JP2017190223A - 駆動装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな手法により、搬送回転体で搬送させる搬送対象物を搬送経路内で待機させることができる駆動装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】駆動源1と、前記駆動源から入力される回転駆動力を、搬送対象物を搬送する搬送回転体161aまで伝達する一つ目の伝達経路を形成する第一駆動伝達経路と、前記駆動源から入力される回転駆動力を前記第一駆動伝達経路に対して逆回転の回転駆動力として前記搬送回転体まで伝達する二つ目の伝達経路を形成する第二駆動伝達経路と、前記駆動源から前記搬送回転体への駆動伝達経路を、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とで切り替える駆動伝達経路切り替え手段5,8とを備えた駆動装置30において、前記搬送回転体による一つのの搬送対象物の搬送中に、前記駆動伝達経路切り替え手段による駆動伝達経路の切り替えを少なくとも二回以上行う。【選択図】図1

Description

本発明は、駆動装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、搬送対象物を搬送する搬送回転体を回転駆動させる駆動装置が知られている。
特許文献1には、係る駆動装置であって、搬送対象物である用紙を搬送する搬送回転体である搬送ローラを正回転及び逆回転させる駆動装置が記載されている。この駆動装置には、モータから回転駆動力が入力される入力軸と、搬送ローラに回転駆動力を出力する出力軸とを備えている。入力軸から出力軸への駆動伝達経路は2経路あり、一方は、出力軸をモータの回転方向と同方向に回転させる正転駆動伝達経路であり、他方は、出力軸をモータの回転方向と逆方向に回転させる逆転駆動伝達経路である。各駆動伝達経路には、それぞれ駆動伝達切り替え手段たるクラッチを有しており、正転駆動伝達経路のクラッチをONにし、逆転駆動伝達経路のクラッチをOFFにすると、出力軸が正回転し搬送ローラが正回転する。一方、正転駆動伝達経路のクラッチをOFFにし、逆転駆動伝達経路のクラッチをONにすると、出力軸が逆回転し搬送ローラが逆回転する。また、モータをOFFにすることで、モータからの回転駆動力が搬送ローラに伝達されなくなり、搬送ローラで搬送させる用紙を搬送経路内で待機させることが可能となる。
新たな手法により、搬送回転体で搬送させる搬送対象物を搬送経路内で待機させることができる駆動装置及び画像形成装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明は、駆動源と、前記駆動源から入力される回転駆動力を、搬送対象物を搬送する搬送回転体まで伝達する一つ目の伝達経路を形成する第一駆動伝達経路と、前記駆動源から入力される回転駆動力を前記第一駆動伝達経路に対して逆回転の回転駆動力として前記搬送回転体まで伝達する二つ目の伝達経路を形成する第二駆動伝達経路と、前記駆動源から前記搬送回転体への駆動伝達経路を、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とで切り替える駆動伝達経路切り替え手段とを備えた駆動装置において、前記搬送回転体による一つの搬送対象物の搬送中に、前記駆動伝達経路切り替え手段による駆動伝達経路の切り替えを少なくとも二回以上行うことを特徴とする。
以上、本発明によれば、新たな手法により、搬送回転体で搬送させる搬送対象物を搬送経路内で待機させることができるという優れた効果がある。
構成例1に係る駆動装置の概略断面図。 実施形態に係るプリンタの概略構成図。 電磁クラッチの概略構成図。 実施形態1における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の一例についての説明図。 実施形態1における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施形態1における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の他例についての説明図。 実施形態1における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の制御の他例を示すタイミングチャート。 構成例2に係る駆動装置の概略断面図。 単一のモータからの回転駆動力により、排紙ローラと定着ローラと感光体と給紙ローラとレジストローラとを回転駆動させる駆動装置の概略断面図。 実施形態2に係る駆動装置の概略断面図。 第一クラッチの概略構成図。 (a)第一クラッチと出力プーリとを示す斜視図、(b)第一クラッチの斜視図、(c)出力プーリの斜視図。 第二クラッチの概略構成図。 実施形態2における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の一例についての説明図。 実施形態2における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施形態2における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の制御の他例を示すタイミングチャート。 変形例1に係る駆動装置の概略断面図。 変形例2に係る駆動装置の概略断面図。 実施形態3に係る駆動装置の概略断面図。 駆動伝達経路を構成するギヤ列の切り替えについての説明図。
[実施形態1]
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図2は、実施形態に係るプリンタの概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット60Y,60C,60M,60Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのプロセスユニット60Kを例にすると、潜像担持体たるドラム状の感光体61K、現像装置62K、帯電装置63K、ドラムクリーニング装置64K、除電装置等を備えている。画像形成ユニットたるプロセスユニット60Kは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
帯電装置63Kは、駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体61Kの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体61Kの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、Kトナーを用いる現像装置62KによってYトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト79上に中間転写される。ドラムクリーニング装置64Kは、中間転写工程を経た後の感光体61K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体61Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体61Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット60Y,60C,60Mにおいても、同様にして感光体61Y,61C,61M上にY,C,Mトナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト79上に中間転写される。なお、感光体61Kにおける筒状のドラム部は、中空のアルミ素管のおもて面に有機感光層が被覆されたものである。このドラム部の軸線方向の両端部にそれぞれドラム軸を有するフランジが取り付けられて、感光体61Kを構成している。現像手段たる現像装置62Kは、内部に収容されたKトナーを、現像ローラ62aKの回転に伴って、現像ローラ62aKと感光体61Kとの対向領域である現像領域で、感光体61Kの表面に形成されたK用の静電潜像に付着させ、Kトナー像に現像する。
図2を用いてK用のプロセスユニット60Kについて説明したが、Y,C,M用のプロセスユニット60Y,60C,60Mにおいても、同様のプロセスにより、感光体61Y,61C,61Mの表面にY,C,Mトナー像が形成される。
先に示した図2において、プロセスユニット60Y,60C,60M,60Kの鉛直方向上方には、光書込ユニット65が配設されている。潜像書込装置たる光書込ユニット65は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光Lにより、プロセスユニット60Y,C,M,Kにおける感光体61Y,61C,61M,61Kを光走査する。この光走査により、感光体61Y,61C,61M,61K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。かかる構成においては、光書込ユニット65と、プロセスユニット60Y,60C,60M,60Kとにより、3つ以上の潜像担持体にそれぞれ互いに異なる色の可視像たるY,C,M,Kトナー像を作像する作像手段として機能している。
なお、光書込ユニット65は、光源から発したレーザー光を、ポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
プロセスユニット60Y,60C,60M,60Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト79を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめるベルト装置たる転写ユニット75が配設されている。転写ユニット75は、中間転写ベルト79の他に、駆動ローラ76、テンションローラ77、4つの一次転写ローラ74Y,74C,74M,74K、二次転写ローラ78、ベルトクリーニング装置70、クリーニングバックアップローラ72などを備えている。
ベルト部材であり、転写ベルトである中間転写ベルト79は、そのループ内側に配設された駆動ローラ76、テンションローラ77、クリーニングバックアップローラ72及び4つの一次転写ローラ74Y,74C,74M,74Kによって張架されている。そして、駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ76の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
4つの一次転写ローラ74Y,74C,74M,74Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト79を感光体61Y,61C,61M,61Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト79のおもて面と、感光体61Y,61C,61M,61Kとが当接するY,C,M,K用の一次転写ニップが形成されている。
一次転写ローラ74Y,74C,74M,74Kには、転写バイアス電源によってそれぞれ一次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体61Y,61C,61M,61Kの静電潜像と、一次転写ローラ74Y,74C,74M,74Kとの間に転写電界が形成される。なお、一次転写ローラ74Y,74C,74M,74Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
Y用のプロセスユニット60Yの感光体61Y表面に形成されたYトナーは、感光体61Yの回転に伴って上述のY用の一次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体61Y上から中間転写ベルト79上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写せしめられた中間転写ベルト79は、その無端移動に伴ってM,C,K用の一次転写ニップを通過する際に、感光体61M,61C,61K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト79上には4色トナー像が形成される。
転写ユニット75の二次転写ローラ78は、中間転写ベルト79のループ外側に配設されて、ループ内側のテンションローラ77との間に中間転写ベルト79を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト79のおもて面と、二次転写ローラ78とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ78には、転写バイアス電源によって二次転写バイアスが印加される。この印加により、二次転写ローラ78と、アース接続されているテンションローラ77との間には、二次転写電界が形成される。
転写ユニット75の鉛直方向下方には、用紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット41がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット41は、紙束の一番上の用紙Pに給紙ローラ42を当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その用紙Pを給紙路に向けて送り出す。
