JP2017190279A - 非磁性ガーネット基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑み、液相エピタキシャル成長法で磁性ガーネット膜を育成する際にも割れず、基板表面のエッチピットや傷が抑制された非磁性ガーネット基板の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】非磁性ガーネット単結晶をスライスして基板を得るスライス工程と、前記基板の端面部をべべリングするべべリング工程と、前記基板の表面を粗研磨するラッピング工程と、粗研磨された前記基板の表面を鏡面研磨するポリシング工程と、を有し、前記べべリング工程と前記ポリッシング工程との間に、前記基板の端面部をエッチング液に接触させるエッチング工程を設けている。【選択図】なし

Description

本発明は、非磁性ガーネット基板の製造方法に関し、特に、液相エピタキシャル成長法でビスマス置換型磁性ガーネット膜を育成するために用いる非磁性ガーネット基板の製造方法に関する。
ビスマス置換型磁性ガーネット膜(以後、「磁性ガーネット膜」と略記する)は、光ファイバー通信や光計測の分野において、光アイソレーター、光サーキュレータ、光スイッチ等に用いられるファラデー回転子として利用されている。例えば、光アイソレーターは、光通信システムで半導体レーザー光源から発した伝送光が光学系を介して伝達される際、一部の光が途中の光学系の入射端面で反射して光源まで戻り、通信障害を起こすことを防止するために用いられる。このような光アイソレーターは、磁性ガーネット膜からなるファラデー回転子を偏光子で挟み、これを筒状磁石の中に収納することにより構成される。
上記磁性ガーネット膜は、一般式(R,Bi)(Fe,Ga,Al)12(ただし、Rは希土類元素で、Tb、Gd、Yb、Ho、Er、Tm、Dyなどである)で表され、大きなファラデー回転効果を有し、主に、生産性に優れた液相エピタキシャル成長法(Liquid Phase Epitaxy、以下、「LPE法」と呼ぶ)で育成される。
LPE法は、一般には以下のように行われる。まず、溶媒となる物質を一定温度の液体状態に保持し、該溶媒に溶質成分を飽和状態まで溶解させる。その後、非磁性ガーネット基板を溶液表面に接液し、この状態で徐々に温度を下げていき、過飽和状態となって溶液状態で存在出来なくなった溶質成分を、非磁性ガーネット基板上に析出させる。その後、非磁性ガーネット基板の部分を、例えば研削研磨により除去することにより、磁性ガーネット膜を得る。
非磁性ガーネット基板としては、GdGa12基板(GGG基板)、(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12基板(SGGG基板)、NdGa12基板(NGO基板)、(Gd,Sc)Ga12基板(GSGG基板)などが用いられる。
従来から、非磁性ガーネット基板は、以下のようにして取得されている。まず、単結晶インゴットをチョクラルスキー法等の引上げ法によって育成し、その肩部を切断して直動部を得て、これを円筒状に研削する。次いで、ワイヤーソーで所望の厚さにスライスし、基板を得るスライス工程、基板外周端部が欠けること(チッピング)を防止するための基板端面の角を研削するベベリング工程、基板表面を粗研磨するラッピング工程、基板表面を鏡面研磨するポリッシング工程を経て、非磁性ガーネット基板が得られる。
このようにして得られた基板を用いて、上述の液相エピタキシャル(LPE)法による磁性ガーネット膜の育成を行うが、育成中に基板が割れる現象(以後「LPE割れ」と記載する)が発生することがある。
LPE割れの原因の一つとして、上述のベベリング工程により基板端面に発生するマイクロクラックが挙げられている。すなわち、ベベリングによる加工面は粗いため、電子顕微鏡で観察される程度の小さな亀裂が基板端面に発生し、これを起点としてLPE割れが発生する。
この対策としては、ポリッシング工程の前にエッジポリッシュと呼ばれる基板の端面を研磨処理する方法(例えば、特許文献1参照)や、ポリッシング工程の後にスピンコーターなどを用いて基板端面のみにエッチング液を塗布し、基板端面をエッチングする方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特開2006−15424号公報 特開2005−225683号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、方法の有効性を試すべく試験を行った所、試験回数が増えるに従い、マイクロクラックを完全に除去しきれず、LPE割れを抑制しきれていないことが分かってきた。
また、特許文献2に記載の方法により、LPE割れを減らすことはできたものの、基板端面のエッチングの際に基板表面にエッチピットや傷を発生させてしまうことがあった。非磁性ガーネット基板の表面にエッチピットや傷があると、磁性ガーネット膜に比較的大きな結晶欠陥が発生し、磁性ガーネット膜が不良品となるという問題があった。
