潤滑油収容室2cに貯留される潤滑油の量を調整する。
本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について、図10を参照して説明する。
図10は、本実施の形態に係る揺動リング6を第2ハウジング部材22と共に示す構成図である。図10(a)は、揺動リング6が第1位置にある状態を示し、図10(b)は、揺動リング6が第2位置にある状態を示している。図10(a)及び(b)において、第1の実施の形態について説明したものと共通する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
第1の実施の形態では、揺動リング6が第1位置にある場合に貫通孔60を閉塞部226により閉塞することで、貫通孔60からクラッチ収容室2bに排出される潤滑油Lの量を低減する場合について説明したが、本実施の形態では、磁性リング7が矢印D方向(四輪駆動の前進時における回転方向)に回転した場合に、第2の庇部228に案内されて潤滑油収容室2cに流入する潤滑油Lの流れを遮断するように、揺動リング6に遮断部63が設けられている。具体的には、遮断部63が揺動リング6の周方向における被係止部62の一側(第2係止部2g側)に設けられている。また、本実施の形態では、第2ハウジング部材22に閉塞部226が設けられておらず、貫通孔60は第1の実施の形態よりも開口面積(潤滑油Lの流路面積)が小さい。その他の構成は、第1の実施の形態と共通である。
揺動リング6の周方向における被係止部62の他側(第1係止部2f側)には、遮断部が設けられていない。これにより、磁性リング7が矢印D方向に回転する二輪駆動の前進時には、第1の庇部227に案内された潤滑油Lが潤滑油収容室2cの膨出部2dに流入する。流入した潤滑油Lは、揺動リング6の下端部に形成された貫通孔60からクラッチ収容室2bに排出される。ただし、この貫通孔60は、磁性リング7が矢印D方向に回転する場合に潤滑油収容室2cに潤滑油Lが貯留される大きさに形成されている。これにより、二輪駆動の前進時には、潤滑油収容室2cに潤滑油Lが貯留され、クラッチ収容室2bに滞留する潤滑油Lの量が減少するので、潤滑油Lの粘性に起因するインナクラッチプレート53とアウタクラッチプレート54との間の引き摺りトルクが小さくなる。
一方、磁性リング7が矢印D方向に回転する四輪駆動の前進時には、揺動リング6の遮断部63によって潤滑油収容室2cに流入する潤滑油Lが抑制される。これにより、クラッチ収容室2bにより多くの潤滑油Lが滞留し、インナクラッチプレート53とアウタクラッチプレート54との摩擦摺動が潤滑される。
なお、第1の実施の形態と同様に、第2ハウジング部材22に閉塞部226を設けてもよい。この場合、磁性リング7が矢印D方向に回転する二輪駆動の前進時に、より多くの潤滑油Lが潤滑油収容室2cに貯留される。
このように、本実施の形態によれば、ハウジング2に対して第1回転部材41が一方向(矢印D方向)に回転した場合にクラッチ収容室2bから潤滑油収容室2cに流入する潤滑油Lが増大し、ハウジング2に対して第1回転部材41が逆方向(矢印D方向)に回転した場合にクラッチ収容室2bから潤滑油収容室2cに流入する潤滑油が減少する。これにより、本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(付記)
以上、本発明を上記第1乃至第3実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…駆動力伝達装置 2…ハウジング
2a…差動機構収容室 2b…クラッチ収容室
2c…潤滑油収容室 41…第1回転部材
42…第2回転部材 5…クラッチ機構
53…インナクラッチプレート(第1クラッチプレート)
54…アウタクラッチプレート(第2クラッチプレート)
6…揺動リング 7…磁性リング(回転力付与部材)
7A…フィンプレート(回転力付与部材) 72…永久磁石
74…羽根部(突起) L…潤滑油
O…回転軸線

Claims (7)

  1. 同一回転軸線上で相対回転可能な第1回転部材及び第2回転部材と、
    前記第1回転部材と共に回転する第1クラッチプレート及び前記第2回転部材と共に回転する第2クラッチプレートを有するクラッチ機構と、
    前記クラッチ機構を収容するクラッチ収容室、及び前記クラッチ収容室と連通して前記第1クラッチプレートと前記第2クラッチプレートとの摩擦摺動を潤滑する潤滑油を収容する潤滑油収容室を有するハウジングと、
    前記潤滑油収容室に貯留される潤滑油の量を調整する調整部材とを備え、
    前記調整部材が前記第1回転部材の回転方向に所定の角度範囲で連れ回りすることにより、前記潤滑油収容室に貯留される潤滑油の量が調整される、
    駆動力伝達装置。
  2. 前記調整部材と前記回転軸線方向に対向して配置され、前記第1回転部材と共に回転して前記調整部材に前記第1回転部材の回転方向への回転力を付与する回転力付与部材を備えた、
    請求項1に記載の駆動力伝達装置。
  3. 前記調整部材は、前記ハウジングに対して前記第1回転部材が一方向に回転した場合に前記潤滑油収容室に貯留される潤滑油の量を増大させ、前記第1回転部材が前記一方向とは逆方向に回転した場合に前記潤滑油収容室に貯留される潤滑油の量を減少させる、
    請求項1又は2に記載の駆動力伝達装置。
  4. 前記ハウジングに対して前記第1回転部材が前記一方向に回転した場合に前記クラッチ収容室から前記潤滑油収容室に流入する潤滑油が増大もしくは前記潤滑油収容室から前記クラッチ収容室に流出する潤滑油が減少し、前記ハウジングに対して前記第1回転部材が前記逆方向に回転した場合に前記クラッチ収容室から前記潤滑油収容室に流入する潤滑油が減少もしくは前記潤滑油収容室から前記クラッチ収容室に流出する潤滑油が増大する、
    請求項3に記載の駆動力伝達装置。
  5. 前記潤滑油収容室は、上端部及び下端部において前記クラッチ収容室と連通し、
    前記クラッチ収容室において前記回転力付与部材によって掻き上げられた潤滑油が前記上端部から前記潤滑油収容室に流入すると共に、前記潤滑油収容室に貯留された潤滑油が前記下端部から前記クラッチ収容室に流出する、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の駆動力伝達装置。
  6. 前記回転力付与部材は、前記第1回転部材と相対回転不能に連結された環状回転部材と、前記環状回転部材に固定された磁石とを有し、
    前記調整部材は、板状の金属からなり、前記回転力付与部材から前記磁石による電磁誘導による回転力を受ける、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の駆動力伝達装置。
  7. 前記回転力付与部材は、前記第1回転部材の回転に伴って潤滑油を前記クラッチ収容室内で撹拌する複数の突起を有し、
    前記調整部材は、前記回転力付与部材から、前記撹拌された潤滑油の粘性による回転力を受ける、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の駆動力伝達装置。
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