給紙路の末端付近には、レジストローラ43,44からなるレジストローラ対が配設されている。このレジストローラ対は、給紙カセット41から送り出された記録部材たる用紙をローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ用紙を上述の二次転写ニップ内で中間転写ベルト79上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、用紙Pを二次転写ニップに向けて送り出す。
二次転写ニップで用紙に密着せしめられた中間転写ベルト79上の4色トナー像は、二次転写電界やニップ圧の影響を受けて用紙P上に一括二次転写され、用紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。なお、二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト79には、用紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト79のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置70によって中間転写ベルトおもて面からクリーニングされる。中間転写ベルト79のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ72は、ベルトクリーニング装置70による中間転写ベルト79のクリーニングをループ内側からバックアップする。
表面にフルカラートナー像が形成された用紙Pは、二次転写ニップを通過すると、二次転写ローラ78や中間転写ベルト79から曲率分離する。そして、転写後搬送路を経由して、定着手段たる定着装置40に送り込まれる。定着装置40には、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ45と、定着ローラ45に所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ47とが設けられており、定着ローラ45と加圧ローラ47とによって定着ニップを形成している。定着装置40内に送り込まれた用紙は、その未定着トナー像担持面を定着ローラ45に密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
操作部に対する入力操作や、パーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合、定着装置40内から排出された用紙Pは、正転する排紙ローラ対161によって、そのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバーの上面であるスタック部56にスタックされる。
また、排紙ローラ対161は、定着装置40から搬送される用紙Pをスタック部56へ排出する一方で、両面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対161を逆転させて用紙Pを再給紙路170側へスイッチバックさせる。すなわち、排紙ローラ対161は、一対の排紙ローラ161a,161bを備え、用紙Pが排紙ローラ161a,161bに用紙Pの端部が挟まれたニップ状態で、排紙ローラ161a,161bを逆転させる。これにより、用紙Pが再給紙路170を通って、その裏面に転写可能な向きに表裏が反転した状態で、再度、二次転写ニップへと搬送される。そして、二次転写ニップを通過し用紙Pの裏面にトナー像が形成された後、定着装置40でトナー像が用紙Pに定着され、排紙ローラ対161によりスタック部56へと排出される。なお、本実施形態においては、排紙ローラ対161の排紙ローラ161aを後述する駆動装置によって回転駆動させるが、排紙ローラ対161の少なくとも一方の排紙ローラを駆動装置によって回転駆動させるように構成すればよい。
[構成例1]
図1は、構成例1に係る駆動装置30の概略断面図である。図1に示すように駆動装置30は、正逆転可能な駆動源であるモータ1を備えており、このモータ1が側板31に取り付けられている。モータ1のモータギヤ1aには、アイドラギヤ2が噛み合っている。アイドラギヤ2は、側板31と側板32とに固定された固定軸12に回転自在に支持されている。また、側板31に設けられた軸受31aと、側板32に設けられた軸受32aとによって、入力側回転軸である回転軸4が回転可能に支持されている。この回転軸4には、アイドラギヤ2と噛み合う外歯ギヤ3が固定ピン4aで固定されており、外歯ギヤ3と回転軸4とが一体で回転する。また、回転軸4の軸方向で外歯ギヤ3よりも排紙ローラ161a側には、電磁クラッチ5とプーリ6とが同軸上で、電磁クラッチ5が回転軸4に対して締結及び締結解除可能に、プーリ6が回転自在に支持されている。
出力側の回転軸である、排紙ローラ161aの回転軸19は、回転軸4に対して径方向にずれた位置に設けられており、側板32に設けられた軸受32bに回転自在に支持されている。回転軸19には、外歯ギヤ3と噛み合う外歯ギヤ27が回転自在に支持されており、この外歯ギヤ27は、回転軸19に固定ピン19aで固定された、予め定められたトルク設定値以上のトルクを受けたときに空転するトルクリミッタ8と駆動爪8aで係合している。また、回転軸19の軸方向でトルクリミッタ8よりも排紙ローラ161a側には、プーリ11が回転軸19に固定ピン19bで固定されている。回転軸4に設けられたプーリ6と、回転軸19に設けられたプーリ11とには、タイミングベルト10が架け渡されている。
また、側板32に設けられた軸受32cによって、定着ローラ45の回転軸45aが回転可能に支持されている。そして、定着ローラ45のローラ端部に設けられたギヤ部45bと、回転軸4の軸受32aに支持された側の軸端部に設けられた伝達ギヤ21とが噛み合っており、回転軸4が回転することで、伝達ギヤ21とギヤ部45bとを介して定着ローラ45も回転する。
図1に示す駆動装置30においては、モータ1の駆動力を排紙ローラ161aに伝達するための二系統の駆動伝達経路である第一駆動伝達経路R1と第二駆動伝達経路R2とを有している。第一駆動伝達経路R1は、外歯ギヤ3と外歯ギヤ27とトルクリミッタ8とによって構成されており、第二駆動伝達経路R2は、電磁クラッチ5とプーリ6とタイミングベルト10とプーリ11とによって構成されている。そして、第一駆動伝達経路R1と第二駆動伝達経路R2とでは、排紙ローラ161aの回転方向が互いに逆向きとなるように、それぞれ駆動伝達がなされる。
図3は、駆動力を伝達する状態と駆動力の伝達を遮断する状態とを切り替え可能な駆動伝達切り替え手段である電磁クラッチ5の概略構成図である。この電磁クラッチ5は、アーマチュア5bが取り付けられた駆動伝達部材が、同軸上に配置されたプーリ6との間で駆動伝達が行われる駆動連結部材5fである。電磁コイル部5dとロータ部5cとが取り付けられた筒状の軸固定部5eが回転軸4に固定されている。アーマチュア5bは、プーリ6側に延びる一対の駆動爪5aを備えた駆動連結部材5fに取り付けられている。プーリ6の電磁クラッチ5との対向面には、一対の嵌合穴6aが形成されており、この嵌合穴6aに駆動連結部材5fの駆動爪5aが嵌合している。これにより、電磁クラッチ5とプーリ6とが、一体で回転可能となっている。
電磁クラッチ5においては、アーマチュア5bと一体の駆動伝達部材は、電磁クラッチON時にロータ部5c側へスライド移動してアーマチュア5bがロータ部5cに確実に吸着するように、軸固定部に対して、所定の隙間を有して軸固定部に取り付けられる。そのため、アーマチュアと一体の駆動伝達部材は、電磁クラッチOFF時に回転軸4に対して傾く場合がある。プーリ6にアーマチュア5bを取り付けた場合、電磁クラッチOFF時にプーリ6が回転軸に対して傾いてしまうと、タイミングベルト10が外れてしまうなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、電磁クラッチ5では、プーリ6を回転軸4に取り付け、駆動連結部材5fを介してプーリ6と電磁クラッチ5とを軸方向から駆動連結している。プーリ6は、回転軸4に対して回転可能な隙間でよく、軸方向にスライド可能にする場合に比べて、回転軸4との隙間を小さくできる。これにより、プーリ6が回転軸に対して傾くのを抑制することができ、タイミングベルト10が外れるなどの不具合が生じることがない。一方、アーマチュア5bが取り付けられる駆動連結部材5fは、軸方向にスライド移動可能に軸固定部に取り付けるため、電磁クラッチOFF時に駆動連結部材5fが回転軸4に対して傾くおそれがある。しかし、駆動連結部材5fが傾いても、タイミングベルト10が外れるなどの不具合が生じることがない。
図1に示す駆動装置30において、電磁クラッチ5をOFFした状態で排紙ローラ161aを駆動させる場合でのモータ1から排紙ローラ161aへの駆動伝達は、次のように行われる。モータ1は、モータギヤ1aからアイドラギヤ2を介して外歯ギヤ3を駆動する。外歯ギヤ3から外歯ギヤ27に伝達された駆動力は、駆動爪8aで外歯ギヤ27と係合されたトルクリミッタ8を介して回転軸19に伝達される。また、電磁クラッチ5がOFFであることで、回転軸4の回転に対して電磁クラッチ5が空転する。そのため、プーリ6に回転軸4の駆動が伝わらず、プーリ6とタイミングベルト10とプーリ11とで形成される駆動伝達経路からは、回転軸19に回転軸4の駆動力は伝達されない。これにより、回転軸19に設けられた排紙ローラ161aは、外歯ギヤ3と外歯ギヤ27とトルクリミッタ8とで構成される第一駆動伝達経路R1から伝達された駆動力によって、回転軸4の回転方向とは逆方向で回転される。
一方、図1に示す駆動装置30において、電磁クラッチ5をONした状態で排紙ローラ161aを駆動させる場合でのモータ1から排紙ローラ161aへの駆動伝達は、次のように行われる。モータ1は、モータギヤ1aからアイドラギヤ2を介して外歯ギヤ3を駆動する。外歯ギヤ3から外歯ギヤ27に伝達された駆動力は、駆動爪8aで外歯ギヤ27と係合されたトルクリミッタ8を介して回転軸19に伝達される。これにより、回転軸19には、回転軸4の回転方向とは逆方向の駆動が入力されることになる。また、電磁クラッチ5がONであることで、回転軸4に電磁クラッチ5が固定され回転軸4と一体で電磁クラッチ5回転するため、電磁クラッチ5を介してプーリ6に回転軸4の駆動が伝わり、プーリ6からタイミングベルト10を介してプーリ11を駆動する。これにより、プーリ11が設けられた回転軸19には、回転軸4の回転方向と同一方向の駆動が入力されることになる。
ここで、回転軸19には、回転方向が異なる二つの駆動力が入力されるが、トルクリミッタ8は前記トルク設定値として、排紙ローラ161aの回転軸19の駆動トルクよりも大きく、かつ、電磁クラッチ5の伝達トルクよりも低く、空転トルクが設定されている。そのため、電磁クラッチ5の伝達トルクを受けたトルクリミッタ8は空転し、第一駆動伝達経路R1から回転軸19への駆動伝達が遮断され、第二駆動伝達経路R2からの駆動伝達により、回転軸4の回転方向と同一方向に回転軸19が駆動される。よって、回転軸19に設けられた排紙ローラ161aは、電磁クラッチ5とプーリ6とタイミングベルト10とプーリ11とで構成された第二駆動伝達経路R2から伝達された駆動力により、回転軸4の回転方向と同一方向で回転される。
また、駆動伝達経路としては、外歯ギヤのみで構成する場合よりもタイミングベルトを用いて構成したほうが、高速回転域での静音性に期待できる。したがって、排紙ローラ161aの正回転と逆回転のうち、回転速度を速くしたいほうの駆動伝達にタイミングベルト10を用いた駆動伝達経路を用いるのが好ましい。
また、電磁クラッチ5は、金属板であるロータとアーマチュアとを電磁力によって吸着し、一体となって駆動することで駆動力を伝達している。しかし、回転動作中に吸着したり遮断したりするため、ロータとアーマチュアとがこすれることにより、これらの表面に施された被膜が削れ地金が露出し、その部分にさびが発生するなどの問題がある。また、電磁クラッチ5のON時にはエネルギーが消費されるが、このエネルギー消費を必要最小限にするために、電磁クラッチ5のONとOFFとを繰り返すと、上述したようなさびの発生がしやすくなり、耐久性と省エネルギー性との両立が困難となっていた。
そこで、二系統の駆動伝達経路のうち、駆動時間の少ないまたは駆動頻度の少ない駆動伝達経路である排紙ローラ161aを逆転させる駆動伝達経路に、電磁クラッチ5を介して駆動力を伝達する。そして、駆動時間の多いまたは駆動頻度の多い駆動伝達経路である排紙ローラ161aを正転させる駆動伝達経路に、トルクリミッタ8を介して駆動力を伝達する。これにより、駆動時間の多いまたは駆動頻度の多い駆動伝達経路である排紙ローラ161aを正転させる駆動伝達経路では、電磁クラッチ5を用いないため、電磁クラッチ5のONとOFFと頻繁に繰り返す必要がない。そのため、上述したようなさびの発生やエネルギー消費が抑えられるため、高信頼と省エネルギー化を図ることができる。