そこで、本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑み、液相エピタキシャル成長法で磁性ガーネット膜を育成する際にも割れず、基板表面のエッチピットや傷が抑制された非磁性ガーネット基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために、非磁性ガーネット基板を製造する方法について、鋭意研究を重ねた結果、ポリッシング工程の後に行われるエッチング処理を、ポリッシング工程より前の工程で行うことにより、LPE割れが抑制されることを見出した。
よって、上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る非磁性ガーネット基板の製造方法は、非磁性ガーネット単結晶をスライスして基板を得るスライス工程と、
前記基板の端面部をべべリングするべべリング工程と、
前記基板の表面を粗研磨するラッピング工程と、
粗研磨された前記基板の表面を鏡面研磨するポリシング工程と、を有し、
前記べべリング工程と前記ポリッシング工程との間に、前記基板の端面部をエッチング液に接触させるエッチング工程を設けている。
本発明によれば、表面に傷を発生させることなく非磁性ガーネット基板を製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
本発明の実施形態に係る非磁性ガーネット基板の製造方法は、非磁性ガーネット単結晶基板の端面部をべべリングするベベリング工程、基板の表面を粗研磨するラッピング工程、および基板の表面を鏡面研磨するポリッシング工程を有し、ベベリング工程とポリッシング工程との間にエッチング工程を設けることにより、基板表面に傷を発生させることなく、基板端面のマイクロクラックを除去することを特徴とする。
本発明の実施形態に係る非磁性ガーネット基板の製造方法では、単結晶基板のベベリング工程よりも後にエッチング工程を行うことにより、基板端面のマイクロクラックを除去する。その際、基板表面にエッチピットや傷が発生することがあるが、その後にポリッシング工程で基板表面のエッチピットや傷は除去され、磁性ガーネット膜に比較的大きな結晶欠陥(ピット)が発生することを抑制する。
その結果、本発明の実施形態に係る非磁性ガーネット基板の製造方法で得られる非磁性ガーネット基板は、端面部にはマイクロクラックが殆ど無く、基板表面にはエッチピットや傷が殆どないものである。したがって、この基板を用いてLPE法で磁性ガーネット膜を製造すると、LPE割れやピットの発生が無い磁性ガーネット膜を高収率で得ることができる。
なお、べべリング工程とポリッシング工程との間にラッピング工程があるが、本発明におけるエッチング工程は、ベベリング工程よりも後、かつポリッシング工程より前であれば良く、ラッピング工程との前後関係は特に限定しない。ただし、ラッピング工程の砥粒により端面部に新たにマイクロクラックが発生する可能性もあり得るので、ラッピング工程の後にエッチングするのが好ましい。
本発明の実施形態に係る非磁性ガーネット基板の製造方法に用いる単結晶基板としては、特に限定されるものではなく、一般にLPE法で基板として用いられる、GdGa12基板(GGG基板)、(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12基板(SGGG基板)、NdGa12基板(NGO基板)、(Gd,Sc)Ga12基板(GSGG基板)等の非磁性ガーネット単結晶の基板を用いることができる。この中で、特に磁性ガーネット膜の育成に好適な格子定数が1.2490〜1.2500nmである(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12基板(SGGG基板)がより好ましい。
上記単結晶基板の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、チョクラルスキー法等の引き上げ法によって育成された単結晶インゴットの肩部を切断して得られた直胴部を円筒研削し、次いでワイヤーソーで所望の厚さにスライスする方法が用いられる。
上記単結晶基板のベベリング方法、ラッピング方法、ポリッシング方法は、特に限定されるものではなく、酸化物単結晶の研磨において一般的に用いられる手段を適用できる。
上述の単結晶基板の加工方法に用いるエッチングの方法としては、ベベリング工程よりも後、かつポリッシング工程よりも前であれば、他の工程との順序やその方法は特に限定されるものではない。例えば、ベベリング後の単結晶基板を基板収納キャリアに収納し、エッチング液に浸漬させる。充分に浸漬させたのち基板をよく洗浄し、ラッピングおよびポリッシングを行うことにより基板表面に鏡面を得る。