図4は、実施形態1における排紙ローラ161aの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の一例についての説明図である。定着装置40の定着ローラ45と加圧ローラ47とにより挾持搬送される用紙Pは、搬送経路Xを通り排紙ローラ対161に向かって搬送される。この際、用紙先端が用紙検知センサ101によって検知された後、用紙Pが排紙ローラ対161に到達する。排紙ローラ161aは、トルクリミッタ8を介して正転の駆動力が伝達され用紙Pを排紙方向に搬送する。そして、用紙Pの後端が、用紙検知センサ101の検知位置を通過してから用紙Pの反転ポイントDに位置しているときに、電磁クラッチ5をONし排紙ローラ161aに反転の駆動力を伝達する。
反転した用紙Pは、搬送経路Yを進み用紙後端が正転ポイントEまで到達すると(紙速度と距離から算出)、電磁クラッチ5をOFFし排紙ローラ161aに正転の駆動力を伝達する。用紙後端が、逆転ポイントFに達したら、再度、電磁クラッチ5をONして排紙ローラ161aを逆転させる。この正転反転駆動の切り替え制御を、用紙Pを搬送経路Yよりも先に進める準備ができるまで繰り返し用紙Pを待機させる。搬送経路Yよりも先に用紙Pを進ませて良い準備ができていれば、電磁クラッチ5をONし続け排紙ローラ161aを逆転させたまま用紙Pを搬送経路Yよりも先に向けて搬送する。
これにより、モータ1をOFFにして定着ローラ45の回転を停止させることなく、用紙搬送経路中の所望の位置で用紙Pを待機させることができる。
図5は、実施形態1における排紙ローラ161aの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の制御の一例を示すタイミングチャートである。時刻Aで、用紙先端が用紙検知センサ101に到達する。時刻Bで、用紙先端が排紙ローラ対161に到達する。時刻Cで、用紙後端が用紙検知センサ101の検知位置を通過する。時刻Dで、電磁クラッチ5をONし排紙ローラ161aを反転させる(搬送経路Xにおける用紙検知センサ101の検知位置から排紙ローラ対161のニップ位置までの距離S[mm]内で反転)。用紙先端が排紙ローラ対161を抜ける前の時刻Eで、電磁クラッチ5をOFFし排紙ローラ161aを正転させる。時刻Fで、再度、電磁クラッチ5をONし排紙ローラ161aを反転させる。なお、時刻Fから時刻Eまでの時間は、用紙先端が排紙ローラ対161から抜けない時間以下である。時刻Gで、再度、電磁クラッチ5をOFFし排紙ローラ161aを正転させる。時刻Hで、再々度、電磁クラッチ5をONし排紙ローラ161aを反転させる。なお、時刻Hから時刻Gまでの時間は、用紙先端が排紙ローラ対161から抜けない時間以下である。時刻Iで、用紙搬送準備が完了したら、その後は、電磁クラッチ5をONし続けて排紙ローラ161aを反転させて用紙Pを搬送する。
図6は、実施形態1における排紙ローラ161aの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の他例についての説明図である。定着装置40の定着ローラ45と加圧ローラ47とにより挾持搬送される用紙Pは、搬送経路Xを通り排紙ローラ対161に向かって搬送される。この際、用紙先端が用紙検知センサ101によって検知された後、用紙Pが排紙ローラ対161に到達する。排紙ローラ161aは、トルクリミッタ8を介して正転の駆動力が伝達され用紙Pを排紙方向に搬送する。そして、用紙後端が、搬送経路Xにおける用紙検知センサ101の検知位置から排紙ローラ対161のニップ位置までの距離S[mm]内に位置しているときに、電磁クラッチ5をONし排紙ローラ161aに反転の駆動力を伝達する。
反転した用紙Pは、搬送経路Yを進み、用紙後端が用紙検知センサ102の検知位置に到達し検知されると、電磁クラッチ5をOFFし排紙ローラ161aに正転の駆動力を伝達する。用紙後端が、搬送経路Yにおける排紙ローラ対161のニップ位置から用紙検知センサ102の検知位置までの距離t[mm]内に位置しているときに、再度、電磁クラッチ5をONして排紙ローラ161aを逆転させる。次に、用紙後端が用紙検知センサ102の検知位置への到達時に、用紙Pを搬送経路Yよりも先に進める準備ができていなければ、再度、電磁クラッチ5をOFFし排紙ローラ161aを正転させる。そして、この正転反転駆動の切り替え制御を、用紙Pを搬送経路Yよりも先に進める準備ができるまで繰り返し用紙Pを待機させる。用紙後端が用紙検知センサ102の検知位置への到達時に、搬送経路Yよりも先に用紙Pを進ませて良い準備ができていれば、電磁クラッチ5をONし続け排紙ローラ161aを逆転させたまま用紙Pを搬送経路Yよりも先に向けて搬送する。
図7は、実施形態1における排紙ローラ161aの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の制御の他例を示すタイミングチャートである。時刻Aで、用紙先端が用紙検知センサ101に到達する。時刻Bで、用紙先端が排紙ローラ対161に到達する。時刻Cで、用紙後端が用紙検知センサ101の検知位置を通過する。時刻Dで、電磁クラッチ5をONし排紙ローラ161aを反転させる(搬送経路Xにおける用紙検知センサ101の検知位置から排紙ローラ対161のニップ位置までの距離S[mm]内で反転)。時刻Eで、用紙後端を用紙検知センサ102で検知したのと同時に、電磁クラッチ5をOFFし排紙ローラ161aを正転させる。時刻Fで、再度、電磁クラッチ5をONし排紙ローラ161aを反転させる。なお、時刻Fから時刻Eまでの時間は、用紙先端が排紙ローラ対161から抜けない時間以下である。時刻Gで、再度、用紙後端を用紙検知センサ102で検知したのと同時に、電磁クラッチ5をOFFし排紙ローラ161aを正転させる。時刻Hで、再々度、電磁クラッチ5をONし排紙ローラ161aを反転させる。なお、時刻Hから時刻Gまでの時間は、用紙先端が排紙ローラ対161から抜けない時間以下である。時刻Iで、搬送経路Yよりも先に用紙Pを進ませて良い準備が完了し、電磁クラッチ5をONし続け排紙ローラ161aを逆転させたまま用紙Pを搬送経路Yよりも先に向けて搬送する。
[構成例2]
図8は、構成例2に係る駆動装置30の概略断面図である。図8に示すように駆動装置30おいては、正逆転可能な駆動源であるモータ1が側板31に取り付けられている。モータ1のモータギヤ1aは、側板31と、これと対向する側板32とに固定された固定軸15に回転自在に支持されたアイドラギヤプーリ13の外歯ギヤ部13aと噛み合っている。排紙ローラ161aの回転軸19は、固定軸15に対して径方向にずれた位置に設けられており、側板32に設けられた軸受32bに回転自在に支持されている。回転軸19には、外歯ギヤ部13aと噛み合う外歯ギヤ26が回転自在に支持されており、この外歯ギヤ26と、回転軸19の軸端部に固定ピン19cで固定されたトルクリミッタ8とが、駆動爪8aを介して係合している。また、回転軸19の外歯ギヤ26よりも排紙ローラ161a側には、プーリ18と電磁クラッチ5とが同軸上で、プーリ18が回転軸19に対して回転自在に、電磁クラッチ5が回転軸19に対して締結及び締結解除可能に支持されている。プーリ18と電磁クラッチ5とは、駆動爪5aを介して係合しており一体で回転可能となっている。固定軸15に設けられたアイドラギヤプーリ13のプーリ部13bと、回転軸19に設けられたプーリ18とには、タイミングベルト17が架け渡されている。
また、側板32に設けられた軸受32cによって、定着ローラ45の回転軸45aが回転可能に支持されている。回転軸45aの軸受32cよりも軸方向外側端部には定着ギヤ121が設けられている。そして、モータギヤ1aと噛み合う駆動入力ギヤ部120aと、定着ギヤ121と噛み合う駆動出力ギヤ部120bとを同軸上に有する駆動ギヤ120が、側板31と側板32とに固定された回転軸110に回転自在に支持されている。これにより、モータ1の回転駆動力によりモータギヤ1aが回転することで、駆動ギヤ120と定着ギヤ121とを介して定着ローラ45を回転させることができる。
図8に示す駆動装置30においては、モータ1の駆動力を排紙ローラ161aに伝達するための二系統の駆動伝達経路の一方である第一駆動伝達経路R1は、外歯ギヤ部13aと外歯ギヤ26とトルクリミッタ8とによって構成されている。また、二系統の駆動伝達経路の他方である第二駆動伝達経路R2は、プーリ部13bとタイミングベルト17とプーリ18と電磁クラッチ5とによって構成されている。そして、第一駆動伝達経路R1と第二駆動伝達経路R2とでは、排紙ローラ161aの回転方向が互いに逆向きとなるように、それぞれ駆動伝達がなされる。
図8に示す駆動装置30において、電磁クラッチ5をOFFした状態で排紙ローラ161aを駆動させる場合でのモータ1から排紙ローラ161aへの駆動伝達は、次のように行われる。モータ1は、モータギヤ1aからアイドラギヤプーリ13の外歯ギヤ部13aを介して外歯ギヤ26を駆動する。外歯ギヤ部13aから外歯ギヤ26に伝達された駆動力は、駆動爪8aで外歯ギヤ26と係合されたトルクリミッタ8を介して回転軸19に伝達される。また、電磁クラッチ5がOFFであることで、回転軸19に対して電磁クラッチ5が空転するため、アイドラギヤプーリ13のプーリ部13bからタイミングベルト17を介してプーリ18に伝達された駆動力は、電磁クラッチ5を介して回転軸19には伝わらない。すなわち、プーリ部13bとタイミングベルト17とプーリ18と電磁クラッチ5とで構成された第二駆動伝達経路R2からは、回転軸19にアイドラギヤプーリ13からの駆動力は伝達されない。これにより、回転軸19に設けられた排紙ローラ161aは、外歯ギヤ部13aと外歯ギヤ26とトルクリミッタ8とで構成された第一駆動伝達経路R1から伝達された駆動力によって、アイドラギヤプーリ13の回転方向とは逆方向で回転される。
一方、図8に示す駆動装置30において、電磁クラッチ5をONした状態で排紙ローラ161aを駆動させる場合でのモータ1から排紙ローラ161aへの駆動伝達は、次のように行われる。モータ1は、モータギヤ1aからアイドラギヤプーリ13の外歯ギヤ部13aを介して外歯ギヤ26を駆動する。外歯ギヤ部13aから外歯ギヤ26に伝達された駆動力は、駆動爪8aで外歯ギヤ26と係合されたトルクリミッタ8を介して回転軸19に伝達される。これにより、回転軸19は、アイドラギヤプーリ13の回転方向とは逆方向の駆動が入力されることになる。また、電磁クラッチ5がONであることで、回転軸19に対して電磁クラッチ5が固定され回転軸19と一体で電磁クラッチ5が回転する。そのため、アイドラギヤプーリ13のプーリ部13bからタイミングベルト17を介してプーリ18に伝達された駆動力が、電磁クラッチ5を介して回転軸19に伝達される。これにより、回転軸19には、アイドラギヤプーリ13の回転方向と同一方向の駆動が入力されることになる。
ここで、回転軸19には、回転方向が異なる二つの駆動力が入力されるが、トルクリミッタ8は前記トルク設定値として、排紙ローラ161aの回転軸19の駆動トルクよりも大きく、かつ、電磁クラッチ5の伝達トルクよりも低く、空転トルクが設定されている。そのため、電磁クラッチ5の伝達トルクを受けたトルクリミッタ8は空転し、第一駆動伝達経路R1から回転軸19への駆動伝達が遮断され、第二駆動伝達経路R2からの駆動伝達により、アイドラギヤプーリ13の回転方向と同一方向に回転軸19が駆動される。よって、回転軸19に設けられた排紙ローラ161aは、プーリ部13bとタイミングベルト17とプーリ18と電磁クラッチ5とで形成される第二駆動伝達経路R2から伝達された駆動力により、アイドラギヤプーリ13の回転方向と同一方向で回転される。
また、構成例2に係る駆動装置30においては、構成例1に係る駆動装置30に対して、図1に示す回転軸4を図8に示す固定軸15にすることができ、回転軸4を軸支していた軸受31a,32aが不要となり、その分、低コスト化を図ることができる。また、排紙ローラ161aの回転軸19上にトルクリミッタ8と電磁クラッチ5とを配置するため、構成例1に係る駆動装置30に比べて、電磁クラッチ5の交換の作業性を向上させることができる。なお、構成例1に係る駆動装置30においては、電磁クラッチ5の交換を行う場合に、図1に示す回転軸4を外す必要があるため、その分、電磁クラッチ5の交換の作業性が煩雑となる。
なお、これまで単一のモータ1によって排紙ローラ161aと定着ローラ45とを駆動させる構成で説明したが、さらに感光体24と給紙ローラ42とレジストローラ43とをモータ1によって回転駆動させるように構成してもよい。
図9は、単一のモータ1からの回転駆動力により、排紙ローラ161aと定着ローラ45と感光体24と給紙ローラ42とレジストローラ43とを回転駆動させる駆動装置30の概略断面図である。この駆動装置30は、側板32にモータ1が取り付けられており、モータ1のモータギヤ1aが、駆動ギヤ133のギヤ部133aと噛み合っている。駆動ギヤ133は、ギヤ部133aと同軸のプーリ部133bを有しており、側板32と側板33とに固定された回転軸130を中心に回転可能に支持されている。駆動ギヤ133のプーリ部133bには、タイミングベルト134がかけまわされている。また、タイミングベルト134は、アイドラギヤ2のプーリ部2bにかけまわされている。アイドラギヤ2は、プーリ部2bと同軸のギヤ部2aを有しており、側板31と側板32とに固定された固定軸12に回転自在に支持されている。また、側板31に設けられた軸受31aと、側板32に設けられた軸受32aとによって、入力側回転軸である回転軸4が回転可能に支持されている。この回転軸4には、アイドラギヤ2のギヤ部2aと噛み合う外歯ギヤ3が固定ピン4aで固定されており、外歯ギヤ3と回転軸4とが一体で回転する。また、回転軸4の軸方向で外歯ギヤ3よりも排紙ローラ161a側には、電磁クラッチ5とプーリ6とが同軸上で、電磁クラッチ5が回転軸4に対して締結及び締結解除可能に、プーリ6が回転自在に支持されている。
出力側の回転軸である、排紙ローラ161aの回転軸19は、回転軸4に対して径方向にずれた位置に設けられており、側板32に設けられた軸受32bに回転自在に支持されている。回転軸19には、外歯ギヤ3と噛み合う外歯ギヤ27が回転自在に支持されており、この外歯ギヤ27は、回転軸19に固定ピン19aで固定された、予め定められたトルク設定値以上のトルクを受けたときに空転するトルクリミッタ8と駆動爪8aで係合している。また、回転軸19の軸方向でトルクリミッタ8よりも排紙ローラ161a側には、プーリ11が回転軸19に固定ピン19bで固定されている。回転軸4に設けられたプーリ6と、回転軸19に設けられたプーリ11とには、タイミングベルト10が架け渡されている。
また、側板32に設けられた軸受32cによって、定着ローラ45の回転軸45aが回転可能に支持されている。そして、定着ローラ45のローラ端部に設けられたギヤ部45bと、回転軸4の軸受32aに支持された側の軸端部に設けられた伝達ギヤ21とが噛み合っており、回転軸4が回転することで、伝達ギヤ21とギヤ部45bとを介して定着ローラ45も回転する。
また、側板31に設けられた軸受31bと、側板32に設けられた軸受32dとによって、回転可能に支持された感光体24の回転軸132に、モータ1のモータギヤ1aと噛み合う内歯ギヤ131が固定されている。そして、モータギヤ1aから内歯ギヤ131に伝達された回転駆動力により内歯ギヤ131が回転することで、回転軸132を介して感光体24が回転する。
駆動ギヤ133のギヤ部133aは、側板32と側板33とに固定された回転軸136を中心に回転可能に支持された伝達ギヤ135とも噛み合っている。伝達ギヤ135は、側板32と側板33とに固定された回転軸138を中心に回転可能に支持された伝達ギヤ137の第一ギヤ部137aとも噛みあっている。伝達ギヤ137は、第一ギヤ部137aと同軸上で第二ギヤ部137bを有しており、第二ギヤ部137bが、レジストローラ43の回転軸43aに設けられたレジストギヤ139と、給紙ローラ42の回転軸143に設けられた給紙ギヤ141とに噛み合っている。
なお、レジストローラ43の回転軸43aは、側板32に設けられた軸受32eに回転自在に支持されている。そして、レジストギヤ139と電磁クラッチ140とが同軸上で、レジストギヤ139が回転自在に、電磁クラッチ140が回転軸4に対して締結及び締結解除可能に支持されている。レジストギヤ139と電磁クラッチ140とは、駆動爪を介して係合しており一体で回転可能となっている。給紙ローラ42の回転軸143は、側板に設けられた軸受32fに回転自在に支持されており、給紙ギヤ141と電磁クラッチ142とが同軸上で、給紙ギヤ141が回転自在に電磁クラッチ142が回転軸143に対して締結及び締結解除可能に支持されている。給紙ギヤ141と電磁クラッチ142とは、駆動爪を介して係合しており一体で回転可能となっている。
以上のような構成を採用することで、単一のモータ1からの回転駆動力により、排紙ローラ161aと定着ローラ45と感光体24と給紙ローラ42とレジストローラ43とを回転駆動させることができる。そして、上述したような排紙ローラ161aの駆動制御により、モータ1をOFFにして定着ローラ45と感光体24と給紙ローラ42とレジストローラ43と定着ローラ45を停止させずに、排紙ローラ対161で搬送される用紙Pを待機させることができる。
[実施形態2]
本発明を適用した画像形成装置の他の実施形態(以下、実施形態2という)について説明する。ここで、実施形態2に係るプリンタの基本的な構成は、実施形態1に係るプリンタの構成と同様なので、その説明は省略する
図10は、実施形態2に係る駆動装置30の概略断面図である。駆動装置30は、モータ1を備えている。モータ1は、側板31に取り付けられている。モータ1のモータギヤ1aには、駆動ギヤ123の第一ギヤ部123aが噛み合っている。駆動ギヤ123は、第一ギヤ部123aと同軸の第二ギヤ部123bを有しており、側板32と側板31とに固定された固定軸12に回転自在に支持されている。また、側板32と側板31とには、回転軸4が固定されており、この回転軸4には、入力プーリ部103bと入力ギヤ部103aとを有する入力部材103が、回転自在に支持されている。この入力部材103の入力ギヤ部103aは、駆動ギヤ123と噛み合っている。排紙ローラ161aの回転軸19は、回転軸4に対して径方向にずれた位置に設けられており、一端側は、側板32に軸受32bを介して回転自在に支持されている。また、回転軸19には、第二クラッチ109を介して入力ギヤ部103aと噛み合う出力ギヤ29が取り付けられている。また、回転軸19には、出力プーリ106が、回転軸19に対して回動自在に取り付けられている。入力プーリ部103bと出力プーリ106とには、タイミングベルト115が架け渡されている。また、回転軸19には、第一クラッチ107が固定されており、第一クラッチ107の駆動爪107aが、出力プーリ106の嵌合穴106aに嵌合している。
また、側板32に設けられた軸受32cによって、定着ローラ45の回転軸45aが回転可能に支持されている。回転軸45aの軸受32cよりも軸方向外側端部には定着ギヤ121が設けられており、この定着ギヤ121と、駆動ギヤ123の第二ギヤ部123bとが噛み合っている。これにより、モータ1の回転駆動力によりモータギヤ1aが回転することで、駆動ギヤ123と定着ギヤ121とを介して定着ローラ45を回転させることができる。
第二クラッチ109と第一クラッチ107は、それぞれコネクタ71,91により制御部200に接続されている。第二クラッチ109のコネクタ91と、第一クラッチ107のコネクタ71の色が互いに異なっており、第二クラッチ109のコネクタ91を、第一クラッチ107のコネクタを接続する箇所に誤って接続してしまうなどの不具合を抑制する構成となっている。
図11は、第一クラッチ107の概略構成図である。また、図12(a)は、第一クラッチ107と出力プーリ106とを示す斜視図であり、図12(b)は、第一クラッチ107の斜視図であり、図12(c)は、出力プーリ106の斜視図である。この第一クラッチ107は、アーマチュア107bが取り付けられた駆動伝達部材が、同軸上に配置された出力プーリとの間で駆動伝達が行われる駆動連結部材107fである点が、第二クラッチ109と異なる。それ以外の構成は、第二クラッチ109と同様な構成である。すなわち、電磁コイル部107dとロータ部107cとが取り付けられた筒状の軸固定部107eが回転軸19に固定されている。アーマチュア107bは、出力プーリ側に延びる一対の駆動爪107aを備えた駆動連結部材107fに取り付けられている。図11、図12(c)に示すように、出力プーリ106の第一クラッチ107との対向面には、一対の嵌合穴106aが形成されており、この嵌合穴106aに駆動連結部材107fの駆動爪107aが嵌合している。
電磁クラッチにおいては、アーマチュアと一体の駆動伝達部材は、クラッチON時にロータ部107c側へスライド移動してアーマチュア107bがロータ部107cに確実に吸着するように、軸固定部に対して、所定の隙間を有して軸固定部に取り付けられる。そのため、アーマチュアと一体の駆動伝達部材は、クラッチOFF時に回転軸19に対して傾く場合がある。出力プーリにアーマチュアを取り付けた場合、クラッチOFF時に出力プーリが回転軸に対して傾いてしまうと、タイミングベルトが外れてしまうなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、第一クラッチ107では、出力プーリ106を回転軸19に取り付け、駆動連結部材107fを介して出力プーリ106と第一クラッチ107とを軸方向から駆動連結している。出力プーリ106は、回転軸19に対して回転可能な隙間でよく、軸方向にスライド可能にする場合に比べて、回転軸19との隙間を小さくできる。これにより、出力プーリ106が回転軸に対して傾くのを抑制することができ、タイミングベルトが外れるなどの不具合が生じることがない。一方、アーマチュア107bが取り付けられる駆動連結部材107fは、軸方向にスライド移動可能に軸固定部に取り付けるため、クラッチOFF時に駆動連結部材が回転軸に対して傾くおそれがある。しかし、駆動連結部材が傾いても、タイミングベルトが外れるなどの不具合が生じることがない。
図13は、第二クラッチ109の概略構成図である。図13に示すように、第二クラッチ109は、電磁クラッチであり、軸固定部109e、電磁コイル部109d、ロータ部109c、アーマチュア109bなどを備えている。軸固定部109eには、回転軸19が挿入される挿入穴を有しており、その挿入穴が、断面D字形状となっている。回転軸19には、このD字形状に嵌合するように、切り欠いて、断面D字部分を有している。回転軸19の断面D字部分は、第一クラッチ107が取り付けられた箇所まで延びている。軸固定部109eの断面D字形状部分を、回転軸19の断面D字部分と嵌合させることにより、軸固定部109eを、回転軸19と連れ回りするように固定している。
軸固定部109eには、電磁コイル部109dが、軸固定部109eに対して回転自在に取り付けられている。一方、ロータ部109cは、軸固定部109eと一体で回転するよう軸固定部109eに固定されている。金属円盤からなるアーマチュア109bは、出力ギヤ29に取り付けられており、出力ギヤ29とアーマチュア109bとの一体物は、回転自在、かつ、軸方向に所定範囲移動可能に軸固定部109eに、保持されている。ロータ部109cは、電磁コイル部109dとアーマチュア109bとの間に配置されている。
クラッチOFF時は、出力ギヤ29とアーマチュア109bとの一体物は、フリーな状態となっており、軸固定部109eに対して空回り可能な状態となっている。クラッチON時は、電磁コイル部109dに電流が流れ、電磁力が発生する。電磁力が発生すると、金属円盤のアーマチュア109bが、電磁力により、電磁コイル部109dへ引き寄せられ、アーマチュア109bがロータ部109cに吸着する。これにより、出力ギヤ29との間で駆動伝達可能な状態となり、出力ギヤ29からの回転駆動力が、ロータ部109c、軸固定部109eを介して、回転軸19に伝達され、回転軸19が回転駆動する。
出力ギヤ29は、入力ギヤ部103aから駆動力を受けて回転する際、ロータ部109c側へスラスト力が働くはす歯ギヤとするのが好ましい。これにより、出力ギヤ29とアーマチュア109bとの一体物を、ロータ部109cに接触させることができ、クラッチOFFからクラッチONに切り替わったとき、タイムラグがほとんどなく、ロータ部109cにアーマチュア109bを吸着させることができる。
図10に示すように、本実施形態の駆動装置30は、回転軸4から回転軸19への駆動伝達経路を2つ有している。第一駆動伝達経路R1は、外歯ギヤの入力ギヤ部103aと、外歯ギヤの出力ギヤ29と、第二クラッチ109とで構成されている。第二駆動伝達経路R2は、入力プーリ部103bと、タイミングベルト115と、出力プーリ106と第一クラッチ107とで構成されている。
第二クラッチ109をON、第一クラッチ107をOFFにすると、回転軸19は、第一駆動伝達経路R1から駆動力が伝達される。このとき、出力プーリ106は、入力プーリ部103b、タイミングベルト115を介して、回転軸19の回転方向に対して逆向きに回転している。このとき、上述したように、第一クラッチ107はOFFとなっており、出力プーリ106は、第一クラッチ107により回転軸19と切り離されている。よって、出力プーリ106は、回転軸19の回転方向に対して逆方向に空回りし、第一クラッチ107を介して回転軸19に駆動力は伝達されない。
第二クラッチ109をOFF、第一クラッチ107をONにすると、回転軸19は、第二駆動伝達経路R2から駆動力が伝達され、回転軸19は、第一駆動伝達経路R1により駆動伝達されたときとは、逆方向に回転する。このとき、出力ギヤ29は、入力ギヤ部103aから回転軸19とは、逆回転方向に回動させる駆動力が伝達される。しかし、第二クラッチ109はOFFとなっており、出力ギヤ29は、第二クラッチ109により回転軸19と切り離なされている。よって、出力ギヤ29は、第二クラッチ109の軸固定部109eに対して逆方向に空回りし、第二クラッチ109を介して回転軸19に駆動力は伝達されない。
図14は、実施形態2における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の一例についての説明図である。定着装置40の定着ローラ45と加圧ローラ47とにより挾持搬送される用紙Pは、搬送経路Xを通り排紙ローラ対161に向かって搬送される。この際、用紙先端が用紙検知センサ101によって検知された後、用紙Pが排紙ローラ対161に到達する前に、第二クラッチ109をONにする。排紙ローラ161aは、用紙Pの後端が、用紙検知センサ101の検知位置を通過してから用紙Pの反転ポイントEに到達するまで用紙Pを搬送する。電磁クラッチは、完全に連結や遮断するためには一定の時間が必要となるため、第一クラッチ107をONする前に第二クラッチ109をOFFする。そして、第一クラッチ107がONされると、排紙ローラ161aが反転され用紙Pの搬送方向も反転させる。