なお、エッチングは、単結晶基板の端面部(ベベリング加工を施した面)にエッチング液を接触させればよく、その方法は問わない。よって、上述のように単結晶基板をエッチング液に浸漬させるエッチング方法の他、例えば、単結晶基板の端面にエッチング液をスプレー噴射したり、端面上にエッチング液を連続的に滴下供給し続けたりするような方法であってもよい。
上記エッチングに用いるエッチング液としては、酸化物単結晶のエッチングに通常用いられるエッチング液、例えば、リン酸、硫酸、硝酸、フッ酸などの鉱酸を用いることができるが、この中で、リン酸と硫酸を1:1の比率で混合した混合液(一般にリン硫酸と呼ぶ)を用いることが好ましい。
マイクロクラックを除去するために必要なエッチング液の液温とエッチング時間は、エッチング液の種類により異なるが、リン硫酸を用いる場合、液温が60℃未満ではではほとんどエッチングされず、220℃を超えると酸蒸気が発生するため取り扱いが難しくなる。そこで、エッチング液の液温は60℃以上220℃以下が好ましく、その場合のエッチング時間は、1時間以上6時間以下であることが好ましい。即ち、エッチング液の温度を60℃以上220℃以下に保った状態で、1時間以上6時間以下エッチングを継続することが好ましい。また、エッチング液の液温が110℃を超え130℃以下のときは、エッチング時間は30分以上1時間未満であることが好ましく、エッチング液の液温が130℃を超え145℃以下のときは、エッチング時間は15分以上30分未満であることが好ましい。更に、エッチング液の液温が145℃を超え175℃以下の場合は、エッチング時間が5分以上15分未満であることが好ましく、エッチング液の液温が175℃を超え220℃以下の場合は、エッチング時間が1分以上5分未満であることが好ましい。これらの条件の内、エッチング時間の短さとエッチングの制御性を考慮すると、液温が145℃を超え175℃以下となるように設定し、エッチング時間を5分以上15分未満に設定するのが最も好ましい。
なお、上記非磁性ガーネット基板を用いてLPE法により磁性ガーネット膜を得る方法は以下の通りである。
まず、酸化鉛(PbO)、酸化ビスマス(Bi)および酸化ホウ素(B)などの溶剤、並びに希土類酸化物(R)、酸化鉄(Fe)などの溶質成分を混合し、白金製坩堝に入れる。次いで、これを高温度に加熱し、完全に溶解させて均一とし、育成用の融液とする。その後、融液温度を若干降下させ、過飽和状態を実現する。次に、過飽和状態となった融液に、非磁性ガーネット基板のポリッシュ面を完全に浸漬させて、該基板上に所定組成の磁性ガーネット膜を所望の厚さにエピタキシャル成長させる。ここで、溶剤のうち、Biはガーネット結晶の希土類元素サイトの置換元素としての役割を担う。
非磁性ガーネット基板を用いた磁性ガーネット膜の製造方法は、光ファイバー通信や光計測において好適に用いられる大きなファラデー回転効果を有する磁性ガーネット膜、ファラデー回転係数の小さな低飽和磁界のGdBiFe系磁性ガーネット膜、ファラデー回転係数の大きなYbTbBiFe系磁性ガーネット膜の製造に有効であり、長波長用の磁性ガーネット膜を製造するときに特に有効である。
以下に、本発明の実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例によってなんら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で用いた非磁性ガーネット基板は、(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶をワイヤーソーでスライスして得た直径3インチ(76.2mm)、厚み0.6mm、格子定数1.2497±0.003nmのSGGG基板である。各実施例、比較例におけるベベリングでは#800の砥石を用い、ラッピングに用いた砥粒は#2000である。また、ポリッシングはコロイダルシリカを研磨剤として行った。
また、各実施例および比較例で行ったLPE法による磁性ガーネット膜の育成は以下のとおりである。白金製坩堝に、酸化鉛2300g、酸化硼素140g、酸化ビスマス3100g、酸化鉄460g、酸化テルビウム57g、および酸化イッテルビウム4.4gを装入し、坩堝を縦型管状炉内に設置する。坩堝全体を950℃まで加熱して坩堝内の原料を充分撹拌し、均一に混合して、YbTbBiFe系磁性ガーネット膜のエピタキシャル膜成長用の融液を得た。この融液に、SGGG基板のポリッシュ面が完全に融液に浸漬するように設置し、同時に基板を回転させ、この状態にて、融液の成長制御温度を1時間当たり0.6℃の割合で降下させ、20時間エピタキシャル成長を行った。このようにして、厚さ530μmのYbTbBiFe系磁性ガーネット膜を作製した。
なお、LPE割れ率およびピット不良率は以下に示すように評価した。
[LPE割れ率の評価]