反転した用紙Pは、搬送経路Yを進み用紙後端が正転ポイントGまで到達すると(紙速度と距離から算出)、第一クラッチ107をOFFし第二クラッチ109をONして排紙ローラ161aを正転させる。この正転反転駆動の切り替え制御を、用紙Pを搬送経路Yよりも先に進める準備ができるまで繰り返し用紙Pを待機させる。そして、搬送経路Yよりも先に用紙Pを進ませて良い準備ができたら、再度、第二クラッチ109をOFFした後、第一クラッチ107をONし排紙ローラ161aを逆転させて用紙Pを搬送経路Yよりも先に向けて搬送する。
図15は、実施形態2における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の制御の一例を示すタイミングチャートである。時刻Aで、用紙先端が用紙検知センサ101に到達する。時刻Bで、用紙先端が排紙ローラ対161に到達する。時刻Cで、用紙後端が用紙検知センサ101の検知位置を通過する。時刻Dで、第二クラッチ109をOFFする(用紙Pの反転ポイント)。時刻Dでの第二クラッチ109のOFFから一定時間経過した時刻Eで、第一クラッチ107をONし排紙ローラ161aを反転させる(搬送経路Xにおける用紙検知センサ101の検知位置から排紙ローラ対161のニップ位置までの距離S[mm]内で反転)。用紙先端が排紙ローラ対161を抜ける前の時刻Fで、第一クラッチ107をOFFする。時刻Fでの第一クラッチ107のOFFから一定時間経過した時刻Gで、第二クラッチ109をONし排紙ローラ161aを正転させる。時刻Hで、用紙搬送準備が完了したら、第二クラッチ109をOFFする。時刻Hでの第二クラッチ109のOFFから一定時間経過した時刻Iで、第一クラッチ107をONし排紙ローラ161aを反転させて用紙Pを搬送する。
上述した図7を用いて、本実施形態における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の他例について説明する。定着装置40の定着ローラ45と加圧ローラ47とにより挾持搬送される用紙Pは、搬送経路Xを通り排紙ローラ対161に向かって搬送される。この際、用紙先端が用紙検知センサ101によって検知された後、用紙Pが排紙ローラ対161に到達する前に、第二クラッチ109をONする。これにより、排紙ローラ161aに正転の駆動力が伝達され、排紙ローラ対161により用紙Pを排紙方向に搬送することが可能となる。そして、用紙後端が、搬送経路Xにおける用紙検知センサ101の検知位置から排紙ローラ対161のニップ位置までの距離S[mm]内に位置しているときに、第二クラッチ109をOFFし一定時間経過後に第一クラッチ107をONする。これにより、排紙ローラ161aに反転の駆動力を伝達する。
反転した用紙Pは、搬送経路Yを進み、用紙後端が用紙検知センサ102の検知位置に到達し検知されると、第一クラッチ107をOFFし一定時間経過後に第二クラッチ109をONし、排紙ローラ161aに正転の駆動力を伝達する。用紙後端が、搬送経路Yにおける排紙ローラ対161のニップ位置から用紙検知センサ102の検知位置までの距離t[mm]内に位置しているときに、再度、第二クラッチ109をOFFし第一クラッチ107をONして排紙ローラ161aを逆転させる。次に、用紙後端が用紙検知センサ102の検知位置への到達時に、用紙Pを搬送経路Yよりも先に進める準備ができていなければ、再度、第一クラッチ107をOFFし第二クラッチ109をONして排紙ローラ161aを正転させる。そして、この正転反転駆動の切り替え制御を、用紙Pを搬送経路Yよりも先に進める準備ができるまで繰り返し用紙Pを待機させる。排紙ローラ161aを逆転させて搬送される用紙Pの後端が、用紙検知センサ102の検知位置に到達したときに、搬送経路Yよりも先に用紙Pを進ませて良い準備ができていれば、第二クラッチ109をOFF及び第一クラッチ107をONし続ける。これにより、排紙ローラ161aを逆転させたまま、用紙Pを搬送経路Yよりも先に向けて搬送する。
図16は、実施形態2における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の制御の他例を示すタイミングチャートである。時刻Aで、用紙先端が用紙検知センサ101に到達し、第一クラッチ107をOFFのままで第二クラッチ109をONする。時刻Bで、用紙先端が排紙ローラ対161に到達する。時刻Cで、用紙後端が用紙検知センサ101の検知位置を通過する。時刻Dで、第二クラッチ109をOFFする(用紙Pの反転ポイント)。時刻Dでの第二クラッチ109のOFFから一定時間経過した時刻Eで、第一クラッチ107をONし排紙ローラ161aを反転させる(搬送経路Xにおける用紙検知センサ101の検知位置から排紙ローラ対161のニップ位置までの距離S[mm]内で反転)。時刻Fで、用紙後端が用紙検知センサ102で検知し、用紙Pを搬送経路Yよりも先に進める準備ができていないため、第一クラッチ107をOFFする。時刻Fでの第一クラッチ107のOFFから一定時間経過した時刻Gで、第二クラッチ109をONし排紙ローラ161aを正転させる。時刻Hで、第二クラッチ109をOFFする。時刻Hでの第二クラッチ109のOFFから一定時間経過した時刻Iで、第一クラッチ107をONする。時刻Jで、用紙後端が用紙検知センサ102の検知位置に到達し、用紙搬送準備が完了したら、第二クラッチ109をOFF及び第一クラッチ107をONし排紙ローラ161aを反転させて用紙Pを搬送する。
[変形例1]
図17は、変形例1に係る駆動装置30の概略断面図である。この変形例1では、回転軸4に第二クラッチ109と第一クラッチ107を取り付けたものである。この変形例1では、回転軸4は、側板31と側板32とに軸受31aと軸受32aとを介して回転自在に支持されている。入力ギヤ部103aは、第二クラッチ109(具体的には、第二クラッチ109のアーマチュア109b)に取り付けられており、入力プーリ部103bは、第一クラッチ107(具体的には、第一クラッチ107のアーマチュア107b)に取り付けられている。また、回転軸4には、アイドラギヤ2と噛み合う駆動アイドラギヤ25が取り付けられている。
また、側板32に設けられた軸受32cによって、定着ローラ45の回転軸45aが回転可能に支持されている。そして、定着ローラ45のローラ端部に設けられたギヤ部45bと、回転軸4の軸受32aに支持された側の軸端部に設けられた伝達ギヤ21とが噛み合っており、回転軸4が回転することで、伝達ギヤ21とギヤ部45bとを介して定着ローラ45も回転する。
第二クラッチ109がON、第一クラッチ107がOFFのときは、第一駆動伝達経路R1から回転軸19に駆動力が伝達される。このとき、回転軸19は、回転軸4の回転方向に対して逆方向に回転駆動する。回転軸19が回転軸4に対して逆回転することにより、出力プーリ106が逆回転し、入力プーリ部103bが回転軸4に対して逆回転駆動する。しかし、第一クラッチ107はOFFであるので、入力プーリ部103bは第一クラッチ107に対して空回りする。
一方、第一クラッチ107がON、第二クラッチ109がOFFのときは、第二駆動伝達経路R2から回転軸19に駆動力が伝達される。このとき、回転軸19は、回転軸4の回転方向と同方向に回転駆動する。回転軸19が回転軸4と同方向に回転することにより、回転軸4の回転方向と同方向に回転する出力ギヤ29から駆動伝達される入力ギヤ部103aが、回転軸4の回転方向に対して逆方向に回転駆動する。しかし、第二クラッチ109はOFFであるので、入力ギヤ部103aは第二クラッチ109に対して空回りする。
この変形例1では第一または第二クラッチを交換する際は、まず、側板31にアクセスして、側板31を画像形成装置から取り外す。次に、駆動アイドラギヤ25を、回転軸4から取り外した後、寿命のクラッチを取り外し、新品のクラッチを回転軸4に取り付ける。第一クラッチ107を取り替える場合は、第二クラッチ109も回転軸4から取り外す。また、側板31を取り外した後、第一、第二クラッチが取り付けられた回転軸4を軸方向に移動させて、回転軸4を側板32から取り外し、画像形成装置の外で、クラッチを交換できるように構成してもよい。また、側板31とともに、回転軸4を軸方向に移動させ、側板31とともに、回転軸4を画像形成装置から取り外し、画像形成装置の外で、回転軸4を側板31から取り外してもよい。
この変形例1では、クラッチを交換するためには、側板31と、回転軸4とのアクセス可能に画像形成装置を構成する必要があり、スペースが必要がとなる。しかし、回転軸19には、作業者がアクセス可能に構成する必要がないため、回転軸19よりも外側に、部材などを配置することができる。これにより、回転軸19と回転軸4にそれぞれにクラッチを設けた場合に比べて、各クラッチを交換するのに必要なスペースを削減することができ、画像形成装置の小型化を図ることができる。
[変形例2]
図18は、変形例2に係る駆動装置30の概略断面図である。駆動装置30は、モータ1を備えている。モータ1は、側板31に取り付けられている。側板32と側板31とには、固定軸12および固定軸14が固定されている。固定軸12には、モータ入力ギヤ部112aとモータ入力プーリ部112bと有するモータ入力部材112が回転自在に支持されている。また、固定軸14には、アイドラギヤ部104bとモータ出力プーリ部104aとを有するモータ出力部材104が回転自在に支持されている。モータ1のモータギヤ1aには、モータ入力ギヤ部112aが噛み合っており、モータ入力プーリ部112bとモータ出力プーリ部104aとには、タイミングベルト113が架け渡されている。
また、駆動装置30は、回転軸16と、回転軸19とを有している。回転軸16は、側板32と側板31とに軸受32a,32bを介して回転自在に支持されている。回転軸16は、アイドラギヤ部104bと噛み合う駆動ギヤ部105aと入力ギヤ部105bとを備えた駆動入力部材105と、第二クラッチ108と、入力プーリ9とが取り付けられている。駆動入力部材105と第二クラッチ108は、回転軸16と一体で回転するように回転軸16に固定されており、入力プーリ9は、回転軸16に回転自在に取り付けられている。入力プーリ9は、嵌合穴109aを有し、第二クラッチ108の駆動爪8aがこの嵌合穴109aに嵌合している。
回転軸19は、側板32に軸受32bを介して回転自在に支持されており、排紙ローラ161aが設けられている。また、回転軸19は、入力ギヤ部105bと噛み合う出力ギヤ116と、第一クラッチ107と、プーリ11とが取り付けられている。プーリ11と第一クラッチ107は、回転軸19と一体で回転するように回転軸19に固定されている。出力ギヤ116は、回転軸19に回転自在に取り付けられている。出力ギヤ116は、嵌合穴116aを有し、第一クラッチ107の駆動爪107aがこの嵌合穴116aに嵌合している。
また、側板32に設けられた軸受32cによって、定着ローラ45の回転軸45aが回転可能に支持されている。回転軸45aの軸受32cよりも軸方向外側端部には、定着ギヤ121が設けられている。一方で、固定軸12には、モータ入力部材112と同軸であってモータ入力ギヤ部112aに一体で設けられた駆動ギヤ122が回転可能に支持されており、この駆動ギヤ122と定着ギヤ121とが噛み合っている。これにより、モータ1の回転駆動力によりモータギヤ1aが回転することで、モータ入力部材112と駆動ギヤ122と定着ギヤ121とを介して定着ローラ45を回転させることができる。
本実施形態の駆動装置30は、回転軸16から回転軸19への駆動伝達経路を2つ有している。第一駆動伝達経路R1は、外歯ギヤの入力ギヤ部105bと、外歯ギヤの出力ギヤ116と、第一クラッチ107とで構成されている。第二駆動伝達経路R2は、第二クラッチ108と、入力プーリ9と、タイミングベルト10と、プーリ11とで構成されている。
第一クラッチ107と第二クラッチ108は、それぞれコネクタ71、81により制御部200に接続されている。第一クラッチ107のコネクタ71と、第二クラッチ108のコネクタ81の色が互いに異なっており、第一クラッチ107のコネクタ71と、第二クラッチ108のコネクタ81とを容易に識別できるようになっている。これにより、クラッチのコネクタの誤接続を抑制できる。本実施形態では、色により識別可能にしているが、形状により識別可能としてもよい。
次に、排紙ローラ161aへの駆動伝達について説明する。第一クラッチ107をON、第二クラッチ108をOFFにすると、回転軸19は、第一駆動伝達経路R1から駆動力が伝達される。このとき、回転軸19は、回転軸16とは逆方向に回転駆動する。また、第一駆動伝達経路R1から駆動力が伝達されて、回転軸19が回転すると、回転軸19とともに、プーリ11が回転軸16の回転方向とは逆方向に回転する。その結果、タイミングベルト10を介して入力プーリ9に回転軸16とは逆方向に回動させる駆動力が伝達される。このとき、上述したように、第二クラッチ108はOFFとなっており、また、入力プーリ9は、回転軸16に対して回転自在に支持されている。よって、入力プーリ9は、回転軸16とは逆方向に空回りする。
第一クラッチ107をOFF、第二クラッチ108をONにすると、回転軸19は、第二駆動伝達経路R2から駆動力が伝達され、回転軸19は、回転軸16と同方向に回転駆動する。このとき、出力ギヤ116は、入力ギヤ部105bから回転軸19とは、逆回転方向に回動させる駆動力が伝達される。しかし、第一クラッチ107はOFFとなっており、出力ギヤ116は、回転軸19に対して回転自在に支持されている。よって、出力ギヤ116は、回転軸19に対して逆方向に空回りする。
[実施形態3]
本発明を適用した画像形成装置の他の実施形態(以下、実施形態3という)について説明する。ここで、実施形態3に係るプリンタの基本的な構成は、実施形態1に係るプリンタの構成と同様なので、その説明は省略する。
図19は、実施形態3に係る駆動装置30の概略断面図である。図20は、駆動伝達経路を構成するギヤ列の切り替えについての説明図である。本実施形態に係る駆動装置30は、モータ1を備えている。モータ1は、側板31に取り付けられている。モータ1のモータギヤ1aには、駆動ギヤ301の第一ギヤ部301aが噛み合っている。駆動ギヤ301は、第一ギヤ部301aと同軸の第二ギヤ部301bを有しており、側板331と側板332とに固定された固定軸341に回転自在に支持されている。また、側板31と側板32とには、回転軸342が回転可能に支持されている。この回転軸342には、駆動ギヤ301の第二ギヤ部301bと噛み合う伝達ギヤ302と、定着ローラ45のギヤ部45bと噛み合う伝達ギヤ305とが、それぞれ固定ピン342aと固定ピン342bとによって固定支持されている。
本実施形態に係る駆動装置においては、排紙ローラ161aの回転軸19には、固定ピン19aで固定された排紙ギヤ304が設けられており、この排紙ギヤ304に、モータ1からの回転駆動力を伝達するためのギヤ列を二つ有している。この二つのギヤ列の一方である第一排紙ギヤ列310は、偶数個のギヤからなり、排紙ギヤ304に回転駆動力を伝達する一つ目の経路を形成する。前記二つのギヤ列の他方である第二排紙ギヤ列320は、奇数個のギヤからなり、第一排紙ギヤ列310とは独立した経路で排紙ギヤ304に回転駆動力を伝達する二つ目の経路を形成する。第一排紙ギヤ列310は、第一ギヤ列上流ギヤ311と第一ギヤ列下流ギヤ312との二つのギヤで構成されており、第一ギヤ列下流ギヤ312と排紙ギヤ304とが噛み合っている。第二排紙ギヤ列320は、第二ギヤ列上流ギヤ321と第二ギヤ列中央ギヤ322と第二ギヤ列下流ギヤ323との三つのギヤで構成されており、第二ギヤ列下流ギヤ323と排紙ギヤ304とが噛み合っている。なお、第一排紙ギヤ列310の第一ギヤ列上流ギヤ311及び第一ギヤ列下流ギヤ312は、側板331と側板332とに固定された回転軸344,345にそれぞれ回転可能に支持されている。また、第二排紙ギヤ列320の第二ギヤ列上流ギヤ321、第二ギヤ列中央ギヤ322及び第二ギヤ列下流ギヤ323は、側板331と側板332とに固定された回転軸346,347,348にそれぞれ回転可能に支持されている。
さらに、駆動装置は、第一ギヤ列上流ギヤ311と噛み合う第一駆動伝達位置と、第二ギヤ列上流ギヤ321と噛み合う第二駆動伝達位置との間を移動可能な切替ギヤ303を備える。切替ギヤ303は、第一駆動伝達位置または第二駆動伝達位置に位置することで、排紙ギヤ304への駆動伝達経路が第一排紙ギヤ列または第二排紙ギヤ列に切り替えられる。切替ギヤ303は、伝達ギヤ302と噛み合うとともに、伝達ギヤ302の回転軸342を回動中心として回動可能に装置本体に対して支持されたリンク部材352に、回転軸343を中心に回転可能に支持されている。そして、リンク部材352が揺動することで、第一駆動伝達位置と第二駆動伝達位置との間を移動する構成となっている。リンク部材352には、ソレノイド350のプランジャ351が接続されており、ソレノイド350が非通電状態(OFF状態)では、プランジャ351が伸びきった状態となり、切替ギヤ303と第一ギヤ列上流ギヤ311とが噛み合う。一方、ソレノイド350が通電状態(ON状態)では、プランジャ351が引き込まれた状態となり、リンク部材352が回転軸342を中心に図中時計回り方向に回動して、切替ギヤ303と第二ギヤ列上流ギヤ321とが噛み合う。
また、側板332に設けられた軸受332cによって、定着ローラ45の回転軸45aが回転可能に支持されている。そして、定着ローラ45のローラ端部に設けられたギヤ部45bと、回転軸342の軸受332aに支持された側の軸端部に設けられた伝達ギヤ305とが噛み合っている。これにより、回転軸342が回転することで、伝達ギヤ305とギヤ部45bとを介して定着ローラ45も回転する。
本実施形態に係る駆動装置においては、上述したように第一駆動伝達位置と第二駆動伝達位置との間で切替ギヤ303の位置を切り替えることにより、切替ギヤ303から回転駆動力が伝達されるギヤ列を切り替えることができる。また、第一排紙ギヤ列310はギヤの数が偶数個で、第二排紙ギヤ列320はギヤの数が奇数個であるため、第一駆動伝達ギヤ列と第二駆動伝達ギヤ列とでは、排紙ギヤ304に伝達する回転駆動力の回転方向が異なる。よって、排紙ギヤ304に回転駆動力を伝達するギヤ列を切り替えることで、モータ1から入力される一定方向の回転駆動力を、排紙ローラ161aに対して正逆いずれの方向の回転駆動力としても伝達することができる。このため、モータ1から定着ローラ45に正転方向の回転駆動力を入力する必要があるタイミングであっても、切替ギヤ303の位置を第一駆動伝達位置と第二駆動伝達位置との間で切り替えることで、排紙ローラ161aに逆転方向の回転駆動力を入力することができる。
上述した図5を用いて、本実施形態における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の一例について説明する。定着装置40の定着ローラ45と加圧ローラ47とにより挾持搬送される用紙Pは、搬送経路Xを通り排紙ローラ対161に向かって搬送される。この際、用紙先端が用紙検知センサ101によって検知された後、用紙Pが排紙ローラ対161に到達する。排紙ローラ161aは、第一排紙ギヤ列310を介して正転の駆動力が伝達され用紙Pを排紙方向に搬送する。そして、用紙Pの後端が、用紙検知センサ101の検知位置を通過してから用紙Pの反転ポイントDに位置しているときに、ソレノイド350をONする。これにより、第一駆動伝達位置から第二駆動伝達位置に切替ギヤ303が移動し、第二排紙ギヤ列320介して排紙ローラ161aに反転の駆動力が伝達される。
反転した用紙Pが搬送経路Yを進み、用紙後端が正転ポイントEまで到達すると(紙速度と距離から算出)、ソレノイド350をOFFし、第二駆動伝達位置から第一駆動伝達位置に切替ギヤ303を移動させる。これにより、第一排紙ギヤ列310を介して排紙ローラ161aに正転の駆動力を伝達する。用紙後端が、逆転ポイントFに達したら、再度、ソレノイド350をONして、第一駆動伝達位置から第二駆動伝達位置に切替ギヤ303が移動し、第二排紙ギヤ列320を介して排紙ローラ161aを逆転させる。この正転反転駆動の切り替え制御を、用紙Pを搬送経路Yよりも先に進める準備ができるまで繰り返し用紙Pを待機させる。搬送経路Yよりも先に用紙Pを進ませて良い準備ができていれば、ソレノイド350をONし続け排紙ローラ161aを逆転させたまま用紙Pを搬送経路Yよりも先に向けて搬送する。
これにより、モータ1をOFFにして定着ローラ45の回転を停止させることなく、用紙搬送経路中の所望の位置で用紙Pを待機させることができる。
上述した図7を用いて、本実施形態における排紙ローラの回転駆動を正転と反転とで切替を行って用紙を搬送経路中で待機させる場合の他例について説明する。定着装置40の定着ローラ45と加圧ローラ47とにより挾持搬送される用紙Pは、搬送経路Xを通り排紙ローラ対161に向かって搬送される。この際、用紙先端が用紙検知センサ101によって検知された後、用紙Pが排紙ローラ対161に到達する。排紙ローラ161aは、第一排紙ギヤ列310を介して正転の駆動力が伝達され用紙Pを排紙方向に搬送する。そして、用紙Pの後端が、用紙検知センサ101の検知位置を通過してから、搬送経路Xにおける用紙検知センサ101の検知位置から排紙ローラ対161のニップ位置までの距離S[mm]内に位置しているときに、ソレノイド350をONする。これにより、第一駆動伝達位置から第二駆動伝達位置に切替ギヤ303が移動し、第二排紙ギヤ列320介して排紙ローラ161aに反転の駆動力が伝達される。
反転した用紙Pは、搬送経路Yを進み、用紙後端が用紙検知センサ102の検知位置に到達し検知されると、ソレノイド350をOFFし、第二駆動伝達位置から第一駆動伝達位置に切替ギヤ303を移動させ、第一排紙ギヤ列310を介して排紙ローラ161aに正転の駆動力を伝達する。用紙後端が、搬送経路Yにおける排紙ローラ対161のニップ位置から用紙検知センサ102の検知位置までの距離t[mm]内に位置しているときに、再度、ソレノイド350をONして、第一駆動伝達位置から第二駆動伝達位置に切替ギヤ303が移動し、第二排紙ギヤ列320を介して排紙ローラ161aを逆転させる。次に、用紙後端が用紙検知センサ102の検知位置への到達時に、用紙Pを搬送経路Yよりも先に進める準備ができていなければ、再度、ソレノイド350をOFFし、第二駆動伝達位置から第一駆動伝達位置に切替ギヤ303を移動させ、第一排紙ギヤ列310を介して排紙ローラ161aを正転させる。そして、この正転反転駆動の切り替え制御を、用紙Pを搬送経路Yよりも先に進める準備ができるまで繰り返し用紙Pを待機させる。用紙後端が用紙検知センサ102の検知位置への到達時に、搬送経路Yよりも先に用紙Pを進ませて良い準備ができていれば、ソレノイド350をONし続け排紙ローラ161aを逆転させたまま用紙Pを搬送経路Yよりも先に向けて搬送する。
これにより、モータ1をOFFにして定着ローラ45の回転を停止させることなく、用紙搬送経路中の所望の位置で用紙Pを待機させることができる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
モータ1などの駆動源と、前記駆動源から入力される回転駆動力を、用紙などの搬送対象物を搬送する排紙ローラ161aなどの搬送回転体まで伝達する一つ目の伝達経路を形成する第一駆動伝達経路と、前記駆動源から入力される回転駆動力を前記第一駆動伝達経路に対して逆回転の回転駆動力として前記搬送回転体まで伝達する二つ目の伝達経路を形成する第二駆動伝達経路と、前記駆動源から前記搬送回転体への駆動伝達経路を、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とで切り替える電磁クラッチ5やトルクリミッタ8などで構成される駆動伝達経路切り替え手段とを備えた駆動装置30などの駆動装置において、前記搬送回転体による一つの搬送対象物の搬送中に、前記駆動伝達経路切り替え手段による駆動伝達経路の切り替えを少なくとも二回以上行う。
(態様A)においては、搬送回転体による一つの搬送対象物の搬送中に、駆動源から搬送回転体への駆動伝達経路を第一駆動伝達経路と第二駆動伝達経路とで交互に繰り返し切り替えて、搬送回転体を正回転と逆回転とに交互で回転させる。これにより、搬送回転体によって搬送させる搬送対象物を、搬送経路の所定範囲内で進めたり戻したりして留まらせることができる。よって、新たな手法により、搬送回転体で搬送させる搬送対象物を搬送経路内で待機させことができる。
(態様B)
(態様A)において、前記駆動伝達経路切り替え手段は、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とのうちの一方の駆動伝達経路に対して、駆動力を伝達する駆動伝達状態と、駆動力を遮断する駆動遮断状態とを切り替える電磁クラッチ5などの駆動伝達切り替え手段と、前記一方の駆動伝達経路が前記駆動遮断状態のときに、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路との前記二系統の駆動伝達経路のうちの他方の駆動伝達経路から前記搬送回転体への駆動力の伝達を許容し、前記一方の駆動伝達経路が前記駆動伝達状態のときに前記他方の駆動伝達経路から前記搬送回転体への駆動伝達を制限するトルクリミッタ8などの駆動伝達許容制限変更手段とを有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動源をOFFさせることなく、搬送回転体で搬送される搬送対象物を搬送経路内で待機させることができる。
(態様C)
(態様A)において、前記第一駆動伝達経路及び前記第二駆動伝達経路は、駆動力を伝達する状態と駆動力の伝達を遮断する状態とを切り替え可能な第一クラッチ7や第二クラッチ9などの駆動伝達切り替え手段をそれぞれ有しており、前記駆動伝達経路切り替え手段は、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路それぞれの前記駆動伝達切り替え手段を制御して、該第一駆動伝達経路または該第二駆動伝達経路から選択的に前記搬送回転体への駆動伝達経路を切り替える。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動源をOFFさせることなく、搬送対象物を確実に待機させることができる。
(態様D)