100枚のSGGG基板を用意し、LPE法による磁性ガーネット膜の育成を100回行った。このときの、LPE中に割れた基板の枚数からLPE割れ率を算出している。
[ピット不良率の評価]
磁性ガーネット膜育成中に割れなかった磁性ガーネット膜付きSGGG基板を、11mm角にダイシングし、その後、SGGG基板を研磨して除去し、SGGG基板一枚当たり26枚の11mm角の磁性ガーネット膜のチップを得た。この11mm角チップの表面を鏡面研磨し、ピットの観察を行った。ピットの各部分の直径が300μm以上であるピットの個数が5個以内を良品とし、ここで不良品となった11mm角チップ数からピット不良率を求めた。
(実施例1)
ベベリングしたSGGG基板を、両面ラップ機を用いて片面当り40μm研削した後、テフロン(登録商標)製の25枚入り基板収納キャリアに収納し、80℃に加温したリン硫酸に浸漬させ、6時間エッチングした。その後、基板を純水でよく洗浄し、両面ポリッシュ機を用いて片面当り30μm研磨した。
このようにして得た100枚のSGGG基板を準備し、LPE法により磁性ガーネット膜を育成したところ、100枚中2枚の非磁性ガーネット基板に割れが生じ、LPE割れ率は2%であった。
磁性ガーネット膜育成中に割れなかった磁性ガーネット膜付きSGGG基板98枚から得られた2548枚の11mm角チップのピットの観察を行ったところ、48枚がピット不良となり、ピット不良率は1.9%であった。
(実施例2)
ベベリングした非磁性ガーネット基板を、テフロン(登録商標)製の25枚入り基板収納キャリアに収納し、80℃に加温したリン硫酸に浸漬させ、6時間エッチングした。その後、基板を純水でよく洗浄し、両面ラップ機を用いて片面当り40μm研削した後、両面ポリッシュ機を用いて片面当り30μm研磨した。
このようにして得た100枚のSGGG基板を準備し、LPE法により磁性ガーネット膜を育成したところ、100枚中2枚の非磁性ガーネット基板に割れが生じ、LPE割れ率は2%であった。
磁性ガーネット膜育成中に割れなかった磁性ガーネット膜付きSGGG基板98枚から得られた2548枚の11mm角チップのピットの観察を行ったところ、51枚がピット不良となり、ピット不良率は2.0%であった。
(実施例3)
ベベリングした非磁性ガーネット基板を、テフロン(登録商標)製25枚入り基板収納キャリアに収納し、150℃に加温したリン硫酸に浸漬させ、10分エッチングした。その後、基板を純水でよく洗浄し、両面ラップ機を用いて片面当り40μm研削した後、両面ポリッシュ機を用いて片面当り30μm研磨した。
このようにして得た100枚のSGGG基板を準備し、LPE法により磁性ガーネット膜を育成したところ、100枚中2枚の非磁性ガーネット基板に割れが生じ、LPE割れ率は2%であった。
磁性ガーネット膜育成中に割れなかった磁性ガーネット膜付きSGGG基板98枚から得られた2548枚の11mm角チップのピットの観察を行ったところ、50枚がピット不良となり、ピット不良率は2.0%であった。
(比較例1)(特許文献1の追加試験に相当)
ベベリングした非磁性ガーネット基板を、両面ラップ機を用いて片面当り40μm研削した後、エッジポリッシュ機を用いて基板端面を70μm研磨した。その後、両面ポリッシュ機を用いて基板表面を片面当り30μm研磨した。
このようにして得た100枚のSGGG基板を準備し、LPE法により磁性ガーネット膜を育成したところ、100枚中10枚の非磁性ガーネット基板に割れが生じ、LPE割れ率は10%であった。
磁性ガーネット膜育成中に割れなかった磁性ガーネット膜付きSGGG基板90枚から2340枚の11mm角チップのピットの観察を行ったところ、47枚がピット不良となり、ピット不良率は2.0%であった。
比較例1の製造工程で得られたSGGG基板のマイクロクラックを詳細に調査したところ、エッジポリッシュでは、基板端面部と基板表面部の境界部があまり研磨されず、その部分のマイクロクラックが除去し切れていないことが分かった。
(比較例2)(特許文献2の追加試験に相当)
ベベリングした非磁性ガーネット基板を、両面ラップ機を用いて片面当り40μm研削した後、両面ポリッシュ機を用いて基板表面を片面当り30μm研磨した基板をスピンコーター上に固定し、100rpmで回転させ、160℃に加温したリン硫酸を基板のベベル部のみに掛かるように50mL/分の割合で塗布した。その塗布を10分間行った後、純水でよく洗浄した。
このようにして得た100枚のSGGG基板を準備し、LPE法により磁性ガーネット膜を育成したところ、100枚中2枚の非磁性ガーネット基板に割れが生じ、LPE割れ率は2%であった。
磁性ガーネット膜育成中に割れなかった磁性ガーネット膜付きSGGG基板98枚から得られた2548枚の11mm角チップのピットの観察を行ったところ、102枚がピット不良となり、ピット不良率は4.0%であった。
比較例2では、エッチング液を基板の端面部に塗布するスピンコート時に、基板表面に生じさせた傷に起因するピットが発生しており、ピット不良率高くなっていることが分かった。