(態様A)において、前記第一駆動伝達経路は、前記駆動源から入力される回転駆動力を前記搬送回転体まで伝達する第一排紙ギヤ列310などの第一ギヤ列であり、前記第二駆動伝達経路は、前記駆動源から入力される回転駆動力を前記第一ギヤ列に対して逆回転の回転駆動力として前記搬送回転体まで伝達する第二排紙ギヤ列320などの第二ギヤ列であり、前記第一ギヤ列の一部を構成する位置となる第一駆動伝達位置と、前記第二ギヤ列の一部を構成する位置となる第二駆動伝達位置と、の間を移動可能な切替ギヤ303などの位置可変ギヤを備えており、前記駆動伝達経路切り替え手段は、前記位置可変ギヤを前記第一駆動伝達位置と前記第二駆動伝達位置との間で移動させて駆動伝達経路を切り替える。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動源をOFFさせることなく、搬送対象物を用紙を搬送経路で待機させることができる。
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、搬送対象物を検知する用紙検知センサ101などの搬送対象物検知手段を有しており、前記駆動伝達経路切り替え切り替え手段は、前記駆動伝達経路の一回目の切り替え時にのみ前記搬送対象物検知手段の検知結果に基づいて該駆動伝達経路の切り替えを行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、搬送対象物検知手段の数を減らせる分、低コスト化を図ることが可能となる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、搬送対象物を検知する用紙検知センサ101,102などの搬送対象物検知手段を有しており、前記駆動伝達経路切り替え手段は、前記搬送対象物検知手段による検知結果に基づいて前記駆動伝達経路を切り替える。これによれば、上記実施形態について説明したように、搬送中に搬送対象物の位置を正確に把握することができる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、前記駆動伝達経路切り替え手段による駆動伝達経路の切り替え間隔を同じにする。これによれば、上記実施形態について説明したように、待機中の搬送対象物の挙動を同じに制御することができる。
(態様H)
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、前記駆動伝達経路切り替え手段による駆動伝達経路の切り替え間隔を100[msec]以下にする。これによれば、上記実施形態について説明したように、待機中の搬送対象物の動きを最小限に抑えることができる。
(態様I)
(態様B)、(態様E)乃至(態様H)のいずれかにおいて、前記駆動源から駆動力が入力される回転可能な入力側回転部材と、前記搬送回転体に駆動力を出力する回転可能な出力側回転部材とを有し、前記第一駆動伝達経路または前記第二駆動伝達経路を介して、前記入力側回転部材から前記出力側回転部材に駆動力が伝達されるように構成されており、前記入力側回転部材を回転可能に支持する入力側回転軸上に前記駆動伝達切り替え手段を設けた。これによれば、上記実施形態について説明したように、入力側回転軸を別の駆動力に使用することが可能となる。
(態様J)
(態様B)、(態様E)乃至(態様H)のいずれかにおいて、前記駆動源から駆動力が入力される回転可能な入力側回転部材と、前記搬送回転体に駆動力を出力する回転可能な出力側回転部材とを有し、前記第一駆動伝達経路または前記第二駆動伝達経路を介して、前記入力側回転部材から前記出力側回転部材に駆動力が伝達されるように構成されており、前記出力側回転部材を回転可能に支持する出力側回転軸上に、前記駆動伝達切り替え手段と前記駆動伝達許容制限変更手段とを設けた。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動伝達切り替え手段と、駆動伝達許容制限変更手段とを一つの軸に取り付けることができるため、駆動伝達切り替え手段の交換性が良い。
(態様K)
(態様B)、(態様E)乃至(態様J)のいずれかにおいて、前記駆動伝達許容制限変更手段は、予め定められたトルク設定値以上のトルクを受けたときに駆動伝達を遮断するトルク制限手段であり、前記トルク設定値が、前記搬送回転体の駆動トルクよりも高く、かつ、前記駆動伝達切り替え手段の伝達トルクよりも低い。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動伝達切り替え手段からの駆動力によって被駆動体を駆動させることが可能となる。
(態様L)
(態様K)において、前記トルク制限手段が、前記トルク設定値以上のトルクを受けたときに空転するトルクリミッタである。これによれば、簡単な構成で駆動の伝達と遮断とを変更することができる。
(態様M)
(態様B)、(態様C)、(態様E)乃至(態様L)のいずれかにおいて、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とのうち、一方はベルト部材を用いて駆動伝達を行うように構成しており、他方は外歯ギヤのみで駆動伝達を行うように構成した。これによれば、上記実施形態について説明したように、ベルト部材を用いた駆動伝達経路は、ギヤを用いた場合に比べて、高速域での静音性に優れている。したがって、複数の駆動伝達経路の前記一方をベルト部材を用いて駆動伝達を行うように構成することで、ギヤを用いる場合に比べて、静音化を図ることができる。また、外歯ギヤは、ベルト部材に比べて耐久性が高い。したがって、複数の駆動伝達経路の前記他方を外歯ギヤのみで駆動伝達を行うように構成することによって、その駆動伝達経路の耐久性を高めることができる。
(態様N)
(態様B)、(態様C)、(態様E)乃至(態様L)のいずれかにおいて、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とのうち、駆動時間が短いまたは使用頻度が少ないほうの駆動伝達経路に、前記駆動伝達切り替え手段を設けた。これによれば、上記実施形態について説明したように、消費電力の低減や高耐久性を図ることができる。
(態様O)
(態様B)、(態様C)、(態様E)乃至(態様L)のいずれかにおいて、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路それぞれの前記駆動伝達切り替え手段を同一の回転軸に取り付けた。これによれば、上記実施形態について説明したように、互いに異なる回転軸に駆動伝達切り替え手段を取り付けた構成に比べて、駆動装置が搭載される装置の小型化を図ることができる。
(態様P)
(態様B)、(態様C)、(態様E)乃至(態様L)のいずれかにおいて、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路それぞれの前記駆動伝達切り替え手段を異なる回転軸に取り付ける構成を採用することが可能である。
(態様Q)
(態様B)、(態様C)、(態様E)乃至(態様L)のいずれかにおいて、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とのうち、少なくとも駆動伝達経路への負荷変動が最も大きい駆動伝達経路を、ベルトを用いて駆動伝達を行うように構成した。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動伝達時に負荷変動が発生したとき、ベルトが弾性変形することにより負荷を吸収することができる。よって、駆動伝達切り替え手段により駆動力の伝達を遮断した状態から、駆動力を伝達する状態へと切り替えたときの衝撃などにより、駆動伝達経路を構成する駆動伝達部材が破損したりするのを抑制することができる。
(態様R)
(態様B)、(態様C)、(態様E)乃至(態様L)のいずれかにおいて、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とのうち少なくとも一つは、外歯ギヤのみで構成した。これによれば、上記実施形態について説明したように、その駆動伝達経路の耐久性を高めることができる。
(態様S)
(態様B)、(態様C)、(態様E)乃至(態様L)のいずれかにおいて、前記駆動伝達切り替え手段に設けられた駆動伝達部材は、径方向に隣接する駆動伝達部材に接続されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、径方向に隣接する駆動伝達部材から伝達される駆動力を、駆動伝達切り替え手段により遮断したり、回転軸に伝達したりすることができる。
(態様T)
(態様S)において、前記駆動伝達切り替え手段は、前記駆動伝達部材と軸方向で連結するものであり、前記駆動伝達部材は、前記駆動伝達切り替え手段との連結方向にスラスト力が働くはす歯ギヤである。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動伝達部材を、駆動伝達切り替え手段の連結部に接触させることができ、駆動力の伝達を遮断した状態から、駆動力を伝達する状態へと切り替えたとき、タイムラグがほとんどなく、駆動伝達部材と連結することができる。
(態様U)
(態様B)、(態様C)、(態様E)乃至(態様L)のいずれかにおいて、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とのうち、少なくとも一つはベルトを用いて駆動伝達を行う駆動伝達経路であり、前記ベルトを用いて駆動伝達を行う駆動伝達経路の前記駆動伝達切り替え手段の駆動力の伝達を遮断する状態から駆動力を伝達する状態に切り替えるタイミングを、ベルトを用いずに駆動伝達を行う駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段の駆動力の伝達を遮断する状態から駆動力を伝達する状態に切り替えるタイミングに比べて早くした。これによれば、上記実施形態について説明したように、ベルトを用いて駆動伝達を行う駆動伝達経路を介して駆動力が伝達される際の、駆動開始遅れを防止することができる。
(態様V)
(態様C)、(態様E)乃至(態様U)のいずれかにおいて、前記駆動伝達切り替え手段を制御する制御手段に接続する各駆動伝達切り替え手段の接続コネクタに、どの駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段の接続コネクタであるのかを識別するための識別手段を設けた。これによれば、接続コネクタの誤接続を抑制することができる。
(態様W)
(態様C)、(態様E)乃至(態様V)のいずれかにおいて、各駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段を、同一形状とした。これによれば、上記実施形態について説明したように、劣化の進行が早い駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段と、劣化の進行が遅い駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段とを定期的に入れ替えることができ、駆動伝達切り替え手段の寿命を延ばすことが可能となる。
(態様X)
(態様B)、(態様C)、(態様E)乃至(態様W)のいずれかにおいて、前記駆動伝達切り替え手段が、電磁クラッチである。これによれば、上記実施形態について説明したように、電磁クラッチのONとOFFで、駆動力を伝達する状態と、駆動力の伝達を遮断する状態とを切り替えることが可能となる。
(態様Y)
(態様X)において、前記電磁クラッチとプーリとが別体で同じ軸に対して保持されている。これによれば、プーリの取り付け精度が向上するため、搬送回転体の回転精度を向上させることができる。また、電磁クラッチの耐久性を向上させることができる。
(態様Z)
画像を形成する画像形成手段と、被駆動体に駆動力を伝達させて駆動させる駆動手段とを備えた画像形成装置において、前記駆動手段として、(態様A)乃至(態様Y)のいずれか一記載の駆動装置を用いた。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動源をOFFすることなく、搬送対象物搬送経路中の所望の位置で搬送対象物を待機させて画像形成を行うことができる。
1 モータ
1a モータギヤ
2 アイドラギヤ
2a ギヤ部
2b プーリ部
3 外歯ギヤ
4 回転軸
4a 固定ピン
5 電磁クラッチ
5a 駆動爪
5b アーマチュア
5c ロータ部
5d 電磁コイル部
5e 軸固定部
5f 駆動連結部材
6 プーリ
6a 嵌合穴
8 トルクリミッタ
8a 駆動爪
9 入力プーリ
10 タイミングベルト
11 プーリ
12 固定軸
13 アイドラギヤプーリ
13a 外歯ギヤ部
13b プーリ部
14 固定軸
15 固定軸
16 回転軸
17 タイミングベルト
18 プーリ
19 回転軸
19a 固定ピン
19b 固定ピン
19c 固定ピン
21 伝達ギヤ
24 感光体
25 駆動アイドラギヤ
26 外歯ギヤ
27 外歯ギヤ
29 出力ギヤ
30 駆動装置
31 側板
31a 軸受
31b 軸受
32 側板
32a 軸受
32b 軸受
32c 軸受
32d 軸受
32e 軸受
32f 軸受
33 側板
40 定着装置
41 給紙カセット
42 給紙ローラ
43 レジストローラ
43a 回転軸
44 レジストローラ
45 定着ローラ
45a 回転軸
45b ギヤ部
47 加圧ローラ
56 スタック部
60 プロセスユニット
61 感光体
62 現像装置
62a 現像ローラ
63 帯電装置
64 ドラムクリーニング装置
65 光書込ユニット
70 ベルトクリーニング装置
71 コネクタ
72 クリーニングバックアップローラ
74 一次転写ローラ
75 転写ユニット
76 駆動ローラ
77 テンションローラ
78 二次転写ローラ
79 中間転写ベルト
81 コネクタ
91 コネクタ
101 用紙検知センサ
102 用紙検知センサ
103 入力部材
103a 入力ギヤ部
103b 入力プーリ部
104 モータ出力部材
104a モータ出力プーリ部
104b アイドラギヤ部
105 駆動入力部材
105a 駆動ギヤ部
105b 入力ギヤ部
106 出力プーリ
106a 嵌合穴
107 第一クラッチ
107a 駆動爪
107b アーマチュア
107c ロータ部
107d 電磁コイル部
107e 軸固定部
107f 駆動連結部材
108 第二クラッチ
109 第二クラッチ
109a 嵌合穴
109b アーマチュア
109c ロータ部
109d 電磁コイル部
109e 軸固定部
110 回転軸
112 モータ入力部材
112a モータ入力ギヤ部
112b モータ入力プーリ部
113 タイミングベルト
115 タイミングベルト
116 出力ギヤ
116a 嵌合穴
120 駆動ギヤ
120a 駆動入力ギヤ部
120b 駆動出力ギヤ部
121 定着ギヤ
122 駆動ギヤ
123 駆動ギヤ
123a 第一ギヤ部
123b 第二ギヤ部
130 回転軸
131 内歯ギヤ
132 回転軸
133 駆動ギヤ
133a ギヤ部
133b プーリ部
134 タイミングベルト
135 伝達ギヤ
136 回転軸
137 伝達ギヤ
137a 第一ギヤ部
137b 第二ギヤ部
138 回転軸
139 レジストギヤ
140 電磁クラッチ
141 給紙ギヤ
142 電磁クラッチ
143 回転軸
161 排紙ローラ対
161a 排紙ローラ
161b 排紙ローラ
170 再給紙路
200 制御部
301 駆動ギヤ
301a 第一ギヤ部
301b 第二ギヤ部
302 伝達ギヤ
303 切替ギヤ
304 排紙ギヤ
305 伝達ギヤ
310 第一排紙ギヤ列
311 第一ギヤ列上流ギヤ
312 第一ギヤ列下流ギヤ
320 第二排紙ギヤ列
321 第二ギヤ列上流ギヤ
322 第二ギヤ列中央ギヤ
323 第二ギヤ列下流ギヤ
331 側板
332 側板
332a 軸受
332c 軸受
341 固定軸
342 回転軸
342a 固定ピン
342b 固定ピン
343 回転軸
344 回転軸
345 回転軸
346 回転軸
347 回転軸
348 回転軸
350 ソレノイド
351 プランジャ
352 リンク部材
特開2014−173676号公報

Claims (26)

  1. 駆動源と、
    前記駆動源から入力される回転駆動力を、搬送対象物を搬送する搬送回転体まで伝達する一つ目の伝達経路を形成する第一駆動伝達経路と、
    前記駆動源から入力される回転駆動力を前記第一駆動伝達経路に対して逆回転の回転駆動力として前記搬送回転体まで伝達する二つ目の伝達経路を形成する第二駆動伝達経路と、
    前記駆動源から前記搬送回転体への駆動伝達経路を、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とで切り替える駆動伝達経路切り替え手段とを備えた駆動装置において、
    前記搬送回転体による一つの搬送対象物の搬送中に、前記駆動伝達経路切り替え手段による駆動伝達経路の切り替えを少なくとも二回以上行うことを特徴とする駆動装置。
  2. 請求項1に記載の駆動装置において、
    前記駆動伝達経路切り替え手段は、
    前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とのうちの一方の駆動伝達経路に対して、駆動力を伝達する駆動伝達状態と、駆動力を遮断する駆動遮断状態とを切り替える駆動伝達切り替え手段と、
    前記一方の駆動伝達経路が前記駆動遮断状態のときに、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路との前記二系統の駆動伝達経路のうちの他方の駆動伝達経路から前記搬送回転体への駆動力の伝達を許容し、前記一方の駆動伝達経路が前記駆動伝達状態のときに前記他方の駆動伝達経路から前記搬送回転体への駆動伝達を制限する駆動伝達許容制限変更手段とを有することを特徴とする駆動装置。
  3. 請求項1に記載の駆動装置において、
    前記第一駆動伝達経路及び前記第二駆動伝達経路は、駆動力を伝達する状態と駆動力の伝達を遮断する状態とを切り替え可能な駆動伝達切り替え手段をそれぞれ有しており、
    前記駆動伝達経路切り替え手段は、前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路それぞれの前記駆動伝達切り替え手段を制御して、該第一駆動伝達経路または該第二駆動伝達経路から選択的に前記搬送回転体への駆動伝達経路を切り替えることを特徴とする駆動装置。
  4. 請求項1に記載の駆動装置において、
    前記第一駆動伝達経路は、前記駆動源から入力される回転駆動力を前記搬送回転体まで伝達する第一ギヤ列であり、
    前記第二駆動伝達経路は、前記駆動源から入力される回転駆動力を前記第一ギヤ列に対して逆回転の回転駆動力として前記搬送回転体まで伝達する第二ギヤ列であり、
    前記第一ギヤ列の一部を構成する位置となる第一駆動伝達位置と、前記第二ギヤ列の一部を構成する位置となる第二駆動伝達位置と、の間を移動可能な位置可変ギヤを備えており、
    前記駆動伝達経路切り替え手段は、前記位置可変ギヤを前記第一駆動伝達位置と前記第二駆動伝達位置との間で移動させて駆動伝達経路を切り替えることを特徴とする駆動装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一記載の駆動装置において、
    搬送対象物を検知する搬送対象物検知手段を有しており、
    前記駆動伝達経路切り替え切り替え手段は、前記駆動伝達経路の一回目の切り替え時にのみ前記搬送対象物検知手段の検知結果に基づいて該駆動伝達経路の切り替えを行うことを特徴とする駆動装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一記載の駆動装置において、
    搬送対象物を検知する搬送対象物検知手段を有しており、
    前記駆動伝達経路切り替え手段は、前記搬送対象物検知手段による検知結果に基づいて前記駆動伝達経路を切り替えることを特徴とする駆動装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一記載の駆動装置において、
    前記駆動伝達経路切り替え手段による駆動伝達経路の切り替え間隔を同じにすることを特徴とする駆動装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一記載の駆動装置において、
    前記駆動伝達経路切り替え手段による駆動伝達経路の切り替え間隔を100[msec]以下にすることを特徴とする駆動装置。
  9. 請求項2、5乃至8のいずれか一記載の駆動装置おいて、
    前記駆動源から駆動力が入力される回転可能な入力側回転部材と、
    前記搬送回転体に駆動力を出力する回転可能な出力側回転部材とを有し、
    前記第一駆動伝達経路または前記第二駆動伝達経路を介して、前記入力側回転部材から前記出力側回転部材に駆動力が伝達されるように構成されており、
    前記入力側回転部材を回転可能に支持する入力側回転軸上に前記駆動伝達切り替え手段を設けたことを特徴とする駆動装置。
  10. 請求項2、5乃至8のいずれか一記載の駆動装置おいて、
    前記駆動源から駆動力が入力される回転可能な入力側回転部材と、
    前記搬送回転体に駆動力を出力する回転可能な出力側回転部材とを有し、
    前記第一駆動伝達経路または前記第二駆動伝達経路を介して、前記入力側回転部材から前記出力側回転部材に駆動力が伝達されるように構成されており、
    前記出力側回転部材を回転可能に支持する出力側回転軸上に、前記駆動伝達切り替え手段と前記駆動伝達許容制限変更手段とを設けたことを特徴とする駆動装置。
  11. 請求項2、5乃至10のいずれか一記載の駆動装置おいて、
    前記駆動伝達許容制限変更手段は、予め定められたトルク設定値以上のトルクを受けたときに駆動伝達を遮断するトルク制限手段であり、前記トルク設定値が、前記搬送回転体の駆動トルクよりも高く、かつ、前記駆動伝達切り替え手段の伝達トルクよりも低いことを特徴とする駆動装置。
  12. 請求項11に記載の駆動装置において、
    前記トルク制限手段が、前記トルク設定値以上のトルクを受けたときに空転するトルクリミッタであることを特徴とする駆動装置。
  13. 請求項2、3、5乃至12のいずれか一記載の駆動装置において、
    前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とのうち、一方はベルト部材を用いて駆動伝達を行うように構成しており、他方は外歯ギヤのみで駆動伝達を行うように構成したことを特徴とする駆動装置。
  14. 請求項2、3、5乃至12のいずれか一記載の駆動装置において、
    前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とのうち、駆動時間が短いまたは使用頻度が少ないほうの駆動伝達経路に、前記駆動伝達切り替え手段を設けたことを特徴とする駆動装置。
  15. 請求項2、3、5乃至12のいずれか一記載の駆動装置において、
    前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路それぞれの前記駆動伝達切り替え手段を同一の回転軸に取り付けたことを特徴とする駆動装置。
  16. 請求項2、3、5乃至12のいずれか一記載の駆動装置において、
    前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路それぞれの前記駆動伝達切り替え手段を異なる回転軸に取り付けたことを特徴とする駆動装置。
  17. 請求項2、3、5乃至12のいずれか一記載の駆動装置において、
    前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とのうち、少なくとも駆動伝達経路への負荷変動が最も大きい駆動伝達経路を、ベルトを用いて駆動伝達を行うように構成したことを特徴とする駆動装置。
  18. 請求項2、3、5乃至12のいずれか一記載の駆動装置において、
    前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とのうち少なくとも一つは、外歯ギヤのみで構成したことを特徴とする駆動装置。
  19. 請求項2、3、5乃至12のいずれか一記載の駆動装置において、
    前記駆動伝達切り替え手段に設けられた駆動伝達部材は、径方向に隣接する駆動伝達部材に接続されていることを特徴とする駆動装置。
  20. 請求項19に記載の駆動装置において、
    前記駆動伝達切り替え手段は、前記駆動伝達部材と軸方向で連結するものであり、
    前記駆動伝達部材は、前記駆動伝達切り替え手段との連結方向にスラスト力が働くはす歯ギヤであることを特徴とする駆動装置。
  21. 請求項2、3、5乃至12のいずれか一記載の駆動装置において、
    前記第一駆動伝達経路と前記第二駆動伝達経路とのうち、少なくとも一つはベルトを用いて駆動伝達を行う駆動伝達経路であり、
    前記ベルトを用いて駆動伝達を行う駆動伝達経路の前記駆動伝達切り替え手段の駆動力の伝達を遮断する状態から駆動力を伝達する状態に切り替えるタイミングを、ベルトを用いずに駆動伝達を行う駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段の駆動力の伝達を遮断する状態から駆動力を伝達する状態に切り替えるタイミングに比べて早くしたことを特徴とする駆動装置。
  22. 請求項3、5乃至21のいずれか一記載の駆動装置において、
    前記駆動伝達切り替え手段を制御する制御手段に接続する各駆動伝達切り替え手段の接続コネクタに、どの駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段の接続コネクタであるのかを識別するための識別手段を設けたことを特徴とする駆動装置。
  23. 請求項3、5乃至22のいずれか一記載の駆動装置において、
    各駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段を、同一形状としたことを特徴とする駆動装置。
  24. 請求項2、3、5乃至23のいずれか一記載の駆動装置において、
    前記駆動伝達切り替え手段が、電磁クラッチであることを特徴とする駆動装置。
  25. 請求項24に記載の駆動装置において、
    前記電磁クラッチとプーリとが別体で同じ軸に対して保持されていることを特徴とする駆動装置。
  26. 画像を形成する画像形成手段と、
    被駆動体に駆動力を伝達させて駆動させる駆動手段とを備えた画像形成装置において、
    前記駆動手段として、請求項1乃至25のいずれか一記載の駆動装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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