実施例1〜3及び比較例1、2の実施条件及び評価結果は表1の通りである。
Figure 2017190279
表1に示される通り、実施例1〜3では、LPE割れ率が2%、ピット不良率が2.0%以下となっている。一方、エッジポリッシュを行った比較例1では、ピット不良率は2.0%で実施例1〜3と同じレベルの結果が得られているが、LPE割れ率が10%と高い。また、ポリッシング後にエッチングを行う比較例2では、LPE割れ率は2%で実施例1〜3と同じレベルの結果が得られているが、ピット不良率が4.0%と高い。
このように、実施例1〜3に係る非磁性ガーネット基板の製造方法により製造された非磁性ガーネット基板は、LPE割れ率及びピット不良率の双方において良好な結果を残しており、本実施形態に係る非磁性ガーネット基板の製造方法によれば、割れが生じ難く、ピット不良の少ない非磁性ガーネット基板を製造できることが示された。
以上説明したように、本発明の非磁性ガーネット基板の製造方法により、非磁性ガーネット基板の表面に傷を発生させることなく、ベベリングにおいて発生するマイクロクラックが効果的に除去することができる。これにより、LPE割れの発生率を大幅に改善することができると共に、基板表面のエッチピットや傷に起因するピット不良を抑制することができる。さらに、基板の端面部分のみにエッチング液を塗布する設備を必要としないため、設備投資することなく、LPE割れが低減された非磁性ガーネット基板を製造することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。

Claims (9)

  1. 非磁性ガーネット単結晶をスライスして基板を得るスライス工程と、
    前記基板の端面部をべべリングするべべリング工程と、
    前記基板の表面を粗研磨するラッピング工程と、
    粗研磨された前記基板の表面を鏡面研磨するポリッシング工程と、を有し、
    前記べべリング工程と前記ポリッシング工程との間に、前記基板の端面部をエッチング液に接触させるエッチング工程を設けた非磁性ガーネット基板の製造方法。
  2. 前記基板の端面部と前記エッチング液との接触は、前記エッチング液に前記基板を浸漬させることにより行われる請求項1に記載の非磁性ガーネット基板の製造方法。
  3. 前記スライス工程で得られる前記基板は、一般式(Gd、Ca)(Ga、Mg、Zr)12で表される組成を有する非磁性ガーネットからなる請求項1又は2に記載の非磁性ガーネット基板の製造方法。
  4. 前記エッチング液は、リン酸と硫酸を1:1の比率で混合した混合液であって、
    前記エッチング工程は、前記エッチング液の温度を60℃以上110℃以下に保った状態で、1時間以上6時間以下継続して行われる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非磁性ガーネット基板の製造方法。
  5. 前記エッチング液は、リン酸と硫酸を1:1の比率で混合した混合液であって、
    前記エッチング工程は、前記エッチング液の温度を110℃より高く130℃以下に保った状態で、30分以上1時間未満継続して行われる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非磁性ガーネット基板の製造方法。
  6. 前記エッチング液は、リン酸と硫酸を1:1の比率で混合した混合液であって、
    前記エッチング工程は、前記エッチング液の温度を130℃より高く145℃以下に保った状態で、15分以上30分未満継続して行われる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非磁性ガーネット基板の製造方法。
  7. 前記エッチング液は、リン酸と硫酸を1:1の比率で混合した混合液であって、
    前記エッチング工程は、前記エッチング液の温度を145℃より高く175℃以下に保った状態で、5分以上15分未満継続して行われる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非磁性ガーネット基板の製造方法。
  8. 前記エッチング液は、リン酸と硫酸を1:1の比率で混合した混合液であって、
    前記エッチング工程は、前記エッチング液の温度を175℃より高く220℃以下に保った状態で、1分以上5分未満継続して行われる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非磁性ガーネット基板の製造方法。
  9. 前記エッチング工程は、前記ラッピング工程と前記ポリッシング工程との間に設けられる請求項1乃至8のいずれか一項に記載の非磁性ガーネット基板の製造方法。
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